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汎用スレpart1

1 ◆vzVlxBPoGo:2011/09/26(月) 01:39:54 ID:lt3Zpmxg
スーパーロボット大戦世界の汎用スレです。
多様な場面のロールにお使い下さい
尚、戦闘は戦場スレでお願いします。

2ミカ ◆ZcWWqEU16Q:2011/09/26(月) 22:44:26 ID:faF3kno2
【プロローグ『彼女の旅立ち』】


『…………よし、テストは終わりだ。なかなか、いい操縦だな……ミカ・フランクリン准尉。』

コロニー周辺の宙域に、一隻の小型艇と白い機動兵器『パーソナル・トルーパー(通称PT)』がいた。そのPTのパイロットに向けて小型艇に乗っている軍需メーカーの社員が試運転の終了を告げる通信を入れた。

「……ハァ……ハァ…………っと、了解です!ミカ・フランクリン、帰投します。」

連邦宇宙軍のパイロットスーツに身を包んだ少女は通信に対して返答をし、機体を小型艇に向けて走らせた。
それから彼女のPTは無事に着艦し、即座に機体から降りてメーンブリッジに向かった。

「……おかえり、准尉。アルヴァローのテストはこれで全て完了した。貴官は予定通り、連邦宇宙軍独立遊撃部隊旗艦『シュタール』に転属となる。
そして、同時に連邦宇宙軍PTパイロットスクールの飛び級卒業だ。おめでとう……」

ブリッジには軍需メーカーのスタッフだけでなく、彼女が通っていた連邦宇宙軍のパイロットスクールの教官も同席していた。彼女はスクールで好成績を出しており、そこに目を付けたを『シュタール』のメンバーがスカウトしていたのだった。
それに伴い、連邦宇宙軍の主要軍需メーカーの新型量産機の先行量産型の一機が彼女にプレゼントされたのである。

「これで、晴れてアルヴァローが実戦に出せる…………いい戦闘データ、期待しているよ。」

「は……はいっ、ありがとうございます!!」

教官にメーカー社員にと、様々な人々から祝福と期待の眼差しを浴びる彼女は、少し照れながらも軍人としてシャキッと敬礼で返す。
そんなやり取りをしながら、小型艇はコロニーに戻ってゆく。


「准尉、アルヴァローはこちらでシュタールへ搬送しておく。貴官は指定時間までに乗船すればいい。
…………あそこのハドウ艦長は前大戦でも活躍をなされた信頼のおける方だ。くれぐれも無礼のないようにな。」

「はいっ、教官!今までお世話になりました!!
……ミカ・フランクリン准尉、いってまいります!!!」

宇宙港で教官に最後の挨拶を済ませ、ミカはザックを背負って買い物のためコロニーの市街地へと向かう。

3ヒカル ◆vzVlxBPoGo:2011/09/26(月) 23:44:30 ID:1lz8OqlQ
『プロローグ【勇者守護神】』

少年は夜空を見上げた
地球から遠く離れた、このコロニーでも
夜空と星は見える、誰も居ない自宅
両親は他界、少年は一人でこの家に住んでいる。
少年は星を眺めるのが好きだった……この間は何も考えなくてもいいから

――コロニー内研究所

「OS最終テストクリア!!」

「反応オールグリーン……っと所長やりましたね、おめでとうございます」

それなりに大きな規模の研究所だった。
格納庫らしき所に居るのは、所員兼秘書のまだ若い男性と
初老の男性の二人だけだった。
研究所の広さも研究員がこの二人だけなのも
ましてこの二人の組み合わせも聊か、不釣合いに見える。

二人の前には。
パトカーとそれを中心に巨大なトレーラーらしき乗り物と
鋭敏なフォルムの電車(新幹線と言うものだろう)
男二人で熱心に研究、開発するにはどうにも歪な物だ。

だが老人と男性は満足げに

「これが、新たな脅威から人類を守る盾」

「そして……脅威に牙を突き立てる、剣じゃ」

見れば二人の傍のモニターには、乗り物ではない別の姿。
そう、巨大なロボットの姿が映し出されている。
……まるで、この三機の乗り物が変形し合体したようなデザインだ。

「行けるんですか?月面帝国でしたっけ?あの連中に……パイロットもいないのに」

「戦わねばならんよ、これは……ウィンガードはそのための物じゃ、それにパイロットは何れ連邦軍に協力を仰いで見つけるさ」

「連邦軍に……我々は連邦の窓際族、所員二人の軍の場末の研究機関、話なんて聞いてくれますかね?」

「大丈夫じゃ、近々ハドウ大佐率いるシュタールって万能母艦がこのコロニーに寄航する、何でも戦力を集めているそうじゃ……月面帝国と本気でやり合うらしい」

「そりゃまた……偉い事で、じゃあもう連絡済みって事ですね〜」

二人は改めて、その乗り物達を見つめた。
新たな人類の脅威、それに立ち向かうべく作られた
その姿を、名前の通り人類の勇者と守護神となる事を願って……。


――????宅

少年はふと、その星に気が付いた
流れ星か?いや、違う
妙に数が多い、動きもおかしい、何だろう?

そんな思索に耽っていると
ふと気が付く
もうベランダに出て2時間は経っている。
少年は慌てて自分の部屋に戻る。
まだ中学生だ、明日には学校もある遅くまでは起きていられない。
部屋のライトを消す。

少年の名はヒカル・アマデラ
これから自分の身に起こる運命を
自分が辿る事になる道筋を、まだ知らない……。

4 ◆XBXunO3VT6:2011/09/27(火) 08:10:47 ID:o5fIw126
【プロローグ『黒の復讐者』】

「っ……ぐす。…み…んな!みんなどこぉぉ!?」

とあるコロニーの市街部は鳥獣を模した機体を筆頭にした数体の機動兵器の攻撃を受け真っ赤に炎上していた。月の強硬派による血の粛清が行われたのだ。
人々の冨の象徴である建物は高級な物から安価そうな家屋も何の関係も無く無惨に崩れ落ち、同じような瓦礫となってしまっている。
そんな灼熱地獄と化した街並みを黒髪の少女がよろめきながら歩いている。足を負傷している様で、今は走る事など到底出来はしない状態だろう。
少女は避難する途中で軽い爆発に巻き込まれ、たった今まで瓦礫に埋まって意識を失っていたのだ。
その結果、少女は偶然にも月の機動兵器による粛清をやり過ごした。
少女が歩いていくその周りには必ず幾つかの死体が転がって居た。部位の欠損した物、焼き払われ、思わず目を背けたくなる様な醜い屍となった物も沢山有った。

「ううう!……いやだよぉ。……どうして?……どうしてこんなこと」

少女は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながらそれでも歩く。もしかしたら自分の家族達は生き残っているかも知れないと言う一筋の希望を信じて。
だが、すぐに少女は見てはいけない物を見つけてしまう。既に事切れている家族を発見してしまったのだ。それも先程見た身元判別すら不可能な醜悪な焼死体の様なものでは無く、致死量の出血をしているものも比較的綺麗な状態で転がっていた。それが家族の死をより決定づかせ、彼女の希望は完膚無きまでに打ち砕かれてしまった。

「あ……ああああ……あ!!!!いやああああ!……お母さんっ!!…お父さん!!ダイチ!!……レミも!!……みんな!みんな!なんで死ななきゃならないの!?わたし、もう独りじゃない!!」

少女はただ家族の死体にすがりながら泣きわめくしか出来ない弱い人間だ。むしろそれでいいと思っていた。
だが、泣き続け涙も枯れ果てようとした頃、ふと頭にはコロニーを襲った火の鳥の様な機動兵器達がフラッシュバックし、何やらドス黒い感情が彼女を支配する。

「……ユルサナイ。……殺してやる」

その日から少女は復讐者となった。

―――――――――――――――――

「!?!?……ぅぅ?夢?」

ビクッと飛び起きる。
ここはアメリカから宇宙へ出発したシャトルの中である。上記のコロニーの話はどうやら彼女の見た夢だった様だ。

「ほんと……最低の目覚め」

頭でも痛むのか、こめかみを押さえ、しかめっ面をしているツーサイドアップの黒い髪の少女。彼女の名前はツバサ=センリ。民間企業ブラック・ワークスの社員でありテストパイロットを兼任している。
現在、連邦軍の独立遊撃部隊との合流予定ポイントへ向かっている最中である。

(軍の最前線部隊。そこでなら私の復讐を……ね)

彼女の目的はただ復讐する事だけである。その為だけに今の自分はある。そう考えている。

5妃碼嘩 ◆ZcWWqEU16Q:2011/09/27(火) 13:15:48 ID:lSVXycco
【プロローグ『煉獄の魔女』/前】

…………眼前には、無惨にも焼けてゆく街。爆音をあげて、立派だったビルは瓦礫となり、穏やかに育った樹木は灰に帰し、無力なる市民は焼け爛れて“ヒトであったもの”へとなり果ててゆく。
一言で喩えるならば、その光景は『煉獄』。炎に包まれた地獄である。

……………………どうしてこうなったのか。何故、宇宙に浮かぶ人口居住区『コロニー』が焼け野原にならねばならないのか。

「フフフ…………ガイアの子らも、この程度か。奴等の粛正とやらに付き合ってみたものだが…………これは呆気ない。少しは愉しめるものだと思っていたが、……………………厭きたわ。」

灼熱の業火の渦の中心で一機、滞空していたモノがいた。それは火の鳥、朱雀、鳳凰、不死鳥、そのどれをも思わせるアカの鳥獣。それはとても地球のモノとは思えない雰囲気を醸し出していた。
現に鳥獣と共にこの粛正を行った月面帝国のパイロットは味方ながらも恐怖していた。或る者は操縦桿を握る手が震え、また或る者は熱気の中にいながら寒気を感じ、他にも“ヒトであったもの”を目の当たりにして嘔吐する者もいた。


…………これはやり過ぎだ。余りにも酷い……………………


多くの月面帝国兵はそう感じていた。……………………ただ、朱い鳥獣に乗る彼女を除いて。

「フフフ…………アハハハ…………」

全てが灰へと変わりゆくコロニーの中で一人、愉快にから嗤う魔女。無下に焼けゆく人々の悲鳴や嗚咽、そして彼らの恐れを、彼女は己の悦びとした。

……………………魔女はただ、虐殺を愉しんでいた

「…………何か、もっと私を昂らせるモノは……………………そうだな、アレが丁度良さそうだな。」

退屈凌ぎと彼女がたまたま見つけたモノは燃え盛る街で逃げ惑う少女とそれを懸命の探しているだろう家族であった。

…………あと少し、あと少しだけ走れば少女は家族と再会出来る。そんな僅かな距離であった


「フフフ…………お前に“所以”をやろう。生きる所以、闘う所以…………さぁ、絶望に抱かれるがよい。」

魔女は迷いもなく、ただ鳥獣の右手にある火炎砲の引き鉄をひく。ただ一点、少女を探す家族の居る場所に向けて………

6 ◆uTkuQH8JvI:2011/09/27(火) 15:32:24 ID:/RXEya0E
【プロローグ アナトリア編 気楽!極楽!傭兵稼業!!その終わり】

地球 ユーラシア北部積雪地帯

白銀に染め上げられた岩山、その麓になにやら不穏な気配
ここは先ほどの大戦で、連邦軍を一時的に追いつめた組織の残党が隠れる施設
年中を通しての積雪と吹雪で、天然の要害として、これまで連邦軍の部隊を退けて来た
そこで連邦軍は苦肉の策とばかりに傭兵に仕事を依頼した
依頼された傭兵はアナトリア・ラインアーク
先の大戦でそこそこの活躍を見せた傭兵、腕と依頼料とのバランスが絶妙との評
彼女が駆る機体はファンタズマ・グローリア
既存の機体とは一線を画す、細いシルエット。色は今回は迷彩も兼ねて白く塗られている
赤いモノアイが怪しく光っている
彼女は現在、基地まであと2kmといったところでブーステッドライフルを構えている
基地を守る敵機動兵器をそのスコープで捉えていた
基地周辺の防衛施設をかいくぐり、ここまでやってくるのにいささか神経をすり減らしすぎたのか、コクピットの中の彼女は
いささか疲れた様子だった

「やっとここまで来た。私は少々疲れました」
彼女が深いため息を出すとすかさず
『頑張れ、後少しだ』
支援AIがハッパをかける。この支援AIは主に火器管制や照準補正の役割があるが、気の利いた開発者が高度な会話機能を搭載させていた
「疲れ知らずのあなたに、言われても余計に疲労感を感じるだけ」
『そんなことはない。右足の関節が摩耗し始めているし前部装甲板の一部が凍結を開始している。人間で言うところの疲労といえるのではないか?』
「おしゃべりなあなたのせいで、私の疲労はさらに5%アップです」
言い終わる頃には狙っていた機体は爆発していた
『ここからは時間との勝負だ。思い上がった革命家気取りの残りかす共を殲滅したらいい。いや、しろ』
「機械に命令されるのは、人間として大切ななにかを失った気がする」
数十分後、防衛戦略の大半を失い、連邦軍本隊に占拠された
「任務完了」
『次の依頼も連邦軍からだ。今回からは連邦軍に所属することになる。明日から公務員だ」
「知ってる。スカウトされたのは私」
アナトリアは吹雪く極北の空を見上げた。その先にある新たなる戦場へ想いを馳せながら

7 ◆ZcWWqEU16Q:2011/09/27(火) 18:38:46 ID:F1wg3tj6
【プロローグ『煉獄の魔女』/後】

放たれた業火によって家族はあっという間に“ヒトであったもの”へと変貌してゆく。藻掻きながら、苦しみながら、最後の最後まで娘の名を叫び、地に臥せる。

少女は程なく“家族だったもの”が居た場所に辿り着き、其れを目撃するだろう…………

「…………これであの娘は私に対して憎悪と殺意を抱く。そうすれば、あの娘は私に復讐をしに足掻いてくるようになる筈だ。
……………………そして、あと一歩で復讐を完遂出来る所を私が返り討つ…………フフフ…………ハハハ…………!!実に愉しいだろうなぁ、復讐のために闘う道を選んだ少女の己の“生きる所以”を粉々に壊された時の絶望というものは!!」

穢れ帯びた空気を纏って焼け野原を見下す鳥獣に向けられた少女の憎悪は、魔女を悦ばせていた。…………堪らなく心地が良い、無力なる者から浴びせられる怒りや哀しみは。

「……………………さて、種は蒔いたぞガイアの子らよ。芽を摘み取る時には精々、私を愉しませてくれ…………」

自分の行動に満足したのか、魔女を乗せた鳥獣は月面帝国の他の機体を無視して勝手にコロニーから離れた。

「……………………あぁ、私だ。予定通りに滞りなく焼いておいた。
あの天体だが…………フッ…………面白い使い道を思いついてな。外側はカタチを保っておいた。詳しくは後で話そう。」

月へと帰投する途中で、魔女は誰かに連絡を取っていた。相手が誰なのかは…………

「……………………それと私のこちらでの名前なのだが、翻訳機によれば真名の『朱の紅の姫』を訳すると『妃碼嘩・ルージェ・アドゥーム』となった。よくは分からないが、ガイアの子らにはそう名乗ると決めて…………な。
これからは『妃碼嘩(ヒメカ)』で頼む。それでは、………■■■■■■■■」

最後に彼女が発した言語は地球のものとは大きく異なるものであった。



……………………これが事の始まりである。

8 ◆vGTe9D4z5Y:2011/09/27(火) 21:34:56 ID:BKH7SCAk
【プロローグ アオイ・キリシマ】
「キリシマ軍曹、今日をもってして、連邦宇宙軍所属だ」
連邦軍制服をまとった少女──正確に言うと服に着られている少女が上官から声をかけられる
現在の地球は比較的安定している
DC残党が多少の動きは見せるが、従来の勢力でも十全なものだ
一方で、月面帝国の決起により、今宇宙は混沌の渦にある
連邦宇宙軍はそれこそ猫の手でも借りたい勢いだ
貴重な念動力者を地球側に割るようなことはしない
特に彼女は軍の最新鋭機を駆り、非常に強力な念動力をもつとされている
必然回されるのは最前線
「キシリマ軍曹、大丈夫やれるさ。君にはそれだけの力がある、頑張りたまえ」
上官がポンと肩を叩き、激励を飛ばす
転属の書類を受け取ると、大きく溜め息をついた
慣れ親しんだ地球を離れるのは流石に抵抗がある
宙間戦闘の経験も一切ない
「……でも、やるしかないよね」
一人でも多くの命を救いたい
──その意志にオンスロートは反応したのだから
次の日、彼女を乗せたシャトルがシュタールに向け、飛び立っていった

9 ◆zwG.6Bg2jY:2011/09/28(水) 21:09:26 ID:tNnTE4cw
【プロローグ ――――――アスト・ゼイビア】

星々の光が彩る闇の中、青い流星のように火を燈し翔る姿があった。
丸々とした白く小さな星を背中に、その向こうには青く美しい地球の姿が見え隠れしている

「クッ、もう追っ手が来たのか……っ!」
パイロットスーツも着ずにコックピットに座り込む男は、後ろから迫るその影に気がつくと周囲へと目を配った

―――― 身を隠せそうな場所や、デブリはこの一帯には無い

「こんなことを言える立場じゃないかも知れないが、騎士として背中を見せるわけにもいかない……!」
機体を旋回させ、追跡者へと向き直る
左の手に持つ盾を構え、視界いっぱいを睨み付けた

10 ◆TtasBXElB2:2011/09/28(水) 21:17:18 ID:JD9vtNxw
>>9
「いたぞ!」
騎士のような外見をした機体に接近する機体のパイロットが叫ぶ。
「奴はテストすらまだまともにされていない!攻撃を仕掛ける!」
機体が持つM950マシンガンが白い騎士に対して火を噴いた。

