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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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プロバイダー規制や本スレの空気などでSSを投下できない人が、
本スレの代わりにこっちでSSを投下するスレ。
sageるとIDが???になるので恥ずかしい人にはお勧め。
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>>715
こういうタイプの男もいいな
GJ!
>>717
「事情によりこちらで」の事情ってツンがないことかw
まあかわいいは正義だしニヤニヤしたので問題ないな!
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纏さんとファミレスに寄ったら
纏「腹減ったし、ちっとだべりがてらファミレスにでも寄ってかね?」
纏「またジャンクフードか。そんな食生活ではいつか体を壊すぞ」
男「まぁいいじゃん。えーと、あそこの席空いてね?」
纏「全く、飛んだ時間の浪費じゃ。主に付き合うておる儂の身にもなれ」
男「はいはい、じゃあ気を使ってレディファーストってことで」
纏「その心がけだけは誉めてやる」
男「そらぁどーも」
―――ガタン
纏「……これ、タカシ」
男「ん?」
纏「なぜ儂の隣に座る? こういう場合、普通は対面に座るじゃろうが」
男「いきなり何を言うかと思えば……この席でなんか問題あるか?」
纏「顔が近い! 主のむさ苦しい顔が側にあると鬱陶しいわ!」
男「そこまで言われると傷つくな。別に他意があって隣に座った訳でもないんだけど」
纏「この程度で傷つくようでは、主の器も知れようが」
男「そこまで言うなら席変わるよ。あーあ、纏の隣が良かったのになー」
纏「……対面に座らねば、恥ずかしくて主の顔がよく見れぬではないか」ボソッ
男「んー? なんか言った?」
纏「別に。主に死ねと言うただけじゃ」
男「纏さん毒舌っすね」
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>>722
まつりん可愛いよまつりん
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こっちだと行制限が緩いからかm/nとか書かないから終わりかどうかがわかりづらい
最後に終わりとか書いて欲しいニャー
とかツンデレさんが呟いてたぞ
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じゃああえて続き物にしてみよう
纏さんとファミレスに寄ったら2
男「何か頼む?」
纏「どりんくばーだけでよい」
男「甘いの食わんの?」
纏「太る」
男「充分細いじゃないか」
纏「乙女心の分からん奴じゃの。女が太ると言うたら意思は固いのじゃ」
男「ふーん…じゃあ俺はフルーツサンデー頼もうかな」
纏「……それは美味しいのか?」
男「そりゃあもう。纏も頼めば?」
纏「い、いらぬ。儂を誘惑するでない!」
男「あのさ、無理なダイエットなんか体に毒だって。ただでさえ折れそうに細いのに」
纏「……主がそこまで言うなら食べてやらんこともない」
男「じゃあフルーツサンデーにドリンクバー二つな」
纏「うむ」
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纏さんとファミレスに寄ったら3
店員「お待たせしましたー」
纏「……」
男「どうした。神妙な顔して」
纏「……改めて見るとくりーむや色々乗ってて太りそうじゃな」
男「気にすんなって。パフェの一つや二つで太りゃしないよ」
纏「……」パク
男「どうよ」
纏「……」パクパク
男(無言かよwwwどうやらお気に召したようだwwww)
纏「……ふむ。まぁまぁ美味しいではないか」
男「まぁまぁ、ねぇ」ニヤニヤ
纏「そのニヤケ面を止めぬか、たわけ」
男「お嬢さん、唇に生クリームついてますよ?」
纏「ぬぁ!?」ゴシゴシ
男「ははは、纏は可愛いなぁ」
纏「……やはりふるーつさんでーは好かぬ」
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纏さんとファミレスに寄ったら4
纏「ふぅ……ごちそうさま」
男「結局完食したのな」
纏「味は良かった。味は」
男「こんなに美味いもんがあると、ダイエットなんか考えるの馬鹿らしくなるだろ」
纏「一理あるが、無駄な脂肪をつけるなぞ節制の足りぬ証拠じゃ」
男「太ってないって。なんでそんなに気にするんだよ」
纏「……主は、太ってる女と痩せた女とどっちが好きじゃ」
男「え? えーと、スレンダー美人もムッチリセクシーも等しく好きですが」
纏「嘘じゃな。男は総じてもでるのような細いおなごを好きになる」
男「そうかなぁ。俺はその人に相応しい体型ってあると思うけど」
纏「……本当か?」
男「うん。纏は今くらいが一番綺麗だよ」
纏「なっ……何を言うかこのスケコマシ!」
男「だって本当にそう思ったんだもん」
纏「……主にふぉろーされたところで、嬉しくもなんともないわ」
男「だから好きなもんは好きなだけ食えって。太った時はそう言ってやるから」
纏「……ならばこれからも、儂と一緒にご飯食べにいってくれるか?」
男「はい、お嬢様」クスクス
纏「……」
その時一瞬だけ、纏が本当に嬉しそうに笑ったのを、俺は見逃しませんでした。
(了)
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以上投下了
これからは単レス投下の時はそう書くことにするわ
太ってないのに太ってると思い込んでる女の子って可愛いよね
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今週のスイプリにちょろっとでてた子がツンデレ眼鏡かわいい。
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1874.jpg
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マジかよ見ておくべきだった
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かなり長いけど、避難所なんでぶっちぎらんで一気に15レス投下します
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(自炊)ホワイトデーにどうやってお返しをしようかで悩む男
「ほれ。敬香、これ」
『……何ですか? 兄さんこれは』
三月十四日の朝。妹にクッキーの入った箱を差し出すと、思いっきり胡乱げな目で見られた。
「いや。だから、その……バレンタインのお返しだって」
『私、バレンタインデーのチョコなんて兄さんにあげてませんけど』
姿見を前に、髪に櫛を入れていた妹は、一顧だにせずに答えた。しかし、それに負けて
いてはこの妹の兄は務まらない。俺は呆れた風を装って言い返した。
「何言ってんだ。一応、バレンタインデーにチョコはくれただろ? 今年はえっと……チョ
コレートムースだったっけ。自分が食べたかったから作ったついでだとか言って」
『そういえば、そんな事もありましたっけ』
素知らぬ顔で言う我が妹だが、これで本当に俺が忘れてようものなら、向こう三ヶ月は
いつにも増して辛く当たる事間違いなしなのだ。
「でなきゃ、貧乏な俺がわざわざ敬香の為に菓子なんて買って来るか。いらなきゃ別にい
いぞ。俺が食うから」
『誰もいらないなんて言ってません』
クールを装っていて、その実慌てたように敬香は言うと、俺から素早くクッキーの箱を奪い取る。
「何だよ。バレンタインデーにチョコあげてないのに、お返しだけはちゃっかり貰う気かよ」
肩をすくめて文句を言ってみせる。もちろん演技だが、妹は憤慨して言い返してきた。
『思い出しました。確かにあれはバレンタインデーでしたね。たまたま作ったチョコレー
トムースを、その日がバレンタインだって忘れてて兄さんにあげてしまいましたっけ。何
か、兄さんは勝手に勘違いしてましたけど』
俺はため息をついた。チョコをくれる女の子がいるだけでも幸せなんだろうけど、どう
して俺の周りの女の子達は素直にバレンタインチョコですって差し出してくれる子がいな
いのだろうか。せいぜいが義理だとかついでだとかだ。
「クッキー奪い取ったら思い出すとか、どんだけちゃっかりした記憶力だよ」
そう茶化すと、敬香は俺を睨み付けて言い返した。
『別にクッキーに釣られて思い出した訳じゃありません。失礼な事言わないでください』
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俺を睨み付けながら、クッキーの箱を大事そうにしっかりと抱えて言い返す敬香。もっ
とも、俺だって自分の言葉を信じてはいない。頭の良い敬香がそもそもバレンタインデー
の事を忘れてるなんて事そのものを信じていないのだから。
「ま、それは冗談だけどな。で、いるのか? いらないのか? はっきりしろよ」
すると敬香は僅かに顔をうつむかせて黙り込む。少し経ってから、顔を上げて俺を憎ら
しそうに睨み付ける。しかしその頬が僅かに赤らんでいたのを、俺は見逃さなかった。
『別に、兄さんからのお返しなんて嬉しくありませんけど。でも、兄さんなんかに買われ
たクッキーが不憫ですから、これは貰っておきます』
「……貰うなら、素直にそれだけ言ってくれた方が俺としてはいいんだけどな」
相手は妹だし、もう慣れていてはいてもたまには嬉しそうな顔も見てみたいなと思いつ
つ言うが、逆に敬香は俺を思いっきり睨み付けた。
『冗談言わないでください。下手に兄さんに勘違いされたら、私が……その……困りますから』
「困るって、何が?」
直球で聞き返すと、さらに敬香は顔を赤くして怒鳴った。
『困ると言ったら困るんですっ!! これ以上深入りして聞かないでくださいっ!! も
う……用が済んだんだったら、とっとと私の部屋から出て行ってください!!』
プイ、と体ごとそっぽを向かれてしまったが、俺はまだ敬香に用があった。グズグズし
ていると叩き出されそうだったので、急いで話を進める。
「いや、あの……参考までに一つ聞きたい事があるんだが、いいか?」
『何ですか? その、参考までって』
肩越しにジロリと睨み付けられる。若干気圧されつつも、怯まないよう気を強く持って、
俺は言葉を続けた。
「あのさ。バレンタインにチョコあげたつもりのない奴から、こうやってお返し貰うのっ
て、やっぱり迷惑か? いや。嬉しくないとかは分かるんだが」
すると敬香は、クルリと俺に向き直ると、唐突に詰め寄ってきた。
『何でそんな事を聞くんですか? 私の他に、バレンタインにたまたまチョコをくれるよ
うな人が兄さんにいるんですか?』
「あー、いや。参考までだって言ったろ? 来年に備えてって事もあるし」
『来年は、私は兄さんに間違ってもチョコなんてあげませんよ?』
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以前にも、敬香からそんな台詞を聞いた事があったのを俺は思い出す。その次の年は作
り過ぎたんだっけ。
「いや、だからさ。お前にだってうっかりする事はあるから、作り過ぎたりたまたま余っ
たチョコ菓子をくれたり、自分が飲みたくて一緒にホットチョコを作ったりするかも知れ
