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国際関係・安全保障論

1■とはずがたり:2003/01/22(水) 12:15
経済畑出身の私の鬼門,外交・安全保障を考える。
適宜,憲法談義・世界経済等もこちらで。

2984とはずがたり:2014/04/17(木) 14:07:39
【第26回】 2014年4月17日
田岡俊次 [軍事ジャーナリスト]
迷走始めた「集団的自衛権行使容認」議論
http://diamond.jp/articles/-/51769

集団的自衛権行使の容認を巡る議論が迷走して来た。第1次安倍政権で検討された「4類型」と昨年10月に示された「5事例」を検討すると、個別的自衛権で対応可能なケース、憲法を変えないと無理筋のケースがあるうえ、行使内容の限定論に至っては、現在よりも後退する発言もある。とすれば、「集団的自衛権行使容認」の箱だけでもいま作ってあとで好みの中身を詰めるのが安倍政権の狙いと映る。

「安保法制懇」は公私混同の「お友達懇談会」だ

 2006年11月28日、29日にラトビアのリガで開かれたNATO首脳会議は日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドがNATOの「パートナー」であるとの共同宣言を出した。欧州、北米の同盟である「北大西洋条約機構」が日本など太平洋の国々を引きこもうとしたのは唐突な印象があった。2001年10月からの米英のアフガニスタン攻撃は、ゲリラ相手に苦戦が続き、欧州諸国は増派を渋り、戦費・行政経費がかさんでいたためで、「陸上自衛隊の輸送ヘリコプターを出してもらえないか」との打診もそれ以前にあった。

 安倍首相は翌2007年1月12日、ブラッセルのNATO本部で、日本の首相として初めて演説「日本はNATOのパートナーです」「いまや日本人は国際的な平和と安定のためであれば、自衛隊が海外での活動を行うことをためらいません」「日本はアフガニスタンの未来に賭けている」などと述べた。

 安倍首相は同年4月17日、私的諮問機関として「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)を設置した。のち安倍氏自身が「空疎な論議は排除した」と述べたように、13人のメンバーは集団的自衛権による武力行使を容認する人ばかりを集めた「お友達懇談会」だ。もしこれが法的根拠がある審議会のような公的機関なら、人選や討議内容について国会等で論議の対象となり得るから、一定の透明性が確保されるが、私的な懇談会なら誰を呼ぼうが、何を話そうが全くご自由だ。ところが他方でこの懇談会の事務は「内閣官房において処理する」としているから、NHK、読売新聞などは懇談会に権威を持たせるためか「政府の安保法制懇」と言い、朝日、毎日新聞などは当初の建前通り「私的諮問機関」と書いていることが示す通り、公私の別がひどくあいまいで、人治主義への傾きが顕著だ。

問題の本質は「日本防衛以外の武力行使」の是非

 憲法の解釈を変更、あるいは憲法を改定して集団的自衛権の行使を可能とすべきだ、との論の根拠は

①どの国も集団的自衛権を持つのに日本は行使できないのはおかしい
②日本は米国に守ってもらうのに、日本は米国を守らない「片務性」が米国から指摘されている
③日本周辺の戦略環境が悪化しており、同盟関係の強化が必要
④米国と中国との経済関係が拡大し、米国の日本離れが起こりつつあり、米国を引きつけておくために一層の防衛協力が必要

 の4点と思われる。

 ①については、1951年9月調印の旧日米安全保障条約の前文に、国連憲章は全ての国に個別的、集団的自衛権を認めていることを述べ、日本が「これらの権利の行使として」米軍の日本駐留を希望する、としており、基地の提供によって日本が過去60年余り集団的自衛権を行使し続けてきたことは明らかだ。

 高村正彦・自民党副総裁は1959年12月の最高裁「砂川判決」(東京都・砂川町での米空軍立川基地拡張に反対するデモ隊が柵を壊して基地内に入ったとして7人有罪)を引用して、集団的自衛権行使は以前から合憲とされてきた、と説明している。だが高村説は皮肉にもこれまで自民党が主張してきた「日本は集団的自衛権は有するが、行使はできない」との論が誤りであることを指摘する結果となった。これから考えれば今日の憲法解釈変更問題の本質は「集団的自衛権行使」の可否ではなく「日本防衛以外の武力行使」の是非、と思われる。

