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死刑制度についてひと言お願いします

1boro:2003/03/16(日) 14:16
死刑制度については他のサイトとかで
さんざんやってきたテーマだと思いますが
そのときの犯罪事情によっても意見が
違ってくると思います。そういう意味で
いま現在、どのように思っているかを
簡単でかまわないので意見をきかせてください。
場合によってはテキストを書く上で参考にさせて
いただくかもしれません。よろしくお願いします。

1709とも:2007/05/02(水) 02:09:37
犯罪を研究対象としていたものが、いつの間にか犯罪者を研究対象としてしてしまった。
これが間違いではと私的には思います。

1710ポーロック:2007/05/08(火) 14:52:03
確実な再犯の予防や受刑者を養うコスト削減等を
図るのであれば、物理的に排除するのは理にかなっていると
は思いますね。

1711人権:2007/07/27(金) 19:43:34
現在アムネスティ日本のサイトで死刑制度に関するアンケートが
行われています(下記URL参照)。
集計結果を公表するのか否かを問い合わせてみましたが、
それについてはまだ未定とのことでした。是非そのまま
公表してほしいですね。

http://www.amnesty.or.jp/modules/bmsurvey/public/survey.php?name=death_penalty

1712人権:2007/07/27(金) 19:44:06
現在アムネスティ日本のサイトで死刑制度に関するアンケートが
行われています(下記URL参照)。
集計結果を公表するのか否かを問い合わせてみましたが、
それについてはまだ未定とのことでした。是非そのまま
公表してほしいですね。

http://www.amnesty.or.jp/modules/bmsurvey/public/survey.php?name=death_penalty

1713人権:2007/07/27(金) 19:51:22
↑手違いで重複投稿になってしまいました。
すみません。

1714boro:2007/08/03(金) 19:33:16
Q1刑罰としての死刑は必要だと思いますか?

はい、いいえ・・・で答える。

Q2あなたの身近な人が殺された場合、加害者にはどのようにつぐなって欲しいと思いますか?

200字以内で答える

Q3「私たちの幸せな時間」をご覧になりましたか?

はい、いいえで答える

質問は上記の3つだけみたいですが、Q2の質問は殺された者を「身近な人」に限定して加害者にどのようにつぐなって欲しいですか?になっています。その設問には疑問を感じます。

同じように内閣府が行う世論調査での死刑制度に関するアンケート↓も死刑制度に賛成の人が反対の人よりも多くなるような設問になっています。
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/sikei.htm#死刑についての世論調査

1715Ken:2007/08/07(火) 05:24:16
???

アムネスティは死刑に反対なんでしょう?政治的な意図から死刑賛成に誘導している、
というのはありえないんじゃないでしょうか。死刑の代わりに、単に何かいい案を
募ってるだけではないでしょうか。

1716boro:2007/08/07(火) 08:47:35
すみません。説明不足でした。

アムネスティと内閣府は
死刑に対する考えは
違いますが、このように
アンケートでの設問には
疑問を感じています。

1714での「同じように」は
「設問に疑問という意味で同じように」
という意味で、死刑に賛成という意味で
「同じように」という意味ではありません(^^ゞ

1719boro:2007/08/08(水) 13:18:46
Kenさんのおっしゃる通り、
「身近な人」に限定しても
問題ないようにも思えてきました。
深く考えすぎてしまった感じです。
・・・すみません。

1720紫煙狼:2007/08/08(水) 13:49:40
アンケートの設問の設定一つで最終的な結論が
左右されるというのはありえると思います。

・最近の凶悪犯罪をどう思うか
・凶悪犯罪に対する判決は妥当だと思うか
・死刑は必要か?

というアンケートと

・司法は常に正しい判決を出していると思うか
・冤罪についてどう思うか
・死刑は必要か?

では、少々異なる結果が出ると思います。
そういう点で、現在の各種団体(政府含む)が行った
世論調査の結果が、どれほどの優位性を持つものか、
というboroさんの疑問は尤もだと思います。

妙な影響を与えることなく、死刑に関する意見を問うことが出来る
設問というのを考えてみるのも良いかもしれませんね。

1721人権:2007/08/09(木) 17:51:45
一度紫煙狼さんにお伺いしたいと思っていたのですが、
日本において死刑を廃止するために最も効果的な方法は
如何なるものだとお考えですか。

存置派の人間がこんなことをお尋ねするのはおかしいかも
知れませんが、やはり「世論自体を変えるのは困難なので、
フランスその他の国におけるように<政治家の英断>によって、
言わば一種のトップダウン方式で廃止に持って行くのが現実的では
ないか」というふうな御立場でしょうか。

私自身廃止論の主張の中で唯一一定の説得力があると思うのは
冤罪の可能性(危険性)です。冤罪にあくまでこだわれば
(=徹底的に重視すれば)、廃止の方向に行かざるを得ないのでは
ないかとも思います。

1722loveless:2007/08/09(木) 23:38:10
>>1721
少なくとも、民主党と国民新党が政権を取らないと死刑廃止にはならないですね。

、、、って、にわかに現実味が出てきた。。

廃止にならないまでも、いつのまにか死刑停止状態になっているかもしれません。

1723Ken:2007/08/10(金) 06:51:14
まあ、Lovelessさんのいう通りじゃないでしょうか。死刑が廃止されるとしたら
国会になりますから、国民が広汎にそれを支持し、そういう政治家が増えたとき
ですよね。だから、紫煙狼さんは身近なところからこつこつと説得してるんじゃ
ないですかね。

冤罪で死刑になった、なんていう事例が出てきたら世論は一気に盛り上がるで
しょうねえ。なんか最近の傾向では、理不尽な殺人に日本人は過敏に反応する
ようなので。死刑廃止のために生贄を求めているような書き方でなんかやですが。

1724紫煙狼:2007/08/12(日) 12:32:44
>>1721
いわゆる、塀の中の人権を訴える団体と、
死刑廃止運動をビジネスにしている人々を
廃絶することが最も効果的ではないでしょうか?

1725人権:2007/08/16(木) 23:08:22
>1724

御返事ありがとうございます。

御指摘の「塀の中の人権を訴える団体・・・」とは、例えば

http://www.kangoku.org/
http://www.jca.apc.org/cpr/

の如き団体のことでしょうか。死刑廃止にマイナスになる
とのことですが、そのあたりの繋がり具合がいまいちよく
わからないのですが。

1726紫煙狼:2007/08/17(金) 00:29:08
>>1725
特定の団体を名指しするような事は避けたいので、人権さんが挙げられた団体について
言及するような事は致しませんが、自ら進んで他人の人権を侵して、結果的に塀の中に
入った人々の人権を、被害者や善良な市民と同等に扱うのは現実的に無理があります。
「犯罪者とて同じ人間なれば人権人命の重みに格差あるべからず。」
言わんとすることは判りますが、正直、私自身拒否反応を起こしますよ。
私でさえ拒否反応を起こすのに正義と平穏を愛する善良な市民の反応たるや如何に?
まして、犯罪者の人権を擁護するがために、あたかも被害者にも非があったかのような
言動を繰り返す活動を厭わないような盲目的犯罪者人権擁護団体の存在は結果的に、
厳罰化を渇望する風潮と、犯罪者に対する差別意識を呼び起こしているようにしか
思えないのですなぁ、私は。それはあたかも、電車やバスで、妊婦・お年より・体の
不自由な人々に席を譲るのは当然の行為なのに、なまじっか「優先席」なるものを作って
しまったが故に「ここは優先席ではないから席を譲る義務は無い」という恥ずかしいにも
程がある誤った認識を生み出しているのと相通じるものを感じるのですなぁ。

犯罪者なのだからペナルティとして人権に一部制限が加えられるのは当然として受け入れ、
その上で、現在の獄中における処遇が適切なものであるかを正しく評価する事こそが、
囚人の利益に繋がると思うのですよ。喩えるなら、米国人に原爆の非人道性を説いても、
全く受け入れがたいものでしょう。でも、原爆被害にあった人々の写真や映像を通して、
真実を直視させ、何が起きて、どのような結果に到ったかを正しく評価していただけば、
国力を誇示する象徴たる核兵器が、人類を不幸にする以外の何にも役にはたたない事が
ご理解いただけることでしょう。(いささか、安直に過ぎる喩えですがね。)

同様に、塀の中の人権を訴える事ではなく、塀の中の真実を広く知れ渡らせる事こそ、
「効果的な塀の中の人権擁護運動」となると思うわけです。
もっとも…ロクでもないヤツだから塀の中に入れられるのであって、そういうのを
集めた現場の真実を知れば、より厳罰化の声が高まる可能性も否定しませんが、
それこそ本当に厳罰化が有効であるか?むしろ更生教育充実化の方が有効であると
説けばいい話で、やおら「ヤレ犯罪者を優遇しろ」ってのは逆効果ですよ。
一般予防の側面から言えば、獄中が劣悪な環境であるほど効果的なのは、
誰が考えたって判りそうなことなのですから。

1727紫煙狼:2007/08/17(金) 01:38:37
まぁ、つまるところ、ヤリ方が非常にマズい団体が多いよ、ということで、
では、なぜ、そんなにマズいヤリ方をゴリ押しするのかな?というと、
このヤリ方がビジネスになる、お金を生み出すからです。
(もちろん、盲目的過ぎて世間が見えていないだけの団体もありますが)

「死刑廃止を叫ぶと寄付金が集まる」という厳然たる事実が最初にあって、
死刑廃止を叫ぶ事で生活をしている人々が現実に存在する。
では、本当に死刑が廃止されたらビジネスチャンスを失うわけです。
ならば、死刑が廃止されないような方法で死刑廃止を叫ぶのが、
このビジネスシステムを崩壊させない唯一の方法である、となりませんか?
そして、このビジネスシステムにはもうひとつの顔がありまして、
無茶苦茶な死刑廃止論を叫ぶ事で死刑廃止を阻止すれば死刑を必要とする
方々からも寄付金が得られるのです。良く出来ているでしょう?

上でも言った様に、特定の団体を名指しはしませんが、こういう悪質な
死刑廃止運動団体が架空のものではなく現実として存在するわけです。
この手合いを廃絶しない事には、まったくお話にならない、そう考えます。

1728無色透明:2007/08/23(木) 18:20:39
★3人に死刑執行…長勢法相就任約1年で10人

・東京、名古屋両拘置所で23日、強盗殺人罪などで死刑が確定していた3人に刑が
 執行された。

 法務省は同日、執行の事実と人数だけを発表した。死刑執行は今年4月に3人に
 執行されて以来で、長勢法相が昨年9月に就任後、3度にわたり計10人の死刑が
 執行されたことになる。後藤田正晴元法相が3年4か月ぶりに死刑執行を再開した
 1993年以降、歴代法相の中で死刑執行命令書にサインした数は最多となった。

 関係者によると、死刑が執行されたのは、東京拘置所に収容されていた岩本義雄
 死刑囚(63)と竹沢一二三死刑囚(69)、名古屋拘置所に収容されていた瀬川光三
 死刑囚(60)の3人。

 岩本死刑囚は96年と99年、都内で会社役員の女性(当時40歳)と親せきの会社
 社長(同92歳)をナイフで刺して殺害。竹沢死刑囚は90年に栃木県今市市(現・日光市)の
 建設会社役員(同68歳)を絞殺し、93年には同市の農業男性(同74歳)とその妻
 (同68歳)を刺殺して住宅に放火、全焼させた。瀬川死刑囚は91年、元暴力団幹部と
 共謀し、富山市の人材派遣会社社長(同54歳)と妻(同37歳)を拳銃で射殺し、現金
 1200万円を奪った。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070823-00000104-yom-soci

1729人権:2007/08/24(金) 00:05:52
>1726
>1727

丁寧な御説明ありがとうございます。
紫煙狼さんの御考えがよくわかりました。

>犯罪者なのだからペナルティとして人権に一部制限が加えられるのは当然として受け入れ、
その上で、現在の獄中における処遇が適切なものであるかを正しく評価する事こそが、
囚人の利益に繋がると思うのですよ。

仰る通りだと思います。犯罪者(受刑者)にも人権はありますから
必要以上に劣悪な環境は改善されるべきですが、塀の外と
全く同じ環境を望むのはおかしいと思います。


>そして、このビジネスシステムにはもうひとつの顔がありまして、
無茶苦茶な死刑廃止論を叫ぶ事で死刑廃止を阻止すれば死刑を必要とする
方々からも寄付金が得られるのです。良く出来ているでしょう?

