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ゴストゥルーパー・ドールズ臨時レス置き場

1あべさん ◆uMJFatUpYM:2014/03/28(金) 23:56:16
スレタイの通り

14【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/04/17(木) 15:41:24
山中を闊歩するエビ型の妖怪に、彼方から数機の小型無人戦闘ヘリが飛来してきた。
ヘリ群は妖怪に必要以上に接近し、至近距離からスモーク弾を撃ち込んでいく。
妖怪は白いスモークに呑まれて視界を奪われ、周囲をきょろきょろと見回し始めた。
と、煙の中で何かが赤い光を放っているのを見つけ、妖怪はそちらに進路を変える。
もちろん、赤い光は自衛隊の無人戦闘ヘリである。

妖怪は確かに、通常兵器も物理防壁も受け付けない。
しかし、外部の状況を判断するために、視覚を用いているらしい個体が多い事がこれまでの研究で明らかになっており、煙で視界をゼロにすれば、攻撃目標を見失う妖怪も存在するのである。
他にも聴覚や超音波などで外界の情報を得るタイプの妖怪も存在し、そういうものに対しては人類の通常兵器も、目くらまし程度には役立つのである。
もちろん、中には第六感としか思えない超感覚を持つ輩も存在するのだが…。

15オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/04/18(金) 02:14:04
>「オスカー、 オスカー・ファン・ハルベルト、 何故ここに?」

「欠員の補充とでも言うべきか。本来なら私の兄が、この第五小隊に配属される予定だったのだがね……」
そこまで言い、オスカーは次の言葉を飲み込んだ。
――オスカーの兄は、新設された部隊の「教育係」として転属される予定だった。
だが自分は彼等と同等な兵隊として…。
そんなことなど口が裂けても言えなかった。
死んだ兄のかわりなどとは。

そこへ入ってくるのは笹倉桜。

>「私がこの小隊の歌姫です、よろしく」

「オスカーだ。パイロットをしている。よろしく頼む」

笹倉桜。資料を読んで知っている。
幽霊のような見た目と違い優しい歌をうたう。
そしてアベマリア。彼女は勇ましい歌をうたうらしい。
前の部隊ではその歌の特性からか疎まれていたらしいが
オスカーは能力さえ高ければ問題なしと思っていた。
べつに妖怪とお友達になるために歌をうたってもらってるわけでもないのだ。

しかし長篠鉄。
彼とここで一緒になるとは奇縁としか考えられない。
一世代前の旧式で何度か敵と交戦した間柄。
自分と同じ、言い方は悪いが普通の腕前のパイロット。
ゆえに堅実。そして生き残った。
生き残って同じ小隊に配属されていた。
彼は天才ではないがゆえに経験を積み重ね、妖怪との戦いかたを知っている。

(だからか……)
狙撃の天才。格闘戦闘の天才。
数多くの才能の溢れる軍隊なかで、
オスカーは長篠鉄の存在を忘れることができなかったのである。
無論死ぬのは怖くないが、長篠鉄の存在に安心感を覚えるオスカーの姿がそこにあった。

16阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/04/18(金) 18:53:29
>「ほう、これは…、シソのおにぎりの味がする」

「シソのおにぎりの味ィ!?」

非常事態なのも一瞬忘れて素っ頓狂な声をあげながら振り向く。
そこには、見事な美形の外国人がいた。
子猿に饅頭を与える姿さえも何故か優雅である。

>「落ち着くのだアベマリア。20分もあれば充分だ」

滲み出る堂々たる威厳。歴戦の強者なのかもしれない。
もしや私に平常心を取り戻させるためにわざとシソのおにぎりの味というボケを繰り出したのだろうか。

「え……ええ。そうね。あなたがこの隊のパイロット?」

>「オスカー、 オスカー・ファン・ハルベルト、何故ここに?」

>「欠員の補充とでも言うべきか。本来なら私の兄が、この第五小隊に配属される予定だったのだがね……」

どうやらこの人は私と同じくたった今配属されてきたようだ。
続いて現れる髪の長い女性。

>「私がこの小隊の歌姫です、よろしく」

「阿部真里亜です。よろしくお願いします」

>「オスカーだ。パイロットをしている。よろしく頼む」

その猿はペット?とか色々聞いてみたい事はあるが、今は悠長に自己紹介している場合ではない。
そうしている間に自衛隊の進路変更作戦が功を奏し、妖怪が進路を変えつつあるのがモニターに示される。
ひとまず妖怪が街に直行するのだけは回避できたようだ。

「どんな妖怪なのかしら。自衛隊からの情報はまだなの?」

17【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/04/21(月) 10:29:14
大きなテーブルを囲み、慌ただしく通信隊員たちが行きかう作戦室で待機する鉄、オスカー、桜、真里亜。
と、そこでようやく、軍服に身を包んだ初老の男が、室内に入ってきた。

「私が自衛隊のヒガキだ、作戦立案と、情報の取りまとめを行う」

テーブルの一角に向かって早足で歩みながら、初対面のオスカーと真里亜に手身近にそう名乗ると、ヒガキはパネルを操作した。
ヒガキの操作で、テーブルの上に自衛隊機が捉えたエビ型の妖怪の全身像が映し出され、今まで鉄達が見ていたモニターの半分には上空から撮られた妖怪の映像がLIVE映像で映し出される。
エビ型の妖怪は鋏を振り回して木々をなぎ倒し、急接近を繰り返すうるさい無人ヘリを撃墜しようとしているが、空ぶってばかりで上手くいっていない。

「これが今回の妖怪だ、コードネームは、バケエビ、攻撃手段は今現在判明しているのは両手の鋏のみ、射程はロボットの蹴りと同程度。
現在、自衛隊が市街地から離れた森林地帯に誘導中だ」

そういって、ヒガキはLIVE映像でなく、妖怪の進行情報が映されている方のモニターを操作し、自衛隊の誘導による進路予想図を映し出す。
進路上には、自衛隊の巨大ロボットと歌姫が待機する予定と表示された。

「敵の誘導は、自衛隊が担当する、我々は敵が市街地へ進路を変える事を前提に、市街地の前で待機し、目標が市街地へ進行再開した場合、これを迎え撃つ」

ヒガキはモニターを操作し、地図に鉄のゼロキューと、オスカーのブラックプリンスを表示し、2機を示す光点を基地から市街地を通らせて、妖怪と市街地の間に配置した。

「自衛隊が誘導に成功した場合、我々は誘導地点へ急行し、これを殲滅する、これが、今回の大まかな作戦だ。
次に、交戦する場合の、歌姫の歌う順番だが」

そう言って、桜を見るヒガキ。
それに対し、桜は真剣な表情で頷く。

「最初は笹倉桜、次に、阿部真里亜の順で行く。両者は福音展開用ヘリに2機に各々乗り込み、上空からロボットに追随、福音展開開始は、現場のパイロットの判断に従ってくれ
福音展開開始の合図は、長篠鉄」
「了解しました」

鉄を見るヒガキに、敬礼する鉄。

「現場での判断、指揮は鉄、君が執ってくれ、オスカーはまだこちらの土地に慣れていない。
以上だ、何か質問は?」

18オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/04/21(月) 23:56:14
バケエビ……。

その敵の重々しい姿にオスカーは、知能も最大戦速も低いと推測する。
甲殻の底部の腹肢を狙えば、さらに動きは抑えられるはずだが
下手に痛めつけるのは避けたいと思考する。やるなら確実にだ。
なぜなら暴れるものの反撃、それはそれで怖いものだ。

(……しかしあの分厚い甲殻。破れるものか?)
オスカーの心配はそれだけだった。
今のところ、敵の飛び道具は確認されていない。
もしあるのなら自衛隊の小五月蝿いヘリに使用しているはず。
これなら歌姫たちをヘリで空輸も承認できる。
オスカーは、はなから仕留める確率の高い格闘戦闘を望んでいた。

>「現場での判断、指揮は鉄、君が執ってくれ、
オスカーはまだこちらの土地に慣れていない。
以上だ、何か質問は?」

「……一般的にエビは腹肢を使い、砂にもぐる習性があると聞くが、
もしもあのバケエビもその様な戦略を使ってきたらどうするつもりだ?
……その前に仕留めるか。出てくるまで待つか。あくまでも仮定の話なのだがね」
サングラスの奥。彼の表情は読み取れない。
すると子猿が跳躍し阿部の肩にとびうつる。
そして阿部の頭髪の毛繕いを始めたのだった。

19阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/04/26(土) 08:36:55
慌ただしく通信隊員たちが行き交う中、ようやく司令官が現れる。

>「私が自衛隊のヒガキだ、作戦立案と、情報の取りまとめを行う」

モニターに今回の妖怪が映し出される。
両手に鋏を持つ、巨大なエビのような姿の妖怪だ。

>「敵の誘導は、自衛隊が担当する、我々は敵が市街地へ進路を変える事を前提に、市街地の前で待機し、目標が市街地へ進行再開した場合、これを迎え撃つ」

“敵が市街地へ進路を変える事を前提に”――そう、妖怪は何故か人間の住む場所に行きたがる性質があるのだ。
空気が汚れている場所に引き寄せられるのではないか、とか文明を壊そうとしているのではないか、という様々な俗説が飛び交っているが、理由は不明。
というより妖怪の目的も正体も何もかもが不明なのだ。
ただ一つ確かなのは、戦わなければ殺されるという事。

>「最初は笹倉桜、次に、阿部真里亜の順で行く。両者は福音展開用ヘリに2機に各々乗り込み、上空からロボットに追随、福音展開開始は、現場のパイロットの判断に従ってくれ
福音展開開始の合図は、長篠鉄」
>「了解しました」

「……そう。あなたが……」

ここに来て、歌姫の護衛か何かだと思っていた青年がパイロットだという事をようやく認識する。

>「現場での判断、指揮は鉄、君が執ってくれ、オスカーはまだこちらの土地に慣れていない。
以上だ、何か質問は?」

>「……一般的にエビは腹肢を使い、砂にもぐる習性があると聞くが、
もしもあのバケエビもその様な戦略を使ってきたらどうするつもりだ?
……その前に仕留めるか。出てくるまで待つか。あくまでも仮定の話なのだがね」

と、子猿が肩に乗り、毛づくろいをするように髪をすきはじめる。
まるでこちらの緊張を解そうとしているよう。かなり人に懐いているようだ。
よしよし、と頭をなでて両腕で抱く。

「――そうなる前に仕留めましょう。私の歌ならあの装甲を突破できるはず
ただ……それを察知した妖怪が必死の抵抗を試みる事があるの。だから必ず仕留めて」

私の福音出力は標準より少し低いが、妖怪の装甲を脆弱化させ、防御力を大幅に下げるという特殊効果がある。
ただし妖怪によってはその事を悟って死に物狂いで暴れ出す事がある――それが敬遠されていた所以だ。

20【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/04/29(火) 22:01:41
>「……一般的にエビは腹肢を使い、砂にもぐる習性があると聞くが、
>「――そうなる前に仕留めましょう。私の歌ならあの装甲を突破できるはず

オスカーと阿部の言葉に、ヒガキはうむ、と少し考えた姿勢を見せたが、すぐに口を開いた。

「目標が地底へ逃走するようならば、上空へ退避しろ。
そのような新戦術を使われたら、既存のロボットでは歯が立たない。
地底の敵を攻撃する手段もないし、地底で福音が切れるまで待たれたらなすすべがないからな。
…しかし、その心配をする必要は少ない。
なぜなら、奴らはもともとあらゆる物質を透過する能力がある。
足など使わなくても、本来なら地底へ潜れるはずだ。
それをしないのは、何らかの妖怪の構造的な共通の欠点があるからに違いない。
だから、現行のロボットでも戦えている。

よって、作戦は当初の通り、笹倉が先発、阿部がバックアップだ。
阿部はまだこちらのヘリのパイロットや、福音展開設備に慣れていない。」

ヒガキの言葉が終わると同時に、モニターに別ウインドウが開いて、整備士が映し出された。

「ロボットの搭乗準備が整いました。」

整備士の言葉に、ヒガキは頷くと、鉄等を振り返る。

「パイロットはパイロットスーツを着用、歌姫はヘリに急げ。
続きは機内でまとめる。」

ヒガキの言葉に、鉄はいち早くパイロットスーツの保管されている機体の搭乗口へ走っていく。

「さ、こっちよ」
次いで、笹倉が阿部を促して、福音展開ヘリの搭乗口へと急かした。
歌姫の方は福音出力の低下を招くので、厚い防護服は装着できない。
故に、ヘリの中では各々の衣装だけである。

駆け足で指令室を出た笹倉は阿部を伴って空母の上部、福音展開ヘリの格納庫へとやってきた。

「あなたは向こうの機体に」

そう言って、笹倉は阿部をヘリポートに着陸しているヘリの一機へと促し、自らは衣装に着替えるべくロッカーへと走りこんだ。
ヘリの各部にフリスビーをくっつけたような独特の形状の、福音展開ヘリのコクピットでは、操縦士と、副操縦士が阿部に敬礼する。

歌姫は基本的にヘリの移動に関しては彼らプロのパイロットに一任するしかない。
勿論、福音の効果範囲をパイロットが見誤っている場合等は近づいてほしいと促す事や、逆に妖怪に歌姫が恐れを抱いた時に離れてほしいというような簡単なパイロットへの意思表示はできる。
近年では巨大ロボットの技術を応用して、歌姫が歌いながら自力でヘリを運用する事も可能になっているらしいが。
まだまだ普及はしておらず、プロのパイロットに歌姫の舞台は任されている。

21オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/04/30(水) 22:18:08
>「――そうなる前に仕留めましょう。私の歌ならあの装甲を突破できるはず
ただ……それを察知した妖怪が必死の抵抗を試みる事があるの。だから必ず仕留めて」

「ああ…任せてくれ」一言、頷くオスカー。
率直な感じ、阿部の言葉はまるで壁のようだった。
故にそれ意外の反論の言葉、まして賛同の言葉さえも必要としない完璧さをもっていた。
その通り、今は戦って勝利すると思う他ないのだ。
それが正義は勝つと信じて疑わない子どもの盲目さを兼ね備えていたとしても。

(任せてくれ……か)
自分は兄のような天才を演じている。
不安を圧し殺している。

そこへヒガキが口を開く。
彼の話では妖怪は物体を貫通できるとのこと。
それもそうだ。通常兵器が通用しないということは
妖怪はこの世界のものではない。
その怪異に対抗するために福音があるのだろう。

>「パイロットはパイロットスーツを着用、歌姫はヘリに急げ。 続きは機内でまとめる。」

「了解」
そう言ってオスカーは駆け出した。
その瞬間、子猿がオスカーの肩へと飛び乗ってくる。

「ん……あの子の肩のほうがよかったんじゃないのか?」

「ききぃ」

――搭乗口を移動しベオウルフの内部へ。
パイロットスーツはすでに着用済み。
それは手首のボタンを押すと体にベストフィットした。
座席に座ると無数の隔壁が閉じ一瞬の暗闇。
続けて虹彩認証によりベオウルフの全機関に火が灯る。
ベースは超電導。戦闘時は福音とのハイブリッド、ゴスペルドライブが発動する。

「つらいものだな」
妖怪を殲滅し続け、生き続ける。
それがオスカーの願い。
それだけが戦死した兄を越える唯一の方法。

22阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/05/05(月) 09:47:19
>「ああ…任せてくれ」

オスカーと名乗った男性が、力強く請け負う。
しかしそこから感じたものは、完璧な自信とは少し違う物だった。
出来る出来ないに拘らず生き残るには何としてでも勝つしかない、それを悟った者の覚悟……。
一方、ヒガキは、妖怪が地中に潜る可能性は低いと語った。
成程、この世の物質が障害物にはならないのなら今までに地中に潜る妖怪が続出していてもおかしくないはずだ。

>「よって、作戦は当初の通り、笹倉が先発、阿部がバックアップだ。
阿部はまだこちらのヘリのパイロットや、福音展開設備に慣れていない。」

いつもの調子なら私が先に行きますと騒ぎ出すところだが、我ながら今日は大人しい。
この感情は、恐怖……?
今更何を。私はあの時とうに壊れているはずだ。死ぬのは怖くない。
なのに……何故?

