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汎用スレpart1

4 ◆XBXunO3VT6:2011/09/27(火) 08:10:47 ID:o5fIw126
【プロローグ『黒の復讐者』】

「っ……ぐす。…み…んな!みんなどこぉぉ!?」

とあるコロニーの市街部は鳥獣を模した機体を筆頭にした数体の機動兵器の攻撃を受け真っ赤に炎上していた。月の強硬派による血の粛清が行われたのだ。
人々の冨の象徴である建物は高級な物から安価そうな家屋も何の関係も無く無惨に崩れ落ち、同じような瓦礫となってしまっている。
そんな灼熱地獄と化した街並みを黒髪の少女がよろめきながら歩いている。足を負傷している様で、今は走る事など到底出来はしない状態だろう。
少女は避難する途中で軽い爆発に巻き込まれ、たった今まで瓦礫に埋まって意識を失っていたのだ。
その結果、少女は偶然にも月の機動兵器による粛清をやり過ごした。
少女が歩いていくその周りには必ず幾つかの死体が転がって居た。部位の欠損した物、焼き払われ、思わず目を背けたくなる様な醜い屍となった物も沢山有った。

「ううう!……いやだよぉ。……どうして?……どうしてこんなこと」

少女は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながらそれでも歩く。もしかしたら自分の家族達は生き残っているかも知れないと言う一筋の希望を信じて。
だが、すぐに少女は見てはいけない物を見つけてしまう。既に事切れている家族を発見してしまったのだ。それも先程見た身元判別すら不可能な醜悪な焼死体の様なものでは無く、致死量の出血をしているものも比較的綺麗な状態で転がっていた。それが家族の死をより決定づかせ、彼女の希望は完膚無きまでに打ち砕かれてしまった。

「あ……ああああ……あ!!!!いやああああ!……お母さんっ!!…お父さん!!ダイチ!!……レミも!!……みんな!みんな!なんで死ななきゃならないの!?わたし、もう独りじゃない!!」

少女はただ家族の死体にすがりながら泣きわめくしか出来ない弱い人間だ。むしろそれでいいと思っていた。
だが、泣き続け涙も枯れ果てようとした頃、ふと頭にはコロニーを襲った火の鳥の様な機動兵器達がフラッシュバックし、何やらドス黒い感情が彼女を支配する。

「……ユルサナイ。……殺してやる」

その日から少女は復讐者となった。

―――――――――――――――――

「!?!?……ぅぅ?夢?」

ビクッと飛び起きる。
ここはアメリカから宇宙へ出発したシャトルの中である。上記のコロニーの話はどうやら彼女の見た夢だった様だ。

「ほんと……最低の目覚め」

頭でも痛むのか、こめかみを押さえ、しかめっ面をしているツーサイドアップの黒い髪の少女。彼女の名前はツバサ=センリ。民間企業ブラック・ワークスの社員でありテストパイロットを兼任している。
現在、連邦軍の独立遊撃部隊との合流予定ポイントへ向かっている最中である。

(軍の最前線部隊。そこでなら私の復讐を……ね)

彼女の目的はただ復讐する事だけである。その為だけに今の自分はある。そう考えている。


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