したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

お気に入りのローマ皇帝

1カイザー:2002/06/13(木) 23:16
人気投票にも、『ごく稀に』参加して頂いてる方もいらっしゃるようで
すので、ここでもカキコしてくれたら嬉しいです。

好き嫌いはともかく、オクタヴィアヌスはやっぱり偉大です。
アントニウスじゃ、どう考えてもライバルとしては役不足。いっそのこ
と、カエサルが暗殺されずに2人が天下を巡って争うという歴史IFの
方が面白そうです。

960マッティアス:2004/02/25(水) 11:34
初期の教会関係者って、他の宗教やら哲学やらを一通り学んだ上で、最終的にキリスト教に
行き着いた人が多いので、アンブロシウスのような経歴はわりに一般的ですよね。
なので、異教徒を論駁するにもギリシア哲学的的な弁論術を駆使していたり、相手方の
思想にやけに詳しかったりするんですよね。
中世になってしまうと、よほど革新的というか、文芸への保護意識が高い宮廷でもないと、
キリスト教以外の文献やら思想やらの研究などがなされないカンジですね。

話はまるっきり変わりますが、「ロード・オブ・ザ・リング」いいですよ。
ビジュアル・イメージを楽しむのに。ビザンツをイメージした街並みとか、象部隊とか、
ローマ軍風陣形やら攻城機やらが見られますから。そういう映画ではないんですけど。

961カイザー:2004/02/25(水) 22:23
元老院議事堂の女神像撤去の議論も、特定の宗教の偶像である女神像が議事堂
にあることは、多様な信教の自由の阻害になるといった感じの、詭弁とはいえ
多神教徒の痛いポイントを突いた筈です。こういうのが、改宗者の強みなのか
な?
中世とかだと、さすがに偏見だと思いますが、「ダメなものはダメ!」みたい
な、イメージですよね。

実は「指輪物語」って、映画も小説も完全にノータッチなんですよね。
昔、「ロードス島戦記」とかが好きだった頃に読もうかと思ってたんですが、
読まずじまいです。ハリーポッターとかも、何も知らなかったりします。

962マッティアス:2004/02/27(金) 11:01
ハリポタは、なんとなくネギ先生のモデルっぽいけれども、私は映画1作目で合わない
と感じて、それっきりです。「指輪」は映画だけでも小説だけでも結構面白いです。
歴史ものっぽいコスプレ感を楽しむには映画ですけどね。

ローマは、キリスト教を国教化する前(公認、とは別)は比較的寛容なイメージがある
んですけどね。
キリスト教が国教となって、それ以外がマイノリティで一部の知的エリートしか異教の
ことを知らない状況になると、帝政前期時代に一般市民がキリスト教に持っていた偏見
に近い、悪しきものとして“ヤバげ”なイメージだけが一人歩きするうちに、忌避され、
それが慣習化するうちに、本当にただいけないものになってしまったのが中世、なのか
も知れないな、と思いますね。
でも、西側カトリック世界は、とりわけ中世は異端に対しても非常に不寛容ですよね。
コンスタンティノープルのローマ帝国の方が東方教会諸宗派や異教徒に比較的寛容。

963カイザー:2004/02/28(土) 10:00
言われてみれば、ネギくんはハリーポッターがモデルになるんでしょうね。
最近、次々と発売される、31人の女生徒達のCDを買うべきか、考えていま
す。
先生、悩める子羊はどうすればいいんでしょうか!?(笑)

確かに、ミラノ勅令〜アンブロシウスとテオドシウス1世の行った異端・異教
迫害の間は、キリスト教と異教が共存出来てましたね。ヴァレンティニアヌス
1世なんかは正統派の皇帝でありながら、異教にも寛容だったとか。
女神像の件が問題になったのは、次のグラティアヌスやヴァレンティニアヌス
2世の時代ですもんね。

964マッティアス:2004/02/29(日) 12:11
>31人の生徒達をどうするか。
好きな生徒だけはとりあえず買っておいて、聴いてみてよかったら、コンプリートする、
っていうのはどうでしょう?
は!生徒にえこひいきとかしてはいけませんよね、アスカさん。

でも、ほんとそこまで他を圧していこうといく気迫があるキリスト教徒ってすごいです
よね。3世紀くらいまではそれなりに信者を持っていたオリエント諸宗教なんかは、
掛け持ちオッケーだったし。ユダヤ教だって、まあ、一部の特権階級の人々とか商人
だけかも知れませんが、議事堂や神殿・王宮に女神像みたいのとか、動物の像とかを
設置しちゃったりしてるのに。なんだろう、新興宗教の強みだったんですかね?

965カイザー:2004/02/29(日) 18:19
女性とは31人でもCDは31枚じゃないみたいですね。多分、1年で毎月発
売で合計12枚になるんだと思います。アスナさんとかのメインキャラは一人
で一枚だけど、他のメンバーは何人かで1枚ということのようです。

ちなみに、私的には最近は桜咲刹那さんが一押しです♪

キリスト教はやっぱり他の宗教とは別物なんでしょうね。
イスラム教の支配した地域なら、異教もそれなりに生き残ってますが、キリス
ト教、特にカトリックが支配した西欧の異教ってほとんどが滅んでますもんね。
そんな暗黒の中世を生き抜いたユダヤ教徒ってのは、凄いなー。

966マッティアス:2004/03/01(月) 14:40
木香さんらぶらぶのせっちゃんがお気に入りですか。私は本屋ちゃんです。>ネギま!

