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投稿するまでもないSSスレ 7/7

1名前が無い程度の能力:2008/03/20(木) 14:04:00 ID:oLnzbUDc0
創想話に投稿するまでもないSS用スレ。
理屈なんていらない、東方に熱い想いがあるというなら
とにかくそれをぶちまけろ! 長編・短編どちらもOKだ!

前スレ
投稿するまでもないSSスレ 6/6
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関連サイト
プチ東方創想話ミニ
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SSを書いている人へ
なぜ自分が書いたSSが評価されないのか
どうしてイタイヤシと叩かれなければならないのか
U-1ってなに?って思ってる人
こうすれば、貴方のSSは生まれ変わる
『 メアリ・スー 』 テストで自己診断。これで皆は貴方のSSにメロメロだ!!
ttp://www.imasy.or.jp/~hir/hir/marysue/marysuefaq_j.html
ttp://iwatam-server.dyndns.org/column/marysue/

関連スレ
【夢夢嫁嫁】東方キャラとイチャつくスレ14【夢嫁嫁】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1205947173/l100
【こんなSS】 貴方に合うSSを探すスレ 第3話 【どうですか】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1205951152/l100
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http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1205947364/l100
SSの実力向上を目指すスレ スレ立て待ち

54midy 13:2008/03/28(金) 20:15:48 ID:77zmpWH60
アリスから聞いた言葉と自分の中に閃いた言葉を何度も何度も咀嚼する。
何を結果として望むか。それ相応の結果。自分が登るのにはまだまだ高すぎる。
さりとて別の柄杓を平等にしたって意味が無い。登ることも、下がることもできない。
どうすればいいのか。スタート地点を同じ高さにすればいい。でもどうやって?
相手が降りてきてくれる訳でも・・・・・・・・・・・・・・・・・・?・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうか、そうだよ、相手を下ろせばいい。自分が駄目なら相手に動いてもらえばいい。
手加減をしてもらうわけではない。本気でいい。ただ土台を、壁を、取り除けばいい。
また一歩、考えが進む。この一歩。ゴールに一歩近づくことが、それが楽しい。

霊夢と私との壁、私と圧倒的に違うところ。それはどこか。その答えは簡単だった。
霊夢だけが持つ特別な『勘』である。相手の心を読んでいるかのような、張られた弾幕にたいし、どこが危険かの勘。
それでいてイレギュラーにも対応できる。危険を察知し対応する。
自分の力で避けていない。磁石の同極のように、勝手に避けれてしまう。
目の前に迫った弾もほぼ無意識に、最小限の動きで避けてしまう。
もし、その『勘』を取り除けたら・・・・・・

相手の全力を全力で持って叩き潰す。それが本来の魔理沙である。
いつもならこんな考えは浮かばない。浮かんでも実行しようとは思わない。
焦りが、答えが見えた喜びが、霊夢に対する憎しみが、この考えを正当化してしまった。
努力に対する結果が欲しい・・・・・・と。


「ぅーむ・・・・・・答えを見つけたのはいいが、あと一歩で辿り着けないぜ・・・」
『勘』を取り除くためにはどうすればいいのか。それさえ出来れば霊夢に勝てる。
その事を考えるだけで、身体が疼く。もうすぐ勝てる。あと少しだ・・・
・・・・・・だが方法だ。そのあと一歩を進めるための方法だ。その方法がさっぱり浮かばない。

────以前にもあった気がする。あと一歩で届くのに届かなかったもの・・・・・・
それもつい最近。えっと・・・・・・アリスとの会話に・・・・・・・・・
魔理沙は唸りながら考える。思い出す。あの時の会話。アリスが何を言っていたか。
『ちょっと魔理沙には苦手な魔法かしら。ここの部分を道具か何かで代用すれば
なんとか使えるぐらいにはなるわよ』
っ───閃く。繋がる。道が出来た。私は答えに触れることができた。触れると同時に飛びついた。
力いっぱい抱きしめる。この瞬間が気持ちいい。───そう、『道具』を使えばいいのだ。

55midy 14:2008/03/28(金) 20:16:21 ID:77zmpWH60
道具を使うことに閃いたのはいいが、どんな道具を使えばいいか考えてはいなかった。
足元に散乱するガラクタの山を見定める。・・・・・・正直どれも役に立たないものばかりだ。
こんなので霊夢の『勘』を取り除けるのだろうか。難にせよ、ガラクタの量が多すぎる・・・
一つ一つ試していたら、日が暮れるどころか何日、何ヶ月、何年要するかわからなかった。
でも折角アリスが私に導いてくれた答え。アリスの経験のなかから私の為に用意してくれた答え。
『私が貴女に出せる答えは私の経験の中からしか出せないの』
何かひっかかる。
・・・・・・経験?アリスも以前、このような事があったのか?誰かが憎くて追いつきたいときが。
それに追いつくために道具を使ったことが。・・・・・・・・・・・・何の道具だ?
アリスなら何の道具を使うんだ?アリスはいつも人形を遣っている。でも、それだったら現在進行形だ。
私も人形遣いになれと?・・・・・・違う気がする。人形では人形でも別の・・・・・・相手に効果を及ぼす人形。
間接的に効果を与える人形。相手が目の前にいなくても術をかけることができる人形・・・・・・
──あれか?あれの事か?確かにあれなら可能だ。魔女が使っても違和感は無い。魔術なのだから。
私がこの答えを掴んだ理由。 憎いから。 ならピッタリかもしれない。
早速作業に取り掛かろう。 霊夢が負けた時の悔しそうな表情。久し振りに拝んでやるとするか!!

いつもの魔理沙の悪い癖だ。周りが見えない。目標に全力でぶつかってしまう。後先の事を考えない。

材料は家を探したら簡単に見つかった。さすが宝の宝庫。──さっきと言っている事が違う気がする
材料や裁縫道具を机に並べると、人形作りを開始する。
人形を作ることなら以前アリスに教えてもらったから大丈夫だ。アリスほど器用ではないが、
それでも一応要点は捕らえてある。
粗雑な造りだが、術を施す為の大事なところはしっかりと丁寧につくっていく。
特徴を出来るだけ捉え、反映させていく。仕上げに紅白の布を纏わせると完成した
─────藁で編みこまれた人の形が。

56midy:2008/03/28(金) 20:16:53 ID:77zmpWH60
少々休憩

57名前が無い程度の能力:2008/03/28(金) 20:32:00 ID:Sbr.1JTc0
設定やらそこらへんへの突っ込みは他人に任せるとして


メール欄のことな
投下している間はsageで
投下し終わると同時にageるようにすることをお勧めしておく

個人的な意見だけど


さて読むか……

58midy:2008/03/28(金) 20:34:12 ID:77zmpWH60
ぁ・・・見事に逆をやってしまっていた・・・
すまない。
続き少しずつ投下してくよ

59midy 15:2008/03/28(金) 20:36:32 ID:77zmpWH60
「あら、いつのまに来ていたの?まっててね、湯のみとってくるわ」
翌日、博麗神社を不意に訪れた私をみて、多少驚いたようだ。
得意の『勘』で私の事を察知できていない。効果はあるようだ。
早速実感できた自分の努力に、身体が悶える。快感が身体を駆け巡る。

境内で、二人並んで座り、またいつものようにお茶を啜り、他愛も無い雑談も交える。
魔理沙が尋ねる
「なぁ霊夢、仕事はいいのか?神事なんだろ?」
「あら、この庭をみてわからない?今日はいつもより頑張ったのよ」
どうみてもいつもと同じである。
「ほほぉ、確かにいつもより綺麗だ」
「魔理沙、なんだか今日はご機嫌ね、やけにニヤニヤしてるじゃない」
「ん、あ、あぁ、ちょっといい事があってな」
ふぅん
そう一言だけ返すと霊夢はまたお茶を啜りだす。
・・・・・・
・・・・・・
「『暇』ねぇ・・・」
・・・・・・
・・・・・・
しばしの沈黙が続く。いくら仲が良くても会話が途切れることぐらいある。
魔理沙も特に話題もないのにこの神社へ来る。だから特に話すことなんてない。
だが用事はあった。
「『暇』か・・・・・・ならさ、霊夢、久し振りに弾幕らないか?」

そうね、やりましょうか。霊夢はそう返した。嫌な勘が全くしなかったからである。

60midy 16:2008/03/28(金) 20:37:05 ID:77zmpWH60

魔理沙は独り、家に供えてある薄暗い実験室で不敵な笑みを浮かべていた
「うふ、うふふふ、うふふふふふふふふアハハハハハハハ」
笑いがこみ上げてきて止まらない。身体から溢れる快感が、声となって漏れ出す。
当然だった。あの霊夢を、まさか開幕レーザーで撃ち落せるとは思っていなかったからだ。
挨拶程度の最初の一発。それがモロに直撃したのだ。当たる寸前の霊夢の表情。驚愕の表情。
たまらない。
いつもはなぜこんなにも当たらないのかというぐらい、スイスイ避ける。擦れはすれど、直撃なんて滅多にない。
ただのまぐれか試すために。あまりにもあっけなさ過ぎたために、霊夢をもう一度誘い、弾幕りあった。
一方的だった。流石に開幕レーザーはよけたものの、露になる霊夢の焦りの顔。
そこにもう数発撃ち込み、6発目のレーザーを撃ったところで直撃した。
まぐれではない。
地面に墜落しかけた霊夢を助けると、
「どうしたんだ霊夢。いつもより調子がわるそうだぜ?」
と"心配した顔"を作って慰めてやる。
そうみたいね、今日はおとなしくしているわ──といつものように明るく返事が返ってきた。
やはり霊夢は霊夢だ。負けた事を全く気にした様子はない。

敗北を僅かしか味わったことの無い霊夢。勝ち続けていた霊夢にとって負けなんて些細なもの。
挫折を味わったことの無い無垢な顔。その純粋たる、汚れのない微笑を含む霊夢を見ていると、
また憎しみが込み上がってきた。なぜ負けたのに笑っていられる。なぜ落ち込まない。
今日はおとなしく──だと?現状維持でいいと思ってるのか?それで次は勝てると、そう思ってるのか。
敗者の気持ちも、努力の苦労も、何も知らないくせに!!!!!

61midy 17:2008/03/28(金) 20:38:18 ID:77zmpWH60
予想以上に、効果が如実に現れたことに喜びを抑えきれない。努力の力。そう、本来の姿はこうあるべきなのだ。
紅白人形を握り締めると、その感触が酷く手に馴染む。
自分が作ったからか、それとも彼女が『努力と道具の天才』だからか。

魔理沙自信その『道具』の才能に気づいていなかった。知らなかった。自分には何もない。全くとりえが無い。
無い所か、普通以下だと思っていた。何をやっても人並み以下。唯一、私が掴むことができるのは努力だった。
天才でも、貧才でも、だれでも得ることが出来る自分を高める力。
この私でも扱えるものはこの世には努力しかないと思っていたからだ。

違った。彼女はしっかり努力以外の才能を持っていた。
ただ、環境が環境だけに、その才能に気づくことは出来なかっただけであった。
最初にその才能を開花させたのは、勘当され、道なき道を歩き、行き倒れそうになった所を森近 霖之助という
男に助けられた時である。彼は魔理沙に魔力増幅装置を作ってあげた。
試作品であったそれは、大した力は持っていない。実際、彼も使ってみたが少し魔力が高まる程度。
当時の魔理沙は、そこまで魔力ももっていなく、この男と同程度であった。だが、多少の足しになればと、
無いよりはマシだと、作ってあげたのだった。

彼は驚いた。魔理沙が掴んだそれは、異常なまでに魔力を発生させていたからだ。
魔理沙はどちらかというと器用なほうではない。しかし彼女の才能がそれを目覚めさせた。
コツ、癖、使い方・・・掴んだだけで、握っただけで、それの仕組みを無意識に理解していた。

普通の魔法使い魔理沙が誕生してから、幻想郷にその名が知れ渡るのも、時間は掛からなかった。

箒を使いこなし、幻想郷最速の名を手に入れた。努力を積み上げ、地位を確立していった。
圧倒的な魔力を持つ怪物相手に、対等に、それ以上に渡り合った。

魔理沙は自分の存在を否定されるのが嫌だった。とても嫌な事だった。
だからこそ、認めてもらうために努力を積み重ねた。いずれ、霧雨家の名を継いでも恥じないように。

62midy 18:2008/03/28(金) 20:38:46 ID:77zmpWH60
そこにあの巫女が現れた。同じ人間だし、同じ年頃だし。とても親近感を覚えていた。
私の事を気にかけてくれる。声をかけてくれる。それは嬉しかった。
でも、心から心配された事はなかった。ただ勘にもとづいて心配をしてくれるだけで、
相手の心を読み取って心から心配してくれているわけではなかった。
別にそれが不満だったわけではない。博麗の巫女なのだから、誰か一人だけに好意をもってはいけない。
誰に対しても平等に。だから彼女の周りには妖怪やらなにやらが親しみを持って寄って来る。
常に誰かに囲まれているのが、私にとってとても羨ましかった。常に誰かに必要されている事も、妬ましかった。
なにより幻想郷を護る博麗大結界の管理者だ。存在が、存在感が私と全く正反対だった。