ないじゃん。だから、その時の為にさ」
過去の例をいろいろ挙げて言うと、敬香は俺を睨み付けて吐き捨てた。
『ホント、ムカつく人ですよね。兄さんって』
「別に、お前と馬が合わないのは今に始まった事じゃないだろ」
そう言うと、敬香は口を尖らせて視線を外す。少し黙った後、ゆっくりと、言葉を選ぶ
ように俺の質問に答え始めた。
『……まあ、余程常識外れなものじゃなきゃ……迷惑とまでは言いませんけど…… 大体、
兄さんは日頃私に迷惑ばかり掛けているんですから……チョコあげなくても、ホワイトデー
にプレゼント渡すくらいの感謝の気持ちはあって……当然です』
確かにいろいろ世話もして貰っているが、それなりにお返しもしているはずなんだがな、
とは内心思う。しかし、今はそっちが本命ではない。俺は小さく頷いた。
「悪いな。参考になった。ありがとう」
『へ……ちょっと、兄さん。それってどういう……』
ポカンとした顔で聞き返す敬香を俺は慌てて退けた。
「いや。気にすんな。そんじゃな」
これ以上追求される前に、俺は敬香の部屋を出た。急いで自分の部屋まで戻るとホッと
吐息をつく。
――あと……まだ、やっかいなのが二人か。
バッグを開けると、小さな手提げが二つ。覚悟を決めてチャックを閉めると、俺はバッ
グを肩に担いだ。
『何ですか先輩。教室にいきなり顔出されても困るんですけど』
放課後、真っ先に一年の教室に行くと、教室にいた手近な女子に頼んで文村を呼んで貰っ
た。俺も一応生徒会副会長なので、意外な顔一つされずに受けてくれるのはこういう時助かる。
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「いや。今日は生徒会もないだろ。だから、一応こないだのお返ししとかないとと思ってさ」
そう言いつつ、俺は廊下の方に顔を向けてあごでしゃくる。その先には同じく生徒会後
輩の早川がいた。
「文村さんにはチョコ貰ったからね。感謝の気持ちって事で、はいこれ」
早川が、手提げのビニール袋を差し出す。すると文村は笑顔でそれを受け取った。
『ありがとう、計君。友チョコだとホワイトデーのお返しはないから、何気に私も貰うの
は初めてだったりとか。あ……でも、計君は他の子からも貰ってたんだっけ』
ちょっと不満気な顔になる文村に、早川は慌てて言い訳するように言う。
「いや。確かにクラスの子にも返したけど、グループでまとめてだからさ。特定の子にっ
て訳じゃないし」
そんな早川の困り顔がおかしかったのか、文村はクスッと笑った。
『いいよ、別に。お返し、くれただけでも十分嬉しいから』
それから横目でチラリと俺に視線を移して言った。
『で、先輩は?』
「ああ。俺もお返し。ほれ」
紙袋に入ったクッキーは、今朝敬香にあげたものと同じだ。文村は、紙袋を開けて除い
てみてから言った。
『ふうん。クッキーですか。超普通ですね』
「ありゃ? 何か、早川の時と随分態度違くないか?」
つまらなそうな文村の態度に疑問を呈すると、文村は不満気に俺を睨んで言った。
『当たり前です。先輩はくれて当然なんですから。義理の義理でもチョコ貰えた感謝の気
持ちくらい示して当然です』
どうしてこうも、俺の評価は低いのか。もっとも文村の場合は一応バレンタインチョコ
ではあったし、口の割には中身はしっかりしたものだったから、多少は我慢しないといけ
ない所もあるだろう。
「まーな。あれ、結構美味しかったし。だから、クッキーだっつっても、一応それなりに
は吟味してんだぞ」
美味しい、という言葉に文村がピクッと体を反応させた。視線を僅かに外して顔をうつむかせる。
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『……べ、別にその……先輩に美味しかったとか言われても嬉しくないですし、別にあれ、
手作りって訳でもないですし…… でも、そこまで言うんだったら、あんまり美味しくな
かったら、やり直しを要求してもいいですか?』
「マジかよ。この財政難にそれはキツイだろ」
何だか美味しくても美味しくなくても難癖つけられそうな気がして、俺は拒否しようと
した。しかし、文村は断固とした口調で言い張る。
『いーえ。決めました。美味しくなかったらこのクッキーはお返しとは認めません。先輩
の本気が見えるまで、私は納得しませんから』
「美味いとか美味くないとか、どういう基準で判断すんだよ。そんなもん、適当に言われ
たら無限ループ突入だろ」
何か勝手に決定されてしまったので、仕方なく文句を言うと文村はキッと顔を上げて言った。
『そんな事、私の基準に決まってるじゃないですか。貰った本人なんですから。何だった
ら先輩の目の前で判定してもいいですよ?』
「まあ、確かに目の前ならある程度俺も文句付けられるけど……でも、どこで食うんだ?
生徒会室か?」
何となく思い当たる場所を言ってみたが、文村は断固とした感じで首を振った。
『そんな、いつも仕事してる場所じゃなくて喫茶店とか行きましょうよ。えっと……計君も、来る?』
チラリと早川を見て、彼女は聞いた。何となく傍観者風に俺たちのやり取りを見ていた
早川は、しかし首を振った。
「いや。ゴメン。僕は今日、用事……っていうか、予備校寄ってくから遠慮させて貰うよ」
『そなんだ。残念だな。あ、計君のは家でゆっくり味わって食べることにするからね』
微笑む文村に、早川も頷き返す。
「うん。僕のも、口に合うかどうかは分からないけどね」
『大丈夫。計君が選んだのだったら、絶対美味しいはずだから』
この返事に、俺は小さく舌打ちする。全く、俺と早川のこの差は一体何なんだと。文村
は、クルリと俺に向き直ると、ビシッと指差して言った。
『それじゃ、先輩。行きましょうか。私、行きつけの店があるんで、そこなら菓子持ち込
んでも大丈夫ですよ』
-
強気な文村を前に、内心俺は困惑していた。そこまで本格的に行かれると、予定してい
た最後の、そして一番重大なミッションが達成出来なくなる。さてどうしようかと悩んで
いたら、唐突に校内放送がなった。
【二年D組 別府タカシ君。至急、生徒会室に来て下さい。繰り返します。二年D組――】
「ありゃ? 文村、悪い。何か仕事みたいだ」
一瞬、文句を言いそうな顔になった文村だったが、次の瞬間には諦め顔になって、ため
息をついた。
『ハァ…… ま、仕方ないですね。別に、今日じゃなくてもいいですし。せいぜい、会長
にこき使われて来て下さい』
その言い方が、ちょっと自棄っぽく感じられた。
「ちぃーっす」
『遅いわよ』
チェックしていた書類から顔を上げて会長が俺を睨んだ。俺は自分の席にバッグを置い
て不満気に会長を見つめる。
「別に、今日は活動日じゃないんだから遅いもクソもないだろ。つか、わざわざ呼び出す
ほどの用か?」
『会長が仕事抱えてるのに、補佐すべき副会長の貴方はほったらかしにして遊びに行くつ
もりだったの? いいご身分ね』
嫌味っぽく言い返されて、俺は一瞬ムッとするが、すぐにそんな気持ちはなくなった。
別にこんなのはいつもの事だ。むしろ何で一瞬たりとも不愉快に思ったのかが不思議だ。
「ちょっと用があったんだよ。それが終わったら顔出すつもりだったさ。どうせ、会長の
事だから少しは仕事してくだろうと思ってたし」
むしろ、いなかったらどうしようかと思っていたくらいだ、と内心で付け加える。ほぼ
確信があったからこそ、こっちを後回しに出来たが、うかつに帰られていたりしたら、そ
の時点でミッション失敗である。
『優先順位が逆ね。まずこっちに顔を出して、一言断ってから用を済ませるべきだったわ。
そうすれば、放送委員の子の手を煩わせる事もなかったのに』
-
使う必要のない放送委員を使ったのは自分なのに、何故か俺のせいにされてしまった。
いや、今日の所はこれで良かったのだから、文句も言えないが。
「そりゃ申し訳なかった。で、何すればいいんだ?」
そんな訳で、大人しく謝ってから仕事に取り掛かる。今日は会長の手伝いくらいしかす
る事がないから、指示を仰ぐと会長は棚を指して言った。
『去年の新入生歓迎会の進行とかのファイル取って。まだ早いような気がするけど、何気
にあと半月と少しだもの。それに、四月は会計帳簿も整理しなくちゃいけないし、新年度
予算の配分もあるから出来ることからやっておかないと』
会長に言われたことをこなしつつ、俺の心は別の所にあった。用意したホワイトデーの
プレゼントをどうやって渡すか。敬香や文村とは違って、いきなり差し出すのにはかなり
の抵抗があった。会長の場合はストレートに断られるかも知れなかったし。
「あのさ、会長」
『何? 仕事中に私語しないでくれる?』
いきなりバッサリやられたが、ここでめげたら渡す機会なんて無くなる。俺はグッと気
持ちを奮い立たせた。
「いや。仕事中って言ったって今日はサビ残みたいなもんだろ? 雑談しながらやったっ
て問題ないだろうし、無言で仕事だけしてると息詰まりそうじゃないか?」
『別に。秀美ちゃんとかならともかく、貴方と話したいことなんて特にないし』
またしても冷たく突っ撥ねられた。全く、本当に心が折れそうになる。
「まあ、そう言うなよ。それに、何だかんだ言ったって、今までだってずっと話ししなが
ら仕事したりしてたじゃん」
すると会長は、小さくため息をついてボールペンを走らせる手を止めた。
『で?』
「は?」
いきなり聞かれたので反射的に聞き返すと、会長は俺を睨み付けて言った。
『何か話したいことがあったんでしょう? 聞いてあげるから、言ってみなさいよ』
会長としては折れてくれたつもりなんだろうが、いきなりこれだと心臓に悪い。どうも、
あまり遠回し過ぎるとキレられそうだから、単刀直入とは行かずまでも、俺は本題に近い
ところから話に入る事にした。
「いや。今日さ。何の日か、知ってる?」
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すると会長は、無言でノートパソコンを弄っていたが、やがて顔を上げて言った。
『円周率の日でしょ? 円周率が三.一四だからそれにちなんだっていう』
「会長。今、検索しただろ?」
すると会長が、もの凄く不満気な顔で俺を睨み付けた。珍しく隙のある行動を見せた会
長の態度に、つい俺は笑ってしまう。
『別にいいじゃない。私にだって、知らない事くらいあるわ』
ムスッとした声で会長が文句を言った。正直なところ、日頃クールな会長がこうして俺
の前では少しでも感情を表に出すのは、副会長としての役得だと俺は思っている。
「何か、別の日をわざわざ検索してごまかそうとする辺り、俺の言わんとしてることは察
してると思うんだがな」
ちょっと意地悪く言うと、会長は変わらぬまま俺を睨んでいたが、やがて諦めたように
視線を外した。
『知ってるわよ。ホワイトデーでしょ? 個人的には縁が無いから、興味もないだけだわ』
素直に認めるかと思いきや、いきなりバッサリと切って落とされた。縁が無いと言うの
は、俺も含めての事なのだろうか。だとすると、先行きはかなり暗い。
「縁が無いって、会長はお返しとか貰ってないのか?」
敢えて聞くと、会長はつまらなそうにそっぽを向いたまま頷く。
『当たり前でしょう。バレンタインのチョコなんて、誰にもあげてないもの。貰いはしたけどね』
「会長は、お返しとかしないのか?」
言葉尻を捉えて聞くと、一切表情を変えずにそのまま会長は頷く。
『だって、そういうのって面倒くさいもの』
また、あっさりと言ってのけた。いや、まあ実に会長らしいとは思うし、バレンタイン
デーにもそんな事は確かに言ったのは記憶しているが。
「確かに気持ちは分かるけどさ…… けど、お返しすれば文村とか喜ぶんじゃないか?
