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お気に入りのローマ皇帝

1カイザー:2002/06/13(木) 23:16
人気投票にも、『ごく稀に』参加して頂いてる方もいらっしゃるようで
すので、ここでもカキコしてくれたら嬉しいです。

好き嫌いはともかく、オクタヴィアヌスはやっぱり偉大です。
アントニウスじゃ、どう考えてもライバルとしては役不足。いっそのこ
と、カエサルが暗殺されずに2人が天下を巡って争うという歴史IFの
方が面白そうです。

26マッティアス:2002/06/24(月) 21:47
東ローマかぁ。勉強しないとなあ。
一応、コンスタンティノープルは行った事あるんですけど、オスマン化する前の
事はちんぷんかんぷん。それでいいのか、史学科出身!
それにしても、やっぱりテオドラ様のがしっかりしてる。情けないぞ!

24とか読んで思ったんですけど、カイザーさんアグリッパ好きですか?
私は好きですけど。結婚するならマエケナス(←金権主義者)。
アグリッパ、でも50まで生きてれば、そんなに若死にでもないような。
あの時代の人がどれくらいまで生きてたのかは、判りませんけど。
ていうか、オクタウィアヌス夫妻&ティベリウス長生きしすぎ。
長生きしたからってイイコトばかりじゃないよなあ、って思います。

皇帝とその娘、ってことでちょっと気になってるのは、時代は全然違うけど、
アレクシオス・コムネノスとアンナ皇女。
ボヘモンド・タラントには泣かされっぱなしってカンジで。
 ↑実は結構好きだったりします。ははは。

27カイザー:2002/06/25(火) 00:30
アグリッパ好きですねえ。
皇帝としての資質はアグリッパよりオクタヴィアヌスの方が遙かに上でしょう。
でも、オクタヴィアヌスの親友として絶対の信頼を持てる(なおかつ極めて優秀
な)アグリッパの存在なくしてローマ帝国の建設はなしえなかったというのは、
言い過ぎではないでしょう。

例えて言うなら、銀河英雄伝説におけるラインハルトとキルヒアイスみたいなも
んです。(反論不可(笑))
・・・銀英伝を知らなかったら、よく分からないでしょう
けど。

私はマッティアスさんと話しをさせていただいてる内にユリア(17才の頃限
定!!)に、ちょっとホの字になりました。

アンナ・コムネナという名前にはかすかに聞き覚えがあるんですが、どんな人
物かはさっぱり思い出せません。アレクシウス1世の娘ですよね?

28マッティアス:2002/06/25(火) 01:08
アンナ・コムネナは第1回十字軍の(というかアレクシオスの)回想録みたいな
ものを書いていたハズ。(卒論、十字軍時代のイスラムでした)
その中に出てくるボヘモンド(ロベール・ギスカールの長男)は背が高くて
イケメンなんですよ。野蛮人なんですが。
当時まだ14とかそれくらいのアンナはひそかにボヘモンドに恋してたらいいなぁ、
と夢見たものです。若かったなあ。

銀河英雄伝説、読んでないけど何となく知ってます。
アグリッパとオクタウィアヌス、確かにそういうイメージです。
アルスラーンと黒衣の騎士(名前忘れました)ともちょっと似てませんか?
ともあれ、イイヤツですよね、アグリッパ。過労死だったかな、とか。

娘ユリア、可愛いですよね。私も結構萌え〜、とか思いますもの。
ティベリウスと結婚する前が特に。
アグリッパとの幸せな家庭(←勝手に決定)も好きですが、マルケルスとの
すれ違いも、少女漫画っぽくてときめきます。
彼女の肖像は生でみると、浜崎あゆみに似ていると友人が言っていました。
アグリッパって、イタリア代表のビエリに似てません?イイ男だけどゴツくて。

29カイザー:2002/06/25(火) 21:22
この辺の十字軍はまだまだ私は不勉強で教科書程度のレベルしか分かっており
ません。
そうそう、アンナ・コムネナはアレクシウス1世の伝記を書いてたんですね。
アンナって、結局結婚とかはしてないんでしょうか?確か次の皇帝ヨハネス2
世はアレクシウス1世の子供だった筈だから、アンナの血はコムネノス家には
受け継がれてないんでしょうか?「ローマ帝国衰亡史」を読んでるのに、ほと
んど覚えていません。
十字軍の頃の歴史は、周辺諸国の複雑なしかもめまぐるしく変わる外交関係が
超ややこしいです。

「アルスラーン戦記」はあんまり印象に残ってない作品ですね。銀英伝みたい
に読み返したりしてないですし。(銀英伝は20回ぐらいは読んでます)
黒衣の騎士ってのはダリューンのことでしょう。理不尽なまでの強さが嘘臭かっ
たのだけが私のイメージです。
異論もあるかもしれませんが、アグリッパは猛将というより知将のイメージです
ね。

30マッティアス:2002/06/26(水) 00:52
アグリッパ、確かに外見に騙されちゃうけど、知将ですよね。
そういえば、イメージ違いすぎるかもしれないけど、二人の関係だけを見れば
オクタウィアヌスとアグリッパ、『指輪物語』のフロドとサムにも近いです。
親友だけど、主従に限りなく近くて。サムは忠実だし、なにげに強いし。

アンナは結局、ビザンツの貴族と結婚したはず。
卒論終わって、頭から綺麗サッパリ抜け落ちたあと、何年も経ってますから、
記憶はかなりいい加減ですけどね。

ところで、ネルウァはユリウス・クラウディウス家の遠縁にあたる、とか
ティベリウスだかドルスス(弟)の血を引いてるとかいう記述を見た気がする
のですが、だったら系図載せろよ、とか思いませんか?
それ以前にネルウァのこと、こんなに気にする人間はあんましいないの
でしょうか?私は気になって夜も眠れないほど(嘘)です。

31カイザー:2002/06/27(木) 00:26
ネルヴァの母方がユリウス家の遠縁で、叔母がティベリウスの孫(小ドルスス
の娘?)との記述がありますね。<参考「ローマ皇帝歴代誌」>
私もよく知りませんが、おそらくはそうなんでしょう。
まあ、元老院自体がローマ貴族階級のコミュニティなんで、ユリウス家と血縁
関係がある元老院議員の存在自体は不思議は無いとは思います。

時代は下りますが、アフリカ出身(おそらくはセム系有色人種)のセプティミ
ウス・セヴェルス帝がマルクス・アウレリウスの隠し子との主張をした図々し
さには頭が下がります。
当時の人だって、誰も信じてなかったと思われるこんなデタラメがまかり通っ
たんでしょうか?誰も突っ込めなかったんだろうなあ。
そんな訳で、ローマの浴場で知られるカラカラ帝の本名はマルクス・アウレリ
ウス・アントニヌス・セプティミウス・セヴェルスというインチキネームにな
ってます。

残念ですが、「指輪物語」は未読です。
かつて「ロードス島戦記」や「スレイヤーズ」が好きだった頃(今でも好きで
すが)に、読みたいと思ったんですが、あまりの分厚さ&海外小説の訳本を読
む労力(訳者によっては重労働です!!)を想像すると、臆病風に吹かれて断
念しました。
昨今の「ロード・オブ・リング」のブームに便乗して気力を奮い起こした方が
いいかもしれませんね。

32マッティアス:2002/06/27(木) 01:08
セウェルス、カッコいいなあ、とか(笑)。コンモドゥスの名誉回復&神格化までやってのけましたものね。
いいんですよ、支持を得る為にスポーツ会場の貴賓席でいい気になって、大衆と
同じ目線になったつもり、の政治家とそんな違った事やってませんて。
しかし、年齢的にはマルクス・アウレリウスがずいぶん若い頃の子供ですなあ。
まだ、エラガバルスがカラカラの隠し子ってほうが説得力があります。
ここで恒例の(?)誰々に似ているシリーズ!
カラカラって…アンソニー・ホプキンスに似てる。ドミティアヌスがホアキン・
フェニックス似(映画『グラディエーター』コンモドゥス限定)というより、
これは説得力ありませんか?厳しい?

ネルウァの件はやっぱり「歴代誌」読んだあと、筑摩かなんかの全集タキトゥスの
付録で一生懸命探したんですけど。よくわかりませんでした。
っていうかネルウァの母方のおじいちゃんがオクタウィウス氏の人だから、
めっちゃ遠縁やなあ、とか思ったくらい。
血縁あってもいいけど、主張するほどじゃなくないですか?みたいなぁ。

そういえば、ユリウス・クラウディウス朝、フラウィウス朝、セウェルス朝の
話は出ているわりに、あんまし五賢帝の話って出ないですね。
ネルウァ以外(笑)。教科書必須のあの人とか。

33カイザー:2002/06/28(金) 00:06
セプティミウス・セヴェルスって、カラカラとゲタの兄弟をちっとも信用してな
かったんでしょうね。「兄弟仲良くせよ、兵を富ませよ、後は気にかけるな」な
んていう遺言はひどすぎです。実際、あの二人はこの程度の言いつけさえ守って
ないんで、お父さんの心配は杞憂ではなかったんですけどね。
当時、カラカラとゲタの妥協案として、東西分治も計画されていたようですが、
もしゲタがカラカラに暗殺されてなかったら、全く違う歴史があったかもしれな
いですね。
案外東西両帝国がうまくやっていけたかも、と思うのはあまりにも楽観的な見方
でしょうか?

トラヤヌスが「最良の元首」と呼ばれる程の名君だったからこそ、さして重要で
も無いはずのネルヴァまでもが賢帝である、という神話が生まれたんでしょうね。
まあ、別にネルヴァが無能だと思ってる訳では無いですが。

34マッティアス:2002/06/28(金) 00:27
セウェルスって、あんまりゲタのことは大切じゃなかったのでは?
ほんとはカラカラのほうにだけ統治権を与えるつもりが、ユリア・ドムナの横槍で
いやいや兄弟同等の相続権を与えたらしいし。
っつーか、多分自分の遺言、最初の部分は守られると思うほど夢見ちゃいないと
思いますよ。バカじゃないですもん。(あ、ひいきバレバレ)

トラヤン(馴れ馴れしいなあ)、体育会系っぽいけど名君ですよね。
ホントは部下だか知り合いだか通じてネルウァから統治権強奪したっぽいけど。
そういうワイルド(ちょっと違う)なところが素敵です。
でも、部下にはなりたいけど、奥さんにはなりたくないなあ。この人も。
名君タイプって、何となく家族や友達には欲しくない人多いですよね。
ハドリアヌスも複雑怪奇で、あんまりお近づきにはなりたくないし。
は!もしやアンティノウスはアタマよくなさげだから、ハドリアン・ワールドに
容量オーバー来たして自殺したんじゃ?(オニ発言大連発)

35カイザー:2002/06/28(金) 00:52
トラヤヌスが統治権強奪ってのはちょっと言い過ぎじゃないでしょうか?
私はネルヴァにもトラヤヌスへ譲位するメリットはあったかなと思います。軍人
経験がないネルヴァは嫌でも軍の支持基盤を、どこかから手に入れないといけな
かった訳ですからね。
まあ、私の気のせいでなければトラヤヌスはあんまりネルヴァに感謝の念は持っ
てなさそうですが。どっちかというと、ドミティアヌスに好意的に見えます。

36マッティアス:2002/06/29(土) 00:38
トラヤヌスの政権奪取に関しては、南川高志の『ローマ五賢帝』(講談社)他から
そういうイメージが。面白い本でしたよ。
トラヤヌスより有力で高名だったシリア総督がいて、(この人ドミティアヌス派)
ネルウァもそっちにぐらついていた、っていう話が新鮮でした。
↑は、最近のプロソフォグラフィーの成果でわかったらしいんです。
この人、トラヤヌスが養子にされてから経歴等々ぷっつりらしいですが。