派手な事をしたりアピールをしたり。そうでなければ誰も私を見てくれない。
霊夢は何もしなくても、みんなが振り向く存在だった。

持ち前の勘でふらりと出かけては、幻想郷でも名を馳せる強豪どもをいとも簡単に蹴散らし
たった一人で、異変を幾度と沈めていった。ここに親友がいるのに、一度も頼られたことはなかった。
誰かに頼る必要がないくらい、彼女は天才だったから。

私はいつのまにか嫉妬を覚えるようになった。私の持っていないものを全て持っている。
彼女自信は望んでいないのに、何もかもを。持たざるものである私を嘲笑うかのように・・・・・・

光が強ければ強いほど、私の影は濃く強くなっていった。

同じ人間の癖に・・・・・・

───私は力強く紅白の藁人形を握り締めていた。

63midy 19:2008/03/28(金) 21:31:27 ID:77zmpWH60
次の日も、いつもと同じ日常を装い、霊夢の様子を見に行く。

「おっす霊夢、調子は戻ったか?」
「ん?あら、魔理沙じゃない。心配しなくても大丈夫よ」
やはり今日も私が来たことに、声をかけるまで気づいていなかった。
今日は珍しくお茶も飲まずに、境内に座っていただけだった。
いつもの雑談を交え、会話が途切れたところで今日も弾幕らないかと誘ってみた
霊夢は首を横に振って、まだ調子は完全じゃないみたいなの、だから今日はやめておくわ
と、微笑を交えて断る。
私は、なんだ、つまらないぜ、という素振りを見せる。
「あ、そうだわ、今日とてもいいお茶が手に入ったの、一緒に飲みましょう」
そう言って霊夢は立ち上がる──瞬間霊夢の身体がふらりと揺れたと思うと、
急にこちらに倒れこむ。地面に激突する寸前で私は霊夢の身体を受け止めた。
「おい、なんだ、全然調子よくないじゃないか、風邪でもひいたか?」
ハハ、ばれちゃったわねと苦笑いをすると
「昨日の夜あたりからなんか身体がだるいのよ・・・」
「ふーむなるほど、風邪薬程度なら私が作ってやるぜ?」
「あらほんと?助かるわ、頼めるかしら?」あいかわらず微笑をくずさない
「あぁ、任せろ!!数日分をまとめて精製するから少し時間はかかるけど、夕方頃にはできるだろ。
 またその頃来るぜ。」
うん、ありがとう、待ってるわ。とまた微笑を返す。
私は箒にまたがり、
「じゃ早速作ってくるぜ、またな、霊夢」
と告げると大空へ溶け込んでいった。


風邪の具体的な症状を聞くのを忘れていたが、だるい、といったので
普通の風邪薬を調合する。これぐらいならお手の物。数日文を纏めて作るので量は多いが、手早く精製する。
それに少しアレンジを加え、滋養強壮等、身体に嬉しい効果もわずかに与える。
魔理沙印の特製オリジナル普通の風邪薬の完成だ。
この風邪薬の中には毒だとかは入っていない。作るなら完璧に作る。それが魔理沙のプライドだ。
それに、純粋に霊夢に元気になってほしいからだ。また霊夢と弾幕りたいからである。
元気になった霊夢が、私に負けないようにと努力する所を見たいのである。
そしてまた、友達として競い合いたいのだ。

64midy 20:2008/03/28(金) 21:32:03 ID:77zmpWH60
薬は宣言どおり、夕方には完成した。
それを数本の小瓶に分けて入れ、しっかりと詮をしたあと風呂敷で落ちないように包む。
玄関から外に出ると、あたり一面夕焼けに染まっていた。
ん、時間もばっちりだ。と唸ると玄関に簡単な鍵の呪文をかけておく。
箒にまたがり、箒前方の先端に風呂敷を結わえると、
「さ、準備完了だぜ、待ってろよ霊夢」
帽子を被りなおし、箒の柄を握る。地を蹴って、夕焼けの空へ包まれていく。


「おーい、霊夢〜作ってきたぞ〜」
・・・・・・・・・・・・
返事が無い。
境内にはいないので、きっと中で寝てるのだろう。
勝手しったる人の家の如く、靴を脱ぎ勝手に家の中に入っていく。
「霊夢〜?どこだー?」
・・・・・・・・・・・・
いないぜ?
いつも寝てるとしたらこの部屋の筈だが、ここにもいない。
どこにもいないぜ?
他の部屋も、風呂も、厠も、境内の下も、賽銭箱の中も、どこにもいなかった。
「ったく霊夢、待ってろっていったのに・・・まぁいいか、ここに置いておけばわかるだろう」
一番よく利用する部屋のちゃぶ台のうえに風呂敷を下ろす。ついでに用法・用量を正しく守って・・
と一筆したためると、ついでに棚の一番奥にあった茶筒を拝借して、「帰るか」と、来た道に飛び立っていく

65midy 21:2008/03/28(金) 21:32:37 ID:77zmpWH60
家についた頃には大分日が落ち、薄暗くなり始めていた。
玄関の鍵を解除し、家の中に入る。箒を玄関の脇に立てかけ、帽子も帽子掛けにかけておく。
スカートの中からさっき借りてきた茶筒を取り出す。筒は綺麗でなかなか高級な茶のようだ。
筒をくるくる回し見定める。開けられた形跡は無い。まだ未開封のようだ。えっとこの茶は・・・
おぉ!?    な   ん   と
『玉露』ではないか!!うぉ、まじか、あの貧乏巫女が・・・・・・
しめしめ、早速いただくとするか。
湯を沸かす準備をし、茶漉し、急須、湯のみ等を用意する。
さてと、「時は満ちた!!!!」茶筒に手をかけ、蓋を────バゴタンッ!!
不意に玄関の扉が強烈に開け放たれ、その大きな音に驚いた私はとっさに茶筒を背中に隠す

玄関にいたのはアリスだった。
アリスは私と目が合うなり
「あ、あああああぁ、マ、魔理沙ぁああ、魔理沙ぁあああああああ〜〜」
声を震わせながら私に思い切り抱きついてきた。それも顔を涙でぐっしょりと濡らし、目も顔も真っ赤であった。
「れれ、れっ、レ、霊夢が、霊夢があぁぁぁぁあああああああああ〜〜」
「ま、まぁ落ち着けアリス、どうしたんだ?何言ってるかわからないぜ?」
泣きじゃくるアリス、身体を痙攣させ、嗚咽を漏らしながら、目からは大量の涙が濁流していく

(げ、まさか茶を盗んだことがばれたのか?それにしてもアリスを疑うなんて酷い奴d──
「霊夢が、霊夢がっ、ぁあ、ウッグ、し、しんじゃった、の、殺されっ、たの、うああぁぁああああああん」
アリスはそれだけ言うと、大声で泣き叫びつづけた
──へ????私は耳を疑った。

────死んだ?霊夢が?   殺された?誰に?

確かにアリスは霊夢が死んだと言った。でもあの天才が死ぬなんてありえない。
でもアリスが嘘をついてるようには到底見えない。
幻想郷で最強かと恐れられるぐらい強いのだ。あの霊夢が殺されるなんてあるわけない。
開かずの賽銭箱が、満腹になるぐらいおかしな事だ───




彼女の存在の大きさ故か、既にその事は幻想郷全土に瞬く間に広がっていた

───────博麗霊夢は死んだ───────
と。

66midy 22:2008/03/28(金) 21:33:17 ID:77zmpWH60
最初に彼女の死体を発見したのは、半妖であり─(略)─の上白沢慧音であった。
日課である人里の警護にあたっていると、里の外、森の生え際辺りの場所に、
低俗な3流妖怪が群れている事に気づく。
単に群れているだけかもしれないが、里を襲ってくる危険性もある。
だが3流妖怪程度なら、簡単に蹴散らせる。
害はないほど離れている距離とはいえ、人里を守る慧音にとっては見逃せない事だった。
下手したら用事で外に出た里のものが襲われている可能性もあるのだ。
最悪の事態だけはどうしても起こって欲しくない。
その事を願いつつ、慧音は現場へ向かった。


「────遅かった。か」
妖怪を追い払った場所には見事に"食事"された死体。
真紅の衣装を所々裂かれて、息絶えていた死体。
マナーも節度も無い、散らかった肉片。
衣装、体躯から見るに、まだ10代ぐらいの女の子であろう。
里を守り、人を守る慧音にとってその事実は、酷く自分を呪った。
私がいながら、守れなかった。自分の無力さを嘆く。
いつのまに里を出たのだろう。それを見逃してしまった自分を憎んだ。
自分に向けて込みあがる怒りを抑えつつ、死体の身元を確認する。

里のものではなかった。この顔は里にはいない。一瞬の安堵。
自分に対する罪が微かに軽くなったような気がした。
だがそれと同時に震えと恐怖が身体を支配する。
真紅に染まった衣装に見覚えがある。
特徴的な衣装。この衣装は本来紅白である。このオリジナルな体裁の衣装は彼女しか着ない。
目を疑う。
震えが強くなる。脈が速くなる。
この顔は知っている。

───博麗───霊夢?????????????

67midy 23:2008/03/28(金) 21:34:40 ID:77zmpWH60
博麗霊夢が、幻想郷のバランスを保つために提案したスペルカードルール。
これは強すぎる存在と、弱い存在の差を埋めるために提案した、弾幕ごっこである。
どんなに力を使おうが相手を死までは追いやってはいけない。そういうルールだ。
─だが、今回の件は弾幕ごっこではない。殺し合いである、それも一方的な。
3流妖怪は幻想郷でもかなり弱いほうの存在ではあるが、力をもたない人間にとっては
恐怖の対象でもある。無秩序な故か、弱すぎる存在故か、彼らにはスペカルールが適用されない。
スペルカードルールはある程度力を持った者を対象に提案されたルールなのだから。
それ故に、妖怪は人間を喰らい、人間は妖怪を退治する。
そしてその、法外の輩に、この少女は"食事"されてしまった。

誰か別のものが霊夢を殺したとしても、霊夢を殺せるような実力を持った者が
里に近づいた等、そんな気配はまったくなかった。そもそも霊夢を殺せるぐらいの実力者なんているのだろうか
ルールによっても守られている。ルールに従わなくていいのは、三流妖怪等である
つまり殺されたと言うのだから、この辺りの妖怪の仕業である。

幻想郷最強と噂される博麗霊夢が、まさかこんな低俗な妖怪に手をかけられ命を落とすなんて・・・

この事件は、偶然近くを通りかかった、鴉天狗、─(略)─文によって、すぐさま広まってしまった。
───────博麗霊夢は死んだ───────
アリスの元にも、そしてアリスの口から魔理沙のもとへ・・・・

68midy 24:2008/03/28(金) 21:35:25 ID:77zmpWH60
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!!!!」
さっきまで笑っていた霊夢。さっきまで会話していた霊夢。あんなに強くて、自分の理想だった霊夢。
「何故死んだ!!!!!!!!!」

                『ありがとう、まってるわ』
それが最後に聞いた、最後の台詞だった。最後に見た、霊夢の笑顔だった。
何故待っていてくれなかった!!!!何故出かけた!!!!!!!何故・・・・・・

隣では、崩れたように床に座り込み、痙攣と嗚咽交じりに泣いているアリスがいる。
かという私も、視界がとてつもなくぼやけて、アリスかどうかもわからなかった。
目から次々と溢れる涙。止まらない涙。いつ止まるかわからない濁流。
私の大切な友達である霊夢を失ってしまった。
いつも笑顔だった霊夢。常に気を使ってくれる霊夢。誰にでも優しい霊夢。
「くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

            ────彼女はもう、笑わない────

69midy 25:2008/03/28(金) 21:53:00 ID:77zmpWH60
──────ここは・・・・・・?・・・・・・・・あぁ、自分の研究室か・・・・・・・・・・・・・・・・
いつのまにか、私は私の家にある研究室の中心にだらしなく座り込んでいる事に気がついた。
目の前には、割れて粉々になった大量の実験器具、何かの粉末も大量に飛び散っている
水滴が1滴ずつ落ちる音。壁際に設置された机の上から、水が滴り落ちていく。
紙切れが散乱し、壁にも所々に穴や染みを作っている。
理解を超えるこの光景に、しばらく宙を見つめ、ボーっとしていた。
─っ。手が痛む、腕全体が激痛を走らせる。片手をゆっくりと自分の前に掲げてみる。
浅く抉れた大量の傷跡。アザもその間を縫うようにして痛々しく走っている。
着ている服の白いエプロンドレスは、様々な薬液や、粉末、それに私の腕から流れ出る血によって
とても変な色合いに染まってしまっていた。
瞼も腫れているようで痛い。