アイツ、会長の事慕ってるんだしさ」
パッと思いつきで口にした後で、即座に俺は後悔する。予想通り、会長の顔が不機嫌に
歪む。
『余計なお世話よ。別府君にそんな事、お説教されたくもないわ』
俺は心の中で自分に舌打ちする。会長から視線を逸らし、渋い顔をして謝罪をする。
「いや。確かにその通りだよな。何か、ちょっと気になっただけで……悪い」
-
会長が、苛立たしげに鼻を鳴らすのが聞こえた。
『全くだわ。それに、バレンタインだのホワイトデーだの、そういう商業主義に則った因
習が面倒くさいっていうだけで、秀美ちゃんにはキチンとお礼はしたわよ』
「え? マジで?」
ちょっと驚いて聞き返す。すると今度は会長がそっぽを向いた。
『ちょっと前に、あの子の好きな甘味屋さんで抹茶ぜんざいとつぶあんみつをね。大体、
何で別府君がそんな事気にするのよ?』
まあ、女子同士だから帰りにお茶したりするのはよくある事だろうけど、それにしても
そんな事は話題にも上らなかったなと思う。そんな事を考えつつも、会長の問いにどうや
って答えようかと俺は考えあぐねた。そもそも、俺だって何であんな事を聞いたのかよく
分からないのだから。しかし、何らかの答えは出さなくちゃいけないと思い、何となくそ
う思えることで俺は答える事にした。
「……ま、何となく……だな。ここに来る前に、文村に義理チョコのお返しして来たから。
多分、それで」
『多分って何よ。多分って』
曖昧な表現を突っ込まれたが、それには俺も肩をすくめるしかなかった。
「いや。実際、何で俺もそんなに気になったのかはよく分からんし」
『変なの。もっとも、別府君は最初っから変だから、そう変とも言えないのかしら』
「さあな。何とでも言ってくれ」
会長の毒舌に文句を言う気にもなれず、俺は敢えて流した。それよりも、これだけホワ
イトデーの話をしたのだから、そろそろ自分の事も気になっていいんじゃないかと、会長
の様子を窺う。しかし会長は俺の方に真っ直ぐ視線を向け、真顔で聞いて来た。
『で、秀美ちゃんは喜んでたの?』
「へ?」
そっちの話題は終わったものだと思ってたから、意外に思って俺は会長を見返す。する
と、会長の視線とモロにぶつかりあった。
『だから、渡した時の反応。別府君にお返し貰って、彼女、どうだったの?』
そんな事に興味を持つなんて、俺は意外な面持ちで会長を見つめた。しかし、会長は相
変わらず感情を見せない表情で、押し黙って俺の答えを待っている。その視線の強さに耐
えられず、俺は答えた。
-
「いや。喜ぶ訳ないじゃん。早川のは素直に喜んでたけど、俺のはむしろ貰うのが当然っ
て感じだったぜ。おまけに、口に合わなかったらやり直しだからって言われてさ」
冗談めかした、おどけた口ぶりで言うと、会長は微かに笑って頷いた。
『そうなの。彼女らしいわね。ううん。ある意味、彼女らしくないか』
「何だそりゃ? どういう意味だよ」
会長の言葉に、ちょっと意味深な意図を感じて俺は聞く。しかし会長は首を左右に振っ
てそれを退けた。
『大したことじゃないから、気にしないで。それより良かったじゃない。別府君も、妹さ
ん以外で始めてお返し出来る女の子が出来て。貴方みたいな何の取り得もない男が、秀美
ちゃんみたいな可愛い子にお返し渡せるなんて、それだけでも光栄に思いなさいな』
気のせいだろうか。クールな口調で会長は話していたが、その言葉の裏に何だか様々な
思いが渦巻いているように思えてならなかった。だが、それは例え真実だったとしても確
かめる術もないし、何より俺には自分の事を優先させなければならなかった。そう。タイ
ミングなら今だ。
「……もう一人、お返しを渡さなくちゃいけない相手が、俺にはいるんだけどな」
躊躇いがちに、会長に向かって言う。すると会長の目が一瞬見開いたかのように見えた
が、すぐに元の冷静な顔に戻って、会長はファイルに目を落とした。
『……意外ね。別府君に、バレンタインデーにチョコを渡すような物好きさんが、他にも
いただなんて。貴方、意外と幸せ者じゃない』
俺はそれには答えず、バッグから紙の手提げ袋を取り出す。そして立ち上がると、会長
の席の真正面に立って、それを差し出した。
「ほれ」
すると会長は、ゆっくりと顔を上げて俺を見つめる。驚いた風でもなく、嬉しそうな風
でもなく、不快そうでもなく。それから、すぐに視線を横に逸らして、とぼけた様子で言った。
『……私、別府君にお返しを貰うような事を何かしたかしら?』
何となく予想はしていたが、またとぼけられたかと思う。いい加減ここまで来ると、呆
れるのすら通り越してしまう。
「前に手作りチョコ、くれたろ? 俺にバカにされたから証明するとか何とか言ってさ」
すると会長は、意外にもすんなりと頷いた。
『ええ。それは覚えているわ。で、それがどうしたの?』
-
「いや。だから、その日が、バレンタインデーだったじゃん」
そう言うと、またしても会長は頷いた。こういう所は妹とは違う。実に堂々としたもん
だ。
『そうね。たまたまだったけど、それも事実だわ。だけど、まさか貴方、勘違いしてたと
かじゃないでしょうね?』
会長が俺を睨み付ける。果たしてそれは、本心なのかポーズなのかは分からない。しか
し俺は、そう言われる事は予想していたので、何度か妄想した答えの一つを返した。
「いや。勘違いはしてないけど、やっぱりチョコ貰った事は貰ったんだしさ。何かお礼は
しなきゃって思ってたんだけど……俺は不器用だからな。逆にイベントにでもかこつけて
でないと、返せないから」
『なるほど。そういう考え方もあったわね』
意外にも、会長が感心して頷いた。
『確かに、他の日よりもかしこまらなくっていいって言うのも納得だわ。日本全国で、男
子が女子に贈り物をあげてるんだものね』
恐らくは、会長にとっては新しい考え方だったのだろう。しきりに頷いている。思い立っ
たら即行動、の会長には合わないとは思うが、それだけに何か響くものがあったのかも
知れない。しかし、今の俺にはそれよりプレゼントの方が重要だった。
「で……どうなんだよ? 受け取ってくれるのか?」
すると、会長はあっさりと首を縦に振った。
『ええ。くれるというなら貰っておくわ。いらなければ、私が処分すれば良いだけの話だ
し、例え別府君からの貰い物であっても、有益でない保障はないしね』
「じゃあ……ほら。チョコ、ありがとな……」
『一応、ありがとうと言っておくわ』
そう言って、会長は立ち上がると、俺の手から紙袋を受け取った。中を広げてみようと
して、俺の顔を見て聞く。
『開けてもいいのかしら?』
「ああ。どうぞ」
俺が頷くと、会長は紙袋を開けて、包装された小さな箱を取り出す。
『……何かしら? 食べるものではないみたいね』
「ま、いいから中を見てくれよ」
-
この場で会長から感想を貰うなど命知らずに等しいが、かといって家で開けられて後か
らなまくら刀でボコスコにされるよりは、いっそ一刀両断に切り捨てられた方がマシだっ
た。会長が丁寧に包みを開けるのを、俺は窒息しながら、ひたすらに見守っていた。
『……これは……イヤリング……よね?』
会長が手にしたのは、小さな白い真珠のついたイヤリングだった。セール品とはいえ、
俺の小遣いが二ヶ月は軽く吹っ飛んだ代物だ。
「まあな。ちょっと……その……俺もやり過ぎかなとは思ったんだけどさ」
正直、かなりこっぱずかしい。これで会長にボロクソに批判されたら、マジで死ねる。
『……普通、ホワイトデーのお返しなんて、クッキーやケーキなんかのスイーツにしとく
ものじゃないのかしら』
怪訝そうに会長が俺を見つめる。俺はまともに視線を受けられず、顔を逸らすとこめか
みを手で掻いた。
「だって、会長そんなに甘いもの好きじゃないじゃん。コーヒーもブラックで飲むし。か
といって、ホワイトデーに辛いものってのも何か合わない気がして、迷ってたらたまたま
それが目についてさ。会長だったら、こういうのでも似合いそうだなって思ったら……勢いで……」
すると会長は、大げさにため息をついて言った。
『……あのね。別府君にアクセサリーなんて贈られて、喜ぶ女の子がいると思うの? だ
とすれば、思い上がりも甚だしいわ』
「いや……悪かった。俺もそこまで思い上がってはいないんだけど……何つーか、気の迷いだから」
頭を下げ、手の平を会長に向けてこれ以上の非難は勘弁だという事をポーズで示す。す
ると、もう一つ会長のため息が聞こえた。
『……まあいいわ。元々プレゼントなんて期待してないんだし、貰うと言った以上は貰っ
とくわ。ただし、どう処分されても文句は言わないで。間違っても、私が付けるなんて期
待はしないでよね』
「分かってるよ。いや……十分です。はい」