>「パイロットはパイロットスーツを着用、歌姫はヘリに急げ。
続きは機内でまとめる。」

長篠君が素早く出撃の準備に取り掛かる。
肩に乗っていた子猿がオスカーさんの方に戻る。
出撃する時も一緒なのだろうか。

>「さ、こっちよ」

笹倉さんは緊張で固まり気味の私を促すように、ヘリへと先導する。

>「あなたは向こうの機体に」

言われた通りにヘリに乗り込むと、操縦士と副操縦士はすでにスタンバイしていた。
これから、操縦を一任する事となる彼らに命を預けるといっても過言ではない。
福音の効果が及びかつ妖怪の攻撃を受けない位置を保ち続ける――言うのは簡単だが行うのは至難の業だ。

「本日から配属になった阿部真里亜です。よろしくね。妖怪が襲おうとしている街……必ず守りましょう」

私の家がある、と言いかけたのだがやめた。
余計なプレッシャーを与えてヘリの操縦に影響が出てはよくない。
そのまま間もなくに迫った出撃の時を待つ。

23【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/05/07(水) 18:46:44
「発進ゲート開け。各ロボットは飛行し、市街地を飛び越えて目的地へ移動願います。
福音展開ヘリは、続いて発艦、追随せよ。」
「了解、ゼロキュー!発進する!」

中世の騎士の鎧のような重々しいパイロットスーツに身を包み、コックピットに多数存在する操縦レバーを動かしながら、鉄が力強くオペレーターに述べる。
それにこたえるように空母の前面ゲートが開き、地響きを立ててベオウルフとゼロキューが現れた。
空母から降り、滑走路へと歩いて行くと、ゼロキューはバーニアを噴射し、空へと浮き上がる。

「つづけ、オスカー!」

鉄はそう言うと、はるか空高くに飛びあがった機体を加速させ、目的地へと飛ばす。
オスカー機も飛び上がると、それに続いて笹倉、阿部を乗せたヘリも発艦し、2機に遅れて追随した。

『阿部さん、心配しなくていいわ……、私と…長篠君だけで勝てる相手。あなたは気を楽にしていて』

移動中、ヘリの中から笹倉が、阿部に通信を送った。
濡れ羽色の黒い長髪と、この世に恨みを持つ悪霊のような垂れ目をした幽霊のような顔から、初対面の人間に暗い印象を与える笹倉だが。
気配りができ、下心なく優しい言葉をかけてくれる彼女は、一般職員たちの評判もよい。
そのため、よく「あれで顔がもう少し景気が良ければ」だとか「衣装だけでなく表情やしぐさも明るいものにしてほしい」などと言った言葉が絶えないが…。
ちなみに彼女の衣装は、パステルイエローのエプロンを中心に、白の長袖セーターとクリーム色のスラックスで構成されており、彼女のもともとの職業である保育士を連想させる物だ。

ともあれ発進した2機のロボットとヘリは、妖怪目指して一直線に空を進んでいく。

===========================

自衛隊の無人ヘリに誘導され、スモーク立ち込める森林地帯を鋏を振り回しながら前進していたバケエビは、突如、ぴたり、とその場に静止した。
ヘリが何度か目の前を通り過ぎて見せるが、一切バケエビは反応せず、電池が切れたようにその場に立ちすさんでいる。
自衛隊のロボット部隊が展開される場所にはまだ距離があり、この位置ならGDチームの方が近い。

==========================

『目標が静止しました』
「何?どう思う、オスカー」

目的地へと飛ぶゼロキューの中、オペレーターからバケエビの現在の状況を聞いた鉄は、後方のオスカーに尋ねた。

24オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/05/08(木) 00:29:30
>「つづけ、オスカー!」

「了解っ。ベオウルフ、発進!」
背中のノズルがけたたましく咆哮する。
煌々としたエネルギーの光芒が大空に尾をひき鋼鉄の巨人が飛翔する。
そんななか、耳朶を打つのはオペレーターの報告。続けて鉄の質問。

>『目標が静止しました』 >「何?どう思う、オスカー」

「わからん。ただ、的が止まっているぶん、こちらとしては戦いやすいな」
未知の妖怪という存在。
奴等はいったいなにが目的なのだろう。
全個体に共通の目的があるのか、それすらも不明だ。

(……いったい何を考えている?)
モニターごし。拡大遠視で観測するバケエビの姿。
人には巨大過ぎるフォルム。
無機質な瞳。
沈黙の不気味さにオスカーは固唾を飲んだ。

(ええいっ、怯むな。今の私は戦う駒だ。
みなここにいるものは役割を全うするという覚悟に満ちているはず)

「きぃ!」
子猿が小さく鳴けば、警告音。
オスカーが気がつけば、ベオウルフの速度が上がっている。
前方を飛ぶゼロキューに数秒で激突するほどの速度だ。

(力みすぎだ)
オスカーは深呼吸。
操縦レバーから力を抜いて子猿の小さな頭を撫で沈黙。
だが子猿は密かに心配していた。
動物の本能で、オスカーはまだこの群れには馴染んでいない。
生き残るためには群れの一員として確かな繋がりを得るべきだと。

25阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/05/11(日) 23:44:19
>『阿部さん、心配しなくていいわ……、私と…長篠君だけで勝てる相手。あなたは気を楽にしていて』

笹倉さんの力強い言葉。
優しさはもちろんだがそれだけではない、ベテランの風格といったものが感じられる。
彼女の衣装は、一見歌姫というイメージとは違うパステルイエローのエプロンが特徴的。
もしかしたら私と同じように、歌姫になる事を決意した経緯を象徴するものなのかもしれない。

「……ええ、ありがとう」

ヘリはロボットに追随するように一直線に飛ぶ。
木々を薙ぎ倒しながら進撃する妖怪が見えてきた。
と、バケエビが突然動きを止める。

「不気味ね……」

笹倉さんのヘリが攻撃を受けない程度の距離で前を通り過ぎてみせるが、反応する様子はない。

「ここで一気に攻めるべきか、いったん引いて様子を見るべきかという事ね……。
考えられるのは何かの攻撃の準備か、こちらの攻撃に備えて身を固める防御態勢のどちらか……」

長篠君がオスカーさんに意見を求める。

>「何?どう思う、オスカー」
>「わからん。ただ、的が止まっているぶん、こちらとしては戦いやすいな」

自衛隊の先行部隊に対しては、このような反応は無かった。
私達が妖怪に対抗する力を持っている事を何らかの形で感じ取っている……!?
歌姫が歌唱できる時間はほぼ一曲分のみ、極力無駄にはできない。
ただし今回歌姫は二人。笹倉さんが時間切れになってもまだ私がいる。
もしもこれが防御の類なら攻撃に特化した私が交代すればいいだろう。

「そうね、何のつもりかは分からないけどこれってチャンス…よね」

オスカーさんの意見に同意を示す。

26【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/05/14(水) 19:27:43
「よし!攻撃だ、オスカーは後方より援護射撃、福音展開開始!」

オスカーと阿部の意見を聞いた鉄は、即時、攻撃を決意する。
慣れぬ最新鋭機に乗り、緊張していたことと、妖怪の謎の行動に注意が行っていた鉄は、オスカーの異常には気付けなかった。
それは、彼の能力と判断を鉄が信頼しきっているためなのだが、仲間の行動に気を向けられないあたり、鉄もまだ未熟である。

「行くぞ!」

動きを止め、森林地帯で停止するバケエビ。
その巨体めがけ、鉄は機体を降下させる。
同時に、笹倉桜の喉から淡い黄色の燐光が沸き上がり、ヘリから流れる「未来」の音楽と共に、周囲に上空から降り注いでいく。

🎶夢を叶えて 一人で探してた星の♪

雪のように空から降り注ぐ燐光と共に、穏やかな、しかし哀愁を含んだ笹倉桜の声の中が響き渡る。
それを聞く鉄やヘリのパイロットたちは、母の手の中に抱かれた赤ん坊のような、安息感に包まれた。
彼女の歌を聴く者は、巨大ロボットのパイロットだけで無く、民間人や、他の歌姫等全ての人が、妖怪の精神攻撃から守られる効果があるのである。
その歌と燐光の中を飛ぶ巨大ロボットの周囲に揺れる燐光が、ゼロキューの体に吸い込まれていき、表面を薄い膜のようなもので包み込んだ。
同じようにベオウルフの周囲の燐光も機体に吸い込まれ、周囲を膜で包む。
機体に搭載されている福音装甲展開装置が周囲の福音を吸収し、福音装甲を作り出したのである。
同時に機体の福音兵装が起動し、巨大ロボットは妖怪を攻撃可能となった。

🎶同じ光を 君が見つめているだけで🎶

「福音拳!!」

上空より急降下した鉄のゼロキューの腕に黄色い光を発生させながら、バケエビに鉄拳を叩き込んだ。
勢いよく放たれた拳はいかなる物体もすり抜けるバケエビの体に、しかし命中し、その体を強固に見えたその装甲を簡単にひび割れさせながら、後ろに大きく吹き飛ばした。

🎶いつもの夜が闇に染まる頃🎶

「脆い!オスカー!追撃だ!」

最新鋭機の力強さに興奮しつつ、福音機銃を展開し、バケエビめがけて発射しながら、鉄は叫んだ。

27オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/05/16(金) 18:40:54
>「そうね、何のつもりかは分からないけどこれってチャンス…よね」

オスカーには自身の希望的観測を、阿部の同意によって確信にまで高めたい気持ちがあった。
だが相手は巨大な妖怪。不安は拭えない。

そんななか、戦闘は始まる。
戦場に響き渡る笹倉の歌声。

>「行くぞ!」
バケエビに炸裂するゼロキューの福音拳。

>「脆い!オスカー!追撃だ!」

「了解!」
ベオウルフがその巨体に似合ないほどの優雅な着陸をみせれば、
長篠の攻撃に続き、バケエビの破損箇所に狙いを定めライフルを構える。
福音の展開でその漆黒の体には無数の光のラインが鮮やかに彩られていた。

(……不思議だ。あの歌声。戦場で安らぎを感じるとは)

照準レクティルにターゲットを合わせトリガーをひく。
ズオォン!
刹那、ライフルの尖端から放たれるは激しい光の閃光。
この閃光は、オスカーの経験では小型の妖怪なら一瞬で散華するほどの破壊力を有しているようだった。
そんな規格外の力をこの新型は持っていた。
だがそれもなんのことはない。
人類は、いや、生物は天敵が現れてもそれに対抗する術を獲得し今まで生き延びてきたのである。
それに物事を効率よく機能させるのが人の作った組織というもの。
子猿の心配は見当違いだったのかもしれない。

(私の兄ならこのまま格闘戦闘に突入し、試運転を兼ねて戦いを楽しんでいたはずだ。
それも余裕の台詞を口走りながらね)
そんなふうに思いながら、アサルトライフルのチャージを終えると再び射撃するオスカー。
強固と予想した甲殻が脆弱なものと確認できれば、
最大戦力を使用する必要もない。

「どうだ?やったか!?」
オスカーの狙ったのは先程命中させた同じ被弾箇所。
バケエビの内部がどうなっているのかは不明だが相手は動かない敵。
それは見事に命中しているはず。

――そして慈愛の光の雨のなか、いまだ森に横たわり続ける妖怪の巨体。
それは皆の見つめるなか、不気味に沈黙を続けていたのだった。

28阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/05/20(火) 21:39:25
>「よし!攻撃だ、オスカーは後方より援護射撃、福音展開開始!」
>「行くぞ!」

長篠君の判断は素早かった。
その決定を受けて、笹倉さんが福音を展開する。

>🎶夢を叶えて 一人で探してた星の♪

「すごい……」

思わず呟いていた。まるで心が洗われるような感覚。
戦場の真っただ中で歌われる戦歌だというのに、それが齎すものは安らぎ。
こんな歌の下で戦えるパイロットは本当に幸運だと素直に思う。

>🎶同じ光を 君が見つめているだけで🎶

いつの間にか自分が涙を流している事に気付く。
そうか、私――怖かったんだ。これ以上大事な人を奪われるのが。
死ぬのは怖くないなんて大嘘だった。まだいるじゃないか。私が死んだら悲しむ人が。

「二人とも頑張って! 私の街を……父さんと母さんを守って!」

控えとはいえ作戦メンバーの一員だというのに、まるで端から見ている一般人のような能天気な声援をおくっていた。
そう、あの運命の日を迎える以前の、未だ世界の残酷さを知らない小娘のように。

>「福音拳!!」

ゼロキューの鉄拳をくらったバケエビは、装甲がひび割れながらド派手に吹き飛ぶ。
装甲が強固なのではないかという懸念は杞憂だったのか、新型機の性能が余程いいのか。

>「脆い!オスカー!追撃だ!」
>「了解!」

吹き飛ばされたバケエビにオスカーが砲撃を浴びせる。
一撃一撃がザコ妖怪なら一瞬で吹っ飛びそうなほどの火力だ。

>「どうだ?やったか!?」

「格好良かったよ! 笹倉さんの歌の中で戦うあなた達……まるで神話の英雄みたいだった!」

私の出番が無しで済むならそれに越した事はない。
多分大丈夫9割、不安1割が入り混じった気分で、沈黙を守るバケエビの様子を固唾を飲んで見守る。

29【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/05/23(金) 12:22:44
>「どうだ?やったか!?」
>「格好良かったよ! 笹倉さんの歌の中で戦うあなた達……まるで神話の英雄みたいだった!」

オスカーの追撃を受けて、硝煙の中で体中のヒビから体液を流しながら沈黙するバケエビ。
それを見た阿部の明るい声が機内に響き、オスカーの声もほんの少し緊張が解けている感じがする。
しかし、妖怪の生命力は侮れない、それに、ここまで一方的にやられたのも不気味だ。

🎶一人じゃない 心たちのように🎶

笹倉桜の歌はまだ3分の1ほどしか終わっていない。
残りの時間、攻撃を続けるべきだ、と、鉄は判断した。

「跡形も残さず片づける、妖撃弾を使う!」

鉄は宣言すると、ゼロキューの胸のカバーを開放し、胸の中に搭載された福音ミサイルを展開する。
ゼロキューの武器の中では最強の攻撃力を誇る必殺の一撃、妖撃弾、計算上は、今まで現れた妖怪すべてに、致命的なダメージを与えることができる代物だ。

🎶明け行く空は 誰かが信じた明日を🎶

「発s…!!」

妖撃弾が放たれようとした刹那、ヒビだらけのバケエビの体が砕け散り、中からもう一匹のバケエビが姿を現した!

「だ…脱皮!?くっ!」

🎶裏切り続けて それでも小さな祈りを🎶

殻を砕いてあらわれた脱皮後のバケエビめがけ、それでも鉄は動揺しつつも、発射態勢にあった妖撃弾を発射させようとした。
だが、それより早く、バケエビの口から、何か液体のようなものが勢いよく噴射され、ゼロキューの胸、露出したミサイルに浴びせられる。
液体は妖怪と同じ物質らしく福音装甲が反応して、黄色い火花がゼロキューの胸で激しく光り、しかし受け止めきれずに貫通されてしまう。
すると液体を受けたミサイルと、ミサイルを固定していたゼロキューのパーツは変形し、じゅうじゅうと溶け始めたではないか!

