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戦場スレpart2
1
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/11(水) 20:01:52 ID:Ue7B6b.Y
ロボットの戦闘シチュや、イベントの際にお使い下さい。
552
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/06(水) 08:31:06 ID:UnMY32D2
>>546
(ライトちゃん、そんなんじゃ、話聞いてくれいないって高圧的すぎる)
たかが、小娘に、ここまで、言われると、イラつくのも当たり前だ。
アストが
(あーあ、せっかくの計画が。あの刑事をパイプとした。私の研究所の独占がぁ)
まぁ、こんな感じで、アストの野望は潰えた(笑)
若干、後悔してるらしい。
>>548
「そんなんで、発狂するとか。ないわね」
たかが、研究だけで、発狂とか
逆に、その人間を調べたいわ(笑)
>>「せいっ。」
「壊した。凄い戦闘能力」
アストは、久々にこんなバトルスーツを見た
>>549
それを見たアストはレミーに
「こんど、パワードスーツを作る時は、壊されないようにゾルオリハルコニウム使ったら?」
そんな、メモを、送ってみる。まぁ挑発ではない。
553
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2013/03/08(金) 23:15:02 ID:MV555yAY
>>552
そのメモを読んだレミーは、フッと笑みを浮かべた。
ローランド社にはゾルオリハルコニウムを調達する力は無い、だから軍の力で用意してやれば優位に立てるだろう。
法務局の憲兵達の中にもこのスーツなどで武装する計画はあるが、その辺りも色々と……
だから、幾分の走り書きを添えて河嶋大佐にも見せた。
それはそれとして、次元ポリスの対応から一つの可能性が浮かんだ。
どうやら大佐もそう考えているらしい。
554
:
g
:2013/03/10(日) 20:13:18 ID:mj3LsX5U
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555
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/03/11(月) 18:42:12 ID:8vQQMKC.
>>549
>「とんだ“観察の法則”だな。
ひょっとして、より上位の組織から禁じられていたり?」
「まさか!、そんなのいるわけないじゃないですか」
と、言うと
「…まぁ、そういったことに昔、私も疑問に思って上司に聞いたんです。
そしたら今私の言ったことと同じことを言われましてね、そんでこのことを聞いたらこの話をしろ
って言われたのでね…実際真相はわからないんですよ、その辺はウチの上の人(?)達に聞いてください」
と、言うと無理やりきりあげる
>>550
>「……あるいは、これ以上になるとそちら側の責任者を呼んだ方がスムーズに事が運ぶとは思いますよ」
「えぇ、わかってますよ、私は『この地球の状態』を見る為に来ましたから」
>>551
「…」
長い、長い沈黙が走る…が
「まぁ、その辺もウエの連中と話してください」
と、だけ言う
「ただ、私個人としてはゲルシャドーを倒す事が本望ですよ。
ほとんどの局員はそうだと思いますね」
「…貴方の言ってることは正しいですよ」
>>552
>「そんなんで、発狂するとか。ないわね」
「私もそれを疑問に思いましたよ、本当に」
「さて、ではそろそろ、私は戻ります」
と、言うとまたさっきと同じように空間を開く
そして片足を突っ込むと一同に振り返る
「あぁそうそう…、こちら側に貴方達と協力しないという手段はとれないに等しい。
その辺をよく覚えていてください」
と、去り際に言うと、空間が元に戻る
556
:
河嶋大佐
◆E8ckRIIdug
:2013/03/11(月) 22:06:35 ID:cOnad/DE
>>555
「……あ、連絡方法は!?
屋上からブラインマークをサーチライトで映し出すのか!?」
分かったような分からないような事を言い出すが、ブラインは行ってしまった。
「……行ったな……」「行きましたね」「と言うか、帰った……」「多分次は直接ここに来るわ」
その他四人が口々に愚痴る。
まともな軍人ならブラインを危険視する事も選択肢に入れるような事が起きたのだから。
後、河嶋大佐がチタンブレード(チタン系合金製の日本刀型刀剣)の鯉口を戻したのは見なかった事にしてもよい。
「……とりあえず、新たにゲルシャドーなる敵が現れた、ここまではいいな。
そして、次元ポリスなる組織はゲルシャドーに対してのみ敵対する事を目的としている……
……個人的には、彼らの言う“正義”は我々の“復讐”とほぼ同義では無いかと思うがね。
つまり“復讐”だから、『奴等を倒すのは我々だけだ』と、本当は言いたいのではないかと」
なかなか怖い事を口にする大佐であった。
557
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/12(火) 07:32:53 ID:5K1.wRhU
>>555
【「さて、ではそろそろ、私は戻ります」】
「……は!?な、何を勝手に話を!ちょっと、待ちなさい!まだ」
ライト達の制止も聞かずに、次元の裂け目から立ち去ってしまうブライン。
しかし、まるでそこに誰も居なかったかの様に一瞬の内に彼は姿を消していた。
「なんてこと……」
まだ何もかもが不十分だった会談。
こちらはスケールの大きな話にただ驚くばかりで、彼らの知る敵のデータや対策すら見出だせていない。
これではまるで、
未知の敵が君達の星を狙っている。だけど我々の力では対処出来ない。申し訳ないが滅びてくれ。さらば!HAHAHAHAHA!!