トラヤヌスも父親の代でパトリキに昇格したし、もともとフラウィウス家に対して
多少、感謝の念もあったと思うんですよね。
(トラヤヌス父は、ユダヤ戦役当初はティトゥスと同格の軍団長だったし)
トラヤヌス自身、兵を率いてスペイン(多分)からはるばるゲルマニアまで行って、
その功も報われて38歳の若さで正規コンスルですからね。
何となく、ドミティアヌスに親近感があったと考えるのが妥当でしょう。
友情に近いような感情も持ちつつ、ドミティアヌスをあえて暴君扱い。
そういうイメージをふまえつつ、「ドミティアヌスは悪しき人物だったが、
すぐれた友臣を持っていた」というトラヤヌスの言を読むと感慨深いです。
っていうか、萌え〜(爆)。

37カイザー:2002/06/29(土) 01:14
トラヤヌスより高名なシリア総督というのは、ニグリヌスのことですね。
トラヤヌスの政敵として、粛正の対象になったのか、単にタイミングよく病死し
たのかは良く分からないですね。
この辺を今は亡き司馬遼太郎が歴史小説にしてくれたら、面白そうですね。

ちょっと、私の書き方も悪かったんですが、私が言いたかったのはネルヴァの意
志が全く無視されてトラヤヌスに皇帝位が移ったわけではなく、トラヤヌスとネ
ルヴァの駆け引きが存在したのではということ。
ニグリヌスが本当に帝位候補者だったかは保留するにしても、トラヤヌス以外の
後継者候補と天秤にかけるぐらいのことはしてそうです。

冷静に考えると、(不明な点が多いニグリヌスはともかく)トラヤヌスも政敵を
故無く殺したりしてるのに、ハドリアヌスみたいにボロカスに書かれていないの
はちょっと不思議です。人徳というやつでしょうか?

38マッティアス:2002/06/29(土) 11:31
そういうことなら納得。 >トラヤヌスとネルヴァの駆け引き
ネルウァもカスペリヌス事件とか無ければ、いつまでも後継者決定せずにノラクラ
しながら敵を作らないように作らないように生きていた気がします。
それが彼の処世術、っていうか。で、うっかり皇位継承者を指名せずに死んだり
とかして、死後は大混乱。そうなったら、後世からは暗愚扱いか。

トラヤヌス、政敵を「故なく」殺したりしてるんですか?知らなかった(爆)。
っていうか、ギボンもプルタルコスも読んでない不心得者なので(汗)。
ハドリアヌスが元老院に憎まれた件で思ったんですけど、「議員を殺さぬ誓い」
ってあるじゃないですか。ウェスパシアヌス以降、各皇帝が即位時に行った。
あれが結構ポイント。セウェルス朝までの各皇帝は、ドミティアヌス以外全員
行ったと思うんですけど。(←ドミティアヌスらしいですよね)
誓いを行った後にやむなく(?)政敵を処刑したり、即位前にダーティーなこと
したり、殺すだけ殺してしまえば、文句も出ないのでは?
ハドリアヌスは半端に4人殺して、その後あわてて誓いをしたから、ボロクソに
言われるんですよ。
「罪を罰しない皇帝は良い統治者とは言えない。元老院議員だって例外ではない」
って言って誓いもせずに顰蹙買った(でも偽善はない)ドミティアヌスが一番、
元老院から憎まれた事は疑いないですけど。
誓いを守らないより、誓いをしないほうがイケナイことなんですね(T-T)。

39カイザー:2002/06/30(日) 00:01
久しぶりにトラヤヌスのことを調べてると、トラヤヌスも♂×♂の愛好者だと
いう記述を(別に秘密でも何でもないでしょうが)発見しました。
他にもカリヌスとヌメリアヌスの両兄弟帝のラブシーンもあったかも?など、
まだまだ、勉強が必要ですね。
ディオクレティアヌスと3人の共治帝も怪しいとにらんでます。(根拠ナシ)

私が政敵として考えていたのは、ネルヴァ監禁事件のドミティアヌス派親衛隊
長アエリアヌスのこと。彼は元老院議員じゃなさそうだし、皇帝即位前のこと
だから、ハドリアヌスの時との比較は意味がなさそうですね。

ドミティアヌスのそういう潔癖な所は、私も好きなんですが、現実との妥協も
政治には必要ですからねえ。元老院って、本当に皇帝にとっては目の上のたん
こぶみたいな存在なんでしょう。
現実と最後まで戦い抜く強靱な精神力、バランス感覚に富んだ政治力のいずれ
かがあれば、ウェスパシアヌスやティトゥスにも劣らない名君たりえたのかも
しれないですね。

40マッティアス:2002/06/30(日) 01:33
アエリアヌスを殺すのは故無きことではないでしょう、一応。仮にも皇帝を拉致・
監禁した挙句に、要人を何人か殺した人です。
所詮、親衛隊長は騎士身分で議員じゃないのが幸いしてもいますよね。

ドミティアヌスはあの家の人にしては潔癖で、えらく真面目で繊細。実は詩人的。
そういうところが政治家には向かないんですよね。弱い。
ティトゥスなんて弟に比べればなかなかのワルです。スエトニウス読んで確信
しました。塩野さんの記述は信じたらあきまへんで。
なんだかんだでウェスパシアヌスって、一番寛容さを持っている気がします。

41カイザー:2002/06/30(日) 09:40
アエリアヌスは無罪ではないですね。
でも、別件逮捕というか騙し討ちみたいなやり方がえげつないという批判があっ
てもいいのにとは思いますね。もちろん、トラヤヌスの行動が正しいとは思いま
すが。
ハドリアヌスは、やることなすこと全てが批判の対象になってたかの様な印象が
あって、ちょっと可愛そうだという錯覚に陥ってしまいそうですが、半分以上は
自業自得ですよね?

そういえば、ウェスパシアヌスなんて現実主義者なのに、何で息子達は潔癖に
走ってるんでしょうか?ドミティアヌスはウェスパシアヌスを内心軽蔑してた
のかな?

スエトニウスの「ローマ皇帝伝」はフライデイとかSPAみたいなゴシップ誌に
類するものですんで、記述にはある程度の疑いの目が必要だと思いますね。
まあ、どんな史料でも批判的見方はしないとダメなんですが。
噂の中に真実がある場合もあるんですが、スエトニウスのネロへの偏見だらけの
記述は今ひとつ信用していません。ティトゥスについては、あんまり覚えてない
ですね。

42マッティアス:2002/06/30(日) 23:27
ティトウスは、騎士身分しか本来就かなかった親衛隊長に、共同統治帝の身で
なって、父や皇室の政敵を告発させたり、陰謀を未然に防ぐ為に結構いろいろ
やったそうです。怖いなあ。
あと、稚児や宦官と放蕩にふけったり、夕方から朝までドンちゃん騒ぎしたり
とかしてたそうです。ユダヤ王女ベレニケとの恋も不評でしたけど。
そんな人だったから、「第二のネロ」になるぞ、と即位前は人々がヒジョーに
危ぶんでいたとかいないとか。
まあ、大体そんなことがスエトニウスには書かれてました。
多少割引いて考えるにしても、塩野さんの「純朴なティトウス」は夢見すぎかな
と思います。っていうか、そのほうが物語としては面白いと思います。

ドミティアヌスはティトゥスほど寛大ではないですが、同様に兄ほど偽善的でも
ないように思います。(←出た!ひいきの引き倒し!!)
スエトニウスを読んでいて、私がいちばん親近感を持ったというか、いとおしい
と感じたのがドミティアヌスなんですよね(苦笑)。
我ながらヘンな趣味。

43カイザー:2002/07/01(月) 22:22
塩野七生って、そんなにティトゥスを誉めてましたっけ?
読んだ筈なのに、全然覚えてないです(汗)。

そういえば、ティトゥスの副帝時代の仕事は秘密警察でしたね。ネロ時代のネ
ルヴァもそんな感じでしょうか?
ウェスパシアヌス擁立劇の黒幕ともいえるティトゥスが「純朴」というのは、
ちょっと考えにくいですね。それにしてもシリア総督のムキアヌスは帝位に興
味なかったんでしょうか?
ベドリアクムの戦い終了後のローマへウェスパシアヌスに先んじて入城してた
のに、絶好の下克上の機会を自分から放棄してますよね。ローマの安定の為に
は正しいんですが、ウィテリウスみたいな恥知らずの方がローマ貴族では少数
派ということでしょうか。

44マッティアス:2002/07/01(月) 22:42
塩野さんが書いていたんです。「純朴なティトウスは」と。持ってはいないので
正しく引用はできませんが。
この方は、自分に都合の悪い情報は無かった事にして話をまとめるのが得意な
ようです(毒撒き散らし中)。
ネルウァもあくまで紳士、なのでピソ事件でも法律家として事件を立件する手続き
をしたくらいだろう、と苦しい言い訳をしていらっしゃいました(失笑)。
こんなことばっかり言ってるとそのうち刺されそうです。

ムキアヌス、地位的にはウェスパシアヌスより上位にいたわけだし、野心を持って
もおかしくないですよね。やっぱり、皇帝になんてなりたがるのは正気じゃないん
ですよ。
「ローマには生きた皇帝か死んだ皇帝しかいない」とはファンデンベルクの言葉
ですが。(退位した人いませんでしたっけ?)
皇帝になって、また誰かと戦うよりは、誰かを担ぎ上げて恩を売っておくほうが
お得なカンジ。オトもばかだなあ、とか。
ウィテリウスも、大ばかものですが、憎む気はおきません。最後が哀れすぎて。
まあ、自業自得ですけどね。

45カイザー:2002/07/01(月) 23:08
>皇帝になんてなりたがるのは正気じゃないんですよ。
そうなんですよね。ローマ皇帝になって幸せだったんだろうなって人物が果た
して何人いることか・・・。

ちなみに、退位した皇帝としては
 ディオクレティアヌス(四分統治体制の継承の為自発的に退位)
 マクシミアヌス(同上、息子のマクセンティウスの要請で復位)
 ロムルス・アウグストゥルス(オドアケルが新たな皇帝の出現を望まなかった
               ので、敢えて生かしておいたと思われます)
 ユスティヌス2世(発狂して修道院入り)
 ユスティニアヌス2世(反乱で鼻を削がれて追放、ブルガリアの支援で復位)

以降のビザンツ時代に入ると、鼻を削いだり、目を潰したりすることで皇帝と
なる資格が失われたと見なされて、退位後も生き残っている皇帝は結構居ます。
修道院に逃げ込んで隠居生活というのもありますね。
この辺は中世史が専攻ということですので、マッティアスさんの方がお詳しい
かもしれないですね。

46マッティアス:2002/07/01(月) 23:39
専攻はイスラムなので、キリスト教国家は実はあんまり(爆)。
ただ、五体満足じゃないと皇帝とか教皇とかになれないっていうのは、ユダヤ的
ですよね。ユダヤの大祭司は、肉体的に欠陥があると資格がなくなっちゃう。
フラウィウス・ヨセフスの本(内容ウロおぼえ)に、大祭司の地位をライバルから
奪う為に、耳だか鼻だかを噛み切ったとかいう話がありました(>o<)。
キリスト教が広まった後だったら、クラウディウスは皇帝になれなかったかも。

皇帝が退位できるのって、やっぱり後期帝政以降なんですね。
ディオクレティアヌス以前だと、望むと望まざるとに関わらず、帝位に即いたら
死ぬか皇帝として生き続けるかしかなかったカンジで。
特に軍人皇帝時代ってそういうイメージが強いなあ。よく知らないですけど。

47カイザー:2002/07/02(火) 01:24
そうかあ、盲目や鼻ナシが皇帝位の資格喪失につながるという考え方はキリスト
教の影響なんでしょうね。納得です。
どっかのローマ関係の本とかにもそういうこと書いてるか探しておきますね。

