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汎用スレpart1

7 ◆ZcWWqEU16Q:2011/09/27(火) 18:38:46 ID:F1wg3tj6
【プロローグ『煉獄の魔女』/後】

放たれた業火によって家族はあっという間に“ヒトであったもの”へと変貌してゆく。藻掻きながら、苦しみながら、最後の最後まで娘の名を叫び、地に臥せる。

少女は程なく“家族だったもの”が居た場所に辿り着き、其れを目撃するだろう…………

「…………これであの娘は私に対して憎悪と殺意を抱く。そうすれば、あの娘は私に復讐をしに足掻いてくるようになる筈だ。
……………………そして、あと一歩で復讐を完遂出来る所を私が返り討つ…………フフフ…………ハハハ…………!!実に愉しいだろうなぁ、復讐のために闘う道を選んだ少女の己の“生きる所以”を粉々に壊された時の絶望というものは!!」

穢れ帯びた空気を纏って焼け野原を見下す鳥獣に向けられた少女の憎悪は、魔女を悦ばせていた。…………堪らなく心地が良い、無力なる者から浴びせられる怒りや哀しみは。

「……………………さて、種は蒔いたぞガイアの子らよ。芽を摘み取る時には精々、私を愉しませてくれ…………」

自分の行動に満足したのか、魔女を乗せた鳥獣は月面帝国の他の機体を無視して勝手にコロニーから離れた。

「……………………あぁ、私だ。予定通りに滞りなく焼いておいた。
あの天体だが…………フッ…………面白い使い道を思いついてな。外側はカタチを保っておいた。詳しくは後で話そう。」

月へと帰投する途中で、魔女は誰かに連絡を取っていた。相手が誰なのかは…………

「……………………それと私のこちらでの名前なのだが、翻訳機によれば真名の『朱の紅の姫』を訳すると『妃碼嘩・ルージェ・アドゥーム』となった。よくは分からないが、ガイアの子らにはそう名乗ると決めて…………な。
これからは『妃碼嘩(ヒメカ)』で頼む。それでは、………■■■■■■■■」

最後に彼女が発した言語は地球のものとは大きく異なるものであった。



……………………これが事の始まりである。


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