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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/21(水) 22:43:01 ID:???
プロバイダー規制や本スレの空気などでSSを投下できない人が、
本スレの代わりにこっちでSSを投下するスレ。

sageるとIDが???になるので恥ずかしい人にはお勧め。

671以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 20:13:41 ID:GWgC1PVU
>>670
GJ!

672以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 20:50:00 ID:???
それ以来悪夢を見る度に兄の布団に潜り込むようになるんですねわかります



ん?なんだ誰か来たようだな

673以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/13(日) 10:01:42 ID:???
またいつも通りスレ住人みんなが気楽にツンデレの妄想をして楽しめるような状況になればいいなと、
いつも通りのなんのひねりもない落書きを貼ってみる。
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1868.jpg

674以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/13(日) 11:03:16 ID:???
>>673
おお。GJ
流し目はいいですね

675以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/13(日) 18:13:32 ID:???
・屋上に二人で取り残された男とツンデレ
・連絡が取れなくなった男の安否を心配するツンデレ
・一人で屋内に取り残されて不安なツンデレ

6761/7:2011/03/14(月) 01:42:49 ID:???
(自炊)花粉症で苦しんでいても人前では超然と振舞うツンデレ

『卒業生の皆さん。ご卒業おめでとうございます。本日は、明日をもってこの学校を巣立っ
て行かれてしまう諸先輩方に、私達が最後の、そして最高の思い出を贈りたいと思って
在校生一同、そして先生方が張り切って準備して参りました。どうか、このひと時を大い
に笑い、楽しみ、そして感動の出来る時間にしていただけたらと――』
『やっぱり、会長って素敵ですね。凛々しくて』
 舞台袖で会長のスピーチを聞きつつ、書記の文村が尊敬した眼差しで会長を見つつ言う。
「まあな。あれだけ人前で堂々としゃべれるってのも、才能の内だな」
 全校生徒を前にして、毅然とした態度でスピーチを続ける姿に、俺も頷く。手元の紙は
ほとんど見ることなく、視線は常に上げたまま。言葉を噛むこともなく、咳払い一つなく、
まるで澱みがない。
『……それでは、私達在校生と過ごせる僅かなひと時を、心ゆくまで楽しんで行ってください』
 丁寧に一礼して、会長が挨拶を終え、袖に戻って来た。
『あ、会長。お疲れ様です』
 文村のねぎらいに頷きつつ、会長は周りを見回して言った。
『さ、まだ始まったばかりよ。次は記念品の贈呈……と。準備は出来てるわね。あ、澤田
さん。生徒代表としての役目、宜しくね』
 協力してくれる生徒に挨拶しつつ、生徒会執行部や予餞会実行委員のメンバーに次々と
指示を飛ばす。俺も注意されないうちに、とっとと自分に割り当てられた仕事に就こうと
動き出した時、会長に呼び止められた。
『別府君はちょっとこっち。あなたの仕事は……そうね。台田君に振っておいて』
「は? あ、ああ」
 正直、その場の展開で臨機応変に役割を変える人だから、多少の戸惑いはあったものの、
俺は驚かなかった。すぐ近くにいた実行委員に、すべき事を伝えてから会長の所に急ぐ。
「何だよ、会長」
 どうせまた、よりやっかいな仕事だろうと思いつつ聞くと、会長は隅の机に置かれてい
るティッシュ箱と紙袋を指した。
『あれを持って、ちょっと付いて来てくれる。すぐに済むわ。そんなに時間は掛けられないから』
 そう指示を出すと、俺の返事も待たずに会長は足早に歩き出す。

6772/7:2011/03/14(月) 01:43:10 ID:???
「あ、おい。ちょっと待てよ」
 言われたものを急いで手に取ると、俺は会長の後を追いかける。舞台袖から出て、人気
のない奥の物置へと向かう。あんな場所に何の用事があるんだと思いつつも、黙って付い
ていくと、会長は物置に入って言った。
『……ドア、閉めて。早く』
 予餞会の最中の忙しい時間に何をするつもりなんだと思いつつ、言われた通りにドアを
閉める。途端に、盛大に背後でくしゃみの音がした。
『は……くしゅっ!! ハクション!! は……ぁっ……クション!! ハークシュッ!!』
 それで、俺は何で会長が慌しく人気のない所に来たか、その理由を察した。
「ああ。発作が出たのか……」
『別府ふん。ひっしゅ』
 鼻づまりの声で、会長が指示する。それはさっき、舞台袖で実行委員に飛ばしていたクー
ルさはなく、一刻も早くという焦りに満ちている。
「ほれ」
 差し出されたティッシュを素早く二、三枚取ると、会長は勢いよく鼻を噛み始める。
『あああ……もうダメかと思ったわ。さすがに……』
 目をしばたかせ、会長はまた鼻を噛む。
「何だよ。今日、そんなに酷かったのか? 花粉」
 そう。この完璧超人たる会長にも、難敵と言える存在はいくつか存在する。その中の一
つが、花粉症だ。
『酷いなんてものじゃないわ。朝から目は痒いわ、鼻の奥はぐしゃぐしゃだわで、もう最悪よ』
 鼻水が止まらないのか、ティッシュを鼻に当てつつ、会長は不満気に言う。だが、そん
な会長に俺は首を傾げる。
「今朝からずっと一緒に仕事してるけど、全然そんな素振りなかったじゃん。多分誰も気
付いてないぜ」
『それは、意識してるもの。花粉症だからって、生徒会長がマスクして鼻噛みながら仕事
するわけには行かないでしょ? あなたとは立場が全然違うのよ』
「はいはい」

6783/7:2011/03/14(月) 01:43:35 ID:???
 憮然と言い放つ会長に、俺は肩をすくめてみせる。正直な話、会長が花粉症だというの
は俺以外の執行部も知らないはずだ。つい最近、会長と二人で居残って仕事をしている時
に初めて会長が症状に苦しむ姿を見たのだから。
『ステージ上で毅然としてみせるって大変なんだからね。あの時、何ともなかったとか呑
気な事思ってないでしょうね? 鼻は気合で止めてるけど、目も痒くてしょうがないし。
ホント、どうしようもないわ』
「鼻水って、気合で止まるのか。すげーな」
 俺自身は花粉症でないので分からないが、人の話を聞くと鼻が詰まって呼吸が苦しいの
に、水洟だけは止まらなくて大変らしいという。
『だって、しなきゃしょうがな…………ふぁっ……あ…………えくしゅっ!!』
 また一つ、盛大にくしゃみをして、会長は急いでティッシュを取る。
『ヴーッ!! ヴォーッ!!』
 くぐもった音を出して、鼻を噛むと、会長は鼻の下を擦る。
『生徒の代表たる生徒会長が、みんなの前で花粉症晒すとか出来る訳ないでしょう? 貴
方みたいな気楽な立場とは違うのよ』
 立場というよりは、主義というか性格だろうと俺は思う。何事も完璧にこなすのがモッ
トーな会長の性格を考えれば、その主張は分からなくもない。
「でも、気合だけじゃなくて薬で抑えるとかしないのかよ。その様子じゃ、飲んでねーだろ」
 すると会長は、苛立たしげに髪をかき上げてみせた。
『薬って、飲むと頭がボウッとしていまいち思考が働くなるのよね。挨拶だけだったらそ
れもいいけど、今日は生徒会主催の予餞会だもの。いろいろと指示を出さなきゃいけない
し、そんなもの飲んでられない……くしゅっ!!』
 また盛大にくしゃみをして、会長はティッシュをひったくるように取ると鼻を噛む。そ
れを苛立たしげにゴミ箱代わりの空き箱に放り捨てる。
『ああ…… もう、目も鼻も取って洗いたいって花粉症の知り合いが言うのを聞いていた
けど、今ならその気持ちが良く分かるわ』
「会長って、もしかして今年が花粉症デビューか?」
 会長の言葉から何となくそんな気配を感じて聞くと、会長は大きく頷いた。
『そうよ。でなきゃ、もっと早めに対処しておくわよ』

6794/7:2011/03/14(月) 01:43:56 ID:???
 苛立たしげな会長の言葉に、俺は内心同意する。確かに用意周到な会長なら、症状が出
ると分かっていれば、事前に医者にかかって抗生物質を入れるなりなんなりするだろう。
『全く、完全に油断だったわよ。確かに今年の花粉は例年より酷いとは聞いていたけど、
他人事だったし。まさか自分が掛かるなんて思いもしなかったわ。こういう時、悪運の強
い人は羨ましいわね』
 チラリと会長は、恨みがましい目で俺を睨む。そうかと言われてもどうにも出来ないわ
けで何とも返事が出来ずにいると、会長の持つ生徒会専用携帯が鳴った。すると会長は、
パッと俺にティッシュ箱を差し出した。
『悪いけど、鼻水が垂れて来たら、これで拭いてくれる?』
「は? 俺がか?」
 意外な命令に聞き返すが、会長はそれを無視して電話に出た。
『もしもし? ああ、秀美ちゃん。うん、今ちょっと別の用事で。何?』
 いつも通りのテキパキとした声で、会長は電話の向こうの文村に指示を出しつつ、広げ
たメモ帳に何やら書き込む。かなり鼻がグズっているだろうに、一体どうやって鼻声にな
らずに済むのか、俺には不思議でしょうがなかった。すると、会長がチラリと俺を見て、
あごをしゃくるように上げてみせる。
「あ」
 会長の合図に気付いて、俺は急いでティッシュを取る。声にも態度にも表れていないが、
会長の鼻からは確かに、水洟が垂れていた。会長が向こうの声を聞いているうちに、手早
くティッシュで拭い取る。すると、会長が僅かに頭を下げ、手を鼻に押し付けるようにし
たので、もう一枚ティッシュを取ると鼻に当て、今度は奥のほうから絞る取るように鼻水
を拭く。すると、会長が退けるように手を振ったので、俺は素早く下がった。
『うん。そう、分かったわ。すぐ戻るからその件は私がそっち行ってから。それじゃ』
 携帯の通話を切ると、会長は俺を見て言った。
『そういうわけで時間が無くなったから、これ』
 すぐ戻るのかと思いきや、会長が俺に差し出したのは目薬だった。
「いや。戻らなきゃならないってのは聞いてて何となく分かったけどさ。何で目薬なんだよ」
 疑問に思って聞くと、ちょっと決まり悪そうな憮然とした顔で言った。
『私、目薬差すのって苦手なのよ。上手く目に入らなくて、どうしても時間掛かっちゃう
から。だからお願い。時間ないの』

6805/7:2011/03/14(月) 01:44:17 ID:???
 珍しく、ちょっと必死そうな会長に僅かにドキリとしつつ、俺は目薬を受け取った。フ
タを取って、上を向いた会長の目に近づける。片手で差す方の目を開いてから、俺は一応
合図をする。
「それじゃ、行くぞ」
『ええ。手早くね』
 目薬を下に向けてかざすと、ポタリと薬液が落ちる。手を離すと同時に、会長が目をし
ばたたかせた。それから、もう片方の目にも同じように差す。
『フゥ…… これで少しは持つかしら。鼻だけなら、一瞬人目をくらませれば何とかなら
ないこともないし』
「全く、難儀だな。花粉症ってのは」
 同情しつつも、この難儀さの半分以上は会長の性格から来ているんだろうと内心で思っ
た。大人しく薬飲むなりなんなりすれば、せめて楽にはなるだろうに。だが、言った所で
聞かないのが会長だ。むしろ、より意固地になりかねない。
『別府君に同情されても嬉しくも何ともないけどね。でも、この苦しみが後一ヶ月続くの
かと思うと、本当ウンザリだわ』
 ため息混じりに呟いて、会長は目薬やらメモ帳やらをしまう。
『さて、もう仕事に戻らないとね。全く、ホント忙しくて、おちおち鼻も噛んでいられないなんて』
 半ば苛立たしげに言って、会長はドアに向かって振り向こうとした。その背後から、俺
は会長に声を掛ける。
「ちょっと待った。会長」
『何よ。急いでいるんだけど』
 もう一度、こちらに向き直った会長に、俺は鼻を指で差して言った。
「いや。会長の鼻の下が赤くなってるから。何か塗っといた方が良くないかって思って。
薬、持ってないのか?」
 俺の指摘に、会長は咄嗟に鼻の下を触る。ヒリヒリするのを確認したのか、僅かに顔を
しかめてから、会長は手持ちの小さな紙袋から、軟膏を取り出す。
『はい、これ』
 自然に差し出された軟膏を見て、俺は怪訝に思って聞き返した。
「は? 何で俺に?」

