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【エルデンリング】黄金律最終報告リマスター版:投稿者【同人拓也】

96名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 12:32:02 ID:y8126aAk

ギデオン「私が君たちに求めるのは、智識の共有と、大ルーンの回収だけだ」

ギデオン「互いの秘め事による葛藤や、下らぬ意地の張り合いなど、児戯の如きものだと何故気付かない?」

ギデオン「私が全ての智識と大ルーンを蒐集し、黄金律を復活させ、手中に収めたならば、その過程で失われた命などいくらでも取り返せる」

ミリセント「なっ…何を言っているんだ!だからラーヤの父を殺しても構わないとでも…」

ギデオン「環樹によって、欲望が満たされるだけ取り戻せばよいではないか。多少、黄金樹より戻りし者の本質は変わるだろうが、生命などというものは常に変質を繰り返すものだ。肉体や自我の変化など、恐るるに足らん。新たな生命への智識の継承が正しく行えるのならばな」

ギデオン「エルデンリングが修復されたならば、その智識の継承は私が行おう。今の君たちはただ、互いに智識を共有し、くだらぬ秘密や葛藤、意地の類いを乗り越え、私に智識を運び、大ルーンを手にするだけでよいのだよ」

ギデオン「ただそうするだけで、君たちの思想や自我、その生命までもが私の智識の元で形を保つのだ」

ギデオン「多くを識り、多くを手にする過程で、多くを失うことをなぜためらう?どうせすぐに生き返る」

こいつマジイッちゃってる!記憶とか知識とかの引き継ぎができて、生まれ変わりができればいくら死んでも殺しても構わないとかマジヤバっ!その時、拓也の脳裏に現れたのは、あのターミネーター!

ターミネーター「拓也、お前の考えは古いな。俺を見ろ!絶対死なないぞ!」

うるせーよ!極小の石が俺の記憶と心のコピーを持ってたからって、石は俺って言えるのかよ。それに記憶と心を引き継ぐってことは、死んだ時の心と記憶も引き継ぐってことだよな?それじゃあ誰かに殺された人とかも、その記憶と心を持って新しく生まれてくることになって、恨み辛みと殺し殺されの連鎖が加速していくじゃん!

ガタイによる分析書が最悪の答えを導き出してマジ狂い!でもこんなこと言ってるギデオンが、俺の考えに気付いていないはずはないんだよな。てことはやっぱり、ギデオンは全てを識ることができる世界が本当に良いと思ってるってことだよな。ついていけねえぜ、そんな世界が幸せなのかよ。俺は知りたくないことは知らないままでいたいんだよね。


「待ってください」


ギデオンの激ヤバ発言にミリセントとラーヤが何も言えなくなってると、拓也たちの前に現れたのは、あのマネージャー!マネージャーは本を片手に俺たちの方へツカツカ歩いてくると、テーブルに本を置いた。反撃開始だぜ!

マネージャー「隠していることがありますね?ギデオン?」

ギデオン「ほう…何をかね」

マネージャー「あなたの部屋にある、デミゴッドに関して貴方が集めた本や、記した書物は、持ち出すことができません。持ち出した本は時間が経つと全て元の場所に戻ってしまいますし、部屋の前に立つエンシャが常に見張っていますからね」

拓也「あのマネキンすか?アレって置物じゃないんすか?」

マネージャー「あの人はギデオンの忠実なしもべの一人です。暴れるネフェリさんとギデオンの間に立ちはだかった時以外に、動いているところを見たことはありませんけれどね」

マネージャー「話を戻しますが、それらの理由で狭間の地にいる人は、円卓にあるギデオンの部屋からは本を持ち出すことができません」

マネージャー「では、狭間の地の外から来た、私の携帯の写真はどうでしょう?」

マネージャーは服のポケットから携帯を取り出して、指でタッチしてから、ギデオンと俺たちに見せる。ギデオンはそれを見て何も話さなかった。あのお喋りが静かになった。他のみんなは初めて見る超高画質の写真に驚いて、声も出ない感じになってまっす!

マネージャー「この写真は、貴方が普段読み漁っている本のひとつの、内容を撮影したものです」

マネージャー「私は、あなたと私の関係が険悪になる前に、あなたの部屋を頻繁に出入りしていましたが、その時に、あなたがよく読んでいる本の山を全て調べ上げ、大事そうなページを一通りカメラで撮影していたんです」

マネージャー「あなたは私の携帯も調べて、カメラの機能にも気付いていたのでしょうけれど、あなたはカメラの機能を識るだけで満足して、実際にカメラを使って実験をしなかった」

マネージャー「だから、携帯の写真が円卓の影響を受けないことに気付かなかったんです。円卓の本が元の場所に戻っても、写真は携帯に記録されたままなんですよ」

ハメた!
説明を聞いたギデオンはひとつため息をついて、兜の顎の下あたりを指で撫でる。
マネージャーは携帯を閉じて、服にしまってシメに入る。

マネージャー「そして、私は撮影した写真資料を何度も見返して、わかったんです」

マネージャー「エルデンリングを修復するために、全ての大ルーンが必ずしも必要にはならないということを」

マネージャーからのちゃぶ台返しの衝撃は拓也達の方にも飛んできて、オレのガタイ考察がまたしても狂った!大ルーンで出来てたはずのエルデンリングを修復するのに、全ての大ルーンが必要なわけでは無いって、どういうことなんだよ?パーツが足りないじゃん!?ラーヤとミリセントも驚愕の表情でマネージャーの導き出した答えをぶつけられている。ラーヤのお父さんと戦う可能性はこれで減ったけど、今度は探索の目的がブレてるみたいに思えてきて拓也は混乱する。

97名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 13:15:41 ID:y8126aAk

ミリセント「大ルーンが、必要ない…?」

マネージャー「もちろん、ひとつも必要ないというわけではありませんよ?私が思うに、最低でも二つの大ルーンが必要になるでしょう」

そしてマネージャーは、そのオレの心を見透かすようなもうひとつの答えを用意していた。


マネージャー「私はそこに、プラスアルファさえ組み込む事ができれば、現状のエルデンリングを修復できるという答えに至ったんです」

マネージャー「あなたはそのことを、ずっと隠していたんですね?ギデオン?」


マジかよぉ!マネージャーの言うことが本当だったら、大ルーンの代わりなんかになるエルデンリング級のチョーヤベー代物が、狭間の地にあるってことになるじゃん!でもそんなモノがあるんだったら、なんで破砕戦争なんか起きたんだってことになって拓也の考察がまた狂う!作っては壊し作っては壊しの連続でもう何が本当のことなんだかわかんねーよ!

マネージャー「あなたは私たちに全てのデミゴッドを倒させ、あるいは無力化させたあとに、デミゴッドの力を識る計画でいたんでしょう」

マネージャー「ですが、その計画はこれで破れました。私たちはラーヤの父親であるライカードも、最強のデミゴッドである星砕きのラダーンも倒すことなく、エルデンリングを補完するプラスアルファを探すことにします。狭間の地の王になりたいのでしたら、私たちの力抜きで、自力で玉座を勝ち取ってください」

答えを全て聞いたギデオンは「終わりかね?」とマネージャーに一言。なんだよ、負け惜しみか?と拓也の想像に反して、マネージャーがハイと言う前に俺たちに背中を向けて、ギデオンは自分の部屋に歩いていく。そのあと姿が見えなくなったところから「ならばせいぜい奮闘したまえ、見い出すことができるのであればな」という声が小さくなりながら聞こえてから、ドアが閉まる音が静かに響いた。

ミリセント「マネージャー…君が今言ったことは…本当、なのか?」

マネージャー「ええ、そのようです。ギデオンの資料をまとめた私の結論としては、そのプラスアルファは、黄金樹の祝福を受けた者の内に生じるそうです」

マネージャー「黄金の祝福を受けた者が、探求の末に求めるものを自分の中に見出した時に、自分の中にある望みと、自分の中にある祝福が合わさり、新たな律へと形を変えるそうです」

ミリセント「それでは、その新たな律というのは…」

マネージャー「そうです。黄金樹からの祝福を受けていて、自分の望むものを見出そうとする、探求者の中に宿る可能性が非常に高い。つまり私たちは、デミゴッドではなく探求者を探せばいいんです。それも、探し出すべき探求者はたった一人でいい。勝ち筋の見えない最強のデミゴッドを相手に戦いを挑み続けるよりは、少しだけ希望が見えてくるはずです」

98名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 13:22:43 ID:y8126aAk

ギデオンで調子狂ったあと   投稿者:ビルダー拓也


マネージャーからの変化球はいつも突然だ。俺じゃあ逆立ち腕立て水中責めでも思いつかないような奇策だぜ。孔明の天下三分の計並みの逆転の発想に、感心のあまり俺がビルダーガタイを震わせていると、マネージャーは更に話を詰めていく。

マネージャー「ですが、その探求者を探し出す前に、やっておく事があるはずです。そうですよね?」

ミリセント「…ああ、そうだな」

ミリセント「マネージャー、少し時間をくれないか」

マネージャー「構いません。私は情報を精査する必要がありますから、時間はいくらあっても大丈夫です。終わったら、声をかけてください」

マネージャーの言うとおり、ギデオンとの会話のせいで、話し合わなきゃいけないことがブワッと増えてマジヤバ!ラーヤは俯いてミリセントと眼を合わせられなくなってるし、ブライヴは初めて出会った時の、壁を作ってる感じの雰囲気に戻ってる。せっかく良い雰囲気のメンバーだったのに余計な言葉でその雰囲気を挫くなよな。本当余計なことしてくれたよな。ギデオンにはブラック企業の社長になる素質があると思う。マネージャーが遠くのテーブルに移動して座ると、ミリセントがラーヤの両肩に手を置いた。

ラーヤ「英雄様…私は…」

ミリセント「気にしていないと言えば、嘘になる…でも私は、君の痛みを分かってあげられると思う」

ミリセント「だから、話してくれないか」

ミリセントにやさしく詰められて、ラーヤは俯き気味のまま打ち明け始める。

ラーヤ「私は、火山館を離れました…タニス様に、離れることを許されました…」

ラーヤ「そして私は…英雄様に甘えたのです…」

ラーヤ「接ぎ木のゴドリックを殺し、その骸から大ルーンを奪えたはずなのに、ネフェリ様はゴドリックを生かした…英雄様は、そのような寛大な方を、友とした…」

ラーヤ「ですから私は…王の持つ大ルーンのことも、きっと隠し通せると、画策したのです…」

そこまで言って、ラーヤは堪えきれなくなったみたいに顔を上げて、涙目でミリセントを見つめる。拓也が両親にカミングアウトする時は泣いてなかったけど、俺は「あー、俺の時もこんな感じだったなぁ」って懐かしくなると同時に、当時の痛みが蘇ってきて心臓がチクッと痛くなり、センチメンタルな気分になる。

ラーヤ「私は貴方様の優しさに、ずっとつけ入って、不実を働いていました…」

ラーヤ「…いつも優しく、そして厳しい方だと、分かっていたはずなのに…」

ラーヤ「…ですから…私は…貴方様の元から、去るべきなのです…ですから、どうか…」

ラーヤ「…手を、離してください…」

言い終えたラーヤはまた俯いて、肩を震わせて覚悟を決める。
でもミリセントは、というかやっぱりって感じで、ラーヤの肩に置いた手をそのまま背中に回して抱きとめる。ラーヤは突然のことで顔を耳まで赤くして、ミリセントの脇腹あたりで手をパタパタさせたあとに固まった。ミリセントは本当に底抜けで良い奴なんだけど、ここまで良い奴だとちょっと危なっかしいよな。借金抱えた友達がいなくてよかったよな。ウリやってたらポジうつされたり、無茶な注文まで全ウケして早死にするタイプだ。でもよかったぜ。会ったことないけどオレだってラーヤのお父さんと殺し合いなんてやりたくねーからな。

ラーヤ「えっ、英雄様、何をっ」

ミリセント「良いんだ、君は打ち明けてくれた」

ミリセント「父と、母を、君は護りたかったんだ。私はそのことを責めたりしない」

ミリセント「マネージャーが新たな方法を見いださなければ、本当に私たちは、君の王と戦っていたかもしれないのだから」

ミリセント「私は、その道を避けられたことが嬉しい。君から家族を奪ってしまわずに済んだことが…嬉しいんだ」

ラーヤ「英雄様…ああ…貴方様はどうして…ここまで優しいのですか…」

ミリセントからのハグに、ラーヤもミリセントの脇の下から手を伸ばして、ミリセントの背中を抱く。ラーヤは頬を赤らめて目を閉じた幸せ顔で、一方拓也は嫉妬に狂っていく。チクショー、俺も何でも許してくれるヅカ系イケメンが欲しいよ!きっとミリセントは、例え自分が心を許した相手に裏切られて殺されても「それでも、君には、感謝している」とか言いながら死んでいくに違いないんだよな。

そう思った途端ラーヤとミリセントが俺にイチャイチャぶりを見せつけてるように見えてきてマジ狂い!下唇を噛んで青筋立てながら、二人の間に割って入ってメチャクチャにしたい衝動に耐えていると、鎧がガチャっと動く音がしてブライヴが去っていく。

拓也「あっ、ちょっと、どこ行くんすか?」

拓也の呼びかける声でミリセントとラーヤも気付いて、ブライヴの方を見る。
それでもハグを続行なんてしちゃってる。良いご身分だよな。

ミリセント「ブライヴ、どこに行くんだ?」

ブライヴ「水を注してはまずいと思ってな」

ミリセント「待て、ブライヴ。話がある」

ミリセントがラーヤを離してブライヴに向き直る。呼び止められたブライヴは吐き捨てるみたいなため息をついて止まったけど、背中を向けたまま横顔だけをこっちに見せてくる。

99名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 13:32:25 ID:y8126aAk


ブライヴ「お前のことだ。事情を汲み、どうせ俺を許すのだろう?」

ブライヴ「ならば、わざわざ話すことなどないはずだ」

ミリセント「それは事情によるだろう。話してくれ。…拓也?マネージャーを呼んできてくれないか?」

拓也「ウッス!」

ミリセント「それに、君が行こうとしていた方向には、祝福が無い。大祝福に触れないと、円卓からは出られないぞ」

ブライヴがミリセントに捕まってる間に、俺はマネージャーを呼ぶ。

マネージャー「話は終わりましたか?拓也?」

拓也「まだっす。終わらせてほしいっす」

たった一言で「そういうことですか」って全てを察してくれたマネージャーは、ブライヴの方へ歩いていって拓也も続く。こういう話し合いで強いから、俺はウリなんかをやれている。マネージャーがダメだと客の質も悪くなって、最悪ヤクザに買われてメチャクチャなペット生活で行方不明になる可能性もあるなりね。

マネージャー「ブライヴさん?貴方も本当は分かっているはず。そうですよね?」

ブライヴ「…何がだ?」

マネージャー「貴方が隠したかった情報の根幹は、すでにギデオンが喋ってしまいました。ここで貴方が口をつぐんでも、私はいずれ貴方と、貴方が仕えているラニという魔女の目的を掴むでしょう。試しに、そのラニさんと面識のある人を探してみましょうか」

マネージャー「拓也?貴方は魔女のラニについて知っていることはありますか?」

俺の名前を聞いた瞬間に、ブライヴは俺たちの方に向き直る。
いかにも「マジかよ!」って感じの顔だ。やっとお前を振り向かせてやったぜ。
お前はラニから話を聞いてるけど、俺もラニのことは少しは知ってるんだぜ。

拓也「ウッス!知ってまっす!あの人のルーンのおかげで遠眼鏡が買えました。あとは色々よく分かんねーこと聞かれましたけど、よく覚えてないっすね」

マネージャー「そうですか。ではミリセントさん、あなたは魔女のラニについて、何か知っていますか?」

ミリセント「ああ、リエーニエ湖近くの城を抜け、その先に建つ塔のような館で出会った。私を信用できないという理由で、計画についてはほとんど教えてはくれなかったが、私については興味があるらしい」

ミリセント「そのラニが言うには、私は嫌悪している女の気配がして信用しきれなかったが、私がラダーンを倒して運命を動かしたなら、信用してやらんでもない…ということらしいぞ」

マネージャー「という訳です。これらの情報は、私たちがラダーン祭りに参加する前に…つまり、貴方がこの円卓に来る前には、私の耳に入っていました」

ブライヴは深く息を吸ったあと、息を吐いてから円卓の椅子にドカっと座って、片肘をついて頭を抱える。その仕草にドキドキするって、やっぱり俺ってブライヴにエロスを見てるんだなぁ。ウリの客に「犬になれ」って言われたら、ブライヴのこと思い出して別の意味で感じまくるかもな。

ブライヴ「ああ、ラニ…昔からお喋りだったな…」

ブライヴ「まさかお前たちとも、関わりがあるとは…どうやら、俺一人が抗ったところで、もはやどうにもならんらしい」

ブライヴ「良いだろう。全てとはいかんが、話してやろう」

観念して、ブライヴは静かに語り始める。

ブライヴ「俺はラニの義弟でな。ラニの母、レナラ様のもとで、本当の姉弟のように育った」

ブライヴ「あの頃は良かった。…俺もあいつも、何も知らずにいられたからな…」

話しながら、ブライヴは両肘をテーブルについて、手を胸の前で重ねる。
目は祝福に向いていて、夜の焚き火を眺めているみたいな遠い視線だった。

ブライヴ「だが、レナラ様の夫となったラダゴンが、病に伏せったレナラ様を見捨て、女王マリカの王配となった時、全ては変わった」

ブライヴ「レナラ様は正気を失い、封印されていた死のルーンは何者かに奪われ…黄金のゴッドウィンは殺された。ラニは黄金律を見限り、大ルーンとともに肉体を棄てた」

ブライヴ「エルデンリングは砕け散り、マリカは黄金樹に隠れた」

ブライヴ「そして今にいたり、俺は臣下として、ラニに仕えている」

ブライヴ「俺はラニが黄金律から自由になり、神人としての暗い道を歩くための、手助けをしているというわけだ」

100名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 14:51:45 ID:y8126aAk


ブライヴが語り終えた時、俺の中でのブライヴのイメージがガラリと変わって、そこには激エロの狼人間ではなくデミゴッド並みの神話の登場人物が現れていた。ミリセントとラーヤがブライヴを見る目つきも変わってて、ラーヤは少し緊張してる感じだけどミリセントは同情的な目線。お前も大変だなぁって思ってるのかな。マネージャーもさすがに驚いたみたいで腕を組んで考え込んでいる。思えばブライヴみたいな神話の住人とウリセンボーイにすぎない俺が今まで会話出来たことが不思議だけど、ネフェリは王の血筋だし、ミリセントなんてデミゴッドの心だから、俺も慣れちゃってて今考えるとおかしいぜ。

マネージャー「…驚くべき真実、と言えるものなのでしょうけれど…ブライヴさん、貴方は今の話で嘘をつきましたね?」

ブライヴ「嘘は話していない。ただ、言ったはずだ。全ては語れんとな」

マネージャー「では、何故語れないところがあるのでしょう?」

マネージャーの詰めに、ブライヴは無言を返す。
でもこの流れはさっき見たぜ。と思っていると、ミリセントもそれに気付いていた。

ミリセント「護るべき人に…君の場合は、魔女ラニに、危険が及ぶことを恐れてのことか?」

ブライヴ「フッ…そんなところだ。円卓にはギデオンがいるうえに、奴の目や耳も狭間の地に隠れ潜んでいる。これ以上は語るべきではない」

ミリセント「…そうか…」

マネージャー「分かりました。それなら、この話はここでおしまいにしましょう」

ブライヴ「どうした?やけに素直に手を引くのだな」

マネージャー「ギデオンが信用できないのは私たちも同じですからね。それに貴方の姉であるラニさんの真意も掴めない以上、話を深掘りして貴方のウィークポイントを突くのも、リスクが高いと思いましたので」

マネージャー「それに、ラニさんの計画の全容がギデオンにバレてない可能性も考えると、私が円卓を出てラニさんと直接話す、というのも、選択肢としてはアリだと思えるんです」

マネージャーからの提案に驚いたのはブライヴだけじゃなかった。ミリセントはラニのいる場所に行って帰ってきたんだから祝福を経由して一発で行ける。でもなんだかんだで、俺たちは一度もラニのいる祝福に行ってない。やる事が多くて寄ってる場合じゃないっていうのもあるけど、ラダーンを倒してないからラニと会っても信用されないと思うし、なんかラニ自身も怪しいんだよな。悪い奴って感じはしねえんだけどな。

ブライヴ「大胆だな。罠だったならどうするんだ?」

マネージャー「罠だったら、ギデオンに暴露されるまで隠したりしませんよね?」

ブライヴ「だな…やはり、言葉での差し合いは苦手だ」

マネージャー「ただ、今日いきなりラニさんに会いに行くということはしません。ラダーンを倒すという手土産を持っていない私たちには、選べない選択肢ですので。なのでここは、いつもの様に二手に別れるというのはどうでしょう?」

マネージャー「リムグレイブには丁度いいことに、療養中のアレキサンダーさんもいます。ラダーンを倒す手段を探すのはアレキサンダーさんとブライヴさん、探求者を探しに王都を探るのはミリセントさんと拓也と誰かで分けるのはどうでしょう?」

マネージャー「これなら、私たちやギデオンが、貴方を必要以上に探ってしまうことも無いですし、ミリセントさんもラダーンと戦わずに済みます。王都という新しい場所への探索も出来ますし、アレキサンダーさんの回復も今より効率よく進むはずです。更に言うなら、ラダーンに関係する探索は全て貴方主導になるわけですから、貴方が何かを気にしながら戦う必要性もグッと無くなるはずです」

マネージャ「提案は以上です。貴方にとっても、悪い話ではないと思いますが?」

相変わらずマネージャーのプレゼン力はすげーよ。よくこんなに色々思いつくよな。ブライヴも参ったって感じの呆れ笑いだし、ミリセントとラーヤも納得してくれてる。俺もつきあうぜ!雄膣に隠し持っているイエロの瞳はまだ残ってる。でもラダーンと戦わないってことは、ブライヴを引き止めている理由も薄くなる。そのままブライヴとアレキサンダーがラダーンを倒して、二度と俺たちに会わない可能性だってある。

ブライヴ「ハハ…負けたよ…そのやり方で構わない。こうも先読みされては、文句も言いようがない」

マネージャー「そうですか。それでは、これからもよろしくお願いしますね」

ブライヴ「フッ、どうだかな」

曖昧に答えながら、大祝福に触ってテレポートしようとするブライヴ。あーあ、マジでもうお別れかぁとガッカリする拓也。下手したらこれでマジの最後の別れってこともあり得るんだよなってしんみりしてると、ミリセントがブライヴを呼び止める。

ミリセント「…ブライヴ」

ブライヴ「なんだ?まだ何かあるのか?」

ミリセント「君に何か、文句があるわけではないよ。ただ、別れる前に言っておきたいんだ」

ミリセント「私は、君とともに剣を振るい、苦楽をともに出来たことを、忘れることはないだろう」

ミリセント「だから…私は、例え君と求めるものを違えても、君とまた会いたい」

ラーヤ「私もです…貴方様の旅路が良きものとなり、壊れかけた律から貴方様の主が脱することができますよう、私の王に祈ります」

拓也「お、俺もまた会いたいっす!全身パンプして待ち構えるんで、お願いしまっす!」

ブライヴは別れの言葉を聞き終えると、口の片端をちょっとだけ上げてから祝福の光に消えていった。
絶対忘れんじゃねーぞ!次会う時までに仕込み頑張るぜ。

101名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 15:45:11 ID:y8126aAk


ブライヴと別れた後   投稿者:ビルダー拓也


昨日はずっと戦いまくりでマルギットはチョー強いし、ミリセントは死にかけるしエドガーは引退したし、ブライヴとラーヤの秘密がバレるしでメチャクチャ。ギデオンが余計なことしたせいでブライヴとは別れるハメになって、疲れは取れないしで大変だったぜ。朝起きた後にマネージャーから亀の首漬けもらって今はギリ元気だけど、胸筋はまだ痛いし怪我も1割くらい残ってる。ラーヤの治療は効き目抜群だけどね。
それで今は、マネージャーと拓也とミリセントとラーヤの4人で、円卓の椅子に座ってる。

マネージャー「さて、昨日は確か、欠けた黄金律にプラスアルファを埋め込むことが可能な探求者を探す…ということが決まった所で、話が終わっていましたね。私としては早速行動に移したいのですが、みなさんはどうですか?」

ミリセント「大丈夫だ」

ラーヤ「私も大丈夫です。ですが拓也様の傷は分かりません。大丈夫ですか?」

拓也「ウッス!まだヒリヒリしますけど、行けまっす!」

ラーヤのキメものってスゲー効くから、どうやって作ったか聞いたら、毒の苔薬と生肉団子を混ぜたものを傷口に塗ったらしい。回復に一晩掛かる代わりに毒性も無いキメモノで、こんな便利なものがあるなら毎日探索しまくりの最高の探索machineになれるけど、あんまり量が多くないから使いすぎ禁止だって。まぁそう都合よくはいかねーよな。

マネージャー「そうですか。それなら良いです。ではさっそく聞きますが、黄金樹からの祝福を受けていて、自分の望むものを自分の中に見出そうとしている人に、みなさんは心当たりはありませんか?」

拓也「この前の探索で会った、金仮面って奴なんてどうすか?卿ってついてるんで、そこそこ偉いんじゃないすか?」

マネージャー「金仮面?」

ラーヤ「金仮面卿のことですね。…たしかに、あの方は何か異様な感じでした。黄金樹を指差して、何かを指で奏でていました」

ラーヤ「黄金樹を信奉するコリン様に、危険を承知した旅をさせるほどの何かが、あの方にはあるのかもしれません」

マネージャー「金仮面卿ですか…他にはどうです?」

ラーヤ「私は、英雄様を…ミリセント様を推したいです」

マネージャー「へ?」

ミリセント「何を言うんだ…私はそんな…」

ラーヤ「ミリセント様は、神人としての神性という、最も強き黄金の祝福を受けていますし、自らの在り方を探究しています。マレニアの行いを償うことと、みなさんに力を貸すことによってです。十分に、考慮の内に入るお方かと」

ミリセント「ラ…ラーヤ…」

レズカップルのノロケみたいだけど実際にはレズでもカップルでもないし、ラーヤの言ってることにもかなり納得いったぜ。確かにミリセントは自分がマレニアの分け身だってことをかなり気にしてる。目の色も金色で魂も神様だから、これで黄金樹に祝福されてないなんてことも絶対無い。でもラーヤってどんどんミリセントにハマっていってるよな。憧れのセンパイを追いかけてる時がウリやってる時よりも楽しかったりするから、それと同じだよな。今は友達以上恋人未満かもしれないけど、このままいくと本当にレズカップルになっちゃうかもね(笑)

マネージャー「うーん…確かにそう考えますと、ミリセントさんにも多少の可能性を感じてしまいますね」

マネージャー「良いでしょう。とりあえずはミリセントさんと金仮面卿をマークしましょうか」

ミリセント「えっ? それは困るよ…落ち着かない…」

マネージャー「調査の対象が二人だけで、その内の一人が私たちの仲間なんですから、調査の難易度も抑えられますからね」

ミリセント「それは、分かるが…」

マネージャー「安心してください。ずっとあなたに見張りをつけるだとか、あなたに何かの実験をするだとかはありません。大切なのは、あなたが自分を探求すること。つまり、あなたの心次第なのですから」

ミリセント「そういうものだろうか…確かに、予感めいたものはいつも感じてはいるが…」

今日やることが決まったところで行動開始だぜ。まずは金仮面卿がいた方の橋に拓也とミリセントのペアで向かうもハズレ。金仮面は影も形もいなくて、しかたねーなってことでワープして、祝福がある方の橋の近くにいる、指読みが趣味のおばあちゃんに聞いてもヒヒヒヒ笑うだけでろくな答えが返って来ない。ミリセントも商人にアタックしたけど収穫無しだ。人探しなんだし最初はこんなもんだよな。

円卓に帰ってこのことを伝えると、マネージャーから新提案。
「金仮面卿の居場所が分からないので、とりあえず王都を攻略して黄金樹への道を開いて、いつでもプラスアルファを黄金樹にセットできる状態にしておきましょう」
だってさ。とりあえず王都を攻略って言うけどこんなのサラッと伝える事じゃないぜ!今まで何度もヤバい敵と戦ったけど、そいつらの首都を俺たちだけで落とすなんて無理。こういう重労働は、ヤる前にイエロの瞳でキメてからリングマラ装着してビルダータンク着るぐらいやらないとツラい。狭間の地は拓也のビルダーガタイを補うものが少なくてキツいぜ。黄金律って言うくらいなら俺のことも愛してくれよ!

102名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 15:56:46 ID:y8126aAk


王都の前で5P!   投稿者:ビルダー拓也


王都に入るのに二人だけは心細いから、マネージャーが希望者を募ったらディアロスが参加してきた。大丈夫かなぁ?とは思ったけどディアロスは前よりもシュッとしてて、なんだかヤル気。マネージャーにそのことを尋ねられると

ディアロス「英雄になろうとは、もう思わない。私は、自分を見つめ直したくなったのだ」

ディアロス「私にその道を示したのは、ミリセント、貴公だ。私は貴公の役に立ちたい」

だってさ。最初の頃はかなり頼りなさそうだったのに、コイツも成長したよな。今は心身ともにハリウッド系イケメンなのかな?ミリセントは嬉しそうに握手を求めて、ディアロスがそれに応じる。日影城を進んだメンバーで決まった所で、この前戦った戦場跡の祝福から探索開始だぜ。

祝福に出ると、昨日見たデコボコの地面に電信柱みたいなモノが突き刺さってる光景が広がる。昨日は戦いに必死で気付かなかったけど、よく見るとそこらじゅう死体だらけでチョーグロい!やっぱ戦争はいけないよなって胸筋で感じていると、ミリセントが階段を発見したんでついていくことに。そしたら地面から出てきた骨に拓也の足が引っかかって転倒。その拍子にいつの間にか勃起していたチンポに刺激が入って、俺が悶絶しながら射精を耐えていると、地面から伸びた手骨はそのままズルズルと全身を現して泥だらけのガイコツ姿をさらけだす。

拓也「あ、あ、ヤバ、マジヤバい。なんか出てきたっす!」

ディアロス「死に生きる者達だ!二度倒さなければ蘇ってしまう!」

ミリセント「厄介だな…その間にも囲まれてしまうか…」

ミリセント「ここは死者達に構わず、走り抜けよう。道を遮る者だけを倒すんだ」

プランが決まって、三人でミリセントを先頭にして走りだす。ミリセントの前にガイコツが出てくると、ミリセントはその骨を一瞬でバラバラにしてから、ガイコツの武器を拾って拓也の足元に投げ渡す。助かるけど剣を投げるなよな!俺が武器を拾って盾を手にハメてる間に、ディアロスもデカ盾で骨を弾き飛ばしている。ムチ使ってる時よりもそっちの方が強くて笑ったぜ。

武器も揃ってガイコツ地帯を抜け出ると、次は遠くに二体の巨大ロボットが見えてきた。マジかよぉ!流石にあんなのとは戦えねーよ!って拓也が怯んでる間にも、遠くの後ろからガイコツ達の足音が聞こえ始める。早くもヤバい状況になってきてディアロスと拓也の視線がミリセントに集まる。

ミリセント「あの巨像達が手に持っているのは…片方は長斧だが、もう片方は…」

拓也「やべーよ!後ろから来てるっ!」

ディアロス「斧槍のゴーレムと、大弓のゴーレムが二体だ!どうする!?」

ミリセント「…よし、左側の崖ぎわを走ろう。木々を盾にするんだ。行くぞ!」

合図と一緒に飛び出した俺たちは、そのまま崖っぷちを決死のダッシュ!俺たちを追ってきたガイコツ達は電柱みたいな極太の矢で粉砕。木がどんどん爆発していって木屑と煙が飛び散る中を、俺たちは振動でもつれそうな足をバタつかせて走りまくる。探索始めていきなりこれかよ!マジ死んじまうぜ!どうにかゴーレムの射撃地帯を抜け出すと、今度は城の門の前に、あの全身凶器系の騎士が陣取っていた。

ディアロス「はぁ、はぁ、竜のツリーガードまでいるのか…一旦退かないか?」

ミリセント「ここまで来て退くのは、かえって危険だ。戦うしかない」

ディアロス「クソっ…やはりそうか…」

拓也「おうぅーっす!」

ミリセント「いきなり叫んでどうした?拓也?」

足元に金色の文字がピカッと浮かび上がってきて、思わず拓也も女の子みたいに飛び跳ねる。ミリセントも首を傾げて金色の文字を見ていると、ディアロスは何かを思い出したようにハッと顔を上げた。

ディアロス「これは…黄金のサインだ!もしかしたら、勝てるかもしれないぞ!」

拓也「サイン?有名人のっすか?」

ディアロス「ある意味そうさ。これは大角のトラゴスのサインだ。サインに触れて協力を願えば、遠方から彼が召喚されるはずだ」

ミリセント「協力者とはありがたい。…しかし、ラーヤも物知りだったが、君は敵を知ることに長けていたんだな。頼もしい限りだ」

ディアロス「名門の生まれたる者、教養を高めよと、昔から言われていてな」

ディアロス「おかげで色々とやらされたが、どれも身にならなかった。その錆びついた知識が家を追い出されてから役立つとは、皮肉なものだ」

ディアロスが金のサインに触ると、サインが消えると同時に金色の光の柱が立って、そこから見覚えのある奴が出てくる。ラダーン祭りで一緒に戦った、デカハンマーを担いだ金ピカのデカ乳首ナイトだ。

拓也「トラゴスってお前かよ!久しぶりじゃん!」

ミリセント「おお、君がトラゴスだったのか。協力、感謝する」

トラゴスは気さくな感じで手を振ると、俺たち三人に握手をする。4対1ならなんとかなるぜ。

ミリセント「それでは、行こうか。気を引き締めてかかろう」

103名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 16:09:04 ID:y8126aAk

ミリセントは剣を抜いてツリーガードに歩きだす。ディアロスも盾を構えて、トラゴスも片手のボウガンに矢を仕込む。でも俺が持ってるのってガイコツから取ってきたボロボロの剣と盾だから、やっぱり3対1な気がしてきて俺の全身にじっとりと汗が流れてくる。最近はほとんどキメものを摂取してなくて、冷静な頭がダイレクトに恐怖や緊張を伝えてきて腰が引きがちになる。でも俺も頑張らないと、マルギットと戦った時みたいな状況がいつ出てきてもおかしくないぜ。

俺たち4人がツリーガードの前に立つと、ツリーガードはデカい山菜みたいなハンマーを持ち上げて威嚇。それから「来るぞ!」というミリセントの声の直後に、馬ごと俺たちに飛び込んでハンマーを振り下ろしてきた。

全員で散ってハンマーをかわすと、ハンマーがデカ衝撃と共に地面に大穴を開ける。またこういう拓也を一撃死させられる奴の登場で、この先こんなのばっかりかよって怯んでいる暇もなく、ディアロスに向けて馬の口から火の玉が飛ばされる。ディアロスが慌てて大盾に身をかがめて防ぐと、その大盾をミリセントが蹴ってフィギュアスケート選手みたいに回転しながらツリーガードに飛んでいき、勢いのまま剣を浴びせようとする。ツリーガードが盾で剣を防ぐと、ミリセントは着地ぎわに今度は馬の脚を斬った。

ブルンと怯んだ馬に体の勢いを持ってかれて、ツリーガードはよろめく。そのよろめいた先にいたトラゴスは既にデカハンマーを振る体制に入っていて、ツリーガードを盾の上から思いっきりブン殴る。派手な火花が散ってツリーガードが反対側によろめくって、こいつチョー強いぜ!相手がラダーンだったからマズかっただけで、ツリーガード相手には使えるタチだ。トラゴスは怯んだツリーガードにもう一発追撃を浴びせかけてダウンを取る。そこにミリセントのミキサー攻撃とディアロスの鞭が飛んで、ツリーガードの鎧がみるみるうちに傷だらけになっていく。

ミリセント「力は強いが動きは鈍い!武器を振らせるな!」

ミリセントとディアロスの連撃喰らいまくり怯みまくりのツリーガードに、トラゴスと一緒に俺も盾を構えて突っ込んでいく。トドメは俺が刺すぜって勢いで俺が剣を振り上げると、その剣に赤い雷がぶち当たってマジ狂い!強烈な衝撃に全身の機能を犯し尽くされた拓也は、そのまま意識がぶっ飛び射精。全身の筋肉を硬直させてあらゆる体液を撒き散らしながら倒れ込む。

ミリセント「なんだ!?」

ディアロス「竜雷だ!竜のツリーガードは雷を操るんだ!」

地面に仰向けで倒れた拓也の激硬チンポは、雷の力で強制的にフルパワーを出させられてて噴水のような射精を開始。「うわっ!汚い!」と叫んだディアロスは、ツリーガードの足元で全身バイブ状態に堕ちている俺から、トラゴスと一緒に距離を取る。誰か助けてくれって心の中で悲鳴をあげる俺に向かって、ツリーガードが赤く光るハンマーを振り上げる。このまま脳みそ潰されて全身ぶっ飛び射精して死ぬんだって覚悟した時

ミリセント「拓也!」

飛び込んできたのはミリセントだった!
ミリセントは俺のザーメン噴水に頭から突っ込んで、顔と頭を真っ白くドロドロにしながらも俺の痙攣バイブガタイを抱きしめて、転がるようにツリーガードの足元から脱出。直後に赤い爆発が起きたけどミリセントと俺は潰されずに生還する。全身精子まみれの俺はガクガクと痙攣したまま白目で射精しながら、ミリセントに抱えられた状態でトラゴスとディアロスに合流する。

ディアロス「弧゜ッ!」

ミリセント「ディアロス!拓也を頼む!運んでくれ!」

ディアロス「え、えぇ!?コレをかぁ!?」

ミリセント「ためらってる場合じゃない!木陰に運ぶだけでかまわない!私は戦わなければ!」

ディアロス「断る!汚らしい!」

ミリセントとディアロスが拓也でパスを失敗させている間に、トラゴスがツリーガードと一騎討ち!ディアロスはどうしても俺を受け取りたくないらしく、ミリセントに押し付けられても大盾で俺を防いでくる。バイキンみたいな扱いされた拓也が心の中で泣いていると、ツリーガードがまた地面に赤い雷を落として、その余波が拓也のチンポに落ちてまたしても意識がぶっ飛び射精。ディアロスの紅白色の盾を白一色に染めながら、二度目のぶっ飛びがAEDみたいに作用した拓也は意識を完全に取り戻して、芋虫みたいにガタイを動かしてミリセントの手から抜け落ちる。

ミリセント「拓也!?もういいのか!?」

拓也「ウッス!俺のことはいいっす!トラゴスがヤバいっす!」

俺たちがザーメンにまみれてる間に、トラゴスは血まみれになっていた。

ミリセント「行くぞディアロス!トラゴスがやられてしまう!」

ディアロス「私の、大事な盾が…畜生!やってやる!やればいいんだろう!」

俺の金玉が空になるほどの射精を受けて、盾だけ白いディアロスと全身白いミリセントが駆けていく。ツリーガードは盾に赤い雷を纏わせてから、グッと力を込めて辺りに雷を降らせる。ディアロスは歯を食いしばって雷を盾で防いで、ミリセントは華麗にジャンプして、全身に浴びたオレのザーメンを白いドレスみたいになびかせて回避。地面に落ちた雷は地面を伝わって周りに散りながら、寝そべってる拓也のガタイにも微弱な電流を通していく。全身のGスポットに強烈な快感を叩き込まれた俺はまたも意識が振り切れて、よがりまくり狂いまくり白目剥いて吠えまくりの、ドライオーガズムの全身イキ地獄状態に堕ちていく。

ツリーガードのハンマーでボコボコに殴られていたトラゴスは聖杯瓶を一発キメると、ツリーガードの頭にボウガンを一発撃つ。矢は兜に弾かれて、ツリーガードの意識はトラゴスに向く。その隙にミリセントは馬の首の真下にスライディング、そこで一気にミキシングして、馬の頭を斬り飛ばす。バランスを崩したツリーガードが倒れ込もうとした時、トラゴスのデカハンマーはすぐそばまで迫っていた。

投石機からぶっ飛んだ石が地面にぶつかるような音がして、ツリーガードは倒れこみ、白い煙になって消えていく。「どうだ!やったぞ!」と跳ねて喜ぶディアロスと、フーと息をついて胸を撫で下ろすミリセントに、トラゴスは手を振りながら消えていった。

ミリセント「あ、トラゴっ…消えてしまったか」

ディアロス「どうなる事かと思ったが、やれるものだな!」

ミリセント「ああ、幸いにも、目立った手傷も無い。しかし拓也が心配だ」

ディアロス「心配なのは貴公の方だぞ…臭くないのか?私は今すぐにでも、この盾を洗いたいよ…」

ミリセント「え?」

ディアロスの言葉で、ミリセントは自分の手や顔にかかったネバネバをすくって、指で少し捏ねたりしている。「なんだこれは…?」って言ってから、試しにと嗅いでから

ミリセント「弧゜ッ!」

わさびを嗅いだ時の俺みたいに、鼻周りと眉間をしかめてえずいた。
ウリの相手やセンパイとのプレイの一環でならいいけど、そういう関係じゃない奴に顔射するなんて恥ずかしさと罪悪感で胸がいっぱいになる。普通に考えて犯罪だぜ。マネージャーに顔射したってきっと申し訳ない気持ちでいっぱいになるだけし、俺は心の中でミリセントに何度もごめんなさいを繰り返したけど、金玉が空になるほどの快楽のせいで全身に強烈な甘い痺れが走ってるから、だんだんと罪悪感が背徳的な快感に変わっていく。
こんな刺激をもう一回なんて食らったら,今度こそ俺マジに壊れるな。

104名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 16:35:46 ID:y8126aAk


【新作AV撮影終了!】


「身体を洗える場所が円卓にあるといいんだよね。だってさぁ、全身ザーメンまみれになっても洗えなくてかわいそうじゃん!」なんて言いながら、オレの探索仲間の裸がやっぱり気になる。「呑気なことを!誰のせいでこんなことをしてると思ってるんだ!」って、ディアロスは今は許してくれなさそう。だから俺は反省しながら、石鹸代わりのキノコなんかで全身をこすってる。

俺たち3人が外壁近くの水辺についたのは数分前のこと。3人で悪臭にヒィヒィ喘ぎながら、急いで服脱いで水にバシャバシャ入っていった。その間にも女の子だからって、ディアロスと拓也にもミリセントの裸は見ちゃいけないってエチケットがあった。だから3人で大きな三角形を作って、お互いに背中を向けながらしゃがみ込み、今は身体を洗ってる。水辺にいる蟹には今は拓也のザーメンだけが栄養だぜ!

ミリセント「ここの水、冷たいな…はぁ寒いっ…!」

背後から聞こえる声と一緒に水が跳ねる音がして、あ、今震えたなって気配が分かる。こっそり隣を見ると、ディアロスは黙って身体を洗ってるけど、眉間にシワをよせて耳と頬が赤い。なんだディアロスの奴、俺の隣で裸になってるのが恥ずかしいのかな?って拓也の心臓が高鳴るけど、散々イキまくったあとだからそれほど登り詰めることもなくて、互いに無言で身体を洗い続ける。

ミリセント「んっ…はぁっ……あっ…」

ミリセント「傷に、沁みるな…君たちは大丈夫か?…」

拓也「ウッス!大丈夫っす!」

ミリセント「そうか…んっ…ふうっ…ディアロス、君はどうだ?」

その間にもミリセントが身体を洗いながら話しかけてきて、俺は平気だけど、ディアロスは黙ったまま答えないから、色々察してニヤついちゃうぜ。ディアロスはノンケだから、耳と頬が赤いのもそういうことだよな?って気配を分析。そしたらミリセントのいる方から「んあぁっ!」って喘ぎ声が聞こえてまた水音。頭を洗ってるディアロスの肩がビクッと跳ねる。

ミリセント「はぁ、はぁ、だ、ダメだっ、腕に、沁みるっ…!」

ミリセント「はぁ…ディアロス、悪いが背中を流してくれないか?…片手だけでは、うまく洗えないんだ…」

これでミリセントに自覚が無いんだから、もうノンケくんにはたまらない。ディアロスは立ち上がってから裸のまま遠くにバシャバシャ歩いていって、腰に両手を当てて深呼吸。振り切れそうな正気を必死にこらえてるな、妄想を消そうとしてるなって、俺はエスパーみたいにディアロスの心が手に取るように分かる。「ディアロス?どうかしたか?」って追い討ちまでかけるから、ミリセントの純粋さに面白くなってきて、俺が呼んできまっす!って言うとまさかのオーダーが入る。

ミリセント「拓也、君でもいいよ。頼む」

俺がゲイだからいいけどさぁ、こんな無防備さらしちゃダメだぜ!こんなんじゃ世のノンケの食い物にされそうで、エルデンリングが直ったあとが心配になってきた拓也は、うーっすってミリセントの背中にガタイ向けてキノコ泡を手でシャカシャカ立ててから、ゆっくりめのストロークでミリセントの背中をこすっていく。

ミリセント「ああ…なんか…はぁ、気持ちがいいな…上手いな君…」

拓也「ウッス!ウリの前とか、終わった後とかに、流し合いしたがる客が結構いるんすよ」

ミリセント「はは、なるほどな…それでか…そういえば、ウリってどういう意味だったかな?」

しゃがみ込んでるミリセントは、さらさらと背中洗われて目を閉じたウットリ顔を上げてくる。自分で背中を洗うのはそうでも無いのに、他人に洗われてるとスゲー気持ちいいんだよね。ミリセントの背中には、義手がついてる所にはゴツゴツと硬くなったところがあるけど、そこ以外はきめ細かい皮膚が白く引き締まってて、肩を少し動かすとうっすら筋肉が盛り上がって健康美を見せつける。腰から背中にかけては一本の縦ラインも通っててスポーティー。まるで女の子みたいなシルエットをしたジャニ系な男の背中みたいだ、なんて思ってると不覚にもチンポに熱を感じてきてヤベー!ゲイの俺にも効いてくるなんて、神様の血が通ってるだけはあるぜ。

105名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 16:52:15 ID:y8126aAk

ミリセント「あんっ、そこはだめだっ!義手の周りは、沁みるんだ…」

ミリセントの細身ガタイがブルっと震える。雑念が入ると良くないよな。俺好みの女の子系スポーティー男子ボディが艶かしくて、つい力入って義手の接着部分に泡が入った。これがセンパイの背中だったら押し倒されて即喉マンコースだなって考えてると、怖いもの見たさと悪戯心が刺激されて、義手の隙間に入った泡を洗い流す時に、ちょっとだけ力を込めてみる。

ミリセント「あはぁっ!ちょっ、拓也っ、待って!君、今わざとやったか!?」

すっげ!チョーおもしれー!少し傷口を洗うだけで身体がビクンビクン跳ねてマジエロッ!ここからだとミリセントの胸も女マンコも見えないから立派なヅカ系イケメン男子にしか見えない。そんな極上の上玉を転がしてる気分が出てきて全身に鳥肌が立ち、あきらかにチンポが勃起してきて、その感覚でハッと正気に戻る。ヤバい!俺何考えてんだって慌てて頭を振るったあとに、足元の水を顔にかけてクールダウン。マジ危なかったぜ。

ミリセント「ディアロス、やはり君に頼むよ。拓也がふざけてくるんだ」

これ以上続けるハメになったら俺がどうなるか分かんなかったから助かったぜ!なんて思ってると、バシャバシャ音立てて歩いてくるディアロスの目がどう見てもイッちゃってて激ヤバ!ミリセントの泡まみれな尻からうなじまでをギン目で舐め回すように見つめてるし、こいつ完全にマジになっちゃってる!「もうそろそろ服着よーぜ、さみいよ」ってそれとなく終了を宣言するけどディアロスは絶対に聞く耳を持ってない。ディアロスはミリセントの背後にしゃがみ込むと、荒めな手つきでミリセントの肩を掴む。

ミリセント「え?」

急に手つきが変わったことにミリセントが驚いた直後に、拓也の不安が的中。
ディアロスが猛攻を開始!