これは驚きです。本当にこのような状況が存在するとは俄かには
信じられない気もします。
が、紫煙狼さんが仰っているのですから間違いないのでしょうね。

まあ、余りにも荒唐無稽な廃止論を説くので「ひょっとしたら
存置派が廃止派を騙っているのでは?」などと私自身も思って
みたりしたことはなくもないですけどね・・・


>1722

川田龍平氏も死刑廃止議員連盟に入ったそうですね。
一時、連盟所属の議員が(落選等で)減ったようですが
現在のメンバーはどれくらいなのでしょうか。
WEB SITEもないようですし。

1730新潟:2007/08/26(日) 12:13:47
最近起きた男3人による女性強盗殺人死体遺棄事件、
自首した理由は「死刑になりたくなかったから」だそうですね。
死刑制度が無かったら自首しなかったのかな、と思うと同時に
する前に気づけよ!とも思いましたが。

1731R:2007/08/30(木) 14:14:17
>死刑にすることで抑止効果があるという人も居ますが、
>逆に池田小学校事件みたいに「死刑になりたいから」
>残虐な無差別大量殺戮を考え付く人も居るわけです。

>「死刑の犯罪抑止効果が認められない犯罪者」


逆に、もし死刑制度がこの日本という国になかったとしたら、
宅間元死刑囚はどんな行動に出たであろうか・・・。
A.自殺する。
B.犯罪そのものも諦め、それまでと同様に生きる。
C.チャンスとばかりに殺しまくる。
D.(結果的に)逮捕・刑務所送りになったので、その中で暴れまくる。
E.その他。

死刑囚に関する書物に目を通してみると、
“改心して立派に死んで行った死刑囚”が少なからずいる(らしい)。
これだけ真人間になった人物をあえて殺す必要があるのか、
という声もあちこちにある。
では、個々の改心の真贋はともかくとして、
もし死刑制度がなかったら、もし死刑という判決を受けなかったら、
もし拘置中に(死)刑の恐怖を味わうことがなかったとしたら、
彼らはその後どんな人生を歩んでいたのだろう・・・。

余談だが、
ボクが住んでいる街で、今現在、刑務所の建設が急ピッチで進められている。
その施設は正式には刑務所とは呼ばず、
“なんたら更正施設”などの名称があって、
比較的軽微な受刑者のみの収容を目的としているらしい。
そして、民間の警備会社がその警備に参加する。

全房が個室で、クリーム色の壁紙にトイレ・流し台完備、
オレのアパートよりステキ---とは、
試作を見学し、現在まで建設に携わっている知人の声。
「冗談抜きで」とその彼は続ける。
「食住ということだけに限って言うことが許されるなら、オレでも入りたい」
1年間に及ぶ入社前研修をリタイアして帰ってきた元警備員志願者は、
「軽微な受刑者とは言え、やっぱり・・・。
しかも、受刑者よりも我々警備に立つ側の者のほうが
規則も厳しく辛そうだ」
と話す。

1732Ken:2007/08/31(金) 00:50:22
まあ、だから死刑じゃなければ真人間に更生することもなく、Rさんの近所のゆるい
施設で更生することもなければ、厳罰は必要ということになるでしょうねえ。

単なる想像ですけど、その施設では暴力なんかを伴わない経済犯なんかが処遇されるのと
違いますかねえ。外界から断絶されることが罰になるような人。米国にはさらに
ゆるい自宅軟禁なんて罰もありますよ。マーサ・スチュアートとか。

1733紫煙狼:2007/08/31(金) 02:17:30
>>1731
死刑には犯罪抑止効果があります。これを疑問視する向きには賛同できません。
無論、何事にも例外はあるわけで、宅間守元死刑囚も例外の一人でしょう。
例外の存在を理由に「死刑に犯罪抑止効果はない」とは結論するならば、
犯罪の発生を根拠に「全ての刑罰に犯罪抑止効果はない」と結論できます。
もっとも、犯罪抑止効果だけを重視する向きも間違っているような感じは受けます。
また、Rさんの言う「死の恐怖なしに更生はありえたろうか?」と言う疑問も、
今の制度では全く予測不可能な疑問であり、答えは出ないでしょう。

ただし、更生した者を処刑する不条理については、以下のように制度を改めれば
いくばくかの命を救うことは出来るかもしれません。
・死刑は確定後○○年の更生教育を経た翌朝、監獄内で執行されるものとする。
・更生教育中、監獄の長に推薦された者は最高裁判所の設置する委員会の考査を受けるを得る。
・上記考査において更生を認められた者は法務大臣の承認を経て減刑を受けるを得る。
・上記考査中は死刑執行を停止する。ただし考査は60日間を超えることを得ず。
・上記改正に伴い死刑執行命令書を廃止し、減刑命令書を新設する。

どうせ、死刑が確定してから20年以上も税金で養われている確定囚が山ほど居るので、
最初から○○年の間国税で養うなんて大した驚くほどのものではないでしょう。
それより、死刑執行命令書に署名しない法務大臣が、減刑命令書に署名するかが見所です。
今までは署名しないことにより良心の呵責からも、死刑囚による再犯からも逃れることが
出来たわけですが、こんな法改正があれば、署名しなければ全ての確定囚は確実に処刑される。
しかし、減刑命令書に押印すれば元死刑囚による凶悪な再犯の可能性が否定できない。
今以上に重たいペンとなるでしょうね。一人の死刑囚を一度救った見返りが数十人もの
再犯被害者を生み出す可能性があるわけですから。司法判断に行政が楯突くなら、
それくらいの覚悟は欲しいものです。

確か、執行の日付を教えたせいで恐怖に打ちひしがれ自殺する囚人が多数居たため、
執行の日取りは本人に公開しない…という経緯があったと思いますので、いつ回ってくるか
判らない執行を待たされる恐怖より、何年何月何日に確実にやってくる死の恐怖の方が
親切かつ冷酷に感じます。そこに「減刑の可能性」とチラつかせれば、更生教育の効果は
高いのではないか?と思います。

1734隣のどろろ:2007/08/31(金) 16:26:26
死刑執行は朝に行われるそうですが、その時間帯が過ぎれば、死刑囚は「ああ、今日はなかった、、、よかった」と思うらしいですね。それから法律上、日曜・祭日と年末年始も執行がなく、土曜日も慣例でないらしいですね。逆に言えば、それ以外の日はいつ執行があってもおかしくないので、そういう意味では平日の朝はその恐怖にさらされるということになりますね。提案がですが、たとえば、執行する曜日を月・火・水だけに決めるということにすれば死刑囚の死刑執行に対する恐怖心も少しは和らげることができるかと思います。でも、死刑の執行は法律を厳守する意味で確定から6ヶ月以内に行うというのはどうでしょう。現在の死刑執行は確定からほとんど5年以上経過していますよね。確定するまでに3年以上かかっていることもありますし、いつも死刑執行のニュースを見ても、そんな事件あったんだ、という感想しかない。宅間の場合は確定から1年の執行でしたからほとんどの人がどんな事件か覚えているわけで、裁判の迅速化も大切ですが、執行の迅速化も考えていったほうが死刑に対する理解も得られるのでゃないかと思います。

1735Ken:2007/08/31(金) 21:20:31
初めは紫煙狼さんの提案は妙案だと思ったのですが、よくよく考えてみると

・更生教育中、監獄の長に推薦された者は最高裁判所の設置する委員会の考査を受けるを得る。

これってつまり、裁判そのものなんじゃあ?裁判では更生したかどうかではなくて
更生する可能性があるかどうかが議論されるという違いはありますが。最高裁までには
結構檻に繋がれることになるので、更生の目のある人はもう更生してますよねえ。
手続きが冗長になるだけかもしれないです。

1736アノニウォッチャー:2007/09/01(土) 00:22:36
・更生教育中、監獄の長に推薦された者は最高裁判所の設置する委員会の考査を受けるを得る。

あはははははは。
はぁ?監獄は行政作用だろ?いったん司法権で死刑判決されたのに、行政権の
 力(推薦だってww)で最高裁判所まで動かせるようになるのか。
 こんなことしたら下級審の判事たちはどう思うかなぁ?
 行政権万能主義ですか。画期的だ。
 たかが監獄長にそんな権限与えられるわけないだろうに。
 第一、推薦の基準はだれが決めるんだ?

 ・・・・あ、ごめんなさい、ここまで書くってことは、またなんか
 外国に例があるとかっすか?ぜひ参考文献を挙げてください。

1737紫煙狼:2007/09/01(土) 12:05:04
>>1736
アノニさんが「気の向いたスレにしか投稿しない」のと同様、
私も「気の向いたレスにしか返答しない」ので、そのあたりは
ご了承くださいませ(^^)

1738老婆心:2007/09/01(土) 20:23:39
・更生教育中、監獄の長に推薦された者は最高裁判所の設置する委員会の
 考査を受けるを得る。

紫煙狼さんは、監獄の長は「推薦」するだけであり、委員会の「審査」を
「受ける」ことが可能になるだけで、最高裁や、設置の委員会に対して
「審査の決定」について強制力をもつものではないのではないでしょうか。

≫はぁ?監獄は行政作用だろ?いったん司法権で死刑判決されたのに、行政権の
 力(推薦だってww)で最高裁判所まで動かせるようになるのか。

のアノニさんの発言は、司法権(の独立)に対し、行政作用が干渉すること
を危惧されているように読めますが、確かに、司法権の独立は侵されるべき
ではないですが、権力分離と牽制、司法権といえども「国家権力」であり、
すべての国家権力は「民意」の反映とまったく無関係な存在とはならない
ことの要請もあると思います。

実際、司法権が判断した死刑判決の「執行」は「法務大臣」の判断に
依拠することになります。
また、判決による「宣告刑」に関しても、「仮釈放制度」により、
矯正施設の長の申請、地方委員会の判断により、実際の「刑期」が左右
されます。そして、実施が予定される「裁判委員制度」などは、まさに、
職業裁判官の判断に、民意を反映しようとするものにほかならないと
思われます。
このように、司法権といえども、他の権力作用、民意から、まったく
切り離された存在ではありえないことになります。

1739紫煙狼:2007/09/02(日) 02:06:48
>>1753
KENさんの仮定に基づけば、冗長化につながらない、と思います。
この改正案に従った場合、今より冗長化するのは
「殺すには惜しいほど、改心した死刑囚が現れた場合」ですよね?
更生する可能性のある凶悪犯罪者は既に死刑確定までの間に更生して
いるだろうというのですから、冗長化する要因が発生しない事になります。
むしろ、宗教的信条等を理由に、死刑執行命令書に法務大臣が署名しない、
という事態を解消するという意味では、円滑にすらなりはしませんかね。

>>1738
仰るとおりです。

>>1736
前にも控えめな表現でお伝えしたつもりでしたが、
正しく伝わっていなかったようなので、明確にしますね。
批判・反論は謹んで承りますが、クチのきき方1つ知らない
人を小馬鹿にしたような発現しか出来ない人と議論するツモリは
毛頭ありません。自覚症状がないなら、はっきり言いますが、
あなたと話をするツモリはありませんのであしからず(^^)

1740Ken:2007/09/05(水) 22:42:49
紫煙狼さんの提案は死刑囚に生き残る可能性を制度として確立すれば、一生懸命
更生するかもしれないというふうに受け止めているのですが、ただ、やっぱり
更生するんだったら最高裁判決までに更生しますよねえ。アニノさんが何を言いたいのか
はっきりしないのですが、審査するのが裁判所というのは私も少し変な気がしました。
というのは恩赦とか減刑というのは行政の裁量として認められていますよね。
最近の例だとブッシュ大統領が政府高官のスクーター・リビーを減刑して話題に
なりましたし、あとトゥーキー・ウィリアムズの死刑を巡ってシュワルツネッガー・
カリフォルニア州知事がオーストリア名誉市民を剥奪されたとかありましたよね。
米国の場合は死刑執行書にサインするのは州知事で(連邦死刑の場合は大統領)、
シュワちゃんは恩赦を与える権限があったにも関わらずそれを行使しなかったから
批判されました。死刑が再開されてから1000人目になるはずだった死刑囚がどこの
州だか忘れたのですが、手続き的な不備(検察・警察が再審に必要な証拠を保全して
いなかった)を知事が認めて死刑から確か終身刑に減刑されて、それでノース・
カロライナ州に記念すべきお鉢が回ってきました。日本の恩赦・減刑は私はよく
知らないのですが。裁判所に対しては再審請求が制度として現行でも活用されてますよね。

紫煙狼さんの提案にはいくつかの問題がごっちゃになってるような気がします
(というか一挙両得を狙ってるのかもしれないですが)。
1.殺すには惜しい死刑囚がいる
2.現行では死刑が円滑に執行されないことがある
1と2は視点が逆なんですよね。1は反対派、2は推進派の視点でしょう。1は2の
理由かというとそうじゃないですよね。法相がサインしないのは宗教上の理由とかです。
死刑の犯罪抑止的効果から見ると逆説的ですが

・死刑は確定後○○年の更生教育を経た翌朝、監獄内で執行されるものとする。

というのも推進派からすればまずいんですよ。というのは米国でこれだけ反対
運動が盛り上がるのはあらかじめ死刑予定日が公表されるからです。日本だと
おそらく法務省内部では設定されているのでしょうが、国民につまびらかにされる
ことはないですよね。行政には死刑をいつでも執行することも執行しないことも
できるというフリーハンドがあるわけで、制度を維持する上では非常に都合が
よい。死刑にとって一番打撃となるのは処刑した後で実は冤罪でした、という
やつで、これも冤罪くさければ政府はいつまでも執行しなければいいわけで、
実際そんな感じが伺えますよね。

1741Ken:2007/09/07(金) 21:25:43
へええ、ラスプーチン佐藤も死刑廃止論者なんですね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070717/129954/
佐藤優と伊東乾(地下鉄サリン事件の実行犯を同級生に持つ作家)の対談

ちょっと、議論が拡散しているようですが。

1742Ken:2007/09/07(金) 21:26:34
補足:全部読むには登録が必要ですが、無料です。

1743老婆心:2007/09/09(日) 07:57:05
Kenさんと紫煙狼さんという看板論客のあいだに割り込む形で申し訳ありません
が、Kenさんのコメントに関し、疑問に思った点があります。

≫ただ、やっぱり更生するんだったら最高裁判決までに更生しますよねえ。

 ・多くの死刑囚を管理し、死刑囚の執行までの様子を観察している
  元刑務官が書かれた本で読んだ記憶がありますが、死刑囚の場合、
  その「更生、改悛」は、死刑執行を待つまでの間に、宗教家の 
  教誨などを体験することで、おどろくほど、人間性が変化し、
  更生するケースが多々ある、ということでした。したがいまして、
  死刑の受刑者の「更生」は、必ずしも「最高裁判決」までではなく、
  死刑囚としてのその後の生活においても十分起こりうるのでは
  ないのでしょうか。