「機体が…溶ける!?あああああ!」

🎶諦めないよ 届かないと泣き濡れた 君をただ🎶

妖撃弾の噴射剤に引火したのだろう、ゼロキューの胸の中で妖撃弾が爆発。
ゼロキューの上半身が激しい炎に包まれ、中の鉄が慌てているのだろう、福音機銃を乱射しながら上半身を激しく上下左右に乱舞させる。
その間にもバケエビの口から溶解液の噴射は続いていて、ゼロキューの体は付着した溶解液と福音装甲の化学反応で起こる黄色い火花と、炎、煙で染められた。

30オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/05/23(金) 23:55:00
集中砲火を浴び沈黙するバケエビ。かたやこちらは、戦力に余力を残している。
敵の沈黙は不気味ではあるが、この流れなら勝利は確実。
きっと、阿部の両親の住む街も守りきれる。

>「格好良かったよ!笹倉さんの歌の中で戦うあなた達……まるで神話の英雄みたいだった!」

阿部の言葉に、素直に喜色を浮かべるオスカー。
戦闘に私情は挟むべきではないが、同僚の安堵した様相は心地良いものだ。

>「跡形も残さず片づける、妖撃弾を使う!」

続けて鉄の完全なる勝利への布石。
ゆえにオスカーは勝利を確信する。
だがそこに、油断が生じた。
なんと妖撃弾が放たれようとした刹那、
ヒビだらけのバケエビの体が砕け散り、
中からもう一匹のバケエビが姿を現したのだ。

>「だ…脱皮!?くっ!」

新たに出現したバケエビの粘液が妖撃弾の射出を封じ、その胸内で爆裂させる。
鉄は慌てふためき機銃を連射。
ゼロキューの上半身は炎と煙りに包まれ見るも無惨な姿だ。

「あ、うぅ…」
オスカーは冷や汗をかきながら唇を震わせている。
その脳裏に浮かんでいるのは兄の戦死する過去の瞬間。
燃え盛る鉄の機体がそれを思い出させていた。
オスカーは両腕を格闘戦闘用の操縦機器に差し込むとおもいっきり前へと突き出す。
すると次の瞬間、ベオウルフは飛翔し、その脚部は硬質な音とともにバケエビの横腹にめり込んでいた。
横に大きく歪んだバケエビは吹き飛ばされ地響きをあげて山の向こう側に落下している。

「脱出できるか鉄!?誰か、誰かゼロキューに消火剤を…。
そして私にはフルンティングを投下して欲しい!」
と、オスカーは飛行空母に要請。
バケエビが攻撃を再開するのも時間の問題で、これは時間のないなかの時間稼ぎ。
ゼロキューの脱出装置が溶解液で破壊されていないか心配だが
ベオウルフはバケエビの相手をしなければならず
阿部に鉄の救出を頼むのも死ねと言っているようなもの。
それに桜の歌ももうじき終わってしまう。
ここで阿部を欠くのは得策ではない。
――それは勝利するための苦渋の決断だった。

「……阿部マリア、わかっているな?」
圧し殺すかのようなオスカーの声。
彼は阿部に念をおしながらも、斜面から顔を出したバケエビにライフルをお見舞いする。
だがそれはバケエビの溶解液に相殺され火花となって辺りに拡散するのみだった。

31阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/05/26(月) 22:19:53
>「跡形も残さず片づける、妖撃弾を使う!」

長篠君は最後まで攻撃を続けるべきと判断。
皮肉にも、この妖撃弾を使うという判断が仇になろうとは誰が予測し得ただろうか。
バケエビの殻が砕け散り、中から新しいバケエビが現れる。

>「だ…脱皮!?くっ!」

確かにエビに姿は似ているが脱皮までするとは……盲点だった。
バケエビは溶解液を射出し、発射直前の妖撃弾に引火、爆発。最悪の事態となった。
何という不運なタイミング……いや、もしかして敵はこの瞬間を狙っていたのかもしれない。

>「脱出できるか鉄!?誰か、誰かゼロキューに消火剤を…。
そして私にはフルンティングを投下して欲しい!」

笹倉さんの歌は半分ぐらいが終わったところ。
その特殊効果は、精神攻撃に対する防御。
残念ながら溶解液等の物理的な攻撃にはその特殊効果は発揮されない。

>「……阿部マリア、わかっているな?」

「ええ、そのまま奴の気を引きつけて!
運転手さん、歌うから福音展開用スピーカーを! それとゼロキューに消火剤散布をお願い!」

凄惨な状況を目の当たりにしても取り乱さずにとりあえず行動がとれているのは、笹倉さんの歌のお蔭かもしれない。
歌唱時間を優先して笹倉さんの歌が終わってから歌いだすという選択肢もあったが敢えてすぐに歌い始めて重ねる事を選んだ。
一刻も早く長篠君を救出しなければいけないこの状況。奴がエビの生態と同じならば、脱皮直後はまだ脆いはず。
それに、歌姫の歌は重ねる事で相乗効果を発揮する場合があるという。
意を決して歌い始める。

♪Sie sind das Essen und Wie sind die Jäger.――!♪

――お前たちは獲物か?いや、俺たちは狩人だ!

そう、私達は妖怪の餌になどならない、妖怪を狩る狩人なのだから!

32【ゴストゥルーパー・ドールズ】笹倉桜 ◆fr8igvtEPg:2014/05/29(木) 11:03:13
マイクを片手に歌い続けていた笹倉桜の前で、鉄のゼロキューが炎に包まれる。
思わず、「あっ!」と言いそうになるのを、桜はぐっとこらえ、何とか歌詞の続きを口にすることができた。
燃え盛る炎は激しく、ゼロキューから鉄が脱出する様子はない。
無線から、オスカーや真里亜の焦った声が聞こえたが、彼らも内心ではわかっているのだろう。
もう、鉄は助からない事を…。

(動じるな、動じてはだめだ、全ての物事を、画面の向こうの事のように感じながら…。
歌に…、歌にだけ、歌詞にだけ、音にだけ集中するの)

動じるな、動じるなとおのれに言い聞かせながら、桜は歌い続ける。
と、言っても、現在は間奏部分。
音楽に合わせて、ハミングをしているだけで、何か喋っているわけではない。
こうする事で、間奏の間も福音を展開しつつ、喉を軽く休める事ができるのだ。

『駄目だ!福音展開ヘリが消火弾を撃ち込もうと近づけば、溶解液の餌食になる!我々は近づけない!
現在レスキュー隊を要請しているが、到着まで時間がかかる!』

無心にハミングを続ける桜の耳に、さらに絶望的な言葉が、ヘリのパイロットからもたらされた。
そうだ、鉄を救うために、さらなる犠牲を出すわけにはいかない。
せめて、早く妖怪を倒す事ができれば…。

そこまで考え、慌てて桜は我に返り、今歌のどの部分か、改めて確認する。
危うく、歌いだしを間違えてしまうところだった。
動揺するな、鉄の事は私が考える事ではない。
彼には色々と世話になったし、仲良くもなったが、これはやむおえない、今考える事ではない。
そう考え、2番の歌いだしに呼吸を整えた、その時。

♪Sie sind das Essen und Wie sind die Jäger.――!♪

心を揺さぶるような声が…福音が、周囲に響き渡った。
同時に、阿部のヘリから、福音の粒子が周囲に撒かれ始める。

(阿部さん…。そうか!早く勝負をつけるために!)

更に、空のかなたより、空母からカタパルトで射出された巨大な剣が飛来して、オスカーの後方に突き刺さった。

(皆、動じていない、今できる事をしている…。私も!)

♪そんな寂しい心じゃ 大事なものを失くしてしまうよ 少し優しい未来を信じていいんだと♪

桜と、阿部の歌の中で、オスカーの乗る巨人は巨大な剣を引き抜き、構えをとる。
バケエビはそれを見て前足を上げ、背をのけぞらせて腕を引いた後、一気に体を倒して、勢いよくオスカー機に突っ込んでいく。

🎶かなしみを暖めて あげたい🎶

(歌う、私は歌う)

炎に包まれ、地響きと土嚢を上げて倒れ伏したゼロキューを視界の端に捉えながら、桜は必死に歌いつづける。

33オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/06/01(日) 13:19:45
>♪Sie sind das Essen und Wie sind die Jäger.――!♪

福音が…、魂を揺さぶるような歌声が、
粒子となって、阿部のヘリから降り注ぐ。
その一方で、炎に包まれ、地響きを上げて倒れ伏すゼロキュー。
だがオスカーにはどうすることもできない。
今はただ、ベオウルフに飛びかかってくるバケエビを倒さなくてはならないのだから。

鉄塊を持ち上げ、構えるベオウルフ。
二人の歌姫の相乗効果が、
ベオウルフのゴスペルドライブを臨界まで上昇させる。

「オオオオオオオオオッ!!」
咆哮が、無音の鼓動が、空気を激震させる。
同時に発光した必殺の大剣、フォルンティングが空間を疾駆。
バケエビの不可視の防御壁と衝突する。

「……くっ!」
オスカーの体を襲う斥力。負けられない覚悟。
勝って生き残るしか、兄を越える方法はないのだ。

(劣等感。それを僧侶のように受け流すことなど私にはできん。
ゆえに、勝って勝って勝ちまくる!
その向こう側に己の魂の安寧をつかみとる!)

猛り、勇み、守らんとする決意の刃が、阿部たちの歌声を宿し加速。
そしてみなぎる思いが剣とともにバケエビの甲殻を切り裂いた!

――静寂。
蒼天には雲の欠片もなく、
静まり返った森林がこの戦いのすべてを見届けていた。
勝敗はすでに決している。
バケエビの切り裂かれた亀裂から光が溢れだし、すべてを覆ってゆく。
光は柱となり天空へ。
音もなく衝撃もなく、ただの光は空へと消えていった。

「……やったぞ。鉄」
オスカーの視線の先、轟沈したゼロキューに散布される消火剤。
さらに救護班の乗ったヘリから隊員たちが降下してゆく。
今はただ、長篠鉄の無事を祈るしかないオスカーだった。

【スレ主さん、お忙しいみたいですね…】

34【ゴストゥルーパー・ドールズ】笹倉桜 ◆fr8igvtEPg:2014/06/02(月) 15:03:19
>オスカーさん
間違ってデビチルの方にこの名前のまま言ってしまいましたね(汗
仕事の方は忙しいですが、今のペースなら何とか続けていけそうです、デビチルもここも。
危なくなったら、事前に言いますね。
ありがとうございます。

で、その…文章がいいだけに誠に申しあげにくいんですが…2chの方にルールがあるのでわかりづらくて申し訳ありませんが、ゴストゥルは決定リール禁止です。
なので、今回はいいですが、次からは、攻撃を行ったところで止めておいてください。
攻撃が有効か、否か、どういう風にやられるかは、妖怪を操作してるプレーヤーが行います。

35オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/06/03(火) 22:38:42
スレ主さんが切羽詰まってそうに見えてしまって
続きを書いてしまったほうが
手助けになるかも…
なんて思ってしまいました。
すいません。

36阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/06/05(木) 00:36:30
♪踏まれた花の名前も知らずに 地に堕(お)ちた鳥は風を待ちわびる♪
♪祈ったところで何も変わらない 今を変えるのは 戦う覚悟さ♪

>『駄目だ!福音展開ヘリが消火弾を撃ち込もうと近づけば、溶解液の餌食になる!我々は近づけない!
現在レスキュー隊を要請しているが、到着まで時間がかかる!』

そんな……あんまりだ。
とはいえ、すでに歌は始まっている。一度歌い始めたら反論も泣き言も許されない。
何故なら歌うのをやめたらその時点で一巻の終わりだからだ。
今の私に出来るのは最後まで歌い切る事だけなのだ。
自分の身が危険にさらされようと、仲間が倒れようと、歌う。それが、歌姫――

♪屍(しかばね) 踏み越えて 進む 意思を  笑う 豚よ♪
♪家畜(かちく)の安寧(あんねい) 虚偽(きょぎ)の繁栄(はんえい) 死せる餓狼(がろう)の自由を♪

空母から巨大な剣が投下される。ベオウルフの切り札――フォルンティング。
ベオウルフはそれを掴み、風の様に疾駆する。いや、獲物に狙いを定めた狩人のように!

>「オオオオオオオオオッ!!」

♪囚われた屈辱(くつじょく)は 反撃の嚆矢(こうし)だ♪
♪城壁のその彼方(かなた) 獲物を屠(ほふ)る♪

剣が振るわれる瞬間、歌に乗せて叫んだ。

♪Jäger(イェーガー)!!♪

あなたは狩人、必ず獲物をしとめる……私が仕留めさせてみせる。

♪迸(ほとばし)る衝動に その身を灼(や)きながら
黄昏(たそがれ)に緋(ひ)を穿(うが)つ 紅蓮(ぐれん)の弓矢♪

そして――光輝く刃の一閃が、忌まわしき妖怪に炸裂する――

37【ゴストゥルーパー・ドールズ】笹倉桜 ◆fr8igvtEPg:2014/06/05(木) 02:31:20
>>35
俺を泣かせないでくださいよ。
細菌涙もろくて困ってます。
めちゃくちゃ助かりました、ありがとうございます。

38【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/06/11(水) 00:16:15
今日もまた、一体の妖怪が倒れた。
世界各地で日常的に行われている妖怪と人間の死闘。
巨大ロボットと福音、二つの力を手に入れた人類は、その戦いに勝利し続けている。
しかし、それは、失う物が無くなったわけではない。
家が物が、命が…その戦いで常に、消えていくのだ。
そして妖怪に対する勝利から、人類が得る物は無い。
いつも、「負けるよりはマシ」な程度に、被害を抑えられるだけだ。

そしてその日も、人類はまた、得る物何もなく、ただ、奪われた。

=================

バケエビが倒され、炎上するゼロキューの周囲には複数の化学消防車、はしご車などが到着し、本格的な消火を行っていた。
ゼロキューの体を包む燃え盛る炎は強く、未だ消える気配はない。

最新鋭を誇った強固な金属の巨人は、今、炎の中に散ったのだ…。
はたしてこの巨人は奇策に負けたのか、それとも、パイロットの実力が足りなかったのか…。
恐らく両方、敵の行動を読めず、そして、溶解液を避けれなかった、指揮官の先を読む力と、パイロットの技量不足。

「あぁ…」

長篠鉄は、救護班の展開したテントの中、ビニールシートの上であおむけになりながら、そんな事を考えていた。
阿部が、オスカーが、新しい部隊に配属されて初めての出撃。
自分はそれに泥を塗る真似をしてしまったのだ。
自責の念で、鉄は強く頭を抱えている。

オスカー、阿部の下した判断は的確だった。
迅速に妖怪を殲滅した事で、コックピットを守るセーフティーフレームと呼ばれる外殻が溶けてしまう前に救護班が到着。
鉄は間一髪、助けられたのである。

「長篠君…」

不意に後ろから聞こえた声に、鉄はびくっとして、こわごわと後ろを振り返った。
そこには、笹倉桜がが幽鬼のように立っている。

「怪g…」
「すみません…」

強く責任を感じているのだろう、鉄は、桜の気遣いの言葉より先に、彼女に謝り、目をそらした。
自分の失策が、ゼロキューを大破させ、他の仲間と、そして後ろの市街地を危険にさらしたのだ。
鉄は顔を両手で覆って隠し、すみませんっとぼそぼそと呟きはじめた。

39オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/06/12(木) 00:45:39
「阿部マリア。いい歌だったぞ」
と、直通無線でオスカーが言う。
これは不謹慎かもだが、彼は心の何処かで戦闘を求めている。
オスカーは妖怪を殲滅する瞬間に梵我一如に似たような錯覚に陥るのだ。
妖怪殲滅は人類の総意。
つまり任務完了の瞬間にオスカーは大義との同化を果す。
彼はその瞬間だけちっぽけな自我を忘れることが出来るのだ。



オスカーは長篠のもとへと駆けつける。

>「怪g…」
>「すみません…」

長篠の口から紡ぎ出される懺悔の言葉。
(一見、笹倉に泣かされているようにも見えたがオスカーにはわかっていた)
そんな長篠の気持ちをくんで、オスカーはいたたまれない気持ちになりこんな言葉を投げ掛ける。

「謝る必要はない。長篠鉄。無事でなによりだ」

「あのときは私のライフルのチャージ時間と君の妖撃弾の発射時間が重なり
敵に攻撃の隙を与えてしまったのだ。
ほんの二、三秒の隙だったかも知れんがな…。
だから次からはお互いにバックアップすることを心掛けよう。
最後まで油断せずにだ」