ディオクレティアヌス以前では、ウィテリウスやアレクサンデル・セヴェルスが
命乞いと引き替えに退位を望みましたが、両名ともあっさりと殺されておりま
す。・・・合掌。

48マッティアス:2002/07/02(火) 11:33
退位を望んだけれど、不可能だと知ったネロも一応その仲間ですかね。
それにしても、ネロは実は生きてたんですぅ、とか言う偽者が30年後の
ドミティアヌス時代にまで出てくるし、何だかんだで人気有りましたよね。

コンモドゥスは(自称哲人皇帝の隠し子)セプティミウス・セウェルスによって
名誉回復されたし、エラガバルスはカラカラの子だという触れ込みだったし、
暴君というか愚帝といわれた人でも、死後政治的な意味で利用されてますよね。
だったら、ティトゥスかドミティアヌスの子とかいうヤツが出てきてもいいのに、
とか思うのですが、やはりトラヤヌスが名君だったから、そういうことも
起きなかったのでしょうかね。
それとも、前期帝政時代には、もうちょっと皇帝権に何がしかの神聖さがあって、
神君アウグストゥスの血を引くネロはともかく、隠し子ごときにそれを主張する
資格はなかったからでしょうか?
不勉強丸出しの発言ですみません(T-T)。

49カイザー:2002/07/03(水) 00:25
五賢帝時代みたいに形式を踏んで帝位継承がなされてる時には、わざわざ誰も
信じないような血縁をでっち上げるのは意味がないでしょうね。
ただ、セヴェルスやエラガバルスの様に帝位を簒奪した時には、デタラメでも
血縁という形式を必要としたということでしょう。

ガルバやウェスパシアヌスの場合は(ちょっと空想が入ってますが)同じ簒奪
でも、事前に元老院への根回しが完了しており、血縁をでっち上げるなどとい
うリスクの大きいバクチをする必要がなかったのではと思います。
ウィテリウスなんかは、ゲルマニクス辺りの血縁関係をでっちあげれば、それ
なりの宣伝効果はあったかもしれませんね。

そもそも、セヴェルスやエラガバルスの血縁でっち上げが政治的に有効だった
かどうかは、判断に迷うところなんですけどね(笑)。

フラウィウス朝やユリウス朝の皇帝達の子孫を自称する人物がいなかったのは、
コンモドゥスの死後の内乱の頃には、昔の王朝の血縁を主張するより、アント
ニヌス朝の血縁を主張した方がリアリティがあったからではないかと思います。
偉大なるアウグストゥスの末裔を自称しするより、キ○ガイでもこの間の皇帝
の実の子ということの方が重みがあるということでしょうか。

50マッティアス:2002/07/03(水) 00:49
昔の皇帝の血縁じゃしょうがない、ってあたり、ローマ人てシビアですね。
そんなこと言われてしまったら、三国志の劉備とか、超!立場ナシ(笑)。
カラカラもどうしようもないですけど、カラカラなら軍隊の支持があったから、
エラガバルスがそういう宣伝をしたのは効果あったんじゃないですか?

五賢帝といえば、あんまり興味が持ちづらいというか、とっつきにくいのが哲人
皇帝なんですけど。塩野さんも去年逃げたし(笑)。
なんか突っ込みどころ、ありませんか? 私のイメージは未だに大秦国王安敦の
ままです。(グラディエーターのあれは無かった事に)

51カイザー:2002/07/03(水) 22:45
マルクス・アウレリウスかあ。
私もそんなに印象深い皇帝ではないですね。

ハドリアヌスのお気に入りで、若い頃から有能さを示していたらしいですね。
美少年キラーのハドリアヌスのお眼鏡にかなったということはなかなかのハン
サムさんだったんだと思います。
共治帝のルキウス・ウェルスやコンモドゥスはお飾りの皇帝で、実質的にはマ
ルクス・アウレリウスの単独統治と言っても差し支えないでしょう。
政治家としての才能はともかく性格的には理想主義者の傾向があるんで、ティ
ベリウスやドミティアヌスみたいに、蛮族との戦争に明け暮れざるを得ない現
実とのギャップには相当苦しんだことと思います。
それでも現実に立ち向かい、前線に向かい続けた辺りは彼らと哲人皇帝の差で
はないかと思います。

惜しむらくは、ローマ史上最悪の暗君(と私は評価してます)である息子コン
モドゥスの存在。ルキウス・ウェルスが生き残って、彼の単独統治になってた
方が遙かにマシだと思います。

52マッティアス:2002/07/03(水) 23:49
若い頃の哲人皇帝像は、整ってるんだけど、すっごいクラそう、と思った気が。
奥さんのファウスティナ、不貞で評判悪いけど、美人ですよね。
コンモドゥスはイケメンで性格ド最低な感じですが、やっぱり母親似?
↑映画グラディではとっても中途半端に小者な悪役で(俳優は巧かったのに)、
どっちかというとネロっぽいなあ、と。

ルキウス・ウェルスは共治帝と比べられてしまうため、とっても凡人で無能っぽい
扱いですけど、悪い人ではなさそうだし、マトモっぽいですよね。
あの難局にあっては、彼でもどうにもならなそうですが、コンモドゥスよりかは
やっぱりマシですかね。
コンモドゥスの姉ルキッラも使えない度では弟とそう、変らない気もしますので、
マルクス・アウレリウスの子供達って、揃いも揃ってロクデナシ?
なんか、可哀想になってきました。

>それでも現実に立ち向かい、
こういう、いざって時の精神力は、ストア派哲学の賜物なんでしょうかね?
ユリアヌスが尊敬しただけのことはあるのですね(^-^)。

53カイザー:2002/07/06(土) 01:05
ローマ皇帝って、父子継承の例が少ないんですよね。

 マルクス・アウレリウス→コンモドゥス
 セプティミウス・セヴェルス→カラカラ&ゲタ
 テオドシウス1世→アルカディウス&ホノリウス

この辺は、偉大な父親の業績を台無しにしたドラ息子達ですね。
コンモドゥスもろくでなし皇帝の筆頭ですが、それに匹敵するぐらい酷いの
がテオドシウスの次子のホノリウス。これ以上はないという最高に有能な忠
臣スティリコを最悪のタイミングで粛正してしまって、西ゴート王アラリッ
クのローマ市占領事件を引き起こしてます。

54マッティアス:2002/07/06(土) 11:25
スティリコの件は、何となく覚えています。モンタネッリとクリス・スカーくらい
しか読んでないですけど。忠臣殺して国滅ぶパターンの典型だなあ、と。
父子継承といえば、コンスタンティヌスも子供達に継承させてたんでしたね。
コンスタンティウスは猜疑心が必要以上に強いだけで、さして無能なわけでもない
ですが。(でも『背教者ユリアヌス』とか、すっごいコワかったです)

大帝とか言われる人の後って、なかなか名君が続きませんよね。偉大すぎる前帝と
比べられてしまうせいもあるのでしょうが。
五賢帝時代について、優れた人物を養子に迎えた〜、とかいう伝説ができてしまう
のも、わからないではないです。同時代には評価の悪いハドリアヌスもいるけど。

そういえば、ホノリウスはカイザーさんのお気に入りでしたよね。
フォローでも、ダメ×2ゆえの人間臭さについてでも、ゼヒ熱く語ってください!

55カイザー:2002/07/06(土) 13:22
コンスタンティヌス1世の場合、彼自身が父帝コンスタンティウス1世の息子と
して、配下の軍隊に擁立されてるんで、コンスタンティヌス2世、コンスタンテ
ィウス2世、コンスタンス1世の3兄弟が3代目ですね。そういえば、父→子→
孫と順調に帝位継承がなされたのは、これが初めてですね。
「背教者ユリアヌス」読んでみたいなとは思ってるんですが、本屋さんで売って
るのを見たことがありません。古本屋でも探さないとダメなんでしょうか?
コンスタンティウス2世は皇族の大量粛正が悪名高いんですが、コンスタンティ
ヌス1世が自身の死後は帝国を5分割しようとしていたことの、反動という見方
も可能かと思います。
結果的にコンスタンティウス2世自身が紆余曲折を経て単独皇帝になってるのは
やっぱり、評価してもいいんじゃないかと。まあ、皇族粛正は諸刃の剣で、コン
スタンティヌス朝の寿命を縮めてしまったのは、否めない事実です。

56カイザー:2002/07/06(土) 20:42
ホノリウスいいですねえ。
スティリコを殺しちゃったり、ローマが占領されてもほったらかしだし、ガリア
やイスパニアの僭帝達の簒奪が成功しなかったのが奇跡としか思えないラッキー
マンです。

ギボンには
「彼の治世28年、多事なりしその歴史の中に、この皇帝の名をあげる必要はほ
とんどない」
と切り捨てられてます。しかも、性的不能者の烙印を押されており、おそらくは
ベッドを共にした女性は居ないだろうと言われています。

異母妹のガッラ・プラキディアと近親相姦の関係にあったとの学説(ウソ)もあ
るんで、軟弱な美少年ホノリウスと蛮族に連れ去られた悲劇のプリンセス、プラ
キディアとの許されない恋、という感じで少女マンガの題材としても悪くないか
と(笑)。
ホノリウスはイ○ポじゃなく、プラトニックラブなんです!!

57マッティアス:2002/07/06(土) 22:12
近親相姦ネタは少女漫画的で萌えです(笑)。里中真智子あたりが得意ですよね。
腹違いなんて、全然アリ♪プラトニックじゃなくても好きかもです(ヤバイってば)。
個人的にはドミティアヌスと姪のフラウィア・ユリアがツボ(そればっかり)。

しかし、ベッドをともにした女がいないからって不能扱いはどうよ?ってカンジ。
ゲイだったかもしれないじゃん、とかバカなこと言うてみたり。
ホノリウスもアルカディウスも、神経細そうな顔立ちしてますよね。そこそこ美形
だし。

『背教者ユリアヌス』、一時期絶版になっていましたが、新潮だか文春だかから、
ちゃんと復刊になってましたよ。まだ買っていませんけど。
結構一気に読めちゃう系。辻邦生さん、文章が上品すぎるきらいはあるけど。
昔、同人誌作ろうかと血迷いましたが、そういう系の話じゃないんですよね。

58カイザー:2002/07/07(日) 00:20
ガッラ・プラキディアの経歴は凄いですよ。
ややこしいんで箇条書きでしかかきませんが、

 ・ローマ占領事件で西ゴート族の捕虜となる
 ・西ゴート王アタウルフとナルボンヌで結婚
 ・アタウルフの死後ローマへ帰国
 ・コンスタンティウス3世と結婚して、ヴァレンティニアヌス3世を産む
 ・コンスタンティウスの死後、ホノリウスとの確執からコンスタンティノ
  ープルへ亡命
 ・ホノリウスの死後、テオドシウス2世の援軍と共に帰国し、息子ヴァレ
  ンティニアヌス3世を擁立
 ・アエティウスやボニファティウスとの政争を繰り広げながらも権力を維
  持して死後聖人として祀られる
という具合のドラマティックな人生を歩んでおられます。
テオドシウス朝は軟弱な男性よりも、猛女プラキディア、プルケリアといった女性
達の方が、気合入ってますよ。
ガイセリックに救援を求めて、夫ヴァレンティニアヌス3世の仇を討って、ついで
に西ローマ帝国の滅亡にリーチをかけたエウドクシアもテオドシウスの家系です。

59マッティアス:2002/07/07(日) 21:39
へ〜、プラキディア、格好いいですね。小アグリッピナ以来の猛女キャラかも。
なんか、ニーベルングの指輪を思い出しました。全然違うかも知れないけど。
ニーベルングのエッツェル並にカッコいい王様がいれば、文句なしですね。
星野之宣さんあたりに漫画化してもらったら面白そうかも。(ってそれじゃ
『妖女伝説』じゃん。またクレオパトラの転生か?)
あ、でも列聖されるってすごいなあ、信心深い人だったのかしら。

ちなみに、プルケリアはどういう人なんですか?