ユダヤ教が生延びたのは、他民族に対して拡大しないからですよね。ローマ時代もそう
でしたが。たまに、キリスト教側にナショナリズムが怒ると虐殺されてしまうのですが、
そうでもないときは迫害される程度で。生命が脅かされない程度の迫害・差別はむしろ、
内部での結びつきを強固にするような気がします。

967カイザー:2004/03/01(月) 23:38
そういうユダヤ人が生み出したのが、人権思想だとか社会主義といった自らが
滅ぼされないですむような、キレイ事の巧妙なロジックなんですよね。
選民思想を肯定する訳ではないですが、ユダヤ教徒は滅ぼされていった他の異
教とは違う、選ばれたというか生き抜くだけの何かを持った宗教なんでしょう
ね。

ドイツ騎士団が恒常的に行っていたという異教徒狩りから身を守るために、改
宗したリトアニア人と対称的です。
民族固有の宗教を捨てるなんていうのは、苦渋の選択なんでしょうが、不甲斐
ないですよね。リトアニア人が滅ぼされずに現在までも存続出来たんだから、
これが正解なんでしょうが。

968マッティアス:2004/03/18(木) 16:53
あ、ずいぶん間があいちゃいましたね。すみません、ちょっと浮気(?)していたもので。

ユダヤ教も実は結構生き残りを図って努力した時期もあったんですよ?多分。
ヘレニズム時代に、プトレマイオス朝のファラオに進言して、アレクサンドリア図書館に
七十人訳聖書を置いたり、とか。あとはドミティアヌス時代というか、フラウィウス朝
時代には、ユダヤ戦争の言い訳のために著書をしたヨセフスだけでなく、ユダヤ的生活
様式が(キリスト教ではなくって)議員階級の人にまで、例のフラウィウス・クレメンスも
そうですが、広まったということですからね。
こういう努力をすっかり諦めたのが、キリスト教がマジョリティーになってから、なんで
ないかと思ったりするのですが。

それでも生き延びられたのは、彼らがわりかし有能だったり(商人としてとか)、イスラム
教の興隆によって救われた部分とか、ある気がしますね。
ユダヤ教とイスラム教が不仲になったのは、20世紀になってからですもんね。

969カイザー:2004/03/19(金) 00:28
ユダヤ教最後のメジャー化の試み(と呼んでいいのか怪しいところですが)は、
ハザールのユダヤ教国教化になるんでしょうね。ハザールとローマやイスラム
世界のユダヤ教徒の間でネットワークとか成立してたら、また違った歴史があ
ったかもしれませんね。
とか言いながら、ハザールの情報って、ちんぷんかんぷんなんですが。未だに
君主の名前すら一人も知らない・・・。

ユダヤ人のシオニズム運動の帰着点が、イスラムの土地であるエルサレムでの
新国家建設になってしまいましたからね。
ユダヤ人は撤退する気なんてないでしょうし、イスラム側だってエルサレム周
辺地域を完全放棄するなんてあり得ないでしょう。何年先か分かりませんが、
いずれ再度の中東戦争が起こるんでしょうね。

970マッティアス:2004/03/19(金) 11:31
近代ナショナリズムによる中東戦争の時代までは、というか中世頃までは、ユダヤ教が
時折迫害されたりするほか、特に激しい弾圧がなかったのは、多少メジャー化の試みを
しつつも、実は大々的に布教をすることはなかったからではないかと思います。
968のカキコと矛盾するように思われるかも知れませんが、基本的に彼らがしたのは、
自分たちが迫害されるべきものではないこと、を主張するために、自分たちの教え
や生活信条、歴史などを他の人々に知らしめることだったのだと。
選民思想を持っているわけですから、他民族のために動かない代わりに、自分たちの
宗教を押し付けることもしなかった、というのがユダヤ教の基本的スタンスでしょう。

だから、実際のところは世界宗教になろうという思考が欠如しているし、ハザールは
彼らの望むところでもなかった気がします。もちろん、感化されて改宗してくれるのは
大賛成でしょうが、しょせんは他民族ですからね。
初期アラブ帝国(ムスリム世界)における改宗者とかペルシア人に対するくらいの感情で
受け止めていたのではないかと。

971カイザー:2004/03/19(金) 21:56
シオニズム運動に詳しい訳ではないですが、シオニズム運動の一つの成功だっ
た筈のロシア革命によるソ連邦成立が、結局ユダヤ人の理想郷たり得なかった
ことと、ナチスの大規模なユダヤ人迫害が、ユダヤ人の有力者に意地でも独立
国を建設するという選択させたんでしょうね。
マッティアスさんの言うような、自分達が危険ではないという事実を広めるだ
けでは、自分たちは決して安全にはなれないというのが、イスラエル建国派の
結論になるのでしょう。

100年先か1000年先か分かりませんが、いつかアメリカが衰退して中東
への欧米系ユダヤ人の影響力が喪失したら、イスラム教徒にエルサレムのユダ
ヤ人は皆殺しにされるような気がします。
ナチスのユダヤ教徒迫害は、妄想というか共感をあんまり感じませんが、未来
のパレスチナ人の復讐は必然であるように思います。
逆にイスラム側が徹底的に弱体化するという可能性もあるのかもしれませんが。

972マッティアス:2004/03/22(月) 13:12
多少は嫌々ながら、ってところもあったとは思いますが、他民族がそれなりにうまく
やっていたのがオスマン朝時代だったとすると、西欧風ナショナリズムの高揚を強引に
東方に持ち込んだことは、無意味に東欧や西アジア世界を混乱させ、民族同士の敵対を
招いた気がしますよね。
旧ユーゴだって、ムスリムやユダヤ教徒、スラブ系民族などがそれなりに共同生活を
送っていたわけで、人道主義といいつつ、多くの人々に自由を訴えながら、殺し合いを
させたり、介入して大量殺害をやっている昨今のあり方は、最盛期のローマ帝国とは
正反対だと思うんですよね。

ナチスのユダヤ人迫害は賛同できませんが、キリスト教世界成立以来、何世紀かごとに
起こる動きの一つに思えたりもします。十字軍とか、レコンキスタのときには、なにげに
ムスリムよりも信心深いキリスト教徒たちに酷い目に遭わされたのは、ユダヤ教徒たちで
あったように思われます。
しかし、本来的には異教徒にも比較的寛大であったイスラム側が、ユダヤ教徒を虐殺とか
せざるをえない情勢というか、心情になるのを見るのはイヤですね。

973カイザー:2004/03/22(月) 22:29
十字軍国家でも、第2回、第3回十字軍の失敗によって、イスラム教徒との宥
和が進んだといいますが、今のイスラエルが周辺諸国と仲良しになるシナリオ
がちっともイメージ出来ません。
イラクとかサウジが本当に親米国家になって、穏健なイスラム民主主義が誕生
するとかが、辛うじて見える可能性という所でしょうか。
曲がりなりにもトルコの民主化を成し遂げた、ケマル・アタテュルクは偉大で
す。アルメニア人を殺しまくったとかいうダークな話もあるのですが。