ミリセント「んあっ!まっ、待って!はんっ!痛いっ!」

デリケートそうな義手の接着部分を指でこすって、白い角質みたいな部分をこそぎ落としていくディアロス。血は出てないけどアレは普通に痛そうだぜ。「おい待てって、ストップ!」って拓也の言葉も無視して、身体をくねらせて抵抗するミリセントを責めまくる。

ミリセント「あっ、あんっ!はっ!やっ!やめっ、ディアロスっ!君っ、変だぞ!」

ディアロス「侮るなよ…私も男なんだ…!」

ディアロス「忍耐にも限界がある!クソっ!」

鬱憤を晴らすかのようにミリセントの背中と傷口を洗いまくるディアロスに、傷口からはどんどん腐敗の角質みたいなのが無くなって綺麗になっていく。俺はディアロスの肩を引っ張って引き剥がそうとするけど、やっぱ力じゃ太刀打ち出来なくて汗ばかりが流れてくる。

ミリセント「んあぁ!いはぁ!はぁっ!しびっ、れるぅ!やめっ!ディアロスぅ!」

やべーよ!これじゃただのノンケ向けAVだ!って焦りまくっていると、水辺の端っこから声がした。


ならず者「そろそろ蟹釣っていいか?」


鍋いっぱいに蟹を茹でながらこっちを見てる奴からの声で、あんなに盛り上がっていたミリセントとディアロスも、氷水かけられたみたいにピタっと停止。固い動きで顔だけを蟹茹で男に向ける。

ミリセント「き…君…確かリエーニエに…」

ならず者「よぉ、蟹を食いに来たのかと思ったけどよ、いきなりおっぱじめたんで、つい見ちまったぜ」

ディアロス「ば…馬鹿な!違うぞ、これは!ただ汚れを落とそうとしただけだ!多少苛つきはしたが、それだけだ!」

ならず者「分かったからよ、終わったらさっさと服も洗ってくれ。長くやられると蟹が弱っちまう」

蟹茹で男の言葉でそそくさと退散した後、俺たちはミリセントと離れておこうって事になって、2人と1人で別れて防具を洗った。前にエビ茹で屋っていう奴がいるって話は聞いたけど、蟹茹でってことは兄弟なのかな?水浴びでスッキリしたあとに蟹を食うのもいいかもな。

106名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 17:05:08 ID:.WAZ5gtk
こういう時に拓也さんなら男の気持ちも乙女の気持ちもわからんもんかと思うけど全然役に立たねえな

107名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 17:05:14 ID:y8126aAk

身体を洗った後に服と防具も洗いはしたけど、すぐに乾く訳ないから仕方なく下着姿のままの3人で、蟹の入った鍋の火を囲む。蟹茹で屋に金のコックリングを払って、もらった蟹を食べると冷えたガタイに蟹肉の熱さとウマみが染み渡って気持ちが良くなる。ミリセントは蟹茹で屋の知り合いみたいで、ちょっと頼むと少し離れたところに火を起こしてくれたから、濡れた服とかはそっちで乾燥待ちだ。

ならず者「リエーニエでのあんたは、もう少し立派というかな、ハメを外さない奴だと思ってたんだが」

ならず者「それが中々どうして、やることはやっていたんだな。ククク…」

ミリセント「なんの話をしているんだ。私は身体の汚れを流してもらっていただけだぞ」

ミリセント「拓也、ディアロス、君たちも悪ふざけが過ぎる。やめて欲しいと言われたなら、素直にやめてくれないか。汚れも落ちて、腐敗の薄片も取ってくれたのは嬉しかったが、痛くてたまらなかったんだからな」

拓也「うす…」

ディアロス「すまない。つい苛立ちをぶつけてしまった。二度としない」

ミリセントに真面目な顔で説教されてる拓也は、でも下着姿のまま3人並んで座って蟹食ってるんだから、これじゃ蟹茹で屋も心の中で笑ってるんだろうなって想像にふけていく。でも食ってる蟹は美味いけど、これからコイツが釣る蟹には拓也の精子が入ってると思うと、蟹茹で屋にチンポしゃぶらせてる想像が出てきて笑えるぜ。

ならず者「蟹はなんでも食っちまうが、茹でる前に腹の中の物全部出させりゃ、何食ってたって味は同じだ」

ならず者「だが、あのキノコの泡は駄目だ。あれは蟹自体を弱らせちまう。腹の中を出させても、肉の味が落ちちまう」

ならず者「次からは気をつけてくれ。蟹好きには良い奴しかいねえと思って、こっちは頼んでんだからよ」

そんな俺の考えを見透かしたような答え。スゲーよコイツ、俺の精子を食った蟹を食うことを自然と受け入れてる。ウリさえ出来れば誰でも良くなってる極限状態の俺でも、相手の精子が入ってる食い物を常日頃から食べようとは思わないぜ。プレイの一環ですらない食ザーの男気に感じ入って、俺もミリセントにならって正座でかしこまって蟹の足をむさぼる。蟹を食い始めてから妙に全身がパンプ気味になってるけど、俺のビルダー筋肉も蟹に喜んでるんだろうな。俺のザーメンが水辺に流される前の蟹だから、拓也じゃなくても食える優しい栄養源だぜ。

ミリセント「しかし、こんなところで君に会えるとは思わなかった。君から蟹を分けてもらえれば、王都を進むのも楽になるよ」

ならず者「なんだよ、王都に入る気か?やめとけよ、ろくなことにはならない。それともまさか、本気でエルデの王になる気なのか?」

ミリセント「そのことだが、私にも分からないんだ」

ミリセント「この世の乱れを止めたいとは思う。円卓の探索者として、みなのために剣を振るうのも、私の喜びだ。そして私の内にある宿運が何を導き出すのかも、私は知りたい」

ミリセント「だが、私には王など務まらないはずだ。友に背中をあずけ、戦うことはできても、私に人を率いる器はないのだから」

ならず者「たしかにな。お前は人が良すぎる。エルデの王なんぞ、恐れられてなんぼだからなぁ」

エルデの王様の親戚がネフェリとゴドリックなんだから、王様ってのは力こそ全てって感じのヤバいパキギメ野朗なんだろうなって想像はつく。でもそんな王様も追放されてエルデンリングも壊れたんだから、今はそういうの時代遅れなんじゃねーの?俺だったらゴドリックよりもネフェリやミリセントの方が融通効かせてくれそうでいいな。でもイエロの瞳が違法になっちゃうからネフェリが一番良いけど、戦争になったら俺みたいなのも平気で徴兵しそうで怖いし、結局はマネージャーに落ち着くんだよね。そう思った直後に疑問が湧いてきた。


拓也「聞きたいんすけど、エルデンリング直した人って王様になっちゃうんすか?」


ミリセント「なるのか?」

ならず者「そりゃあ、なるんじゃねぇの?」

ディアロス「なるだろうな」

拓也「王様になっちゃった人って、例えば外の世界から来た人とかは、元の世界に帰れるんすかね?」

ならず者「無理だろ。そう容易く代わりが利くなら、こんな世の中になっちゃいねえ」

ディアロス「これは一般教養だが、永遠の女王マリカが、稀人であったことは事実だ」

ディアロス「しかし指読みの老婆が言うには、そのマリカも今は黄金樹に閉じ込められていると聞く」

ディアロス「神たるマリカさえも閉じ込めておけるのだから、王を引き止めるなど、黄金樹にはわけないだろう」

今までやってきた事の全ての意味さえ変わりうる衝撃的な可能性に、拓也もムラムラとした焦りを感じて、ついに競パンにしまいこんでいた携帯を手に取ってしまう。スピーカーももちろんONに設定。携帯の充電ができないから滅多な事では使えないけど、エルデンリングを直しても直せなくてもこの世界から出られない可能性は、今すぐにでも伝えないとヤバいぜ!

108名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 17:09:35 ID:y8126aAk

マネージャー「どうしました?拓也?」

拓也「ウッス!エルデンリングを直しちゃうとエルデの王にされちゃって、この世界から出られなくなる可能性ってありますか!?」

マネージャー「……」


マネージャー「…それは考えてませんでした」


マジかよぉ!多分あと少しでこの激しすぎる長旅も終わるぜって時に、まさかのトラブルで計画そのものがマジ狂い!エルデンリングを直してもここから出られないなら、じゃあどうすれば出られるんだよ!?

マネージャー「この世界のルールを修復するほどの力を持てれば、その力を使って私たち自身をルールの外に出すことで、元の世界に戻れると踏んだのですが… 修復した者がエルデの王にされてしまうということは、エルデンリングを修復した者はそのルールの一部として取り込まれてしまうのかもしれませんね」

マネージャー「分かりました。どうやらギデオンと争っている余裕は無くなってしまったようですね。私もこちらで色々と調べてみますので、拓也もミリセントさんとディアロスさんとともに、まずは黄金樹へのアクセスルートを開いておいてください。何をするにしても、まずはそこまでしないと始まらないと思いますので」

拓也「ウッス、了解っす」

マネージャーとの会話が終わると、急に疲れがドッと出てきて全身が重くなった感覚に陥る。蟹茹で屋とディアロスに携帯について聞かれたけど、遠くの人と話せるカラクリですって適当に返事してネムネムの顔でシラケ気味。携帯の中に卑人なんて入ってねーよ!食欲も失せてきて蟹のおかわりもやめた。

ミリセント「君達は…王にならないのか…?」

拓也「う、うっす…なったら帰れないかもしれないんで」

ミリセント「それなら誰が王になるんだ?ネフェリか?」

拓也「わかんないっす…」

ならず者「だから言ったじゃねえか、ろくなことにならねえとよ」

ならず者「だいたい、俺みてえな小悪党まで狭間の地に来ちまってるんだ。導きには、俺たちの事情なんてものは関係無いのさ」

ならず者「もう、とっくにおかしくなってるんじゃないのかね、あの黄金樹ってやつは」

3人で蟹を食い終わったあとの消沈ネムネムマシーン拓也の隣で、ミリセントも蟹を食い終わって立ち上がる。「いい蟹だった。ルーンは多く余っているから、いくつかくれないか?」「いくつかでいいのか?茹で蟹は多くても損はねえ」「それなら、蟹のハサミを60個ほどもらいたい」っていう築地めいた会話を終わらせてから、蟹茹で屋が麻袋に蟹を入れてると、ミリセントは俺たちに向き直った。

ミリセント「なにをするにしても、マネージャーの言う通りだ。まずは、黄金樹にたどり着かなければならない」

ミリセント「それに、私達は新たな律を見出す、探求者も探すことになっているはずだ。拓也、君や私が王とならないのなら、その探求者に王を勤めさせるというのも、打つ手のひとつとしてあるだろう」

ミリセント「私でも、これぐらいは考えが及ぶんだ。マネージャーなら、何か思いつくさ」

励ましてくれるのは嬉しいけど、下着姿で蟹買ってるのに、そんなこと言ってもサマになるのはズルいぜ。拓也はイケメンだけどそれ以上のイケメンはお得だよな。「お待ちかねの蟹だ。ルーンよこしな」「ありがとう。少し足しておいた。使ってくれ」「お、気が効くじゃねえか。やっぱり蟹好きには良い奴しかいねえ」って会話が完全に海の家だし。あーあ、天気の良い日は海に行きたいな。エルデの地には太陽の代わりみたいに黄金樹が光ってるから日焼けできるかわかんねーよ。

109名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 18:42:40 ID:y8126aAk


敵も味方も戦いに浸るだけさ!  投稿者:ビルダー拓也


蟹茹で屋から大量の蟹をもらって進むと、3人で王都攻略が始まった。
焚き火にあててたから服はほとんど乾ききったし、ザーメンの臭いもさっぱり取れてスッキリした全身に、落ち込んでいた気分も少し↑が入った。思えば雨シャワー以外でガタイを洗った覚えがないし、円卓にもシャワーが無い。みんなよく平気だよな。褪せ人は汗かかないのかな?暇な時に一回、探索仲間に聞いたことがあるけど

ネフェリ「身体を洗わなかったからといって、戦に負けるわけではないだろう。蛮地では数年洗ってない者もいる。匂いには慣れている」

ミリセント「ケイリッドで育ったせいか、その手の匂いには慣れてしまったよ。それに、最も忌むべき不浄が私の内に巣食っているんだ。いくら身体を洗っても、取れるものではないよ」

ブライヴ「平気なわけないだろう。鼻が効くのも考えものだ。お前と話す時は息を止めるようにしているんだ。お前以外は大して臭わんが、お前の口は臭すぎる」

ラーヤ「はしたないかもしれませんが、生き物の臭いが強いと、食欲を感じてしまうのです。何故なのでしょう?」

なんて答えばっかりだから、やっぱり円卓にも風呂があるといいんだよね。だってシャワーを抜くのが好きな客だけじゃないみたいにさ、今のままだとブライヴが可哀想じゃん。アイツにくさいって言われて俺本気で傷ついたしな。拓也が回想に耽っていると、王都の最初の祝福に到着。とりあえず灯して休憩を入れるなりね。


メリナ「拓也、ありがとう」

拓也「は?」

ディアロス「うわぁっ!?」

ミリセント「なんだ君は!?何処から出てきたんだ!?」

するとチョー久しぶりって感じで、昔会ったクール系地味女が出現。こんな子いたなそういえばって思ったけど、さすがにそんなこと言ったら傷つくだろうから言わないようにした。でも名前が思い出せないめりね。

メリナ「はじめまして、私はメリナ。貴方たちとは、初めて話す」

メリナ「私は使命を探して、拓也と共に旅をしていた。拓也は黄金樹との繋がりが全く無いから、私のことには気付かなかったけれど」

メリナ「それでも、貴方たちと力を合わせて、私を黄金樹の麓に連れてきてくれた」

メリナ「だから貴方たちにも、礼を言いたい。ありがとう」

とりあえず敵じゃないってことは分かったみたいで、ミリセントとディアロスは武器を構えないでいてくれてる。まぁ見た目は普通の女の子だし、これで襲っちゃったら犯罪だよな。

ディアロス「…出てきていきなり、そう言われてもな…」

ミリセント「君に礼を言われるようなことは、あまりしてやれなかった気もするが、礼を伝えられたなら、受け取っておくよ」

メリナ「拓也、ここなら、私も自由に動ける」

メリナ「…だから、私は、私の使命を確かめに行く。貴方達とは、もうお別れ」

拓也「お別れって言っても、俺たち会ったばっかりじゃん」

メリナ「貴方から見れば、確かにそうかもしれない。でも確かに、私たちは旅をした」

そう言うとメリナは立ち上がって、身体から青い光の粒を出しはじめる。
え?もう帰るの?何しに来たんだよ?メリナの身体は少しづつ薄くなってきた。

メリナ「貴方達が、使命を成就できるように、拓也にも、円卓に戻れる力ぐらいは、残してあげられる」

メリナ「貴方達はきっと、王を見出せる。エルデンリングを掲げる、エルデの王を」

ディアロス「待ってくれ、貴公は確か、拓也とずっと共にいたと言ったな?」

メリナ「?  ええ、そうよ」

ディアロス「ははは、それは大変だったろう?」

ディアロスが笑うと、メリナの身体が急に元に戻って青い光も消える。
それからまた座って、ジトッとした眼を向けてくる。

110名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 18:44:56 ID:y8126aAk


メリナ「……ええ、まぁ」

ディアロス「色々と妙なことをするからな、拓也は。たまにはうんざりする時もあったんじゃないか?」

メリナ「……あった」

拓也「なんなんすか!やめてくださいよ!これセクハラじゃないっすか!」

メリナ「正直に言う…あなたには優しさがあるけれど、浅はかで、下品で、汚すぎる。マネージャーにお尻にお酒を入れられたり、イエロの瞳を吸わされたりしても仕方がない」

ヤバいぜこの子、エンジンが入ってきた。
吊し上げられる前になんとか話題を変えたい拓也だけど、新しい話題が思いつかない。
そんなのすぐ出てこねーよ。

ミリセント「日頃の行いが悪いからだぞ、拓也。…ただ、今の話もそうだが、マネージャーにも良くないところはあると思う」

メリナ「すぐに叫び声を上げるし、乳首をいつもいじってるし、何かあったらすぐ撒き散らすし、みんなも何度か、貴方のせいで死にかけた」

メリナ「もうしないでほしい。反省してほしい。もっと真面目にやってほしい」

拓也「真面目にやってやってんだよこっちは!」

ミリセント「すまない拓也…少なからず、私も同じ意見だ…」

ディアロス「ツリーガードとの戦いであんなことをしておいて、よく真面目などと言えたな」

おかげで蟹が買えたじゃんって反論もしてみたけど、そんなの偶然だろってあっさり斬られる。なんだよ、結局俺を批判するのが目的なんだよな。今までの旅でも単なる「変なペット」感覚として付き合ってくれていただけだって言って拗ねたら「そこまで言うつもりじゃなかったんだ、すまない」ってミリセントは謝ってくれたけど「そんなこと言ったら付け上がる。勝手に盛り上がってまた変なことをする」ってメリナが釘を刺してくる。少しは俺のこと信じてくれてもいいのにさ。結局そのまま言われたい放題の10分間が続き、メリナは満足して消えていった。アイツ何しに来たんだよ?

111名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/12/31(土) 18:50:46 ID:y8126aAk

俺への弾劾が終わってようやく休憩も終わり、王都探索をスタート。
部屋から出て少し階段を下ると、すぐに冗談みたいな光景が見えて「マジか!」と叫び声を上げる。視界の隅まで金色の屋根の建物が建ち並んでて、水路や大通りには黄色い葉をつけた木が植えられてる。奥にはローマのコロッセオみたいなのが見えて、左の方にはチョーでかい城と、城よりもバカデカい黄金樹が立ってるし、その黄金樹をギン目で睨みつけたままのドラゴンが、ゴジラみたいに街を踏んづけて固まってる。バリ島はきれいだったけど、王都は綺麗なんてもんじゃねえぜ!

拓也「うわ…すぅっげ…やべーなコレ!」

ミリセント「これが、王都ローデイル…」

ディアロス「あれはグランサクスか…王都に槍を突き立てた伝承は、本当だったのか…」

激ヤバのモロファンタジーな空気に気圧されそうになっていると、ミリセントが剣を掌でクルクル回して、なにか確認を終えたみたいに「よし…行こうか」って拓也とディアロスに振り返る。ここまで来て引き返すのは無しだぜ。意を決した俺も、ディアロスとミリセントの3人で、城壁沿いの階段を進んでいく。

すると現れたのは、マシュマロを縦に並べたようなラッパ吹きだ。いきなり出たなって感じで武器を構えるけど、ミリセントが手振りで待ったをかける。よく見るとマシュマロは、ラッパを吹きまくってるだけで襲ってこない。「なんで襲ってこないんすかね?」「こちらに気付いていないだけかもしれない」とヒソヒソ話してると、ミリセントがマシュマロにゆっくり近づいていって、後ろから頭にポンと手を乗せた。

信託使者「パッ!」

振り返ったマシュマロは、ミリセントを見てラッパからヒドイ音を破裂させたあとに、ラッパを落として口元に手を当てて震え始める。

ミリセント「あっ、すまなかった、驚かせるつもりはなかったんだ」

拓也「ゲロ吐きそうなんすかね?」

ディアロス「どうだかな。毒を吐くのかも…」

震え続けるマシュマロが、今度はミリセントの手をとって両手で包んでから、ラッパを拾ってチョー綺麗な、そんな音どうやって出してんの?ってくらい綺麗な音を出すと、遠くからはデカいマシュマロや小さいマシュマロがクルクル回りながら近づいてくる。「増援を呼んだんだ!罠だ!」ってディアロスの声に、ミリセントも剣を構えていつでもミキサー攻撃を打てる姿勢に入る。

でもマシュマロはミリセントの前で、一斉にラッパを床に置いて祈り始める。これどっかで見たよな?って、乳首をこねくり回したい衝動を必死に我慢しながら思い出してると、ディアロスが先に思い出した。

ディアロス「日影城だ!あの時と同じことが起こっている!」

ミリセント「あの時か…それでは、彼らもマレニアの信奉者なのか?」

ディアロス「祈りを捧げているということは、そういうことなのだろう」

始まって早々ついてるぜ!マシュマロ達はミリセントに祈り終えると、ラッパを抱えて一斉に散っていって、そこら中にラッパを吹くと中から金色のシャボン玉が出て、奧に転がってる石像をシャボン玉で粉々にしていく。そのまま城壁の上から街に向かって一斉にシャボン玉をばら撒きまくって、騎士、兵士、小さい石像を次々に爆撃。頭上からのシャボン玉レイプに下の奴らがなす術もなくガン掘りを強要されていく。すげー強いけど何考えてこんなことやってるのか分からなくて、うわー、て感じのディアロスとミリセントの隣で、拓也の背筋にも寒気が走る。絶対それ楽器じゃねえよ!

マシュマロの爆撃が終わったあとは、家具壊れまくり焼けまくり、白目剥いて人死にまくりの中を歩いていく。デカい盾を持った騎士とかも濡れ雑巾みたいに伸びてて、これと戦わなくて良かったと思う反面、ミリセントがいなかったらマシュマロも敵に回ってマジヤバかったと首筋に鳥肌が立つ。でもシャボン玉の爆撃の範囲は意外と狭くて、蟹を歩き食いしながら大通りに出ると、そこから先は手がつけられていない王都が広がる。

そのまま進むと、空から家くらいはある大木が降ってきて道を塞いでくる。どこから落ちてきたんだって疑問に思ってると、大木には手と脚が生えてて、ラダーンの大剣よりちょっと小さいくらいのデカハンマーを持っていた。どいつもデカい武器持ちやがってさぁ、殺すの好きな客だぜ。

112名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 16:59:48 ID:HS5rc7F.

ミリセント「これは、小黄金樹?…動いて、武器まで持ってる…君は何か知らないか?」

ディアロス「小黄金樹から生じる化身である以外には、何も知らないな…しかし、こうして実物を見ることになるとは…」

拓也「やっぱヤバい奴なんすか?強い?」

ディアロス「この分だと、強いなんてものでは無さそうだ…可能なことなら戦いたくはないが、こうも道を塞がれては、やるしかないか…」

とうの黄金樹からはまだまだの距離だけど、たぶんしばらくは強敵と連戦しまくりだぜ。と思いながら、あー、さっき食った蟹が気持ちいい。木の化身は両手に持ったハンマーを揺らして樹液の匂いをムンムンに溢れさせながら俺たちに向かってくる。そしてディアロスが盾を構えた瞬間に、盾に向かってハンマーをぶん回して、ディアロスが防ぎつつ後ろにスライド。無言で機械的に襲ってくるのが一番怖い敵だと分かったぜ。

「まともに受けるのは危険だ!壁に追い詰められるぞ!」って言ってるミリセントは木の化身の脚を蹴ってから壁を蹴って、化身の肩あたりにくっついた。すっげー!スーパー・マリオの壁キックじゃん!そのまま剣で斬りつけるけど、この木めちゃくちゃ硬いぜ!ミリセントの剣がまともに通らないって相当だな。「剣が刺さらない!?」ってミリセントも焦ってるし、いつものようにピンチな展開だ。

ディアロス「植物が相手なら火が効くはずだが…火なんて持っていないぞ…!」

ミリセントが木の肩あたりで剣をカンカン打ち付けてる間に、ディアロスも脚にムチを飛ばすけど、ミリセントが斬りまくってるせいか完全に無視されてる。ミリセントの方はというと払い除けようとする手を避けながら斬ってるから早くも息があがってて限界が近い。オレもどうすればいいのかを乳首つねって捻り出そうとするけど、良いアイディアはこんな時に限って全然全く来てくれない。木の化身はイライラが頂点に達したみたいで、ハンマーから金色の粉を舞わせて振り上げる。ヤバいと思った時にはすでに振り下ろされてて、ディアロスは転がって避けたけどミリセントが金色の爆発に巻き込まれた。

地面に落ちたミリセントに今度は光の雨が降り注ぎまくってそこらじゅうピカピカ光りまくりだし、化身の図体も邪魔だし、もうどこにミリセントがいるのかわかんねー!「やべえよ!撃たれまくってる」って俺の言葉も無視してディアロスが化身のケツをムチで責めると、ケツマンは敏感だったみたいですぐに振り返ってハンマーを落としてくる。そのハンマーをまともに防いだディアロスはぶっ飛びダウン。壁に背中を打ち付けて動きが鈍くなる。使える戦力はまた拓也だけ。

そんな状況でも乳首をつねるのをやめなかった俺にまたしても運命の女神が微笑んで、ついに俺は新テクを開発!倒れたミリセントの方に振り向こうとしてる化身をギン目で挑発したあと、その場でズボンと競パンを脱いでチンポ丸出しなり、走って近づくと腹に力入れて思いっきり化身の脚に小便をぶっぱなした。その瞬間に化身くんも感覚がぶっ飛んだらしく、その場でガクガクと痙攣をはじめて動けなくなっていく。

ディアロス「なっ…なんだ拓也…貴公は何をした?」

ミリセントが起きる前に急いで競パンとズボンを履いてると、ディアロスがふらつきながら聞いてくる。

拓也「俺の小便には何十種類ものキメものが混ざってるんすよ。キメションを根っこにかけて吸わせてやったぜ!」

拓也「あ、キメものっていうのはドラっす!薬物のことっす!」

俺がタネを明かしてる間に、化身くんも種を吹き出したみたいで、その場でガクガク痙攣しながら全身の色んなところから花を咲かせて花粉まみれにしている。気持ちよさそうにイキ狂ってるぜ!植物ってマジ淫乱!

ディアロス「馬鹿な…貴公がやっていた薬はイエロの瞳のはず…そんなものでここまで…」

ディアロス「…いや、そういうことか!貴公はこの世の外から来た者。つまり貴公の小便もまた、この世ならざる物なのか」

ディアロス「全身に回った異物から、自らの種子を守ろうと抵抗しているのだ!」

マジ?化身くんにとっては、俺が違ドラってこと?そうと分かれば容赦はしない拓也は、ミリセントが起きる前にまたチンポを露出させると小便の残り汁をかけて、今度は全身をリラックスさせた状態から喉に手を入れて刺激を入れ、根っこにゲロをぶち撒ける。化身の痙攣が一層激しくなってついにハンマーを保持出来なくなって落とし、身体を倒れ込ませる。こいつ効きまくりだぜ!ミリセントはもう少し奥に倒れてるから、潰される心配も無いし、これで全力を出せる!拓也にケツを向けてダウンしたのが運の尽きだぜ!

俺はグチュグチュになった化身のマンコに近付いて、指ですっと撫でるとビクンという痙攣とともに、寒天みたいなドロドロが大量に粘りついてくる。脚もピーンと伸びきって、こいつもうトロトロじゃん!淫乱に受け入れ体制が整っている化身のマンコは、あんなに硬かった樹皮をグニャってふやけさせている。ここまで整ってるんだから挿れてやらないと可哀想だよなって思いながら、俺は思い切りチンポぶち込んで腰をつかい始めた。

ディアロス「え…おい…何やってるんだ…?」

拓也「見て分かること聞くんじゃねーよ!セックスだよ、セックス!」

ディアロス「き…貴公、既に狂っているぞ…」

113名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:01:06 ID:HS5rc7F.

蟹を食って元気が出てるせいか、いつもよりチンポがギンギンに硬くなってて、ふやけてグズグズの化身の雄膣はいとも簡単にガン掘りされ、樹液くさい愛液と一緒に木屑を噴き出していく。「おら!もっと鳴いてみろよ!」って拓也にSが入って腰のグラインドを激しくすると、バキバキといって化身のマンコが崩壊、ガバガバになっていく。「ふざけんじゃねーよ!締め付けろよ!」調子が出てきた時に圧力が無くなってチンポの血流が一瞬緩む。化身のキツマンはもうスカスカであっという間に開発が終わった。しょうがないから今度は頭を突っ込んでサメみたいに回転してやろうと考えてると…

ディアロス「ミリセント!大丈夫か!?」

ミリセント「う…かなり撃たれたようだ…手を貸してくれないか…」

ミリセントの意識が戻って、ディアロスに介抱されていた。俺の目的は化身くんを湿地帯の木造小屋マンコに改造することじゃなくて、倒すことだったんだって正気に戻る。こうしちゃいられないから急いで濡れまくりのチンポを化身の脚に擦り付けて拭くと、化身の開発済み雄膣に俺のケツマンを密着させ、思い切り力んで糞を叩き込むと化身に雄鳴きが入る。

黄金樹の化身「ンオオォ〜!あおぉぉーっ!おーっ!」

ミリセント「これは…泣いている、のか?」

ディアロス「拓也が今、筆舌に尽くしがたい冒涜を、奴に行っているところだ…」

ミリセント「冒涜…? まさか…」

懇願するような雄鳴きを上げながら俺のクソでマジ狂い!植物なだけあってスカトロ趣味なんだなって感心しながら、また追加で小便をかける。うつ伏せの大の字でブルブルと振動しながら、全身から愛液を流しまくって感じまくりイキまくりの淫乱大樹野朗に堕ちたところで、身体中から湿ってグジュグジュになった木片を垂れ流し始めて、全身が崩壊を始める。

ミリセント「哀れだ。ひと思いに、楽にしてやろう」

化身くんには、人間だったら頭があるはずの所にデケー穴があったけど、ミリセントはそこに入っていって、グズグズの木の中でミキサー攻撃をぶちかます。全身雄膣になってるところを体内から掻き回されて、化身くんは一際大きく鳴くと粉々に砕け散った。ミリセントは猛烈な剣の勢いで化身くんの愛液を弾いていたから全然濡れていない。一方俺は全身愛液まみれで、化身くんの快楽を自分のものであるかのように妄想して胸筋を撫で回し、乳首を吸っていた。ギリギリで競パンとズボンは履き終えてたけど、そのチンポは勃起していた。

ミリセント「…君…なにやったんだ? …その様子だと、また変なことをしていたのだろうけど…」

拓也「うおーっす!うーっす!うぉ…あ、すいません!」

拓也「あいつキメションが弱点だったんで、小便とか糞とかとにかくぶち込んだらイケると思ったんで、やってみたんすよ」

ミリセント「糞…!?」

ディアロス「糞までか…」

ミリセント「なっ、なんてことをするんだ!中に入って斬ってしまったじゃないか!体についてないだろうな…」

拓也「全然服とか汚れてないんで、大丈夫じゃないすか?」

黄金樹の化身をレイプし尽くした拓也達は、まだ探索の途中だったんで進行を再開。ミリセントは自分の服とか腕とかをクンクン嗅いでる。俺のザーメン被った時は平気な感じだったのに今はやたら気にしてるから、きっと興奮してる時は細かいことを気にしなくなるんだろうな。ネフェリが今ここにいたら、敵の名誉を汚しすぎだとかでお説教コースだ。

114名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:05:28 ID:HS5rc7F.

大通りを歩いていくと正面に兵士と騎士の3人組が見えてきて、その奧にデカい扉が見えるけど、どうみても開きそうにないから3人組を無視して手前の階段を登る。でもさぁ、登った先が行き止まりだったらどうなんだよぉ?不安は外れたけど、フル装備の騎士と兵士が10人以上?20人以下?も歩き回ってて、いきなり見つかったから先制攻撃でミリセントが二人くらい瞬殺したら一斉に襲いかかってきた。デカい矢はディアロスが盾で弾いてるけど
、俺はデカ剣を振り回してる騎士に追いかけられてマジ斬られるなって時に、ミリセントが割って入って斬りまくり。敵が多すぎて対処できねーよって逃げまくってるところに、またしても新テクを開発!

ローデイル騎士「弧゜ッ!」

ミリセントを二人がかりで追い詰めてる騎士の一人の後ろから忍びよって、兜の口の部分にイエロの瞳をねじ込んで食わせたら騎士がマジ狂い!ミリセントや俺に剣を振り回したあとに、味方の騎士の腹を大剣で犯してから味方の兵士に突っ込んで斬りまくる。敵も味方も戦いに浸るだけさ!イエロの瞳をキメた騎士は兵士全員を5人くらい斬り殺してから、血まみれでディアロスに襲いかかって行ったけど、足元がフラフラなところを首に鞭責めを食らってマジ逝き!その場に倒れ込んでピクピク痙攣したまま動かなくなる。

集団を撃破した後に周りを調べると、奥に壊れかけの石像と兵士が何人か居ただけで行き止まりだったし、反対側にはブレードライガーがいてマジやべーよ!街中に猛獣を放つなよな!このまま戦っても余計な深傷を負うかもって、一旦撤退して元来た階段を戻る。そしたら階段のとなりに横道があって先に進めることが判明。無駄な殺生したぜ。

横道の入口前で待機してる兵士をミリセントが剣で首ファックすると、道の奥の騎士がデカ弓矢を撃って挑発してくる。こっちが大盾を構えたディアロスを先頭にして近づいていくと、騎士のやつらは剣を構え始めて、その隙にディアロスの大盾タックルが炸裂!バランスを崩したところにミキサー攻撃をぶち込んで、となりにいた白い服きた奴と一緒に瞬殺。だいぶコンビネーションもサマになってきてて、アメリカの特殊部隊な気分になってくる。

特殊部隊と化した3人は梯子を降りて下水道を通過。真っ直ぐ行くと、チョーデカいドラゴンの翼の影になってる区画に出る。そのまま降りると、両手に角栓のついた鼻パックみたいなデカ棍棒を持ったムキムキガタイの男が立っていた。

またヤバそうなヤツが出てきたなって思う暇もなく、男は両手のデカ棍棒でディアロスを盾ごと弾きとばして、ミリセントに炎を吐いてくる。でも盾で攻撃を防ぎきっていたディアロスからのムチに背中を犯されて大量出血。その隙をミリセントに突かれて腹と首を斬られてダウンした。ディアロスが聖杯瓶を一杯あおると、建物の中に祝福を発見。みんなで囲ってからひと休みだぜ。

ディアロス「難敵ばかりだ…このままでは保たないぞ…」

ミリセント「ああ、覚悟はしていたが、これほどの連戦は流石に堪える。…ともかく、黄金樹への道を見つけるまでは、進むしかないが…」

拓也「ウッス!頑張ろうぜ!」

ディアロス「ははは、貴公は気楽でいいな…」

115名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:15:17 ID:HS5rc7F.

休憩中に3人で蟹をしゃぶり、殻を捨てて探索再開だぜ!
今度は祝福を出た先にある梯子を降りてみると、また地下道に出る。壁に手の形の化け物が張り付いていたけど、そいつは無視して大部屋に入る。部屋の中の騎士が立ち上がるとディアロスとの盾のぶつけ合いが始まって、後ろに回り込んだミリセントが騎士の首を掻き切って終了。外に出たら直後に地面が爆発して、皮を剥いた腐ったトカゲを大きくしたみたいな奴が出てきた。チョーグロ!バイオハザードじゃん!

ディアロス「今度はなんだ!?」

ミリセント「ここでは狭すぎる!走り抜けるぞ!」

ミリセントの提案に即座に乗った俺達は、ゾンビがうろつく家々を通り抜けながら、後ろから迫ってくる腐れトカゲを蒔こうとするけど、アイツ建物壊しながらゾンビも潰して血だらけで襲ってくるからマジ怖い!一瞬食い殺されることを覚悟したけど、なんとか倉庫みたいな場所に入って九死に一生を得る。

と思ったら部屋には兵士がたむろしていて一斉に壺を投げてきた!地面や盾に当たった壺からは電気がバリバリ流れまくって、そこら中光りまくりで前が見えねーよ!九死に一生が十死になるかと思ったけど、ミリセントがミキサー攻撃で特攻を掛けて四人くらい斬り倒すと状況が一変。壺攻撃が素早いミリセントに集中して外れまくってる間に、ディアロスがムチで兵士を調教。一人ずつ出血イキさせて全滅させた。次から次に激戦しまくりで、王都は戦力が尽きることがねーな!

部屋から伸びてる梯子を登って上に出ると分岐点。右のドアの奥には騎士が弓矢を持ってギン目で警戒している。見て分かるとおりの罠にウンザリしてると、左の階段を登っていたミリセントが祝福を発見。マジ助かるぜ。このまま休まず進んでたらマジで身がもたねーよな。

ミリセント「はぁ…」

ディアロス「…提案なんだが、今日はもうやめにしないか?体の疲れは祝福で取れるが、それでも疲れてきたぞ…」

ミリセント「いや、やはりこのまま行く方がいいだろう。私達は、いわば不意を打ってここまで来てるんだ。今引いてしまえば、私達を退かせるための備えが、整ってしまうかもしれない」

ミリセント「そうなれば、次は入ることすら出来なくなるかもしれない…それは避けたいんだ」

ディアロス「そうか…」

拓也「ウッス!俺はまだいけまっす!」

ディアロス「なにがウッス!だ…何にウッスって言ったんだ…」

ミリセント「フッ、君はまだ元気そうだな。これからも、そんな君であってくれ」

目に見えて疲れが出てきたけど、もうちょっと頑張るぜ!
実は俺も空元気なところがあったけど、蟹をつまみながらミリセントのちょっと疲れた微笑と、加虐心をくすぐってくるディアロスの疲れ顔を見ているうちに本当の元気がまわってきて、これから出会う王都のたくさんの強いペットたちにムラムラ闘志を感じる。

休憩を終えたあと、罠としか思えないドアを潜るとデカ矢が飛んできてディアロスの盾に弾かれる。そのままディアロスの後ろに隠れて進むと、弓矢を構えてた騎士を含めて3人も騎士が攻撃してきて、ディアロスの盾がついに限界を迎えてぐらついて来る。でも騎士がディアロスの盾を斬りまくってる間に、ミリセントはディアロスの背中を踏み台にして、騎士たちの真上にジャンプしていた。

それからは頭上からのミキサー攻撃で一人の騎士が即逝きしたけど、残りの二人は盾で防いでいたみたいで、一人がミリセントの義手に剣を叩きつける。ミキサー攻撃が中断されてヤバい!ってなってるとディアロスが一人の騎士の脚にムチを絡ませて、そのまま引き倒してダウン。2対1からタイマンになったミリセントは、騎士の盾に隠れるようにして騎士の視界から姿を消し、相手の背後に回り込んで背中をひと突き。一方ディアロスは起きあがろうとする別の騎士の頭に、何度もデカ盾の尖ってるところを叩きつけまくってKOしていた。

騎士達を倒してさぁ奥の門を開けるぜってなったけど、ガチガチに固められててビクともせず断念。しょうがないから動かないままになってるデカい竜の翼を伝って上に登っていく。これ途中で動いたりしないよな?って不安に反して、翼は途中で折れていた。「コイツやっぱ死んでるんだな」って言いながら、翼から降りた先にある瓦礫に着地。そのあとまた梯子を登って、黄昏ている騎士をディアロスがタックルで突き落とす。壁に隠れてた兵士の不意打ちもミリセントに見透かされて、外れた直後にミキシングされて死んだ。一人相手にマジエゲツないぜ。

116名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:21:47 ID:HS5rc7F.

また祝福についたけど、蟹はさっき食べたばっかりだから5分くらい3人で川の字にk寝転がって休憩。終わったらまた進んだけど、早くも目の前に、さっきの化身くんと同じくらいデカい石像が武器を構えて止まっている。またとんでもねーのが出てきたなぁっていい加減慣れてきた拓也の隣で、ミリセントが前を指差した。

ミリセント「あれは…最初に会った笛吹き達じゃないか?」

ディアロス「おお、彼らか!ありがたい。助力を頼めないか?」

ミリセント「やってみよう。何か投げるものは無いか?」

ミリセントに言われて、俺は床に這ってある木の根を折ってミリセントに渡す。ミリセントが木の根を投げると、3人組のマシュマロのひとりの頭にボヨンと当たって、3人が振り向く。その3人にミリセントがおいでおいでってジェスチャーをすると、3人で両手をあげてなんか喜び始めた。嬉しいのは分かるけどさぁ、早く来てくれよなっ!て俺の焦りが伝わったのか、3人組はクルクル周りながらミリセントに近づいてくる。雪だるまみたいなのが近づいてきたから、シュールだったぜ。

ミリセント「来てくれて礼を言うよ。君達に頼みが…」

ミリセント「いや、はは、分かったから、話を聞いてくれないか」

マシュマロ3人組は、有名人の追っかけみたいにミリセントに両手の握手を求めたり、笛を吹いて祈ったりを始める。まぁミリセントも、コイツらにとっては神様なんだからしょうがないよな。イエス・キリストが、地上に舞ぃ降りたら、みんな仲良くなって、平和が来るのかもね(笑)

どうにか3人組をおさめてから、さぁ石像をどうするかってガタイ考察を始めようとしたら、3人組の1人が石像の真後ろを通過する。そんなことしていいのかよ?って心配をよそに、他の二人のマシュマロも続いていく。「あのガーゴイル像、まさか、背後は警戒していないのか?」ってディアロスが呟くけど、試しにミリセントも3人組に続いてみたら本当にセーフだった。ミリセントが👍サインを出してから、俺とディアロスも続く。敵かと思ったけどただの置物みたいで楽勝だな。

でも通過した先には、黄金樹とは関係ない方向に続く道と、黄金樹のある方向には伸びてるけど、道ですらない木の根が生えている。その根っこの上を3人組が渡って行くんだからたまんねー!こんな木の根を街の交通網にするんじゃねーよ!って愚痴が喉まで出かかる。

木の根の上には花を背負って眠ってる奴らがいたけど、そいつらをマシュマロは片っ端からシャボン玉で爆撃レイプして、根っこの上から突き落としていく。敵意があるかも分からない奴らにさえ全く容赦が無いからマシュマロのことが怖くなった。ミリセントはかわいい者たちじゃないかって母性をくすぐられてるけど、ディアロスと俺の意見は不気味で一致してるんだよな。

117名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:28:11 ID:HS5rc7F.

木の根を上がり切ると神殿みたいな建物に到着。黄金樹がすぐ目の前まで迫ってて、激光りの威圧感を放ってくる。やっとここまで来たぜって想いと同時に、仕事も終わったから早く祝福で休みたいって気分になり、早く建物に入ろうぜってミリセントに言う。マシュマロ3人組も建物にクルクル入って行った。でもミリセントは黙ったまま、黄金樹を見上げていた。

ミリセント「…ついに、ここまで来たんだな」

ディアロス「ああ、かなり大変な道のりだったが…ともかく、生きているだけで私には十分だ」

ミリセント「十分か…黄金樹への道を開いた後も、やらなければならない事はあるが、たしかにそうかもしれないな」

ミリセント「今日は特に長い一日だった。黄金樹についたら、円卓に帰ろう」

ミリセントの微笑みに俺とディアロスも綻んで、なんか良い雰囲気になってくる。ウリ仲間との筆休めキャンプを思い出すけど、あの時よりも気分の↑も高くて、やっぱ休憩の一番のスパイスは激しすぎる肉体労働なんだよな。俺も早く帰ってイエロの瞳の仕込み作業に入りたいぜって、思わず乳首を弄りつつ建物に入ると、金色の煙がもと来た道を塞いできた。

ミリセント「え?」

ディアロス「霧が!?」

拓也「マジかよぉ!」

ハメられた!入口にバリアを張ったな!
気付くと部屋の真ん中から光りが迸ってるし、3人組もラッパを構えて戦闘体制に入る。
こりゃやるしかねーなって気力振り絞って腹をくくり、拓也もミリセントとディアロスと一緒に武器を構える。そして目の前の光から現れた超絶ガタイの金ピカ男を見て、ディアロスが両膝をついた。

ディアロス「ば…馬鹿な…こんなことが…」

ミリセント「どうした?敵が現れたんだ、早く立ってくれ」

ディアロス「無理だ…勝てない…」

ミリセント「どうしてそんなことを…それとも君は、あれが何か知っているのか?」

ミリセントが指指す先にいる金ピカビルダーは、バカデカい斧を持ち上げると、ゆっくりと歩いてくる。
ディアロスはそんなビルダーに屈服した眼を向けていた。


ディアロス「あ…あれは戦王…」

ディアロス「…最初の王、ゴッドフレイだ…」


予想外すぎる急展開にいきなり希望を打ち砕かれて、拓也のメンタルマジ狂い!ミリセントも額から、目に見えて分かるくらいの汗を噴き出して、金ピカビルダーに驚愕の顔を向ける。目の前にいる3メートル超えの男は、ネフェリとゴドリックに父祖って呼ばれてるあの最初の王だ。円卓でイエロの瞳の栽培に戻る夢はゴッドフレイに踏み躙られ、王都ローデイルは俺達を、徹底的に俺達をしごきあげる。

118名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:36:24 ID:HS5rc7F.


【今日は3死合】


王都を登りきったあと、突然現れたゴッドフレイにハードな調教を受けることに。ディアロスがガンガン斧を叩きつけられてる最中に、ミリセントがマシュマロ3人組に協力要請。今度はマシュマロのシャボン玉攻撃にドバドバ爆撃されたゴッドフレイは、足踏みを一発キメるだけで床をめくり上げて、シャボン玉を破片で掻き消してくる。そのあとガッツリ踏み込んで斧をぶん回してマシュマロの一人を即逝き!そのあと、上下から飛びかかってくるミリセントとディアロスを斧の腹で弾き返してまた足踏みを挟む。マジ近づけねぇっす!

今日はただでさえ戦いまくり走りまくりで、パンパンに全身パンプさせてついでに臀筋も乳酸でプリケツになってるのに、おまけにこんな奴まで出てくるとかマジでイカれた街だぜ!非常識なくらい強い足踏みで床がグチャグチャになるなかで、振動を避けるために柱にしがみついてセミ拓也ができあがる頃、マネージャーからの着信。出てみると無言でワン切りされる。間違えて電話かけてきやがったな!

ミリセント「だめだ!近づけない!挟み討ちにするんだ!」

ミリセントからプランが飛んで、ディアロスは盾を構えてゴッドフレイの背後に、ミリセントは前方に移動して、すでに戦闘体制の身体に茹で蟹を補いカニギメ状態に到達。その蟹ってただのメシだけど、戦ってる最中に食って腹壊さないのかな?でも緊迫した雰囲気で一飲みにしてたから、俺も一応食っておいた。

ミリセント「来い!」

とミリセントが言ってる間に、俺のガタイもパンパンに張っていく。蟹の効力がビルダーガタイを補うための筋肉増強剤だってことが分かったぜ!ミリセントの作戦が蟹パンプして自分のガタイをエロくすることで、テンションに↑を入れることだったのは分かったけど、ミリセントはゴッドフレイに突撃するも突き出した剣を斧に阻まれて、押し返されながら頭突きでぶっ飛ばされる。それだけで一気にゴッドフレイはガン責めモード突入だ。突撃には突撃を、突きを出したら突きをやり返され、激デカ斧で壁に追い詰められるミリセント。

後ろから責めようとするディアロスには、ドカドカと足踏みの床爆発が入りこみ、全く近づけない。二人のマシュマロがゴッドフレイを爆撃すると、奴もチョーデカい二の腕にギン盛りの血管をこれ以上モッコリできないくらいに浮き出させ、そのまま斧をぶん回してマシュマロの一人を真っ二つにする。その一瞬の隙に、ミリセントが全てを叩き込むかのような猛烈なミキサー攻撃を仕掛け、ゴッドフレイの金色のガタイを削っていく。

ディアロス「今だ!」

ミキサーアタックで一瞬怯んだゴッドフレイの背中にムチ責めを入れて、そこに最後の一人になったマシュマロのシャボン玉が合わさって、トライアングルで責めまくる形が完成。このままイケるぜ!って思った拓也は甘かった。

ゴッドフレイがミリセントの頭に縦振りの斧ファックを仕掛けると、ミリセントはそれを回避。でもゴッドフレイは構わずにミリセントに向かってまた斧を縦振りする、はずだった!ミリセントに向かった斧はグルンと180度向きを変えて真後ろのディアロスに直撃。胸をザックリいかれたディアロスは、大量に血を噴いてから倒れてうずくまる。

拓也「やべー!」

ミリセント「そんな…! ディアロス!」

焦ったミリセントがディアロスに駆け寄ろうとするも、デカ斧の横振りに行く手を阻まれる。「君!ディアロスを頼む!死なせないでくれ!」って言葉を、マシュマロは聞き逃さなかった。ミリセントの言う通りにディアロスを背負って、そのままクルクルと部屋の隅に逃げるマシュマロを目で追いながら、俺も戦わなきゃいけないと思いつつも、ゴッドフレイの3メートル級の超絶ビルダーガタイに気圧されて拓也は勇気が出ない。苦し紛れに「俺達ネフェリの知り合いなんすよ!やめましょうよ!」って言っても完全に無視される。

119名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:46:59 ID:HS5rc7F.