11 ◆vzVlxBPoGo:2011/09/28(水) 21:22:04 ID:8D4V.Ur6
>>9>>10

「了解、逃がすな!!」

「脱走機体を発見!本部、本部に連絡!!」

その白い騎士の機体と対峙するかのように
仲間と連携を取りながら、攻撃を仕掛け、近付く機体

マシンガンの銃口を向け
その騎士の如き機体に向け、一気に放つ

12 ◆zwG.6Bg2jY:2011/09/28(水) 21:35:45 ID:tNnTE4cw
>>10>>11
放たれた銃弾に臆することは無い
重力の網から開放された世界で、むしろ砲火とすれ違うかのように一直線に加速をつけてくる。

勇ましさすら感じさせるその力強い動きと溢れ出る覇気が、
まるで機体を燃え上がらせているかのようにも見えた。

盾を前面へと構えて機体を左右にぶらしながら迫る。
チリチリと装甲に銃弾が掠り、盾に鉛弾が叩き付けられ火花を散らしていた
その動きから、一般の兵と白い機体のパイロットでは実力の差は明らかといえただろう。

「『行かせてくれ』なんていえない……だから、押し通らせて貰うっ!」

接近した一機の視界を覆うように盾が押し出され
その隙を突かんと滑り込むように右手に握られた長剣が伸びる

13 ◆vzVlxBPoGo:2011/09/28(水) 21:47:09 ID:8D4V.Ur6
>>12

流石は騎士と呼ばれた、その男故の行動だろうか?
いい判断とセンスは、一介の兵士のそれを完全に圧倒している

「ひッ、ひいいいい!!来るな!!来るな!!」

放った銃弾は、回避された物以外は
盾に弾かれる

やがて、その白い騎士の右腕から伸びる長剣が
その内の機体に突き刺さり、食い込むように……

「ぎゃああああああああッ!!」

【リカーナザンス残りHP0%】

ドォウンッ

派手な爆発音を上げて、傍で撃墜される味方機体

「野郎ッ!!倍返しだッ!!!!」

その背後を目掛け
撃ち漏らしたリカーナザンスが武装を展開
火炎放射器を向けて、背後からその状態のモレトス目掛け、それを放った。

14 ◆zwG.6Bg2jY:2011/09/28(水) 22:44:30 ID:tNnTE4cw
>>13
騎士はすぐ様振り返り、左の盾を前に構える
炎によって赤く照らされながら、熱によって染め上がりながらも距離をつめてゆく。

熱による内部への負荷と装甲への蓄積ダメージがコックピット内に知らされる
炎の壁を突き抜けるようにして伸ばされた切っ先は確かに敵へと向かっていった

敵の機体を一閃に撃ち貫く白刃、だがそれは―――――


   ――――その道筋を辿れば、リカーナザンスによって握られた武器があった


リカーナザンスのパイロットがとっさに盾にしたのか
それとも炎によって視界が遮られていた為偶然貫いたのかは分からない。

「――――しまっ……!!」

火炎放射器のダクトからあふれ出す燃料は、既にスパークを始めた動力炉に触発される。

それは一瞬の出来事、儚い星が1つ、暗闇を照らし消えていった

15 ◆maj0cqbB5s:2011/10/02(日) 04:49:08 ID:GOmDbEy6
【プロローグ:エンディミオンの悪鬼】

エンディミオン市。
フンボルト海近のクレーター上に位置するその大都市は『月面最後の中立地帯』として戦火を遠ざけ、民を守り続けていた。

だが、それも数日前までのこと。
開戦以降、帝国の圧力にじりじりと蝕まれつつあった中立思想は、月面への最後の足掛かりを失うまいとする連邦軍の強引な進駐により、たちどころに均衡を失い、崩壊。
シーン市長一家の惨殺を皮切りに、一帯は、月面帝国と連邦宇宙軍との武力衝突の舞台と化した。

後生、エンディミオン戦役と呼ばれるの開戦から2日。
焼けただれた、真新しい鋼の骸が散乱する宙域に、それは現れた。

「カノープス、轟沈!!」
「リーアム隊、応答ありません!」
「敵影健在! ほ、本艦に急速接近!!」
「対空防御、何をやっているか! 撃ち落とせ!!」

艦側面から放たれる無数の光軸。しかし、そのいずれもが対象を貫くことなく、宇宙の闇へと吸い込まれていく。
「あ、あり得ん…! ペレグリン級三隻もの戦力をもって…!?」
未知の機影が翻るごとに、一機、また一機と、艦載機であるゲシュペンストの反応が消失する。
よしんば無事に拠点へと帰還し、ここに至るまでの経緯を報告したとしても、信じる者はまず居ないだろう。
たった一機のPTが、この窮状を引き起こしたなどと。

「て…敵機より、高エネルギー反応!! カノープス撃沈時と同一の…!!」
「やむを得ん!! 総員、退艦命令……」

そこまでを口にして、艦中は息を呑んだ。
ブリッジの正面に伸びた、緑色の光の柱ーー大口径ビーム砲の火線かと思われたそれが、時計の長針のごとく宇宙に弧を描き、
周辺のゲシュペンスト諸共、隣接するペレグリンの船体を両断していく光景が目に映ったのだ。

「ば……」

そして、軌道を変えた光が、灼熱と共に彼の立つブリッジを照らした。

「化け物……」

16 ◆maj0cqbB5s:2011/10/02(日) 05:17:19 ID:GOmDbEy6
「『エンディミオンの悪鬼』……? あんなガキがか?」
「シッ、聞こえるぜ……」

すれ違いざま、青年は連邦軍兵たちの囁きを耳にした。
今更気にはしない。これまでに渡り歩いてきたどの艦でも、乗員は似たような反応をした。
恐らくは、次の異動先撿撿シュタールなる艦でも、似たような視線に晒されるのだろう。

廊下を抜けた先の格納庫で、青年は悪鬼の片割れと対面する。
その濃紺の機体の胸部へ、無重力を活かして一足に跳ぶと、何やら計器類を繋げて悪戦苦闘している男たちの背に言葉をかける。
「『ESシステム』の調整でしょう? やりますよ」
静かだが通りのいいその一声に、整備士の一人がギョッとして振り返る。
「やりますったって、お前…」
「慣れてます。それに、俺以外には無理ですから」
手際よく身を切り返して、開け放たれたコックピットのシートに背を合わせる。
その瞬間に、気持ちが落ち着くのがわかった。
エンディミオンを発ったあの日から、このシートの感触だけは常に変わらない。
まるでこのコックピットだけが自分に許された居場所であるかのようで 、
青年は安堵と共に、微かな嫌悪の念を覚える。

(いつまで、こんなことを続ける……)

瞳を閉じれば、念に共鳴したマシンの駆動音が低く響き始めた。

17ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/04(火) 00:08:32 ID:Dse3BgE6
――コロニー、シュタール停泊基地前の公道

「……」

パトカー形態のウィンに乗り込み
その中学の制服姿の少年は、シュタールから出てきた。
少年の顔は相変らず浮かないが

成り行きで、若干理不尽だと感じても
もはや致し方のない事だった。
この艦で作戦に従事しなければならない。
素の為には先ず荷物をまとめ、必要なものを買出しに行かなければならない
幸い、家は少年一人で暮らしていた為、なんとかなる。

そこで、ハドウ艦長の許可に従い
コロニーの街で必要な買い物をする事にした。

ウィンを車として出す許可を貰ったため。
部隊の、やはり買い物目的の数名を事のついでと乗せていく事にした。

「あ、あのー……皆さん、同じデパートでいいんですよね?」

若干緊張気味に
同行の何人かに、そう尋ねた

18 ◆maj0cqbB5s:2011/10/04(火) 00:35:57 ID:8Lw1fWQM
>>17
「ああ…ここなら、大体のものは揃いそうだな」
顔合わせの印象からすれば、一二を争うほどの意外な人物が後部座席から現れた。
ダークブルーのシャツに明るいグレーのネクタイ、その上に同じくライトグレーのトレンチコートを纏った、ロディ・シーン伍長だ。
(穴の開いた裏側と比べて、こっちの区画は落ち着いてるな…)
「…ヒカル、だったな。上の階から順に回って見る。それでいいか?」
自然体というか、相変わらず低めのテンションでヒカルに尋ねる。

19ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/04(火) 00:59:51 ID:Dse3BgE6
>>18

「あ、ロディさん……解りました、ではデパートに向かいます」

同乗しているその青年
ロディに同意し、パトカー形態のウィンを発進させた
この状態では、普通の車と(パトカーだが)大きな違いは無い。

「はい、僕もその方がいいと思います……」

デパートの座標を入力し
キュルルルル、とタイヤを回転させ自動で発進、動いていく。

ヒカルは萎縮している、と言うより
まだあまり話したことの無い人物で、慣れないと言うのが
主だった所のようだ。

「ロディさんは、何が必要でしたっけ?」

デパートへと向かって行く車内で
徐にそう聞いた。

20アナトリア ◆uTkuQH8JvI:2011/10/04(火) 01:02:13 ID:8sUedY0s
>>17
「ふむ、私の効率的な攻撃で破壊されてなくてよかった」
短い金髪の下に20代も半ばに差し掛かった割に少々幼い顔つきである
服は水色のワンピースにサンダルと夏の令嬢と言った服装だ
おまけに白いつば広のお嬢様帽子まで被っている
やたら胸部が盛り上がっているのが周囲の男性の視線を誘う
そんな少々場違いな格好でデパートの間に降り立った

「さて、ヒカルさん。お姉さんがアイスをあげましょう。これでも私は元凄腕の傭兵です
なんでも好きなアイスを奢ってあげるぐらいのお金はあります。」

>>18
「エンデュミオンの悪鬼さんとデパートデートとは私はいささか緊張してしまいます
ふつつか者ですが、よろしくお相手ください」

ロディにぺこりとお辞儀した

21ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/04(火) 01:11:06 ID:Dse3BgE6
>>20

「あ、は、はい……よろしく、お願いします……」

コロニーの戦闘から外れた区画、そこは被害はあまり無い様で
道路も商店も普通に機能していた。
車を走らせる最中、ヒカルは聊かその女性(主にそのスイルのよさや、思わず目を引く容姿と服装)に
緊張しながら、そう挨拶し

「あ、すいません、ありがとうございます……じゃあストロベリーを……」

ウィンをパーキングに駐車し
(自動ゲートだったので、特に人の目に止まる事はなかった)
アナトリアの言葉に、そう若干戸惑いつつも答えた

デパートは、それなりに大型のショッピングモール、と言った具合だ。
いろいろな物が一気に揃うだろう。

22アナトリア ◆uTkuQH8JvI:2011/10/04(火) 01:18:26 ID:8sUedY0s
>>21
「店ごとと言わない当たりが謙虚でお姉さんは好印象です」
アナトリアは今日も笑顔を絶やさない

「隊で頼まれた物以外は自費で……メモにはそう書かれています
公金横領は真面目な私にはとても出来ない重犯罪、ヒカルさんはお金が足りなければお姉さんを頼ればよろしい」

『そうだぞ。お子様はお姉さんに甘える物だ』
クマのぬいぐるみが喋っる中にはセレンが入っている

「それにしても、君は幼いのに巻き込まれて大変だな」
どこか他人事のように話す

23アオイ ◆vGTe9D4z5Y:2011/10/04(火) 01:35:49 ID:pHwxKFf6
>>17
「正直びっくりかな、まさかこんなすぐにみんなで出かけることになるなんて」
お互いよくわからないままでいるよりは、こうやって交流をはかれたほうが良い
アオイの積極性に欠ける性格では、ここ数日ではほとんど話しかけることは出来なかった
今日出かけるとしったアオイはここをチャンスと思い、少しでも仲良くなろうと心に決めていた
・・ただこうやって出かけるとたいてい事件が起きるというジンクスがあったため、少し不安材料ではあったが。

24ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/04(火) 01:42:10 ID:Dse3BgE6
>>22

「い、いえ、そんな……会ったばかりなのに、奢ってもらうなんてそれだけで悪いですから……」

そう照れたように言って

「い、いえ、それは……流石に悪いですよ、お金は一応持ち合わせがありますから……」

両親の死後その遺産を受け継ぎ
生活する少年は、一応ある程度の蓄えは有り
身支度を整える程度なら、賄えると

「ぬいぐるみが、話した!?AIか何かですか?」

そのぬいぐるみを興味深げに眺め
やがて、掛けられた言葉に

「……半分は僕の行動が悪かったみたいですし、逃げられそうも無いので、諦めました……」

と、俯きながらもそう答えた
顔には諦めの表情と、絶望感、そして不安が見て取れる。

ロディの言うとおり、最上階から順々にと言った具合に周る様だ。
最上階は服の店が、幾つもショップを出している。

「自由行動中の服と、下着と靴下と……」

着の身着のまま乗り込んだメンバーは
ここでの買い物は多そうだ。

25ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/04(火) 01:47:18 ID:Dse3BgE6
>>23

「気持ちは、解ります……初めて会った人ばかりで……」

加えて今まで一般の世界からは
ある種隔絶されたような、連邦のパイロットの人々だ。
緊張も大きい。

居心地の悪さと、不慣れを感じながら
それを隠すかのように、アオイに笑顔を作ってそう答えた。

「先ずは最上階、服のショップですね……買う物が多そう……」

デパートの最上階、多くの服のテナントが軒を連ねる階だった。
自由行動中の私服、普段の下着や靴下、着の身着のままでシュタールに乗り込んだメンバーは
ここでの買い物も多そうだ。

26 ◆zwG.6Bg2jY:2011/10/04(火) 01:50:48 ID:pKDIew0Y
>>24
「服……」
そんなメンバーから少し離れた後方に青年はいた。
このメンバーの中で、彼ほど何も所有していない人物は居ないだろう。

本来ならば彼はこの買い物であらゆる物を調達しておかなければならないのだが―――
そう、彼はその身一つで機体に乗り込み脱出してきている
剣を袋にも入れず鞘に収めた状態で乗り込んでいたほどだ、よほどの緊迫状態であったのだ事が伺えた
つまりは

「お金が無い以上、俺はついてくる意味はあったのだろうか……」

護衛という名目の元、必要な品を買ってこいと言われてはいたが
無い物は出せない。
そして何よりも鞘に納めているとは言え剣も持っていない、護衛として必要だったのか――――
なんて事を考えながら、かけられている布の塊を視線を移しながら見ていた

27ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/04(火) 01:57:34 ID:Dse3BgE6
>>26

「あ、え、えーっと……」

その様子に少し困惑したヒカルが、アストに声を掛ける

「アストさん、その……必要な買い物はしなくていいんですか?」

事情を察しかねたヒカルが
やや、明後日な質問をする
私服はまだいいとしても、靴下、下着、防寒具と言ったものは必要にはなってくる
周囲の服を眺めて動かないアストに、不安げに声を掛ける

だが、そこで気が付く

「あ、お金でしたら、ハドウ艦長から公費としてアストさんの分は出すように預かってますよ」

青年には持ち合わせの通貨が無かった
故に買い物が出来なかった、と。
事前にハドウから言付かり、公費を預かっている事を告げる。

28アナトリア ◆uTkuQH8JvI:2011/10/04(火) 02:00:09 ID:8sUedY0s
>>23
「確かに、ただ私はいつでも誰にでもフレンドリーだ。」
誰にでも笑顔で接しようとするのがアナトリアの生き方だ
別に過去に何があったというわけではないが彼女は昔からそうだった

>>24
「そうか、ヒカリ君の年齢ぐらいなら私はいつでもお腹をすかせていたものだがな」
これも生まれがどうこうというわけでもなく、ただの食いしん坊なだけだった
彼女の過去は平凡に彩られていたそんな彼女がなぜに傭兵に
それは後々に語られるかも知れない

>「ぬいぐるみが、話した!?AIか何かですか?」

「察しがいいな、そうだAIだ。元はファンタズマ・グローリアの火器管制のためのAI
しかし、開発者が悪ふざけで自分の奥さんの人格を投影してしまったのです」

『まったく迷惑な話だ』

「オリジナルと会うたびに楽しそうに話すくせに」


>「……半分は僕の行動が悪かったみたいですし、逃げられそうも無いので、諦めました……」

「諦めると言うか。まあ、ヒカルさんには許容し難い事態でしょうね。確かに仕方がない」
アナトリアは納得したような仕草の後、それ以上追求しようとはしなかった

その後はふらっとどこかに消えたが……

「確かに年齢相応の下着だな・・・・・・」
下着を物色しているヒカルの後ろから声をかけた

29ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/04(火) 02:07:03 ID:Dse3BgE6
>>28

「へえ〜、凄い技術……こんなに自然に会話できるAIは初めて見ます」

純粋に感心しているようだった。
ウィンにもAIは搭載されているが、こうも人間らしく会話したり思考したりはしないからだ。
人格を投影、と言うのも興味深いと感じた

「ええ、本当は日常に戻って、何もかも忘れたかったのに……」

仕方がない、仕方の無い事だった。
彼の日常は、まさにあの戦いの瞬間から壊された。
経緯はどうあれ、そこに戻る事はもう出来ないだろう……。

そして下着を選んでいる後ろから

「わッ!?ちょ、ちょっとアナトリアさん!」

急いでそれ(トランクスタイプのパンツ)を隠すようにして

「な、何を観察してるんですか!?ふ、普通のパンツですよ!」

随分と恥ずかしそうにしている。

30アナトリア ◆uTkuQH8JvI:2011/10/04(火) 02:21:06 ID:8sUedY0s
>>26-27
「騎士様らしい甲冑はどうでしょう?
探したらあるかもしれませんよ。ここは広いですし」

