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戦場スレpart2

1 ◆NcltM1gQ/Q:2012/07/11(水) 20:01:52 ID:Ue7B6b.Y
ロボットの戦闘シチュや、イベントの際にお使い下さい。

233 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/17(月) 22:40:02 ID:MG/wuDYw
>>232
「きもっ、」
ケーブルを見て最初の発言
ケーブルがおそうが、全く動じもせず。
飄々とかわす。
「背後から、バッサリいくか。」
ファルゼンの背後に飛び
「もらった。」
背後から、バッサリと殻竹割りをくらわせる

234レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/17(月) 23:14:55 ID:dmF7Ms1g
>>232
「……こいつら、まるでゾンビだな」

右腕で巻き付いていた焔姫を自機が盾になれる様に一旦、後方へ投げ飛ばす。
両腕を自由に使える様になったアイゼルネ・ブルートは、ヴァンパイア・クロウで引き裂くつもりの様だ。
そして何の戦術的意味も無いが、両腕に生えるクロウを交差させる決めポーズを忘れなかった。

「さぁて。もっと気持ち悪くかかってくるが良いわ」

三機のゾンビの触手をクロウで弾き、打ち落とし切り進むが、全てを抑えきるにはやはり限界が有る。
レイナのパイロットとしてのステータスは決して天才でも達人の域では無い。

「……っと。しまったわ」

だいたいはいなしたはずだが、ついに右腕を触手に掴まれてしまった。
そして、姫達をいたぶり尽くした電流を流すギミックがレイナとアイゼルネにも襲いかかった。
アイゼルネは先の光景と同じ様にスパークする。
それを受けたレイナはひとたまりも無い筈だが……。

「……っく。…く。ぐぐ。……その程度の拷問か?」

少しは影響は有るだろうか、精神力で耐えている。
一瞬は動けずに居たアイゼルネもぎこちないが動きを再開し、左腕クロウでその触手を切除する。

【アイゼルネ:残りHP80%】

「くっ……ははははは!!その程度の事で……っ!私は止まらないわよ!」

今日のレイナの気迫はこんな程度では決して絶えない。こいつらは前座なのだ。
狂気にも見える笑い声をあげて、背中から大きな悪魔の羽に隠されていた例のハープーンを取り出し、こちらも触手同様に腕を伸ばし、ハープーンの射程を無理矢理拡張する奇妙な刺突をファルゼンの一体。Cに繰り出した。

235ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/17(月) 23:20:16 ID:ClR5usZA
>>232
「何!?」
レーダーに突如として機影が現れる。
抱き上げていた風姫を手元に引き寄せ、素早く踵を反すとそこには・・・

>表裏の裏がえった四足獣のごとくガシガシと地表を走り、ゲシュペンストへと飛び掛かった。

「クッ・・・たった5機で基地を追い込んだカラクリはこれか・・・!!」
風姫をかばう様に上から大地へと押し倒されるゲシュペンスト、こいつには先ほど確かに一撃を加えたはずだ
この3機が押し負けたのもこの特性があったからか

「ブレードじゃ致命打にならないんだったら!!」
左腕で押しつぶそうとするファルゲンAに何とか耐えながら、右手を風姫から離し自らの背中へと回した
手に取ったのは白い物体・・・スプリットミサイルのコンテナだ

幸い先ほど空けた穴は塞がってはいない
ヒツギは圧し掛かるファルゲンを押し返し、膝で無理やり蹴り上げんとする
同時に穴へと狙いをつけてスプリットコンテナのミサイルをぶち込もうと・・・

「レオン!!」
そしてレーダーに見えていた機体の影に対して叫ぶ。
このミサイルコンテナを突き刺すことが成功したのならば、即興でのコンビネーションを疲労できるかもしれない

236ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/17(月) 23:24:43 ID:ClR5usZA
>>235
追記:HP92%

237つばめ&静香&マヤ ◆h9Hr5c.eFE:2012/09/17(月) 23:26:09 ID:.d80yUKY
>>227
「ンッ……んんっ!?」
突然、全身を襲っていた衝撃が止んだことに気付いたとき、マヤは上空に放り出されていた。
そんな焔姫を抱きとめる赤い機体。
電撃の余韻が残る体を震わせながら、マヤは目をぱちくりさせる。
「はぁ……はぁ……な、何……?」

状況確認。
どうやらこの赤い機体が自分を拘束していたケープルを断ち、救助を図ってくれたようだった。
その蝙蝠のような翼を目にするや、一言。
「うっわ……悪趣味……」
なんともひどい娘である。

>「力の無い者がウロウロするな。……だったかしら?掴まえたから、ひとまずは後方へ下げさせるかな。
やぁ。勝手にやらせてもらったが、意識は有るかね、赤の姫君?」

「……はぁ!?」

素直に礼を言いかけたのも一瞬の話。
その開口一番の言葉に過剰に反応し、マヤは激昂していた。
「力の無い者って何よ!? あそこから華麗に逆転しようと思ってたところを邪魔しておいて!!
このっ、誰が後方になんか下がるもんかっ! 離しなさいよ!!」
そう言って無茶苦茶に暴れ、アイゼルネの腕から逃れようとする。

>>229
「きゃっ!」
コードの拘束が解け、地面に落下する雷姫。

>「そこの、黄色い機体、無事か?」

「え、ええ、何とか…」
ぺたんこ座りのままでそう答えるつばめ。

>>228
目の前で繰り広げられる壮絶な格闘攻撃に、
ケーブルから解放されながらも、静香は言葉を失って見入っていた。

>「大丈夫か!?」

「へ? ……は、はいっ!」
跳ね起きる風姫。取り落とした薙刀を見つけ、いそいそと拾い上げる。

238 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/17(月) 23:54:46 ID:A1TOoM/Q
>>233
素早いステップで背後に回り込み、刃を振るうアルブレード。
一撃のもとにファルゼンの体が両断された。

【ファルゼンB HP10%】

「グググ…」

だが、驚くべきことにまだ活動を続けるファルゼン。
真っ二つになった体のそれぞれがアルブレードの両腕に無理やりしがみつく。

「ギギギギギ…!」

最後の力を振り絞るかのように、それぞれが全身から放電を開始した。

【強制放電による反撃】

>>234
クロウによって切り払われていくケーブル達。
幾つもの切れ端が薄汚く空中に散乱する中で、一本だけがアイゼルネの右腕を捕らえた。
激しい電流がアイゼルネを打ち据える。
しかし、その衝撃はレイナの戦意を砕くには遠かった。
クロウでケーブルを切断し、ギミックアームでハープーンを突き立てるアイゼルネ・プルート。
矛先はファルゼンの胸元を貫き、昆虫標本さながらにその巨体を月面に縫い止めた。

「グギッ!!」

【ファルゼンC、残りHP20%】

バタバタともがくその一機を尻目に、残る二機が反撃に出る。
一方は伸びた腕へとケーブルを伸ばして巻きつけ、電流を流し込まんとする。
もう一方は四つ足で勢いよく飛び上がり、上空からアイゼルネにのし掛かる。

【Dが放電、Eが格闘による反撃を試みる】


>>235

「ゴゴ、グググ…」
押さえ付けたゲシュペンストの首筋に電撃ケーブルをねじ込むファルゼン。

【強制放電による攻撃】

直後に胴体を打つ膝蹴りの一撃。
痛覚も畏れの感情も持たないファルゼンはその程度では怯まないが、
このときばかりはその鈍感さが災いしていた。
腹部にぽっかりと開いた大穴の中には、スプリットミサイルのコンテナがしっかりと打ち込まれていた。

【ファルゼンAの胴体にスプリットミサイルコンテナが埋め込まれる】

239リリー&姫 ◆Tg./UqnJ52:2012/09/17(月) 23:58:03 ID:vSrFaQm2
一方その頃の甲斐。
先の戦いにおいて損傷した機動兵器ハンガーの修理のためにプリニウス基地の修理ドックに繋がれていた甲斐にも出撃命令が下っていた。
修理作業を受けていた機動兵器ハンガーには艦載機は一機も存在しない。
だが、その修理作業もほぼ終了し、人員と物資の補給を受けた甲斐の状態は万全に近いと言っても良い。
猫の手も借りたいこの状況で、弾薬満載の強大な火力を持つ甲斐を遊ばせておく理由はどこにもない。
しかしながら、この艦にはひとつ、問題があった。艦長の指揮能力の低さである。
先の戦いでも述べたが、甲斐の艦長、武田・姫は元々文官であり、戦闘艦の戦術の「せ」も習っていなかったような人物である。
彼女の来歴からすればそれはむしろ当然の話で、彼女は青天の霹靂のような戦闘母艦の艦長への任命という、
トンデモな人事に翻弄された悲劇の女性である。
彼女も彼女でどうにか艦の指揮を執ろうと日々努力しているようで、出撃を控えた今でさえ、艦長席でうんうん唸りながら戦術教本を読み込んでいる。
とはいえ、任命から一週間も経っていない今、その程度の時間でいきなりベテラン艦長になれるわけもなく、艦長席での彼女の様子は、逆にクルーを不安にさせた。
そんな殺伐とした甲斐のブリッジに少女が!!

「ぴーす」
「あれ!? ス、スノウフェイル少尉!?」

無表情でVサインをしながらブリッジに入ってきたその少女、リリー・スノウフェイルは、姫の驚きの声と、同じく驚く甲斐ブリッジクルーの顔に出迎えられた。

「どうも。無理矢理指揮権を強奪する悪の少女、リリー・スノウフェイルです。よろしく。
 ……あ、私のファミリーネームは長いので、名前で呼んで下さい」
「あ、どうも………………って、ではなくて! どうしてリリー少尉がここに? まさか直接乗っ取りに……!?」
「どうしてそんなに怯えてるんですか、艦長。違いますよ。
 実は私、カイオウ大将から「オマエ、甲斐ノ副長、ヤレ」と天啓を受けまして」

自分の喉を掴んで、イサムのセリフらしきものをだみ声で再現する。
ちっとも似てない上に、どこかの蛮族みたいな口調になってしまっているが。

「大将から……?」
「ええ。何でも、艦長の成長をサポートしてやってくれ、とのことでして。
 とりあえず、まだそれほど艦長としての技能も会得していないだろうから、細々とした指示は今回も私がやれ、と。
 私もそれほど、戦闘艦の戦術に明るいわけではないのですけども」
「ええっと……それはつまり、そのぉ……」
「はい。ぶっちゃけて言っちゃえば今回も艦長はお飾りです」
「や、やっぱり…………」

自分が情けないのか、目に見えて落ち込む姫。
それを見て取ったリリーは目を瞑って、「とはいえ」と前置きし、

「私も艦の指揮の経験はありませんし、私だけで艦全体を掌握するのは大変です。前回の戦いで身にしみてそれがわかりました。
 なので、戦闘関連の指示は私がやりますので、艦長には艦の維持やダメージコントロールなどの指示をお願いしたいのですが」
「え……私がですか?」
「はい。何も難しいことはありません。問題に対して、その問題の専門チームを派遣するだけで、大抵はうまくいきます。
 この艦に乗っているクルーは、私や艦長のような未熟者の似非を除けば、皆プロフェッショナルですから」
「え、似非…………でも、確かにそうですよね。わかりました。私、やってみます。何かまずいことがあったら、遠慮無く言って下さいね」
「ええ、最初から無遠慮マックスで行きますから心配ありませんよ。…………では艦長、手始めに発進の指示をお願いします」

無遠慮マックス、の部分に姫は苦笑を返し、その後、せめて形だけは、という意気込みの感じられる引き締まった顔になって、

「甲斐、発進します!」
『了解!!』

甲斐の後部メインブースターから巨大な青白いフレアが吹き出し、甲斐はゆっくりと修理ドックから月面上空へと飛翔した。

240アカリ&リリー ◆Tg./UqnJ52:2012/09/18(火) 00:11:52 ID:/FCj1WrY
>>239続き
甲斐がプリニウス基地から発進したのと時をほぼ同じくして、リフトで地上に出ていたアカリのビルトラプターが基地から発進した。
基地の上空を飛ぶ甲斐の姿を認めたアカリは、艦の周囲を大きく旋回して、

「甲斐、聞こえますか? クレマチです。これよりそちらの直援にまわります」
『了解です、クレマチ伍長。このまま戦闘空域までエスコートを頼みます』

アカリからの通信に応えたのはリリーだったが、彼女の立っている場所に、アカリは違和感を覚える。

「リリー少尉? そこはブリッジでは?」
『ええ、その通りですクレマチ伍長。実は私、CICの仕事をクビになりまして』
「え?」

大したお咎めは無かったようにリリーが言っていたのを思い出していると、それにかぶせるようにリリーの二の句が続き、

『その代わり、ここで艦長の補佐をしろと命じられたのですよ。いわゆる副長ってポジですね』
「あ、ああ、そういう……」

驚かせる。少しホッとしたのと同時に、このちょっとしたドキドキ感を狙ってああいう言い方をしたのではないか? という疑念も生まれる。

『そういうわけですので、今後ともよろしくお願いします』

そして、おそらくそれは正しい。付き合いは短いが、モニターの向こうで小さく一礼するリリーを見つつ、アカリはそう思った。

241レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/18(火) 00:13:10 ID:iKZiHmos
>>232
レイナ達とは反対の方面からエンデュミオン所属のエフゼロ部隊5個中隊を率いる中隊がプトレマイオス上空より接近を試みるとの事

その中でレオンの小隊のみ先行させたレイナ達の援護へ向かうことになる
通信機から声がするエンデュミオン所属の隊長からだ

レギンレイヴ1「フリスト、ヒルド、スケグル隊は我が隊と共に陽動の間を衝き敵部隊を掃討せよ。ゲル隊は救助へあたれ。ラーズグリーズは…せいぜい墜ちないように幸運を」

通信機からは笑い声が聞こえる

レオン「…まぁ大将が来なかったらただの招かれざる客だからな」

三機のエフゼロを従いレイナ達の方角へと旋回、加速させる
程なくしてプトレマイオスの変わり果てた情景と異形の物体と交戦するレイナ達と謎の三機の姿を遠目に捉える

レオン「こちらラーズグリーズ1これより戦闘に入る」

>>235
ヒツギから最も近い謎の物体は恐らくヒツギによって空けられたであろう穴を晒してひっくり返っていた、が

レオン「なんだと!?」
レギンレイヴ『全機気を付けろ!数も異常だが並の耐久力ではない!』

倒したと思われたファルゼンがいきなりゲシュペンストに組み付いた
アンノウンの保護を優先した為そうなったのだ

>「ブレードじゃ致命打にならないんだったら!!」

ゲシュペンストがファルゼンを蹴り上げ上昇させる
その手にはミサイルコンテナが握られ投擲モーションに移っている

レオン「…なら遠慮無く頂くぜ!」

AMモードへ即座に移ると同時に腰から抜いたモノはガンレイピア
ファルゼンの四肢と破損孔へと神速の光条が伸びる

242ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/18(火) 00:33:36 ID:xBcLOHWo
>>237
>「へ? ……は、はいっ!」
「こんな状況で悪いな・・・!!」
風姫とゲシュペンストはお互いに白い大地に倒れこんでいる
男女で倒れていると考えるとドキドキなシチュエーションだが、上からかかっているのはまさかのゾンビ
これでは心拍数も別の意味で上がるというものだ。

「ちょっと待ってろ、野暮用だけ済ませる!!」

>>238>>241
>押さえ付けたゲシュペンストの首筋に電撃ケーブルをねじ込むファルゼン。

「ッ・・・!!」
その身に電撃を受けるも歯を思い切り食いしばり声を殺す。
女性の前で声を上げることだけはしたくないということなのだろう、男の子らしい

風姫に攻撃の対象が移るのだけは何とか抑えなければならない
そう考えていたヒツギだったが、視界の端に映ったある光景によってその表情は不適に笑うものに変わる

「ヘッ・・・怨むのはなしで頼むぜ!!」
押し返そうとしていた左腕をフッと引くゲシュペンスト、首に絡みつく触手をブレードで切り裂き、そのまま頭の上に両手を置く
さらに左腕が無くなったことで生まれた隙間へと折りたたんだ両足を潜り込ませた
そのままヘッドスプリングの要領で、ファルゼンの体を今度は上空へと跳ね上げたんとしたのだ

先ほどとは込められた力が違う。
さらにこの一撃はダメージを与えるためではなく相手を跳ね除けるためだけのものだ

上空からはレオンが打ち出したガンレイピア
そしてファルゼンの腹には爆発物の塊が――――

HP84%

243レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/18(火) 00:39:37 ID:kDw1A9/E
>>237
【「力の無い者って何よ!? あそこから華麗に逆転しようと思ってたところを邪魔しておいて!!
このっ、誰が後方になんか下がるもんかっ! 離しなさいよ!!」】

「くっくっく。なんだね?昨今の小娘は礼の言い方も理解出来ないのか。
それはそれは頭が高いというものよ」

相手がイラっとなったのは理解している筈だが、より一層この少女をからかってみせるレイナ。
その理由は赤っぽい機体カラーの被りやら高飛車なところなどなんとなく自分と被ってる様な気がしたからである。深い意味は無い。

「その機体とあなた自身の体の消耗から見させて貰うと、その華麗な逆転劇(笑)とやらは出来そうも無いわ」

上から目線のこの傍若無人な態度。
そう言われても、今にも前に進んで行こうとしているアグレッシブだった赤の姫は黙って聞き入れてはくれないはず。

「ならばフォローミー野蛮な小娘。この偉大なる夜の王レイナ・カーマインが共にリベンジを手伝ってあげる。敵はまだまだ来るわ。さっさと片を付けておくべきよ。
やる気が有るならついて来い」

ならばせめて一緒にこの場を切り抜ける事を提案する。
こんな所で苦戦してやる訳にはいかない
レイナの未来のヴィジョンによればもっと強大な敵が現れるらしいのだ。


>>238
「……が……ぁっ!!」

伸ばした腕が災いして、やはり電撃触手に狙われ拘束されてしまう。
それが流す電流に歯を食い縛りながらまたしても耐えて見せるレイナ。
八重歯のおかげで唇の端から少し血が出てしまった様だ。

「でも……まだまだね。こんなものじゃアイゼルネの再生が上回るわよ」

レイナの標的は依然、月面に釘付けにしたファルゼンC。電流の痺れを振り切り、更にアイゼルネのパワーを引き上げる事で触手を強引に引きちぎり、ファルゼンCへと更にハープーンを深く突き入れる。