・・・・・・・私は暴れてしまったのか?
いつのまにここに入ったのかは覚えていない。
軋む身体を無理やり立ち上がらせ、部屋を出ようと歩き出す
何か鋭い破片を踏んだのだが、全身の痛みに比べれば些細なものだった。

70midy 26:2008/03/28(金) 21:53:27 ID:77zmpWH60
「ア、アリス?」
部屋を出ると、すぐ正面にアリスが横たえていた。
姿勢的にも寝ているだとか、その様子ではないことがすぐわかる。
アリスの頬を叩きながら、肩を揺らして呼びかける
「ア、アリス!!!大丈夫か?起きろ、アリス!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・う・・・・・・あ・・・・・魔理沙?・・・・・・・・よかった。・・・・・戻ったのね・・・・・」
『戻った』?・・・・・・そうか、やっぱりあまりのショックに私は気が狂ってしまっていたのか・・・・
対するアリスも、華奢で綺麗な白い腕に擦過傷が数痕刻まれている、
その肌に似合わない色を纏ったアザも浮いている。
「あ・・・・・・・・・アリス・・・・・ま、まさかその傷は私がやってしまったのか?」
「ん、あぁいいのよこれぐらい、気にしないで。魔理沙がいつもの魔理沙に戻ってくれたから、それだけで十分よ」
「う・・・あ・・・で、でも・・・・・・・」
「私より魔理沙のほうが酷い怪我よ?さ、治療しましょ?」
確かに、私のほうが全身傷だらけで、腕は鮮血で真っ赤だ。忘れていた痛みが蒸し返してきた。
服は裂かれて、破れ、薬液やら血やら涙やら鼻水やらでいろんな意味で酷い。

服を脱ぐのは傷に触るので、腕など露出している部分からアリスが治癒魔法を施してくれた。

治癒魔法といっても簡単に扱えるような魔法ではない。かなりの高等魔法だ。
魔法は壊すことは至極簡単なのだが、壊れた物を治す事は相当難しいとされている。
よって使い手はかなり少なく、重宝されているのである。
アリスもその使い手の中の一人であり、幻想郷でもトップクラスの器用を誇るアリスにとって
ある程度の傷を回復するのはお手の物である。

71midy 27:2008/03/28(金) 21:53:57 ID:77zmpWH60
暖かい光が私の腕を包み込むと、痛みが安らいでいく。少しずつ傷が塞がっていくのがわかる。
血にまみれているせいか、傷が塞がっても見た目の痛々しさは残ってはいるが、痛み自体はほとんど消えた。
腕がとても暖かい。温度ではなく、感情的な暖かさだ。
眼下に迫るアリスの顔。
スッと通った鼻筋、潤いを保った柔かそうな唇、汚れの無い澄んだ蒼瞳、美しく光を反射する滑らかな金髪。
そのバランスたるや、魔理沙はアリスが幻想郷の中で一番美人じゃないのかと思うぐらいだ。
とてつもなく美しい。それでいて微笑んだ顔はとてつもなく可愛い。慈愛に満ちたアリスの顔。
近い、息が掛かるほどの距離。高まる心音。
顔を上げたアリスと不意に目が合ってしまう
「ん?どうかしら、まだ痛みは残っているの?」
「あ、ああ、も、もう大丈夫だぜアリス、ありがと、だっぜ」
─胸が高鳴る。この気持ちはなんだろう。ドキドキする、この感情は──

アリスは一通り私の治療を終えると、自分の身体を治療し始めた。
光を発する手で傷口を触れていく。触れた箇所から次々と傷跡が消えていく。
術者本人に対する治癒魔法の効力はとても大きい。自分の波長で回復するのだから当然である。
またしても妙に艶かしいその行為に、見惚れてしまっていた。
「ほら、ボーっとしてないで、服を脱いで洗濯しなさい。解れた所は修繕してあげるから」



またアリスに迷惑をかけてしまった。それどころかアリスを傷つけてしまったのだ。
我を失っていたとはいえ、その事実は酷く私の心を痛めつけた。
アリスだって数少ない友達を失って悲しいだろうに、私の事を心配してくれた。
これ以上アリスを悲しませるわけにはいかない。これ以上アリスを傷つけるわけにはいかない。
アリスは私を信じてくれていた。アリスを裏切るわけにはいかない。
私がアリスにしてやれる事、何かないものだろうか・・・・・・

72midy 28:2008/03/28(金) 21:54:51 ID:77zmpWH60
「じゃ、私もそろそろ家の人形達の様子を見に行かなくちゃならないから、今日はこの辺で帰るわ」
とアリスは私に笑顔を向ける。
「おぉ、そうか、すまなかったな、迷惑かけてしまって・・・」
「あら、謝るなんて魔理沙らしくないわね」
「私だって謝るときは謝るさ。それに本当に悪かったと思っている」
「その様子じゃ明日は大雪かしらね」
「な、なんだよそれ!私が反省しちゃ悪いのか?」
「ううん、私は元気な魔理沙が見たいだけ。次は笑っている魔理沙もみたいわ。
知ってる?魔理沙の笑顔はとても可愛いのよ?」
「─────っ」
「ふふっ、じゃあね」
真っ赤な顔をした魔理沙を残して、アリスは暗闇に近い空に溶け込んでいった。

なんだかんだ言って魔理沙はちょっと元気がでた。
アリスの気遣いが、アリスのさりげない励ましが、私の心までも治してくれていった。



・・・・・・それにしても酷い有様だ。ほんとに自分がやったのかと思うぐらいである。
実験室の中を改めて覗き込む。
いくら魔法や衝撃に耐える構造をしているとはいえ、派手に暴れてしまっては流石の壁も音を上げる。
危険な薬品は丁度切らしていて良かったものの、貴重な薬剤や高価な器具が台無しであった。
(暴れるならもっと器用に暴れろよ・・・)

片付けようとも思ったが、片付けが苦手な魔理沙にとっては骨の折れる作業である。
それに加え、今日はいろいろな事が起こりすぎた。まずは身体を休めるのが先決だ。
決してめんどくさいわけではない。多分。

73midy 28:2008/03/28(金) 21:55:24 ID:77zmpWH60
カサンッ
足に何か当たり、それは転がっていく。近くのガラクタの山にぶつかってそれは動きを止めた。
─む、なんだ?
私はそれを拾い上げる。筒の形をした容器。茶筒だ。
これは・・・・・・綺麗な茶筒、高級な茶筒。そう、霊夢の所からくすねてきていた、玉露の茶である。
霊夢が棚の奥に大切にしまっていたお茶・・・・・・
『そうだわ、今日とてもいいお茶が手に入ったの、一緒に飲みましょう』
霊夢が言っていた。いいお茶とはきっとこれの事だ。まだ茶筒は開けられた形跡は無い。
私と飲むために、あけずに取っておいたのだろう。
いつ来るのかもわからない私を、大好きなお茶を我慢してまで待っていくれた。
一緒に味わうために。喜びを分かち合うために。

でももうこの茶は彼女とは飲めない。彼女はもういないからだ。

疑問が沸く。
なぜ霊夢は出かけたのだろう。何故霊夢は人里に?
何か用事でもあったのだろうか。私が戻ってくるまでの短い時間を急ぐほどの。
薬を買うのだったら人里か永遠亭にいくのだが、それは私が作ってやると言った。
だから別の用事だ。私たちが人里にいく思い当たる理由といえば、残るは材料調達ぐらいなものだ。
食材を求めて・・・しかしそれほど急ぐ理由ではあるまい。体調が悪いと言ってたならなおさらだ。
じゃあ何故?・・・・・・私は手元の茶筒に目を向ける。茶に関係する何かだろうか?
湯のみやら急須やらは足りている。無ければ私が持っていく。茶を飲むのに必要なもの。
茶菓子とか・・・・・・・・・・・・──まさか
まさか霊夢は茶菓子を買いに?高級な茶には高級な茶菓子が最高の組み合わせだ。
高級な菓子など霊夢の家には普通置いて無い。そこまで金銭的余裕はないからだ。
私と一緒に飲むために、私と一緒に食べるために、私と一緒に味わうために・・・
霊夢は私のために・・・・・・人里に行く途中、妖怪に襲われて命を落とした。
私のために・・・・・・

「くそっ!!!」
私は持っていた茶筒を思いっきり壁に投げつけた。
ゴンッと鈍い音を立て床に落ち、茶筒の蓋が外れ、中から緑葉が飛散する。
部屋に茶の香りが満ちていく。芳醇で、若葉のさわやかな香りが鼻を撫でる。
お茶としては申し分ない香り。本来なら最高の香りのはずだった。
今はとても悲しい香りとなってしまった。

ハァ・・折角心も落ち着いてきたのに何をやっているんだ私は・・・

私は飛散した茶葉の元へ近寄りしゃがみ込むと、手でそれをかき集め始めた。
茶筒に少しずつ戻していく。仄かな香り、心地よい香り、悲しい香り、持ち主がいない香り。
サラサラと音を立てて茶筒の中に注がれていく。
一本も残さず、全てを筒の中に戻した。
霊夢が私の為に用意してくれた茶。ならばこれを飲まなければ霊夢に失礼だと思ったからだ。
もう一度蓋をし、棚の一番良く見えるところに置いた。
これから毎日、いつも霊夢とお茶を飲んでいる時間と同じ時間に、少しずつ飲んでいこうと思う。
霊夢と一緒に。

74midy 29:2008/03/28(金) 21:59:07 ID:77zmpWH60
@@@
あれから数日がたった。普段の日常に戻りつつもある。葬式も参加した。でも何も覚えてない。
ただ霊夢の存在がどれほど大きかったか、集まった顔ぶれでわかった。でもその日の事は思い出したくない。
博麗の巫女が死んだという事は、幻想郷自体が崩壊する危険性があるのだが、
急遽、2Pカr、もとい東風谷早苗という巫女が、博麗の巫女になる儀式を執り行い、
博麗の巫女と成り代わることで、危機は免れることができた。

ちなみにまだ実験室の掃除はしていない。気が進まなかったからだ。
だが流石に数日も実験室に入れないんじゃ困る。なんとなく習慣になっていたから落ち着かないのだ
今日は特に用事はないので、暇つぶしも兼ねて実験室の掃除をすることにした。

─これは酷い。数日間放置しただけあって、あの日よりも汚くなっている気がする。
なんかもっと放置しておけば新種のキノコが栽培できるんじゃないかと思うぐらいだ。
だが断る。

私は小さな箒。掃除するための箒を手にし、まずは粉々になった器具の欠片を掃き集める。
(こんな大量の高価な器具を壊せたなんて、さぞかしその時は気持ちよかっただろうな)
なんて事を思いつつ、手を動かしていく

──グニュッ

ん?何か踏んだみたいだ。感触からして器具の類ではない。
薬液が中途半端に乾き、微かに湿り気が残ったその物体を摘み上げる。
・・・・・・なんだろう。藁の塊に布切れが巻いてある───
───藁人形だった。それも今は亡き博麗霊夢を象った藁人形。
薬液で変色しているものの、特徴的な巫女衣装を纏っている。

私は簡単な呪いを霊夢にかけた。殺すような酷いものではない。
ただちょっとハンデを持ってもらっただけだ。いや、平等にしただけだ。したつもりだった。
『勘』を取り除いた霊夢。
それは全く脅威ではなく、とてつもなく弱かった。
どうでもいい弾に自分から突っ込んでいってしまうぐらい惨めな弱さだった。

そんな霊夢が妖怪に襲われたら?あの日はそれに加え、ふらふらともしていた。
ふわふわではない。

75midy:2008/03/28(金) 21:59:59 ID:77zmpWH60
休憩。鬱な話ですんません。

76midy:2008/03/28(金) 22:17:27 ID:77zmpWH60
***************

魔理沙が飛び立った後、霊夢は茶菓子の残りが少ないことに気づく。
「折角いいお茶が手に入ったんだし、たまには豪華にいきたいわね」
魔理沙も私の為に薬を作ってくれるみたいだし、夕方までもう少し時間があるから
ちょっと出かけようかしら。悪い勘はまったくしないわけだし、大丈夫ね。
そう思って霊夢は人里に向かって、ふわりと飛び立ったのである。

魔法の森上空を飛ぶ霊夢。
「えっと・・・・・・こっちだったかしら?」
何故かわからないが、方角がわからなくなってしまう。
「う〜ん、確かいつもこっちに飛んでいた気がするわ」
遥か彼方に見える景色を頼りに進んでいく。
しばらく進んだ所で、開けた地が視界の奥に映った。
人里である。ほっ、よかった。博麗の巫女であるこの私が迷うなんて飛んだ笑いものになってしま──

