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国際関係・安全保障論

3034とはずがたり:2014/07/21(月) 19:05:52
>>3032-3034
正確にいえば、正式の国連軍は国連憲章(http://www.unic.or.jp/info/un/charter/text_japanese/)第7章「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」の各条文に基づいて、安保理の指揮下に組成される軍隊である。ところが朝鮮戦争での国連軍は安保理決議は経ているものの、安保理の指揮下にはなかった。だから正式な国連軍ではない。

完全無比な国連軍ではないから、その意味では米軍の出動が「完全無比な国連集団安全保障の枠組みに入る」とは言えない。そうだとしても、米軍出動が国連軍という色彩を強く帯びるのは間違いないだろう。

いまでも横田基地や沖縄の嘉手納飛行場など7ヵ所の施設が国連軍の後方司令部に指定され、そこでは国連旗が翻っている。日本はこれまで実際に国連軍に基地を提供してきたし、これから朝鮮半島有事が起きたときも基地を提供する相手は米国であると同時に国連軍になる。そうであるなら、日本は有事の際、実質的に国連集団安全保障の枠組みの下でも協力することになる。そういう体制を整えてきた以上、いまさら日本が「国連の集団安全保障には参加していません」などとは言えない。

いまさら歴史は書き換えられない

それは地位協定からもあきらかだ。協定前文は次のように記している。

〈 1951年9月8日に日本国内閣総理大臣吉田茂とアメリカ合衆国国務長官ディーン・アチソンとの間に交換された公文において、同日サン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約の効力発生と同時に、日本国は、国際連合が国際連合憲章にしたがってとるいかなる行動についてもあらゆる援助を国際連合に与えることを要求する同憲章第2条に掲げる義務を引き受けることになると述べられているので、(中略)

日本国政府は、平和条約の効力発生の後に1または2以上の国際連合加盟国の軍隊が極東における国際連合の行動に従事する場合には、当該1または2以上の加盟国がこのような国際連合の行動に従事する軍隊を日本国内およびその附近において支持することを日本国が許し、かつ容赦することを確認したので、(中略)

日本国は、朝鮮における国際連合の行動に参加している軍隊に対し施設および役務の形で重要な援助を従来与えてきており、かつ、現に与えているので、(中略)次のとおり協定した。 〉

ここであきらかなように、そもそも地位協定自体が集団安全保障体制そのものである国連憲章を基礎にしているのだ。言い換えれば、日本は集団安全保障にコミットしたうえで地位協定を結んでいる。

もしも日本が1951年当時、実は集団安全保障には参加しない底意を秘めつつ国連に加盟し、かつ朝鮮戦争に参加した国連軍と地位協定を結んでいなかったのだとしたら、百歩譲って「日本は国連の集団安全保障には加わりません」という議論も可能かもしれない。

だが、いまさら歴史は書き換えられない。上に記したように、日本は「朝鮮における国際連合の行動に参加している軍隊に対し施設および役務の形で重要な援助を従来与えてきており、かつ、現に与えている」。しかも「日本国は、国際連合が国際連合憲章にしたがってとるいかなる行動についてもあらゆる援助を国際連合に与えることを要求する同憲章第2条に掲げる義務を引き受ける」と宣言しているのだ。

これは完全無比ではないとしても、実質的には国連の集団安全保障の枠組みに入っている、ということだ。

安倍政権が公明党や野党、あるいは世間に対して、どう説明するかは知らない。政府の説明がどうあれ、日本がサンフランシスコ平和条約に調印し、独立を回復したときから選択してきた立場と、その結果として、朝鮮半島有事で引き受けなければならない役割について、私たちは誤解すべきではない。


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