【アイゼルネ・ブルート:残りHP70%。ファルゼンCへとハープーンで反撃】

【「グギッ!!」】

そして、残すもう一体は四つ足で勢いよく飛び上がると、遥か上空からアイゼルネにのし掛かろうとしていた。
こんなものに乗られたらひとたまりも無い。月面に撃ち込まれたハープーンを楔に、何処かのゴムで出来た少年の如く腕の力で身体を引き寄せ、巨体がのし掛かるはずの地点から前方へと緊急回避した。

「野蛮なお嬢ちゃん。彼ら1体ぐらいどうにかしてくれないか?」

避けられたは良いが、中々に危なかった。
ならば今こそD、もしくはEを引き付けてくれと赤の姫こと野蛮なお嬢ちゃんへ申請する

244ラウディ他 ◆E8ckRIIdug:2012/09/18(火) 00:55:38 ID:jo08eAJQ
 基地のカタパルトに乗って、今まさに出撃せんとしたタイミングで待てがかかる。

 そして、ラダーを伝ってエフゼロのコクピットに現れたのは……

「軍曹、甲斐まで頼む」
「ラウディ、行くわよ」

「ひーっ!?」

>>239-240
 そんなわけで、エフゼロは発進直後の甲斐のブリッジ近くに取り付き、相乗りの二人を直接エアロックからブリッジに移乗させた。

 一人は前回リリーの乗っ取りを黙認したエレミーラ・タイデグリー中尉。
 ブリッジの予備オペレータ席で根回しやら後始末の手配やらの業務を継続して執り行う。

 そして、もう一人……

「急な人事でありますが、CIC統括官を拝命したマデリーン・ダンディ・エッシェンバッハ少佐です」
 階級的には姫に次ぐのに指揮系統としてリリーの下に着く点は納得の上である。

 なお、ラウディは少佐が持ち込んだトランクをコクピットからCICに運んでいた……

245リリー&姫 ◆Tg./UqnJ52:2012/09/18(火) 01:27:02 ID:/FCj1WrY
>>244
ブリッジ付近のエアロックから直接ブリッジにやって来るという、ちょっとした荒技に姫はびっくりしていたが、
リリーはいつも通りの無表情で二人に向かって敬礼。それに倣って、艦長席から立った姫も二人に対して敬礼した。
そうして少し経ってから、敬礼を解いたリリーが前に出て、

「ようこそ甲斐へおいでくださいました、エッシェンバッハ少佐。タイデグリー中尉も間に合ったようで何よりです。
 これより甲斐ブリッジは装甲壁を閉鎖し、戦闘ブリッジへとモードチェンジします。
 CICはここの三階下にありますので、そちらへ向かうのでしたら、エレベーターをお使い下さい。
 距離が距離ですし、降りてすぐ前がCICですので」

三つも上の階級であるマデリーンに対してすらすらと喋るリリーとは対照的に、姫は戦いを知っているであろうマデリーンにやや気後れしたようで、
口を真一文字に結んだまま一言も発しない。
その間にも、リリーの口上は続く。

「少佐もご存じのように、私も武田中佐も戦闘艦の指揮というものには、あまり経験がありません。
 私達の指揮に何か危ういものを感じられましたら、すぐに仰ってください。
 今回は少しのミスでも命取りになりかねない、大変厳しい戦いになると思われますので」

246エッシェンバッハ少佐 ◆E8ckRIIdug:2012/09/18(火) 02:05:09 ID:jo08eAJQ
>>245
「了解しました、艦長、副長。
 ではこれよりCICに向かいます」
 そう返したのは少佐。話しているのはリリーなのに艦長にも返事をしたのは、彼女なりの気遣いである。
「私は部隊編成や運用を多くこなしてきましたので、艦それ自体の指揮はそれほど詳しくありません。
 ましてや初めての艦となれば……
 そんなわけですので、私に出来るのは戦場を俯瞰した場合の戦術指揮に対する助言だと思って下さい。
 その中ではこの艦や個々の兵員を一つの駒として無慈悲かつ無造作に扱う事があります。
 艦長も私を一つの駒として扱って構いませんので」

 小難しい事を言うようだが、簡単に言えば“広い視野と冷酷なやり方を覚えろ”である。気遣い台無し。

 一方中尉は、何食わぬ顔で情報収集を始めていた。

247 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/18(火) 15:21:13 ID:i8Ng.Dfs
>>241
>>242
ゲシュペンストが全身のバネを引き絞り、渾身の両脚蹴りを放った。
月の低重力のもと、為す術もなく跳ね飛ばされるファルゼン。
そして、その背後からガンレイピアの光条が降り注ぎ、腹を貫通するように埋め込まれたミサイルコンテナを正確に撃ち抜いた。

「ガッ…!」

激しい連鎖爆発が巻き起こり、たちまちファルゼンの機体を木っ端微塵に粉砕する。
ゲシュペンストの目前にボトボトと落下した黒焦げの四肢は、しばしの間独立した生き物のように跳ね回りながら無茶苦茶にケーブルを暴れさせていたが、
数秒と待たないうちに静止し、動かなくなった。

【ファルゼンA撃破】


>>243
「ギギギ…!」

更に深々とハープーンを突き込まれるファルゼン。
もはや身動きすることが叶わないと察したのか、全身が破裂したかのような勢いで、大量のケーブルを前面に噴出した。
もはやその有り様は機動兵器などではなく、月面に根付いた巨大なイソギンチャクである。

【ファルゼンC残りHP10%、強制放電による反撃を試みる】

248 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/18(火) 16:14:29 ID:wsi35Ua6

>>238
「なるほどね。これが仕掛けなのか。だけど」
強制放電を、念動フィールドで防ぐ。
「そんでもって、これでendだ。」
T-linkブーメランで胴体を切り裂く。
「また、分裂しないでくれよ。」

【レイナ嬢、何やってんだよあの赤い奴も挑発に乗っちゃって。】
呆れながら、心の中で呟く。
「艦長、ユウセイです。いま、交戦中にみられない。機体を見つけました。このまま甲斐に護送しましょうか?」

甲斐に連絡する。

「黄色い機体大丈夫?動ける?」

249レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/18(火) 16:57:36 ID:kDw1A9/E
>>247
「ぅ……ぁん!」

ハープーンに串刺しにされているもはや死に体となったはずのファルゼンCだが、最後っ屁の如くアイゼルネとレイナに電流を浴びせかける。
凄まじいまでの生命力だ。ここまでやれるのはやはり心無き無人機だと言う訳か

「っ……よくもやってくれたわね!」

凄まじいと言えばレイナの執念ともとれる精神力もそうだ。またしても高圧電流に身体を射たれても耐えて見せる。
ここで皆を従える立場である自分が、甘ったれた女々しい悲鳴など上げようものならヒツギ達の士気に関わると思って、レイナは踏みとどまっていた。
何も特殊訓練で拷問に耐性が有るとかそう言った話では無い。

「異形の者よ。闇へと帰るがいい!!」

そして、気合?を痛い言の葉に乗せ、打ちつけたハープーンを思いさま全力で引き抜き、戻る刃をもってファルゼンCへとどめの一撃を見舞う。

250 ◆zv577ZusFQ:2012/09/18(火) 17:00:11 ID:kDw1A9/E
>>249
【アイゼルネ・ブルート:残りHP60%】

251レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/18(火) 18:39:37 ID:iKZiHmos
>>242>>247
異形の物体が動かなくなるのを確認しつつ続ける

レオン「good job!!そこの…青い人は他のラーズグリーズが甲斐まで運ぶ
それよりレイナの被害がマズい!」

エフゼロ三機が風姫の元へ滑り込み
その内のニ機が風姫の正面付近でホバリングしフックアンカーを両脇に差し込もうとする

エクセリオンは白い尾で弧を描きながらゲシュペンストへと超低空で迫る

レオン「エクセリオンの肩のハンドルを掴んで(ナウシカ風に)バランスを取れ!レイナの元へ一直線だ!」

粉塵を巻き上げながらヒツギのゲシュペンストへ滑り込む

252つばめ&静香&マヤ ◆h9Hr5c.eFE:2012/09/18(火) 22:36:49 ID:RC78XrF.
>>243
レイナのたしなめに耳を傾けながら、マヤはぐぬぬと、あからさまに不服な表情を作っていた

>「ならばフォローミー野蛮な小娘。この偉大なる夜の王レイナ・カーマインが共にリベンジを手伝ってあげる。敵はまだまだ来るわ。さっさと片を付けておくべきよ。
やる気が有るならついて来い」

「ふんっ! 付いていくも何も、誰がこのまま終わるかってーの!!」
言うや否やアイゼルネの手を離れ、弾丸のようにファルゼンD、Eへと突進していく。
「この死に損ない!! 目にもの見せてやるんだからっ!!」
突撃のさなか、焔姫が携えるやたらと派手な彩色の大剣、その峰に設置されたいくつものスラスターに火が灯り始める。
「ブルーティッシュ・ブレード! フルパワーッ!!」
その合図と共に、一気に火を吹くスラスター。過剰な出力は焔姫を振り回し、
まるで独楽回しのように水平に回転させながら、超スピードでゾンビロボへと突っ込んでいく。
「くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
B.B.フルパワー。マヤの持てる最大の攻撃が、2機のファルゼンに向けて放たれた。

>>248
「はい! あの、どなたか知りませんが、ありがとうございます」
ぺこりとお辞儀してみせる雷姫。
そしてキョロキョロと周囲を見回し、状況を確かめると……

>>251
「つばめ! あなたもこちらに!」
見れば、風姫が別の機動兵器に庇われるようにして、戦場を離脱しようとしていた。
「は、はい、姉さま!」
走ってそれに続く雷姫。
どうやら、この重戦車のような機体群れは、自分達を救ってくれたのと同じ勢力、即ち友軍と見ていいようだった。
「大丈夫? 怪我は無い?」
「ええ。姉さまもご無事そうでよかった……
そういえば、マヤさんは?」

その瞬間、残存するファルゼンに向けて突っ込んでいく、赤とピンクの独楽のような何かが見えた。
二人が頭を抱えたことは言うまでもない。

253 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/18(火) 22:46:56 ID:wsi35Ua6
「ちょっと待って。」
ユウセイも、後を追うことにする。
だが、

これが、レイナの言う、ビジョンだとは、まだ誰も知らなかったのです。

254ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/18(火) 23:01:54 ID:xBcLOHWo
>>247
「さすがにこうなると再生できないか、ゾンビゲームと一緒だなこりゃ」

爆発物によって木っ端微塵にすると言う作戦は成功したらしい。
胸を穿たれても再生する生命力であったとしても、原型すら残らないこれでは再生できないということか

しかしパイロットがいたとはとてもじゃないが思えない
基地を攻撃したということはある程度統率されていたということだ、となるとこいつらを率いている奴が・・・

>>251>>252
>レオン「good job!!そこの…青い人は他のラーズグリーズが甲斐まで運ぶ
それよりレイナの被害がマズい!」

「分かった!・・・すぐ近くに俺たちの戦艦がある、急いでそこまで退避してくれ」

レオンの言葉を受けた後、合流したらしい黄色と青の機体に対して伝えた
基地を潰すほどの敵となるとラーズグリーズ部隊でも抑えきれるとは思えない

「って訳で任せたぜ!」

風姫達を連れた別働隊に交信をかけると、ヒツギの後方からエクセリオンの影が迫った

>レオン「エクセリオンの肩のハンドルを掴んで(ナウシカ風に)バランスを取れ!レイナの元へ一直線だ!」

「了解!!」

レオンの呼びかけに答え月面を蹴ってその背に生えたグリップを左手で掴んだ。
機体を水平になるまで横に倒し、そのままエクセリオンの速さに身を任せる

「上をそのまま通過してくれ、飛び降りる!」

255 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/18(火) 23:02:04 ID:K0wFufFM
>>248
念動フィールドが、組み付いた左右の半身を弾き飛ばした。
そこへ水平に投擲されるT-LINKブーメラン。
ファルゼンは綺麗な四つ切りに斬り分けられ、静かにその場に崩れ落ちた。

【ファルゼンB撃破】

>>249
規格外ともいえる胆力で電撃に打ち克ったレイナが、とどめの一撃を放つ。

「グギィッ……!!」

うねり狂うケーブル束の中心へと、再びハープーンを打ち込まれたファルゼンが断末魔の叫びを発した。
やがて全てのケーブルが力なくしなだれ、ほとばしる電流も消えていった。

【ファルゼンC撃破】

>>252
死角からアイゼルネへと飛び掛かろうと、四足に力を込める二機のファルゼン。
だが、その正面から、恐ろしい勢いで何かが突っ込んできた。

「ゴッ……」

高速回転する赤い竜巻は、まず前を行くファルゼンに接触。
一瞬でその機体を真っ二つに斬り潰す。

【ファルゼンD撃破】

そして、その勢いのまま後方のファルゼンへ突撃。長大な刃をその胴部へと食い込ませた。

しかし、一機目を両断したことで、勢いを削がれていたのだろう。
ブレードはファルゼンの胴体半ばで止まってしまった。

「グゥゥッ!」

ブレードを掴む両腕をケーブルが絡めとり、またも大電流が焔姫に襲いかかる。

【ファルゼンE HP50% 強制放電による反撃】

256レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/18(火) 23:43:11 ID:kDw1A9/E
>>252
【「ふんっ! 付いていくも何も、誰がこのまま終わるかってーの!!」
「この死に損ない!! 目にもの見せてやるんだからっ!!」】

「おい待て。勝手に突撃するな。……はぁ。やれやれだわ」

そうとう逆襲したかったのだろう。
赤の姫はレイナの話を最後まで耳にいれた様子も無く残る2体の触手ゾンビへと果敢に突撃している。
レイナは面倒臭そうにタメ息。
それでも仕方ないな。とでも言いたげに突撃娘の後を追う。


【「ブルーティッシュ・ブレード! フルパワーッ!!」
「くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」】>>255
【しかし、一機目を両断したことで、勢いを削がれていたのだろう。
ブレードはファルゼンの胴体半ばで止まってしまった。】

「ねぇまだ倒せていないわよ?」

レイナがゾンビのもう一方へのダメージの浅さに気付き、オープンチャンネルで突撃姫に伝えるのだが。

【ブレードを掴む両腕をケーブルが絡めとり、またも大電流が焔姫に襲いかかる。】

だが、そうはさせなかった。
攻撃後の隙を狙われまた触手の餌食となった赤の姫。
そのボディに巻き付き、電流を浴びせるまでの一瞬の合間にアイゼルネ・ブルートはそのおぞましい触手をクロウでズタズタに引き裂いてしまった。

「……くっくっく。また貸しが増えたわね、突撃姫?」

野蛮なお嬢ちゃんから突撃姫にジョブチェンジされた様だ。
ピンチを救ったレイナはさぁ我を称えよと言わんばかりのドヤ顔である。

「あまり良い趣味じゃ無いわね。制裁よ!」

ついでに、触手を発生させたファルゼンEへその伸縮自在の腕で強烈に唸りを上げる乙女の鉄拳をお見舞いする。
【ファルゼンEを攻撃】

「あなた馬鹿なの?死ぬの?……あ。それとも触手と戯れるのが好きなのかしら?」

呆れた様子でまたしても挑発的な言葉を発する夜の女王(自称)
相手も相当に逆上するだろうがそれは目の前の触手ゾンビへ向けてもらいたい

257つばめ&静香&マヤ ◆h9Hr5c.eFE:2012/09/18(火) 23:54:59 ID:RC78XrF.
>>255
>>256
「えっ? あっ……」

攻撃後の隙を突き、両腕をギチッと捕える触手。
想定外の事態にマヤは声を裏返らせて動じた。が……
アイゼルネ・プルートの介入によって、今回は事なきを得た。

>「ねぇまだ倒せていないわよ?」

「ぐぬぬ……!! い、今やろうと思ってたのよっ!!」
おかあさんに宿題をやれと言われた子供のようなことをのたまいながら、
半端に突き刺さったブレードを引き抜く。

>「あなた馬鹿なの?死ぬの?……あ。それとも触手と戯れるのが好きなのかしら?」

「んなわけあるかぁぁぁぁぁっ!!!」
そして、再び大きく予備動作を取って、今度こそとどめの一撃を振るう。

258リリー&姫 ◆Tg./UqnJ52:2012/09/19(水) 00:11:06 ID:lUHZcidA
>>246
「了解です、少佐。助かります」
「…………」

「個々の兵員を一つの駒として無慈悲かつ無造作に扱う」というマデリーンの言葉に姫は少し眉根を寄せたが、
リリーは相変わらずの無表情で一礼しつつ、マデリーンに謝した。
レミーが予備のオペレーター席に着き、マデリーンがCICへ向かうためにブリッジを退出するや否や、
姫はガチガチに固まっていた敬礼の体勢を解いて、ため息をついた。

「厳しそうな人でしたね……。人を駒として扱うだなんて」
「反感を覚えますか?」
「いえ、私も以前の職場を考えると、人のことはあんまり言えた立場ではありませんから……。
 でもやっぱり、言葉にして言われると……こう、普通にくるものがありますね」
「仕方がないですよ。連邦軍という軍事組織は私達だけでまわっているわけではありませんからね。
 戦場という、リアルタイムで状況の進行する場所での、素早い数字のやりとりというものも必要です。
 そういう意味では、少佐の助言は勉強になると思いますよ」
「そうですね……できることなら、そんな状況、来ない方が良いんですけど……」

もう一度、さきほどより深いため息をついて艦長席に戻る姫。
その隣に移動しながら、リリーは「やはりこの人は戦艦の艦長には向いてなさそうだ」と思った。

259アカリ&リリー&姫 ◆Tg./UqnJ52:2012/09/19(水) 00:33:10 ID:lUHZcidA
>>255
そうこうしているうちに、甲斐はレイナ達が戦っている後方、少し離れた場所にまでやってきていた。
甲斐の甲板に設置された艦砲類は未だ、プトレマイオス基地で暴れる敵の軍勢を射程内に捉えてはいなかったが、
ただ一つの例外が、この艦の艦首には装備されていた。

「プトレマイオス基地の状況はどうなっていますか?」
「はい、基地上空から突如現れた敵部隊によって、基地に駐屯していた戦力はほぼ壊滅。基地施設も同様です。
 辛うじて生き残った残存兵力が各方面から救援に来た味方部隊の援護を受けつつ離脱していますが、
 敵機の耐久力が尋常ではなく、総じて苦戦を強いられている模様です。
 また、未確認情報ではありますが、大型の指揮官機らしき機体も目撃されているとのことです」
「わかりました。まずは、勝ち馬に乗っている敵の気勢を削ぎます。
 ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノン、砲撃準備」
「了解。艦首バスターキャノンモジュール、展開開始」