アナトリアはからかっているわけではがバカにしているようにしか聞こえないだろう
アストには決してそのようには聞こえないだろう

>>29
「そうだな。人格コピーだからこその精度だ。どうやって人格コピーをしたかは企業秘密らしい
しかし、自分のお嫁さんをコピーに選ぶとは悪趣味だ」

『まったくだ』

>>「な、何を観察してるんですか!?ふ、普通のパンツですよ!」

「いや、なに君がなにやら悩んでいるようだったから、青少年の悩みというもに興味があった」
ヒカルが隠した下着を観察しようと首をのばす

そのあと改まったように咳払いをして話し始めた
その顔はいままでとは違ういたって真面目な顔だ

「やめたければやめればいい。艦長も許すだろう
未成年を戦場に置いておくほうが異常
でも、戦場に身を置くのも悪くない、私は傭兵であったときや今の生活を非常に気に入っている
しばらく戦って合わなければ、一段落ついた後にでもやめればいいさ
死ぬ心配はしなくていいぞ。私のそばにいる限りはな」

言い終わったあと、いつもの笑顔に戻った

31 ◆zwG.6Bg2jY:2011/10/04(火) 02:26:48 ID:pKDIew0Y
>>27
「公費として?だけど……」

押し黙り、何かを考え始めた。
確かに、このままでは軍の至急品を使うだけだろう。
となれば、ここは好意に甘えておくほうが正しい選択であろうか……

「分かりました、では必要最低限の物だけ購入させていただきます」

そう返すと、下着類に手を伸ばし始める。
どれもシンプルなボクサーパンツ……それとインナーとしてのシャツだろう

32ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/04(火) 02:29:07 ID:Dse3BgE6
>>30

傍から見ていればそれはぬいぐるみと女性の
シュールな掛け合いで、そして光景だけ見れば非常に残念にも見えるかもしれない

やがて、その下着を隠そうとする
(ちなみに色は黒、グレー、青のトランクスだ柄は地味目だが)

「な、悩んでなんて……少なくともパンツでは悩んでないですよ」

とそう、後半部分は声を小さくしてだが
言った。

「え?そ、それは……」

ふと真面目な話に切り替わる
確かに先のコロニーの戦い
少年は無我夢中で交戦した

しかし、少年にはその実感が無かった

戦ったという実感が
あるのは途方もない恐怖、それだけだった。

「よ、よろしくお願いします」

ただアナトリアの
その無性に安心できる笑みと言葉に
少年はそう答えた。

私服も選び、レジに進む。

33ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/04(火) 02:32:57 ID:Dse3BgE6
>>31

「それなりの額は預かっていますので……好きなのを選んでいいと思いますよ」

そう、頑なに
必要最低限の品物を、とするアストに
一足先に買い物を終えたヒカルがそう言った。

アストはその状況から
最も買う物が多いように見える、それを見越してそれなりの額を預けた
そう言うことだろう。
故に遠慮は無用、と。

「あ、お会計の時は言って下さいね、お金出しますから……」

そう言って、ヒカルはアストを待つ事に

34 ◆zwG.6Bg2jY:2011/10/04(火) 03:15:38 ID:pKDIew0Y
>>30
「甲冑……はちょっとないですね」
いやいやと手を振りながら、困ったように笑っていた。

>>33
「ありがとう、キリシマさん」

とはいっても本当に最低限の物しか手に持った様子は無い。
性格というべきか、それとも余り迷惑をかけたくないのか……分をわきまえているとでも言うべきか―――
特に装飾も無いシンプルな物ばかり……一つ不思議な物があるといえば、それは長い竹刀袋だろう

「これだけだが……大丈夫だろうか」
心配しているのもまた、彼らしいというべきか

35アオイ ◆vGTe9D4z5Y:2011/10/04(火) 03:26:01 ID:pHwxKFf6
>>25
「そうだね、私も最初はびっくりだったよ。だって、周りはみんな年上だったし」
思い返すように言葉を口にする。
彼女のいた部隊もちょうどこんな感じの年齢層だった。いたのはたったの二ヶ月だったが、どこか懐かしく感じてしまう
「でもほら、私含めて軍人っぽくない人ばっかりだし、そっちはすぐに慣れるはずだよ」
そう言ってはにかむように笑った
「せっかくだから服いろいろ買おうかな」
普段は軍服とはいえ、彼女も年頃の少女
そういったものに興味がないかと言えば嘘だ
ちなみに今の服装はホワイト系のレースカットソーに、青のフレアスカートといったものであった

>>28
「誰にでもフレンドリーな方がいいですよ。みんなと仲良くなれた方が絶対楽しいですから」
彼女の言葉に同意するようにうなづく。
「・・・そういえば、自己紹介きちんとしてませんでしたね。私はアオイ・キリシマです。よろしくお願いします」
握手を求めるために、手を差し出した

36 ◆maj0cqbB5s:2011/10/04(火) 09:00:17 ID:8Lw1fWQM
>>19
「俺は……整髪料とか洗面用具とか、それとコーヒー、かな」
素直に、好物を買い求める旨を挙げる。
敵の潜伏地点が割り出せていない以上、追撃が望めない以上、ロディもロディなりに、オフの状態に切り替えようとしているらしい。
「ヒカルやアストさんはいろいろ必要だろ? 俺はそんなに大荷物にならない。荷物持ちをやるよ」

>>20
「それは、帝国にいた頃の呼び名ですよ。今はただのパイロットです」
アナトリアの言葉に、特に不機嫌になるでもなく答える。
皮肉や当て付けで言われているわけではないと、何となくわかるからだ。
「……いや、パイロットですらないか、今は」
彼女に弄られるヒカルを見ながら、ぼそっと呟く。
こうして一行の様子を眺めていると、とても軍隊の買い出しとは思えない雰囲気がある。
不思議な感覚を覚えながら、ロディも自分の予備の肌着を見立て始めた。

>>30
と、そこで二人の会話の内容が耳に入ってくる。
やめたければやめてもいいーー。
「……」
ヒカルがアストに買い物の状況を確認しにいくのを見計らって、彼女に声をかけた。
「……アナトリアさん」
その顔には皮肉でも憤りでもなく、どちらかといえば希望的な色が浮かんでいる。
「あいつをやめさせられるタイミング、有りそうなんですか?」
そうした場合、少なくともハドウ艦長は力になってやるものだろうと、先程のやり取りで実感している。
あとは、軍の事情に明るく、経験の豊富そうなこの女性に太鼓判をもらえるなら、安心できそうな気がしたのだ。

37アナトリア ◆uTkuQH8JvI:2011/10/04(火) 13:57:42 ID:8sUedY0s
>>32
「大船に乗ったつもりでいたらいい、ヒカル君を守るのは私だけではないだろうさ」
彼がレジに進む前にそう声をかけた
本人も柄にもないことをいったかなと思ったがもう一言だけ

「だけど、男の子として守られてばかりというのは情けない」
『ロボはいっちょまえなんだ。頑張れば君の力になるさ』
彼女はそう言ってヒカルに先ほど買ってきたダンベル(10kg×2)を渡す
「私からのプレゼントだ。これで体を鍛えよう」

>>34
「そうか、騎士としては残念だね?」
アナトリアは少しだけ悲しそうな顔をした]

「私も甲冑を探したけどなかった。このデパートは期待はずれだ」

>>35
「そう、楽しくないところに価値はない
家も職場も戦場も楽しくなければ、私は離れるさ」

「アオイさんこちらこそよろしく」
アナトリアは彼女の手を優しく握り返した

>>36
「そうですか、ならパイロットさん
冗談です。ロディさん、ごめんなさい」
彼女はぺこりと頭を下げた

その後、ヒカルがレジに並ぶ間に声をかけられる

「やめさせる?私にそのような気はない。彼が自分からやめると言うなら、私は助けてあげる
彼が戦いを選ぶとしてもそれはそれで助けてあげるけど」

おそらく、アナトリアの言葉はロディが望む言葉ではない
しかし、彼女は無理矢理、彼に何かを無理強いさせようとは思ってはいない
自ら生きる道を決めた彼女は、ヒカルにも自分の道を決めて欲しいと少なからず思っていた

38 ◆maj0cqbB5s:2011/10/04(火) 16:10:54 ID:8Lw1fWQM
>>37
アナトリアの言葉に俯くが、特に落胆したり、反発するわけではなかった。
「……選択権があるなら、それでいいんです。無理強いされるわけじゃないっていうなら。ただ……」
視界にヒカルとアオイを収めて、ロディは目を細める。
「俺が14や15の頃には、普通に家族がいて、学校に行けば友達とか好きな女の子がいて。
勉強したり、遊びに行って馬鹿みたいなことではしゃいだり……
帝国だのエアロゲイターだのなんて考えずに、毎日そうやって暮らしててよかったはずなんです。そういうのが、一編に吹き飛ばされて、二度と戻れないなんて、
普通のことじゃないと思ったから……」
そして一つ息を吐くと、自信もレジに向かって歩き出した。
どうやら、彼も、ヒカルやアオイと似たような経緯を辿っているようだ。

39ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/04(火) 22:27:38 ID:2rd0FfYA
>>34

「これですね、解りました、今お金払って来ます」

そう言って、アストから品物を受け取り
レジに持って行こうとする

内容を見て
「シンプル、だな……」

と呟き、そしてソレに気付いた

「え?竹刀袋??アストさん、これ買うんですか??」


>>35

「うん、それよく解る気がします……今まさにって言う訳じゃなくて……その環境も周りの人も全然違うから」

なんと言ったら……と言う様に言葉を探しながら
アオイの言葉に答える
やがて笑顔と共に向けられる話に

「正直、僕もそう思いました……このメンバーに、早く慣れたらいいなって」

ここでようやく、ヒカルは笑顔を見せて答える。
まだ戦う事に抵抗が無いと言えば、嘘にはなる
しかし、このある意味軍人離れした部隊が嫌いでなかったのもまた事実だった

そして……

「アオイさん、今日の服よく似合ってて……その、可愛いいと思います……」

そんな事を言う。
言った後は酷く照れているようだが

>>36

「コーヒー?ですか?……コーヒーだったらさっき艦内の自販機で見ましたよ」

艦にも置いてある物を、自分でも用意するのだろうか?
疑問になった様だ。もっとも艦内のは缶コーヒーだが……。
初めて顔を合わせたあの時より、接し易く感じる。

そしてロディの申し出に

「そ、そんな!悪いですよ!だ、大丈夫です、自分で持てますから……」

流石にそれは申し訳がない、そう感じ
慌て気味に答えた。

>>37

「アナトリアさん……」

「その、僕はウィンガードの事も、戦いの事もまだよく解らないですが……なるべく足は引っ張らない様に努力します……こんな事しか言えなくて、すいません、その……ありがとうございます

と、頭を下げて
しかし、はっきりとそう言った。

「こ、これを?」

「あ、ありがとうございます……」

そして、差し出される「プレゼント」を受け取り

「お、重い!?」

10kgダンベルが二つだ、それは重い筈
何とか荷物共に運んで行く

40 ◆maj0cqbB5s:2011/10/04(火) 22:41:33 ID:8Lw1fWQM
>>39
会計を済ませたロディは、コーヒーについてのヒカルの発言に、僅かに口をへの字にした。
「あれは、あくまで缶コーヒーだ。
挽いて淹れたものとじゃ、駄菓子とケーキぐらいの違いがある」
そして、荷物持ちを任せることを躊躇する彼に、そっと手を差し伸べる。
「いいさ、ほら。……まだ、買い物は長いからな」
こうしてデパートで買い物をするという何でもない日常さえ、しばらくは味わえなくなるのだ。
ヒカルにはなるべく、この時間を思うままに満喫させてやりたいと、
顔には出さないもののロディは考えていた。
(うっ……)
そして、程なくして20kgのダンベルの重みに、
ほんの少しだけ後悔を覚えた。

41 ◆zwG.6Bg2jY:2011/10/04(火) 22:57:17 ID:pKDIew0Y
>>35
(……軍人、じゃ無くてただの女の子だな)
その麗しい姿を見て、何かを考え込む。

きっとあの彼女―――確かツバサ・センリ、本来ならばこの様な少女なのだろう
そしてあの時刃を交えた、自分のことを「お兄ちゃん」と呼んだ少女。

あの子もきっと――――

「……俺はあの子に剣を向けてよかったのか……?」
>>36
「いや、自分の荷物くらいは自分で持てるよ」

照れるように笑いながら、いやいやと手を振ってみせる。
確かに衣服は本当に必要最低限清潔と言える程度のものであった。
……そして、その体つきからしてロディよりも鍛えられていることも明白であった

「それに、何が必要って言うのかも分からないからさ」

>>39
「剣を持って歩きたいんだ」
何も手にしていないその両手をひらひらと動かした。

確かにシンプルな見目であったがあれは剣としか言いようが無いものだった。
そんな物を持って歩き回ることはそう出来ない
外出しようものならまずは不可能であろう、それゆえに文字通り蓑として欲しいと言った所か

42アナトリア ◆uTkuQH8JvI:2011/10/04(火) 23:39:02 ID:8sUedY0s
>>38
「一般的な生き方が面白くないと思った人間もいるというのに世の中は不幸な人間もいるものですね」
自分の生い立ちに不幸と言える点はない。ただおかしな選択をしたという自覚はあった
ロディの顔をみているわけではない、いま自分はたぶん恐ろしい程ニコニコしている。それはわかっていた

>>39
「べつに少年に足を引っ張られた怒るほど、私は子供じゃありませんことよ
そんなことより私のダンベルでレッツ筋肉トレーニング!!」
拳を空に向かって突き出した。おそらく周囲の視線は彼女に集まっていることだろう

>>40
「あらあら、案外だらしないエースパイロットさんですね
青少年の荷物もそんな重そうに持つなんて、あらあらお姉さんは失望しそうです」

ひどく意地の悪い笑顔を浮かべながらロディの重そうにしている姿を楽しそうに眺めていた

43ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/05(水) 00:22:27 ID:wf3ly/3Y
>>40

「そ、そうなんですか??すいません、コーヒーは飲まないから……よく解らなくて」

コーヒーの味は缶と豆から挽いて淹れた物では
味ものど越しも大分違う、それはこの少年にはまだ解らない事だから、仕方のない話だが

そして、その荷物を持ってくれる、と言うロディに
感謝して、そのダンベル入りの荷物を渡すが
やはり意外な重量に、苦悶の表情を浮かべるロディ

「あ、あの〜、やっぱ僕が持った方が……」

申し訳なくなり、そう言った

>>41

「あ、そうだったんですか……ではこれもお会計で」

と、そう言えばアストは
常に剣を携えて居たな、と。

やがて、レジを済ませ

「はい、支払いは終わりましたよ」

とアストに袋を渡す

「剣術得意なんですか?」

と、質問してみる
今の時代だ、銃ではなく剣を携えるのは珍しいな、と。


>>42

「そう、ですか……でも、努力はしますね」

と答え、そして
店内で唐突に筋トレの真似事をするアナトリアに

「あ、ちょ、ちょ、わ、解りました!解りましたから!」

と嗜めるように、慌てながら

「筋トレはちゃんとしますから、いまは、その……」

周囲の好奇の視線が集まっている
これは、大分恥ずかしい……

そう言えばそろそろお昼だろうか。
時間は昼時を指して居る

44 ◆maj0cqbB5s:2011/10/05(水) 00:30:20 ID:WIZ/L1cU
>>41
「そうですか……わかりました」
返事をしながら、重たいダンベルの袋を、持ちやすいように肩にかける。
アストはその様を見て、若冠気の毒に思っているような、人の良さそうな笑みを浮かべていた。
(……)
その姿はロディの知り得る騎士像ととあまりにかけ離れていて、
内心どう接していいものか戸惑ってしまう。

>>42
アナトリアは平然と、ニコニコしながら自分の話を聞いていた。
自由主義の傭兵という彼女の言葉から鑑みても、能動的に戦場にいる人間なのだと思えた。
(戦争屋の考えなんだ……)
自分とは相容れない、関わらない方がいい相手かもしれない。そう考える。
が、
「……このぐらい、どうってことありませんよ」
ダンベルを重そうにしている様をひやかされて、乗せられるままムッとした声を返してしまった。
傭兵というものもそれなりに見てきたが、アナトリアのマイペースさは、今一つ彼らの印象に当てはまらなかった。
ロディにとって彼女は、結局は掴み所がなく、善人か悪人かさえよくわからない人物である。

45 ◆maj0cqbB5s:2011/10/05(水) 00:37:13 ID:WIZ/L1cU
>>43
「……いいよ。一度持つと言ったからには持つさ」
ヒカルの提案を、やんわりと固辞する。
元来頑固なのと、アナトリアのひやかしに意固地になっているのと、両方あるのだろう。
話を逸らすように時計を確認して、ロディは言う。
「一つ下はレストラン街だ。食事にするか?」

46アオイ ◆vGTe9D4z5Y:2011/10/05(水) 01:43:47 ID:kILYIie6
>>37
「ええ、よろしくお願いしますアナトリアさん」
アオイの第一印象は良い人そう、というものだった
「でも、この部隊だと退屈はしなさそう・・・だと思いますよ」
実際キワモノ揃い、本場の現場軍人のような人が見たら目が点になってしまうだろう

>>38
「そうだね、私も早く慣れないといけないけどね」
まだ全員と会話できてないんだ、と小さな声で補足する
「えっ、可愛い?・・・あっ、ありがと」
似合っていると言われ、悪い気はしない。
照れたように笑うと、くるっと回転してみせる

>>41
「・・・私の顔になにかついてますか?」
なんとなく視線を感じたアオイはアストに問う

47ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/05(水) 16:51:21 ID:wf3ly/3Y
>>45

「す、すいません……」

やはりその様子に申し訳なさは感じ
口ごもりながら、そう言った
だが、助かったのも正直な所であり……
「あ、ありがとうございます」

とも、言った。
やがてロディからの提案に

「はい!そろそろ、そんな時間ですから……そうしましょう」

賛成をした。
因みに下階のレストランは、寿司屋、洋食屋、喫茶、イタリアン、中華……
更に各料理専門店がテナントとして入っている。
何処を選ぶだろうか?