6816/7:2011/03/14(月) 01:44:38 ID:???
 すると、会長も驚いたように目を見開く。多分、自分でもあまり意識せずに差し出した
のだろう。それから、ちょっとバツの悪そうに顔を背けて、小さく答えた。
『……ここまでやったんだから、毒を食らわば皿までって思っただけよ。嫌なら、別に結
構よ。自分でやるから』
 しかし俺は、会長が手を引っ込める前に、素早く軟膏を受け取った。
「いや。別に嫌ってほどじゃないし。お望みなら、塗って差し上げますが?」
 会長は、何故か一瞬、目線をそらして躊躇ったが、すぐに小さくコクンと頷いた。
『……じゃ、じゃあ、お願いするわ』
 何故だろう。俺の感覚では、あの会長が何故か恥ずかしそうにしているように思われた。
まさかとは思うが。しかし、俺の前に立って大人しくあごを上げ、鼻腔をさらす会長から、
それ以上の確証を得る事は出来なかった。
「それじゃあ、塗るぞ」
 軟膏を指に付け、会長の鼻に当てて優しく塗る。鼻の下のふっくらした唇とか、形の良
いあごとか、触ってみたい場所はいくつもあったが、ここはグッと我慢の子だ。
「よし。こんなもんか」
 手を離すと、会長が一歩下がってあごを戻す。指で鼻を確認しつつ、俺に向かって聞いた。
『大丈夫? 赤いの、目立ったりしないかしら?』
 俺は頷いて答えた。
「この程度なら、じっくり見ない限り大丈夫だろ。俺はさっきから会長の世話してたから
気付いたけどな」
『それならいいわ。さて、仕事に戻らないとね』
 頷いて、会長は物置から外に出る。続いて出てから、俺は歩きながら会長に一つ気になっ
ている事を聞いた。
「あのさ。会長」
『何? 無駄話なら止めてくれる?』
 鋭い口調に一瞬怯みかけたが、そんな事は何度も経験済みの俺は、構わずに話を続けた。
「いや。何で俺一人の時だと、花粉症の症状が抑えられなくなるのかなって」
 すると会長は、足を止め、肩越しに振り返って答えた。
『さあね。別府君の毒素が花粉と交わって、症状をより酷くさせるんじゃないかしら』

6827/7:2011/03/14(月) 01:46:36 ID:???
「だったら、他の連中がいたって変わりないだろ。むしろ、他の花粉症の連中なんかも大
変な事になるんじゃねーのか?」
 不本意な言い掛かりに文句をつけると、会長は更に言い返そうはせずに、俺をジッと見つめた。
「……な、何だよ?」
 戸惑って、思わず聞いてしまう。しかし、会長はそれには答えず、やがて小さな声で言った。
『そうね。多分……別府君の前では、格好付ける必要がないから……じゃない?』
 それだけ言うと、会長はクルリと身を翻して歩き出した。
「お、おい。ちょっと待てよ。それってどういう意味だよ」
 慌てて引き止めて聞こうとするも、会長は歩みを止めず、こちらを振り向きもせずに、
いつもと同じ冷静な口調で言った。
『さあね。後は自分で考えなさい』
 それ以上、俺は聞く事は出来なかった。何故なら、もうみんなの所へ戻ってしまったか
ら。ため息をつき、俺は思う。まあ、どうせダメ人間の前でカッコつけてもしょうがない
とか、そんな理由なんだろうと。だが、逆に考えれば俺の前でだけはリラックス出来ると
いう事なのかもしれない。それならそれでいいと、俺は思えるのだった。


終わり
今日になってようやくツンデレに萌えられるようになったので

683以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/14(月) 06:02:40 ID:???
おつ
会長のデレが濃くなってきたな

684以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/14(月) 07:08:00 ID:0PTANU7I
避難所平常営業でほっとした

http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1869.jpg
死ぬほど怖かったです

685以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/14(月) 07:11:28 ID:???
皆GJ
生存が確認できて何よりだ

686以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/14(月) 07:14:57 ID:???
ここがいつも通りであってくれて
本当にほっとしてる

687以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/14(月) 17:34:15 ID:???
人は命の危機に瀕するとエロ魔神になるという
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1870.jpg

おまけ
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1871.jpg

688以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/14(月) 18:40:55 ID:???
こういう時に普段と変わらずってのは安心するよな

つ・いつまでも変わらない関係のツンデレと男
つ・いつまでも変わらない関係にもどかしさを感じるもそれでも心地よいようです

689ホワイトデーとみこちん 1/3:2011/03/16(水) 17:00:43 ID:PTyRkenQ
ガラッ
『ああっ、やはり家に居たか!まったく、春休みとはいえだらけすぎだぞ!?』
「わっ、み、尊!?どうしてここに…?」
『たまたま暇だったから寄ったまでだ。どうせ私が来なければ一人寂しい休日を過ごしていたのだろう?
フッ、私の寛大な心に感謝することだなっ!』
「やれやれ、あいっかわらず偉そうだなぁ…(ボソッ)」
『何か言ったか!?(ギロッ)』
「なんでもないッス。……それにしても丁度よかったよ、今からお前の家に向かおうと思ってたんだ。
今日ホワイトデーだろ?そのお返しをしようと思ってさ」
『ふん、あの時やったのはただの義理チョコだったのだかな。……まぁ、どうしてもと言うなら貰ってやらんこともないが』

(チュッ♪)

『………………』

『!!!!??』

『こっ、こ、このこのっ、ば、ばばば、ばっ、ばばばかものがぁー!!!///////』

(ドカッ、バキッ、ドゴッ、グシャッ!)

690ホワイトデーとみこちん 2/3:2011/03/16(水) 17:04:04 ID:PTyRkenQ
『お、お返しなど最初から用意していなかったのだなっ!?さ、最低だぞこの変態めっ!!
だいたい、キスをする時はもっとシチュエーションを考えろと言っているだろうがっ!!
あんな場当たり的なキス、私は絶対に認めないからなっ!!………ってち、違う!!///////
と、ともかく!お前なんかに期待した私がバカだった、帰らせてもらうっ!!』
「ゴホッゴホッ、ちょ、ちょっと待て尊!?今のは冗談だよ、ちゃんとプレゼントは用意してあるから!」
『もう騙されんぞ!そう言って今度は何をするつもりだ!?』
「し、信用無いなぁ…ほら、これで信じてもらえるか?」ゴソッ
『えっ……この箱は……?』
「だから、ちゃんと用意してありって言ったろ?バレンタインの時はありがとな、尊。開けてみてくれないか?」
『(パカッ)あっ……このネックレス…』
「そっ、前デー…遊びに行った時お前が釘付けになってたやつだよ。もし、嫌じゃなかったら付けてみてくれ」
『…………(ポカーン)』
『尊?』
『……あっ、えっ、あっ、そ、そうだな!お、お前にしては悪くないプレゼントだ、一応受けとってやろう!
………ああっ!?急用を思い出した、す、スマンが失礼させてもらうっ!』
「あれっ、今日は暇だってさっき言ってたような…」
『で、ではさらばだー!!!』バタンッ、すたたたたたたたたっ!!
「な、なんか……嵐のように過ぎさっていったな……。とりあえず喜んでもらえればいいけど…」

691ホワイトデーとみこちん 3/3:2011/03/16(水) 17:06:02 ID:PTyRkenQ
〜その日の夜、尊の部屋のベッドの上〜

『う、うわぁ〜ど、どうしよう、まさかアイツが本当にプレゼントを用意していただなんて!?』
『しかも、こんな素敵なネックレスを!ああ〜明日からどんな顔してアイツに会えばいいんだ!?』ジタバタ
『……お、落ち着くんだ尊、だ、第一考えてみろ、私がこんな可愛いアクセサリーを付けて似合うわけないじゃないか!
そうだ、アイツも私がこうやって動揺するのを分かっててやったに違いない!ああ、なんて最低な奴なんだっ!!』
『……で、でも……もし本当にアイツが、私に似合うと思ってプレゼントしてくれたのだとしたら……』

『…………………』

『……////(にやり)』

『……うわああああああっ!?い、いいいい今何を考えた!?今何を想像したんだ尊!?
ありえないっ!!アイツなんかに褒められて私が喜ぶだなんて絶っ対にありえないっ!!!///////』ゴロゴロゴロッ
『…………ありえない……が……』ピタッ
『一度くらい……身につけてる姿を見せてやっても……罰は当たらない……よな……?/////』


その日から、ニコニコ顔で首元を撫でているみこちんの姿が度々目撃されるようになったとか。

692以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/16(水) 18:23:54 ID:???
ナイスみこちん!

ニヤニヤ顔で画面を眺めている男の姿が俺の部屋で目撃されるようになった

693以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/16(水) 20:19:23 ID:???
このテンションの高さが…いい!GJ!

694以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/16(水) 20:37:04 ID:???
みこちんいいなあ
GJ!!

695以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/16(水) 23:45:22 ID:???
「遊ぼう」っていうと
『あ、う………あそぼ』っていう。
「馬鹿」っていうと
『ばーか!』っていう。
「もう遊ばない」っていうと
『遊ばない!ううう嫌いだ!!』っていう。
そうしてあとで さみしくなって
「ごめんね」っていうと
『ごめんね……………………………好き』っていう。
こだまでしょうか。いいえ、ツンデレ。
\エーシー/

6961/4:2011/03/17(木) 01:42:45 ID:???
【ホワイトデー かなみ】

 今日はホワイトデーだ。何をお返しすればいいのか色々調べたのだけど、結局よく分からなかったので何も用意していない俺を君は責めるか。
「責めるわよッ!」
 というようなことをチョコレートをくれた女性であるところのかなみに伝えると、超怒られた。
「どういうことよ!?」
「や、だからさっき説明したとおりのことで」
「別にそんな高いのじゃなくてもいいわよ?」
「まず値段を気にするのですね」
 いっぱい殴られた。
「痛いのですが」
「うっさい! いーから今日の放課後一緒に買い物行くわよ!」
「いや、めんどくさいし別にいいよ。かなみにはなんかそこらの石とか贈るよ。あいつ結構馬鹿だから隕石とか適当言ったら喜ぶに違いないよ」
「その石で動けなくなるまで殴られたくなかったら来い」
「はい」(ガクガク震えながら)
 そんなわけで、放課後かなみと一緒に街まで出てきた。いつもの調子でエロゲ屋に入ろうとしたら、首根っこを掴まれた。
「学生服でどこに入ろうとしてるかっ!」
「ああ、これは失敬」(ぬぎぬぎ)
「服を脱げばいいって話じゃないっ! 今日は私の用事でしょ!」
「待って待って引っ張らないでズボンがズボンが脱げたままです!」
 下半身の防具がパンツだけという恥ずかしい状態で連れて来られたのは、なんだか高そうな貴金属が並んでいるお店の前。
「ほら、入るわよ」
「あのさ、かなみ。お前が俺の懐事情を知らないのを加味したとしても、無理なの分かるだろ」
 必死でズボンをはき直しながらかなみを説得する。こんなもん絶対無理だ。
「何よ、情けないわねぇ……大丈夫よ、見るだけだから」
「そうか? それならまあいいが……」
 戦々恐々しながら店内に入る。店員のいらっしゃいませ、という声に過敏に反応してしまう俺はどこまでいっても小市民だ。
 そんな俺を引っ張り、かなみはリングが並んでいるコーナーへ向かった。
「へぇ、値段の割に結構いいじゃない」