それこそ、甲斐の武装のうちで最大の火力を誇る兵器「ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノン」であった。
ゆっくりと両開きになった艦首からせり出してきた、灰色に鈍く輝く巨大なバスターキャノンの口径は4300サンチ。
流麗な曲線を描いていた甲斐の艦首を割って出てきたその脅威の兵器は、生物の腹を破って出てきた寄生生物のような不気味さを発しているようにも見える。

「目標、基地上空の敵軍中央。敵のどでっ腹に大穴を開けます」
「了解。機関停止、取り舵20。トリム角プラス17度」
「軸線まであと3……2……1……重力アンカー作動。軸線固定」
「そのままシークエンスを続行。クレマチ伍長、射線上に友軍は存在していますか?」

こちらのレーダーでは、救援に来ている部隊以外に射線上に存在している友軍は見あたらない。
それでも念を入れて、高々度を飛行しつつ先行していたアカリに目視での確認をとってもらったリリーではあったが、

『いえ……残念ながら、こちらから確認できる友軍は救援部隊以外は目視できません。
 まるでピザにたかるハエの群れみたいに、敵部隊が夥しく蠢いているだけです』

アカリから返ってきたのは、絶望的な報告であった。
報告に対して了解の意を伝えたリリーは、次いで全ての友軍に対して通信回線を開くようにオペレーターに指示する。

 「タイガー1よりプトレマイオス基地周辺に展開する全友軍へ。これより本艦は艦首ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンを砲撃し、
 敵軍の中央を抜きます。三次元レーダーに赤く示された射線には決して入らないよう、お願いします。繰り返します。これより本艦は……」

「タイガー1」は連邦軍における甲斐のコールサインである。
それを示す通信ウィンドウと共に、各機のモニター端にプトレマイオス基地を中心とした三次元レーダーが表示され、
そこにプトレマイオス基地上空を横断するような形で現れた極太の赤い円筒が点滅した。
その中に入っている機体のコクピットではアラートが鳴っていることだろう。

260アカリ&リリー&姫 ◆Tg./UqnJ52:2012/09/19(水) 00:34:18 ID:lUHZcidA
>>259続き
「基本維持機能以外の電力を補助電源に切り替えます」

バスターキャノンに電力をまわすために基幹機能を司る部署以外の電力が補助電源に切り替わり、ブリッジも赤く発光する補助照明に切り替わった。
それに姫が微かに悲鳴を上げて驚く。

「光子チューブチャンバー正常稼働。重力加速器、フィールドジェネレーター、共に正常」
「陽電子チャンバー内加圧正常。電磁ライフリング、回転開始」
「エネルギー充填率100%超過。110、111、112、113……」
「全艦、対閃光シェード展開。総員、対衝撃姿勢」

ブリッジの艦橋窓に黒い半透明のシェードが展開され、外の様子があまり見えなくなる。
リリーは副長席に戻ってシートベルトを締め、姫もベルトを締めた上に艦長席のアームレストを強く掴む。

「最終安全装置解除。……艦長、号令は艦長の仕事ですよ」
「えっ? わ……わかりました、少尉。任せて下さい」

まさかこちらに振られるとは思っていなかった姫は、突如降りかかった号令という仕事に面食らったが、すぐに緊張した顔になってそれを了承した。

「充填率、117、118……119…………120%です!」
「発射10秒前。8、7、6、5……」

リリーのカウント読み上げが5に来た時点で、姫は無意識にごくりと喉を鳴らした。

「3、2、1」
「ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノン、てぇーっ!!」

姫の号令と共に、バスターキャノンのトリガーは引かれた。
まず、せり出した砲身の根本から白く煌々と輝く極太の光が放出し、レイナ達が戦っている敵部隊の後方にいた敵機を多数飲み込む。
この光の内部はがらんどうであり、これ自体には特に高い攻撃力は無い。
その正体は高光圧の光で構成された光子チューブであり、中に飲み込まれた機体は脱出しようとしても、その光の内壁に強い反発を受けて中から出ることはできない。
もっとも、そういった行動を咄嗟にとれるほど、時間的に余裕があるわけでは、もちろん無かった。
何故なら、光子チューブの形成からコンマ一秒と経たずにバスターキャノンの砲口から真っ赤な光の奔流が発射され、チューブ内のものを全て飲み込んだからだ。
この赤い光こそバスターキャノンの高い攻撃力を表すもので、その正体は電磁加速により亜光速にまで速度を高めた陽電子ビームである。
重力場の影響を受けたり、発射後の拡散率が高いことで有名な陽電子ビームは兵器としてはあまり有用なものではなかったが、
ビームが物質に衝突する際の対消滅反応に耐えられる装甲は皆無であることから、どうにかしてその攻撃力を活かそうと、多くの研究機関がビームの問題を解決せんとしていた。
そんな中、武田菱の開発したハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンは発射の際にビームの進路をあらかじめ高光圧の光子チューブで囲むことで、
重力場の影響はまだ受けるものの、拡散による減衰の問題をほぼ解決することに成功していた。
この赤い、死の光は、白い光の導き手に連れられて、その道中にある物質を原子レベルで破壊しながら、亜光速で戦場を駆け抜けた。

261ラウディ他 ◆E8ckRIIdug:2012/09/19(水) 06:30:48 ID:VB1Q.bzY
>>258
 自分が退出した後の会話が聞こえるはずは無いが、少佐には大体の検討はついていた。
 そしてそれは中尉の想定の範囲内だった。

 少佐がCICに入ると、事前の指示に沿ってラウディがセットアップの手順を進めていた。
 座席のヘッドレストやコンソールのキーボードを交換、月孫衛星軌道上の電子戦艦カックラキンと直通回線を開くと、大量のファイルが流し込まれる。
 乗り移るために借りて着ていたパイロットスーツを上半分脱いだ少佐にシートを引き渡すと、ラウディは自機にとって返した。
>>259-260
 幾つものソフトウェアを更新或いはインストールしつつ、戦況を確認。
「……ハイパーロングレンジフォトンキャノン、ね……」
 呟くと、アップデート作業を一時中断。
 目を保護するゴーグルをかけ、ヘッドレストから延びた光ファイバーケーブルをうなじのジャックにつないで没入(ジャックイン)。

 クレマチ伍長機やクーリマン軍曹機、カックラキンからのデータを重ねてブリッジに送ると少佐の初仕事は一段落する。
 対ショック防御のため復帰(フリップ)すると、わずかに笑みを浮かべた。

262レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/19(水) 18:39:12 ID:Dweys69c
>>254~257
モニターにはゲシュペンストがバランスを取った事を示したこととグリップを掴む振動を確認した後にグリップを引き更にスロットルを大きく上げるとエクセリオンは上昇しつつ正面にブレイクフィールドを示す障壁が展開される

>「上をそのまま通過してくれ、飛び降りる!」
「任せろ!」

戦場を超音速で駆けるレオンとヒツギ
視界を流れる景色
レイナ達の姿を黙視するにはそう時間は掛からなかった

不意にファルゼンの周囲に複数の砂煙柱が立つ
エクセリオンの機首部分のマシンキャノンが火を噴いていた

「…流石は姫。騎兵隊の到着より先に決していたとは
いや、すまない。もう少し急ぐべきだったな」

【レオン、ヒツギ、レイナ達と合流】
>>260
――――その頃、味方援軍

焼き払われた各施設、人型の機動兵器、その残骸となる筈の物体から蠢く異形…
編隊を組んでファルゼン一機に上空から波状攻撃を仕掛ける機影達の姿

レギンレイヴ1「各機、戦況を報告せよ」

フリスト1「我が隊及びヒルド、スケグル隊は健在。しかし敵の数が思いの外減らない」
ゲル1「こちらゲル1。生存者の確保に成功。戦域を離脱する」

戦況は芳しくないものの救出には成果があった様だ

>「タイガー1よりプトレマイオス基地周辺に展開する全友軍へ。――
レギンレイヴ1「例の新造艦か…まぁいい。お手並み拝見とさせて貰おう」

砲撃通過予測エリアより速やかに、鮮やかに離れる味方援軍

>――てぇーっ!!」

号令の後、一切の間を感じさせずに該当エリアに光の柱が横たわり問答無用で射線上の物体を飲み込んでいく

レギンレイヴ1「…確か日本の軍需企業の開発のはずだろう…まるでEOTではないか…」

263ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/19(水) 19:05:46 ID:Gen2Vhow
>>256>>262
レイナと焔姫のいるポイントへと合わせ、エクセリオンから手を離し重力に任せての自由落下を行う
月の大地へと着地すると、踏みつけられた白い砂が高く宙に舞った

「レイナ!大丈夫・・・だったみたいだな」

急いで駆けつけてきたはいいが、すでに粗方片付けた後のようだ。
どうやらこちらが助けた黄色と青の機体よりも、赤の機体は戦闘力が高かったらしい

「とりあえず青と黄色は既に回収部隊と合流してる、後は基地のクリアリングだけだ」
チャンネルを開いて現在の作戦状況を口頭で伝える

「ただ気になるんだけど、こんなやつらが基地を集団で攻撃するなんて思えない。
 統率の具合からして多分指揮官がいる気がするんだが・・・」

先ほど相手をしたファルゼンからは意思といったものは感じられなかった。
さらに今まではクラウンやシャドウストライカーのような明らかに一線を画す機体が現れていたが、その姿も見えない
となればまだどこかに敵が潜んでいる可能性がある・・・と考えているようだ

>>260
「うおっ!?」
月の白さすら覆ってしまうほどの閃光が上空を走った。
それは甲斐から発射されたバスターキャノンの軌跡、基地が既に壊滅状態ならば躊躇する理由もないということだろう

「こいつは・・・とんでもないな」
焼き払うという言葉が相応しい一撃が大地を飲み込んでゆく
その様をヒツギはカメラ越しに見つめていた

264レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/19(水) 19:23:35 ID:N7v79jn6
>>260
甲斐の主砲ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンの破壊エネルギーにより、密集していた触手ゾンビ達は全て飲み込まれて行く。
こんなものを食らえば確実に再生する為の破片すら残さず消滅させるだろう。

「すごいな。遠目で見てても目がおかしくなりそうな程の光だわ。
しかし、発射シーケンスがかなり気合入っていたけれど、毎回あの緊迫感が保つかしら?簡略化すれば良いのにね」

ハンカチ(律儀)で目をごしごしと拭い、メタ視点的な何とも反応しがたい発言をするレイナであった。


>>262>>263
【「…流石は姫。騎兵隊の到着より先に決していたとは
いや、すまない。もう少し急ぐべきだったな」】
【「レイナ!大丈夫・・・だったみたいだな」】

二人が駆け付けた時には、もう窮地を脱し腕を組んで偉そうに君臨しているアイゼルネ・ブルートの姿が有った。

「いや、こちらこそ苦労をかけた。あの赤い突撃姫が割と頑張ってくれたから。
それに……っ。アイゼルネもこんな柔な攻撃じゃ何とも無いわ」

アイゼルネのコクピット内。レイナはその指先を側にある奇妙な器機に接続する。
マシンセルを活性化させる装置の様だ。

「さぁアイゼルネ。思い出してごらんなさい。お前は元々どんな姿だったのか?」

電流に焼かれ、触手に破損させられていた筈のアイゼルネ・ブルートの深紅の装甲は、
元有る形に戻ろうとみるみる内に再生してしまった。
……しかし、その際にレイナが浮かべた一瞬の苦悶の表情の意味はまだ誰も知る余地は無かった。

【アイゼルネ・ブルートのHP回復:残りHP100%】

【「とりあえず青と黄色は既に回収部隊と合流してる、後は基地のクリアリングだけだ」「ただ気になるんだけど、こんなやつらが基地を集団で攻撃するなんて思えない。
 統率の具合からして多分指揮官がいる気がするんだが・・・」】

その指揮官機こそが……ヒツギを殺す最悪の相手なのだ。どうかその事に気付いてくれ。
とレイナは懇願した。

「…ヒツギ。実はそのゲシュペンストには欠陥が有るのが判明したのだよ。
先程は急だったから仕方が無かったが、後はもう良い。君は甲斐へ戻ってくれ?」

そう淡白に告げるレイナ。
ゲシュペンストの不調を理由に出した。
もちろんゲシュペンストの出来は完璧。非の打ち所など無い。
しかし……そうまでして戦わせたく無い。死なせたく無いのだ。
今回の相手は今までとは訳が違うのだ。

265 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/19(水) 19:54:24 ID:9G.nzZuE
>>260
「おー、すさまじいな。」
その威力に唖然していた。
「あれに、巻き込まれた奴ら乙だな。」
だが、あまり戦況が、よく解らない。
「とりあえず、合流するか。」
足早に、レオンたちと合流する。

【合流完了】
>>262
そこでは、レイナ嬢が、半ば強引な嘘で、ヒツギを返そうとしていた。
まぁ、すこし手伝おうと思い。

「ヒツギ、ここはレイナ嬢の言うこと聞いとけ、ほら赤がまだだろ。」
「逸機だけ、破壊されて、残念というのは、頂けないからな。一緒に回収場所まで行ってこい。」
そう、諭す。
【その隊長機を戻ってくるまでに潰せばいいんだ。】

266 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/19(水) 20:58:55 ID:faCXu6tk
>>257
マヤの怒りや恨みや憤りや、その他諸々を乗せた斬撃が、今度こそ完全にファルゼンの機体を断ち切った。

【ファルゼンE撃破】

>>259
その直後に瞬く、ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンの閃光。
遥か遠方にまで伸長した光子チューブの内を、極大のエネルギーを孕んだ赤い奔流が駆け巡るや、
後方に居並んでいたファルゼンの群れを飲み込み、消し炭の一片すら残さずに蒸発させていった。

【F~Jを含むマップ上のファルゼン全滅】

閃光が消え入ると、辺りはただ瓦礫に埋め尽くされた、静謐とした姿を取り戻した。
陽電子の灼熱が残した、黒々とした轍の左右に広がるのは、敵味方を問わぬ夥しい残骸の山である。
その寂寥とした光景は、さながら戦いの終わりを告げるかのような苦い後味に満ちていた。


しかし、それで終わりではなかった。
甲斐のブリッジは――あるいは、レーダー有効半径の広い機体の搭乗者は、その異変に気付いただろうか。
西方に展開していた救助部隊の識別信号が、外周部から次々に消失していく。
その模様は、何か途哲もない速度を持ったものが、友軍を蹴散らしながら甲斐に迫りつつあることを意味していた。

まだ戦いは終わりではない。
何かが、来る。

267ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/19(水) 21:44:33 ID:Gen2Vhow
>>264>>265
>「さぁアイゼルネ。思い出してごらんなさい。お前は元々どんな姿だったのか?」

傷ついていた機体が見る見るうちの元の姿を取り戻していく
マシンセルによる回復能力、損傷を受けてもマシンセルが自己増殖するというものだ

>「…ヒツギ。実はそのゲシュペンストには欠陥が有るのが判明したのだよ。
>先程は急だったから仕方が無かったが、後はもう良い。君は甲斐へ戻ってくれ?」

>「ヒツギ、ここはレイナ嬢の言うこと聞いとけ、ほら赤がまだだろ。」
>「逸機だけ、破壊されて、残念というのは、頂けないからな。一緒に回収場所まで行ってこい。」

「何言ってんだよ、こいつはほぼ素のゲシュペンストの上にお手本として本物のSタイプまであるんだぜ?
 そこのアルブレードみたいのならまだしも、武器もこのブレードが追加されただけだし模擬戦でも問題なく動作していた」

そう、ヒツギのゲシュペンストはほぼ素のゲシュペンストととなんら変わらない。
Sタイプに変更するためのジェネレーターと武装の追加技術も失敗する可能性は限りなくゼロだ

S/B特有の高周波ブレードの追加に至っては難しい部分は何一つ存在していない・・・
さすがのヒツギでもそれを信じろというのは無理な話である

「いったいどうしたんだよ、突然」

268レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/19(水) 23:51:08 ID:N7v79jn6
>>267
【「何言ってんだよ、こいつはほぼ素のゲシュペンストの上にお手本として本物のSタイプまであるんだぜ?
 そこのアルブレードみたいのならまだしも、武器もこのブレードが追加されただけだし模擬戦でも問題なく動作していた」】
「……ぅ。聞き分けが無いわね?私が欠陥が有ると言えば有るのよ」

いつもの様な無茶苦茶な暴論も
今に限ってはただの薄っぺらいワガママにしか聞こえない。
いっそ本当の事を言ってしまおうか?
その上で死を回避する手段を……。

「……言うことを聞きなさい」

いや、無理だ。あのヴィジョンはそんな抵抗を問題にすらしない強固な未来。
小細工。無駄。そんなものは既に何十通りも思案している。
もしや、ヒツギが前線に出る事までも何物にも止められない絶対の未来なのかも知れない。

(……駄目なのよ。行かないで!)