  ただ、死刑判決確定後における「更生」の有無が斟酌され、
  死刑判決後も死刑の執行を免れうる、というのが制度化された場合、
  以下の問題点があると思います。

  1点目としましては、
  最初から、その「更生による救済」をあてにして、犯罪を犯し、
  死刑判決後も、「更生」を装って、死刑執行を回避しようとする
  「意図的な犯罪者」を生むおそれはあるかと思います。

  2点目として、1点目以上に問題と思えるのが、
  「冤罪者」は、「再審制度」によって自己の救済を図るのが通常
  かと思いますが、「再審」で争っている場合、「更生、改悛」が
  ないものとして、「更生による死刑執行の免除制度」の対象外と
  されてしまうことが考えられることです。

  狭山事件の石川さんは、「無期判決」の例ではありますが、
  刑務所において、石川さんがどんなに生活態度がよくても、
  自己の冤罪を「再審請求」で争っている者として、仮釈放をなかなか
  認めてもらえませんでした。

  死刑廃止論の中核的は根拠は、「冤罪のおそれ」と思われます
  (法学者の重鎮、団藤重光氏も、「冤罪のおそれ」を究極の根拠として、
   最高裁判事を退任後、死刑廃止論者に立たれています)

  したがいまして、冤罪者こそ、死刑判決の執行をもっとも回避される
  べき存在であるにもかかわらず、冤罪者が「再審」等で無罪を争って
  いればいるほど、「更生、改悛」がないとして、死刑執行の免除の 
  対象とされない、という事態となることが考えられます。

 このような事態となることを回避するために、 
 「再審請求中」は、絶対的に、死刑執行が延期されることを保障した場合、
 再審請求の乱発、という別の問題もありうるので、どうしたらよいので
 しょうか。

1744紫煙狼:2007/09/09(日) 11:39:24
>>1740
私は死刑廃止派と死刑推進派の両面を内包しているんですよ。
つまり、死刑制度が認められている現行法制では円滑に執行すべし。
ただし、死刑制度を認めない法制度への転換を早急に実現すべし。
なんですね。だから、先日3人の死刑囚が処刑された件に関しては、
正しく法が機能したとして、ある面で高く評価しています。

>>1743
冤罪問題と死刑存廃は混同させると方向を誤りませんか?

確かに冤罪で死刑になる人が存在したとしたら非常に恐ろしいことです。
でも、それならば「冤罪で無期懲役になる人」や「冤罪で有期懲役になる人」
「冤罪で(日本にはありませんが)終身刑になる人」ってのは、一般的に
受忍限度の範囲内と考えられるのでしょうか?????
そう考えると、死刑存廃問題は「冤罪ではない」ことを前提にしなければ
死刑に限らず全ての刑事罰について見直さなければならなくなりますし、
この両問題は、それぞれ別々に解決するべき問題だと思うんですね。

確かに冤罪問題を解決するのは死刑存廃問題を語るよりずっと難しいでしょう。
私自身、冤罪をゼロに近づける不断の努力は必要だと思いますが、それでも
「いずれ冤罪をゼロに出来るだろう」とは思えません。
でも、それを理由に「死刑を廃止するべき」というのは短絡的過ぎませんか?
「せめて死刑を廃止するだけでも随分違うでしょう?」的な考えは危険に感じます。

ただ、世論と言うのは短絡的なもので、英国は処刑後発覚した冤罪死刑の事実
から死刑廃止の動きが現実化したという経緯は確かに有りますね。

1745アノニウォッチャー:2007/09/09(日) 12:47:15
議論というのはどちらかの立場に立って自分の主張のメリット、相手の
主張のデメリットを指摘して争うものだろ
両面内包って何?・・・・(泣

突込みが入りだした途端
「いや、実は廃止でも存続でもどっちでもいいんですよ。あんまり
突っ込まないでくださいよ。黙って僕の話だけ聞いといてくださいよ」
っていってるww

何を言いたいのか?まったくわからん。

1746Ken:2007/09/10(月) 22:25:55
老婆心さん

「最高裁判決」の部分は書いた後に自分で間違いに気付いたのですが、そのままに
しておいたところ、突っ込まれたので恥ずかしいです。その間違いとはご指摘とは
少し違います。最高裁は下級審判決に法令違反があるかどうか基本的に書類審査
するだけなので、被告が自分が更生したことをアピールすることはできないです。
被告にとって反省の弁を述べるチャンスは一、二審ですね。

>>死刑囚の場合、その「更生、改悛」は、死刑執行を待つまでの間に、宗教家の
教誨などを体験することで、おどろくほど、人間性が変化し、

この場合の「更生、改悛」とは死刑が前提になっているのではないですかね。
つまり自分の処刑を目前にして悔い改めると。逆に言うと、この手の改悛は死刑に
なるかどうかが決まっていないと起こらなさそうですよね。ひょっとすると、
死刑というのは極悪人に最後に人間らしさを取り戻させるためにあるのかもしれない
ですね。

話は変わりますが、最近「悪魔の代弁者(Devil's advocate)」という言葉を
覚えました。もともとはバチカンが列福・列聖の審査をする際に、候補者に穴を
見つけるために自由奔放に批判を加えるために設定された役回りを指します(ヨハネ・
パウロ二世前法王によって廃止された)。聖人になるくらいの人は立派な人ですから、
それを批判するのは気後れしますよね。なかなかうまい手を考えたものです。
それから転じて議論の際に、全員が同調して健全な議論が機能しなくなるのを
防ぐ辛辣な批判者、という意味になったそうです。山口母子殺害事件の弁護団が
まさにその役割を担ってますよね。この掲示板では誰がその役をやっているのかと
考えてみたり...。

1747flower:2007/09/11(火) 12:54:10
ぜんぜん脈絡のない書き込みをしてしまうようで申し訳ありませんが、
日本人が日本の法律を守り、守るという合意の下においてお互いが日本人であると
認識する場合、ニュースや歴史資料で判明している事実から、日本の法律を
侵して平気な顔をしている外国人が国籍を問わず国内外にいるようだ、ということを
どう理解したらよいのか、理解するために何を知っていなければならないのか、
と、ふと思いました。
犯罪に対する懲罰や重さは、何を基準に考えればよいのだろう、と思いました。

1748老婆心:2007/09/15(土) 06:51:58
≫犯罪に対する懲罰や重さは、何を基準に考えればよいのだろう、と思いました。

死刑という刑罰(悪・負の行為へのリアクション・サンクション)を
考えるにあたって、flowerさんが提起された問題は、刑法に関し
古来より追究されたきた、重要で根本的な命題かと思います。

1.人間の行為の中で、何をもって「犯罪」とするのか。
2.その「犯罪」の成立要件は何か。
  自由意思(自由な判断)にもとづかない(たとえば精神上の問題など
  で心神喪失・心神耕弱等)による行為に対し、刑罰なのか保安処分等
  の別の処分なのか
3.その「犯罪」への制裁として「刑罰」を課す場合、その「刑罰」の
  内容・軽重をどうするか。
4.刑法の適用範囲・処罰条件をどうするか(日本人であれば、場所を
 問わず適用・処罰する「属人主義」か、犯罪の実行行為の場所を
 問題にする「属地主義」か、誰がどこで実行しても処罰する「世界主義」
 かなど)
 また、国家統治権が及ぶ範囲に関し、治外法権を認めるかどうか

など、人が人に制裁を加える以上、人は「神」ではない以上、
慎重で賢明な考慮をこころがけなければ、刑罰は不当な抑圧の手段と
なってしまいます。
だからといって、刑法(刑と罰の規範)は、社会をコントロールする
インフラとしての必要性は否定できないと考えるので、
「刑法」らなびに、その手続きとなる「刑事裁判」制度を否定することは
できないと思います。
しかし、その刑事裁判による事実認定には、常に、「誤判」のおそれが
あることは認識すべきです。
その「誤判」による「取り返しのつかない状態」に関し、
冤罪による「有期懲役、無期懲役」により、「自由な行動を制約され、奪われた
自由時間」と、冤罪による「死刑」により、「奪われた生命」との比較で、
どちらも、「取り返しのつかない」ことにかわりない、とするのか、
そうではあっても、「生命」を奪ってしまう「死刑」については、特別な
配慮が必要で、同じ「刑罰」の中でも、「別格」と考えるかにより、
死刑制度に肯定的となるか否定的となるかの立場の違いが生じる、という
側面はあるかと思います。

1749flower:2007/09/16(日) 08:41:32
老婆心さん

法律について考える、死刑について考える、ということはとても難しい問題なのですね。
専門家の方々は、様々な要素を鑑みて、起こってしまったことをきちんと場合分けした上で、
そして対応・対処していらっしゃるのだなと思いました。

それとともに、このことをみんなでいっしょに考えてみるということも大切だなと
思いました。

1750Ken:2007/09/21(金) 14:20:16
>>1748冤罪による「有期懲役、無期懲役」により、「自由な行動を制約され、奪われた
自由時間」と、冤罪による「死刑」により、「奪われた生命」との比較で、
どちらも、「取り返しのつかない」ことにかわりない、とするのか、
そうではあっても、「生命」を奪ってしまう「死刑」については、特別な
配慮が必要で、同じ「刑罰」の中でも、「別格」と考えるか

冤罪は一般に名誉回復や損害賠償(金銭)によって補償されますよね。処刑された
後では一切の救済は本人にとって意味がないので、死刑と懲役刑では冤罪の意味に
質的な違いがあると思いますが。

1751Ken:2007/09/21(金) 14:38:11
面白い記事を見つけました。米国の死刑の最近の動向。米国では今死刑が下火に
なりつつあるんですね(テキサス州を除く)。図を見てもらえばよく分かると
思います。
http://economist.com/PrinterFriendly.cfm?story_id=9719806

それで、死刑を支える三つの理由というのがあって、それに反論が試みられています。
①極悪人を税金で養うのはバカらしい
・ノース・カロライナ州の場合、死刑囚一人当たり終身刑よりも200万ドル余計にかかる。
これは、長期間にわたる様々な司法手続きや冤罪を防ぐための厳格な手続きが
必要だから。
・メリーランド州の場合、死刑がなければ1978年以来2240万ドルが節約された
計算になる。これは毎年、警察官500人分、あるいは一万人の麻薬中毒患者の更生
プログラム費用に当たる。「死刑と違って、これらは命を守り凶悪犯罪を防ぐ
ための投資である」(マーティン・オマリー州知事)

1752Ken:2007/09/21(金) 15:06:34
②死刑は犯罪を抑止するのか?
・死刑のあるなしと犯罪率に相関関係はない。死刑のある州のほうがない州よりも
46%も殺人率が高い(2005年)。米国の殺人率はとっくの昔に死刑が廃止された
欧州よりもずっと高い。

ただし、記事にもある通り、相関関係がないからといって死刑に抑止効果がないと
するのは早計です。犯罪は様々な要因で起きますから。あるいは、凶悪犯罪が
増えてくると(あるいはそう知覚されると)、逆に死刑が熱心に支持されると
いうこともありますよね(今の日本とか)。

・1977年と1999年の間で、処刑一件につき三件の殺人を防いだ計算になる。即刻
処刑されれば防げる殺人の数はさらに増える(エモリー大学Joanna Shepherdの研究)。
・処刑一件につき18件の殺人を防いだ計算(エモリー大学の別の研究)。
・処刑一件につき5件の殺人を防ぎ、死刑の減刑一件につき5件の殺人が余計に
起きる計算(コロラド大学のNaci Mocanとコーネル大学のKaj Gittingsの研究)。

反論
・処刑件数は年平均で40件弱でしかないのに対して、殺人件数は1991年には24,703件、
1999年には15,522件、2005年には16,692件というように激しく増減し、抑止効果では
説明できない。
・全米の半分近くの処刑件数を占めるテキサス州とそれ以外を比較しているだけ。
(Skeptical Enquirer誌のTed Goertzel)
・殺人を犯しても死刑囚になるのは1%未満の確率(この部分、訳にやや自信なし)。
なおかつ、死刑囚になっても処刑される確率は年に2%だけ。これに対してヤクの
売人が殺される確率は年7%。彼らにとって死刑囚になるほうが街中にいるよりも
よっぽど安全(シカゴ大学のSteven Levittらの研究)。

1753Ken:2007/09/21(金) 15:38:28
③遺族感情の慰撫、あるいは宗教的理由(目には目を)、感情論
・義理の父が殺されたときには死刑はあまりよくないかも、と考えたが、犯人が
処刑された今では死刑を強く支持するようになった(Colleen Shaffer)

・「遺族は誰だって罪を犯したクソッタレ野郎に死んでもらいたいと思うものだが、
その前に、そのクソッタレ野郎を捕まえるのが先決。そっちのほうが大事。」
(Howard Morton。熱烈な死刑廃止論者。1975年に息子がアリゾナの砂漠でヒッチハイクの
途中で失踪し、1987年になって実は失踪した年に発見された白骨死体が自分の
息子であることが分かった。全米の殺人事件のうち三割は彼の息子と同じで未解決。)

