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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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憮然と言い放つ会長に、俺は肩をすくめてみせる。正直な話、会長が花粉症だというの
は俺以外の執行部も知らないはずだ。つい最近、会長と二人で居残って仕事をしている時
に初めて会長が症状に苦しむ姿を見たのだから。
『ステージ上で毅然としてみせるって大変なんだからね。あの時、何ともなかったとか呑
気な事思ってないでしょうね? 鼻は気合で止めてるけど、目も痒くてしょうがないし。
ホント、どうしようもないわ』
「鼻水って、気合で止まるのか。すげーな」
俺自身は花粉症でないので分からないが、人の話を聞くと鼻が詰まって呼吸が苦しいの
に、水洟だけは止まらなくて大変らしいという。
『だって、しなきゃしょうがな…………ふぁっ……あ…………えくしゅっ!!』
また一つ、盛大にくしゃみをして、会長は急いでティッシュを取る。
『ヴーッ!! ヴォーッ!!』
くぐもった音を出して、鼻を噛むと、会長は鼻の下を擦る。
『生徒の代表たる生徒会長が、みんなの前で花粉症晒すとか出来る訳ないでしょう? 貴
方みたいな気楽な立場とは違うのよ』
立場というよりは、主義というか性格だろうと俺は思う。何事も完璧にこなすのがモッ
トーな会長の性格を考えれば、その主張は分からなくもない。
「でも、気合だけじゃなくて薬で抑えるとかしないのかよ。その様子じゃ、飲んでねーだろ」
すると会長は、苛立たしげに髪をかき上げてみせた。
『薬って、飲むと頭がボウッとしていまいち思考が働くなるのよね。挨拶だけだったらそ
れもいいけど、今日は生徒会主催の予餞会だもの。いろいろと指示を出さなきゃいけない
し、そんなもの飲んでられない……くしゅっ!!』
また盛大にくしゃみをして、会長はティッシュをひったくるように取ると鼻を噛む。そ
れを苛立たしげにゴミ箱代わりの空き箱に放り捨てる。
『ああ…… もう、目も鼻も取って洗いたいって花粉症の知り合いが言うのを聞いていた
けど、今ならその気持ちが良く分かるわ』
「会長って、もしかして今年が花粉症デビューか?」
会長の言葉から何となくそんな気配を感じて聞くと、会長は大きく頷いた。
『そうよ。でなきゃ、もっと早めに対処しておくわよ』
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