ならレイナが何を言おうが……正義感の塊の様な彼を止められる訳が無い。
心の中で叫ぶ。

【「いったいどうしたんだよ、突然」】

「……っ。五月蝿いのよ!ヒツギ。大人しく私に従いなさい。
…………さもなくば!」

私の心の内も知らないで!と余裕が全く感じられない
いつもとは全然違う苛ついた様子でヒツギの事を怒鳴ってしまう。
そしてそんなレイナが次に紡ぐのは絶対に口にしてはいけない言葉。

「…消えてくれ。君とは契約解除だ。二度と私とは関わるな」

口にしたのは離別或いは拒絶の言葉。
普通の物語のヒロインなら泣きながら震えながらに口に出し、
本当は離別を惜しんでいるのだな。と思わせる展開だが……。
根っからの演技派であるレイナは、そんな女々しい内情を絶対に悟らせない。
いつもの強気な口調に冷淡さをプラスした酷い台詞を残した。

ヒツギはそろそろレイナに怒りをぶつけても許されるだろう。
むしろこんな馬鹿な主を糾弾して欲しいとさえ思っていた

269ラウディ他 ◆E8ckRIIdug:2012/09/20(木) 00:07:00 ID:0VTF0EGE
>>266
「さすがはMAP-W級ね」
『後は、生存者を収容するだけですか』
 ブリッジのレミー中尉と直援のラウディ軍曹はもう終わったような口をきく。

 だが、上空のカックラキンからの観測データを受け取ったマデリーン少佐が警告を発した。
『各員!九時方向に敵性反応!
 次々に友軍が攻撃されている……ラウディ、目視出来るか!?』
『えっ、ちょっと待って下さい、高度をとり……』
>>264-265
『……レイナ嬢?ハヤミ一等兵も無闇に同調しないで……何を言っているの?』

 念動力者と予知能力者が何か言っている、その事を少佐は気が付いた……その意味までは分からないが。
>>268
「……ヒツギ君、何やったの?」
 いや、そっちじゃないんです、中尉。だから“意地悪なクラス委員長”みたいな口調されても……

270ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/20(木) 00:55:23 ID:JRcHjc9A
>>268
なにやらレイナの様子がおかしい・・・彼女は確かに我侭なところもあるが決して不条理ではない

>「……ぅ。聞き分けが無いわね?私が欠陥が有ると言えば有るのよ」
>「……言うことを聞きなさい」

「機体がどうとか、そんな嘘は戦場でするような事じゃ無いだろ
 聞き分けも何もそんなのにどうやって従えって言うんだよ」

機体に不備があるなんて嘘は部隊全体に関わってくる話だ、悪戯で言うようなことではない・・・のはヒツギも分かっている

>「……っ。五月蝿いのよ!ヒツギ。大人しく私に従いなさい。

「はぁ?さっきから言ってることが滅茶苦茶だ!
 まるで意味が分からないし、それじゃ従いようが無いじゃないか!」

さっきから何か煮え切らない
今までのレイナだったら敵がさらに現れるというのなら最初からそう伝えてきていたし
誰かを助けろというのならば朧げでもその理由を話したものだ。

だが相手の口調が荒い事もあってか、ついついヒツギの語尾も強くなってしまう

>…………さもなくば!」
>「…消えてくれ。君とは契約解除だ。二度と私とは関わるな」

「なっ・・・!!」
お互いにだんだんとヒートアップしてきていたとは言えまさかそんな言葉が飛び出してくるとは思わなかったはずだ。
契約解除・・・言うなれば絶交、それほどまでのカードを切る理由すらヒツギには分からないだろう

「・・・それでも従えない、俺たちは救援部隊としてここにいるんだ」
苦虫を噛み潰したかのような表情で、内なる感情を殺しながらあくまで冷静に返す
たとえこれだけのことを言う理由があったとしても、助けを求めているものに手を差し伸べないわけにはいかない

                     ここ
「従えるんだったら、俺は最初から戦場にいない」
そういう性格なのだ、ヒツギ・ハヤセは

271リリー&姫 ◆Tg./UqnJ52:2012/09/20(木) 11:13:11 ID:waje.t2I
>>266
戦場を横断し、全てを破壊し尽くした死神の如きバスターキャノンは数十秒の蹂躙の後、
白と赤の光の粒子を残して徐々に細くなって消えていった。

「バスターキャノン照射終了。照準内に捉えていた敵機は全て消滅した模様」
「冷却剤注入、放熱板を全て展開。次の掃射に備えて下さい。今の砲撃を見て、敵がこちらに殺到してきますよ」
「了解」

両開きになった艦首装甲の根本から赤熱した長大な放熱板が片側三つずつ、計六本展開し、
続いて円筒形のバスターキャノン砲身から、白い蒸気が勢いよく吹き出す。

「バスターキャノンモジュール冷却中。安全温度までは100セコンドを予定」
「安全温度に到達次第、次の掃射の準備を。索敵システム、敵の様子はどうですか?」
「はい。バスターキャノン第一射を受けて、敵の動きは掃射前と比べて縮小しつつありますが……」

索敵オペレーターの歯切れが悪い。

「が、どうしました?」
「基地西側の友軍の反応が、次々と途絶えていっています。
 レーダーの反応によると、それはただ一機の敵機によって引き起こされているようでして……」
「単機で……?」
「ええ。特機並みのスケールを持つ機体のようですが、速度が異常です。
 友軍の反応の消え方と、レーダーの反応から、こちらに向かっているのは確実ではないかと」
「どういう立場の敵かは知りませんが、厄介な敵に変わりはなさそうです。
 CIWS起動、両舷ミサイルランチャーにティンダロス2を装填。前部主砲にはX−2SAP弾を込めておいて下さい。
 対空監視は厳にお願いします。敵はその一機だけではありません。ここからが本番です」

敵に「特機」というカテゴリが存在するかどうかは不明だが、他の敵機のスケール差から言って、特別な機体であることはまず疑いようもない。
それだけの大型機を止められるマシン・スペックを持つであろう機体は、残念ながら今の甲斐の部隊には存在していない。
であれば、密度の濃い弾幕によって敵を足止めし、高火力の艦砲類で仕留めるのがベターなところだろう。
…………最も、艦砲が効く相手かどうかは別問題であるが。

272リリー&姫 ◆Tg./UqnJ52:2012/09/20(木) 11:14:17 ID:waje.t2I
>>268,>>270
迫り来る敵の「特機」に対して臨戦態勢を整えさせたリリーの袖を、艦長席に座っている姫が小さく引っ張った。
声に出さないところを見ると、やや内密な話のようだ。リリーは黙って姫に近づき、耳打ちができる位置につく。

「……すみません、少尉。でもちょっと、様子がおかしくて」
「様子がおかしいとはどういうことですか? 確かに敵の様子は少しおかしいですが」
「いえ、そっちではなくてですね。カーマインさんとハヤセ少尉のことなんですよ」
「あの二人が何か?」
「それがどうも、本気と書いてマジと読むくらいの、険悪な口喧嘩をしているようでして……」

普段のあの二人の様子からして、にわかには信じがたい話ではあるが、ヘッドセットのチューニングを合わせてみると、
姫の言うとおり、このまま仲違いしてしまいそうな勢いの口喧嘩だ。

「これは一体何がどうしてこんなことになったんですか?」
「わかりません。急にカーマインさんがハヤセ少尉に、甲斐への帰投を……その、「本当に命令する」ような形で命じたみたいで……。
 それにハヤセ少尉が反発して、こんなことに」
「カーマインさんには、眉唾な話ではありますが、どうも「予知」の力があるようですから、多分それの関係でそんなことを言ったのでしょう。
 しかし、それに慣れっこのはずのハヤセ少尉がこんなに反発するということは、大した説明が彼女から為されなかったのでは?」
「その通りです。「いいから黙って言うことを聞け」って感じの、有無を言わせない命令でした」
「なるほど……」

顎に手を当てて、リリーは考え込む。
リリーが「眉唾物」と評したレイナの予知能力が存在していると仮定した上での話だが、
普段は余裕たっぷりのレイナがそのキャラを捨てる勢いで、あそこまで強くヒツギに命じているとなれば、十中八九その予知の内容はヒツギに関係しており、
更に言うのであれば、酷く悪い部類の予知内容だったのだろう。
レイナがただの狼少年で終われば、それは質の悪い冗談で済むが、もしそうでないのなら……?

「………………」

考え込んでいたリリーは何かを決めたような頷きをして、

「艦長、私はお花摘みに行ってきますので、少しここをお願いします」
「えっ?」

はい、とも、いいえ、とも姫が言わないうちにリリーはブリッジから出ていく。
ブリッジを出たリリーは小走りで艦橋を貫く吹き抜けの階段を挟んだ反対側の壁に移動し、きょろきょろと周囲を確認してから、そこに手をつく。

「…………誰にも見られていませんように」

そう呟いてから、リリーはそっと目を閉じる。
直後、甲斐の通信アレイの一部機能が内部からの密かなハッキングを受けて乗っ取られた。
乗っ取られた通信機能はまず、甲斐の上空を飛んでいるアカリのビルトラプターに通信を飛ばした。
秘匿回線に乗せられて送られたその通信波には、数行のテキストメッセージが添付されているのみ。
そして乗っ取られたアレイはもう一通、秘匿回線による通信を飛ばした。
宛先はレイナ。やはり短い電文が、アイゼルネに届いているはずだ。
そこには簡潔に、「上を。クレマチ伍長を保険として送ります。私にできることはこれが精一杯です。リリー」と書いてあるだけ。
電文に従って上を見れば、旋回しながら緩やかに高度を下げているアカリのビルトラプターが見えるはずだ。

「…………よし。あとは……彼女次第です」

目的を達成したリリーは速やかに通信機能を正常に戻し、壁から手を離した。
早足でブリッジに戻ると、怪訝そうな表情の姫がこちらを見ている。まあ無理もない……そう思ったリリーはお腹をさすって、

「すみません、昨夜の無理が祟りました。やはりビールを水と同じ感覚で飲んではいけませんね」
「えっ? 少尉ってまだ……未成年ですよね?」

しまった。このジョークは失敗だった。

273 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/20(木) 11:42:51 ID:Xn7W2fZo
その時、各機のコックピット内にアラートが鳴り響き、新たな敵影の接近を告げた。

始めに視認されたものは、緑色の燐光。
翼のようなV字型に広がったそれが、地平の彼方に煌めいたのも束の間、
直後には各機のモニタ上に、燐光の基部たる巨大な双翼がありありと映っていた。

闇に溶け入るような蒼紫色をした、翼長50mの猛禽の如き巨大戦闘機。
一同を目前に捉えるや、その姿は瞬転。
四肢を備えた人型となって、虚空に静止する。

「……成程。今の砲撃を行ったのは、その艦というわけか」

オープンチャンネルを介して聞こえてくるのは、怜悧な色を帯びた男の声だった。
赤いツインアイが、見る者を射抜くような鋭い光を湛えて、甲斐とその前方に展開する者達を睨み据える。

【敵増援出現】

274レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/20(木) 12:20:56 ID:wPKz9e8I
>>270
【「機体がどうとか、そんな嘘は戦場でするような事じゃ無いだろ
 聞き分けも何もそんなのにどうやって従えって言うんだよ」
「はぁ?さっきから言ってることが滅茶苦茶だ!
 まるで意味が分からないし、それじゃ従いようが無いじゃないか!」】

ヒツギの言う事はもっともだ。
彼は何もおかしく無い。
悪いのは全てレイナだ。
そうなれば言い返されて当然。と自分自身でもそれは理解している。
だが、何故?心がこんなにもキリキリ痛むのだろうか?
ヒツギに否定される度に何故こんなにも痛くて切ない思いをしなければならない?
何とも今のレイナの心情は説明し難い。

【「・・・それでも従えない、俺たちは救援部隊としてここにいるんだ」】

「!!!……ああ、そうか。そうだな。君ならやはりそう言うと思っていたよ。
……私には見えていたさ」

あれだけ言った以上、プライドの高いレイナはもう後には退けない。
もし……万が一。説得出来るかも知れないとの甘い期待を持っていたが
意地悪く絆を盾にしてでも、彼を止めようとしたが、それでもヒツギはレイナを選ばなかった。
戦って皆を護る道を選んだのだ。
そもそももし正直に彼の死を宣告していたとしても
どの道、勇敢な彼は逃げなかっただろう。
「ここで契約は破棄だ。さらばだヒツギ」

アイゼルネはヒツギやレオン、突撃姫。ついでにユウセイ一等兵にもう一目もくれずに背を向け、その禍々しい悪魔の羽を広げて単機で飛び発った。


……しかし、どうしても割り切る事が出来なかったレイナは
恥を忍んでレオンハルトへのプライベートの回線を繋ぎ、遂に懇願する。
唯一、真実を打ち明けると決心したのはやはり強くて頼り甲斐のあるお兄ちゃんだった様だ。

「お願い……お願い。彼を……ヒツギをたすけて……。
……何度も何度も見えているの。……彼の死のヴィジョンが……
……でも、私は彼を止められ無かった」

それこそ、いきなりの泣きそうになりながらの必死の頼みだった。
そこにいつもの尊大さは全く無い。ただただ等身大の少女の姿が有った。
こんな姿、誰にも見せて良いものでは無い

【アイゼルネ・ブルート:単独行動へ】

>>272
【「上を。クレマチ伍長を保険として送ります。私にできることはこれが精一杯です。リリー」】

その胡散臭いメッセージに従い、視点を上に持って行くと
ビルトラプターが確かにそこに居た。

「アカリ……また手伝ってくれるの?……フフッ。私とは違いお節介好きな娘だな、本当に。
なら突撃ばかりするうちの格闘機達をスナイピングで的確に援護してやってくれ。
私には出来ないからさ」

自身の半身と呼ぶ程に重宝しているアカリの登場に、少しレイナの気負いは減った様な気がする。
しかし、全てを手配したリリー少尉には心の内を見透かされている様でそちらに帰ったら覚えていろよ。と大人げ無い感想を胸に秘めた。
ちなみに、突撃ばかりの馬鹿共とは遠回しにユウセイ一等兵や赤い突撃娘の事を言っているのだろう事は間違い無い。

>>273
「甲斐!あいつの狙いはバスターキャノンでしょ。潰されるわよ!?
その艦首モジュールをパージでもして誘爆による被害を減らしなさい」

敵の狙いを理解したレイナは怒鳴り散らすかの様な声で武田艦長とリリー少尉のブリッジへと回線を繋ぐ。

275 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/20(木) 18:40:54 ID:Xn7W2fZo
「その巨砲……連射の効くような代物かは知らないが、そう何発も撃たれては少々面倒だ」

蒼い甲冑に身を包んだ騎士のような機体の右腕に携えられているのは、束の両端から緑のエネルギー光を錐状に噴出させている、恐らくは双頭のビームランス。
その矛先が、甲斐の艦首にて蒸気を上げているハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンへと、真正面から向けられた。
そして、蒼い機体の前面に、おもむろに光の輪が広がる。
魔法陣のように複雑な幾何学紋様を抱えたその円に向けて、槍を握る右腕が引き絞られた。

「悪いが、ここで潰させてもらう」

勢いよく円陣に突き込まれるエネルギーの刄。
その直後、円陣は荒れ狂う嵐へと姿を変えた。
水平に吹く竜巻の如く、緑色に輝く渦は凄まじい熱と衝撃を巨大な螺旋に巻きながら、
立ち塞ぐもの全てを呑み込み、怒濤の勢いで甲斐の艦首へと迫り行く。

【シュペルター・ストームで甲斐を攻撃】

276レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/20(木) 20:09:48 ID:hmQPANXE
甲斐からの砲撃で粗方は掃討され各種レーダーには敵性の反応はない
(なんだ?この、ざわつくイヤな感じは…)
何故か警戒をやめる気にはなれない

そんな様子を余所に月面ではレイナに対してヒツギが抗弁をするという
ある種の異常事態が起きていた
いや、この場合レイナがユウセイ張りの虚言でもってのたまい、挙げ句、離別を駆け引きに使うと言う。ある意味レイナらしからぬ行動
予知を考慮するならば、それだけ必死になる【なにか】がヒツギに起こり得ると言うこと

口論が更に加熱する。流石に止めるべきか
>>270
「ヒツギちょっと」
そう言いかけた矢先にアイゼルネ・ブルートが飛び出していた
追いかけるべく機首を回す最中にプライベート回線でレイナの通信が飛び込む
>>274
「お願い……お願い。彼を……ヒツギをたすけて……。
……何度も何度も見えているの。……彼の死のヴィジョンが……
……でも、私は彼を止められ無かった」

普段のレイナからは想像だに出来ない姿に正直圧倒されてしまった
しかし、これこそが彼女のメンタルの裏打ちであり、本質であると痛感する

「…任せろ。しかし…!」
>>273
言葉を続けようとした矢先巨大なV字の燐光を目の当たりにする

「……何時の間に!?」

レイナが視たモノと関係があるのは間違いない
飛び出していった方角はズバリだ
しかしレイナで無くとも判る、あれは危険だ

「止めろ!退がるんだ!!」
>>275
そんな叫びを斬り裂くが如く
灼眼尾を引く蒼鬼の衝き出す緑の渦が遮る

その切っ先が向かう先は…甲斐

277ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/20(木) 21:13:24 ID:JRcHjc9A
>>274
>アイゼルネはヒツギやレオン、突撃姫。ついでにユウセイ一等兵にもう一目もくれずに背を向け、その禍々しい悪魔の羽を広げて単機で飛び発った。

「レイナ・・・」

アイゼルネの翼を携えた背中を見送るゲシュペンスト
その手は今にも血がにじみ出そうなほど硬く握りこまれている、それは搭乗者であるヒツギも同様だ

>>276
>「ヒツギちょっと」
「・・・どうした、レオン」

レオンからの通信に対し返答するヒツギ、何の話かはすぐに察しが着いた

憎さや悔しさ、怒りと後悔がその胸中で捩れ合う。
そのどれもが他者ではなく、自分へと向けられたものであった
彼女がそれだけのことを言う理由があったのだろうにも関わらずそれを蹴った自らへの怒り

(クソッ、俺のほうがずっと我侭じゃないか・・・!!)