6972/4:2011/03/17(木) 01:43:12 ID:???
 かなみの後ろから値札を見る。なんかいっぱい0が並んでる!
「数字だけで脂汗がにじみ出てきた」
「寄るなっ!」
 誰が連れてきたんだ、誰が。
「ったく、これくらい軽く買うくらいの甲斐性ないの?」
「ただの学生に無茶を言うな。俺に買えるのはせいぜいこっちだ」
 高級リング類の隣に、0が一つ少ない指輪を売ってるコーナーがある。そこの指輪をひとつ手に取り、かなみの指にはめる。
「え、え!?」
「うん、似合うんじゃないか?」
「で、でも、あの、あのね? ……き、気づいてない?」
「うん?」
「……ひ、ひだりて」
 俺がはめた指輪は、かなみの左手、それも悪いことに、薬指にはまってます。
「おおぉおおお!?」
「……ぷ、ぷろぽーず?」
「違う違いますまだ早いです!」
「ま、まだ!?」
 混乱するのも分かるが落ち着け俺。深呼吸だ。すーはーすーはーすーはー。
「……ふぅ落ち着いた」
 しかし、かなみはまだ落ち着いてないようで、顔を真っ赤にしたまま、どこか陶然とした表情で指輪を見つめている。
「…………」
「ああっ! 何すんのよ!」
 無言で指輪を抜き取り、今度は右手の薬指にはめる。
「こっちな、こっち」
「あ、う、うん。……買ってくれるの?」
「このくらいの値段ならなんとかいけるので。そりとも他のがいいか?」
「ううんっ、ううんっ! これがいいっ!」
「そ、そか」
 あまりの勢いに少し驚きながらも、何やら超ご機嫌な様子なので特に何も言わないでおく。そんなわけでレジで清算して店から出る。

6983/4:2011/03/17(木) 01:43:39 ID:???
「へへー。……ふへへー」
 それからもかなみは手を透かして指輪を見てはニヤニヤしているので一寸怖い。
「超嬉しそうですね」
「だっ!? だ、誰が嬉しそうだってのよ、誰が! あ、アンタなんかからのお返しなんだから、嬉しくなんてないんだからっ! アンタの財布に大ダメージを与えたのが嬉しいのっ!」
「なんて歪んだ奴だ。まあどっちにしろ、お前が嬉しいならそれでいいや」
「う……な、何よ! そんなこと言われても、感謝とかしないんだからっ!」
「元よりお返しだ、感謝される覚えはない」
「う……ううーっ!」
「頬を引っ張るな」
 なんだか俺の頬は誰かに引っ張られがちです。
「ふぅ。……あのさ」
 しばらくぎうぎう引っ張って満足したのか、かなみは俺の隣を歩きつつ、目だけをこちらに向けて呟いた。
「……そ、その。アンタの財布にさ、いっぱいダメージ与えたからさ、いっぱい悲しいでしょ?」
「や、一万円いかなかったし、これくらいは覚悟してたから大丈夫」
「いっぱい悲しいでしょ!?」
「はい」
 明らかに勢いで押されたが、そうしないと進まない感じだったので肯定しておく。
「でしょ? だ、だからさ。特別にさ。……て、手、繋いだげる」
「はい?」
「とっ、特別なのっ! こういう機会でもないとアンタ一生誰とも手なんて繋げないだろうしっ!」
「や、まあ、それは否定できないけど……」
「だ、だから繋いだげる。お金の分ね、その分ね。それ以外の理由なんてないし」
「はぁ」
「……そ、それとも、この私が相手なのに、不満だって言うの?」
 どこか不安げな眼差しが俺に注がれる。何て顔してんだ、この娘は。
「……ああ、不満だな」
「……そ、そか。そなんだ」
「お前が俺に断られるかもしれない、なんて思ってるだなんてな」
 意地悪く笑いながら、素早く手を繋ぐ。

6994/4:2011/03/17(木) 01:43:59 ID:???
「…………」
「いやはや、あんなモテ台詞を言う羽目になるとは。超恥ずかしいですね」
「……う、うぅーっ!」(ふにふに)
 かなみは突然俺の腕に抱きつくと、わっさわさと俺の腕に顔をこすりつけた。
「な、何!?」
「うー……うっさい! アンタがかっこつけた言い回しするから! 普通に手を繋ぎたいって言ったらよかったのに!」
 噛み付くような言葉とは裏腹に、かなみの顔はこれ以上ないくらい赤かった。
「あー……いやあ、こういう時くらい調子に乗りたいじゃないですか」
「アンタが調子に乗っていい時なんてないの!」
「酷い話だ」
 そう言われながら何度も手をにぎにぎされ、知らず頬が緩む。
「に、ニヤニヤするな! へんたい!」
「しょうがないだろ、変態なんだから。ていうか、お前が手を握るだけじゃなくてにぎにぎなんてするからニヤニヤしちまうんだよ」
「アンタの手を握りつぶそうとしてるの!」
「なんて無茶な言い訳だ。ところで、もうちょっと色々回りたいのですが、よろしいですかね?」
「え? いいけど……何か買う物でもあるの?」
「いや、デートだし。沢山かなみといたいし」
「でっ、デートじゃない! デートじゃないもん! ホワイトデーのお返しを一緒に買いに来ただけ!」
「手を繋いでデートじゃないとかなみは言い張る」
「……お、お礼。これはお礼だからいいの」
「そんな些細なことさえデートの記憶にしてしまう俺は凄い」
「で、デートデートうるさいっ! 違うからっ! 絶対デートなんかじゃないからっ!」
「そうなのにゃー?」
「そうなのにゃー! ……って、変なこと言わせるなっ!」
「うわ、この娘超可愛い」(なでなで)
「頭なでるなーっ!」
 もぎゃもぎゃ言われたが、デートを続行できたので、大変楽しかったです。

700以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/17(木) 02:12:24 ID:???
>>699
GJ!!
いつも通りのテンションに和んだわ

701以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/17(木) 06:57:28 ID:???
gj

702以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/17(木) 07:59:56 ID:???
>>695
不覚にも萌えた

>>696
もぎゃもぎゃ言うかなみが可愛すぎるwwwwww

703以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/17(木) 20:06:15 ID:???
「・・・さて、そろそろ風呂でも入るか」
『ま、待て』
「ん、どした?」
『い、いまは節電中なんだ。だから、その、い、一緒に入るぞ。効率良く入れば使う電気も少なくすむだろうからな』
「・・・へ?」
『い、いいか、ほんとは嫌なんだからな!節電のために仕方なく、なんだからな!』
「・・・・・・んじゃ、そうすっか。確かに節電は大事だよな、うん」
『う、うむ。仕方ないな!』

コンコン
「ん?」
『は、入っていいか?』
「おう。寒いだろ、早く来いよ」
パチッ
「!?お、おい、なんで電気消す!」
『ば、ばかもの、節電だと言っただろう!それに、たいして広くもない風呂だ。廊下から漏れる明かりだけで十分だ』
「いやまぁ、そりゃそうだけどさ・・・」
『お、おじゃまします』
「ほら、お湯」
『ん・・・ふぁ・・・寒かったぁ・・・』
「ここ数日とくにやばいよな。・・・ところでさ。電気消して入るんだったら、別に一緒にじゃなくても・・・」
『ぅ・・・』
「・・・やっぱいいわ。そうだな、節電しなきゃだし仕方ないよな」
『う、うん、そうそう、仕方ないんだ。えへへ・・・』

暗闇で羞恥心が薄れたのか、いつもベッドでするときよりも積極的でした。

704以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/17(木) 20:41:51 ID:???
うぎぎ

705以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/17(木) 22:49:44 ID:???
『ダウナー男とツンデレさん。
男の声がいつも小さいので「よく聞こえないのよ」と怒るツンデレさん。
しょうがないからと男が体を寄せて耳元で喋って「聞こえた?」と聞いてくるけど、
今度は心臓の音がうるさくてツンデレさんにはよく聞こえなかったり』
みたいな漫画描いたよー。

http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1872.jpg

706以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/17(木) 22:58:07 ID:???
くそおおおおおおお

707以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/17(木) 22:58:44 ID:???
この笑顔に免じて許す

708以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/17(木) 23:22:55 ID:???
>>705
その笑顔のすばらしさと妄想の内容だけで十分にお腹いっぱいです (`・ω・´)b

709以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/18(金) 02:20:04 ID:???
一番悔しいのはおそらく本人

710以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/18(金) 07:25:23 ID:???
>>705
かわいそうです(´;ω;`)

また、ツンデレさんの笑顔が何とも

711以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/18(金) 17:32:16 ID:???
尊大さんバレンタインのお返し欲しいけど恥ずかしくてハッキリ言えない
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1873.jpg

712以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/18(金) 20:06:29 ID:4e0eSlWQ
GJ
ごまかし方がかわいいww

713以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/18(金) 21:37:10 ID:PTyRkenQ
こんなみこちんの瞳を見つめながら、

「バレンタインのチョコありがとう!尊の気持ちがこもってて美味しかったし嬉しかったよ!
あんまりたいしたものじゃないんだけど、お返し用意したんだ!できれば受けとってもらえないかな?」

って言ったらどんな反応するの?

714以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/19(土) 00:43:20 ID:???
けだるい日曜の昼下がり、俺はこの間中古で買ったCDを引っ張り出して聞いていた。
曲は八十年代のベスト版。別に時代を懐かしむ訳ではないのだが、なんとなく、この頃の曲は心を落ち着かせてくれる。

図書館で借りた積み本などを読んでいると、不意に、玄関をノックも無しに開く音がした。
予想通りというか、顔を覗かせたのは俺の幼馴染、椎水かなみだった。

「やほ。むさくるしい所だけど、上がるわよ」
「お前に言われる筋合いはない。色々と」

かなみは俺の落ち着いた午後のひと時にずかずかと上がり込むと、買いたてほやほやのスーパーの袋をテーブルに乗せた。

「…おや、今日も昼飯作ってくれるのか?ラッキーだな」
「なんであんたなんかに作ってやらなくちゃならないのよ。
 大学から私の家まで遠いからあんたの家の台所借りて、ついでに借りている一応の礼儀として作ってやってるだけなんだからね」
「礼儀…ねえ。そんなモン、チュパカブラの存在の方がまだ信じられるけどな」
「…っ、誰に何言われようと、私に他意はないの。そしてあんたは万有引力と同じくらいそれを信じてればいいの。オーケー?」
「オーケーオーケー。いいからとっとと飯作ってくれ」

そう言って俺は部屋の隅に畳まれたエプロンをかなみに投げてよこす。
ちなみにこのエプロンは俺からかなみに着けてくれとお願いしたものである。
最初は嫌がっていたが、いつのまにか着けてくれるようになった。慣れだ。

冷蔵庫の中を調べているうちに、かなみは部屋に流れるBGMの存在に気付いた。

「…音楽かけてるなんて珍しいわね?」
「中古屋で衝動買い。歌ってる奴の名も知らんが、悪くない曲だろう」
「まあね。似合わないけど」

心外な事を言う。確かに俺は教養に縁のないごく一般的な大学生だが、音楽を聴いて「似合わない」と言われるほど非文明的ではない筈だ。

「…そういう意味で言ってんじゃないの。ほら、歌詞をよく聞いてみなさいよ」

言われて、流れる歌詞に耳を傾ける。
しばらくしてその詞が、なるほど、確かに俺にはあまり共感できない事を並べているのが分かった。
これは、

715以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/19(土) 00:45:05 ID:???
「…ラブソング、だな」
「冴えない男筆頭のあんたが休日に本を片手にラブソングって…ぷっ、あはははは!駄目、改めて考えたらなんか笑えてきちゃった!」