ミリセント「貴方の敵は私だ!」

そしてついにミリセントとゴッドフレイの一騎討ちが始まってしまう。シュワちゃん以上?ロニーコールマン以上?の圧倒的ガタイの前には、細身のヅカ系ミリセントが更に小さく見えて、俺の不安をさらに掻き立てていく。ゴッドフレイからのタックルをまずはかわしたミリセントが、反撃に出ようとしたところを足踏みの衝撃で転倒。そこに斧の追い討ちが入って、ミリセントは咄嗟に義手で防いだけどそのまま叩き潰される。ミリセントを義手ごと押さえつけるデカ斧に更に太腕が叩き込まれて、ミリセントは顔を真っ赤にしながら目も口もギュッて閉じて耐えてるけど、どんどん押し潰されて胸に斧の刃が触れた。瞬間、飛び降りた拓也の剣が、ゴッドフレイの頭に当たった。

全然効かねー!ビルの壁を木の棒で思いっきり殴ったくらいのヤバい感触と一緒に、とんでもない痺れに襲われて剣を落とした拓也に、ゴッドフレイのピンタが飛ぶ。拓也の顔面3個分はデカい手に脇腹を殴られた拓也は、そのまま8回転くらいしながら部屋の隅に飛んでいく。一瞬負担が軽くなったミリセントが抜け出そうとしたけど、再び斧に太腕が掛かって拘束される。ディアロスも壁際でダウンで、俺の意識も朦朧としてるところで、シャボン玉がゴッドフレイの背中で爆発した。

使える戦力はマシュマロだけ!
最後の一人になったマシュマロがゴッドフレイの背中に次々とシャボン玉をぶつけていくと、ミリセントが解放されて、代わりにターゲットがマシュマロに向けられる。ゴッドフレイはデカ斧を構えて一気にジャンプ。着地と同時にマシュマロの片腕を斬り飛ばす。片腕を落とされて転けたマシュマロはそれでもラッパを吹き鳴らして、近づいてくるゴッドフレイの顔にシャボン玉を当てていく。そしてデカ斧がマシュマロの胴体を押し潰した瞬間に、背後からのムチ責めがゴッドフレイの首に決まった。

復活したディアロスに首を斬られたゴッドフレイは、ビルダーのトレみたいに斧を持ち上げたあとに、ようやく力尽きてダウン。そのまま光の粒になって消えていく。ディアロスの傷は綺麗に塞がっていて、片手には空っぽの聖杯瓶が握られていた。

ディアロス「はぁ…はぁ…倒したぞ…この私が、あの戦王を…!」

ディアロス「見ましたか…兄上…私はやりましたぞ…」

肩で息をするディアロスがその場にへたり込むと同時に、ミリセントがヨロヨロと起き上がってその様子を見たあと、俺の方に駆け寄ってきて名前を呼んでくるから「うっす、生きてまっす」と答える。ミリセントは安心したような顔に一瞬なって、それからマシュマロが倒れている方へ駆けていく。俺は猛スピードのトラックに撥ねられたみたいにぶっ飛んだ割には軽症で、全身打撲と肋骨が一本いかれたぐらいで済んでいた。蟹でエロ筋肉を全身パンプしておいてよかったぜ。

ミリセント「…すまない…私が不甲斐ないばかりに、お前たちをこんな目に…」

キツすぎる戦いを追えた後の拓也とディアロスが、マシュマロの様子を見に行くと、片腕と下半身が無くなってるマシュマロからはあの白い光が出ていて、もう先が長くないことが俺でも分かった。

信託の使者「ほら、マレニア様、笑って…」

それだけを言い残して、最後のマシュマロもすぐに消えた。
あとにはラッパだけが残って、ミリセントはそのラッパを手に持って肩を震わせる。
ミリセントは優しい奴だけど、エルデの地は優しい奴に優しくない。環樹っていうのがちゃんと動いてたら、マシュマロくんも天国に行けるのかなぁ。

120名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 17:54:08 ID:HS5rc7F.

ディアロス「その笛は、そこに置いていこう。それはあの使者のものだ」

ミリセント「…そう…だな…」

手で顔を拭いてから、ミリセントはフラッと立ち上がって振り向く。
疲れが溜まって顔色も悪いけど、まだまだイケるって自分に言い聞かせてる顔だ。よく体力持つよな。

ミリセント「感謝する、ディアロス。君のおかげで命拾いした」

ディアロス「はは、そうだろう?名門ホスローの名に恥じない活躍をしたと、自らを讃えたいところだ」

ディアロス「…とは言うが…運によるところが大きいのだろうな。真の功労は、あの使者に譲るさ」

ゴッドフレイを倒した後、部屋に祝福が出てきたから3人で休憩を入れる。俺は全身アザだらけで脇腹も痛い。けど蟹バワーがまだ効いてるからぶっ倒れるほど弱ってはいないぜ。

ミリセント「拓也?君は円卓に戻らなくていいのか?酷い怪我に見えるが…」

拓也「ウッス!ここまで来て、黄金樹も触らないで帰るなんてないっすよ!」

ミリセント「あまり無茶はしないでくれ。君の体は、祝福に癒されないのだからな」

拓也「分かってますよ。心配ないダス」

本当はマジで痛いけど、ここに来てからめちゃくちゃ痛い目に遭ってるせいで、段々と慣れてきて麻痺してきてる。元の世界に帰ってハードM調教プレイをやった時に何も感じなくなってたらヤバいぜ!死活問題に感じてマラが少し浮き上がってきて、俺は慌てて話題を変える。

拓也「ゴッドフレイのことなんすけど、マジで倒して良かったんすかね?ネフェリの親戚じゃないですか」

ミリセント「それは、私も不安には思っているが…ただ、襲ってきたのは向こうでもあるし…」

ディアロス「そのことなのだが、あのゴッドフレイは強かったが、戦王と呼ばれる程には無かったと思えるのだ。黄金色に透けた体躯といい、恐らくは霊体…もしくは分身だったのだろう」

ミリセント「分身?…あの強さでか…?」

拓也「あっ!アレじゃないすか?レナラって魔法使いと戦った時も、違うレナラが出てきたじゃないですか。アレと同じじゃないっすか?」

ミリセント「ああ、そうか…なるほど…」

祝福でしばらく喋りながら、また蟹を食って英気を養う。今日だけでも一年分の蟹を食ったような気がして贅沢だなぁって思ったけど、脇腹の痛みですぐに引き戻される。やっぱり何の邪魔も入らずに食える食事が一番良いんだよね。帰りたいって言ってたディアロスも、ここまで来たら最後まで付き合うって言ってくれたし、あとは3人揃って黄金樹前で記念撮影するだけだぜ!

でも黄金樹へのルート開通まであと少しってところで、まさかのトラブル。木の根を登ってさらに上の階に出て進んだ先に、黒ずくめの忍者系女騎士が座っていて、今度はそいつとバトルだぜ!もう少しで黄金樹なんだから邪魔するなよな!

ディアロス「はっ、速い!」

ミリセント「油断するな拓也!そっちに行ったぞ!」

女騎士はまずは敵の数を減らそうってことらしくて、一番弱い俺を徹底的に追いかけ回して来る。ジャニ系イケメンに追われるなら良いけど女の殺し屋は勘弁だぜ!素早い手つきで拓也を後ろからキャッチした女騎士は、俺をダンスに誘う紳士みたいに抱き寄せながら顔を近づけて、ナイフを振り上げる。いきなりの事でうわぁっ!って間抜けな声が出て、嘘?俺死ぬの?って思ったら

黒き刃の刺客「弧゜ッ!」

俺の激エロ雄フェロモンにあてられて、身体をビクンと痙攣させて動きが一瞬止まった。なんだよ、お前も欲求不満だったんだな。確かに狭間の地はエロが少ないからツラいよな。それでも俺を離さないし、手に持ったナイフも離さないんだから大したもんだよな。エロより仕事を取る仕事人の鑑だぜ。いよいよ俺も永遠の眠りにつく時、ぜ…

ミリセント「はーっ!」

覚悟を決めた瞬間、ミリセントの飛び回し蹴りが女騎士のテンプルにモロ当たり!俺は解放されて、女騎士は手すりを飛び越えて真っ逆さまに落ちて、そのまま見えなくなった。

ディアロス「…なんだったんだ?今のは。盗賊か?」

ミリセント「ああいうのが盗賊なのか?」

拓也「あんな立派なカッコしてる盗賊っているんすかね?」

ディアロス「さぁ…?」

結局何だったのか分からないまま、俺達は広い部屋の祝福を灯す。そこから目の前の黄金樹に向かおうって時に、また呼び止める声がした。焦らされまくりでだんだんプレイの一環に思えてきたから、チンポが半勃ちになって乳首に手が伸びそうになる。

メリナ「待って。少し聞いてほしいことがあるの」

呼び止めてきたのはメリナだった。

121名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/05(木) 18:07:23 ID:HS5rc7F.

ディアロス「断る」

メリナ「えっ?」

ディアロス「目の前に黄金樹があるんだ。今更止めないでくれよ」

ミリセント「私は聞きたいな。教えてくれないか?」

ディアロス「おい、良いだろう別に…」

ミリセント「無視をするのも可哀想じゃないか。黄金樹はあそこにあり続ける。少しくらいなら、待ってくれるだろう」

ディアロス「はぁ…」

ミリセント「それで、何を聞いてほしいんだ?」


俺達を呼び止めたメリナは「ここにはマリカの言霊が残ってる。黄金樹に触れる前に、聞いてほしい」と言ってから、一呼吸おいた。


メリナ「マリカからの言霊を伝える」

メリナ「おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ」

メリナ「お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない」

メリナ「さぁ、共に砕けようぞ!我が半身よ」

メリナ「……」


メリナ「…これで終わり」

ミリセント「終わり?」

メリナ「終わり」

拓也「終わり?」

メリナ「終わり」

マジかよぉ!ただの時間の無駄だ!
マリカがなんなのかよく分かってないのに、ラダゴンとかいきなり言われてもわかんねーよ!黄金律の犬なんて言っても、黄金律を信じてるのはコリンとか二本指とか、盲目の婆さんとかいるし、半身とか言ってもレナラが二人居たみたいに、ただのコピー?クローン?みたいなものなんじゃねえの?ってガタイ考察も空回り。俺たちにマリカの言葉を伝える意味も分からねーし、そういうことはマネージャーに言ってくれよな!

ミリセント「…本当に終わり?」

ディアロス「何がなんだか全く分からないな。ラダゴンがマリカの半身?伝承が歪んでるぞ。ラダゴンはマリカの王配だ。半身などでは無いだろう」

ミリセント「その言葉は…本当にマリカが言ったのか?」

メリナ「マリカの言霊を、私はそのまま伝えただけ。嘘を話しても仕方がない」

メリナ「今は分からなくてもいい。よく考えておいて」

言うだけ言って、それからメリナは姿を消した。マジなんなんだよぉ?黄金樹に触れる前に言ってくるのも分かんねーよ。ていうか出てこられるならゴッドフレイと戦ってる時に出て来いよな!そしたら例のマシュマロ3人組も死ななくて良かったかもしれないじゃん!言うだけ言って説明もしないで帰るって、女の悪いとこ出てるぜ。ミリセントみたいな爽やかイケメンと一緒にいると、こういうウゼー女との接し方を忘れていくから、これもこれで困るよな。今分からなくてもいいなら、分かっても良い時に話しに来てくれよ!

122名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/07(土) 16:40:39 ID:bKgCeriA


わけわかんねー話を聞かされたあと、気を取り直して黄金樹が見える方向に進む。階段を登った先にはデケー広場があって、そこから黄金樹にパックリ開いたマンコ状の入り口に続く階段が伸びていた。でも気になるのが広場に置かれてる透明な椅子。これも何かの分身なのかな?なんてガタイで不思議に思っていると、ディアロスが広場の入り口にサインを発見。

ディアロス「おい来てくれ、メリナのサインがあるぞ」

ミリセント「メリナ?先程に会ったばかりじゃないか。サインを貼るぐらいなら、そのまま出てきていれば良いだろうに」

拓也「なんか構って欲しいんじゃないすか?」

ディアロス「年頃の娘なのだろうしなぁ。まぁ、このような壊れかけた世に青春を喰われてしまうのなら、拗れても仕方がないか」

ミリセント「そうか…呼んであげよう」

可哀想な犬を見るみたいな目つきでミリセントがサインに触れると、サインが消えると同時に黄金の光が発生。そこから全身金色の豪華仕様になってるメリナが出てきた。昔ガチャガチャには特別品とか言って、透明な奴とか金色の奴とか入ってたけど、あれいらねーよ。普通のヤツが欲しい時に出てくるとチョームカつくぜ!

メリナ「……」

出てきたゴールデンメリナくんは何も喋らない。マジでなんなんだよぉ!?
用があるのかないのか、喋るのか喋らないのかはっきりしてくれよ!
乙女心は複雑だけどさぁ、そういう駆け引きするようなことなんて今は無いじゃん!

拓也「何がしたいんすかね?この子。全然喋んねーし」

ディアロス「わからん…霊体の多くは、口を利けないという。それと関係があるのかもしれない。ローデリカがいれば分かることもあるだろうが…」

ミリセント「ともかく、共に居たいのだろう。居させてあげよう」

メリナを呼び出してから広場に入ると、もう黄金樹は目の前。真上を見ると金色の葉っぱで埋め尽くされて光りまくり。
激闘のモロ探索を終えて、やっとゴールだぜ!

拓也「うぉーっす!うーっす!ゴール!」

ディアロス「やっと着いたか…険しい道のりだったが、それだけの価値はある景色だ」

ミリセント「これで黄金樹への道が開けたな。マネージャーに報せに、円卓に帰ろう」

拓也「あっ!ちょっと待ってくださいよ、写真撮りましょうよ!」

ミリセント「写真?」

ディアロス「それはなんだ?」

拓也「携帯の機能っすよ。ほら集まってくださいよ。撮りますよ?」

携帯構えて、後ろに黄金樹を映しながら4人集まって、俺は観光で↑を入れてる感覚でピースサインを出す。右後ろにミリセント、左後ろにディアロス、俺の真下にはメリナが並んで気分は大学サークルだ。

ミリセント「こ、こうか?」

拓也「ピースサインしましょうよ!ほら、ピース!」✌️

ミリセント「ピース…?」✌️

ディアロス「二本指教徒か?」✌️

メリナ「……」✌️✌️

拓也「ウッス!撮りました!もうOKっす!」

電池の消耗が激しいから、こういう記念撮影は素早くやらないとダメだぜ。ここではたまにしか使ってないからまだ保ってるけど、それでも残量が69%だから、気温によってはもうそろそろ危険域だ。拓也は69という数字に興奮して股間に熱を感じながら、撮れた写真を三人に見せる。

拓也「ほら、見てくださいよ。良いでしょコレ」

ディアロス「凄いなこれは…あの一瞬でこれほど精巧な絵が描けるのか…」

ミリセント「…拓也の頭、なにかえぐれてないか?顔もかなり大きいような…」

拓也「こういう髪型なんすよ!顔デカいのもカメラが近いからっす!」

ミリセント「いやしかし、やはり大きいな。下のメリナと比べるとかなり大きい」

メリナ「……」

ディアロス「おい、後ろに何かいるぞ。拓也の真上、私とミリセントの間だ。ほらこれ」

ミリセント「なんだこれは…驚いたな…」

拓也「マジ?心霊写真じゃないすか!やっぱ黄金樹レベルになるとこういうの出るのかよ!」

ミリセント「いや待て…これマルギットじゃないか?」

拓也「は?」


マルギット「祝福なき稀人よ」


またお前かよぉ!チョーしつこいよな!
黄金樹のパックリマンコから歩いてくるチン毛頭には、嫌なくらい見覚えがあってマジ狂い!ミリセントとディアロスの顔からもサッと血の気が引いて、すぐに振り返ると戦闘体勢に入る。さっきの祝福のおかげで二人は万全の状態だけど、俺は戦う前から負傷に犯されまくりの全身種マン状態だ。メリナがサイン貼ってたのってそういうことかよ!それならさっき出てきた時に教えといてくれよな!

123名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/07(土) 16:50:02 ID:bKgCeriA

マルギット「ああ…黄金のゴッドウィン…天賦の双子、ミケラとマレニア…」

マルギット「将軍ラダーン…法務官ライカード…」

マルギット「月の王女、ラニ…」

マルギット「まつろわぬ、裏切り者共…お前たちは、みな、同じ」

並んでる椅子をギン眼で威嚇しながら、マルギットが階段から降りてくる。裏切り者って言ってるけど火山館のハゲやタニス、ラーヤの言ってたことが本当なら、むしろみんなマリカの言う通りにしてただけじゃねーのってビルダーガタイが告げてくる。

マルギット「野心の火に焼かれた、略奪者よ」

広場に立ったマルギットがデカ棍棒を思いきり握ると、デカ棍棒がバキバキに砕けて、中から油が固まったみたいな虹色の剣が出てくる。コイツ今まで手加減してたのかって思うと同時に、殺す気だったのになんで手加減してたのかって疑問もガタイの中でうずきだす。俺達が黄金樹を目指さなかったら俺達のことは放置プレイで済ませてたのかな。

マルギット「…愚かな墓標に刻むがよい」

モーゴット「最後の王、モーゴットの名を」

聞き覚えの無い名前がいきなり出てきて、じゃあ誰なんだよ?と思うけど、双子だとか分身だとか、王様だから身分を隠してただとか理由が色々思いついてくる。アルター高原で俺達を襲った暗殺者系騎士もマルギットだかなんだか言ってたぜ。じゃあやっぱり、コイツがあの騎士を差し向けたんだってガタイ考察を広げてると、モーゴットが光るデカ槍を構えた。

ミリセント「有無を言わさずか。武器を取れ!襲ってくるぞ!」

拓也「え?あ、う、ウッス!」

ディアロス「モーゴット…戦王の次は祝福王か…!」

ディアロスが盾を構えた直後に、その盾に向かって光の槍が叩き込まれてディアロスが後ろにスライド。ミリセントが右に駆けて行って、メリナが左に駆けて行く。俺は武器を構えたは良いけど、どこに行けばいいのか分かんないからとりあえずディアロスの後ろに隠れたぜ。

最初にモーゴットに攻撃を当てたのはメリナだった。空中に飛んだあとに剣からビール飲んだあとの小便みてーなビームを飛ばして、モーゴットに当てていく姿に、俺もディアロスも仰天したぜ。お前そんなこと出来たのかよ!って変な笑いが出てきたけど、メリナのビーム攻撃に合わせてミリセントも斬りかかる。

モーゴットはミリセントのー剣をデカ剣で受けてから、黄金ナイフのカウンターをミリセントに振るけど、ミリセントの奴は素早いからカウンターをギリでかわして距離を置いて、そこにメリナのビームがもう一発飛ぶ。

ミリセント「なっ…!?」

でもモーゴットは、今までのアイツとは明らかに段違いなスピードでビームを避けると、メリナに向かって急接近。剣を限界ギリギリまで溜めてから横に振る嫌らしい剣法で、メリナに一撃食らわせた。横っ腹を浅く斬られたメリナはそれでも元気で、モーゴットから離れた後に地面に光を当てて、モーゴットのいる場所から何本ものビームを発射!スゲーよコイツ、ウルトラマンメリナだぜ!

でもモーゴットはそのビームをとんでもないジグザグ走法でほとんど回避して、またメリナに斬りかかるけど、そこにミリセントのミキサー攻撃が炸裂。大剣と剣が高速でぶつかりまくって物凄い派手な火花が散りまくる。「なんて速さだ…まるで着いていけないぞ…」ってディアロスは言うけど、俺も完全に置いてきぼりを食らってるから親近感。やっぱ俺にはディアロスなんだよな。

ミリセントの剣を防ぎきったモーゴットは、片手にハンマーを出してからの両手武器回転攻撃でミリセントを弾き飛ばして、光のハンマーで、また放たれたメリナのビームも弾き返す。するとメリナはビームを撃つのをやめてナイフを持って駆け出した。あんな化け物と斬り合いかよ!って心配もよそに、超低空スライディングからモーゴットの脚を斬って、腕を斬って、胸を斬っての高速コンボを決めるメリナ。ディアロスやミリセントよりも強いじゃねーか!一人で旅できただろっ、てツッコミも入れる暇は無くて、見てるだけじゃダメだよなって思ったのか、ディアロスが盾を構えて突っ込んで行った。俺は一人呆然として取り残される。

ディアロスが今度はムチを振るうけど、そのムチはモーゴットの剣に絡め取られてメリナのいる方へそらされる。慌ててディアロスは身を引いてメリナもバックステップしたけど、モーゴットの懐から抜け出したのがまずかった。モーゴットがまた突っ込んできたミリセントに黄金ナイフを素早く飛ばして動きを止めると、今度はディアロスに向かって高速接近。反応が遅れたディアロスの足を掴んでメリナに投げ込み、二人をぶつけてダウンさせてから大ジャンプ。空中からのハンマー攻撃をディアロスとメリナの二人めがけて繰り出してくる。俺が「あっ!」と言った瞬間

ミリセント「ふん!」

ミリセントの走り飛び回し蹴りがディアロスとメリナに炸裂。
3人同じ方向にぶっ飛んで、ゴールデンハンマーの叩きつけを回避した。

124名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/07(土) 16:57:14 ID:bKgCeriA
ディアロス「ごほっ、あ、危なかった、すまない」

ミリセント「礼はあとだ!また来るぞ!」

めちゃくちゃ敵意を向けてくるモーゴットは、決して絶対に攻撃の手を緩めてなんかくれない。
片手に虹色剣、片手に黄金の剣を持ってから、3人に向かってとにかく武器を振りまくるモーゴットから、ミリセントとメリナはまた避け切れたけど、ディアロスが攻撃を全部ガードして盾を弾かれ、最後の一発を鎧に貰う。血は出てないけど、あんなスピードで武器振り回されたらカスっただけでもチョー痛いぜ。ダウンしたディアロスに追い討ちをキメようとしたモーゴットに、ミリセントとメリナのタッグミキサー攻撃がぶち込まれて背中犯しまくり!これで決まるぜ!と思いきや、モーゴットは二人に何発か斬られながらも振り向いて、咄嗟に作ったデカハンマーを二人に叩き込んだ。

ぶっ飛ばされたミリセントとメリナはダウンから即座に立ち上がったけど、ミリセントは口から血が流れてるし、メリナは脇腹の傷がひどくなってるしでダメージが溜まってる。俺も戦いたいけど、突っ込んで剣を振り上げた瞬間に、全身をバラバラにされる妄想に頭犯されて一歩も動けない。

一発もらったディアロスがよろめきながら復活すると、メリナとミリセントがお互いから離れて、モーゴットを中心としたトライアングルの陣形が完成。三角形になって3人でしゃぶり尽くす作戦だぜ。ミリセントがメリナに目配せをすると、メリナが剣からビームを三連続で発射する。モーゴットがそのビームをよけると、避けた先にはミリセントのミキサー攻撃が待っていて、モーゴットは咄嗟に右手で防ぐも右手が血まみれになる。その隙にディアロスが尻尾にムチを入れ、尻尾のツノを何本が斬り落とす。

モーゴット「ぬぅ!」

モーゴットはうめき声を上げながら、尻尾をぶん回すことでムチを弾いて、回転した勢いのまま大ジャンプ。空中から三本の黄金ナイフを投げてメリナとミリセントを牽制したあと、無防備な俺に突っ込んで来た。

ミリセント「あっ!」

メリナ「!」

ディアロス「逃げろ!」

拓也「ウッス!」

ディアロスからの声で弾かれたように体の硬直が溶けて、脱兎の如く走り出す拓也。一番弱い俺を殴って全員に隙を作ったあと、その隙をついてミリセントやディアロスをダウンさせる作戦なんだって、高速ガタイ分析が答えを弾き出していた。俺は震える両脚に活力を与えるために、必死に両手で乳首捏ねくり回しながら舌をペロペロさせて、性的興奮で恐怖を押さえ込みながら走りまくる。

背後からの足音がそれでもどんどん大きくなって、拓也の興奮をいやでも抑えに掛かる。
ここで俺が捕まるわけにはいかねえぜ!ここで俺は新テクを開発!センパイとの愛のあるセックスという激エロ妄想で恐怖心を完全に吹き飛ばすと同時に、血流を下半身に集めて両脚を強化。チンポの勃起とともに高速機動モードの拓也の完成だ。

ミリセント「メリナ!」

なんてやっていると、遠くからミリセントの声が聞こえて、俺は振り返ってから止まった。
モーゴットは俺を追うのを早いうちからやめていて、自分を追ってきたメリナに振り向きざまの黄金ナイフを投げていた。黄金ナイフに胸を貫かれたメリナは倒れて、光る小さな黄金樹をその場に生やしながら光の粒に変わっていく。

拓也「ウッソだろお前…」

俺たちに隙を作るのに、俺を殴る必要は無かったんだ。ただ俺を殴るふりを一瞬するだけでよかったんだ。メリナの姿は全て光の粒になり、初めから詰んでいたんだと気付いた時には消えていた。メリナがいなくなったという事実は、モーゴットとまともに戦える奴がミリセントだけになったことを意味した。

125名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/07(土) 17:03:23 ID:bKgCeriA

ミリセント「…いけない…」

モーゴットはディアロスに向かって飛び出して、盾の上からメチャクチャに殴りまくる。ディアロスはどんどん体力削られて、盾と一緒に広場の床に押し潰されていく。そんなディアロスを放置することなんて出来ないからミリセントはモーゴットに斬りかかるしかない。

ディアロス「駄目だ!来るな!」

ディアロスはそう言ってるけど、ミリセントにも、俺にだって罠だって分かるのに、罠を避ける方法が無いからミリセントは突っ込むしかねーぜ!走るミリセントがミキサー攻撃の構えを取ると、モーゴットはディアロスを蹴り飛ばしてからゴールデンハンマーを手に呼び出して横振りする。

ミリセント「ぐうっ!」

でもミリセントは構えを解いて、振り回されるハンマーを蹴ってモーゴットの頭上に飛ぶ。ハンマーを蹴った片足が折れてヤベー方向に向いたけど、これならイケるぜ!ミリセントは落下しながら両手で剣を持ち替えて、そのままドカって音と一緒に、剣を根元までモーゴットの首筋にぶち込んだ。

噴水みたいな血がミリセントの顔に掛かって、モーゴットが両膝をつく。
床でへばってるディアロスも疲労困憊って感じだけどなんとか生きてる。
ミリセントが剣を捻ってから引き抜くと、また噴水みたいな血が出てミリセントの全身を血まみれにする。
それと同時に、モーゴットの剣がミリセントの腹を貫いた。

拓也「うーっす!?」

血のシャワーをかけられたミリセントの動きが一瞬鈍くなるのを、モーゴットは待っていたんだ。ミリセントを貫いた虹色の剣はそのまま彼女を持ち上げて、腹や口から噴き出された血で赤黒く染まっていく。

ミリセント「や…やはり…罠…」

モーゴット「愚か者は、その愚かしさにこそ、焼かれるのだ」

モーゴット「焼かれよ」

モーゴットはミリセントを貫いた剣を思いっきり振りかぶると、両手で剣を握って、全身の力を使って振り回す。ミリセントは強烈な遠心力でぶっ飛び、血と内臓をあたりにぶち撒けながら広場の壁に叩きつけられる。

拓也「は…?」

頭、目、口、そして腹から血を噴き出してミリセントはダウン。痙攣することも無く動かない。ミリセントの血を頭から被った拓也の肩には、腐敗した腸が垂れていた。でも何が起きたかはすぐには分からなかった拓也は、俺の肩に掛かったコレってなんだろうって空っぽの頭で分析。ディアロスが盾ごと蹴り飛ばされて転がってくのを見て、これって内臓なんだなって答えに辿り着いて、じゃあ誰のなんだよ?って疑問がまた湧いてくる。

ミリセントは死んだから、この内臓が誰のなのか分からなくて、今とは関係無い奴の名前が頭の中を回り出す。ネフェリはどこかに行ったんだよな、ブライヴとは別行動だよな、ミリセントもいないしってところで、空回りしてる頭の歯車がカチッと噛み合った。

拓也「マジ?これってミリセントの…?」

そうオレが呟いたところで、モーゴットが殺意丸出しの顔で剣を構えて走って来る。ディアロスは血まみれダウンした状態で聖杯瓶を飲もうとしてるけど、手の指が逆向きに折れてて瓶を掴めない。「ミリセントどうした?」って俺が言うと、拓也の腹に虹色の剣が突き刺さる。

126名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/08(日) 10:04:16 ID:NfWcYMC6
マルギットくんが王都周辺に2度目の出没するの最近知りました(池沼)
このシリーズの彼は常に強キャラで良いですね。ええ。まぁ、(これまでに討ち取った簒奪者の首は)120ぐらいじゃないすか?

127ミラン本田★:<削除>
<削除>

128名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 18:10:37 ID:pzPzsPLc

…はずだった。



「待て」


前にも一回だけ聞いたことがある言葉が聞こえて、誰だっけ?って思ってると、目の前のモーゴットが忌々しいものを見てるみたいな顔で、ミリセントがぶっ飛んだ方を見ている。ディアロスも瓶を手繰り寄せるのを忘れて、這いつくばった体勢のまま目線釘づけで動かない。なに見てんだろ?って気になった拓也も、同じ方を見て固まり、頭が正常に動きだす。

俺の肩に掛かった内臓が蝶に変わって羽ばたいていく。俺の顔にかかった血も、地面に落ちて広がった血も、朱い煙になって集まっていく。集まった煙は蝶の群れと合流して、立ち上がったミリセントの傷口に吸い込まれる。赤と白の粘り気がミリセントの腹を塞いでいくと、折れた脚も元に戻っていった。その姿に拓也の脳裏に現れたのはあのターミネーターだったけど、出てきたのはシュワちゃんの方じゃなくてT-1000の方だった。

拓也「い…生きてる…」

拓也「マジかよ…生きてるよ…!」

火山館で見たことがあるあの景色は、合ドラとかイエロをキメてたから見てたわけじゃなかったんだよな。ミリセントの義手の隙間からは朱い蝶が羽ばたきまくってるし、あの時嗅いだ甘い香りが、こんな広い広場でも分かるくらいに漂っている。そしてミリセントが顔を上げた時、義手の肩が割れて、隙間から朱い花びらが散り始めた。

モーゴット「…何者だ」

ミリセント「…今は誰か、分からない」

ミリセント「…でも、感じるんだ…」


ミリセントをギン眼で睨みつけるモーゴットの手が、ギリギリいって剣の持ち手を締め付ける。


ミリセント「私は、二度咲いたんだ」


ミリセントの言葉で眼を見開いたモーゴットは、黄金の剣でミリセントに斬りかかった。
飛んできた黄金の剣に、ミリセントは剣を構えて突っ込む。それで俺が「えっ?」と思う暇も無く、ミリセントの肩に虹色の剣が深くめり込む。でも同時にミリセントの剣もモーゴットの脇腹を突いていて、たまらない様子でモーゴットがミリセントを蹴り飛ばす。

血を流しながらお互いに後ろにスライドするミリセントとモーゴット。ミリセントはまた重傷を負ったのに全然怯まずに立ち上がるし、俺とディアロスはそんなミリセントを見てビビっちまって、言葉が全然出てこない。モーゴットに斬られた肩はあっという間に塞がって、血が出た跡さえ残らなかった。

モーゴット「貴様…そのさまはやはり…」

ミリセントがまたジャンプして、モーゴットにミキサー攻撃を放つ。
その剣筋は朱く光ってて、速さも段違いだった。


モーゴット「マレニア!」


叫びを掻き消すような、嵐みたいな朱い竜巻にモーゴットが巻き込まれて、あっという間に全身血まみれになっていく。頭のツノは猛烈な勢いで斬り飛ばされていって、尻尾の先も千切れて飛んでいく。「おおおおお!」って叫びながら剣を振り回してモーゴットも抵抗するけど、その抵抗がミリセントの脚を折ろうが、片目を潰そうが、ミリセントがモーゴットを斬ると、斬った分だけミリセントの傷もすぐに塞がっていく。

129名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 18:16:49 ID:pzPzsPLc

拓也「すっ、すっげ…」

ディアロス「何が…起こってるんだ?…あれは本当に、ミリセントなのか…?」

ミキサー攻撃からバックステップで抜け出たモーゴットは、ミリセントに向かって黄金ナイフをまた投げる。飛んだナイフはミリセントの頬と両目にザックリ刺さったけどミリセントはそのままジャンプ。モーゴットの顔に空中回転蹴りを叩き込むと、ミリセントの顔に刺さったナイフが飛ぶように消えて両目と頬が瞬時に再生。モーゴットは大きくよろめいて倒れそうになる。

ミリセントはその隙に素早くモーゴットの足元に着地して、懐で剣を3回振り抜いて斬りつける。モーゴットは黄金剣で反撃するも、回避されたと同時に後ろに回り込まれて、流れるようにまた一発斬られた。

モーゴット「うおーっ!」

苦し紛れのゴールデンハンマーの横振りはバックステップで回避されて、直後にミリセントの信じられないくらい速い突きがモーゴットの胸にぶっ刺さる。3メートル超えの巨体が物凄い勢いでぶっ飛び、地面に当たってバウンドする。完全に正気を取り戻していた拓也は、ミリセントがモーゴットをボコボコにしてる間にディアロスに近づいて、聖杯瓶を飲ませた。

ディアロス「はぁ、はぁ、助かった…」

ディアロス「しかし、ミリセントに何が起きたんだ?…あまりに強い…強すぎる…」

拓也「いや、強いっすけど、なんかヤバくないすか…?」

ディアロス「…それは…」

拓也「あれって、マジでミリセントなんすかね…?」


ぶっ倒れたモーゴットの顔にサッカーボールキックを叩き込んで無理矢理立たせたあとに、ミリセントがもう一度朱いミキサー攻撃を叩き込む。息も絶え絶えのモーゴットはそれを血だらけの腕で防いで、さらに深傷を負っていく。手からはもう骨が見え始めてる。ミリセントはミキサー攻撃を中断すると回転蹴りをモーゴットの脚に叩き込んでまた転倒させて、今度は馬乗りになって、ガードの姿勢になったモーゴットを腕だろうが肩だろうが関係無く刺しまくり。ミリセントは目玉に指を突っ込まれても、目の前の敵を斬ると傷が塞がるから、むしろモーゴットの片手が防御に使えなくなった所をチャンスとばかりに斬撃しまくる。モーゴットの口に剣を突っ込んで掻き回し、モーゴットは自分の血をしゃぶらされて溺死寸前でいる。


拓也「あれって、本当はマレニアなんじゃないすか…?」

ディアロス「そんな…彼女はミリセントだろう…?」


ディアロスが俺からまたミリセントに目線を戻すと、モーゴットが絶叫を上げながら、目玉に指を突っ込んだままミリセントを放り投げるところだった。でもミリセントは投げられようとしてる時も身体を回転させて、手を離れる瞬間にモーゴットの指を何本か斬り飛ばしてから着地。身体の傷は全部治ってるのに、ミリセントは全身が血まみれで、ボサボサになった髪で目元は見えない。


ディアロス「いや、貴公はもう…」

ディアロス「マレニア、なのか…?」


ミリセントがまたミキサー攻撃の構えを取ると、モーゴットから物凄い大爆発が起こって、あたり一面に光る泥みたいなものが波を打ってぶち撒けられた。

130名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 18:22:49 ID:pzPzsPLc

拓也「うぉーっす!」

ディアロス「こっ、今度は何が起きた!」

そこら中で光る泥が爆発しまくりでモーゴットは吠えまくり。抑え込んできた何かが解放されたみたいに、モーゴットの剣がさらに怪しく輝きはじめる。ミリセントの剣を握る手には力が入って、ボサボサ髪は浮き上がる。目は見えないけど、口は真一文字でとじていた。

モーゴット「…王の座を、呪いで穢すなど…耐えがたい恥よ…」

モーゴット「…許さんぞ、お前だけは…」

満身創痍のモーゴットの剣に赤い光が瞬いて、ミリセントはまたモーゴットに突撃。三連斬りを繰り出した瞬間、三撃目をモーゴットの剣に防がれた。そして直後に虹色の剣から爆発が起きて、ミリセントは後ろにふっ飛ばされるもケンケンしてから着地。それからモーゴットからの縦振り攻撃を肩に食らって、地面に叩きつけられる。でも直後の光景に、ディアロスも「うわっ…」ってマジ引きの声を出した。

ミリセントは鎖骨と肩甲骨にめり込んだ剣を、電車のレールみたいに使って四つん這いでジャンプ。レールに沿ったまま勢いをつけてモーゴットの胸に剣をブッ刺した。その過程で自分の鎖骨が真っ二つになって、片腕がほぼ皮だけで繋がってる状態になっても気にしてる様子は全然ないから拓也なんか戦慄してる。もう痛みを感じてるのかどうかも怪しく思えてきたぜ。そしてモーゴットは、その傷でも死なずにミリセントにタックルを決めて、そのまま壁側まで進んで叩きつける。猛烈なタックルを食らったミリセントは即反撃して、モーゴットの頭に強烈な頭突きをみまって、怯ませた瞬間に腕を再生。剣を振り上げた。

でもミリセントが剣を振り下ろす前に、モーゴットの虹色剣がミリセントの腹に突き立てられて、ミリセントは壁に固定される。その上で、モーゴットはミリセントが振り上げた剣を避けようともしないで肩に食らった。でも短い悶絶声をあげたのはミリセントの方だった。

ディアロス「わざと斬らせたのか!?」

モーゴットの肩を斬ったミリセントの傷は一瞬で塞がったけど、その塞がる締め付けが腹に突き刺さってる虹色剣をガッチリ咥え込んで、ミリセントは蛾の標本みたいに壁に縫い止められる。やられたぜ!パキギメ状態になってるミリセントの体質を利用したな!全身血まみれのモーゴットは、動けないミリセントの首筋に向けて黄金の剣を構えたあと、一気に振り上げてからぶん回す。

ディアロス「おお!」

でも黄金の剣は、空から飛んできた透明の鷹に弾かれて、ミリセントの頭上を通過。
モーゴットはいきなり乱入してきた鷹に警戒して大ジャンプ。ミリセントから距離を置く。
空を飛ぶ鷹は広場を猛スピードでぐるっと一周してから、広場入り口に立っていた飼い主の手に止まった。


「貴様の相手は私だ、マルギット」


鷹を左手に乗せて、右手の斧に雷を纏わせながら、俺が良く知る色黒マッチョなイケメンが、モーゴットに向かって歩いていく。その姿を見て顔を上げたミリセントの表情は、いつもの感じに戻っていた。


ミリセント「ネフェリ!」


鷹を手に乗せたネフェリは、モーゴットが警戒して近付いて来ない間に、鷹をミリセントに向かわせて、虹色の剣からミリセントを引き抜く。ミリセントの腹の傷はずっと再生中だったみたいで、剣から抜けると同時に一瞬で塞がった。

ネフェリ「しばらく見ぬ間に、変わったな、ミリセント」

鷹を放したネフェリは、左手の方にも斧を持つ。飛び立った鷹の方は拓也とディアロスに向かって飛んできて、俺の前に舞い降りたあとにギン目でモーゴットを威嚇。

ミリセント「変わったのは、君も同じだろう。…よく来てくれた」

ミリセントの言葉に、ネフェリが口の端を少しあげて応える。その間にモーゴットは血まみれの手を上げて、空にいくつもの光の粒を浮かべる。まだ隠しダネがあんのかよって俺とディアロスは唖然としたけど、ミリセントは怯んだ様子もなくジャンプして、ネフェリの隣に着地する。

ネフェリ「いけるか、ミリセント」

ミリセント「力を尽くそう」

光の粒はひとつひとつが剣のような形になっていき、広場の上を埋めていく。俺とディアロスは嫌な予感がしてふたりで大盾の下に隠れた。キスできるくらいの距離にいるディアロスが「弧゜ッ!」って俺のフェロモンに感じまくってるけど、今はそんな場合じゃねーよ!俺たちを守るはずの鷹も盾の下に隠れてるし、狭くってしかたがないから拓也も息がハアハアで切れまくり。


鷹「弧゜ッ!」


そして鷹が拓也の激エロな雄フェロモンに狂った声を合図にして、決戦の時がきた。

131名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 18:42:18 ID:Ym53jzPI
タクヤの激エロフェロモンだけで笑える

132名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 18:50:37 ID:cgB2C4k6
こんなくさい子。とよく旅を続けていられるなと思う

133名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:12:00 ID:pzPzsPLc

モーゴットは手を振り下ろして光の剣の雨を降らせまくる。

拓也「すっげ!マジかよ!」

ディアロス「弧゜ッ!」

鷹「弧゜ッ!」

でも光の剣の雨は、ミリセントの朱いミキサー攻撃に次々弾き飛ばされて、その後ろをネフェリが駆けていく。アクション映画ばりの激ヤバ剣撃アクションに俺が鳥肌立てていると、ミリセントが接近しきったところでモーゴットが剣の雨を止めて大ジャンプ。ミリセントを縫い付けていた壁に脚をつけてから、虹色剣を握って壁を蹴る。そしてそのまま二人の居る方へ突っ込みながら、虹色剣に炎を纏わせて回転攻撃を開始。いくつ技あるんだよ!お前マジシャンみてぇだな!

モーゴットの炎回転斬りが迫る中、ネフェリは地面に飛び込んで、ミリセントは空中に飛び上がって回避。モーゴットはそのまま空振りしてから勢いのままスライディングしつつ方向転換。ネフェリとミリセントを遠くに見据えてから突きの姿勢に入る。

ネフェリ「掴まれ!」

そうミリセントに言いながら、ネフェリは斧に雷を纏わせる。
ミリセントはネフェリのやりたいことを瞬時に神人分析して、バチバチ光る斧に脚を掛けて、ネフェリに振り回され始めた。

拓也「あっ!」

ディアロス「弧゜ッ!」

鷹「弧゜ッ!」

その光景には見覚えがあるぜ!リエーニエの湖にある、レアルカリア学院の中で、ネフェリが俺にやった「ケツマン斧責めお仕置き人間洗濯機プレイ」だ。あの時にネフェリは新テクを開発していたんだ!でもミリセントに流れる風と電気は、俺の時よりも断然やばくて、ミリセントの身体からも少し炎が上がり始める。
そしてモーゴットが虹色剣に光を纏わせた時、二人の回転速度も最高潮に達した。

ネフェリ「今だ!」

モーゴットが今までで最速の突きを繰り出したと同時に、ネフェリからもミリセントがぶっ飛び発射。
雷と嵐を剣に纏わせた、電光石火のミリセントの突きがモーゴットの剣にぶつかると、鼓膜と視力がぶっ飛ぶくらいの音と光が飛び出して、気付いた時には、モーゴットの背後にミリセントが立っていた。

そして、ネフェリに届くはずだった虹色の剣は、粉々に砕けてあたりに散らばっていた。
二人の完全勝利だぜ!

ネフェリ「勝負あったな、マルギット」

ネフェリ「勝者の情けだ。せめて負け惜しみは聞いてやる」

全身傷だらけの血だらけで、武器もバラバラになって戦える状態じゃなくなったモーゴットの前に立って、ネフェリはゴドリックに言ったような最期の言葉をかける。本当に正々堂々戦うのが好きだよな。モーゴットは息を切らしながらネフェリに応えた。

モーゴット「…このモーゴットが…最後の王が…」

モーゴット「…ゴドリックの如くに…屈すると思うか…」

ネフェリ「ならばどうする、モーゴット」

モーゴット「…戦うまでよ」

モーゴットが両手に黄金の剣と黄金の槍を構えた瞬間に、ネフェリの両手斧がモーゴットの腹を裂いた。両膝を地につけたモーゴットは腹から血と内臓を流して、脱力したように後ろに倒れ込み、白いルーンを全身から爆発させる。白い爆発は辺りを一瞬包み込んでから、どこかに吸い込まれるようにしてすぐに晴れて、あとにはツノもガタイも無い、ガリに痩せた老人のようなモーゴットの倒れた姿があった。
ネフェリはモーゴットを一瞥すると、斧をしまった。

134名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:18:35 ID:pzPzsPLc

ネフェリ「ミリセント、これはお前たちの戦いだったな」

ネフェリ「介錯はお前に譲ろう」

大盾に隠れてた鷹はネフェリのいる方へ飛んで行って消失。オレの激エロフェロモンに侵されながらもイかずに主人の元に戻れるなんてスゲーぜ。ミリセントはモーゴットの剣をバラバラにするくらい斬りまくったんで全身の傷が再生。俺とディアロスも盾から出て、力が抜けて立ち尽くす。ぶっ倒れて今にも逝きそうになってるモーゴットの枕元に立ったのは、あのミリセントだった。

モーゴット「その力…腐敗に抗う、その身は…」

モーゴット「…やはり…マレニアなのだな…」

ミリセントはモーゴットのすぐ横に屈み込む。
ネフェリも、敵の最期を見送る為なのか分からないけど、ミリセントのすぐ横に立った。

ミリセント「そうだ…この私は、マレニアの分け身として生まれた」

ミリセント「あなたの憎む、まつろわぬ裏切り者が捨てた、心の化身…それが私だ…」

ミリセントからの告白に、モーゴットの唇が震える。
怒ってるのか、哀しんでるのか、訴えたいことがあるのか、拓也にはわからない。

モーゴット「マレ…ニア…お前は、愚かだ…」

モーゴット「お前たちが、破砕戦争を起こし…今や黄金樹は、すべてを、拒んでいる…」

モーゴット「我らは…見捨てられたのだ…」

モーゴット「…もう誰も、エルデの王にはなれぬのだ…」

そう言い終えて、モーゴットの目が閉じていく。でもミリセントは少し躊躇した感じで自分も眼を閉じたあとに、すぐに開いてモーゴットの手を両手で握った。突然のことでネフェリも一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐにミリセントの考えてることが分かって、浅くため息。俺とディアロスにもなんとなく察しはついていた。

ミリセント「約束する…モーゴット…私は、皆を見捨てない」

ミリセント「マレニアの犯した罪も、過ちも、私が全て背負おう。そして必ず、王となるべき者を見い出してみせる」

ミリセント「黄金樹の祝福が、また皆に満ちるように」

ネフェリ「…この、蛮地の勇者ネフェリ・ルーも、誓おう」

ネフェリ「王たるものを探し出し、再び黄金の地へ連れ帰ることを」

ミリセントの優しさに、ネフェリも言葉を足した。ネフェリにはあんな事があったから、多分モーゴットにも同情したんだろうな。信じた人達に裏切られて、愛した人に捨てられるなんて、それより哀しいことなんてないよな。モーゴットはまた少しだけ目を開くと、声を途切れ途切れに小さな笑みを浮かべる。意識があるかどうか、目が見えてるかも、シリアスビルダーになっている拓也には分からない。

モーゴット「おお…ゴッドフレイ王よ…」

モーゴット「王たる者達が…黄金を…継ぐ者達が…ようやく…」

モーゴット「…我らの…もとに…」


モーゴットはそのまま事切れた。
ミリセントはモーゴットの顔に手を伸ばすと、虚空を見つめる眼を伏せさせた。


ネフェリ「この王は、安らかに逝けただろうか」

ミリセント「…わからない…」

ミリセント「…だが、そう信じたい」


最後の王のモーゴットが死ぬと、広場の真ん中に祝福が灯った。
モーゴットがばら撒いた黄金色の泥も色褪せて、気付いた時には消えていた。

135名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:32:21 ID:pzPzsPLc


狭間の地は奥深い  投稿者:ビルダー拓也


祝福が灯って、黄金樹への道が開かれて、やっと終わったぜ!って帰る気でいた拓也をネフェリが引き止める。「おい拓也。黄金樹に本当に入れないのかどうか、まだ試していないだろう」だって。どうせ大ルーンが全部揃わないとダメだとか、マネージャーが言ってる「新しい律」が無いとムリだとかの話なんだろってガタイで予想をつけたところで、黄金樹のパックリマンコから出てきたミリセントが「だめだ、入れない」と言ってくる。

ミリセント「黄金樹の奥は、棘が硬く閉ざしている。手詰まりになってしまった」

拓也「棘くらいならミキサー攻撃でなんとかならないんすか?」

ミリセント「試してはみたが、無理筋のようだ。…ミキサー攻撃?」

拓也「アレっすよ、こう、ババババッて斬りまくるやつっすよ」

ミリセント「フッ、妙な呼び名だな」

ミリセントの雰囲気は、もうモーゴットと戦ってた時からいつもの感じに戻ってた。一瞬マジで別人かと思って焦ったぜ。でもディアロスは、そんなミリセントの前でショボショボの顔でシラケ気味。落ち込んでる理由をミリセントが聞くと

ディアロス「私はついぞ、何も出来なかった…貴公が追い詰められ、望んでいない力を振るってしまうのを、指を咥えて見ているだけだった」

ディアロス「貴公と共に旅をして、なにかを得た気になっていたが…それは幻想だったのだ…」

ディアロス「…情けない限りだ…」

なんてことを言ってくる。そんなこと言ったら俺なんて最初から最後まで見てただけだぜ!?って拓也が言っても、それは話が違うって聞かない。ミリセントは「君は十分、よくやったじゃないか」って言うけど、こういうヤツにはむしろ逆効果なんだぜ。だから結局ネフェリの言葉が一番ディアロスを慰めた。

ネフェリ「実力が足りぬと言えるようになっただけ、お前は器を上げたんだ。己を不甲斐ないと言うのなら、また鍛えればいい。その時は、私も力を貸そう」

「ああ、そうだな…すまない」ってディアロスの表情は少し緩んで、ネフェリなりに昔辛く当たったことも気にかけてるんだなぁって拓也も感心。上から目線でネフェリを評価しながら祝福に触る。円卓に帰ったら、マネージャーと一緒に話しておきたいことが沢山ある。ひとつは黄金樹がとんだ処女ケツ野朗で、キツマンを全然緩めないから入れないこと。もうひとつはメリナの言ってたマリカの言霊とかいうやつ。ネフェリがどうやって立ち直ったのかも気になるし、四つ目は、ミリセントの変化についてだぜ。これは前にも一度マネージャーに話す機会はあったけど、あの時は火山館で見たことが何なのか分からなかったし、ネフェリとギデオンの件で色々ぶっ飛んで、結局話す暇がなかったんだよな。

でもミリセントに起こったことを何て言えば良いんだろうって心で分析していると、祝福からまた「少し、話をさせて欲しい」ってメリナが出てきてた。モーゴットにやられたんじゃないのかよ!?