と言ってるみたいなものである。
地球は馬鹿にされているのだろうか?
「なんなのですか彼は?これでは問題点が大量に増えただけです」
そんな事はみんなもわからない。
くっきり青筋を浮かべたライトはブラインの消えて行った点を睨み、苦虫を噛み潰した様な顔をしていた。
「こう言う結果になった以上、ゲルシャドーへの対抗策を緊急に練る必要が有りますね。
もし、自由にピンポイントな次元転移が可能ならば、次の一手を撃たれた時に対応出来ない可能性が有ります」
ただでさえ、反連邦勢力の相手に日夜追われている状況。
万が一、同時多発的に戦力が手薄なところを虚を突かれ強襲されでもしたら、結果は想像したくもない。
(やはり。早急に地球圏を一つの巨大な力として束ねなければ……)
彼女は真っ直ぐ使命感に燃えていた。
そして、そうならば尚更、ここに来たもう一つの重要な目的を必ず果たさなければならないと強く思ったのだった。
558
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/12(火) 08:24:56 ID:6zmwP88.
>>555
正義か勝利か、という問題。
古典モノのヒーロー刑事のような外見と振る舞いのブラインにとって、非常に悩ましい問題であることを理解しながらも、
指摘せざるを得ない事情から、リリーはその問題を突いたのだったが……返ってきたのは、次に来るであろう指揮官と、
「我々が」その問題について話すべきだという…………何とも肩透かし感バリバリの回答だった。
こんな姿をしていても、所詮は組織の末端の人間ということか。リリーはため息をつく。
相手側の事情を考えればごく当然の話ではあるのだが、見た目と言動が、それとは違うのではないか?という考えを、
密かにリリーに思い起こさせていた。肩透かし感があるのはそのためだろう。
そんなふうに考えているうちに、ブラインは空間の向こうへと帰ってしまった。
こちらが何か言う前にそそくさと居なくなってしまったものだから、場には若干の「何だったんだ感」が漂っている。
やれやれ……と思いつつ、リリーはさきほどまでブラインが居た位置に立ち、
「えー……情報提供者が帰ってしまったので、これにて公聴会を終えます。皆さん、お疲れ様でした。
以降の退出などはご自由にどうぞ」
と、少し強引に締めくくった。こうでもしないと、この空気は破れないだろう。
>>557
どことなく傍若無人感のあるブラインの去り際に、真面目なライトなどは怒っているのではないか、と思ったリリーが、
視線を移動させて見たものは、予想通りに柳眉を逆立てた彼女の姿であった。
蛇が居るとわかっている藪を突くようなものだが、議事録を作成していた彼女と話をしないわけにもいかない。
まあ、ライトのことだから、そんなに理不尽な怒り方はしないだろう……という予想をたてながら、リリーはライトの元へ向かった。
「明智大尉もお疲れ様でした。議事録のほうはどうですか?
中々、その……「ユニーク」な内容になっているとは思いますが、全地球的問題に発展しそうな話ですし、
連邦首都のパリにも持ち込まなければならないでしょうから……。
もしお手伝いできることがあるのなら、遠慮無く仰ってください」
今回のことは極東支部の勢力下で起きた事件であるが、ブラインの話の通りであれば、この事件は地球圏全てに影響がある問題となる。
ただ、リリー自身は今回の事件と、この議事録だけでは連邦政府の腰を持ち上げるだけの力は持ち得ないと考えていた。
ともすれば、これは荒唐無稽と切り捨てられても不思議ではない事だ。説得力がまるで足りていない。
559
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/12(火) 09:59:12 ID:5K1.wRhU
>>558
【「明智大尉もお疲れ様でした。議事録のほうはどうですか?