60カイザー:2002/07/07(日) 23:32
プルケリアは東の皇帝アルカディウスの娘でテオドシウス2世の姉です。
軟弱なテオドシウス2世を補佐して50年に渡る彼の治世に影響力を行使し続け
ます。テオドシウス2世の死後は、アウグスタ(女帝)として軍人マルキアヌス
と結婚することで彼に帝位を授けます。
熱心なキリスト教正統派信者でネストリウス派などの異端を積極的に迫害。彼女
も死後聖人に列せられてたはずです。マルキアヌスとの結婚は形式的なもので、
おそらくはベッドを共にした男性はいないと思われます。

ちなみに、ヴァレンティニアヌス3世の姉のホノリアはアッティラに恋心を募ら
せ(何故?)、ホノリアの恋文を読んだアッティラがガリアとイタリアに攻め込
んだことになってます。

61マッティアス:2002/07/08(月) 22:32
アッティラ、結構格好良かったのでしょうかね?ニーベルングでもイイ男だったし。
でも、蛮族に国に攻め入らせるようなラブレタアってどないやねん?

プルケリア、異端派を積極的に迫害して列聖か。キリスト教徒らしいですね。
しかし、50年以上も皇帝に影響って、リウィアを超えてますよ。すごい。
あ、マルキヌスと結婚するまで、未婚だったんですか。何故?
軟弱すぎる弟が心配だったのでしょうか?それともシスコンの弟に結婚させて
もらえなかったのでしょうか?

62カイザー:2002/07/09(火) 00:44
プルケリアが未婚だったのは、敬虔なキリスト教の信者としてというだけの理
由だったと思います。テオドシウス2世の皇后エウドキアを虐めてた(なかな
かアウグスタの称号を認めなかった)らしいんで、どっちかというとプルケリ
アがブラコンかもしれませんね(笑)。

ちなみに、このテオドシウス2世とエウドキアの娘がヴァレンティニアヌス3
世の皇后でガイセリックのローマ占領のきっかけを作ることになるエウドクシ
アです。

63マッティアス:2002/07/09(火) 21:47
プルケリアのエウドキア苛め、なんとなくわからなくはないですが。
皇帝の血を引き、かつご降嫁されてない自分を差し置いて、嫁ふぜいにアウグスタ
なんて名乗らせたくない、っていう、ブラコンてよりは自分の血筋に対する優越感
じゃないですかね。名家の姫君にありがちっていうか。
敬虔な信者として独身を守った、けど、弟が死んだら新たな皇帝に正統性を与える
ために、アウグスタとして配偶者を持つ、というのも、それと一致するかな、と。
そのへんの歴史しらないくせに、適当な推測しますね、我ながら。
ヴァレンティニアヌス3世がエウドクシアと結婚したのも、権威付けのためでしょ
うか?それとも、もともと遠縁とかの人だったのですか?

そういえば、キリスト教(カトリックだけかな?)の関連でよく問題になる、近親婚
の思想はどの辺りの時代から出てくるのでしょう?
中世はこれがかなり有効な、離婚や他の国(や教皇)からの横槍の理由にされますが。
前期帝政では、少なくともいとこ同士は全然アリなわけでしょう。
叔父と姪は、1回しか認められてませんが。(そういえば、ドミティアヌスは何故
これを利用しなかったんだろう?過去の元老院議決を採用しても良かったのに)

64カイザー:2002/07/09(火) 23:47
女の子って怖いんですね・・・・。
プルケリアって更年期障害が酷そうです。(偏見)

ヴァレンティニアヌス3世はテオドシウス1世の孫でエウドクシアは曾孫にな
ります。ヴァレンティニアヌス3世の即位の経緯がテオドシウス2世配下のア
スパル率いる援軍によって擁立されてるんで、単純に東西両帝国の政略結婚と
見ていいと思います。
ヴァレンティニアヌス3世とエウドクシアの間には娘が2人いたらしいのです
が、ヴァンダル族のローマ占領事件の時にアフリカへ連れ去られています。
エウドクシアと次女プラキディアは後にコンスタンティノポリスへ帰国し、プ
ラィディアはコンスタンティノポリス元老院議員で後の西ローマ皇帝のオリュ
ブリウスに嫁いでいます。
長女エウドキアはガイセリックの息子で次期ヴァンダル王フネリックの妻とな
り、死の直前にエルサレムへ巡礼し現地で亡くなっています。
ちなみに、死ぬほど名前がややこしく見えるかもしれませんが、それは気のせ
いです。

西欧世界はそんなに近親婚がタブー視されてたんでしょうか?私はあんまり印
象にないんですが、ローマやエジプトは全然大丈夫だったわけですから、古ゲ
ルマンやケルトもしくはユダヤ、キリスト教の影響なんでしょうね。
アグリッピナって余程可愛かったんでしょうね。オッサンのクラウディウスが
悩殺されてトチ狂うぐらいですもんね。

65マッティアス:2002/07/10(水) 11:54
大概、権力の中枢にいる女は怖いです。一般人でも怖い人は多いし(T-T)。
名前のややこしさは、西洋史ではよくあることなので、ちゃんと覚えてない事も
ありますが、気にしません。
ヴァレンティニアヌス3世皇女エウドキア、ヴァンダル王子に嫁いだのですか。
フネリック、格好良かったのかしら? ガリア系、ゲルマン系は容姿はよさそう。
エルサレム巡礼中に亡くなったということは、フネリックもキリスト教徒だったの
でしょうか。ゲルマン人って、その頃正統派信仰を持っていたのですか?

ネロの母アグリッピナは、像を見る限り(たまにポッパエア像と混同されてる)は、
見た目は可愛らしくてコケティッシュ。母親のが美人かもしれませんが、あちらは
キツそうで、ティベリウスが苦手だったのがよくわかります。
大アグリッピナは女の子にカッコイイといわれそうなカンジで、小アグリッピナは
異性にモテるけど、同性には嫌われそうなタイプかも。
クラウディウスと結婚した頃、彼女は30代前半ですから、大人の色香と生来の
美貌、そして過酷な前半生で身に付けたテクニックをもって、叔父をタラし込んだ
のでしょう。ついでにパッラスも(笑)。

66マッティアス:2002/07/10(水) 12:09
ついでに、近親婚について。あまり詳しく研究したわけではないのですが。
仏王ルイ7世とアリエノール・ダキテーヌが離婚したとき、理由とされたのがこの
近親婚でした。二人の間に生れていた王女達は教会が正統と認可しています。
しかし、アリエノールの再婚相手英王ヘンリー2世は、ルイより血縁関係が近く、
案の定、ルイからクレームがついています。
ちなみに、7親等以内が近親婚の範疇だったようですが、王家同士の政略結婚を
繰り返すには、そんなことも言っていられません。あくまでタテマエでしょう。
離婚したい時、他国に攻撃する時に用いられた手段のようです。
でも、せいぜい又従兄弟くらいは離れてないとマズかったみたいですね。

エジプトの近親婚は、他と比べても特殊かなあ、と思いますが。
ローマではいとこ同士の結婚が慣習的に認められたのが共和政後期くらいで、叔父
と姪はあの場合の例外的措置で、その後も続けられた形跡はないっぽいですね。
日本でも古代は、(特に王族)異母兄弟との結婚や叔父叔母はアリでも、同腹は不可
でしょう。藤原氏の姻戚政策も帝には叔母になる人を嫁がす程度で。
王家の純血を保つ為、とはいえ、エジプトは同腹はおろか、娘や孫との結婚もアリ
ですからね。かなり特殊かな、と。

67カイザー:2002/07/10(水) 22:33
ヴァンダルも西ゴートもフランクも、この頃はみんなアリウス派ですね。
エウドキアがエルサレムに巡礼(これ、実際は脱出という言い方が正解ですね)
して客死したのも、自身の正統派信仰を守る為らしいです。

アグリッピナの母娘はタイプが反対ですね。
でも、母は強しという点では似たもの親子です。ネロはどうしようもないバカタ
レでしたが。せめて、初期治世の偽善性だけでも保ってれば・・・。

エジプトの近親婚って本当になんでもOKですよね。
昔、則天武后が太宗の側室だったにもかかわらず、太宗の死後に高宗の側室とし
て再び召し上げられたという話に、衝撃を受けたことがありますが、そんなの世
界史的にみれば全然ノープロブレムですもんねえ。

68マッティアス:2002/07/11(木) 20:50
そういえば、楊貴妃は則天武后の逆で、皇太子の妃になるはずが父親の玄宗が
横取りしたんでしたっけ。そういう話多いなあ。父子って女の好み似るのかしら?
アラビアン・ナイトの一番長い話でも、息子の大切な女を無理やり寝取った挙句、
さっさと飽きてしまった王が出てきたっけ。女の方は王の子を産んですぐ自害。
酷いなあ。男の人の残酷さは、女の怖さと種類が違うね(笑)!

話をローマに戻しましょう。
知ってます? ネロって意外と女性受けいいんですよ。可愛いとか憎めないとか
言って。私の場合は、甘ったれで空想癖のあるところが他人事とは思えず、親近感
わいちゃってるだけですけど。
親しい人には多分、おばかだけど放っておけない可愛げみたいのがあったのでは
ないかな〜と。オトとデキてたって話もあながち嘘ではなさそう。
でも、マトモな感覚を持った成人男子(特に体育会系)にはゼッタイ理解不能。
トラヤヌスがこの人に仕えなければならなかったとしたら、多分途中で失脚したと
思います。よかったね、ドミティアヌスが主君で。

69カイザー:2002/07/11(木) 21:51
マッティアスさん、ネロ帝お気に入りですね♪
実際にローマの民衆や属州での人気は抜群だったみたいだから、分からなくも
ないですね。ギリシアかぶれとかも、別に目くじらを立てるようなことはない
でしょう。

ネロの欠点は政治的なバランス感覚の欠如に集約されると思います。
ブリタニクスは仕方がないにしても、オクタヴィアをポッパエアと結婚する為
に殺したり、アグリッピナやセネカといった、本当の意味での同胞を殺してし
まってどうするのかと。アグリッピナが生きていれば、コルブロの処刑といっ
た百害あって一理なしの無謀な行動は出来なかったに違いないです。

それにしても、クラウディウスのおっさんは、ブリタニクスに軍隊経験を積ま
せたりしなかったんでしょうか。というか、ブリタニクスがいるのに、ネロを
後継者に指名するとはどういうこと?

70マッティアス:2002/07/11(木) 22:14
ブリタンニクスは、おっさんが軍事や政治の経験を積ませてやるには幼すぎたの
でしょう。ネロより4歳下っていうと、おっさんが死んだ時13とかでしょう。
ローマでは一般市民が17、名家の坊やが15くらいが成人の目安で、ネロの14
というのは例外的に早かったわけで。
(っていうか、帝位についた時18になってた次男に軍事経験を積ませなかった皇帝
もいるくらいだから←私怨)
後継者にネロを指名したのは、アグリッピナとパッラスのゴリ押しがあったから?
メッサリナがまさに罪を犯して死んだ女なので、それが産んだ子だっていうのも、
ブリタンニクスにはマイナスだったし。何といってもアグリッピナはゲルマニクス
の娘ですからね。ネロはその孫っていうわけで、人気もあったし。
おっさん、人の意見に左右され易いからねえ。自分の意見を通せないんですよ(泣)。

ネロは、皇帝の器じゃないってことくらい、得意技がひいきの引き倒し(爆)な私でも
充分承知です。時々、センスの良さも見せるんですけどね。
オクタウィアは可哀想。安彦さんの漫画じゃないけど「クラウディウスの娘になんか
望んで生まれたわけではないのに」ってところでしょうか。
ネロは生娘やロリータは好まず、年上の悪女やマッチョ男に支配されるのと、美少年
を支配するのが好きみたいですからねえ。う〜ん…ヘンな趣味。

アウグスティアーニの仕込まれた拍手の仕方、とかってジャ○ーズの歌番組公録の
参加者が事務所に振り付けを覚えさせられるのに似ているなあ、と思います。
私自身は参加した事はないのですが、事務所にFC入会手続きに行った友人から
話を聞いてそう思いました。コンサも振りに決まりごとがあるし。
アイドル・ネロ。すっごいなあ。歌が下手でもミリオンってカンジ?