ネフェリ「何者だ!」

祝福からいきなり出てきたものだから、ネフェリが咄嗟に斧を構えたところを俺が慌てて制止する。そういえばこの二人、初対面だったんだよなって思い出して、拓也の説明がネフェリに補われる。俺にもメリナのことなんてほとんど分からないから説明もふわふわだったけど、敵じゃないことは分かってくれてネフェリは斧をしまった。また戦いにならなくてよかったぜ。

メリナ「…黄金樹の内に、入れなかったのでしょう?」

メリナ「棘の覆いが、貴方達を拒んだ。 …それは、拒絶の刺。黄金樹が外の全てを拒む、自我の殻」

また訳わかんねーこと言い出すのかと思ったら、結構すぐに役に立ちそうな話をしてくれそうで、拓也も聞き耳を立てる。ネフェリ、ディアロス、ミリセントの3人も、キリ目でメリナの話に集中している。

メリナ「エルデンリングに見え、玉座にエルデの王を戴くためには、その刺を超えなければならない」

メリナ「…私の使命は、そのためのものだった。だから、また私と旅をしてほしい」

拓也「また一緒に旅をしてよって言われてもさ、今までだって実感無かったし、ついて来たいなら来ればいいじゃん」

ネフェリ「旅をしろとは、何処へだ」

軽く無視された拓也がちょっと傷付いてる間に、ネフェリがメリナに地図を渡す。その地図にはラーヤの名前が入っていて、ネフェリがここに来れた理由もこれで判明。メリナは受け取った地図を開くと、目的の場所を指差した。

ネフェリ「…ここは…」

メリナ「遥か雲の上、雪深い巨人たちの山嶺。その頂きにある、滅びの火まで」

ディアロス「滅びの火?…本当にまだ残っていたのか…火の僧侶たちの迷信と思っていたが…」

メリナ「そうしたら、黄金樹を焼くことができる」

ディアロス「え?」

さらりととんでもないワードが出て、俺も含めて全員が自分の耳を疑ったと思うぜ。ネフェリとディアロスは互いに見遣って、俺もドラのやり過ぎて頭がおかしくなった可能性を考えてると、ミリセントが焦りを口にする。

ミリセント「焼くなんて…君は何を考えているんだ? 私はモーゴットに、黄金樹へ王を導くことを約束したんだ…」

ミリセント「それを君は…焼くだなんて…」

ネフェリ「私も反対だ。黄金樹を燃やしてしまえば、例え王を見出したとしても、座する玉座が無くなる。黄金律も失われ、終わらぬ荒廃が続くだけだ」

メリナ「心配はいらない。黄金樹は、エルデンリングさえ修復されたなら、律と共に再び力を強め、黄金の力を取り戻す」

ディアロス「そのようなことを言うが、証拠はあるのか!?」

メリナ「無いわ。ただ私は、知っているだけ」

メリナ「これが私の使命。焼けた体となってまで、私が在ることを許される理由なのだから」

メリナはそう言ってから姿を消した。またとんでもないことを言うだけ言って消えていったけど、今回は事情が違って超重要な話題だ。黄金樹に入れないまま、新しい律を持つ王様候補を見つけるか、黄金樹を焼いて入れるようにしたあとにするか。二つにひとつを選ばなきゃならないシチュエーションだとわかったぜ。こういう時はマネージャーに相談だ。

早速帰るぜってことでみんなで祝福に触れると、瞬間移動が始まる前にミリセントが拓也のズボンを弄る。え!何するの!?って乙女みたいにドキっとすると、ミリセントはズボンのポケットから、黄色い花を取り出してモーゴットの倒れてる方へ走っていく。それからモーゴットの胸の上に花を置いて、すぐに戻ってきた。ミリセントに聞くと「円卓の本で読んだんだ」って答えだけでよく分からない。
アルタスの花なんて置いてどうするのかなぁ?

136名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:37:22 ID:pzPzsPLc


円卓会議5回目   投稿者:ビルダー拓也


円卓に戻ると、早速マネージャーが席に座って、隣にラーヤも座らせた会議モード。オレ脇腹折れてますって言うと、俺が怪我してたのを見越してたみたいで生肉団子と毒消しのコンボを提供される。ちょっと臭いけどユッケみたいで美味いぜ。ネフェリが最初に席に着くとディアロスとミリセントも座って、最後は拓也の順番だ。あの便利な団子ってなんの肉なんだろうな?

ミリセント「ネフェリ、君はもういいのか?しろがね村の生き残りを探しに行ったと聞いたが」


ネフェリ「ああ、用は済んだ。ロボという狼とラティナというしろがね人を救ったが、他は既に手遅れだった」

ミリセント「そうか…」

ネフェリ「だが、四鐘に導かれた先に、故郷を想わせる鷹の王を見出して、私は悟ったのだ」

ネフェリ「義父のギデオンを王とせずとも、私が新たに、王を見出せば良いと」

椅子を引いてネフェリが立ち上がる。
全員から視線受けながら、少し間を置いて

ネフェリ「皆が大変な時に、手前勝手に抜けて、すまなかった」

ネフェリ「私も、お前たちの王を探す旅に加わりたい。許してくれるか」

とか、妙にかしこまった態度で謝罪を入れてくる。
ギデオンとのことならネフェリは悪くないし、最初っから責めてないんだけどな。

ミリセント「ああ、加わってくれ。君が共に居てくれると、心強いよ」

ディアロス「許すと言っても、そもそも私は責めた覚えは無いのだが…」

拓也「ウッス!よろしくお願いしまっス!」

マネージャー「というわけです。みなさんからの許可も降りたことですし、加わってくれますね?ちなみに私も、あなたが悪いことをしたなんて欠片も思っていませんからね」

ネフェリ「そ、そうか…それでは、よろしく頼む」

王探しの旅に加わって、ネフェリは唇を締めてちょっとソワソワ気味。この先どうなるんだろうってところに見知った顔が戻ってきてくれて、拓也の緊張もケツマンと共に緩む。でもマネージャーがその緩んだ緊張を戻すかのような話題を振ってくる。

137名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:42:13 ID:pzPzsPLc

マネージャー「さて、ネフェリさんが戻ってきた事ですし、話しておかなければならないことを話し合いましょうか。拓也?何か報告はありますか?」

拓也「あっ、はっ、はい。あっ、ありまっす」

拓也「えーと、まずは黄金樹に入れないから、滅びの火って奴で焼かなきゃいけないのと…」

マネージャー「焼く!?…ああ、いえいえ…続けてください」

拓也「うす。もう一個はメリナが言ってたマリカとラダゴンの話で、最後は…」

マネージャー「…最後は、なんです?」

そこまで言って言葉に詰まる拓也は、首筋に冷やっとした感覚を覚える。俺が言っても言わなくても多分ネフェリが話すし、ネフェリが話さなくてもミリセントが自分で話しちゃうんだろうなって思っても、中々口にできないぜ。ミリセントが少しづつ、ケイリッドをガン掘りの腐敗タネマン状態に堕とし込んだ、あのマレニアに近付いているなんてさ。でも俺の予感は案の定的中して、ミリセントが全てを話してしまう。

ミリセント「…私が、マレニアと同じく、腐敗として咲きつつあることだ…」

マネージャー「え!?」

ミリセント「モーゴットとの戦いも含め、今まで二度咲いた。もう…後が無いのだと思う…」

ラーヤ「後が無いとは、どういうことですか?…英雄様は腐敗を使うお方のはず…その言いようでは、まるで…」

マネージャー「ちょ…ちょっと待ってください!どういうことですか!?後が無いって…」

拓也「ウッス!すいませんマネージャー!申し訳ないす!」

ディアロス「話すか否か…話すとしていつ話すべきかを逸してしまったんだ…」

ディアロスも言ってるけど、マジで話せるタイミング無かったなりね。火山館での出来事は現実感無くて何が起こったかあの時は分からなかったし、ディアロスは精神ボコボコにパンチ喰らって自分のことで一杯一杯。しかも帰ってきたらギデオンの虐待と犯罪行為が発覚してネフェリが泣いちゃってそれどころじゃないって空気になってさ、あの後に話を放り込むなんて無理だぜ!今となってはこういう言葉も言い訳に早変わりだから、拓也はとにかく謝るしかない。

マネージャー「待ってください!今はミリセントさん優先で話します!」

拓也「うす…」

マネージャー「それでは…ミリセントさん、もう後が無いというのはどういう意味ですか?」

ミリセント「それは…感じるんだ…」

マネージャー「何をです…?」

ミリセント「腐敗が進み、私の中で花開くごとに…感覚があるんだ…腐敗の力と、その力に抗う意志というか…」

ミリセント「…ともかくそれが、私の中で強まり、私を突き動かしていくのが分かるんだ。…次、再び花が咲けば、私はそれに飲まれるだろう…」

マネージャー「飲まれてしまうと…どうなるんですか?」

マネージャーに聞かれて、ミリセントは一度黙る。それから、分かってるけど言いたくないことをどうしても言う時みたいに、誰にも目線をあわせないまま応える。


ミリセント「…おそらく私は…腐敗の花となるか…伝承にあるような、腐敗を撒く朱き翼…マレニアの同類となる…」

ミリセント「どちらになっても…私は君たちを…ひどく傷つけ、その命をも脅かしてしまうだろう…」

ミリセント「…すまない…」


ミリセントが言い終えると、マネージャーは背もたれにもたれかかって天井を仰いでから、テーブルに両肘をついて頭を抱える。口を半開きにしてミリセントを見つめるラーヤは、少し呼吸が乱れてるのが服の上下する様子で分かる。ネフェリは腕を組んだまま一言も喋らないし、ディアロスと俺はやらかした!って感じで居心地がチョー悪くなって、俺は罪悪感で背中と首筋に熱を感じる。

138名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 20:49:35 ID:pzPzsPLc

ミリセント「…もっと早くに…マレニアの分け身であると知った時に、全てに気付けていれば良かった…」

ミリセント「だが…私は失敗した…己に巣食う業を忘れ、君達との旅に、安らいでしまった…」

ミリセント「やはり私は…去るべきだった…」

自分を疫病神みたいに言ってるミリセントに、頭を抱えたままのマネージャーが言う。
「あなたは悪くないです」のその一言はそれでもミリセントを傷付けるだろうけど、これは事実だしそう言うしかねーよ。

マネージャー「…自分の病気が、周り全てを巻き込む時限式の核爆弾だなんて、普通は気付けないですよ。例え気付けたとしても、周りに言えるわけがありません。言えば隔離されるか、排除されるか、殺されるに決まってます。私がいた世界でも同じです」

マネージャー「私があなたでも言いませんね。それにあなたはマレニアの善性の全てを受け継いだだけであって、自分に宿る腐敗の特性は、そもそも知らなかったんです。知らない人に対して、教えてもいない身で『気付いておくべきだった』と言うのは、無責任な結果論にすぎません」

ラーヤ「核爆弾…?」

マネージャー「私と拓也の世界で言うところの、朱い腐敗のようなものです。その例えは無視してください」

マネージャーがマイバッグを開けると、中から携帯と、携帯に繋がれた持ち運び充電器が出てくる。マネージャーは携帯から充電器を外すと、携帯を起動してメモ帳を開く。

マネージャー「さて、それではミリセントさんの腐敗をどうやって無力化するかの話をしましょうか」

沈んでたミリセントがその言葉に顔をビクッと上げて、何を聞いたか分からないって目線を俺に向けてくるけど、俺にだってわかんねえよ。腐敗が治せるならとっくの昔にミリセントのお父さんのゴリ?が治してるはずだし、少しの努力で治るなら、マレニアの分け身だっていう大層な事実はどうなるんだよぉ?ミリセントから向けられる驚愕の視線を気にしてないみたいに、マネージャーは携帯片手に会議でメモを取る気マンマンだ。

ミリセント「無力化なんて…君は何を言ってるのか分かってるのか…?」

マネージャー「分かっています。だからあなたから情報を聞き出そうとしてるんです。狭間の地には腐敗を抑え、あるいは取り除く手段は多く存在しますが、女神の腐敗ほどのものを癒す手段はありません。今まで調べた土地に、そのような物が無い以上、ヒントはあなたに求めるしかありません」

ミリセント「む…無理だ…私の腐敗は、決して癒えることはない…ラダーンでさえも逃れられぬ悪病なんだ…」

マネージャー「それでは、あなたの腐敗を抑えた金の針は、一体誰が作ったんです?マレニアの義手は、何故腐敗に犯されて腐り落ちないんですか?」

ミリセント「それは…」

マネージャー「腐敗に抗う手段はまだあるはずです。少なくとも、その方法を確立した人物はどこかにいるはずなんですよ。その人になら、三度目の開花を防ぐ方法も見出せるかもしれません」

ネフェリ「観念しろミリセント。無駄だと断じることなど、それこそ無駄だ」

ネフェリ「嫌とは言わせんぞ」

マネージャーの押し付けまくりなトークとネフェリの鋭い眼付きに気圧されて、ミリセントは言い返せなくなる。ディアロスと俺も無言でうなずいてなんか責めてるみたいだけど、コレも愛のムチだぜ。今までミリセントには何度も助けられたんだから、助けられた分のお返しは終わっちゃいないからな。

ミリセント「本当にすまない…君達には…本当に…なんと言ったらいいか…」

両手で顔を抑えて嗚咽するミリセントに、ラーヤが駆け寄って肩を抱いてあげる。この感じだとやっぱりミリセントはオレ達から離れてからどこか遠くで死ぬつもりだったんだ。でもなんか話がいい方向に進んで良かったぜって、拓也も胸筋をなで回す…はずだった。マネージャーはいきなりギン眼で拓也とディアロスを威嚇。ネフェリからの視線もチョー冷たくてキツいぜ!

マネージャー「なんとか言うべきは貴方達です。言うことありますか?」

拓也「ないダス…」

ディアロス「…申し訳ない…」

マネージャー「遅かれ早かれ、ミリセントさんの腐敗の宿痾はいずれは進行していたでしょうけれど、その事態が手遅れ一歩手前まで伏せられていた事については、貴方達のせいでもありますからね。これからしばらくは馬車馬の如くこき使うと思いますので、そのつもりで」

マネージャー「分かりましたね?二人とも?」

拓也「ウッス!」

ディアロス「ウッス!」

マネージャーの奴隷になる俺たち。

139名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/11(水) 21:02:08 ID:pzPzsPLc

ミリセントが落ち着いてから、マネージャーはインタビューを開始。
ミリセントが気になっていたものを全部聞き出そうってんで、メモを走らせる。

それで分かったんだけど、ミリセントはメリナが話していた巨人たちの山嶺ってところを超えた先にある、エブレフェールの聖樹ってところに、ずっと呼ばれてる感覚があるらしい。そこにいる誰かに渡さなきゃいけないものがあるってさ。そこまで言われたらもう行くしかないって、早速マネージャーがメモに記入。どうやって行くのか分かりますか?ってミリセントに質問を投げる。でもミリセントにも分からなくて、じゃあどうしようって時に、拓也は競パンの中の違和感に気付いた。

拓也「ウッス!これなんかどうすか!?」

競パンに入っていたのは暗い色をした割符だった。メリナはあの時、俺のズボンの中の競パンにコイツを忍ばせてたんだぜ。普通に渡せよな!マネージャーは早速ゴム手袋を装着。ホカホカの拓也湯気に包まれた割符を受け取って写真を撮り、携帯に集めた資料と照合を開始。結果はすぐに出た。

マネージャー「早速お手柄ですね、拓也。これは巨人たちの山嶺へと続く、禁域への大昇降機を動かす割符です。どこで手に入れたんですか?」

拓也「ウッス!多分メリナって子に競パンに突っ込まれたんすよ!」

マネージャー「メリナ…その名前は先程も聞きましたね。あとで詳しく聞かせてもらいますね」

ミリセント「普通に手渡しでは駄目だったのだろうか…」

ネフェリ「子供のやることは分からん」

巨人たちの山嶺への行き方が分かって、会議は次の問題にズブリと入る。
「ミリセントさんのことでインパクトが薄れましたけど、これも相当困った問題ですよ?」ってマネージャーが言ってる通りで、このことについてはメリナを信じるしかない。黄金樹を燃やしても良いのかどうかなんて、俺たちには分からないなりね。マネージャーに聞いても「私が知る限りでは前例が無い」「というか前例があれば今の黄金樹にも痕跡があるはず」っていう、俺でも思いつく返事が返ってくる。

マネージャー「私はそのメリナという子に会ったこともないんですが、あなたが言うことが正しければ、今も私たちの周りにいるという事ですよね?」

拓也「ウッス!そうらしいっすよ」

マネージャー「そうなると、覗かれているような気がして良い気にはなりませんね。意思疎通が円滑にできていれば、ギデオンへの監視を任せられたのでしょうけれど…」

拓也「俺が黄金律と全然繋がってないから、簡単には出てこれないみたいっす。俺以外のヤツについて行けばいいと思うんすけどね」

ネフェリ「繋がりのある褪せ人を選び、しかし使命を果たせなかったからこそ、拓也に白羽の矢を立てたのではないか?」

マネージャー「それはあり得そうです!旅の途中で消息を絶った褪せ人の記録は、円卓に山ほどありますからね。納得です。ただいずれにしても、黄金樹を燃やすことに関しては情報が全くありませんし、ここは思い切って二本指を頼るのも手かもしれませんね。あとで聞いてみることにします」

マネージャー「さて、それではメリナさんが言っていたこと、マリカとラダゴンについての話を聞きましょうか」

あの時メリナがなんて言ってたのか、俺はほとんど覚えてなかったから代わりにディアロスが話した。ラダゴンが黄金律の犬で、ラダゴンはまだマリカではなくて、マリカとラダゴンは一緒に砕けた?死んだ?って話。でもマリカは黄金樹に閉じ込められてるとか、隠れてるとかの話もあって、やっぱ俺にはわけわかんねーよ。どれが本当のことなんだっていくら乳首をこねくり回しても真実は見えてこない。

マネージャー「マリカがラダゴン…ですか」

マネージャー「途切れ途切れの文献を集めたうえで、今分かっていることだけを見ても、両者が同一人物とは考えにくいですね」

マネージャーが携帯を操作してメモ帳を閉まったあと、写真を表示して皆に見せて、次々にページをめくっていく。俺は機械の扱いにも慣れてるけどさぁ、こんなに情報をドンドン見せられても、訳わかんないだけだと思うんだよね。俺の読みは当たって、俺以外のみんなは何を見せられてんだよって顔で、眼で写真を追うので精一杯って感じになっている。

マネージャー「マリカは群雄割拠の戦国時代をゴッドフレイと共に統一し、黄金時代の基礎を作り上げた神。いわゆる創世記の神です」

マネージャー「そしてラダゴンは、巨人戦争で功を上げて勢力を増したあとに、カーリア王家と争いました。彼はその後にカーリア王家と和解し、レナラと結ばれて何人かの子をもうけましたが、さらなる力を求めてレナラを捨て、マリカの王配にまで登り詰めました。野心的英雄ですね」

マネージャー「どちらも性格としては似通ったところがありますが、二人が同一人物となると、かなりの量の矛盾が生じてしまいます」

マネージャー「例えば、王配ラダゴンの時代における捧闘の文化の衰退などが、分かりやすい例です。私が調べた限り、マリカは極めて好戦的かつ独善的な神に思えますが、そんな彼女がラダゴンと同一の存在であるとするなら、彼女は神である自分に捧げられる闘いの祭事を、自らの手で破壊したことになります。長年かけて作り上げた自分の権威を自分で壊すようなものです」

マネージャー「このような矛盾が、二人に関する歴史の各所で発生する以上、二人が同一人物である可能性はかなり低いように思います。二人の神格の伝説が、情報の消失や不正確な伝聞を繰り返すうちに、ひとつに統合されたという見方でもしない限りは、これらの矛盾は解消できません」

140名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:20:49 ID:6w5.gtmw

マネージャーは写真を閉じて鼻からフーって息を出すけど、俺達は情報が多くて圧倒されただけで、納得できたかどうかは微妙。やっぱりよくわかんねーよ。俺たちよりもメリナの方が長く狭間の地にいるし、実際に割符もくれたし、俺たちに嘘をつく理由が分からないなりね。そのこともマネージャーはわかってると思うけど、目が開き気味で、得意げに自分の調査の成果を誰かに見せたくなってる気がするんだよね。気持ちは分かるけどさー

マネージャー「えー…とにかくですね…マリカとラダゴンについては、正直まだ情報が足りません。悔しいことですが、この件はギデオンとも話をしなければならないと思います」

拓也「は?え、ヤバくないすかそれ?危なくないですか?」

ネフェリ「そうだ。何を画策しているか、知れたものではないだろう」

マネージャー「心配いりません。ギデオンは大ルーンを集めることと、智識を得ること以外には興味がありません。私はかつて彼に協力しないと言いましたが、彼はそのことを気にも留めていないでしょう。私が恥をしのんでギデオンの書斎に入り、気まずさを我慢すれば済むだけのことです。大ルーン探しのヒントくらいは提供することになるかもしれませんが」

ミリセント「しかし、それではラーヤの父が危ない。ギデオンの手下は、しろがねの村を滅ぼしてしまったのだろう?」

ネフェリ「丸腰の者共を襲い、なお幾人かのしろがね人を取り逃すような者共に、デミゴッドを狩れるとは思えんがな。ラーヤ、お前の父は忌み潰しや犬どもに屈するか?」

ラーヤ「あり得ません。ライカード様は生命を冒涜し、神をも喰らわんとしたお方です。たとえ英雄様であっても、あのお方を弑することは出来ないでしょう」

ミリセント「…君がそこまで言うのなら、信じてはみるが…」

考えてみると俺はライカードと会ったことがない。ブライヴが蛇とか言ってた気がするから蛇の形してるんだろうな。ラダーンとかゴドリックとか、他のデミゴッドの事を考えるとライカードっていうのも相当なパキギメガタイの持ち主に違いないぜ。娘のラーヤも蛇の姿になったら拓也の激エロビルダーガタイの胸囲よりも太い首になったしね。大ルーンを手に入れるとガタイが全身パンプして強くなるなら、今は普通のネフェリもゴドリックみたいになるのかな?


円卓での会議が終わってから日にちを跨いで、次の日の朝から禁域に向けて出発。
ミリセントは例の腐敗の事があるから円卓で待機するはずだったけど、戦わないにしても何かやりたいって事で、マネージャーから「金仮面卿は探求者です。彼を探してください」って頼まれた。今は俺たちとは別行動だけど、金仮面について行ったコリンが黄金樹狂いのマジ信者ってことが分かってたから、ミリセントは黄金樹の周りを探してみることにしたらしい。

よく体力あるよな。毎日闘いづくめのハードスケジュールの中で、戦えないオレはまだ楽でいいけど、他の皆は毎日ジムでガタイいじめ抜いてる以上のストレス職場だぜ。だからみんなもちゃんと休みとってくれよな。そうじゃないとオレも休めないからな。特にオレは祝福にあたっても体力戻らないんだから、最近はガタイも栄養が不足して少しづつ縮んでる気がする。身体いじめるなら栄養も補いたいぜ。

なんて考えながら、オレは禁域への道を求めて今日も王都を駆け抜ける。ディアロスとネフェリを入れた三人のメンツで、適当にぶらついて見つけた門を開けると、奥から翼の生えたブサイク顔がナタを持って襲ってくる。そいつは一瞬でネフェリに叩き殺されたけど、顔が人間なのに尻尾が生えてて脚の形もなんかおかしいしでチョーグロ!ディアロスが言うには、コイツらは混種っていう奴ららしいけど、ここまで混ざってると元がどういう生き物なのかもわかんねーぜ。

でも今まで見たことが無いやつが居る所には何かがあるって、オレの歴戦のビルダーガタイが問いかけてくる。オレも伊達にエルデを回ってるわけじゃない。こっちの方が怪しいっていうオレの意見にはネフェリとディアロスも賛成で、三人でそのまま進んでいくと、いきなり敵の集団に襲われる。さっきの混種の仲間が次々飛んできて、奥からは赤獅子城で見た赤毛のデカ獣人がギン眼剥いて吠えまくり。ディアロスが混種を一人ムチでしばき上げてる間に、ネフェリは雷と風の人間洗濯機コンボで混種三人を一気にガン掘り。デカ獣人が剣を持って飛び掛かってくる頃には、残る敵はそいつだけ。

と思いきや、さらに白衣を着た奴が奥から二人出てきて、体にバリアを張って警戒してくる。デカ獣人はネフェリとの一騎討ちでこっちに来る感じは無いけど、コイツらの行動が読めなくて俺たちは警戒を解かないまま、ヒソヒソ声で作戦会議に入る。

141名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:27:43 ID:6w5.gtmw

拓也「なんなんすかねアレ?」

ディアロス「彼らは調香師だ。香を嗅ぎ分け、調合の技を振るう。火の粉に気をつけろ」

ディアロスはチョー警戒してるけど、白衣の二人は目の前で右往左往で、襲ってくる気配が無い。
そこでホスロー家の分析が入って、白衣の奴らの弱点が判明する。

ディアロス「…そうか、香りか」

ディアロス「調香師は香りを嗅ぎ分け、薬効を判断する…その香りに、貴公からの異臭が混じっているのだ…」

ディアロス「嗅いだことの無い異臭には、火薬もぶつけられまい…ぶつけて大爆発でも起こせば、敵との心中となるのだからな。フフ…」

拓也「マジ?これってチャンス?」

俺の激エロな雄フェロモンには、イエロの瞳含めていくつものキメ物が入ってるし、ここに来てから一度も歯を磨いてない(歯ブラシがないから)拓也は、こいつらにとっては全身から淫乱な匂いを発散する一匹の野獣だ。この溜まりに溜まったエロバワーを、こいつらに向けて一気に解放するぜ!

オレは王者のように大股開きで歩きながら近づいて、怯んでる調香師の調教を開始。金色のバリアが貼ってあるけど、黄金樹とは何の関係も無いオレの手はバリアを素通りして調香師のマスクを取り去り、オレの唇が調香師の唇を奪う。

調香師A「弧゜ッ!!!」

コイツは相当溜まってたみたいでキスされただけで白目剥いてマジイキをキメ込む。ピンと張った手足と背中はガチガチに固まって痙攣を始めて、オレが前掛けを剥がしてズボンに手を突っ込むと、その股間もグジュグジュに濡れててマジエロっ!コイツ相当欲していたんだな!って高潔なボランティア精神が湧き上がり、口に突っ込んだ舌を調香師の震える舌に絡ませて、歯の裏を舐め回すと白目から涙が滝のように流れてきて、顔も耳も真っ赤で汗も俺の鼻にまで垂れてくる。

調香師B「あ…あ…あ…」

ディアロス「すまない、本当に同情するよ」

調香師B「うわぁーっ!」

久しぶりに男の唇を吸ったオレは完全に淫乱なモードにギアが入って、キスで責め倒した方を投げ捨てると、逃げようとするヤツを背後から押し倒す。そしてそのまま暴れるそいつを腕力で制しながら、こいつのチンポを強く握りしめてローションも無しに拳でケツマンをファック!一息に手首まで突っ込まれた衝撃で、相手は一気に抵抗をやめて白目剥いて海老反りに入り、階段を小便で濡らしていく。「まだ行くんじゃねーぞ!」とオレにもSが入り、深々と刺さったフィストをぶち抜くと、両手で相手の顔をホールドしてから容赦なくキス強要。

調香師B「弧゜ッッ!!!!」

猛烈な快楽の濁流に飲まれた相手は、一瞬で意識がぶっ飛び射精!白目剥いて真っ赤の顔には青筋が浮き上がって、激エロ興奮のし過ぎで鼻血が出始めてる。ここまで感じてくれると逆に怖くなってきて、激しく痙攣しながら脱糞を繰り返すそいつを放置してプレイ終了。オレは不完全燃焼だったけど、客は満足のしすぎで今にも死にそうだからやめとくぜ。

ディアロス「洗練させた嗅覚が仇となったな…哀れなことだ…」

拓也が二人をヤリ潰した後にネフェリを見ると、そっちもどうやら終わりそうで、血まみれの獣人がギン眼のネフェリに斬られまくって吠えまくり。前よりも全然強くなってるからか、ネフェリには擦り傷のひとつもついてない。最後にネフェリが雷の斧で獣人の脳天を犯してフィニッシュ。脳みそを射精みたいに飛び散らせて獣人はダウンした。

ネフェリ「王都の兵なだけはある。見事な戦士だった。お前たちも終わったか?」

拓也「ウッス!」

ディアロス「問題はない」

ネフェリ「ならば進むぞ。しかし糞臭いな、どこから臭ってるんだ?」

142名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:34:00 ID:LkVimkT.
調香師かわいそう(ミランダパウダーを回収しながら)

143名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:36:39 ID:6w5.gtmw

敵の群れを抜けた後にはデカい扉があって、開けると奥には何十人も乗れそうな木造エレベーターを発見。狭間の地はなんでもデカいけど、さっきの二人はデカマラってわけでも無かったな。なんて考えながらエレベーターで上に登ると、長い石橋に出る。天気が一気に悪くなって雨の中、橋の上には兵士が三人と騎士が二人いて、騎士の片方は馬に乗っている。さっそくネフェリが兵士三人に突っ込んで斬りまくると、騎士も騒ぎに気付いて二人同時に向かってくる。

ネフェリの斧が盾を持ってる騎士の盾にぶち当たると同時に、馬に乗った騎士がオレに向かって槍を構えて、逃げるオレのケツを追いかけ始める。そんなのでケツマン抉られたら死ぬぜ!ってガチ逃げしてると、ディアロスのムチが馬の前脚に絡みついて、ディアロスが転けると同時に馬も転けたところを、オレは剣で斬りつける。でも全然効かねー!鎧が硬すぎてどこ斬れば良いんだよって拓也はひとりパニック。

そうしてる間に、ネフェリは両手の斧を使って盾持ち騎士から盾を弾き飛ばして、首に斧を叩き込んでいた。オレは起き上がった騎士から逃げてディアロスに合流。ディアロスを立たせて「ウッス!お願いしまっす!」と他力本願モードでおねだりする。ディアロスが嫌々盾を構えたところで、ネフェリがこっちの騎士も後ろからガン掘りして撃破。「相変わらずだな、拓也」と余裕を見せつけられて、懐かしさで照れ笑いが出てくる。

進んだ先にあったコロセウムみたいな建物に入るとエレベーターがあって、割符をどこに使うんだって周りを探したけど、それっぽい物も無かった。どこのエレベーターに使うんだよ?って疑問に答えが無いまま、三人でエレベーターに乗ると、着いた先で気温が一気に下がってマジ狂い!息が白くなって、そよ風だけでも刺すような寒さがオレとネフェリを襲う。でもディアロスだけ平気そうで羨ましいぜ。その鎧オレにもくれよ!

拓也「うぉあ寒っみーなオイ!マジかよぉ!」

ネフェリ「すーっ!寒いっ!なんだいきなり…!?」

ディアロス「この寒さ…外では雪でも降ってるのか?」

拓也「あーっ!寒い!」

拓也「あっ!?」

自分の肩を抱いて内股になりながらプルプルで震えていると、ネフェリがいきなり抱きついてきて、俺のムチムチした胸筋に胸を押し付けてくる。だからオレにはそういう趣味ねーよ!って身を捩って脱出しようとするけど、ネフェリのゴリラみたいな腕力で締め上げられて上半身の骨が全部軋み、動きが封じられる。でも窒息イキする前に力を緩めてくれてどうにか意識は繋いだ。マジなんなんだよぉ!?

拓也「ネフェリさん!?なにするんですか!?やめてくださいよ!」

ネフェリ「恥ずかしがっている場合か!熱が消えれば凍え死ぬぞ!」

ネフェリ「ディアロス!ここに長居するのは危険だ!一度退くぞ!」

ディアロス「ああ、そうしよう…ここの寒さは私の鎧にも沁みる…」

元きた道を逃げ帰って急いで王都まで戻ると、寒さに強い服を着て行こうという事になって、探求者を探すはずが服を探すことに。そこでディアロスが「王都で倒した二人の調香師から服を奪おう」って提案。ネフェリが死者からはあまり奪いたくないって言って拒否して、オレも拒否した。汚したのはオレだけどさぁ、アイツら糞と小便まみれで汚いじゃん。

だから結局円卓まで帰って、双子の婆さんから防寒具になりそうな物を買おうとしたけど、金属鎧しか売ってなかった。もう仕方がないってネフェリも嫌々な顔で、三人でストームヴィルのゴドリックに話をつけにいった。

ゴドリック「ハッハッハーハハ!寒さを凌ぐ武具など、我が城には掃いて捨てるほどありますぞ!お好きにお選びくだされ」

そのゴドリックが恩を売りつけるなら今だってばかりに、鎧をズラッと並べてくる。どれも手入れがされてて、コイツ本気で取り入ろうとしてるなって感じがビンビンだぜ。これが神様だっていうんだから、世界がマトモになってもリムグレイブの人は何を信じたらいいのか分からなくなりそうだよな。えんじ色の布がグルグルに巻かれた鎧をネフェリは二つ選ぶと、黙ってそのまま持ち去って行こうとするから、ディアロスが流石に礼くらいは言ってやってもいいじゃん?って説得。

ネフェリ「…感謝はするが、ゴドリック、貴様の下心が気に食わん。貴様の首が繋がっていることが、貴様に対する私の礼と思うんだな」

でもネフェリは礼と言うにはあんまり過ぎる礼を返して、金のコックリングも払わずに去っていく。こんなので良いのかよ!?ってゴドリックを見ると、悟り顔のままコイツはコイツで納得してそうだった。すっかり中間管理職みたいな空気が板についてきたぜ。偉そうだったコイツは怖くて好きじゃなかったけど、偉さのカケラも無いのもどうかと思うんだよな。

ゴドリックからホカホカな鎧をもらって王都に帰ると、禁域探索が始まった。
やっぱり首に布が巻いてあるのは良いよな。

144名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:40:48 ID:6w5.gtmw

続きだぜ!
元のチョー寒い降りのエレベーターに戻ってから外に出ると、辺り一面が真っ白の雪景色に変わって、しかも全体的に薄暗くて前は見づらいし鼻は冷たいしでマジヤバい!とりあえず近くに祝福は見つけたけど、こんなところ進むのかよって拓也は早くも意気消沈気味。それでもネフェリは「行くぞ」って言って進み始める。こんな状況でもやる気が萎えないんだから流石だ。

ネフェリ「止まれ」

ネフェリがいきなりそう言うと、口元に指を当てるジェスチャーをしたから咄嗟にオレとディアロスも口を抑える。そしてそのまま岩場に歩いて行って三人で身を隠すと、少しづつ馬の足音みたいなのが聞こえてきて、音はさらにデカくなっていく。音の出どころは何かと思って、オレが顔の上半分だけを岩場から出して確認すると、相手は例のマルギットに仕えてた、あの殺し屋系の黒ずくめナイトだった。

こんな状況でアレと戦うのかよって思ってると、まさかの携帯からの着信!
凍りついた雰囲気の中、能天気なパラオナボーイが真冬の禁域にこだまして、俺は探索に出る前に円卓で交わした会話を思い出す。

マネージャー「ミリセントさんに何かあった時のために、彼女には私のマイ携帯を渡しておきます。拓也?あなたが私と電話したい時は、いつもの仕事用携帯にかけてください」

ミリセント「ケイタイって…こんなもの、私には使えないぞ」

マネージャー「使い方は私が教えます。いきなりメールはハードルが高いので、電話機能の使い方だけを教えますね」

ミリセント「よろしく頼む…」

やられたぜ!ミリセントが間違えて電話してきたな!殺し屋系ナイトは携帯の着信音に敏感に反応。馬を操ってこっちにダッシュをかけてくる。「馬鹿!何のつもりだ拓也!」って携帯の仕組みを知らないネフェリに頭を叩かれつつも、オレはネフェリと一緒に岩場を飛び出した。

145名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:49:23 ID:6w5.gtmw

「待ってくれ!」と叫んだのはディアロスだった。装備が重いから咄嗟には逃げられなくて、ネフェリの後ろを走るオレよりもちょっと離れた距離を追いかけて来る。そのディアロスに向かって殺し屋騎士が武器を振り回して追いつこうとして来たところに、「伏せろ!」って声と同時に、ネフェリが急ブレーキをかけて反転してから騎士に飛びかかる。

ネフェリの両手斧に両肩ファックされて騎士はたまらず雄鳴き。その間にディアロスはオレと合流。
仕方ないから戦うかって感じで武器を抜くと、近くの岩陰や足元から、ノコギリを持った小人が何人も出てきた。

ディアロス「卑人だ!多いぞ!6人はいる!」

その声にネフェリはハッと顔を上げると、騎士が武器を振り回してネフェリを投げ飛ばし、遠くに馬を走らせながら弧を描いて向かって来る。投げられたネフェリは空中で体操選手みたいに回転して、ディアロスの隣に着地。足元の小人の股間に斧を叩きつけて悶絶させて叫ぶ。

ネフェリ「この場は不利だ!駆け抜けろ!」

拓也「ウッス!」

今度はちゃんと合図も間に合って、三人揃って駆け出して走りまくり。後ろからは小人がノコギリを振り回す音や、馬の蹄が雪を打つ音が聞こえてきて、寒さも相まって全身に鳥肌が立つ。「崖だ!跳べ!」ネフェリの掛け声がまた響いて俺たちは同時にジャンプ。でも着地した先で毒霧が爆発して違ドラに全身を犯されてマジ狂い!ハメられた!通り道に罠を仕掛けたな!

拓也「うぉあーっす!うーっす!」

ディアロス「ネフェリ!拓也の様子が…」

ネフェリ「私が背負う!治癒はあとにしろ!走れ!」

ケツマンに毒を仕込まれてポジ狂いする拓也を背負ってネフェリが走り、その隣をディアロスが走る。鼻水も凍る極寒の中に違ドラ仕込まれて生命の危機を感じてる拓也のチンポは、オレの意志に逆らって自動的に勃起。ドクドクと射精して種を残そうとし、ネフェリの鎧の背中に一本の白線を描き出す。まったくよー、こんな寒いところでタネ残したってすぐに凍っちゃうだろ!本能ってマジ頭悪いよな。

ディアロス「この臭い…! またやったな!拓也!」

ネフェリ「構うな走れ!追いつかれるぞ!」

小人からは逃げ切ったけど、殺し屋騎士はむしろどんどん迫って来ていて、馬の走る振動がネフェリの走る振動と合わさって、オレの違ドラチンポに激エロな刺激を送り込む。ほとんど床オナ状態になってる拓也はアンアン喘ぎが入って、ポジも相まって狂い方が加速していく。飛びそうな意識の中、このままじゃ逃げ切る前に出し切っちゃうぜって思った瞬間

ネフェリ「伏せろっ!」

ディアロス「うわっ!」

前の方からチョーデカい色黒ガタイを誇る石像が飛んできて、俺たちの頭上を通り過ぎてから殺し屋系騎士と正面衝突。デカい翼を振り回しながら武器に赤い煙を纏わせて、地面に転がった殺し屋系騎士を一方的に叩きのめし始める。

ディアロス「ははっ!いいぞ!そのまま相討て!」

ネフェリ「調子付くな!走れ!」

石像に救われた拓也は、それでも思った通りに金玉を空にするほどの射精をネフェリの背中に撒き散らして、ビクビク痙攣を始める。その様子を横目で見てるディアロスは明らかに青ざめてる。きっとネフェリはスゲー怒ってるんだろうなって、全身の甘い痺れに飲まれかかってる頭でオレは考えた。ネフェリは暗くてデカいエレベーターについた後に、オレを下ろしてから割符を取り出して、エレベーターに向ける。すると割符の宝石がピカッと光って、エレベーターが動き始めた。大昇降機ってこれだったのかぁ。

ネフェリ「はぁ…」

ネフェリは軽く溜息をついてから、オレの右頬にピンタを一発キメる。本人は軽くやったつもりだろうけど、オレはすさまじい打撃に一瞬で皮膚感覚がぶっ飛び、意識混濁がチョー気持ちよくて死ぬぜ!右頬だけ2倍に膨らんだ拓也の頬は、この寒さの中でも火に焼かれたみたいに熱いし、口の中は血まみれになって鉄の味が鼻をついて、オレの意識を無理矢理引き戻してくる。背中をザーメン塗れにされてもきっとミリセントならぷんぷん怒るだけで許してくれたけど、ネフェリは実際に手が出てくるから怖いぜ。

146名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 14:57:59 ID:6w5.gtmw

ネフェリ「毒を盛られるだけで動けなくなるとはな」

拓也「うっしゅ!王都でちょっと気持ちよくなりしゅぎて、ギャタイが敏感になってましたっしゅ!」

ネフェリ「敏感であろうと、毒のひと盛りで腰が抜けて放精するなど、情けないとは思わないのか?私が走り抜けるという判断を下さなければ、お前は死んでいただろう。多少は性欲に抗ったらどうなんだ」

拓也「申し訳なしゅ…」

大昇降機の上で正座させられて本気の説教を喰らう拓也に、ディアロスも「話したところで、今更だとは思うが…」ってフォローを入れてくれて、ささやかな優しさを味わう。説教を終えたネフェリは、口がパンパンで喋れなくなってるオレに生肉団子の欠片と毒苔薬を提供してくれた。オレはネフェリの鎧のデカ布をカピカピにしちゃったのにね(笑)

大昇降機が上がり切ると、俺たちは雲より高い山に立っていた。後ろを見るとめちゃくちゃデカい黄金樹がそびえて、前には雲海の水平線が広がる。俺たちが立っている山にも雪が積もりまくってて、冷たい空気が肺の中の入ってくる。

拓也「スゲー!なにここ!富士山みたいじゃん!」

ディアロス「雪しか見えないな…本当にここに滅びの火などあるのか…?」

ネフェリ「どれ、地図によると…なるほど、禁域は既に過ぎたようだ」

ディアロス「過ぎたというと…ここが巨人の山嶺…?」

ネフェリ「そのようだ。ひとまず山嶺は見出した。一度円卓に…」

突然、ネフェリの言葉を遮るように、またしても携帯に着信が入る。
またミリセントが間違えたのかなって携帯を開くと、電話の相手はマネージャーだった。

マネージャー「拓也?禁域にはつきましたか?」

拓也「ウッス!禁域はもう過ぎちゃいまして、今は巨人の山嶺ってとこにいます!すげー眺めっすよ!」

マネージャー「あら、もうそこまで見つけたんですか?意外と早かったですね。お見事です」

マネージャー「こちらにも少し進展がありましたので、情報が新鮮な内に報告しておきますね。拓也?スピーカーをONにしてください」

マネージャーの言う通りにスピーカーをONにすると、携帯から大音量のマネージャーの声が流れて、ネフェリとディアロスの肩がすこしピクつく。「電池をあまり使いたくないので簡潔に話しますね」って前置きをしてから、マネージャーは喋りだす。


マネージャー「ミリセントさんが王都ローデイルにて、金仮面卿を発見しました。彼にメリナさんからの言葉である、マリカとラダゴンの話を伝えたところ何か閃いたらしく、コリンさんを連れて巨人たちの山嶺に向かったそうです。そちらに金仮面卿はいませんか?」


拓也「マジすか?見ましたっけ?」

ネフェリ「いや、見ていないな」

拓也とネフェリの視線がディアロスに移って、ディアロスが首を横に振ったと同時に、大昇降機が動きだした。突然の振動に雄膣揺すられて感じるあまり転びそうになりながら、オレは会話を続ける。

拓也「あん!」

マネージャー「どうしました?今の音はなんですか?」

ディアロス「ロルドの大昇降機が動きだした!」

マネージャー「動き…待って、どういうことですか!?」

ディアロス「分からない!誰かが仕掛けを…!」

ネフェリ「馬鹿な…割符は私が持っている…誰かが割符も無しに動かしたと言うのかっ?」

拓也「そんなこと出来るんすか!?」

ネフェリ「知らん…だが現に、この仕掛けは動いている」

拓也「なんかヤバそうなんで一旦切りまっす!すいません!」

マネージャー「拓也!?」

何が起きてるのか誰にも分からないまま、大昇降機は降りていった。

147名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 15:07:32 ID:6w5.gtmw


全てを知っていたかのように5人で探索   投稿者:ビルダー拓也


大昇降機が降りるがままに任せるしかない俺たちは、大昇降機が止まった瞬間に襲われることを警戒して武器を構える。下に降りていくごとに気温があったかくなって助かるぜ。寒い場所で斬ったり斬られたりなんてやってらんねーよ。大昇降機はそのまま降り切って、仕掛けを動かした謎の相手を乗せる。その姿には見覚えがあったぜ。

コリン「おお、やはり貴方がたも来たのですね」

大昇降機を降ろしたのはコリンと、長身のガリこと金仮面卿だった。
「貴方がたの同志、ミリセントに導かれ、先生の思索は巨人たちの地へと向きました」なんて言ってるけど、こっちはどうやって大昇降機を動かしたんだって疑問が先に来るから、ネフェリが先にそれをぶつける。金仮面は手に網なんか持ってるけど、中身は空っぽだ。

ネフェリ「お前たち、どうやって大昇降機を動かした?」

コリン「私は何もしていませんよ。ただ、先生の示す通りのことを、私の手足が行ったにすぎません」

コリンはそう言いながら大昇降機の石像に登り、盾の裏に手を突っ込む。
すると石像が回転して、大昇降機が動き始めた。

ネフェリ「な、何をした!?」

ディアロス「本当に、割符も無く動いている…」

コリン「先生は言われました。神の望む世においては、回帰性の求められるところに、因果性も必ず求められると」

コリン「神代の創造物である、この大昇降機にも、因果と回帰は巡ります」

コリン「時が経てば衰え、風雨に晒されれば脆くなることは因果が定めています。作り手が去れば、万物は無へと回帰しようと綻びを生じます。先生はそれを予期し、ただ私に語り伝えたにすぎません」

