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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

6772/7:2011/03/14(月) 01:43:10 ID:???
「あ、おい。ちょっと待てよ」
 言われたものを急いで手に取ると、俺は会長の後を追いかける。舞台袖から出て、人気
のない奥の物置へと向かう。あんな場所に何の用事があるんだと思いつつも、黙って付い
ていくと、会長は物置に入って言った。
『……ドア、閉めて。早く』
 予餞会の最中の忙しい時間に何をするつもりなんだと思いつつ、言われた通りにドアを
閉める。途端に、盛大に背後でくしゃみの音がした。
『は……くしゅっ!! ハクション!! は……ぁっ……クション!! ハークシュッ!!』
 それで、俺は何で会長が慌しく人気のない所に来たか、その理由を察した。
「ああ。発作が出たのか……」
『別府ふん。ひっしゅ』
 鼻づまりの声で、会長が指示する。それはさっき、舞台袖で実行委員に飛ばしていたクー
ルさはなく、一刻も早くという焦りに満ちている。
「ほれ」
 差し出されたティッシュを素早く二、三枚取ると、会長は勢いよく鼻を噛み始める。
『あああ……もうダメかと思ったわ。さすがに……』
 目をしばたかせ、会長はまた鼻を噛む。
「何だよ。今日、そんなに酷かったのか? 花粉」
 そう。この完璧超人たる会長にも、難敵と言える存在はいくつか存在する。その中の一
つが、花粉症だ。
『酷いなんてものじゃないわ。朝から目は痒いわ、鼻の奥はぐしゃぐしゃだわで、もう最悪よ』
 鼻水が止まらないのか、ティッシュを鼻に当てつつ、会長は不満気に言う。だが、そん
な会長に俺は首を傾げる。
「今朝からずっと一緒に仕事してるけど、全然そんな素振りなかったじゃん。多分誰も気
付いてないぜ」
『それは、意識してるもの。花粉症だからって、生徒会長がマスクして鼻噛みながら仕事
するわけには行かないでしょ? あなたとは立場が全然違うのよ』
「はいはい」




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