71カイザー:2002/07/11(木) 22:43
おっさんの評価ガタ落ち(笑)。
そうか、ブリタニクスってまだまだお子様だったんですね。幼少時にブリタニ
クスのお友達だったティトゥスは、ちょうどネロとブリタニクスの間ぐらいの
年ですね。

全然まともな根拠はないんですが、メッサリナの重婚事件による失脚ってアグ
リッピナの陰謀だったりして。クーデターにしては無謀すぎるし、メッサリナ
はもうちょっと、キレル女性のイメージです。
夫クラウディウスへの弁明の機会もなく処刑されてる辺り、空想の余地があり
ますね。

72マッティアス:2002/07/12(金) 09:55
一応言っておきますが、私はおっさん嫌いじゃないですよ。ユリ・クラ朝の中じゃ
いちばんマトモだと評価してます。
メッサリナにはキレルってイメージ全然無かったなあ。それに彼女を断固処刑に
踏み切ったナルキッススは、アグリッピナと仲良くないし。他の女を後妻に奨めて
いましたしね。ナルキッススはおっさんにワリと忠実。私腹は肥やしたけど。
でも、アグリッピナ陰謀説、小説とかで書いたら面白そうじゃないですか?

ネロとオト(もしかしたらネルウァも)vsブリタンニクスとティトゥスのビミョーな
対立関係とかも、気になるテーマ。
おっさん存命時の少年期とか、ご学友同士派閥作ってモメてそうだと微笑ましく(爆)
想像してます。

73カイザー:2002/07/13(土) 01:46
クラウディウスは別に私も嫌いじゃないです。
メッサリナはやっぱりダメですか?重婚事件はあまりにもお粗末ですもんね。
則天武后とは言わないまでも韋后程度の実力はあるかと思ったんですが、考え
たらずでした。悪意のあるマリ・アントワネットみたいなイメージが正解かも
しれません。
それにしても、女の人にだらしないというおっさんの悪癖の及ぼした影響は大
きすぎますよね。

オトのルシタニア総督就任はネロのごり押しで決定したみたいなんですが、妻
のポッパエアを差し出したオトへのご褒美と見るか、ポッパエアを奪われて不
満を持つオトを遠ざけたと見るかで全然違っちゃいますよね。
ネルヴァなんか、元々はネロとお友達のヤンキーなのかも?

74マッティアス:2002/07/13(土) 12:41
ネルウァ、ヤンキーではないと思うけど、ひどい人だったと思います。
見た目は生徒会長タイプ、性格はちょっぴりエピキュリアンという、ろくでなし。
ぼんぼんくさいペトロニウスくらいのものかなあ、と想像しています。
ネロに「当代のティブッルス(前1Cの恋愛詩人)」と言われたと知り、ヤバイん
じゃないかと思いました。
周りから見てイヤったらしくない程度に、ネロにおもねっていたんでしょうね。

メッサリナの「悪意のあるアントワネット」気に入りました。ステキ。
メッサリナって、美人説と不美人説があるのですが、どっちなんでしょう。
像を見る限り、アグリッピナのがずっと美人だし、ポッパエア母も当時一番の美人
だったというから、少なくとも彼女よりキレイな女性は結構いたのかな、と。

75カイザー:2002/07/13(土) 21:47
ネルヴァって、五賢帝に数えられてるという理由だけで教科書にのってますよ
ね。ネルヴァのそういう腹黒い所、私的には結構ポイント高いです。
・・・お友達には居て欲しくありませんが。

マリ・アントワネットが好きだという人は大体女性だと思うんですが、私には
容姿以外のマリー様の美点が思いつきません。死の瞬間の潔さは、ちょっとだ
けかっこいですけど。お母様のマリア・テレジアの心労が偲ばれます。
私は、まだルイ16世の方が好ましく思えますね。

76マッティアス:2002/07/14(日) 21:46
アントワネット様というと、「パンが無いならお菓子を食べたらいいじゃない!」
という名言が心に響きます(笑)。ていうかそれしかイメージないです。
某古典的名作少女漫画でも、ちっとも同情も感情移入もできませんでした。
ルイは16世の鍵オタクっぷりが微笑ましいですよね。
あと個人的にはマリア・テレジアよりエカテリーナ2世のが好きですね。格好いい。

ネルウァ、教科書載る価値あるのか?好きですけど、それとこれとは。
だったらティベリウスとかウェスパシアヌスとかのが重要じゃないのでしょうか
と、疑問に思う事もあります。
友だちはイヤでも、ネルウァのお稚児さんにだったらなってもいいなと思います。
お金持ちでハンサムでインテリでグルメだから。
あの人オンナに興味なさそうだから、妻とか愛人にはなれなそうですしね(笑)。

77カイザー:2002/07/14(日) 23:12
そもそも、教科書に無駄に皇帝の名前を羅列する意味はないと思いますね。
まだ、中国史みたいに
前漢・・・高祖(初代)、景帝(呉楚七国の乱)、武帝(最盛期)
後漢・・・光武帝(初代)、献帝(最後)
ぐらいでも、いいんじゃないかと思います。

これをローマに当てはめれば
アウグストゥス(初代)
トラヤヌス(最盛期)
ディオクレティアヌス(キリスト教最後の迫害、四分統治)
コンスタンティヌス1世(キリスト教公認、コンスタンティノープル遷都)
テオドシウス1世(最後の統一帝、キリスト教国教化)

といった辺りの皇帝名を教えて、周辺国家との関わりとか、ローマの軍制とかを
学ぶ方がいいと思います。どうせ、限られた時間じゃローマ史の粗筋も教えられ
そうにないですからねえ。
マッティアスさんの専門のイスラム史なんて、流しまくってますもんね。そっち
に、もっと時間を割いてもいいと思います。

エカチェリーナ2世は愛人を取っ替え引っ替えしまくった、女の子の憧れという
偏見に満ちたイメージしかありません。若い頃はたいそう美人だったそうですが、
おばあちゃんになっても、若い愛人を求め続けたんですよね。

78マッティアス:2002/07/14(日) 23:27
すごい!それくらい簡略化されてたら、人名で苦しむ必要ないですよね。
でも、イスラムも特にオスマントルコは、末期になるともう、よくわかりません。
アブデュル・メジト何世だアブデュル・ハミド何世だ言われると、頭弱いので(爆)、
とっても困ります。
エカテリーナはベルばらの池田理代子先生が描いたヤツ(原作はトロワイヤだけど)
があまりに面白かったので、ちょっと興味があっただけです。
実は女帝にはあんまり興味が…(←フェミニストから抗議がきそう)。
ミーハーにフリードリヒ大王が好きだと言ったら軽蔑されます?

トラヤヌスって、そういえば女性にはあまり人気ないのですが何故でしょうか?
私はプロティナやハドリアヌスにはなりたくないけど、嫌いじゃないです。
男性にはどう評価されているのでしょう?名君、とかいうことではなく。

79カイザー:2002/07/15(月) 00:30
「オスマン帝国衰亡史」という第二次ウィーン包囲の頃からのオスマン帝国の
衰退について、書かれた分厚い本を読んだことはあるんですが、内容は完全に
頭の中から失われてます。
イスラム関係はローマにも直接関わってくるんで、勉強しようとは思うんです
が、さっぱり頭に残りません。ウマイヤ朝とアッバース朝の概略ぐらいは思い
浮かべれるようになりたいもんです。

マリア・テレジアより、フリードリヒ2世がお気に入りという方は珍しいです
ね。フリードリヒの強引さが格好よく見えるんでしょうか?
確かロシア皇帝(エカチェリーナの旦那さんでしたっけ?)がフリードリヒマ
ニアだったんですよね。

トラヤヌスは、あんまり好きとか嫌いとか考えたことないですね。トラヤヌス
のハドリアヌスへの評価というのも、今ひとつハッキリしないですね。シリア
の総督になってる訳だから、帝位継承者の候補その1ぐらいの立場にはあった
んでしょうね。
トラヤヌスはそつがなさ過ぎますよね。理想の政治家ですが。

80マッティアス:2002/07/15(月) 11:37
おっしゃるとおり、フリードリヒマニアはエカテリーナの旦那です。
フリードリヒは実はカストラート(去勢歌手)好きで、国内に音楽院作ったとか。
バロックの、装飾音は歌手の自由裁量という伝統を無視して、楽譜に細かく
書き込んでその通りに歌わせた、という意外なバカっぷりが戦争上手、哲学好き
のイメージとギャップがあって面白いなと思ったんですよ。センスないけどね。

カイザーさん、やっぱり私よりちゃんと勉強していますね。
卒論に関係ない部分って、かなり真っ白などうしようもないワタクシ(爆)。
オスマン朝は軍楽隊とか、メフメト2世(ちょっと信長っぽいかも)がカッコイイ
とかしかイメージないし。ケマル・アタテュルクも好きです。

トラヤヌスって、隙がなさすぎるんですよね。ネロと正反対。
今でいえば上司にしたい人ナンバーワンかな?アニキ系でしょう。
ただ、あれと結婚生活を送らなければならなかったプロティナを思うと哀れで
なりません。友人とも言ってましたが、怖いです、何となく。
ハドリアヌスのことはある程度有能さは認めても、絶望的なまでの性格の不一致
があるので、嫌いだったんじゃないですかね。お互い。

81カイザー:2002/07/15(月) 23:59
プロティナとトラヤヌスも性格不一致なんでしょうかね?
軍隊大好きな超兄貴は彼氏としては、あんまり宜しくないのかもしれませんね。
ハドリアヌスの擁立といい、カシウスの反乱についての噂といい、トラヤヌスの
失脚をプロティナが望んでいたかのような、逸話は確かに目立ちますよね。

私の世界史の知識は偏ってるんで、時代や場所によっては、教科書程度のことも
覚えてなかったりします。中高時代は三国志にハマリまくってたんで、中国史は
歴史小説の粗筋レベルなら覚えています。

82マッティアス:2002/07/16(火) 12:56
で、あるか(笑)。(←大河は見てませんけど。)
三国志もいいですよね。ちなみに、人形劇(再)でハマったクチですか?それとも、
光栄のシリーズでしょうか?私の高校時代の友人は横山光輝アニメ派多数です。
私は吉川英治の曹操が好きでした。横山光輝もですね。
私の偏りも大変激しいですよ。数字覚えるの苦手ですしね。

それにしても、晩年のトラヤヌスといいユリアヌスといい、クラッススや
アントニウスといい、ローマ人はパルティア征服をよほど願望していたの
でしょうね。大概、途中まではうまく行くけど成功してないし。
トラヤヌスは皇帝というより、生涯一軍人というイメージがありますね。
戦争オタクとかいうといろいろ語弊があるのでしょうが。プロティナも相手が
皇帝でなく、一元老院議員だったら気楽に離婚できたのに。

83カイザー:2002/07/16(火) 20:38
三国志との出会いは、今は亡きMSX版の光栄のゲームを友人宅でプレイした
のが始まりです。それから、吉川英治の小説、横山光輝のマンガ、柴田連三郎、
陳瞬臣、NHKの人形劇、アニメ版といった感じの順番で楽しんでました。
その間に、母親が購入したPC9801をゲーム専用機として、三国志Ⅱ以降
の作品は最近までプレイしてました。さすがに、ゲーム版は飽きちゃいました
が(笑)。最近は、蒼天航路を読んでるぐらいですね。