1754スーミー:2007/10/20(土) 06:26:28
>Kenさん

アメリカの死刑の現状等がそうであるとは知りませんでした。

死刑になるような犯罪者は犯罪傾向が強いケースが
多いと思います。

犯罪を二度と起こさないように刑務所の中で教育しようにも、
すでにそういう段階を通り越していることって少ないとは
いえないでえしょう。

再犯を確実に防ぐには
刑務所から絶対に出さないとか、死刑を執行して抹殺するし
かなくなります。

日本の場合は仮釈放なしの終身刑のような刑は
ないわけで、なるべく早く作るべきと考えます。

死刑そのものは強いて廃止すべきではないと
思いますよ。

死刑という刑罰には抑止効果がないという人も
いますが、そのデータの出所を探ると日本の
ものではなかったりします。

執行までに時間をかける現行のやり方も問題は
ありますが、結果として誤って執行する危険性を低くしていると
思います。

1755柏木:2008/04/30(水) 01:02:32

百聞は一見にしかず。日本の死刑が実際に執行されて、人が吊るされている
壮絶な場面を見たこともないくせに、その場に立ち会ったこともないくせに、
知ってるような口調で、まるでアニメを見ているかのように意見を交わして
いますが、全て根拠が無い想像だけの、「机上の空論」です。意見に価値も無けれ
ば重みも伝わって来ません。「オタク」の世界と同質のものと言えます。

賛成・反対を言う前に、死刑の内容(議論の対象)について「知る」必要が
あるのではないでしょうか。重要な情報が欠落した状態で、どうやって中身の
ある価値ある話合いが出来るでしょうか。

死刑を受ける囚人は、地下高架式によって2メートル前後の高さから、地下へ
落されますが、実際それはどのように執行されるのか、罪を償うと言う意識が
ちゃんとあるのか、死刑囚の心情は、首が折れるのか折れないのか、
死刑囚の体や意識にはどんなことが起こるのか、など、誰かが言ったことや、
自分の貧弱な想像に頼らず、しっかり国民一人ひとりが、その内容を実存的に
知る必要があると思います。

出来る限りの方法で、国民は死刑執行に「立ち会う」ことで、立法した責任を
完結することが出来ると思います。テレビで(中継または録画)放映して、
最初の情報開示できると思います。裁判員制度が来年始まる今、その時期に
きています。死刑制度の存置・廃止について、賛成・反対は、それからの問題
です。先ず「見てから」です!

1756zero:2008/04/30(水) 06:46:24
死刑の場面を見た上で議論すべき・・・???
そんなこと言うんだったら、殺害の場面も見た上で議論すべき、ということになりませんか?

1757Ken:2008/04/30(水) 13:31:13
確かに。

政府の死刑制度に関する情報公開が遅れているというのは正論だとは思いますが、
直接見聞きしたことしか議論しちゃならん、というのは暴論じゃないですかね。

1758老婆心:2008/04/30(水) 22:23:58
死刑執行の方法は、電気イス、薬物注入、ギロチンなど、多種多様のものが
あると思いますが、そういった「具体的な方法」を論じるのではなく、
「人間の生命を奪う刑罰」としての「死刑制度」を論じることもできるし、
必要なのではないのでしょうか。
ただし、刑法が定める「絞首」による死刑執行方法が、憲法の「残虐な刑罰」
にあたらない、といっていいのかどうかは、おっしゃる通り、「見てから」
でないと判断できないとも思われます。ちなみに、最高裁判所の判例に
よりますと、「火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆで」については、
「残虐な刑罰」で憲法違反となるが、現行法の「絞首刑」は、「特に人道上
残虐であるとはいえないので、憲法に違反しない」としています。
「裁判員制度」がスタートしたら、こういった論点についても、国民が
判断していく、ということなのでしょうか。

1759紫煙狼:2008/05/01(木) 14:24:57
暴論には暴論でご返答するのが礼儀かと思いますので反論させていただくなら、
「死刑がいかに残酷であるか」を論議するには死刑の実際を目にする必要が
あると思うのですが、極端な話、死刑賛成の方々だって、正直、死刑が残酷では
ない、なんて思っていなくて、むしろ凶悪な犯罪者なのだから多少残酷な刑罰も
許容されて然るべしである、と思っている方々もいらっしゃると思うのですね。
その方が、一般予防の側面もいっそう強まるというもので。
また、死刑が残酷であるなら…現在の死刑囚は漏れなく殺人犯ですから、
少なくともそれと同等程度に残酷な仕打ちを被害者にしてのけた死刑囚に対する
怒りも、また同様にいっそう強いものになることも考慮されます。現実を見て
死刑賛成派から死刑反対派に論旨変えする人がどれほどいるか知りたいですね。

逆に、死刑に反対する人々は、死刑が残酷な刑罰であろうとなかろうと、
そもそも刑罰として命を奪うということが許容されるべきか否かが問題であり、
死刑が残酷だから廃止すべきという旨の主張をしている人でも「死刑がほんの
一瞬にして苦痛もなく命を奪うものであれば許容する」という意見の方は非常に少数、
ほぼゼロに近いと思われ、また別の理由を元に反対するだけのことです。
死刑反対派から死刑賛成派に論旨変えする人は…ほとんどいないと思いますよ。

従って、死刑の実態そのものを衆人の目に晒す事で何が変わるかといえば、
死刑に携わってしまう刑務官などの人々の心痛に思いを馳せる事ができるくらいで、
本質的な変化は望めないと思うのですがいかがでしょう?

1760loveless:2008/05/11(日) 22:32:56
国連の人権理事会が、日本の死刑制度に対して改善の申し入れをしたそうです。
(ついでに北朝鮮などが戦時中の従軍慰安婦問題について注文をつけたとのこと)


日本の政治家の中には「国連至上主義」の人が多数いるので、
旧来の死刑廃止派と連携して、今後、死刑に対する議論が巻き起こるかもしれません。

1761行きずりの男:2008/06/12(木) 16:22:51
アキバ事件を前にして、死刑は「復讐」なんだと痛感。
具体的事件において、死刑が抑止力として働いた
という実例は、ほとんど見当たらないと言われている。
一方で、今回のアキバ通り魔の容疑者、
7年前の附属池田小の宅間守も、
少なくとも言葉の上では、共通して
「たくさん人を殺せば、死刑になると思った」
と述べており、むしろ死刑の存在とその執行が、
「大量」殺人を助長した可能性さえあるわけだ。
結局、テロ→報告→テロの「連鎖」と同じ構造なのか。
死刑は「復讐」なのだから、新たな暴力を生むきっかけに
なるだけなのかも。

1762Ken:2008/06/13(金) 02:24:25
それは極論じゃないですかね。こういう手合いの輩には死刑が抑止力にはならないかも
知れませんが、犯罪はこういうのばかりじゃないですからね。厳罰が抑止力になる
場合もあるとは思いますよ。ただ、こういう事件を受けて「人を殺せば死刑」という
人類古来の自然法に則る「応報主義」でこの殺人に臨め、なんて主張するのは
ナンセンスですよね。佐々淳行さんがそういうこと言ってるのですが...。
http://sankei.jp.msn.com:80/affairs/crime/080611/crm0806110256003-n1.htm

1763行きずりの男:2008/06/16(月) 11:07:08
私が言っているのは、
「具体的」抑止力(特定の犯罪を止める)のこと。
死刑になるかもしれないと思って
殺人等の重要犯罪を思い止まったという例が
ほんど指摘されていないのに、一方で、
本件のように、積極的に死刑を望んで多数人を殺した
という例はかなり報告されているし、最近増えてきている
と感じるのです。
一般的抑止力(死刑制度の存在が犯罪一般を抑制する)
はもともと論証不能ですから。

1764行きずりの男:2008/06/16(月) 16:07:31
佐々氏の言説は正直意味がわかりません。
これだけの被害者が発生したというのに、
洞爺湖サミットを前にして何たることかとか、
外国人がいなくてよかったとか、
不謹慎すぎやしませんか。憤りさえ覚えました。

少年の刑罰の問題は論点が大きく違います。
「たくさん殺せば死刑になると思った」と述べている犯人を前に、
「刑が軽すぎるんだ」とは的外れもいいところなんじゃないですか。

治安を担当する人として、こうした事件を前に無力感を感じ、
動揺するのはよくわかりますが、それならそれで、
あらたな対策が必要だという認識を示したほうがまだましです。

1765アッキー:2008/06/16(月) 17:04:58
>>1764 同感!

>かつて日本赤軍の岡本公三らが敢行したイスラエルのテルアビブ・ロッド空港乱射事件に次ぐ凶悪犯罪である。

↑佐々氏の言説ですが、大阪池田小での殺傷事件は? というか凶悪事件でこれが一番凶悪とかこれがそれに次ぐ凶悪事件と言っていること自体おかしいでしょう。

加藤は死刑を意識しているとは思いますが、「死刑になりたい」とは言っていないのでは???

1766行きずりの男:2008/06/16(月) 18:04:49
ネットの記事では確かに、
「たくさん殺せば・・・」は書いてないですね。
民法テレビのニュースで聞いて、
宅間と同じだと思ったんです。
多分間違いないと思いますよ。

1767無精髭:2008/06/17(火) 22:58:59
はてさて、今回の宮崎勤死刑囚を含む3人への死刑執行によって、何らかの一般予防効果は働くのかどうか...
小生個人の意見と致しましては、「働く」とは思うのですが、それは確かめようがないと言うのが正直な所。
確かめようがない、というのが重要で、実際にそれが働こうが働くまいが、その事実とは関係なく、何らかの効果
を主張できてしまうのが、小生には不思議な感じが致します。
事実と関係なく主張できると申しましたが、それは推論の域を出ないと言う事です。
その推論に信憑性を与えるのは言うまでもなく、死刑確定から執行までの期間の短さと
鳩山法相の歴代最多執行数から来るある種の厳格さに違いありません。

実際、死刑という刑罰が存在する事よりも、それが執行される事の方にこそ、一般予防効果は期待されるようですね。
勿論、刑罰の存在とその執行の二つを込みで考えるのが、普通でしょうけど。
死刑の犯罪抑止力の有無が不鮮明である事は、もはや死刑廃止論者が槍玉に挙げる際の常套句なのかも知れませんが、
やはり死刑の存在を国民に再度確かめさせる為の刑執行には、一時的ではあれども威嚇効果は期待できそうな気も致します。
ですが、飽く迄もそれは「威嚇」効果...刑罰の残酷性が際立ってこそなんぼのもの。
それで犯罪者及び犯罪予備群を黙らせられるにしても、それに止まらず国民全体にさえ余計なとばちりを食わせて、
政府に対する不信感、社会への不穏感、個人的には恐怖感までも抱かせるなんて破目になるのだとしたら、
「ちょっと待てよ」と言いたくもなります。

厳罰と刑罰が残酷であると言う事は、後者が前者に内包され得る関係にあるというだけで、決してイコールではないでしょう。
否、法律と言うものを定義する上で、同じであってはならない事ではないかな〜と、小生は思います(法律に全然詳しくないですが)。
小生なりの言葉で申せば、残酷さにまつわる諸事象である苦痛やストレスなどは、所詮主観・意識にのみ関わるものなので、
たとえ極刑に限ろうとも、それを客観的な法体系が秩序維持の為に必要だとして謳い上げるのは如何なものでしょうかね。
刑罰の残酷さは国民各々の主観にのみ起こり得るので確かめようがない、もし確かめられたらそれは残酷だと
「その人にとっても(国家にとっても)」分かってしまうのですから、逆に申せば、絶対に確かめられてはならない。
権力によってひた隠しに隠されなければならない。なぜならば、国民の皆が刑罰を本当の意味(自らの立場・主観)で
残酷なものだと認識してしまえば、刑罰の執行者(客観的立場)の不在を招くのは必定となり、刑罰存続の意味がなくなりますから。
小生個人と致しましては、刑罰の実態が上手い事、権力によって不可視的なものに変じられるのだとするならば、
死刑制存置でもOKなのですが(小生が自分の主観とか意識に拘るが為)、それが本当に可能なのかと言うと心許ない。

小生は死刑制存置派の言い分も良く分からないし、同じく廃止派のそれも良く呑み込めません。
ですが、人間魚雷氏の仰る「死刑囚仏説」の様に、たとえ犯罪被害者遺族の為とはいえ、主観的に意味のある様な、
事件当事者(正確にはその関係者)にとって価値のある様な、それだけに限定される効果が期待されるのであれば、
小生の浮ついた心はそちらの方に靡いてしまう。つまり、死刑制存続でも良いのではないかとも思えてしまう。
・・・モチロン、他者への同情抜きで、でございます。

1768無精髭:2008/06/17(火) 23:45:22
因みに終身刑を極刑とする懲役刑にすら、身体刑としての残酷性は
容易には拭えないものとして存すると思うのですが。
妄想でございますかね。ですが、主観的には察知できるのです。

終身刑も体罰だとしたら、仮に目的を達した後の死刑制廃止論者は
死刑に替わるものとして新たな刑罰を持って来るのに、一体何を
拠り所とすれば良いのでしょうか。彼等は多分、刑罰廃止論者では
ありませんから、刑罰全般の残酷性は否定し得ないでしょう。

と言う事は、彼等が死刑制度を廃すべきだとする理由に、それが残酷
であるからという主張は入っていないと考えられます。入っていたとしても
死刑が、およそ考えられる刑罰の中でも最も残酷な刑罰なのだという認識の下に、
それを除く為に死刑を廃止すべきだという様な譲歩が見られる筈です。

しかしながら、死刑廃止論(者)にも様々な支流・傍流がございましょうから、
実の処、上記のように一概には申せません。
死刑制廃止論者の多くは、反権力・反体制主義の立場とも重なっている
ようですから(左翼系運動家に多いとか何とか)、そもそも死刑に替わる刑罰を
模索するという観点に不備があるのかも知れませんね。
死刑(制度)効果の代替云々などは、その多くの者にとっては瑣末な議論に
思えるのかも知れません。「問題はそこじゃないんだ」と。