やはり、バッサリ斬り落とされると心臓は激痛を覚えるのだなと、俺は実感したのだっ
た。
-
しかし、期待するなと言われても、期待してしまうのは男の性だ。次の日から、俺はつ
いつい会長の耳を気にするようになってしまった。しかし、次の日はもちろん、その次の
日も、また次の日も、一週間経っても会長が耳にイヤリングを付ける様子は一向に見られなかった。
「ちっ……やっぱりダメかあ」
『何がダメなんですか? 先輩』
文村が、俺を覗き込むように顔を見つめて聞いて来た。
「おわっ!? な……何でもねーよ」
ちなみに、文村との約束はキッチリ果たした。結局、クッキーにはダメだしを食らった
ものの、その場でスイーツを他にもご馳走した事で何とかやり直しだけは回避させて貰った。
文村はキョトンとした顔を向けていたが、やがて怪訝そうに言った。
『ふーん。変な先輩ですね。まあ、元からそうですから、意外でもないですけど』
そう言って離れる彼女を、俺はホッとしつつ見送ったのだった。そして、諦め顔で会長
に視線を戻す。
「ま……こんなもんだろうけどな……」
一人そう呟いて、俺はとうとう気持ちを切り替えると、目の前の仕事に没頭したのだった。
〜おまけ〜
『あ、静〜っ!! こっちこっち』
駅前の時計台の下で、友人の聖花が手を振っているのが見える。私は特に歩調を変える
ことも無く、彼女の傍に近寄った。何となく、左手の腕時計を見る。時間は約束どおり。
十時ぴったりだ。
『全く。服買いに行くたびに、私を付き合わせるのにもいい加減勘弁して欲しいわね。友
達づきあいとはいえ、毎度の事だとうんざりするわ』
『だって、一人だと目移りしちゃってさ。その点静が一緒だと、バッサリ判断してくれる
から有難くって』
『だってそんなもの、欲しい服と手持ちの資金を比較して、買える物で選択すればあっと
いう間に決まるじゃない。それなのに、予算に合わないものと延々と見比べるなんてナン
センスだわ』
-
聖花だけじゃない。ウィンドウショッピングだけに何時間も掛けて、買えもしないブラ
ンドのバッグとかを見て回る神経が私にはそもそも理解出来なかった。
『だって、どーしても欲しいものってあるじゃない。まあ、静は有る物で着こなせる才能
を持ってるからかもしれないけどさ』
自分では、服選びなんてかなり適当なのだが、聖花は私のセンスをよく褒めてくれる。
まあ、悪い気はしない。
『口で褒めておだてられても、ちっとも嬉しくないわ』
口ではそう突き放すと、聖花はニッコリ笑って言った。
『分かってますって。ご飯、ちゃんと奢るわよ。今日も中華?』
『中華って……ラーメンでしょ? 聖花の奢る限界なんて』
『あー。奢って貰うのにそういう事言う? まあ、実際そうなんだけどさ。でも、静はア
ソコの激辛坦々麺好きじゃん』
『まあ、ね。それに、別に文句言ってるわけでもないから。それより、早く行きましょう。
ただでさえ聖花は買い物に時間掛けるんだから、もったいないわ』
先に立って歩き出した時、聖花が後ろから呼び止めた。
『あ、ちょっと待って』
『何?』
振り向くと彼女は、私の耳元をジッと見つめて言った。
『何って……これ、イヤリングじゃん。静ってこういうの、嫌いじゃなかったっけ?』
『別に。嫌いじゃないわ。買うほど興味が無かったってだけで』
何となく、気恥ずかしくなって手で隠したい衝動に駆られる。しかしそれは、余計に相
手の興味を惹くだけだと思って、私はグッと我慢した。
『ほほう。どういう心境の変化ですかな? それとも、貰い物?』
好奇心に任せて聞く彼女を、私は興味なさげに退ける。
『さあね。ご想像にお任せするわ』
すると、聖花はちょっと意味深な表情を浮かべて、聞いて来た。
『もしかして……男から貰ったとか?』
私は、ジッとしばらく無言で聖花を見つめた。それから、小さくため息をついて言った。
『……それ、本気で言ってるわけ?』
すると彼女は、面白がるように笑顔を浮かべて言った。
-
『いやいや。今を時めく美人生徒会長の清宮静嬢ですもの。贈り物にアクセサリーを贈る
男子なんてたくさんいそうだし。まあ……でも、静が受け取るとも思えないけどね……』
『そういう事よ。全く、バカな事言ってないで、さっさと行きましょう』
私は身を翻すと、パッと髪をかき上げて早足で歩き出した。
『あ、ちょっと待ってってば!!』
後ろから早足で追いかけて来る彼女をチラリと見て、思った。
――これが……男の子から……それも別府君から貰ったものだなんて知ったら、どう思うかしらね。
その事を想像すると、何となく、私はちょっとおかしくなって内心クスリと笑みを漏ら
すのだった。
終わり
ちょっと遅めのホワイトデーネタでした。
自分で書いてて何だが、ちょっと男モテ過ぎだろうと
-
>>746
GJ!
「それ別府くんから貰ったんでしょw」
なんて会長は母親にも茶化されたりしてんだろうな
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かなり読みごたえあったわGJ
-
大作GJ!
こうも周りがツンデレばかりだと、いつか心労で男倒れるんじゃないか?w
-
GJ
ずっと心臓がいたくて泣きそうだった
ここがツンデレスレじゃなきゃ心が折れてたぜ
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【】の人のブログに未投下のが本日あがってるのを確認した。 っていう独り言
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ブログの話が度々でるけど未だにそのブログを知らない
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>>727の纏さんのツンデレ具合がドンピシャですばらしい
-
【看病 クロワッサン 謳歌】
季節の変わり目にやられ、風邪をひいてしまった。たいした事はないと思うのだが、大事をとって休んでたら悪魔襲来。
「……馬鹿は風邪をひかないというのに、タカシは風邪を引いたと言い張る。……そこまでして私に看病してほしいのかと思うと、正直うんざりする」
勝手にやって来て難癖をつけつつ、ちなみが寝てる俺の頬をむいむいと引っ張る。
「一切頼んでねえ」
「……でもまあ、優しい優しい私は看病してやるので一生感謝しろ」
「なんて押しつけがましさだ」
「……とりあえず、買ってきた見舞いの品を食べろ」
ちなみは持ってきた学生鞄の中から、紙袋を取り出した。……明らかにパン屋の包みだ。
「あの。一応病人なんで、パンとかは避けていただけると幸いです」
「……だいじょぶ。これは、タカシの大好物。私の気遣いに思わず惚れてしまうだろうけど、とても迷惑なのでやめろ」
常に勝手なことを言いながら、ちなみは紙袋から目的の品を取り出した。
「……はい、クロワッサン。焼き立てだから、おいしいこと請け合い」
「え? いや、それは俺の好物ではないぞ?」
「……?」
「俺の好物はクリームパンだ」
「……でも、この間一緒にご飯食べた時、これ食べてたよ?」
「あの時は売り切れてて、しょうがなしに買ったんだ」
「……でも、おいしそうに食べてたよ?」
「パンは大体なんでも好きなんだ」
「……じゃあいいじゃん」(ほっぺぷくー)
「そう怒るな。どっちにしろ、病気の時にこんなの食えやしねえよ」
膨れたほっぺを指でむにむに押しながら、ちなみをなだめる。
「ぷしー。……まあ、無理矢理食べさせて吐かれても気持ち悪いし。……はい、本命」
「お、ポカリ」
「……水分補給は大事。……これを飲まないと、明日ミイラ化した死体がこのベッドで見つかること請け合い」
「ここはどこの砂漠だ」
「……タカシ砂漠。迷い込んだら最後、奇妙極まる着ぐるみを着せられるという地獄のような砂漠。……まぐまぐ」
「いやそりゃちなみ砂漠だろってお前何を普通にクロワッサンを食ってるか」
-
「……おいしいよ?」(小首をこてりと傾げながら)
「あら可愛い。じゃなくて! 一応そりゃ俺の見舞いだろ?」
「……食べたら吐いちゃうようなものを、意地汚くもタカシはよこせと言う。それとも、私との間接キスが目的なのだろうか。汚らわしいと断言できる」
「少なくとも間接キス目的ではないです」
「…………」(不満げ)
「睨むな。……あー、なんかお前と話してたら疲れた」
「……貧乳と会話すると体力を吸い取られる、とタカシは言う」
「言ってねえ。あー悪い、ちょっと寝るわ」
「……そか。じゃ」
「おおぉおお!?」
クロワッサンを机の上に置いたと思ったら、なんかちなみがちなみが俺の布団にもそもそって入ってきたよ!?