お腹を抱えてここぞとばかりに爆笑するかなみ。冷静に考えれば、ひどい女だ。

「…あのなあ。別に俺が何を聞こうと関係ないだろう」
「ふふふ…ま、まあ、そうなんだけどさ。あんまり似合わな過ぎるから」
「俺だっていずれはどこかの麗しき黒髪の乙女と恋に落ちるかもしれない訳だし」
「…無いわね」
「そんな時ばかりハッキリ言うな」

ふふん、と得意げな顔で、かなみは再び台所に立つ。
野菜をとんとんとんと切りながら、こちらを見ずに言い始めた。

「…大体、今のあんたじゃ彼女なんて無理よ。アピールがゼロに近いもの」
「アピールか。確かに異性を積極的に誘うような事は少なかったが…」
「例えば…あんたの好きな映画が駅前の映画館で上映されてました。はい、どうする?」
「初日の朝一に見に行きます、かなみ教授」
「それが駄目なんだってば。そういう時は誰か友達なり、女の子なり誘って行くのが普通でしょ?一人で映画見る人なんて今時少ないわよ」

ふむ、と俺は妙に納得する。確かに、俺にも女性との縁は少なからずあったかもしれない。
なのに今だに親しい彼女が目の前のこいつしかいないのは、ひとえに俺のアピール力不足か。

「なるほど…ねえ。以前からお前の映画鑑賞に付き合わされるなあと思ってはいたが…そうか、アレはお前のアピールだったと言う事か」
「なっ…!?」

言っておくが、かなみをからかったつもりは毛頭ない。断片的な情報が組み合わさり、推論を導き出しただけだ。
しかし彼女はそうは捉えなかったようで──その言葉の最終的な帰結を感じ取ったかなみは感情の赴くままに激情をぶつけた。
端的に言えば、俺の鼻っ柱に大根が飛んできたのだ。

「グッ!?」
「何言ってるのよ馬鹿っ、自惚れるのも大概にしときなさいっ!」

俺はあまり出した事のない声を上げ、鼻を押さえてうずくまる。
どうにも綺麗すぎるラブソングの歌詞は、どたばたとした俺の日常をあざ笑うように、頭の中で飛びまわっていた。

7161/2:2011/03/19(土) 02:00:28 ID:???
【俺の嫁がかなみ2】

 今日も俺の嫁はかなみです。
 とはいえ、学校ではそういう関係であることは秘密にしているので、表面上は今まで通りただの友人としている。そういうわけで、友人として一緒に登校しているのだけれど。
「…………」
 きンらきンらした目で俺の方を見ながら、これみよがしに手をふりふりしてアッピールする嫁。
「……あーと。なんでしょうか」
 視線に耐えかね、しょうがなしに問いかける。
「へへー。あのさっ、あのさっ? 私と手、繋ぎたいでしょ?」
「いいえ」
 一瞬にして超不機嫌な顔になるかなみ。
「あによっ! こんなくぁいいかなみちゃんと手を繋ぎたくないって言うの!?」
「自分でかなみちゃんとか言うな。じゃなくて」
 かなみの耳に口を寄せ、小さな声で囁く。
「わっ、ふひゃっ!?」
「今は周囲に人がいないからいいが、そんなにベタベタしてたら結婚してるってばれるだろ」
 素早く離れると、かなみは両手を耳にあて、赤い顔で口を開いた。
「う、うぅー。ベタベタなんてしてないもんっ! ていうか、耳弱いの知ってるくせにふーふー息吹きかけるなっ!」
「そんなつもり毛頭ねぇよ……」
 ぺこぽこ弱い攻撃をあしらいながら、小さくため息。そもそも、ばれると面倒くさいことになるから結婚していることを隠そうと言い出したのはかなみからだったのに、実際にばれる原因を作っているのはコイツ。納得がいかない。
「むー。あによ、人の顔をじーっと見て」
「でもまあ、惚れた弱みって奴か。しょうがない」
「そっ、そゆこといきなり言うなっ! 反則! ばか!」
 突然かなみは顔を真っ赤にして、再び俺をぺこぽこ叩いた。
「痛い痛い。叩くねい」
「むー……そ、それよりさ。今日はもう学校さぼって家に帰っちゃわない? 授業とか面倒でしょ?」
「いきなり何言ってんだ」
「そ、そしたらちゅーとかいっぱいできるし……」
「…………」

7172/2:2011/03/19(土) 02:00:51 ID:???
「しっ、したいってことじゃなくてさ!? アンタがしたいんじゃないかって思っただけで!」
「学校行ってる間くらいは我慢できます」
「で、でも、他にも抱っことかなでなでとかもできないんだよ? 発狂しちゃわない?」
「お前は人を何だと思ってんだ……」
「色魔」
 かなみにした色々を思い出すに、簡単に否定できない。結婚した後でなければ絶対確実に捕まっている。
「……な、何を赤くなってんのよ、えろまじん」
「貧乳には無限の可能性が眠っていることを思い出しただけだ」
「どえろまじん!!!!!」
 そしてかなみも自分がされた色々を思い出したのだろう、超真っ赤になった。
「ううううう……正直、結婚するまでアンタがあそこまでえっちだと思いもしなかったわ」
「まだ全然全力出してませんよ?」
「えええええっ!? えっ、でも毎日一緒にお風呂入ってぺろぺろちゅーちゅーされてるよ!? なのにまだ全力じゃないの!?」
「声がでけえ上に発言がヤバすぎる!」
 つむじをぐりぐりぐりーっとして注意する。興奮しすぎだ。
「うにゅぐ……う、うるさいっ! そもそも、アンタが変なこと言うからっ! 全部アンタのせいっ! えっちえっちえっち!」
「何て責任転嫁だ」
 げしげしと足を蹴られながら呟く。まあ、こいつを嫁にした時点で受け入れてるからいいんだけど。
「こほん。ともかく、学校をサボるのはダメ。お前も夫がダメ人間になるのを見たくないだろ」
「もー既にダメ人間じゃない」
「そんな説もある」
「あははっ。……でもま、一緒にいたげるけどね。宣言しちゃったもんね、健やかなる時も病める時も、ってね?」
「お前は本当に隠す気があるのか」
 得意げにウインクしてるかなみの頭をわしわしっとなでる。なんかもうこいつが俺の隣にいるのが嬉しくて仕方がない。
「い、今は周りに誰もいないからいいんだもん。で、でも学校着いたらベタベタ禁止だからね。ベタベタしたら怒るからね。晩ご飯のおかず一品減らしちゃうからね」
「おかずが減るのは辛いな。分かった、ベタベタせずにふにふにする」
「擬音変えたらいいって話じゃないっ! こら、言ってる傍からふにふにするなーっ!」
 ぷりぷり怒りながらも、ほっぺをふにふにされてどこか嬉しそうなかなみだった。

718以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/19(土) 05:35:11 ID:D54wChMw
嫁かなみん可愛いよ可愛いよGJ

719以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/19(土) 07:25:49 ID:???
つ…ツン?

720以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/19(土) 08:53:38 ID:???
>>715
こういう雰囲気はいい。GJ!!

>>717
ちょwwwwど100%デレじゃねーかwwwwwww
まあ、学校行ったらツンが出るんだろうと妄想を深めておく

721以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/19(土) 09:12:01 ID:???
>>715
こういうタイプの男もいいな
GJ!

>>717
「事情によりこちらで」の事情ってツンがないことかw
まあかわいいは正義だしニヤニヤしたので問題ないな!

722以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 00:07:38 ID:???
纏さんとファミレスに寄ったら

纏「腹減ったし、ちっとだべりがてらファミレスにでも寄ってかね?」
纏「またジャンクフードか。そんな食生活ではいつか体を壊すぞ」
男「まぁいいじゃん。えーと、あそこの席空いてね?」
纏「全く、飛んだ時間の浪費じゃ。主に付き合うておる儂の身にもなれ」
男「はいはい、じゃあ気を使ってレディファーストってことで」
纏「その心がけだけは誉めてやる」
男「そらぁどーも」

―――ガタン

纏「……これ、タカシ」
男「ん?」
纏「なぜ儂の隣に座る? こういう場合、普通は対面に座るじゃろうが」
男「いきなり何を言うかと思えば……この席でなんか問題あるか?」
纏「顔が近い! 主のむさ苦しい顔が側にあると鬱陶しいわ!」
男「そこまで言われると傷つくな。別に他意があって隣に座った訳でもないんだけど」
纏「この程度で傷つくようでは、主の器も知れようが」
男「そこまで言うなら席変わるよ。あーあ、纏の隣が良かったのになー」
纏「……対面に座らねば、恥ずかしくて主の顔がよく見れぬではないか」ボソッ
男「んー? なんか言った?」
纏「別に。主に死ねと言うただけじゃ」
男「纏さん毒舌っすね」

723以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 01:20:56 ID:fdrIIMYw
>>722
まつりん可愛いよまつりん

724以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 01:54:12 ID:???
こっちだと行制限が緩いからかm/nとか書かないから終わりかどうかがわかりづらい
最後に終わりとか書いて欲しいニャー

とかツンデレさんが呟いてたぞ

725以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 06:27:26 ID:???
じゃああえて続き物にしてみよう

纏さんとファミレスに寄ったら2

男「何か頼む?」
纏「どりんくばーだけでよい」
男「甘いの食わんの?」
纏「太る」
男「充分細いじゃないか」
纏「乙女心の分からん奴じゃの。女が太ると言うたら意思は固いのじゃ」
男「ふーん…じゃあ俺はフルーツサンデー頼もうかな」
纏「……それは美味しいのか?」
男「そりゃあもう。纏も頼めば?」
纏「い、いらぬ。儂を誘惑するでない!」
男「あのさ、無理なダイエットなんか体に毒だって。ただでさえ折れそうに細いのに」
纏「……主がそこまで言うなら食べてやらんこともない」
男「じゃあフルーツサンデーにドリンクバー二つな」
纏「うむ」

726以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 06:35:56 ID:???
纏さんとファミレスに寄ったら3

店員「お待たせしましたー」

纏「……」
男「どうした。神妙な顔して」
纏「……改めて見るとくりーむや色々乗ってて太りそうじゃな」
男「気にすんなって。パフェの一つや二つで太りゃしないよ」
纏「……」パク
男「どうよ」
纏「……」パクパク
男(無言かよwwwどうやらお気に召したようだwwww)
纏「……ふむ。まぁまぁ美味しいではないか」
男「まぁまぁ、ねぇ」ニヤニヤ
纏「そのニヤケ面を止めぬか、たわけ」
男「お嬢さん、唇に生クリームついてますよ?」
纏「ぬぁ!?」ゴシゴシ
男「ははは、纏は可愛いなぁ」
纏「……やはりふるーつさんでーは好かぬ」

727以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 06:49:07 ID:???
纏さんとファミレスに寄ったら4

纏「ふぅ……ごちそうさま」
男「結局完食したのな」
纏「味は良かった。味は」
男「こんなに美味いもんがあると、ダイエットなんか考えるの馬鹿らしくなるだろ」
纏「一理あるが、無駄な脂肪をつけるなぞ節制の足りぬ証拠じゃ」
男「太ってないって。なんでそんなに気にするんだよ」
纏「……主は、太ってる女と痩せた女とどっちが好きじゃ」
男「え? えーと、スレンダー美人もムッチリセクシーも等しく好きですが」
纏「嘘じゃな。男は総じてもでるのような細いおなごを好きになる」
男「そうかなぁ。俺はその人に相応しい体型ってあると思うけど」
纏「……本当か?」
男「うん。纏は今くらいが一番綺麗だよ」
纏「なっ……何を言うかこのスケコマシ!」
男「だって本当にそう思ったんだもん」
纏「……主にふぉろーされたところで、嬉しくもなんともないわ」
男「だから好きなもんは好きなだけ食えって。太った時はそう言ってやるから」
纏「……ならばこれからも、儂と一緒にご飯食べにいってくれるか?」
男「はい、お嬢様」クスクス
纏「……」