色々言ってるけど、要するにピッキングってことでオレはガッカリの顔でシラケ気味。たしかにいつどうやって大昇降機が壊れるかを言い当てるのは凄いけどさぁ、そんなのウリやってればオレにも出来るんだよね。オレのケツマン鑑定団にキメモノを差し出せば、妙に眩しいのはバイアグラだな、この動悸はイカ王だな、このエロさは3だなとかガタイによる分析書の作成は朝飯前だ。オレは今まで、シックスナインで回帰と因果を表現してきたんだぜ。

拓也「色々言ってますけど、ただの予測でしょ?数打ち当たるってヤツっすよね?」

ネフェリ「…ただの勘で、ここまでの事が出来るとは思えんがな…」

コリン「分からないのも無理はありません。先生の思索は奥深く、私も筆記することがやっとなのですから」

胡散臭い奴らと一緒に昇降機が登っていく。なんか面倒臭いことになったな〜ってダルダルな疲労を抱えて、合計5人で山嶺を進むことに。コリンはオレのこと無視してたヤツだし、なんでこんな奴らと一緒に旅しなきゃいけないんだよ。なんて思っても、ネフェリとディアロスのやる気にも関わるからそんな事は決して絶対に言えない。金仮面卿も戦えるとは思えないし、マジでネフェリとディアロスだけが戦力だぜ。

148名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 15:39:02 ID:6w5.gtmw

円卓に帰るはずが緊急のミッションが入ったんで、このまま山嶺探索頑張るぜ!
と言っても大昇降機を降りてすぐ見えるのは、なんか変な編笠被ったおっさんと、ボロボロの廃墟だけ。いきなり不穏な空気が漂ってて早くも緊張感が高まるけど、金仮面卿は近所の公園を散歩するみてーに躊躇なく進み始めて、慌てて俺たちもついていく。

編笠の男が「ようやくお会いできましたね、王となるべき者…」とか言ってくるけど、誰に言ってるのか分からないし金仮面が完全なシカトを決め込んで歩いていくから、皆なんとなくコイツを無視して歩いていく。いきなり話しかけて来て気味が悪いから、関わらないのが吉だぜ。

「おや、知らぬ存ぜぬですか?この体の元の主も、死んでしまったというのに」

なんて言われて関われるわけねーよ!構ってほしいならそれ相応の話を振れよな。
ネフェリとディアロスもオレに同意見みたいで、黙って金仮面についていく。

「残念ですね!貴方たちは釜に友を投げ込もうとしている!今ならまだ間に合いますよ!」

俺たちはそのまま、街の中でマジ狂いしてるヤツと不幸にも遭遇したってテンションで、編笠男から離れて廃墟の中を歩いていった。すると目の前を、ガリガリの騎士みたいなヤツが歩いてくる。ネフェリとディアロスは武器を構えるけど、金仮面は脚を止める。

コリン「先生が止まりました。武器を下げて、先生にならってください」

ネフェリ「なに?戦うなということか?」

ディアロス「そんな場合では…」

コリン「心配いりません。先生はこの山嶺に登る前に、すでに旅を終えているのです」

ネフェリ「なに?」

ネフェリから疑問の声が上がると同時に、近づいて来ていた騎士が曲がり角を曲がって、俺たちの前からいなくなる。それと完全に同時に金仮面はまた歩き始めて、ネフェリは言葉を失ったし、オレもあまりにも自然に起きた事がなんなのか分からない。「おい、今のはなんだ!何をした!?」ってネフェリの声に、コリンが「何もしていません。先生は知っているだけなのです」と煙にまいてくる答え。勿体ぶってないで教えてくれよって考えながらも金仮面の後ろをついていくと、あっさり廃墟を抜けて長い橋に出る。

拓也「は?」

ネフェリ「あっ!?」

ディアロス「ばっ、何をしているんだ!敵に気付かれる!」

その橋の入り口辺りには三人くらいの長い松明を持った赤い服のヤツと、頭に火鉢を乗せた力士系のガチムチデブが一人いたけど、金仮面はそいつらにも構わずに同じペースで歩いていく。当然だけど全員に一瞬で気付かれて、ネフェリとディアロスが慌てて金仮面を守ろうとするけど、金仮面は止まらずに歩いていくだけだった。

でも赤い服の三人組の一人が、金仮面の足跡に脚を取られてバランスを崩し、隣の奴を焼く。その焼かれた二人目に驚いた三人目が、橋の入り口手前から転げ落ちて崖下に転落。橋の上に陣取ったデブが頭の火鉢を爆発させて炎の雨を降らせるけど、ゆっくり歩く金仮面には一発は愚か、火の粉のひとつも当たることはない。デブは無言で近づいて来る金仮面に怯む。

その金仮面の背中に向かって、残った赤服の松明が押し付けられようとした時、ネフェリは反射的に飛び出して、赤い服を着たヤツを叩き斬る。斬られたそいつは倒れ込む瞬間に松明を放り投げ、投げられた松明はデブの顔面に直撃。

顔面に火がついたデブはパニックを起こして、視界も無くなってるのに奇跡的に橋から落ちずにもがき回り始める。そのデブ目がけて何処かから電柱みたいな矢が飛んでくる。デブの動きが不規則すぎるのか、それとも金仮面を狙ってるのか分からないけど、狙いが定まらない矢は奇跡的にデブから外れながら崖下に吸い込まれていく。遠くから矢を射っていたのはゴーレムだった。

そして次の瞬間、崖の側の同じ場所で射ちすぎたせいか、重い体重のせいかは知らないけど、ゴーレムが崖崩れと同時に落ちていく。その振動に脚を取られたデブも橋から転げ落ちて、後には橋を渡る金仮面だけが残っていた。

拓也「マジ?これって偶然?」

ネフェリ「何が起こった…? 今のはなんだ!?」

ディアロス「何かの輝石魔術か!?いや、祈祷なのか!?」

コリン「いいえ、そのどちらでもありません。先生はただ思索し、そして知っているのです」

コリン「黄金樹の恵み、ルーンは万物に流れています。驚くべきことですが、先生は黄金樹から流れるルーンを知り、ついにルーンを内に持つ万物をも読み切ったのです」

コリン「ですが万物の完全なる理解は、先生が歩む思索の道程にすぎません。先生はその万物をも律する黄金律こそを知ろうとしているのですから。さぁ、先生の後に続きましょう」

胡散臭いどころの話じゃねーよ!素粒子だか分子だかの動きを全部理解できたら、未来予知もできるとかってトンデモ話は聞いたことあるけど、金仮面はマジで未来予知めいた事ができるようになったプロ級大学者だ!少し前のオレはよくこんなのと張り合える気になってたよな。シックスナインでなんとかするなんて恥ずかしすぎて今は絶対に書けないぜ。というか俺たちの事をほとんど知らないのに、ネフェリの行動まで全部読めてるのがやべーよ。前に会った時の少しの時間で、どこまで俺たちを把握したのかは想像もつかない。

149名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 19:02:11 ID:6w5.gtmw

コリン「ラダゴンとは、マリカである…あなた方の同志、ミリセントがもたらした答えに、先生の指は再び旋律を奏で始め、今の思索にまで至りました」

コリン「しかし、悲しいかな…私には、それが何を示すのかよく理解出来ぬのです。あるいはあなた方には、真実は見えているのでしょうか?」

ネフェリ「いいや、生憎だが、私たちにとっても謎だ。解いたところで、何の役に立つかも分からない」

一緒に話しながら橋を渡り切ると、今度は凍った川に出る。金仮面は川を左に進んでいくからそのままついていくと、オレの視線の先にコウモリの集団が見えてくる。でもコウモリの群れは何処かからか出てきた小さい獣人?みたいな奴らと小競り合いを始めて、金仮面を無視して戦い始める。その戦いを眺めながらも真横を素通りしていく感覚が、透明人間にでもなった気に思わせる。川の端につくと小さな小屋が見えて、金仮面の脚は止まった。

ディアロス「あ…」

小屋の前には、ディアロスの着ている鎧と同じものを着た奴がいて、焚き火にあたって座っている。「先生?あの方に何か用ですか?」と言うコリンに「シッ、黙って見てろ」って言ってくれたのは、ネフェリなりの優しさなのかな。ディアロスは俺たちから離れていって、遠くの小屋に近づいていく。コウモリと獣人たちの戦いも終わったみたいで、あたりの物音も全部雪に吸われて、不思議なくらい静かになる。

ディアロス「兄上…なのですか…?」

ディアロスに兄って呼ばれたそいつは、舞踏会風の兜を取って、渋さの強いハリウッドイケメンフェイスを晒す。ディアロスからの「まさか、このような場所で会えるとは…」って言葉にも、自嘲したような、それでいて落ち着いてるみたいな微笑みを返してくる。こんないかにも大物って風格の奴が兄貴なら、オレだったらむしろ距離感が近すぎてムラムラジェラシーを感じてダメなんだろうけどね。

ユーノ「久しいな、弟よ」

ディアロス「あ、ああ…兄上も元気そうで何よりです。何故このような、封じられた土地に?」

ユーノ「大層な話ではない。使命に挫け、俺の戦いは終わったのだ」

ユーノ「今は、指巫女と共に、この地に眠る時を待つ身だ」

兄貴の言葉に「巫女ってどこだ?」ってオレは小屋の中に目線をやる。そしてぐったりしたままで動かない、顔が真っ白いオンナを見て乳首が全てを察した。「指巫女が死んだのか」ってネフェリも静かに納得。雪が積もる音さえ聞こえてきそうな静寂の中で、二人は会話を続ける。

ディアロス「…指の巫女を、亡くしてしまったのですか…心中、察します…」

ディアロス「ですが、兄上ほどの英傑が、この地に埋もれていくなど…」

悔しそうに頭を下げるディアロスとは対照的に、兄貴の方は別に気にしてる感じもなくて、焚き火に座ったまま火を眺めてる。
するとディアロスは何かを思いついたらしくて、頭を上げた。

ディアロス「そ、そうだ!兄上も我らに加わっていただければ、まさに敵無しのはず!」

ディアロス「今、円卓には、ゴッドフレイ王の血を引くネフェリ・ルーや、あのマレニアの分け身たる剣士のミリセントが、ともに剣を並べているのです。他にも多くの友や、腕の立つ者が集っています。調霊に長けた者もおります。兄上の巫女も丁重に送り出すことができましょう」

ディアロス「どうでしょう、兄上…円卓に加わってはいただけませんか…?」

ディアロスの捲し立てるような話を聞いて、兄貴は座ったまま白い空を見上げたあと、目線を火に戻して、今度は小屋の中の巫女を見る。それからまた火に目線をやって、そのイケメンな顔で静かに笑った。

ユーノ「…俺の後ろを、ついて歩くだけだったお前が、伝説と肩を並べるようになったか」

ユーノ「なってしまったか」

呟いてから、肩にうっすら積もった雪を払って、兄貴は立ち上がる。
期待に胸とチンポを膨らませたのは俺だけじゃなかったはずだぜ。そして兄貴は弟に応えた。

ユーノ「ディアロス、俺は円卓には行かん」

ディアロス「そんな……何故ですか…?」

ユーノ「俺の戦いは、巫女の死と共に終わったのではない。巫女とこの地に根付き、終わったのだ」

ユーノ「使命を棄て、小さな小屋で、その命尽きようとも共に過ごすと誓った、その時にな」

兄貴は腰に下げていた、鎖の束のようなものをディアロスに差し出す。
それはディアロスが戦いに使っていた、金属の花を繋げたような、あのムチだった。

ディアロス「兄上…」

ユーノ「俺には、ふたつもいらぬ物だ。持っていけ」

ディアロス「…兄上、私には双鞭など扱えません…」

ユーノ「できるさ。誰もお前に、振るわせようとしてこなかっただけだ」

ディアロスはしばらく黙ったけど、それでも兄貴からムチを受け取る。
それから諦めたように、もしくは決心したように贈り物を腰に下げた。

ディアロス「…しかし…兄上はどうするのですか…?」

ユーノ「言ったはずだ。俺はここに骨を埋める。見ろ」

兄貴がこっちを指差してきて、ディアロスが振り返る。拓也はこういう展開に弱くて、手を後ろで組んで「うす、うす」って軽く会釈する。ネフェリは何か感慨深そうに腕組みで眺めてるし、やっぱこういうところに育ったお国柄って出るよな。

ユーノ「お前の同志が待っている」

ユーノ「お前は俺から解き放たれたのだ。もう戻ることはない」

ユーノ「振り返ってくれるなよ」

言い終えた兄貴は、また座って焚き火を眺める。ディアロスはまた黙った。そして20秒以上?30秒以下?の時間が経って、金仮面が一歩下がると同時に

ディアロス「兄上。私はホスローの家に生まれたことを、誇りに思います。名家の子だからではなく、あなたの弟であることに」

ディアロス「ゆえに、ホスローは血潮で物語るのです。敵のではなく、自らの熱き血潮で」

ディアロス「さようなら、兄さん」

ディアロスは兄貴に背を向けて歩いてくる。「気は澄んだか?」とネフェリに聞かれて、ああって答えたディアロスの瞳は潤んでいたけど、表情は前より凛々しくなって男前だ。こんなひと時を演出するなんて金仮面にも粋なところあるよな!金仮面にオレとセンパイのデートプラン組んでもらって、同性婚OKな台湾で14時間とか遊び歩いて告白されたいっ!

150名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 19:12:12 ID:6w5.gtmw

ディアロスが男として成長した後は、今度は川を右に進む。すると凍った川の真ん中にゴーレムが立っていて、さすがにコレは何が起きるか分かったぜ。金仮面が川のど真ん中を歩いていくと、ゴーレムが動きだす。と思ったらビクともしなくて「アレ?」なんて思ってる間にも、金仮面はドンドン進むしオレ達も歩いていく。結局ゴーレムは、背後を俺たちが通過しても気付くことなく、そのまま棒立ちのままだった。

川を渡り終えると凍った湖に出たぜ。湖の上には透明な鹿が歩いてて、いかにもディズニーって感じでいてくれる。このチョー寒い山に来てから戦いらしい戦いを経験してないから、のどかだなぁーってオレは観光気分。思えばこんなにじっくり外を歩いたことがなかったな。ここは晴れてるけど気温は高くないから、現実だったらスケート日和だなって頭で分析しつつ、オレたちは湖を左に登って、坂に雑に立てられまくった墓を歩ききることに。

墓からは前に見たようなガイコツが湧き出しまくるけど、みんなで墓の裏を経由しながら歩くと、ここには誰も来てないって感じでオレ達に気付かない。墓からガイコツが出てくる方向や、そのあとどこを歩くかも金仮面は知ってるらしく、墓をジグザグに歩いているだけで、マジでびびるくらいに全員に無視されて、すんなり進んでいける。ディズニーランドのホラー系の乗り物ってあるけど、あれの車両を目一杯遅くして周りをジロジロ見てる感じでなんだか観光気分。

ネフェリ「むっ!?」

拓也「あ!」

コリン「先生!?」

金仮面の奇行はいつも突然だ!いきなり俺たちを置いて走り出して、全員がスタートを出遅れる。しかも金仮面のヤツは長い手足を計算され尽くしたフォームで動かして走るからスゲー速い!陸上短距離ガタイかってくらい速い!コリンが置いていかれ気味だけど、俺たちはどうにか金仮面を見失わないまま走る。

拓也「うおぉーっす!」

ディアロス「なんだ!?」

すると突然に、チョー巨大なガイコツ野朗に遭遇!ガイコツは顔面から黒いビームを出して、俺たちが元々いた場所を墓ごと木端微塵にする。あぶねー!あんなの食らってたら即逝きしてたぜ!オレは突然走りだした金仮面に感謝しながら走りきり、今度は突然止まった金仮面の周りでゼェゼェハァハァ息を切らせた。コリンもギリ間に合ったみたいで、金仮面の後ろで「弧゜ッ!」ってエロを感じながら青息吐息だぜ。

ネフェリ「あの大きさはトロルでは無いな…だとすると、巨人の霊か」

ディアロス「巨人たちの山嶺と言うだけはあるな…危なかった…」

遠くに見える巨大ガイコツが墓に引っ込むと、金仮面は手に持ってる網をコリンに渡す。
コリンは息を整えてから「分かりました」と一言。それからオレ達に向き直る。

コリン「これからあなた方には、聖水壺と聖律壺を作っていただきます」

拓也「聖水壺?キメション入り雄膣っすか?」

ディアロス「死に生きる物を正しく殺す壺だ。…まさか、さきほどの巨人と戦うのか?」

コリン「それを言うことは、先生に許されていません。知らずに作ることが、あるいは重要なのでしょう」

ネフェリ「はぁ…こういう事は不得手だが、仕方ない。拓也?材料はあるか?」

拓也「ウッス!草とかキノコとかは、歩きながらちぎってポケットにしまってるんで、多分ありまっす!」

こんな雪原の中でいきなり工作の時間だぜ。オレは壺をひとつしか持ってなかったけど、みんなはそこそこ持ってて、ディアロスなんか一人で20個も持ってて笑ったぜ。「小壺作りは趣味でやっていたんだ。他にも木彫りの馬や、小鳥も作ってことがあるぞ」なんてディアロスは得意気だけど、騎士の家系でそういう趣味になったらたしかに色々大変かもな。フランスあたりに錠前作りが趣味な王様とかもいた気がするけど思い出せない。そいつも大変な目にあってた気がするんだよね。

151名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 19:16:30 ID:6w5.gtmw

壺が揃ったら俺は鎧についてるポケットから、道中むしってきた物を取り出して壺に入れていく。作り方を知ってるディアロスからアドバイスをもらってから、あとは全員で材料が入った壺を手当たり次第に振りまくってシェイク完了。聖水壺と聖律壺の山が出来上がる。

コリン「それではこの壺を、あなたに網で包んでもらいたいのですが」

ネフェリ「ん?ああ、構わないが」

さらにネフェリが壺の山を網で包んで縛り上げると、ただの積荷にしか見えない塊が完成。
こんなの何に使うんだよ?って拓也の頭にハテナが回ってるところに、ネフェリがまた頼まれる。

コリン「これなら大丈夫でしょう。ではこの壺入りの網を、向こうの崖に向かって力の限りに投げてください」

ネフェリ「…投げる?投げたら割れるだろう?台無しじゃないか」

コリン「ええ、割れますね。おそらく、割るのが目的なのです」

また訳のわかんねー展開になってきて、オレだけじゃなくてディアロスとネフェリも互いの顔を見やる。「どういうことだ?」と言われてもさ、オレもディアロスも分からないって言うしかない。ネフェリが「投げるのはいいが、いつ投げるんだ?」って聞いても、コリンは「いつでも構わないそうです」っていう更に訳が分からなくなる答えを返してくるし、金仮面は何も言わない。というかその格好寒くないのかよ?見てるだけでも震えが来るぜ。

ネフェリ「はぁ…とにかく、これを崖にぶつければいいんだな?」

コリン「はい。いつ投げるかは任せます」

ネフェリ「…何をやらされているんだ、私は…」

シラケ気味のネフェリだけど、頼まれた事はキッチリやるところに根の真面目さが出てるよね。
ネフェリは足元の雪ガンガン踏んで固めてから、壺でパンパンの網を室伏広治の要領でグルグル振り回して投げる。

ネフェリ「フン!!」

死儀礼の鳥「コ゜ーーッ!!!」

ネフェリ「は?」

ネフェリがぶん投げた壺の塊は、突然飛んできたガイコツ鳥の顔面に叩き込まれて大爆発!マジ狂いの悲鳴を上げながら金色のキノコ雲を立ち上らせて雪に落ちるガイコツ鳥は、壺の威力でガタイがボロボロになっていたらしく、墜落と同時に全身の骨が砕けてピザみたいに伸びる。それでも若干息があったところを、金色に光る液体に全身を隙間なく犯されて全身黄金状態に堕ちる。最後は溶けかけの口から金色の液体を、飲みきれなかったザーメンみたいに垂れ流して終了。そのままピクピクと痙攣してから消えていった。

そんな景色を見せられたものだからオレたちの思考はぶっ飛びマジ停止!チョー衝撃的な展開に言葉が出なくなり、一瞬息をするのも忘れる。さっきまで男らしかったディアロスの顔が金仮面に掻き回されて、気付いた時には元のディアロスに戻っていた。ネフェリも首だけを動かして金仮面に問いかける。

ネフェリ「…お前…」

ネフェリ「いや、あなたは…何者なんだ…?」

そうしてる間にも金仮面はゆっくりと歩いて進んで行く。その様子は、まるでさっき起こったことをまるっきり知らない人のようで、オレはマジで思索がイっちゃってる金仮面卿に戦慄。ゴドリックよりもよっぽど神の風格があるぜ。こんなヤベーパキギメ大学教授に手相占いなんてされたら、今日の運勢とか昨日何食べたとかも即バレちゃうし、明日のプレイや今やってる合ドラは何かとかも全部当てられちゃうんだろうな。やっぱりイエロの瞳は隠し場所を変えた方がいいかな…

152名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 19:17:25 ID:hiVVOiW.
黄金仮面くんが読み解きすぎてRTA走者みたいなの面白いっすね
各々のNPCストーリーがエロいぜ!拓也!

153名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 19:23:31 ID:LkVimkT.
「金仮面とコリンの貧弱な装備でどうやって禁域を超えて巨人の山嶺まで行ったのか?」という当然の疑問に対する解釈が物語に食い込んで気持ちいい!

154名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 19:52:54 ID:6w5.gtmw

金仮面卿について行って、全員が全くの無傷で、遠くに城みたいなのが見えると、そのとなりに四本足で歩く山も見える。「何だよアレ、ハウルの動く城じゃん!」って言うと、何だそれはっていうネフェリからのマジな質問が飛んでくる。映画ってなんだろうって話から始めなきゃいけないから、それはまたあとで話すけど、とにかく鐘の音がうるさいんだよね。脚の間に生やした鐘が揺れ動く度にゴーンって音がするから、金玉みたいだなって一人空想する。

遠くの砦が大きくなって、目の前に広がる頃には鐘のうるささも相当ヤバくなってきてる。アイツはなんなんだよぉ!ってオレがヒスを起こすと、コリンからデミゴッドの墓だって答え。日本の墓地では騒音厳禁なのに、狭間の地では墓地が騒音出してるだもんな。そりゃぁこんなことしてるんだもん、ガイコツゎ眠れなぃ。とりあえず砦の前の祝福は灯しておいたけど多分もう使わないぜ。

ネフェリ「金仮面卿、あなたは何故、この砦に?」

ネフェリは騒音なんて気にしてないらしく、尊敬していた頃のギデオンを相手に喋るような口調で金仮面卿に疑問を投げる。ズバ抜けて賢い相手には素直に尊敬の眼差しを向けるところが妙に子供っぽくて、ネフェリが男だったらオレの庇護欲も刺激されてるところだぜ。ネフェリの疑問に金仮面卿は何も言わないけど、かわりにコリンが「ソール砦についたのなら、あなた方の同志、ミリセントの助けがあるとよいでしょう」とアドバイス。そりゃあミリセントもいてくれたら助かるけど、今のアイツは腐敗がビンビンに感じやすくなっててヤバいんだよね。

ディアロス「ミリセントは、今はあまり調子が良くないんだ」

コリン「それは私も、そして先生も知っています。ですが、先生の導きを達するには、彼女の助力が必要なのです」

普通だったらモロ怪しい宗教の勧誘って判断してすぐにお断りする。でも金仮面卿の常識では考えられないアンビリバボーな探索の進め方をめちゃくちゃ見た後だから、そうと決めつけることももう出来なくて、これはマネージャーを一旦通すかなって事に。オレはマネージャーを電話で呼び出して、金仮面卿と山嶺で会ってからのことを全部話した。

マネージャー「…にわかには信じられませんが…あなたの言っていた事が本当にあったのなら、金仮面卿を信じてみる価値は大いにあります。もちろん、安全策を講じてからという条件つきですが…」

っていういかにもマネージャーらしい答え。その安全策ってなんですかって聞いても、うんうん唸って煮え切らない。そしたら電話の奥でミリセントとマネージャーが話し合う声が聞こえて、しばらくしたらマネージャーからGOサインが出る。ミリセントは金仮面卿を信じることにしたらしい。「何かあったらすぐに電話してくださいね」って忠告を最後に、マネージャーは電話を切った。

ディアロス「どうだった?マネージャーはなんと言っていた?」

拓也「ミリセントは来れるらしいっす。でも危ない目にはあわせないようにして、何かヤバくなったら電話くれってことらしいっす」

ディアロス「これから砦に入ろうというのに、それは無理な話ではないのか?」

ネフェリ「しかし、私達はかすり傷のひとつも負わずに、ここまで来れたぞ」

話し合っているうちに祝福が光って、ミリセントが合流。でもいつもの服装で着たから「寒くないんすか?」って聞くと「このくらいの寒さなら平気だ」なんて痩せ我慢を言ってくる。そんなわけないじゃん絶対寒いってって言っても「一日中でもいられるよ」って涼しい顔で意地を張る。ネフェリは呆れて「凍えて腐敗を咲かれても困る」って言って、背中側がカピカピになってるデカ布を脱いで、ミリセントに被せた。

ミリセント「本当に平気なんだがな…というかこの布、生臭い気がするが」

ネフェリ「ああ、拓也がまたやったのでな」

ミリセント「またか…本当に君って人は…」

会って早々、ミリセントに痴呆老人を見る看護婦さんみたいな目線向けられてマジ狂い!せめてやらかし癖のあるペット感覚でいてくれよ。オレだって出したくて出したわけじゃないんだからさ。「こうまで寒いと迂闊にも洗えなくてな…嫌だろうが、しばらくは我慢してくれ」ってディアロスまで追い討ちをかけてくる。なんだよ、みんなしてまたオレを腫物扱いかよってシラケに入りかけた時、金仮面卿が砦に入った。

155名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 20:09:28 ID:6w5.gtmw

ミリセント「あっ」

ネフェリ「迂闊に入っては…!」

いきなりのことでもギリギリ反応が間に合ったのは、ミリセントとネフェリだけ。ネフェリが金仮面卿を掴んで引き戻して、ミリセントが金仮面卿の前に出て剣を構える。危ない目に遭わないようにっていうマネージャーからの忠告をいきなり無視するなよな!オレとディアロスが慌てて駆けつけるけど、砦の狭い入り口に三人で固まってるからミリセントのいるところに行けない。ネフェリと金仮面卿をガタイで押し退けてミリセントの肩を掴もうとすると、目の前にあのブレードライガーくんが二匹も降りてくる。

拓也「ヤベーよ!」

ネフェリ「ミリセント!下がれ!」

老獅子「弧゜ッ!ア…」

ミリセントの首に巻かれた拓也の肉厚ザーメン入りスカーフの激エロな香りに、ブレードライガーくんの一匹がソフトイキした瞬間が救出のチャンスだぜ!オレの手はミリセントの肩に届いて、強引に引っ張り込もうとする。でもミリセントは、鼻を抑えて悶絶するブレードライガーくんの前でスカーフを外してオレに手渡してくる。そんなことしてる場合かよって見ると、もう一匹の悶絶してない方のブレードライガーが妙に大人しくなって、座り込んでこっちを見てくる。

その変に静かな感じに入り口の揉みくちゃも解けて、ネフェリが金仮面卿を連れて入り口外まで引き返すと、砦に残ったのはオレとミリセントの二人だけだけだ。でもブレードライガーは二匹とも襲って来ない。この展開に見覚えがあった拓也は乳首を高速タッチして閃きを得る。

拓也「コイツらって、アレじゃないすか?またマレニアの仲間なんじゃないすか?」

ミリセントは「まさか」って顔をしたけど、自分でもそんな感じがしたみたいで、ブレードライガーくんに剣を向けながらもゆっくりと近づいていく。「おい!よせ!」ってネフェリが斧を構えて突っ込んできて、ミリセントの手がブレードライガーの額に触れる。

ミリセント「待てネフェリ、大丈夫だ」

ミリセントの言葉で、ネフェリは慌ててスライディングに近い形で止まる。ブレードライガーはいきなり出てきたネフェリに対しても大人しくて、ミリセントに静かに撫でられている。

ミリセント「マレニア、か…この寒空に、君も彼女を待っていたのだな」

撫でられているブレードライガーは、待機中のバイクみたいな音を喉から鳴らしてる。
こうなるとただのデカいネコだな。エロ悶絶してヒンヒン言ってる方には拓也という最高級マタタビはキツかったみたいだぜ。

ネフェリ「まったく…肝が冷えたぞ。大人しく引け」

ミリセント「フッ、すまないことをしたな。下がっておくよ」

ネフェリ「拓也、お前もだ。止めるならばまだしも、お前がけしかけてどうするんだ」

止めろって言われてもさぁ、一回止めようとしたけどビクともしなかったんだからしょうがないじゃん!神様相手だから仕方ないんだろうけど、ビルダーガタイのオレよりも細身のミリセントの方が何倍も力があるから、オレの力じゃどうしようもできないなりね。ジト目で睨んでくるネフェリもそれは分かっていたから、あんまりキツく当たってこないけどね。


砦に入ってからも金仮面卿はマイペースでゆっくり歩き続けるし、オレとみんなはその後ろをずっとついて行くから、なんか医療ドラマみたいだなって妄想。院長先生の回診だぜ。あれって現場から離れたお偉いさんの自慢でしかないから嫌いだったけど、金仮面卿はバリバリの実践派だから同じ回診でも説得力が違う。戦いになる可能性も無くなって、オレ達の上の口もついつい緩む。

ディアロス「しかし、マレニアの居城がこのような寒地にあるとは、思いもしなかったな」

ネフェリ「どうだかな。マレニアには聖樹のミケラという双子がいたらしいが、この城に聖樹らしいものは見えん」

ディアロス「ただの渾名なのではないか?」

ネフェリ「かもしれんな。ミリセント、お前はどう思う?何か思い当たるか?」

ミリセント「マネージャーから教えてもらったことだが、聖樹というのは確かに存在するらしい。この砦にそれが無いということは、ここはマレニアの居城ではないのだろう」

ディアロス「外れたか…ではこの砦は、マレーマレーの日影城と似たようなものなのか?」

ミリセント「それにしては、護りが硬いように思える。日影城とは違い、何かの役割があるのだろう」

オレは全部金仮面卿に聞けば分かるんじゃねーの?って思ってたけど、金仮面卿は興味無いものは徹底的に無視してるし、そもそもオレ達の言葉がちゃんと通じてるのかさえ怪しいから、オレは上の口を閉じている。オレ達が喋ってる間にも金仮面卿はドンドン歩いていって、ついていく俺たちには、通り過ぎる兵士や騎士が全員敬礼したり跪いたりしてくる。礼をする相手はもちろんミリセントだから、その度にミリセントは軽く頷いたり、手を肩まで上げてちょっと振ったりして応えていくから律儀だぜ。しかも狼や鷹までお座りしたり頭を下げたりでミリセントは忙しい!天皇陛下じゃん。コイツらにとっては本当に神様だから仕方ないんだけどさ。

156名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 20:19:43 ID:6w5.gtmw

狭い部屋を通ったり階段を登ったりを繰り返して、広い円形の場所に出ると、真ん中に割腹のいい歴戦系クマ体格騎士が立っている。騎士はガシッと脚を揃えてからデカい槍を胸の前で立てて、ミリセントに敬礼をする。金仮面卿の脚が止まったと同時に、ミリセントが「長きに渡り、砦を護ってくれたことに礼を言う。これからも務めに励んでくれ」と言うと、騎士は敬礼したまま静かに目を閉じて、何かを心の中に噛み締めている。

金仮面卿がまた歩き出して、更に奥に進みながら、オレはミリセントに「意外っすね。ゆっくり休めって言うと思ったんすけど」と言ってから、あ、これちょっとヤバいかな?って少し後悔。

ミリセント「あの騎士にも生きる理由が必要だ。彼が生きれば、この砦の守護霊たちにも、少なくとも居場所がある」

ミリセント「それに日影城で見た者は、苦しんでいるように見えたんだ。身体は腐り、毒に犯され、腐れた体や悪霊となっても安らぎを得られないのは、あまりに気の毒だった」

ミリセント「…すまない、身勝手なことを話したな。人の生き死にを決められる身ではないというのに」

拓也「いやいや、気にしなくてイイっすよ!ただの世間話っすから!」

優しすぎるとこういう事でもいちいち落ち込むから大変だ。でもこういう面倒なくらい良い奴こそ大切にしなきゃいけないなって、狭間の地では染み染み思うぜ。オレのいた新宿や、ウリ仲間、子供の頃の人間関係にこんな奴はいなかった。いてくれたらオレの人生もちょっとは変わったのかな?なんて考えてみたりもする。前にも考えた気がするけど。暇な時間ができると色んな考えがグルグル巡りだすから金仮面卿との旅はなんだか哲学的。

木で出来たエレベーターに全員で乗って、砦の一番高い場所の屋上に出る。空には暗い青空と、デカい月と黄金樹が見える。屋上の奥には透明な爺さんが座ってて、金仮面卿がその爺さんを指差して止まったから、ネフェリを先頭にオレ達は爺さんに近づく。すると爺さんは風みたいな声でずっと独り言を呟いていた。

「…申し訳ありませぬ、ミケラ様」

「まだ、太陽は蝕まれませぬ。我らの祈りが弱いばかりに」

「貴方の友は、魂無きままなのです…」

「…もう、見ることは叶わないでしょう」

「貴方の聖樹を」

爺さんの足元に落ちている何かのカケラを、ネフェリは拾ってオレたちに見せる。
それは割符の片方だった。

ディアロス「また割符か…まさかこの山嶺で、割符の片割れを探すなんてことは…」

ネフェリ「いや、割符はすでに揃っている」

ネフェリは深く溜め息を吐いてから、鎧のポケットから銀色の汚れがこびりついた板を取り出して、砦で見つけた割符と合わせたらピッタリと形がハマった。

ディアロス「それは…割符?」

ミリセント「ネフェリ、君はこれをどこで…?」

ネフェリ「忌々しいことだ…我が義父、ギデオンは正しかったようだ」

完成した割符を両手で持ちながら、ネフェリの眼は沈んでいた。
ギデオンが正しかったってどういうことなんだよ?

157名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 20:30:32 ID:6w5.gtmw

ネフェリ「…かつて、私がブライヴと共に、ラダーンを討つ手がかりを義父上に求めた時、彼は答えた。…リエーニエにある、しろがね村に、その手掛かりがあるかもしれぬと…」

ネフェリ「それが、これだ」

ミリセント「…つまりギデオンは、この割符を見つけるために、しろがね村を…?」

ネフェリ「彼の所業を知ったあと、私は安堵したんだ。彼の望む物が、壊れた形で見つかったことに…」

ネフェリ「だが、それは私の見当違いだった…壊れてなどいない…割符だったんだ…」

ネフェリ「私は、彼の所業から離れていない…まだ彼の手中に囚われ、彼の策略の片棒を…」

そこまで言ったネフェリは、割符をオレに渡してから少し離れたところにある樽に手をついて、息を整える。「この割符が、あの星砕きの英雄…ラダーンを倒す鍵となるのか…」ってディアロスは呟く。お前無神経だぜって言おうと思ったけど、ディアロスはギデオンのことでどれだけネフェリが傷ついたのかを直接は知らないから、テンションがちょっと軽いのもしかたがないかもね。でもディアロスの言葉を聞いたミリセントが何かを思いついたように呟いて、オレはそれに無神経だぞとは言えなかった。

ミリセント「ラダーンを討つための割符…その片方が…ミケラに関わる砦に…」

ミリセント「…そうか…そういうことか、ギデオン…」

何かのピースがミリセントの中でもズブりとハマる。
そういうことって、どういうこと?って、さっき飲み込んだ言葉もオレは忘れてた。


ミリセント「この割符が示すものは、恐らくは、マレニアの潜む地…」

ミリセント「ラダーンを討てる者は、彼女しかいない…そして、ミケラと関わりがある者も…」

ミリセント「だからギデオンは、この割符を、ネフェリに見つけさせたのだな…」


マネージャーの方針やミリセントの葛藤もあって、ラダーンを倒す気はオレたちにはもう無い。だけどミリセントの腐敗がマジでヤバくなってきてるし、そのミリセントがエブレフェールって場所に呼ばれてて、しかもミリセント自身がマネージャーが言う「新しい律を見出す可能性のある人の条件」にピッタリハマってる。この激ヤバな状況がここまで同時に揃うと、オレも運命感じまくりで全身に鳥肌を立てて脳ドラが思考を駆け巡る。そして今のオレには、これも全部金仮面卿が見抜いていたことのように思えて仕方がない。あの人に何が見えてるのかオレには全然わかんねー!

ネフェリ「フン!」

金仮面卿の深淵な思索に乳首ビンビンに感じまくっていると、遠くではネフェリが斧を振り回して樽を割る。

ネフェリ「…考えても仕方がない…悩むのはもうやめだ」

ネフェリ「貴方が何を企んでいようと、私には私の風が吹く」

独り言を呟いてから斧をしまって、ネフェリが戻ってくる。
そのネフェリに、ミリセントが自分の閃いたことを伝える頃には、いつものネフェリに戻っていた。

ネフェリ「…マレニアの潜む地への割符と言ったが、その地こそが、お前を呼ぶエブレフェールなのではないか?」

ミリセント「それは私も微かだが、考えてはいた。だがそれは今となっては、私を迷わせているんだ」

ディアロス「…火山館で、ラーヤが貴公に見出した、新たな英雄についてか?」

ミリセント「そうだ…私が求めていたものが、結局は自らの半身に過ぎないなど…私は認めたくない」

ミリセント「認めてしまえば、私はマレニアのような有様になることを、望んでいるということになる……私は彼女の犯した過ちを、繰り返すことになるだろう」

ミリセント「それだけは、あってはならないんだ」

158名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 20:44:12 ID:6w5.gtmw

ミリセントは胸元で手を握って決意を新たに堅める。
マレニアはラダーンを倒して破砕戦争に勝つために、ミリセントの心を捨てたらしいけど、そこまでやったマレニアが何を考えていたのかがオレには分からない。だって戦争に勝って、エルデンリングを手に入れて王様になるのが目的なのに、世界をメチャクチャにしてラダーンと引き分けになって、それで結局大ルーン集めもやらないで何処かに隠れてるなんて、これじゃあただ人を大勢殺しただけじゃん。ミリセントの心を捨ててまでやりたかった事がそれだなんて、いまいち信じられねーんだよな。

拓也「オレ、信じてないんすよ」

ネフェリ「…いきなり何を言う。ミリセントを信じないのか?」

拓也「そういうことじゃないっす。マレニアのことっす」

拓也「ミリセントの心を捨ててまでマレニアがやりたかった事が、ただの虐殺だったとかさ、信じられないんすよね。絶対なんかありますよ」

ミリセント「…拓也…」

拓也「今って破砕戦争で狂いまくったあとじゃないすか。戦争やってた当時からは、色々変わってるんじゃないすかね」

オレがこう言うと、ネフェリが「へー、コイツも言うようになったじゃん」みたいな感じの先輩風吹かせた目で見てくるし、ミリセントは目がいつもよりキラキラしててオレの首筋が痒くなってくる。「…そうだ。全てが決まっているわけではないんだ」ってディアロスが同意してくれるけど、なんの根拠も無い出まかせにこんな反応返されたらオレも恥ずかしいこと言ったような気がしてきて、つい誤魔化したくなってくる。

ミリセント「そうだな…君の言う通りだ」

ミリセント「色々変わっている…君のその言葉に、賭けてみるのも悪くはないのかしれない」

小っ恥ずかしい雰囲気で、オレが頭を掻いて半笑いで頷いていると、金仮面卿がオレたちに背を向ける。
その金仮面卿の指の動きを見ながら、コリンが話しかけてきた。

コリン「どうやら、先生が新たな思索に入るようです。あなた方とは、ここでお別れですね」

ネフェリ「…待ってください。なぜ別れるのですか?」

コリン「それは私にも分かりません。時折、私も不安になることがありますが、これも律の導き。私はただその導きに準じ、先生の思索を筆記するのみです」

ネフェリ「しかし…」

コリン「例え不安を感じようとも、黄金樹が私達を照らす限り、またいつか、何処かで会えるでしょう」

金仮面卿が歩き出すと、コリンもついていって屋上から降りていく。
その去り際に「黄金樹の導きが、あなた方にもありますよう、祈っています」という声が聞こえて、木造のエレベーターが動く音がした。するとディアロスが突然、思い切ったようにオレ達から離れた。

ディアロス「すまないが、私は金仮面卿を追うことにするよ」

別れの時はいつも突然だ。
いきなりのことでオレ達が固まって目を白黒させてる中で、ネフェリが口火を切る。

ネフェリ「ま、待てディアロス!どういうつもりだ!お前は…」

ディアロス「確信したんだ。金仮面卿は、新たな律を見出し得る方だと。ならば、誰かが彼の動向を知り、円卓に伝えなければならない」

ディアロス「それなら、私が適任だ。金仮面卿との旅なら、旅の仲間の足手纏いにもならないだろうしな」

ネフェリ「何を言う!お前は既に戦士じゃないか!」

ミリセント「私も君に助けられたんだ…足手纏いだなんて言わないでくれ…」

拓也「そ、そうっすよ!足手纏いって言うんなら、オレも連れてってくれよ!」

ディアロス「伝令は一人で十分だ。ケイタイという道具も、マネージャーと、拓也と、ミリセントの三人分しか無いのだろう?ならば誰かが一人、伝令役にならなければな」

ディアロス「さぁ、このまま行かせてくれないか?急がなければ、金仮面卿に追いつけなくなってしまう」

たしかにディアロスの言う通りだけどさぁ、それだったら携帯使えるオレが代わりに行ってもいいじゃん!でもこれもディアロスの言う通りだけど、金仮面卿は今もディアロスから離れていってる。砦の中に居るうちはまだ見つけられるけど、砦の外に出ちゃったらマジで見失う。やられたぜ!金仮面卿が歩き出すのを見計らってたな!金仮面卿と偶然山嶺で出会っただけのオレ達は、こうなるとディアロスを黙って見送るしかない。

ディアロス「騙し討ちのような真似をして、すまなかった」

それだけを言い残して去ろうとするから、ヤベーなんか言わなきゃって焦っていると、またネフェリが一言。

ネフェリ「…危険を感じた時は、逃げろ。逃げは恥ではない」

ディアロス「逃げるのには慣れてるさ」

その一言に小粋なジョークを飛ばして、ディアロスは金仮面卿を追っていった。昔のお前だったらそんなこと決して絶対に言えなかったぜ。ブライヴとネフェリの時も思ったけど、オレ好みのイケメンほどオレのそばから居なくなっていくのはなんでなんだよぉ?ネフェリは戻ってきてくれたけど、ブライヴとはまだ離ればなれだから不安だぜ。マジエロルックスのディアロスには戻ってきてもらわないと切なさと不安で頭がマジおかしくなる。オレの周りからイケメンがこのまま居なくなっていったら、俺もいつか妄想した男ネフェリでオナニーできるようになるな。

159名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 21:42:15 ID:6w5.gtmw


3Pで刺客を掘り倒したあとの聖樹探索マシーン拓也   投稿者:ビルダー拓也


ディアロスと別れたオレ達は、円卓に帰ってマネージャーに報告を入れる。こういう報告は小まめにやっておくと良いんだよね。王様候補が今のところ二人いるし、滅びの火っていうのも探さなきゃいけないしで、次やることもちゃんと決めないと予定がダブつくぜ。

マネージャー「そうですか、ディアロスさんが行きましたか…」

マネージャー「みなさんの報告の通りなら、金仮面卿と共にいる限りディアロスさんには危険は及ばないはずですが、それでも心配になりますね。無事でいてくれるといいのですが」

ネフェリ「もはや、信じてやる他はない。彼奴は王都を切り抜けたのだ」

マネージャー「…そうですね。信じましょう」

円卓を囲っているメンバーの顔がオレも含めて暗くなり気味だ。特にオレはエロすぎるイケメンがいなくなったダメージがひどくてショボショボの顔で傷心気味。今円卓を囲んでるのはマネージャー、ネフェリ、ミリセント、ラーヤ、そして拓也の五人で、男が足りない。オンナ特有のチョーウゼー話が無いのと、ミリセントとネフェリが男らしいイケメン系の女子なのが幸いだけど、オレは振られたばかりみたいな喪失感でぐったり。オレはディアロスともブライヴとも付き合ってもいなかったのに、なんでだろう?

マネージャー「ミリセントさん?ソール砦の幽霊の言葉は確かですか?」

ミリセント「ああ、全てをそのままに話した」

マネージャー「そうですか…ミケラの魂無き友というのは、恐らくは魂を殺された死王子、ゴッドウィンのことを指しているのでしょうけれど、祈りで太陽を蝕むというのが、まだ分からないですね。何かの比喩である可能性もありますし、もしそうであればお手上げです」

マネージャーは各地の伝説とか、意味深な言葉とかも集めて調べてる。何の役に立つかも分からないのによくやるよな。でもイカの皮を研究したら液晶に使えたとか、青色ダイオード?とかも、どこで便利な技術が出来るのか分からないから、マネージャーの調査も無駄じゃないかもな。

マネージャー「それに、ゴッドウィンが死んでしまうと聖樹が完成しない、というのも気になりますね。友という表現といい、ミケラとゴッドウィンは協力関係にあったと考えられますが…」

マネージャー「…いえ、これについて考えるのは後にしましょう」

マネージャー「今、私たちが取り組むべきことは二つでしたね。ひとつは滅びの火の探索で、もうひとつはエブレフェールの探索です。私としては、先にエブレフェールを探索した方がリスクが少ないかと」

ネフェリ「賛成だ。…しかし、一応聞いておきたい。何故そう思うんだ?」

マネージャー「滅びの火で黄金樹を燃やすという事が、何にどこまでの影響を及ぼすのか…それが全くの未知数だからです」

マネージャー「みなさんが探索に行っている間に、私はダメ元で二本指に助言を求めてみたのですが、二本指は動きを止めていました。指読みのエンヤさんからは、意外なことに同意をいただけましたが、それも彼女が悩んだ末のことです。つまり黄金樹を燃やすと、彼女や二本指ですら知り得ない出来事が起きる可能性があるということです」

マネージャーの言葉で「やっぱりな」って思った拓也の頭にメリナの姿が浮かぶ。オンナってヘーキでウソつくよな。メリナは心配ないって言ってたけど、こんなんじゃ燃やすに燃やせねーよ。これは黄金樹を燃やす前にやることやっておかないと、あとで痛い目を見るシチュエーションだと分かったぜ。

マネージャー「それにエブレフェールには、ミリセントさんも関係していますからね。彼女の腐敗が不安定になっている以上、彼女のためにもあまり時間は掛けられないと思うんです。エブレフェールにミリセントさんの腐敗を止めるヒントがあるかもしれませんし」

ミリセント「…ああ、そうだな」

ラーヤ「私もエブレフェールの探索に賛成です。炎がもしも黄金樹を包めば、あの空を覆う枝も燃えてしまうかもしれません…そうなれば、空から火が降り落ちて、エブレフェールも燃えてしまうかもしれませんので…」

マネージャー「拓也?あなたはどうですか?」

拓也「ウッス!行きまっす!当たり前じゃないすか!」

マネージャー「分かりました。それでは決まりですね。今日はゆっくり休んで、明日のエブレフェール探索に備えましょう。お疲れ様でした」

160名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 21:47:58 ID:6w5.gtmw


SMホテルで3P。


180?pの精悍な狼風の剣士を「製作アイテム」に堕としてきたぜ。全裸首輪手錠で開脚坐りのブライヴをブーツで押し倒して「オマエは犬だよな」って言ったら「いや、半狼だが、犬以下の道具です。ご主人様の性処理道具に使って下さい」なんて答えるからのっけからそそられたぜ!これからどれだけ悶え苦しむか見るのが楽しみだな。十字架に手枷開脚足枷で縛り付けて浣腸を3コぶっこむ。縄で体も縛り付けて鞭打ち。「あぅ!苦しい!」と言うので「気持ちいいですって言え」とさらなる鞭打ち調教。「あぁ、あぅ、気持ちいいです!」って、もうビン勃ちだ。いい根性してるぜ!時々ご褒美にキスをやる。

ブライヴ「弧゜ッ!」

乳首はまだ開発されてないらしい。こいつもほぼノンケだな。「もう出させて下さい!」「ダメだよ。漏らしたら全部食わせるぞ」「はい、全部食います」腰振って泣き始めて狂ってきたところで上半身だけ枷を解いてコンクリートの冷たい床に降ろして拓也のマラで口マンを犯す。口が大きくてガバガバじゃねーかよ!喉マンでゲーゲー言わせながらさんざん犯す。ヒーヒー白目を剥きながら「拓也さんのサイズにはもう拡がってます」なんて舐めたことを言いやがる。確かに舐めてるけどな。浣腸してかなり時間が経ってるからかなりきついはずだぜ!