>>273>>275
互いに言葉を伝えようとした瞬間、空から光が降りてくる
翼を携えたそれは見る見るうちに四肢を持つ人型へと形を変えたではないか

「しまった!後ろに回られてたのか!!」

そのタイミングの悪さにかみ締める歯に力がこもる
ターゲットは・・・甲斐、先ほどのバスターキャノンの威力を視てそれを脅威として認識したからであろう。
だがバスターキャノン以前に艦を落とされては危険だ

「レオン、話は後だ!今は甲斐の元に向かうべきだ!!」

278 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/20(木) 21:33:03 ID:AgbqJ.LY
>>274
「レイナ嬢。」
なにか、覚悟を持った。感じだった。
>>267
ヒツギに連絡を入れる。
「ヒツギ、ここからは、俺の推測だが。」
「レイナ嬢は、お前の死を阻止しようと、動いたんだと思う。」
「それを、解ってあげ………なんだあれ?」
>>266
それは、暴風、荒れ狂う暴風
「後で、ちゃんと本人から聞いとけ。まずは、甲斐を救う。」
レオンたちに、続く。

279 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/20(木) 21:35:37 ID:AgbqJ.LY
ミス
×>>266>>265

280ラウディ他 ◆E8ckRIIdug:2012/09/20(木) 22:36:16 ID:0VTF0EGE
>>272
 密かに行われた“それ”を、少佐は気が付かずにいた。どちらがよりこの艦を掌握あるいは把握しているかの差である。
>>273
『な……!?』
 軍曹が絶句する。
 カックラキンより最初の観測データが届く。

>>ヒツギ&レイナ
「はいはいはい、痴話喧嘩はその辺で」
『後、ハヤミ一等兵も無闇にクチバシ突っ込まない』
 中尉と少佐で宥めに入った。

281 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/20(木) 22:51:23 ID:AgbqJ.LY
>>280
【だって、分かっちゃうんだもん】
と言うのを、必死でこらえ。
「了解しました。あと、ヒツギ無闇に突っ込んだり、変なことしか言えなくてごめん。」
謝る。しかも結構真剣に。
【ああ、もう。俺はいつもこうだ。アホ突撃癖何とかしないとなぁ……】

異常な後悔。
「つーか、中尉、大丈夫何ですか?そんなに、やんわりと仲裁してて。」
この、最中勝手に動くとまずい。なら
「レオン中尉、俺は、甲斐のサポートに入ろうと思います。指令室行くか、メインエンジン行くか、指示を」
レオン中尉に指示を仰ぐ

282アカリ&リリー&姫 ◆Tg./UqnJ52:2012/09/20(木) 23:50:05 ID:waje.t2I
>>274
「カーマインさんとハヤセ少尉、そして敵の動向に細心の注意を払い、必要ならば援護行動に入って下さい。
 カーマインさんの言動から察するに、ハヤセ少尉にかなり良くないことが起こりそうです。 リリー」
ビルトラプターに高度を落とさせながら、アカリは先ほどリリーから届いた奇妙な電文のことを思い出していた。
リリーはあの年頃の少女としては変わっているが、こんな不吉な電文をいきなり送ってくるような人でもない。

「お願いだから何も起きないでいてよ……!」

確かにレイナの様子はおかしいし、あの口喧嘩は普通ではない。
それが裏付けになるわけではないが、アカリもどこか、胸騒ぎがしていた。

>>273,>>275
「敵の特機が戦域に入ります!」
「…………!」

西の空から巨大な光の翼を携えてやってきたそれは、鳥のような形の大型機体。
目視で確認できる距離にまで接近したと思うや否や、何と人型へと変形したではないか。
その姿は中世の騎士のそれに似ており、柄の両端から緑色のエネルギーランスらしきものを出力した武器を手にしている。

「あれは……騎士のロボット?」
「確かに身なりは地球的なデザインですが、今はそんなことは関係ありません。
 あれは敵です。主砲しょうじゅ…………!? いけない!
 バスターキャノンモジュール非常弁・隔壁全閉鎖! G・ウォールを艦首に集中! 最大展開!」

リリーが敵に主砲の狙いを合わせようとしたのと同時に、敵機の前に青い円陣が生まれる。
バスターキャノンの照射後に現れた敵の特機、投槍のような姿勢と、その前にある意味ありげな円陣。
かなり悪い予感を抱いたリリーは、咄嗟に指示を切り替えた。ブリッジクルーはリリーの様子に何事かと思いながらも、その指示に従う。
直後、槍で貫かれた円陣から緑色の暴竜のような竜巻が生まれて、まっすぐ甲斐へ向かってきた。

「被弾します! 総員、衝撃に備えて下さい!!」

竜の如き竜巻はやはりリリーの危惧したとおり、甲斐の艦首、バスターキャノンモジュールに着弾した。
艦首に集中展開されたG・ウォールは、展開面を通して見る光景がぐちゃぐちゃに歪んで見えるほどの出力で展開されていたが、
竜巻のあまりの勢いに展開面を大きく削られて展開面を割られ、それが守っていたバスターキャノンモジュールに竜巻を通してしまった。
G・ウォールでエネルギーを殺したとはいえ、ウォールを貫通した竜巻のエネルギーはバスターキャノンモジュールを破壊して余りある威力であり、
モジュールの主要機関部と左舷側の光子チューブチャンバー、艦首装甲を吹き飛ばして左舷方向に抜けていった。

「むぐ……!」

甲斐の内部はその衝撃で激しく揺れ、艦長席のコンソールに掴まっていたリリーは揺れによって投げ出され、艦長席に座る姫の太ももに顔から突っ込んでしまった。
バスターキャノン照射から今まで、シートベルトを締めっぱなしにしていた姫は着弾の瞬間に目をぎゅっと閉じ、耳を両手で塞いで着弾の衝撃と轟音に耐えていたが、
自分の膝に突っ込んできたリリーの感触で思わず息を呑むような悲鳴を上げてしまう。

「お……落ち着いてください、艦長。私です、リリーです」
「あ…………ああ、リリー少尉でしたか……大丈夫ですか?」
「ええ……投げ出された先にちょうど、良質なクッションがあったので……」

姫に助け起こされたリリーは、姫の気遣いにいつもの調子で返す。
「うっ」と赤面した姫に「おかげさまで助かりました」と謝したリリーは、コンソールに並ぶダメージ表示に目を通す。
今のでバスターキャノンは致命的な損傷を受けてしまったようだ。
だが、着弾前の精一杯の防御指示が功を奏したのか、内部に誘爆するようなものではなかったのが幸いだ。

283レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/21(金) 19:20:33 ID:b1h0P0.s
>>281
「一等兵。とりあえず、あの騎士風のアンノウンに仕掛けてこい」

284 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/21(金) 20:17:22 ID:S4W/kHOI
>>283
「•••了解、安全のため、少し離れてください。」
近接戦闘は危険すぎる。
「この、強烈すぎる念、何か信念を感じる。」
この念と50メートルは、ある大きさ。

「危険だが、近くまで接近しよう。」
あの槍の範囲外なら、回避できる。 
ユウセイは、自分で槍の範囲を予想しそこまで移動する。
「T-linkフルコンタクト、コード迅速の型」
念が刃となり、迅雷に収束する。
「いけっ!」
ヴァイサーガの剣で衝撃を放つ要領で、迅雷から衝撃が放たれる。

285つばめ&静香&マヤ ◆h9Hr5c.eFE:2012/09/21(金) 21:50:48 ID:PqyHKZSw
>>275
ユウセイ機が念の刃を飛ばすのとほぼ同時に、
騎士のような蒼い機体の側面より、飛び掛っていく影があった。
そう、よりにもよって焔姫だ。
「あんたがあの気色悪い怪物どもの大将ってわけね!
あいつらに受けた仕打ち、万倍にしてあんたに返してやるんだからっ!!」
蒼い機体の更に上空まで跳び上がった焔姫。
そこからブルーティッシュ・ブレードのブースターを一気に噴射し、急降下。
唐竹割りの要領で一刀両断にせんとする。
「でやぁぁぁぁーーっ!!」

286ラウディ他 ◆E8ckRIIdug:2012/09/21(金) 22:56:23 ID:57glVlGY
>>281
「まぁ、ゴシップがあると介入したくなるのは仕方がないけど」
 レミー中尉だって分かっていないわけではない。
 ただ、ヒツギとレイナの二人に頭を冷やして欲しくて、ユウセイをいじる振りして当事者達に注意しているのだ。
>>282
「うわ……」
 上から見ていたラウディが絶句する。甲斐の巨砲とほぼ同格の一撃に見えたのだ。
>>283-285
『あ!救出した機体がっ!?』
『しまった、あの機体は管制下に無いっ!?』
 ラウディとマデリーンが焔姫の行為に反応を試みる、が……

287 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/23(日) 19:34:01 ID:VwNXYTDQ
>>282
続け様に前方に光輪を展開させる蒼騎士様のアンノウン。
恐るべきことに、竜巻のような衝撃波は、さほどのインターバルを置かずに連発が可能なようであった。
次の一射で、艦そのものを吹き飛ばす気だ。

だが、再度の攻撃は、後方から迫るいくつかの反応によって遮られた。

>>284
振り返る蒼騎士に向けて、刃の形を成した念が飛びゆく。
アルブレードが放った迅雷・迅速の型の斬撃波だ。

「……」

騎士は事も無げに、上体の僅かな動きだけでそれをかわした。

>>285
そして、同時に上空から奇襲をかける焔姫。
バーニアの加速に乗せ、垂直下に向けて放たれる強烈な一撃。
しかし、ブルーティッシュ・ブレードが標的の蒼い装甲を切り裂くことはなかった。
両機が交錯する瞬間、降り下ろされる焔姫の両腕に、蒼騎士が左手を伸ばし、軽々とその動きを止めていた。
並外れた技量無くしては為し得ない芸当である。

「……この場に居合わせた者全てに告げておく」

メキメキと焔姫の両腕を握り潰しながら、眼下に並ぶ機体達を見据える蒼騎士。
殺気に満ちた赤い眼光は、見る者の心に畏怖の念を喚起する。

「相応の力と覚悟、その双方を持たぬ者は、俺の行く手を阻むな。
さもなくば……」

波紋が開くかのように、虚空に4つの小さな円陣が出現し、焔姫を取り囲む。

「殺す」

そして、その全てから鋭い光条が放たれ、両の腕を囚われたままの焔姫を四方から貫かんとする。

288 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/23(日) 19:50:16 ID:07kGjM2.
「危ない!」
すぐに、迅雷をしまい。ブレードトンファーを構え、
赤い姫に迫る、槍を防ぐ。
「横は、これで、前か。」
念動フィールドを展開するが。
「貫かれた。ちっ。」
若干、コックピットの横を損傷する。


「体制を立て直さないと。」
そういうと、追撃を回避し、赤い姫を後ろに蹴飛ばし、
自身も、それに続き、赤い姫の腰を抱え、全速力で、ヒツギたちの近くに戻る。

「ヒツギ、さっきのにあわせてくれ。ゲシュペンストキックでな。」
「同じ、ブレードなら、旨くいくかもしれない。」
ヒツギに連絡、頼んでみる。

289ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/23(日) 20:17:26 ID:t/QBeAnE
>>287
ヒツギの背を冷たい汗が伝った
それはある種のデジャヴュのような感覚であった
遠い昔彼に信念を植え付けた祖父の姿・・・初めて本気で拳をあわせた時の様な

幼いながらも鍛えられたヒツギには人を傷つけるだけの技術があった。
偶然にもそれを使ってしまったあの時の祖父の瞳
太ももから真っ直ぐに地面に槍を突き立てられたかのように足が動かなくなる程の
腕を出せばそのまま切り離されてしまうような圧倒的な気

「ッ・・・!!」

その体に感じた恐怖心を奥歯をかみ締めて押し殺す

>>288
「・・・分かった!!」
同じブレードなら上手くいくというよく分からない根拠は置いておいて
あの敵機を艦から引き離すことが最優先だ

「レオン、あかりん!援護を頼む!」

ゲシュペンスとは両腕を揃えて大地に向けて振り下ろした後、左腕を前に右腕を下げた構えをとる
落とした両足で白い大地を高く高く跳び上がった

「必殺!!」

空中でその体を半回転させ、その後の動きでさらに半回転させる
その動きは後方二回宙返り一回ひねり、「ムーンサルト」を月面で行ったのだ
さらに機体を小さく丸め高速回転、そのタイミングでコックピット上にはある文字が浮かび上がった

【SHOUT NOW!!】

「ゲシュペンスト!ブレードキィィィック!!」

指示に従い技名を叫ぶと、機体の回転が止まった瞬間右足に備え付けられたブレードが大きく動く
刃がスライドして開く、それは足の延長線上にブレードがあるような姿
機体をもう一度回転させて白刃を突き出し、その勢いのまま突っ込んでくる

290 ◆zv577ZusFQ:2012/09/23(日) 20:32:23 ID:q1cqr7pM
>>288
「その突撃娘をこちらへ寄越しなさい。そんなもの抱えてたら足手まといになるわ」

ユウセイ一等兵は焔姫を抱えて敵を凌いでいるのだが、それは良くない。
アルブレードの懐の赤い姫へアイゼルネの腕が絡み付き、手元へ安全圏へと引き離す。

「少しもたせなさい。今、あいつのとろうとする動きを予測してパターン化するわ」

レイナの頭の中では未来から与えられる幾つもの敵の行動パターンを何巡も何巡も繰り返し見て、学習する。
そうして最も確率のある適切な対処法を割り出しているところである。

291 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/23(日) 21:18:16 ID:07kGjM2.
「どうも、ありがとうございます。」
赤い奴を、回収後。
【勘弁してよ、ほうああ言うのは。】
「さてと、行くか。」
ヒツギが、ジャンプをしたのを確認して
「迅雷」
念が、刃に収束する。
「迅速の型!」
念の刃が居合いによって、アンノウンに一直線で放たれる。

292ラウディ@エフゼロ ◆E8ckRIIdug:2012/09/23(日) 21:28:04 ID:4zcW5w7s
 赤い機体をアイゼルネが回収し、ユウセイとヒツギが合体攻撃を試みる現状では、ラウディは上空からの観測とデータリンクの支援に徹するしかない。
 ともかく敵の騎士タイプを何とか押さえ込めるとなれば、まだ見込みのある機体を修理装置で救出したり出来るのだが。

「……レスボスほどの管制支援機能は無いからなぁ。
 着弾観測もままならないや」

293レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/23(日) 22:25:14 ID:k7u8AY2A
>>287>>288>>289
赤い機体と共に何とか彼のアンノウンから遠ざかるアルブレード
焔姫をそのギミックアームで引き戻すアイゼルネ。一先ずの問題はクリア。

「ユウセイ!お前…たまには役に立つんだな!後で一杯おごってやる」

しかし、依然として凄まじい圧力を放つ敵アンノウン
通常、あれだけのサイズの物質で目視からの回避など未来が見えなければ不可能
それともユウセイの方をあの位置に攻撃させる様に仕向けた?

どちらにせよ、判断材料が足りない
ここは慎重に、且つ大胆に仕掛ける必要がある

>「レオン、あかりん!援護を頼む!」

そう考えた先に通信が入る
どうやらモーションを視る限りではユウセイとの全力同時突撃
しかし、タイミング的には…まずい

「ああ、任せろ!」

エクセリオンの背部と脚部のミサイルハッチが開かれ自機の後部から八方を山なりにアンノウンへと向かうミサイル群
更にブレイクフィールドを形成し加速、機体を水平にロールしつつガンレイピアを展開
狙うは奴の眼
もしミサイル群を振り切る様な機動力があるとするなら、その機動に食らいつくつもりだ

せめて奴の足さえ止めれば無理矢理同時攻撃を当てる事は出来る筈
しかし、コイツの火砲が奴にとって驚異となり得る次元であるならば、のはなしだが

294 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/23(日) 22:47:05 ID:MrYwGtgQ
>>288 >>289 >>291
焔姫を救助し、アイゼルネへと受け渡したアルブレードが、地上に構えるゲシュペンストと肩を並べた。
その一連の動作が、呼吸を揃えるために存在していることは明らかだった。

やがて、ゲシュペンストが月面を蹴って高々と跳躍。
派手に回転して勢いをつけると、脚部のブレードを展開、蒼騎士に向けて一直線に襲いかかってくる。

その下方からは、アルブレードが手にした刀を鞘に納めたまま突撃してくる。
本来なら待ちの技である居合いの剣を、自ら能動的に踏み込みながら打たんとしているのだ。

そして、激突する三機。
加速を乗せたブレードが、鞘から放たれた念の刃が、蒼騎士を貫き、切り裂いた――かに思われた。

「遅い」

が、蒼騎士の反応速度は両者の技を寄せ付けなかった。
アルブレードの刃は、左腕より現れたエネルギーシールドによって阻まれた。
十字のプレートのようなその盾面は、何らかの力場によって迅雷の刀身を激しく反発させ、跳ね飛ばした。
そして、ゲシュペンストの脚部ブレードに対しては、右腕より槍撃が繰り出された。
迫り来る切っ先に、槍先が真っ向から打ち込まれる。
ゲシュペンストの全身を駆使した一撃に対し、蒼騎士はあろうことか、右腕一本でその突進力を無に帰し、一挙に打ち返してみせた。

更に蒼騎士が動く。
反動に大きく体勢を崩した両機の狭間に、驚異的な加速力で一瞬にして滑り込む。

「ぬぅあっ!!」

そして、手にした光の槍を横一文字に凪ぎ払い、一撃のもとに両機を切り裂かんとする。

295ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/23(日) 23:45:53 ID:t/QBeAnE
>>294
ゲシュペンストの右足を根元から見落としていけば、刃が先端に向かうにつれ細くなりそれに反するように途中から太くなる。
なぜそんなことになっているのか・・・それは互いの切っ先同士が触れ合っているからだ
ゲシュペンストが打ち出した刃は相手の刃によって押さえつけられた

「なんだと!?だが押し合いなら・・・!!」

押し返してやろうとスラスターを全開にするが、目の前の青い騎士を一歩も動かせない
この状態は勢いを殺されたからだけでは説明がつかない、純粋にパワーで抑えられているのだ
互いの刃が弾き合い、ゲシュペンストは跳ね飛ばされた

>そして、手にした光の槍を横一文字に凪ぎ払い、一撃のもとに両機を切り裂かんとする。

「クッ!」

ヒツギはブレードを畳むとすぐさま機体の体勢を空中で整え、くるりと機体をバック転かのように回転させた
それでも着地する地点は振りぬかれた槍の間合い、後方へとさらにステップを踏み紙一重で回避を試みる


――――― 白刃の一閃


ゲシュペンストの赤く美しい装甲に一閃の名の下に大きく線が引かれる。
紙一重どころかその胸部へと生々しい切断痕が残されてしまったのだ
内部のブラスターキャノンの銃口が隙間から垣間見えるほど深く、内部の回路がスパークしている様すら確認できようか

「ぐぅ・・・っ!!」

ただ切り裂かれただけではない。
その一撃の剣圧によってゲシュペンストはよろけた
一太刀を交えただけで感じる力の差・・・なんとか膝を付くまいと持ち直して構えなおす

(コイツを抑えられるか・・・!?)