>>46

「え、ええ……その、凄く可愛いと思います、なんだか軍に居るのが信じられない位に」

くるりと回って見せるアオイに
やはり照れながら、そう言った。
気恥ずかしいのだが、事実だ、こんな娘がパイロットだと言って
果たして誰が信じられるだろうか。

「あ、そ、そう言えばそろそろ、お昼の時間ですね!な、何か食べますか?」

話題をかえる様に、そう言った。
階下はレストラン街、寿司屋、洋食屋、喫茶、イタリアン、中華……
各料理専門店が、テナントとして入っている。
幅広く、好きな料理店を選べるようだ

48 ◆zwG.6Bg2jY:2011/10/05(水) 21:20:07 ID:Hm.EgBGU
>>43
「ありがとう」
差し出されたビニル袋を受け取るためにヒカルへと歩み寄り、差し出された荷物を受け取った
そして、渡されたその質問に対し、何も持っていない手でを掻きながら返す

「いやぁさっぱり、そんな気はするけど……」
記憶が無い以上得意かどうかなど分かるはずも無い
おそらくは本人もなんとなく分かっているのだろう、だが記憶が無い以上なんとも言えないと言った所か

「ただなんとなくあの剣は大切な物なような……だから、肌身離さず持っとこうと思って」
笑いながらそう言うと、待っている皆の下へと戻ってゆく

>>44
「何ならそれも俺が持とうか?」

一刀の元に敵を断ち、戦場を切り裂くとまで謳われた凛々しい騎士像はそこには無い。
年齢よりは少し大人びた青年が、そこに立って手を差し出しているだけだった。

「……?」
押し黙るその姿に対し首を小さく傾ける。
もしかしたら、これが騎士の本当の姿だったのかもしれない

>>46
「女の子らしい可愛らしい格好だなぁって思ったんだ」
下から上へとその視線を動かし、最後にその顔を見下ろした。
歳相応の少女らしい、可愛らしさと清楚さを合わせた服装

「軍人であったとしても歳相応、俺の『知っている子』も確かそういう格好……は……」
そこまで言ったところで口元を押さえて何かを考え込む
何かを思い出せたのではないか―――アスト自身もそう思ったのだろう。
だが、それは杞憂だったようである

「たぶん、前の俺も見たことが無かったんじゃないかな、そんな気がするんだ」

49ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/05(水) 21:50:08 ID:wf3ly/3Y
>>48

「……」

「その気持ち、解ります……家を離れても、誰かと離れても大事にしていた手放せない物ってありますよね」

アストが何を感じ
どう考えているのか?
それは、ヒカルには解らない、ただその言葉の
その気持ちは、よく解る、と

やがてヒカルもアストに合わせ、歩き

「これから階下のレストラン街で食事みたいで……何か食べたい物ってありますか?」

そう、聞いた。

50 ◆vGTe9D4z5Y:2011/10/06(木) 01:00:40 ID:dNDU53YM
>>47
「ありがと、お世辞でも嬉しいよ。でも確かに軍人っぽくはないかな。お前は服に着られているだけだって言われたのよく覚えてるもん」
まんざらでもない。ニコニコと笑いながら、返答する
「お昼かぁ……あっ、じゃあ、私は寿司屋がいいかも。日本食最近全然食べてないから」
パン食中心の生活は白米が中心だったアオイにはなかなかにつらかったようだ
特にこれから宇宙に上がるのだから、余計にそういうものからは遠ざかる
アオイは無邪気に笑顔を浮かべながらそう言った

>>48
「こっ、この格好やっぱり子供っぽかったり」
年下のヒカルから可愛いと言われるのと年上のアストから言われるのではわけが違う
童顔ぎみなアオイはわずかだが、そこがコンプレックスになっている
店員に似合っていると勧められたが、年を間違えられたのではないかと不安になってしまった
「……記憶が戻りかけたんですか?無理しないでください」
少し言葉につまったアストを見て心配そうな表情を浮かべ見つめる

51アナトリア ◆uTkuQH8JvI:2011/10/06(木) 02:13:39 ID:X5diZW4w
>>43
「そうですか? 善は急げというのに……そんなことでは一人前の戦闘マシーンにはなれませんよ」

目の前の少年がおろおろしている姿は新たな性癖が目覚めそうなものだ
彼が言わんとしているのは「恥ずかしいです」ということだが、彼女にそういうことを期待するほうが間違っている

>>44
「頑張って悪鬼さん!」
表情は輪をかけてニコニコしていると言える
今の状況がよほど楽しいのか、それともそれ以外の何かがあるのか
「私は力強い男性が好きですよぉ」
間延びした声でロディを応援している
彼女からしてみたら悪鬼という伝説は同じ業界の界隈に凄いやつがいる程度のもの
いまは彼自身をいじる格好のネタ程度にしか考えていない

>>46
「私を楽しくできるように頼む」
くるくるとゆっくり、フロアの中を回るように移動する
常識のある人間からみたらアナトリアの行動は常軌を逸してるようにしか見えない

「私は私のしたいように楽しく生きたいだけ」
ぴたりと止まるとアオイに向けていままでとは少し違う妙に影のある笑顔を見せる

>>45>>47
「ご飯……確かにお腹が空いた。私はみんなが食べたいものでいいぞ
ただ脂っぽいのは遠慮したいお年頃」

食事の提案に対してそう応えた

52ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/06(木) 19:01:26 ID:IjuyMOmw
>>50

「い、いえ、お、お世辞とかではなく……そ、その……魅力的だと、思います」

後半になるたびに声が小さくなるが
確かにそう答えた、随分顔が赤いが。

「解りました!僕もお寿司が、いいです……暫く食べられそうにありませんから……」

考えは同じだったようで
階下のレストラン街へと向かう

>>51

「せ、戦闘マシーンですか!?そ、それはちょっと……」

話の接点が何処となくズレて居る彼女
それが意味する所も、本気なのか冗談なのかイマイチ解らず
焦りながら答えた。

「あ、それなら僕とアオイさんはお寿司屋さんに行くので、一緒にどうです?」

レストランの話になり、アナトリアの要望を聞いて
そう誘った。

53 ◆zwG.6Bg2jY:2011/10/06(木) 21:47:34 ID:RtN3HYLU
>>49
「……あぁ、あの剣は今の俺にとって家族さ」
振り返り、ニカリと大きく笑う
子供染みた笑顔だったが、自らの暗い境遇を見せつけない眩しさを秘めていた。

「『生まれたばかりの俺』とずっと居てくれたんだから」
比ゆ的な言葉であったが、生まれたばかり……つまりは記憶が無くしてからも、なくなる前からも共に居てくれたということだろう。
こんな事になっても持っていたということは、記憶を無くす前のアストにとってあの剣は特別で、
そして今のアストにとっても特別となった――――家族という言葉は本質を突いているかもしれない

「そうだな、何が苦手かとかも分からないから、俺は本当にどれでもいいよ」
横に並んでくれたヒカルの質問に対し、少し考え込みながら答えた
記憶が無い以上、何が嫌いで何が好きかすら分からない。
どれも初めて食べる物と言っても差支えが無いのだ、彼の言葉通りどれでも問題ないだろう

>>50
「いや、口から出ただけで思い出せたわけじゃない……心配してくれてありがとう」
ぐっとかみ締めていた奥歯から力を抜き、瞑っていた目を開いてアオイを方を見る。
心配ないと言いたげな優しいその目線を見せてそっと微笑んだ。

「ワンポイントのレースとか大人し目だし、すっきりした色合いが凄く似合ってると思ったけど……」
もう一度アオイの服装を見つめる―――やはり良く似合っている。
この服装を見立てた店員はかなりの目利きであろう、くどさの無い、それで居て無装飾では無い……良く出来たバランスだ

「うん、やっぱりそんなに子供っぽくは無いよ」

54ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/07(金) 20:03:41 ID:0JF7WmG.
>>53

「それが、アストさんの……心の拠り所、なんですね」

記憶も無くし
帰る故郷さえ自ら断ち
その中で唯一、自分を失わずに居られる
それはアストの剣は、それその物なのだろう

アストの言葉は、それを切に切に感じさせる

「お寿司屋さんに決定みたいです、行きましょう」

アストを先導するかの様に
声をかけ、階下のレストラン街まで向かう

55アナトリア ◆uTkuQH8JvI:2011/10/09(日) 00:04:18 ID:Vl/udZPw
「お寿司やさんですか……生魚はお肌に良さそうな雰囲気
ぜひご相伴に預かりましょう」
寿司の名前は聞いたことがある。しかし、実際に食べてみたことはない
ご飯の上に海産物を乗せた食べ物程度の認識

「初体験というものは、いつでも私を楽しませてくれますね」
高なる胸に足も自然と軽くなる
軽やかに皆の後ろをついていく

56 ◆maj0cqbB5s:2011/10/09(日) 01:42:52 ID:nsYUrnPo
>>51
(この人に悪鬼と呼ばれるのは、なんだか……)
普通とは違う意味でひっかかる、とロディは表情に難色を滲ませていた。

>>54
「スシか……合成魚肉のしか食ったことがないな、俺は」
預かった荷物を肩にぶら下げて、ロディも後に続いた。

57ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/10(月) 15:01:13 ID:3HuhRFoM
>>55>>56

「お二人とも、このコロニーのお寿司は初めてなんですね」

「なら丁度いいです、行きましょう!合成魚肉じゃないので地球の物に近くって美味しいですよ」

そう言って二人を先導してゆく
階下のその場所、レストラン街の一角のそこは
和風な店の作りに、いかにもな寿司屋

暖簾を潜って、店員に人数を告げる
カウンター席に案内されると、目の前には大将ここで直に注文をするようだが……。
(メニュー、お茶、箸、醤油と醤油皿は各自の手元に)

58 ◆jclrQ5ykSY:2012/03/20(火) 21:32:08 ID:pDvmRw2g
「チッ、これも壊れてるなんて・・・」
地球――荒野にて私は、壊れた機体の修理を行っている。
二足歩行の人型兵器だ。
私は地球外の出身で、地球に降りる際にドローンと呼ばれる機体の襲撃を受けた。
一緒に来た部隊は全滅し、私だけが生き残った。
私の機体も幾つか破損し、装備していた武器の殆どが修復できない出来ない状態だ。
それに・・・

「通信機が・・・これじゃ仲間と連絡が取れないじゃない・・・」
運悪く、私の持っている通信機器の類が全てが壊れている。
しかもこれに限って修理が出来ない。
救援が呼べない状態である。
しかも私も怪我をして何処にも彷徨う事も出来ない。

「一か八か・・・届いて・・・」
私が取り出したのは一本の発煙筒。
赤い煙を出すタイプのモノだ。かなり遠くから見える。
誰が来るか解らないけど、誰も来ないよりマシだ。

59元鳳 ◆LrBYZIhU4E:2012/03/25(日) 19:55:01 ID:4sHd40qo
プロローグ『安芸之若鷹』

毛利家・・・時は戦国、毛利元就によって安芸のみならず中国に一大勢力として名を馳せた名家である。
現代では勢いを衰えさせてはいるものの、名家の威光を借りようとやって来る者達も後を絶たない為に権力はそれなりにある。
その廊下を、1人の青年が物静かに歩いていく。
白い着物に黒き羽織・・・宗家と分家が立ち会う上での、いわゆる礼装である。
「これは、元鳳殿・・・当主様よりの呼び出しですかな?」
「然り。でなくば当主の間に続きしこの回廊を渡る事はございますまい。」
簡潔な元鳳の言に、老人は軽く苦笑する。
「当主様も奥方様もお子が出来ず、苦しい身・・・労わって下され。」
「分かり申した。それでは、約束の刻に遅れますゆえ。」
そう・・・分家たる身の元鳳は本来なら宗家に用向きもなく立ち入る事は許されぬ身の上であった。
それがこうして宗家の回廊を堂々と渡れるのは、一重に宗家の事情・・・跡取りが生まれないと言う事に端を発している。
ふと、元鳳の視界の端に見慣れた風景が飛び込んで来る。
天照大神像・・・毛利家を古くから見守るとされる、日輪の象徴。
だが元鳳には、その風景が違って見えていた。
あれは「見守っている」のではなく、何かに「備えている」のではないかと・・・。
もの自体が動かぬ石像なのに何に備えるというのか、馬鹿馬鹿しい・・・理屈で否定しつつも本能がその理屈を跳ね除ける。
「どうにも慣れぬわ、この感覚だけは・・・。」
頭を横に振り、再び回廊を歩いていく。

だが元鳳はこの数日後、己の感じた違和感は正しかったと知る事となる。
皮肉にもその「敵」の襲来をもって・・・。

60シュート  ◆6d930KmJ9g:2012/03/26(月) 02:17:12 ID:yP3a8AQA
【プロローグ 『初めての機体と、続ける旅』】

あるコロニーの残骸。
そこにボロボロの宇宙船がやってきた。

「……、うーん、そろそろこの船の燃料がやばいなぁ。
装甲もボロボロだし、このまま死ぬんかねぇ。」

そう言ったその宇宙船の操縦者。
その操縦者を一言で言うなら、生きた目をしていない、これに尽きる。

「ん?」

キラリと、何かコロニーの中から見つけた。

「なんかあってくれよぉ〜、俺まだ死にたくない。」

死にたくないと行っている筈なのにこの男の音質は楽しんでいた。
そしてその光った物の近くに船を寄せるが

「あ、ぶっ壊れちまったか。」

ライトが消え、完全に暗闇になり、ハンドルも効かなくなった。

「チッ、外行って探すしかないか」

そう言って、宇宙服を着て、手動で宇宙船のハッチを開ける。

「さぁ〜て何処に………!?」

さっきのモニターには全く写っていなかった筈なのに、その目の前には
巨大な黒めのロボットがほぼ無傷で漂っていた。

「ハハッ、こりゃとんでもないお宝を見つけちまったか?」

ヘルメットの下で笑いながらその黒めのロボットに近付く。
目の前まで行くといきなりコックピットのハッチが開いた。

「うぉっ! 自動で開いた?」

そのことに驚き、警戒してコックピットに入る。

「んーと、どうすりゃいいんだ?」

とりあえずハッチを閉めて席に座る。
するといきなりモニターが映し出される。

「うぉっ、なんじゃらほい!」

そのモニターからはいきなり文字列が並ぶ。

「えっと、名前はGP-7 レオルド、GP-7の部分まで名前か、略していいな。
えっと、…………、うわぁ、めっちゃ武装多いじゃん、これ捕まるぞ。
…………、ム、変形機能あり、と、さっそく変形してみようか、このままだとヤバい。」

そう言って、変形するための項目を開く。

「えっと、右のレバーを引いて(ガコン)、そこからパネルが出てきて(ウィン)
そしてパネルをぶったたく(ドゴォ)」

すると遅いながらも少しずつ形を変えていく。
すると最終的に普通の宇宙船となんら変わりない、大きめの宇宙船の形になった。

「ホー、よく出来てるな。
さて、…………、宇宙船状態ではバルカン二門しか攻撃方法なしか。
まぁ充分だな、っていうかこのくらいじゃないと捕まるしな。
……………、これだけか、この機体自体の情報はないな」

もう一度見直すが、機体の情報は全くなかった。

「ま、いっか、ほぼ新品の宇宙船を手に入れて、そのうえ戦闘形態まであるし
滅茶苦茶設けたな。」

能天気な考え方をして、宇宙船状態のハンドルを掴む。

「さて、また旅を続けましょうか、新しい機体もつれて。」

そう言い、宇宙船を出す。
『シュート・スコット・シュナイダー』は、旅を続ける。
どんなことがあろうと。

61レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/03/26(月) 18:26:58 ID:fHpmSFwQ
プロローグ 朱の道
――衛星軌道上――
広がるのは暗黒の世界、その先には幾つもの星が輝いている
朱いAMから見ればどこまでも続くかのような蒼い境界が眼下に広がっている…地球だ

コンソール越しには360°に配置された10基のバルーン
既に先行している管制機と補給用の輸送機の姿も見える
管制官と思われる妙に癇に障る口振りで話しかけてくる

?「こちら、AWACSサードアイの首席通信士。コードネームはラウラだ
まぁ置いてある的を撃つだけの簡単な任務だ。精々手際よく行うように」

「了解。」
そう言われるが早いか朱いAMは両肩の主翼部分の内蔵式サイロを開き長距離ミサイルを放ちつつマシンキャノンを稼働、展開する
ブースターを吹かし朱いオーラを纏うとソレは意思を持った彗星の如く衛星軌道上を舞う
丁度元いた位置から大きく周回し終え補給機のところまでそのまま移動していた
バルーンは…健在
呆れたような声が即座に届く

ラウラ「…それは一体何のパフォーマン…」
いいかけた直後、最初に放ったミサイルの着弾を合図に
全てのバルーンが同時に破裂した

「さてと、もう帰っても良いかな。今日はスケジュールがいっぱいいっぱい何でね」
通信越しから舌打ちが聞こえる

ラウラ「ふん…いい…いや、待て!」
何やら世話しない気配だけは解る
「どうしたよ?」
ラウラ「ふぅなんだ。地球の極東支部からのスクランブル要請だ
アンノウンが現れたそうだが我々には関係のない事だ」

…極東支部?なら此処からなら首尾よくやれば演習予定の伊豆基地まで直ぐだ
輸送機にこう告げる

「実弾、満タンで。で首席通信士くん場所は?」
ラウラ「伊豆基地だ!何をする気だ?」
短く口笛をならし
「ツいてるね。丁度、次の任務地がそこなんだ。お前も『精々』頑張れよう」

輸送機からの補給はつつがなく完了し補給機から分離すると
地球の伊豆基地により近いウェーブコースを選びつつ降下を始める

62元鳳 ◆LrBYZIhU4E:2012/03/30(金) 09:10:42 ID:gAJxdHvc
緩やかな日差しの差す中で、元鳳はゆっくりと起き上がる。
毛利家にあって自分の居る部屋は、安芸の一望を見渡せる絶景。
この景色が、安芸の風が運ぶ潮の香りが元鳳には何とも心地良かった。
(この平和は・・・何時まで続いてくれるのだろう?)