「い、一体何がこの世界に起きているのか説明していただきたい!」
「……間近でタカシが苦しみもだえ死ぬところを見て、自分の健康を謳歌したい」
「いや、ただの風邪なので死にません」
酷い発言に一瞬で冷静になった。
「…………」(不満げ)
「だから、睨むな」
「……しょがない。じゃあ、おやすみ」
「いや、おやすみじゃなくて。何を人の布団で寝ようとしてるか」
「……じゃあ、今からこの布団は私の布団」
「所有権の話ではなくて!」
「……むぅ、寒い」
「抱きつかないで!」
「……貧乳に抱きつかれても肋骨がゴリゴリ当たるばかりでちっとも嬉しくない、とタカシは言う」
「いや俺は貧乳とか超好きだからそれは別にいいんだけど」
「……しまった、罠だった。このままでは貧乳好きの変態にちゅーとかされてしまう」
「しません」
「…………」(超不満げ)
「だから、睨むなっての」
布団の中でじろーっと睨まれ続け、大変居心地が悪かったです。
-
ちなみ可愛いなぁ…ほのぼのする
GJ
-
尊さんが髪を切ったようです
尊「……」
男「あら、髪切ったのか」
尊「そうだ。何か文句でもあるか?」
男「いや、ないけど。てかなんでそんなに不機嫌?」
尊「……前髪を、切りすぎた」
男「あぁ、自分で切ったんか」
尊「額が露出して恥ずかしい」
男「いいじゃん。でこっぱち可愛いと思うぜ?」
尊「でこっぱち言うな!」
男「おぉう、そんなに気にしてたのか」
尊「どうせお前も、散髪代を惜しんで失敗したケチな女と思ってるんだろ!? どうなんだ!?」
男「被害妄想うっぜぇ……まぁ、確かにその髪型はないかな」
尊「ぐ……この髪型が似合わんことくらい、お前に言われなくてもわかっている」
男「じゃなくてさぁ。切りすぎたんならいっそこうやって……」
尊「触るな! 変態!」
男「ほら、こうして前髪を左右に分けて、思いっきりおでこ出した方がいいんじゃないか?」
尊「あ……」
男「うん、可愛い可愛い。ちっちゃい子供みたいだ」
尊「……タカシに物を教わるなんて、屈辱だ」
男「そりゃねーぜ。せっかく現状打開の策を授けたのに」
尊「礼は言わんからな」
男「そんな照れんでも、可愛くなった尊さんが一番の礼ですよっと」
尊「……むぅ」←顔真っ赤
-
投下する場所を間違えた、だが私は謝らない。
『おいタカシ、非常に不服だが貴様に聞きたいことがある』
「へいへい、なんでしょーか尊サン?」
『>>391というような話を聞いたのだが、一体どういうことだろうか?』
「……ぶふっ!?ご、ゴホンッ……なんでそんなこと俺に聞くのかな〜?」
『誰が好き好んで貴様に質問などするものか。ただ、貴様は保険体育の成績だけはいいからな。知らないことは詳しい者に聞く。当然のことだろう?』
「あー確かにそう言われりゃそうだなぁ…」
『私は、知らないことは許せない性分だ。それを解決するためなら、いくらでも屈辱に耐えよう』
「屈辱て…誰かに質問することがそんなに嫌なのか?」
『貴様に頭を下げるのが1番の屈辱だ』
「……へぇへぇ、そいつはどーも」
『ほら、私がここまでお願いしているんだ。さっさと真実を言え!』
「……それが人にものを頼む態度かよ…」
『言っておくが、下手な嘘を付いたら承知しないからな。……ボコボコにしてやる』ポキッ、ポキッ
「ぐっ……わ、分かったよ、ほら耳かせ耳!」ごにょごにょ
『ふむふむ……それで……へぇ……』
『……………』
『////////』ボンッ
-
『き、貴様ぁ!!わ、私がこういうことに耐性がないことを分かって行ったなっ!?そ、そこに居直れっ!!//////』ゴゴゴゴゴッ
「ちょ、ちょっとマテ尊!?こ、これは冗談じゃないんだ、生物学的に証明されてることなんだ!?」
『なっ……そ、そうなのか……?』
「ああ、人間というのは暗闇の中にいると生命の危機を感じるらしい。
そういう時、種の保存を考えるのは人間の本能として当然だろ?つまりはそういうことだ」キリッ
『む、むぅ……い、言われてみたら確かに……』
「(ふぅ……どうやら納得してくれたみたいだな……)」
『……そ、その……』
「?」
『……や、やはりお前も……私とそのような状態に置かれたら……そ、そういう行為を……考える……か……?』
「……へっ……!?」
『……あっ……ち、違うぞ、今のは妄言だ、疲れていたから変な事を言ってしまっただけだっ!!』
「いや、お前とそんな状況に置かれたら正直がま…」
『ま、真面目に答える〜!!!//////////』
-
ちなみにレス先は避難所の>>391だったりする
……どう考えてもミスばっかりです、死にてぇ……
-
>>760
そこ見て即こっちに来た俺は正しかった
つまりはGJ
-
>>757
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1876.jpg
てっきりこういうのかと
-
あらかわいい
-
>>762
ぱっつんかわいい。
ツンデレな魔法少女の俺の嫁じゃない方落書き。
昔のビジュアルに戻ればいいのに。
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1877.jpg
-
>>762
チョーカワイイー
-
起きたら何気に盛り上がってて嬉しい。
まとめてでスマンが、みんなGJ!!
-
纏さんを動物に例えてみた
男「纏〜。一緒に帰ろうぜ!」
纏「大声を出すでない。言われんでも一緒に帰ってやるわい」
男「そんなこと言って、本当は俺と帰りたくて仕方ないクセに〜」
纏「うるさい!……主のその様、まるで節操のない野良犬のようじゃな」
男「えー? 俺、犬?」
纏「そうじゃ。品性も感じられん、悪ふざけは過ぎる、只はしゃぎ回るだけの駄犬そのものじゃ」
男「でも、馬鹿な犬ほど可愛いって言葉もあるし?」
纏「それを言うなら馬鹿な子ほど可愛いじゃろが」
男「えー。俺が犬なら纏は蛇じゃんか」
纏「へ、蛇じゃと!?」
男「目もとキツいし言葉に毒があるし、なんか山の白蛇って感じ」
纏「この言葉使いは家の習いじゃ!馬鹿にしとるのか」
男「何でだよ。白蛇は家庭の守り神で、高貴な動物なんだぜ?」
男「それに、纏って肌が真っ白くて透き通るみたいに綺麗だし、白蛇最高じゃん」
纏「ふぉろーになっとらんわ」
男「まぁ、犬呼ばわりされてフォローするつもりもないし」
纏「……どうせなら、もっと可愛い動物が良かった」
男「あれ。纏も、自分の可愛さとか気にするんだ?」
纏「うるさいぞタカシ。丸呑みにして欲しいのか?」
男「性的な意味でなら喜んで……グハッ!」
纏「ふんっ! 丸呑みにされんで良かったな!」
男「グーパンより丸呑みの方がマシだった…」
-
なるほど蛇が思ったよりしっくりきて納得してしまった
まつりんかわいい
-
纏さんを動物に例えてみた〜後半だけ別バージョン〜
男「纏〜。一緒に帰ろうぜ!」
纏「大声を出すでない。言われんでも一緒に帰ってやるわい」
男「そんなこと言って、本当は俺と帰りたくて仕方ないクセに〜」
纏「うるさい!……主のその様、まるで節操のない野良犬のようじゃな」
男「えー? 俺、犬?」
纏「そうじゃ。品性も感じられん、悪ふざけは過ぎる、只はしゃぎ回るだけの駄犬そのものじゃ」
男「でも、馬鹿な犬ほど可愛いって言葉もあるし?」
纏「それを言うなら馬鹿な子ほど可愛いじゃろが」
男「えー。俺が犬なら纏は蛇じゃんか」
纏「へ、蛇じゃと!?」
男「目もとキツいし言葉に毒があるし、なんか山の白蛇って感じ」
纏「この言葉使いは家の習いじゃ! 馬鹿にしとるのか」
男「何でだよ。白蛇は家庭の守り神で、高貴な動物なんだぜ?」
男「それに、纏って肌が真っ白くて透き通るみたいに綺麗だし、白蛇最高じゃん」
纏「……そ、それはつまり……儂に家庭を守れと言っておるのか?」
男「へ?」
纏「綺麗な儂と家庭を持ちたいと、そういう意味ではないのか!?」
男「や……その……さすがにそこまで飛躍した含みは持たせてないけど」
纏「……まぁ、そうじゃろうな。期待した儂が馬鹿じゃった」
男「期待してたんだ……」
纏「ちっ違っ! これは言葉の綾という物で……あぁもう、この馬鹿っ!!」
男「あ、逃げた……」
-
>>767
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1878.jpg
からかいすぎ危険。
しかし見切って抱きしめてしまえばハイパーデレデレタイム突入。
などという、よくわからない電波を受信した。
-
寝起きのかなみさんはデレデレなようです
男「うぉーい、かなみー。一緒帰んぞ〜」
カナ「……」スゥ、スゥ
男「ありゃ、寝てら。教室なのに珍しいな」
男「おーい、起きろー。起きないと先帰っちまうぞーい」ユサユサ
カナ「……んぅ?」パチッ
男「おそようございます、かなみ様。そろそろご帰宅の時間でございますよ」
カナ「……タカシだ」パチクリ
男「おうともよ。お前の心の友のタカシくんですよ」
カナ「……タカシ。タカシぃ!」ガバッ
男「ぬわあっ!?」
カナ「良かった……夢じゃなかったんだ……!」ギュウゥッ
男「あ、あの……意味が分からないんですが。説明していただけます?」
カナ「夢の中で、あんたが私に大好きって言ってくれたの忘れたの……?」
男「記憶にございません(当たり前)」
カナ「嬉しくて泣きそうになって、目が醒めたらこんな近くにタカシがいるんだもん……」
男(いかん、この子寝ぼけてトンでもないこと口走ってはる!)
カナ「タカシ……あのね? ずっと黙ってたけど、私もタカシのことが、好k」
男「あの、かなみさん!? こちら教室ですが自覚してらっしゃいますか!?」
カナ「……ハッ!?」
<ざわ…ざわ…
カナ「わ、私は一体何を!?」
男「良かった、正気に戻った。お前悪夢にうなされてたんだよ」
カナ「ちゅーか、なに人に抱きついてんのよ馬鹿タカシ!」
男「先に抱きついてきたのはお前だよ!?」
カナ「うっさい。早く帰るわよこのセクハラ大魔人!」
男「はぁ……まぁ、いつも通りに戻ったからよしとするか」
カナ(なんかタカシに対して凄く不味いことをしでかした気がするけど……)
カナ(デリートよ、記憶からデリートするのよかなみ…!!)
-
>>770
こわいけどかわいい GJ
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>>771
寝惚けて甘えてくるツンデレさんはガチで可愛い
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>>771
記憶を消そうとするかなみんかわいい
ちなみんにいやがらせをしてみた
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1879.jpg
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コスプレちなみん久々
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描いてるうちに立って落ちてた・・・
かつみんはイイ女
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1880.jpg
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スレ立てしようと思ったらレベルが低いっていわれてふてくされてたらスレが立ってすぐ落ちて。
更にふてくされそう
-
かつみんのおっぱいGJ!
