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【エルデンリング】黄金律最終報告リマスター版:投稿者【同人拓也】
195
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2023/01/23(月) 22:20:22 ID:1INPoOOE
D「たまに円卓に帰ってみれば、また何やら起きているな」
エドガー「今の声…貴公も聞いたか?」
トープス「ああ、確かに聞いたとも。お前さんも今の声を?」
ローデリカ「い、いけません…あの方は今、ひどく傷つき、身を裂くほどに哀しんでいます。どうかそっとしておいてあげてください…」
エドガー「しかしだな、また揉め事かもしれぬだろう」
マ騒ぎを聞きつけたのか他の部屋からもゾロゾロ出てきて、エドガーとかトープスとかが階段の上から降りてくる。その若干の人混みはマレニアを見て「おお…」って感じでみんなビビって固まったけど、そこを掻き分けてラーヤが出てくると、今度はオレが嫌な予感を覚えて固まる。そしたらネフェリが「神人の悪酔いを珍しがるのは分かるが、見世物ではないぞ」って一言入れてジト目で牽制。ラーヤ以外の全員が部屋に戻って行った。
ネフェリ「ラーヤ、お前の考えていることは私にさえも分かる」
ネフェリ「ここで起きた何事かに、一縷の望みを見たのだろう」
ネフェリ「だが、お前が希望を託した英雄は、もういない。諦めてくれ」
ネフェリに諭されたラーヤは、控えめにお辞儀をしてから、マレニアに背中を向けて歩いていく。ここではマレニアとラーヤの間で何も起きてないけど、それでもまた溝が深くなった気がして、うわー、この空気ヤバいぜってオレが首筋に冷や汗感じてると
マレニア「…待ってくれないか…」
意外な一言がマレニアから出る。オレはめっちゃ良い方向か、チョー最悪な方向かに話が進む、二つにひとつのシチュエーションだと覚悟した。チクショー、あんなこと言わなきゃ良かったぜ!ラーヤは立ち止まって向き直ったけど、顔だけはマレニアから逸らしてる。マレニアはそんなラーヤのところまで歩いてから、片膝を着いてしゃがむ。
マレニア「私は…貴公を裏切った…」
マレニア「貴公の見た英雄を奪い、貴公を甚だしく傷つけた…」
マレニア「私はその償いをしたい…貴公の痛みを、せめて和らげたいのだ…」
俺から見たマレニアの後ろ姿は、中世ものの海外ドラマでよく見るような、お姫様に忠誠を誓う騎士みたいだった。ラーヤはその騎士の頬を両手で包むと、目を閉じて、マレニアの額に自分の額をつける。
ラーヤ「…償うことは、ありません」
ラーヤ「英雄様が去ってしまったことは、哀しく思います…ですがきっと、英雄様は自らの死を予感して、エブレフェールに向かったのでしょう」
ラーヤ「そして四人の姉妹と戦い、予感を確信へと変えたのでしょう。私はそのことを、受け入れるつもりです」
ラーヤ「私は、それで十分です」
そこまで言ったラーヤを、マレニアは掻き抱く。
ラーヤは眼を見開いていて、マレニアの表情はオレからは見えない。
でも声は震えていた。
マレニア「すまないラーヤ…私は…君の信頼に応えたかった…」
マレニア「君を裏切りたくなかった…決して、裏切りたくなかったんだ…」
マレニアの口調までがかなり聞き覚えがある感じになって、拓也も思わずマレニアを凝視。マネージャーとネフェリも互いに見やって、やっぱりって感じの空気をかもし出す。心の底では期待していた可能性に灯りがついて、拓也の脳裏にあの細身なヅカ系イケメンがやってくる。はっと息を飲んだラーヤの目もみるみるうちに涙を溜めていくけど、その目がゆっくり閉ざされると、行き場をなくした涙は頬を伝った。
ラーヤ「あなた様から、その気持ちが聞けて、嬉しいです…」
ラーヤ「ですが…あなた様は英雄様ではありません…ですからどうか、あの方の影に囚われないでください…」
ラーヤ「私もこの円卓を去ります。新たな英雄たるお方を求めて、旅をするのです」
ラーヤ「ですからあなた様も、新たな旅を歩んでください」
ラーヤ「さようなら、マレニア様。どうかお元気で…」
ラーヤ「私の……」
何かを言いかけたところで、ラーヤはマレニアの欠けた右手側から抜け出て、階段を駆けていく。マネージャーも「待ってください!」って言ったけどその声も無視されて、駆けていった足音は遠くなっていって、すぐに消えた。
マレニア「ラーヤ…ああ、ラーヤ…」
マレニア「…すまない、ラーヤ…」
その場にへたり込んだまま、ただラーヤがいなくなった階段の前でうずくまるしかないマレニアに、ネフェリとマネージャーと拓也も無力のままでいる。オレはマレニアが好きじゃなかった。オレは腕と腹を斬られて死ぬ寸前まで痛めつけられたし、ネフェリもラーヤもボロボロにされて、マネージャーまで泣かされて、正直に言うとミリセントを消したことも嫌いだった。そのマレニアの中に、ミリセントを形作っていた優しさや愛情があるのに気付いたけれど、気付いた時には遅かった。
そして今日はオレの失言が発端で、円卓からまたひとり見知った顔がいなくなった。
拓也一生の不覚だったぜ。
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