その時一瞬だけ、纏が本当に嬉しそうに笑ったのを、俺は見逃しませんでした。

(了)

728以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 06:51:25 ID:???
以上投下了
これからは単レス投下の時はそう書くことにするわ

太ってないのに太ってると思い込んでる女の子って可愛いよね

729以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 10:03:22 ID:???
今週のスイプリにちょろっとでてた子がツンデレ眼鏡かわいい。
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1874.jpg

730以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 10:35:25 ID:???
マジかよ見ておくべきだった

731以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 14:07:19 ID:???
かなり長いけど、避難所なんでぶっちぎらんで一気に15レス投下します

7321/15:2011/03/20(日) 14:07:44 ID:???
(自炊)ホワイトデーにどうやってお返しをしようかで悩む男

「ほれ。敬香、これ」
『……何ですか? 兄さんこれは』
 三月十四日の朝。妹にクッキーの入った箱を差し出すと、思いっきり胡乱げな目で見られた。
「いや。だから、その……バレンタインのお返しだって」
『私、バレンタインデーのチョコなんて兄さんにあげてませんけど』
 姿見を前に、髪に櫛を入れていた妹は、一顧だにせずに答えた。しかし、それに負けて
いてはこの妹の兄は務まらない。俺は呆れた風を装って言い返した。
「何言ってんだ。一応、バレンタインデーにチョコはくれただろ? 今年はえっと……チョ
コレートムースだったっけ。自分が食べたかったから作ったついでだとか言って」
『そういえば、そんな事もありましたっけ』
 素知らぬ顔で言う我が妹だが、これで本当に俺が忘れてようものなら、向こう三ヶ月は
いつにも増して辛く当たる事間違いなしなのだ。
「でなきゃ、貧乏な俺がわざわざ敬香の為に菓子なんて買って来るか。いらなきゃ別にい
いぞ。俺が食うから」
『誰もいらないなんて言ってません』
 クールを装っていて、その実慌てたように敬香は言うと、俺から素早くクッキーの箱を奪い取る。
「何だよ。バレンタインデーにチョコあげてないのに、お返しだけはちゃっかり貰う気かよ」
 肩をすくめて文句を言ってみせる。もちろん演技だが、妹は憤慨して言い返してきた。
『思い出しました。確かにあれはバレンタインデーでしたね。たまたま作ったチョコレー
トムースを、その日がバレンタインだって忘れてて兄さんにあげてしまいましたっけ。何
か、兄さんは勝手に勘違いしてましたけど』
 俺はため息をついた。チョコをくれる女の子がいるだけでも幸せなんだろうけど、どう
して俺の周りの女の子達は素直にバレンタインチョコですって差し出してくれる子がいな
いのだろうか。せいぜいが義理だとかついでだとかだ。
「クッキー奪い取ったら思い出すとか、どんだけちゃっかりした記憶力だよ」
 そう茶化すと、敬香は俺を睨み付けて言い返した。
『別にクッキーに釣られて思い出した訳じゃありません。失礼な事言わないでください』

7332/15:2011/03/20(日) 14:08:08 ID:???
 俺を睨み付けながら、クッキーの箱を大事そうにしっかりと抱えて言い返す敬香。もっ
とも、俺だって自分の言葉を信じてはいない。頭の良い敬香がそもそもバレンタインデー
の事を忘れてるなんて事そのものを信じていないのだから。
「ま、それは冗談だけどな。で、いるのか? いらないのか? はっきりしろよ」
 すると敬香は僅かに顔をうつむかせて黙り込む。少し経ってから、顔を上げて俺を憎ら
しそうに睨み付ける。しかしその頬が僅かに赤らんでいたのを、俺は見逃さなかった。
『別に、兄さんからのお返しなんて嬉しくありませんけど。でも、兄さんなんかに買われ
たクッキーが不憫ですから、これは貰っておきます』
「……貰うなら、素直にそれだけ言ってくれた方が俺としてはいいんだけどな」
 相手は妹だし、もう慣れていてはいてもたまには嬉しそうな顔も見てみたいなと思いつ
つ言うが、逆に敬香は俺を思いっきり睨み付けた。
『冗談言わないでください。下手に兄さんに勘違いされたら、私が……その……困りますから』
「困るって、何が?」
 直球で聞き返すと、さらに敬香は顔を赤くして怒鳴った。
『困ると言ったら困るんですっ!! これ以上深入りして聞かないでくださいっ!! も
う……用が済んだんだったら、とっとと私の部屋から出て行ってください!!』
 プイ、と体ごとそっぽを向かれてしまったが、俺はまだ敬香に用があった。グズグズし
ていると叩き出されそうだったので、急いで話を進める。
「いや、あの……参考までに一つ聞きたい事があるんだが、いいか?」
『何ですか? その、参考までって』
 肩越しにジロリと睨み付けられる。若干気圧されつつも、怯まないよう気を強く持って、
俺は言葉を続けた。
「あのさ。バレンタインにチョコあげたつもりのない奴から、こうやってお返し貰うのっ
て、やっぱり迷惑か? いや。嬉しくないとかは分かるんだが」
 すると敬香は、クルリと俺に向き直ると、唐突に詰め寄ってきた。
『何でそんな事を聞くんですか? 私の他に、バレンタインにたまたまチョコをくれるよ
うな人が兄さんにいるんですか?』
「あー、いや。参考までだって言ったろ? 来年に備えてって事もあるし」
『来年は、私は兄さんに間違ってもチョコなんてあげませんよ?』

7343/15:2011/03/20(日) 14:08:33 ID:???
 以前にも、敬香からそんな台詞を聞いた事があったのを俺は思い出す。その次の年は作
り過ぎたんだっけ。
「いや、だからさ。お前にだってうっかりする事はあるから、作り過ぎたりたまたま余っ
たチョコ菓子をくれたり、自分が飲みたくて一緒にホットチョコを作ったりするかも知れ
ないじゃん。だから、その時の為にさ」
 過去の例をいろいろ挙げて言うと、敬香は俺を睨み付けて吐き捨てた。
『ホント、ムカつく人ですよね。兄さんって』
「別に、お前と馬が合わないのは今に始まった事じゃないだろ」
 そう言うと、敬香は口を尖らせて視線を外す。少し黙った後、ゆっくりと、言葉を選ぶ
ように俺の質問に答え始めた。
『……まあ、余程常識外れなものじゃなきゃ……迷惑とまでは言いませんけど…… 大体、
兄さんは日頃私に迷惑ばかり掛けているんですから……チョコあげなくても、ホワイトデー
にプレゼント渡すくらいの感謝の気持ちはあって……当然です』
 確かにいろいろ世話もして貰っているが、それなりにお返しもしているはずなんだがな、
とは内心思う。しかし、今はそっちが本命ではない。俺は小さく頷いた。
「悪いな。参考になった。ありがとう」
『へ……ちょっと、兄さん。それってどういう……』
 ポカンとした顔で聞き返す敬香を俺は慌てて退けた。
「いや。気にすんな。そんじゃな」
 これ以上追求される前に、俺は敬香の部屋を出た。急いで自分の部屋まで戻るとホッと
吐息をつく。
――あと……まだ、やっかいなのが二人か。
 バッグを開けると、小さな手提げが二つ。覚悟を決めてチャックを閉めると、俺はバッ
グを肩に担いだ。


『何ですか先輩。教室にいきなり顔出されても困るんですけど』
 放課後、真っ先に一年の教室に行くと、教室にいた手近な女子に頼んで文村を呼んで貰っ
た。俺も一応生徒会副会長なので、意外な顔一つされずに受けてくれるのはこういう時助かる。

7354/15:2011/03/20(日) 14:08:56 ID:???
「いや。今日は生徒会もないだろ。だから、一応こないだのお返ししとかないとと思ってさ」
 そう言いつつ、俺は廊下の方に顔を向けてあごでしゃくる。その先には同じく生徒会後
輩の早川がいた。
「文村さんにはチョコ貰ったからね。感謝の気持ちって事で、はいこれ」
 早川が、手提げのビニール袋を差し出す。すると文村は笑顔でそれを受け取った。
『ありがとう、計君。友チョコだとホワイトデーのお返しはないから、何気に私も貰うの
は初めてだったりとか。あ……でも、計君は他の子からも貰ってたんだっけ』
 ちょっと不満気な顔になる文村に、早川は慌てて言い訳するように言う。
「いや。確かにクラスの子にも返したけど、グループでまとめてだからさ。特定の子にっ
て訳じゃないし」
 そんな早川の困り顔がおかしかったのか、文村はクスッと笑った。
『いいよ、別に。お返し、くれただけでも十分嬉しいから』
 それから横目でチラリと俺に視線を移して言った。
『で、先輩は?』
「ああ。俺もお返し。ほれ」
 紙袋に入ったクッキーは、今朝敬香にあげたものと同じだ。文村は、紙袋を開けて除い
てみてから言った。
『ふうん。クッキーですか。超普通ですね』
「ありゃ? 何か、早川の時と随分態度違くないか?」
 つまらなそうな文村の態度に疑問を呈すると、文村は不満気に俺を睨んで言った。
『当たり前です。先輩はくれて当然なんですから。義理の義理でもチョコ貰えた感謝の気
持ちくらい示して当然です』
 どうしてこうも、俺の評価は低いのか。もっとも文村の場合は一応バレンタインチョコ
ではあったし、口の割には中身はしっかりしたものだったから、多少は我慢しないといけ
ない所もあるだろう。
「まーな。あれ、結構美味しかったし。だから、クッキーだっつっても、一応それなりに
は吟味してんだぞ」
 美味しい、という言葉に文村がピクッと体を反応させた。視線を僅かに外して顔をうつむかせる。

7365/15:2011/03/20(日) 14:09:16 ID:???
『……べ、別にその……先輩に美味しかったとか言われても嬉しくないですし、別にあれ、
手作りって訳でもないですし…… でも、そこまで言うんだったら、あんまり美味しくな
かったら、やり直しを要求してもいいですか?』
「マジかよ。この財政難にそれはキツイだろ」
 何だか美味しくても美味しくなくても難癖つけられそうな気がして、俺は拒否しようと
した。しかし、文村は断固とした口調で言い張る。
『いーえ。決めました。美味しくなかったらこのクッキーはお返しとは認めません。先輩
の本気が見えるまで、私は納得しませんから』
「美味いとか美味くないとか、どういう基準で判断すんだよ。そんなもん、適当に言われ
たら無限ループ突入だろ」
 何か勝手に決定されてしまったので、仕方なく文句を言うと文村はキッと顔を上げて言った。
『そんな事、私の基準に決まってるじゃないですか。貰った本人なんですから。何だった
ら先輩の目の前で判定してもいいですよ?』
「まあ、確かに目の前ならある程度俺も文句付けられるけど……でも、どこで食うんだ?
生徒会室か?」
 何となく思い当たる場所を言ってみたが、文村は断固とした感じで首を振った。
『そんな、いつも仕事してる場所じゃなくて喫茶店とか行きましょうよ。えっと……計君も、来る?』
 チラリと早川を見て、彼女は聞いた。何となく傍観者風に俺たちのやり取りを見ていた
早川は、しかし首を振った。
「いや。ゴメン。僕は今日、用事……っていうか、予備校寄ってくから遠慮させて貰うよ」
『そなんだ。残念だな。あ、計君のは家でゆっくり味わって食べることにするからね』
 微笑む文村に、早川も頷き返す。
「うん。僕のも、口に合うかどうかは分からないけどね」
『大丈夫。計君が選んだのだったら、絶対美味しいはずだから』
 この返事に、俺は小さく舌打ちする。全く、俺と早川のこの差は一体何なんだと。文村
は、クルリと俺に向き直ると、ビシッと指差して言った。
『それじゃ、先輩。行きましょうか。私、行きつけの店があるんで、そこなら菓子持ち込
んでも大丈夫ですよ』