オスカーは長篠の気持ちを案じている。
それも長篠のすみませんと言う台詞を、次へ繋がる気持ちととらえていたからだ。
こんな弱気なリーダーをオスカーは見たことがない。
それが新鮮でもあり、彼はこの隊が好きになれそうな気もしていた。
幽鬼のような笹倉に、勇ましい阿部。
戦い続けるさだめなら、せめて戦い続ける場所は自分で選びたい。

オスカーは子猿の頭を撫で微笑する。
子猿もオスカーを強く抱き締め返す。
いつかは死んでしまう自分たちのその心に
思い出を刻み込むかのように。

40阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/06/16(月) 01:35:57
>「阿部マリア。いい歌だったぞ」

「……ありがとう」

妖怪を倒したので、その妖怪が出した溶解液も消えたはずだ。
出来る事はやった、だから後はただ祈るのみ……。

「死んだら駄目だ長篠鉄! 私の歌を聞いてみたいって言っただろう!」

自ら迎えに来て役職も明かさないままいきなり出動して
私の歌を聞く事もないままあっさり妖怪にやられるなんて酷すぎる。

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

ヘリから降りて待機している私達に、悲痛な面持ちでスタッフが告げる。

「また、尊い犠牲が出てしまいました……大破して再起不能です」

「そんな……。……え? 大破?」

「はい、ゼロキューが」

「そっちかい!」

半ばズッコケながら長篠君の元へ急行する。
彼はすでに目を覚ましていたが、九死に一生を得た割には元気がない。
申し訳なく思っているのと、最新型ゼロキューを見て目を輝かせていただけに、それが大破したショックもあるのだろう。
オスカーさんと桜さんがそれぞれ気遣う言葉をかけている。

「助かったんだから素直に喜んでいいの。
私の歌が聞けなくてそんなに残念だった? そんなのいくらでも聞かせてあげる。
これから同じチームなんだからさ!」

とはいえ、福音の歌を歌うという事は、つまり妖怪が現れたということ。
何時の日か、妖怪に人類が勝利を収める時が来たらその時は……
余計な事を考えずに思いっきり色んな歌を歌おう。

「ゼロキューの事は残念だったけどまた最新型が配備されるわよ。
ほら、ああいうのってすぐ古くなるし。次は夏モデルかな?」

ケータイやPCじゃないんだから……。というツッコミが聞こえてきそうである。
何はともあれ手を差し出し、満面の笑みを浮かべる。

「改めて……よろしくね! パイロット長篠鉄!」

♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪

歌姫、阿部真里亜――最初に配属された隊を放り出された逸材。
今回は実家の危機で大人しくしていたが、これから先が思いやられそうだ。
しかし、このチームでならなんとかやっていけるのではないだろうか。
そんな予感がするのである。

41【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/06/17(火) 12:46:38
皆の寛容な態度に、鉄は素直に泣いた。
涙を流し、ありがとう、ありがとうと繰り返す鉄を、桜が優しく抱きしめる。

=======================

「状況終了、状況終了、妖怪は完全に殲滅、大破1、死傷者皆無、倒壊家屋無!」

飛行空母の方でも、オペレーターが戦闘終了をヒガキに報告していた。
ヒガキはそれに頷くと、小さくため息をつく。

「また巨大ロボットと引き換えに、優秀なパイロットがより優秀なパイロットになった、そう思いたいものだな」

そう呟いて、ヒガキは今後の第5小隊の行く末を考える。
ゼロキューの代替機は、現在建造中のゼロキューがすべて配備される先が決まっているので、新規に建造されることになるだろう。
それまでは半年かかるので、その間は別の機体…倉庫で解体を待っている旧型機が配置されるのだ。
そんな旧式の機体で、はたして日々進化している妖怪に勝てるのか…。
どのみち、長篠鉄の未来は暗いだろう。

「だが、そこで踏ん張れ、踏ん張れば踏ん張っただけ、人類は有利になるのだから…」

誰にともなく、ヒガキは言った。

===================

「あら、雨、止んだわね」

各々の帰りの機体、鉄は救助隊のヘリ、オスカー、阿部は各々の乗ってきた機体に戻る最中に、阿部が空を見上げて言った。
見れば、鉄が阿部を迎えに行っていた時から降っていた小雨はやみ、曇り空の間には青空が見えていた。

「…虹が見えたらよかったのにな」
「そうですね、あんな小雨じゃ、虹は見れませんもんね」

そんな事をぼそっと呟きあって、鉄と阿部は各々の機体へと別れた。
人類が妖怪を相手に、勝利の虹を見る日は、果たしていつになるのかはわからない。
だが、勝利の日を信じ、ゴストゥルーパードールズは歌い、戦う。
いつの日か高らかに勝利の凱歌を上げる時まで…。


              THE END

42【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/06/17(火) 12:48:41
さて、終わったわけですが、今後どうするか、皆さんの意見を聞きたいと思います。
例の宇宙人が文明復興に搬送する奴を始めてもいいんですが、正直ゴストゥルーパー・ドールズをもう少し続けたいです。
ただ今のままだと色々不具合もあるので、ここを直した方がいいとか、ここがよくなかったとか、ご意見ご感想をいただけないでしょうか。

43【ゴストゥルーパー・ドールズ】新テンプレ ◆fr8igvtEPg:2014/06/26(木) 14:57:28
ジャンル:オカルト・戦略・巨大ロボットアクション
【世界観説明】

○妖怪
突然出現したあらゆる化学兵器を全く寄せつめない未知の存在。
都市部だろうと海上だろうと関係なく、まるで風が吹くように唐突に出現し、破壊の限りを尽くす。
あらゆる物質の影響を受けないため、壁を通過したりもできる。
意思の疎通は不可能。
○福音
妖怪に対抗できる雄一無二の手段。
特定の女性の喉から発せられる音で、この音の中で妖怪を攻撃することで、妖怪にダメージを与えられる。
歌にする事によって力は増幅し、音は人の形に近いものの方がその恩恵を受けやすい。
○巨大ロボット
福音の恩恵を強く受ける人の形をした巨大な機械。
福音を凝縮して防御や攻撃に使用したり、光の剣のような武器としても使用できる。

【ローカルルール】

1:超越、版権禁止、ただし、この物語の世界はわれわれの世界の未来の世界なので、劇中のキャラ達が台詞などで出すのはOK。
2:1週間経過して次の経過して次の順番の人間が書き込まなかった場合、飛ばして書くこと。飛ばされたキャラはプレイヤーが戻るまで以後NPCとするが、基本的に必要最低限以外動かしてはいけない。
3:決定リールなし
4:一人一キャラ、それ以外はNPCとして登場させること。しかし、他の人の出したNPCを動かす時は、なるべく事前に申し出たほうがよい。いきなり殺すのはご法度。
5:敵役参加有、ただし、ストーリーに関わる物を出すのはある程度物語が進んでから!事前にストーリーに関わるのを出したいと相談してから出しましょう。
6:全体のまとめは俺がやります。が、ストーリーの展開は皆で考えていきましょう。

【テンプレート】
人物
名前:
性別:
年齢:
国籍:
身長:
体重:
容姿:
役職:(基本パイロットか、福音の歌い手)
福音出力:(歌い手のみ、平均的な歌い手の出力を1とした場合の出力。ロボットの攻撃力、福音防御力の補正値)
持ち歌:(歌い手のみ、効果の違う歌を3つまで登録可能。ただし、一回の戦闘で歌える歌は1つだけ!)
各歌の特殊効果:(歌い手のみ、各歌一づつ。効果が大きいと、福音出力が下がる)
おいたち:
備考:



新しいテンプレが完成しました。
ルールは改変ありません。
阿部さんの新テンプレができたら、新しい導入部を投下したいと思います。

44阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/06/28(土) 23:52:03
名前:阿部 真里亜
性別:女
年齢: 29
国籍:日本
身長:160
体重: 50
容姿:裾が引き裂かれたようなデザインの漆黒のドレス、引き裂かれたヴェールが付いたヘッドドレス
役職:歌い手
福音出力: 0.9
持ち歌・各歌の特殊効果

・紅蓮の弓矢 ttps://www.youtube.com/watch?v=dv4nVRpNgZ0
ロボットの攻撃力を上げる。
パイロットの精神にも微妙に作用し、勇敢に戦えるようになる。
と言えば良さそうだが裏を返せば慎重さは減退するのかもしれない。

・自由の翼 ttps://www.youtube.com/watch?v=jmBhAe9OE3E
ロボットの機動力を上げる。
足が速くなったり一定時間に攻撃できる回数が多くなったりする。
ただしそれをどこまで活かせるかはパイロットの腕次第。

・デッドラインサーカス ttps://www.youtube.com/watch?v=R_toGhXWk1g
妖怪を混乱させ、知性的な行動をとれなくさせる。
強力だが、妖怪が予測不能の暴れ方をする危険性もある諸刃の刃。

おいたち:
特筆するまでもない絵に書いたような平凡且つ幸せな人生を歩んできた
が、結婚式当日に妖怪の襲撃にあい、結婚相手が死亡、自身も重傷を負う。
奇蹟的に回復し、皮肉にもその時の怪我がきっかけで福音の歌い手としての力に目覚めた。
以来建前では世界平和のため、本音では妖怪への復讐心を胸に歌姫として活動している。
奇抜な衣装は婚礼衣装を染めてあつらえ直したもので、亡き結婚相手への復讐の誓いの証。
引き裂かれたようなデザインは、妖怪の襲撃を受けた時に引き裂かれた部分をそのまま使用したものである。
備考:
心の中に妖怪に対する激しい憎しみという暗黒面と純粋な少女のような一面を同居させている。
が、普段はどちらもあまり見せる事はなく、むしろフレンドリーなぐらいのただの変人に見える。
色んな意味で軍隊的なお堅いノリには馴染まないらしい。

45阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/06/29(日) 00:02:21
お待たせしました
3曲目を何にするかで少し迷ったけどぶっ壊れた感じが合ってると思ったのでこれで

「戦闘曲」「歌付き」で検索してたらこんなのが出て来た
ttps://www.youtube.com/watch?v=uuHfJib1gek
本編で使われない隠し歌としてテンプレにだけ設定しとくのもアリかと思ったけど流石にやめたw

パイロットとの兼ね合いで歌の効力が最高に引き出された時には
武器が魔的な炎をまとうような演出(紅蓮の弓矢)とか
ロボットの背に光の翼が現れるという演出(自由の翼)も考えたりしています
それでどうこうというわけではなくただのビジュアル的な演出としてですが

46阿部 真里亜 ◆uMJFatUpYM:2014/07/01(火) 22:52:39
実質独立したスレのような状態になっているので一応トリ変えておきます

47阿部 真里亜 ◆PxcqTTd2Bc:2014/07/01(火) 22:53:11
新トリップはこれで

48【ゴストゥルーパー・ドールズ】新テンプレ ◆fr8igvtEPg:2014/07/02(水) 20:20:55
>>45
福音がこう、光る燐光として撒かれてる描写があるので、それが集まって翼や炎になるっていうのはありだと思います。

それの応用で、武器を出せるってのもいいかもしれませんね。

少ししたら笹倉のも作ろうと思います。
再開まで今しばらくお待ちください。

49【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/07/06(日) 19:55:12
仕事先の先輩がぶっ倒れやがりました!
自分の子供のかかった病気をうつされたとかなんとか…。

まともな指導も無しに俺が代わりを務める事になっており、現在苦戦中。
再開はまだまだかかります、すいません。

50阿部さん ◆PxcqTTd2Bc:2014/07/06(日) 23:51:39
>>49
それは大変……!お早い回復をお祈り申し上げます。
再開はいつでもいいので慌てないでね。

51【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/07/12(土) 21:58:21
すいません、今月中は無理げです。
仕事が忙しいっつーより、俺の行動に致命的な問題が見つかって…。
根暗で…根暗で接客業向いてなくて…。
うっ…うっ…
営業スマイル何ておらできねえだ…。
休みの日を叩き潰されて仕事に出てるのにもっと働けとかほざく糞上司に愛想よくなんかできねえだ。
もう上司に決闘とか申し込んで相打ちで死にたい。

52阿部さん ◆PxcqTTd2Bc:2014/07/12(土) 22:26:38
開始が遅れる事は全然気にしないで
私も少し引っ越しでバタバタするのでそれ自体はむしろ丁度良かったぐらいよ
休日出勤でお疲れでしょう、落ち着くまではまずは休むことを優先して。

でも大変そうね……。仕事が向いてないんじゃないかという気持ちはとてもよく分かります。
世の中にはすぐ辞める人もいるのに向かないながらも続けてるだけ偉い!と思う事にしてますw
きっと今の状況がずっと続くわけではないのでどうか自暴自棄にならずに。
それでももー究極にどーにもこうにも無理だ!と思った時は病院行って死にたい連呼して診断書を貰ってしまう事よ。
冗談みたいだけど割とマジで。取り返しのつかない事になってからでは遅いんだから。

53名無しさん:2014/07/12(土) 22:47:09
よこですが、上司のかたになにかを言われることは期待の現れであり
成長できるときがきたのかと思われます
感情的になっている時の行動は、
あとから思い出したら失敗ってこともありますので慎重に行動なさってください

応援しています
詳しい現状も知らず生意気を言ってすいません

54【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/07/15(火) 21:00:27
阿部さん、>>53さん、ありがとうございます。
元々俺のとった仕事と相性の悪い職場だったのと、根暗で対人恐怖症なとこがあったので大苦戦してましたが、お二人のおかげで一つ、殻をぶち破る事が出来ました。

皆さんの励ましのことばのおかげで、一つの苦境をどうやら乗り切れたようです。
が、今度はリアルイライラ棒を車でするような本来の職務じゃないところでの大ピンチが襲来してきました。
まだまだゴストゥル復活はできそうにないです…。

しかし、仕事は忙しくてもネトゲよりTRPGのが好きな俺はTRPGがしたくて仕方が無かったりします。

そこで、もっとこう、頭からっぽにしてできるような大雑把なロボット物を作りたいと思っています。
それを始めると余計ゴストゥルが遅れるような気がしますが、俺は自分の気持ちに嘘がつけません。
やります!
以下、設定です。

55 ◆fr8igvtEPg:2014/07/15(火) 21:11:18
スレタイ:「超」巨大ロボット同盟軍対凶悪宇宙人軍団!!
ジャンル:「超」ロボット物
ストーリー:ある日、世界各地を無数の侵略宇宙人が襲ってきた!!
圧倒的な科学力を持つ宇宙人の攻撃に、世界中の軍隊は全く無力!
瞬く間に世界各地は凶悪で無慈悲な侵略者たちの前に焦土と化し、街と言う街は残虐な処刑を施された死体で埋め尽くされた。
侵略者達は宇宙の「悪の意思」なる物の導きにより、徒党を組んで地球を攻撃してきたのだ!
その目的は地球環境の徹底的な改造と、人類の家畜化にある!
交渉、和睦の道は全くない!!

この凶悪な侵略者の大軍勢に対抗すべく、ゆういつ侵略者の攻撃を免れている日本の、富士山麓に世界中の天才頭脳が結集!!
全世界の技術をもって、あらゆる現有兵器を凌駕する、「超」兵器巨大ロボットが作られていた!!
それに乗り込むは、人間離れした奇人、変人、超人、鉄人!!

侵略者と人類の戦力比、地球人類1に対する侵略者100万!!
絶望的な戦況を…ぶっつぶせ!超巨大ロボット同盟軍!!