パルティアやササン朝への遠征は色んな皇帝がしてますよね。一番、派手なの
はヘラクレイオス1世の大遠征。ペルシアに壊滅的な打撃を与えたのは良かっ
たんですが、ローマのダメージも致命的で、中東はイスラム教のジ・ハードの
草刈り場になっちゃうんですよね。

84マッティアス:2002/07/16(火) 23:04
なんでしょう、東方世界の魅力ってヤツでしょうか?それとも巨万の富?
一体何がそこまでローマ人をしてペルシア地方に向かわせるのでしょうか?
汗血馬は中央アジアだしなあ。美女や美少年の宝庫だったとか(笑)。
中近東文化センターとかオリエント博物館というのが東京にはあるのですが、
あちらの陶器とか装飾品といった奢侈な物資はほんと、キレイですね。絨毯とか
織物も中近東って有名だし。ああいうの間近に見ると、これが軍事遠征の目的か
とさえ思ってしまいます。
ヨーロッパと産するものが違うからどうしても仕方ないんですけどね。
昔から東方との貿易は西方にとって高くついたのが、ヨーロッパのアジア侵略の
最たる理由なのではないかといっつも思うんですよね。
ああ、偏った教育の賜物(笑)。

85カイザー:2002/07/17(水) 23:00
クラッススやアントニウスの場合はポンペイウス達の東方遠征の成功の延長線上
にあるんじゃないかと思います。征服と現地での略奪目的でょうね。

そこから、アウグストゥスやティベリウスのやや消極的な東方政策が続き、アレ
クサンドロス大王に憧れたトラヤヌスの遠征という感じでしょうか?
マッティアスさんの仰るとおり、東方貿易の基地の確保という意味合いもあるか
もしれません。いずれにしろ、恒久的にメソポタミア以東の地をローマが所有し
ようとした意志は、ちょっと感じられないですね。

パルティアが滅亡してササン朝に代替わりしてからは、ペルシアが強大化してし
まって、仕方なしに討伐に行かざるを得ないという感じに思います。貢納をして
平和を維持するという、かつての栄光からは考えられない体たらくです。

86マッティアス:2002/07/18(木) 23:14
そういえば、相手はペルシアじゃなくてセルジューク朝だけど、捕虜になった
皇帝もいましたよね。耳に奴隷の印のピアスまでされて。
(マラズギルドの戦いの時のトルコの将軍がルーム朝を作るわけですが、その息子
がお気に入りだったりします。)
東ローマとかつてのローマを一緒に考えるわけには行きませんが。
そりゃあ、プライドも傷つくし、嫌いな西側にも協力を要請しますね。

東方に関しては、ローマもちょっと人種の違いというか、文化の違いに手を焼いて
いますよね。ユダヤでさえ大変ですもの、もっと扱いづらいペルシアやらアラブの
連中を、きちっと支配に入れる構想はなかったかもしれませんね。カイザーさんの
おっしゃるとおり。できれば、属国として大人しくして、ついでに物資の供給先
にはしたいくらいかな。

トラヤヌスって、アレクサンドロスに憧れていたんでしたっけ?
そういえば、途中でインドまでなんてとてもたどり着けない、とか言って急に
老衰しちゃったんでしたっけね。なんか、それまでの名君振りとのギャップが。

87カイザー:2002/07/19(金) 00:29
ヴァレリアヌスもササン朝の捕虜になってますね。
セルジュク朝の捕虜になったのはロマヌス4世ですね。折角、ローマと和睦を考
えていた、スルタンのアルスラーン(でしたっけ?)に、解放してもらったのに
身内の争いで殺されちゃった、悲惨な人ですね。

トラヤヌスがアレクサンドロスに憧れていたというのは、創作なのかもしれませ
んが、「余がもっと若ければアレクサンドロス大王のように、インドまで征服で
きるのに・・・」とかいう、セリフが言い伝えられてます。

88マッティアス:2002/07/19(金) 20:25
そうそう、それです。なんか、トラヤヌスらしくないなあ、って。
いや、勝手にもうちょっと堅実で夢とかロマンとかと無縁な人かと思って
いましたので。

ロマヌス4世を解放した後、セルジュク朝も身内争いが起こっているのが面白い
ですよね。その後、トルコ側にとってはローマ(ルーム)のことは結構どうでも
良くなった頃、十字軍が来てしまうワケで。
ビザンツ側の君主もイスラム側も、基本的には異教徒よりも自分たちの内部の
権力争いのが大切なんですよね、所詮。
そういうことやってるから、どっちもカトリック勢力に痛い目にあわされちゃう。

89カイザー:2002/07/19(金) 21:33
西欧のカトリック世界と東欧の正教会との力関係が逆転しつつある時期でもあり
ますね。それにしても、十字軍時代の西欧人の異教徒への寛容さの欠如は驚くべ
きです。イスラム教とか北海沿岸の多神教徒に対する、無用なまでの虐殺はキリ
スト教の恐ろしさを教えてくれます。

でも、ポーランドは神聖ローマ帝国やドイツ騎士団と対抗するために当時は異教
国だったリトアニアと連合国家を形成したり、ユダヤ教徒を保護したりと、キリ
スト教世界の中でも不思議な存在です。
ナチスドイツに他の占領国と比較しても尋常じゃないほど、ポーランド人が殺し
まくられてるのは、ドイツ侵攻に対する抵抗が激しかったとかいう以前に、宗教
的な憎悪が根本的にあったのかなと、思ってしまいます。

ローマと話がずれちゃったんで、軌道修正。
コンスタンティウス2世の永遠のライバルでユリアヌスをこの世から葬ったササ
ン朝のシャープール2世は、生まれる前から王位にあった変わり種の王様。王位
争いの関係で、取り決められたみたいですが、もし生まれてきたのが女の子だっ
たら、どうするつもりだったのかちょっと不思議。
ペルシアの女王って、聞いたことはないんですが、あり得るんでしょうか?女性の
スルタンはマムルーク朝でいましたよね。
これも、ローマじゃないですね(笑)。

90マッティアス:2002/07/20(土) 20:40
シャジル・アル・ドゥッルですね。マムルーク朝のスルタナ☆美女で悪女(決定)。
ローマとズレないようにと思いつつ、ついその辺りにはフラフラと(爆)。

ユリアヌスが日本で人気あるのは、ギボンの評価がいいからってよりもやはり、
辻邦生氏の名作のおかげでしょうね。小説は専門書より強し。
あれを読まなかったら、私もそんなに興味持たなかったかも?
ああ、でもキリスト教教育を受けた人間が、その狭い視野と思想に疑問を持ち、
豊かなギリシア・ローマの古典へ回帰しようというところには、やっぱり共感した
かも知れません。
あの本を読んだ後だと、つい純粋ゆえに無知蒙昧で排他的なナザレ人たちにも困った
ものだな、とか言ってみたくなります。←ば〜かば〜か☆
ていうか、私はきっといつか狂信的なまでに純粋なキリスト教徒に刺されるような
気がします。

91カイザー:2002/07/21(日) 00:00
そんな名前でしたね。良くマムルーク朝の歴史を知らなかった頃は(今でも全然
分かってませんが)、アイバクの妻としてスルタンに即位したかとおもってたん
ですが、実際にはアイバクがシャジャル・アル・ドゥルと結婚することによって
スルタン位を確保してるんですよね。

歴史小説が一般読者に及ぼす影響は本当に大きいですよね。吉川英治とか司馬遼
太郎といった大家の作品は本当に偉大です。でも、忘れてならないのは彼らもや
はり歴史資料を彼らなりに解釈して研究しているということ。
「背教者ユリアヌス」については私は未読ですが、おそらくギボンの「ローマ帝
国衰亡史」は参考にして書かれたんじゃないかと思います。

ユリアヌスの理性的な多神教復興政策は、私には成功の見込みは感じられません。
ディオクレティアヌスやガレリウスの行ったような、迫害を更に徹底して行うしか
なかったんでしょうが、手遅れもいいところ。五賢帝時代ぐらいにそれを行ってれ
ば多神教徒の生き残る道もあったかもしれません。

92マッティアス:2002/07/21(日) 14:08
まあ、成功の見込みはまず無いでしょうね。ただ、気持ちはわかるよってくらい。
トラヤヌスとかマルクス・アウレリウスは結構がんばってキリスト教を規制とか
弾圧とかしていたような気がしますが。実はドミティアヌスよりもきっちり(笑)。

歴史小説なら、専門的な知識や予備知識なしでも楽しめるから、読者層も広いです
よね。歴史スペクタクル映画とかも。
史料をきっちり読み込んだ上で、ちゃんとエンターテイメントに仕上げるプロの
力量はすごいです。ただ、歴史ファンというわけでもない読者は、作家の作為に
時折騙されますよね。やはり、多少は史料を操作しますもの。
そういうのでワリを食っているのがオクタウィアヌスですね。ネロは悪役でも
主役側でもそれなりにオイシイ設定なのに。

93カイザー:2002/07/21(日) 15:23
トラヤヌスも密告とか証拠なしのキリスト教迫害はダメみたいなきれい事をいわず
に、キ○ガイの汚名を着てでも殺戮の嵐を巻き起こせば、その頃なら勝利の芽はあ
ったかもしれません。そこまでする必要があるかどうかは横に置いときますが。

ネロの場合は、私なんかはストレートにギリシアかぶれのアホタレといいたいんで
すが、ドラマ的展開を求める為には、『ギリシア芸術をたしなむ美貌の少年皇帝で
ちょっと冷酷なところがチャーミング☆』、みたいな描き方をしないとダメなんで
しょう。

逆にオクタヴィアヌスの場合は、カエサルに焦点があてられて雑魚扱いだったり、
クレオパトラ側の視点で描かれてクソバカな侵略者という描かれ方が目立ちます。
中毒になるぐらい面白い歴史小説の主人公にオクタヴィアヌスが起用されないと
現状は変わりそうにないですね。

94マッティアス:2002/07/21(日) 20:58
オクタは美形悪役希望、とか言ったらダメですか?『追憶のクレオパトラ』とか
可愛いカオして、しかも話し方も美少年ぽいのにオニでステキでした。
敵役でもいいんですよ。美形で有能なら。下手に主役よりそのほうがいいかも。
ていうか、主人公にするには性格や行動が地味すぎる…。いっそアグリッパ視点で
歴史大河小説とかのが良いのでは。

ネロはモンテイエの『ネロポリス』に下巻から登場しますが、なかなかヘンで
面白かったですよ。主人公の継母で、かつてクラウディウスとアグリッピナに追従
するため叔父(主人公の父)と結婚した美女が、主人公によこしまな想いを寄せて
いると気付き、「余が懲らしめてやる」と連れて帰るシーンが最高。あとで継母が
語るには、彼女を自分がかつて殺した母親に見立てたかなり屈折したプレイをした
という、すっごくらしいキャラ設定。しかも美貌の主人公にも色目使うし。
私的にはすばらしくネロらしい、と感じました。繊細な変態さん具合が。

そういえば、トラヤヌスも有能で英雄扱いのわりに主人公で話描きづらそうな人
ですよね。ていうか、五賢帝はみんなそうかな。
ネロとかカリグラとかドミティアヌスとか、暴君のが話にしやすいような。

95カイザー:2002/07/21(日) 22:19
やっぱり、クレオパトラ&アントニウス陣営を正統化するには、オクタヴィアヌ
スを真っ当に評価しちゃダメでしょう。歴史に忠実であればあるほど、あの2人
のダメさ加減が際だっちゃいます。

