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Key Of The Twilight

650メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/11/05(土) 15:51:26
【冥界】

それは優しい約束でも、誇り高き誓いでも無い。
言うなれば相互依存、危うい繋がりだ。

だが、メイヤはそれを受け入れ、繋がった手を引き寄せる。
確かに感じる温もりを、引き寄せ、抱き締めた身体の熱をしっかりと確かめ合うように。

「誰かと約束するのも、何かを誓うのも。
こうやって抱き締めるのも、初めてだけど、悪い気はしないな。」

溢れる血は朱から漆黒へ。
左の眼窩から流れる闇が悪鬼の面となるも、それとは真逆の表情をメイヤは浮かべる。

「誓うよ。
俺は、俺と、サンディの明日の為に戦う。」

そして、メイヤはゆっくりとサンディへと顔を近づけ。
溢れる闇が二人を包み、黒い球体の形を成して、収縮。

黒曜に輝く宝玉となったソレは、微振動を続けた後に、消えた。

ーーーーー

闇の巣の中でも、最も闇が濃く、冥界へと続く大渦。
そこを見詰める大烏は、紅の瞳を細めた。

その様子からは嫌悪感が見て取れ、巨鳥が一鳴きすると同時に、大渦が揺らいだ。

重低音と共に渦から漆黒の光が溢れ、黒曜の宝玉が飛び出す。
そして、飛び出した宝玉は急速回転しながら徐々にその大きさを増し、停止と同時に爆散。

大渦を、闇の巣を揺らす程の衝撃波が巻き起こした余波に叩かれ、大烏は怒りを露わに咆哮を上げた。
咆哮を上げ、大きく羽ばたく巨鳥の視線の先。

半壊した橋桁の上、サンディを降ろしたメイヤが、悪鬼の面で大烏と姿を変えたクウラへ剣を向けていた。

「確かに、お前の言う通り俺の中に異能の力は在った。
けど、それは闇の力じゃない。」

切っ先を向け、メイヤは続ける。

「命を、心を蝕む悪神を宿して尚、俺が死なずに戦えた理由。
それは、この炎だ。」

話し続けるうちに、メイヤが纏う闇はその色を黒から白へ、そして、紅蓮へと変え。
漆黒の闇は紅蓮の炎へ、バルクウェイで悪神を内側から破ったその力が姿を現した。

「鳳凰は二羽一対の神なる鳥。
死して尚、その灰から産まれ出流る不死なる神焔鳥(かえんちょう)
受け継がれる四霊の力……これが、俺の新しい翼、そして、力だ!!」

それは、四霊の一角、鳳凰の力。
雌雄一対、雄鳥である鳳の力。

巨鳥へ向ける刃を鞘に収め、メイヤは居合いの型を取った。
その姿を見、大烏は闇の大翼に漆黒の雷を孕ませ、上昇。

「知ってるか、鳥は一対の翼を持ってして、初めて空を飛ぶんだ。
俺の片翼、それはもう此処に居る。」

天を貫く嘶きと共に、八咫烏は黒雷の群を引き連れ急降下。
メイヤへ向かい、突撃した。

そして、対するメイヤはその背から紅蓮の焔翼を燃やし、燃え盛る神焔がサンディを包み、鳳と天照が同調。
二人の背に燃える焔翼が大きく羽ばたき、同時に。

「……ーー神斬り、“迦楼羅焔”」

抜き放たれた真白の刃から神焔鳥が顕現し、神焔と共に大烏へと激突。
神焔が黒雷を灼き、 迦楼羅焔が闇の巨鳥を浄滅させていく。

一片の灰すら残さずに大烏は消滅し、神焔鳥もまた、その姿を華焔と変え闇の巣を照らし、消えた。

「俺の、勝ちだ。」

【て事でメイヤvsクウラはこれにて決着っす。】


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