ていうかスレ立ってたのかよ
気づかんかった
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暫くはこっちでイイと思う
だって落ちるとちなみがふてくされてご飯作ってくれないから
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【ボクっ娘に相談したら】
どうにも人肌が恋しい。性欲的な方向ではなく、なんか……なんというか。誰かに傍にいて欲しいというか。ええ、そりゃもちろん女性がいいです!(力強い意見)
「どしたの、馬鹿みたいにぽけーっとしちゃって。帰んないの?」
放課後、学校で一人ぼんやりそんなことを考えてると、ひょこひょことボクっ娘が寄ってきた。
「うーむ。これも女性扱いしていいものだろうか」
「なんかちょー失礼なこと言われてるよ! ちょー女の子だよ、ちょー! どっからどー見ても女の子だろ!」
「でも、普通の女子は一人称がボクじゃないからなあ」
「そ、それはいいじゃん、別にさ。個性だよ、個性」
「あと、普通の女子は多少なりとも胸に膨らみがあると思う」
「今日もタカシは悪魔だよっ!」
ほぼ平らな自身の胸を両手で隠し、梓は真っ赤な顔で叫んだ。
「それはそうと梓たん」
「なんだよっ! まだ馬鹿にする気かよっ!」
「いや、事実を指摘しただけで、今日はまだ馬鹿にしてない」
「これで!?」
「今日はこれからお暇ですか? 暇なら俺と遊びませんか?」
「ここまで馬鹿にされてどーして遊ぶなんて思うんだよ! タカシ頭おかしいよ!」
「なんかお前と一緒にいたかったんだが……そっか。残念だな」
ぴたり、と梓の動きが止まった。いたわしげな表情になってる。しまった。
「……どったの? なんかあったの?」
「何もないです」
「どしてこっち見ないの?」
「前世からの因縁でボクっ娘を見ると石化するんだ」
「さっきまでがっつり見てただろっ! いーからこっち見ろ!」
ぐいっと顔を持たれ、視線をぶつけられる。まっすぐな視線に耐えられず、視線を逸らす。
「あーっ! 目逸らした!」
「うひゃひゃひゃ。にらめっこ弱いんだ」
「そんなのしてないっ! ……ね、なんかあったの? ボクでよかったら、相談に乗るよ?」
-
……あー。まあいっか。こいつにこんな顔させるより、素直に言った方がマシか。
「ただ人肌恋しいだけだが、そういうことならこいつを騙してえろいことしよう。ええと、女体に触れていないとバナナになっちゃう奇病にかかっちゃったんだ。だから乳を触らせろ」
「もっと騙す努力をしろっ! なんだよ、バナナ病って!」
もっともな話だ。
「……でも、そっか。辛いことがあったんじゃなくて、ただ寂しくなっちゃっただけなんだね。へへっ、タカシの寂しんぼ♪」
やたら嬉しそうに人の頬をむいむい引っ張るボクっ娘。だから言いたくなかったんだ。
「じゃ、じゃ、どうする? ボクの家に来る? それともタカシの家?」
「ラブホ」
「えっちなことなんてするわけないだろっ、ばかっ!」
「うぐぐ、バナナ病が進行して全身が甘味になる」
「嘘病気はいいのっ! もー、ボクの家ね! けってい!」
「ぶーぶー」
「ぶーいんぐ禁止!」
さういうわけで、ボクっ娘の家に一緒に向かうと着いたのでボクっ娘の部屋へ侵入。
「あっ、こら! 勝手に入るなよ!」
「大好きな人の部屋に入れる喜びのために我を忘れちゃったんだ」
「え……えええええっ!? タカシってボクのこと好きなの!? はわ、はわわわわ!?」
「ぐぅぐぅ」
「そうじゃないかと思ったけど、やっぱりボクの話聞かずに人のベッドでぐっすり!?」
「あー、そだ、梓。さっきのはわわ言語をもっかいお願い。ああいう萌え言語は俺の大好物なので大変安らぐのです」
「好きこのんで言ってるわけじゃないよっ! びっくりしたらつい出ちゃっただけだよ!」
「さすがは梓、生まれついての萌えキャラだな。お前が友人でよかったよ」
「萌えキャラなんかじゃないよっ! もー、ボクのことからかってばっかでさ」
梓はベッドに腰掛けると、寝転ぶ俺の頭を優しくなでた。
「……それで、どう? ちょっとは寂しいのどっか行っちゃった?」
「お前と話してるそんなの思う余裕ねーよ」
「そか……へへっ、そっか♪ ほんとー、タカシはボクにおんぶに抱っこだね♪」
「分かった。いずれ分身の術を会得し、いつかお前におんぶと抱っこを同時に試行する」
「別に物理的にやれって言ってるんじゃないよっ!」
-
「なんだ、紛らわしい」
「どこをどうとったらそう思うんだよ……まったく、変な奴だよね、タカシって」
梓はやたら嬉しそうに俺の頭をぐしぐしなでている。
「どした。妙に嬉しそうだけど」
「ボクだけだもんね、タカシのこーゆー性格知ってるの」
「いや、みんな俺の性格が破綻してることくらい知ってるぞ」
「自分で言ってどうすんだよ……じゃなくて、実は寂しがりやなとこだよ♪」
「ぐぅ」
「ぐぅの音を出した!?」
「ていうか勘弁してください。じゃないとお前を犯して殺して埋めて掘り起こしてまた埋める」
「予想以上に怖い!? ていうか最後になんで掘り起こして埋めてるの?」
思ったより梓は冷静だった。
「気にするな。それよりもふもふさせろ」
「もふもふ?」
「このような感じです」
梓を後ろから抱きしめ、犬っぽい毛質の髪に顔をつっこむ。
「わ、わ!」
「うーん、犬っぽい」
「女性に対してなんて発言!?」
「でもまあ、実に梓的ですね」
「うぅー……褒められてるの、かけなされてるのか分かんないよ」
「当然けなしてる」
「今日もタカシは悪魔だよ!」
そんな感じでもふもふしてたら、だいぶ落ち着いてきた。
「ふむ。お前のもふもふぱぅわーのおかげで俺の心も平静を取り戻したようだ。感謝する、梓」
「なんだかわんわんをあてがっても一緒の結果になりそうで、女心がずたずただよ……」
「いや、同時にお前の香りに興奮もしてるから安心しろ」
「そっ、そういうことを真顔で堂々と言うなっ、ばかっ!」
怒りながらも、ちょっと照れてる梓だった。
-
GJ
ボクっ娘マジ天使
-
GJ
犬っぽい娘は本当に良い物だな!
-
かわええええええええええええ
-
ボクッ娘可愛い
つか何気に男甘えすぎwwww
-
GJ。俺の心が勃起した
しかし「いたわしげ」ではなく「いたましげ」ではないのだろうか
-
いたわしげで大丈夫だ問題ない
-
ガチャッ
「ただいまー」
『ああ・・・本当に昼で仕事終わりなのだな』
「ウチの仕事は、停電だと何もできねーからな。まぁでも、こうやって早く嫁の顔が見れると思うと、悪いことばっかじゃないけどな」
『ふん、貴様の分まで余計に食事を用意しなければならんこちらの身にもなってみろ』
「うーん・・・なら俺、外で食ってこようか?」
『アホか。せっかく家にいられるんだから無駄な出費をするんじゃない。・・・とにかく、もうできてるから早く着替えてこい』
「へいへい」
「いただきます」
『いただきます』
「・・・なぁ、ちょっといいか?」
『なんだ?』
「お前、いつも一人でこんな豪勢な昼飯食ってるわけ?」
『そんなわけあるか。今日はお前が・・・じゃない、たまたま材料があったんだ、うん』
「・・・百歩譲ってたまたま食材があったとしても、これとかかなり手間かかってないか?」
『う、うるさいな、いいから黙って食え!』
「はいはい。・・・ありがとな。すげぇ嬉しいよ」
『・・・ふん』
とかいうやりとりが全国で繰り広げられてるかと思うと・・・
-
胸が熱くなるな…
GJ
-
停電は全国ではないだろうという無粋なツッコミを覚えつつも
関東民の俺は胸を躍らせずにはいられないのであった
-
九州でも計画停電の可能性あるらしいぞ
GJ
-
計画停電→ヤシマ作戦→エヴァ→アスカ→ツンデレ
だからどうしたと言われればそれまでだが、このスレの住人としては連想せずにはいられなかったんだ、うん
-
とうとう運転免許を手に入れたぜ
これでかなみさんをドライブに誘える…
-
ツンデレにおちょくられたい
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1883.jpg
-
ちなみんの妄想か…ウッ
-
>>795
フゥ……
エッチなのはいけないと思います(キリッ
-
そういうちょくせつてきなエロはどうかとおもうなー(超棒読み)
雨に濡れたのでボクっ娘に風呂を貸したけど着替えがなかったよ的な
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1884.jpg
(何か言いたそうにこちらを見つめる裸パーカーのあずあず http://shindanmaker.com/46272)
-
>>798
そんなこと言いながらお尻に目が行くような絵描いて…
GJ
-
あなたは1時間以内に3RTされたら、ぼろぼろ大粒の涙をこぼす裸蝶ネクタイのリナを描かなければいけません。…がんばれ!
ふぅ…裸とか不健全だろjk
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RT >>800
-
RT >>800
-
RT>>800
-
R…T…?
-
リメンバーツンデレさ
-
なんか肌色が見えてる気がするけどKENZENだね!