7376/15:2011/03/20(日) 14:09:39 ID:???
 強気な文村を前に、内心俺は困惑していた。そこまで本格的に行かれると、予定してい
た最後の、そして一番重大なミッションが達成出来なくなる。さてどうしようかと悩んで
いたら、唐突に校内放送がなった。
【二年D組 別府タカシ君。至急、生徒会室に来て下さい。繰り返します。二年D組――】
「ありゃ? 文村、悪い。何か仕事みたいだ」
 一瞬、文句を言いそうな顔になった文村だったが、次の瞬間には諦め顔になって、ため
息をついた。
『ハァ…… ま、仕方ないですね。別に、今日じゃなくてもいいですし。せいぜい、会長
にこき使われて来て下さい』
 その言い方が、ちょっと自棄っぽく感じられた。


「ちぃーっす」
『遅いわよ』
 チェックしていた書類から顔を上げて会長が俺を睨んだ。俺は自分の席にバッグを置い
て不満気に会長を見つめる。
「別に、今日は活動日じゃないんだから遅いもクソもないだろ。つか、わざわざ呼び出す
ほどの用か?」
『会長が仕事抱えてるのに、補佐すべき副会長の貴方はほったらかしにして遊びに行くつ
もりだったの? いいご身分ね』
 嫌味っぽく言い返されて、俺は一瞬ムッとするが、すぐにそんな気持ちはなくなった。
別にこんなのはいつもの事だ。むしろ何で一瞬たりとも不愉快に思ったのかが不思議だ。
「ちょっと用があったんだよ。それが終わったら顔出すつもりだったさ。どうせ、会長の
事だから少しは仕事してくだろうと思ってたし」
 むしろ、いなかったらどうしようかと思っていたくらいだ、と内心で付け加える。ほぼ
確信があったからこそ、こっちを後回しに出来たが、うかつに帰られていたりしたら、そ
の時点でミッション失敗である。
『優先順位が逆ね。まずこっちに顔を出して、一言断ってから用を済ませるべきだったわ。
そうすれば、放送委員の子の手を煩わせる事もなかったのに』

7387/15:2011/03/20(日) 14:10:06 ID:???
 使う必要のない放送委員を使ったのは自分なのに、何故か俺のせいにされてしまった。
いや、今日の所はこれで良かったのだから、文句も言えないが。
「そりゃ申し訳なかった。で、何すればいいんだ?」
 そんな訳で、大人しく謝ってから仕事に取り掛かる。今日は会長の手伝いくらいしかす
る事がないから、指示を仰ぐと会長は棚を指して言った。
『去年の新入生歓迎会の進行とかのファイル取って。まだ早いような気がするけど、何気
にあと半月と少しだもの。それに、四月は会計帳簿も整理しなくちゃいけないし、新年度
予算の配分もあるから出来ることからやっておかないと』
 会長に言われたことをこなしつつ、俺の心は別の所にあった。用意したホワイトデーの
プレゼントをどうやって渡すか。敬香や文村とは違って、いきなり差し出すのにはかなり
の抵抗があった。会長の場合はストレートに断られるかも知れなかったし。
「あのさ、会長」
『何? 仕事中に私語しないでくれる?』
 いきなりバッサリやられたが、ここでめげたら渡す機会なんて無くなる。俺はグッと気
持ちを奮い立たせた。
「いや。仕事中って言ったって今日はサビ残みたいなもんだろ? 雑談しながらやったっ
て問題ないだろうし、無言で仕事だけしてると息詰まりそうじゃないか?」
『別に。秀美ちゃんとかならともかく、貴方と話したいことなんて特にないし』
 またしても冷たく突っ撥ねられた。全く、本当に心が折れそうになる。
「まあ、そう言うなよ。それに、何だかんだ言ったって、今までだってずっと話ししなが
ら仕事したりしてたじゃん」
 すると会長は、小さくため息をついてボールペンを走らせる手を止めた。
『で?』
「は?」
 いきなり聞かれたので反射的に聞き返すと、会長は俺を睨み付けて言った。
『何か話したいことがあったんでしょう? 聞いてあげるから、言ってみなさいよ』
 会長としては折れてくれたつもりなんだろうが、いきなりこれだと心臓に悪い。どうも、
あまり遠回し過ぎるとキレられそうだから、単刀直入とは行かずまでも、俺は本題に近い
ところから話に入る事にした。
「いや。今日さ。何の日か、知ってる?」

7398/15:2011/03/20(日) 14:10:33 ID:???
 すると会長は、無言でノートパソコンを弄っていたが、やがて顔を上げて言った。
『円周率の日でしょ? 円周率が三.一四だからそれにちなんだっていう』
「会長。今、検索しただろ?」
 すると会長が、もの凄く不満気な顔で俺を睨み付けた。珍しく隙のある行動を見せた会
長の態度に、つい俺は笑ってしまう。
『別にいいじゃない。私にだって、知らない事くらいあるわ』
 ムスッとした声で会長が文句を言った。正直なところ、日頃クールな会長がこうして俺
の前では少しでも感情を表に出すのは、副会長としての役得だと俺は思っている。
「何か、別の日をわざわざ検索してごまかそうとする辺り、俺の言わんとしてることは察
してると思うんだがな」
 ちょっと意地悪く言うと、会長は変わらぬまま俺を睨んでいたが、やがて諦めたように
視線を外した。
『知ってるわよ。ホワイトデーでしょ? 個人的には縁が無いから、興味もないだけだわ』
 素直に認めるかと思いきや、いきなりバッサリと切って落とされた。縁が無いと言うの
は、俺も含めての事なのだろうか。だとすると、先行きはかなり暗い。
「縁が無いって、会長はお返しとか貰ってないのか?」
 敢えて聞くと、会長はつまらなそうにそっぽを向いたまま頷く。
『当たり前でしょう。バレンタインのチョコなんて、誰にもあげてないもの。貰いはしたけどね』
「会長は、お返しとかしないのか?」
 言葉尻を捉えて聞くと、一切表情を変えずにそのまま会長は頷く。
『だって、そういうのって面倒くさいもの』
 また、あっさりと言ってのけた。いや、まあ実に会長らしいとは思うし、バレンタイン
デーにもそんな事は確かに言ったのは記憶しているが。
「確かに気持ちは分かるけどさ…… けど、お返しすれば文村とか喜ぶんじゃないか?
アイツ、会長の事慕ってるんだしさ」
 パッと思いつきで口にした後で、即座に俺は後悔する。予想通り、会長の顔が不機嫌に
歪む。
『余計なお世話よ。別府君にそんな事、お説教されたくもないわ』
 俺は心の中で自分に舌打ちする。会長から視線を逸らし、渋い顔をして謝罪をする。
「いや。確かにその通りだよな。何か、ちょっと気になっただけで……悪い」

7409/15:2011/03/20(日) 14:10:58 ID:???
 会長が、苛立たしげに鼻を鳴らすのが聞こえた。
『全くだわ。それに、バレンタインだのホワイトデーだの、そういう商業主義に則った因
習が面倒くさいっていうだけで、秀美ちゃんにはキチンとお礼はしたわよ』
「え? マジで?」
 ちょっと驚いて聞き返す。すると今度は会長がそっぽを向いた。
『ちょっと前に、あの子の好きな甘味屋さんで抹茶ぜんざいとつぶあんみつをね。大体、
何で別府君がそんな事気にするのよ?』
 まあ、女子同士だから帰りにお茶したりするのはよくある事だろうけど、それにしても
そんな事は話題にも上らなかったなと思う。そんな事を考えつつも、会長の問いにどうや
って答えようかと俺は考えあぐねた。そもそも、俺だって何であんな事を聞いたのかよく
分からないのだから。しかし、何らかの答えは出さなくちゃいけないと思い、何となくそ
う思えることで俺は答える事にした。
「……ま、何となく……だな。ここに来る前に、文村に義理チョコのお返しして来たから。
多分、それで」
『多分って何よ。多分って』
 曖昧な表現を突っ込まれたが、それには俺も肩をすくめるしかなかった。
「いや。実際、何で俺もそんなに気になったのかはよく分からんし」
『変なの。もっとも、別府君は最初っから変だから、そう変とも言えないのかしら』
「さあな。何とでも言ってくれ」
 会長の毒舌に文句を言う気にもなれず、俺は敢えて流した。それよりも、これだけホワ
イトデーの話をしたのだから、そろそろ自分の事も気になっていいんじゃないかと、会長
の様子を窺う。しかし会長は俺の方に真っ直ぐ視線を向け、真顔で聞いて来た。
『で、秀美ちゃんは喜んでたの?』
「へ?」
 そっちの話題は終わったものだと思ってたから、意外に思って俺は会長を見返す。する
と、会長の視線とモロにぶつかりあった。
『だから、渡した時の反応。別府君にお返し貰って、彼女、どうだったの?』
 そんな事に興味を持つなんて、俺は意外な面持ちで会長を見つめた。しかし、会長は相
変わらず感情を見せない表情で、押し黙って俺の答えを待っている。その視線の強さに耐
えられず、俺は答えた。

74110/15:2011/03/20(日) 14:11:24 ID:???
「いや。喜ぶ訳ないじゃん。早川のは素直に喜んでたけど、俺のはむしろ貰うのが当然っ
て感じだったぜ。おまけに、口に合わなかったらやり直しだからって言われてさ」
 冗談めかした、おどけた口ぶりで言うと、会長は微かに笑って頷いた。
『そうなの。彼女らしいわね。ううん。ある意味、彼女らしくないか』
「何だそりゃ? どういう意味だよ」
 会長の言葉に、ちょっと意味深な意図を感じて俺は聞く。しかし会長は首を左右に振っ
てそれを退けた。
『大したことじゃないから、気にしないで。それより良かったじゃない。別府君も、妹さ
ん以外で始めてお返し出来る女の子が出来て。貴方みたいな何の取り得もない男が、秀美
ちゃんみたいな可愛い子にお返し渡せるなんて、それだけでも光栄に思いなさいな』
 気のせいだろうか。クールな口調で会長は話していたが、その言葉の裏に何だか様々な
思いが渦巻いているように思えてならなかった。だが、それは例え真実だったとしても確
かめる術もないし、何より俺には自分の事を優先させなければならなかった。そう。タイ
ミングなら今だ。
「……もう一人、お返しを渡さなくちゃいけない相手が、俺にはいるんだけどな」
 躊躇いがちに、会長に向かって言う。すると会長の目が一瞬見開いたかのように見えた
が、すぐに元の冷静な顔に戻って、会長はファイルに目を落とした。
『……意外ね。別府君に、バレンタインデーにチョコを渡すような物好きさんが、他にも
いただなんて。貴方、意外と幸せ者じゃない』
 俺はそれには答えず、バッグから紙の手提げ袋を取り出す。そして立ち上がると、会長
の席の真正面に立って、それを差し出した。
「ほれ」
 すると会長は、ゆっくりと顔を上げて俺を見つめる。驚いた風でもなく、嬉しそうな風
でもなく、不快そうでもなく。それから、すぐに視線を横に逸らして、とぼけた様子で言った。
『……私、別府君にお返しを貰うような事を何かしたかしら?』
 何となく予想はしていたが、またとぼけられたかと思う。いい加減ここまで来ると、呆
れるのすら通り越してしまう。
「前に手作りチョコ、くれたろ? 俺にバカにされたから証明するとか何とか言ってさ」
 すると会長は、意外にもすんなりと頷いた。
『ええ。それは覚えているわ。で、それがどうしたの?』

