日米同盟の「非対称性」を言う人は日本にも少なくないが、そもそも契約というものは売買契約(物と金銭の交換)でも、雇用契約(労働と給料の交換)でも非対称であるのが普通だ。日米安保条約もそうしたGive and Take の関係で成立し、日本は米国防衛の義務を負わず、日本以外では米軍との共同作戦をしないのが前提だ。その条約が両国議会の承認を受けて批准されたのだから、今回日本政府が安保条約の趣旨、規定と大きく異なるような変革を目指すのなら、安保条約を再改定し、その承認を国会に求める必要があるはず、と考える。
*筆者はニューズウィークのインターナショナル・エディター。以前はタイムズ・オブ・ロンドンのニューヨーク支局長を務めていたこともある。新著「The Sphinx: Franklin Roosevelt, the Isolationists and the Road to World War II」は11月に出版予定。