バルセロナ現代美術館のバルトメウ・マリ館長は、イネス・ドゥジャックの出展作が卑猥であるという理由で、翌日に開幕を控えていたグループ展の開催中止を決定した。EFE ESTILO-Youtube
2015年3月17日、バルセロナ現代美術館(MACBA)のバルトメウ・マリ館長が、翌日に開幕を控えていたグループ展『La bestia y el soberano (獣と主権者) 』の開催中止を決定した。イネス・ドゥジャックの出展作「Not Dressed for Conquering(征服には似合わない装い)」が卑猥であるという理由である。
同作は、ナチス親衛隊のヘルメットを敷き詰めた上で、前スペイン国王のフアン・カルロス1世、ボリビアの女性活動家ドミティラ・チュンガラ、それに1匹の犬が全裸・後背位で折り重なって性交する様を描いた彫刻。MACBAのチーフキュレーター、バレンティン・ロマは「ドゥジャックは、植民地主義のダイナミクスに踏み込む研究史に明るい、よく知られたアーティスト」であり、「アートは何世紀にもわたって典型的な権力を風刺し、戯画的に描いてきた。彼女の作品がやっているのはそういうことだ」(2015年3月18日付エル・パイス。ロベルタ・ボスコ「El rechazo de una escultura en el Macba desata pol?mica y protestas」)と説明している。付け加えれば、『獣と主権者』展はシュトゥットガルトの美術館ヴュルテンベルク・クンストフェラインとMACBAの共催であり、展覧会名は、寓話などに登場する動物の形象から権力について論ずる、哲学者ジャック・デリダの同名の講義録に由来する。
ブームと言っても過言ではないこの現象だが、そのシーンの中でも「King Of Kings」や「UMB」「ENTER」などと並ぶ屈指の規模を誇るバトルが「戦極MC Battle」。
そして現在は「戦極」の開催の他、バトルでの全国ツアーの開催、「ダンジョン」において般若の通訳(?)を務める山下新治 a.k.a ACEやMOL53、田中光などバトルでも活躍するラッパーのマネージメントなど、バトルを取り巻く環境を整備しているのが、「戦極」を主宰しているMC正社員である。
年間で400試合近くのバトルを見るという、日本でも屈指のバトル・アーカイバーでもある彼に、バトルの魅力を語り下ろして貰うこの企画の一回目は、まずはバトル解説に入る前に、彼の来歴について話して貰う事にしよう。
元々、日本語ラップ・リスナーで、ラップもやってたんですけど、あまりクラブに足繁く通うよりも、基本的には音源を追いかけるタイプで。そんな中で「UMB2006」の予選DVD(「ULTIMATE MC BATTLE 2006 JAPAN TOURS ARCHIVE」)を買ったら、そこにはサイプレス上野とかダースレイダーさん、アルファのTSUBOIさんとか当時から有名な人も出たんですけど、PUNPEEさんとかDOTAMAさんみたいな、当時はまだ無名な、しかも見た目もいわゆる普通っぽい人も出てて、まずそこに驚いたんですよね。
以後、90年代はヒットチャートに数多くのラップ曲がランクインするようになり、本格派ラップミュージシャンと言えるRHYMESTERやBUDDHA BRAND、キングギドラなどのシーンを代表する面々が多数活躍する。その一方で、安室奈美恵やDA PUMPといったポップ系にもラップが普通に取り入れられ、m.c.A・Tなどが“J-RAP”などを提唱するまでとなったのだ。そして2000年代になるとDragon ASHがZEEBRAとコラボした曲が大ヒット、KICK THE CAN CREWやRIP SLIMEといったゆるくておしゃれなラップが大人気となると、もはやラップはJ-POPの枠に取り込まれたと言ってもいいだろう。
次に、十影、KUTS DA COYOTE、Y'SによるTHE FOREFRONT RECORDSの面々、DJ TY-KOH、YOUNG HASTLE、KOWICHIによるFLY BOY RECORDSの面々、B.D.、紅桜らがパフォーマンス。出演者の中でもフレッシュな世代のTHE OTOGIBANASHI'Sは、20年前の「さんピン」のときはまだ3歳だったと話して新世代のヒップホップをフリーキーに体現してみせた。
DJ 8MANのアクトを経て、いよいよヘッドライナーのANARCHYへ。観客は、入場時に配布されたANARCHYのロゴ入りフラッグを振りながら彼のパフォーマンスに見入る。ANARCHYは「WHATEVER」で「なんて言われてもいい 好きな事ばっかやってる僕らはなんて言われてもいい」というフレーズを繰り返し歌い、MCでも「自分に限らずいろんなアーティストの日本語ラップを聴いてほしい」と訴えるなど、ヒップホップラバーを代表してトリを務め上げる。そして「今日はこのステージで1つのチームが復活してくれる!」とシークレットゲストの登場を宣言した。
そのゲストはNITRO MICROPHONE UNDERGROUND。GORE-TEX、DELI、BIGZAM、XBS、SUIKEN、DABO、MACKA-CHIN、S-WORDとDJ HAZIMEがわらわらとステージに現れると、会場は大歓声に包まれる。およそ5年ぶりに勢ぞろいしたメンバーは「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」「straight from the underground」をハイテンションで披露し、興奮状態の会場を見渡したSUIKENは「こんなシーンを、待ってたぜ!!」と声を張る。続けざまに「The Chronicle」でも見事なマイクリレーを見せ、去り際にS-WORDは「すべての出演者とお客さんとスタッフにでっかい感謝とリスペクトを!」と言い残していった。