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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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(自炊)花粉症で苦しんでいても人前では超然と振舞うツンデレ
『卒業生の皆さん。ご卒業おめでとうございます。本日は、明日をもってこの学校を巣立っ
て行かれてしまう諸先輩方に、私達が最後の、そして最高の思い出を贈りたいと思って
在校生一同、そして先生方が張り切って準備して参りました。どうか、このひと時を大い
に笑い、楽しみ、そして感動の出来る時間にしていただけたらと――』
『やっぱり、会長って素敵ですね。凛々しくて』
舞台袖で会長のスピーチを聞きつつ、書記の文村が尊敬した眼差しで会長を見つつ言う。
「まあな。あれだけ人前で堂々としゃべれるってのも、才能の内だな」
全校生徒を前にして、毅然とした態度でスピーチを続ける姿に、俺も頷く。手元の紙は
ほとんど見ることなく、視線は常に上げたまま。言葉を噛むこともなく、咳払い一つなく、
まるで澱みがない。
『……それでは、私達在校生と過ごせる僅かなひと時を、心ゆくまで楽しんで行ってください』
丁寧に一礼して、会長が挨拶を終え、袖に戻って来た。
『あ、会長。お疲れ様です』
文村のねぎらいに頷きつつ、会長は周りを見回して言った。
『さ、まだ始まったばかりよ。次は記念品の贈呈……と。準備は出来てるわね。あ、澤田
さん。生徒代表としての役目、宜しくね』
協力してくれる生徒に挨拶しつつ、生徒会執行部や予餞会実行委員のメンバーに次々と
指示を飛ばす。俺も注意されないうちに、とっとと自分に割り当てられた仕事に就こうと
動き出した時、会長に呼び止められた。
『別府君はちょっとこっち。あなたの仕事は……そうね。台田君に振っておいて』
「は? あ、ああ」
正直、その場の展開で臨機応変に役割を変える人だから、多少の戸惑いはあったものの、
俺は驚かなかった。すぐ近くにいた実行委員に、すべき事を伝えてから会長の所に急ぐ。
「何だよ、会長」
どうせまた、よりやっかいな仕事だろうと思いつつ聞くと、会長は隅の机に置かれてい
るティッシュ箱と紙袋を指した。
『あれを持って、ちょっと付いて来てくれる。すぐに済むわ。そんなに時間は掛けられないから』
そう指示を出すと、俺の返事も待たずに会長は足早に歩き出す。
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