マッティアスさんの仰るようにアグリッパを主人公にすれば、格好いい冷酷非情
のオクタヴィアヌス様にお目にかかれるかもしれません。「背教者ユリアヌス」
で商売がなりたつんなら、それもありかもしれませんね。(なりたってなかった
りして)

やっぱり、小説の主役としてはオクタヴィアヌスは向いてないのかもしれません
ね。歴史小説=戦争モノという図式が全てでないにしろ、派手な戦争シーンは全
部アグリッパにお任せじゃ、ドラマ的に見栄えがしないですもんね。

グラディエーターとかもそうですが、悪の皇帝は格好いいですよね。コンモドゥ
スなんかは題材にしやすいんでしょうね。

96マッティアス@漫画喫茶:2002/08/07(水) 13:08
じゃあ、ドミティアヌスを主役にぃ〜★ フラウィウス朝はマイナーですが。
ネロは主役かメインで大活躍で、ちょっぴりジェラってみてます。
カイザーさんは誤解なさっているようですが、私はもちろんネロも好きですが、
実はドミティアヌスのが愛してますよ(笑)。

>アグリッパ目線の歴史大河
オクタのマイナス面も、味方だからこそ見える良い面も描けますよね。
遠藤周作の『反逆』は、ほかの人の目から見た信長の冷酷さと魅力、みたいのが
すごくよく出ていて、信長ものとしては一番すきな作品。
そういうノリでオクタウィアヌスがみたいのです。
だから、主役はアグでなく、マエケナスでもアシニウス・ポリオでも、いっそ
オクタウィアでも良いのです。
ただ、まあアグリッパが一番前線でずっといっしょだったから。
クレオ&アントニウスも実はそんなに嫌いじゃないので、もっと悪の面をクローズ
アップしてくれたら素敵だと思います。

>グラディエーター
コンモドゥスは実際、もっと壊れたヒトでしたが、あれだと小者すぎ。
マイラブ☆ホアキン・フェニックスが好い演技をしていただけにもったいない。
もっとも、史実どおりだと、もっとマッチョ系じゃないとダメですけどね。

97カイザー:2002/08/07(水) 23:47
いえいえ、マッティアスさんの「ドミティアヌス様〜☆」的な愛情はひしひしと
伝わってますので、誤解はしていないと思いますよ。

「グラディエーター」は、はっきり言ってローマ史ファンに喧嘩を売ってる映画
ですよね。あれが歴史物として通じるなら、NHKの大河ドラマでも究極のリア
リズムの評価を与えれます。
「パールハーバー」なんかもそうですが、ハリウッドに歴史映画を作らせるとデ
タラメをやりすぎますよね。アメリカ人って歴史への敬意が全然ないんでしょう
か?というか、「パールハーバー」の方が全然マシだというのは、どういうこと
ですか!?
ローマを題材にさえしてなければ(せめて実在の皇帝を登場させなければ)、ケ
チをつけようとは思わないんですけどね。そうだったら、見に行ってないでしょ
うけど。

98マッティアス:2002/08/10(土) 20:16
「パールハーバー」は見ていないのでよくわかりませんが。
ハリウッドはエンターテイメント性というか、大掛かり〜なものが好きですからね。
制作費が高ければいいもの撮れるってモノじゃないぞ、といつも思います。
「グラディ」とかは某JN(漫画の方でも可)並に、その時代ファンには手痛い
作品に仕上がってますよね。

NHK大河は、時にフィクションでも、それを史実だと思ってしまう人が多そうで
怖いですね。私も興味ない時代は信じちゃいますもの。
ていうか、「その時歴史が動いた」とか、もうちょっと力入れてクォリティ高い
もの作れよ、国営放送!ってカンジ。

フィクションで、一部のファンに大!不評な宮尾登美子『クレオパトラ』は、
何年か前に舞台化しましたが、キャスティングを考えると見てみたかったかも。
平幹二郎のカエサルに赤坂晃のオクタウィアヌス…ちょっといいかも。

99カイザー:2002/08/11(日) 16:43
「その時歴史が動いた」は非道いのが多すぎますよね。
前番組の「ライバル日本史」といい、何で資料をごく普通に解釈しようとしないん
でしょうか?資料で確認できないことを述べるときは、それを予め視聴者に説明す
ればいいのに。
私を含めた素人の視聴者に仮説(を述べても一向に構わないんですよ)を通説かと
誤解させるかのような、放送の仕方には嫌悪感を感じます。
毎回ではないんですけどね。

宮尾登美子の作品は未読なんですが、そんなにダメなんですか?
逆にそう聞くと読んで見たくなって来ちゃいます。

100マッティアス:2002/08/11(日) 21:50
宮尾登美子は読んでいないのですが、オクタウィアヌスファンに不評ですね。
まだ、マーガレット・ジョージの『追憶のクレオパトラ』のがマシだと。
「追憶〜」は面白かったです。オクタの悪役っぷりが。可愛くオニっ子。
美形でこの性格かよ?ってカンジが大好きです。
アントニウスがちょっとイイ男すぎるきらいはありますが、ひそかにMyブームの
コルネリウス・ガルス(ウェルギリウスの親友で軍人、元詩人)がちゃんと
オイシイ(?)登場をしてくれるので、楽しかった。ナイス敵役!

仮説や独自の推論を述べるにあたっては、通説とは異なる旨、きちっと説明が
欲しいですよね。
国営放送ってやっぱり、どんなに駄目×2なものを作っても、一般的に影響力強い
ですからね。素人は誤解しますよ。
かつては「世界不思議発見」でさえ鵜呑みにしていた私のような人間には尚更です。
あ、あとスカパーのヒストリーチャンネルも。時々、三村風に「〜かよ?」って
ツッコミ入れたくなることが。訳のモンダイかなあ?
ネロがお忍びでやったことのなかに、万引きってあったんですけど(笑)。

101カイザー:2002/08/12(月) 01:30
何とかローマのページを更新しようと、ギボンを読み返してるんですが、速攻で
眠気が(笑)。ティベリウス2世がベタ誉めなんですが、いまいち理由が・・・。

世界不思議発見は神々の指紋を通説に比肩しうる新説かの様に紹介するトンデモ
番組ですんで、要注意。
歴史学のいいとこでも悪いとこでもあるんですが、素人でも空想で新説を考える
ことが出来ちゃうんですよね。数学や物理(でもあるでしょうが)よりもハード
ルが低く見えちゃうんでしょうね。

102マッティアス:2002/08/12(月) 13:18
歴史とか国語とかって、解釈の幅や視点の変換がしやすいですからね。
学術的な目的ではなく、エンターテイメントに適しているのはその辺ですね。
だから専門家ではなく好事家はいっぱいいるという。

ヴァルテルの『ネロ』を先に読むか、『ローマの青年』を読もうか検討中です。
昨日、友人と話していたのですが、歴史エンタでよくある、英雄が実は女性だった
とか、両性具有だったネタで、ユリ・クラ朝でいちばん適合するのはネロですね。
逆に、この女性が男だったらすごい英雄になっていたかも、と思うのはリウィアと
(小)アグリッピナ。この二人、男だったらもうちょっと評価されたのでは?

103カイザー:2002/08/12(月) 22:45
私としてはアウグストゥス=女性説を声高に主張したいですね!!
実はアグリッパとドキドキとか、オクタヴィアやユリアとの禁断の同姓愛とかがい
い感じです。(どこが!?)
ってゆーか、ユリアのオカンは誰やねんという疑問が即座に沸いて来るんで、この
妄想は見なかったことに(笑)。

アグリッピナは偏見の目で見られることが多い人物ですよね。
どうしても、クラウディウスの不可解な死(やっぱり暗殺なのかな?)が、アグリ
ッピナを歪んだ人物として評価させてしまうんでしょうね。女性が権力を握るには
どうしても手段が陰険なものになっちゃいますね。

104マッティアス:2002/08/12(月) 22:59
アグリッピナの悪女っぷりが却ってカッコイイと思うんですけど。潔いですよ。
頭もキレるし、行動力もある。ピカレスク・ロマン炸裂です。
でも、その前にティベリウスかカリグラに処刑されてしまうでしょうが。

実はアウグストゥスの女性設定はちょっと嫌です。あの手のカオは、実は女装が
似合わないし。オクタウィアは線が優しくなってるからキレイだけど。
でも、ユリアやオクタウィアと近親相姦に陥っていて欲しいかも(爆)。
ていうか、それじゃカリグラの、自分の母はアグリッパとユリアの娘じゃなくて、
アウグストゥスが娘と過ちを犯してできた子なんだ、と主張してるのと同レベル。
精神的には一線越えちゃってる人な気がしますよ、アウグストゥスって。

105カイザー:2002/08/12(月) 23:41
アグリッピナは私の中でも評価は高い人物ですよ。
女性という立場を考えれば、皇族という立場を十二分に利用してることを考慮しても
恐るべき政治手腕の持ち主です。いかんせん、その猛母の理念を受け継ぐべき皇帝ネ
ロの資質が・・・。
自殺を強要された時のアグリッピナは悔しかったでしょうね。

>精神的には一線越えちゃってる人な気がしますよ、アウグストゥスって。

実在のオクタヴィアヌスのあらゆる可能性を検討すれば、夢(=妄想)は広がる余
地が一杯ありそうですね。まあ、流石にユリアに手を出したとは思えませんが。

106マッティアス:2002/08/13(火) 10:48
実際に手を出していたら、かなり人間失格です。
容姿のわりに地味なキャラクターなもので、ラディカルな発想していかないと
遊べない人物ですよね。オクタウィアヌスって。
オクタウィアヌス・ファンの友人曰く、アウグストゥスは家康とキャラかぶってる
そうですから。
だから大方のファン(特に女性)は妄想というかドリームを持っているらしい。
私はアントニウスを倒す以前の、人間的に余裕の無いところとか、降参した敵に、
せめて埋葬だけはと頼まれて、「それは空飛ぶ鳥達が決めてくれるさ」とか
言ってる頃はスエトニウス・レベルで大満足ですけど。

107カイザー:2002/08/13(火) 22:25
大権現家康公は、先日読んだ横山光輝のマンガで、11才の時に一晩で2人のお姫
様を押し倒したというシーンがありました。人質という立場にあっても、さすが天
下人ということが私の頭の中だけで史実として扱われてます。
当然、それが竹千代君の初体験です。

そういえば、カリグラと小アグリッピナはやっぱり禁断の関係にあったということ
でOKなんでしょうか?

108マッティアス:2002/08/14(水) 21:14
それは事実でしょう。カリグラって、多分極度な淋しがりやさんだから(笑)。
個人的な妄想というか、もし小説とかの設定をするなら、あそこの3姉妹
(カリグラの妹達)では、実はドルシッラが一番地味だったりが萌えです。
リウィッラ・ユリアが一番ありがちなタイプの、やや軽薄な美人で、
アグリッピナは母を彷彿とさせる気丈さと、男だったらライバルになりうる知性で
カリグラにはちょっとうざかった、(ていうか恐ろしい)とか。


少年徳川家康の話は見ていたおぼえがないのですが、兄のテープに入っていた為、
OPの歌だけよく聴かされたなあ。
11歳っていうと、多分囚われの身でしょう?姫って今川のなんですか?
今度漫画喫茶で読んでみよう。
(横山光輝というとバビル2世とか、マーズなら読んだのですが)

109カイザー:2002/08/14(水) 23:39
今気付いたんですが、当コンテンツ内のクラウディウスの在位期間がティベリウス
と同じになってます。直しとかないと(汗)。
なんか、ユリウス・クラウディウス朝で一番まともな性癖の持ち主って、クラウデ
ィウス陛下の様な気が・・・。とかいいながら、姪っこと結婚してますが(笑)。

松平竹千代の相手を勤めたのは、亀姫(今川家の家臣吉良吉安の娘)と鶴姫(今川
義元の姪、後の築山御前)です。築山御前の描かれ方は女性の目から見ればちょっ
と不愉快かもしれませんが、読み応えがあって面白かったですよ。

110マッティアス:2002/08/15(木) 21:37
築山御前って今川の姫さまなんですか。知らなかった(←死)。
横山光輝といえば、歴史SFの「時の行者」も面白いですよ。いろいろ出てきて。
天草四郎なんて、ヨコミツにしては珍しく睫つきの美少年だったし。

>クラウディウスの在位期間
あり?そうでしたっけ?
ネロ〜フラウィウス朝しかマジメに見ていなかったのかしら(爆)。
ネロといえば、何故か暴君たちの憧れの的☆ですね。コンモドゥスといい、
エラガバエルスといい。しかも彼らは何か方向性を間違っている(ToT)。
コンモドゥスとエラガバルスってどっちがダメ×2度高いと思います?