民族自決っていう理想は、決して世界平和に貢献してないですよね。
ローマやハプスブルク帝国のように、支配下に置かれた民族もそれなりにやっ
ていけたというシステムだったあったんですよね。
まあ、逆の場合の方が遙かに多いのですが・・・。

974マッティアス:2004/03/23(火) 15:53
アルメニア人も殺しまくったけれども、宗教結社も弾圧しまくりましたよ。
>ケマル・アタテュルク

民族自決っていうのは、ある意味、他の民族との共存を否定する思想になりかねない
ですよね。怖い。本当に世界平和に貢献してない。
かといって、自国民が殺されたから、他の国を空爆していいという、アメリカ的人道
主義理論というか、愛国主義もまたヤバいんですけど。
何が一番理想的なのか、ってわからないけれども。かつての大帝国時代に多民族が
それなりにやっていけた方向のほうが、現代社会よりもむしろイイカンジな気がする
のも寂しいハナシです。

イスラエルは本当に周辺諸国とうまくやっていけるとは思えませんよね。確かに、あの
あたりの土地はユダヤ民族の故地であるのですが、いまでは多くのムスリムの故地でも
あるわけで。変に民族自決とかの思想がなければ、十字軍時代のように共存することも
できると思うんですけど。
実際は欧州側が厄介払いしたかったのと、戦争中に利権をつかむために建国させたような
もんですからね。なんだかなあ、もう、ってカンジです。
こういうモンダイをカエサルならばどうするのか、塩野さんにも語ってもらいたいです。
↑だからって政治的影響力はまったくないですけども。

975カイザー:2004/03/24(水) 00:47
いやあ、塩野先生ならカエサルなら大丈夫という、妙に説得力はあるけどウソ
ツケこらと言いたくなる感じで、太鼓判を押してくれると思いますよ(笑)。
かつてのローマは寛容さを示しつつも、つべこべ抜かすような分からず屋(カ
ルタゴとかマケドニア)はボコボコにするという、アメとムチの使い分けが巧
みでしたね。
いや、何も考えてない野蛮人=ローマ人だったという気もするのですが(笑)。

ナショナリズムっていうのは、本当にどうしようもない問題ですよね。
日本だって、イスラム教徒(別に中国人でもキリスト教徒でもいいのですが)
の人口が5〜10%ぐらいになったら、排外運動が高揚すると思います。いや、
人ごとじゃなくて、多分私も移民排斥運動なんかに賛意を示すだろうと思いま
すね。

976マッティアス:2004/03/24(水) 11:00
日本人は昔から、鎖国主義的なところがありますからね。個人的には国内を大きなツラして
歩き回ってるメリケンさんのほうがうざいのですが。(歩行者に爆竹投げつけてきやがるガキ
とかなんとかしろよ!しつけがなってないんだよ!!)
しかし、移民ではなく、日本人でムスリムになることを受容する人が増えた場合はどうする
のでしょうね?生国に関わらず、改宗することはありえないことではないと思うので。

しかし、ローマの寛容さとか言いながら、やつらも結構利権のために介入したがりですよね。
しゃあない、っちゃあしゃあないんですが。基本的に商人大国は意外と合理的で、多民族
共存を妥協かもしれないけれども比較的受け入れますよね。アレクサンドリアなんかに
ユダヤ人共同体があったりとかするのはいい例だと思います。

塩野さんは、いまの大国にはローマのような寛容さがない、とか言いそうな気がしない
こともないですよね。よくわからないけれども、状況の違いとか時代の違いを考慮せずに
何でもローマは素晴らしい、カエサルならば、という論調で政治を語るのは如何なものか
と思うのですが。

977カイザー:2004/03/25(木) 00:48
大阪は朝鮮・韓国籍の人が大勢いる筈なのですが、実は私の知人には一人もい
ない(もしくはカミングアウトしてない)んですよね。もし、面識のある人間
が外国籍だったりしたら、いいにしろ悪いにしろ私の考え方も影響を受けるよ
うな気はします。

塩野さん自身も本当はカエサルだって歴史上の偉人の一人であって、超越的存
在ではないと気付いてるとは思うのですが・・・。
本人はマスコミやファンといった周囲の期待に応えて、伝統芸能としてカエサ
ルヨイショを続けているという説を提唱したい所です。
正直、ああいうのが全部しらふでの発言であるなら、普通に異常です。

978マッティアス:2004/03/25(木) 11:52
周囲に期待される役割を果たしているのですね。塩野さんも。著名人は大変だ〜。
まあ、そういう周囲の期待に添った活動をしつつ、自らの思想も表現するのって、
本当に難しいですよね。
ローマの皇帝達もそういう努力をしていたと思うんですよ。名君と言われるような
人は。皇帝になってからのアウグストゥスなんかは良い例だと思います。
方向性を間違っちゃったのがネロとか初期のカリグラで、反対に行政能力はあっても
そういう努力をしなかったために不人気なのが、ティベリウス、ドミティアヌス、
ハドリアヌスあたりではないかなあ、と思います。カエサルも元老院議員から見れば
そうかな?