296リリー&姫 ◆Tg./UqnJ52:2012/09/24(月) 23:02:42 ID:SNaC7SEM
>>287
続けてもう一撃、例の竜巻を放とうとした騎士だったが、それはさすがに味方に阻まれた。
しばらくは彼らが押さえてくれるだろう、と判断したリリーはスッと立って服装の乱れを直し、ブリッジを見渡す。
ブリッジクルーも衝撃によってコンソールに突っ伏していたり、シートから転げ落ちたりしていたが、
先ほどリリーが艦の損害を確認している間に、全ての人員が所定の位置に戻っていた。

「詳細な損害報告を」
「はい、バスターキャノンモジュールの左舷側を削られました。
 二つの艦首装甲板のうち、左舷の装甲板が根本から吹き飛ばされて消失。
 光子チューブチャンバーと第5から第11エネルギーラインも同様に酷いダメージを受けていますが、
 辛うじてダメージエリアの隔離は間に合ったようです」

艦体そのものへのダメージは思ったよりも少なく済んだようだ。そのことに、リリーは内心、ホッと胸をなで下ろす。

「ただ、攻撃の余波を受けて、第一主砲塔への電力供給に不具合が起こっています。
 その影響で現在、第一主砲塔は稼働しない状態にあります」
「えーっと、では、バスターキャノンモジュールへダメージコントロール班を出動させて下さい。
 こちらからのデータでは艦体へのダメージは少ないですが、思いがけないダメージがあるかも知れません。チェックは念入りにお願いします。
 あと、第一主砲塔へは応急修理班を。あの特機を捉えきれるかは不明ですが、主砲の援護が必要となる場合も考慮します」

今の指示はリリーからのものではない。
そのことにブリッジクルーの面々は一様に驚いた顔をして、近くのクルーと顔を見合わせた後、指示が飛んできた方向を見る。
そこにはコンソールのダメージ表示を切り替えて各部のダメージレベルを確認している姫の姿があった。
復唱が無いことに気づいた姫が顔を上げ、自分に集中する視線に「え? ええ??」と狼狽する。
そんな中、隣のリリーはさすがに冷静なままで、ごほん、と咳払いをし、

「今の艦長の指示が聞こえましたか? 聞こえたのならば復唱を」
「は……はい! バスターキャノンモジュールへのダメージコントロール班、第一主砲塔への応急修理班の出動を指示します!」

弾かれたように慌ただしく動き始めるクルー達。
リリーからの確認があってからのその動きに、姫はやはり自分では……と落ち込んだが、
ポンポンと肩を叩かれ、振り返ると、リリーがグッと力強いサムズアップをしていて(やはり無表情ではあったが)、

「ぐっじょぶです、艦長。その調子で私を元の部署に戻して下さいね」
「え……でも、少尉の言葉が無かったら……」
「いいえ、今のはちょっと面食らっただけです。次からは皆、きちんと指示に応えてくれますよ。
 だから自信を持って下さい。何なら、戦闘指示の方もやってみますか? 私としては、その方が楽で良いのですが」
「いえいえいえいえ! それは遠慮します! こっちだけで精一杯です!」
「冗談ですよ。ともかく、今の感じで艦の維持に目を光らせておいてください。それだけでも、こちらはだいぶ楽になりますから」
「……はい!」

良い仕事だった、とリリーに言われ、姫は気分の高揚が隠せなかった。
今まで、自分が座っていて良いのか? と常に疑問に感じていた艦長席の感触が、幾分かマシになった気もする。
リリーに戦闘指揮を受け持ってもらっている分、まだしっくりこない部分のある艦長席だが、今だけはそれも気にならなかった。

297 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/24(月) 23:02:54 ID:z8BJRmOU
>>293
ヒツギとユウセイの攻撃に同期して放たれたマイクロミサイルが、八方から尾を引いて蒼騎士へと迫る。
だがその時、蒼騎士の胸部から四筋の火線が走った。
機銃のように連続的に火を吹くそれは、飛翔するミサイルを次々に撃ち抜き、無為に破裂させていく。
弾幕を潜り抜けたただ一基のミサイルもまた、手にした光槍に切り裂かれ、爆発した。

「……」

そして直後、爆風を押し開くように光輪が宙に開くと共に、その中心から三条の光線が放たれる。
鋭く碧ざめたレーザーは、散り散りに弧を描くような軌道を以て、ガンレイピアの照準を定めんとするエクセリオンへと三方から襲い掛かった。

298アカリ ◆Tg./UqnJ52:2012/09/25(火) 06:15:36 ID:eTuLBQfw
>>287,>>289,>>297
甲斐の堅牢なG・ウォールを抜き、バスターキャノンを損壊せしめた敵の力に、アカリは戦慄を覚える。
先ほどの電文に記されていたレイナの予知は、どう考えてもこの機体がもたらすものに違いない。
であれば、どうにかしてこの機体を破壊、もしくは撤退させなくてはならない。でないと……『良くないこと』が起きる。

「…………っ!」

フライヤーモードのビルトラプターから、後方に向かって、強力な加速を表す青白いバーニアのフレアが伸びる。
すでに月面近くにまで降りてきていたラプターの位置は、敵機から見て右方向にあたる。
位置的には敵の側面を突けるが、タイミングを見誤ると、近接戦闘を仕掛けている味方機に被害が及んでしまうだろう。

「だからって……こうやって何もしないままっていうのも……」

敵機は既にメガ・ビームランチャーの射程内。
ロックオンも完了し、モニターにはそれを示す赤に色づいたロックオンサイトが表示されている。後はトリガーを引くだけ。
そのタイミングを計りかねていたアカリの耳に、ヒツギからの援護要請が聞こえてきた。
あの不安にさせて余りあるレイナの態度を受けてなお、戦おうとするらしい。

(まあ、それがフツーの反応よね。でも彼は「そのフツーの反応」をするような段階はとっくに越したはずだけど……。
 思ったより意固地なの? レイナさんの言いようは確かに乱暴だったけどさ……)

意外な感じはしたが、今はヒツギの性格について考えている暇はない。
前衛機が援護を要請するということは、敵の動きを阻害しろ、ということだ。
先に援護に入ったレオンハルトの攻撃はミサイル群による牽制弾幕。
だが案の定と言うべきか、それらのミサイル群は胸部のバルカン砲らしき武装と槍で対処されてしまった。
目の前に前衛機複数が迫っている中、そう何度も防御で槍は使えないはずだし、体勢の関係で右方向への盾の使用は難しい。
つまり、こちらからの高出力ビームには対処しづらい状況だということ。

「こちらビルトラプター! 続けて援護行動に入ります!」

ミサイルの爆煙で視界が覆われている今こそがチャンスだ。
狙いは敵の頭部。非装甲部位である可能性が高いし、首から下は味方前衛機が飛び込んでくるかも知れなかったからだ。
照準を調整し、アカリはすぐさまトリガーを引いた。
大型の主翼を備えた戦闘機のシルエットを持つ機体の下部から突き出る、長大なランチャー銃から青白い高出力ビームが三発、続けざまに発射される。
ゲシュペンスト程度のものであれば、容易にPTの前面装甲を抜ける出力のビームだ。いかな特機サイズの機体とて、無視はできまい。

299 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/25(火) 16:33:08 ID:nTjckGzY
「どうしようかなぁ。」
ヒツギのゲシュが抗戦してるしな。
まぁ、レオンさんはまだ全然余裕そうだし。
だが、相手との力の差は歴然。
「っ?、後ろから、敵に向かう殺気か。」
そうそれが、アカリのサポート
「下手したら、ヒツギまで被害に当たる。」
「残りのろしゅせいばーを全部使って。」
ろしゅせいばーを投げ、こちらに警戒させ、
「ヒツギ、アカリごちょうの砲撃だ。一端後退するぞ。」
全速力で、ヒツギの方に行き。後退を支援する。

300 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/25(火) 17:14:55 ID:nTjckGzY
>>299の前
「全くといって、利いてねぇ。orz」
化け物か、あの機体。
「うーん、次の手は、レオン中尉と、俺と、ヒツギでアザルトコンバットパターンとか。」

いろいろ考えていると。
「反撃か、来る。」
バカでかい、槍での攻撃、だが。
「はい、ざんねん、もっとよく狙いな。」
なんと、急上昇により回避成功。
「舐めんなよ、伊達に、弥生と一緒に入るんじゃないんだから。」

槍の攻撃のスピードは、なかなかの早さ。なぜ回避できたかのは。

弥生の存在である。【つーかコイツのせい。】
弥生は、なかなか強い殺気の持ち主+狂気の殺人者?
そのため、何人か、おそわれている。
ユウセイもその一人。
その為、斬られるのはイヤなので、ユウセイが編み出した技がこれである。
ユウセイは、なんだかんだでのいろんな特訓をした結果、殺気の方向、軸などを見られる用になったのだ。
「おめぇ、見たいな、殺気の強い奴は、よく分かるんだよ。」

301レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/25(火) 18:10:44 ID:qm3/efAw
>>297
最後に切り払われたミサイルの爆風により敵の上半身に煙がまとわりつく
(迎撃能力は並…あれは堅牢な要塞としてでは無く、あくまで本人の戦闘力を反映させる為の鎧…それでもインターフェース系は地球の技術と別次元か)
煙幕から辛うじて見える赤い尾を引く光の元である奴の目に照準が合わさる
>>298
>「こちらビルトラプター! 続けて援護行動に入ります!」

自機の左後方から青白い三つの光の帯が奴の頭部に向かって延びる

その刹那、煙幕の中心から光の輪が押し広がり煙幕が霧散していく
奴の間近を光陣が遮る形となって間も無く三つの矢が俺を取り囲もうとしている

「その誘い、敢えて乗るぜ?」

機体主翼の下部にて右腕と共に固定されるガンレイピアの先端から光が発し瞬時にその光条が延びる
包囲してくる蒼い光条。奴に対し掃射を続けつつ、そのまま加速
衝撃派をその場に残して消えたと思えば三つの蒼い追跡者達は後に残された青白くヒューキャリオスの眼前まで延びる帯を貫いていた

「ミサイルのおかわりだ!」

ビルトラプターの射線に並びヒューキャリオスの首もとをすり抜けるように飛翔していたエクセリオン
今度はヒューキャリオスの背後からすり抜け様に放たれた4基のマイクロミサイルが襲いかかる

302 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/25(火) 19:21:26 ID:NmGKeC22
>>298 >>301
煙幕を貫いて飛ぶ青白いビームの矢。
その先端が蒼騎士の頭部を右側面から射抜くかに思われた瞬間、
黒煙のスクリーンに浮かぶ甲冑のようなシルエットが、不可思議に大きく揺らめいた。
同時に、エクセリオンが放った4基のミサイルが煙幕の奥で炸裂し、爆炎の花が開く。

命中か――。

そう思われた次の瞬間、厚い黒煙を破って現れたのは、この区画に出現した際に見せた、大型戦闘機形態へと変じた蒼騎士の姿だった。
機首両端に据えられた四門の機銃が、ビルトラプターを狙って斉射される。
蒼騎士の操縦者は、煙幕越しにメガ・ビームランチャー発射の予兆を読み取るや、信じ難い反応速度で機体を変形、可変機構を活かして攻撃を避け、急上昇によって迫り来るミサイルをも振り切ったのである。

>>299
>>300
そのまま猛烈な加速でラプターとすれ違い、再度人型へと姿を変えつつ、180度反転する蒼騎士。
投擲されたロシュセイバーは対象を捉えることなく、追尾中であったマイクロミサイルを巻き込んで爆発させ、ロストした。
(>>232でファルゼンに飲み込まれたブーメランとロシュセイバーも合わせると、結構な損害といえる……)

そして、必然的に交戦中の全ての機体が、蒼騎士の眼下――攻撃範囲内に収まる形となった。

「悪くない連携……と言いたいが、俺の命を刈り取るにはいささか手緩い」

蒼騎士の前方、即ち月面に向けて、特大の円陣が広がる。
先の光景を目にした者であれば、誰もがその意味する所に戦慄したであろう。

「そろそろ終わりにさせてもらおうか」

円陣を貫く光槍。
眼下に構える全ての機体を飲み込むように、
灼熱と衝撃の嵐が吹き荒れ、月の表面を打ち据えた。


【シュペルター・ストームでアイゼルネを除く全機体を攻撃】

303ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/25(火) 19:55:49 ID:L/yY99QA
>>302
強い・・・次元が違うといっても過言ではない。
ミサイルと遠方からの砲撃という挟撃を敵ながら見事な手腕で切り抜けたのだ
技術と機体のパワーそして鬼気迫る気迫、今のところ敵に一切の隙が伺えない

>そして、必然的に交戦中の全ての機体が、蒼騎士の眼下――攻撃範囲内に収まる形となった。

ヒューキャリオスを目視するために機体を翻す。

(あかりんへと攻撃を行うつもりか?)

機体と共に自身の体も動くヒツギ、刹那モニター横の小さな窓が視界に入り込んだ
それは既視感というべきか、それとも違和感というべきか。

「この状態は・・・まさか!!」

ヒツギは目の前の機体が何をしようと言うのか感づいた、まさに超人的な反応ですぐさまコックピット内で踏み込む
瞬間的にフルスロットルまで跳ね上がった推進器官の出力に任せ、引いていったヒューキャリオスへと翔る

>蒼騎士の前方、即ち月面に向けて、特大の円陣が広がる。
>先の光景を目にした者であれば、誰もがその意味する所に戦慄したであろう。

だが戦慄せぬ者が逆に遠方から向かってくる、むしろ戦慄したからこそ早くに動きを見せたのだろうか
1番最初に切り込んできた、槍でその胸を切り裂かれたゲシュペンストだ
青い騎士へ駆けるのは赤い亡霊、左腕に備え付けられた刃が赤輝を跳ね返す

「間に合ええぇぇぇ!!」

>円陣を貫く光槍。
>眼下に構える全ての機体を飲み込むように、
>灼熱と衝撃の嵐が吹き荒れ、月の表面を打ち据えた。

ヒツギが気づくのが後ほんの数秒早ければ結果は分からなかったかもしれない。

その叫びむなしく、刃は届くことも止めること叶わずに真正面から光に飲み込まれた

304 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/25(火) 21:26:00 ID:nTjckGzY
>>302
「本当に洒落にならなくなってきたよ。」
絶対的存在、その念を感じたのは、過去でイサム大将ただ一人。
「これは、腹を括らなきゃいけなくなるかもな。」
このままだと、確実にやられる。
【迅速の型で、槍を叩き斬る。】



そして、イザ行動に移そうとした瞬間。

イヤな予感が、頭の中をよぎる。
「まさか、甲斐をやったのと同じ技を。」
>>月面に向けて特大の円陣が発生する。
>>灼熱と爆風の嵐が月面をうち据える。

「しまった、遅かったか。」
だが、>>303ヒツギが、それを止めようとする。
「ヒツギっ、止めろ、ヒツギィィィィ。」
嘆きは、遅く、またユウセイも、同じく、その嵐の中に飲み込まれる。

305レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/25(火) 23:39:40 ID:qm3/efAw
>>302
先ほどの追尾弾は俺に対する牽制でさえなかった
>機首両端に据えられた四門の機銃が、ビルトラプターを狙って斉射される。

「…こいつッ!」

明らかに何かがおかしい。如何に慣性質量をこちらより克服しているとは言え行動を予測しているとしか思えない
奴の速度はマッハ3程度。エクセリオンでマイクロミサイルを近距離で撃つのは、その旋回性能のせいで時速1000km/h以下に落ち込む為に奴に振り切られるのは必然
問題はガンレイピアの射線を回避した事実
向こうは最大速度を瞬時に出せ、こちらは段階的にとは言え
少なくとも先ほどのガンレイピアでの突撃時は、その二十万倍の速さに達していたのだが…
大型の飛翔体はもっとも高い位置に居た筈のビルトラプターを下から抜けると同時に騎士の姿へと戻り甲斐とその艦載機全てを見下ろせる位置で既に光の陣を形成していた

>「そろそろ終わりにさせてもらおうか」

甲斐のバスターキャノンを穿った例の『槍』が真正面から突撃するヒツギに構わず今度はその全てを凪払わんと繰り出される

イサムとの模擬戦が頭をよぎる
高速で飛び回り翻弄して見せようとしても一太刀で捉えられてしまう

「大将。理屈じゃ無いと言うことですかねぇ」

エクセリオンの正面にテスラドライブを切り返しブレイクフィールドを形成

「俄然、噛みつきたくなってきたな!」

他が見たら気が触れた様に見えるだろうか
巨大な槍と成した光の激流の側面に自ら飛び込むと激流にあわせて、それを越える速さ螺旋を描きながら遡りヒューキャリオスの右腕に打撃を与えるべく肉迫する

306ラウディ@エフゼロ ◆E8ckRIIdug:2012/09/26(水) 00:30:03 ID:bUTclte6
 一連の戦闘を、黙って見ているしかなかった。

 主戦場を俯瞰し、各機と母艦のデータリンクを維持する仕事。

 僚機が次々と打ちのめされている。

「……もう、いいよな……」

 敵特機は今、戦闘機形態に戻ってあの一撃を再び放った。
 それは、おそらく二度と来ない“隙”である。

 上空から一気に高度を落とし、主戦場の、奴の後方に回った。
 最大射程ギリギリいっぱいから撃てるだけのロングレンジミサイルを発射する……目標は勿論、“奴”の後背部。


【《狙撃》付きロングレンジミサイルを発射】

307アカリ ◆Tg./UqnJ52:2012/09/26(水) 08:07:23 ID:OCaNZ0nA
>>302
敵の姿はビームとミサイルが作り出す爆炎の中に消えた――――が、中から大きな鳥類へと姿を変えた敵機が現れた。
当たらなかったのか? という思考をする間もなく、敵機はこちらに進路を取り、機首の四連装バルカンを撃ってくる。
恐るべき対応の速度ではあるが、バルカン砲を使うにしては距離が離れすぎている。回避は容易。

「そんな距離から撃ったって当たるわけないでしょ!」

素早くロールを打って機体を横にスライドさせ、それらの弾幕を回避する。
その横を、凄まじい加速を見せて敵機がすり抜けていく。先ほどの狙いの甘い斉射は、自分をここから退かすのが目的だったようだ。
一体何のためにこのコースを取る必要があったのか……その意味に気づいた時には既に、敵は攻撃の態勢に入ろうとしていた。
まずい、と思った瞬間、半ば反射的にアカリは機体のスロットルを最大にまで上げる。
機体後部のバーニア全てから最大出力の巨大なフレアが噴出し、それに見合った加速をラプターに与える。
果たしてその選択は正解であった。先ほどまでラプターが居た位置を、敵機から放たれた巨大な竜巻の縁が破砕したのだ。
竜巻によってズタズタに引き裂かれ、周囲に飛散する月の岩塊を避けながら離脱していたアカリであったが、
自機の頭上に目を向けたときに、竜巻の外周部を遡りながら敵機に接近しているエクセリオン、
敵の竜巻の直撃を根本付近から受けてしまっているヒツギのゲシュペンストとユウセイのアルブレードの三機の姿がそこにあることに気がついた。

「どうしてあんなところにあの三機が!?
 ……って、そんなこと考えてる場合じゃない!」

頭上を押さえるように飛んできた岩塊を避けるのと同時に機首を持ち上げ、弧を描いて自機を敵機の居る高度にまで引き上げる。
エクセリオンはともかく、竜巻を受けたゲシュペンストとアルブレードが無事なはずはない。
リリーの言っていた「レイナの危惧」とはこのことか? それともまだ何かあるのか?
レイナのように予知の眼を持たぬアカリにはその判別は付かないが、あそこにいる味方機には援護が必要、というのは間違いなく言えることだ。

308ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/26(水) 08:58:29 ID:D1sNuZ9k
>>303の続き

轟く閃光がヒツギの視界全てを包み込む、それは彼が見た何よりも眩しく何よりも激しかった


「ク・・・、ソ・・・ッ」

彼が伸ばした腕は届かない
仲間への被害を抑えることはできなかったのだ




雪か羽根か見まごう塵が舞い散る月面に何かが叩き付けられる。
白い地平に沈んだゲシュペンストは前面の装甲が焼け熔け、頭部も辛うじて片方のカメラが生きているだけで原型を留めていない
何よりもその一撃を最も近くで受けた左腕は、手首から先はもちろん装甲よりも強度がある高周波ブレードすら半分が吹き飛び溶解していた

「まだ、だ・・・」

戦闘を行うには致命的なダメージを受けて尚、ヒツギは倒れてはいなかった
機体のダメージは全てがレッド、これがレイナが自分を下げようとしていた理由だろうか

「艦長・・・退・・・するべ・・・だ」

何とか甲斐へと通信をつなぐがそれは途切れ途切れなもの
しかし辛うじて何を伝えたいかは解読できる




(何か武器は・・・)

左腕の高周波ブレードはもう厳しくミサイルは先ほどの攻撃で誘爆
ブラスターキャノンは胸部に受けていた切断痕から入り込んだエネルギーの濁流で半壊
右足のブレードはまだ何とか使えるがそもそもジャンプ中しか使えない。

(ガンレイピアは・・・・・・まだ使える!)