 ②の「片務性」は1970年代に日本が高度経済成長する中、米国で「日本は米国の保護にタダ乗りして成長した」とのやっかみから唱えられた論だ。日本は米軍に1973年(沖縄返還の翌年)時点で165ヵ所、446平方キロの基地・施設を無償で提供し、78年からは維持費は全額米国が負担するとの地位協定24条に反して、基地経費を「思いやり予算」で負担している。冷戦時代には、もし欧州や中東で米ソ戦が起きれば、日本の米軍基地なども核攻撃を受けるリスクを負っていたから「タダ乗り」は全く蒙昧の説だった。

2985とはずがたり:2014/04/17(木) 14:08:49

 日米同盟の「非対称性」を言う人は日本にも少なくないが、そもそも契約というものは売買契約(物と金銭の交換)でも、雇用契約(労働と給料の交換)でも非対称であるのが普通だ。日米安保条約もそうしたGive and Take の関係で成立し、日本は米国防衛の義務を負わず、日本以外では米軍との共同作戦をしないのが前提だ。その条約が両国議会の承認を受けて批准されたのだから、今回日本政府が安保条約の趣旨、規定と大きく異なるような変革を目指すのなら、安保条約を再改定し、その承認を国会に求める必要があるはず、と考える。

尖閣問題で米国は二枚舌

 ③の「戦略環境の悪化」も、第1次、第2次安保条約が結ばれた冷戦時代と今日を比較すれば怪しい説だ。旧安保条約が結ばれた1951年は朝鮮戦争(死者推定126万人ないし300万人)の激戦がたけなわの時期だった。現行の安保条約が制定された1960年当時は米ソが大陸間弾道ミサイルの開発、配備に必死となり、メガトン(爆薬100万t相当)級の核弾頭も造られて、核軍備競争が激化していた時期だった。近隣でも中国は台湾海峡の金門島に砲撃を続け、南ベトナムでは共産ゲリラが勢力を拡大していた。

 今日、ロシアも中国も市場経済化し、世界的な相互依存関係が確立して大国間の戦争はほとんど考えられない状況になった。このためドイツ陸軍は6万2500人(陸上自衛隊は15万1000人)、英海軍は潜水艦11隻、水上艦19隻(海上自衛隊は潜水艦18隻、水上艦47隻)など急速な軍縮を行っている。全面戦争になれば億単位の死者が出て、巻き上るチリが太陽光線を遮り地球上の気温が低下して「核の冬」となり、農業生産は激減、全人類の死滅も考えられた時代の軍事情勢を見詰めていた者にとっては、無人の小島の領有権争いや、軍艦のレーダーで照らしたか否か、の論争などはこっけいな程小さい問題と感じられる。良好な日中関係は双方にとり大きな国益であるから、「現状維持」と「信頼醸成措置」で鎮静化をはかりうる問題だろう。

 北朝鮮の核開発は、もし使われれば死者数十万人になりそうで、「戦略環境の悪化」ではあるが、北の核武装は1990年にソ連、92年に中国が韓国と国交を樹立し、孤立衰弱した北朝鮮が圧倒的に優勢な韓国軍、米軍と向かい合う恐怖心から発したものだ。もし核を使えば米・韓軍の激しい反撃を受けて滅亡することは確実だから抑止力は今でも十分に効いている。ただ、抑止は相手の理性的判断を前提としており、自暴自棄の心情になれば効果はない。自爆テロに対して死刑が抑止効果を持たないのと同じだ。日本が憲法解釈を変え、海外での武力行使を可能としても、それにより北朝鮮が核や弾道ミサイルを放棄することは期待できない。

 ④米国が経済関係等から中国を重視し、日本を軽視する状況となりつつあるのは事実だか、集団的自衛権による海外での武力行使を可能としても、その流れを変えることはできないだろう。米国は「財政再建・輸出倍増」を焦眉の急の国家目標とし、昨年車が2200万台も売れたほど、中産階級の爆発的増大で生まれた中国の巨大市場への食い込みや、同国の3兆7000万ドルの外貨準備による米国への融資、投資の確保を目指さざるを得ない。

