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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

74413/15:2011/03/20(日) 14:12:35 ID:???
 しかし、期待するなと言われても、期待してしまうのは男の性だ。次の日から、俺はつ
いつい会長の耳を気にするようになってしまった。しかし、次の日はもちろん、その次の
日も、また次の日も、一週間経っても会長が耳にイヤリングを付ける様子は一向に見られなかった。
「ちっ……やっぱりダメかあ」
『何がダメなんですか? 先輩』
 文村が、俺を覗き込むように顔を見つめて聞いて来た。
「おわっ!? な……何でもねーよ」
 ちなみに、文村との約束はキッチリ果たした。結局、クッキーにはダメだしを食らった
ものの、その場でスイーツを他にもご馳走した事で何とかやり直しだけは回避させて貰った。
 文村はキョトンとした顔を向けていたが、やがて怪訝そうに言った。
『ふーん。変な先輩ですね。まあ、元からそうですから、意外でもないですけど』
 そう言って離れる彼女を、俺はホッとしつつ見送ったのだった。そして、諦め顔で会長
に視線を戻す。
「ま……こんなもんだろうけどな……」
 一人そう呟いて、俺はとうとう気持ちを切り替えると、目の前の仕事に没頭したのだった。

〜おまけ〜

『あ、静〜っ!! こっちこっち』
 駅前の時計台の下で、友人の聖花が手を振っているのが見える。私は特に歩調を変える
ことも無く、彼女の傍に近寄った。何となく、左手の腕時計を見る。時間は約束どおり。
十時ぴったりだ。
『全く。服買いに行くたびに、私を付き合わせるのにもいい加減勘弁して欲しいわね。友
達づきあいとはいえ、毎度の事だとうんざりするわ』
『だって、一人だと目移りしちゃってさ。その点静が一緒だと、バッサリ判断してくれる
から有難くって』
『だってそんなもの、欲しい服と手持ちの資金を比較して、買える物で選択すればあっと
いう間に決まるじゃない。それなのに、予算に合わないものと延々と見比べるなんてナン
センスだわ』




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