右手にガンレイピアを握りながら、何とか立ち上がろうと試みている。
だが手首から先が無くなった左腕では体を持ち上げられない、腕も姿勢維持ができず照準を合わせることすら難しい
一応を引き金を引くがまず当たる事は無い

309 ◆JryQG.Os1Y:2012/09/26(水) 15:33:52 ID:7eCE8jiU
「畜生、きつすぎるな。」
ヒツギと若干放れてはいるが、かなりのダメージを受けている
「シールドが、ないだと。」
両肩の、シールドが、熱などで、完全に消滅、そしてだが。
「シールドは、完全に消滅したけど、そのお陰で、腕とメインカメラが守れた。」
竜巻が、発生した瞬間、とっさに、シールドとその下に、
念動フィールドそして、ブレードトンファーでの防御

その三段防御が項をそうした。

「足も、ブーストが使えない。背中のバーニアだけじゃな。」
足は、半壊、付け根が残っているだけである。

「畜生、ヒツギが危ないってのに、っ? あれは、伍長の」

ユウセイが見たのは、ビルトラフター
「クレマチ伍長、乗せてください。ヒツギを回収しに行きましょう。」
俺より、近くで、あれを受けたのだ。このままだと危険だ。
(クレマチ伍長のラフターなら。)

310 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/26(水) 19:35:10 ID:6M38yHOw
>>305
あろうことか、エクセリオンは竜巻の縁を遡るようにして蒼騎士の右腕へと接近する。
離れ業と呼ぶに相応しいその対処法と、それを可能にする技量には目を見張るものがあった。

「なかなかに面白い真似をする……だが!」

蒼騎士は動じることなく、円陣に突き刺さった槍の先端を、更に奥へとひねり込んだ。
その刹那に、竜巻が著しく膨脹し、外周に向けて一気にバーストする。
軌道を反らさねば、エクセリオンはたちまちに肥大化した渦へと飲み込まれるだろう。

>>306
蒼騎士の背後からミサイルが群れをなして襲い掛かる。
それに呼応して、巨大なウィングの基部に浮かび上がる二つの円陣。
そこから放たれた計6条の光軸がミサイルを迎え撃った。
広がる爆風。脱したミサイルは僅かに2基。
それらは蒼騎士の重厚な肩部装甲に後方から衝突し、順に爆ぜた。

【HP90%】

「俺に手傷を負わせるか……」

その一撃は歴然たるダメージにはならなかったが、竜巻による攻撃を切り上げさせる契機となった。
霧散していく緑の光。
猛威が過ぎ去ると、月の表面には深々と小さなクレーターが一穿たれていた 。

「しかし手傷は手傷。このヒューキャリオスに、なまじの攻撃は意味を成さん」

被弾箇所は黒く焼け焦げていたが、その様相が見られたのも一瞬だった。
褐色に荒れた装甲表面が、外周から蒼のインクに侵されるように色彩を回復させていく。
視覚的には些細な変化であったが、それはこの機体が持つ自己修復能力の証明であった。

【HP回復(大)発動。HP100%】

「……一人残らず生き残ったか。そのしぶとさには敬服せざるを得まい」

蒼騎士が腕を一振りすると、5つの円陣が空中に現れ、各々から3条、計15条の光線が乱れ飛んだ。
狙うはそれぞれエフゼロ、ラプター、エクセリオン。
追尾性を持った絡み付くような弾道は、大きく運動しなければ避けられそうにない。
それは明らかな足止めのための弾幕だった。

「ならば、一人ずつ殺していくとしよう。まずは……貴様からだ」


>>308
地表に降下した蒼騎士は、ゲシュペンストへと静かに歩み寄っていく。
両者の間をガンレイピアの火線が幾筋か流れたが、命中したものは一つもなかった。

「……あの技の予兆を見て、真正面から突っ込んできた者は貴様をおいて例がないぞ。
その推力を活かせば、安全圏に逃れることも可能であったろうに」

やがて、蒼騎士はゲシュペンスト間近に立つや、ガンレイピアを握る右腕を思いきり踏みしだいた。
そして、その胴体の中心へと、手にしたランスの先端を突きつける。

「……仲間を守らんとしたが故の行動か。
だが、それを成し遂げるには貴様はあまりに非力だ」

非情な現実を知らしめるように、赤いツインアイが冷酷にヒツギを見下ろしていた。

「呪うのならば、俺と間見えた不運を呪うがいい……さらばだ」

そして、無慈悲にもその右腕がコックピットへと突き下ろされる――。

311ラウディ@エフゼロ ◆E8ckRIIdug:2012/09/26(水) 20:09:09 ID:bUTclte6
>>310
「や、やったか……っ!?」
 もちろん、当たったが効いていない。
 それどころか自己修復する様を見せつけられるだけだった……

「……火力が足りてない……いや、近接型二機を同時に弾き返す力量の主だ。
 同レベルの戦力を、特機を主軸に据えないと……」
 そこまで口にした後は、三条の歪曲ビームから逃れるための回避機動に入る。
 一気に高度を上げ振り切ろうとして、三発目を振り切れず被弾。外装を大きく抉られた。

 【HP残り83%】

「……くっ」
『ラウディ!修理装置はっ?』
「……少佐、それは無事ですが……誰に?」
 ヒツギには届かない。
 ユウセイのダメージには到底追いつかない。
 なら、アカリかレオンか……或いは所属不明機のどれかか……

312ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/26(水) 20:50:51 ID:D1sNuZ9k
>>310
やはりというべきかガンレイピアは当たらない、ヒツギの射撃能力が悪いという以前に全てが限界なのだ
ファルゼンの電撃を受け、さらに思い切り月面に叩きつけられたヒツギも生き絶え絶えだ

>「……あの技の予兆を見て、真正面から突っ込んできた者は貴様をおいて例がないぞ。
>その推力を活かせば、安全圏に逃れることも可能であったろうに」

「命知らずなのが取り柄なんでな。
 ただそれじゃあ意味ねぇんだよ、分かってんだろ・・・!!」

奥歯をかみ締め強がって悪態を付いてみせた
『この至近距離ならいくら精度が悪くても当たるはずだ』というヒツギの考えはその時のヒューキャリオスの行動によって封じられる。
下から右腕を蹴り上げられ、握っていたガンレイピアを蹴り飛ばされたのだ
音を立てて月面に転がり落ちる、これで現状ヒューキャリオスに対抗する手段は失われてしまった

体の中心に向けられた鋭い切っ先が、元月面基地から上がった炎によってはためいている

>「……仲間を守らんとしたが故の行動か。
>だが、それを成し遂げるには貴様はあまりに非力だ」

(万事休すか・・・だが)

ただ塵芥かのように見下ろすヒューキャリオスに対し、ヒツギはまだ屈しては居なかった


「俺は『悪魔』だから呪いはしない。
 その腕と槍を代償として貰っていくだけだ・・・!」

この状況で助かるなどということはあるまい
相打ちには持ち込めなかったとしても、自身の命と敵の武器(命)を交換はできる筈だ


伸びてくる槍に対し、ヒツギがゲシュペンストの右腕を伸ばしたその時――――

313レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/26(水) 22:35:55 ID:520uEoio
>>312
>>伸びてくる槍に対し、ヒツギがゲシュペンストの右腕を伸ばしたその時――――

「……死ぬな」

短くそれだけを囁くと、レイナとアイゼルネは行動に出た。
まず、青騎士の視界一面を血のごとき赤が覆い尽くした。
アイゼルネ・ブルートの目眩ましブラッド・ディスチャージャーの効果である。
そして、赤霧に紛れて青を貪り尽くさんと蝙蝠型の子機ナイト・フライヤーの大群がワラワラと青騎士へと群がった。
――――
ただ、これですら決定的なダメージにはならないと解っているが
レイナは一瞬の時間を稼ぐだけで充分だった。

「……悪いけれど、この勝負はお預けよ。
ここからは悪魔の王ことこのレイナ・カーマインがお相手させていただこう」

そして本命を遂行する。
玉砕覚悟で特攻隊となったヒツギのゲシュペンストへアイゼルネの伸縮自在のアームが巻き付き、手元へと引き寄せてしまう
そうしてヒツギを救った後に、


「甲斐!!今すぐに全残存戦力を回収して撤退してちょうだい。
プトレマイオス基地は駄目だ。放棄しなさい。このままでは誰も生き残れないわ。
頼むわハリーアップよ。殿はこの私とアイゼルネ・ブルートに任せなさい」

このまま戦い続けては非常に良くない。
レイナはリリー少尉達に撤退を申請。もとい懇願する。
そして、レイナには単機ならばあの強敵を抑えられると言う自信が有った。

314レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/26(水) 22:41:27 ID:tAg3XG.E
>>310
ブレイクフィールドを用い量子光の激流の流れを慎重に縫って騎士に向けて螺旋状に加速する
機体内部もビリビリと振動し続けている。ほんの少しの舵のミスでフィールドで守られる左半分は吹き飛ぶだろう

奴の手元まで半分に差し掛かるのに0.01秒もかかってはいないが
この光の嵐の外側を伝って加速していた事にすら気づいていた

>「なかなかに面白い真似をする……だが!」

不意に機体の振動が大きく加えて間隔も更に短くなっていく!

激流に乗り切れずに大きくうねる乱流の外側に大きく弾き返された

「…ぐぅぅぅぅう!!!」

この激流に更なる別の流れを加える事で効果的に侵入者を排除したのだ
巡航形態から吹き飛ばされ、それを止める為AMへと可変しアポジモーターを瞬時に操作して
全身に架かる衝撃で気を失いそうになりながらもヒューキャリオスへの進行を試ようとスロットルを上げペダルを踏み込むも機体が進もうとしない景色が流れない

「…何故…進まない…!!」

鬼のような形相で歯を食いしばりながらでディスプレイを睨みつける
テスラドライブの緊急停止、及び復旧に架かる時間が示されている
この無茶な綱渡りと衝撃によるもの

「下策は…覚悟だったが…!」

最後に行った衝撃に対するカウンターによりアポジモーターも完全に沈黙している
蒼騎士の召還した光線が迫るが、もはや四肢で以て受ける他ない

「ちっ!うおおおおお!!」

光線は弧を描くものの、ほぼ最短距離でエクセリオンに向かい左腕を喰いちぎり両膝下と、頭部を吹き飛ばした

「…コンチクショウめ……」

胴体に特徴的な両肩と右腕のみを残して極めてゆっくりであるが月面へと落下しつつある(残りHP8%)

315ラウディ@エフゼロ ◆E8ckRIIdug:2012/09/26(水) 22:56:09 ID:bUTclte6
>>314
「ま、間に合った……」

 その声とともに落下速度とテスラドライブ復旧までの時間が急激に減少する。
 追いついたエフゼロがエクセリオンを捕まえ、修理装置を起動させたのだ。

「……修理は……間に合え……」

 とは言え完全に速度を殺す事は出来ず、諸共にハードランディングの可能性も消えてはいない……

316ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/26(水) 23:12:48 ID:D1sNuZ9k
>>313

>「……死ぬな」

覚悟していた衝撃は前からではなく後ろからやってきた、伸ばした腕はなぜか槍から遠ざかる
それもその筈だ

>玉砕覚悟で特攻隊となったヒツギのゲシュペンストへアイゼルネの伸縮自在のアームが巻き付き、手元へと引き寄せてしまう

「レイナ!?」

ゲシュペンストは後ろからアイゼルネに引っ張られていたのだ。
ヒツギは疲労などどこかへ吹き飛んでしまったかのように目を丸くする
レイナとの約束は断たれた、ここで自身を救ったとしても何のメリットもない

「何で・・・ここに・・・」

>「甲斐!!今すぐに全残存戦力を回収して撤退してちょうだい。
>プトレマイオス基地は駄目だ。放棄しなさい。このままでは誰も生き残れないわ。
>頼むわハリーアップよ。殿はこの私とアイゼルネ・ブルートに任せなさい」

「いくらなんでも無茶だ!俺が囮になるからお前も逃げろ!」

ヒューキャリオスの絶対的な力はその身で体感していた
レイナが強かったとしても勝てるかどうかは眉唾物だ
だったら自分がこの場に残ったほうが生存確率は跳ね上がる

レイナから離れようと機体をジタバタと動かすが抜け出すことはできなかった

317レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/26(水) 23:28:47 ID:520uEoio
>>316
【「何で・・・ここに・・・」】

「は……そんなの当たり前でしょ。いちいち言わせないでよ」

皆がボロボロにやられているのを見て面白く無かったのだろうか。
いや、ただそれだけでは無いはず
なのだが、実際に口には出さず事をせずにはぐらかした。

【「いくらなんでも無茶だ!俺が囮になるからお前も逃げろ!」】

「ちょっと黙ってなさい。
……アカリ、我が半身よ。この煩い少年を頼むわ。甲斐へ連れて行ってあげて」

ヒツギが怒鳴るのを完璧に無視し、比較的まだダメージの少ない筈のビルトラプターのアカリへと連絡を取っている。
やはり、何と言われても自分が最後まで残る事を曲げる気は無い。
何としてでも未来を変える。

318レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/27(木) 07:08:18 ID:hzNFt6Yk
>>314
「レオンお兄様!!」

その時、青騎士の前に力尽きて月面に落下して行く大破したエクセリオンの姿を見てしまう。
いつもレオンハルトに掛けるジェネラル呼びを忘れてしまったかの様に、
思わずレイナは素の叫びを上げる。恥ずかしいからと絶対に呼ばなかったのに。
それほどに動揺させられたレオンハルトの敗北。

「く……私のミスだ」

あの時、ヒツギを助けてと泣き言を言ったばかりにこんな事態を引き起こしてしまったのか。
だとしたらレオンハルトは約束を取り違えている。
犠牲にしては意味が無いのだ。
レイナにとってはヒツギと同様にレオンハルトの事も大切に思っているのだから。

>>315
「エフゼロ……か?」

月面へ放り出された満身創痍のエクセリオンを救ったのは、ラウディ軍曹のエフゼロだった。
幸いにも彼のエフゼロは修理装置を搭載していたらしい。
エクセリオンの応急処置が行われている

「助かったわ、軍曹。……あともう一つ、すまないのだがこの人と一緒に甲斐まで撤退して欲しい。すぐに」

丁度良い所に来た良い男へとレオンハルトの事を頼みこむ。
いつもの尊大な命令口調は少し控えめにしてのこれは心からの依頼。

319 ◆ehmeRCjCRw:2012/09/27(木) 18:30:46 ID:hkviyt3.
>>313
「むっ……」
突如として、蒼騎士――ヒューキャリオスの視界が赤一色に染まった。
足元に捉えていたゲシュペンストの機体は、何者かに引き摺られて深紅の帳の向こうへと消えていく。
変わって機体に纏わりつき、四肢の自由を奪わんとするのは、夥しい数の蝙蝠の大群。
まるで幻惑の魔術に包まれるかのように、騎士は赤々とした霧に覆われていった。

しばしの静寂。
その僅かな間に、ゲシュペンストはアイゼルネ・ブルートの手によって死の淵を脱した。

>>316-317
やがてレイナとヒツギが互いの主張を交わし終えると共に、赤い霧が勢いよく吹き払われた。
旋風の中心を見やれば、右腕の双槍を振り抜いた蒼騎士。
その腕によって巻き起こした、言うなれば剣気によって、群れ成す蝙蝠達を振りほどいたのだ。

【ヒューキャリオス HP90%】

「揃いも揃って、随分と情に篤い悪魔が有ったものだな」

互いを庇い合う両機体の様子に、蒼い機体の操者は冷笑する風でもなく、そう漏らした。

「王を名乗るか……面白い。
ならば娘よ。貴様に王たる器が有るか、この俺の眼で見極めてくれよう」

ヒューキャリオスが右腕を突き出し、視線と平行に、水平に双槍を掲げる。
それは構えか、あるいは礼の所作か。
何れにせよ、能動的な戦意を示す仕種と見てとれた。

「……ゆくぞ」

上体を前傾させ、攻撃動作に移るヒューキャリオス。
その初動が視認された次の瞬間には、もうアイゼルネをその手の槍の間合いに納めていた。
弾丸のような加速による踏み込みから、小手調べとばかりに初撃――左の肩口を狙った突きが放たれる。

320ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/09/27(木) 20:30:43 ID:I/G1tgUI
>>317

「くっ・・・」

自分がレイナの話を聞かなかったように、レイナもヒツギの言葉に答えない。
そもそもヒツギの言葉は自分を犠牲にして逃げろと言っているのだ、喧嘩をしていなかったとしても頷いてはくれなかっただろう

「……あいつは強い。片手でゲシュペンストを止めちまうパワーもそうだが、パイロットの操縦技術も尋常じゃない
 通ったのはミサイルとナイトフライヤーだけ、普通に撃っても往なされるだけだ。
 その傷もすぐに回復しちまう。弱点らしい弱点はまだ見えていない・・・アドバイスも出来ない、ごめん」

顔を伏せ、しばし沈黙をすると何か諦めたかのようにぽつぽつと語り始めた

「・・・ありがとう、レイナ」

>>319

ちょうど同じタイミングで視界の端にあった赤が消滅する、どうやらナイトフライヤーの壁からもう抜け出してきたらしい
アカリがくるまで持ってくれればよかったのだがそうは上手くいかなかった