 中国海軍は米国にとって脅威ではない。空母「遼寧」は戦闘機18機を搭載するが、米国の10万t級空母10隻は各々戦闘・攻撃機55機を搭載するから18機対550機の差だ。中国空母はカタパルト(艦載機の射出装置)が作れないから、波が高いと発進は危険で、燃料や兵器を満載すると離艦できない。原子力潜水艦も中国は9隻(うち4隻は超旧式)、米国は72隻で、潜水艦を探知する技術や装備には大差がある。中国軍が米海軍に抵抗可能なのは地上基地戦闘機の行動半径、約1000km以内だろう。

 世界の工場となった中国は輸入資源への依存度を高めているが、中東等からの長大な海上輸入ルートを米海軍に対抗して守ることは不可能だ。2012年の輸出先も米国(17.2%)、EU(16.3%)、日本(7.4%)の順だから、中国は発展すればするほど米国と協調せざるをえない。習近平主席が唱える「新型の大国関係」(不衝突、不対立、相互尊重、合作共栄)はこの現実を反映したものだ。3月25日ハーグでの米中首脳会談でオバマ大統領がこれに同意したのも当然だ。4月7日から10日まで訪中したヘーゲル米国防長官は「今回訪中の目的は新型の軍同士の関係の促進にある」と習主席に語った。

2986とはずがたり:2014/04/17(木) 14:09:22
 米国は日本にも良い顔をしたいから、「尖閣諸島は日米安保条約の対象地域」(大正島、久場島は射爆撃訓練の標的として、地位協定で米軍への提供施設になっているからこれは当然)と言い、他方では中国と「不衝突、不対立」の関係を築こうとするのだから二枚舌に近い。集団的自衛権問題でも当初米国は警戒的で、昨年3月22日に安倍首相が訪米し、初の首脳会談をした際にも、事前に「集団的自衛権は議題にしない」と通知し、会談は約1時間半と短く、会談後の共同記者会見も写真撮影だけだった。安倍氏が日米同盟を強化して中国に対抗するようなことを口走っては迷惑、という姿勢が丸見えだった。

 一方、6月7日からの米中首脳会談はカリフォルニア州パームスプリングスに特別の会場を設け、大統領が出向いて2日間会談する破格の扱いだった。その会談内容も日本には知らされず、日本は6月17、18日北アイルランドでのG8サミットの機会に日米首脳会談を求めたが拒否された。12月26日、安倍氏が靖国神社に参拝した直後「失望した」との声明が出たのは決定的一撃だった。

弾道ミサイルの迎撃は現実性を欠く

 だが集団的自衛権行使論議は、その背後の意図は別として、表面上は中国に対抗するために日米同盟を強化する内容ではなかった。安保法制懇が2007年5月から8月にかけて検討した「4類型」は

①公海上で行動中の米軍艦の防護
②米軍に向かうと見られる弾道ミサイルの迎撃
③PKOなどでの武器使用の規制緩和
④PKOなどでの広範な後方支援活動

 であって①と②はもっぱら北朝鮮の弾道ミサイルへの対策、③と④は集団的自衛権とは本来無関係な事項で、いずれも中国を対象とするとは言い難いものだった。

 だが①で想定された状況、例えば米軍艦が日本海で北朝鮮の弾道ミサイル発射に対する警戒配置についているのに対し北朝鮮空軍機が攻撃を加える場合、日本の護衛艦や戦闘機が米軍艦を守るような行為は、個別的自衛権の発動とも考えられる。米軍艦の行動は、相当程度日本防衛の一環と言えるし、多分、北朝鮮機は日米の艦を区別せずに攻撃するからだ。

 海上自衛隊は創設以来、日本に原油や食料などを運ぶ商船を潜水艦から守る「シーレーン防衛」を主任務としてきたが、日本の港に出入りする商船の多くは外国籍で、公海でそれを守ることは日本人の生存に不可欠だから個別的自衛権の発動とされてきた。