-
纏さん
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1885.jpg
-
はいアホです。
-
(自炊)ツンデレにまるで恋人とディナーに来てるみたいだって言ったら
『フゥ…… ただいま帰りました。タカシ様』
「お疲れ様、芽衣。今日は随分買い物に行くの、早かったんだね。気が付いたらもう出掛
けていなかったから」
『また何をのん気な事を仰っているんです。今日は夜、停電じゃないですか。いつもの時
間に、しかも邪魔者のタカシ様を連れて買い物なんてしていたら、停電までにお夕飯の支
度が間に合いません』
「邪魔者とは心外だなあ。確かに時々、買い物に連れて行って貰ってはいるけどさ。邪魔
した覚えなんて無いけど」
『ハア…… 無自覚というのはこれだから困ります。いいですか、タカシ様。あくまでご
主人様の意向だからこそ、仕方なく買い物に付いて行くのを許してはいますけどね。タカ
シ様のせいでどれだけ余分な時間を食っているかお分かりになりますか? いつも余計な
お店だとか、買いもしない商品に興味を持ったりして、その度に引きずり回される私の身
にもなってください』
「はいはい。それは耳にタコが出来るほど聞いてるけどさ。でも、いつも何だかんだ言っ
て、芽衣も楽しんでるじゃん。一緒に品物みたりしてさ」
『誰が楽しんでるって言うんですかっ!! 仕方なく付き合ってるのと楽しんでいるのが
分からないようでは、タカシ様の眼力も大したことはありませんね』
「はいはい。俺と一緒に夢中になってああだこうだと議論交わしてても、仕方なくだもん
ね。それは分かってるよ」
『なっ……!! 別に、会話しているからと言って楽しんでいるのとは別です。言われれ
ばつい言い返してしまうのは性分ですから。ついでに言えば、今だって別に楽しんでお話
しておりませんし』
「分かった分かった。それより、生鮮品とか、早く冷蔵庫に入れた方がいいんじゃない?
悪くなっちゃうよ」
『言われなくともやります。タカシ様さえ無駄話で引き止めなければ、の話ですけど』
「はいはい。邪魔して悪かったよ。お詫びに夕飯の支度、手伝おうか? 時間ないんだろ?」
『結構です。タカシ様はご主人様なんですから、メイドの手伝いなどしなくてもいいとい
つも言ってるじゃないですか』
-
「いや。でもこういう状況なんだし」
『そんな事を言っている暇があったら、先にお風呂に入って下さい。停電中は給湯器だっ
て使えないんですから。そうでないと、またいろんな事が遅くなりますよ』
「了解。でも、風呂って沸いてるの?」
『今からお湯だけ張りますから。あと十五分ほど大人しく部屋でお待ち下さい。私が呼び
に参りますから。いいですね?』
「わ、分かった分かった。いいですねってとこ、強調されると何か怖いんだけど」
『敢えて言ったんです。暇を持て余して、キッチンとかウロチョロされないようにと思いまして』
「はいはい。分かりましたよ。大人しく待ってますって」
「ふう…… いいお湯だった。芽衣、上がったぞ」
『随分ごゆっくりでしたね。このまま停電の時間まで上がって来ないかと思いましたが』
「まさか。別に入ってる時間はいつもと変わらないと思うけどな。それに、停電って早く
て六時二十分からだろ? まだ二十分近くあるじゃん」
『そ、それはそうですが…… でも、大体の目安でしかありませんし……』
「そんなに心配する事でもないじゃん。もしかして、結構気もそぞろだったりする?」
『ばっ……馬鹿おっしゃらないで下さい。たかが停電くらいで…… 大体私は、食事の支
度をするのに手一杯で、他の事なんて考えてる余裕ありません』
「あれ? まだ出来てなかったの? てっきり、停電前に済ませるんだとばかり思ってたけど」
『まるで私の手際が悪いみたいに言わないで下さい。これでもちゃんと計算して作ってい
るんですから』
「計算って……何を?」
『えっ……!? い、いえ。そんな大したことでは…… ど、どのみちすぐに分かります
から、タカシ様は大人しくお部屋で待っていて下さい。準備が出来たら呼びに参りますから』
「分かったよ。何を隠してるのか気になるけど……まあ、すぐ分かる事ならいいや。それ
じゃ、頼むよ」
『かしこまりました。タカシ様』
-
「芽衣の奴……すぐ分かるけどって言ってたけど……もう停電時間に入っちまったぞ」
プツッ……
「あ、電気消えた。しかし、夜の停電って、マジで真っ暗になるんだな…… 街灯まで消
えるとこうも雰囲気変わるんだ……」
コンコン
「はい?」
ガチャッ……
『タカシ様。お夕食ですが……準備が出来ましたので』
「ああ、行くよ。しかし、停電直後って何か計ったようだな」
『えっと…… まあ、一応……』
「え? 本当に? 何で?」
『来れば分かります。それより、足元をお気をつけ下さい。懐中電灯の明かりしかありませんので』
「ああ、分かった。でも何かさ。こうやって真っ暗闇の中を懐中電灯の明かりだけで先導
されると、芽衣に案内されて秘密の場所に行くみたいだな」
『たかが自分の家の廊下を数メートル歩くだけじゃないですか。何くだらない事をおっしゃっ
ているんですか。バカバカしい』
「いや、だってさ。先導してくれるのが、西洋のお屋敷に勤めるようなメイド服に身を包
んだ女性だぜ。何かちょっとこう、昔の推理小説チックな感じじゃない?」
『タカシ様がどんな妄想をなされようが勝手ですが、私をそれに付き合わせないで下さい。
ほら、早く席についていただけませんか?』
「はいはい。まったく、冷たいなあ。芽衣は」
『誰が冷たいんですか。タカシ様がバカな話をなさるから悪いだけで、私の性格の問題で
はありません。他の誰だって、こんな時にそんな話しをされれば同じような態度を取るに
決まってます』
「そうかな? 芽衣がノリ悪いだけじゃなくて?」
『そうです。またそうやって私のせいにしようとして。全く、付き合いきれません』
「はいはい。俺が悪かったからさ。とりあえず、食事にしようぜ」
『どうせ反省などなさっていないくせに。一回、懐中電灯消しますね』
「え? 真っ暗になっちゃうよ」
『お待ち下さい。すぐに、代わりの明かりを点けますから』
-
カチッ
「へえ……こんなライトあったんだ。何か面白い形してるね」
『ちょっと前に雑貨屋さんで見つけたんです。形も奇妙でインテリアにもいいかなって思っ
て。それに、電池ですからこうやって停電の時にも使えますし』
「でも、何か雰囲気いいね。何かちょっとしたレストランにでも来た感じだ」
『それにしてもちょっと暗すぎだとは思いますが。でも、お食事をなさるのには差し支え
の無い明るさだとは思います』
「うん。十分だよ。でも、芽衣も何気に雰囲気作りは狙ったでしょ?」
『は? 何故、私がタカシ様と食事をするだけなのに、いちいち狙って雰囲気を作ったと
お考えになられるのか意味が分かりません』
「だって、パスタにチキンステーキにサラダにミネストローネ。完全洋風の食事にワイン
まで出してさ。これで狙ってないって余りにも白々しくない?」
『タカシ様はご存じないかもしれませんが、今はどこも品薄状態で大変なんですよ? で
すから、手に入りやすい食材で料理を作ると、自然とこうなってしまうだけです』
「まあ、さすがにそれは知ってるけどさ。でも、米くらいは実家から送って貰えばいいじゃ
ん。多分、あそこならうちで足りるくらいの備蓄米あるだろ」
『周りの皆さんが困っている、こういう時に本家を頼るのはいい事ではありません。無論、
タカシ様の健康が最優先ですから、それの障害になると思った時は頼らせていただきます
が、代わりの食材があるうちはそれで満足頂けるような食事をご用意するのも、メイドと
しての仕事です』
「で、このワインは?」
『停電なのに無駄に起きていられても困りますから。アルコールを入れれば早めに寝てく
ださるだろうという、私の配慮です』
「分かった分かった。とりあえず、乾杯しよっか?」
『……乾杯を? 何でですか? 特にお祝いとかイベントごとでもないのに、やる意味が
わかりません』
「いや、その……何となく、雰囲気でさ」
『別に、タカシ様と雰囲気なんて作る必要を感じません。それに、こんな時にちょっと不
謹慎だとは思いませんか?』
-
「いや、その……分かったよ。じゃ、いっその事お祈りでもする? こうやって食事がき
ちんと出来る事を神様に感謝して」
『何もそこまでする必要はないかと思います。無論、感謝の気持ちは大事ですが、無神論
者のクセにこういう時だけ神様にお祈りするなんて、調子がいいだけです。普通にいただ
きますだけして下さい』
「はいはい。それじゃあ芽衣に説教されたし、そうする事にするよ」
『説教されるような事ばかり言うタカシ様が悪いんですからね。まるで私が口うるさい女
みたいに言われるのは心外の極みです』
「それは考え過ぎだって。それじゃあ、いただきます」
『では、私も…… いただきます』
「うん。美味しいよ。チキンもいい焼き具合だ。表面はこんがりと焼けてカリカリしてる
のに、中はジューシーで。あと、付け合せの根菜もホクホクして」
『黙って食べて下さい。別にタカシ様から感想など頂いても嬉しくもありませんし、それ
に普段はそこまでおっしゃらないクセに、何で今日に限って饒舌なんですか』
「うーん。やっぱり、雰囲気違うからじゃないかな。余計な視覚情報が入って来ない分、食事に集中してるからかも」
『だったら、食事だけに集中すればいいじゃないですか。何で私に話し掛けて来るんです』
「……ああ、ゴメン。正確に言えば、食事と、あと芽衣だけしか視界に入って来ないから
だな。何て言うかさ、芽衣もこう……ライトの淡い明かりだけだと、いつもとこう……ちょっ
と違った綺麗さが醸し出されて、つい視線が行くんだよな」
『なっ……!? ごっ……ごまかしついでに褒められたって、嬉しくもなんともありませ
ん。綺麗だとか言っとけば私が喜ぶとでも思ってらっしゃるんですか? ホント、タカシ
様ってバカなんですから。まあ、今に始まった事ではありませんから、呆れはしても諦め
てますけど』
「いやいや、ホントだって。こうやってオレンジの光の中で向かい合って食事なんてして
るとさ。家でメイドと食事してるっていうより、何か美人の恋人とディナーに来てるみた
いな、そんな感じだよ」
『こ……こいっ……!? な……何をバカな事ばかりっ!! 私はただのいちメイドに過
ぎないと、普段から言ってるじゃありませんかっ!! 大体、私なんかはタカシ様の恋人
にも相応しくありませんし』
-
「いやいや。立場は別にしてさ。客観的に見れば、芽衣は相当美人だと思うぞ。前だって、
一緒に歩いてる所を友達に見られてさ。アレは誰だお前の彼女かって相当しつこく聞かれ
たし。パーティーで会った人からも、専属メイドですって言ったら美人のメイド羨ましいっ
て言われたし」
『あああああ、もうっ!! 適当な事ばかりタカシ様はっ!! 停電だからって変にテン
ション高くしてお世辞ばかりっ!! 正直、付き合いきれませんっ!!』
グイッ!!