56 ◆fr8igvtEPg:2014/07/15(火) 21:12:31
あ、すいません、実験準備室と間違えました。
後で投下しなおしときます。

57 ◆fr8igvtEPg:2014/07/15(火) 22:52:42
むしゃくしゃして書いた。
巨大ロボが出れば何でもいい気になっていた。
今は反省しています。
すいません、「超」〜は無かったことにしてください。

うう…さっそく感情のままに動いてしまった…。

58 ◆PxcqTTd2Bc:2014/07/16(水) 12:44:55
とりあえずちょっと元気が出てきたようで何より
それはそれで分かりやすくてなかなか面白そうだと思うけど
本人さんがそう言うならスレ原案投棄所の誤爆という事にしておきましょw

59名無しさん:2014/07/20(日) 10:35:18
少し、元気になられたようでよかったです。
変なことを言ってしまったのかと心配していました。

超ロボット、かっこいいですね

60【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/08/01(金) 21:44:15
【笹倉 桜は新曲追加なしで行きます。
ながらくお待せいたしました。
ゴストゥルーパー・ドールズ、episode2を始めたいと思います】



===========================−


南米、ジャブロー。
暑い日差しに照らされた広大な熱帯雨林の上空を移動する、巨大な影があった。
ゴストゥルーパードールズ、第5小隊の移動空母である。

「妖怪の目撃情報があったのはここか…」

艦橋の窓から眼下の森林地帯を見下ろしながら、アメリカ軍のジャクソン大佐は呟いた。
先日、南米上空を哨戒中だったアメリカの偵察機が妖怪の映像を最後に連絡を絶ち。
監視衛星等は分厚い雲がジャブロー上空を覆っていたため使う事が出来ず、結局、妖怪はそのまま見失ってしまった。
そこで、妖怪を早期発見、殲滅すべく、第5小隊がジャブローの奥深くに送られたというわけである。

しかし、アメリカ軍の偵察機やヘリがジャブロー上空を飛び回り、妖怪を捜索しているものの、その姿は未だに見つかっていない。

「…隠れるのがうまくなってきたな、オカルトのモンスターめ、真っ向勝負では勝てないからゲリラ戦か…」

ジャクソン大佐はいらだたしげにそう言うと、パイロットと歌姫たちに、艦橋へ集まるように指示を出した。

=============================

「私が今回君達の指揮をとる、ジャクソンだ、さっそく、アメリカ軍の所有する妖怪の情報を伝えようと思う」

艦橋に集まったパイロットたちに、大佐はそう言うと、スクリーンに偵察機が最後に送ってきた妖怪の映像を映した。
そこには、人間の腕が4本はえた毛のないネズミのような怪物が、熱帯雨林の中を木々を蹴散らさず進んでいる姿が映し出されている

「これが今回目撃された妖怪、コードネームは、スナカケババア、大きさは約35m、4足歩行型で、全長は60程だ。武器は…」

画面の中のスナカケババアが、手を偵察機の方に向けた。
すると、何か小さな物が無数に偵察機のカメラに命中し、カメラが破損、映像は途切れてしまう。

「このように飛び道具を持っている。こいつが、現在このジャブローのどこかに身を潜めているのだが、上空からの捜索では見つける事ができないでいる。
木々の間に身を潜めているか、川の中に隠れているか…まぁ、そんなところだろうが。
発見次第、諸君らには迎撃にあたってもらう。
今のところまでで、何か質問は?」

ジャクソンは歌姫とパイロットたちを見回した。

61阿部 真里亜 ◆PxcqTTd2Bc:2014/08/03(日) 22:25:26
第5小隊の空母はもう長い間熱帯雨林の上空を飛んでいた。
妖怪出現によって出動要請があって来たものの、妖怪が見つからないのだ。
妖怪というのは一度現れたら最後派手に暴れ回って探すまでもないというのが今までの常識だったのだが……。

>「これが今回目撃された妖怪、コードネームは、スナカケババア、大きさは約35m、4足歩行型で、全長は60程だ。武器は…」

妖怪が何か小さな物を飛散させ、カメラの映像が途切れる。
なるほど、だからスナカケババアね。

>「このように飛び道具を持っている。こいつが、現在このジャブローのどこかに身を潜めているのだが、上空からの捜索では見つける事ができないでいる。
木々の間に身を潜めているか、川の中に隠れているか…まぁ、そんなところだろうが。
発見次第、諸君らには迎撃にあたってもらう。
今のところまでで、何か質問は?」

人里に進撃するでもなく、偵察機等がこれ程飛んでいるのに積極的に襲いに来るでもない。
隠れて不意打ちの機会を伺っているにしても、こんなに警戒されてしまっては不意打ちも至難の業。
逆に、森の中でひっそり生きてきた人間に見つかりたくない妖怪、とは考えられないだろうか。
そうだとすれば最初の偵察機は不幸にもうっかり鉢合せしてしまったために口封じされたとか……。
そういえば、襲われた偵察機はどうなったのだろうか。
消息を絶った、とは聞いているが……。

「はい! その消息を絶った地点で偵察機の残骸のようなものは発見されたのですか?
それとも行方不明……?」

62【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/08/05(火) 20:45:06
*ジャブローはガンダム独自の架空の地名である事が判明しました。
 なので現在地の設定を、アマゾンに変更します、大変申し訳ありません(汗
 それから、ゴストゥルには今後(あれば)、現実の国家が登場すると気まずいので、架空の国家が出てきますが、それらは本作オリジナルの国家でいくつもりです。
 では引き続き、episode2をお願いします。

63長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/08/12(火) 22:08:52
【オスカーさんが来ないので、鉄をパイロットに復帰させて、話を続けたいと思います】

「偵察機か…、この真下だ」

言って、ジャクソン大佐は機の下方カメラの映像を映し出した。
そこには、ばらばらになった偵察機の残骸が無残な姿をさらしている。

「妖怪による汚染や襲撃を警戒して、本格的な回収作業は行われていない。
しかし、わずかに回収できた部品から、パチンコ玉サイズの無数の何かができたのだろう小さな穴が大量に見つかった。」

ジャクソンがモニターを操作し、画面にまるで月の石の様に小さな穴が無数に空いた破片を映した。

「徹底的な破壊様から、奴が我々に対して強い憎しみを持っているのは疑いようがないな。
現在アメリカ軍は奴を見つけ出すため、ある作戦を進めている。
それがこれだ。」

そう言って、再びモニターを操作するジャクソン。
すると、モニターは戦略地図に変わった。
地図上の熱帯雨林の上を、第5小隊の空母を現している大きなマーカーと、アメリカ軍の偵察機の小さなマーカーがいくつも動き回っており。
熱帯雨林を囲むように画面の端には、アメリカ軍の巨大ロボットを示す赤いマーカーが何機か配置され、熱帯雨林からスナカケババアが現れた際どこから現れても迎え撃てるように待機している。
そこに、画面の端のあちこちから無数の輸送機が出現し、何か小さなマーカーを熱帯雨林のあちこちに撒きながら画面中央の飛行空母に集まり、空母と重なって消えた。

「熱帯雨林のあちこちに我が軍のレンジャー部隊を降下させ、地上から妖怪を探し出す作戦だ」

画面を指さして、ジャクソンはとんでもない事を言った。
生身の人間が妖怪と遭遇すれば、即、殺されてしまう。
それが無くても、人のいない場所にわざわざ人間をばら撒けば、いざスナカケババアを見つけて交戦する事になった時、周りにいる歩兵が邪魔になって思うように戦う事が出来なくなってしまうのだ。

「大佐、それはあまりにも人命を軽視している、そんな非人道的な作戦はするべきではない!」

ジャクソンの余りの作戦に、阿部と一緒に作戦を聞いていた鉄が手をあげ、毅然とジャクソンに言い放った。
横で、笹倉も厳しい目でジャクソンを見つめている。
しかし、ジャクソンは心配する事は無い、と阿部の方を見た。

「そのために、君達第5小隊、正確には、阿部真里亜、君に来てもらったのだ」

言って、ジャクソンは画面を操作した。
それに合わせて緑色の小さなマーカーの中にスナカケババアが出現、緑色のマーカーはそれから逃げるために散り始めると、第五小隊の空母から何かウェーブのような物が放たれた。
すると、緑色のマーカーはウェーブを浴びて青いマーカーに変わり、高速でスナカケババアから離れていく。

「君の持ち歌の一つ、自由の翼を使い、アメリカ兵達に福音の翼を装備させて、高速で戦域を離脱させるのだ。
これなら福音防御と戦線離脱、二つを一度にこなす事が出来る。
さらに、巨大ロボットを高速で戦域に到達させることもできるのだ」

ジャクソンの説明通り、空母に搭載された長篠のロボットと、待機しているアメリカ軍のロボットが高速でスナカケババアに殺到、複数体でスナカケババアを攻撃し、あっという間に撃破した。

福音は「人型に近い形程、その恩恵を受けやすい」そして、最近開発された新型の福音歌唱機は、福音を反物質化して密集させ、人型にまとわせることができるようになっている。
それならばなるほど、「人型」そのものの生身の人間ならば、最大限に福音の恩恵を受け、巨大ロボットのように攻撃力は無いので妖怪を撃破する事はかなわないまでも、福音の効果によって逃げる事位できるだろう。

「しかし、それでも生身の人間を妖怪と対峙させるべきではない…」

そんなジャクソンに、笹倉が強い口調で言った。
彼女は、実際に生身で妖怪と対峙し、その腕を失っている。
故に、その言葉には重みがあった。
そして笹倉の視線は同意を求めるように、阿部の方を向いている。
彼女もまた、生身で妖怪の脅威を感じた一人だからだ。

64オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/08/13(水) 13:25:05
すいません!
考えてみたら引退宣言もしてなくって
ほんとうにすいません!

またの機会がありましたら
よろしくお願いいたします(-人-)

65長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/08/13(水) 18:18:45
え!?
いや、やめるんですか!?
大丈夫ですよ、まだ参加できますよ!?
って言うか参加してくださいお願いします。

66長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/08/13(水) 20:01:42
あ、始まってるのわからなくて参加しにくいんじゃなくって、事情があってやめなきゃならないんですね。
すいません、読み違えてました。
また、機会がありましたらよろしくお願いしますね。

67 ◆z4KXiuQxT6:2014/08/13(水) 20:54:54
TRPG に少し疲れた感じです。
完全なウケミンでしたら参加できるかもです。
それにつきまして
オスカーのキャラでは
中の私が疲れすぎてしまいますので
出来損ない後輩の新キャラを
考えてみたいと思います。
仮設ゼロキューを操る新米の日本男児とかです。

68長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/08/13(水) 22:12:09
>>67
ウケミン歓迎です!!
どんと来てください!

69関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/08/14(木) 11:06:06
>「しかし、それでも生身の人間を妖怪と対峙させるべきではない…」

皆の話を聞きながら関ヶ原金之助は言い合いが終わるのを待っていた。
正直言えば、ことなかれ主義。
自分が歩兵ならば従うだけだし歩兵でなかったことに安堵もしている。
まあ、それは自分の考えることでもないと思いながら
彼は軍人らしくよくしつけされた犬のような態度でおとなしく話を聞いている。

だがただひとつ気になっていることは自身の操るロボットに飛行能力がないことだ。

(どうするのだろう)
と関ヶ原金之助が考えてもしょうがない。
今は話が進むことを待つしかなかった。

70関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/08/14(木) 11:08:37
名前:関ヶ原金之助
性別:男
年齢:22
国籍:日本
身長:172cm
体重:80kg
容姿:デブ
役職:パイロット
おいたち:普通のサラリーマンの息子。
備考:成り行きでパイロットになってしまった変な男

正式名称:対妖怪人型兵器局地戦用試作壱号機
愛称:プロト
全高:40m(頭頂高)
重量:弾薬フル装備時9000t
姿形:頭部はエリンギのような形の甲殻で覆われており
首から下の上半身は人工皮膚を模した特殊装甲に覆われている。
下半身は古代ローマ帝国の戦車ような形。

武装:右手に着脱式巨大ドリル。左手には大盾。
手投げ弾(毬栗型)プロペラ式浮遊機雷。
毒ガス(福音の力で妖怪の体を侵食する)

戦闘能力
攻撃力:1
福音防御力:3
物理防御力:3
機動力:1
耐久力:3

機体解説
装甲に人工皮膚が使われているのは設計者がプロトを人型に限りなく近づけようとしたため。
だが如何せん経営難のため企業が製造を断念。
プロトの製造は凍結された。
しかし戦場での万年的な機体不足のあおりをうけ
軍が自ら改修し、今回実戦配備されることとなる。
未完成の下半身は巨大な車輪を代用することによって完成。
これで遂にプロトは陽の目をみることとなった。

71阿部 真里亜 ◆PxcqTTd2Bc:2014/08/16(土) 00:37:19
原型をとどめない偵察機の残骸が映し出される。

>「妖怪による汚染や襲撃を警戒して、本格的な回収作業は行われていない。
しかし、わずかに回収できた部品から、パチンコ玉サイズの無数の何かができたのだろう小さな穴が大量に見つかった。」

私が密かに考えていたどこか全く別の場所に飛ばされたとか”妖怪の世界”に連れて行かれたとかいう説は否定された。
妖怪の世界、というのは妖怪がどこからともなく突然現れる事や通常の攻撃が通用しない、という事から
我々の世界とは異なる位相の世界から来る存在なのではないか、と常々考えているのだ。
といっても物理学等の素養があるわけでもないので全くの素人考えだが。

>「徹底的な破壊様から、奴が我々に対して強い憎しみを持っているのは疑いようがないな。
現在アメリカ軍は奴を見つけ出すため、ある作戦を進めている。
それがこれだ。」

一瞬でもこいつ実は戦いたくないんじゃね?と思った私が馬鹿だったようだ。
やはり妖怪は議論の余地無き絶対的な人類の敵なのである。
それならそれでさっさと出てくれば迎え撃ってやるのに。
ジャクソンさんが操作するモニターには、小さいマーカーが熱帯雨林のあちこちにばら撒かれる。
この小さいマーカーは一体なんなのだろうか。

>「熱帯雨林のあちこちに我が軍のレンジャー部隊を降下させ、地上から妖怪を探し出す作戦だ」

レンジャー部隊って……要するに歩兵だよな。
文字通り命懸けの囮作戦!? いくらなんでも大胆すぎる。いったん落ち着こうか大佐殿。
私が口を開くまでも無く第五小隊の良心である笹倉さんが毅然と意見する。

>「大佐、それはあまりにも人命を軽視している、そんな非人道的な作戦はするべきではない!」

しかし、大佐はそのような反応は想定の範囲内とばかりに言葉を続けた。
>「そのために、君達第5小隊、正確には、阿部真里亜、君に来てもらったのだ」

「私……ですか!?」

>「君の持ち歌の一つ、自由の翼を使い、アメリカ兵達に福音の翼を装備させて、高速で戦域を離脱させるのだ。
これなら福音防御と戦線離脱、二つを一度にこなす事が出来る。
さらに、巨大ロボットを高速で戦域に到達させることもできるのだ」

生身の人間に福音を使うという斬新すぎるアイディア。
しかし考えてみれば人型に近い程福音の恩恵を受けやすいからロボットをわざわざ人型に作っている位なので
人間自身が福音の効果を最も受けやすいと言うのは当然っちゃ当然である。

72阿部 真里亜 ◆PxcqTTd2Bc:2014/08/16(土) 00:38:07
「福音を人間に……ねえ」

これだけ待っていても普通のやり方では妖怪が出て来ない以上合理的な考えと言えるだろう。
しかし、大勢の兵士の命が私の歌に一手にかかってくる事になるのである。
福音を人間に使った前例もなく、具体的に福音が人体にどの程度作用するのか確かな検証の元にやるわけでもない。
少し前までの私ならすぐにやると即決していたに違いないが、第五小隊に来てからというもの余計な事を考えるようになってしまった。
不思議なものだ。

>「しかし、それでも生身の人間を妖怪と対峙させるべきではない…」

笹倉さんの肩腕は、妖怪の襲撃で失われたのだという。
妖怪に何かを奪われ、妖怪との戦いを決意したという点では一緒なのだ。
妖怪に襲われた時の事は、今でもはっきりとは思い出せない。
ただ一つ確かなのは、妖怪の脅威の前に、生身の人間は成す術もないということ。
だからこそロボットという鋼鉄の鎧を纏い戦いに挑むのだ。
しかも、この作戦で尤も重要な役割と言ってもいいレンジャー部隊らしき者がこの場に見当たらない。
少なくとも意見を述べる機会は与えられてしかるべきだ。
と思いきや、隣に少し恰幅のいい見慣れない男性がいる。
もしやレンジャー部隊代表としてこの作戦会議に呼ばれたのだろうか。

「あなたもそんなイチかバチかみたいな事金輪際したくないですよねえ。
笹倉さんの言う通りです。今の状態……では」

いきなり話を振られた男性の戸惑いの表情を肯定と勝手に解釈して私は続ける。

「作戦に参加する兵士に事前に歌の一部を実際に歌って福音の効果を実験しておく……
というのはどうでしょう。
実験、といってももちろん場所は艦内になりますが。
思ったほどの効果を得られないようなら作戦自体を考え直す必要がありますし
効いたら効いたで一度体験しているのといないのでは大違いです」

足が速くなったものの勢い余って木に激突してる間に妖怪にやられました、ではシャレにならない。
一部とはいえ福音を歌えば回復するまで休む時間もいるので、作戦決行までの時間は更に延びるが
今まで手をこまねいていたのだから今から少々延びたところで同じ事だ。
それよりその結果を基により確実な作戦を立てられるメリットが大きい。
もしもその間にスナカケババアが痺れを切らして攻めてきたら……?
普通に笹倉さんに歌って貰って戦えばいい。むしろ危険な作戦を決行しなくてよくなって御の字だ。

73名無しさん:2014/08/16(土) 12:28:08
モニターの内容ってシミュレーションなの?
それとも実際に起きてることを中継してるの?