74211/15:2011/03/20(日) 14:11:48 ID:???
「いや。だから、その日が、バレンタインデーだったじゃん」
 そう言うと、またしても会長は頷いた。こういう所は妹とは違う。実に堂々としたもん
だ。
『そうね。たまたまだったけど、それも事実だわ。だけど、まさか貴方、勘違いしてたと
かじゃないでしょうね?』
 会長が俺を睨み付ける。果たしてそれは、本心なのかポーズなのかは分からない。しか
し俺は、そう言われる事は予想していたので、何度か妄想した答えの一つを返した。
「いや。勘違いはしてないけど、やっぱりチョコ貰った事は貰ったんだしさ。何かお礼は
しなきゃって思ってたんだけど……俺は不器用だからな。逆にイベントにでもかこつけて
でないと、返せないから」
『なるほど。そういう考え方もあったわね』
 意外にも、会長が感心して頷いた。
『確かに、他の日よりもかしこまらなくっていいって言うのも納得だわ。日本全国で、男
子が女子に贈り物をあげてるんだものね』
 恐らくは、会長にとっては新しい考え方だったのだろう。しきりに頷いている。思い立っ
たら即行動、の会長には合わないとは思うが、それだけに何か響くものがあったのかも
知れない。しかし、今の俺にはそれよりプレゼントの方が重要だった。
「で……どうなんだよ? 受け取ってくれるのか?」
 すると、会長はあっさりと首を縦に振った。
『ええ。くれるというなら貰っておくわ。いらなければ、私が処分すれば良いだけの話だ
し、例え別府君からの貰い物であっても、有益でない保障はないしね』
「じゃあ……ほら。チョコ、ありがとな……」
『一応、ありがとうと言っておくわ』
 そう言って、会長は立ち上がると、俺の手から紙袋を受け取った。中を広げてみようと
して、俺の顔を見て聞く。
『開けてもいいのかしら?』
「ああ。どうぞ」
 俺が頷くと、会長は紙袋を開けて、包装された小さな箱を取り出す。
『……何かしら? 食べるものではないみたいね』
「ま、いいから中を見てくれよ」

74312/15:2011/03/20(日) 14:12:11 ID:???
 この場で会長から感想を貰うなど命知らずに等しいが、かといって家で開けられて後か
らなまくら刀でボコスコにされるよりは、いっそ一刀両断に切り捨てられた方がマシだっ
た。会長が丁寧に包みを開けるのを、俺は窒息しながら、ひたすらに見守っていた。
『……これは……イヤリング……よね?』
 会長が手にしたのは、小さな白い真珠のついたイヤリングだった。セール品とはいえ、
俺の小遣いが二ヶ月は軽く吹っ飛んだ代物だ。
「まあな。ちょっと……その……俺もやり過ぎかなとは思ったんだけどさ」
 正直、かなりこっぱずかしい。これで会長にボロクソに批判されたら、マジで死ねる。
『……普通、ホワイトデーのお返しなんて、クッキーやケーキなんかのスイーツにしとく
ものじゃないのかしら』
 怪訝そうに会長が俺を見つめる。俺はまともに視線を受けられず、顔を逸らすとこめか
みを手で掻いた。
「だって、会長そんなに甘いもの好きじゃないじゃん。コーヒーもブラックで飲むし。か
といって、ホワイトデーに辛いものってのも何か合わない気がして、迷ってたらたまたま
それが目についてさ。会長だったら、こういうのでも似合いそうだなって思ったら……勢いで……」
 すると会長は、大げさにため息をついて言った。
『……あのね。別府君にアクセサリーなんて贈られて、喜ぶ女の子がいると思うの? だ
とすれば、思い上がりも甚だしいわ』
「いや……悪かった。俺もそこまで思い上がってはいないんだけど……何つーか、気の迷いだから」
 頭を下げ、手の平を会長に向けてこれ以上の非難は勘弁だという事をポーズで示す。す
ると、もう一つ会長のため息が聞こえた。
『……まあいいわ。元々プレゼントなんて期待してないんだし、貰うと言った以上は貰っ
とくわ。ただし、どう処分されても文句は言わないで。間違っても、私が付けるなんて期
待はしないでよね』
「分かってるよ。いや……十分です。はい」
 やはり、バッサリ斬り落とされると心臓は激痛を覚えるのだなと、俺は実感したのだっ
た。

74413/15:2011/03/20(日) 14:12:35 ID:???
 しかし、期待するなと言われても、期待してしまうのは男の性だ。次の日から、俺はつ
いつい会長の耳を気にするようになってしまった。しかし、次の日はもちろん、その次の
日も、また次の日も、一週間経っても会長が耳にイヤリングを付ける様子は一向に見られなかった。
「ちっ……やっぱりダメかあ」
『何がダメなんですか? 先輩』
 文村が、俺を覗き込むように顔を見つめて聞いて来た。
「おわっ!? な……何でもねーよ」
 ちなみに、文村との約束はキッチリ果たした。結局、クッキーにはダメだしを食らった
ものの、その場でスイーツを他にもご馳走した事で何とかやり直しだけは回避させて貰った。
 文村はキョトンとした顔を向けていたが、やがて怪訝そうに言った。
『ふーん。変な先輩ですね。まあ、元からそうですから、意外でもないですけど』
 そう言って離れる彼女を、俺はホッとしつつ見送ったのだった。そして、諦め顔で会長
に視線を戻す。
「ま……こんなもんだろうけどな……」
 一人そう呟いて、俺はとうとう気持ちを切り替えると、目の前の仕事に没頭したのだった。

〜おまけ〜

『あ、静〜っ!! こっちこっち』
 駅前の時計台の下で、友人の聖花が手を振っているのが見える。私は特に歩調を変える
ことも無く、彼女の傍に近寄った。何となく、左手の腕時計を見る。時間は約束どおり。
十時ぴったりだ。
『全く。服買いに行くたびに、私を付き合わせるのにもいい加減勘弁して欲しいわね。友
達づきあいとはいえ、毎度の事だとうんざりするわ』
『だって、一人だと目移りしちゃってさ。その点静が一緒だと、バッサリ判断してくれる
から有難くって』
『だってそんなもの、欲しい服と手持ちの資金を比較して、買える物で選択すればあっと
いう間に決まるじゃない。それなのに、予算に合わないものと延々と見比べるなんてナン
センスだわ』

74514/15:2011/03/20(日) 14:13:00 ID:???
 聖花だけじゃない。ウィンドウショッピングだけに何時間も掛けて、買えもしないブラ
ンドのバッグとかを見て回る神経が私にはそもそも理解出来なかった。
『だって、どーしても欲しいものってあるじゃない。まあ、静は有る物で着こなせる才能
を持ってるからかもしれないけどさ』
 自分では、服選びなんてかなり適当なのだが、聖花は私のセンスをよく褒めてくれる。
まあ、悪い気はしない。
『口で褒めておだてられても、ちっとも嬉しくないわ』
 口ではそう突き放すと、聖花はニッコリ笑って言った。
『分かってますって。ご飯、ちゃんと奢るわよ。今日も中華?』
『中華って……ラーメンでしょ? 聖花の奢る限界なんて』
『あー。奢って貰うのにそういう事言う? まあ、実際そうなんだけどさ。でも、静はア
ソコの激辛坦々麺好きじゃん』
『まあ、ね。それに、別に文句言ってるわけでもないから。それより、早く行きましょう。
ただでさえ聖花は買い物に時間掛けるんだから、もったいないわ』
 先に立って歩き出した時、聖花が後ろから呼び止めた。
『あ、ちょっと待って』
『何?』
 振り向くと彼女は、私の耳元をジッと見つめて言った。
『何って……これ、イヤリングじゃん。静ってこういうの、嫌いじゃなかったっけ?』
『別に。嫌いじゃないわ。買うほど興味が無かったってだけで』
 何となく、気恥ずかしくなって手で隠したい衝動に駆られる。しかしそれは、余計に相
手の興味を惹くだけだと思って、私はグッと我慢した。
『ほほう。どういう心境の変化ですかな? それとも、貰い物?』
 好奇心に任せて聞く彼女を、私は興味なさげに退ける。
『さあね。ご想像にお任せするわ』
 すると、聖花はちょっと意味深な表情を浮かべて、聞いて来た。
『もしかして……男から貰ったとか?』
 私は、ジッとしばらく無言で聖花を見つめた。それから、小さくため息をついて言った。
『……それ、本気で言ってるわけ?』
 すると彼女は、面白がるように笑顔を浮かべて言った。

74615/15:2011/03/20(日) 14:15:55 ID:???
『いやいや。今を時めく美人生徒会長の清宮静嬢ですもの。贈り物にアクセサリーを贈る
男子なんてたくさんいそうだし。まあ……でも、静が受け取るとも思えないけどね……』
『そういう事よ。全く、バカな事言ってないで、さっさと行きましょう』
 私は身を翻すと、パッと髪をかき上げて早足で歩き出した。
『あ、ちょっと待ってってば!!』
 後ろから早足で追いかけて来る彼女をチラリと見て、思った。
――これが……男の子から……それも別府君から貰ったものだなんて知ったら、どう思うかしらね。
 その事を想像すると、何となく、私はちょっとおかしくなって内心クスリと笑みを漏ら
すのだった。


終わり
ちょっと遅めのホワイトデーネタでした。
自分で書いてて何だが、ちょっと男モテ過ぎだろうと

747以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 16:30:22 ID:???
>>746
GJ!
「それ別府くんから貰ったんでしょw」
なんて会長は母親にも茶化されたりしてんだろうな

748以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 16:33:31 ID:???
かなり読みごたえあったわGJ

749以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 17:30:03 ID:PTyRkenQ
大作GJ!