──ぅ
緊張が緩んだ瞬間急に視界がぼやけ、全身を気だるさが襲う。
「な、なんなの?これ・・・」
今日の朝から起こるようになった、体の異変である。
時々急に襲ってくる倦怠感。
風邪の症状としてはちょっとおかしい。
──ぅぐっ
急に身体全身の力が消え、博麗霊夢は墜落していった。
魔の者が住む、魔法の森に・・・・・・


妖怪の住処が所々に点在している魔法の森に墜落してしまった霊夢。
当然、音を聞きつけた妖怪共は、その音のした場所に群がってくる。

77midy 31:2008/03/28(金) 22:18:11 ID:77zmpWH60
「うっ」
腕が痺れる。背中が重い。呼吸がしにくい。
木の枝によってある程度の衝撃は抑えられたものの、それでもかなりの高さから落ちたのだ。
・・・・・・・・─・・・・・・・─
視界のどこかで、何かが動く気配。それも一つではない。
霊夢は身体の激痛に耐え、周囲を見やる。
そこには複数の妖怪が、霊夢に視線を向けて、不気味な笑いを帯びていたのであった。

いつもなら簡単に追い払うことができる霊夢。ただ今日はいつもと違った。
霊夢が放つ弾幕は見当違いの方向に飛来し、なおかつ妖怪による薄い弾幕にすら被弾
してしまう。危険な予感は全くしない。それでもこの状況はどうみてもやばかった。
もっと早く気がつくべきだった。『勘』がうまく働いていない事を。

その事を今更ながら理解した霊夢は、弾幕が最も薄い、それでいて妖怪がお留守の一角を
視界に捉えると、一気に駆け出した。妖怪に背を向け逃げ出したのだ。
木の根に足を取られ何度も転がった。
時折飛んでくる弾がわき腹にあたり、呼吸も困難になった。
それでも走って逃げようとした。ここで飛んだら間違いなく木に激突するからだ。
今やあの最強の博麗霊夢ではない。ただの逃げ惑う少女であった。
必死に走った。走った転んだ。既に満身創痍だ。立ち上がる間もなく襲い来る弾幕と暴力
どこに向かって走っているのかもわからない。勘が使えないため出口もわからないのだ。

78midy 31:2008/03/28(金) 22:18:49 ID:77zmpWH60
どれくらい走ったのだろう。
何度も行く手を遮られ、その都度、妖怪がいない空間を見つけては突っ走っていった。
──ふと視界の片隅に光が見える。外だ!!!魔法の森の出口だ!!
私は進路を変え、その方向に向かって走り出した。森さえ抜ければ──!!?
突如視界が塞がる。急に現れたものに弾き飛ばされ、私は地面を転がされた。
全身を激痛が支配する。それだけでも意識が飛びそうなくらいだ。
それでも、顔だけは起こし、状況を確認する。
確認し終えた私は、もう立ち上がる気力も残っていなかった。
僅かな希望。それを絶対的な絶望へと刷りかえられたのだから。

出口方面には妖怪が、私の後ろにも妖怪が、私の左右にも、上にも。
・・・・・・囲まれていた。どうやら、遊ばれていたらしい。
逃げ惑う私を見て、嘲笑っていたらしい。
妖怪が少しずつ近寄ってくる。
包囲の幅を狭めてくる。
妖怪の足が、
手が、
視界を
遮って



       
       ──約束守れなくてごめんね・・・・・・・・魔理沙──

79midy 32:2008/03/28(金) 22:19:30 ID:77zmpWH60
****************

・・・・・・もしかしたら・・・・・・・・・いや、もしかしたらではない。
確実だ。
博麗霊夢が死んでしまった原因。それを作ったのは・・・・・・私だ・・・・・・
この私、霧雨魔理沙だ。
友達でいたかった。対等でいたかった。頼って欲しかった。
そもそも殺すつもりなんてなかった。

あの霊夢の事だから、勘が多少薄れても十分強いと思っていた。

呪いの効果が強すぎた。『勘』をまったく取り除けるなんて思ってなかった。
呪いの効果が効きすぎた。体調を低下させるなんて望んでいなかった。

これだけの効果が出たんだ。私にも影響がでてもいいはず。
呪いは術者に返る。と言われるくらいだからな・・・・・・
でもあれから数日たっても影響は全く無い。
気が狂ったのはあまりのショックであり、今は普通に戻っている。
おかしい。
全く呪いを受ける気配が無い。
忘れた頃にやってくるのか?
それでも遅すぎる。
どうしてだ???

80midy:2008/03/28(金) 22:21:12 ID:77zmpWH60
ここから結末を2つに分けようと思います。
どっちもバッドエンドですが・・・・

鬱な話ですいません。
文才もなくて(言い訳略)
分岐後は修正中ですので近いうちに投稿をします。

81名前が無い程度の能力:2008/03/28(金) 22:54:07 ID:JzG5xoA60
まとめてソソワに……っていま止まってるか。

鬱話と死話は苦手なんだが、ついつい引き込まれてしまう。
う〜む怖ろしい……

82名前が無い程度の能力:2008/03/28(金) 23:30:49 ID:VkchMZ020
スレに貼るよりtxtうpしてリンクURI張って欲しかったぜ

83名前が無い程度の能力:2008/03/29(土) 00:35:46 ID:Djh6OxE60
NGEEEEEEEEE
さすがにこんだけあると読みにくい……

84midy:2008/03/29(土) 01:14:10 ID:g9NDlsAs0
完成したらウrlにうpさせてもらうよ・・・・

さて分岐1
投稿するまでも無いssだからほとんど推敲はしていない。
それにまだ続くよ
長すぎてすまない、すぐ終わるように・・・・

だが永夜返し!!

85midy 33:2008/03/29(土) 01:15:06 ID:g9NDlsAs0
分岐ルート***************1


効果が強かった。それは呪い全てが圧し掛かったせいだ。
怨み、憎しみ、怒り。それらを対象の形を模した人形にぶつけることで、
相手に影響を及ぼす。
しかし、どんなに思いが強くても、下手にぶつければ、思いがこぼれてしまう。
そのこぼれた分が、自分へと返ってくるのだ。
思いを針のように変え、相手の急所を貫く。その事を的確にこなせないと駄目なのだ。

今思い返せば、私は違和感無くそれをやっていたような気がする。
それは単に憎しみが強いからだと思ってた。
─違う。あの時、藁人形を掴んだ私は何を感じた?
何を思った?何を知ることができた?

私は素人であり、そもそもこんな事をするのは初めてだ。
それにもかかわらず、あの時私が藁人形を掴むと妙に手にしっくりときた。
それでいて、どこが急所なのか、どこに刺したらいいのか、どう刺せばいいのか、
無意識に脳に流れ込んできた。
私はそれに従っただけだった。

そしてそれはどうやら的確すぎたようで、如実に霊夢に影響を及ぼした。
零れた思いも無く、完全に伝わった。
『勘』を奪われた霊夢。
もうそれは、天才ではなく、力を持たないただの人間だった。ただの少女だった。

86midy 34:2008/03/29(土) 01:16:09 ID:g9NDlsAs0
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだ・・・・・・・・・・・そういうことだったのか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・うふ・・・・・・・・・・・・・・・・うふふ・・・・・・・・
うふふふ、うふふふふふふふふアハハハハハハハハハハハ!!!
なんだ!!!霊夢は天才じゃなかったのか!!!ただの人間だったのか!!!!
勘さえ奪われてしまえば、何も出来ないクズだったのか!!!!!
私はそんなものに憧れていたのか!!!!!何も努力をしない、人間のクズ!!!!!!!!
アハハハハハハハハハ死んでも当然だぜ!!!!!!!!
それ相応の結果なんだ!!!!!!!頑張ったもののみが生きることが許される世界!!!!!!!
そうだよ!!!そうあるべきなんだ!!!!!!!!!!!!!!走らない兎は永遠に眠っていればいいんだ!!!!!!!」



「ならそうだよな、世界を塗り替えなくちゃあいけない。正しき世界へと、あるべき世界へと!!!!
まずは・・・・・・そうだな、邪魔者を排除するべきだぜ・・・・・・・・・・」

人里には一人、白黒の衣装を身にまとい、黒い心に白い仮面を被せて歩く、魔女がいた。

「へい、まいどありっ!!!!いやー商売を始めてから、そんなに買ってくれた子久し振りだよー
それにしてもそんな大量の藁や布を、一体何に使うんだい?」
「いや、ちょっと研究で使うんだ。すまないな急に用意してもらって。感謝するぜ」
「それには及ばないさ、こちとら商売だからな、血を吐いてでも客の要望に答えねば商売あがったりさ」
「倒れちゃったら元も子もないぜ?まぁ身体に気をつけて頑張っていってくれよ。じゃぁな」
「おうっあたぼうよ。お嬢ちゃんも若いのにしっかりしてるねぇ、気をつけて帰るんだぞ」




「うふふ、そうだよな、ああいう人こそが報われるべきなんだ。早速貢献してしまったぜ、うふふふ」
不気味な笑いを浮かべつつ、魔法の森上空を滑空しているのは、白黒の衣装を着た魔女、霧雨魔理沙である
手には大きな袋を抱えており、中には大量の布がぎっしりと詰め込まれている。
箒の柄の先端部分には大きく膨らんだ風呂敷が結わえられており、中にはみっちりと藁が放り込まれているのである。

87midy 35:2008/03/29(土) 01:17:41 ID:g9NDlsAs0
何軒か店を回ったが、無理を言う魔理沙の要望に答えてくれたのは
最後に訪れた里の端のほうにある、寂れた小さな店の一軒だけだった。
それ以外の店では、要望を言うと突き返され追い払われたり、
お得意様の客以外無愛想であったり
そもそもやる気があるのかという店ばかりだった
そういう気に食わない店はこっちからお断りだった。

「ったく、不公平だぜ。慧音があんなにも頑張って里を守っているというのに、なんだあの堕落した人間たちは。
これはちょっと、修正する必要があるよな。当然だぜ。それに慧音の負担が少しでも楽になるなら、慧音のためにも
なるんだしな」


「流石にこれだけの数をこなすと、疲れるぜ・・・・・・だがこれは正しいことなんだ。
得るものに比べれば些細な事さ、・・・・・うふふ」
『努力』それを使うことで世界がどんどん変わっていく。その実感が、その充実感が魔理沙を満たしていく。

「さてと、私の創造を邪魔する奴をまず消していこうか、聞いたところ、あいつは寝てばっかりらしいからな
式に全てを任せ、楽をしているそうじゃないか、消えてもらって当然だ。
うふふ、殺すつもりは無いぜ?別の世界へ散歩してもらうだけだ、
それに式神は負担が減って楽できる。いい事だろ?うふふふふふふ」


*********
ここは幻想郷のどこかにあるという"迷い家"
ここにある物を持ち帰ると幸せになれるとかなれないとか。

そこには1人のおば、もとい足の臭─スイマセンゴメンナサイヤメテマジd
芳醇な香りを身に纏う、うら若き乙女で絶世なる美女、八雲 紫と、2匹の式神が住んでいた。
いつもはもふもふした声や、猫のような声が聞こえるのだが・・・・・・・
今日はやけに空気が重々しい

88midy 36:2008/03/29(土) 01:18:25 ID:g9NDlsAs0
「紫様・・・・・・・朝食の準備が整いましたが・・・・・・いかがなさいますか?」
そう言うのはスッパ─略─紫の式神、八雲 藍である。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「紫様、少しでも食事を取らないとお体に触りますよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いらないわ・・・・・・・・・・・」
「で、でも・・・・
「いいの、ほっといて頂戴。何もいらないの。貴女達二人で食べてなさい。二度は言わないわ」
「・・・・・・・・・・・・・は、わかりました・・・・・・・・・・・」

3人分の食事が用意されている居間に戻った藍に、黒猫の怪、橙が寄って来た
「あれ?紫様は?どうしたの?今日も食べないの?」
「あぁ、また、なんだ。すまない」
「そっかー・・・・」
残念そうに俯き、指を咥える橙。
その格好で少し唸ったかと思うと、口から指を離し、
「なんだか、紫様、そーしきってのに出かけて以来、変わっちゃったね。
ねぇ藍様、そーしきってなぁに?何をする所なの?何があったの??」
「うーん、橙にはまだ随分と早いかな。さ、ご飯が冷めてしまうから食べましょう?
今日は橙の大好きな鯵の開きが丸ごと一匹なのよ」
「ん、あ、わーい、本当だぁ、藍様、早く席について、早く早くぅ〜」
(そう、まだ橙が知るにはとてつもなく早い。できれば一生関わらないようにと願うよ)