74【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/08/16(土) 19:38:42
>>73
作戦内容をわかりやすくモニターを使って解説しているだけで、シミュレーションです。
わかりづらくてすいません。

続きは少ししてから書きます。
関ヶ原さん、お先に書きたければどうぞ。

75関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/08/17(日) 21:38:59
>「あなたもそんなイチかバチかみたいな事金輪際したくないですよねえ。
笹倉さんの言う通りです。今の状態……では」

>「作戦に参加する兵士に事前に歌の一部を実際に歌って福音の効果を実験しておく……
というのはどうでしょう。実験、といってももちろん場所は艦内になりますが。
思ったほどの効果を得られないようなら作戦自体を考え直す必要がありますし
効いたら効いたで一度体験しているのといないのでは大違いです」

関ヶ原の答えは、すべてお任せ……だった。
歩兵とて軍人な以上、死ぬかも知れないから出来ませんなどと言えるわけもないはずだし
関ヶ原本人にも死ということの実感は少ない。
両手を失っている笹倉ほどの気持ちも、
愛しい人を失っている阿倍のような気持ちもない。
要するに関ヶ原には、これといって譲れない意見がないのだ。
それと阿倍は関ヶ原を兵士と思っているらしいが、
彼はそれを否定することもなかった。
熱血主人公ならば自己紹介の場面でもあるのだろうけど彼は違った。
阿倍が何を思っていようがかまわない。
今はことが進むのを待つしかなかった。

76関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/08/17(日) 21:45:11
う〜ん。自分ってけっこう悪質なウケミンな気もしていたりしてなかったり……。
オスカーもけっこう空回りって
いうか大きな独り言しか言ってなかったのですが
関ヶ原も一人相撲をはじめてしまいそうですw
すいません…。

77【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/08/21(木) 10:26:38
>「作戦に参加する兵士に事前に歌の一部を実際に歌って福音の効果を実験しておく……
というのはどうでしょう。

「………む、いや、その必要はない」

自分の作戦の欠陥を指摘され、ジャクソンは狼狽えながら、しかし、首を振って強く阿部の意見を否定した。

「副音の人体への影響はすでに別所の研究所で研究成果を得ている、そこは心配ない!
それに、妖怪の行動目的がわからない以上、早期にそれを叩くのを最優先すべきだ!」

先ほどより荒いしゃべり方で、早口にジャクソンは言った。
それは作戦の有効性を説くよりも、自分の意見を押し通すような風である。

「ならそんな目的をもって隠れ潜んでるやつが人間が直接地面に降り立ったところで暴れだすかだってわからないのでは?」
「短絡的だ!そんな作戦が成功するわけがない!」

そんなジャクソンの態度に、笹倉が強い口調で責めるように抗議する。
さらに、鉄に至っては明らかに怒り、声が大きくなっていた。
二人の応答にジャクソンはいらだたしげに大きく舌打ちする。

ジャクソンは妖怪出現以降、軍内部で有効な作戦を立案、実行できずにいた。
個体ごとに攻略法や作戦方法が全く異なる妖怪たちに対抗できないジャクソンは過去失態を重ね、失脚が迫っているので焦っているのである。

「何もしなければ多大な犠牲が出るのだ!作戦は実行する!」

断固とした態度で自分の意見を押し通そうとジャクソンが叫んだその時だった。
司令室の警報が鳴り響き、オペレーターがモニターに別所から届いた映像を表示し、叫ぶ。

「ここから北東30kmの位置に新たな妖怪が出現しました!!」

モニターには偵察機が映しているのだろう、巨大な蛇の胴体から腕が4つ伸び、腹にオレンジ色の半透明の球体を7つつけた妖怪が、木々を蹴散らしながら進んでいる様子が映し出された。

「米軍司令部より、コードネーム、ヨナルデパズトーリと設定、時速70kmでまっすぐここに向かっています」

オペレーターがモニターを操作し、そこに戦略地図が表示され、現在出現しているヨナルデパスドーリの進行方向、速度が表示された。
その進路をたどると、第5小隊の飛行空母がある。

「妖怪の複数出現…前例のないことではない!スナカケババアを包囲しているわが軍のロボットは動かせん…諸君、諸君がヨナルデパスドーリを迎撃しろ!」

モニターから視線を外し、鉄らのほうを向いたジャクソンは、モニターを指さしながら早口に言った。
表情や動きから、うろたえているのがわかる。

78【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/08/21(木) 10:27:08
>>76
いや全然いいですよ、気にしないでください。

79関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/08/21(木) 18:51:20
78
ん〜、何にもしないくせに
美味しくしろ!みたいなウケミンって問題かも、
と思っていたのですが
取り越し苦労だったみたいです。

それとすいません。順番とか気にしていなくって
毎回レスをしていました。
次の阿倍さんのあとに書きたいと思います

80阿部 真里亜 ◆PxcqTTd2Bc:2014/08/24(日) 20:31:11
>「………む、いや、その必要はない」
>「副音の人体への影響はすでに別所の研究所で研究成果を得ている、そこは心配ない!
それに、妖怪の行動目的がわからない以上、早期にそれを叩くのを最優先すべきだ!」

一瞬狼狽えた様子を見せた後、強硬に自らの作戦を決行しようとする大佐。
明らかに焦っている。その研究は本当に行われたのだろうか。
それを感じ取ったのであろう、笹倉と長篠が激しく抗議するが聞き入れられる事は無く。

>「何もしなければ多大な犠牲が出るのだ!作戦は実行する!」

ああ、駄目だなこりゃ。二人はまだまだ食い下がるだろうが、おそらく無駄に終わるだろう。
君子豹変す、とはよく言ったもので、世の中の殆どの軍人は君子では無い。
組織の面子やら大人の事情やらでがんじがらめで一度強硬に主張したら引っ込みがつかなくなるのが軍人というものである。
例え自分で間違っている事に途中で気付いても、だ。
そしてゴストゥルーパードールズといえども司令官が最終決定した以上、従うしかない。
こうなった以上作戦を成功させるしかないのだ…! そう決意した時だった。
オペレーターが衝撃の事実を告げる。

>「ここから北東30kmの位置に新たな妖怪が出現しました!!」
>「米軍司令部より、コードネーム、ヨナルデパズトーリと設定、時速70kmでまっすぐここに向かっています」

「はあ!? 今取り込み中なのよ、帰って貰って!」

もちろん帰れと言って帰るぐらいならゴストゥルーパードールズはいらないわけで。

>「妖怪の複数出現…前例のないことではない!スナカケババアを包囲しているわが軍のロボットは動かせん…諸君、諸君がヨナルデパスドーリを迎撃しろ!」

大佐は“想定の範囲内”的な発言内容とは裏腹に、パニック状態だ。
新手の妖怪は猛スピードで接近中、言われなくても迎え撃たざるを得ない状況である。

「迎撃するしかないじゃない!」

でも待てよ? これは二種類の妖怪が偶然同時期に出現しただけなのだろうか。
それとも……妖怪同士が協力しているとしたら?
最初の戦いで福音を使い切ってしまったら二匹目の妖怪が暴れ出したらずっと妖怪のターン!だ。
嫌な予感がした私は歌姫用ヘリに向かいながら言った。

「いつスナカケババアが出て来るか分からないのに二人同時に出撃するのはまずい。
笹倉さん……あなたは待機しておいて」

取り越し苦労ならそれでよし
そうでなかった場合、私にはもしかしたら妖怪共の小賢しい作戦を突き崩せるかもしれない持ち歌があるのだ。

81関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/08/25(月) 19:47:30
>「妖怪の複数出現…前例のないことではない!
スナカケババアを包囲しているわが軍のロボットは動かせん…諸君、諸君がヨナルデパスドーリを迎撃しろ!」

「よっ…」
重い腰をあげる関ヶ原金之助。

現時刻、ついに迎撃命令がおりた。
関ヶ原はやれるだけのことをやるためにプロトに乗り込み出撃。
モニターに映る妖怪を見つめながら、無線で鉄に問う。

「どうしますか?」
抑揚のない平たい声。階級は鉄のほうが上であり
失敗すれば鉄の責任。気は楽だった。
関ヶ原は指示がおりるまで
大盾を構え防御体制を維持する。

82【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/08/29(金) 23:17:18
正式名称:T型対妖怪人型決戦兵器改・改
愛称:T改
全高:40m(頭頂高)
重量:6000t
姿形:骸骨のような頭と、筋肉をむき出しにした人間のように機械が露出する黒い体。
背中から下に向けて太いパイプのような物が左右三本のび、そこから噴射して飛行する。
武装:右腕より緑色の福音砲を発射。
戦闘能力
攻撃力:3
福音防御力:3
物理防御力:1
機動力:2
耐久力:1
解説
人類の歴史で初めて妖怪を撃破した、日本の巨大ロボット。
ゴストゥルーパードールズの前身である国連対妖怪研究機関が開発し、日本人の寺生まれのパイロットによって運用され、バケネコを撃破してみせた。
その後も何度も出撃していたが、新鋭機が次々と作られ、パイロットも高性能な機体に乗り換えたため倉庫で眠っていたが。
機体不足によって改良を加えられて復活。
長篠鉄に、新たな機体が送られるまでの繋ぎとして送られてきた。
耐久力は人型に近づけるために下がってしまったが、攻撃力と福音への感受性は新鋭機にも劣らない。

83【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/09/01(月) 01:50:40
飛行空母から発進する際、鉄は、まず、自分らが出たら空母に上空へ退避するように呼びかけた。
笹倉と阿部はヘリで出るため、空母は戦闘の邪魔になるからだ。

移動力の低い関ヶ原が先に出撃し、空母の大きなゲートが開く。
激しい風が空母の中に吹き込む中、鉄は巨大な機体を一歩、また一歩と進めた。
巨大ロボットが飛び跳ねても墜落しないようにできている空母だが、巨大なロボットが一歩進むたび、ガクン、ガクンとわずかな揺れが全体に響き渡る。
やがてT改が空母の発進口の端に立った時、ヘリの中の阿部から通信が入ってきた。
笹倉を空母に残し、不意打ちに備えてまず自分だけ出るとのことである。

「わかった、歌は阿部さんから始めよう、選曲はこっちの冷静さを保ち、かつ有事の際の撤退を有利にするため、自由の翼で!
とりあえずスナカケババアの事は忘れる!
仮に出現した際は、これと交戦する事は避け、各々撤退、米軍ロボット部隊の援軍を待ち、我々は支援に回る!
行くぞ!!」

樹木の混じった巨大な爆裂と共に関ヶ原のプロトが地面に降り立ったのを確認した鉄は、T改を前進させ、空母から飛び立った。
コクピットの中にいても感じるわずかな浮遊感の後、T改は地表手前でわずかに噴射、勢いを殺して着陸する。
T改は人型になるべく近づけて製造されたため、構造が必要以上に複雑で、破損しやすい。
そのため、操縦は慎重にならざるおえず、平凡なパイロットである鉄には、T改は多少荷が重かった。

着地し、両者の機体が安定した時、後ろにいる関ヶ原からどうするかと通信が入ってきた。

それを聞いて、鉄はわずかに思案する。
敵の攻撃手段はまだわからない。
ここは先行して米軍航空隊に攻撃してほしい処だが、こちらと接敵するのが早いだろう。

「とりあえず、空母は上空に退避、我々は関ヶ原を先頭に、行軍速度を合わせて前進、目標を目視確認後、音楽スタート。
関ヶ原は目標に突撃し、俺は福音砲でこれを援護する。これでいく」

そう言って、鉄は機体を横にずらし、関ヶ原に道を開けた。

84関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/09/01(月) 21:52:30
質問です。
関ヶ原は敵を確認出来た
ということにしてもいいですか?
作戦地図でマーカーされているということは
肉眼でも敵は見えるということですよね〜?
それと今回、順番は阿部さんからでよいですか?

85【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/09/02(火) 03:50:15
>>84
スナカケババアを探すために飛び回ってる偵察機が妖怪を発見して位置をトレースしてるので、距離は数十キロ離れています。
でも遮蔽物内から見えると思います。
描写いまいちわかりずらくてすいません。

順番は阿部さんに任せます。

86関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/09/04(木) 20:08:00
阿部さん。お忙しいのでしょうね。
お引っ越しをなされるとのことでしたが
少し心配でもあります。

それと関ヶ原の次の行動なのですが
盾を構え突撃。そのあとドリルで攻撃の予定なのですが
ヨナルデパズトリは避けたりしますか?
こちらがわの描写はどこまでで止めておいたらよいですか?