1769Ken:2008/06/17(火) 23:50:27
>>1763>>1767
死刑の犯罪抑止力を実証的に検証した研究は存在しますよ。私の>>1752の投稿を
見るべし。日本で同種の研究が行われていないのは、日本の研究者がさぼっているのか
私が調べるのをさぼっているのか、どちらかですね。

1770無精髭:2008/06/17(火) 23:50:48
連投申し訳ございません。
>>1768

終身刑の刑種には、懲役の他に禁錮もございますね。
またそれぞれ、有期と無期の区別もございますようで。
と申しましても、小生の言い分に大した影響は無いかと思われますけれど。

1771無精髭:2008/06/18(水) 00:15:11
>>1769
ご指摘、どうも有難うございます。
>>1752に於かれましては、既に拝見致しておりますので、
そちらを念頭に置いた上での>>1767を書き込みました。
ですが、こちらにも少々認識不足があろうかと思われます。
お許し下さいませ。

一応お断りしておきたいのですが、Ken様の>>1752の研究は実証性の強いものと言うより、何だか
蓋然性の濃いもののような印象を受けます(記事が簡略化されているので不正確な言い方ですが)。
例えば、
>1977年と1999年の間で、処刑一件につき三件の殺人を防いだ計算になる。
20年以上も開きがある調査対象では、そこにおける犯罪傾向の若干の変化や社会構造の動きを考慮に入れてまで、
データを扱えるのでしょうか。かなり慎重にならなければならないと思いますけれど。
「処刑一件につき三件の殺人を防いだ計算になる」とは、統計学的にどうやって信頼するに足る答えを
導き出すのでしょう? まぁ、勿論小生の疑問点などは軽くクリアした上で、
Joanna Shepherdさんは研究しているのでしょうが。

>即刻処刑されれば防げる殺人の数はさらに増える

正論でございます。ただ納得するのみにございます。
いずれに致しましても、小生は死刑の犯罪抑止効果については、
客観的に見ればかなり疑問ですが、主観的にはあり得る・可能だと言う立場です。

1772mayuminh:2008/06/18(水) 02:27:44
やっぱりよくわからないです。
>>1763
死刑になるかもしれないと思って
殺人等の重要犯罪を思い止まったという例が
ほんど指摘されていないのに、

指摘できないと思うんです。いてもね。
死刑になるかもしれないと思って、思いとどまった人は発言しないし。
「妻と娘が邪魔になって綿密な殺人計画をたてたんだけど、死刑になるのが嫌
なのでやめたんですよ」と人は発言しない。
また、「オレを馬鹿にしやがって、会社ごと爆破しようと思ったけど、死刑になりた
くないんでね」と、仮に発言する人がいても(仮にどころか、飲み屋に行けば
いっぱい見つかると思うんですが)、誰もまともに聞きませんし。
思いとどまった人のことは、わかりようがないんです。

1773行きずりの男:2008/06/18(水) 12:08:34
mayuminhさんのご指摘は基本的に正しいと思います。
私の「例」はどこから出ているかということですが、
刑事政策の学者のウケウリですが、
所詮サンプルは限定されたものです。

日本の司法は「精密司法」といわれていて
犯罪に至るまでの経過を含めて詳細な捜査が行われ、
被疑者の取り調べでは、それこそ生れてからこのかたの
経歴が調べられますし、重大事件の場合には、
犯罪に至る心理、動機については、小説でもここまでは
と思うほど克明に再現されます。
プライバシーが今ほど重視されていなかった時代には、
研究目的であれば、重大事件の捜査経過を知ることは
比較的容易であったそうです。
研究対象となった複数の殺人を含む重大事件のなかには、
当然途中で断念された、あるいは未遂に終わった事件もあるわけで、
なぜ中断されたか、未遂に終わったのかも
克明に調書に述べられているわけです。
また、実際に中断、未遂に終わらなくても、
途中で「死刑」を意識して「躊躇」をしたというなら、
その心理過程も調書に再現されることになるでしょう。
これは法に対する恐れをまだ持っているということですから、
凶悪犯罪の「情状」としてはむしろ被疑者に有利に働く事情です。
「多数人を殺すと死刑になる」というのは
常識化していると思われるので、
もし、死刑に特定の犯罪を防ぐ「具体的抑止力」があるならば、
その実例が何件か含まれていてもいいのではないか、
しかし、「自分が知っている限りでは、もしかしてと思う
ケースが一例だけあるだけだ」というのが
某刑事政策の先生がおっしゃったことです。

「いても指摘できない」可能性はたしかに無限にありますね。
ただ、本当にそういうことがあるなら、
そこここに、その形跡くらい現れるもんじゃないですかね。

歴代の法務大臣のなかには、積極的に死刑「署名」をした人
全くしなかった人といろいろですが、
凶悪犯罪の発生と統計的に有意な差が現れた例はないとか。
鳩山法相は異例とも言える「署名」件数ですので、
今後の「凶悪犯罪」の推移は注目すべきでしょう。
ただ、死刑廃止をした欧州各国でも、
死刑廃止が凶悪犯罪の発生件数にプラスにもマイナスにも
影響を与えたという研究成果は見られていないようです。

1774あま:2008/06/18(水) 14:56:58
死刑に抑止力はあると思うのですけどね。
最高刑が終身刑だったら生活苦の人がどんどん犯罪を犯して一生
刑務所生活するようになるんじゃないでしょうか。
どっちみち一度罪をおかせば社会復帰は難しいですし、刑務所に
いる方が楽だと再犯する人も多くなると思います。

死刑がなくなれば殺される恐怖もないですしね。

1775行きずりの男:2008/06/18(水) 16:55:54
死刑にそれほどの「抑止力」があるというなら、
欧州各国で死刑が廃止または停止され、
死刑廃止がEU加盟の条件とされている、
などという現実をどう評価したらいいのでしょう。

これらの国々の「世論」は、日本と同様に、
死刑廃止反対が圧倒的であるのに、
各国の行政、立法府は、死刑制度は
人道に反するとともに、「不必要」で、
死刑制度を支える立法事実がないことを理由に
次々死刑を廃止したのです。
そして、廃止から30年近く経過した国でも、死刑廃止直後から
凶悪犯罪の著しい増加をみたという評価はなされていません。
これらの国々の死刑の「必要性」に関する判断は、
これまでのところ特に間違っていたとは言えないでしょう。

死刑に抑止力があるとの証明はない
ことは国際的には共通の認識で、あとは「報復」を認めるか
どうかの認識の違いがあるだけなのではないかというのが私の感想です。
アメリカのうち、ごく限定された州で死刑が行われているのは、
アメリカが「報復」の正当性を認める国だからだと思います。
その意味で前にテロ−報復戦争と似た構造だと書きました。
ただ、「だから死刑は廃止すべきだ」と声高にいうつもりはありません。
死刑廃止論者でも、まして、廃止運動家もないので。、
死刑=報復と割り切ったうえで是非を論じるのが正しいと思うだけです。

1776無精髭:2008/06/18(水) 19:47:43
>>1767-1773までの流れを見ていたら、何だか可笑しくってw

いやいや、そちらでの諸賢の皆様のレスを嘲っている訳ではございません。
小生が>>1767-1768を書き込んだ後、Ken氏が行きずりの男氏と小生なんぞとを一括りにして、
レスをお付けになったのが、小生にとっては青天の霹靂と申しても好い程、意外な事でしたから。
Ken氏のレスの意図が読めず、正直申してかなり動揺致しました。
>>1771のレスが文意も何も不明瞭なのは、夜更かしのせいもございますが、
その時の戸惑いが残ったまま、筆を走らせざるを得なかったからでしょう。
変なレスを付けてしまったものだと、今は深く反省致しております。どうぞお忘れになって下さいませ。
それに致しましても、自分の慌てっぷりが可笑しくって堪らないですw

それだけではございません。
mayuminh氏の>>1772のレスに、行きずりの男氏が>>1773のレスをお返しになっている
一連のやりとりの内容が上手く掴めないのが、何だかもどかしいやら情けないやらで、
終いには訳も分からず、面白可笑しくなって参りました。
お二方とのコメントの趣旨は、別々には良く分かるのですが、どうして行きずりのの男氏が、
多少なりとも弁明的な意味合いを込めてレスを返さなければならなかったのかが、
小生には全然理解出来ないのでございます(誰かご親切な方がいらっしゃいましたら、馬鹿な小生に
この一連の経緯をご説明下さいましたら幸いでございます)。

しかもKen氏が>>1769で行きずりの男氏と小生を並べていらっしゃるから、
小生の立場が無い事と言ったらもう...(苦笑)
行きずりの男氏の>>1773>>1775をお読み致しましたけれど、
小生なんぞと比べてしまってはもったいのう存じますよ。
とても骨のあるご主張だと存じ上げます。

ですが、小生の勝手な考えとは重ならない部分もございますよ。と申しますより、
根本的に出発点が相違しているのに、不思議と表面的には似通っているようで。

それは兎も角、氏の仰る「具体的抑止力」の実例欠如及び「一般的抑止力」の実証不可能性などには、
小生は違った(偏った?)角度から賛同致しても宜しいですし、その真偽を論う事で
死刑制の是非を問う(判断材料とする事も含めて)のに反対だとされるご意見にも、
概ね賛成でございます。
>死刑廃止論者でも、まして、廃止運動家もないので。
同感ですよ、ホント。立場以前の(切り捨てられるべき?)問題って所ですかナ。

上記の文面、とっても無礼千万なものでございますね。
余り、真にお受けにならないで下さいませ。

1777無精髭:2008/06/18(水) 22:03:23
>>1776では物足りないと存じますので、追記。

>>1769
>>1771で不器用な疑問を呈さずとも宜しかった様です。要するに、
アメリカ(でなくとも構わないのですが)の研究者が研究対象とする社会に自ら所属する以上、
何らかの立場(階級・地位)に立たざるを得ませんし、拘束された環境にも左右されるでしょうから、
その制約によって公平・客観的な観察態度を保つ事は困難になるのではないか、
或いはデータ算出や統計解釈などの研究成果に何らかの人為的(偏見・主義主張による)影響が
及ぶ事は不可避ではないか、と思われるのです。そして、その研究の方法及び成果の客観性や
公平性が(第三者に)保証されているのかどうか、といった事も気になる所でございます。
覚えていらっしゃるかと存じますが、これは「犯罪に対する態度〜」スレでの議論(?)を
敷衍致しましたものでございます。

>日本で同種の研究が行われていないのは、日本の研究者がさぼっているのか
>私が調べるのをさぼっているのか、どちらかですね。

日本は連邦制ではございませんから、死刑制廃止と存置の州相互の比較から得られるが如き確証的な
データは見込めないのではないでしょうか。死刑の犯罪抑止効果の実態を確かめるには、日本でも
一度死刑を廃して見る必要があるようですね(その分、復活させる際のリスクも高まりますが)。
勿論、日本国民が死刑に対して抱く意味、死刑を肯定する感情には、他国の人々のそれには無いものが
含まれるでしょうから、手放しで他国の死刑制廃止による数値を信用し・参考にする訳には参りません。
死刑が廃止になったとしても、それから50年以上、まあ少なくとも30年の期間は様子を見てみなければ、
死刑と犯罪抑止との因果関係は(あったとしても)見えて来ないのではないかと思われます。
日本では死刑執行が凍結されていた時期がございますから、その頃には犯罪抑止に関する研究は
多少なされていたのではないかと思います(小生の憶測ですけど)。

話は変わりますが、行きずりの男様には是非とも、
紫煙狼氏の>>1733にございます、
>例外の存在を理由に「死刑に犯罪抑止効果はない」とは結論するならば、
>犯罪の発生を根拠に「全ての刑罰に犯罪抑止効果はない」と結論できます。
について、何かご意見を伺いたいものでございます。

1778Ken:2008/06/19(木) 06:31:46
最初に私のスタンスを説明しますけど、私は個人の主観ほど当てにならないものは
ないと思ってます。「俺はこう思う」「いや俺はこう思う」などという言い合いほど
不毛なことはない。あらゆる議論の前提として、意見には必ず根拠が伴わなければ
ならない。そして、その根拠は誰でもその気になれば実証的に検証することが
可能な客観的事実であることが望ましい、と思っています。私がURLを貼り付けたり
新聞記事に基づいて自論を展開するのは、自分の意見にできるだけ客観性をもたせようと
する姿勢のあらわれです。

専門家の仕事に対して素人が意見を口はさむ場合、しばしば洞察力にあふれている
場合もある一方で、てんで的外れで害悪でしかない場合も多い。副島隆彦という
一応英語が専門の学者がいるのですが、この人『人類の月面着陸は無かったろう論』という
本をものしています。いわゆるムーン・ホークス(アポロは月になど行っていない)の
本なのですが、基礎的な科学知識もないくせに自分の思い込みだけで一冊まるごと
自然科学批判を書いちゃうわけで、本人は大真面目でしょうが、はたから見れば
壮大なギャグにしか見えない。これは非常に極端な例ですけど、素人意見はしばしば
こういう陥穽に陥ることがある。

1779Ken:2008/06/19(木) 06:45:41
私の説明が不足してましたけど、私は無精髭さんと行きずりさんの投稿を一まとめに
したつもりはなくて、私が気になったのはお二人に共通している

>>1769一般的抑止力(死刑制度の存在が犯罪一般を抑制する)はもともと論証不能です
>>1767死刑執行によって、何らかの一般予防効果は働くのかどうか...は確かめようがない

