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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

74211/15:2011/03/20(日) 14:11:48 ID:???
「いや。だから、その日が、バレンタインデーだったじゃん」
 そう言うと、またしても会長は頷いた。こういう所は妹とは違う。実に堂々としたもん
だ。
『そうね。たまたまだったけど、それも事実だわ。だけど、まさか貴方、勘違いしてたと
かじゃないでしょうね?』
 会長が俺を睨み付ける。果たしてそれは、本心なのかポーズなのかは分からない。しか
し俺は、そう言われる事は予想していたので、何度か妄想した答えの一つを返した。
「いや。勘違いはしてないけど、やっぱりチョコ貰った事は貰ったんだしさ。何かお礼は
しなきゃって思ってたんだけど……俺は不器用だからな。逆にイベントにでもかこつけて
でないと、返せないから」
『なるほど。そういう考え方もあったわね』
 意外にも、会長が感心して頷いた。
『確かに、他の日よりもかしこまらなくっていいって言うのも納得だわ。日本全国で、男
子が女子に贈り物をあげてるんだものね』
 恐らくは、会長にとっては新しい考え方だったのだろう。しきりに頷いている。思い立っ
たら即行動、の会長には合わないとは思うが、それだけに何か響くものがあったのかも
知れない。しかし、今の俺にはそれよりプレゼントの方が重要だった。
「で……どうなんだよ? 受け取ってくれるのか?」
 すると、会長はあっさりと首を縦に振った。
『ええ。くれるというなら貰っておくわ。いらなければ、私が処分すれば良いだけの話だ
し、例え別府君からの貰い物であっても、有益でない保障はないしね』
「じゃあ……ほら。チョコ、ありがとな……」
『一応、ありがとうと言っておくわ』
 そう言って、会長は立ち上がると、俺の手から紙袋を受け取った。中を広げてみようと
して、俺の顔を見て聞く。
『開けてもいいのかしら?』
「ああ。どうぞ」
 俺が頷くと、会長は紙袋を開けて、包装された小さな箱を取り出す。
『……何かしら? 食べるものではないみたいね』
「ま、いいから中を見てくれよ」




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