外国人問題でふと思い出しましたが、ローマ人が一番偏見を持っていたのはカルタゴ
ではなくエジプトみたいですね。あそこは皇帝領ということで事情も特殊なんですが。
で、ユウェナリスを読んで驚いたのが、ドミティアヌスが才覚を見込んで重用していた
人物(さすがに議員にはしてない)に、エジプト人がいたようなんですよ。相当羽振りが
良かったらしいんですけど。ユウェナリスは超ブ〜イングしてました。
こういうエジプト人への偏見や不信感というのは、一体いつ頃から抜けたんでしょう?
そのあたりが気になってなりません。

979カイザー:2004/03/27(土) 00:33
いや、私も分かってないのですが、そもそもエジプト人っていわゆるローマ化
をしてるんですか?
ゼノン帝の所属するイサウリア人なんかも、統一時代からのローマ領内の民族
だと思いますが、ゼノンは蛮族出身の傭兵というゴート人とかとそう変わらな
い立場だったようなイメージです。じゃなかったら、本名のタラコシデッサと
いう名前から改名したりしないような。
ちなみに、ゴート人出身の皇帝といわれるティベリウス3世も即位と同時にア
プシマルという名前から改名してるんだそうです。

ローマ市民権の付与の範囲という意味では、カラカラ帝以降はエジプト人もイ
サウリア人もローマ人になるんでしょうが、ローマ帝国のマジョリティの枠に
は入れて貰えてないような気がします。あくまで、想像ですが。

そういえば、ローマ市民権という身分が意味を持つのはいつまでになるのか調
べようと思いつつ、ほったらかしにしてますねー。
後期帝政あたりから、農奴制(コロナートゥス制)に移行していったとか世界
史の授業で教えて貰ったから、ディオクレティアヌス帝の頃にはアントニヌス
勅令は形骸化しちゃってるという程度の理解にとどまっています。

980マッティアス:2004/03/30(火) 16:50
図書館からようやく、塩野さんの最新刊が来たんですよ。まだほんのちょっとしか読んで
ないんですが。アレクサンデル・セヴェルスが死んだトコまでしか。
彼女なりに、カラカラ〜アレクサンデル・セヴェルスは今後の迷走というか、3世紀の
危機のカギになっていると考えているようで、頁を割いてる、というのですが。
短い!短いよ、ちょっと。確かに治世も短いんだけど。アレクサンデルは13年ですが。
アントニヌス勅令はめっちゃ叩いてますね。確かにそうなんだけれども。
でも、なんとなくカラカラは嫌いではないのかな?と思いつつ、相変わらずカエサルと
比較されたりすると、ちょっと冷めちゃいますね。もういいよ、って。

それにしても、どうなんでしょうね。とりあえず、エジプト人皇帝って出てないですよね。
やっぱり被差別人種なんですかねえ。多分、3世紀までは近親婚をしていた形跡もあるし。
ゲルマン人より、さげすまれた存在なイメージありますよね。
エジプトっていっても、多分アレクサンドリアみたいな大都市と、一般の村落ではまた
違うのだろうし。

981カイザー:2004/03/31(水) 00:35
僭帝を全員は把握できてないので、その辺は不明ですが、いわゆる概説書とか
で「皇帝」として扱われている人物に、エジプト出身者は存在しない筈です。
アフリカのベルベル人とかも、どの程度ローマ化してたのかちょっと疑問です。
マッティアスさんの仰るように、都市部と村落や狩猟部族なんかは切り離して
考えるべきなのかもしれないですね。
ガリアには、3世紀頃から傭兵系ゲルマン人の集落がいくつもあったみたいで
すが、こういうアントニヌス勅令時にローマのコミュニティの枠外にいたゲル
マン人がローマ市民権を有していたのかどうか・・・。
そういえば、先週発売のSAPIOに掲載されていたインタビュー記事でも、
塩野さんはアントニヌス勅令を批判してましたよ。

982マッティアス:2004/04/02(金) 11:16
よっぽど、気に障ったんでしょうね>アントニヌス勅令
いやそういう↑レベルの話ではないと思いますが。なんていうか、これが後々まで尾を
引いた問題だと、再三おっしゃってますからね。取得権と既得権の違いによる、人々の
モチベーションの低下を招いたこととか。社会階層の分化と硬直化を招いたとか。

確かに、ギボンを読んでいても気になりましたが、統一帝国の後期になると、階層が
細分化されて、わっけわからなくなってきますね。おいらバカだも〜ん、って開き直って
読んでたけど。

アフリカのベルベル人(ムーア人というべきかな?)も、必ずしも帝国領内にいたわけ
でもない感じがあるので、市民権はもらってなさそげ。ローマの言う文明化とかも、
ビミョ〜に圏外っぽいかな。
やはり、退役軍団兵の入植とか軍団駐屯地との関わりがある都市部と、一般の村落でも
だいぶ格差とかありそうだし、帝国の恩恵とかなんとか、関わりなさそう。
ゲルマン部族でも、たとえば五賢帝時代とかフラウィウス時代にすでに領内に組み込ま
れたり、文明化の恩恵を受けた部族には、様々なルートで市民権を得た人々がいると
思います。
ゲルマン部族自体、居住地域は広いし、部族数も半端じゃないから。遠くは恩恵ない
と思います。

983カイザー:2004/04/02(金) 23:41
「ローマ人の物語」は、2年分が積ん読になってて読もうという気がなかなか
起きないです(汗)。
カラカラのアントニヌス勅令がなければ、ローマの活力が維持できたかどうか
は、クエスチョンではあると思います。

「ローマ帝国の没落」に載っているサーモンの有名な論文によれば、2世紀に
は補助軍の人員不足が深刻になっていて、その対処療法としてローマ市民権の
ばらまき(入隊以前に市民権を与えるなど)を行っていたそうです。しかも、
それでも補助軍の構成員の不足は解消出来なかったとか。
カラカラのアントニヌス勅令は、軍隊の弱体化を確定したのではあるかもしれ
ませんが、属州民を軍隊の構成員とし除隊後に市民権を与えるという前期帝政
のシステムは破綻をきたしていたことに変わりはないでしょう。
カラカラがアントニヌス勅令を発布しなかったとしても、軍人皇帝時代が20
〜30年遅くなったという程度ではないかなというのが、塩野さんに好意的な
見方をしての私の感想です。いや、塩野さんの意見を読んだ訳ではないんです
が(汗)。

そんな訳で、破綻したローマ軍の構成員がゲルマニアから出稼ぎに来たゲルマ
ン傭兵主体に移行して、将来のスティリコなんかの登場へとつながっていくわ
けです。

984マッティアス:2004/04/04(日) 10:15
実際、市民による正規軍はもっと前から破綻してましたよね。ネルウァが出した法令でも
わかりますが。(息子の右の親指を切って、兵役につけないようにする風習の禁止)
なんでしょうね。やっぱり平和ボケしてくると、っていうか別に兵役につかなくても
食えるようになれば、あんまりそんな任務につきたかない、ってのが人情なんでしょうか?
議員に至っては、元首政初期(ユリクラ朝)にすでに、パトリキや第3世代くらいの人は
軍団見習とかしなくなって、元首属州へは赴任しないパターンも増えてるわけだし。
軍の人員不足は時代の趨勢だったんでしょうね。