最近、世界各地で戦乱の予兆とも言うべき事態が起こりつつある事は知っている。
宗家も馬鹿ではない、各パイプを使って軍や警察と連携を勧めてはいる。

だが・・・それでも敵わない程の「力」が襲って来たら?

「・・・是非もない。」
元より安芸を守る為に、命を賭ける事を誓ったこの身。それは例え、何者であろうと例外なく戦うと言う事。
安芸の為、その民を守る為に戦う・・・その事に疑いの余地はない。

海面に光が反射し、己を照らす。
「日輪よ・・・今日も安芸が、平和でありますように。」

自然と、その口から出た言葉・・・それは願い。
平和と安芸の未来を想う、ただ1人の願いであった。

63 ◆NcltM1gQ/Q:2012/04/19(木) 22:18:43 ID:fAYZuDdQ
プロローグ 砕かれた聖剣
ある衛兵の日記より

●月●日 快晴
ジルヴィエの所属になれると聞いて歓喜して半年
確かに依然より給料は良くなった
有給も倍、ここまでは良かった
だが、あの方に腕を買われてやって来たのに
任されたのはドラ息子…もとい御子息のお守りとは…
ここ3ヶ月は、このど阿呆ぶりに付き合わされてウンザリしてきた所で新型のコンペと言う胸熱のイベントが舞い込んだ訳だ…て
ジルヴィエの面々から考えて、俺が選ばれる訳がないか…しかし、よりにもよって何故あの阿呆を選んだのか…
実の所ここまでなら、もう書く気にはなれないが天はやはり見てるんだなぁ
と思いつつコンペの成り行きを書き留めておくことにする

「俺のマクシミリオンはまだか!?」
苛立たしげに怒声が格納庫内に響く
白を基調に黒のライン。そして背中には黒い盾の意匠に銀色の映える十字架の紋章が施されたパイロットスーツ。
襟元には彼が少左の身分を示す記章が施されているのが判る

整備士の女性がパイロットの顔色を伺いながら説明してる
…良く見ると結構スタイルいいな

「落ち着いて下さい。アルバトロス様イスルギ最高のチームで挑んでいます
コンペ開始までには充分過ぎる程、余裕が有りますので…」
まだ良い終えない内に再び怒声が響く
「ええい!調整如きで手間取るチームが最高なら後で纏めてクビにしてやる!」

女性に平手を放ち、鈍い音と共に鍔付きの帽子が床に落ちる
彼女はほんの僅か身を引き帽子を落とされた程度で済み難を逃れる。プラチナブロンドの長髪が零れるように露わとなった…マブいな…

「……ぐ、くぅ〜〜ぅぅ…」

アルバトロスは女性には気にも止めず、その場で右手を庇いながら、うめき声を上げてかがみ込んでいる。どうやらさっきのは隔壁を殴った音だザマミロ
わなわなと小刻みに震えながら整備士さんを睨んでやがる
…整備士さんも逃げればいいのに

「貴様等…俺の高貴な手を…!覚えていろよ…!」

……向かってったのは医務室だな。相変わらず根性ねーな
さて、細かいとこはすっ飛ばして、いよいよコンペだ

こちらはイスルギ精鋭の自信作XFA-0。その自信に恥じない高貴な名前があるんだが…あの阿呆、土壇場でマクシミリオンにしろとかホザきやがった
マジシンデクンネーカナ
対する相手はその下請けの何たら重工のYFA-01…エクレア?エクシアン?

64 ◆NcltM1gQ/Q:2012/04/19(木) 22:19:34 ID:fAYZuDdQ
>>63の続き
まぁいい。XタイプとYタイプじゃ賭けてる資金から技術力まで違うってのに良くやろうと思うよ本当に

場所はインド洋上空にて、競合形式はいずれかが接敵次第、交戦し雌雄を決する単純なモノだ

しかし、まぁ露骨だねぇ
策敵能力も速度も有利なら勝負はもう付いてるだろコレ…

ただ…嫌な話を整備中に聞いた
エッケザックスに積まれているのが模擬戦用のレーザーでは無く
実戦用の光学兵装と実弾が積まれていると言う話だ

とは言え…実際の所、それは確認出来ずに、あっさりと決着は付いた

気付いたらエッケザックスから模擬戦での撃墜を意味する警報が鳴ってる
オペレーター曰く
エッケザックスの策敵外からのマシンキャノンの砲撃でコクピットが撃ち抜かれました〜
だってさ。そりゃそうだバカ正直に正面から挑んだに違いない…ん?策敵外!?エッケの?
俺もこの時まではまぐれ当たりかエラーの類と思っていた

…俺にとっては祝日であったが…あの方にとってはどうだろうな
問題はここからだ
「俺が!マクシミリオンが!!あんな雑種に負ける訳が無いだろう!!」

オペレーターが耳を覆うほどのデカい声で吠えながら…ブラスターとレールカノンの連結砲をやみくもにぶっ放してた
やっこさん砲撃を避けようともせず突っ込んで…すり抜けたんだよ雲みたいに
砲撃もエッケもだ
呆気に取られている内にエッケのセクシーなケツが蹴り抜かれてた
エッケから見たら上からだな。蹴りを仕掛けたのは

「なんくぁwせdrftgyふじこlp…」

…言葉にならない叫びをあげながら哀れ我らのアルバトロス卿は海の藻屑と…化してくんねーかな正味な話

65ハヤミ ユウセイ ◆JryQG.Os1Y:2012/04/26(木) 22:52:50 ID:30NKoAI6
エピローグ 「始まり」
俺は念動力に目覚めたのは14歳の頃だった
俺はDC残党に追われて逃げていた。
しかし、転んでしまい、捕まりそうになった。
だが、寸前で赤い機体に救われた。
そして、「けがはないか?」とそのパイロットから聞かれた
その時は、気が動転してたので慌ててたが、ちゃんと家まで送って貰ったの覚えている。
そして俺は思った、いつかあの人に追いついて、お礼を言うと誓った
そして、たまたま見つけた写真が地球連邦からの元だったので
追いつけるなら今しかない
こうして俺は連邦にはいった。

66ハヤミ ユウセイ  ◆JryQG.Os1Y:2012/05/07(月) 15:16:18 ID:Q0tt89LY
兼貞なんだけどさ、名付け親には申し訳ないが
雷切の命名をさ、汲んであげようかなとは思わなかったのでしょうか?

67 ◆zwG.6Bg2jY:2012/05/07(月) 15:37:58 ID:usMqkYZ6
何がいけないんだぜ?
備前長船兼光の1本が雷切と呼ばれていたと言われているんだぜ
兼貞は兼光は名称的に似ているし、兼貞も列記とした刀の銘だと思うんだぜ。

そしてこんなことに汎用スレを使うんじゃないぜ

68工作中! ◆TfuVQD0bV6:2012/06/12(火) 21:47:32 ID:CMhl7z4Y
「ユズ、これ、凄い事になってるわね……」
「マーチ姉様!もう起きても大丈夫なの!?」

 リガシン一派の秘密基地の一角、隣では捕獲した超機人の解析が進むそのブースで、ユズはゲシュペンストTTの大がかりな改修を進めていた。
 用意されたのはガーリオンの上半身。
 これの腰ジョイントをゲシュペンストのバックパック部分の代わりに取り付けるという無茶苦茶な話である。
 ガーリオン頭部の三次元フェイズドアレイセンサーをゲシュの頭に乗せたくらい、これと比べたら可愛いものだ。

「ガーリオンのテスラドライブによって飛行能力を得たばかりか、肘から先をペイロード用ハードポイントに……」
「はい、T-LINKリッパーとスプリットミサイルを装備、コールドメタルナイフとM950マシンガンをマウントしてまだ余裕があるよ。

 そしてもう一つ」
「……この、胸の装甲剥がして搭載したのが……」
「そう、ブラスターキャノン。今のところ最強武器だね」

 どこで調達してきたのだろう、この必殺武器を。

 そしてこの時、まだ誰も、この後の出来事を予測出来なかった……

69補食中…… ◆E8ckRIIdug:2012/06/13(水) 21:37:34 ID:LAI3XbaQ
「じゃあ姉様、ジェネレーター・オンライン。テストモードでセットアップして」
「テストモード、立ち上がったわ。続いてT-LINKシステム、セーフモードで起動、テスラドライブシステムインストール開始……せめて腕が直ってからで良かったんじゃ?」
「そうしたかったんだけど、何時届くか分からないから……」

 ゲシュペンスト改め“ガーペンスト”の改修作業は少しずつ進められていた。
 まだ失われた右腕の代わりが手に入らないため、それ以外のソフトウェアを順次インストールし、チューニングする。

 シミュレータモードの設定を更新し、T-LINKシステムの出力を15%上げ、FCSをとりあえず左手用に調整しようとしたあたりで異変が起きた。

「……隣が騒がしいよう……大変隣がっ!?」
 テスト用にT-LINKシステムで増幅されたマーチの念動力が、隣の超機人の覚醒の引き金となったのだ!

「姉様っ!逃げてっ!!」
 ユズが叫ぶが、到底間にあわず捕らえられる。
 そしてそのまま超機人はガーペンストを飲み込んで、欠損部分を補う部品にしようと……

70心の中 ◆E8ckRIIdug:2012/06/17(日) 22:35:19 ID:yQZdVYLs
 それは、赤い月光に照らされた荒野。

 レディ・マーチの目の前にいるのは、古墳時代の武具に身を固めた武人である。

「我は、大国魂。
 山を荒らす不届き者、汝が魂、我が供物と「断る」……何!?」
 兜の奥の虚ろな瞳が彼女を見据え、視線が交差した。

「大国魂と言えば大国主の異名であり、大黒天即ちマハーカーラとも同一視される戦神。
 私も剣客のはしくれ、無理にでも一手所望したく」
 愛用の長曾根虎徹の鯉口を切り、すらりと抜き放った。

「妖機人の同胞め……」
「……話を聞かないから先生に負けたというのに……」
 いわゆる“蜻蛉”にも似た構えで斬り掛かる大国魂に、彼女は一瞬背中を見せ、

 次の瞬間、鳩尾に刀を突き刺したまま大国魂は吹き飛ばされた。

「人に会いては人を斬り、獣に会いては獣を、鬼を、機械を、そして神を斬る事こそ剣の……ああ、突いていたな」


「……姉様……!?」
「……ユズ、か……何がどうなった?」
「あ、あのねっ、超機人がガーペンストを襲って取り込もうとしてたら上手くいかなかったように見えたけど……」
「……それであってるわ」

 マーチが目覚めた時、既に彼女の愛機は変貌を遂げていた。

71 ◆jclrQ5ykSY:2012/07/15(日) 18:11:04 ID:Or1p6lIg
【プロローグ:戦場に咲く白き薔薇。その帰還先は嘗て惚れ込んだ地球と・・・】

「私が、ドローンに・・・」
私の過去なんて何の興味もなかった。
記憶もないし、宇宙海賊として、仲間と居て満足だったから・・・
でも、私を育て親からの話を聞き、私の考えは変わった。

『そうだエミリー・・・お前が生まれた星が荒れ果てていたのは教えたことがあったな・・・
 誰がやったのかは教えてなかったが・・・あれは、俺達があの星、あの国を攻撃していた時だった。
 ドローンが来たのもその時だったか・・・俺達が苦戦した相手を意図も簡単に・・・
 そして、国王は未完成の兵器に手を出した。その結果、惑星は死んじまった・・・
 ドローンは民を人質に取って騎士達を侵略軍に吸収したんだ。俺達は立ち去ったけどな・・・』
これが私の育て親の言葉だ。
私は、ドローンと戦った事があったらしい。
ドローンに洗脳され、宇宙海賊と戦い、宇宙海賊に拾われた。
それを聞いて、私の考えは変わった。
ドローンは地球に居る。私も地球に降りる際に襲撃を受けた。
やはりドローンとは決着をつけなければいけない。
地球に戻れば、私の記憶について何か解るかもしれない。

「レイナ、ヒツギ、レオン・・・今、戻るよ。勝手に帰ってごめんね・・・」
私はドローンの操り人形として動いていた時に着けていた仮面を身に着けて再び宇宙海賊の艦隊を去る。
育て親が持っていた設計図やデータを元に修復し、本来の姿を取り戻したスノウローズと共に・・・
仮面を付ける理由・・・
嘗てドローンの奴隷だった自分への戒め、そしてこれが過去への鍵となる事を信じて・・・
行き先は、私を拾ってくれた恩人が住む星。そして、私を信じてくれた人達が住む星。
あの美しい青い惑星に・・・

72 ◆ehmeRCjCRw:2012/07/26(木) 18:36:49 ID:cBrc0g0s
【プロローグ:蒼騎士の瞳】

一面を閉ざす闇と静寂。
天地も、昼夜すらもない、永遠の停滞を思わせる虚空の内に、小さな赤色の光が灯った。
冷え切った宇宙に出現した唯一の恒星の如きそれは、
闇の一角に、一つの輪郭を照らし出していた。

『ミリアス……ミリアス・アレイ』

低く電子的な声と共に、血のように赤い灯火が揺らぐ。
その光を総身に受けながら、身じろぎ一つせずに座しているのは、一人の青年だった。
金糸の装飾を施された蒼い外套を纏い、豪奢な鞘に覆われた直剣を、右の肩に立てかけるようにして携えている。
一言で表すならば、彼は中世の騎士のような装束に身を包んでいた。
長い黒髪の隙間からは、鋭い瞳が射抜くように声の主を睨んでいる。

「……何の用だ」

『決まっているだろう。次なる侵攻の目処が立った。
 君にも、ふたたび我らの戦列に加わってもらおう。”協力者”よ』

赤い光は二度、三度と明滅すると、一挙に膨張して弾け、
暗闇の中心に、ぽっかりと白い穴を穿った。

『よもや、拒否することなどあるまい』

ミリアスは左手に握った機械時計に目をやった。
外界への扉が開放されたのは、実に172時間ぶりであった。

『戦線に立つことでのみ、君は救うことができるのだから。
 君の同胞達と、たった一人の妹君を――』

おもむろに立ち上がると、ミリアスは扉に向かってゆっくりと歩を進める。

やがて暗闇の牢獄から脱すると、そこは殺風景な鉄色の格納庫であった。
整備用と思わしき種々のマシンが行き交う立体的なケージの中心には、
青紫の装甲に身を固めた巨人が沈黙と共に佇み、ミリアスを見下ろしている。

「……滑稽と思うか? お前も」

消灯されたその赤い双眸に向けて、ミリアスは自嘲の言葉を投げかけた。
当然にして、返ってくる言葉などない。
しかし、その物言わぬ瞳は彼の脳裏に、鮮烈な声を蘇らせる。

(力に屈し、罪無き異郷の民を蹂躙することが、兄上の正義なのですか?)

