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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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会長が、苛立たしげに鼻を鳴らすのが聞こえた。
『全くだわ。それに、バレンタインだのホワイトデーだの、そういう商業主義に則った因
習が面倒くさいっていうだけで、秀美ちゃんにはキチンとお礼はしたわよ』
「え? マジで?」
ちょっと驚いて聞き返す。すると今度は会長がそっぽを向いた。
『ちょっと前に、あの子の好きな甘味屋さんで抹茶ぜんざいとつぶあんみつをね。大体、
何で別府君がそんな事気にするのよ?』
まあ、女子同士だから帰りにお茶したりするのはよくある事だろうけど、それにしても
そんな事は話題にも上らなかったなと思う。そんな事を考えつつも、会長の問いにどうや
って答えようかと俺は考えあぐねた。そもそも、俺だって何であんな事を聞いたのかよく
分からないのだから。しかし、何らかの答えは出さなくちゃいけないと思い、何となくそ
う思えることで俺は答える事にした。
「……ま、何となく……だな。ここに来る前に、文村に義理チョコのお返しして来たから。
多分、それで」
『多分って何よ。多分って』
曖昧な表現を突っ込まれたが、それには俺も肩をすくめるしかなかった。
「いや。実際、何で俺もそんなに気になったのかはよく分からんし」
『変なの。もっとも、別府君は最初っから変だから、そう変とも言えないのかしら』
「さあな。何とでも言ってくれ」
会長の毒舌に文句を言う気にもなれず、俺は敢えて流した。それよりも、これだけホワ
イトデーの話をしたのだから、そろそろ自分の事も気になっていいんじゃないかと、会長
の様子を窺う。しかし会長は俺の方に真っ直ぐ視線を向け、真顔で聞いて来た。
『で、秀美ちゃんは喜んでたの?』
「へ?」
そっちの話題は終わったものだと思ってたから、意外に思って俺は会長を見返す。する
と、会長の視線とモロにぶつかりあった。
『だから、渡した時の反応。別府君にお返し貰って、彼女、どうだったの?』
そんな事に興味を持つなんて、俺は意外な面持ちで会長を見つめた。しかし、会長は相
変わらず感情を見せない表情で、押し黙って俺の答えを待っている。その視線の強さに耐
えられず、俺は答えた。
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