 ②の米国に向かうと見られる弾道ミサイルの迎撃は現実性を欠いたシナリオだ。北朝鮮の実戦用弾道ミサイルは主として北部の山岳地帯に隠されていると見られ、将来米国東岸を狙うものが完成したとしても、ほぼ真北に向けて飛び北極圏上空を通過するから日本のイージス艦で迎撃は不可能だ。米国西岸に向かうものはロシア沿海州上空からカムチャッカ半島上空を経由するから、その迎撃も難しい。グアム、ハワイを狙うなら日本上空を通るから迎撃可能な場合もあるだろう。だが、その場合には日本を狙っている可能性もあり、そうでなくても途中で日本に落下する危険もある。国連安保理決議で北朝鮮のミサイル発射は禁じられているから、撃破して「個別的自衛の範囲内」と言っても、国内、海外で非難されることはないだろう。

 ③PKOなどの際の武器使用規制の緩和は、他国の部隊がゲリラ等の攻撃を受けた場合、救援に駆け付け応戦することを想定しているが、PKOなどの部隊は自国の自衛のために出ている訳ではないから、集団的自衛権とは無関係だ。日本の刑法36条(正当防衛)は「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむをえずした行為は、罰しない」としており、他人が暴漢に襲われている場合、棒でも持って駆け付け犯人を殴り倒しても処罰されない。この考えを採用すれば、他国のPKO部隊を救援に行くのは正当防衛だろう。

 ただ、国連安保理の明示の承認も得ず他国に侵攻した部隊に対し、地元の軍や民衆が抵抗するのは当然で、それは「不正の侵害」ではないから正当防衛は成り立たない。「PKOなど」とするのは「など」が曲者で、イラク戦争やリビア攻撃、ベトナム戦争などのような正当性が怪しい戦争に「国際協力」と称して参加することがないよう歯止めが必要だ。

2987とはずがたり:2014/04/17(木) 14:09:39
 ④のPKOなどでの広範な後方支援活動も③と同様、「など」とした点に問題がある。直接戦闘をしなくても、兵器や武器弾薬、燃料などの輸送補給は極めて重要な軍事行動で、米陸軍には「アマチュアは戦闘を論じ、プロは補給を論じる」との格言があるほどだ。特に近年では米軍の1個機甲師団が1日に燃料2300kl、弾薬2000tを消費するほどだから補給はますます重要だ。一方、ゲリラは強力な戦闘部隊との衝突を避け、補給の車列や物資の集積所を狙うことが多いから「後方支援活動」なら安全という訳では決してない。

タカ派の色濃く問題点多い「5事例」

 安倍政権が2012年12月に復活し、13年2月に再開した安保法制懇は10月に以前の4類型に加えて「5事例」を検討していることを明らかにした。これらは

①米国を攻撃した国に武器を供給する船舶に対する強制検査
②近隣有事での集団的自衛権行使や集団安全保障への参加
③国連決議に基づく多国籍軍への参加
④日本への原油輸送に関わる海峡封鎖時の機雷除去
⑤領海に侵入し、退去しない他国潜水艦への実力行使

 の5項目だ。「4類型」に比べ、「5事例」はタカ派の色彩が濃く、問題点も多い。

 ①の強制的船舶検査は「臨検」と呼ばれる行為とほぼ同一だが、公海上で他国の船に停泊を命じて乗込んで検査し、日本の港へ連行するようなことは「海洋の自由」の原則に反し、船が所属する「旗国」の主権を侵害する行為だから、交戦国のみに認められた権利だ。米国が攻撃を受け戦争状態に入れば、米国には臨検の権利が生じるだろうが、日本はまだ攻撃を受けていないのなら交戦国でなく、また憲法に「国の交戦権はこれを認めない」と明記されているから、解釈変更でそれを消去できるとは考えられない。

 ②の近隣有事での集団的自衛権行使については、日本の安全に密接な関係がある隣国として韓国が考えられるが、韓国軍は衰弱著しい北朝鮮軍に対して通常(非核)戦力では圧倒的に優勢で、米軍の参戦も核抑止力も期待でき、反日感情もあるから、日本に軍事的な支援を求めるとは考えにくい。米軍に対する物資の提供や在韓米国民間人の避難の受け入れ程度ですむ話だろう。

③の国連決議に基づく多国籍軍への参加は、常任理事国すべてが武力行使に賛成、あるいは反対しない状態なら、参加しても非難される可能性は低いが「国の交戦権はこれを認めない」とする憲法を変えずに参戦することは無理だろう。

