*筆者はニューズウィークのインターナショナル・エディター。以前はタイムズ・オブ・ロンドンのニューヨーク支局長を務めていたこともある。新著「The Sphinx: Franklin Roosevelt, the Isolationists and the Road to World War II」は11月に出版予定。
そのような流れの中で、アメリカ軍当局のみならず日本防衛当局にとっても参考にすべき提言の1つに「質の高い防御に依存しすぎている状況からの転換」というものがある(この種の主張は、少なからぬ戦略家たちが主張しているが、CSBA上席研究員ブライアン・クラーク著“COMMANDING THE SEAS”は詳細にこの種の主張を取り扱っている)。
文民統制(ぶんみんとうせい、シビリアン・コントロール、英: civilian control of the military)は、文民の政治家が軍隊を統制するという政軍関係における基本方針である。政治が軍事に優先することを意味する。文民(英: civilian)の語意を明確にする意図から政治統制(英: Political control)の表現が用いられる事がある。また、文民優越(英: civilian supremacy)とも言う。
文民統制・シビリアンコントロール(Civilian Control Over the Military)とは民主主義国における軍事に対する政治優先または軍事力に対する民主主義的統制をいう。すなわち、主権者である国民が、選挙により選出された国民の代表を通じ、軍事に対して、最終的判断・決定権を持つ、という国家安全保障政策における民主主義の基本原則である[1]。 軍については、一般的に最高指揮官は首相・大統領とされるが、これは、あくまでも、軍に対する関係であって、シビリアン・コントロールの主体は、立法府(国会・議会)そして究極的には、国民である[2]。このため、欧米では、その本質をより的確に表現するPolitical Control(政治的統制)、あるいは、民主的統制・デモクラティックコントロール(Democratic Control Over the Military)という表現が使われることが、より一般化しつつある。
民主主義国において、戦争・平和の問題は、国民の生命・身体の安全・自由に直結する、最も重要な問題であり、であるからこそ、主権者である国民が、国民の代表を通じて、これを判断・決定する必要がある[3]。
シビリアンコントロールにおいては、職業的軍事組織は軍事アドバイスを行い、これを受けて国民の代表が総合的見地から判断・決定を行い、その決定を軍事組織が実施するということが原則となる。国防・安全保障政策の基本的判断や決定は、選挙で選出された国民の代表が行う。これは、彼らが軍人より優秀ということではなく、国民の代表という正当性を体現するからである。そして、何よりも国民の代表は、国民に対し説明責任を持ち、したがって、国民は、彼らの決定に不服があれば、選挙を通じて彼らを排除出来るからである。
国際連合の“World Population Prospects: The 2012 Revision” によると、2015年における中位年齢(全人口のうち半分がこの年齢以下)をみると、日本は46.5歳、中国は36.0歳、北朝鮮は33.9歳、ロシアは38.5歳、インド26.9歳、アメリカは37.7歳、韓国は40.5歳である。日本は、2位のドイツ46.3歳、3位のイタリア45.0歳をしのぎ、中位年齢が世界で最も高い国である。■ 戦争抑止の最大要因は巨額の政府債務と少子化