985カイザー:2004/04/04(日) 14:17
今の日本でも一緒ですが、戦争しなくても食っていけるようになると、軍隊に
人材が集まらなくなるんでしょうね。
危険だし、給料が高いわけでもないし。

質で言えば市民兵や農民兵という形式が最高なんでしょうけど、結局は傭兵に
移行せざるを得なくなって、いずれ破綻するというパターンになっちゃうんで
しょうね。
自領内で兵員を供給する民族が存在せず人口も減少傾向にあった西ローマ帝国
が滅んで、イリュリュクムやアナトリアといった古代末期以降でも兵員を供給
できる地域を自領内に持っていた東ローマ帝国が中世を生き抜いたというのは、
偶然ではないでしょうね。
良く言われることですが、アナトリアからルム・セルジュク朝を駆逐できなく
なって以降、ローマ帝国の弱体化に歯止めがかからなくなってるのも、同じ理
由からですよね。

986マッティアス:2004/04/05(月) 11:25
傭兵は金次第で、愛国心があるわけではないですからね。プロフェッショナルだけど。
やっぱし、あんまり軍隊なんか入りたくはないでしょうね。いい暮らしに慣れちゃうと。
社会の上層部が率先して兵役つかないと、下はなかなかついていかないんじゃないかな?
気のせい?しかも、社会の質の低下というか、そこはかとない不景気感(でも生活レベルは
そこそこ)という状況があるから、無償でむしろ財力を使わなきゃいけない自治都市の参事
とかもなりてがいなくなっちゃうんでしょう?3世紀って。イヤなカンジだなあ。
いまの日本に近い状況なんじゃないかなあ?なんて思いながら、塩野さん読んでます。

イリュリクムは3世紀の軍人皇帝の一大生産地ですよね。辺境だったから、まだ気概が
あるというか、上昇志向のある若者が軍隊に入ったりしてくれてますからねえ。
東の政権も長く続くと、そこらの地域も辺境ではなくなってくるから、傭兵に頼らない
と回らなくなるんですよね。

987カイザー:2004/04/06(火) 00:20
普通の条件では軍を維持できないから、ボーナスを弾んだり市民権を与える条
件を弛めたりといった施策を取らざるを得なかったのが、五賢帝以降のローマ
であり、その行きついたところががアントニヌス勅令ということになるんでし
ょうね。

当然と言えば当然ですが、傭兵と市民兵(農民兵)は士気が全然違ってて、兵
数が互角であれば、傭兵は市民兵に全く相手にならないそうです。
完全に傭兵制に移行してしまっていたヘレニズム諸国が、市民兵のローマ軍に
ケチョンケチャンにやられてたりするのがいい例だと思います。第3次ポエニ
戦争だと逆に必死になったカルタゴの市民兵に、最強のローマ軍が苦戦してた
りもしますよね。
まあ、傭兵だと練度の面で兼業兵士である市民兵より勝っているのと、傭兵は
常備軍になり得ても市民兵は常備軍になり得ないというのが、ポイントになる
のでしょう。

寄せ集めの傭兵を使って東ゴート王国と戦ったベリサリウスって、改めて考え
直したらメチャクチャ凄いんですよね。皇帝でもないのに、凱旋式を挙行した
のは伊達じゃないです。

988マッティアス:2004/04/06(火) 11:10
皇帝でも皇族でもなしに凱旋式挙行ですか!すっご〜い!
ていうか、本当はそうあるべきだと思うんですけど。いっくら戦功あげても、手柄は
皇帝じゃあさあ、モチベーションあがらないですよ。凱旋将軍顕彰もいいんだけどさ、
ピソの陰謀事件の検挙に活躍したティゲリヌスとネルウァがもらっちゃうレベルでは。
こればっかりは、アウグストゥスを誉める気になれない政策でしたよね。

それにしても、傭兵部隊を率いて東ゴート撃破ですか。カッコイイなあ、ベリサリウス。
東ゴートのほうは市民兵なわけですよね?やるじゃん☆ってカンジ。

実際、兵士が自国民でなおかつ、自分の生活とか家族とかを守る、ていう目的があった
ればこそ、頑張れるってところはありますよね。
だからかも知れないけれども、経済大国でなおかつ軍隊も強いぜ〜って状態を長く続ける
のって、ものすごく大変だと思うんですよね。
あるイミ、アメリカってすごいなあ、と思うけれども、現代だと一人一人の白兵戦の能力
っていうよりは科学技術のレベル勝負ってところがありますもんね。

989カイザー:2004/04/07(水) 01:40
東ゴート王国そのものも、アマル朝(テオドリック大王の血筋)が断絶してて、
ゴート人が一枚岩でなかったのとイタリア在住のラテン系住民が蛮族の統治で
はなくローマへの復帰を望んでいたという事情は加味しとくべきではあります。
そもそも東ゴート王国の主力となるべき東ゴート人からして、少数しか存在し
ない訳ですし。

まあ、でも、だからと言ってベリサリウスの偉大さは全く損なわれることはな
いですけどね。
けちんぼのユスティニアヌス1世はベリサリウスに募兵したばかりの新兵を押
しつけては、激戦地に送り込むという無茶を繰り返してましたからねー。
ローマ史上、最も苦労が報われなかった人物はベリサリウスが№1ではないか
と。あれだけ忠誠を尽くしておきながら、失脚の仕方が悲惨すぎ。
よく非業の人物としてあげられるスティリコなんか、半分ぐらい自業自得だし。

990マッティアス:2004/04/07(水) 09:50
そういえば、塩野さんスティリコも好きですよね。『痛快!〜』を読んで思ったけれども。
私はほんと、その辺り知らないんだけれども(そろそろギボンの続きでも買おうかと)、
よく名前だけは聞きますものね。逆にベリサリウスはカイザーさんのところを知るまで
聞いたことも見たこともなかったです。
統一帝国はやっぱり強いですね。コンスタンティノポリス政権、あまりに日本ではマイナー
すぎます。読みやすい本があったら読む気はものすごくあるのに〜。
そういえば、ユスティニアヌスでさえ、東ローマファン以外にはテオドラ様しか知られて
ないですよね。ひどい話だ。あれだけ長く存続したのに。

あ、すごい990ですよ!もう!!

