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【エルデンリング】黄金律最終報告リマスター版:投稿者【同人拓也】

178名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/01/17(火) 20:48:09 ID:h0pwMgm6

木の根を伝って下に降りていって、最初の方で見たような教会に似た建物に入ったら、中には木が掘られた石板が並んでて、エビ虫人間が案の定ミリセントに祈りを捧げてくる。

マネージャー「この石板の並びは…どうやらここは墓地のようですね」

拓也「墓っすか?それがマジな話だったら、墓に城の主人を住まわせてるってことになるじゃないですか」

マネージャー「ありえる話ではあります。環樹というのは、木の根に死者を埋めることによって、樹に死者の生命を還してから、新しい生命として産み直すことを指します。つまり、命のパワーみたいなものは木の根に集まっているという信仰が、狭間の地にはあるんです」

マネージャー「それなら、最も尊い人を木の根近くに住まわせることにも、木の根に墓が近いことにも説明がつきます。あくまでこれも私の推測に過ぎないですけど」

オレは心の中のマネージャーにスーパーヒトシくんを贈呈しながら、教会奥のエレベーターに乗る。すると兵士達は全員敬礼をしてから去って行くから、オレも「うっす…」と反射的に小声を漏らす。それからミリセントがエレベーターのスイッチを踏むと、オレ達5人は聖樹の底へと降りていく。


エレベーターが止まると、木の根だらけで埃っぽい、薄暗い部屋に到着。部屋の真ん中には祝福が光っていて、部屋の横にはもうひとつ部屋があり、そこにはオレを縦に二人並べたよりもデカい、朱い花が咲いている。

ネフェリ「この花…まさか…」

ミリセント「これは、朱い腐敗の花だ」

マネージャー「えっ!?」

拓也「ヤバっ!」

ミリセント「心配はいらない。この花は小さく、すでに咲いたあとでもある。腐敗はすでに吐き尽くして、あとは静かに、そこにあり続けるだけだ」

マネージャー「…ということは、聖樹の腐敗はこの花のせい?」

ミリセント「そこまでは分からない。ただ、この花に近寄るだけなら、腐敗を患うことはないだろう」

ミリセントからの答え合わせでオレとマネージャーもひと安心。ラーヤも口を覆っていた手を離す。一瞬オレは死を覚悟したけどネフェリは両手に斧を持っていた。こんなワケわかんねー病気の塊みたいなのが相手でも戦う気なんだから、よくその闘争心の種火が消える時がねーなって思うぜ。

朱い花の部屋を一応調べてみると、マネージャーがエレベーターを発見。でも今は用は無いから、ちょっと戻って祝福を点けたあとに、そこで一度蟹休憩を挟んでから、祝福のある部屋の奥からうっすらと見えるもうひとつの通路に向かう。階段を降りてそのまま真っ直ぐ歩いてたら木の根で出来たチョー広い空間に出た。

拓也「うお…でっか…」

マネージャー「ここが聖樹の最下層…木の根で自然にできた空間とは、思えませんね」

ネフェリ「風と水が澄んでいる。腐敗で穢されたものが、ここでは浄化されているのか?」

ラーヤ「ですが、腐敗に芽吹く草花も見えます。腐敗と、そうでないものが、混ざり合っているかのようです」

木の根で出来たドーム状の空間の中を、確かめるようにゆっくり進む。足元の木の根を踏むと腐敗臭の代わりに古い草の匂いが鼻に入ってくる。遠くに見える水たまりも透明で、上で見たようなドロドロの腐敗汁はどこにも見えない。もしかしたら本当にここは浄化されてるのかもね。ミリセントは俺たちよりも少し速いペースでドームの中を歩いていく。そして水たまりに踏みいって、パシャって音がすると同時に歩くのをやめた。

拓也「お,何かあったんすか?」

ミリセント「…彼女だ…」

拓也「え?」


視線を何かに奪われたままミリセントが呟いて、オレはミリセントの目線を目で追っていく。
オレは舐めるように目線動かして木の根を鑑賞しながら、その木の根に触れる人の手に気付いて「あっ…」と声を上げる。椅子に座ったそのオンナには片腕が無くて、足元には金色の義手と兜が置いてある。髪は燃えるように朱く、表情は虚ろで何を考えているのか分からない。でもその横顔には見覚えがあったぜ。
オンナの顔は、ずっと長い間、一緒に旅をしてきた仲間の顔とソックリだった。


オンナは一言も話さないしこっちを見もしないし、ただ木の根に張った蔓の一本みたいに、木の根をゆっくり撫でていた。


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