 ④の日本への原油輸送に重要な海峡(ホルムズ海峡など)が機雷で封鎖された場合には日本にとって死活問題だから、機雷を除去するのはシーレーン防衛と同じく個別的自衛権の発動で、自衛隊法82条の「海上警備行動」(海上における人命若しくは財産の保護、治安の維持のため特別の必要がある場合、必要な行動を取ることを命じることができる)が適用できるだろう。2009年3月にソマリア沖の海賊対処に護衛艦を派遣した際も当初は「海上警備行動」として出し、同年6月に「海賊対処法」が成立した。

 ⑤の領海に侵入した潜水艦に対する実力行使、は2004年11月10日未明に石垣島東方の領海を突き切った中国の漠型原潜の例を念頭に置いたものだ。海上警備行動が発令され、日本の護衛艦が2日間余、上海沖まで追尾、大音量を出すアクティブ・ソナーによる嫌がらせを続けた。中国海軍は艦長を取り調べ、外務次官が「技術的原因から誤って石垣水道に入った」として遺憾の意を表明した。平時に潜水艦が海岸から12海里(22km)の外国領海に入ってもあまり意味がなく、日本側の対応能力を知りたければ領海外でも行える。潜望鏡はときおり出すだけで、それを下げるとレーダーもGPSも使えないから、特に夜間は航法ミスを起こしがちだ。アクティブ・ソナーや発音弾(小型の爆雷)による警告を受けても退去しないのは故障している場合もあるから慎重な対応が必要だが、船体を破壊しない距離で爆雷を投下して脅すことは、領空侵犯機に対し戦闘機が相手の前方に曳光弾を発射して警告するのと同様、今でも可能で、集団的自衛権の問題では全くない。

2988とはずがたり:2014/04/17(木) 14:10:11
>>2984-2988
外国はOK、自国はダメというおかしな解釈に

 安保法制懇の座長代理で主導的役割を演じている北岡伸一・国際大学学長は2月25日の朝日新聞に掲載されたインタビューなどで「武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」との憲法の規定は「日本が当事者である国際紛争」と解釈を変更すべきだ、と述べ、5月に首相に提出する報告書に盛り込む、と語っている。他国の国際紛争なら日本の武力行使が認められるように解釈し、多国籍軍に参加できるようにする狙いだ。

 だが憲法のこの条文は国連憲章第2条の3項で「すべての加盟国はその国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない」とし、4項で「すべての加盟国はその国際関係において武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まねばならない」と定めたのを受けたものだ。現実にはこれが無視され、武力による威嚇や武力行使が横行してきたとは言え、他国の紛争に介入できるように憲法解釈を変える、というのは暴論だ。そうなれば自衛隊は政府の判断や、比較的簡単に替えられる法律で外国へ戦争に行くが、日本の国際紛争だけには関わらない、という変なことになる。

 安保法制懇の独りよがりには公明党だけでなく、自民党内部にも反発、危惧を抱く人々が少なくない様子で、防衛省内でも批判的な見方が出る。アメリカでも日本の右傾化と日中関係の悪化が米中関係に響くことを案ずる声は多いから、オバマ大統領が今月23日に訪日する際、安倍首相は集団的自衛権行使が、米国を中国との対立に引き込むものではないことを説明し、そうならない分野での米軍との協力を唱えて「同盟の強化」を装う必要があるだろう。

 集団的自衛権行使のための憲法解釈の変更が与党全体の支持を得るために、行使の内容を限定的にしようとして、その例として自民党幹部がこれまで挙げているのは、日本海で北朝鮮の弾道ミサイル監視に当たる米軍艦の防衛、石油輸入に重要な海峡での機雷の除去、だけで「自衛隊は他国の領土、領海に派遣しない」と従来行ってきたことまで禁じるような発言も出て、支離滅裂の感がある。ただ「集団的自衛権行使容認」の箱だけでもいま作っておけば、中身は今年末に改定予定の「日米防衛協力の指針」で詰めるから、相当大きな防衛協力態勢の変更も可能になる、とは言える。だが、米国が中国との友好関係重視を変えるはずがなく、日本の反中派にとっては「失望」に終わる可能性が高いだろう。


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