布団の中に蹲り、目からの涙により布団が濡れていく。頬にあたる部分が湿っていて冷たい。
「どうして・・・・・・霊夢・・・・・・・・・どうして・・・・・・・・・・」
霊夢の葬式、この八雲紫も立ち会っていた。
彼女は霊夢の事をかなり気にかけていて、とても可愛がっていた。
博麗の巫女として、自分が選定した少女。
彼女の性格なら、誰ともうまくやっていける。幻想郷のバランスを保ってくれる。
幻想郷を任せられる。そう思ったからだ。
事実、異変が起こればすぐに異変を解決し、あらゆる事態を収めていった。
妖怪同士の力の差をなくすための平等で特別なルール、それも定めてくれた。
期待以上に頑張ってくれたのである。
ただし彼女はまだ少女であり、それだけの異変を解決するのは身体に過度の負担が掛かってしまう。
その負担を僅かでも減らすため、実は内緒でこっそりと協力してあげていた。
ばれない様に見守って、それでいてピンチの時はさりげなく力を添える。
しかし、その行為は戦ってる当の本人よりも疲れを感じてしまった。
境界をフル活用しているのだから当然である。
小さく大きさを保った境界の中から覗き込み、気づかれない程度の弾を撃つ。
その反動のせいか、家に帰ると死んだように眠ってしまう。
藍はその事に薄々気づいてはいるらしいが、橙は私の事をずっと眠っているおばs
眠り姫だと思っているようだ。
永い夜の異変の時は、気づかれてしまったらしく、隙間に手を入れてきて私の腕を掴むと
「あんた強そうね。異変解決するから手伝って」
と無理やり引っ張られ壁をやらされたのである。
どこぞの誰かも知らないのに信頼するとは、流石霊夢だ。
私はその時一緒に戦ったが、私の力が無くても十分すぎるくらい成長していた。
今度は隙間からではなく、直に目に焼き付けることができ、霊夢の成長を確認することができた。

89midy 37:2008/03/29(土) 01:18:47 ID:g9NDlsAs0
もう、私の力はいらないわね。ちょっと寂しいけど、親離れする時期かしら。

その異変以降だろうか、力を添えることは無くなったものの、霊夢と直接会話を交わしたり、
一緒にお酒を飲んだりと、以前より充実した仲になっていった。
あっちの世界からくすねてきたものを霊夢にあげると、とても喜んでくれた。
霊夢が落ち込んでいるときには元気を取り戻し、笑ってくれる。
その笑顔を見るためには何でも盗って来たと言っても過言ではない。
結局、盗って来るのにも力を使うため、家に帰ると死んだように眠ってしまう。
藍はその事に薄々─略─ 橙は眠る素敵な美女と評してくれた。
そして数日前、あっちの世界から適当に盗って来たお茶を渡すと霊夢は異常なほど喜んでくれた。
お茶が好物だとはご存知ありませんでした。まさか奇声まであげられるとは・・・・
とびっきりの笑顔で微笑んでくれた。
そしてそれが、私の見る最後の笑顔になるなんて・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・布団が冷たい・・・・・頬が冷たい・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・布団が冷たいわ!!!!!」
ガバッと布団を跳ね上げ飛び起きる。丁度頭の位置には大きな染みが。
(げ、私泣いていたのかしら・・・・)
近くに備えてある鏡台を覗き込む。
キャッ!!!
驚いて尻餅をつく。
鏡の中にいる目と顔を真っ赤に染めた化け物と、目があってしまったからだ。
落ち着くのよ私。あれは鏡よ。鏡なの。
訂正する
鏡の中にいる目と顔を真っ赤に染めた、うら若き乙女であり美しすぎる美女と、目があってしまったからだ。
とにもかくにも、こんな顔をあの子達には見せられない。
布団も濡れていて気持ち悪いし・・・・
という事で、隙間の中に入ることにした。

90midy 38:2008/03/29(土) 01:19:27 ID:g9NDlsAs0
音も何もない世界。自分以外の存在がいない世界。空間という次元を超越した世界。
こんな孤独な世界にできれば入りたくなかったのだけれど・・・・
(霊夢・・・・・どうして?どうして死んでしまったの?・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・ここは自分以外何も存在しない世界・・・ね・・・・・・・・・死んだらこんな感じなのかしら・・・・
・・・・・霊夢・・・・・・・・・)
また霊夢の事を思い出すと、頬を熱いものがなぞっていき、それがいつまでもとまらない。
止まるどころか、次々と溢れ、頬を掻き毟っていく。

             『うふ、うふふふ』
不意にどこからか笑うような声が聞こえる。
聞こえるはずがない。ここには私以外何もないはず。でも聞こえた。
どこから?誰の?ありえない。
周囲を見渡しても誰もいない何もない。あるはずない。

──んぐっ!?
急に眩暈、吐き気、頭痛が同時に襲ってくる。
──がはっ
身体が苦しい、全身が軋む
な、なんなのよ・・・・これ・・・・
身体が焼けるように熱くなり、鉄のように冷たくなっていく
途端、身体から力が抜けていく。
ぐっ・・・・迷い家に向けて隙間をこじ開け、とりあえずこの空間から出──
これ以上開かない!!!僅かに開いて、迷い家にある私の布団が覗くものの、
それ以上開かないのである。腕2本を通すのがやっとのようなそんな大きさだ。
それでも境界に手をかけ、無理にこじ開けようとする。
少しずつ閉じていく隙間。力が入らない。藍!!藍!!!!!!
式神の名を呼ぼうとも声が出ない。無常にも閉じていく隙間──


─── プツン ───

91midy 39:2008/03/29(土) 01:20:23 ID:g9NDlsAs0
「橙、今私の名を呼んだか?」
「んー?むぐむぐ、呼んでないよー?むぐ、むぐ、どうしたの?」
「ん、そうか・・・・・・・・・・・・紫様かな?ちょっと様子を見てくるよ」
う〜ん、起きたのかな〜寝言でしょ〜 と言う橙を残し、私は紫様の寝室へと向かった。

「紫様、呼びましたか?・・・・・紫様?」
寝室にはめくれ上がった掛け布団が放置されており、敷布団の上には紫様がいなかった。
「むぅ・・・・起きたのならば布団を片付けてから・・・・──ん?」
奇妙なものが布団の横に落ちているのが目に映る。
白い2つの皿、いや、皿ではない。白い塊。・・・白い布。・・・あぁ、紫様の手袋か。
びっくりしたなぁ、もう・・・・そういって腰を屈め拾い上げる

──ぐにゅ

・・・・・・・え?????????
入っている。中に何かが。手袋の形に沿うように。・・・・・・・
・・・・
・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・手だ。



居間に戻ると未だに魚を貪る橙。私の分の魚が無くなっている。
「むぐ、あれぇ藍さまどうしたの?紫様は?起きてこないの?」
「あぁ・・・・・そうみたいだ」
「ふぅん・・・・・紫様ずっと寝てるね」
「あぁ・・・・ずっと・・・・だ・・・・・・・これからも・・・・・ずっと・・・・・」
「ねぇねぇ、紫様の分食べちゃってもいーい???」
「あぁ・・・・いいよ」
「わーーい、じゃぁもーらぃ〜〜〜」


紫様はついに起きてくることは無かった。ずっと・・・・寝ているだけなんだ。

92midy:2008/03/29(土) 01:22:31 ID:g9NDlsAs0
本当はここまで長くなる予定ではなかったんだが、
書いてるうちに伸びてしまった。
長編だから仕方ないとはいえ・・・・
もともと活気の無いスレだからいいとは思うけど
読んでくれる人に対しては申し訳ないと思う。
それにまだまだ続く・・・・・

93名前が無い程度の能力:2008/03/29(土) 02:48:51 ID:aJXQLPdUO
GJです
ストレイボウが魔王になったらこんな感じかな

94名前が無い程度の能力:2008/03/29(土) 08:59:54 ID:g9NDlsAs0
ライブドアライブwww

95midy 40:2008/03/29(土) 14:38:06 ID:g9NDlsAs0
********************

「次は・・・・・そうだな。
なんの努力もなしに、私を凌いで幻想郷最速とか言ってる鴉がいたな
うふふ、記者なら記者らしく、自分の足で歩いたらどうなんだ?うふふうふうふふふ」

もう私怨でも何でも良かった。幻想郷に害を及ぼす輩。努力をしない輩は消えて当然だからだ。
嘘を何でも報道しまくる鴉、彼女には蝋で固めた翼を与えた。羽ばたけない翼を。

誰か人の為になる事、それをするのがとても愉快だった。とても快感だった。


「魔理沙〜、魔理沙いる〜〜?」
ぉ、アリスだ
「どうしたんだアリス。あ、生憎私の家はまだ散らかってるぜ?だからちょっと入るのは勘弁してくれ」
「ん?じゃぁ私の家でもいいかしら、話したいことがあるんだけど立ち話じゃあれだしね」




アリスの家は素敵過ぎる。とても心地よい香りが漂っているし、可愛い家具が綺麗に並べてあるし、
心が安らぐような微笑を含む人形も、それに・・・・
「可愛いアリスもいるし。あぁ〜〜こんな所に住みたいぜ〜〜〜」
「んもぅ、魔理沙ったらぁ」
しまった。つい声に出してしまった。
ん、まぁアリスの反応が可愛いからいっか。

96midy 41:2008/03/29(土) 14:38:27 ID:g9NDlsAs0
2体の人形が紅茶を運んでくれた。
可愛すぎる。つい、ちょっかいをだしてじゃれあってしまった。
テーブルを挟んで座る私とアリス。なんとも幸せな時間である。

「あ、それでね話したいことってのは幻想郷の異変についてなのよ」
「異変??異変なんてあのレイ・・・・(あぁ、霊夢はもういないのか)
いや、なんでもない、それでどんな異変なんだ?」
う〜ん、とアリスは少し考えるような仕草をすると
「それがね、人里に変な病を訴える人が増えていてね、いきつけのお店が休業しちゃったりと
いろいろ大変なのよ。そういう異変を真っ先に嗅ぎつける文さんも変な病にかかっちゃったみたいで
まだその話は広まってないみたいだけど・・・・・・魔理沙は何か知っているかしら?」
「変な病?いや、知らないぜ。初耳だぜ?アリスは大丈夫なのか?」
「うん、私は今の所大丈夫みたいだけど・・・・・・病気の事は永遠亭に行った方がいいのかしら?」
「いや・・・・・・任せろ、そんな異変私に任せろ!!私がアリスを守ってやるさ。
もうアリスを傷つけたくないし、傷つけられたくない。泣かせたくないし泣かせられたくない。
だから私に任せろ!!私を誰だと思っている。霧雨魔理沙だぜ?
そんな呪い、私がぶっとばしてやる!!!アリスを守ってやるんだ!!!」
(あぁ・・・この眼。どこまでもまっすぐなこの眼。目標をまっすぐ捉える汚れの無い純粋な眼。
私はこの魔理沙に魅かれたんだった。私の孤独を取り除いてくれる魔理沙。
ふふっ、どうやら私は魔理沙の事を大好きらしい。心から愛しているらしい。
どうしようもなく好きみたい。・・・・・・でも・・・・・・私"呪い"だなんて言ったかしら)

確かにこの症状は呪いだと、アリスもわかっていた。そして異変が起こるその直前に、
里で大量の藁と布を求めていた小さな魔女の話も聞いていた。でも・・・・・・まさか、ね。

97midy 42:2008/03/29(土) 14:38:49 ID:g9NDlsAs0
魔理沙は自宅にある木製の椅子に腰掛ける。口元には不適な笑みが。
「うふふ、そうだ、まだアリスの為に何もしてやれてない。アリスの為にも、
アリスがこれ以上傷つかないためにも、危害を加えられる恐れがある奴らを抑えこまなければな」


まずは吸血鬼、それから図書館の魔女もそうだな。雑用ばかりの小悪魔が可哀相だ。
メイド達も門番だって頑張ってくれているし、決まりだぜ。
吸血鬼の姉妹の人形と、紫色の魔女の人形を作り上げる。

その晩以降、紅い館の城主は未来が、運命が読み取れなくなった。急に目の前が真っ暗になるようなそんな恐怖に
悩まされるようになった。
城主の妹は何も破壊することができなくなった。ただの血を吸う少女と成り果ててしまった。
図書館の魔女は文字が読めなくなってしまった。どの本を手にとっても解読できないのだ。
その日以来3人の娘は睡眠時間が徐々に増えていき、やがて起きなくなった。

うふふ、やはり私は天才だ。道具と努力の天才だ。今更ながら気づいたぜ。
これだけ呪っても影響が無いなんてな。うふふうふふふもっと早く気づくべきだったぜ。

次はあいつかな。家来の庭師が大変そうだぜ。うふふ
息をする死んだように眠る死人。なんとも滑稽な話だぜ
その次は兎の館の姫辺りかなうふふふ努力が結果になるというのは、楽しいぜうふふふふふ