視線を逸らすことなく、瞳と瞳をかち合わせたままミリアスは呟く。

「ここで朽ちるは我が本懐に非ず……
 どうあろうと、今しばらく私に付き合ってもらおう、ヒューキャリオスよ」

そして、蒼の外套を翻しつつ、
ミリアスは開け放たれた愛機のコックピットへと身を投じた。

73名無しさん:2012/09/05(水) 14:43:22 ID:p7azO/gQ
test

74明智ライト ◆zv577ZusFQ:2012/09/11(火) 10:10:37 ID:AWazQAPI
【第5話のちょっと前の時間軸】

月面基地に甲斐が停泊してからまだ1日目の夜。

「……ふぅっ///」

シャワーを浴び終え、微妙に熱の残る火照ったカラダで
毎夜の使命であるヒトに見られたら少し恥ずかしいバストアップ運動に精を出していた薄っぺらい明智ライト大尉。
そんな無防備な日常のシーンを欧州支部からの一通のメールが水をさす。

「あの戦闘の報告をせよ……か。そんな私自身意味が良く解っていないのに。
ああ……もう。なんでそもそも私は月面に居るの?フォールド装置なんて物は実用レベルで作れていないはずよ」

やれエリートだ天才だと周りから持て囃されていても、こんな低レベルな愚痴を漏らしたい時もちゃんと有る。

こんなに非常識的、非科学的な体験をする当事者になったのは生まれて初めてだ。
こんな妙な基調な旅へ連れ出してくれた極東支部の皆様方には本当に感謝の気持ちで一杯。思わずミサイルの一発でもギフトしたいところである。

「それにしても極東の部隊。一部パイロットの個性が強すぎて指揮がまるで意味をなさなかったな。
……特にあの人。レイナ・カーマイン。なんなのよ彼女は?」

出会って一悶着有ってからずっと頭から離れないレイナ・カーマインというお嬢さんの存在。
民間人の分際で何を我が物顔で部隊の采配を?……しかも誰も彼女に意見しない。認めてしまっているのか?
いや、そんなのは有ってはならない。
これでは軍人としての威厳が。沽券に関わるでは無いか。
そんな事がライトの頭でイライラを生む要因となっている。

「……ムカつく。“ちょっと”胸が私より成長してるからと言って。
あんな民間人にあそこまで好きにさせて。全く」

8cmの差は“ちょっと”の一声では済まないはずだが。しかも単なる言い掛かり。
エリート。それも純真な天使が言いそうに無いちんけな台詞が出始める。
駄目だ、これではレイナの思う壺だ。
冷えたミルクを一気飲みして頭と身体を冷却する。やけ酒ならぬやけ牛乳。
牛乳を飲めば胸が大きくなると言う情報に踊らされている様だ。特に好きじゃ無いのか、眉を潜めている。

「でも、不本意ながら彼女が煽動すれば不思議と皆の士気が高揚していく。それは事実なのよね」

まぁそんな不思議な連中ともお別れである。明日のシャトルで甲斐より一足先にに地球へ帰還せよとの欧州支部から通達が来ているのだ。

「そうだ。出発する前にハヤセさん……。……いえ、ついでにハヤミ曹長のお見舞にも寄っておこう。
別に変では無いわよね?」

その確認は何ですか?と言っておく。

翌日の午前中、市街地への私用を許可してもらい、新鮮な見舞い用の青果セットと白い薔薇の花を携え、妙に周りを警戒し、あたふたしながら病室を訪れる明智大尉の姿が目撃されたらしい。

75レイナ&ライト ◆zv577ZusFQ:2012/09/11(火) 11:55:07 ID:AWazQAPI
【第5話序章「わたしの、最高の宿敵」】>>74
月面発地球行きシャトルの時間が迫る中、港へと天使の様な純白制服とアクセントの黒タイツという装備を身に付けた黒髪ロングでスレンダーな美少女が到着した。
なんの事は無い。ただの明智ライト大尉である。残念でした。
そんな出発間近の忙しない明智ライトに声をかける人物が現れた。

「!?……なんですか?」

「ふふふ。わざわざこのレイナ・カーマインが見送りに来てあげたのよ。もっと嬉しそうにしたらどう?」

なんと、一番珍しい人物が見送りに現れたでは無いか。
どういう意図がある?何の策略だ?と顔をしかめて警戒するライトだが二人の関係を思えば無理も無い。

「明智ライト。実は君に大切な忠告をしてやろうと思ってね。私の瞳は君の未来を見通した。そして私はこう提唱する。
……欧州へ戻ってはいけない。戻れば君は取り返しのつかない事になるわ」

「…また例の胡散臭いあれですか?そんないい加減なデタラメはよして下さい。また何の嫌がらせですか?」

レイナの言っている事を理解しようとしないライト。
実際にレイナの予知の力とその信憑性を今回の戦場で間近の位置で見ているはずなのだが、自分に干渉をするつもりなら黙っていない。
エリート部隊の名を貶す様な事を言うレイナにむしろ、腹が立ち始める。
……今回に限ってはレイナは真剣なのだが日頃の行いが災いしている。

「あの勢力に加担していたら、君はもう後に戻れなくなるんだよ。
その対処法はただひとつ。全てを捨てて私の物になりなさい。手遅れにならない内に」

「誰がそんなことを。……あなたこそ、パワーバランスの一角となりうるその存在を主要支部にマークされ続けているのを知らないのですか?
あなたこそ全ての戦力を解除し、おとなしくしているべきなのです」

レイナの上から目線の説得の仕方も悪いが、ライトも自分達の欧州支部の掲げる正義に心酔している節が有るのはいささか否定できない。
話は平行線のままどちらも動かない。
話して理解を得られないのなら後は……

「……明智ライト。次に私達が逢った時は敵同士な予感がするわね。
だからその時は全力でかかって来るがいい。限界まで泣かしてあげるわ」

「……でしょうね。あなたが今後も戦力を捨てず戦いを止めない限り、規律と秩序ある世界の為にやむを得ず武力による統制を取らざるを得ないでしょう。
あと全世界が見守る中、泣いて謝るのはあなたです」

理解を得られないのならば、後は闘争による決着しか無い。
相手を蹂躙する事で、無理矢理にでも理解を押し付けるのだ。
そうこう気に入らない者同士の火花を散らせている内に、まもなくのシャトル出発時間を知らせるアナウンスが入る。

「……では失礼します。この先も甲斐に御武運を」

「ふっ。天使の祝福は悪魔にはむしろ逆効果だわ。さっさと行きなさい」

思っても無い台詞を吐いて、ライトはシャトルへと入って行ってしまった。
レイナにはイクリプスを使ってでも強引にライトを抑える事が出来た。
しかし、そうはしなかった。むざむざ敵となるのが解っている女を行かせた。
ただのキマグレなのだろうか?

76名無しさん:2012/09/17(月) 19:51:00 ID:dmF7Ms1g
ガンダムAGE

77エミリー  ◆jclrQ5ykSY:2012/10/07(日) 01:39:13 ID:FanSUbfA
【アメリカにて】

「そんな・・・!!」
地球へ帰還し、地球連邦のアメリカ軍にスカウトされた私は第77小隊と呼ばれる部隊で活動していた。
私はその司令官からある報告を受けた。

『月面基地にて、ナイト(騎士)の様な未確認部隊が現れた。
 ナイトは月面基地を襲い、増援に駆けつけたカーマイン隊も返り討ちにあっている。
 カーマイン隊は撤退し、殿を勤めたレイナ・カーマインは重傷を負っているらしい。』

私は衝撃を受けた。最初に地球に降りて、私はレイナに拾われた。
レイナが居なければ、私は何も無い地で朽ち果てていただろう・・・
レイナは命の恩人だ。行っても、何が出来るかなんて解らない。でも・・・行かないと絶対に後悔する・・・!!

レイナたちは伊豆に向かっているらしい。
私も輸送機にスノウローズを載せて発進させる。
行き先は勿論、レイナ達の屋敷だ!!

78大川 健二 ◆Iny/TRXDyU:2012/10/07(日) 12:47:14 ID:ot2vtlHM
【プロローグ:出撃せよ!! 次元警察ブライン! 明日の世界達のために!!】
ある何処ともしれぬ次元

その何もない、異様な空間の中で、ある建造物があった

そしてそのなかでは…

「大川 健二君、本日つけで、君は試作バトルスーツ、ブラインの装着者として志願し
今ここで、次元警察ブラインの称号を与える!、いいね?」
「はい!」

一人の老人が、目の前にいる青年に謎のブレスレットを渡す

「これは?」
「それは君が次元警察官ブラインになる為の変身ツールだ。
まだ試作品とはいえ、その能力は充分、危険だ、そのために、君は常に変身するために
ここ、次元警察本部に変身申請を出す必要がある、異論はないね?」
「はい!!、了解しました!」
「よろしい」

青年がブレスレットを身に着けるのを見るとその男性が満足気に頷き、あるモニターを取り出す

「知っていると思うが、君の任務は次元犯罪組織ゲルシャドーの拠点を見つけ出すことだ
そのバトルスーツは先ほどもいったようにまだ試作品、幾ら強くてもまだまだやつらを壊滅させるには程遠い」
「…わかってます」
青年はギリリと歯を鳴らす

そして男性がモニターにある世界の地球を写す

「…この地球は!?」
「この世界の地球、そこは昔、君がいた世界の地球ととっても似ている。
人型兵器もあるという点以外、ほとんど君のいた世界と同じだ」
「ひ、人型兵器があるのですか!?」
「うむ、種族も人間が基本、唯一違うのは他の色々な者から狙われているという点だ」
「他の色々な者!?」

その言葉にケンジはとても驚いた

「うむ、しかしこの地球を狙う者はすべてもともと、この次元にいたもの。
つまりそれがこの地球の定めだ、言っている意味は…わかるね?」
「…はい、その歴史に介入するな…ということでしょう?」

と、俯きながらケンジは言う

「うむ、酷なことだがな、われわれはゲルシャドーとの戦い以外で介入してはならん
その結果がどうなるかは…わかるな?」
「…はい、了解…しました…」

と、言うとケンジは敬礼する

「うむ…ではついてきたまえ」
「ハイッ!」

次へ

79大川 健二 ◆Iny/TRXDyU:2012/10/07(日) 13:00:04 ID:ot2vtlHM
そこは、格納庫のような場所だった

「ここは…」

ケンジは周りをキョロキョロと見渡すが

「なにをしている!、こっちだ」
「はっ、はいっ!」

上司の呼び声にこたえて走る

そしてついた場所にあったのは…

「これは…ラーメン屋台?」

そう、手で引っ張るタイプのラーメンの屋台だった

「君のいく地球でのカムフラージュだ。
副業として、このラーメン屋台で働くことを命じる
食材は自動的に送られるから心配しなくもいい」
「わ、わかりましたが…」

「それと…ブレスレットの赤いボタンを押してみろ」
「ハッ!」

返事をすると、ブレスレットを見て、そこに付いている、赤いボタンをおす

すると見る見るうちに屋台の形が変わってフライトユニットとなる

「えっ!?、まさか…」
「うむ、これはブラインが次元を移動するためのメカ
表の姿はラーメン屋台、しかし実態はブラインのフライトユニット、「シャインブライト」だ!!」

と、上司は勢いを受けていう

「さぁ、君も変身したまえ!」
「わかりました!」

そういうと、ケンジはブレスレットを頭上に掲げて叫ぶ

「次元転換!!、ブライン!!」

と、叫ぶと同時にブレスレットから光が降り注ぎ、ケンジの体を包み始める!!

そして少し経つと光がはじけ、その銀色と青色に光るメタルボディが現れる

「さぁ出撃せよ!、次元警察官ブライン!、明日の世界達のために!!」

「はい!!」

そういうと、ブラインはシャインブライトに乗る

そして次元が裂ける

「それでは!、任務にいきます!!」

と、言うとともに、シャインブライトは、そのジェットのようなものをふかして次元の裂け目に入っていく

「頑張ってくるんだ…ブライン、大川 健二、…次元警察官よ」

80【1】 ◆Tg./UqnJ52:2012/11/16(金) 08:17:38 ID:276WmNrY
【外伝「月を斬る剣」】

「ミリア・フローレンス・シュヴァルツァー? ……ええ、覚えておりますよ。
 私の弟子の中でも、あの子ほど奇特な者も居ませんでしたからな」

そう語るのは、東京の町田で小さな剣術道場を営んでいる老人。名を三輪重家といった。
襖一枚隔てて、道場に通う子供達のかけ声が聞こえてくる中、頭に白いものしか残っていないほどの齢を重ねた彼は、
湯気を立てる茶で喉と唇を潤し、

「思い出しますな……あの頃を。あなたもご存じだからここに来たのでしょう? 私がディヴァイン・クルセイダーズの一員だったことを。
 はは、年甲斐もなく大はしゃぎをしたものです。とはいえ、私は一度も戦場に出たことはありませんでしたがね。
 私があの組織でやっていたのは、AMに乗るパイロット達に剣を教えることでした。
 …………ええ、仰るとおり、銃器の類が発達している反面格闘戦が不得手なAMでの戦闘では格闘戦に移ること自体が稀なことでしたし、
 格闘戦を主眼とする機体……特機の戦闘においては一撃必殺を重んじる示現流が主流でした。
 私が教えていたパイロット達は、近接戦闘にも対応できるようになった、ガーリオンの量産機に乗っていた子らだったのです。
 ……いえ、乗るために育成されていたパイロット達、と言った方が正しいでしょうな。
 将来的にそういった機体が量産されることを見越して、ゾルダーク総帥は私にそのパイロット達に剣を教えることをお命じになったのです。
 …………いいえ、そういった者は私だけでは、もちろんありませんでしたよ。他にも色々な先生方が居りました。
 洋の東西と武器を問わず、このために総帥は様々な道場の先生をお集めになったようです。
 そういった中で、私が担当した子らに学ばせたのは、柳生新陰流でした。……ええ、江戸柳生の方です。柳生宗矩の」

三輪老人は記憶を引っ張り出すかのように、顔と目線を斜め上に持って行く。

「選抜された子らだったらしく、皆素直で、私の教えをよく聞き、守ってくれました。そしてその中に居たのが、彼女……ミリアです。
 まだ十五という幼い歳なのに家族をエアロゲイターに殺されて孤独の身となり、復讐の炎を燃やしてクルセイダーズに入隊……悲しいことですが、
 組織にはそういった者は珍しくありませんでした。ですが彼女の才能は違っていました」

顔を戻した三輪老人の顔には、わずかな興奮が宿っていた。

「非凡な剣を振るう子でした。十五の娘が、そのような域に至れるのかと疑問に思われるでしょうが、これだけははっきりと言えます。
 彼女は天才でした。スポンジが水を吸うように、とはあのことを言うのでしょうな。加えて熱心な子で、暇を見ては剣を振るっていました。
 …………ええ、そうでしょうな。しかし、彼女の目的と合致する習い事で、なおかつ自分の性に合っているとなれば、楽しさもあったと思いますぞ?
 ……はは、ばれてしまいましたか。ええ、私も彼女に剣を教えるのが楽しみになっていましたよ。
 他人の子ではありましたが、時折孫を見るような目で見ていた自分も居たことは否めませんよ。お恥ずかしい話です」

照れくさそうにする三輪老人の後ろには、剣道着姿の青年の遺影が置かれた仏壇があった。

81【2】 ◆Tg./UqnJ52:2012/11/16(金) 08:19:30 ID:276WmNrY

「ともあれ、そんな日々が続いておりましたが、ある日、弟子達の腕がどこまで上がっているかを見るために、試合を組んだことがありました。
 まあ良くある稽古試合ですな。その中でミリアともう一人、アベルという青年が試合をしたのですが、このアベルが奇妙な負け方をしました。
 新陰流は活人剣(かつにんけん)……ここでいう「活人剣」は剣術の上での語句で、
 世に溢れる勧善懲悪ものの小説などで知られる心構えとしての「活人剣(かつじんけん)」と字は同じですが意味が違い、
 相手を誘って相手に先に打たせ、その動きを読んで「後の先」、つまりはカウンターですが、これを叩き込むことが肝要とされています。待ちの剣術なわけですな。
 そんなわけですので、新陰流を学んだ者同士が戦う際、基本的に「先に必殺の意をもって動いた方が不利」であります。
 ですが、相手も待ちかまえて動かないと、待っていても埒が明かない。そのための撹乱の技もあり、そういった技の中に必殺の一撃を紛れ込ませて先手を打ち、
 勝つことも可能でありますので、一概に先に動いた方が負けるかというとそうでもありません。
 前置きが長くなりましたが、「先に動いた方が負ける確率が高い」というのが皆の共通認識であったことだけは覚えておいてください。
 そうした認識があって、私も他の弟子達も、ミリアとアベルの試合も先に行われた数試合のように、剣によるかけひきが行われる、そう、思っていたのです。
 ですが、結果はそうではありませんでした。
 試合が始まり、ミリアとアベルがやや斜めの正眼に構えたまま相手の剣がぎりぎり届かないくらいの間合いに至ってすぐ、ミリアが踏み込みました。
 そして次の瞬間には、ミリアの竹刀がアベルの胴を打っていました」

三輪老人は手振りを使って、その時の様子を表現する。

「それだけなら、ミリアのスピード勝ちのように聞こえるでしょう。
 しかし先に述べたように、新陰流を学ぶ者にとって、相手が先に仕掛けてくるというのはまたとない好機なのです。
 ミリアの相手をしたアベルも、特別不出来な者ではなく、むしろ優秀な方だったのですが、何故かその時アベルは正眼に構えたまま棒立ちで負けてしまったのです。
 奇妙に思った私はアベルを呼び、何故棒立ちだったのか? と問いました。その問いに対し、アベルはこう答えました。「何もかもが見えなかった」と。
 ショックを受けている様子の彼を休ませ、全ての稽古試合が終わった後、弟子達を部屋に帰した私はミリア一人に残るように言い、
 アベルとの試合で何をしたかを問いました。するとミリアは、「試してみたかったことがあったので、それをやった」と答えました。
 何でも彼女が言うには、今まで剣を習ってきて、何度か試合をしてわかったことだが、剣を持って向き合う際、
 相手と剣には独特の「気」のようなものが感じられる。打ち込んでくるときなどは、それが顕著に感じられる。
 相手の打ち込みを受ける際、視覚、聴覚による情報はもちろんであるが、この「気」を肌で感じてそれに反応しているふしがあることに気がついた。
 ならば、その攻撃の際の膨れあがる「気」を消し、出来る限り素早く打ち込めば、自分と剣は不可視の剣となるのではないか、と」

話し相手が失笑を禁じ得ないことに気がついた三輪老人は、つられるように微笑みを返したが、すぐに真面目な顔になって、

「ええ、あなたが今お感じになったように、私も「そんなバカな」と思いました。私も剣を握ってそろそろ四十余年になろうかという歳、
 ミリアの言う打ち込みの際の大きくなる「気」のことはよくわかっておりますし、あれを受けて体が反応している、というのも頷ける話です。
 ですがその「気」を消す、などということを言い始めたのはミリアが初めてでした。アベルの言うことを疑うつもりはなかったのですが、どうにも信じられませんでした。
 当然、失笑を堪えて変な顔になった私に、ミリアはふくれっ面で抗議し、「疑うのなら見せてやる」と言い、自分の竹刀を引っ掴みました。
 私も道場にあった竹刀を持ち、ミリアの言う「不可視の剣」とやらを受けてみるか、と軽い気持ちで彼女と向き合って」

