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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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『……べ、別にその……先輩に美味しかったとか言われても嬉しくないですし、別にあれ、
手作りって訳でもないですし…… でも、そこまで言うんだったら、あんまり美味しくな
かったら、やり直しを要求してもいいですか?』
「マジかよ。この財政難にそれはキツイだろ」
何だか美味しくても美味しくなくても難癖つけられそうな気がして、俺は拒否しようと
した。しかし、文村は断固とした口調で言い張る。
『いーえ。決めました。美味しくなかったらこのクッキーはお返しとは認めません。先輩
の本気が見えるまで、私は納得しませんから』
「美味いとか美味くないとか、どういう基準で判断すんだよ。そんなもん、適当に言われ
たら無限ループ突入だろ」
何か勝手に決定されてしまったので、仕方なく文句を言うと文村はキッと顔を上げて言った。
『そんな事、私の基準に決まってるじゃないですか。貰った本人なんですから。何だった
ら先輩の目の前で判定してもいいですよ?』
「まあ、確かに目の前ならある程度俺も文句付けられるけど……でも、どこで食うんだ?
生徒会室か?」
何となく思い当たる場所を言ってみたが、文村は断固とした感じで首を振った。
『そんな、いつも仕事してる場所じゃなくて喫茶店とか行きましょうよ。えっと……計君も、来る?』
チラリと早川を見て、彼女は聞いた。何となく傍観者風に俺たちのやり取りを見ていた
早川は、しかし首を振った。
「いや。ゴメン。僕は今日、用事……っていうか、予備校寄ってくから遠慮させて貰うよ」
『そなんだ。残念だな。あ、計君のは家でゆっくり味わって食べることにするからね』
微笑む文村に、早川も頷き返す。
「うん。僕のも、口に合うかどうかは分からないけどね」
『大丈夫。計君が選んだのだったら、絶対美味しいはずだから』
この返事に、俺は小さく舌打ちする。全く、俺と早川のこの差は一体何なんだと。文村
は、クルリと俺に向き直ると、ビシッと指差して言った。
『それじゃ、先輩。行きましょうか。私、行きつけの店があるんで、そこなら菓子持ち込
んでも大丈夫ですよ』
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