98midy 43:2008/03/29(土) 14:39:08 ID:g9NDlsAs0
今日は久し振りに博麗神社に行ってみた。
そこには霊夢ではない別の巫女、東風谷早苗が箒をもって掃除をしていた。
「あら、こんにちわ。えっと魔理沙さんでしたか。もうすぐ掃除終わるのでそこで座って待っていてくださいな」
「いや、様子を見に来ただけだぜ。それにしても綺麗だな。全部一人でやったのか?」
「えぇ、とても大変な事なのですが神事なので欠かすことはできません。それに私、これに生きがいを感じて
いますし・・・・・・・あ、○○さんのおばあさん、こんにちわ」
振り向いたところには普通の年寄りが、その老婆も早苗に挨拶を交わすと、
なんと賽銭箱のなかにお金を放り込んだではないか、正気か?おばあさん、その賽銭箱は開かずの・・・・・・
そう思っていると後から来た若者も賽銭箱に・・・・・・
信じがたい光景だった。奇跡が、今目の前に2回も。嘘だろ・・・・・・恐る恐る賽銭箱の中を覗き込む。
「ぎゃあああなななななんだこれは!!!」
「え、何って賽銭箱ですけど・・・どうかしました?」
「いや、賽銭箱ってのはこう、いつも空っぽでお金を入れるものじゃないだろ?
こんな満腹な賽銭箱は賽銭箱じゃないぜ」
「アハ、魔理沙さんは冗談がお好きですねぇ。そのお金は神社の修復に当てたりとするんですよ。
この神社古いせいか凄い軋んでますからね。それでも余ったものは、貧しいものへと寄付したり、
いろいろ役立てるんです」
この光景を、この話を霊夢が聞いたらなんと思うのだろうか・・・・・・
「よし、私はそろそろ帰るぜ。これからも神事に頑張って励んでくれよ、じゃぁな」
「ええ、ありがとうございます。それでは魔理沙さんもお体にお気をつけて」


まさかこんなに変わるとは思っていなかった。巫女というものは常に無気力なものだと・・・・・・
ならば私ももっと頑張る必要があるな。もっともっと世界を変える必要があるぜ。

99midy 44:2008/03/29(土) 14:39:28 ID:g9NDlsAs0
コンコン、「魔理沙〜いるかしら?」
「ぉ、アリスか、いま開けるぜ」
相変わらず可愛く美人なアリスがドアの前に立っていた。
「うん、また今日も話したいことがあるの。異変についてなんだけれど・・・入ってもいいかしら?」
「ん、あーー悪い、まだ片づけが終わってないんだ」
「あら、なら私も手伝うわよ?魔理沙一人じゃ大変でしょう?」
「ん、いや、いいぜアリス、有難いが私が散らかしたんだしな。自分でやるさ。
それよりもアリスの家行ってもいいか?私あの雰囲気がとても落ち着くんだが」
「ん、・・・もぅしょうがないわねぇ」



「それでね、異変の事なんだけど、また犠牲者が増えたみたいなの。
それも幻想郷では名のある人たちばかりなのよ。これだけ広まっていたら魔理沙の耳にも何か入っていると
思うけど・・・」
「う〜ん・・・・・・そういう話は聞かないなぁ。だが安心しろアリス。私はアリスを守る。
犯人を見つけ出して懲らしめてやるぜ!」
(やっぱり・・・既に誰かの仕業とわかっているかのような言い方・・・)
「・・・・・・そう・・・・・・私、魔理沙を世界の誰よりも信じているからね」

その後アリスとわかれると、私は博麗神社に様子を見に行った。
庭には落ち葉一つ無く、賽銭箱は腹を満たし、境内の床を雑巾で拭いている巫女がいた。
私は軽く挨拶を交わすと、その場をあとにした。

もしこれが本当の巫女だとしたら、霊夢はどれだけ堕落した巫女だったのだろう。
私は人里にも向かうと、大体めぼしをつけ、自宅に戻り、裁きを下していった。
効果が如実に現れる様をみて、私は震えが止まらなかった。

それから数日間は天狗や河童の里にも赴き、同様に裁きを下していった。
これほどまでに私を満たしてくれたものはあったのだろうか
「うふふふぐふふふふふあはははハハハハひゃひゃひゃひゃバババババハハハッハッハハ」
笑が止まらない。実感が気持ちいい。今までの努力が全て甘い蜜となる。
その美味しさときたら至高の一品だ。涎が垂れる。止まらない。幸せだ。最高だ!!!
もっとだもっともっともっと。もっと欲しい。身体が疼く。人のためにもなる。
これ以上の正義なんてないぜ!!!

100midy 45:2008/03/29(土) 14:39:52 ID:g9NDlsAs0
・・・しかし段々スペースが足りなくなってきたな・・・・流石に寝室でやるのは嫌だぜ・・・
コッコッ「魔理沙?魔理沙いる?」
「ぉ、今開けるぜ」
ドアの前にはアリスが、しかし今日はなんか落ち込んでいるというか思いつめてる様子だった。
「ア、アリス?どうしたんだ?雰囲気が重いぜ??・・・・誰かに何かされたのか?アリス?」
「う、ううん、心配してくれて嬉しいわ。でも私は平気よ。誰にも、何もされてないわ。
それより、今日はクッキー焼いてきたの。一緒に食べようかなっと思って。中、いいかしら?」
アリスはクッキーが入っている籠を目の前に掲げる。
「ん、悪いアリスまだ家の中は無理なんだ。片付けてはいるんだがなかなか進まなくてな」
「・・・・・・そう・・・・・・私、魔理沙を世界の誰よりも信じているからね・・・・・・だから・・・・・・」
アリスはそう言ってクッキーの入った籠を無理やり魔理沙に押し付け、魔理沙はそれを抱きかかえる形となる。
籠からは香ばしい香りが漂う。
「だから・・・・・ごめんなさい!!!!!!」
言うと同時にアリスは魔理沙を突き飛ばした。籠を抱える魔理沙は受身もとれず、思いっきり床に叩きつけられる。
その横をアリスはするりと抜け、魔理沙の家の中に土足であがりこんでいった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
壁には無数の藁人形が無数に磔られていた。全てが不気味に笑っている。壁全てを覆いつくされ、隙間も無く、
びっしりと。他の部屋に繋がる廊下の壁も、他の部屋の壁も。薄暗い部屋、視線を大量に感じる。
大量の藁人形。
その中には見覚えのある姿をした形が──
「なんだ、ばれてしまったな。それにしても突き飛ばすなんて酷いぜ。
まぁ安心しろ、その中にアリスを加えるつもりは全く無いぜ。
なんせ、私はアリスの事を幻想郷の誰よりも愛───
「魔理沙・・・・・・・人形で人を殺すことができるのは知ってる?」
「ん?あぁ知っているぜ。だけどそんな物騒な事はするつもりないけどな──アリス?どうした?
泣いているのか?どうしたんだ?やっぱり誰かに?呪いをかけるなら私がやってやる。
誰なんだ?何をされた?教えてくれ!!」
「・・・・・・心配してくれてありがとう。やっぱり魔理沙は魔理沙ね。そういう所が大好きよ・・・・・・・
でも・・・・・・・・・・・・・・・・・・もう終わりにしましょう?」
そういうとアリスはスカートの中から2体の人形を取り出す。
とても精巧に作られたそれは、藁人形だとは言われなければわからない精密っぷりである。
特徴も完璧に捉えられているし、人目で誰と誰の人形かわかった。
青い空色のロングスカート、金髪に赤いカチューシャ、細かい所まで完璧に。
黒いスカートに白のエプロン。金髪に黒い三角帽子を被っている元気な笑顔の人形。
それは、どうみてもアリスと魔理沙の人形である。

101midy 46:2008/03/29(土) 14:40:21 ID:g9NDlsAs0
アリスはそれを大切に抱きかかえながら家の中心付近にある柱へと歩み寄る。
そこにはまだ数体しか磔にされていない。
アリスは手に持った二つの人形を両方手前を向くようにして、重ね合わせる。
手前にアリス人形を、その後ろにいる魔理沙人形を何かからかばうように重ね合わせる。
柱の開いた空間にそれを左手で押し当てる。いつのまにか左手の人差し指と親指で何かを摘んで持っている。
五寸釘だ。それもアリス人形の心臓部分に尖を突きつけている。その後ろには魔理沙人形。
右手には木槌を。───まさか
「や、やめろアリス!!!!!やめるんだ!!!!」
「ごめんね、魔理沙。私はあなたの事が大好きよ」


魔法の森に、何かを打ち付ける乾いた音が響いたその時から、
幻想郷の異変は次第に収まっていった・・・・・・・・・・


            (ごめんね・・・・・・・・・・魔理沙・・・・・・・・・・)



魔法の森の一つの小さな家には、寄り添って眠る二人の美少女がいた。
その少女達は、もう永遠に起きることが無い・・・・・・・・・・・・・・

102midy:2008/03/29(土) 14:42:28 ID:g9NDlsAs0
以上で完結です。
長すぎる。との声もあるので最後のほうは少し省略してしまいました・・・
すいません。
投稿するまでもないssですので終盤は推敲もあまりされていません。

もしこのままでもよければウrlとかうpしようと思います。
餓鬼臭い文章ですみませんが、感想もらえれば嬉しいです。

103名前が無い程度の能力:2008/03/29(土) 15:02:43 ID:Noijra9I0
何というデスノート…

104名前が無い程度の能力:2008/03/29(土) 17:16:03 ID:g3alGY/Y0
とりあえず全文をtxtにまとめてうp

以下素人視点からの戯言
何章何話とかいう形である程度分けるといいかもしれない
そうすると推敲もしやすくなると思う(個人的には)
それとこれは俺の好みの問題だが、「・・・」が多すぎる気がする
「…(三点リーダ)」使うともう少しすっきりするかも
内容に関してじゃなくてすまん

105名前が無い程度の能力:2008/03/29(土) 18:34:41 ID:oFd1l6/E0
こういうのもヤンデレになるのだろうか。


でだ、次は明るい話を頼む。カオスでもギャグでもいいから。
マジで。俺の精神のライフはとっくに0だよ!!こわすぎるよ!
ホラーってレベルじゃねーぞ! O....TL

106midy:2008/03/29(土) 19:23:59 ID:g9NDlsAs0
ほとんど無修正ですが投稿テスt
ttp://coolier.sytes.net:8080/th_up2/src/th2_9649.txt

107midy:2008/03/30(日) 03:18:05 ID:kvWEgSRw0
「さぁ……始めようか……」


ここ博麗神社の庭に、白黒の衣装─どうせわかると思うから略。そうだよ可愛い魔理沙だよ─魔理沙が、
帽子を深々と被り、不適な笑みを掲げつつ立っている。
その正面には、賽銭箱によりかかり、虚ろな表情をしながら
虚空を見つめる博─紅白。腋。わかるでしょ?─霊夢の姿があった。
そして魔理沙を遠巻きに多数の妖怪が包囲している。その顔ぶれたるや、幻想郷では名高いものばかり。
どの妖怪も、魔理沙に視線を集めている。
誰もピクリとも動かない。静けさが騒がしいくらい…

ザッ!!

最初に動いたのは魔理沙だった。
右手を、スカートのポケットの中に不意に潜り込ませたのだ。

それに反応し、周囲の妖怪は迎撃の態勢を取る。
霊夢は未だに動かない。何かを諦めたかのような表情のままだ。

魔理沙はポケットからしっかりと握りこまれた手をゆっくりと出す。

周囲の妖怪は姿勢を崩さない。

魔理沙の手は握られたままだ。

周囲の妖怪は視線を外さない。

魔理沙の握られていた手が僅かに動く。
親指が、人差し指の第二間接の上に乗りあげると同時に、親指の上に奇妙な物体が露になった。
コインである。

周囲の妖怪の視線がそれに集まる。それでも妖怪の呼吸音が聞こえるくらいの静けさ。

魔理沙は一瞬親指に力を溜めると、コインを思い切り弾き飛ばした。

ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン....