991カイザー:2004/04/07(水) 22:18
1000カキコもついに目前に迫ってきましたねー。

ユスティニアヌス1世の時代って、ローマ史の中でも最もポピュラーな時代の
一つだと思うのですが、内乱の1世紀→ユリウス・クラウディウス朝に比べる
と、かなりマイナーではありますね。
そもそも、テオドラだって大して有名じゃないような(笑)。
ユスティニアヌス1世に従って、素直に配下の軍勢をゲルマヌスやナルセスに
引き継いだベリサリウスの末路皇帝を見るに、皇帝を凌ぐ権力や軍事力を持っ
たらすかさず簒奪するべきなんだろうなというのが、素朴な感想です。

去年、ヘラクレイオス朝のことを調べましたが、どの本を見ても情報が断片的
で、別に深く掘り下げた知識まで求めてないのに情報が整理出来ないんですよ
ね。
とりあえず、東ローマ帝国の全時代の概略史をそらんじるようになりたいです
ね。次はイサウリア朝を勉強しないと。

992マッティアス:2004/04/08(木) 11:55
あああ、逆に怖くなってきますよ。長い時間掛けた分だけ。>1000カキコ

ユスティニアヌス自体はメジャーだし、オペラの題材にもなってるくらいなのに、ローマ
として考えると、ちょっとマイナーですかね?ていうか、ぶっちゃけ、ローマでメジャー
なのって、スキピオ、内乱の1世紀→ユリウス・クラウディウス朝、五賢帝くらいでは
ないでしょうか?ローマ自体十分マイナーなんだけども。

カイザーさんはもともと東ローマ(という表現自体、西欧至上主義なんですが)主体の人
なんでしたよね?すみません、こちらがあまりに知らないがゆえに、わりかしメジャー
な時代の話ばっかりで。

>皇帝を凌ぐ権力や軍事力を持ったらすかさず簒奪するべきなんだろうな
古今東西を問わず、真理な気がしますよね。そうじゃないと、惨めな最期が待ってる
カンジですから。その点、スッラはなかなか正しいですね。

993カイザー:2004/04/08(木) 20:31
>カイザーさんはもともと東ローマ(という表現自体、西欧至上主義なんですが)主体の人
>なんでしたよね?

いや、私の専門(?)は西ローマ帝国ですね。別に解説書が書ける程詳しい訳
でもないのですが(汗)。
ただ、こういう時代を勉強して思ったのは、ローマは中世を通じて存続し続け
てるということなんですよね。
統一時代のローマ帝国とビザンツ帝国は、一本の線で結ばれているということ
が、あまりにも軽んじられているような気がします。
日本史が大化の改新から平成の今に至るまで一本の線で結ばれてるのと、同じ
ことなのに・・・。

スティリコ、アエティウス、アスパルといった皇帝に匹敵する実力者が、簒奪
を疑われて無惨な死を迎えたのと、ベリサリウス(死刑にはなってないですが)
の運命は同一線上にあるんでしょうね。
彼らと同じようなポジションにいたのに、皇帝との血縁を利用して帝位に登り
詰めたコンスタンティウス(3世)やゼノンは一生を全うしてるというのは見
逃せない事実です。
スティリコやアエティウスなんか、皇帝と血縁者にはなってたんだから、ホノ
リウスやヴァレンティニアヌス3世の共治帝になっとけばよかったんですよね。

スティリコやアスパルの場合だと、蛮族だからとかしょうもない気遣いがあっ
たから帝位には就かなかったと思われるのですが、どうせ殺されちゃってるん
だから博打を打っておくべきでしたねー。

994マッティアス:2004/04/09(金) 10:10
そうですね、どのみち惨めな最後を辿るなら、イチかバチかの大勝負に出て欲しいです
よね、ルビコン越えよろしく。そういうイミで、カエサルの決断力は偉大だと思います。

東ローマと統一時代の帝国のつながりが軽んじられるのは、西欧中心の世界史認識の
悪弊だと思いますよ。コンスタンティノポリス政権は、東欧・小アジアが基盤だった
ことで勝手に西洋史から外されてる感がありますよね。確かにフランク王国もローマ
教皇によって再建されたローマ帝国と認定されましたが、実際には東西分裂からずっと
続いている東帝国があり、東と教皇の政治的対立から作られたカンジですからね。
ローマ史を語るにあたり、東ローマ帝国の存在は、もうちょっと注目されるべきだと
思います。

とかいって、私もゼンゼン知らないんですけどね。>東ローマ
そのうちヒマができたら、ゆっくりと昨年カイザーさんにダビったBS-iの東ローマ番組
を見て勉強します。

995カイザー:2004/04/10(土) 01:09
>昨年カイザーさんにダビったBS-iの東ローマ番組

あうううう、マッティアスさんに頂いた東ローマのビデオ、コンスタンティヌ
ス大帝の統一戦争の話を長々としてるのをソファーに寝転がって観てたら爆睡
してしまって、それっきり放置プレイになってますー(汗)。
頂き物にケチをつけるようで恐縮ですが、学者先生がボソボソ話してるのを聞
いてると強烈な眠気が・・・・。

世界史の教科書では全く触れられてませんが、東ローマ帝国とローマ教皇の関
係って、凄い重要だと思うんですよね。
カール大帝の出現までは、間違いなくローマ教皇はローマ皇帝の臣下であって、
ローマ皇帝は教皇を通して(形式的ではあるにせよ)蛮族諸国への影響力を有
していたというのは、簡単に無視出来ることではないのに・・・。
とは言っても、私だってこういう教科書的なイメージに疑問を持つようになっ
たのは、つい最近のことなんですけどね。

996マッティアス:2004/04/10(土) 15:31
東ローマ番組、あれ、どっちかというと放送大学とかNHKでやりそうなノリでしたよね。
BS-iはTBS(MBS)系列=世界不思議発見etc.教養娯楽番組、になっているかと思いきや、
かなりマトモなカンジが。チラ見程度の感想ですが。
そのとき夏木マリが朗読してたユスティニアヌス時代の反乱のエピソード、テオドラ様が
やけに迫力で面白かったです。出典なんなんだろう?邦訳出てる本かなあ?