こうも周りがツンデレばかりだと、いつか心労で男倒れるんじゃないか?w

750以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 17:35:42 ID:???
GJ
ずっと心臓がいたくて泣きそうだった
ここがツンデレスレじゃなきゃ心が折れてたぜ

751以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 17:48:12 ID:???
【】の人のブログに未投下のが本日あがってるのを確認した。 っていう独り言

752以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 19:26:03 ID:???
ブログの話が度々でるけど未だにそのブログを知らない

753以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 19:55:09 ID:???
>>727の纏さんのツンデレ具合がドンピシャですばらしい

7541/2:2011/03/20(日) 20:11:07 ID:???
【看病 クロワッサン 謳歌】

 季節の変わり目にやられ、風邪をひいてしまった。たいした事はないと思うのだが、大事をとって休んでたら悪魔襲来。
「……馬鹿は風邪をひかないというのに、タカシは風邪を引いたと言い張る。……そこまでして私に看病してほしいのかと思うと、正直うんざりする」
 勝手にやって来て難癖をつけつつ、ちなみが寝てる俺の頬をむいむいと引っ張る。
「一切頼んでねえ」
「……でもまあ、優しい優しい私は看病してやるので一生感謝しろ」
「なんて押しつけがましさだ」
「……とりあえず、買ってきた見舞いの品を食べろ」
 ちなみは持ってきた学生鞄の中から、紙袋を取り出した。……明らかにパン屋の包みだ。
「あの。一応病人なんで、パンとかは避けていただけると幸いです」
「……だいじょぶ。これは、タカシの大好物。私の気遣いに思わず惚れてしまうだろうけど、とても迷惑なのでやめろ」
 常に勝手なことを言いながら、ちなみは紙袋から目的の品を取り出した。
「……はい、クロワッサン。焼き立てだから、おいしいこと請け合い」
「え? いや、それは俺の好物ではないぞ?」
「……?」
「俺の好物はクリームパンだ」
「……でも、この間一緒にご飯食べた時、これ食べてたよ?」
「あの時は売り切れてて、しょうがなしに買ったんだ」
「……でも、おいしそうに食べてたよ?」
「パンは大体なんでも好きなんだ」
「……じゃあいいじゃん」(ほっぺぷくー)
「そう怒るな。どっちにしろ、病気の時にこんなの食えやしねえよ」
 膨れたほっぺを指でむにむに押しながら、ちなみをなだめる。
「ぷしー。……まあ、無理矢理食べさせて吐かれても気持ち悪いし。……はい、本命」
「お、ポカリ」
「……水分補給は大事。……これを飲まないと、明日ミイラ化した死体がこのベッドで見つかること請け合い」
「ここはどこの砂漠だ」
「……タカシ砂漠。迷い込んだら最後、奇妙極まる着ぐるみを着せられるという地獄のような砂漠。……まぐまぐ」
「いやそりゃちなみ砂漠だろってお前何を普通にクロワッサンを食ってるか」

7552/2 隅っこに追いやられがち で検索:2011/03/20(日) 20:12:30 ID:???
「……おいしいよ?」(小首をこてりと傾げながら)
「あら可愛い。じゃなくて! 一応そりゃ俺の見舞いだろ?」
「……食べたら吐いちゃうようなものを、意地汚くもタカシはよこせと言う。それとも、私との間接キスが目的なのだろうか。汚らわしいと断言できる」
「少なくとも間接キス目的ではないです」
「…………」(不満げ)
「睨むな。……あー、なんかお前と話してたら疲れた」
「……貧乳と会話すると体力を吸い取られる、とタカシは言う」
「言ってねえ。あー悪い、ちょっと寝るわ」
「……そか。じゃ」
「おおぉおお!?」
 クロワッサンを机の上に置いたと思ったら、なんかちなみがちなみが俺の布団にもそもそって入ってきたよ!?
「い、一体何がこの世界に起きているのか説明していただきたい!」
「……間近でタカシが苦しみもだえ死ぬところを見て、自分の健康を謳歌したい」
「いや、ただの風邪なので死にません」
 酷い発言に一瞬で冷静になった。
「…………」(不満げ)
「だから、睨むな」
「……しょがない。じゃあ、おやすみ」
「いや、おやすみじゃなくて。何を人の布団で寝ようとしてるか」
「……じゃあ、今からこの布団は私の布団」
「所有権の話ではなくて!」
「……むぅ、寒い」
「抱きつかないで!」
「……貧乳に抱きつかれても肋骨がゴリゴリ当たるばかりでちっとも嬉しくない、とタカシは言う」
「いや俺は貧乳とか超好きだからそれは別にいいんだけど」
「……しまった、罠だった。このままでは貧乳好きの変態にちゅーとかされてしまう」
「しません」
「…………」(超不満げ)
「だから、睨むなっての」
 布団の中でじろーっと睨まれ続け、大変居心地が悪かったです。

756以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 20:23:10 ID:???
ちなみ可愛いなぁ…ほのぼのする
GJ

757以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/20(日) 21:13:50 ID:???
尊さんが髪を切ったようです

尊「……」
男「あら、髪切ったのか」
尊「そうだ。何か文句でもあるか?」
男「いや、ないけど。てかなんでそんなに不機嫌?」
尊「……前髪を、切りすぎた」
男「あぁ、自分で切ったんか」
尊「額が露出して恥ずかしい」
男「いいじゃん。でこっぱち可愛いと思うぜ?」
尊「でこっぱち言うな!」
男「おぉう、そんなに気にしてたのか」
尊「どうせお前も、散髪代を惜しんで失敗したケチな女と思ってるんだろ!? どうなんだ!?」
男「被害妄想うっぜぇ……まぁ、確かにその髪型はないかな」
尊「ぐ……この髪型が似合わんことくらい、お前に言われなくてもわかっている」
男「じゃなくてさぁ。切りすぎたんならいっそこうやって……」
尊「触るな! 変態!」
男「ほら、こうして前髪を左右に分けて、思いっきりおでこ出した方がいいんじゃないか?」
尊「あ……」
男「うん、可愛い可愛い。ちっちゃい子供みたいだ」
尊「……タカシに物を教わるなんて、屈辱だ」
男「そりゃねーぜ。せっかく現状打開の策を授けたのに」
尊「礼は言わんからな」
男「そんな照れんでも、可愛くなった尊さんが一番の礼ですよっと」
尊「……むぅ」←顔真っ赤

7581/2:2011/03/21(月) 00:46:22 ID:PTyRkenQ
投下する場所を間違えた、だが私は謝らない。


『おいタカシ、非常に不服だが貴様に聞きたいことがある』
「へいへい、なんでしょーか尊サン?」
>>391というような話を聞いたのだが、一体どういうことだろうか?』
「……ぶふっ!?ご、ゴホンッ……なんでそんなこと俺に聞くのかな〜?」
『誰が好き好んで貴様に質問などするものか。ただ、貴様は保険体育の成績だけはいいからな。知らないことは詳しい者に聞く。当然のことだろう?』
「あー確かにそう言われりゃそうだなぁ…」
『私は、知らないことは許せない性分だ。それを解決するためなら、いくらでも屈辱に耐えよう』
「屈辱て…誰かに質問することがそんなに嫌なのか?」
『貴様に頭を下げるのが1番の屈辱だ』
「……へぇへぇ、そいつはどーも」
『ほら、私がここまでお願いしているんだ。さっさと真実を言え!』
「……それが人にものを頼む態度かよ…」
『言っておくが、下手な嘘を付いたら承知しないからな。……ボコボコにしてやる』ポキッ、ポキッ
「ぐっ……わ、分かったよ、ほら耳かせ耳!」ごにょごにょ
『ふむふむ……それで……へぇ……』

『……………』

『////////』ボンッ

7592/2:2011/03/21(月) 00:47:23 ID:PTyRkenQ
『き、貴様ぁ!!わ、私がこういうことに耐性がないことを分かって行ったなっ!?そ、そこに居直れっ!!//////』ゴゴゴゴゴッ
「ちょ、ちょっとマテ尊!?こ、これは冗談じゃないんだ、生物学的に証明されてることなんだ!?」
『なっ……そ、そうなのか……?』
「ああ、人間というのは暗闇の中にいると生命の危機を感じるらしい。
そういう時、種の保存を考えるのは人間の本能として当然だろ?つまりはそういうことだ」キリッ
『む、むぅ……い、言われてみたら確かに……』
「(ふぅ……どうやら納得してくれたみたいだな……)」
『……そ、その……』
「?」
『……や、やはりお前も……私とそのような状態に置かれたら……そ、そういう行為を……考える……か……?』
「……へっ……!?」
『……あっ……ち、違うぞ、今のは妄言だ、疲れていたから変な事を言ってしまっただけだっ!!』
「いや、お前とそんな状況に置かれたら正直がま…」
『ま、真面目に答える〜!!!//////////』

760以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/21(月) 00:51:22 ID:PTyRkenQ
ちなみにレス先は避難所の>>391だったりする

……どう考えてもミスばっかりです、死にてぇ……

761以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/21(月) 01:02:19 ID:???
>>760
そこ見て即こっちに来た俺は正しかった
つまりはGJ

762以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/21(月) 03:19:34 ID:???
>>757
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1876.jpg
てっきりこういうのかと

763以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/21(月) 03:20:52 ID:OwZ9zrvA
あらかわいい

764以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/21(月) 05:38:48 ID:???
>>762
ぱっつんかわいい。

ツンデレな魔法少女の俺の嫁じゃない方落書き。
昔のビジュアルに戻ればいいのに。
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1877.jpg

765以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/21(月) 09:29:42 ID:hwHnNE7g
>>762
チョーカワイイー

766以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/21(月) 10:26:46 ID:???
起きたら何気に盛り上がってて嬉しい。

まとめてでスマンが、みんなGJ!!

7671レスネタ:2011/03/21(月) 13:29:56 ID:???
纏さんを動物に例えてみた

男「纏〜。一緒に帰ろうぜ!」
纏「大声を出すでない。言われんでも一緒に帰ってやるわい」
男「そんなこと言って、本当は俺と帰りたくて仕方ないクセに〜」
纏「うるさい!……主のその様、まるで節操のない野良犬のようじゃな」
男「えー? 俺、犬?」
纏「そうじゃ。品性も感じられん、悪ふざけは過ぎる、只はしゃぎ回るだけの駄犬そのものじゃ」
男「でも、馬鹿な犬ほど可愛いって言葉もあるし?」
纏「それを言うなら馬鹿な子ほど可愛いじゃろが」
男「えー。俺が犬なら纏は蛇じゃんか」
纏「へ、蛇じゃと!?」
男「目もとキツいし言葉に毒があるし、なんか山の白蛇って感じ」
纏「この言葉使いは家の習いじゃ!馬鹿にしとるのか」
男「何でだよ。白蛇は家庭の守り神で、高貴な動物なんだぜ?」
男「それに、纏って肌が真っ白くて透き通るみたいに綺麗だし、白蛇最高じゃん」
纏「ふぉろーになっとらんわ」
男「まぁ、犬呼ばわりされてフォローするつもりもないし」
纏「……どうせなら、もっと可愛い動物が良かった」
男「あれ。纏も、自分の可愛さとか気にするんだ?」
纏「うるさいぞタカシ。丸呑みにして欲しいのか?」
男「性的な意味でなら喜んで……グハッ!」
纏「ふんっ! 丸呑みにされんで良かったな!」
男「グーパンより丸呑みの方がマシだった…」

768以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/21(月) 20:42:51 ID:???
なるほど蛇が思ったよりしっくりきて納得してしまった
まつりんかわいい

769以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/21(月) 21:03:28 ID:???
纏さんを動物に例えてみた〜後半だけ別バージョン〜

男「纏〜。一緒に帰ろうぜ!」
纏「大声を出すでない。言われんでも一緒に帰ってやるわい」
男「そんなこと言って、本当は俺と帰りたくて仕方ないクセに〜」
纏「うるさい!……主のその様、まるで節操のない野良犬のようじゃな」
男「えー? 俺、犬?」
纏「そうじゃ。品性も感じられん、悪ふざけは過ぎる、只はしゃぎ回るだけの駄犬そのものじゃ」
男「でも、馬鹿な犬ほど可愛いって言葉もあるし?」
纏「それを言うなら馬鹿な子ほど可愛いじゃろが」
男「えー。俺が犬なら纏は蛇じゃんか」
纏「へ、蛇じゃと!?」
男「目もとキツいし言葉に毒があるし、なんか山の白蛇って感じ」
纏「この言葉使いは家の習いじゃ! 馬鹿にしとるのか」
男「何でだよ。白蛇は家庭の守り神で、高貴な動物なんだぜ?」
男「それに、纏って肌が真っ白くて透き通るみたいに綺麗だし、白蛇最高じゃん」
纏「……そ、それはつまり……儂に家庭を守れと言っておるのか?」
男「へ?」
纏「綺麗な儂と家庭を持ちたいと、そういう意味ではないのか!?」
男「や……その……さすがにそこまで飛躍した含みは持たせてないけど」
纏「……まぁ、そうじゃろうな。期待した儂が馬鹿じゃった」
男「期待してたんだ……」
纏「ちっ違っ! これは言葉の綾という物で……あぁもう、この馬鹿っ!!」
男「あ、逃げた……」

770以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/21(月) 21:26:21 ID:???
>>767
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun1878.jpg
からかいすぎ危険。
しかし見切って抱きしめてしまえばハイパーデレデレタイム突入。

などという、よくわからない電波を受信した。




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