それは綺麗に放物線を描いて飛んでいく
その軌道は賽銭箱に吸い込まれていく

コトン…

…カチャ




「ポウッ!!!!」






すいません。Mジャクソンのスムースクリミナルです。
宴会の片付けの事を思うと・・・・の霊夢と
宴会を始めようか。これは場所賃だぜとry魔理沙

一部の人しかわからないネタですいません。
いや、なんかネタをかけってアリスが言ってた。
とりあえずアリスの名をどこかに出さないと気がすまない。

108名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 07:11:50 ID:My/c9h..0
春。
どこかの亡霊が悪さをすることも無い、いつもどおりの春。
深く降り積もっていた雪は何時しか溶け、茶色い地面が顔を出す。
眠りについていた動物たちは目覚め、雪の下で耐えていた芽は一斉に咲き乱れる。
見あげれば、梅の花はとうに満開を過ぎ、桜が今か今かと待ち構えている。
それを見た人間も、心なしか暖かくなってしまう季節、春。

春。

春なのに。





魔理沙「だからー、ズズッ、春なのにって考えがおかしーよなー」
アリス「まったくよね、クシュン、私たちにとっては『春だから』なのにねー」
霊夢「いいからあんたら永遠亭にでもいってきなさい」

109名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 07:38:46 ID:hrlrUB860
なんだこれ
ここまで読む気がしないのも初めてだ

110名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 11:22:48 ID:kvWEgSRw0
>>109
マリアリを書け
話はそれからだ。

111名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 11:41:11 ID:986qDWg60
>>109
だからまでもないスレに投稿したんだろうに

112名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 12:52:46 ID:SBYHDSMM0
さすがにこの長さはtxt投下にしてほしい

113名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 14:06:29 ID:kHhcqgTM0
txtとか外部経由は専ブラで見づらいから止めてほしい。
本人が「投稿するまでもない」っていうんだから
別に長くてもいいと思う

114名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 16:10:49 ID:PPS1yBG.0
いや、流石に長すぎて邪魔だ。
ここは誰か一人の為のスレじゃないだろ?

115名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 16:14:05 ID:dvtI7pKc0
そんな専ブラ窓から投げ捨てろ

116名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 16:15:39 ID:AwK4iTQo0
というかtxtを見れる専ブラがあったのが初耳

117名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 16:16:14 ID:CuD4eUWs0
SSですらないし

118名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 18:58:43 ID:cALrhJjg0
読者参加型にしたかったのが、ここに投下した最大の理由だろうな
読者側としては雑音挟まないように気を使って放置プレイだったが。
投稿前にその辺の「肝」含め宣言しておくべきだった。
まあ俺は上記の理由(連作中、気を使わないといけないのが煩わしい)で反対だが……

もの自体は悪くなかっただけに残念だ。
出来ることなら推敲まできっちり終わらせた完全版をクーリエで読みたかったぜ。

119名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 21:01:17 ID:fCZMYAGA0

 早苗の時が止まった。
 完全で瀟洒なメイドさんの仕業と思いたくなるが。

『○ーりん62』

 いかがわしい書物のせいであった。

「な、なんですかこの淫らな漫画は」

 児童ポルノ法改正により、幻想の産物と化したアレでアレ本達に、幻想郷住人は首ったけである。


『スペルカードマスター早苗』
 相棒のケロちゃんを引きずりまわしつつ、スペカ討伐!
 友達が盗撮してくるけど、今日も私は元気です。
 大きいお兄さんがターゲットの痛快魔法少女娯楽作品。

「何ですかこのパロ漫画は。頭クラっときてスランプになりそう。クランプだけに」

 早苗さんは時々上手い事を言う。



『てゐと/不貞night』
 えっちなゲームの殻を被った、正しい少年漫画。
 早苗さんのポジションは黒化するヒロイン。

「こんなパロ作品も有るんですか……。というかなんですか、私のポジションが黒化するヒロインって。怒りますよ。くうくうお腹鳴らしますよ?」



『スキマーウォーズ』
「神社こそ邪悪の権化!」
「そこまで腐ったかゆあきん!」


「……上のやりとりが書きたかっただけですよね?」


 外の世界の娯楽は、計り知れない。

120名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 21:37:51 ID:kvWEgSRw0
んと、結論は長すぎるのはアウト?
長すぎてごめんなさい…

私の場合はクーリエが最初から規制くらってて投稿できないからでして…
いずれネカフェからでも数点挙げる予定ですが、

私としては投稿するまでも無いスレですので、途中にコメント等雑音入れてもらっても
(読者側は嫌かもしれませんが)構わないので…

現在執筆中のもありますが自重しようかな…

121名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 21:47:48 ID:XeDhTezY0
長すぎるのはtxtにしてどこかにうpすればおk。

122名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 21:51:24 ID:kvWEgSRw0
長編の場合、txtにして うp ですね
鬱 と ネタでしたら…みなさんネタですか??
鬱ならいくらでもかけるのですが…

123名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 22:16:11 ID:G2h6aLBE0
>>122
鬱とギャグならもちろんギャグ。
物がよくても鬱話では読む事すらしたくない人の方が多いんじゃない?
東方の世界観とは真逆に位置するようなものだし。
いっその事最終手段としていじめスレに行った方が共感してもらえるかも知れない。

あと、個人的に言えば30レス超えるのは長いってレベルじゃない。それだけで読むのを諦めたから。
長くても精々10レスぐらいか。これぐらいで週間連載とかも昔はしてたみたいだが。

124名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 22:40:22 ID:CFzhR6uw0
まあ場所の特性からして、
読まないのは自由だけど、
投稿するな、って事は言えないし、言うべきじゃないしな。
長いから投稿するまでもないってのもあるだろし。

長くて邪魔ってのは良く分からないが、
メモ帳に書いて一気にコピペとかなら良いんじゃないかな?

125名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 23:50:53 ID:XeDhTezY0
いや、ただ単に長いと読みにくいってだけ。
読みやすさを考慮すると、25文字程度で改行して整えて貰わんと。

126名前が無い程度の能力:2008/03/31(月) 00:46:09 ID:Uo.LdCtk0
数行で終わるネタをわざわざ、ロングにしてみた。
ロングにしたせいで落ちが弱くなった。というか台無し。
本来シリアスというか鬱系に書いてたけど、ちょっとネタに走ってみた。
ギャグ系は酷く苦手です。表現がいい加減になる。
いや、ほんとに酷い。 9kbだが 厨臭くて嫌になるわ。
ttp://coolier.sytes.net:8080/th_up2/src/th2_9669.txt

127名前が無い程度の能力:2008/03/31(月) 00:55:55 ID:2cKlIolM0
黙って投下しろ
いらん事をごちゃごちゃ言うな

128名前が無い程度の能力:2008/03/31(月) 01:01:34 ID:Uo.LdCtk0
すまん

129名前が無い程度の能力:2008/03/31(月) 01:12:32 ID:kGdF0zrM0
名前が途中から変わってるな。焔髪灼眼の討ち手になってるぞ

130名前が無い程度の能力:2008/03/31(月) 01:14:21 ID:ualfbCBg0
名前のとこに 01/26 とか通し番号ついてるとまだ何とかなるかな
読みたくない人は飛ばせばいいし どのくらいの長さかも把握しやすいし
あと一旦完成させてから投稿するのがいいと思う
投稿するまでもないからって推敲しなくていいわけじゃないぜ

131名前が無い程度の能力:2008/03/31(月) 01:18:40 ID:Uo.LdCtk0
逆に自分の価値を下げるコメだと負反を買ってしまいますね
気をつけます。
シャナは素で誤爆ww間違えないよう注意していたのだが逆に(ry
だから言い訳はやめろと(ry

それでもアドバイスくれる方々、感謝します

132名前が無い程度の能力:2008/03/31(月) 19:09:28 ID:Uo.LdCtk0
鬱作品なら結構楽に作れる。で大体の流れを考えてストーリーだけ記してみた。
いつもはアリス派だが、詳しく設定をしらないみょんを起用してみた。

みょんみょん

myon

妖夢の半身、魂魄は、人間の形である妖夢の事をとても羨ましがっていた。
その喋ったり笑ったりする妖夢を見て、自分も人間の身体を欲しい衝動に駆られる
何より、半身なのに、刀も持てず、好きに振り回せない。
スペルを使うときのみ、分身として現れるのだが。
それでも不満が募る。一番近くにいて届かない存在。妬みが、憎しみが増していく。

妖夢は自分の手足の末端辺りが白くなっていることに気がついた。
対する魂魄は尾の先に白ではない肌色を僅かに帯びている。
日増しにその面積は増えていく。魂魄が妖夢である人間の身体をのっとり、
入れ替え始めたのだ。
ついに完璧に入れ替わってしまった。魂魄の性格は今まで表に出なかったのだが
妖夢の半身である。妖夢の真面目な性格とは逆の性格を露にしたのだ。
「ククク、人も何も斬らないんじゃ刀が泣いてるぜ?妖夢さんよぉ」
この刀を持った手がとても喜んでいる、血を吸いたがっている。
さぁ……いこうか、人里にでも……

私に切れるものは、殆どない!!!


あれ?半身だからって・・・でも何かが切れるはずだ。何かが


…糞ッ、コンニャクかよ!蒟蒻かよ!!!悔しいビクビクッ

次の日にはいつもの妖夢に戻っていた。

133名前が無い程度の能力:2008/03/31(月) 21:20:19 ID:W6EXPRRc0
ギャグじゃねーかwww

134名前が無い程度の能力:2008/04/01(火) 02:35:54 ID:ZtjzZBps0
鬱系なら話がすいすい進む。だが○雨さんのような文才が欲しい。
いつもはマリアリメインだが、今回は霊夢と幽々子を書いてみた。
ちょっとグロテスク表現が含まれるかも。

『人ヲ食フモノ』


人が食べたい。人の肉が食べたい。生きた人の肉を……
幽々子は最近その考えが頭に浮かんでくる。今までいろんなものを食べてきた。
だが、どんなに食べても私を満たすものは未だ無かった。
既に調理されたものを食べる。
それは死んだものを食べるのと同じ。本来幽霊は生あるものを喰らう。
生で満ち溢れたものならば、私を満足させる事ができる。そう考えた。
今までにない充実感を求め、私は妖夢の静止を振り払って生きた肉を求めに行った。


食べたい。生きるために、力を得るために肉を食べたい。生きた肉を……
霊夢は最近になってその考えが頭をよぎる様になった。今までいろんな妖怪と戦ってきた。
だが打ち滅ぼすたびに、新しく沸いた敵が、過去最強の力を兼ねて襲ってくるのだ。
今まで通り退治する。
それではいずれ負けてしまう。本来博麗の巫女は最強でないといけない。力をつけないと。
だが、今までの食事では足りない。どうしても力が足りない。沸いてこない。
ならば直接、生きた肉を摂取すればいいのではと考えた。
今までにない気力を得て、私は魔理沙に肯定を促すと生きた肉を求めに行った。

二人が出会う。
「貴女、どこへ行くの?……そう、私は細くて美味しくないわ」と霊夢
「流石霊夢ね、鋭い勘だわ。でも一切れだけじゃ満足できないの。だからもっと別の場所。
逆に聞くけど貴女の目的は?」と@
「貴女と同じよ、力を貸すわ。私も大量の肉が欲しいの」
「うふふ、話が早いわね、じゃぁ行きましょう。大量の生きた肉を捕獲しに!!!」


霊夢&@「ちょっと輝夜を借りていきますね」
永琳「涎を拭いて来い。話はそれからだ」

霊夢&@「じゃぁ蓬莱の松坂牛でいいです」
永琳「腕を捲くれ、世界はこれからだ」

135名前が無い程度の能力:2008/04/01(火) 21:27:28 ID:xJVEe8cA0
やっぱりギャグじゃんかwww

ずいぶん前にどっかのスレで短編を連投してた人?

136名前が無い程度の能力:2008/04/01(火) 23:33:01 ID:ZtjzZBps0
違うぜ、何も違うぜ
長編鬱話と自虐コメントしかかけないアリススキーなんだが。
今執筆してるのはホラー。ネタ無し。

どっかのスレってどこだろう…呼んでみたい罠

137名前が無い程度の能力:2008/04/02(水) 00:56:18 ID:w6V4A0nM0
これは今執筆してるものとは違うもの
えっとまた大体のストーリーだけなので描写は省きます

幻想郷では、現在連続殺傷事件が進行中である。
第一の犠牲者は魔理沙。腹部、わき腹ともに深々と刃物を突き立てられ
アリスの迎撃、懸命な介護によって一命を取り留めるも、現在は昏睡状態である。
後にアリスは語る。
「今は魔理沙の介護が先なの…取材は後にして頂戴……」

第二の犠牲者は霊夢。顔見知りである相手に油断をしたのか、警戒していなかったのか
警報を鳴らす勘に気付く間もなく、左肩にパックリと傷口を縫われてしまった。
次なる刃身は身体を捻ってかわし、短針によるとっさの反撃でなんとか追い払うことはできたが
右頬にかすり傷を、右の太股には痛々しい傷跡を残してしまった。腋だけは無事だった。
それでも神事には影響が出たと見え、境内に座っているか傷口が開かないよう大人しく眠っているだけだった。
後に霊夢は語る。
「まさかあの人があんな事を……神事が出来なくなった事はとってもとっても残念だけど、
私は巫女。私怨を持っちゃいけないの……」

第三の犠牲者は氷精チルノであった。
身体の各部を殆ど貫かれた、無残な死体で発見された。
頭部には脳に達しているとも思われるほど深い傷跡も見つかった。
もうそれは完璧な殺人(精?)事件である。
魔理沙、霊夢に恨みを持つ犯行と思わせて実は無差別なのか、
犯人の意図が全くわからない事件なのである。
後にチルノは語る
「いきなりびっくりした。でもあたいはさいきょうだからこわくなかった」

目的はなんなのか、特に第三の犠牲者は今までのより一番酷い結果だった。
犯人は刃物をチラつかせるときも笑っていた、との証言も霊夢から得られたため
愉快犯である可能性が高い。
もし無差別であるならば新たな犠牲者を出さないためにも早急にこの事件を解決しなければならない。
犯人はわかっている。それは──

138名前が無い程度の能力:2008/04/02(水) 01:09:20 ID:yC0Q4yLA0
あのさ、完成させてから投下しろって奴。

139名前が無い程度の能力:2008/04/02(水) 01:14:52 ID:w6V4A0nM0
エラーでかけなかった。
落ちが失敗したかもしれない。

それは紅魔館の──

中「ちょ、ちょっと咲夜さん、落ち着いてください」
咲「あら、いつもと変わらないと思うけど?」
中「そんなもの刺さったら痛いですから、早くしまってくださいよ」
咲「うふふ、そうよね、痛いわよね………どのくらい痛いのか試していい?貴女の身体で」
この状況、最早いつもの…えっと…そう、チルノが言ってたおさけなさくやでは無い。
早く止めなくては!!第四の犠牲者をだしてはならない。いくら記事になろうとも、死んでしまった者の
事を書くのは非難を浴びるだけに過ぎない。止めなくては!!!