テーブルの上で組まれていた三輪老人の手、その左手が、右手首をさすった。

82【3】 ◆Tg./UqnJ52:2012/11/16(金) 08:20:13 ID:276WmNrY

「それから一分も経たないうちに、その「不可視の剣」の威力をまざまざと見せつけられました。
 結果はアベルとほぼ同じ。ミリアの剣に対応できないまま、棒立ちで右の小手をとられました。
 …………ええ、「見えなかった」のです。ミリアはもともと小柄な娘で、剣も力よりは早さを売りにしている剣士でしたが、
 それを差し引いてもあの「見えない」というのはひどく奇妙なものでした。
 何せ、目の前にいた相手が瞬きするかしないかの、本当に短い刹那に姿が消えて、自分に剣を当てたのですからね。
 得意げな表情のミリアを、しばらく呆然と眺めていましたよ」

その時のことを思い出しているのか、三輪老人は小さく笑った。

「その後も何度か彼女の剣を試しましたが、結果は全て同じでした。
 彼女の剣筋どころか、姿さえ見えなくなった私を剣で捉えることなど、彼女にとっては容易なことだったでしょう。
 私はミリアの「不可視の剣」を認めました。認めざるを得ませんでした。
 …………ええ、仰るとおり、私がミリアを始めとする弟子達に剣を教えたのは、あくまでAMでの格闘戦にその技術を使うためです。
 ですので、私は上層部の方に無理を言って、彼女の「不可視の剣」が機上での戦闘で使えるのかどうかを試しました。
 結果は驚くべきもので、ミリアの操るガーリオンも、その姿を消しました。
 機体のセンサー、モニター類は彼女の機体がそこに居ると合唱しておりましたが、それでも見えなかったのです」

弟子の編み出した技で倒される師匠としての自分を語る三輪老人であったが、その顔は晴れやかで、どこか嬉しそうだった。

「ミリアの「不可視の剣」はそんな不思議で凄まじい技でした。
 心が平静で澄み渡り、敵からどんな攻撃を受けてもそれに対応し、即座に「後の先」を打ち込むことが出来るような心の境地を「水月」と呼びますが、
 その境地に至ったいかなる剣豪でも、ミリアの「不可視の剣」を受けては冷静ではいられますまい。
 ゆえに私は「不可視の剣」を「水月」を斬る剣、「斬月剣」と呼んではどうか、とミリアに勧めましたが、ミリアは難しい顔をして唸った後、
 「どちらかというと自分の剣は暗殺剣っぽいから、そんな必殺技みたいな名前は相応しくない。だから、「新月剣」と名付けることにする。
 ほら、新月の夜には閃く白刃が見えない的な話があるだろう」と言って、「不可視の剣」を「新月剣」と呼ぶことに決めたようでした」

自分の剣を学んだ者に、自分を超える傑物が出た。三輪老人は、それを喜ばしく思うタイプの人間であった。

「その後、他の弟子達と同様にミリアはAM用の日本刀が装備されたガーリオンに乗って各地を転戦しましたが、運悪く遠くに離れている時に、
 あのアイドネウス島の事件が起こり、彼女はゾルダーク総帥と運命を共にすることは出来ませんでした。
 ですが私に言わせれば、それは幸運なことです。あなたがここに来たということは、彼女はまだ生きているのでしょう?
 だから話を聞きに来た。違いますか? …………なるほど。もし見つかったら、何卒、良きにはかられますよう、お願い申し上げます。
 あの子は連邦に対して収まりきれぬ怒りを抱いておりますが、それは逆に言えば、家族想いの優しい子であるということ。
 あのような子が復讐の炎に身を焦がすことなどは、本来あってはならぬことなのです。
 怨みを飲み込み、世のため人のためにミリアが「新月剣」を振るうようになるのでしたら、それはこの老いぼれにとって、最上の冥土の土産になりましょう」

83【4】 ◆Tg./UqnJ52:2012/11/16(金) 08:20:59 ID:276WmNrY
【外伝「月を斬る剣」:余談】

「ふう……」

三輪剣術道場から出てきて、そんな吐息ともつかぬ声を漏らしたのは、黒色の軍服にこれまた黒色の軍装マントを羽織った、長い銀髪の女性。
年の頃は二十そこらといったところだが、同年代の市井の女性とは違った空気を持つ。
無論、その服装の影響もあるのだろうが、それだけでないこともまた、確かだった。

「年寄りの話は長くなりがちだな。まあ、おかげで興味深い話も聞けたし、良しとするが……」

ちらりと女性が目を向けた先には、黒塗りのいかにもな車と、その側に立っている、腰まで届くほどに長い、薄い赤色の髪が印象的な、
十代後半ほどに見える小柄な人物。
車の横に立っているその人物は、柔和な微笑みを女性に向けていたが、対する女性は呆れたような顔で額に手を当て、

「如月博士、長くなるから先に帰れと私は言ったはずだが?」
「ホテルに帰ったところで、話し相手の特尉が居ないのですから、結局暇になります。
 ですがこうして待っていれば、少なくとも帰る途上の特尉を拾える分、多く話せる。
 実に合理的な理由だとは思いませんか?」
「やれやれ……私は女性週刊誌の代わりか?」
「まさか! 安全保障委員会直属部隊の隊長を女性週刊誌の代わり扱いなどできませんよ。
 そんなことをしたら私の脳天に突然穴が空く怪事件が起こるじゃないですか!」
「君とは一度、うちの部隊をどう思っているか、よく話し合う必要があるようだな?」
「そうですか? まあ私としては、特尉と話せる話題が増えて嬉しいですけどね」
「君を喜ばすために言ったわけではないぞ。念のために言っておくが」

呆れと困りを7:3くらいに混ぜ込んだ複雑な顔をしつつ、「特尉」は黒塗りの車の助手席に乗り込んだ。
相変わらずの微笑みを見せていた、如月博士と呼ばれた人物もそれに倣って運転席につく。

「…………で、成果はどうでした?」
「面白い話は聞けたが、これまでと同じさ。消息不明。そろそろ諦める時期に来ているのかも知れんな、ミリア・シュヴァルツァーの捜索は」
「元トロイエ隊、とか元教導隊、とかのネームバリューがありませんしねぇ。
 知る人ぞ知ると言うか、マイナーな人物のようですし」
「しかし、その「知る人」から得られる情報にはほぼ誤差がない。彼女の師匠からのお墨付きも今日、得た。
 彼女の「特殊な技」……師によると「新月剣」という名だそうだが、その存在と効果は確かなようだ」
「にわかには信じられませんがねぇ、姿が消える、だなんて。錯覚の類なんでしょ、それ?」
「おそらくな。だがその錯覚は彼女に対した全員が経験したことであるし、その全員が彼女に敗北している点から見ても、強力な技能であることは疑いようがない。
 ……ああくそ、喉から手が出るほど欲しい人材だ」
「特尉の人材好きも変わりませんねぇ」
「やかましい、ほっとけ。そしていいからとっと出せ。腹が減った」
「はいはい」

はい、は一回でいい、と特尉が如月博士を小突くのと同時に、二人の乗った車は町並みに消えていった。
甲斐が地球に戻る少し前の話であった。

84ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/02/06(水) 14:32:36 ID:5O2EALSo
【プロローグ:継ぎ接ぎの爆撃機】
この世の何処にでもある戦場 何処にでもある前線 何処にでもある野戦飛行場
発着場には、その日戦闘を終えたPTたちが次々と帰ってきた

また一機 味方のPTが帰ってきた、装甲のあちこちには銃創が開けられ 所々剥がれ落ち 間接は火花を散らす
よほど集中砲火を浴びたのだろう、だが当のパイロットは何時もの事と気にも留めていない

ラーズアングリフ・ドロワナ 彼の機体、幾度となく出撃と被弾を繰り返し、そのたびに違う系統の装甲を無理やり貼り付けて使い続けてきた、継ぎ接ぎだらけの爆撃機

「ふぃ・・・」
機体をメカニックに預けて機体から降りる、そして共に生還した仲間とフィスト・バンプで喜びを分かち合う

「ニック 今日は敵の真っ只中に突っ込んでアヴェンジャーをぶち込んだんだ、貸しは高いぜ」
屈託のない笑みを浮かべるのは背の高い白人、名はゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル
火力支援が主な任務だガ、その度胸と技術、そして多少の運を駆使してそれ以上の活躍を見せる、この部隊のエースだ

明日は非番、これから最寄の酒場まで繰り出して、気の知れた仲間と酒を呑み、歌姫に色目を使い、カードでギャンブル
だが、そんな楽しみは、上官直々の出頭命令により霧散してしまうことになる

――――
「は? 転属命令・・・ですか?」
丸めてロッカーにぶち込んでいたよれよれの軍服に身を包み この基地で一番のお偉いさんの下にはせ参じたゼバスチャンは、突然の辞令に素っ頓狂な声を上げた
書類には、ここから遥か遠くに位置する島国、日本の伊豆基地への転属を命ずる等の一文が記されていた

「ですが・・・何故自分が?」
腑に落ちない。確かにこの基地では特に戦果を挙げるエースと呼べる存在だろう
だが入隊以来昇進に恵まれず、齢37で階級は軍曹である

言ってしまえば星の数ほども居る一下士官なのだ、ソレをわざわざ引っ張ってくるとは・・・
その質問にボスは肩をすくめるばかり、詳細な理由は分からないらしい

だが命令は命令だ、部下は黙って命令に従うのみ

――――
数日後、慣れ親しんだ戦場との別れ
これから始まるのは今までとはまったく異なる環境、異なる仲間、不安は山ほどあるが、ソレもまたいい経験だ

「アバヨ野郎ども!! 寂しくなるなぁ 死んだら地獄で会おうぜ!!」
見送りに来た友人達に挨拶を済ませ、継ぎ接ぎの爆撃機は一路 日本を目指して飛び立った

85メグたち、そのころ ◆E8ckRIIdug:2013/02/20(水) 21:59:54 ID:0ZowkPtk
 皆が会議室でブラインの話を聞いている頃、別室では……

「では博士、こちらでしばらくお待ち下さい」
「タイデグリー中尉はしばらくかかると思いますので」
「……分かりました……

 あら?はじめまして」

 メグがレミーの指示で待たされる事になった部屋には、既に怪しげな虚無僧がいた。

「やや、ウィルマース博士ですな。
 拙僧はタイデグリー中尉から博士の供をするよう頼まれた、参願(さんがん)と言う者で御座る」
「そうですか。わざわざありがとう御座います。

 と言う事は、レミーを待たず諏訪に行ってもいいのね!」

 そう言う事になりそうである。

86レオンのその頃 ◆NcltM1gQ/Q:2013/02/21(木) 22:44:50 ID:8a4ROJWI
ゲルシャドー撃退後あたり某所

「アンノウンからの攻撃が相次いでるってのに何で俺はこんな所に居るのかねぇ…?」

月面での軍事行動を連邦政府に問われ事実上の解体を言い渡され
イサムとの繋がりが強いとされる人物は監視付きの謹慎処分とされていた
珍しく今回は背広姿である
デスクには始末書の山があり椅子にもたれかかり隣でキーボードを軽快に叩く丸眼鏡の背広姿の男に話し掛ける…が
直後に男はデスクから取り出したUSBメモリを落としてしまう
すぐさまソレを拾い上げて男に差し出す。袖の下に仕込んだ同型のUSBとすり替えて

レオン「ほい」

男はソレを『確認』したのちレオンに返礼する

「貴方の事は知りませんが…拾ってくれてありがとうございます」

手慣れた手つきで差し替え再びキーボードを叩く
一方のレオンはタブレットを取り出して画面に目をやる
内容は月面での攻防の後のレイナ達の処遇についてである

(…今回に関しては某高所からの圧力により不問とはされたが、欧州支部からはより強い警戒が懸念される…か)

タブレットをしまうレオンを横目に男が話しかける
作業は続けたままだ

「そうでした。貴方にどう関係があるかは知りませんが明智氏がアンノウンを撃退したらしいですね。ひとまず部隊に欠員はなしとか…」

レオン「…へぇ。最近はホントに物騒だな」

そっけない風をするがつまりは全員無事…と言うことだ

87 ◆ehmeRCjCRw:2013/02/21(木) 23:20:50 ID:mH.gTu92
自分の思い通りにいかないと人のロールにケチ付けまくる人格破綻者の糞野郎 ◆NcltM1gQ/Qをよろしく!!!!!!!!!!!

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88ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/02/23(土) 22:16:10 ID:m2oThc9I
伊豆基地に接近してくる機影が一つ

「アレが極東、伊豆基地か・・・長かったなぁ」
ソレは何処にでも居る一下士官の乗る爆撃機だった

なにやら自分が到着する前にアンノウン(?)とドンパチがあったらしいが、伊豆の基地が無事と言うことは無事撃退ができたと言うことだろう
決して居心地がいいとは言えないコクピットの中、手元の資料に目を通していたが、そろそろ基地に呼びかけないと防衛システムのような何かで撃ち落されそうで怖いので

「通信開始っと・・・あー あー 伊豆基地へ、こちら今日付けで配置転換されたゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹である そちらの着陸位置を知らせ」
基地に向けて通信を行った

どうやらちゃんと話しは通っているようだった、基地からは着陸コースを指定するデータが転送されてくる行き先は・・・格納庫のようだ

――――――場面転換 格納庫へ――――――――

昨日まではなかった新しい機体がやってきた
ソレは恐らくラーズアングリフと呼ばれる機体・・・なのだろう

普通軍属についていなくても、PTの知識があれば、機体の判別などそう難しいものではない
何故恐らく・・・なのだろうと不確定な物言いをしたのか? ソレはその機体が余りにも歪であるからである

アノ機体の右足辺りの装甲は アレはガーリオンの物ではないだろうか?
腰の分厚い追加装甲は ゲシュペンストmk-2改タイプCのソレではないだろうか?

他にも細部を見れば、そこにあるのは他系列の物ばかり、よく見てみれば一部グルンガストのような特機のパーツをも組み込み
そのパーツを赤や黄で注意と書かれたテープでグルグル巻きにしてある、どう見ても正規の修理を行ってこなかった代物

傍目から見ればポンコツ、継ぎ接ぎのイメージをもたれること請け合いな機体が、彼に宛がわれたハンガーに納まった
ラーズアングリフ・ドロワナ 伊豆基地に到着である

89 ◆zwG.6Bg2jY:2013/02/24(日) 01:51:06 ID:SVuPn4po
>>88
>「通信開始っと・・・あー あー 伊豆基地へ、こちら今日付けで配置転換されたゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹である そちらの着陸位置を知らせ」

『こちら伊豆基地航空管制……そちらを確認した、C滑走路への着陸を許可する。以後送信したデータを元にこちらの指示に従え』
通信に対して出てきたのは航空管制の人間だった、当然といえば当然の話だが。
その男の言葉を示す通り、昼間でも視認できるほど強力な光を放つ進入灯がルートを提示してくる
C滑走路は格納庫に最も近い、なにやらその近くに巨大なドックも見え、そこには既に戦艦が停泊しているようだ。
あれはセバスチャンが配属された部隊のものと見て間違いないだろう



一方その頃、部隊へと新たに編入してくる人物を迎えるためヒツギは格納庫に立っていた。
事前に受けた情報によると、まず名前はゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹
前は支援爆撃を主とする後方部隊に所属していたらしい

搭乗機はその前部隊の方向性に則り、ラーズアングリフに大型の実弾兵器を追加した代物とのことだ。
だがそんな事前情報は無しにしても『一目で分かる』とのことだったが・・・

「『ゼバスチャン』変わった名前・・・なのか?
 白髪のスタイリッシュなスーツ姿のジェントルメン、こうモノクルも付いてますみたいな」
それはセバスチャンだと突込みが飛んできてもおかしくない発想だ
実弾で後方支援というのも中々渋い、そこもヒツギが年配の方イメージを持つ要因になっているのだろう。



>昨日まではなかった新しい機体がやってきた

「お、来た!・・・か?」
一瞬にして語尾が怪しくなったのはやってきた機体の姿が起因していた。
自分が乗っている機体も決して趣味がいいとは言えないのだが、これは別の方向性でぶっ飛んでいた。

>右足辺りの装甲は アレはガーリオンの物
>腰の分厚い追加装甲は ゲシュペンストmk-2改タイプCのソレ
>他系列の物ばかり、よく見てみれば一部グルンガストのような特機のパーツをも組み込み

全体的にチグハグしているのだ、形状と左右非対称さがその印象を与え

>そのパーツを赤や黄で注意と書かれたテープでグルグル巻きにしてある、どう見ても正規の修理を行ってこなかった代物

それらを固定しているのであろうテープがさらに異彩を助長している
確かに書類をくれた担当が笑いながら『見れば分かる』と言ったのが頷ける。
無理やりに改修を続けて言った結果、同一の固体は絶対に作れないと言ってもいい領域になってしまっている
ずんぐりむっくりの体系と背負った巨大な砲塔がくラーズアングリフだと教えてくれるが、これはいい意味でも悪い意味でも一発で識別が可能だ。

「・・・フランケン」
ヒツギがその姿を見、称するように呟いた

90 ◆h9Hr5c.eFE:2013/02/24(日) 02:33:19 ID:XUbZy4Yk
>>88
「なによアレ。どんなのが入ってくるかと思えば、継ぎ接ぎだらけの出来損ないじゃん」
どうやら、その異質な容貌はマヤの美観には合わなかったようだ。
率直すぎる感想に対し、彼女の傍らに立つつばめは申し訳なさそうな苦笑いで応じた。
何故彼女達三人がこの場に居るのかといえば、軍による機体の査定を受けるために、たまたまこの格納庫を使用していたためである。
現在は静香が風姫に乗り込んで各部の仕様を説明している。
続く焔姫のシステムチェックに備え、マヤは既にLDMLスーツへの着替えを済ませていた。
ピンクのハイレグレオタードにキャットガーター等の扇情的な装飾、兎の耳のようなヘッドマウントデバイスを身に付けたその姿はバニーガールさながらであり、
必然的に周囲の目を引いているのだが、等の本人はまるで気にする様子もなく、腕組みしながら大型コンテナに寄りかかっていた。
「構造材がまちまちの増加装甲に、図面を引いて割り出したとは思えないあの形状…
あれって、現地回収を繰り返した結果導き出されたバランスなんでしょうか?
パイロットさんにとってはあれが最適解なんでしょうか? 気になります!」
マヤとは対照的に、つばめ(こちらは平服である)は嬉々としてラーズアングリフを眺めていた。
メカニックとしての経験も備えるつばめにとって、その左右非対称の武骨なフォルムは興味深いものらしかった。
夢見る乙女のごとく目をキラキラさせている戦友の姿に溜め息を一つ吐くと、マヤはコックピットらしき場所に注目した。
「乗り手が出てくるみたいよ?
ま、好き好んでああいう機体に乗る奴なんて、どうせネクラで悪人面の兵隊やくざに決まってるけど……」

91ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/02/24(日) 03:49:28 ID:Z/6gILz.
>>89-90
「はいはいよっと・・・向こうだな」

着陸態勢にはいるラーズアングリフ 
視界の先には、立派な戦艦が鎮座していた。あれが自分の配属される戦艦である甲斐だろう

「あんな綺麗な戦艦に・・・これで大丈夫・・・だよな うん きっとメイビー」
ドロワナって継ぎ接ぎだもんなぁと、一抹の不安を覚えながらも、強引に納得して考えないことにした

何はともあれ格納庫に入り、コクピットが開く
降りてきたパイロットのイメージと実際のギャップは ヒツギが100% マヤが50%といったところだろうか?