「ありゃ? 芽衣のグラスに入ってるのもワインだろ? そんなに一気に空けちゃって大丈夫か?」
『何言ってるんですか。普段、私は仕事があるからとジュースにしようとしても、付き合
えと言ってるのはタカシ様じゃありませんか。こういう時だけ、ワインはダメとでもおっ
しゃるのですか?』
「いや。飲むのは全然オッケーだけどさ。いくらなんでも、一気飲みは酔っ払っちまうん
じゃないかと……」
『タカシ様に付き合って話しをしていたら、喉が渇いてしまっただけです。ちゃんと酒量
くらいは自分でコントロール出来ますから、ご心配なさらないで下さい』
「わ、分かったよ。ただ、ちょっと待って。手酌なんてしないでも、俺が注ぐからさ」
『何言ってるんですか。ご主人様にお酌させるわけにはいきません。私なんて、手酌で十
分です。だから、早く瓶を寄越して下さい』
「まあまあ。食事の時くらい遠慮しないで、ほら。グラス出して。出ないとこぼれちゃうよ」
『う〜っ…… タカシ様って、こういう時本当に意地悪ですね』
「素直にならない芽衣が悪いの。はい、どうぞ」
『そ、それじゃあ……頂きます……』
トクトクトク……
「うん。こんなもんか……って、もう空けちゃったの? いくらなんでも早過ぎだって」
『う……申し訳ありません。何かこのワイン……飲みやすくって、ジュースみたいに簡単
に入っちゃって……』
「それじゃあ、もう一杯。今度は一気飲みはダメだからね」
『き……気をつけます……』
『(でも、そんな事言われても……タカシ様が私の事を綺麗だとか美人だとか、恋人と一緒
にいるみたいだとか褒めちぎってばかりだから…… あああああ……もう、喉はカラカラ
だし、体の火照りは止まらないし……はふぅ……(////////////////////))』
-
一応終わり
計画停電まだ一度もリアルで体験してないけど、町中真っ暗ってガチで怖いらしいね。
あと、最初の予定ではここまでだったけど、書いてる最中におまけを思いついたので
それは後ほど
-
敬語ツンデレっていいなぁ……
貴様にGJをくれてやろう!
-
〜翌朝〜
ピピピピピッ……ピピピピピッ……
『ん……?』
カチッ……
『(もう六時…… 起きて、洗濯して……タカシ様の食事のご用意を……それにしても、何
でこんなに気持ち悪いんだろ……頭フラフラするし……)』
『(そういえば、夕べはどうしたんだっけ……停電で、タカシ様と食事して、食器を流しに
片付けてから……停電が終わってから洗い物とお風呂をって思ってたんだけど……あれ?
記憶に……ないな……私……ベッドに入った事も……)』
ガバッ!!
『ど……どうしたんだっけ? そうだ。停電が明けるまでちょっとだけ休もうと思ってソ
ファで…… でも、何で私ちゃんと自分のベッドで……しかも、パジャマも着てるし……
でも……覚えが無いなんて……』
『(まさか……酔い潰れて、タカシ様が……)』
ガチャッ……ドタドタドタ……
コンコンコンコンコンッ!!
『タカシ様っ!! 起きて下さいタカシ様っ!!』
「ん…… 何だよ……まだ六時じゃんか……」
モゾモゾ……
「何だ? 芽衣。開けていいぞ」
『では、失礼しますっ!!』
ガチャッ……
「おわっ!?」
『は? いかがなさいましたかタカシ様』
「いや、その……芽衣が、予想外にパジャマ姿だったから……ちょっとびっくりした」
『なっ…… そんなの、一緒に暮らしている以上、別に驚く事でも何でもないじゃないで
すかっ!! 逆に、驚かれるとこっちが恥ずかしくなりますっ!!』
-
「ああ、ゴメン。確かに芽衣の風呂上りとかはよく行き会うけどさ。朝はいつも、キチン
とメイド服着て起こしに着てくれるから……で、パジャマのまま早朝に部屋に来るなんて、
一体何があったんだ?」
『それはこっちが聞きたいですっ!!』
「何? 一体どういう事?」
『だから、その……えっと、私なんで、自分のベッドでキチンとパジャマ着て寝てるんですか?』
「え? それって別に普通じゃない?」
『普通じゃないから聞いてるんですっ!! というか、その……食事を終えて、食器を流
しに運んで……そこら辺までは覚えているんですが……』
「そこから先の記憶がないと」
『……はい。真にお恥ずかしながら……』
「なるほどね……クスッ……」
『お笑いになることないじゃないですかっ!! 大体、勧めたのはタカシ様ですよっ!!』
「いや。僕はお酌はしたけど勧めてはいないけどな。むしろ止めたのに、芽衣が自分から
飲んじゃってたじゃん。それも覚えてない?」
『…………失態でした。申し訳ありません……』
「素直なのは宜しい。で、夕べの事だけどさ」
『わああああっ!! ちょっ……ちょっとお待ち下さいっ!!』
「何? 聞きたいんじゃなかったの?」
『いえ、その……心の準備が…… コホン。どうぞ』
「うん。でも言ってもいいのかなあ」
『私が聞いてるんですから、言ってもいいも何もないじゃないですかっ!! 何をその……
そんな、もったいつけてるんですかっ!!』
「いや。世の中には、知らずに済むことならその方がいい事もいっぱいあるじゃん。だか
らさ。これも教えない方がいいんじゃないかなって……」
『なっ…… わっ……私が何をしたって言うんですかっ!! こ……ここまで来てそんな
事言うなんて、却って気になっちゃうじゃないですかあっ!! も……もう、後には引き
返せませんっ!!』
「ホントに? いいの? 聞いて後悔するかもよ?」
-
『聞かずに後悔するよりマシですっ!! 大体、聞いたら後悔するって、私そんな酷い状
態だったんですか?』
「うーん……まあ、ねえ…… どうだか……」
『濁さないで下さいっ!! 私……一体、何をしたんですか? タカシ様に失礼な事とか、
たくさんしてしまったとか?』
「いや。それは普段からしてるから。主に言葉で」
『普段のは、大抵タカシ様に原因があるんですっ!! からかったりなさるから……大体、
昨日の深酒だってタカシ様が適当な褒め言葉でおからかいになるのがそもそもの原因じゃ
ないですかっ!! 私のせいばかりってわけじゃ……』
「あれはホントにからかったつもりはないんだけど、まあそこで言い合いしてたら、また
話が進まなくなるからな。夕べの話に戻そうか」
『う……それで、私……何をしたんですか?』
「いや。何もしてないよ。というか、何も出来なかったって言うべきかな」
『出来なかったって……どういう意味ですか?』
「だって、自分はまだ仕事が残ってるから俺だけ先に寝ろって言ってリビングのソファに
座ったら、すぐに寝ちゃったんだもん。まあ、結局芽衣の方がワイン多く飲んだし、食卓
のライト以外は明かりが無くてほとんど真っ暗だから、しょうがないんだろうけど」
『リビングのソファで休もうとしてたのまでは覚えてます。けど、その先どうやって、自
分の部屋まで戻ったのか、それが全く記憶になくて……』
「ああ。さすがに芽衣をそのままほっとく訳にも行かないし、停電が終わったら起こそう
と思って。まあ、停電は意外と早く終わったんだけど、起こしても芽衣が全然起きなくて
さ」
『起きなかったって……それじゃ私、どうやって部屋まで…… まさか……タカシ様が?』
「まあね。大変だったけど」
『いっ……やあああああっ!! どどどっ……どうやって私を部屋まで連れて行ったんで
すかっ!! 肩を貸してですか? そ、それともおぶったりとか……抱っこでとか……』
「それは、芽衣のご想像にお任せするよ。一つ言えるのは、おれが連れて行ったってこと
は確かだって事で」
『どうしてそこで言葉を濁すんですかっ!! それもニヤニヤして、絶対面白がってます
よね? もう、最低です!! タカシ様はっ!!』
-
「あれ? うっかり放置してたら暖房も無しで朝までリビングで寝てて風邪引いたかも知
れないのを、部屋に連れて行ってあげたのに最低扱いなんだ。それって、メイドとしてどうなの?」
『うううっ…… たっ……確かに、タカシ様に部屋まで運ばせたなんてのは、メイドとし
てあるまじき失態だとは思っておりますし、申し訳ないとは思いますけど…… ただ、今
のタカシ様は意地悪過ぎますっ!!』
「いや。まあ、詳しく語り過ぎると芽衣が恥ずかしがるかなって思って」
『もう、その言葉だけで十分過ぎるほど恥ずかしいですっ!!』
『(あああああ…… 私とした事が……タカシ様の言葉から察するに、やっぱり抱っことか
されたんだ…… それなのに、覚えてもいないなんて……じゃなくってっ!! タカシ様
にそのような事をさせるなんて……)』
「(まあ、本当は寝惚けてフラフラな芽衣の手を引いて部屋まで連れてっただけなんだけど。
でも、狼狽する芽衣はホント、面白いなあ)」
「まあ、まだ続きがあるんだけど。でも、これだけで十分恥ずかしいなら、この先は俺一
人の胸に仕舞っておくかな」
『まだ続きがあるんですかっ!! って、そうだ。何で私、パジャマ姿なんですか? 私、
起きなかったんですよね?』
「さあ。どうやってだろうね?」
『だから何だってそう意地悪な言い方するんですかっ!! もうはっきりおっしゃって下
さっていいです。腹は括りましたから』
「いや。やっぱ止めとく」
『何で? 何でですかっ!! 私がお願いしているのに言わないってどういう事なんですか?』
「だって、言ったら結局ボコボコに叩かれそうな気がして。今の芽衣の動揺っぷりから察するに」
『何で私がタカシ様をボコボコに……って、やっぱり、その……タカシ様が?』
「うーん……だって、芽衣がメイド服がしわくちゃになるからどうしても着替えるって聞
かないからさ。その割りに手は覚束ないし……」
『ちょっと待って下さい。私、起きたんですか? そんな事言ったんですか? 全く記憶
にないんですけど』
「起きたっていうか、ちょっと目を覚ましたって感じだったな。まるで、駄々っ子みたいだったよ」
『あの……それで、もしかして……』
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