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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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けだるい日曜の昼下がり、俺はこの間中古で買ったCDを引っ張り出して聞いていた。
曲は八十年代のベスト版。別に時代を懐かしむ訳ではないのだが、なんとなく、この頃の曲は心を落ち着かせてくれる。
図書館で借りた積み本などを読んでいると、不意に、玄関をノックも無しに開く音がした。
予想通りというか、顔を覗かせたのは俺の幼馴染、椎水かなみだった。
「やほ。むさくるしい所だけど、上がるわよ」
「お前に言われる筋合いはない。色々と」
かなみは俺の落ち着いた午後のひと時にずかずかと上がり込むと、買いたてほやほやのスーパーの袋をテーブルに乗せた。
「…おや、今日も昼飯作ってくれるのか?ラッキーだな」
「なんであんたなんかに作ってやらなくちゃならないのよ。
大学から私の家まで遠いからあんたの家の台所借りて、ついでに借りている一応の礼儀として作ってやってるだけなんだからね」
「礼儀…ねえ。そんなモン、チュパカブラの存在の方がまだ信じられるけどな」
「…っ、誰に何言われようと、私に他意はないの。そしてあんたは万有引力と同じくらいそれを信じてればいいの。オーケー?」
「オーケーオーケー。いいからとっとと飯作ってくれ」
そう言って俺は部屋の隅に畳まれたエプロンをかなみに投げてよこす。
ちなみにこのエプロンは俺からかなみに着けてくれとお願いしたものである。
最初は嫌がっていたが、いつのまにか着けてくれるようになった。慣れだ。
冷蔵庫の中を調べているうちに、かなみは部屋に流れるBGMの存在に気付いた。
「…音楽かけてるなんて珍しいわね?」
「中古屋で衝動買い。歌ってる奴の名も知らんが、悪くない曲だろう」
「まあね。似合わないけど」
心外な事を言う。確かに俺は教養に縁のないごく一般的な大学生だが、音楽を聴いて「似合わない」と言われるほど非文明的ではない筈だ。
「…そういう意味で言ってんじゃないの。ほら、歌詞をよく聞いてみなさいよ」
言われて、流れる歌詞に耳を傾ける。
しばらくしてその詞が、なるほど、確かに俺にはあまり共感できない事を並べているのが分かった。
これは、
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