幻想郷最速である私の翼なら!!この距離なら間に合う──…えっ?
緑の中華風な服を纏う門番に、無数のナイフが一瞬の間に、いつのまにか、中華の身体を貫いていた
全身を余すことなく、向かい合って立っていたのに背中にも刺さっている。
催眠術とか超スピードとかのチャチなものではない。一瞬だった。
そして私のまばたきと共に、中華風な娘は糸が切れたように崩れ落ちる。
緑の帽子に深々と刺さったナイフ。
確実だ。あれは脳天を貫いているほど深い。

見てしまった。現場を。生々しいものを、この目で。
現場を見る、この手段ほど他者の証言のように曖昧でない真実を手に入れる方法は無い
だが、今回の場合ケースが悪かった。
顔も見られた……まずい、私の実力では抗えない。ならば逃げる、といっても相手は一瞬で移動してくる
追いつかれるに決まっている。どうする──

咲「ねぇ貴女、やっぱり刺されても普通平気よね?氷精の時もそうだったし……」
手に持ったナイフではなく、私に飛んできたのは苦笑交じりの同意を求める言葉だった。
(な、何を言っているのこの女は、普通刺されたら平気じゃすまない。貴女の目の前に既に無残な死体と
なった娘がいるのに何を…)

中「う、う〜ん、酷いですよ咲夜さん、痛いものは痛いんですから〜」
起き上がった!!!?なぜ?あの深さにあの量では……
帽子に刺さったナイフを抜き取りながら喋っている。不死身か?
咲「また昼寝していたでしょう?自業自得よ。あ、ナイフについた血は洗っておいてね」
中「ならはじめから投げないでくださいよ、もぅ……」
咲「で、そこの鴉、取材しにきたの?え、何?事件……?」

咲夜は語る
むしゃくしゃしてやった。中国ならしななかった。いくら刺しても平気だったから
そのノリで魔理沙、霊夢、チルノを刺した。チルノは平気だったから私の考えは間違ってはいない。

140名前が無い程度の能力:2008/04/02(水) 02:48:51 ID:DuxpihCw0
前にも出てたけど、「投稿するまでもない」ってのは「雑でもいい」って
意味じゃないからな?

141名前が無い程度の能力:2008/04/02(水) 03:25:03 ID:MQp.OV2w0
>>140
「雑なのはダメ」って意味でもないんだが。
いまひとつ練りこみが足りないから
ここに投稿してる作者もいるだろう。

142名前が無い程度の能力:2008/04/02(水) 03:27:09 ID:w6V4A0nM0
thx
そういう感想くれることでどの程度が雑とかわかるから
参考になるよ

143名前が無い程度の能力:2008/04/03(木) 00:14:20 ID:fsk.XD2U0
従者自慢?


「やっぱり、うちの咲夜こそが幻想郷一の従者ね」
今日も今日とて開かれている宴会の席で、幼きデーモンロードが愛する従者を自慢する。
「わたしの命令なら、死さえ厭わないわ。ねえ、咲夜?」
「はい、お嬢様」
微笑を浮かべて、瀟洒な従者は主の問いに答える。


「あら、うちの従者も私が命じれば生命の一つや二つ投げ出すわ。ねえ、藍?」
「ほら、橙、あーんして」
「あぁーん」
「美味しいかい?」
「はい!藍さま!」
「あの……、藍?」
満面の笑みを浮かべて、幻想郷一の親馬鹿は主の問いを無視する。
式がプログラムを超えて母性愛を最優先事項と認識した、感動の名場面である。


「いくら出来の良い式神だからって、紫は放って置き過ぎなのよ。妖夢は私のお願いなら何でも聞いてくれるわよね?」
「業務に支障の無い範囲でしたら」
微笑も浮かべず真顔で、未熟な庭師は主の問いに妙にビジネスライクに答える。
「あの……、妖夢?」
「幽々子様、ひょっとして私のこと従者だと思ってます?」
「えっ!違うの?!」
「私の任務は白玉楼の庭の管理と、白玉楼管理者である幽々子様の警護。剣術指南は祖父の趣味を継いだだけです」
「え、でも春を集めてくれたじゃない。戦ってもくれたし」
「あれは、庭師として妖怪桜の管理上、興味があっただけです。あと白玉楼に侵入した賊が幽々子様を狙うというなら、命を懸けてお守りもします」
「でも、代々魂魄家は西行寺家に仕えてくれてるんじゃ……」
「でも、お給金もらってませんよ?西行寺家からは。白玉楼付の職員として是非曲直庁からは出てますけど」
今明かされる衝撃の事実。そういや賃金払ったこと無かったっけ。
「知らなかった……」
「給与明細見ます?小町さんと同じ書式ですよ?」
「いやぁ、金額見せてもらってびっくりだよ。さすが管理職」
「そのかわり、残業代出ませんけどね」
そう言って死神と談笑。ひょっとして妖夢って高給取り?そういえば白玉楼のNo2だっけ、この子。

144名前が無い程度の能力:2008/04/03(木) 00:14:50 ID:fsk.XD2U0
「まったく、うち以外ろくな従者がいないわね。月の姫、あなたの所はどうなのよ?」
「だめだめ、全然逆らえないもの」
苦笑を浮かべて、永遠の姫君は吸血姫の問いに答える。
「財布も指揮権も全部永琳が握ってるのよ?プロバイダ契約切られそうになった時は土下座して謝ったわよ」
私は名誉会長で、代表権を持った取締役はあっち、と輝夜は永琳を指差す。
「じゃあ、あのへにょ耳ウサギはどうなのよ?あれは薬師の弟子なんでしょう?」
「格闘家じゃあるまいし、薬学の先生と生徒でなんで命の掛け合いするのよ」
ドライに答える薬師。
「それに私は姫のペットですから」
仮にも人型の存在が口にするには問題がありそうなことを、月ウサギがさらりと言う。
「じゃあ、そのお姫様のためなら命をなげうつの?」
「犬じゃあるまいし、ウサギにそんなこと期待する?」
馬鹿馬鹿しい、と月の姫。


「じゃ、じゃあやっぱり幻想郷一の従者はうちの咲夜で決まりね!」
「消去法っぽいけどね」
百年来の友人に茶々を入れられる吸血姫。まあ、勝ちは勝ちでいいじゃない。

「そういえば、お前はちゃんと給料貰えているのか?」
「私は取締役の一人よ?利益が出なきゃ報酬なんて無いわ」
居合わせた黒白の魔法使いの問いに、メイドが答える。あれ、なんかうちも怪しい雲行き?
「生産性皆無の居候は新書の費用を請求してくるし、強行突破してくる不法侵入者から受ける被害も馬鹿にならないし」
そのうえ、主は見えっ張りだから遊興費もかさむし、と紅魔館三大支出を一睨み。
「門番自慢の菜園が無ければ、今ごろ会社更生法のお世話になってるわね」
ああ、ヒエラルキーが音を立てて崩れて行く。まさか実は美鈴にも頭が上がらなかったなんて。
「お嬢様は紅魔館の頭首なんですから、どうぞ御気になさらず」
「は、はい。アリガトウゴザイマス……」

権力闘争とも階級闘争とも無縁の幻想郷。
そんなものは、まだしばらく幻想入りはしそうにないのです。

145名前が無い程度の能力:2008/04/03(木) 00:49:46 ID:tJ.vPGIE0
藍の母性愛に全俺が歓喜した
紫は泣いた

ラストを読み返すとまた深い

146名前が無い程度の能力:2008/04/03(木) 02:31:59 ID:ev2TBrWE0
妖夢のポジションの新解釈が良いですねw
是非曲直庁はしっかりしてそうだからなあ……

147名前が無い程度の能力:2008/04/03(木) 14:43:44 ID:2VVFRQDM0
極一部の善意に支えられてるw ワロタw

148名前が無い程度の能力:2008/04/04(金) 10:39:40 ID:N9b5BZpA0
フランス革命もはるか昔の話なのに、いまだ概念は幻想郷入りせず。かw
面白いわ、これw

149名前が無い程度の能力:2008/04/05(土) 11:06:07 ID:iPsx4z.c0
紅魔館に一つの白黒い陰
それに立ちはだかる門番

魔「おっす、今日も通してもらうぜ!!」
美「今日という今日は通しませんよ!!」
「と言って何回目かしら?」
美「へ?あぁ!咲夜さん!!」
咲「あなたの言葉、信用ならないのよ。それでね、今日は別のルールで戦ってみては
 どうかしら?」
美「別のルール?」
咲「これよ」
一瞬の間で魔理沙と中国の前それぞれに、小さな机とその上にたっぷりと水を注がれた容器が現れた
魔「ん…これってあれか?どっちが長く息が続くかって言う奴か?」
咲「そうよ、私が審判を務めるわ。さぁ準備して頂戴」
魔「面白そうだ、乗ったぜ!!」
美「了解(流石咲夜さんです、私がこういうの得意だと知ってていらしたんですね
   私の記録は幻想郷でも5本の指に入るとか入らないとか。咲夜さんありがとう!!)

咲「始めるわ、よーい」
魔、美(スゥウウウウ)
「ドン」
と同時に中国は顔を水の中に突っ込む、魔理沙も………?
魔理沙は顔をつける振りだけしてつけてはない

結構な時間経過

美「ゴポゴポ(ふふふ、相手は小さな人間、もうとっくに顔を出している所でしょう
 だがな魔理沙、酸素を持て余す)

さらに結構な時間経過

美「ゴポポ(このぐらい長ければ咲夜さんも尊敬してくれるでしょう、すごいわ美鈴なんていわれちゃったりとか
  美鈴様これからは私になんなりとご注文をとか肩をおもみいたしましょうだとかやだな咲夜さん私に惚れないで
 くださいよ付き合って欲しいそんなこまりまs………っとそろそろきつくなってきたわ……もう十分よね)

魔「おい、咲夜、それは酷いんじゃないか?」

美「ゴポ(ん、魔理沙の声…て事はもうギブアップですか、なら私も顔をあげると………あれ?あがらない
  なんか頭に違和感が…gggg、ちょ・・やばいって酸素が、ぶぶぐぐぐぶぐgぶggぶgぶgぶg
…………g………………)」

咲「良い子は真似しちゃだめよ」

150名前が無い程度の能力:2008/04/12(土) 01:37:41 ID:Gx45Aqe60
貼っておくべ。管理スレより。
この板、アンビリカルケーブル外れてるみたいよ。

872 :凜  ◆Wpuzura65A:2008/04/12(土) 01:02:16 ID:vnbT/JnI0
流石に、自分で取っておいて、管理は他の人に丸投げとか非道過ぎるでしょう。
てなわけで、腰を上げてくれた人には申し訳ないけれど、板の移動以外は今まで通りで。
管理人も続けさせて頂きます。

まあ、こちらとあちらで 少しばかり差は有るんですが、
その辺はこう……板が違うって事で。


このスレ使い終わったら諏訪子様も新しい幻想郷へ!
http://jbbs.livedoor.jp/game/42679/

151名前が無い程度の能力:2008/04/12(土) 04:38:36 ID:R4htJnKE0
追記:向こうに立てるのは話し合って適切な時期で。隙間落ちする可能性があるので。

152名前が無い程度の能力:2008/04/16(水) 01:03:37 ID:VDprGaI.0
保守!

153名前が無い程度の能力:2008/04/19(土) 01:46:29 ID:NsYRkccQ0
スレタイに真っ向から反するけど、ここって保管の需要ある?




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