87阿部さん ◆PxcqTTd2Bc:2014/09/04(木) 20:43:46
すみません!本人は全く無事なのでご安心を。
パソコンが使い物にならなくなったので修理に出したのですがなかなか帰って来ずついうっかり…。
iPadもどきみたいな端末で頑張ってみるのでもう少々お待ちを。
あまり遅くなりそうなら順番変わってもらうかもなのでまた連絡します。

88関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/09/04(木) 21:37:31
お元気そうでなによりです。
お返事をお聞きできて
安堵している自分がいます。
レスのほうは待ちますので
ゆっくりと書いて下さい。

89阿部真里亜 ◆PxcqTTd2Bc:2014/09/04(木) 23:28:12
> 「よっ…」

先程声をかけた男性がパイロットだったらしいことにいまさらながら気付く。
それにしてもパイロットにありがちな気迫というか気負いというかが全く感じられない。

>「わかった、歌は阿部さんから始めよう、選曲はこっちの冷静さを保ち、かつ有事の際の撤退を有利にするため、自由の翼で!
とりあえずスナカケババアの事は忘れる!
仮に出現した際は、これと交戦する事は避け、各々撤退、米軍ロボット部隊の援軍を待ち、我々は支援に回る!
行くぞ!!」

とりあえずスナカケババアの事は忘れるって……。
桜さんに残ってもらって正解だったようだ。

>「とりあえず、空母は上空に退避、我々は関ヶ原を先頭に、行軍速度を合わせて前進、目標を目視確認後、音楽スタート。
関ヶ原は目標に突撃し、俺は福音砲でこれを援護する。これでいく」

大佐とは対照的に、落ち着いた長篠君の指示が飛ぶ。
大佐の指示によると福音は自由の翼で、とのこと。
選曲の候補としてはもう一つ、敵の知性を失わせるデッドラインサーカスがあるが、お世辞にも味方の冷静さを保つのに向くとは言えない。
もし本当に二体の妖怪が共謀していて近くにスナカケババアが控えていれば効果を発揮するが、そうでなければ意味はないのだ。
もはや大佐の言うことは聞く気が失せつつあるが、結果的に指示通りに自由の翼を歌うことにした。
関ヶ原と呼ばれた男性より、敵を目視したとの通信が入る。いよいよ戦闘開始だ。

「Wohlan Freie Jetzt hier ist an SiegDies ist der erste Gloria
Wohlan Freie Feiern wir dieser Sieg fur den Sieges Kampf!」

勇壮な歌に後押しされるように、盾を構えた関ヶ原のロボットが突撃していく。
何事もなく終わってくれと願うばかり。
万が一交戦中にスナカケババアが現れたらその時は……曲を切り替えることも辞さない算段だ。

【お待たせいたしました。改行や文のレイアウトが変だったらご容赦を…】

90【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/09/05(金) 16:54:37
>>86
関ヶ原の行動だけで止めておいてください。

91関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/09/05(金) 21:43:51
>「とりあえず、空母は上空に退避、我々は関ヶ原を先頭に、行軍速度を合わせて前進、目標を目視確認後、音楽スタート。
関ヶ原は目標に突撃し、俺は福音砲でこれを援護する。これでいく」

「了解」
プロトが先頭でゆくことになった。
すれ違い様、ギョロリとその巨兵の眼球が、長篠機(T改)をとらえる。

「?」
むろんプロトが見た長篠機の映像は操縦席のモニターにも投影され、
その現象に関ヶ原は少し気持ち悪く思っていた。
それは時々起きる意味不明なこと。
かつて、創世記にヒトガタ兵器を作れと命令された科学者たちの一部には、
福音のことも半信半疑のまま、訳もわからずヒトガタ製造を目指した者もいたという。
ゆえにプロトには人工知能も搭載されていた。
人間の脳を移植されているとの噂もあったし
エリンギ型の甲殻の中身は人の顔を隠すためとの噂もあった。
妖怪が現れた当初は、それほどまでに科学界は混迷していたのだ。

そんななか、阿部のヘリコプターの隣を飛行する民間のヘリコプターの影。
その窓から覗くのは涼しげな女の眼差し。
彼女の名前は暮呼理緒(くれこりお)。髪型はシニヨン。所謂お団子頭に盛り盛りのメイク。
歳は三十前後と言ったところで職業は科学者だった。

「あ、プロトが先頭なの?それでうしろのマシンは妖研のTタイプか。
…ちっ、あの時プロトが完成さえしていたら、
人類初に妖怪を倒したのはプロトになるはずだったのにね!
本当、妖研の奴らってマジムカつく」
理緒は長篠機に向かって中指を突き立てキーっと威圧。
その後、ヘリコプターはプロトと並び一緒に進行する。

「ねぇ、プロトの中の人。今回はプロトの初陣なんだからビシッと気張りなさいよ!
勝って結果さえ残せたらもう誰もプロトのことを化け物なんて言わなくなるんだからね!」

それに対して関ヶ原は「はい。そうですか」と素っ気ない返答で
かくんとコケそうになる理緒。

(こ、こいつ、大丈夫なの?
…まあいいわ。いざとなったらアタシがゴスペルマニューバで…)
と決意を胸に秘め、無線機を握りしめ、
今度はその向こう側にいるであろう長篠たちへとメッセージを送る。

「ねぇあなたたち!アタシの名前は暮呼理緒。プロトの開発者よ!
プロトのためにも、この戦闘は絶対に勝利するんだからね。ショボい敗北なんて絶対に許さないんだから!
歌姫は気合い込めて歌って、Tタイプの人はバッチリプロトをバックアップ。わかった!?」

理緒の言葉の裏には、何かしらの劣等感が孕んでいるかのような印象も受ける。
が、それとは対照的に関ヶ原の思考は何時ものように冷めていた。

「……」
彼女の言葉は関ヶ原にとっては雑音でしかなく
そんなこと言われなくても皆が百も承知なのではないか、と彼は思っている。
個人が何を思おうとも数分後には決着はついているはずなのだから。

そしてついに関ヶ原の瞳は敵を捉える。

「前方に妖怪を確認。プロト、関ヶ原金之助、突貫します」
続けて阿部の歌が鳴り響けばプロトの福音炉に火が灯る。
回転を増す戦車の車輪。激しく舞う土煙。
ドリルと大盾を構え、まるでドンキホーテのように突撃するプロト。
移動力はなくとも向かってくる敵が相手ならそれも関係ない。
あとは唯一の自慢の防御力でこらえ、回転するドリルを妖怪の側面目掛けて繰り出すだけである。

「ふむ。絵に描いたような正攻法ね。
でも正攻法ゆえに敵は受けざるおえない。
やるじゃない。なかなか」
理緒も下唇に指を当て御満悦の様子。

92【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/09/08(月) 01:32:49
関ヶ原と共に敵を目視確認し、阿部の演奏も始まった、いよいよ攻撃がはじまろうとした、その時だった。
突然戦闘区域に民間機が出現し、通信を入れてきた。

>「ねぇあなたたち!アタシの名前は暮呼理緒。プロトの開発者よ!
プロトのためにも、この戦闘は絶対に勝利するんだからね。ショボい敗北なんて絶対に許さないんだから!
歌姫は気合い込めて歌って、Tタイプの人はバッチリプロトをバックアップ。わかった!?」

「!?何者ですかあなたは、もうすぐ戦闘が始めります!関係の無い通信は控えてください!」

突然入ってきた通信に、鉄は困惑しながらも通信相手をしかりつけた。
ジャクソンの作戦に対する怒りも冷め切っていなかったところに、あんな偉そうな通信を戦いに直接関係しない人間に突然入れられた鉄の口調は荒い。
舌打ちをすると、変な方向に行こうとした心を鎮めて、戦いに集中する。
幸いまだ妖怪との距離はあり、演奏も始まっていないため、仕切りなおすチャンスはあった。
咳払い一つして、鉄は阿部に自分の準備が整った事を伝える。

するとすぐ、演奏が始まった。
後は大音量で流れる歌と、音楽、そしてそれに身を任せて戦うだけだ。

「Wohlan Freie Jetzt hier ist an SiegDies ist der erste Gloria
Wohlan Freie Feiern wir dieser Sieg fur den Sieges Kampf!」

勇ましい音楽と共に、加速し、木々を蹴散らし、凄まじい勢いで突撃を開始するプロト。
対するヨナルデパスドーリは音楽と共に迫りくるプロトの巨体を確認すると、6本の手を巨大な華のように大きく広げ、雄たけびをあげる。

「シィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」

低い声で鳴きながら、突っ込んでくるプロトを6本の腕で迎え撃とうとするヨナルデパスドーリ。
そこをめがけ、鉄はT改の巨大な腕を向けると、反動に備えて足を引き、機体の前腕部に隠された機械群を展開する。

「破ぁ!!」

鉄の声と共に緑色の光が前腕部から発射され、妖怪の左の真ん中の腕と肩から生える上の腕に命中。
腕2本を跡形も無く消滅させた。
妖怪が怯む間も無く、そこに盾を構えたプロトが体当たりをかまし、体制を崩したその脇腹に、ドリルを思いっきりねじりこむ!
口から黄色い液体を吐き、苦しむヨナルデパスドーリ。

そこに続けてもう一発、鉄が福音砲を放とうとした、その時だった。

『福音展開ヘリ!逃げろ!!逃げろ!!』

突然、ジャクソンの声が通信機に割り込んできた。
余りに唐突なジャクソンの声に、鉄は一瞬、福音砲の発射をためらってしまう。

福音展開中に、通信に割り込む事。
それは数分しか戦えない戦闘ロボットの戦いを邪魔し、さらに歌姫の歌唱を妨害しかねない行為だ。
常識で考えて、やっていい事ではない。

しかし、ジャクソンの言葉が気になった鉄は、ちらりと機体の後方モニターに映っている福音展開ヘリの方を見て……。
思わず声を失い、サッと青ざめた。

鉄の後ろ、はるか頭上を飛ぶ、福音展開ヘリと、民間ヘリ。

その後ろの雲の中から、翼をはやしたスナカケババアが現れ、今まさに、ヘリに喰らいつかんと大きな口を開けていたのだ。

93【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/09/08(月) 01:38:20
「な…!?」

ジャクソンの指示を受け、機体の後方上空を確認した福音展開ヘリのパイロットは一瞬言葉を失い。
しかしすぐに機体を大きく傾け、一気に高度を落とす。
中の人間が強い浮遊感に一瞬襲われた次の瞬間、ヘリに強い衝撃が走り、機体が回転し、激しい振動が一同を襲う!

「テイルローターをやられた!墜落する!!」

副操縦士の悲痛な叫びが機内にこだました。
機体は警告音を鳴らし、回転しながら急降下をはじめる。
窓の外に一瞬、こちらに背を向け、T改に向かって飛んでいくスナカケババアの姿が見えた。

94阿部真里亜 ◆PxcqTTd2Bc:2014/09/09(火) 22:16:23
>「ねぇあなたたち!アタシの名前は暮呼理緒。プロトの開発者よ!
プロトのためにも、この戦闘は絶対に勝利するんだからね。ショボい敗北なんて絶対に許さないんだから!
歌姫は気合い込めて歌って、Tタイプの人はバッチリプロトをバックアップ。わかった!?」

>「!?何者ですかあなたは、もうすぐ戦闘が始めります!関係の無い通信は控えてください!」

何故か謎の民間ヘリが現れて騒ぎはじめ、長篠君にたしなめられるというちょっとした騒動がありつつ。
言われなくても歌姫は全力で歌うだけだ、歌姫に出来ることはそれしかないのだから。

>『福音展開ヘリ!逃げろ!!逃げろ!!』

もう何なのよ、リサイタル中の大声は禁止よっと思いつつも後ろをチラ見して、その意味を理解する。
これには、サバンナでお腹をすかせたライオンに出会った時のような素敵な笑みも浮かぼうというものだ。
一気に高度を落としてスナカケババアの襲撃を逃れようとする操縦士。
しかしそれが裏目に出て、ヘリは墜落を始める!
不幸中の幸いがあるとすれば、スナカケババアのターゲットからはとりあえずは外れたこと。
そしてーー今歌っているのが自由の翼であることだ。
なぜなら、福音は生身の人間に最も効果を発揮するのだから!
私自身がどれぐらい福音の加護を受けられるかは意識したことがないので未知数だが
福音を紡ぐ張本人が福音の加護を受ける適性が無いわけはない、きっと、多分。

(福音の神様、私に力を貸してーー!)

福音だから神様だろうというだけで、何の神様かはさっぱり不明である。
とにかく、祈りは届いたようだ。周囲の時間がゆっくり流れはじめる。
実際にはそんなわけはなく、こちらの処理速度が速くなっている、つまり素早さが上昇しているということだ。

「無意味な死であったとは言わせない 最後の一人になるまで」

(死んでたまるかっつーの!)

私は体感的にはゆっくり流れる時間の中で、実際にはものすごい早さで脱出用パラシュートを装着し、ヘリから飛び降りた。
ふわりふわりと降下しーー木に突っ込む。
折れた木の枝などが擦り傷を作る。

「痛っ」

その瞬間、時間の流れが元に戻る。歌が途切れたのだから当たり前だ。
戦闘の福音は桜さんが繋いでくれているだろうが、二匹の妖怪を同時に相手にしている状態。
一刻も早く戦線に復帰しなければ。
まだ歌唱時間は残っている。私の歌で二匹の妖怪の連携を崩すことができれば……。
操縦士さん達は無事ろうか、とちらりと思うが、今は妖怪を倒すことに集中すべきだと頭の片隅に追いやる。
上を見上げれば、先程の謎の民間ヘリが飛んでいる。
この際素性不明でも何でもいい。福音展開用の専用装備は無いにしても、音声の放送機能ぐらいはあるだろう。
パラシュートの布を降りながら大声で呼んでみる。

「お願い、乗せてって!!」

95関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/09/10(水) 01:24:15
>「!?何者ですかあなたは、もうすぐ戦闘が始めります!関係の無い通信は控えてください!」

「はぁ?そっちには関係なくったってこっちには関係あるんだっつうの!」
無線マイクに、噛みつかんばかりの理緒。
なにこいつ、なにさまなの〜…と苛立ちながらも
長篠のことが気になって軍のデータから彼の経歴を抜き出す。
そして驚愕。わざとらしくも両手で口を隠しながら目を見開いて…。

「え〜やだ〜、こわい、こわいよ〜。あのパイロットさんゼロキュウを大破させちゃってるなんて…信じられなぁい」
と、実はそんな子芝居をしていた理緒だったのだけど、
ここだけヘリコプターのパイロットが無線の送信をきっており、長篠との喧嘩にはいたらなかった。

それで話は戻って、T改の攻撃に宙に舞う妖怪の腕二本。
間髪入れず敵の懐に飛び込むプロト。
繰り出される回転式ドリルを食らい血へどを吐くヨナルデパスドーリ。

「うはあ!」
これには関ヶ原も気持ち悪く思っていて

「は、はやく死んで下さい!」
と、トリガーを引けば、プロトの右腕にも力がこもる。
そしてぎゅるぎゅると回転を増したドリルが、妖怪の心臓を目指し突き進む。
激しい返り血を浴びながらも、プロト自身は臆する様子もなく、
任務を遂行せんと敵と密着状態。

そう。ここまでは此方の思惑通りだった。ここまでは…。

>『福音展開ヘリ!逃げろ!!逃げろ!!』

「!?」
一瞬、何が起きたのか分からず、真っ白になる関ヶ原の思考。
そんななか、ただ一つ認識出来たのはスナカケババアの存在。

(撤退…)
関ヶ原は長篠の命令を思い出す。
仮にスナカケババアが出現した際は、これと交戦する事は避け、
各々撤退、米軍ロボット部隊の援軍を待ち、我々は支援に回る。

「撤退だ!」
関ヶ原はスイッチレバーを押し上げ、プロトの右腕とドリルを早急に切り離した。
福音ヘリが墜落すれば、当然、福音の加護も消滅する。
となれば、巨大ロボットもただの人形。
ゆえに逸早く関ヶ原は撤退をしようとしていたのだ。
続けて大盾も切り離せば、その鉄塊は音をたてジャングルに倒れ込む。
そして両腕が剥き出しになったプロトはその場で回転。
関ヶ原は安全地帯へと進路を定めアクセルを踏む。
……しかし、プロトは動かなかった。
その頭が振り向けば、モニターに映し出されるのは福音ヘリと長篠機。
それはプロトの瞳が映し出しているもの。

「こいつ…、やっぱり操作系に異常があるんだ!このポンコツが!」

96関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/09/10(水) 01:25:52
一方で…

>「お願い、乗せてって!!」

「いいよぉ!」
親指をグッと突き出している理緒。
そのままヘリコプターは降下して縄ばしごを下ろす。

幸いスナカケババアはT改と交戦中のようで
何とか阿部たちを救出出来た。
あとは空飛ぶスナカケババアに再び襲われないことを祈るのみなのだけど
果たしてどうなることやら。

理緒は結構な真顔で戦況を見つめている。
その時だった。
3歳くらいの子供が抱きついて来たのは。

「抱っこくだしゃあぁい〜」
泣きながら理緒にしがみつく子供。

「え、よし君どうしてこんなところに?」
子供は理緒の子供のヨシヒコだった。
彼は理緒と離れ離れになるのが嫌で座席の下に隠れていたのだ。
そんな関係ないことがなんやかんやあって
ここからが本編。
ヨシヒコをあやし抱っこする理緒の視線の先にはプロトの姿。

巨兵は撤退を拒否するかのようにその背中のリュックのような部分からプロペラ式の浮遊機雷を射出。
長篠機の周辺の空中に無数に展開させると自身はスナカケババアの死角から接近してその醜い足を掴まんと手を伸ばす。