という部分です。繰り返しになりますが、死刑には殺人を防ぐ抑止力がある、
と結論した実証的研究は存在します。ですから、死刑の抑止力は「論証不能」
「確かめようがない」というお二人の意見は、客観的事実に反しています。もちろん、
これらの研究が妥当であるかどうか、いかほどの普遍性があるのか、それを根拠に
死刑制度を支持することができるのかどうか、といった議論は続けることはできますが、
それは別な問題です。

1780Ken:2008/06/19(木) 07:18:11
>>1777この手の研究の客観性

は気にしなくていいと思います。体制側に都合のよい研究結果を出す御用学者と
いうのは存在するでしょうし、エモリー大学のあるジョージア州は米国では死刑制度を
支持する保守的な土地柄なのでひょっとするとその影響もあるかもしれないですが、
記事にはこれらの研究に批判的な専門家の意見も紹介されています(私も一部
要約しましたが)。つまり、社会的立場、社会的風潮がどうであろうと、そんな
こととは関係なく意見を述べたり研究を行う自由が米国では保障されています。
この米国人による記事自体、両論併記ではあるものの、全体的には死刑に批判的な
トーンとなっています。

元の研究にあたらずに書いてますが、常識的に考えてこれらの研究は専門誌に
発表されているはずです。そして、専門誌には査読制度というのがあります(例外も
ありますが)。これはその道の専門家が研究内容に関して論理に矛盾はないか、
手法に問題がないか、それが新奇な発見であるかどうかを匿名で批判的にチェックする
制度です。ですから、専門誌に発表された時点で第三者である別の専門家による
チェックが入っています。これらの研究は死刑には抑止力があるという研究と
ないという研究を踏まえたうえで行われていることも想像に難くないです。

>>1771 1977年と1999年の間で、処刑一件につき三件の殺人を防いだ計算になる。

書き方が悪かったですが、1977年と1999年という二つの年の比較ではなくて、
この期間を平均すれば、という意味です。社会的な要因というのは時代によって
移ろうものですが、長期にわたる平均的な観察によってその影響を除外しようと
しているのでしょう。ちなみに、米国では連邦裁判決によって一時期、死刑が
停止されてましたが、1977年というのは死刑が再開された翌年ですね。

無精髭さんも述べられているとおり、日本でも同様の研究は可能だと思いますよ。
法務大臣によっては死刑の執行を拒否していた人もいますし、それとの比較とか
鳩山大臣は二カ月おきに死刑執行しているというのであれば、死刑執行直後の
一ヶ月間とその次の一ヶ月間で凶悪犯罪の発生率を比べるとか。

1781Ken:2008/06/19(木) 07:29:15
刑罰一般には抑止力があるのは確実じゃないですかね。普通の殺人犯は証拠隠滅を
図ったり逃亡したりしますけど、捕まればどうなるかを知ってるからじゃないですかね。
同じ理由で犯行を思いとどまる人も多いのは想像に難くないです。殺人事件の
発生件数が低くとどまっているのは厳しい罰が待っているせいでしょうが、この
厳しい罰に死刑が含まれていることにさらなるプラスの効果があるのかどうか
といったことなんでしょうね。

1782Ken:2008/06/19(木) 07:38:05
>>1774最高刑が終身刑だったら生活苦の人がどんどん犯罪を犯して一生刑務所生活するようになるんじゃないでしょうか。

その心配はしなくていいと思います。というか終身刑が存在していない今でも
生活苦からどんどん犯罪を犯して刑務所に入り続けようとする人はいます。例外的だとは
思いますが。昔、別のスレッドに書き込みましたが、刑務所暮らしが長くて娑婆に
出てもどうやって生きていけば分からず、放火してまた刑務所に舞い戻ったという
はた迷惑なおじいさんがいます。終身刑があろうがなかろうが刑務所に居続けたい人は
また再犯に手を染めることでしょう。むしろ、そういう人が終身刑になれば再犯されずに
済むのでよいと思います。

1783行きずりの男:2008/06/19(木) 11:07:21
無精髭様、Ken様はいずれも研究者系の優秀な頭脳をお持ちのようで、
実務系の乏しい理解力しかない私にはたちうちできないところがあります。
死刑の実証的研究に関する諸論文には接したことがありません。
おそらく私が考えているような「泥臭い」実証とは
次元の違うものと拝察しますが、
アウトラインでも教えていただければと思います。

一般刑の抑止力は、実務家レベルでは「公知の事実」と思います。
通常の事件の被疑者調書などをみても、
被疑者は警察を恐れ、処罰を恐れ、なんとか捕まらないように
努力している様子がうかがえますし、
薬物関係の再犯者の供述調書をみても、
少なくとも前の判決後相当期間は、逮捕→処罰の過程を恐れて
相当長期にわたって薬物に手を出さないでいた
という経過がうかがわれます。
別にこんなことを持ち出すまでもなく、
誰の心のなかにも、刑事罰をうけることへの恐れはあるでしょう。
犯罪に手を染めようとしたとき、刑罰への恐れを感じ
それが抑制として機能するということは、
誰でもリアルに想像できるのではないでしょうか。
万引き、不正乗車の経験ある人なら、
自分の心のなかにその痕跡を見出すことさえできるでしょう。
この点は立証不要の顕著な事実と思います。

ちなみに、私は終身刑には賛成できないのです。
行刑にあたる人の困難が目に見えるからです。
死刑廃止論にたてない理由もここにあります。

1784行きずりの男:2008/06/19(木) 11:31:19
刑罰が抑止として機能する場面はリアルに「想像できる」と書きました。
一方で、「死刑」という刑罰が、これから殺人を犯そうとしている人に
抑止力として働く場面を想像することはできません。
多数の人をこれから殺そうと具体的計画を練った人間が、
「無期懲役までならいいが、死刑になるのは怖いからやめよう」
と思うでしょうか。シュール過ぎると思うのは私だけでしょうか。
自分が捕まった後のことまで冷静に考える人は、
始めから殺人鬼予備軍になったりしません。
彼らは逮捕され、公判に引きずり出される段階になって、
はじめて死刑におびえ、さまざまな弁解を考え出したりするのです。

1785行きずりの男:2008/06/19(木) 17:42:12
閑話休題。
昨年の殺人認知件数は戦後最低を記録しました。
意外にも日本の治安は確実によくなっているわけです。
こんなときに、死刑執行の数が増えるというのは、
ややセンスにかける感じがしてなりません。
ところで、昨年までの殺人認知件数戦後最低の年は、
平成3年でした。この年は、「3年4か月」にわたる空前の死刑執行
空白期間の真っ最中でした。だからどうというわけではありませんが、
死刑執行の長期停止が凶悪犯罪の悪化に直接繋がった
ということはなかったようです。

1786無精髭:2008/06/19(木) 22:28:27
Ken氏に倣って、小生も自身のスタンスを述べますと、個人の実感に欠いた研究ほど、
無味乾燥で刺激の少ないものはないと思っております。ある客観的事実に対して異なる学説同士の
叩き合いなどには、そこで事実とされている当の事象をまずは疑って見せよ、と申したくもなります。
不毛といえば人文科学が自らの手法についてフィジカルな客観性を偽る事位、不毛な事は無いと存じます。

ですがKen氏の>>1778のスタンスには心底感服致します。そういうある面頑固な所がなければ、議論なんぞ
続けては行けないでしょうから。Ken氏ご提供の情報も、小生には邪魔であるどころか、一人合点な持論展開の
急所を突くものとして、小生自身も重宝致しております次第。とても助かります。

副島隆彦は知らないのですが、ムーン・ホークスというのは聞いた事がございます。確かにギャクでございますよね。
ですが、基礎的な科学知識を持つどころか専門の物理学者である大槻 義彦なんて人も、同様の発言をして問題視された
との事でございます。、ある(専門性の強い?)言説に対して突拍子もない意見を飛ばす人物というのは何処にでも
いる様ですし、あながち素人・玄人や専門家・門外漢に関係ないのではございませんかね。
無論、素人の方が間違いを犯しやすいという傾向は認めざるを得ませんが。しかしながら、

>専門家の仕事に対して素人が意見を口はさむ場合、しばしば洞察力にあふれている
>場合もある一方で、てんで的外れで害悪でしかない場合も多い。

こればかりを恐れて、まずは客観的データありき、実証的研究ありきで、個人の主張や生活実感を二の次三の次にして、
結局は取り扱わないで等閑にする、研究対象と見做さないとは、ちょっと学知の権威による横暴って感じが
過ぎるのではあるまいかとも思うのです。
どんな学問もアカデミックな世界で自足していればやがて腐臭を放ちますから、そこにド素人の直感という新鮮な風を
入れてやらねばなりますまい。ともすれば形骸化しやすい専門学に活を入れるのは、そのパラダイムに囚われない・
自由な発想の源泉である個人の主観ではございませんかな?
Ken氏も、よもや専門家がそれを無視して良いと言うことを主張なさっていらっしゃる訳ではございませんでしょう。
寧ろ、個々人の主観による議論を総括し得ない非は、(個々人各々にではなく)その専門家にこそ認められるべき
ではないかと思われます。

1787無精髭:2008/06/19(木) 22:28:48
>無精髭さんと行きずりさんの投稿を一まとめに
>したつもりはなくて、
小生の方こそ、おふざけ半分の気分でレス致しましたので、大変申し訳なく存じ上げます。
Ken氏は本来、小生にレスなさるより行きずりの男氏にレスなさる方が適切かと思われましたので、
それを無礼にもご指摘致したまででございます。小生の書き込みは相手にするまでも無く可笑しいものだと言う事は、
Ken氏も「犯罪に対する態度〜」スレで既にご存知かと思われます。

>ですから、死刑の抑止力は「論証不能」「確かめようがない」というお二人の意見は、客観的事実に反しています。
何を以って「客観的事実」とするのかが問題でございますよね。
死刑(法改正があれば、他の刑罰に関しても問う事は可能ですが、)と犯罪発生率の相関関係を
調べ、後者の高低によって前者の有無を結論付けるという手法は、確かに可能であり意味がございます。
ですが犯罪発生率が客観性をもつデータとして算出されるのは分かるのですが(この際、警察による検挙率への考察は
抜きにしても)、それを犯罪抑止効果の別の現れとしてイコールさせる事がどうして客観的なのか(実証的なのか)が
良く分かりません。否、その意義は良く分かりますし、蓋然性のある事も分かるのですが、そういった研究は
実証科学の言う厳密な意味での客観性は持ち得ないものとしか思えないのです(だからと言って、社会科学が実証方法
の客観性において自然科学と同等であると自ら騙っている、とまでは申しません)。

とは申したものの、確かに死刑の犯罪抑止力に関する研究が(あるのは既知でございましたが)曲りなりにも論証力
(説得力)を持つものとして存在することは認めなければなりますまい。「確かめようがない」と申しましたのは
軽率でございましたね。確かに、現時点では「確かめる方法があるともないともいえない」のが現状で、その研究も
まだまだ未成熟と言うか発展途上のようで、その真価が問われるのももっと先の話のようでございますので、研究自体が
無駄だとは今ここで簡単に断言できるものではございませんよ。否、この手の研究は実証性はともかくとして、説得力
さえあれば良いのだと小生個人は思いますけれどね。

>「この手の研究の客観性」は気にしなくていいと思います。
と仰るように、小生も細かい事を一々気にし過ぎなのは認めます。これは「髭の病気」の一つでございます懐疑癖の現れ
でございます。Ken氏はこの手の考えに肌が合わぬものとお察し致しますから、何事も無くスルーなさって下さっても
構いませんよ。ですけれども、本心では反論・批判のレスは嬉しゅうございます。

そうそう、「査読制度」に関しましては、有益な情報の程、誠に助かります。
これもある種アカデミックな内輪のみの、論文盥回し的なオートメーションに堕していなければ良いのですけれど。

1788無精髭:2008/06/19(木) 23:03:35
犯罪抑止効果の存在を何処に認めるのかが
Ken氏はデータの中に認められると仰る。
ならば小生は、微弱でも良いからその効果とやらが
主観的に働いている事を自覚して見たいと切り返す。

何と申すか、小生自身に限りますと、
犯罪抑止力は良心には不文律が、実際には他人の目が
かなり強く働いております。それと、警察の存在。
国に定められている法律に従って生きているという、
実感が無い以上、そこに抑止力を認める訳にはちょっと
参らない。況してやその先の刑罰にまで、それを
認めようなどとは、思いも寄りません。

若しかすると、何も考えずに平和に生きている一般市民
には余り働かず(?)、反社会的言動の多い輩や現に
罪を犯している者などにしか、効果が出ないものなのかも
知れませんね。犯罪を本当に犯してみようと思い立った場合や、
既に犯している罪よりも重い罪を犯そうとする場合に、
ちょっと踏みとどまる、一瞬躊躇する、これこそ刑罰の
抑止効果なのかも知れませんね(ちょっと可笑しいのですけど)。
抑止効果があり方について主観的に理想なのは、
現在の生活と犯行後の生活を秤にかけて、
犯行に伴うリスクが犯行による生活の向上の見込みを上回ったとき、
その全体を覆う不穏な雰囲気として、刑罰の犯罪抑止効果が
初めて到来する。
これでございますね。

上記のような抑止力では、小生に感知できないのも無理はございません。
小生個人と致しましては、犯罪を抑止するのは良心からの方が理想で、
刑罰のそればかりに頼りたくはないなぁ、と存じ上げるのですが。