ブライヴ「拓也さんに飼われて便所になりたいです」

と言うので「いいぜ、飼ってやるよ。毎朝毎晩オレのイエロの瞳飲めよ!」「うっす!」「もう円卓に便所いらねぇな!24時間全部処理しろよ!」「うっす!」「じゃぁ、今から使ってやるよ」勃起マラからオシッコを喉マンに流し込む。すげーな!イケメンにオシッコ飲ませるの最高だな!完全に支配した気になるぜ!ゲボゲボ飲んでやがる。ブライヴのガタイが痙攣しはじめて限界を超えそうなのでシャワー室に引っ張って行き排泄。「汚ねーな」と言って全身冷水シャワー。30分経過してホスロー家のディアロスが到着したのでさっそく飲尿。ガタガタ震える体に頭から尿をか…

マネージャー「助けて!」

マジかよぉ!目覚めの時はいつも突然だ。
せっかく良いところまで盛り上がってきたのに起こすんじゃねーよ!ってネムネムの眼を擦って、パンツ越しにビンビンに勃ったチンコを見てガッカリ。メチャクチャ良い夢見てたのに勿体ねー、なんで起こしたんだよって考えたところで疑問が頭に浮かんでくる。助けてって、誰が言ったんだ?

なんて半ボケの頭で考えてると、また声がして、同時にバタバタと揉める音が聞こえてくる。

マネージャー「誰か助けて!」

ミリセント「エンシャ!?何をしてるんだ!」

マジ!?これって襲撃!?
揉むことは好きだけど揉め事は嫌いな拓也は、すぐにベッドから飛び起きて下着姿で大祝福に駆けつける。
襲われてるのはあのマネージャーだ!絶対に死ぬなよな!オレが助けてやるからな!

ネフェリ「なんだ貴様ーっ!」

大祝福につくと、そこには寝巻き姿のマネージャーを抱えて避難しているミリセントと、下着姿のステゴロ状態でエンシャの顔面にボコボコにパンチ食らわせてるネフェリの姿。オレも良い夢を壊されたムカつきと、マネージャーに手を出された怒りに、溜まった性欲を発散できなかったムラムラを組み合わせたぐちゃぐちゃの真っ黒な感情をエンシャにぶつける事にした。

拓也「逃げんじゃねーよ!」

ネフェリに組み伏せられてる顔面血まみれのエンシャの所まで走ると、駆け込むようにエンシャにキス強要。歯の裏と歯茎を舐め回してから、逃げる舌にオレの舌を絡ませて息を塞いでやる。コイツに吸える酸素はオレの激エロな口臭だけだぜ!

エンシャ(弧゜ッ!!)

王子様のキスの力で一瞬にしてガタイ仰け反らして痙攣。エロ奴隷に堕ちたエンシャの鎧に、オレは手をかけてガチャガチャ外そうとする。「クソ!処女鎧キツいぜ!」「どけ拓也!鎧はこう剥がすんだ!」普段は敵にも尊厳を与えるネフェリも、卑劣な暗殺者の前では戦いの鬼に大変身!血走ったギン目でエンシャから鎧を引き剥がしていく。「おい拓也、こいつマワしていいぞ!」ってネフェリからの許可も降りて、血で真っ赤なエンシャの顔が真っ青になると、オレの脳内も完全にSが押し込められて戻らなくなり、ネフェリと二人でエンシャを担ぎ上げてオレの部屋に放り込む。

ミリセント「う…それは流石に…」

マネージャー「かまいません!いい気味です!」

部屋に放り込まれたエンシャはすぐに立ち上がって部屋から出ようとするけど、ネフェリの槍みたいな前蹴りを食らって部屋に叩き込まれて、壁にダウンしてるところに強烈なコンクリパンチの追い討ちを食らってベッドにぶっ飛ぶ。そこにオレがすぐさま飛び込みをかけて覆いかぶさり、ネフェリがエンシャの脚の部分の鎧を、ベルトちぎりながら脱がせていく。その間もエンシャはオレをどかせようとするけど、オレに乳首を強烈に吸われると力が抜けて動きが鈍くなる。その間にネフェリは高速で腕の鎧も外したから、本番開始だぜ!

161名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/13(金) 21:52:51 ID:6w5.gtmw

ベッドの上に拘束されてるエンシャの顔に、ネフェリがまたパンチを喰らわせて動きを一瞬止める。オレはその隙をついて「代わりにお前にオシッコ飲ませてやるよ!」って声と共に、エンシャの口にチンポを押し込んで小便を流し込む。するとすぐに白目むいて痙攣しだしたから、ネフェリが気付けとばかりに脇腹に一撃を加えると、黒目がグルンと戻ってきてオレのチンポがゲロまみれ。「きたねーな!返してやるよ!」ってオレはゲロを掬ってエンシャの鼻に押し込んでやると、ブボっ!って鼻から吹き出して白眼剥いてまた痙攣。その白眼も喉にチンポをギュウって押し付けるとまた戻ってきた。

ネフェリ「フン!」

エンシャの意識が戻った瞬間にネフェリの拳がエンシャの手首に飛んで、バキって音がするとエンシャの手がプラプラになる。すっげー!骨折プレイなんてマジであるんだ!って感激してる間もネフェリはもう一方の手首も叩き折る。「勇猛を重んじる蛮地ではな、貴様のような卑劣漢には何をしても良いんだぞ」っていうネフェリの眼はマジにイッちゃってる。蛮地の勇者っていうだけはあるぜ!

オレは弱々しく暴れるエンシャの口からチンポを引き抜くとデングリ返しをさせてケツマンを開張。カピカピに乾いてて入んねーなって言うとネフェリのコンクリパンチが狭いケツマンに炸裂!同時にエンシャのガタイが跳ね上がってチンポが大量に潮を吹いて天井を濡らす。ネフェリは一気に肘まで入った手をケツマンから引き抜いて、血まみれになった手をエンシャの胸で拭いてるから、オレはその間に切れ痔ローションを使ってエンシャのケツマンを堪能。激しくピストンを食らわせながら、部屋に隠していたイエロの瞳をネフェリに取ってもらってキメる。

拓也「おおおーっ!」

ひさびさのイエロの瞳に脳みそがスパークしまくり射精しまくりで、エンシャの処女マンコをみるみるうちに種マンへと変えていく。するとネフェリが「待ってろ」って言って部屋から出ていったから、何するんだろって思いながらオレは抵抗出来なくなったエンシャの唇を吸い、胸とキンタマを揉んでエンシャマラを堪能する。そしたらドアが勢いよく開かれて、両手に斧を持った下着姿のネフェリが入ってきた。「斬るぞ!」ってネフェリの言葉にオレのリミッターも振り切れて「やっべー!次は斬り裂きプレイかよ!マジたまんねー!」って

ミリセント「もうやめろ。やりすぎだ」

声を上げたところで、部屋にミリセントが入ってきた。
ミリセントはネフェリを押し退けると、オレの肩を押してエンシャからどかせてから、エンシャのものっぽい聖杯瓶をエンシャの口に突っ込んだあと、ぐったりしたそいつを肩に担ぐ。

ミリセント「十分罰は与えただろう。彼の鎧も、武器も、キミたちが持っていればいい」

ミリセント「再びエンシャがマネージャーを襲うようなら、その時は私が斬り伏せる」

エンシャを担いだミリセントは、そのままオレの部屋から出て行った。

ネフェリ「甘いな。寝込みを襲うような者に、一切の情けはいらんというのに」

かっこいいこと言ってるけど、下着姿で返り血浴びながら両手に斧なんて持ってるから、見た目が完全に猟奇殺人鬼だよね。エンシャを徹底的にエンシャを責め立てて、苦痛と快楽の坩堝に堕としてやろうと思ってたところを邪魔された拓也も、イエロの瞳がキマってるから興奮が収まらなくて、色黒マッチョイケメンなネフェリが男に見えてくる。だから出来心でその肩に手なんかかけたけど、不意打ちされてマジギレ戦闘モードのネフェリにそんなことしたものだから、オレは素早くフロントチョークをキメられて5秒以内に堕ちたぜ。

162名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/15(日) 05:31:38 ID:dkR.EI2I


ミリセント「拓也、起きてくれ。皆、君を待ってるぞ」

ミリセントに頬を撫でられて起きたオレがいたのは、暗くて広いロルドの大昇降機前だった。寝てる間に円卓から禁域に拉致された拓也は、ネムネムの顔に刺さる寒さで完璧に目を覚ます。周りにいるのはネフェリと、ミリセントと、マネージャー!?

拓也「マジ!?なんでいるんすか!?」

マネージャー「しょうがないじゃないですか。円卓でギデオンの手下に狙われてしまった以上、もう私にとっては、円卓はセーフゾーンではないんですからね。おかげで私もゴドリックの鎧のお世話になってしまいましたよ」

ネフェリ「彼奴に二度も礼を言うなど…くっ!」

マネージャー「まぁ、エンシャが勝手にやったことだって、ギデオンは関与を否定してますけどね」

そういえばアイツってギデオンの手下だったんだっけ?昨日は勢いに任せてガン掘りしまくったけど、よく考えたらあいつ乾燥途中の干し柿みたいなシワシワだったな。狼でイケるクチになって、木のお化けともやって、今度はフケもOKになったのかよ!オレの性癖の拡がりが止まることをしらねーな!全てを受け入れる淫獣拓也の進化だぜ。というかなんでマネージャーが狙われたんだろう。色々調べてるからかな?

ネフェリ「私もあの人にはつくづく失望した。もう義父とも思わん」

拓也「なんでギデオンを捕まえないんすか?真っ黒じゃないですか!」

マネージャー「真っ黒ではありません。黒寄りのグレーです。事実としてあるのは『私がエンシャに襲われた』ことだけですので、そのエンシャの犯行とギデオンの間に明確な関係性を立証できない以上、ギデオンを捕まえることはできません。エンシャが何も喋らない限り、ギデオンが『エンシャが早まったことをしてすまない』と言うだけで、問題が行き詰まってしまうんです」

マネージャー「そして私たちには、円卓での探偵ごっこに没頭する暇はありません。なのでエンシャは装備を全て没収し、聖杯瓶も破壊して完全に無力化したうえで、裸のままソール砦の牢屋にぶち込みました。もう二度と戻ってくることは無いでしょう」

マネージャー「ですがギデオンと一緒にいる気にはなれませんので、私はしばらく円卓には戻らないつもりです。他の円卓在住の方にも、ギデオンの動向には一層気をつけるように言いました。まぁ、目当てはあくまで私だと思うので、ラーヤさんやローデリカさん、他の方々には危害は及ばないとは思いますけどね」

マネージャーも入れた四人で探索をすることになったけど、円卓最強の二人と円卓最弱の二人の組み合わせだとネフェリとミリセントの負担がかなりデカい。しかもミリセントは危ない目に合わせちゃいけないから、戦いになったらほとんどネフェリが一人で頑張ることになる。オレのビルダーガタイは男を喜ばせる専用の激エロボディーだから、戦いには向かなくて悔しいぜ!こんなことなら水泳部じゃなくて剣道部とか空手部とかに入っておくんだった。

不安なことが多いけど今日も探索を開始。ロルドの大昇降機でネフェリが割符を掲げると、割符から緑色の光が出てから二つの石像が回転。そのままオレ達を乗せて上にあがり、青白く照らされた遺跡みたいな場所につく。明かりが青白い蝋燭だけだからスゲー暗い。光ってる場所以外はほとんど真っ暗だから、オレもしかたなくサングラスを外す。

ネフェリ「…お前、私が思うよりも老骨だったのだな」

ミリセント「目付きが、なにか…その目はどうしたんだ?…疲れ切っているように見えるが…」

サングラスを外したオレに二人の集中攻撃が降り注いでマジ狂い!フケてるだの目付きがおかしいだのと、容赦なくオレの心を抉ってくる。オレの眼は元からこうだって!って言っても信じてくれず
「その歳で戦場に出ていたとは知らなかった…今までの奇行も耄碌が故か…今まで酷い言いようをして、すまなかった」
「拓也…円卓に戻ったなら、次こそ本当にイエロの瞳を絶ってくれないか…君が心配なんだ…」
とか平気で言ってきて、まるでオレを病気持ちのお爺ちゃんか何かみたいに扱ってくる。オレは居た堪れなくなってサングラスを付け直す。お先真っ暗みたいに言われるよりは、視界が真っ暗の方がいいんだよね。マネージャーは「これでも現役なんですから、今まで通り扱ってあげてください」ってフォローを入れてくれるけど、それもまた哀しくなってくる。

163名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/15(日) 05:38:42 ID:dkR.EI2I

マネージャー「それにしても、ゴドリックが想像以上に人とかけ離れた姿をしていたので、正直怖かったです。報告でどのようなデミゴッドなのかは聞いていましたが、実際に目にすると脚がすくみました。ネフェリさんはよくあんな人を倒せましたね」

ネフェリ「恐れが無かったわけではない。ただ闘志と怒りが、それを上回っただけだ」

青白い遺跡の中をマネージャーは小声で喋りながら歩いてて、初めての探索だからしょうがないんだけど、テンションが普段より↑入ってる感じがある。ネフェリはそんなマネちゃんにそこそこ付き合いつつ、両手に持った斧には緊張感が漂ってる。そしてもっと進んだ先には、排水溝で絡まってる陰毛をデカくしたみたいな奴が道を塞いでいた。

拓也「…なんすかアレ?」

ミリセント「あれは陸蛸だ。迂闊に近付くと、絡めとられてしまう」

マネージャー「あれタコなんですか?酢蛸にしたら美味しそうですね」

ネフェリ「下がっていろ。あのような手合いは得意だ」

そう言ってネフェリは絡まってるタコに歩いて近付く。するとタコの両脇から小人が出てきて、ノコギリを持って飛びかかってきた。マネージャーの「危ない!」の声を聞いてもオレには余裕があって、まぁ見てれば分かるぜって思いながらほくそ笑む。ネフェリの攻撃は予想通りだった。

マネージャー「あっ!すごい!」

ネフェリは雷をまとった斧を振り回して風を巻き起こし、瞬時に人間洗濯機状態に移ると、小人を風で弾き飛ばしてダウンさせながら、雷でタコを痺れさせる。動けなくなったタコはクチマンから黄色い光を出してぶっ倒れて、そこにすかさずネフェリの斧ファックが入る。クチマンを雷と風と斧にぐちょぐちょに掻き回されたタコは即逝きして大量潮吹き。そのままぐったりして消えていった。

ネフェリ「卑兵もいたとはな。陸蛸などよりもよほどの手練れだ」

敵を全滅させたネフェリに向かって、マネージャーがハチドリのような拍手をする。オレはもう見慣れちゃったけどね。「この先を見てくる。お前たちはここで待て」と言ってから、ネフェリは一人で奥に歩いていくと、遠くから斧をガンガン叩きつける音とタコのイキ声が聞こえてくる。ネフェリだけでも意外となんとかなるみたいで拓也も一安心して、胸とチンポを撫で下ろす。

それから蛸汁の旨そうな匂いを全身から漂わせたネフェリが戻ってきて「もう済んだぞ」の一言。みんなで進んでいくと、道中に小人と蛸の死体だらけで、マネージャーの顔色が少し悪くなる。

マネージャー「ここは、卑人たちに蛸の養殖場にでも使われていたのでしょうか…もしそうだとしたら、私たちは急に襲ってきた野盗みたいですね…」

ネフェリ「向こうが先に刃を振り上げたのだ。彼らは蛸を引かせ、道を開けることもできたが、私を倒し、蛸の餌とすることを選んだ」

ネフェリ「ならばこちらも、斧で応えるのみだ」

マネージャー「…そうですよね」

シビアかつリアルな戦いの世界を目にして、はやくもマネージャーの目が曇ってくる。頭で分かっても心では拒否したくなるから、オレもまだ戦いが怖くてロクに武器も振るったことがない。おかげでこうやって生きてるんだから、戦いを嫌がることも悪くないぜ。

164名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/15(日) 05:43:51 ID:dkR.EI2I

遺跡の出口まで近付くと祝福を見つけたから、ネフェリがそれを灯してから出口の扉を開くと、外は一面の銀世界だぜ。吹雪と一緒に白い闇が色濃く視界を遮ってくるし、突然の吹雪にみんな腕を盾にして自分の顔をかばったけど、バワー全開の扇風機が耳元で回ってるみたいな強風がずっと吹いてるせいで、互いの声もよく聞こえない。

マネージャー「すごい雪っ…前が見えない!」

拓也「いきなり吹雪かよ!?禁じられた土地らしいな!」

ネフェリ「祝福を探す!まずはそこからだ!」

ミリセント「待て!近くに幽霊がいる!彼の声に、何か手掛かりがあるかもしれない!」

ミリセントは近くでしゃがみ込んでいた幽霊に近付くと、幽霊の顔に耳を近付ける。
どんなヒントでも良いぜ!この吹雪を抜けられるならなんだって聞いてやるぜ!

ミリセント「光を追えば聖樹へと辿り着くらしい!光を追おう!」

ネフェリ「分かった!行くぞ!」

マネージャー「この吹雪の中でははぐれる危険があります!手を繋ぎあって進みましょう!」

165ミラン本田★:<削除>
<削除>

166名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/15(日) 20:12:30 ID:x9vNyq3g
サングラス外した瞬間一斉に同情される拓也さんほんと草
何度見ても笑っちゃうんすよね

167名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 03:38:01 ID:aUmnn46k


猛吹雪の中の行軍はキツいぜ!   投稿者:ビルダー拓也


狭間の地の旅はいつも過酷だ。今日は足元ぐらいしか見えない吹雪の中を八甲田山遭難プレイだぜ。「今から進むぞ」ってネフェリの合図で数珠繋ぎになってから即座に歩きだし、吹雪を掻き分けていく。これで無事に生還できたらオレって山岳救助隊になれるかも。

拓也「光がもう二つありますよ!右にしますか!?それとも左に向かいますか!?」

ネフェリ「左に行く!はぐれるなよ!」

まぁジムは毎日行ってるし、水没紳士のしごきは結構キツイから、それに比べたら今はまだなんとか耐えられる。
明かりに着くとちょうど目の前を荷車隊が通っていく。

ミリセント「こんな場所で何を運ぶというんだ…」

ミリセントの呟きも吹雪に掻き消されて、荷車隊には聞こえていない。オレは起きてから何も食べてなかったから、ネフェリにおねだりすると勇者の肉塊を差し出されたんで、ネフェリのペットみたいにもらった肉にかじりついてから、また手を繋ぐ。拓也が寒さで固くなった肉を噛みきれなくて苦戦していると「お前、また歳をとったな」ってネフェリに苦いことを言われながら寒さに命の危機も感じて完全勃起する。

マネージャー「ほら、荷車の一団が通り過ぎましたよ!」

拓也「まだちょっと待ってほしいっす!」

マネージャー「なんで!?」

拓也「だって旅に備えてメシが食えなかったんで、今食ってまっす!」

マネージャー「いい心構えですね!早くしてください!」

急いで食べ終わって腹の調子をガタイで確認。ぜんぜん大丈夫だぜ。
行軍へ戻ると妖しい石の光が3つ。
さっそくどれかひとつを選ぶシチュエーションがおとずれる。

ネフェリ「この明かりを置いた奴は何を考えてるんだ!?」

オレは喘ぎながら「ソイツも迷いながら石を置いたんじゃないすか!?こんな風にね!」と、ズボンの中でいきり立ったチンポを雪原に突っ込み、ふざけて「ほらほら、上手に咥えろよ、ちゃんと舌使えよ!」と遊んでみる。ネフェリは「雪とヤッて楽しいのか?」と冷めた目で言うけど、正直に「ぜんぜん!」と言ったのがヤバかった!いつもは仲間にそれとなく優しさを見せるのに、いきなりオレの勃起チンポをズボンの上から掴んで、オレのガタイをタオルみたいに振り回してくる。どうやらオレの悪ふざけにブチ切れたらしい。場を和ませることに失敗したとはいえいきなりコレじゃキツすぎるぜ!

キレたネフェリをミリセントがなだめてからまた吹雪の中を進む。吹雪がオレを串刺しにしようとして、ビュービューとケツの穴を責め立てる。「あー、いきなりバックはムリっす!」と叫ぶオレを無視して冷気という凶器が突き刺さる。「ぐぉぉーっ!」冷たく沁みまくって感じている余裕もない。弓なりにのけぞった胸ががっしりとネフェリに捉まえられてそのまま長時間動かない。その体勢のまま身動きできず汗がじわっと凍ってくる。

マネージャーに「毎晩弄って敏感にしてるから、こういう時に沁みちゃうんですよ!」とツッコまれても声も出ない。オレの締まったケツ筋に冷たさが暖められて、痛みが遠のいて快感に変わる頃を見計らってデカマラがゆっくりとピストン運動を始める。オレは膣壁の快感にのけぞってひたすら吠えるだけの淫乱犬になる寸前に、ネフェリにズボンの中に雪を詰められてデカマラが緊急冷却。さっきまでのムラムラも瞬時に消える。

ネフェリ「こんな時でも盛るとはな!もはや感心するよ!」

急に下半身を冷やされて「あっあっあっあっ」とそれに喘ぎ声も連呼する。欲情が消えてからも下半身の冷たさに上半身をくねらせて狂っていく。15分ほどそのまま歩いてると目印にしていた白い光が途絶えた。背中からマネージャーの大声がかかる。

マネージャー「どうしました!?なぜ止まるんですか!?」

今日はすっげー寒気が強い。呼吸を整える間もなく冷気が口の中を犯してきておしゃぶり。「今日もエロいぜオマエ!」冷気に乳首を摘まれながらフェラで欲情して、凍えるたびにデカ冷気が肺の中でさらにデカくなる。

ネフェリ「目印が消えた!引き返すぞ!」

先頭のネフェリが引き返そうとすると、最後尾のミリセントが遠くに何かを見つける。
その間もオレはまたのけぞって喘ぎ続ける。ずっと冷気に乳首も揉まれっぱなしで狂いまくり。両足の筋肉がブルブルと震えてケツがキュウキュウ締まる。

ミリセント「遠くに光が見える!あれを目指そう!」

ネフェリ「私からは見えないぞ!どこにあるんだ!?」

ミリセント「私のいる場所からだと少し見えるんだ!岩の影に隠れてる!」

ネフェリ「ならば案内を頼む!お前が先頭を行け!」

今度は遠くに見えたっていう明かりを目指して歩いて、また明かりの点々を発見。そこから15分間歩いたけどまだ吹雪は晴れない。オレはまだ冷気をおしゃぶり。「乗れ!」というネフェリの命令ですぐにネフェリの背中におぶさる。またのけぞって上を向いた冷え冷えの口から、意識朦朧の中で自分のよだれを凍らせながら悲鳴をあげる。「あーっ!あーっ!」寒さに乳首をつねられながら下からのガン凍りで上半身を踊らせて狂いまくる。

「どうだ!?ふざけても良いことは無いだろ!」ネフェリの顔はSの口調とは裏腹にヤベーって感じで焦りが見える。「あーっ、もう、ダメっす!」そのまま10分歩いて、ようやく吹雪が弱まり始める。ネフェリの背中にぶっ倒れているオレの足を、ネフェリは広げて背負い直し、その後ろからマネージャーがネフェリの手を掴んでついてくる。デスク仕事ばかりで体が鈍ってるマネージャーも鎧の重さと寒さに悶え死にしそうになっていると、吹雪から出る前にオレの膀胱を抑える筋肉が寒さで限界を迎えて、ハアハア息切らしてるネフェリの背中に、黄金の流れ星を流していく。

マネージャーは寒さと鎧の重さに、オレは感覚を失った下半身と全身の冷たさに、ネフェリは背中でガッチリ凍った拓也の小便に体力を奪われて、元気なミリセントも列の先頭で風避け役と案内役を同時にやってるから限界が近付いてる。やばいこのままだと死ぬぜ!って時に、遠くから狼の声がする。

ネフェリ「狼か…こんな時に…」

マネージャー「もう休みましょう…眠いです…」

ミリセント「もうすぐで吹雪を抜ける!眠ってはだめだ!」

拓也「チョーネム…ジム行きたい…」

ネフェリ「なんなんだ…そのジムっていうのは…」

ぐらついているネフェリを引っ張るようにして、ミリセントはそのまま進み続けて、マネージャーが過労でぶっ倒れたと同時に、吹雪は晴れた。

ネフェリ「フフ…ついてないな…」

ミリセント「ネフェリ、二人を頼む。私が戦う」

でも吹雪が晴れた先に待っていたのは、三頭の狼と、それにまたがる尼僧系女戦士の三人だった。
ネフェリはオレを背負ったまま片腕で斧を構えるけど、足元がおぼつかない。オレは寒さでマジ頭おかしくなり、頭の中で冷気のヤツと激エロなピロートークを展開している。マネージャーは大の字に倒れてハアハア言ってるだけで、戦えるのはミリセントだけだったけど、その髪もバリバリに凍っている。

しろがね人「…マレニア様…?」

そして女戦士のリーダー格っぽい奴がそう言うと、緊張の糸が切れて、ミリセントもうつ伏せにぶっ倒れた。

168名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 04:41:30 ID:aUmnn46k


4Pで遭難しかけた後の恍惚解凍マシーン拓也   投稿者:ビルダー拓也


ネフェリ「拓也、また死ぬところだったな」

ネフェリは筋肉フェチなんで、しろがねのオンナが拓也の脚を掴み、お湯をかけ始めるところを眺めている。「あぁ、あ〜!いいっす!」後ろからも別のしろがねのオンナに腕を揉まれて「もう少し遅かったら危なかった」って、しばらく全身の筋肉を愛撫される。

典礼街オルディナっていうところに死にそうになりながら到着したオレ達を、しろがね人達は快く迎え入れてくれたぜ。なんでもここもマレニアと縁がある場所らしく、全身氷まみれのオレ達を担ぎ込むやいなやすぐに火を起こしてくれて、冷やし拓也うどん状態だったオレも九死に一生を得る。マジ危なかったぜ!ここも寒いといえば寒いけど、吹雪も強風も無いし、視界もクリアでデカい風の音も無いから天国みたいなものに思える。

筋肉を揉みほぐしたあとに、銀色のスライムでできた浴槽に入れられると、温水に喘ぎ声をあげる拓也の全身に温もりを取り戻し、凍傷になりかけた手足を癒してくれる。くそー、こんなことなら亀首漬けとかの補えるヤツも持ってくるんだったぜ!別のところで歓待されてるマネージャーも、普段から拓也に精神的に(ウリの仕事のマネジメントとエルデンリング修復のマネジメントで)徹底的にいじめられているので、こんな時はここぞとばかりに自分を徹底的に自分を甘えさせてるんだろうな。

ミリセント「今回は特別に計らってもらえたのだから、あまり遊ばないでくれ」

なんて遠くからキツめに忠告されるけど、でもオレはそんなことはおかまいなしだ。ミリセントとネフェリもリフレッシュしたんだからオレだってするぜ!暖かい浴槽に腕と足首をかけて、王者のように寛ぎながら手首をクイっと動かすと、狼に乗ったしろがね人が赤い干し肉を提供してくれる。マジ気持ちいい!ギデオンはこんなに優しい奴らを迫害してないで、そっとしておけばいいのにな。

マネージャー「はぁー、すっきりしました。おかげさまで生き返りました。本当にありがとうございます」

最高のもてなしの中で王になっていると、ツヤツヤのマネージャーがいつもの格好でこっちに来る。「あら、まだ寛いでるんですか?すぐに出ろとは言いませんが、迎えてくれたからって甘え過ぎてもいけないですよ」って、こんな時でもマネージャーはキッチリしてる。でも肩肘張ってるのはオレの性に合わないんだよね。

マネージャー「まぁ良いです。しろがねの方々によると、この典礼街オルディナを抜けた先にあるのが、エブレフェールの聖樹らしいです。いよいよですね」

ミリセント「そうか…いよいよエブレフェールか…」

ネフェリ「やはり、不安は取れないか」

ミリセント「ああ…むしろ、前よりも不安が大きくなったほどだ。聖樹についてしまえば、私はどうなってしまうのか…そればかりを考えている」

マネージャー「仕方がありませんよ。探求によって新たな律を生み出す可能性、腐敗が酷くなる可能性、その腐敗が収まる可能性に囲まれて、これからそれらに答えが出るかもしれないとなったら、誰だって不安になります」

マネージャー「ですが、この街の方々も、あなたが腐敗の女神として咲いてしまうか否かを気にして、あなたを招き入れたわけではありません」

マネージャー「今後あなたがどうなろうとも、あなたには必ず味方になってくれる人がいるはずです。そのことを忘れないでくださいね」

ミリセント「…ああ、覚えておくよ」

ちょっと空気がしんみりしたから、景気付けに「うーっす!」ってオレは勢いよく浴槽から飛び出して、全回復したガタイを惜しげもなく曝け出す。ネフェリがはーってため息をつくと、寒暖差の激しさにオレの心臓が淫らに悶えたんで、拓也は耐えられずガタイを痙攣硬直させて地面に倒れ込む。ミリセントが這いつくばったオレの両手を掴んで、ずるずると引きずっていく。

しろがね人「…普段から彼はこうなのですか?…」

ミリセント「なんでもない。気にしないであげてくれ」

一級品の美術品を鑑賞するように、グッタリした激エロボディーを鑑賞する現地のお嬢様方。これだぜ!得意げなオレの極上ビルダーガタイ。まったくさー、みんな人をもてなして楽しんでるんじゃねーよ!拓也のビルダー系肉体とネフェリの色黒イケメンとミリセントの性格がコラージュできれば完璧なんだよな!今のうちに拝んでおくと目の保養になるぜ!オレがゲイだと知ったらさぞかしガッカリするだろうな。

典礼街オルディナを心ゆくまで楽しんだ俺たちは、旅支度を整えると、マネージャーが出発する旨をしろがね人の一人に伝える。そしたらいきなり王都で見たような三人くらいの黒ずくめな女盗賊が現れて、オレたちも一瞬身構える。でもそいつらが、狐が岩山を跳ね回ってるみたいなスピード感で建物を登って、灯台?みたいなのを弄ると、奥の建物の白い壁が消えて、通れるようになった。

マネージャー「本当にお世話になりました。ありがとうございました」

ネフェリ「私からも礼を言う。ありがとう」

狼と一緒に見送りに来てくれるしろがねの皆さんに、順々に礼を言って転送門に集まっていく。オレも「ここマジで良いところでした!いつかまた来たいっす!」って手を振ると、困ったような笑顔で手を振られる。お淑やかなお嬢さん方に、テンション↑な激エロのモロホストは刺激が強すぎるよな。オレが転送門でミリセントを待っていると、遠くからしろがね人に礼を言いながら歩いてくるミリセントが見えた。
そして転送門に全員が集まって、エブレフェールへ向けて出発って時に、しろがね人の一人が階段に座って、こっちに背中を向けたまま

しろがね人「いってらっしゃい、ミリセント様。あなたの目覚めが、有意なものでありますように」

と言った。ミリセントは少し間を開けたあとに「ああ、私もそう願うよ」と言って、転送門に触れる。
それと同時にオレたちの転送も始まって、オレは典礼街オルディナをあとにした。

169名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 04:54:38 ID:aUmnn46k



典礼街とエブレフェールで2連休    投稿者:ビルダー拓也


典礼街で休んだあとにエブレフェールにワープすると、いきなりとんでもない高さの木の枝に飛ばされてマジ狂い!落ちないように咄嗟に足元に伏せてしがみつく。エブレフェールの聖樹って文字通りの木かよ!しがみつく時にパリって剥がれていったキノコが、下に広がる霧に吸い込まれて音も立てずに消えていく。

拓也「マジかよぉ!転送する場所考えろって!」

マネージャー「なっ、何この高さ!?待ってください!無理ですって!」

マネージャーもオレにならって足元にしがみつく。さすがのネフェリもその場にしゃがみ込んでキョロキョロ見渡してる。
「待て!慌てて動くな…落ちれば助からんぞ」だって。そんなの見たら分かるぜ!

ネフェリ「ミリセント、これはどういうことだ?しろがね人の罠か…?」

ミリセント「分からない…転送門が壊れたのかもしれない…」

伏せた木の枝から、オレは歯を食いしばりながら顔を上げてあたりを見渡す。ここはスカイツリーレベルのチョー巨大な木の上みたいで、遠くに見える枝には例のマシュマロくんの集団が笛を吹いてるし、下の枝にはコモドドラゴンよりデカい蟻が何匹も歩いててマジグロい!でも木の根本あたりにはうっすら建物の密集した感じのやつも見えて、人が住んでそうな気配がある。でもここに来る為のルートがこの木の枝って、人を来させる気がねーよな!ウーバーイーツのにいちゃんが自転車ごと落っこちていく姿を想像して、オレの全身に鳥肌が立つ。

ミリセント「待て、あそこにいる彼らは王都にもいた。助けてくれるかもしれない」

ネフェリ「あの白くて丸っこい者か?助けてくれるとは、どういうことだ?」

ミリセント「彼らも、私をマレニアと思っているようなんだ。王都を進み歩いた時、彼らの同類に命を救われたことがある」

あー、アイツらのことか。懐かしいぜ。ミリセントが声を上げて手を振ると、遠くのマシュマロ軍団もこっちに気付いてすぐにお祈りのポーズに入ったり、感激しすぎて笛を落としたりしてて忙しい。雪は無いけど、高すぎる木の上はまだ冷え込みが厳しいし、高さにやられて手足が痺れてきてるから早く助けてくれって心で念じていたら、デカい蟻に乗ったマシュマロがやってきて、アリのデカ顎でガタイを挟んで運んでくれる。ネフェリとミリセント、マネージャーもキャッチされた。おー、こりゃあ楽だぜっ!

ネフェリ「人喰い蟻に運ばれるとは、妙なものだな」

拓也「え?人食べるんすかコイツ!?」

ネフェリ「食べるぞ。ただこの蟻共は、白い者達に飼われているようだ。何者なんだ?」

マネージャー「この白い子たちは、おそらくは信託の使者でしょうね。ギデオンの集めた本によると、なんでも新しい神や時代の到来に応じて、何処からともなくやってきて信託をもたらす存在らしいです。だから彼らはミリセントさんに祈りを捧げるんですね」

ミリセント「…つまり、彼らにとって、私は新しい時代をもたらす者…ということなのか?」

マネージャー「そうかもしれませんね。あなたが新しい律を生み出すという私の予想は、当たるかもしれません。そうなった場合、あなたが王になるのか、それとも神になるのかは分かりませんが、少なくともあなたが、私達を元の世界へ帰すことになるでしょう」

マネージャー「凄まじい大役です。正直に言いますと、これらの事に関しては引け目を感じます。律を見つける探求者が、あなたではなく金仮面卿であってほしいと、考えてしまうんです」

マネージャー「身勝手な話ですよね」

蟻に運ばれながらシリアスな話をしていると、これから食われるんじゃないかって気持ちになってくる。でも着いた先はチョーデカな大樹をグルっと囲んでる建物だった。しっかりした足場に降ろされて心の余裕が大きくなると、スゲーいい眺めに心が踊り始めて、チンポの血流も良くなって喜びはじめる。建物のひとつひとつがオシャレなアンティークみたいな形してて、シティーボーイなオレにもピッタリだぜ。

マネージャー「ここから先は歩き、ということでしょうか?」

オレたちを置いた蟻達は、元いた木の枝に去っていく。
マシュマロも礼をしてから、その蟻の後ろをついていった。

ミリセント「そのようだな。では、進もうか」

ミリセントを先頭にして、木で出来てるのか石で出来てるのか、それすら分からないオシャレすぎる建物を歩いていく。花とかツタとかまで建物に絡めてオシャレポイントを稼ぐのはいいけどさ、手すりはつけてくれないと怖くて歩きにくいんだよな。一列に並んで歩いているオレ達は、ネフェリの手にマネージャーの手が、ミリセントの手にオレの手が握られてて、拓也はまるでイケメン警察官に補導されてる一般Mウケビルダーだ。デスクワークが専門のマネージャーは腹が出ていない程度の、健康なタイプの細身な若干モチモチ体型だけどね(笑)

170名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 06:18:14 ID:aUmnn46k

ミリセントと一緒に歩いたり階段を降りたりしてると、当然だけど途中で混種って奴らに頭を下げられるし、それだけなら分かるけどゾンビにまでお祈りされてビビったぜ!死んでる奴らからも信仰されてるって相当キてるよな。マレニアとミケラの二人で、どれだけの数の心チンポを相手にしてんだよ?でもそれだけ心のマンコが広くて、なんで戦争なんかやっちゃったんだろう。殺し合いより揉み合い犯しあいの方が気持ちいいのにね。

さらに進んで、梯子登ったり降りたりして、王都や赤獅子城で見た赤毛の獣人にも剣構えられて敬礼なんかされちゃって、ここまでPIV扱いだとマジ調子狂うぜ。いつもは斬り合い刺し合い犯し合いの連続だから、典礼街からここまで平和だと逆に不意打ちされたらって考えちゃうんだよな。オレもだいぶエルデの地に染まってきてるよな。なんてひとり考えてると、ミリセントが石像の前から動かなくなる。

マネージャー「どうしました?」

涙を流して見上げてるミリセントの視線の先には、片腕が無いオンナと、髪の長い子供が抱き合ってる石像があった。オンナの方の顔はなんとなくミリセントっぽい感じがして、オレもああ、そういうことかって静かに納得。ネフェリも察して石像を見上げる。

ネフェリ「…何か、思い出したのか?」

ミリセント「…思い出したとは、違う…感じるんだ…」

ミリセント「哀しみと、愛おしさ。この像に描かれた愛…痛みさえ覚えるほどのそれを…」

石像の片腕オンナは、泣いてる子供を抱きしめるお母さんのようにも見えるけど、泣きついている子供の表情には、何かにスゲームカついてるとか、決意を固めるような真剣な目つきがある。オンナの方がマレニアだったら、子供の方はミケラってことなのかな?

ミリセント「この二人にとっては、この世で互いだけが、支え合える者だったのだろうか…」

マネージャー「…辛くなりましたか…?」

ミリセント「少しだけな…それでも、この像を見られてよかった」

ミリセント「かつてのマレニアにも、人らしい心が正しく溶け合っていた。それを知ることができたのだから」

涙を拭いてミリセントがオレ達に振り返ると、少し慌てたような表情をする。それを見てオレ達も振り返ると、ミリセントを後ろから見ていたらしい混種やら赤髪の獅子やらが泣きまくり祈りまくり、声を殺して吠えまくりだ。そりゃ帰ってきた神様の分身に、神様のそれそのものの心があったって分かったら、どんな宗教の信者だってこうなるぜ。コイツらただの動物かと思ってたけど、どうもこういう人種っぽいな。異文化交流で見識が広がるよね。

ミリセント「あ、ああ、すまない…驚かせてしまったな。君たちのことも、覚えていたら良かったんだが…細かい記憶はあまり継いでいないんだ…」

ミリセント「だから、そう泣かれても…なんて言ってあげたらいいのか、分からないよ…」

居た堪れなくなったミリセントはオレ達をつれてそそくさと退散。ネフェリとマネージャーも微笑ましいのか気まずいのかで微妙な顔。アイツらの仲間と王都や赤獅子城で戦ったことがあったけど、ああいう反応を見ると嫌でも「あー、向こうから仕掛けてきたとはいっても、オレたちって人を殺したんだな」って実感が湧いてくる。兵士はほとんど干からびたゾンビだし、騎士は顔が見えないから、こういう人の面影がハッキリ出てる奴の方が人間に見えてキツいぜ。こう考えてくると、エンシャにもやり過ぎたなって反省が出てくる。エルデの地に染まりすぎてて、元の世界に帰った後のことを考えると少し怖くなるよな。エルデに飼い慣らされたオレって新宿でやっていけるのかな?

さらに進んでいくとまた新しい住人とすれ違っていく。動く青い人型のクリスタルは、ただ静かにその光をたたえているし、二本の橋を護っていたのは激デカガタイの魔法使いの二人組。ミリセントがいなかったら、この落ちたら即死間違い無しの超高度の橋の上でコイツらと戦ってたんだなって思うと、やっぱり殺し合いって良くないぜって改めて思うぜ。

171名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 06:32:03 ID:aUmnn46k

橋を渡り切るとやたら広い場所に出て、その真ん中に馬に乗った騎士がいる。
ミリセントはそいつと顔見知りみたいだったけど、武器を構えたから良くない方の知り合いだったみたいだ。

ネフェリ「…敵か」

ミリセント「前に一度戦った。油断ならない相手だぞ」

マネージャー「こんなところに敵が…まさかギデオンの刺客!?」

拓也「マジかよぉ!チョーしつこいよな!」

ミリセント「彼の手下かどうかは分からない。しかし、カーリアの城で戦った者が、エブレフェールにも現れたなら…やはりそうなのか?」

パカパカ音を立てながら、騎士を乗せた馬がこっちに近づいてきて、オレの心臓も高鳴っていく。ネフェリも体勢を低くして、草むらから獲物を狙うライオンみたいにいつでも飛び出せるポーズに入ってる。でも騎士が馬を止めて薙刀を立てると、ミリセントはネフェリを手で止めた。

聖樹の騎士、ローレッタ「お待ちしておりました、ミリセント様。マレニア様は聖樹の根にて休まれています」

ゴツい鎧からオンナの声が聞こえて、期待もしてなかったのに何故か落胆するオレ。でも戦うことにはならなそうで安心したぜ。騎士は薙刀を持ってない方の手で、広場の出口を示す。「君は何者なんだ?」っていうミリセントからの質問にも「私はしろがね人を護る者です」と言って、正体は明かしてくれない。ほんとにオンナって秘密が好きだよな。仕方ないからオレ達は騎士を通り過ぎて広場を歩いていく。

マネージャー「マレニア…本当にここに居るんですね…」

ネフェリ「おそらく、まともな身では無いだろうがな」

ネフェリ「ケイリッド全土を腐らせるほどの腐敗を解き放ち、清き心も、全てミリセントに移ったのだ」

ネフェリ「もはや言葉どころか、姿形すら失っているかもしれん」

ってネフェリが言ったところでミリセントがまたストップ。今度は別の石像を指差して「マネージャー、来てくれないか?これは…」って呼ぶから、全員でミリセントの方に集合。指の先に見える石像は、三人分の像がひとつに纏められてる感じになっていて、片腕が無い女の子を小さい少年が庇ってて、その二人をお母さんっぽい像がさらに庇って羽織をかけてる形だ。手前の子供二人はミケラとマレニアで決まりだけど、二人に羽織をかけてる女は誰だよ?って考えたところで、拓也の頭にお母さんってワードが引っかかる。

拓也「この子供に布被せてる方、お母さんじゃないっすかね?」

ミリセント「え…?」

マネージャー「お母さんって、まさか女王マリカの像ってことですか?」

ネフェリ「どうなんだ?」

ローレッタ「その通りでございます。この像は、マリカ様の愛を心に刻むためのもの。ミケラ様が聖樹街をお造りになった日に、広場に置かれたものです」

適当に言ったことがまさかの大当たりで、思わず得意げに乳首を立たせながら舌をチロチロ出し入れする拓也。オレの推理力も鍛えられてるな、乳首分析するまでもなかったなって気分に↑が入ってるところを全員に無視されて、ミリセントが像に向かって微笑む。

ミリセント「よかった…ミケラも、マレニアも、マリカから愛されていたんだな…」

マネージャー「マリカにも母親らしい一面があったんですね。今までの探索で知り得た情報の上では、もっと厳格で恐ろしげな人物だと考えていましたが、どうやら彼女に対する認識を改めなければならないようです」

ネフェリ「ゴッドウィンが死んだことに狂い、エルデンリングを砕いたほどだ。血縁の者には情が深いのだろう」

拓也「でも、それじゃあ火山館でハゲが言ってたコトと違うんじゃないすか?子供に甘いお母さんが、子供同士で殺し合えなんて言うんすかね?」

ミリセント「それはそうかもしれないが、私はこの像にあることを信じたいな…」

マネージャー「微妙なところですね。私の世界にもかつては、仲間への情に厚くて子供や親との絆も深かったとされる、スパルタ人という人々がいました。ですが彼らも病弱な赤ちゃんを殺したり、訓練について来られない身内を見捨てたりしていたらしいですからね」

マネージャー「厳しい掟というのが、生きるうえでの前提として存在し、それが社会のシステムに深く組み込まれていた場合は、個人の情愛の深さが誰かに対して行える事もほとんど無いはずです。その個人が例え女王であっても、民へ示しをつける必要がありますから」

マネージャーの分析にミリセントもちょっとションボリして、オレは騎士に「マジなところ、どうなんすかね?」って聞いてみるけどノーコメントを通される。そりゃお前らかすればミケラもマレニアもイエスキリストみたいなもんだし、そしたらマリカなんてヤハウェレベルに偉い奴ってことになるから疑問に思っちゃいけないんだろうけどさぁ、こっちは世界治してやるんだから教えてくれてもいいじゃん!なんて不貞腐れながら、とりあえず先に進むことにしたマネージャーについていく。

結局マリカが子供思いの良いお母さんなのか、それとも弱肉強食系黄金律パキギメ女なのか分からなくて、拓也の中で保留ってことで結論を先延ばしにされる。ミリセントは最後まで像を見上げてたけど、マネージャーに呼ばれたらハッと気付いて、慌てて列の先頭に立った。


ミリセントはそのまま進んでいって、オレたちも続いて長い梯子を降りたり、また階段を降りたりを続ける。ミリセントはどう思ってるんだろう。多分マレニアと会ってやりたいコトとか話したいコトとか、そんなのは全然決めてないんだろうけど、それでも引き返したりしないんだからスゲーよな。確かなことが何もないから出たとこ勝負をするしかないのは分かってるけどさ。

木造のエレベーターに乗って更に下に降りてから、エレベーターの部屋から出ると、視界いっぱいに神秘の光景が広がる。左側に見える聖樹は天高くそびえて、枝の先が雲に隠れて見えなくなってるし、左側には聖樹を囲むようにして、格式高いオシャレな建物がズラリと並ぶ。空に広がる雲間からは黄金の光がところどころ差し込んできて、下に広がる広い海を水平線まで照らし続ける。

マネージャー「おお…」

マネージャーが息を飲むように小さなうめきを上げる。結局なんのプランも立てられないまま、結果がどうなるかも分からない旅を続けている中で、こんな景色に出会うと拓也も神聖な気分になって、最初からここに来るのが運命だったみたいな気もしてくる。マネージャーとネフェリも、きっと同じ気持ちに違いないぜ。

ふとミリセントのことが気になって、隣に立って表情を見てみる。
でも諦めてるのか、安心したのか、満たされてるのかも分かんねー顔だった。

ミリセント「?…どうしたんだ?拓也?」

拓也「え?な、なん、なんでもないっす」

ミリセント「フッ…本当に変な人だな、君は」

ミリセント「さぁ,進もうか。この旅の答えも、今や目の前だ」

黄金色の木の葉が舞い降りる石橋の上を、ミリセントは歩き出して、橋の隅にいた腐女子系騎士に伝言を頼む。

ミリセント「皆に伝えに行ってほしい。マレニアの分け身が帰還したと」

ミリセントの言葉を聞いた騎士は、ボロボロの身体をフラつかせながら、街のある方へ伝えに走って行った。

172名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 18:41:54 ID:aUmnn46k

橋を渡った先には小さな教会みたいな場所があって、そこに入るといくつか椅子が並べられてて、祭壇みたいな台の前には祝福が光ってるんで、ミリセントはそれを灯した。

マネージャー「都市に入った者は、すぐにここで何らかの洗礼を浴びていたようですね。エブレフェールに入ってきた者に、ミケラの庇護下に入ったことを教えるためでしょうか」

ネフェリ「あるいは、都を出る兵たちに、加護を与えるためのものか」

祝福が使えるようになったことを確認すると、オレ達は教会から出て街に入る。そしたら聖樹に沿って作られた一本道の両脇に、聖樹を護ってたらしい兵士達が整列してて、奥から今まで見た腐女子系騎士の中で、一番状態が良い高身長片目腐敗系イケメン女騎士が兜を脇に抱えて歩いてくる。女騎士はミリセントの前で跪いて頭を垂れてくるから、ミリセントは「大丈夫だ、立ってくれ」って言うと、女騎士はオレ達を案内するみたいに格式立った仕草で先導をする。腐敗に全身犯されまくりで声も出なくなってるみたいだけど、キラキラの瞳に迷いは見えない。

兵士の列の間を歩いていくと、色んな奴らと目があって、コイツらがどんな思いでミリセントを待っていたのかも想像がついてくる。顔の半分が溶けてる奴、片目の周りが骨まで見えてる奴、腕が無い奴、脚が無い奴ばかりの全員はだしのゲン状態に堕ちてるけど、それでも数えられない年月をひたすら待ち続けて、決して絶対に諦めなかった末での今なんだなって考えたら、拓也も緊張して右手と右足が同時に出る。

女騎士を先頭にして、兵士の列を抜けてまた視界が開けると、今度は王都でオレに掘り倒された樹木くんの仲間が出てきて、デカハンマーを縦に構えながら道を譲ってくる。コイツは黄金樹から出てくる化身らしいけど、コイツがここにいるってことは聖樹も黄金樹の一種なのかな?大樹を通り過ぎたあとは、また人間クリスタルが3人くらい、ただ静かにその光をたたえているし、よくよく考えたら聖樹って人間じゃない奴ばっかりだよな。

拓也「この聖樹ってところ、なんか人間じゃない奴多いっすよね?ここが故郷だったりするんすかね?」

マネージャー「聖樹のミケラは、混種や亜人や忌み人たちなどの、黄金律から見放された者を多く救った神人でもありますからね。ここにいる彼らは、みなミケラに救われてここに居るか、もしくは頼って身を寄せているのでしょう」

ネフェリ「弱きを助けし神格か。そのような者が、なぜ破砕戦争などを…」

マネージャー「ミケラの場合は、ラダゴンと黄金律そのものへの不信からでしょうね。ギデオンの資料によると、ラダゴンの力や、黄金律でさえも、マレニアの腐敗の宿痾に対しては全くの無力だったらしいですから」

ネフェリ「黄金律をもってしても、宿痾たる腐敗は破れないのか…!?」

ミリセント「そうか…通りで、あのラダーンでさえも退けられなかったわけか…」

マネージャー「それに黄金律に祝福されたかつての民は、混種や亜人、忌み人やしろがね人を迫害し、見捨てました。その黄金律に見捨てられた彼らの一部がこの聖樹に集まっているのですから、腐敗の件も含めてミケラが黄金律をどう思っていたのかも、大体察しがつきます」

マネージャー「ミケラはもしかしたら、黄金律を手に入れて世界を支配するために、破砕戦争に参じたわけではないのかもしれません。本当は黄金律を手に入れてから腐敗と共に世界から分断し、黄金律にも、腐敗にも虐げられる者のいない、いわゆる彼なりの平和な世界を作りたかったのかもしれませんね」

173名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 18:51:13 ID:aUmnn46k

女騎士というガイドに導かれながら、異国の地を歩いて考察を広げていくマネージャーは、まるで世界不思議発見だ。でもエルデの歴史ミステリーは問題が多すぎて2時間スペシャルでも足りないぜ。マネージャーが考察を広げる中オレが妄想を広げてると、さっきまで綺麗だった景色が一変。隙間から陽の光が入ってくるバカデカい大穴に到達する。眼下にはドロドロに種マンにされまくった時の拓也のマンコみてーに腐れまくった腐敗の沼と、それに溶かされてグズグズになってる木の根が見えて、しかもその腐敗の沼すらも腐って底が抜けちゃってるから、この高い場所からでも最下層っぽい場所まで丸見えになっちゃってる。聖樹の外見は立派だったけど、中身がこれならそりゃあ兵士も腐っちゃうよなー。

マネージャー「これは…!?」

拓也「これって…中から溶けてるってことっすよね?」

ネフェリ「溶けた木の根が、滝となって流れ落ちるほどとはな…ここも遠からず、ケイリッドのように腐敗に沈むだろう」

ミリセント「…マレニアがこれを……これは彼女が、本当に望んだことなのか?」

マネージャー「わかりません。もしかしたら本当に、ネフェリさんの言った通りの有り様になっているのかもしれませんね」

マネージャー「もしそうだったなら、マレニアの状態が分かり次第、ネフェリさんがすぐにあなたを連れて円卓に逃げ込みます。その時が来ても、抵抗したりしないでくださいね」

ミリセント「…ああ、分かってる」

踏み締めるとグニュっとした弾力を返してくる木の根を伝いながら、女騎士に連れられて腐った大穴を降りていく。腐敗の沼の周りには桜色の花が咲きまくりで、一見するだけだとチョー綺麗だけど、桜色の花畑の真ん中に立ってるエビかムシかも分からない奴らが妙にシュールだ。そのエビ虫人間は、女騎士が槍を高く上げるとオレ達の方に寄ってきて、オレ達を
担いで腐敗の沼を渡っていく。ありがたいけど細かい足が顔にあたってかゆいなりね。

でも腐敗の沼を渡り切った時に、女騎士がまた槍を掲げるとエビ虫人間達が止まって、オレ達を中心に円陣を組んで外側に槍を向ける。「なんすかこれ?なんか始まったんですけど」って拓也に、ネフェリはハッとした。

ネフェリ「これは防御の陣だ!敵が来るぞ!」

「敵!?」と叫んだマネージャーをミリセントは伏せさせて、素早く剣を構える。オレもマネージャーにならって頭を抱えてうずくまって、ネフェリも両手に斧を持ってギン目の戦闘モードに入った。こっちにはエビ虫人間が四人もいるし腐女子騎士も一人ついてて、しかもネフェリとミリセントがいるんだから楽勝だぜ!