身長191cm 体重99kgという高身長にガッシリとした体格 金髪を短く刈り込み 軍服は長年クリーニングに出してきていないことが一目瞭然なぐらいよれよれと
正にセバスチャンという名前から連想される人物にはかすりもしていない、堂々たる軍人がそこにはあった

そして出迎えだろうか? まだ少年といっても差し支えないほどの彼に背筋を正し、敬礼をすると

「本日付でこの伊豆基地に配属されました ゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹でぇあります!! 以後よろしくお願い致します!!」
大きな声で ハキハキと自己紹介を行った、厳つい顔といい これだけを見れば厳格な職業軍人っぽく見えなくもないのだガ

「まぁそういうわけだ、仲良くやろうぜ少年 出迎えご苦労」
急に姿勢を崩し、屈託のない笑みを浮かべながら 少年の方をポンポンと叩こうと手を上げた

>>90
そしてあたりにキョロキョロと視線を向けていたら こちらを見ている少女が2人目に入った
しかもそのうちの1人はなんともセクシーなスーツを着ているではないか

「♪〜 こいつは目の毒だなぁ ひょっとして俺への歓迎の印かい? だが少なくても5年以上は経ってからもう一度来てくれ」
口笛を一つ、その悩ましい姿に笑みを浮かべるが、残念なことに自分のストライクゾーンに入るには、若すぎたようだ

もっとも入ったから何だという話ではあるが

「俺はここにむるまえ、後方支援を担当していたんだガ・・・性に合わなくてねぇ、一報いただけば最前線まで出張って火力支援を行うもんだから
 ただでさえ重装甲のラーズアングリフでも捌ききるのは至難の業」

「だから現地のメカニックに無理行ってパッチアーマーを取り付けてもらったってワケ
 確かに見てくれも悪いし、テープで止めるなんてパワープレイも入っているが、これが意外と動きやすいんだぜ」
きっとこれを受け持ったメカニックは職人と呼んでも差し支えない腕だったのだろう

他系列の装甲を無理やりくっつけながらも、全体の動きを損なわない、機械化の進んだ今、良い意味でも 悪い意味でも 旧時代的【職人】の作品と言えるだろう

「何はともあれ今日から仲間だ よろしく頼むよ少女たち」

92 ◆zwG.6Bg2jY:2013/02/24(日) 20:03:18 ID:SVuPn4po
>>90
>「なによアレ。どんなのが入ってくるかと思えば、継ぎ接ぎだらけの出来損ないじゃん」

「流用できそうなパーツを片っ端から取り付けていったってことは
 それだけ長く継続して使われている=生還率高しって証明でもあるし、出来損ないって訳じゃなさそうだけどな」
思いのほか痛烈なコメントを残すマヤとは対照的に、ヒツギはその姿から機体の経験値を導き出した
あれらのパーツを無理を承知で組み合わせるということは、それだけ資材が不足しているということ。
不恰好でこそあれど、そんな中でも改修を受ける立場であったあの機体は歴戦の勇士といっても過言ではない・・・というのがヒツギの見解だった

「よくあるだろ、傷は勲章みたいな?」
カラッとした笑顔に茶目っ気のあるウィンクを混ぜて短くまとめてきた。
もっともこの見方ができたのは視野が広いというわけではなく、ヒツギの性格や趣向にも同一の方向性が見受けられるからというのが大きな理由だろう
結構な肉体系として、もしかしたら変な部分が共鳴したのかもしれない。

>マヤは既にLDMLスーツへの着替えを済ませていた。
>ピンクのハイレグレオタードにキャットガーター等の扇情的な装飾、兎の耳のようなヘッドマウントデバイスを身に付けたその姿はバニーガールさながらであり、

「っていうかその格好寒くないのかよ、そのスーツって皮1枚みたいだったはずだろ」
バツが悪そうに頭を掻きながらヒツギは尋ねる。
ここで「はず」という言葉が出てくるのは、彼が視線だけは絶対に合わせようとはしないからであった。
本人は照れを隠しているのだろうが、いくら平常心を取り繕うとも羞恥からほんの少し赤くなった頬は隠せていない。
年相応なのか、それともこういったことにヒツギ自身が免疫がないのか・・・

>「乗り手が出てくるみたいよ?
>ま、好き好んでああいう機体に乗る奴なんて、どうせネクラで悪人面の兵隊やくざに決まってるけど……」

「っとそうだった、いっけね忘れるところだった」
マヤの言葉で自分がなぜこんな所にいるのかを思い出し、ヒツギは気を引き締めた。
・・・内心はマヤと自分の予想、どちらがあっているか地味に勝負事にしていたりもしたのだが

>>91
>身長191cm 体重99kgという高身長にガッシリとした体格 金髪を短く刈り込み 軍服は長年クリーニングに出してきていないことが一目瞭然なぐらいよれよれ

なるほどそっちか!とヒツギは意味もなく頷いた。
名前のイメージに囚われていたけれど機体を考えればタンクトップが似合う屈強な軍人が出てきてもおかしくはない
そして方向性としてはマヤの勝利だ、自分で勝手にやってたことだが微妙に悔しくもある。
忘れないうちにと、ヒツギはゼバスチャンと合流したという連絡を送っておいた

>「本日付でこの伊豆基地に配属されました ゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹でぇあります!! 以後よろしくお願い致します!!」

「こちらはヒツギ・ハヤセ少尉であります!ようこそ伊豆基地へ!!」
そんなゼバスチャンにつられる様にヒツギも張りのある声と共に四肢をピンと伸ばし敬礼を行った。
だが直後にその表情は緩み、ニィっと歯を出して悪戯っぽさも残る笑顔に変わる。

その顔つきはまだ未成年であろう独特の幼さを持っていたが
差し出された手を、よくよく見るとその体は一介の軍人と比較しても良いほどに鍛えられている。
引き締まり硬く詰まった手の筋肉と独特の傷や豆から、手を強く握りこむような・・・
所謂格闘技をやっているであろうことも推測できるだろう。

「・・・っと先に断って置かないと行けないことがあるんだ。
 実は今、数時間前に起こったアンノウンによる襲撃事件についての情報を関係者から聞いている最中で
 本当ならもうちょっと上の部隊指揮官やら艦長やらが出てくる予定だったんだけど出払っててさ。」
なるほど確かに、基地内が少し慌しいと思ったらそういうことだったらしい。
ただ出迎えにしては、既にパイロットが搭乗していることが伺えるヒュッケがスタンバイをしていて物騒だったり
こういった事に慣れているようには見えない少年が対応に出向いていたりするのはそのアクシデントが原因のようだ。

93ユウセイ  ◆JryQG.Os1Y:2013/02/24(日) 20:35:43 ID:biyYEwF2
「さてと、見に行きますか。」
アスト博士に、搬入機のメンテを変わりにやれと、言われたので
喜んで、行くことにしたユウセイ。
(正直言って、あの空間息苦しかったし。)
(大将や、河嶋大佐には、また今度聞けばいいか。)
そんなことを思いながら、行くと
「………何だ、あれ?」
ゲシュペンストのC型、ガーリオンのパーツ
そして、グルンガストの、パーツまで
「どうしたら、ああなるんだ?」
ユウセイにしては、まともなツッコミ
「えっと、この機体のパイロットさん居ますか?」
「メンテをするんで、テープ外すのと」
「出来れば、無理矢理付けた、パーツの場所を教えてくれると助かる」
「交換とかも、考えるから少し時間をくれ。」
「それと、ヒツギ、出来れば、メンテ手伝ってくれると良いけど、どう?」
流石に、こんなにゴテゴテした機体を相手すんのは大変なんで、応援を求める。

94五味中尉 ◆E8ckRIIdug:2013/02/24(日) 22:04:05 ID:o5Tq.RUE
「や、もう来てたか」
 やや遅れて、一人の士官が駆け寄ってきた。

「当基地所属、五味淳一中尉だ。
 本当は甲斐の士官が来るはずなんだが、ちょっとタイミングが悪いみたいでな……」
 五味はそのあたりは全く知らない。

95ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/02/24(日) 22:52:34 ID:Z/6gILz.
>>92
「おっと 少尉殿で有りましたか これは失礼を」

自分よりも一回りは年齢が下な少年が仕官であることには、多少なりとも驚きの声をあげたものの
最低限の敬語を使うのみで姿勢を正したりはしなかった

差し出された手に応じるように握手をしてみれば、なるほど 少年ではあるが決して若造ではないようだ
それなりの修羅場を潜り抜け、実力をも伴って仕官の道を歩んできたのだろう、ケツで椅子を磨いているだけだった前の上官に紹介してやりたい気分だ

「何者かの襲撃を受けたことまでは、すでに把握しています・・・が その詳細まではこちらの耳には入ってきていません
 そのアンノウンとは先の戦争、エアロゲイダーのようなどこぞから来たかも分からぬような連中で・・・?」

少し眉間に皺を寄せながら質問してくる、あの時の戦争ではたくさんの友人を失った
アノ戦いの再来ともなれば、否応にも緊張が走る

「この後すぐにでもお偉いさんに出頭をと考えていたが、関係者から事情を聴いているとなると、少し時間を置いたほうがいいようですな
 自分も有事に備えてスクランブルに備えていましょう」

>>93
ハヤセと話をしていると、向こうからもう一人誰かがやってくる
見たところ目の前のハヤセよりは年上、だがこれもまた自分よりも年下の男

「なんだあれって? 酷いなぁ、だれがどうみたってラーズアングリフじゃないか」
きっとどう見てもラーズアングリフに見えないから言ったんだろうけど

「俺がコイツのパイロットだ、ゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹 以後よろしく頼む
 俺自身はコイツの何がどう変わっているのかよく分からないんでな、現地のメカニックにデータをもらってきたんだ」

そういってユウセイにデータを見せる
そこには全装甲の85%が別のパーツである上に、左腕にいたっては丸々量産ヒュッケバインの物を取り付けられていた(しかもそのパーツを覆う装甲もまた別系統のもの)

「テープを外すのは別にいいんだが・・・交換か、純正パーツだけだと脆いんだよなぁ」

腕を組みながらさらりと問題発言、重装甲で有名なラーズアングリフの装甲を脆いと一蹴する 
それだけ特攻が多く、被弾前提の戦いをしてきたが故の物言いであった

「ついさっき、アンノウンに襲撃されて、動ける機体はスクランブル待機しているらしいし、時間がかかるならまた今度にしてくれ
 ADテープはこれからこの基地へと届く予定だから、ソレを使ってくれ」

その言葉通り、いくらも時間が経たないうちに、伸縮性と耐久性に優れた巨大なテープが届くであろう

>>94
「ゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹であります、基地襲撃の件は、すでに把握しています」
やってきた男、少年少女だらけの格納庫で、やっと見かけた同年代の男に敬礼をする

「兎に角災難でしたな、DCだけでも厄介だと言うのに、この上意味の分からん連中まで乱入してくるとは
 本当はすぐにでも艦長にお目通りをと考えていたのですが、関係者による情報提供はどの程度かかるでしょうか?」

96五味中尉 ◆E8ckRIIdug:2013/02/24(日) 23:11:19 ID:o5Tq.RUE
>>95
「いやまったく……敵も味方もよく分からなくて……
 分かりやすいのは彼(ヒツギ)くらいだ」
 少なくとも中尉の視点では、今いる中ではヒツギが一番まともである。実は巻き込まれた現場を見てた訳だし。

「……ここだけの話、さらに怪しげな“協力者”が現れてな……偉いさんはそっちの話を聞いてるんだ。
 後、元大佐が暗殺されたとか」

 つまり、何も分からないも同然である。

97ユウセイ  ◆JryQG.Os1Y:2013/02/25(月) 14:29:58 ID:zHtnw9Hs
>>93
「中尉。どうも、」
適当に、挨拶を済ませる。


>>94
>>「何だあれって、酷いなぁどこからどうみても、ラーズアングリフじゃないか」
「えっと、ラーズアングリフ?」
いや、頭とか見れば解りますけど、問題は、
ゴテゴテしすぎなんだよ。醜いんだよ。
ラーズアングリフが、可哀想だ。
>>「俺が、こいつのパイロットだ。※中略〜現地のメカニックにデータを貰ってきたんだ。」
「自分は、ハヤミユウセイであります。データ有り難うございます。」
「早速、拝見 …………何だこれ?」
全体の85%が、別物?しかも、量産型のヒュッゲをそのまま?
(はぁ、参ったな。)
「取りあえず、まぁ今やれることは、」
「ヒュッゲバインの腕を変えましょう。今ある、奴でゲシュペンストのC型を使います。」
「左右をパージして、接続その上にADテープを」
「他のパーツもテープを戻し、パーツだけ必要な奴だけ変えましょう。」
「それなら、半日で終わります。どうでしょう?軍曹」
そういい、セバスチャン軍曹に、提案する

98五味中尉 ◆E8ckRIIdug:2013/02/25(月) 23:07:57 ID:r0KERC3k
 その時、メグと虚無僧が格納庫を通りかかり、
「わー、英語で言うパッチワーク、独語ならフリッケライね?」
「メアリ・シェリーの言うフランケンシュタイン'sクリーチャーで御座るな」
 ひどい言われようである。
>>97
「簡単に言うなよ。それを半日で終わらせるほどの余力はこの基地には無いから」 
 後ろに回ってユウセイの頭を小突こうとする。
「まぁ、そこまで変えるならいっそ新しいのを持ってきた方が早くないか?」
 それが出来るくらいなら既にやっているだろうが……

>>92
「ああ、ヒツギ・ハヤセさん……ですね……

 レイナの事、よろしくお願い致します」
 そう言いながらヒツギに頭を下げるメグであった。

99 ◆h9Hr5c.eFE:2013/02/26(火) 15:13:56 ID:wv95jXP.
>>91
「あん? なんでこのあたしがあんたみたいなムサいオッサンを歓迎しなきゃいけないわけ?
勘違いも甚だしいってのよ」
顎を上げ、思いきり侮蔑の視線を投げ掛けるマヤ。
年上相手だろうと一切ブレがない。
その横でつばめが申し訳なさそうに縮こまりつつ、会釈を返した。
「……や、やっぱり、現地改修を施された結果なんですね。参考になります」
奇跡のバランスで纏め上げられた機体は、否応なしにタフさと継戦能力の高さを匂わせる。
ちょっとやそっとのダメージや悪環境などはものともしないであろう。
つばめは瞠目しつつも、一方で実際に整備や修理をするとなると大変そうだと感じていた。
複数メーカー、複数機の部品が入り交じっているのであれば、小さな基地では部品のストックが揃わない可能性もある。
裏を返せば、それは整備や補給が満足に受けられない状況に対し、進んで適応していった結果とも言えるのだろうか。

>>92
「ふーん……なんか、よくわかんない。そういう考え。
あたしは焔姫が、ああやっていつでもピカピカじゃないとヤだしさ」
遠方のハンガーに固定されている焔姫を見やるマヤ。
その視線からは、愛機に対する思い入れの深さが感じられる。
恐らくその点だけは、ゼバスチャンとの共通項と見ていいだろう。

(壊れるたびにピカピカに戻すのは私のお仕事なんですけどね……)
つばめは苦笑しつつ誰にも気付かれないよう小さく溜め息を吐いた。

100アイザック ◆Iny/TRXDyU:2013/02/26(火) 20:05:17 ID:RkP1BtGg
ふと皆は気付く、さっきから無線が鳴っている事に

『いい加減返事をしやがれ!!
こちらアイザック・越前伍長、KOT機体と共に転勤してきた整備士だゴラァ!!』

通信を開いてきたのはそんな怒声。
外を見ると、機体一機分の大きさの輸送機が見える
男だとはわかるが、どことなく声が甲高い為、おかしさが沸いてくる。

というかモブ共がその声で爆笑している


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