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Key Of The Twilight

677リト ◆wxoyo3TVQU:2016/11/28(月) 23:12:27
「そう・・・」

素っ気なく答えるリトへ目を向け、ヨハンは続ける。

「リト・・・。俺にこんなことを言う資格がないことは分かっているが、言わせてほしい。お前は生きろ。お前は必要のない存在なんかではない。お前を否定し闇の器のみを欲したのは俺だけだ。お前の母は、"お前自身"を望んでいた。」

そしてナディアも、ヨノも、"リト"を求めている。アブセルは言わずもがな。ヨハンが示すことの出来なかった感情を、他の者達は際限なくリトに向けている。そのことに気付いてほしい。

「だが俺には一族を放棄しお前を選ぶ勇気が無かった。そしていずれ失う存在ならば、情を抱くだけ無駄だと思っていた。いずれ消える運命ならば、生の喜びを与えるのは酷だと勝手に思い込んでいた。」

それでも守りたかった。・・・守りきれなかったが。
そんなヨハンの言葉をリトは静かに聞いていた。そして不器用ながらも謝罪の言葉を受け、閉ざしたままであった重い口を開いた。

「俺は・・・あんたのことが大嫌いだ。」

その言葉はこの状況で発して良いものかいささか疑問ではあったが、それでも言うべきだと思った。
この場にいる理由・・・リトが生きる意味を見つけられないように、ヨハンもまた、死を受け入れる事を阻んでいる何かがあるのだろう。そして彼の行動から、それが自分なのだと察しがついた。しかし彼は、リトに赦しを乞うているわけでもない。

「きっとこれから先も、あんたを赦すことは出来ないよ。でも、あんたがそうするしかなかった事は、理解出来る気がする。もし今同じ状況で選択を迫られたら、多分俺は自らあの穴に飛び込んだとと思う。クソみたいな一族だけど、見捨てることは出来ない。それに、その一族の中には姉様達もいるから。」

一族を見捨てれば大切な人達までも巻き込まれてしまう。守りたかった気持ちは分かる。


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