でも遠くから凄い勢いでぴょんぴょん跳んでくる四人の人影を見て、オレの勝利の確信も、強烈な違和感とともに腐敗混じりの風に吹き飛ばされていく。「あの服装って…」っていうオレの呟きも、急速に高まる緊張感に無視される。そして四人がオレ達を囲むように立って、ネフェリの言葉にミリセントが応えた時、オレの確信はただの妄想だったことを思い知らされた。

ネフェリ「この者らは何者だ?なにか、お前と…」

ミリセント「…彼女たちは、私に害意を向ける者からの使い…」


ミリセント「……私の、姉妹達だ」


とんでもない事を聞いて、ネフェリの瞳孔がカッと見開くと同時に、オレとマネージャーも伏せを忘れた犬のように顔をあげる。マネージャーはどうかは分かんないけど、ミリセントの強さを十分すぎるほど知り得ているオレとネフェリにとっては、気が遠くなるような絶望的な言葉だ。のんびりしていた空気から一気に最悪の危機的状況に追い込まれて、拓也のデカマラも生命の危機感じまくりで一瞬にして完全勃起した。

174名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 19:06:05 ID:aUmnn46k


休み明け集団戦   投稿者:ビルダー拓也


休み明けでいきなり4人との戦闘。腐敗で溶けている聖樹の中、オレ達の数は相手方より多いけど、戦いが始まるとそこは姉妹の独壇場。手に持ったそれぞれの武器を、目にも止まらぬ早業で使いこなしてオンナたちがオレ達で戯れる。エビ虫人間の二人が目の前で粉々に斬り飛ばされたあと、刃の嵐がミリセントとネフェリと女騎士を弾き飛ばして、四姉妹が残ったオレとマネージャーを無視しながら、二人のエビ虫人間を怒涛の攻めで追い詰めつつ、隙を作って下から武器をぶっこんでよがらせる。

早々にエビ虫人間が全滅してが陣形が崩れると、四対三のプレイが始まる。ガテンだけど顔だけはガテン系には見えない色黒ロンゲイケメンのネフェリには、特別待遇で二人もついてくる。あのネフェリも、ミリセントも、女騎士も追い詰めて行ってコイツらすげー強いぜ〜!帰りたくなるけど祝福は無いし、今はみんなが戦ってるから置いて帰るわけにも行かない。命の危機に怯えてる拓也に、ネフェリから離れた姉妹の一人が野獣のように黄金の刃を振るってきて終了。

貴腐騎士「おおおお!」

と思いきや、腐った喉で吠えながら女騎士が黄金の刃を剣で弾いてから、オンナにタックルして互いに揉み合い、奈落の底に落ちていく。その瞬間にオレと目があった女騎士の瞳は潤んでいた。「託された!」そう思ったオレはなけなしの勇気を振り絞り、一度も敵に効いたことがない剣をもう一度握って立ち上がる。「無茶ですよ!」って足元で止めに入るマネージャーを無視して状況を素早く確認。ネフェリは一番強そうな槍を持ったオンナとタイマンになってて、ミリセントは2対1で延々と追い詰められてるピンチな状態。

ネフェリ「私に構うな拓也!行け!」

ネフェリが言った「行け」って言葉は、多分逃げろとかそういう意味だったんだろうけど、オレはミリセントを助けに走って行って、デカい鎌でミリセントの剣を弾いてる女に斬りかかる。でもさっきまでミリセントに斬りかかってた二人のうちの片方が、両手に曲がった剣を持ったまま割り込んできて、オレが持ってた剣を二刀流で絡めて弾き飛ばしてから、脇腹にチョー鋭い蹴りを叩き込んできてオレはゲロと共にダウン。ピクピクと痙攣しながらミリセントの方を見る。

ミリセントは鎌女と二刀流女の合計3本の刃との斬り合い中。鎌を弾くと二刀流が跳んでくるし、二刀流を弾くと鎌が服を掠める連撃に全身を撫で回されている。全身を少しづつ切られ、血は地面に滴るほどたっぷり服に染み込んでて、テカテカと血で輝く服が体に張り付いてる。いろんな角度から責められて薄皮斬られまくって、どんどん腐敗が傷口から染み出してて、ミリセントは戦いながら全身をフルフルと震わせながら、外からの攻撃と内側からの腐敗の暴走に板挟みのハードプレイ状態。

そんな極限状態に焦ったオレは、力が入らない下半身を死に物狂いで動かして、産まれたての子鹿のような足取りで転ぶように二刀流オンナに縋り付く。少しの間ミリセントが鎌持ちオンナと一対一になったけど、オレは太ももの外側に剣をブッ刺されて「ぐおおああー!」ってマジ狂いの悲鳴を上げる。後ろからはネフェリの人間洗濯機が炸裂してる音が聞こえるけど、その最中でも金属がカンカンぶつかる音が鳴ってたから、助っ人は期待できない。

拓也「うぉーっ!うーっす!」

二刀流オンナの剣の片方が太ももに刺さったまま、オレの喉元にもう一本の剣が向けられてオレは両手で掴んで耐えてるけど、マジで力が半端なく強くて、そのままジリジリ地面に押し倒されていく。

マネージャー「わああああ!」

そのオレを押し倒してくる積極的すぎる二刀流オンナの頭に、マネージャーが振り回した木の棒が直撃。
でも二刀流オンナは全く意に介していないみたいで、マネージャーの脇腹を曲がった剣でシュッと斬ると、マネージャーは「あぐっ!」って悲鳴をあげてダウン。ゴドリックからもらった鎧は紙みたいに切れてて、マネージャーが抑える腹からは血がダラダラ流れて腸が飛び出した。

拓也「うあーっ!」

その瞬間にオレの脳が強烈にスパークして脳ドラをドクっと噴射。声は裏返ってオンナみたいになり、自分でも信じられないくらいの怪力が両手に宿って二刀流オンナを突き飛ばす。そのままマネージャーに駆け寄ろうと一瞬思ったけど、マネージャーは苦悶の表情を浮かべながら、血まみれの手でミリセントを指差していた。

オレはミリセントの肩に鎌を突き立てた鎌オンナに後ろから覆い被さると、腕力に任せてヘッドロックを仕掛ける。だけど素手で建材を締めてるみたいな手応えにオレが絶望した瞬間に、オンナは岩壁に縫われてるミリセントから離れて、オレの脇腹にビルダーガタイが浮き上がるほどの肘鉄を食らわせる。グボって吐血してたまらず鎌オンナを離したオレは、そのまま腕を掴まれて地面に叩きつけられた。叩きつけられた瞬間に肩からボコって音がして、激痛と共に片手から一瞬で力が抜ける。

ミリセント「うああっ!」

オレとオンナが絡み合ってたその一瞬に、ミリセントは鎌を力づくで引き抜いて自由になった。
それからミリセントは、マネージャーに追い討ちを食らわせようとしていた二刀流オンナの後頭部に鎌を投げつけて貫通させたあと、剣を拾って戦おうとするも、拾う寸前に鎌オンナに剣を蹴り飛ばされてから、もう一発の蹴りを顔面に食らって岩壁に叩きつけられる。それでもダウンしなかったミリセントは素手の状態のまま、鎌オンナとの絡み合い殴り合いに移行。でも全身の傷と腐敗のハンデのせいで、すぐに組み伏せられて馬乗り体制でボコボコにパンチを喰らい始める。

ミリセント「ぐーっ!うぐーっ!」

パンチの雨で弱ったところに首を締め上げられて、ミリセントはギン目で口の端から泡を吹きながら脚をバタつかせる。一方拓也は太ももを剣に犯されて、肩も外れて、多分内臓も破裂してるガタイでフラフラと立ち上がると、地面に落ちてた石を拾って鎌オンナの後頭部を殴る。それとほぼ同時にネフェリのコンクリパンチより硬い裏拳が鎌女から飛んできて、拓也の顎が一撃で砕かれる。そのまま錐揉み回転でダウンしたオレの全身からは急速に力が抜けていって、消えそうな意識をギリギリで繋ぎ止めるだけで精一杯になり、指一本も動かせない。マネージャーとオレが血まみれでダウンしてる中、ミリセントのうめき声も小さくなっていく。

そして鎌オンナの背後に現れたのは、あのネフェリ・ルー!
ネフェリの左手は肘から先が無くなっていて、右手には槍オンナの生首が握られている。血まみれのネフェリはその生首を思いっきり振りかぶると、ミリセントをもう少しで締め殺すってところまでいってた鎌オンナの後頭部に、全力で生首をぶち込んで吹っ飛ばした。ミリセントを離して宙に舞った鎌オンナは、脳震盪でフラフラになりながら立ち上がると、その顔面に槍オンナの顔を叩きつけられて濃厚なキスを味わう。

キスパンチでダウンした鎌オンナにネフェリは馬乗りになると、鎌オンナの顔に向かって、槍オンナの強制キスパンチを連打。鎌オンナの顔がみるみるうちに血のキスマークで腫れ上がっていく。でも鎌オンナは急に両手を突き出して、ネフェリが振り込んだ槍オンナの両目に指を差し込み、そこから手を開いて槍オンナの頭を粉々に砕いて脳みそを撒き散らす。

脳みその煙幕に一瞬視界を遮られて、ネフェリの動きが一瞬だけ緩む。
鎌オンナはその一瞬にネフェリの顔へ両手を突き出し、ネフェリの両目に親指を突っ込んで根元まで抉り込む。
でも同時に、ネフェリの右手も鎌オンナの顔面を掴んでいた。

ネフェリ「オオオオーッ!!」

両目を潰されて全盲状態に堕ちたネフェリは、自分の顔を開いてくる両手に全体重をかけて、鎌オンナの脱出を防ぎつつ、両手の広がりも阻止。さらに右手のアイアンクローに渾身の力を込めて、バキャッという音と共に鎌オンナの頭を砕き散らした。

175名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 20:54:20 ID:aUmnn46k

敵も含めた全員が血まみれダウンしてる中で、ネフェリは懐の聖杯瓶を手探りで見つけ出してから一気飲み。左手と右目が再生したけど、左目は聖杯水が足りなくて回復ができないらしい。ネフェリはその事には構わずにハアハア息切らしてマネージャーに駆け寄った。

ネフェリ「はぁ、はぁ…マネージャー…生肉団子と毒の苔薬、持ってきてるはずだな…どこにある…?」

血まみれのマネージャーは、どうにか希望が繋がったことに安堵の表情を浮かべつつ、汗まみれの顔のまま、鎧のポケットを指差す。ネフェリはそこから生肉団子と苔薬を取り出すと、マネージャーの口に回復セットをひとつ突っ込んでから、オレとミリセントがダウンしてるところまで走って来て、オレとミリセントにも回復セットが提供される。

マネージャー「ぷはっ!はぁ、はぁ…危なかった…死ぬかと…思った…」

傷が治ったマネージャーは花畑の中で大の字になり、ただ息を切らしている。オレもどうにか治療が間に合って全身の怪我が治ったけど、完全には治らなかったみたいでまだ太ももがチョー痛いぜ。見ると刺し傷は無くなってるけど、内出血はしてるみたいで皮膚が青くなっていた。

ネフェリ「ミリセント、大丈夫か?息はできるか?」

ミリセント「ごほっ!はぁ……辛うじてだがな…」

岩壁のそばでぶっ倒れていたミリセントも、全身の怪我がほぼ治った状態になっていて、どうにか立ち上がることができた。
オレも倒れたままのマネージャーに肩を貸して立ち上がらせる。

マネージャー「斬られるって、あんな感覚なんですね…帰りたくなってしまいました…」

拓也「はは、無理ないですよ。オレも早く帰りたいっす」

マネージャー「さっさとマレニアを見つけて、早く終わらせましょう…こんなんじゃ命がいくつあっても足りませんよ…」

ミリセント「悪意の主は…どうしても私を、腐敗の花として咲かせたいらしい…」

ミリセント「そうなるよりは…」

ネフェリ「何を独り言を言っている。刺客はすでに打ち倒した。ここに敵はもはや居ないだろう」

ミリセント「それならば、いいんだがな…」

突然の山場をギリギリで切り抜けて、全員が披露困憊の中で、危機から解放された安心感で上の口も緩む。まわりは血だらけで、襲ってきたオンナの死体もあるのに、不釣り合いなほど弛緩した空気があたりに漂う。ミリセントが叩きつけられた岩壁がドスンと倒れた音も響いて、あんなデカ岩が倒れるほどの力でミリセントをぶっ飛ばす奴を、よくも四人相手にして生き残ったなって、引いた笑いが口に浮かぶ。でもエビ虫人間と、あのイケメン女騎士がどうなったのかを考えると、その笑みもため息に変わる。

そして岩壁が倒れた所から、ぬかるんだ地面がひび割れてバコッて音を立てると、崖側の地面が引っ張られるように崩れた。

ネフェリ「なっ!?」

マネージャー「あ!」

その崩れた地面には、ミリセントが立っていた。
聖樹の底へ向かって落ちていく土や岩と一緒に、ミリセントの両足も宙に浮いて落下していく。
そんなミリセントは、何故か安心したかのように目を閉じた。


拓也「マジかよぉー!」


オレも、ネフェリも、マネージャーも、ミリセントからはほんの少しだけ遠くて、ミリセントが落ちるのは速かった。
走り出す暇も無くミリセントは視界から消えてしまい、オレは唖然として立ち尽くして、ネフェリは膝をついた。

ネフェリ「そんな…」

聖樹の下の方からは、デカいものが墜落する音が響いてくる。
それと同時に、生き物を倒した時に出てくる、あのルーンがネフェリに向かってやってくる。

ネフェリ「嘘だ…そんな馬鹿な…」

ネフェリ「どうして…」

両手を地面について泣き崩れるネフェリに、オレもマネージャーも声をかける余裕がない。
ただ目の前で起こったことをどう受け止めて良いのか分からずにいて、マネージャーもキョトン顔で何が起きたか分かっていない。
頭の中にいきなり思い出が浮かんでくる。初めて会った時は、ミリセントに股間を蹴り上げられたとか、円卓では隠し持ってたイエロの瞳をほとんど没収されたなとかが浮かんで、さらなる思い出の呼水になりながら、記憶の波に塗りつぶされていく。

レナラの魔法からオレを守ってくれたこと。ラダーンの前に立ちはだかったその背中。オレとディアロスと一緒に背中を流し合ったこと。王都で見せた鮮烈な強さ。ふとした拍子に見せる微笑み。オレが死にそうになってるわけでもないのに、ミリセントはもういないのに、ミリセントとの走馬灯が現れては消えていく。となりに立ってるマネージャーが「…ミリセントさんは…?」と呟く。すると「もし!もし!助けてーっ!」っていう、馬鹿に間の抜けた叫び声が聞こえてくる。
何かと思って崩れた崖にフラフラ近づいていくと…




蛇になっているラーヤが、太い木の根にしがみついた体勢で首を伸ばし、落ちたはずのミリセントを咥えていた。

ラーヤ「助けてください!重いです!」

ラーヤの後ろには、騒ぎを聞きつけた兵士達が群れをなしてついて来ていて、気を失ったミリセントを咥えてプルプル震えてるラーヤは、兵士たちに引き戻されていった。

176名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 21:06:22 ID:aUmnn46k

ネフェリ「よかった…お前を死なせてしまったかと…」

ミリセント「すまなかった。まさか足場が丸ごと崩れるとは思わなかったんだ…」

ラーヤと兵士達の手で助け出されたミリセントを、ネフェリは抱きしめて肩に顔を埋めて背中を震わせている。当のミリセントは困ったような顔で、どうしていいのか分からないみたいで視線をこっちに向けてくる。そんな顔されてもオレもマジで焦ったんだよな!マネージャーなんて今頃になって泣いてるしでもうメチャクチャだし、ミリセントのせいじゃないのは分かってるけどさ、心配させるんじゃねーよ!って心の中で説教モードに入る。まわりにいる兵士達もビンビンに気が立ちまくりで、全員剣を抜いてそこら辺を歩き回って、怪しい草むらを刺したり、崖下を覗き込んだりしている。

ミリセント「ラーヤ、助けてくれたこと、感謝しているよ。でもどうして君はここに?」

ラーヤ「禁域の向こうの探索が進めば、禁域の向こうの祝福も灯るはずと思い、その灯火を、祝福に何度も出入りすることで確認していったのです」

ラーヤ「その甲斐もあり、こうして英雄様をお救いすることもできました。もし、私が罰せられるとしても、私に悔いはありません」

ミリセント「罰するなんて…そんなことは、私はしない。君は命の恩人なのだから」

ラーヤ「ああ…あなたをお救いすることができて、本当によかった…」

ミリセントは安心顔のラーヤからも後ろから抱きつかれて、いやらしさの一切無い三連結が完成。マネージャーもようやくグズるのをやめて、ぐっしょり濡れたハンカチをポケットにしまって鼻をすすった。

マネージャー「はぁ…もう本当に心臓に悪いです…襲われるし、斬られるし、ミリセントさんは死にかけるし…散々ですよ」

マネージャー「だいいち、襲ってきた彼女達はなんなんですか?遺体を調べようにも、あっという間に腐敗して消えてしまいましたし」

ミリセント「…彼女達は、私の姉妹だ。マレニアの心はほとんど継ぐこともなかったが、その力の片鱗は持っている」

ミリセント「彼女たちは、悪意の主の命を受けて、腐敗の熟した姉妹を狩り、朱き花として咲かせる使命を帯びている」

マネージャー「同じ姉妹を、狩るんですか!?」

拓也「姉妹で殺し合いかよ!チョーSどころじゃねーぜ!」

物騒な真実を聞いて、さっきまで泣いていたネフェリもミリセントから離れて、キリ目の戦闘モードで「それは本当か?」とミリセントに聞く。ラーヤにも顔を覗き込まれて、ミリセントは何かを決心したように話を始める。

ミリセント「ああ、本当だ。すでに何度か退け、襲ってくることも無くなっていた。諦めたと思っていたんだが、甘かったようだ」

ネフェリ「何故それを、もっと前に…」

ネフェリ「…いや、その話はもはや済んだことか。それで、お前は悪意の主とやらに、心当たりはあるのか?」

ミリセント「ある。その者は腐敗に生じる蕾から、朱き花を育てることを目的としている」

ミリセント「たしか、ゴーリーと名乗っていたはずだ」

拓也「は!?ウッソだろお前!」

ネフェリ「ゴーリーだと!?」

マネージャー「ゴッ!…それ、あなたのお父さんですよ!?」

全身に電流を流されたような衝撃に、拓也の認識がまたもぶっ飛ぶ。
あのゴーリーって奴、優しそうな顔してミリセントを娘とか言ってたのに蓋を開けたらこれが本性かよ!ミリセントや姉妹達を愛さずに、ただのペットとして見てるプロ級の腐敗マニアだったことを知って、初めて会った時にミリセントに金の針を仕込んだことも何かの策略に見えてくる。もしかして今になってミリセントの腐敗が悪化してるのも、あの針に細工がしてあるとかなんじゃねーの?

ミリセント「父か…たしかに、そうと言えるかもしれない…私も朧げながらに覚えているのだから」

ミリセント「腐敗の沼から、嬉しそうに私を拾い上げる、彼の姿を」

マネージャー「…信じられない…なんなんですか?…ギデオンといいゴーリーといい、この世界にまともな父親っていないの!?ラーヤさんを愛していたライカードが一番まともじゃないですか!」

義憤に駆られてマネージャーは地団駄を踏む。けどそれを言っちゃうと、お母さんを捨てて出ていったオレのお父さんにもちょっとカスってオレも怪我するんだよね。ネフェリもため息をつくけど、ミリセントは話を続ける。でも次の話もまた重くてキツかった。

ミリセント「私は…彼の悪意には屈したくなかった…」

ミリセント「彼の望むように、私ではない何かには……命を食い荒らす腐敗の花とは、なり果てたくなかった」

ミリセント「だから私は…姉妹達が目の前に現れた時に…考えたんだ…」

ミリセント「姉妹達を、もし打ち破れたのなら、金の針を抜き、この命を絶とうとな」

拓也「マジ!?それって自殺!?」

悪い父親を倒したいって話かと思いきや、いきなり自殺未遂が発覚してマジ狂い!どうしてそうなっちゃうんだよ!ミリセントは気持ちが優しすぎて、サイテーな父親に復讐したいとか悪事を止めたいとかにはならないんだろうけど、それでも自殺なんてやっちゃダメだぜ!ミリセントは悲しくないかもしれないけど、オレ達は絶対みんな悲しむからな。

マネージャー「命を絶つって…」

ネフェリ「馬鹿なことを…どうしてそうなる…! 死んだところで、お前の死に呪われる者が生まれるだけだ!ゴーリーを成敗しようとは思わなかったのか!?」

ラーヤ「も、もう、そう考えてはいませんよね…? 英雄様は、こうして生きています。あなた様が死を選ぶなんて、私は…」

ミリセント「大丈夫だラーヤ。今はもう、針を抜く気はない」

ミリセント「君に命を救われて、ネフェリとマネージャーに泣かれてしまったんだ……私の命は、もはや私だけのものではないと、今ならわかる」

ミリセント「まだ少し、私も腐敗に抗ってみるよ」

ラーヤ「よかった…もう死ぬだなんて、言わないでください…」

拓也「少し抗うじゃないっすよ!ずっと抗ってくださいよ!」

ミリセント「あ、ああ、そうだったな」

177名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/16(月) 21:26:48 ID:aUmnn46k


ミリセントと探索漬けの日々   投稿者:ビルダー拓也


死ぬ寸前まで痛めつけられたけどギリギリでオレ達は生還して、ミリセントも死なずにすんで、思いもしない黒幕も発覚したけど、今はゴーリーよりもマレニア優先ってことで探索の続きだぜ!と言ってもマネージャーもオレもヘトヘトだし、ネフェリも聖杯瓶を使い切ったから次の祝福までは独眼竜状態だぜ。まぁ兵士の護衛もついて今度こそ大丈夫だと思うけどね。

ネフェリ「…ミリセント、お前が落ちた時に、多くのルーンを得たが、あれはなんだったか分かるか?」

ミリセント「いや、心当たりはないが?」

ラーヤ「あれは樹霊のルーンです。崩れていった足場の中に、樹霊の尾が見えました。戦いの最中に、あれが目を醒さなくてよかったです」

ネフェリ「樹霊までいるのか。この聖樹は、環樹までも行っていたのだな」

喋りながら壁の横道に入って、梯子を降りて水路を進むと、水路脇に祝福が見えてそこで休憩を入れる。ネフェリの独眼竜も祝福のバワーで治って、マネージャーは「生肉団子と苔薬が切れたので、ちょっと補充しに行ってきますね。待っててください」と言って祝福の光の中に消えていった。それからちょっと間があって、ゴーリーについてミリセントが語り始める。

ミリセント「…ゴーリーについてだが、私は、復讐をしようとは思っていない」

ミリセント「彼を斬ることはできる。…だが、腐敗の拡がりを望む者は、腐敗がなければ、そもそも現れなかったはずだ」

ミリセント「そんな彼を、マレニアの分け身である私が斬るのは、勝手のように感じるんだ」

ネフェリ「勝手?」

ミリセントからの意外な言葉に、ネフェリが聞き返す。
でもオレはミリセントの言いたいことがなんとなく分かった。
お母さんに「こんな子産むんじゃなかった」って言われたことがあるからかなぁ?

ミリセント「彼もきっと、望んで腐敗に生まれたわけではないんだ」

ミリセント「ただ、そのように生まれたから…生まれたままの己だけで、生きる道を探すしかなかったんだ」

ミリセント「それを、私は責めることはできない。…ましてや私は、彼を生み出した側に立つ者なのだから…」

そこまで聞いてから、ネフェリはフンと鼻から息を吐いた。ネフェリの性格と、ネフェリが育った蛮地をどんな王が仕切ってたか考えると、ネフェリがミリセントの考えを気に入らなく思うのも無理がないよな。ネフェリは見て分かるとおりのバリバリの体育会系女子だからな。

ネフェリ「ミリセント、お前は優しい。優しくて愚かだ」

ラーヤ「愚か?そうでしょうか…」

ネフェリ「愚かさ。生み出した側の者であると言うのなら、生まれた者が道に迷う時に、導いてやるべきだろう」

ネフェリ「過ちを繰り返すならば止めてやり、過ちを認めないのならば罰する。過ちに信仰を抱き、過ちによって滅びを招こうとするのなら、いっそ殺してやるのが情というものだ。穢れた惨風は、清風に吹き飛ばされねばならない」

ネフェリ「強き者は、勇者となって弱き者を助する使命を帯びるだろう。しかし、血に濡れた卑怯者などに、生きる道など無い。ゴーリーは卑怯者であり、血も流しすぎた。殺してやるのが情けだ」

ネフェリの突き出してきた蛮地の理論は、死刑制度がある現代の倫理観に意外と近かったけど、近いってだけで決定的な違いがある。蛮地では犯罪を犯罪として認めて、罰を与えたり処刑したりしているものが、法律ではなく人の情けなんだよね。でもゴーリーの場合は、エルデの地の法律なんてものが完全に壊れてる現状だと、もう個人の感情でどうにかするしかない気もするんだよな。ここは新宿じゃないしな。どんな人にも最低限の権利はあるとかの、現代の基本的な倫理観が全然ないかもしれないし。そうなるとオレにはネフェリの意見も、ミリセントの意見も否定できなくなって、上の口も下の口も閉じて悩むだけだ。

ミリセント「…私には…そう言い切ることはできない…」

ミリセント「過ちを犯した者を、殺すことが情けと言うのなら、どうして君はゴドリックを殺さなかった?」

ミリセント「一度は刃を交えて、君はゴドリックを殺そうと決めたはずだ。でも君は考えを改め、ゴドリックを見逃した」

ミリセント「私は、その時の君を信じたい。生かすことも、また情けであることを」

ネフェリは痛いところをミリセントにソフトタッチされたらしく、「あれは…」と何かを言おうとしたところで、ため息をついてバツが悪そうに祝福を眺め始める。そしたら祝福の光が強くなって、中からマネージャーが出てきた。

マネージャー「物資の補充が終わりました。先に進みましょう」

マネージャーの一言で休憩を終わらせて、祝福から離れて水路から出ると、また木の根を伝って聖樹の外側の街を歩く。長い年月で建物が壊れちゃってるから仕方ないけど、狭間の地は建物の中の移動経路がチョーごちゃごちゃしてて、火事とか起きたら避難が間に合わなさそうなりね。というか聖樹に建物くっつけてるような場所なのに松明とかが点いてるから、この薪をオレが蹴り倒すだけで大火事が起ると思うと、首筋の毛が逆立ってくる。防災意識ぐらいしっかり持ってくれよな!

178名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/17(火) 20:48:09 ID:h0pwMgm6

木の根を伝って下に降りていって、最初の方で見たような教会に似た建物に入ったら、中には木が掘られた石板が並んでて、エビ虫人間が案の定ミリセントに祈りを捧げてくる。

マネージャー「この石板の並びは…どうやらここは墓地のようですね」

拓也「墓っすか?それがマジな話だったら、墓に城の主人を住まわせてるってことになるじゃないですか」

マネージャー「ありえる話ではあります。環樹というのは、木の根に死者を埋めることによって、樹に死者の生命を還してから、新しい生命として産み直すことを指します。つまり、命のパワーみたいなものは木の根に集まっているという信仰が、狭間の地にはあるんです」

マネージャー「それなら、最も尊い人を木の根近くに住まわせることにも、木の根に墓が近いことにも説明がつきます。あくまでこれも私の推測に過ぎないですけど」

オレは心の中のマネージャーにスーパーヒトシくんを贈呈しながら、教会奥のエレベーターに乗る。すると兵士達は全員敬礼をしてから去って行くから、オレも「うっす…」と反射的に小声を漏らす。それからミリセントがエレベーターのスイッチを踏むと、オレ達5人は聖樹の底へと降りていく。


エレベーターが止まると、木の根だらけで埃っぽい、薄暗い部屋に到着。部屋の真ん中には祝福が光っていて、部屋の横にはもうひとつ部屋があり、そこにはオレを縦に二人並べたよりもデカい、朱い花が咲いている。

ネフェリ「この花…まさか…」

ミリセント「これは、朱い腐敗の花だ」

マネージャー「えっ!?」

拓也「ヤバっ!」

ミリセント「心配はいらない。この花は小さく、すでに咲いたあとでもある。腐敗はすでに吐き尽くして、あとは静かに、そこにあり続けるだけだ」

マネージャー「…ということは、聖樹の腐敗はこの花のせい?」

ミリセント「そこまでは分からない。ただ、この花に近寄るだけなら、腐敗を患うことはないだろう」

ミリセントからの答え合わせでオレとマネージャーもひと安心。ラーヤも口を覆っていた手を離す。一瞬オレは死を覚悟したけどネフェリは両手に斧を持っていた。こんなワケわかんねー病気の塊みたいなのが相手でも戦う気なんだから、よくその闘争心の種火が消える時がねーなって思うぜ。

朱い花の部屋を一応調べてみると、マネージャーがエレベーターを発見。でも今は用は無いから、ちょっと戻って祝福を点けたあとに、そこで一度蟹休憩を挟んでから、祝福のある部屋の奥からうっすらと見えるもうひとつの通路に向かう。階段を降りてそのまま真っ直ぐ歩いてたら木の根で出来たチョー広い空間に出た。

拓也「うお…でっか…」

マネージャー「ここが聖樹の最下層…木の根で自然にできた空間とは、思えませんね」

ネフェリ「風と水が澄んでいる。腐敗で穢されたものが、ここでは浄化されているのか?」

ラーヤ「ですが、腐敗に芽吹く草花も見えます。腐敗と、そうでないものが、混ざり合っているかのようです」

木の根で出来たドーム状の空間の中を、確かめるようにゆっくり進む。足元の木の根を踏むと腐敗臭の代わりに古い草の匂いが鼻に入ってくる。遠くに見える水たまりも透明で、上で見たようなドロドロの腐敗汁はどこにも見えない。もしかしたら本当にここは浄化されてるのかもね。ミリセントは俺たちよりも少し速いペースでドームの中を歩いていく。そして水たまりに踏みいって、パシャって音がすると同時に歩くのをやめた。

拓也「お,何かあったんすか?」

ミリセント「…彼女だ…」

拓也「え?」


視線を何かに奪われたままミリセントが呟いて、オレはミリセントの目線を目で追っていく。
オレは舐めるように目線動かして木の根を鑑賞しながら、その木の根に触れる人の手に気付いて「あっ…」と声を上げる。椅子に座ったそのオンナには片腕が無くて、足元には金色の義手と兜が置いてある。髪は燃えるように朱く、表情は虚ろで何を考えているのか分からない。でもその横顔には見覚えがあったぜ。
オンナの顔は、ずっと長い間、一緒に旅をしてきた仲間の顔とソックリだった。


オンナは一言も話さないしこっちを見もしないし、ただ木の根に張った蔓の一本みたいに、木の根をゆっくり撫でていた。

179名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/17(火) 20:59:17 ID:h0pwMgm6

ネフェリ「おい、どうした?何を見て…」

俺の後ろからは、ネフェリが言葉を切って息を呑む音が聞こえる。そのあとまた水音がしてマネージャーとラーヤが小さな声を漏らす。オレ達はみんなして水溜りに足を踏み入れたまま固まっていて、遠くで座っているオンナから目が離せない。

するとオレ達が入ってきた入り口からそよ風が吹いてきて、ミリセントの髪についていた枯葉を宙に舞わせる。
舞った枯れ葉はオンナの足元の義手に乗ると、また流れていって、奥の暗い影に隠れた。

「…長い、夢を見ていた」

オンナが声を発して、オレ達はまた息を呑む。
そして、その一挙手一投足に様々な感情を覚える。
興味、期待、不安…そして悪寒付き恐怖を感じて、それでもオンナから目が離せない。

「体は貧金、血は腐れ」

「幾万の屍を積み上げ、ただ一人を待つ」

オンナは重々しくガタイを起こすと、屈んで義手を拾う。
それから義手を右肩につけて、兜を手に取って頭に被った。
そして剣を構えた時、オンナの足取りから重さが全く無くなった。


マレニア「貴公らも、知るが良い。ミケラの刃、マレニアを」

マレニア「敗れを知らぬ戦いを」


穏便なファーストコンタクトがマレニアに無視されて、気づいた時には一触即発になっていた。ただならない雰囲気を感じ取ったマネージャーはラーヤの手を引いてドームの隅に退避。ネフェリとミリセントも武器を取ったけど、その瞬間にはもうミリセントの鼻先にマレニアが現れていた。

ネフェリ「なにっ!?」

ほとんど瞬間移動に近い超スピードで現れたマレニアに、オレはおろか、ネフェリですらも全く反応できなくて、気付けばミリセントが袈裟懸けに斬られる。ミリセントもいつ斬られたのか分からずに、血を流しながらそのままヨロヨロと後退して、跪いて吐血する。

ミリセント「な…なにが…いつ斬られた…」

マネージャー「え…なに?何が起きたの?」

ネフェリ「うおおおっ!」

間合いに入られてミリセントが斬られたことで、ネフェリは反撃するしかなくて、両手の斧を振り上げて空中攻撃を仕掛ける。でもネフェリの斧がマレニアの兜に当たる瞬間、ネフェリは何故か背後からマレニアに斬られて、地面に叩きつけられていた。

拓也「ウッソだろお前…」

ドラゴンボールみたいな激ヤバのスピードで、一瞬にしてミリセントとネフェリを倒したマレニアが、拓也の胸元を鷲掴んで垂直に放り投げる。そしてオレのガタイを激長ブレードで刺し貫こうとして、ミリセントの剣に阻まれた。

拓也「あ!」

いきなり深傷を負ったミリセントは、わざとかどうかは分からないけど一気に咲きかけ状態に移行。朱色のミキサー攻撃がマレニアに炸裂する。ミリセントはそのままマレニアを勢いに任せて押していき、空中に飛んでいたオレは地面に落ちて、両乳首とチンポを同時に強打して悶絶。その間もミリセントはマレニアを押しまくるけど、攻撃自体は全部マレニアの剣に阻まれて、ガガガって音と一緒にド派手な火花を撒き散らすだけだった。

ネフェリ「おおお!」

聖杯瓶を一発キメたネフェリが立ち上がって、マレニアに向かって例の人間洗濯機を繰り出すことでミリセントに援護を入れる。マレニアはミリセントとネフェリからの怒涛の同時攻撃を剣で受けてるけど、流石に勢いが強烈だったらしく、後ろに大ジャンプして距離を取る。その間にオレはラーヤとマネージャーに合流。ネフェリには聖杯瓶が残ってるし、ミリセントは咲きかけてるお陰か傷の治りが速くなってる。

180名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/17(火) 21:11:50 ID:h0pwMgm6

ラーヤ「あれは…!」

マネージャー「ミ、ミリセントさん!?あなたの体…」

ミリセント「構わないでくれ!マレニアを相手に、加減はしていられない!」

マネージャー「ダメですよ!あなたの腐敗が咲いてしまいます!そうなれば何がおきるか…」

マレニアはこっちの会話なんて聞いてくれないから、マネージャーの言葉を無視して突きを繰り出す。その突きもほとんど瞬間移動で、どこからどこまで飛んだのかも分からない。かろうじて見えたのは、武器で防いでぶっ飛んでいくネフェリとミリセントの姿だけだった。

ネフェリ「は、速いなんてもんじゃない…見えない…」

素早く立ち上がったミリセントがネフェリを起こす。
マレニアはそんな二人を前にしても追い討ちなんてせずに、ゆっくりと歩いてくる。

マネージャー「ネフェリさん!勝てません!逃げましょう!ミリセントさんを連れて撤退してください!」

マネージャーはそんなこと言ってるけど、オレと同じで、多分逃げられないのは分かってる。背中を向けて一歩でも走り出した瞬間に、瞬きする暇もない超スピードで首を跳ねられて終了。そんな結末しか見えないからこのドームに入った時点で脱出なんて無理だぜ。

ネフェリ「フッ…ラダーンを倒す手掛かりか。ギデオンもタチの悪い冗談を言ったものだ」

ミリセント「ネフェリ、まだ戦えるか?せめてあの三人だけでも、生かして帰したい」

ネフェリ「なんであれ、戦おう。私は蛮地の勇者なのだからな」

マレニアに向かって二人はまた戦闘体勢を取るけど、こんな奴相手に勝機なんてあるのかよ!
ネフェリの斧にはもう一度風と雷が沸き起こり、ミリセントの義手から朱い蝶が飛び立ち始める。

マレニア「知り得ぬか。ミケラの刃、マレニアを」


その二人を前にしても、マレニアの歩みは余裕たっぷりって感じで遅くて、まるで誰もいない野原を一人で散歩してるみたいだ。


ネフェリ「オオオオーッ!」

獣のように吠えたネフェリがマレニアに飛びかかると同時に、ミリセントは高く跳び上がって空中からマレニアを襲う。渾身の力で振るわれる雷の斧をサイドステップでかわしたマレニアは、ネフェリの背後に回り込んで斬撃を繰り出すけど、その剣は空中のミリセントに弾かれてネフェリの頭上スレスレを通過する。

その隙にネフェリは斧に嵐を呼んで小型の竜巻を作り、マレニアをどんどんどんどん切り裂いていく。でも流石に神の血を引いてるだけはあって、マレニアの身体はネフェリの斧を叩き込まれてもかすり傷程度しか傷つかない。そこにミリセントの空中ミキサー攻撃もプラスされるけど、体勢を一瞬で立て直したマレニアはその攻撃もネフェリの嵐ごと防いで、二人を弾き飛ばす。

弾かれた二人はマレニアから離れたところに同時に着地して、マレニアにギン目を向けて再び戦闘体制に入る。そして二人が気付くと同時に、遠くで戦いを見てるしかない俺たちも気付いた。

拓也「マジかよ…」

マネージャー「そんな…こんなの…どうすればいいんですか…?」

ラーヤ「英雄様…ネフェリ様…ああ、お父様、どうか二人をお守りください…」

ネフェリとミリセントの攻撃でついた擦り傷はマレニアに無視されて、この一瞬で消えていた!
あれだけの連撃を浴びせて与えたダメージがどこにも残ってなくて、かわりに圧倒的な絶望をマレニアが残してくるから、マジ狂う気力さえも砕かれた拓也は恐怖でガクガク震えながらその場にヘナヘナとへたり込む。その時の拓也の脳内に浮かぶのは、昔セックスしたボーイくんとの妄想ごっこだった。

「拓也は戦車にひかれても死なないんだよな」

「氷の海に沈められても大丈夫だよな。」

「高圧電流にも耐えられるよな!」

負けることを知らないプロ級マレニアの奴はきっと平気で耐えてくる。そもそも耐える必要があるのかすら分からねーよ。冗談で言ったような、妄想で遊んだような事を悪夢へと変える、絶対に出会いたくなかった真のチョーSの出現に、オレは心を徹底的に心を砕かれて、逃げろの一言すら言えなくなっていく。

ネフェリ「傷が…無い…だと…!?」

ミリセント「治癒したのか…今の一瞬で…?」

マレニアの激ヤバな自己再生能力は、この場にいる全員に絶望を与えつつも、同時にひとつの疑問をズブリと植え付けてくる。自己再生がマレニアの持つ何かのせいで生まれた力なら、その自己再生が今起きてるミリセントには、何が起こってるんだよ?その疑問には初めから答えは用意されてるけど、拓也はそれには目を逸らす。

ミリセントの花が咲けば、ミリセントは第二のマレニアになって、この場にいる全員が腐敗に飲まれて即逝き。その可能性を認めると、マレニアに斬られて死ぬかミリセントと一緒に腐って死ぬかの、二つにひとつを選ばなきゃいけないシチュエーションだとわかってしまうからだ。

マネージャー「あっ…」

ネフェリとミリセントが絶望感と無力感に飲まれていると、マレニアのヤツがふわりと跳び上がる。
それから空中で剣を構えると、あのミキサー攻撃がやってくる。

181名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/17(火) 23:06:44 ID:h0pwMgm6

マレニアの剣がブワっと動きだす瞬間に、ネフェリとミリセントはギリギリで武器を構えるのが間に合った。
でも空中からミキサー攻撃をブチかまして来るのは、デミゴッドを斬り刻むのが趣味のプロ級マレニアだ。密室でヘリコプターのプロペラをフル回転させてるようなバカデカい音を立てながら、マレニアが刃の球体みたいになって超スピードで二人に飛んでくる。目に見えるだけでも剣の振りと音の数も明らかに合ってなくて、一度振った音で10発以上?20発以上?もう何回剣を振ってるのかも分かんねー勢いで振りまくっていた。

その超スピードで回転する刃の塊をガードした瞬間、ネフェリの両手斧は一瞬で弾き飛ばされて何処かにぶっ飛び、両肘から先を粉微塵に吹き飛ばされて血煙に変えられたネフェリは、そのまま刃の嵐にビュンと巻き込まれて嵐の中を跳ね回り、全身を余すところなく切り刻まれて血のシャワーを巻き上げながら、どこがどうなってるのかも分からない状態になってオレ達の所に飛んでくる。

マネージャー「ひっ!」

一方のミリセントは0.5秒くらい耐えたあと、剣と一緒に義手を粉々にされながら刃の嵐に巻き込まれて、両脚を膝下からぶっ飛ばされて左手一本と胴体と頭だけを残して、水溜りの真ん中に叩きつけられて動かなくなった。マレニアの刃の嵐はミリセントとネフェリが吹き飛んだ後も地面にぶち当たり、爆発みたいな衝撃波と一緒に土と木の根を撒き散らして土煙の竜巻を上げながら、ギャリギャリギャリと鼓膜が破裂しそうな轟音を響かせて地面に大穴を開けた。

その間は5秒くらいの時間だったけど、オレ達から正気を飛ばすのにはそれだけで十分なんだよな。
ネフェリはどっちが背中でどっちが胸かも、男かも女かも、元の顔がどうだったかも分からなくなって血まみれで痙攣してるし、それを見たマネージャーは金切り声をあげてその場にうずくまる。ラーヤは腰が抜けて過呼吸になってるところを、弾丸のように突っ込んできたマレニアに顔面を蹴り飛ばされて木の根にぶち当たりバウンド。そのまま地面に倒れて痙攣することもなく動かなくなった。