>世界史の教科書では全く触れられてませんが、東ローマ帝国とローマ教皇の関
>係って、凄い重要だと思うんですよね。
ほんとそうですよね。
でも、こういうところから、多分、他の時代やテーマについても、教科書では必ずしも
実際のイメージは伝わってこない、ということがよくわかります。

997カイザー:2004/04/10(土) 19:16
ユスティニアヌス1世時代の具体的なエピソードの大半は、プロコピウスが原
典になる筈です。
ベリサリウスの秘書官として、ヴァンダル、東ゴート、ブルガリアとの戦争に
従軍した同時代人ですので、スエトニウスやタキトゥスよりは信憑性は高い資
料ではないでしょうか。
ヴァンダルやゴート戦について書かれた「戦史」とユスティニアヌスやテオド
ラのゴシップを書いた「秘史」の著作が現存するようです。今のところ、和訳
はないと思います。番組の中では学者先生に部分訳でも借りてきたんだと思い
ます。

テオドラのストリッパー兼娼婦から皇后になった経歴とかニカの乱のエピソー
ドなんかは、「秘史」が原典ではないかと思います。
「秘史」が書かれた時代がいつかはよく分かってませんが、ベリサリウスが失
脚したのを恨みに思って書かれたデタラメが混ざってる可能性はあるような気
はします。

998マッティアス:2004/04/12(月) 21:57
「戦史」も「秘史」もプロコピウスなんですか。よっぽど、ベリサリウスに心酔して
いたんでしょうね。正しい喩えではないでしょうが、タキトゥスが「アグリコラ」で
尊敬する舅を褒め称え、「同時代史」でドミティアヌスや自分たち議員を呪ったような
ものですかね?
邦訳がないのは、とっても勿体無いです。気になる。読みたい。
だっいぇ、タキトゥスやスエトニウスより信憑性がおける、てことは古代において最高
の歴史書ってことじゃないですか!うっわ〜☆


>ベリサリウスが失脚したのを恨みに思って書かれたデタラメが混ざってる可能性は
>ある
それくらい普通ですよ。どうしたって、多少のゴシップや主観に毒された中傷誹謗は
入りますから。それが著作というものです。
でもきっと、読み物としては、「戦史」より「秘史」のほうが面白いんでしょうね。

999カイザー:2004/04/12(月) 22:56
♪汽車はー闇をぬーけて 光の海へー♪の999ですー。

逆にプロコビウスがいなかったら、ユスティニアヌス1世時代の出来事はほと
んど現在に伝わってないかもしれないですね。
本当は他にも色々と文献はあったのでしょうが、サラセン帝国の侵略でコンス
タンティノポリスが何度も包囲されるといった混乱状態にあったヘラクレイオ
ス朝時代にかなり散逸してしまったそうです。

松谷健二の「東ゴート興亡史」「ヴァンダル興亡史」の2作(特に前者)は、
プロコビウスの「戦史」に依るところが多い作品だと思いますので、興味を持
たれたのでしたらお薦めします。
テオドラのエピソードは、ギボンでもそこそこ詳しく紹介されてましたから、
そちらを頑張って読み進めて下さい。先は長いでしょうけど(笑)。

1000マッティアス:2004/04/13(火) 12:39
はい、先は長いけど、がんばります。>ギボン
ていうか、まだ3巻までした持ってないです。すみません。「皇帝群像」読み終わったら
続きをちゃんと読みますね。
サラセン帝国、なつかしい表現ですね。兄の時代には教科書にそう書いてありますが、
我々のときはアラブ帝国(〜ウマイヤ朝時代)とか、イスラム帝国(アッバース朝〜)という
表現になっていましたが。
そうか、この先イスラム関連、いっぱい出てくるんだ。テンション上がってきたにょ。

1000まで来たと言うのに、私の知識は2年前からあんまり成長してない気がするんですが、
今後ともよろしくお願いしますね。

1001カイザー:2004/04/13(火) 22:30
いやー、私も必死になって本を読んだりなんて、全然してないですからね。
まったりと、気が向いた時にしかHPも更新しないですし。(←あかんやん)

サラセン帝国という響きが何となく好きなんで、私は敢えて使っている表現な
のですが、語源とかこの表現が使われなくなった理由は分かっておりません(汗)。
正統カリフ時代は、概略史をぼんやりと思い浮かべる程度にはなりましたが、
ウマイヤ朝とアッバース朝は点の情報しか分からなくていまいち理解出来てな
いです。
まあ、パルティアやササン朝も一緒なんですが。
もうちょっと先の十字軍の時代だと、色んな本があって、それなりに時代の流
れも掴めそうな気はするんですけどねえ。

1002マッティアス:2004/04/15(木) 10:40
そうか、shitarabaは1000超しても続けられるんですね。なんかびっくり。

サラセンて響きはキレイだと思いますが、実はベドウィンの一部族の名称がサラセン
で、ヨーロッパ人があの遊牧民の蛮族ども、くらいの意味で使っていたと聞いたことが。
まあ、どっちでもいいんですけどね。

正統カリフの概略、もうすっかり忘れちゃいました(爆)。
でも確かに、国内で読めるイスラム関連の本は、近現代を除けば、オスマントルコと、
十字軍絡みに偏っていますよね。イスラム国家はインドまで広がったわりに、地中海
沿岸地方の、ヨーロッパに関わった部分の歴史ばかりが取り上げられてるカンジで。

1003カイザー:2004/04/16(金) 00:41
本家2ちゃんねるも、昔は2000カキコとか可能でしたよ。
まあ、ここは大量の書き込みでサーバーに負荷がかかりまくるなんて、あり得
ないでしょうから、問題ないです。ていうか、いつも、どのくらいの人が見に
来てるんだろう・・・。

