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ゴストゥルーパー・ドールズ臨時レス置き場

30オスカー ◆z4KXiuQxT6:2014/05/23(金) 23:55:00
集中砲火を浴び沈黙するバケエビ。かたやこちらは、戦力に余力を残している。
敵の沈黙は不気味ではあるが、この流れなら勝利は確実。
きっと、阿部の両親の住む街も守りきれる。

>「格好良かったよ!笹倉さんの歌の中で戦うあなた達……まるで神話の英雄みたいだった!」

阿部の言葉に、素直に喜色を浮かべるオスカー。
戦闘に私情は挟むべきではないが、同僚の安堵した様相は心地良いものだ。

>「跡形も残さず片づける、妖撃弾を使う!」

続けて鉄の完全なる勝利への布石。
ゆえにオスカーは勝利を確信する。
だがそこに、油断が生じた。
なんと妖撃弾が放たれようとした刹那、
ヒビだらけのバケエビの体が砕け散り、
中からもう一匹のバケエビが姿を現したのだ。

>「だ…脱皮!?くっ!」

新たに出現したバケエビの粘液が妖撃弾の射出を封じ、その胸内で爆裂させる。
鉄は慌てふためき機銃を連射。
ゼロキューの上半身は炎と煙りに包まれ見るも無惨な姿だ。

「あ、うぅ…」
オスカーは冷や汗をかきながら唇を震わせている。
その脳裏に浮かんでいるのは兄の戦死する過去の瞬間。
燃え盛る鉄の機体がそれを思い出させていた。
オスカーは両腕を格闘戦闘用の操縦機器に差し込むとおもいっきり前へと突き出す。
すると次の瞬間、ベオウルフは飛翔し、その脚部は硬質な音とともにバケエビの横腹にめり込んでいた。
横に大きく歪んだバケエビは吹き飛ばされ地響きをあげて山の向こう側に落下している。

「脱出できるか鉄!?誰か、誰かゼロキューに消火剤を…。
そして私にはフルンティングを投下して欲しい!」
と、オスカーは飛行空母に要請。
バケエビが攻撃を再開するのも時間の問題で、これは時間のないなかの時間稼ぎ。
ゼロキューの脱出装置が溶解液で破壊されていないか心配だが
ベオウルフはバケエビの相手をしなければならず
阿部に鉄の救出を頼むのも死ねと言っているようなもの。
それに桜の歌ももうじき終わってしまう。
ここで阿部を欠くのは得策ではない。
――それは勝利するための苦渋の決断だった。

「……阿部マリア、わかっているな?」
圧し殺すかのようなオスカーの声。
彼は阿部に念をおしながらも、斜面から顔を出したバケエビにライフルをお見舞いする。
だがそれはバケエビの溶解液に相殺され火花となって辺りに拡散するのみだった。


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