1789無精髭:2008/06/19(木) 23:06:18
>>1788()内の文を書き足すのを忘れて投稿してしまいました。

犯罪抑止効果の存在を何処に認めるのかが(意見の分かれ目。)

1790無精髭:2008/06/19(木) 23:47:17
度々の連投、本当に申し訳ございません。

行きずりの男様へ

>>1783-1785
>無精髭様、Ken様はいずれも研究者系の優秀な頭脳をお持ちのようで、
>実務系の乏しい理解力しかない私にはたちうちできないところがあります。
全然。Ken氏はそれで宜しいとしても、小生の方は言わば「妄想系」でございます。
ゆきずりの男様の方が、そのレス内容の濃密さと有益性に於いて、小生よりずっと上。
小生、そもそも情報源とやらが枯渇しておりますので(苦笑)
貴殿のレスが来るのは小生の楽しみでございます。
これからも宜しくお願い致します。

>刑罰が抑止として機能する場面はリアルに「想像できる」
この部分は賛同致します。と申しますより、別のスレで同様の事を書いた
記憶がございます。ですが、そこでの小生の意見は少し変調されていて、
貴殿のご主張では大体の人が刑罰を意識するのに少なからず積極的であると
説かれるのに対し、
小生のそれは、刑罰の存在が社会生活においても現前としていればいる程、
個人の主観に於いては自らの取り得る或る行為の末路に刑罰を措定し易い
のではないか、つまり己の損失を主観的に構成し易いのではないか、と言った
仮定に過ぎないのですけれど。これには、権力機構が刑罰を目的・手段とする事
への捉え直しの意図がございます。ですから、激しくスレ違いなのですw

>昨年の殺人認知件数は戦後最低を記録しました。
>意外にも日本の治安は確実によくなっているわけです
これはさすがの小生も存じておりました。こちらの以下のご意見も
拝読致しました。色々と示唆に富む内容でございます。
他の諸賢のご意見もお聞き致したい所存。

1791無精髭:2008/06/20(金) 00:00:10
連投申し訳ございません。

最後にKen様へ

以下引用

繰り返しになりますが、死刑には殺人を防ぐ抑止力がある、
と結論した実証的研究は存在します。ですから、死刑の抑止力は「論証不能」
「確かめようがない」というお二人の意見は、客観的事実に反しています。もちろん、
これらの研究が妥当であるかどうか、いかほどの普遍性があるのか、それを根拠に
死刑制度を支持することができるのかどうか、といった議論は続けることはできますが、
それは別な問題です。

>>1779より)

「客観的事実」とは、ただこの手の研究が存在するという事を指していらっしゃったのですね。
小生はこの手の研究が存在するのは知っておりましたが、
「これらの研究が妥当であるかどうか、いかほどの普遍性があるのか」と疑っておりましたので、
この手の研究(による成果)は無きに等しいものと見做しておりました。
ですが、Ken様によればそれは「別な問題」との事。
まぁ、小生はこの手の議論には興味が持てないので、一先ず退散致したく存じ上げます。

1792紫煙狼:2008/06/20(金) 00:18:48
行きずりサンの投稿を読んで、非常に興味深い事を書くなぁ…と思いました。
以下、別に揚げ足を取りたいわけではないのでその点ご了承ください。

>>1784
>多数の人をこれから殺そうと具体的計画を練った人間が、
>「無期懲役までならいいが、死刑になるのは怖いからやめよう」
>と思うでしょうか。
この書き込みは刑199を想定して書かれたように感じました。
しかし刑240を想定すると状況が変わるように思うのです。
強盗致傷は有期懲役で、強盗致死は無期もしくは死刑ですよね。
こうなると、無期もしくは死刑になりたくないが故に殺さない程度に
手加減する強盗犯の存在が想像できませんか?もしくは運悪く相手が
死んでしまうことを想定して単純強盗で済まそうとする強盗犯も想像するに
難くないと思うのです。実際に、武器を所持して強盗に入ったが、
家人に騒がれたため犯行を諦め逃走するという事件は珍しくないですよね?

もちろん、騒がれたことで犯行が難しくなり捕まっては元も子もないと
ばかりに逃げ出すという心理なのでしょうが、騒がれる前に殺すとか、
騒がれたら永遠に口を封じるという選択肢もあるわけで、この分かれ道は
「殺してまでして奪いたいとは思わない」という微かながらの道徳心か、
「殺人なんて怖くてできない」という被害者としては幸運な度胸の無さか、
それこそ「懲役は我慢できても死刑はさすがに…」どれかでしょう。

そういう意味では、最初から殺すつもりでいる人間に対して死刑が抑止効果を
持つとは思えませんが、死刑の抑止効果ゆえに、できれば殺したくないという
考えに至る犯罪者は少なくないと思いますよ?

1793Ken:2008/06/20(金) 13:26:42
無精髭さん、私が主張した違いを理解していただけたようで何よりです。しかしながら
まだ誤解が残っているようです。さんざんっぱらこれらの研究を擁護してきた
後で言うのもなんですが、私はこれらの研究から導かれた結論が客観的事実である、
とは言ってません。むしろ日本の死刑制度にも当てはまるほどの普遍性はないのでは
なかろうかと疑っています(後述)。

日本を基準にして人文系、社会科学を見くびるのは止めたほうがいいですよ。
日本はとにかくこの分野は絶望的なほど立ち遅れてますから。自然科学の分野では
世界で伍している研究者は山ほどいますけど。私見ですけど、日本の人文系・
社会科学者は英語で論文を書く習慣がないので、井の中の蛙に成り下がっちゃったん
じゃないですかね。世界のレベルは違いますよ。犯罪統計学なんて犯罪の多い
米国はデータも豊富。山ほど行われていて、中には象牙の塔に引きこもるだけじゃなく
テレビでやってたんですけど、危ないダウンタウンを歩き回るフィールドワークと
犯罪統計学を組み合わせて斬新な新説を提出してる犯罪学者もいましたね。

懐疑論者の無精髭さんにとっては余計なお世話でしょうが、日本のテレビで学者が
言ってることは眉につば付けといたほうがいいですよ。大槻教授とか。特に専門外の
発言は絶対に信用しないほうがいいです。テレビ局は変わった発言で受けるから
トンデモ学者を使うんでしょう。学者もそれに迎合・売名しちゃうんでしょう。
まじめな学者はどうせテレビ局にトリムされて都合のいいところだけ使われるのを
知ってるからはじめから出ない。

1794Ken:2008/06/20(金) 15:03:28
それで行きずりさんのご要望にお答えして元の論文に当たってみたんですけどね。

DETERRENCE VERSUS BRUTALIZATION: CAPITAL PUNISHMENT'S DIFFERING IMPACTS AMONG STATES
Joanna M Shepherd. Michigan Law Review. Ann Arbor: Nov 2005. Vol. 104, Iss. 2
pg. 203, 53 pgs

50ページ以上という超大作ですよ。しかもたった一人で。この分野では当たり前かも
知れないですけど。内容は...私の手には負えません;-(
結論は直感的ですが、それにいたる手法がちんぷんかんぷん。なにやら回帰モデル、
数式を立ててこれに様々な統計値を代入して死刑の抑止力を定量化する、といった
感じです。それじゃ仕方がないんで彼女が自分の研究を素人向けに解説した記事を
クリスチャンサイエンスモニター紙に見つけたのでそれとあわせてすこしだけ
解説してみたいと思います。
http://www.csmonitor.com/2005/1214/p09s01-coop.html

まずこのエモリー大学法学部ジョアン・シェパード助教授は美人で(関係ないけど)
http://www.law.emory.edu/home/news-article/article/the-christian-science-monitor-features-prof-shepherds-death-penalty-op-ed.html?tx_ttnews%5BbackPid%5D=1218&cHash=90c130b754
まだ若いのにCSモニター、ウォールストリートジャーナルに寄稿したり、NYタイムズの
社説で研究が紹介されたりと、新進気鋭の学者のようです。それで彼女が扱ったのが
1977年から1996年にいたる全米全州全郡の統計データですね。このサンプル期間で
死刑が一度でも執行されたのは約半数の27州に上るのですが、死刑に抑止力が
認められたのはさらにその約5分の1、たったの6州(テキサス、ネバダ、南カロライナなど)。
死刑の執行された州のうち約5割、13州(ユタ、オレゴン、オクラホマなど)では
なんと逆に死刑の結果殺人率が上がるという結果が出ました。残りの8州は死刑で
殺人は増えも減りもしないという結果です。

それで、先生の立てた仮説というのはこうです。死刑には抑止力と残虐化(brutalization)
という拮抗する二つの作用があるのではなかろうかと。残虐化というのは死刑によって
社会に残虐で暴力的な空気が蔓延する、という意味だそうです。それで、州によって
処刑によってこの二つの作用の按配が変わって、相対的に抑止力が強い場合には
殺人が減り、逆に残虐化が強い場合には死刑によって殺人が増えると。正味で
釣り合っているときにはなんら効果なし。

それで、なぜ州によって二つの作用のバランスが異なるのか、先生が注目したのは
処刑の絶対数ですね。抑止力が認められた州は処刑数が多い。逆に残虐化が認められた
州は処刑数が少ない。死刑が抑止力として機能するためにはそれが犯罪予備軍にとって
精神的圧迫とならなければならないわけですよ。どかどかと処刑されていくテキサス州には
そういう圧力がある。ところが死刑の数が少ないと、たとえばカリフォルニア州は
死刑判決を出すばっかりで処刑が滞っているため2005年の時点で650人もの死刑囚が
いるのに対して1977年以来たったの12人しか処刑されていない。こういうところでは
死刑が抑止力を発揮することはなく、逆にネガティブな残虐化によって殺人を
誘発してしまうと。そういう解釈をしています。

全米で平均してしまうと圧倒的処刑数を誇るテキサス州が他州を凌駕してしまい
死刑には抑止力あり、という結論が導かれるそうです。

1795Ken:2008/06/20(金) 15:18:08
この論文は私が睨んだとおり、査読制度(Peer review)のある雑誌に掲載されてました。
査読制度もいろいろと問題があるのですが(匿名をかさに気に食わない同業者の
論文に難癖を付けて不採用にしたりとか)、使われ続けているのは専門的な論文を
評価するのにそれ以外によい手段がないからなんですね。ただ、例外もあると
私以前書きましたけど、とにかく査読は純粋な技術的な間違いの指摘だけにとどめて
とにかく誰でもなんでも発表できちゃう。批判するのはその後で、みたいな編集方針を
とっている実験的な雑誌もあります。

1796Ken:2008/06/20(金) 15:45:36
行きずりさんのコメントは私にとっても非常に興味深いです。私も以前似たような
こと書いたことがあります。普通死刑になるのは二人以上殺した場合ですけど、
一人殺した後で、も一人殺せば死刑になるからここいらでやめとくか、なんてこと
絶対にないでしょう。殺人者は殺すときには一人でも二人でも何人でも殺します。
自分は絶対に捕まらないという自信があるからなのでしょう。逆にひょっとすると
捕まるかもと考えれば殺害を思いとどまるかもしれない。だから死刑ではなくて
警察力のほうが殺人の抑止には大事なのではないかと。日本では殺人の検挙率は
めちゃくちゃ高いですよね(ここ最近下がっているようですが)。ここいらあたりに
日本の殺人率が低い理由があるのではなかろうかと。紫煙狼さんの意見は今まで
私になかった視点ですけど、それはそれで非常に理にかなっていると思いました。

ところでせっかくですから私も>>1783に反論してみようと思います。

>>ちなみに、私は終身刑には賛成できないのです。
>>行刑にあたる人の困難が目に見えるからです。
>>死刑廃止論にたてない理由もここにあります。

実務にあたる人の立場で考えれば、死刑存続に賛成、終身刑導入に反対とのことですが、
むしろ逆じゃないのかと思いました。理由は以下のとおり。

1.厳罰化のあおりで有期刑は最高で30年、無期懲役は仮釈放が基本的に認められないなど
実質的に終身刑はすでに導入されている。
2.司法当局には死刑は執行してもしなくてもよいというフリーハンドがあり、
死刑判決を受けながら終身刑で処遇されている死刑囚が多数いる。95歳で老衰で
亡くなった帝銀事件の平沢貞通元死刑囚が代表例。
3.死刑執行のほうがどう考えても実務としてきつい。想像ですけど、処刑の実務に
携わっている人なんて日本には両手で数えられるくらいしかいないのと違いますか?
二ヶ月に一回召集されて何人かをいっぺんに「処理」するんですよね。めちゃくちゃ
えげつない仕事だと思いますけど。
4.米国の刑務所元所長で90名の処刑に立ち会ったClinton Duffyはリタイア後に
死刑廃止論者に転向している。絞首刑はしばしばとんでもないことになるんだそうです。
http://www.amazon.com/Eighty-Eight-Men-Two-Women/dp/040462412X

1797Ken:2008/06/20(金) 15:52:59
すいません、書き忘れていましたけど、紹介した論文を日本に当てはめると、
日本は加州型ではなかろうかと。死刑判決はしばしば出されますけど、処刑が
滞っていて死刑囚がずいぶんとたまっている。こういう場合、処刑すると抑止力ではなく
残虐化の作用が出る。死刑執行が停止されていた時期に逆説的に殺人率が下がった
との事ですが、これは残虐化の作用が止んだことによって相対的に殺人率が低下した
結果なのでしょう。今のところ、鳩山法相は処刑を頻発してますが、こうなると
今度は抑止力が強まることになります。ということは殺人率はやはり低下する
ことになるでしょう。