なるほど、サラセンってのは、ベドウィンの部族名なんですね。マッティアス
さんとお話しさせて頂くと、色々と勉強になります。
まあ、ベルベル人とか露骨に差別用語な表現もあるんで、当時のローマ人やフ
ランク人が使ってた表現なら、このまま気にせず使っていてもいいかなとは思
いますね。近代の西欧史家が使い出した表現なら、改めますけど。

どの分野でもそういう傾向はありますが、イスラム史もポピュラーな情報って
偏ってますね。デリー・スルタン朝とか、世界史の授業で奴隷朝とかハルジー
朝なんて単語を覚えただけだし、ファーティマ朝とか凄い重要そうな王朝の概
略史もさっぱり分かりません。
アイン・ジャールートとか十字軍との戦いが知られるマムルーク朝は、マイナ
ーかと思ってましたが、イスラム王朝の中ではメジャーな方になるんでしょう
ね。

1004マッティアス:2004/04/16(金) 10:44
マムルーク朝でも、十字軍かモンゴル絡みしか取り上げられない気がします。あと最後の
オスマン朝に負けるトコとか。
ファーティマ朝の重要性はものすごく高いはずで、特に12イマーム派(多分)に救世主
として末世に現れる、とか言われているアル・ハーキムなんかものすごく重要なのに。
結局、十字軍というかサラディン絡みでしかまともに取り扱われないですよね。
それでも、比較的、日本語で読める本があるほうなんですよね。おかしいよ。

それにしても、不思議に思うのは、イスラム関連の本のほうが、東ローマをローマだと
認識していることですね。
“ルーム”っていうのはローマ=ビザンツのことで、十字軍時代にはバルカン半島〜
小アジアのことをムスリムはそう呼んでいて、オスマン朝初期には、マルマラ海を挟んで
小アジア側がアナトリア(アナドール)で、ヨーロッパ側がローマ(ルーム)ですからね。

1005カイザー:2004/04/18(日) 01:10
確かにイスラム教徒は、ビザンツ帝国をローマと認識していたようですね。
西欧諸国も、神聖ローマ帝国のオットー1制の皇帝位を承認して貰う為に、リ
ュートブラントを施設として派遣したりしてるんで、ビザンツが強国だった頃
は、イスラム教徒と同じような認識だっただろうとは思います。
ローマ教皇による加冠だけでは、やっぱり権威として不十分だったんでしょう
ね。

むしろ、ローマが完全に滅んでしまって以降の史家こそが、ローマ帝国とビザ
ンツ帝国を別の存在であるかのような言説を流布した根元であるような気もし
ます。
統一時代とバルカンと小アジアに限定的な支配しか持てなかった時代を区分す
ることが間違っているとは思わないですけど、ローマとビザンツは、イコール
の線で結べる存在だと私は思います。
ということは、ローマ共和国=ビザンツ帝国になる筈ですが、これには違和感
をヒシヒシと感じるという辺りに、自分の主張の根拠が怪しく感じる今日この
頃です(笑)。

1006ローマ初心者:2004/04/18(日) 21:03
>カイザーさん
私よくここROMってますよ!!
自分がまだまだ初心者なんですごく知識が深まります。
きっと何年も勉強されてきたんだろうなあと…
私ももっと詳しくなりたいです。

1007マッティアス:2004/04/18(日) 21:36
ローマ=ビザンツというのに違和感を感じるのは、肝心のローマ市が入っていないから
ではないかと思われます。でも、宋=南宋と同じレベルで同一のものだとは思います。

>ローマが完全に滅んでしまって以降の史家こそが、ローマ帝国とビザンツ帝国を
>別の存在であるかのような言説を流布した根元である
これ、ものすごく同感です。

プロコピウスとかアンナ・コムネナとかの邦訳を出して欲しいですよね、マジで。
ビザンツの通史がわかる、値段も手ごろで読みやすい邦書を切に希望します。

☆ローマ初心者さん☆
はじめまして。
私もローマファンになってあんまり長くないので、一緒にがんばりましょう。
ていうか、是非是非対談にご参加ください。
↑管理人でもないのに、勝手に挨拶してしまいますが。

1008カイザー:2004/04/19(月) 00:03
>ローマ初心者 さん
初めまして、書き込みありがとうございます・・・でいいんですよね?
以前、同じHNで書き込みしていた方がおられたのですが、もし同じ方でした
ら申し訳ありません。

私も勉強というか、ローマ関連の本を10年以上に渡って読んでますが、気合
いを入れてたのは一瞬だけで、最近は適当なのを買ってきては積ん読にしてる
か、つまみ読みして満足する程度だったりします。

本気で気合いが入ってるなら、ギボンの「ローマ帝国衰亡史」をお薦めします
が、多分いきなりはきつすぎるでしょう(笑)。
まずは世界の歴史とかをじっくり読むと概略が理解出来ていいですよ。周辺の
西欧諸国だとか、イスラム関連の巻も併せて読んでジクソーパズルをはめ込む
ように、自分の頭の中で情報が空白になっているのを埋めていくのが楽しさ倍
増です。

ビザンツ帝国っていうのは、日本で言えば本州・四国・九州が失われて、北海
道だけとかカムチャツカ半島だけしか領有できてないような状況ですからね。
それは、何か違うだろーと思う気持ちは、よく分かります。

プロコビウスは邦訳にする価値あるでしょうね。知名度もあるし、資料価値も
高そうですし。
なかなかこういうのの訳本が出版されないのは、ギリシア語やラテン語を訳す
人ってのは、やっぱり限られてるんでしょうかね?歴史についても素人じゃ厳
しいですしね。
「生き残った帝国ビザンティン」の井上浩一辺りが、有名な専門家ですが、他
にも専門の教授っていないのかな?

1009カイザー:2004/04/19(月) 00:04
あのー、新スレ作ってますので、次からはそっちということでお願いします。
せっかく作ったのに、こっちでレスが続いていくと、何か寂しいです(笑)。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板