111カイザー:2002/08/16(金) 23:33
どー見てもエラガバルスの方がダメ皇帝でしょう。
彼の性転換手術が成功したかどうかの研究に一生を費やしてこそ真のローマファン
を名乗れるのかもしれません。

ただ、歴史的評価からいうと別にエラガバルスのしたことがローマ史に及ぼした影
響というのは大したことはなくて、むしろ次のボンボン皇帝アレクサンデル・セヴ
ェルスの軟弱政策によって到来した軍人皇帝時代の方がよっぽどまずいんですよね。

所詮エラガバルスはユリア・ドムナとユリア・マエサの権力争いのコマに過ぎない
哀れな存在です。
そういう意味じゃアグリッピナから自立したネロって意外と有能なのかも?

112マッティアス:2002/08/18(日) 00:51
ネロは馬鹿じゃなくて自堕落なだけなの☆(←まずいってば充分に)
エラガバルスは…なんなんでしょうね。昔、アントナン・アルトーを読んで、
とっても理解不能に陥りました(爆)。
性転換はしてないでしょう。っていうか、男を捨てる気はなくて、両性具有願望が
強いカンジですよね。一種の狂信的妄想というか。
ていうか、そんなことに一生費やしたくないよう(ToT)。

アレクサンデル・セヴェルスかあ。あの子も不憫ですねえ。
母親はユリア・マンマエアでしたっけ。彼女はきっと姉のソエミアスとは気が
合わなかったと勝手に思っているのですが。
マンマエアのがちょっとまともな性格っぽいし、多分貞淑。で、姉のが美人。

113カイザー:2002/08/18(日) 01:41
私も記憶がおぼろげなんですが、ディオ・カシウスの孫引きか何かの引用で、取っ
ちゃった(何を?)という記述を見た覚えがあるんですよね。確かにマッティアス
さんの仰ってる両性具有への改造手術の可能性も聞いたことはあります。

ちょっと、上のカキコで勘違いしてたんですが、ユリア・ドムナはカラカラとゲタ
の母親ですね。
ユリア・マエサはその妹。
ユリア・ソエミア(エラガバルスの母親)とユリア・ママエアがユリア・マエサの
娘ですね。ユリアだらけー。

114マッティアス:2002/08/18(日) 10:49
ユリアは多すぎます。混乱するじゃあないか!と激怒。(←逆ギレ)
アントナン・アルトーと澁澤龍彦だと、去勢はせずに、外科手術で女性器を穿った
みたいな書き方でした。宦官をまわりに置いたり、宗教儀式の一環で、司祭達を
去勢したりしてはいたようですが。(もともとシリアの祭祀ですものね)
エラガバルスはかなりイッちゃってる人なので、自分の神と合一するというか、
近づく為に両性具有になろうとしたらしいですね。壊れてる。
セウェルス朝、まともだったの最初だけ?みたいな。

115カイザー:2002/08/18(日) 18:58
アレクサンデル・セヴェルスは有能かどうかはともかく真人間だと思います。後、
ゲタも評価は保留せざるを得ませんが、意外と真っ当な皇帝だった可能性は検討の
余地ありですね。だからと言って、カラカラ、エラガバルスという帝政史上に燦然
と輝く電波皇帝の偉業は微塵も損なわれることはないんで、ご安心下さい。

この辺は素人(?)の私よりもマッティアスさんの方がお詳しいと思うのですが(笑)
、エラガバルスは同姓相手の時は女性役専門のなんですよね。
それにしても、これ程フォローのしようもない皇帝って他にいないですね。

116マッティアス:2002/08/19(月) 21:39
エラガバルス、「すべての男の女、すべての女の男」を地で行ってれば、まだ
理解できようものを。基本は「アタシってちょっと淫乱なレディ?みたいなァ」
ってキャラなので、女性とはどうだったのか気になるところ。
一応、結婚離婚を何人かの女性としているようですが。でもね(深呼吸)、
私、あそこまで壊れた方は苦手です(T_T)。神懸かっている人って理解不能で。

カリグラも結構実は苦手なのですが、私のことをボウクンスキーと誤解している
友人には驚かれました。暴君と狂える王は違いますよね?
だから、ドミティアヌス、ネロ、アレクサンデル・セウェルスはおっけー。
カラカラは電波系ってより、極度な臆病者って気がします。ドミティアヌスを
卑小化したようなイメージ。

117カイザー:2002/08/19(月) 23:58
電波にしろ素面にしろ、暴君は暴君ですよね。
快楽殺人でも保険金殺人でも殺人は殺人みたいなもんです。(何ちゅー例えや)

マッティアスさんが、カリグラやエラガバルスと他の暴君達とは違うと言いたいこ
とは何となく分かります。
ネロなんか世間的なイメージ像じゃ、カリグラ系に思えてしまいますが、実際の所
は精神異常的なことはないですもんね。でも、コンモドゥスは微妙なところ。カリ
グラやエラガバルスの臭いが微かに感じられます。

118マッティアス:2002/08/20(火) 09:24
コンモドゥスはやばいと思います。わいはヘラクレスの化身じゃあ、みたいのが
(何故にファイトクラブ生的言葉づかい?)結構キています。
ネロが憧れの人だったわりに、やることかなり野蛮じゃないですか(泣)!美学を
感じられないんですよ。やっぱりこの人もちょっと理解不能。
私の理解能力はとっても低いし偏っているので。

「電波にしろ素面にしろ、暴君は暴君」。心にしみました。
これからはあまり堂々と、独裁官スッラってイケてるぅ☆とか言わないように
します(爆)。

119カイザー:2002/08/20(火) 15:49
そういえば、電波な皇帝って他にはあんまりいなさそうですね。

一応、ユスティヌス2世はランゴバルド族とペルシア戦の敗報を聞いて発狂して退
位ということになってるんですが、ギボンを読んでると単に混乱が激しくなってき
た帝国運営から逃げだそうとした方便なんじゃないかと思えてしまいます。
いいのか、そんなんで?

120マッティアス:2002/08/20(火) 17:28
あ、116のカキコで間違ってる…セウェルス朝では、セプティミウスさん以外、
実は好きじゃないです(笑)。この人も、軍閥系だけど優秀で好き。

狂ったフリして帝国運営から逃げ出した、ですか。たまに、逆もありますよね。
重臣達にうざがられて、「皇帝ご乱心」ということで無理やり退位、とか。
でも、重臣達にうざがられるほどの気概がある皇帝って、あんまりいないかな。

121カイザー:2002/08/20(火) 21:35
ローマ皇帝というのは基本的に終身地位だから、無理矢理退位とかよりも殺しちゃ
う方がてっとり早いですよね。中世ヨーロッパとかだったら、ネロやドミティアヌ
スは幽閉されて生涯を終えてたかもしれませんね。(その方が辛そうだけど)

あくまでディオクレティアヌスの無難な退位劇は例外でしょう。ディオクレティア
ヌスにしても、家族をリキニウスに皆殺しにされたり、折角築いた四分統治体制が
崩壊していくのを見ながらの死は無念だったことと思われます。
以前もちょっと話題になりましたが、皇帝の退位が可能になったのはビザンツ帝国
以降のことです。

122マッティアス:2002/08/20(火) 22:48
う〜ん…幽閉とか隠居とかもツライことはツライですが、ネロあたりはそれで
満足しそうですね。ドミティアヌスはまた、ハエを殺しながらすごすのかしら?
でも、彼らは軍隊なり民衆なりの支持があるから、ヘタに生かしておくと、簡単に
クーデタが起きてしまうでしょうね。だから、やっぱり殺すでしょう。

皇帝の退位って、やっぱりキリスト教の影響もあると思うのですが、西ローマ帝国
ではなかったんですか?(←勉強しろよ!)

123カイザー:2002/08/20(火) 23:14
西帝国では最後のロムルス・アウグストゥルス以外にはグリュケリウスとユリウ
ス・ネポスが逃亡としう形で退位後も生き延びてます。ネポスの場合は逃亡とい
うより、本人の意志では一時的退却のつもりでいずれはコンスタンティノポリス
の援助の下で復帰するつもりだったのでしょう。
グリュケリウスも修道院入りして、俗世とは関わらないという意志表示を行った
ので、一応生涯は全うしたようです。グリュケリウスは後のネポス暗殺の黒幕と
言われています。
本来ならこういった元皇帝は殺さないといけないんですが、混乱下にあったイタ
リア半島でそんなことに気を取られるわけにもいかなかっただけだと思います。
ネポスはローマに入城することなくオレステスの反乱で領地のダルマティアに退
却しています。
そのオレステスが即位させたロムルスはオドアケルの手によって退位されている
のですが、オドアケルがロムルスを殺さなかったのは、ロムルスを殺してしまえ
ば、あらたなローマ皇帝を名乗るものが現れかねないので、殺さずに退位してコ
ンスタンティノポリスのゼノンへ帝位を返還するという手続きを踏んだものと思
われます。
先帝レオ1世のように新たな皇帝を送り込んでこないように先手を打ったわけで
す。

あくまで可能性ですが、オドアケルが自ら皇帝を名乗るという選択肢を選ばなか
ったのは残念な所です。リスクの大きい選択には違いないのですが、ゲルマン人
に継承されるローマ帝国というのを見たかったのは私だけではないでしょう。

124マッティアス:2002/08/20(火) 23:44
ゲルマン人の皇帝、たしかに見てみたかったですね。ガリアとか、意外といますけど、
所詮、属州出身者だし。
ああ、帝政後期っていろいろあるのですねえ。衰退期ってどこもゴタゴタしてますが。

イスラム帝国って発展期にあるときは、わりと衰退する前のローマ帝国に近い気が
するんですよ。キリスト教王国よりむしろ。
何でしょう、異教徒に対するあの偏狭ぶりが、〜近代のキリスト教国家が野蛮に
見える原因なんでしょうね。
ユリアヌスはそういうところが嫌いだったのかしら。

125カイザー:2002/08/21(水) 00:08
ゲルマン人の皇帝としては、コンスタンティウス2世と帝国の覇権を争ったマグネ
ンティウスがいるのですが、彼はコンスタンティウス2世の派遣した軍に敗退。
それ以後ゲルマン人が帝位に付くことはなくなります。
ガッラ・プラキディアが西ゴート王アタウルフと自身の子を皇帝に就けようと画策
したり、ゲルマン人(スキラエ族)のオレステスの息子ロムルスが帝位に就いてる
のはゲルマン人じゃないのかと、色々疑問はあるんですが、ゲルマン人は帝位に就
く資格はなかったようです。

ローマFanはキリスト教に不信感を持つというのは歴史的パターンですね。
あのギボン先生にしても(はっきりとは書いてませんが)どうもキリスト教に嫌悪
感を持っておられるようです。
かつて異教徒を滅ぼしてきたという、現在のキリスト教徒の原罪は忘れることは許
されない歴史的事実かと思います。(だから謝罪しろとかいう意味じゃないです)




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