「流石に俺を抱えながら戦うのは無理だ!」

敵の戦闘力を鑑みれば抱えながら戦うのは現実的に不可能だ
ヒツギの様子から手を離しても特攻するなんてことは今のところなさそうだ

321アカリ ◆Tg./UqnJ52:2012/09/27(木) 21:51:54 ID:SNDs4..s
>>310
五つの円陣から飛び出して、エクセリオンとエフゼロ、そして自分のラプターに向かってくるホーミング・レーザーのような動きの光線。
高速で走りながら牙を剥くそれらの光線を見て取ったアカリは、静かにパイロットスーツのヘルメットを脱ぎ、脇に置いた。
来ている。あの感覚。世界が速度を失い、自分だけが加速している、あの速度領域。

「……毎回、このヘルメット、邪魔になるわね。もうちょっと使いやすいのを陳情しようかな?」

自分を狙っているレーザーは五条。それぞれがバラバラの位置からぐにゃりとその軌道を曲げて、ラプターを貫かんとした。
もう少しで当たる。その瞬間、ラプターのバーニアが凄まじい勢いでフレアを吹き出し、ラプターは急加速。
レーザーはラプターの位置に飛び込んだが、急加速により機体の姿を見失い、あえなく空を切った。
すぐさま軌道を変えて飛んでくるレーザーを横目で確認したアカリは、ロールを打ちながら急旋回する。

「……!」

近くに居た光線のうちのひとつが、ラプターに追いすがるが、ラプターはくるりと機体を回転させながら人型へと変形、脚部バーニアで急制動をかける。
結果、レーザーはラプターの目の前を通り過ぎるだけに終わった。
それに続いて、また別のレーザーが天頂から逆落としにラプターを狙っていたが、
アカリはそれを脚部バーニアの噴射を停止させないことによるバク転によって回避。

「うっとうしいハエは落とさないとね!」

ラプターのツインアイが本格稼働に伴って一瞬だけ青く大きく輝き、ラプターは左腕の盾にマウントしていたランチャー銃を右手に備えた。
その間に、三条目のレーザーがラプターの左後ろから迫り来ていたが、もちろんそれを見逃すアカリではない。
ラプターはそのレーザーに対して盾を突き出し、レーザーを受ける。
足止めのレーザーとはいえ、特機のパワーから繰り出されたその光を受けるには、ラプターの盾は軽い。それを解っていてなお、アカリは盾を使った。
盾はレーザーを真正面から受けるようには構えられておらず、やや斜めに、受け流すように構えられていた。
受け流すとは言っても盾にショック力が掛かるのは同じ。盾を弾かれる程ではないが、強い力が盾を押し戻す。
それこそ、アカリが狙っていたものだった。盾に掛かるショック力を防御するのではなく、あえてそれに流されるように機体を動かす。
レーザーが通過し、盾がそれに引きずられるように弾かれて、機体が急速回転を始める。
その回転がちょうど一回を数えたときに、アカリは機体に制動をかけて回転を止めた。
伸ばされるラプターの右腕。右手に構えられたランチャー銃の銃口は、今し方通り過ぎたばかりのレーザーに向いている。
間髪入れずランチャー銃のトリガーが引かれ、銃口から青白いビームが射出される。
ビームはレーザーに追いすがってその激しいエネルギーフローでレーザーを引き裂き、霧散させた。

「まずひとつ!」

次いで右方向、上下から来る二条を左足のバーニアだけに急速ブーストを吹かせた、早めの斜めバク転で躱す。
レーザーはラプターの方向に少し軌道を変更しつつ、上下からラプターの空けた空間に飛び込み、その軌道を交差させようとした。
その瞬間を狙ってランチャー銃から射出されたビームがレーザーの交差点を薙ぎ払い、一気に二条のレーザーを消滅させた。

「ふたつとみっつ!」

残るは下方向からくる二条。やや左方向から来るひとつにはランチャービームの正面衝突をお見舞いし、
その間に近くまで来ていた、ほぼ真正面からの最後の一つを、右腰から抜きはなった左手のビームソードでぶった斬った。
四散したレーザーの粒子がキラキラと光りながらラプターの装甲にぶつかって、小さく火花を散らしていく。

「……よっつといつつ!」

322アカリ ◆Tg./UqnJ52:2012/09/27(木) 21:55:01 ID:SNDs4..s
>>317,>>319
高速で飛んでくる追尾性のレーザーを五つ墜とす。
前のゲシュペンストでは出来なかったであろうその芸当に、アカリは改めてラプターの性能を思い知らされた。

「……と、浸ってる場合じゃない。急いでレイナさん達の所へ行かないと」

レーザーに対応している間、ユウセイとレイナから援護要請を受けていた。
機体が動けなくなっただけのユウセイはともかく、ヒツギを確保しているらしいレイナの方は敵機に狙われていて、深刻な事態に陥っているようだ。
アカリは急いでラプターの高度を下げつつ、レイナたちの所へ向かう。
戦況モニターで確認はしていたが、ズーム機能を使って見たレイナ達の実際の光景は思った以上にひどい。
それどころか、敵機があの双槍を構えて、レイナを狙おうとしているではないか。

「レイナさん達から離れろ! この化け物め!!」

接近しながら構えられたビームランチャーの銃身部分が展開し、その部分が激しく発光しはじめる。
銃口部分からは放たれるのを今か今かと催促するように青白い光が漏れ始め、銃身部分と銃口の光が次第にその激しさを増していく。
それらが最高潮に達した瞬間、アカリはトリガーを引いた。
一般的なPTを飲み込むほどの太さを持ったビームが銃口から迸り、敵機の左半身を抉る軌道で飛んだ。

323レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/09/27(木) 22:35:24 ID:hzNFt6Yk
>>320
【「……あいつは強い。片手でゲシュペンストを止めちまうパワーもそうだが、パイロットの操縦技術も尋常じゃない
 通ったのはミサイルとナイトフライヤーだけ、普通に撃っても往なされるだけだ。
 その傷もすぐに回復しちまう。弱点らしい弱点はまだ見えていない・・・アドバイスも出来ない、ごめん」】

「データは集まった。後は私に任せなさい」

敵を抑える自信は有るらしい。彼女には恐れも迷いも見えない。
と言ったものも、勝つには至らないだろう。あくまで撤退する為の時間稼ぎに過ぎない

【「・・・ありがとう、レイナ」】

「何のことかわからないわね。……ほら、さっさと行きなさい」

またしてもヒツギのストレートな反応をはぐらかすと
アイゼルネは真上にゲシュペンストを放り投げた。
>>322
「頼んだわよ」

ビルトラプターが丁度こちらへやって来ていた。
流石は半身。タイミングはドンピシャだ。丁度上手くゲシュペンストを回収出来るだろう。
レイナは二機を仰ぎ、見送った。



>>319
【「王を名乗るか……面白い。
ならば娘よ。貴様に王たる器が有るか、この俺の眼で見極めてくれよう」】

「そうか。ならば、かかって来るが良い哀れな騎士公」

アイゼルネも青の騎士に対抗する様に戦略的に何の意味も無いが、
大きく悪魔の羽を広げた十字の決めポーズを取っている。

【「……ゆくぞ」】

「!!(……はやいな!?)」

>>上体を前傾させ、攻撃動作に移るヒューキャリオス。
>>その初動が視認された次の瞬間には、もうアイゼルネをその手の槍の間合いに納めていた。

「……でも、そう来ると思っていたわ」

それでもレイナは意味深にまだ余裕を見せる。
敵の踏み込む動作からの、一瞬にして突き出される槍の一撃。
その速さをカメラが捉えられたかどうかすら微妙なその神速の攻撃は
しかし、アイゼルネ・ブルートを僅かに掠める程度に終わった。

――――初手。左肩を貫く確率、80%
皆がボロボロに倒されていた間に、僅かな時間で未来視の力を借りてレイナが組み立てた攻撃予報である。
だが、敵のスピードに圧され、完全回避には至らなかった。
もし、アカリ並の反応速度が有ったなら、無敵の能力だったかも知れない……。


「そしてこれを凌いだ後のアイゼルネの行動……」

右瞳がいつもより深く濁った状態になっているレイナ。多分自分自身でも気付いていないだろう。
周りの音など聞こえていない様な緊張感と集中状態。
無意識にだろうか、ぶつぶつと自分の成すべき次の動きを唱してアイゼルネへと反撃をさせる。

「簡単には倒れてやらないわ」

アイゼルネの2倍はあるだろう敵機体。レイナはその下半身を狙う。
ヴァンパイア・クロウで青巨神の左側の脚部へと一閃。切り抜けて、背後に回り込んだ。


クロウ以外にももっと攻撃を入れてやろうかと頭をよぎるが、これで攻撃は精一杯。
打ち止めである。
敵の行動に隙が無さすぎて、攻撃の機がなかなか巡って来ないのだ。
欲張って攻撃時間を伸ばせば、それは付け入られる隙になる。
攻めいるならば、敵の決め玉を凌いだ時。ダメージを与えるにはそれを虎視眈々と待ち続け、突くしかチャンスは無い。
レイナは意外にも事を慎重に考えていた。

【アイゼルネ:残りHP80%】

324レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/27(木) 22:54:24 ID:ArN3QwZM
警報と警告を告げるアナウンスが鳴り続けるコクピット内
ディスプレイにはサブカメラにより砂嵐混じりの景色と機体からの退避を指示する警告分が大きく表示されていた

>>318
>「レオンお兄様!!」
通信機から警報をもつんざく声の主はレイナ

「レディーは黙って男の帰りを信じて待つもんだぜ?…ちょっとみすぼらしくなったけどな」
>>315
このまま戦域外まで流れるかと思われたがほんの僅かな振動、砂嵐混じりの映像からは良く見慣れた機体の姿、エフゼロだ

「…ラウディ軍曹か。見事な空中キャッチだなぁ。思わず居眠りこける程の静かさだぜ…待ってろよ武器とメイン推進システムは守ってんだ!あの鉄屑を穴だらけにしてやる」

もっとも守れた武器はガンレイピアとマシンキャノン、そして翼を失った為切れ味の低下したソニック・エッジ
ミサイルは脚部そのものと背部に装備されていたウェポンバックのいずれもが敵の光線で吹き飛ばされて喪失している

コンソールとキーボードを弄る軽快なタイプ音が警報と共に響く
テスラドライブはおろか残された全身のアポジモーターは復旧しつつあるものの月の重力に引かれながら両機は高度を下げていく

>「助かったわ、軍曹。……あともう一つ、すまないのだがこの人と一緒に甲斐まで撤退して欲しい。すぐに」

それを聞いて慌ててマイクに近づき発生していた

「まだだ!軍曹のバックアップのお陰で直に飛べる!さっきのがマグレだって証明してみせる!」

端末を弄る速度は更に上げているが
推進系はまだ息を吹き返さない

325 ◆NcltM1gQ/Q:2012/09/27(木) 23:27:01 ID:ArN3QwZM
――――プトレマイオス郊外

白い大地を疾駆する巨大な黒い人影。その手には本体以上の全長の巨大な【出刃包丁】を携えて

背部の大型ブースターからは青白い巨大な炎が吹き
白い砂を吹き飛ばしながらプトレマイオスを目指し爆進する

「…戦況は…やはり、そうか…」

搭乗者はそう呟くと同時に黒い影の眼光が一層煌めきブースターの炎は
衝撃波を伴い爆音を発すると共に大きく噴き出し、ほんの僅かに、その足元が浮き上がり機体は更に加速する

「もう直ぐだ。皆、死に急ぐなよ…!」

326 ◆zv577ZusFQ:2012/09/28(金) 06:37:57 ID:tGjHKzYU
>>324
【「まだだ!軍曹のバックアップのお陰で直に飛べる!さっきのがマグレだって証明してみせる!」】

「わからず屋ばかり、そんな何人も要らないわ。……ラウディ軍曹、いいから行ってちょうだい」

先程、ヒツギの声をスルーしたのと同様にレオンハルトの強行もまた、絶対に認めてやらない。
早く撤退してくれとラウディ軍曹を急かすばかりだ。

「何も無理はしないわよ。私もあの巨神の隙を突いてから最後に離脱するから」

いつもの飄々とした余裕の有る様子からは想像も出来ない、明らかな無茶をしてまで戦おうとするレオンハルトのその姿。
それをレイナは自分の事を過度に心配してくれているからでは無いかと独自に考察する。
そう読解した上で、何も心配は要らないとレオンハルトに告げるレイナ。

327ラウディ@エフゼロ ◆E8ckRIIdug:2012/09/28(金) 07:28:22 ID:0q/0NDXk
 空気のない月面でエアブレーキも無いものだが、低空飛行程度で収まるまではエクセリオンのテスラドライブを復旧させる事に成功したようだ。
>>318
「……お兄様……」
 まず、そこだった。忍び笑いが隠せない。
「下がれと言われても……」
 彼個人としては、レイナよりマデリーンの指示の方に従うようしつけられており、そちらは……

>>324
「……中尉、提案があります。
 二機のブレイクフィールドを同調させて奴にぶつけるんです」
 つまりはツープラトンの体当たり。

328レイナ・カーマイン ◆zv577ZusFQ:2012/10/06(土) 17:49:09 ID:ycB/A4cU
月面での戦闘で殿を務めたレイナは、その役割を果たせず倒れ伏してしまった。

レイナの愛機アイゼルネ・ブルートは凄まじい再生能力により、無傷に等しい状態なのだが、それを操るパイロットの方に問題が起きたのだった。

強敵を相手に一度ボロボロにされたアイゼルネをマシンセルの急速活性で瞬時再生させる為に、コクピットの特殊システムへ左手を直に接続したその時に
突然、レイナを襲った激しい苦痛。
自身で胸を抱きながら、コクピット内で苦痛に耐え震えるレイナ。
熱を帯びた尋常では無い激しい吐息。発熱する身体。激痛。
それこそ歯を食い縛り、目尻に涙すらも浮かべそれを必死に耐えていた。
端から見ていても全く意味が解らないだろうこのレイナの突然の不調。
心配されるのを嫌い、レイナはまともに動かせすらしない震える指先で全ての通信を拒否させた。


―――ここで自分が倒れる訳にはいかない。弱味を見せる訳にはいかない。だからもちこたえてくれ。

その時のレイナの心境であるが、
結局は自身の愛機アイゼルネを動かす事は出来ずに、追撃に来た敵の攻撃を無抵抗に受け続ける。
限界を迎え、レイナが意識を手放したのはそのすぐ先の事であった。

しかしながら完全に意識を失う前に朧気ながら彼女が見た最後のヴィジョンは……。
どういう訳か、例の死のヴィジョンを完全回避したヒツギ・ハヤセの姿だった。
かくしてヒツギの死という災厄の未来は変わったと、レイナは人知れず安堵した。


そしてそのすぐ後に、実際にヒツギのゲシュペンストによりレイナとアイゼルネ・ブルートは救出される事になる。

――――――――――――――――――
……まだ死んでいない。
意識を失い、時折苦しそうにうめきながらも、レイナは必死に生きようとしていた。

レイナ・カーマインはこれまでもずっと抗っていた。
自分の身体があたかも別のモノに染まり侵食されていく様な嫌な感覚に。
その未知への侵食は時に激痛を伴い、レイナの身体の中。臓器方面に内側から負担を掛ける。
これは人在らざる身である事を忘れさせない為の戒め。あるいは呪いの様なものなのかも知れない。

しかしながら、彼女の身体の秘密は一部の人間にしか知られていない。
知られる訳にはいかないのだ。

329レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/10/06(土) 18:22:25 ID:BCOncwyE
>>328
「クソッ!!!」

レイナが伏せる病室の扉の向こう側で隔壁に拳を叩きつける
轟音と共に拳一つ分がめり込み、直径約50cm大のクレーターが形成されていた

「ヒツギは助かった…だが……!」

ぶっきらぼうにベンチへと座り込み天を仰ぐ
…あの時に突撃せず攪乱に徹していればレイナへの追撃は無かった
完全に初手を誤っていた
結局、例の騎士とのダメージにより飛行は出来たが左右のテスラドライブの同期率が安定せず、情けない事に引き返すハメになった

「……レイナは助かるのか?」

天を仰いだまま、イクリプスへと訪ねた

330使用人 ◆zv577ZusFQ:2012/10/06(土) 19:53:02 ID:ycB/A4cU
>>329
【「……レイナは助かるのか?」】

「それは予定通り地球に降下していただけるのでしたらですね。今は抗薬が病魔の進行を塞き止めていられます。
伊豆の屋敷にお嬢様の専門医が在住しておりますので屋敷の設備へと早急に連れて行ければ、最悪の事態は回避できるはずなのですが」

優秀な使用人は、やはり緊急事態でも取り乱したりはしない。
イクリプスは冷静にレイナの状況を少々イラついた様子のレオンハルトへ告げた。
淡泊過ぎるのでは無いかと思われるイクリプスだが、彼女とレイナの間には確固たる信頼が存在する。
我が主レイナが金属細胞の浸食ごときに負ける訳が無いと主の復活を信じている。

「それからもう一つ。
お嬢様から固く禁じられているので、この病に対しての深い説明は出来かねます。
私、使用人への追求はどうかご遠慮願います」

レイナが苦しむ原因は何なのだ?と間違いなく追求されるに違いないので、
それを先読みしてイクリプスは釘を刺す。
主からの直々の口止めなのである。イクリプスは例え何を言われようが、主の許し無しに答える訳にはいかない。

331ヒツギ ◆zwG.6Bg2jY:2012/10/07(日) 02:52:08 ID:nirygqH.
対しヒツギは顔を下に向けて腰掛けたまま、飲み物を手に落ち着いていた。
落ち着いていたというよりは疲れたといったほうがいいのだろうか、それもその筈ヒツギは既に騒ぎ終えた後だった
その結果何が分かったかといえば、この状況において何もできないということだけだ

「くそ・・・っ!!」
自分を助ける為にこうなったのだから彼女の言葉を聞いていれば変わっていたのだろうか?
自省の念がヒツギの中で渦巻く、手に持っていた紙コップがくしゃりとつぶれた

332 ◆JryQG.Os1Y:2012/10/07(日) 20:24:19 ID:A944LRys
ユウセイは、ただ静かに、レオンとは違う、ベンチに腰掛け、近くの窓から空を見ていた。

【俺のせいだ、念動力者である俺なら、】

演習の時の、レイナ嬢に真相を聞けてたら、少なくともこの未来には。
【俺と同じ境遇の奴を、クソッ】
ベンチをグーで殴る。


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