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ゴストゥルーパー・ドールズ臨時レス置き場

91関ヶ原金之助 ◆z4KXiuQxT6:2014/09/05(金) 21:43:51
>「とりあえず、空母は上空に退避、我々は関ヶ原を先頭に、行軍速度を合わせて前進、目標を目視確認後、音楽スタート。
関ヶ原は目標に突撃し、俺は福音砲でこれを援護する。これでいく」

「了解」
プロトが先頭でゆくことになった。
すれ違い様、ギョロリとその巨兵の眼球が、長篠機(T改)をとらえる。

「?」
むろんプロトが見た長篠機の映像は操縦席のモニターにも投影され、
その現象に関ヶ原は少し気持ち悪く思っていた。
それは時々起きる意味不明なこと。
かつて、創世記にヒトガタ兵器を作れと命令された科学者たちの一部には、
福音のことも半信半疑のまま、訳もわからずヒトガタ製造を目指した者もいたという。
ゆえにプロトには人工知能も搭載されていた。
人間の脳を移植されているとの噂もあったし
エリンギ型の甲殻の中身は人の顔を隠すためとの噂もあった。
妖怪が現れた当初は、それほどまでに科学界は混迷していたのだ。

そんななか、阿部のヘリコプターの隣を飛行する民間のヘリコプターの影。
その窓から覗くのは涼しげな女の眼差し。
彼女の名前は暮呼理緒(くれこりお)。髪型はシニヨン。所謂お団子頭に盛り盛りのメイク。
歳は三十前後と言ったところで職業は科学者だった。

「あ、プロトが先頭なの?それでうしろのマシンは妖研のTタイプか。
…ちっ、あの時プロトが完成さえしていたら、
人類初に妖怪を倒したのはプロトになるはずだったのにね!
本当、妖研の奴らってマジムカつく」
理緒は長篠機に向かって中指を突き立てキーっと威圧。
その後、ヘリコプターはプロトと並び一緒に進行する。

「ねぇ、プロトの中の人。今回はプロトの初陣なんだからビシッと気張りなさいよ!
勝って結果さえ残せたらもう誰もプロトのことを化け物なんて言わなくなるんだからね!」

それに対して関ヶ原は「はい。そうですか」と素っ気ない返答で
かくんとコケそうになる理緒。

(こ、こいつ、大丈夫なの?
…まあいいわ。いざとなったらアタシがゴスペルマニューバで…)
と決意を胸に秘め、無線機を握りしめ、
今度はその向こう側にいるであろう長篠たちへとメッセージを送る。

「ねぇあなたたち!アタシの名前は暮呼理緒。プロトの開発者よ!
プロトのためにも、この戦闘は絶対に勝利するんだからね。ショボい敗北なんて絶対に許さないんだから!
歌姫は気合い込めて歌って、Tタイプの人はバッチリプロトをバックアップ。わかった!?」

理緒の言葉の裏には、何かしらの劣等感が孕んでいるかのような印象も受ける。
が、それとは対照的に関ヶ原の思考は何時ものように冷めていた。

「……」
彼女の言葉は関ヶ原にとっては雑音でしかなく
そんなこと言われなくても皆が百も承知なのではないか、と彼は思っている。
個人が何を思おうとも数分後には決着はついているはずなのだから。

そしてついに関ヶ原の瞳は敵を捉える。

「前方に妖怪を確認。プロト、関ヶ原金之助、突貫します」
続けて阿部の歌が鳴り響けばプロトの福音炉に火が灯る。
回転を増す戦車の車輪。激しく舞う土煙。
ドリルと大盾を構え、まるでドンキホーテのように突撃するプロト。
移動力はなくとも向かってくる敵が相手ならそれも関係ない。
あとは唯一の自慢の防御力でこらえ、回転するドリルを妖怪の側面目掛けて繰り出すだけである。

「ふむ。絵に描いたような正攻法ね。
でも正攻法ゆえに敵は受けざるおえない。
やるじゃない。なかなか」
理緒も下唇に指を当て御満悦の様子。


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