処刑を停止させようが頻発させようがどのみち殺人率が下がるというのは、体制側に
とってなんとも虫のいい、無敵の理論ですね。

1798無精髭:2008/06/20(金) 22:59:27
Ken様へ

>無精髭さん、私が主張した違いを理解していただけたようで何よりです。しかしながら
>まだ誤解が残っているようです。(後略)
否、貴殿が死刑の犯罪抑止力についての研究成果が「客観的事実」であると主張なさって
いらっしゃるとまでは、申し上げた心算はございませんのでご安心(?)下さい。
>>1791に、
>「客観的事実」とは、ただこの手の研究が存在するという事を指していらっしゃったのですね。
>ですが、Ken様によればそれは「別な問題」との事。
と、書きました通りでございます。1786-1787までは、Ken様が仰る通りの誤解を致しておりました
が、後々思い返し・読み返してみて気が付きましたので、この様に訂正致した心算でございました。

>日本を基準にして人文系、社会科学を見くびるのは止めたほうがいいですよ。(後略)
これだけ引用すると不穏な感じが致しますが(笑)、まぁそれは兎も角と致しまして、
上記については全く以って同感にございます。確かに日本での一般的言説をやや鵜呑みにしていた
感がございます。
>日本の人文系・社会科学者は(中略)井の中の蛙に成り下がっちゃったんじゃないですかね。
ちょっと乱暴な言い方かな、とも思われますが頷けます。小生の私見では、外国語で論文を書く習慣
の有無と言うより、外国語の文献を日本語に翻訳する事にばかり感けている・つまり外国の先端的な
研究を日本の学界に紹介する事を研究だと思い込んでいる、これに起因しているのではないかと思う
のですがね。そもそも学問に対して懐疑や反省がない学者が多すぎる気が致します。
>犯罪統計学なんて犯罪の多い米国はデータも豊富。
異論はございません。とすると、日本には芽が出ない学問、出ても雨が降らずにすぐ萎れてしまう
ものなのかも知れません。日本には、日本の風土に合った研究方法が模索されて然るべきでござい
ますね。TVに出てくる評論家や学者がよく言う事に、「(例を出して)総じて日本は遅れている。
それに比べてアメリカは・・・」の様な常套句がございますが、小生はあれが大っ嫌いでござい
ます(日本にいる人間が何を抜かすwとね、勿論Ken様は当のアメリカに御住まいとの事ですから
この様に仰っても、まぁ、事情が逆ですからね...とりあえず棚上げに)。
(何処の国の場合でも同じですが)日本に他国の長所を移植するのに、自国の特殊性を無視できると
考えているからこそ、こんな常套句も簡単に口をついて出るのでしょう(ん?そうだとは限らぬか)。
>危ないダウンタウンを歩き回るフィールドワーク(後略)
これは日本ではさすがに無理でございましょうw
ですが、つくづく日本が平和であって良かったと思いますよ。この様な研究が出来る素地が日本の
社会環境に生まれてしまったら、日本の社会科学もちっとは増しになるなんて、小心者の小生に致し
ましたら怖くて怖くて敵いませんのでね、思いも及ばぬ次第でございますよ。

>懐疑論者の無精髭さんにとっては余計なお世話でしょうが(後略)
否、全然。

1799無精髭:2008/06/20(金) 23:18:10
小生がレスを付けるのは立場違いなのですけれど、

>それで行きずりさんのご要望にお答えして元の論文に当たってみたんですけどね。
(中略)
>結論は直感的ですが、それにいたる手法がちんぷんかんぷん。なにやら回帰モデル、
>数式を立ててこれに様々な統計値を代入して死刑の抑止力を定量化する、といった
>感じです。

ソーカル事件の教訓は活かされているのでしょうかね?
これと同じ轍を踏んでいない事を、その研究にも願いますよ。

総じて、小生が社会学全般・社会科学に懐疑的なのはこれがあるからでございます。
しかし、それはさて置き

>それで彼女が扱ったのが
>1977年から1996年にいたる全米全州全郡の統計データですね。このサンプル期間で
>死刑が一度でも執行されたのは約半数の27州に上るのですが、死刑に抑止力が
>認められたのはさらにその約5分の1、たったの6州(テキサス、ネバダ、南カロライナなど)。
>死刑の執行された州のうち約5割、13州(ユタ、オレゴン、オクラホマなど)では
>なんと逆に死刑の結果殺人率が上がるという結果が出ました。残りの8州は死刑で
>殺人は増えも減りもしないという結果です。

これは大変に有益なデータかも知れません。若しかすると、ジョアン・シェパード先生が
立てた仮説とは別の見方だって、私たちには出来るのかも知れませんよ!?

>処刑を停止させようが頻発させようがどのみち殺人率が下がるというのは、体制側に
>とってなんとも虫のいい、無敵の理論ですね。

ここが懐疑派の小生には臭い所なのです。

1800無精髭:2008/06/21(土) 00:12:48
どうしようもなく眠いので短文レスにさせて戴きます。

絞首刑・電気椅子・薬殺・・・ですか?
これらの死刑の違いも考慮に入れて
データを読み込む余地は、尚も残されて
いるかも知れません。
「死刑が執行された」という事実の中には、
そのような個別の事実も入っているのですから。

死刑の残虐化効果ですか。。。
死刑制度の存在がそれを生み、
死刑執行が抑止力を生むのだと言う。

小生はF氏に以前、
死刑の存在が国民に対して
死の意味を一義的に担わせる、
その押し付けこそ国家的暴力である
と申した覚えがございます。
>>1767でも、死刑の残酷性について触れました。

ですが、まさかそれが犯罪を生む様な
逆効果になるとまでは思い及ばなかったです。
刑罰を全体的に重くすると、反政府分子の
不満が高まる事で、テロまがいの犯罪は
増えるんじゃないかと、これまた以前
申した覚えがございます。

短文・・・ではございませんでしたね。陳謝。

1801Ken:2008/06/21(土) 04:08:15
ソーカル事件、知らなかったです。なんとも痛快ですね!アイアンマウンテン報告書は
知ってますか?翻訳者が全文を公開しています↓
http://cruel.org/books/ironmountain.pdf
私にも死ぬまでにいっぺん壮大なほらで世間を驚かせたいという夢があります。
以前、この掲示板でちょっと試してみて私の立場がずいぶん危うくなりましたけど...。
冗談が通じないのってやですね。

日本語版と違って英語版Wikipediaには当時ソーシャル・テクスト誌には査読制度は
なかった、と書いてあります。さすがに誰か一人でもまじめに読んでいたらおかしいのに
気づいたのと違いますかね。私もソーカル氏の論文、試しに三行くらい読んでみましたけど、
一瞥して噴飯もののあやしさですね。哲学者たちがマジでこんなナンセンスばかり
書いているとしたら由々しき問題でしょう。

同じ数式を用いていてもシェパード教授(名前はジョアナでした)の論文は自然科学的
手法を用いた、趣が全然違う研究なので心配しなくていいですよ。自然科学が
いいのは「誰もがその気になれば実証的に検証できる」という客観性があるところです。
その気になれば彼女が用いた手法は詳述されているので、彼女が用いたデータ、
あるいは自分で集めたデータを彼女の数式にあてはめて本当に同じ結果が得られるか
どうか(再現性)、確かめることは可能です。彼女は論文の中で他の経済学者たちの
同様の研究を引用してますが、すべからく死刑には抑止力がある、という結果が
得られているそうです。独立した研究者が同じ現象を報告している場合、不正を
疑う必要はありません。複雑な事象に対して数式を複雑にしてモデル化するという
手法が将来廃れるという可能性はありますが...。

1802老婆心:2008/06/21(土) 09:24:09
横やりを入れるようで、申し訳ないのですが、これまでのところの議論・やりとり、とりわけ
Kenさんと無精髭さんの議論は、専門的な知識をともない、話のないようもむずかしく、正直
わたしの頭ではついていけない思いでした。しかしながら、言葉の概念や、考え方の枠組み等の
点で、気になる点があり、コメントしました。

「刑罰」に関連して、「残酷」と「残虐」という言葉が使用されていると思いますが、
「残酷」と「残虐」の意味の違いなどを含め、両者の「定義」は可能でしょうか。

また、日本国憲法以下の法体系では、「死刑」という「刑罰」は、憲法31条その他の法令で
認められていますが、憲法36条は「残虐」な「刑罰」を禁止し、同じ「死刑」であっても、
その「執行方法」によってや、憲法違反になりうる、という点については、どのように
お考えなのでしょうか。
このことに関連して、特にkenさんにお聞きしたいのですが、
憲法36条の「残虐な」は、元の英文では、「cruel」となっているようですが、
刑罰の社会的効果としての「brutal」との英単語としての違いにつきまして、
ご教示いただけないでしょうか。

よろしくお願いします。

1803老婆心:2008/06/21(土) 09:27:31
すみません、
上記のコメントで、
「その「執行方法」によってや、〜」と書きましたが、
『その「執行方法」によっては、〜』の誤記でした。
失礼いたしました。

1804flower:2008/06/21(土) 10:06:42
>>1801
> 私にも死ぬまでにいっぺん壮大なほらで世間を驚かせたいという夢があります。
> 以前、この掲示板でちょっと試してみて私の立場がずいぶん危うくなりましたけど...。
> 冗談が通じないのってやですね。
>

あぁ、やはりそのあたりはお認めになるようですね。

1805Ken:2008/06/21(土) 13:11:40
自分ではぱっとみて与太と分かるつもりで書いてるんですけどね。

1806Ken:2008/06/21(土) 13:29:37
ちなみにFlowerさんがいまだに根に持っているモンロー主義は与太じゃないですよ。
もうだめでしたけど共和党の元大統領候補ロン・ポール下院議員は非常に保守的な
人なんですけど、外交政策はジョン・マケイン上院議員とは正反対で、イラクから
撤退するだけでなく、日本や韓国、欧州からも撤兵せよと非常に厳格な不干渉主義
(モンロー主義も不干渉主義の一つ)を唱えています。不干渉主義は保守的な
外交政策として未だに一部人気があります。
http://en.wikipedia.org/wiki/Political_positions_of_Ron_Paul#Foreign_policy

1807Ken:2008/06/21(土) 15:36:03
老婆心さん
正直言うとこのBrutalizationという私にとって耳慣れない言葉、どう訳したものかと
悩んだ挙句「残虐化」などと訳してみました。仮訳ということで勘弁してください。
Cruelに関してはいろいろ読んでみましたけど、刑罰が「残虐」かどうかという
文脈ではBrutalではなく必ずCruelを用いるようです。今手元にシェパード教授の
論文がないので確認できないのですが、刑罰の残虐性と混同しないように社会の
状態を表す言葉として彼女はBrutalという言葉を用いたのではなかろうかと。

それで日本国憲法第36条に相当するのが合衆国憲法修正第8条でここでは「Cruel
and unsusual punishment(残酷で異常な刑罰、在日米大使館訳)」を禁止しています。
米国では1972年に死刑が停止されましたが、これは連邦裁で死刑そのものは「残酷で
異常な刑罰」には当たらないが、ジョージア州の死刑制度(執行方法など)が
この条項に違反しているとの疑義が唱えられたからです。ブレナン判事は「残酷で
異常な刑罰」の定義として4つの原則を挙げました(どれか一つでも当てはまったら
アウトです、Ken仮訳)。

・人間としての尊厳を損ねる厳罰。特に拷問。
・明らかに恣意的に科される厳罰。
・社会全般から明白に完全に拒絶されている厳罰。
・明白に不必要な厳罰。

これって、1948年の最高裁判決とそっくりだと思いませんか?

・ただ、死刑といえども他の刑罰の場合におけるのと同様に、その執行の方法などがその時代と環境とにおいて、人道上の見地から一般に残虐性を有するものと認められる場合には、もちろん残虐な刑罰といわねばならぬから、将来、もし死刑について火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでの如き残虐な執行方法を定める法律が制定されたとするならば、その法律こそまさに憲法36条に違反するものというべきである。

この連邦裁判決後、各州で死刑制度の見直しが進められ、死刑の評決の仕方、
執行方法などが変更された結果、1976年に連邦裁でお墨付きをもらい(一部の
州はそれでもダメだし)、晴れて死刑再開とあいなったわけです。この際、電気椅子、
絞首刑などは残虐な刑罰ということで下火になり、それ以降処刑はほとんど薬物
注射に移行しています。つまり、宮崎元死刑囚が言っていた「絞首刑は残虐だ、
薬物注射がいい」というのは米国の法学者の間では常識的なことなんですね。

というわけで、いつも私が強調することで、最高裁判所も言ってることですが、
何が残虐(Cruel)に当たるのか、というのは一意に決められることではなくて、
その時代その時代の社会が何を残虐と知覚するのかによって決まるわけですね。
ですから、日本の社会も絞首刑は残虐だ、あるいは死刑自体が残虐だ、と考えるように
なる日がいつか来ないとも限りません。首を絞め殺すなんて死刑じゃなくて殺人事件だったら
「なんて残虐な殺害方法!」なんて、今でもみんな思ってると思うんですけどね。

1808Ken:2008/06/21(土) 15:57:07
というわけで

1800>>絞首刑・電気椅子・薬殺・・・ですか?これらの死刑の違いも考慮に入れてデータを読み込む余地は、尚も残されているかも知れません。「死刑が執行された」という事実の中には、そのような個別の事実も入っているのですから。

シェパード教授が用いた1977年以降のデータはほとんどが薬殺(注射)ですね。
一部電気椅子も含まれていますが...。絞首刑はほぼゼロです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Methods_of_executions_in_the_United_States.PNG


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