周りは土煙舞いまくり、木の根の破片落ちまくり、マレニアの朱い服が一瞬だけ視界の端に映りまくりで、オレは恐怖で完全に現実感を消失していて、よく分からない状態になってるネフェリを見ても大した怪我にはなぜか見えなかった。それが逆によかったのか拓也の思考は妙にクリアで、プルプル震える肉塊状態のネフェリを漁って聖杯瓶を探り出すと、頭っぽいところに空いてる穴に聖杯瓶を押し込んで、中の液体を全部飲ませる。

するとネフェリの傷はみるみるうちに再生していって、両手が無くなった状態にまで復活する。でもヒューヒューと息をするだけで精一杯になってるネフェリにマレニアは強烈なサッカーボールキックを食らわして、ドームの端っこからミリセントが転がってるあたりまで転がしていった。

ミリセント「ネフェリ…ネフェリ…返事を、してくれないか…」

片腕だけで這いずるミリセントからの問いに、ネフェリは返事の代わりに、軽くなった腕をピクっと動かす。そうしてる間にもマレニアは剣を構えたオレの腕を切り落として、腹のシックスパックに剣を突っ込んでグリグリ掻き回してくる。壮絶な痛みに吠えることもできずに白目剥いて痙攣してるオレを遠くから眺めつつ、満身創痍のミリセントは話を続ける。

ミリセント「君たちとの…約束だが…」

ミリセント「…守れそうに、無いな…」

それだけを言うと、ミリセントは飛びそうな意識の中で片腕だけの力で身体を起こして、残った両太ももで辛うじて座る体勢を作る。拓也を瀕死に追い込んだマレニアは腹筋から剣を引き抜くと、伏せて泣きじゃくるマネージャーの髪を鷲掴んで無理やり引き起こしたあとに、喉を掻き斬ろうとする。オレは地面に倒れてピクピク痙攣して、あの絶頂すら全く来ない。

ミリセント「マレニア」

そしてミリセントに名前を呼ばれると、マレニアはマネージャーを離してミリセントの方に歩いていく。自由になったマネージャーは鼻水と涙を垂れ流して完全にテンパった顔だったけど、必死にポケットをまさぐって生肉団子と苔薬を取り出す。でもその数はたった三人分しか無い。それはついに、傷を治す治療品が尽きたことを意味していて、あー、オレもうマジで死ぬなって、激痛に喘ぎながら、麻痺しまくりの妙に冷静に浮いた思考で考える。

オレとラーヤを必死に治療するマネージャーを無視して、マレニアはゆっくりとミリセントに近づいていく。ネフェリはミリセントのやろうとしてる事が、何にしても良いことなんかじゃないことを察したのか、無い腕でミリセントの脚に触れようとする。

ネフェリ「だめ…だ…やめろ…」

ミリセント「…大丈夫だ…君達は、これで助かる」

ミリセント「みんなに伝えてくれ…君達がいてくれて、一時とて…私は私として生きることができたと…」

ミリセント「…ありがとう…」


瀕死のミリセントの前に立ったのは、あの破砕戦争の大英雄。
マレニアがミリセントに向かって剣を振り上げると、ミリセントは自分の空っぽの右肩に左手を突き刺す。
直後にミリセントの腹を剣が貫いて、同時にミリセントは右肩から金の針を抜いてから、針をマレニアの胸に突き刺していた。


ミリセント「マレニア…君に…返そう…」

ミリセント「君の矜持…君の…戒め…」

ミリセント「君の……こころを…」


金の針が抜かれて、二度も開花したミリセントの身体はみるみるうちに腐敗に飲まれていく。全身の傷口や穴という穴から白と赤のカビが生えていって全身を覆っていき、ミリセントは手足が欠けた人型のカビの塊になっていく。ネフェリは無い両手をミリセントに向けながら、歯を食いしばって荒く息をしながら、目の前で起きてることを否定するかのように泣くのを耐えている。オレの体も、消えていくミリセントの命を吸ってるみたいに、生肉団子と苔薬で急速に治っていくし、意識もすぐにハッキリしてくる。

そしてミリセントだった人型はバラッと崩れると、崩れた破片が朱と白の蝶に変わってマレニアを一瞬囲むように羽ばたいてから、マレニアに溶け込むようにして消えていった。マレニアは立ったまま動かずにいて、静かになった木の根のドームの中ではマネージャーの「起きて!起きて!」っていう、ラーヤを起こそうとする声だけが響く。

ラーヤ「う…ごほっ…」

マネージャー「はぁ!起きた!よかった…!生きてる…!」

傷が治ったラーヤを、マネージャーが抱き起こす。オレはフラフラの足でそんなマネージャーの後ろに立って、決して絶対に口になんかしたくない事を話さなきゃいけなくなった。

拓也「マネージャー…」

マネージャー「拓也!あなたも生きてましたか!?ラーヤさんを早く連れて…」

拓也「ミリセント、死んじゃいました…」

オレからの報告を聞いて、マネージャーの動きが表情も含めて全て止まる。
抱き起こされていたラーヤは、口を閉じたまま、ただ両目だけを大きく開いた。

182名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/17(火) 23:25:24 ID:h0pwMgm6

マネージャー「……え?」

しばらく間があって、忘れてた言葉を思い出すかのようにマネージャーが声をもらす。
ラーヤはただ呆然として、マレニアが立ってる方向を眺めてる。オレにも拓也が何を話してるのか分かんねーよ。

マネージャー「…死んだ…?」

拓也「ウス…マレニアに刺されて…そしたら金の針、抜いちゃって…腐って、バラバラになって…」

どうしてミリセントが死んだのかを、何もかもに疲れ果てたオレがボソボソ喋ると、マネキンみたいに生気の無い顔でラーヤがたずねてくる。

ラーヤ「なんで?」

ラーヤのその「なんで」が、理由を聞いてる言葉なんかじゃないことは、今のオレでも分かるぜ。それは暗い感情が少しづつ湧き上がって、すぐに大きくなって、堪えきれない悪感情に育っていくことを意味する「なんで」だったんだ。

マネージャー「あっ!」

急にマネージャーが声を上げて、ラーヤの肩もビクッと動く。
オレも振り返って見ると、兜を外したマレニアが、両手を失くして気絶してるネフェリを胸に抱えて、近づいて来るところだった。ヘビに睨まれたカエルのように、オレもラーヤもマネージャーも動けない。マレニアの両目は腐敗の白い角質で塞がれていたけど、オレ達に近づくたびに角質はひび割れていって、オレたちの目の前に立つ頃には黄金色の二つの瞳を輝かせていた。

マレニアはネフェリをゆっくり下ろすと、オレ達に背中を向けて歩いていく。
「どうして…?」ってマネージャーが呟くと、マレニアの背中に怒声が飛んだ。

ラーヤ「お待ちください!」

マレニアは脚を止めたけど、振り返ったりはしない。
ラーヤは怒鳴り続ける。

ラーヤ「ネフェリ様を生かしたのなら、なぜ戦いを始めたのですか!」

ラーヤ「英雄様をどこにやったのですか!どうして私たちと戦わないんですか!」

ラーヤの怒鳴り声がドームの奧の静寂に消えていく。


マレニア「…私はもう、貴公らを斬らぬ」


その静寂を破ったマレニアは、オレ達に背中を向けたままだった。
ラーヤはマネージャーとオレと一緒に絶句して、次の言葉をひり出すのに何秒もかかった。

ラーヤ「…今、なんて…」

ラーヤ「…あなたは…なんなのですか…?」

マレニア「私のことが知りたくば、その勇者に聞くといい」

マレニア「きっと多くを語るだろう。しかし君の…貴公の望む答えはそこには無いはずだ」

このマレニアの言葉に違和感を覚えたのは、きっと三人共ともほぼ同時だった。ラーヤのことをキミって言う奴は一人しかいないからだ。オレはガタイで分析することもできない、信じたくないことを何もかも察しながら、奥歯に力を入れてネフェリを背負う。マレニアの言ってることは多分そのままの意味なんだろうし、それにネフェリの傷だと、マジで早いところ祝福にあたって円卓に帰ってあげないと手遅れになるかもしれない。そしてマネージャーの中でも嫌な予感が確信に変わった。

マネージャー「…ああ…そういうこと、なんですね…」

悔しいのか悲しいのかも分からない表情でマネージャーが呟く。
ラーヤは顔を震わせて、その目には涙が浮かんでいた。

ラーヤ「そんな…嫌です……こんなこと、ひどすぎます…」

ラーヤ「どうしてこんなことに?…これが黄金律からの手酷い仕打ちではなくて、なんだと言うのですか…?」

マレニアは振り返らない。
そのマレニアにラーヤは駆け寄って、マレニアの左手に両手で縋りついた。

ラーヤ「お願いです、返してください…英雄様を返してください…!」

ラーヤ「どうか…どうかお願いです…!」

ラーヤ「あの方が、あなたに何をしたというのですか…!」

震えた声で泣いてすがるラーヤに、マレニアはとうとう振り返ってから、かがんでラーヤを抱き寄せる。

ラーヤ「ああ…」

マレニアが伏せたその目に、オレたちとラーヤはミリセントの面影を見た。
それでラーヤも何もかもが手遅れなことを悟って、マレニアの胸の中でただ嗚咽するだけだった。


マレニア「すまないラーヤ…私は貴公から、主を奪ったのだ」

マレニア「己の腐敗に飲まれ…害してしまった…またしても…」


ラーヤに縋られているマレニアに、「マレニアさんと、今は呼ぶべきなのでしょうね…」とマネージャーが言う。オレ達の誰とも目を合わせずに、マレニアは目線を下げたまま小さく頷くと、マネージャーは深く溜め息をついてから、重くなった口を開く。

マネージャー「あなたは、本来のあなたに戻ったのかもしれません…ですが私達は、大切な戦力であり、なにより旅の仲間だった人を失いました」

マネージャー「そのことが、申し訳ないと思うのなら…ミリセントさんを喪ったことを、少しでも惜しいと思うのなら…」

マネージャー「ミリセントさんの遺志を、どうか汲んでください…そして、教えてください…」

マネージャー「彼女の旅の結末を…彼女が最期に、何を私たちに託したのかを…」



マレニアはマネージャーの言葉に頷いた。
ミリセントの姿はどこにもなくて、ただ義手と剣の破片が、ドームに散らばるだけだった。

183名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 21:56:05 ID:1INPoOOE


【マレニア、オマエかぁ💥】


一緒に冒険して

昨日まで元気で

誰よりも強かったミリセントが



今日の円卓でゎ

マレニアに変わっててびっくり❗👀

「……何を話せばいいのか…わかりません…」

って…マネージャーが途方に暮れてるから、次何やるかを話せばいいって教えたら


「…ああ…次ですか…」


マレニアそっちのけで大祝福に見とれてるし…


はぁぁ〜、、、

( ̄∇ ̄ )(マネージャーゎ知らないけどね、オレは昨日円卓に帰ってからずっと泣いてて、たくやゎイエロの瞳をキメてエネルギーぉ無理やり入れてるんだよぉ〜)



まぁ良かったね、ミリセントがマレニアにランクアップしてさ


ミリセント似のヅカ系イケメン顔に、高級そうな服を着て、マジ半端ない伝説的なキャラで恐れられてるマレニアさんゎ、狭間の地で公認されてる一級の神人

👀そうなんだぁ、マレニアさん…

ってか




よぅ!






オマエかぁぁ💥😌😌😌






腐女子💥腐女子😱

184名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 21:57:09 ID:1INPoOOE

そーいぇばお父さんのラダゴンなんて、18才のキムタクに圧勝するチョー美形らしいし…


マレニアの遺伝子にゎ


最初から腐敗が隠されていたんだよ



(実ゎ私も

伝説の上で

チョー有毒のキャラなんだよぉ😌


「敗れを知らぬ戦いを」とかね…😌

「知り得たか?ミケラの刃、マレニアを」なんてヤワな言い方しないぜっ

「貴公はおぞましいものを見るだろう😌腐れよ💥」

ってな具合にね)


ミリセントさん

元に戻ったら

お祝いに


拓也もお化粧して
オシャレして、また探索に連れてってあげるね😉


(ちょっとぉ〜😌

あそこの茹で蟹、とってもおいしいわよぉ〜😌)


って感じ?

おやすみ💤
ミリセントさん

そしてマレニアさん

淫夢をね(^-^)b

185名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 21:58:17 ID:1INPoOOE


【ミリセントのイエロの瞳😌】


二日目だけど


心に夕闇が訪れて


激しい虚無感で


ぐったりして…


もぅだめっ


寝ちゃうよ


(ノ-_-)ノ~┻━┻



って時に



ちょっとだけキめる…😌




すると




いつの間にか細身のヅカ系イケメンくんがベッドに入ってきて…




あっあっ!



だめだよ!



「拓也、君はまだイエロの瞳を使っているのか。もうやらないと言っただろう?😠」



「だっ、だめだよ!この前没収したばっかりじゃん!」



「いつも隠し持ってるじゃないか⤴」


拓也は後ろから抱かれて


乳首もみもみ


愛のあるキスされて



マンコにデカマラがブスリ!!


あっ



あ〜〜🌙






なんだ😒


夢だった…

186名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 22:00:26 ID:1INPoOOE

三日目になって


今日ゎどうしようって思って


ベッドの裏を探して


イエロの瞳を発見!



でも最後の一個だから





ミリセントが取りに来なくなっちゃう😣





ネフェリ「おい、拓也」


ネフェリも来てて


今日は二人で取りに来たってさ!


ネフェリ「…私も、経験がないわけではない」

ネフェリ「だが…塞ぎ込もうと、もはや時は戻らないんだ」


そんなこと言うけどさー


お前はどうなんだよっ?👉


ネフェリ「はぁ…」



ネフェリは溜め息ついちゃって

オレはベッドにダウン




ネフェリ「…ブライヴが来てるぞ」

187名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 22:02:05 ID:1INPoOOE


おぃ!







早く言えよなー❤️って

たくゃは単純で



ベッドから飛び起きてから

ちょっとオシャレの時間!


仕込む時間が無かったから、種マンじゃないけど
まぁいいよねっ😌

ネフェリに手を引かれて

部屋から円卓に入って





あ〜






ハメられた(T_T)



円卓にゎマネージャーと、あのマレニア


ネフェリゎオレに苔薬飲ませて

イエロの瞳が消える


いきなりの離脱症状で、あの痙攣がやってきて

拓也わ戻りたくない


兜も義手も外して、座ったままのマレニアは申し訳なさをアピールしてくる

悪いって思ってるならさ、オレを呼ぶなよな!

だんだん頭がはっきりしてきて、後ろのミリセント似の細身イケメンくんが離れてく

ネフェリに肩を掴まれて、椅子に座らされた拓也の隣に
ネフェリがドカっと座ると、はーって溜め息

マネージャー「…今日は、何を話すか決めていません…ディアロスさんからの報告も無いですし、ブライヴさんの方にも、目立った動きは無いそうです」

マネージャー「…私も最近、ぼーっとしてましてね。…まぁ、何も決めずに話すのも、たまにはいいんじゃないですか?」

マネージャーの30連勤明けみたいな激しすぎる疲れが残った微笑みに、ネフェリはまた溜め息で、マレニアは一言も声を出さない。
オレは戻りがひどくて、たまらず下の階に駆け込んで、木の桶にゲロをゲーゲー。
そしたら意識がはっきりして、あの現実がやってくる。

拓也「マジかよ…」

ミリセントの声も形も無くなって、気付けばアイツは消えていた。
ぼやけた木の桶に溜まったゲロに、涙がポタポタ落ちていった。

188名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 22:03:10 ID:1INPoOOE


マレニアとの絡みショウ   投稿者:ビルダー拓也


シラフになって円卓に戻ると、また椅子に座る。ネフェリとマネージャーはいつものように座ってるけど、二人とも目線が落ちてるぜ。まぁしょうがないけどね。ミリセントがいたらその隣にいつもラーヤはいたけど、そのラーヤがいないってことが、円卓で決定的な何かが変わったことを嫌でも教えてくる。そして義手と兜を外した状態のマレニアの雰囲気は、マジで一瞬錯覚を覚えるくらいミリセントに似ていた。

マネージャー「…マレニアさん」

マレニア「なんだ」

マネージャー「まずは…あなたに礼を言うべきでしょうね…ミリセントさんの遺志を汲んでほしいとは言いましたが…あれは、ミリセントさんに戻って来てほしい一心で、言ってしまったことです…」

マネージャー「ミリセントさんではないあなたに…私からの一方的な言葉に、従う義務はありません…それなのに、こうして円卓にまで来てくれました」

マネージャー「…ありがとう、ございます」

マレニア「礼を言うことではない」

マネージャーが話しかけると、マレニアが低音イケメンセクシーボイスで応える。ヅカ系のイケメンに耳元で囁かれたら即勃起する自信があるけど、声の主はあのマレニアだ。胸のサイズも控えめで、顔も声もガタイも男みたいに完璧なギリシャ彫刻ガタイでも、オレは絶対に勃起したくなくて、マレニアのガタイをオンナらしい形に妄想して必死に自分を抑える。同じヅカ系イケメンが相手でも、ミリセントに顔向けできねーからな。

マネージャー「…あなたは、金の針と一緒に、ミリセントさんを取り込んだ…そうですよね?」

マレニア「そうだ」

マネージャー「…そうですか」

マネージャーは自然な会話を心がけてるみたいだけど聞きたい事が多すぎるし、ぶつけたいことも多すぎてどうしても尋問みたいな空気が出てきてぎこちない。それを意識しないようにマネージャーはひと呼吸を入れるけど、ネフェリは頬杖をついて疲れ目でマレニアを眺めはじめる。

マネージャー「…それでは、腐敗は今は治まっているんですね?」

マレニア「疼きは、止まっている」

マネージャー「なるほどね…」

唇をキュッと結んで、マネージャーが次の話題を考えてると、ネフェリが案の定、業を煮やした。

ネフェリ「間怠っこしいな」

椅子から立ち上がったネフェリは円卓の周りをズンズン歩いて、あのマレニアの隣の椅子を引く。「ちょ、ちょっと…」って焦りだすマネージャーをネフェリは無視しつつ、ドカっと座って片肘をテーブルにつき、高身長なマレニアを下から覗き込むように睨む。いきなりヤベー空気になって、流石にそれはマズいって拓也の乳首が警報を鳴らしはじめる。

ネフェリ「お前は、ミリセントのことを覚えているのか?」

マレニア「何を私に期待している」

ネフェリ「なに?」

マレニア「私はミケラの刃たる者、マレニアだ。貴公の知るミリセントは、すでに無い」

189名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 22:07:59 ID:1INPoOOE

キッパリ言われたネフェリは鼻からフンと息をつく。マレニアはラーヤに謝ってたから、悪いことをしたって感じてはいるんだろうけど、ネフェリとマネージャーには何故か態度がカチカチに硬い。生かさず殺す状態まで行きかけたから気が引けてるのかな?それにしては話し方が堂々としてるよな。相手は神様なんでいくら拓也がガタイで考察しても、何を考えてるのか分からない。

ネフェリ「…言い方を変えよう」

ネフェリ「お前は、ミリセントだった時のことを覚えているか?見聞きし、感じたこと、その全てを」

マレニア「覚えている」

返ってきた答えにまさかって感じで拓也の乳首が反応すると、マネージャーがマレニアを二度見。ネフェリの目つきが鋭いものに変わる。戦闘モードってわけじゃないけど、探りを入れてる時はいつもこんな目だ。マレニアの目線はそれでも伏せられたままで、ネフェリの目も見ていない。

マレニア「だからこそ、測りかねている」

ネフェリ「測る?」

マレニア「貴公が何者であり、いかに戦を共にしたか。ミリセントの追憶も、全て私の内にある」

マレニアの言葉が続くごとに、空気のピリピリが増していく。ミリセントのことを忘れてようが覚えてようが、多分ネフェリは怒りだす。忘れてるなら「よくもミリセントを殺したな」ってなるし、覚えていたなら「返せ」って言いたくなってるはずだぜ。オレだって全然割り切れてねーよ。だからマレニアにはミリセントについて何かを言ってほしいんだ。

マレニア「ゆえに私は、貴公らと、語らうべきではない」


俯き気味でそう言ったマレニアに、ネフェリは鳩に摘まれたような顔で片肘をつくのをやめて、マネージャーはちょっとだけ前のめり。オレももっと的を射るような話が出るのかと思ったけど、何も話したくないって答えで少し肩透かしを食らい気味。でもそんないかにも人間くさい返答で、何故かオレの心は少しだけ軽くなる。


ネフェリ「……はっ」

ネフェリ「なんだそれは?語らうべきかどうかは、お前が決めることなのか?」

ネフェリの気が立ってるとこに急にマレニアが弱みを見せたんで、ネフェリにSが入りかけたけど、ここでオレがファインプレーを魅せる!「まずは話させてあげましょうよ。責めるのはその後でもいいじゃないすか」とマレニアにパスを渡してネフェリを牽制。マレニアが見せた隙を拓也は違う形で生かすぜ。マネージャーも賛同してくれて、ネフェリはフンと鼻を鳴らして腕を組んで座り直す。

190名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 22:09:10 ID:1INPoOOE


「…私は貴公らの友として、時に刃として、数多の敵に勝利した」

「貴公らと共に駆け、庇い合い、支え合った」

「あたかも、私が兄様を信じ、兄様が私を信じたように」

ひとまず話は聞いといてやるぜ、って感じなのか、ネフェリのSな気配が少し和らぐ。
マネージャーとオレも静かに耳を傾けてる中で、マレニアは続ける。

「…だが、貴公らと共に歩んだ者は、私ではない。腐敗に迷い、貴公らを襲った私とは違う」

「そのような身の私が、貴公らと語らうなど、あるべきことではない」

「……しかし、心の内にある…貴公らと歩んだ日々からは…」

「…私は…離れがたい…」

話ながら、マレニアの顔には少しづつ苦悶が浮かび始める。
まるで痛みに耐えるみたいに、声にも小さく震えが入る。

「彼女の清き心で、多くを見聞きし、多くの友と遠方を巡り、新たな出会いを知り、くだらぬことに小腹を立てる…」

「その日々を…忘れられない…たまらなく、愛おしいのだ…」

「…私は、その愛しき日々を、彼女から奪ってしまった……聖樹の底、兄様の繭の前で…清き彼女を掻き消したのだ」

「最期の時まで、彼女は私を救おうと願い、皆との出会いに感謝していたというのに…」

「彼女こそ清く、高潔で、愛深き者だったというのに…」

「私は…ミリセントを…」

191名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 22:10:58 ID:1INPoOOE

話の途中でマレニアは湧き上がって来るものを堪えるみたいに口を真一文字に閉じる。
オレはだんだんやるせなくなってきたし、マネージャーはデミゴッドを調べて色々知ってるせいかしらないけど、マレニアに向ける眼が同情的になってきた。ネフェリは呆れたような、疲れたような溜め息をまたついた。

ネフェリ「……期待だの測るだのと…虚勢を張らず、全て話せばよかったろうに…」

マレニアは顔をゆっくり上げて、ネフェリとはじめて眼を合わせる。
その潤んだ瞳に、ネフェリは何かを察したみたいに、何度か小さく頷く。

マレニア「ネフェリ…私は、ミリセントを消したくはなかった…」

マレニア「私は彼女のような者に…兄様を…私を…」

マレニア「助けて、ほしかった…」

マレニアはそれ以上は何も言えなくなって、俯いて小さく鼻をすすり始める。この正直なところとか、湿っぽさとかにスッゲー既視感。オレの妙な安心感は大きくなって、ちょっとした気付きに変わる。マレニアはきっと大きくなったミリセントなんだなぁって思うと、心の寂しさも少しづつ弱まってきた。マネージャーもなんだかしんみりの顔で納得気味。

ネフェリ「…はぁ……」

ネフェリ「お前には、心中をありったけぶつけるつもりでいたが、その気も失せたよ…これだけ情けない姿を晒されてはな…」

ネフェリ「マネージャー、酒を持ってきてくれないか?こういう時は、飲むに限るんだろう?」

マネージャー「え?まぁ…そうですね…そうしましょっか…」

拓也「なんだかオレ、話の最後あたりで、マレニアがガタイでかくしたミリセントに見えてきちゃいましたよ。マジ変ですよねコレ」

ネフェリ「はは、大柄なミリセントか…確かにな…」

マネージャー「どうせ飲むなら、下の階の酒樽倉庫に行きませんか?いちいち持ってくるのは面倒ですし、今日は四人で飲み会しましょう」

死んだのかも、消えたのかも、変わったのかすらも完全にはハッキリしない状態になったミリセントを偲んで、オレ達4人は飲み明かすことに。ネフェリはしのごの言うマレニアに「私を惨たらしく殺そうとした事を許したわけではないからな」と言って弱みに漬け込み、無理やり倉庫に連れ込む。ネフェリはマレニアを情けないって言ったけど、冷静に考えたらラダーンとの戦いで起きる腐敗の被害とか、道徳的なアレコレとかに耐えられないから、マレニアはミリセントを切り離したんだ。そんなマレニアがミリセントと合体したら、また罪の意識感じまくりの性格になるのもあたりまえだよね。

192名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 22:12:47 ID:1INPoOOE


4人で酒を飲み倒したあとの哀れなゲロマシーンマレニア   投稿者:ビルダー拓也


ショボショボの顔のマレニアを酒樽が積まれてる一角に三人で連れ込んで、マネージャーがエルデの地に持ち込んだジャパニーズ文化の、なんでも飲み会に落とし込む。翼のついた兜は大祝福の大テーブルに置きっぱなしだ。シャイな日本人は、集団の中では良いことも悪いことも、なんでも酒の力を借りないと本音を語ったり聞けたりしないっていうのはホントだけど、マレニアはこのパターンにバッチリハマったみたいだぜ。最初にミリセントに盃を掲げたあとに酒を次々開けていって、ふとネフェリが語り始める。

ネフェリ「ミリセントは最期の時まで、良き者であり続けた。そう努め続けた」

ネフェリ「私の目の前で消える前に、こう言っていたよ。『皆に伝えてくれ。君達がいてくれて、一時とて、私は私として生きることができた。ありがとう』と…」

ネフェリの言葉に誰よりも早くマネージャーが決壊して、半開きの口を震わせながらテーブルに涙を落としていく。オレも前が見えなくて、エブレフェールに着いた時のアイツの顔がグラサンに映って離れない。「恐らく最後まで、ミリセントは誰も恨むことなく死んでいったんだ。きっと、お前のことも恨んではいないさ。あれはそういう者なのだからな」そうネフェリに言われるマレニアは、テーブルの上に置いた両手を軽く握ったまま、潤んでぼやける瞳でテーブルの真ん中あたりをずっと見つめてる。

ネフェリ「いや…お前は、知っているのだったな…わざわざ私が語ることでもないか。お前の口から聞いても、同じだったな…」

マレニア「…私には、彼女の言葉を語る資格など、無い」

マレニア「ただ、腐敗の悪夢の中で、私は手を伸ばしたのだ…差し伸べられた手を握ろうと…そしてもがくあまりに、彼女の手を掻き消してしまった…」

マレニア「私は貴公に、許されるべきではない…貴公らの、敵であるべきなのだ」

マレニアの言葉にネフェリが何か言おうとしたところで、涙を拭いたマネージャーがクスっと笑う。「なんだ?」ってたずねるネフェリに「そういう真面目なところ、誰かとそっくりですよ、本当に」ってマネージャーがマレニアに返す。するとマレニアは下唇を噛んで、俯き気味な顔の角度をまた深くする。「はは、マジ、そっくりっすよね」ってオレもついつい同意。だってマジでこういう真面目なところが似てるって思ったんだ。スゲーアイツらしいぜ。

ネフェリ「フフッ…己をミリセントの敵と言うのなら、その敵にこれほど惜しまれるミリセントという者は、よほどの仁徳を持っていたに違いない。敵のお前も、誇らずにいてどうする?」

マネージャー「あ、口達者ですね。そういう言い回し、私もサラッと言いたいですね」

マレニアが何も言えないまま口を震わせてる間に、マネージャーが会話のパスをネフェリからキャッチ。そのままオレも加わって、穏やかな会話が続いて、マレニアが落ち着いた頃にマネージャーが音頭を取る。「それじゃあ、乾杯しましょうか」またかよ!もうやったじゃん!ってオレは新宿で飲み会やってるみたいにわざと明るく言う。「何に乾杯するんだ?」って言うネフェリに、今度はマネージャーが口達者になる。

マネージャー「そうですね…じゃあ、故郷に帰ったミリセントさんに、なんてどうです?」

「故郷か……そうだな、それが良い」ネフェリはそう言うし、オレもその考え方が好きになった。アイツはひと足先に家に帰ったんだよな。オレもネフェリもマネージャーも、酒が入った四つの盃をマレニアと一緒に掲げる。俺たち三人はグイッと飲み干して、マレニアは盃に口をつけないままテーブルに置いて、飲む気になれない酒に憂いの視線を落とす。拓也はそのまま酒の力を借りてマネージャーに肝心の話を振り込む。

拓也「じゃあさ、マネージャー、例の話聞きましょうよ。ミリセントが最期に託したヤツって話しましょうよ」

マネージャー「えぇ?この流れでですかぁ?ちょっとそれ、どうなんですか?」

呆れたみたいな半笑いで聞き返してくるマネージャーに、ネフェリも便乗。「そうだな、私も聞きたい。この神人が良ければの話だがな」ってイタズラっぽく乗ってきて、オレたちからの注目をマレニアが浴びることに。マレニアは胸に手を当てて、震えた息をふーって吐いてひと休み。それから一言「分かった…」って呟いて、マネージャーに聞き返す。

マレニア「…私から、何を聞きたいのだ?」

マネージャー「そうですねー…それじゃあ昔話なんてどうです?」

マレニア「良いのか?そんなことで…」

マネージャー「良いですよ。神の時代の物語なんですから、私たちにとっては情報の宝庫です。それにこういう機会じゃないと、胸に溜まったものは中々吐き出せないじゃないですか」

マネージャー「聞かせてください、あなたの話」

マネージャーからの返しに、マレニアは伏せた眼でテーブルを見渡して、一拍おいて話し出す。「…分かった。ならば、話そう」そう言ったマレニアの口から、ギデオンも知らない極秘な物語が紡がれる。

193名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 22:14:26 ID:1INPoOOE
それでいくつか分かったことがあって、どうやらマレニアには友達が一人もいなくて、頼れる人もお兄ちゃんだけだったらしい。生まれた時から激偉い特権階級にいたせいで、周りの大人はほとんど全員「頼ってくるやつ」「拝んでくるやつ」「怖がってくるやつ」「利用してくるやつ」「部下」の5パターンしかいなくて、しかも親の親戚付き合いがメチャクチャだったこともあってか、同じ神人仲間のラニとの仲は最悪で、行事でたまに顔を合わせるごとに「お前の息は臭すぎる」「くさい子」とか言われて落ち込んでたんだって。
ラニはオレの激エロなモロホストフェロモンは大丈夫だったのにね。不感症なのかなぁ?

でも頼れた大人は何人かいて、そのひとりが武術の師匠だったらしくて、例のパキギメな超ミキサー攻撃も「腐敗の神様に抗う剣士の技なんだよ」って、その師匠から教えてもらったみたいだぜ。酔ってるオレが「その腐敗のボスに、お前がなっちゃうんだから世話ねーな!」ってつい口を滑らせて笑うと、マレニアは

「黙れ!!」

って顔真っ赤にして怒鳴って立ち上がってきて、その拍子にテーブルがコケて焦ったぜ!「ウッス!すみません!」「拓也?今のは無神経です。謝ってください」「酒が溢れただろう、なにをやっている」ってほろ酔いのネフェリとマネージャーが言うから、申し訳ナス!って頭下げてから、鼻息荒げた涙目のマレニアと一緒にテーブル戻したけどさ。

テーブルと一緒に話も戻すけど、マネージャーからの酒で更に話を続けるマレニアによると、マレニアはバリ高な特権階級と持病の腐敗のせいで、今まで一度も恋愛したことがなくて、セックスしたことも無いっていうんだからビックリ。オレの中での同情ポイントを荒稼ぎしまくりだったぜ!一度だけお兄ちゃんのミケラに

「いつかお前は、この世の律を握るかもしれないのだから、夫を貰って子を産むことにもなる」
「ただの試しだと思えばいい、経験したところで誰も責めない」
「上手く隠しておく」

みたいな感じのことを言われて、お兄ちゃんに背中押されて援護されながら、階級無視の禁じられた恋愛関係になりかけた相手もいたらしいけど、相手が腐敗に感染しちゃうかもって思うと気が乗らなくて、結局1回目のデートの中盤あたりで相手に別れを伝えて、それ以降はずっとお兄ちゃんにベッタリになったんだってさ。もうここまで話したあたりでマネージャーがまた泣いちゃって、このペースで保つのかよってオレに笑われてたぜ。

他にも両親の仲が子供目線からみても明らかにおかしかったとか、腐敗のせいで戦争以外で遠出したことがないとか、腐敗が少し酷くなる度に周りの他人がゴソッと減ってったとか、出るわ出るわの根暗君なエピソードの山にオレも同調しまくり溜め息つきまくりだし、マレニアは威厳壊れまくりの全身不幸人間にイメージが落ちていた。オレにはまだ悪ガキ仲間とかウリ仲間とかいたもんな。それも無い中で両親の仲が悪いとかさ、オレがマレニアだったらグレまくって、世界各地でウリなんかやっている。

でも兄ちゃんとお母さんとは仲がよかったんだろ?って感じのことをオレが言ったら、そこからミリセントが見上げて泣いた、例の『ミケラとマレニアの像』と『抱き合う三人の像』についての話になる。マレニアが言うには、昔のマレニアは五体満足だったけど、ガタイが成長するうちに腐敗も進んで、最初に右手が腐り落ちて、そのあとは順番に全身がやられていったらしいぜ。ミケラとマレニアの像は、右手が腐り落ちたマレニアを実年齢が幼い頃の兄ちゃんが抱きしめて

「マレニア‼︎死んじゃだめだよ!! 絶対にだよ!! 僕が絶対に寂しくさせないからね‼︎」

って言った時のことを、腐敗を根絶する誓いの像として彫刻したものらしい。マレニアとミケラとマリカの三人の像は、お父さんとお母さんからミケラが決別したあとに、昔優しくしてくれたお母さんのマリカを忘れないために、ミケラが建てたものなんだってさ。その話を聞いた瞬間にオレの頭にもお母さんとの思い出が広がってマジ狂い!「あーっ!おぅううっす!おーっ!うーっす!」溢れる涙を抑えきれずにたまらず大声で雄泣きが入る。

ネフェリ「どうしたんだ拓也?いきなりそんな大声あげて…」

拓也「お、オレ、お母さんに虐待されてて…家に居場所なくて、毎日泣いてたけど…」

拓也「お母さんは、最初の10年間は大事にしてくれて…だからオレもお母さんに、10年分の愛を返したくて…」

拓也「でもお母さんは日本の病院にいるから、今は会えないっす…病気も患ってて、結構歳もいってて…だから早く帰ってやんなきゃいけないんですよ」

ネフェリ「そうか…」

拓也「だからオレ、ちょっとミケラが考えてたこと分かるっていうか…共感しちゃうっていうか…やっぱり親が頼もしくて、優しくて、大きくて立派だった頃って、誰だって覚えていたいじゃないですか」

マレニアが自分語りするはずがいつのまにかオレが自分語りをすることに。でもオレの話にマレニアはなんかグッときたみたいで、グラサンに隠れてる拓也の目に潤んだ視線を向けてくる。やっぱりつらくて孤独な子供時代を過ごした奴は通じ合うところがあるんだな、オレの昔話も罪だなって照れ笑いを返すと、オレの話に聞き入ったマレニアを見て、何故か泣き止んでたマネージャーがまたやられて、涙で真っ黒になってるハンカチ握りしめてまた泣き出す。もらいに更にもらってんじゃねーよ!

酔いが回ってるネフェリもまた酒を一杯あおって、話はミケラがマレニアを助けようとしたコトに戻る。お前の兄は勇者の鑑だ、弱きを助けようとする王の器だってネフェリはベタ褒めする。オレもカポジ肉腫で全身腐って死んでったホモくんの話は聞いたことあるから、ウリをやってもいないのにポジるなんて腐敗の神様も不公平だよなって思うぜ。

それで、腐敗退治を誓った兄ちゃんの努力は相当なものだったらしくて、世界中を飛び回って賢者とか大学者とかと話つけまくって、新しい術とかも見つけていった。でもマレニアの両脚が腐って取れたり、下腹部をやられて子供を産めない身体になったり、乳腺と脂肪がカビに置き換わって胸が縮んだりしてくる頃には、兄ちゃんは目の前で妹が死んでいく恐怖と焦りと、世界への怒りでパキギメ状態に堕ちていて、邪法だとか禁術だとかに手を出しまくり、人騙しまくり、理想吠えまくりのマジ狂いだったんだとか。なんかモーグウィン?モーグ?とかいう奴と関わりだした時期から、本格的におかしくなり始めたって感じで、生活苦の人が宗教の人に騙されるいつものパターンな空気がしてくる。

マネージャー「なんですかそれ!!ひどすぎ!許せない!そのモーグウィンってヤツ殺したっていいでしょ!!」

泣きまくってたマネージャーはそのことを知ると顔真っ赤にして青筋立ててマジギレ開始。こんなにキレまくってるマネージャーはギデオンネフェリ事件の時以来で、ネフェリも「待て、落ち着け」ってなだめる側に回る。マレニアにまで「そこまで憤るのは、兄様だけだと思っていた」とコメントされてマジおもしれー!キレまくったマネージャーはネフェリから大量に酒を補ってもらって、怒りがシュンとなくなって目がトロトロになっていく。

また話を戻すけど、兄ちゃんはそこまでやってようやく神テクを開発!
腐敗を抑える技術の確立に成功した。
それこそがネフェリがケイリッドで手に入れた、あの金の針だって知ってビックリ!

ネフェリ「…そうか…あの針には、これほど迄の心血が注がれていたのだな…」

拓也「オレたち、その針を円卓に置きっぱなしにしたり、人にあげたりするとこだったんすよね。マジあぶなかったんすね〜」

ネフェリ「全くだ。そのようなことをしていたなら、マレニアの兄があまりにも浮かばれん」

拓也「でもそんな針がどうしてケイリッドに落ちてたんですかね?」

ネフェリ「あっ、お前…」

マネージャー「あっ!」👉

拓也「え?どうしたんすか?」



拓也「……あっ!」

マレニアの話ばっかり聞いてたから、いつの間にかオレは結構な量を飲んじゃってて、気付いた時には決して絶対に質問されたくないであろう殺人ストレートな話題をマレニアにブチ込んでいた。なんでケイリッドに金の針が落ちてるかなんて、マレニアがそこで金の針を捨てて腐敗バワーを炸裂させたからに決まってんじゃねーかよ!やっちまったぜ!痛恨のミスをしたな!無害だと思っていた相手から必殺パンチをブチ込まれて、マレニアは一瞬で青ざめてから固まったあと、小刻みに震え始める。

194名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 22:17:41 ID:1INPoOOE

拓也「ちょっ!ヤバ!ごめん!すいません!マジ許してください!」

マネージャー「ごめっ、ごめんなさい!今の聞かなかったことにして!」

ネフェリ「おい待て、まさかここで花を咲かせたりしないだろうな…!」

マレニアを除いた全員がテーブルから跳びのいて、ネフェリの椅子が転がる音が響く。
ネフェリは酔って顔が赤いけど、それでも両手に斧を持って警戒にはいる。
マレニアはハァハァ息乱して震えながらゆっくり立ち上がって、何度かビクッと痙攣すると


マレニア「弧゜ッ!」


えづき声を上げながら左手で口を覆って、指の間からゲロを漏らしながら走り、空の桶に頭を突っ込んでゲーゲー吐き始めた。「え!?だっ、大丈夫!?」ってマネージャーは速攻で駆け寄ってマレニアの背中をさする。オレ達の生命の危機ってことにはならなくて良かったけど、かわりにネフェリとオレの間に「あーあ」って空気が漂い始める。人格が真っ二つになるようなストレスが掛かった瞬間を思い出して、パニック発作を起こしてるマレニアから、酸っぱいゲロの匂いが強烈に漂ってくる。
1日に2回もゲロの匂い嗅ぐヤツなんて、狭間の地でもオレぐらいなりね。

一気に気まずくなった空気の中で、神のゲロが桶に溜まる音がビチャビチャタポタポ響いて、こんなに神聖なゲロの音なんて地球のどこ探しても無いんだよなぁって感じで現実逃避なんかしてる。多分ネフェリには気付かれなかったと思う。とうのネフェリは2本の斧をしまって、困り眉でマレニアの背中を見ている。

マレニア「ごほっ!げほ!か…構うな…!」

マネージャー「無理ですよ!吐いちゃってるじゃないですか!」

マレニア「腐敗が…感染るっ、うぶっ!」

マネージャー「感染ったりしませんよ!お兄さんの針があなたの腐敗を止めてるから平気です!」

胃の中の酒を全部出したってくらい吐きまくったマレニアは、桶から離れた後にフラフラっと後ろに倒れそうになったから咄嗟に三人がかりで支える。なんせ2メートル越えの超絶ガタイだから支えるのもひと苦労で、オレたちはそのままヨロヨロと壁まで歩いて行って、マレニアを壁にもたれさせて座らせる。

ネフェリ「…まったくお前は、どこまで情けない姿を晒せば気が済む……そこで待っていろ、水を汲んでやるから」

マレニア「私ではない…」

ネフェリ「…何がだ?」

マレニア「私ではない…私がやったのではない…」

ゲロを吐いたかと思ったら、今度は座ったままでまた顔が青くなって、寒さに震えるみたいにブルブルし始める。ネフェリが困った顔で振り返って無言で助けを求めてくる。オレはネフェリの代わりに水入りの樽から水を汲みに行こうと思ったけど

マネージャー「…私がやったのではないって…まさかこれって…」

マネージャーの深刻顔を見て、オレまたなんかやっちゃった!?って思って固まる。その間にもマレニアは過呼吸になって座ってもいられなくなってきて、ネフェリが「弱ったな…一体どうしんたんだお前は…」ってあやし方も分からずに、とりあえずマレニアの神人ガタイを支えて口の周りのゲロを布で拭ってやっている。マネージャーは考えに少しだけ耽ってたけど、すぐにハッとしてオレに指示。

マネージャー「あっ、拓也!水!水汲んできて!」

拓也「ウッス!」

マネージャーからの指示を受けるオレは速いぜ。無駄のない動きでパパッと水を汲んできてネフェリにパス。ネフェリはまともに息ができなくなってるマレニアに水をグイッと飲ませる。すると一回デカい咳をしてから、マレニアはハァハァ言ってぐずってる状態になる。さらに一口だけ飲ませて呼吸を落ち着かせる。「どうしたんだ、いきなり…」ってネフェリが聞いてくるけど、オレは「知らねーよ、そんなの…」って応えるので精一杯だった。ネフェリに睨まれて舌打ちされたけど。

195名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/23(月) 22:20:22 ID:1INPoOOE

D「たまに円卓に帰ってみれば、また何やら起きているな」

エドガー「今の声…貴公も聞いたか?」

トープス「ああ、確かに聞いたとも。お前さんも今の声を?」

ローデリカ「い、いけません…あの方は今、ひどく傷つき、身を裂くほどに哀しんでいます。どうかそっとしておいてあげてください…」

エドガー「しかしだな、また揉め事かもしれぬだろう」

マ騒ぎを聞きつけたのか他の部屋からもゾロゾロ出てきて、エドガーとかトープスとかが階段の上から降りてくる。その若干の人混みはマレニアを見て「おお…」って感じでみんなビビって固まったけど、そこを掻き分けてラーヤが出てくると、今度はオレが嫌な予感を覚えて固まる。そしたらネフェリが「神人の悪酔いを珍しがるのは分かるが、見世物ではないぞ」って一言入れてジト目で牽制。ラーヤ以外の全員が部屋に戻って行った。

ネフェリ「ラーヤ、お前の考えていることは私にさえも分かる」

ネフェリ「ここで起きた何事かに、一縷の望みを見たのだろう」

ネフェリ「だが、お前が希望を託した英雄は、もういない。諦めてくれ」

ネフェリに諭されたラーヤは、控えめにお辞儀をしてから、マレニアに背中を向けて歩いていく。ここではマレニアとラーヤの間で何も起きてないけど、それでもまた溝が深くなった気がして、うわー、この空気ヤバいぜってオレが首筋に冷や汗感じてると

マレニア「…待ってくれないか…」

意外な一言がマレニアから出る。オレはめっちゃ良い方向か、チョー最悪な方向かに話が進む、二つにひとつのシチュエーションだと覚悟した。チクショー、あんなこと言わなきゃ良かったぜ!ラーヤは立ち止まって向き直ったけど、顔だけはマレニアから逸らしてる。マレニアはそんなラーヤのところまで歩いてから、片膝を着いてしゃがむ。

マレニア「私は…貴公を裏切った…」

マレニア「貴公の見た英雄を奪い、貴公を甚だしく傷つけた…」

マレニア「私はその償いをしたい…貴公の痛みを、せめて和らげたいのだ…」

俺から見たマレニアの後ろ姿は、中世ものの海外ドラマでよく見るような、お姫様に忠誠を誓う騎士みたいだった。ラーヤはその騎士の頬を両手で包むと、目を閉じて、マレニアの額に自分の額をつける。

ラーヤ「…償うことは、ありません」

ラーヤ「英雄様が去ってしまったことは、哀しく思います…ですがきっと、英雄様は自らの死を予感して、エブレフェールに向かったのでしょう」

ラーヤ「そして四人の姉妹と戦い、予感を確信へと変えたのでしょう。私はそのことを、受け入れるつもりです」

ラーヤ「私は、それで十分です」


そこまで言ったラーヤを、マレニアは掻き抱く。
ラーヤは眼を見開いていて、マレニアの表情はオレからは見えない。
でも声は震えていた。


マレニア「すまないラーヤ…私は…君の信頼に応えたかった…」

マレニア「君を裏切りたくなかった…決して、裏切りたくなかったんだ…」


マレニアの口調までがかなり聞き覚えがある感じになって、拓也も思わずマレニアを凝視。マネージャーとネフェリも互いに見やって、やっぱりって感じの空気をかもし出す。心の底では期待していた可能性に灯りがついて、拓也の脳裏にあの細身なヅカ系イケメンがやってくる。はっと息を飲んだラーヤの目もみるみるうちに涙を溜めていくけど、その目がゆっくり閉ざされると、行き場をなくした涙は頬を伝った。


ラーヤ「あなた様から、その気持ちが聞けて、嬉しいです…」

ラーヤ「ですが…あなた様は英雄様ではありません…ですからどうか、あの方の影に囚われないでください…」

ラーヤ「私もこの円卓を去ります。新たな英雄たるお方を求めて、旅をするのです」

ラーヤ「ですからあなた様も、新たな旅を歩んでください」

ラーヤ「さようなら、マレニア様。どうかお元気で…」

ラーヤ「私の……」


何かを言いかけたところで、ラーヤはマレニアの欠けた右手側から抜け出て、階段を駆けていく。マネージャーも「待ってください!」って言ったけどその声も無視されて、駆けていった足音は遠くなっていって、すぐに消えた。


マレニア「ラーヤ…ああ、ラーヤ…」

マレニア「…すまない、ラーヤ…」


その場にへたり込んだまま、ただラーヤがいなくなった階段の前でうずくまるしかないマレニアに、ネフェリとマネージャーと拓也も無力のままでいる。オレはマレニアが好きじゃなかった。オレは腕と腹を斬られて死ぬ寸前まで痛めつけられたし、ネフェリもラーヤもボロボロにされて、マネージャーまで泣かされて、正直に言うとミリセントを消したことも嫌いだった。そのマレニアの中に、ミリセントを形作っていた優しさや愛情があるのに気付いたけれど、気付いた時には遅かった。
そして今日はオレの失言が発端で、円卓からまたひとり見知った顔がいなくなった。
拓也一生の不覚だったぜ。


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