「すいません長篠さん!私は撤退しようとしたのですが、
この機体が勝手に動き出してしまって
止まらないんですよぉ!」

【スナカケババアの足に掴みかかるプロト】

97名無しさん:2014/09/11(木) 23:13:25
近代世界ファンタジー再起動しているゾ

98【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/09/13(土) 18:10:08
「く!!」

間一髪、上空から襲ってきたスナカケババアの体当たりを、福音の加護が無くなり、無防備になっている鉄のT改はかわす事が出来た。
T改は精密すぎるところがあり、急な負荷をかけ続ければ、簡単に部品がいかれてしまう。
幸い、一度の負荷で足がやられる事は無かったが、このまま2対2で戦う事は想定していない。

「逃げろ!笹倉さん!福音を!!」

戦うにしろ逃げるにしろ、福音の加護は絶対必要な事だ。
急な状況の変化に焦った鉄が叫んだ瞬間、あらかじめ準備していたのだろう、すぐに、笹倉の声が空母の方から聞こえてきた。

♪夢を叶えて一人で探してた星の🎶

妖怪の攻撃で空母と歌姫を同時に失わないようにするためと、足が遅く小回りの利かない飛行空母では妖怪の攻撃から身を守るすべがないため、通常、空母から歌姫は歌わない。
だが、唐突なスナカケババアの攻撃に、そうも言っていられなくなった笹倉は、ヘリが発艦しきる前から、既に福音を歌唱を始めていた。

笹倉の歌が流れ始め、福音の加護が復活した事と、彼女の福音の能力である鎮静効果で鉄の焦った心は、すぐに回復した。

後はこの場から撤退し、ここを包囲しているアメリカのロボットと協力して2大妖怪を葬るだけである。

🎶同じ光を 君が見つめているだけで♪

>「こいつ…、やっぱり操作系に異常があるんだ!このポンコツが!」
「関ヶ原!?どうした!何を…」

だが、鉄が機体を転身させようとした刹那、突如プロトが暴走し、鉄の周囲に浮遊機雷を撒いてきた。
さらに、撤退作戦を無視してスナカケババアに立ち向かい始める。

「何考えてるんだ!く!?」

規定外の出来事の連続に鉄は狼狽えたが、スナカケババアをプロトが相手するのならば自分がヨナルデパスドーリをけん制せねばと頭が働き、福音砲をヨナルデパスドーリに向けると、
腕を飛ばされ、腹に穴をあけなられたヨナルデパスドーリが自らの腹についている半透明の球体の一つをもぎ取り、丸呑みにしているところだった。
するとどうだろう、ヨナルデパスドーリの腕と腹が、見る見るうちに再生したではないか!

「しゃらくさい!!」

鉄はT改の福音砲をヨナルデパスドーリに向け、即座に発射する。
しかし、ヨナルデパスドーリはそれを身をかがめてかわし、細長い体をくねらせて、木々を勢いよく蹴散らしながらT改へ這って近づき、三本の腕で掴みかかってきた。

「く!」

かわそうにも鉄の周囲は機雷がばらまかれ、迂闊に動けない。
雪駄に動けず、鉄は、ヨナルデパスドーリに組みつかれてしまった。

99【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/09/13(土) 18:17:36
鉄のT改に気をとられていたスナカケババアはプロトに足をとられてしまった。
プロトの方が力が強く、また、スナカケババアの力ではプロトを空高く持ち上げられないようで、スナカケババアが暴れてもがいても、プロトの腕は外れない。
ならば、と、スナカケババアは羽ばたくのをやめ、両手をプロトの方に向けて、その先から砂粒のような物を勢いよく無数に発射した。
その威力は、命中すれば、米国の偵察機を穴だらけにして撃墜できるほどである。

100 ◆x5gMz05B9A:2014/09/16(火) 22:24:34
名前:DIVA
性別:声は女性だが、実際無いようなもの
年齢:10年
国籍:日本製
身長:0〜5m
体重:1ペタバイト、キログラムなら0〜13t
容姿:基本全裸!とくに決まった姿形は無く手近な女性から大女優、二次元キャラ等の容姿をアバターとしてお洒落感覚で使用している
役職:パイロットであり歌い手
福音出力:0.5〜10
持ち歌:
Day After Day
ttps://www.youtube.com/watch?v=SNocsgOj8qI
Mechanized Memories
ttps://www.youtube.com/watch?v=H6gOSF5SR-s
stain
ttps://www.youtube.com/watch?v=SXBjFtcMwT8
各歌の特殊効果:
Day After Day
機動力の上昇、味方の士気上昇
出力を最大にすると周囲のロボット(行動不能、パイロット不在でも)を一斉に操れるが自身も福音の影響を受けるため
自身が暴走する危険性が発生するのと、その場に人間が居た場合、福音がやむまで自身が死んでいることさえ自覚せずに戦い続ける。
Mechanized Memories
幻覚を妖怪に見せ動きを止める、その場にいる人間の心の闇が一時的に増幅してしまう。
出力を最大にすれば、福音のみで妖怪を無力化できるが、人的被害は妖怪以上のものになる。
stain
ロボットとの親和率の上昇、平たくいうならパラメーター全上昇
軽度の人格障害が発生する(感情が希薄になる等々)
・・・例のごとく、最大の場合妖怪よりも味方の被害が甚大
おいたち:
ボーカロイドシリーズのように歌い手の声のデータを統合して、それに人工知能つけて
ロボットの中に積み込めば最強じゃね?的な発想から作られたAI+機体
作った結果とんでもねー非人道兵器になってしまった為、暫しの間凍結処分になっていたが。
戦力増強のため、条件付で処分が解除された。
性格は傲慢極まりなく、人間を見下しているところもあるが・・・

正式名称:対妖試作無人機「鳳(おおとり)」
愛称:死神
全高:10m
重量:装備込みで50t
姿形:ヒロイックな西洋甲冑をイメージさせるデザイン
   背中には巨大な翼状のパーツが四つ付けられており
   うち二つがブースター、残り二つが後述する武装となっている。
武装:多機能型福音武装「ユーアンエリオン」
   自身の福音のエネルギーを貯蓄することで使用する武装
   30mほどの刀身を作り出す「斬撃」、その見た目からは想像もできないほどの威力を持つ「砲撃」
   どんな攻撃さえもはじき返す「障壁」の三つのうちの一つを使用できるが、
   デメリットとして
   ・一回こっきりの使い捨てである
   ・チャージに時間がかかる
   ・チャージの割に使用時間がわずか(斬撃なら十数秒間、砲撃は一発、障壁は一度っきり)
   の三点が挙げられる。
戦闘能力
攻撃力:0〜5
福音防御力:5
物理防御力:1
機動力:5
耐久力:1

101 ◆x5gMz05B9A:2014/09/16(火) 22:25:41
すまねぇ、こんなキャラで参加したくなっちまった。
レギュ的に大丈夫かね?

102 ◆x5gMz05B9A:2014/09/16(火) 22:26:33
修正
×体重:1ペタバイト、キログラムなら0〜13t
○体重:1ペタバイト、キログラムなら0〜39t

103【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/09/16(火) 22:51:49
>>101
設定は大丈夫です。
ただ、このキャラが今の戦いに即登場すると今現在の戦いではこのキャラが強いので、鉄と関ヶ原が活躍できなくなってしまいます。

今回の戦いはどちらかに決着がついたときに、人類の逆転か、または駄目押しかで登場して、次回、このキャラ中心に話を進めると盛り上がると思います。
どうでしょうか?
物語の導入や、登場する妖怪の操作等、シナリオも ◆x5gMz05B9Aさんがやっても構わないので。

104【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/09/16(火) 22:52:34
あ、物語の導入云々は次回のエピソードの話ですよ。

105関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/09/16(火) 23:43:22
プロトに放出されるスナカケババアの砂つぶて。
と同時にプロトはスナカケババアを地面に叩きつけんとする。

「わひぃ!」
土煙が上がり視界がゼロになると、モニターに映し出されるのは特殊装甲の破損状況。
プロトの特殊装甲は人工皮膚であり、原初の地球に存在したという鉱物と生物の中間体のような微生物を培養し造り上げたという代物。
それは鋼鉄で編んだ服を何層にも重ねたようなものでプロトの自慢の防御力の要とも言えた。

そして関ヶ原が確認するに、プロトの装甲の破損状況は11パーセント。
あと数回は充分に敵の攻撃に耐えられるはずだった。
しかし機内には警告アラームが鳴り響き関ヶ原は驚愕する。
あろうことか砂つぶては、下半身の戦車部分の装甲を貫通し、燃料タンクを破壊していたのだ。

「ダメです。燃料タンクをやられました!
あと数分で、プロトは停止します!」
そう言って長篠機を見る関ヶ原。その目は絶望に溢れていた。

106関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/09/16(火) 23:50:43
民間のヘリコプターの中、唾を一つ飲み込む暮古理緒。
胸に抱くは愛息子の暮古ヨシヒコ。
視線の先には妖怪とくんずほぐれず状態のゴスペルマシンが二体。
おまけに燃料タンクに穴のあいたプロトの活動限界も残りわずか。

「すぱげちっ。よーちゃんすぱげち食べたいのぉ」

「…い、いま、そんな状況じゃないでしょ!」

「うしょつき!いい子にしてたらすぱげち食べさせてくれるって言ったでしょ!」

暴れるヨシヒコに、たまらず理緒は

「いい子にできない子はこっから出ていきなさい!」と叱りつける。
出ていけと言っても今いる場所は空を飛ぶヘリコプターの中なので鬼のような話でもある。

「よーちゃんがいい子にしてないと、みーんなあの鬼ババに食べられるちゃうんだからねっ!」
それは日本古来より伝わるしつけの方法なのであるけど
実際目の前に妖怪が存在しているのでそのリアリティーは半端ない。
なのでヨシヒコは直ぐに大人しくなってくれた。

「とりあえず、あの一対一の状況を打破しなければ!
……ちょっと歌姫さん、手伝ってちょうだい!」
阿部の手を無理矢理引っ張り、ヘリの中間部にある室内へ。
そこは球体の内部のようで、中心には小さなステージがありその回りは深い青色。

「これが、ゴスペルマニューバよ。
ここで皆で合唱することによって、プロトとの意識と、
私たちの意識を同一化することができるの」

あ〜あ〜あああ〜♪
理緒が少し歌えば、青い部屋の壁に現在プロトとの認識している空間が浮かび上がってくる。
それはまだ形という形にはなっておらず不鮮明でもあった。

「きっと貴女の歌声はプロトとの力を何倍にも高めてくれると思う。
そして上手く同一化も出来たら、
この場所からプロトを制御して操作することも可能になるはずなの」
果たして阿部は力を貸してくれるだろうか?
理緒は阿部の歌に合わせて歌うことが出来る。
そしてもし、阿部が歌い始めたとしたら、
彼女はプロトの声を聞くことになるだろう。

『ふひひ……。妖怪、たおす。ぼくがイチバン……。アイツはダメなやつ……』
それはまるで、暗闇から聞こえてくるような小さく冷ややかな声だった。
長篠の乗るT改に対する激しい嫉妬を孕んでいるプロトの声が、阿部の心に逆流してゆく。

107関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/09/16(火) 23:55:59
いちおう次のレスはこんな感じになる予定です。
プロトの行動判定?をしておかないと
阿部さんが動きにくいかもと思って書いてみました。

108 ◆x5gMz05B9A:2014/09/18(木) 05:41:05
>>103
話の展開もありますしね。
次のシナリオからの参加で構わないッス。
ただ出来れば1プレイヤーとして参加したいです。
どうも多視点的描写が苦手なもんで、ボスと自キャラとシナリオ運行等を同時にやるのは正直厳しいです。

109【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠 鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/09/18(木) 21:15:09
>>108
わかりました、このキャラの相手にふさわしい、凄まじい妖怪を用意します。

110 ◆x5gMz05B9A:2014/09/19(金) 13:43:51
>>109
勘違いだったら、すいません。
その凄まじい相手と戦うのって僕だけなんですかね?
もしそうなら実質的に隔離されてる感じになるんですが…

111阿部真里亜 ◆PxcqTTd2Bc:2014/09/19(金) 21:30:41
>「いいよぉ!」

ヘリの主の私の同年代ぐらいのかなりノリのいい女性は、快く縄梯子を下して拾ってくれた。

「ありがとう。早速で悪いんだけどこのヘリに放送設備みたいなものはあるかしら。早く加勢しないと……!」

女性が真剣な表情で設備へと案内するそぶりを見せた時だった。

>「抱っこくだしゃあぁい〜」
>「え、よし君どうしてこんなところに?」

あまりにも場違いな光景に思わずずっこけそうになる。

「子持ちだったんかい!」

その後しばし親子漫才が繰り広げられるのだが――それは省略するとして。

>「とりあえず、あの一対一の状況を打破しなければ!
……ちょっと歌姫さん、手伝ってちょうだい!」

ようやく本題に戻ってきた女性が、ヘリの内部にある部屋へ私を案内する。
そこはまるで小さなステージのようになっていた。

「ここは……?」

>「これが、ゴスペルマニューバよ。
ここで皆で合唱することによって、プロトとの意識と、
私たちの意識を同一化することができるの」
>「きっと貴女の歌声はプロトとの力を何倍にも高めてくれると思う。
そして上手く同一化も出来たら、
この場所からプロトを制御して操作することも可能になるはずなの」

「プロトってあのロボットよね? 意識を同一化って……そんなことができるの……!?」

そもそもロボットに意識はあるのだろうか。
高度なAIを搭載していれば意識ときわめて似たようなものはあると言えるが……。
意識を同一化というのは人間の意識と連結するということだろうか。
にわかには信じがたい話だが、どちらにせよ今するべき事が歌う事だというのは変わりがない。
半信半疑ながらも歌い始める。曲目はデッドラインサーカス。
二体の妖怪の連携を崩壊させるのが目的だ。

112阿部真里亜 ◆PxcqTTd2Bc:2014/09/19(金) 21:31:24
「どうかしてんだ火遊びショータイム おどけたピエロ燃やせ
導火線に火をつけろ 偽りの笑みは有罪だ(Guilty)

『今日盛況!』って強制しちゃってんだ
空虚に十字切ったら さぁ、いくぜ? stand up! Ready?
デッドラインで踊れ」

科学者の女性が合わせて歌い始めた。
不鮮明だった映像が徐々にはっきりと形を帯びてくる。
そして――

>『ふひひ……。妖怪、たおす。ぼくがイチバン……。アイツはダメなやつ……』

声が聞こえてきた。明らかにここにいる者の声ではない。
ならば声の主は……

(まさか……これがプロトの意識!?)

最初は半信半疑だったのものの、聞こえてきたからには信じるしかない。
プロトは劣等感からくる嫉妬に燃えているのだ。
うまくいけば歌で彼を制御することもできるという。その場合、果たしてこの曲目は妥当なのだろうか。
私は暫し考え、そして結論を出した。

「神様だってグッスリ寝てる時間なんじゃねえ?
どんな祈りも届きゃしないさ

ブッ壊れた夜に迷っちゃって 不安げな顔も愛しいね
何もかも忘れて遊びましょ?
なんならもう狂っちゃって キミもこちら側へおいでよ
はしゃごうぜ 燃え尽きるまで 」

結論――このまま押し切る!
長篠の機体が敵に組付かれてしまった今、今さら大人しくさせても仕方がない。
むしろ狂気性を煽ってでも一気に撃破を狙った方が得策だ。

113阿部さん ◆PxcqTTd2Bc:2014/09/19(金) 21:42:46
すみません、また遅くなりました
パソコンが戻ってきたので次からは元のペースに戻れると思います。

DIVAさんよろしく!
歌姫兼パイロットはそのうち出てきそうな気がしてたけどロボットがロボットに乗るとは!
隔離ではないと思うよ。
自分が強いだけじゃなくて全体の能力を引き上げるからそれに合わせて強い妖怪を出すという話では?


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