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ゴストゥルーパー・ドールズ臨時レス置き場

38【ゴストゥルーパー・ドールズ】長篠鉄 ◆fr8igvtEPg:2014/06/11(水) 00:16:15
今日もまた、一体の妖怪が倒れた。
世界各地で日常的に行われている妖怪と人間の死闘。
巨大ロボットと福音、二つの力を手に入れた人類は、その戦いに勝利し続けている。
しかし、それは、失う物が無くなったわけではない。
家が物が、命が…その戦いで常に、消えていくのだ。
そして妖怪に対する勝利から、人類が得る物は無い。
いつも、「負けるよりはマシ」な程度に、被害を抑えられるだけだ。

そしてその日も、人類はまた、得る物何もなく、ただ、奪われた。

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バケエビが倒され、炎上するゼロキューの周囲には複数の化学消防車、はしご車などが到着し、本格的な消火を行っていた。
ゼロキューの体を包む燃え盛る炎は強く、未だ消える気配はない。

最新鋭を誇った強固な金属の巨人は、今、炎の中に散ったのだ…。
はたしてこの巨人は奇策に負けたのか、それとも、パイロットの実力が足りなかったのか…。
恐らく両方、敵の行動を読めず、そして、溶解液を避けれなかった、指揮官の先を読む力と、パイロットの技量不足。

「あぁ…」

長篠鉄は、救護班の展開したテントの中、ビニールシートの上であおむけになりながら、そんな事を考えていた。
阿部が、オスカーが、新しい部隊に配属されて初めての出撃。
自分はそれに泥を塗る真似をしてしまったのだ。
自責の念で、鉄は強く頭を抱えている。

オスカー、阿部の下した判断は的確だった。
迅速に妖怪を殲滅した事で、コックピットを守るセーフティーフレームと呼ばれる外殻が溶けてしまう前に救護班が到着。
鉄は間一髪、助けられたのである。

「長篠君…」

不意に後ろから聞こえた声に、鉄はびくっとして、こわごわと後ろを振り返った。
そこには、笹倉桜がが幽鬼のように立っている。

「怪g…」
「すみません…」

強く責任を感じているのだろう、鉄は、桜の気遣いの言葉より先に、彼女に謝り、目をそらした。
自分の失策が、ゼロキューを大破させ、他の仲間と、そして後ろの市街地を危険にさらしたのだ。
鉄は顔を両手で覆って隠し、すみませんっとぼそぼそと呟きはじめた。


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