中々、その……「ユニーク」な内容になっているとは思いますが、全地球的問題に発展しそうな話ですし、
連邦首都のパリにも持ち込まなければならないでしょうから……。
もしお手伝いできることがあるのなら、遠慮無く仰ってください」】
「ええ。そちらも進行役お疲れ様でした、リリー少尉。
こんなものを提出したら、私も曹長に格下げされてしまうんじゃ無いかと」
珍しく面白く無い冗談を言っている辺り、実際、本当に困っているのだろう。
ライトの優秀な耳とタイピング速度で議事録は会談と平行した状態で完成していた様だ一応は。
議事録の最後はちなみに今こんな感じとなっている。
・ブライン氏、怒りをぶつける為に装甲板を素手で砕く。
・ブライン氏、上司陣との面会を口約束した後に次元の切れ目を空けて退出。
なぁこの行間に何があったんだ?ちゃんと書いて来いよ。
と、呆れた上層部から失笑されるに違いないだろうが、事実だとしか言い様が無いわけで。
後は録音したものを実際に聴いてもらうしか……。
「エアロゲイターなどの前例も有りますから流石に無視は出来ないとは思いますが、厳しいですねこれでは。
我ら欧州支部はそんな油断は微塵も有りませんが、各セクション動くのが大打撃を受けてからなんて愚かな事になるかも知れませんね」
これ以上議事録に書ける事は何も無いと割り切り、帰り支度を始めるライト。
560
:
アスト
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/12(火) 17:04:09 ID:yvaodNXA
>>559
「ありゃー、これじゃあそう信頼は得られないかなぁ」
ライトの、書類を拝借(勝手に)したアスト
「まぁ、家と、一緒に出せば信頼性は増すでしょ。」
そう、ライトに助け船を出してみる
561
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/12(火) 18:33:05 ID:5K1.wRhU
>>560
【「まぁ、家と、一緒に出せば信頼性は増すでしょ。」】
「いえ……。この件で博士のお力を借りる訳にはいきません」
少し考えた挙げ句、アスト博士の申し出を遠慮した。
これからライトが行おうとしている事を思えば、カーマインの血筋の者に協力してもらうのは気が引けてくるのだ。
それは許されない。
「ですが我々、欧州のフリードリヒ・マクシミリアン様にはこれを理解して頂けると思っています。
そして連邦本部へ発言力を持つあのお方からならば、やはり無視は出来ないかと」
ライトの心酔して止まない欧州のトップの人物の事である。
誇らしげに語るライトの眼はキラキラとしていた。どこか狂信的に。
562
:
k
:2013/03/13(水) 23:42:09 ID:aRUZTGJ.
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563
:
アルバトロス一行
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/14(木) 22:25:14 ID:VVNlkmjY
>>561
ライトは格納庫内のキャリアーへと向かう途中、自身のキャリアーとは別の大型のキャリアーと複数の新型…アシエルの機影も確認出来た
キャリアーの正面では同じ服装の強面の男達が周囲に目を光らせていた
白装束に紅抜きの十字架。その制服は親衛隊員である事を示していた
???「これは、これはエンジェルフェザーの明智大尉では?」
男達の向こう側から声が聞こえる
???「…ええい!気の利かん奴らよ!そこをどけぃ!!」
正面の二人をこじ開けようとする手が見えた時、即座に二手に別れる親衛隊員
「ぬぉ!?貴様等ッ!!おっ!とっ!…ふぅ」
明智ライトの正面までつんのめり衝突寸前の所でなんとか持ちこたえる
その男は上級士官用の外套と襟元には中佐を示す階級章が在る
アルバトロス「わざわざご苦労だったな。俺の警護も、せめてお前のような奴にやらせて貰いたかったがな?」
自身の護衛達を一目見てからライトの方へと視線を移す
アルバトロス「まぁ、そんな事より例の件はどうなっている?」
例の件とはユウセイのことである
マメなライトである定時報告は受けている筈だ
564
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/14(木) 23:19:30 ID:mnwFDFsA
>>563
【???「これは、これはエンジェルフェザーの明智大尉では?」】
「……?」
男達の向こう側から声が聞こえる。
ライトは空耳かと首を傾げている。
【???「…ええい!気の利かん奴らよ!そこをどけぃ!!」】
「ぬぉ!?貴様等ッ!!おっ!とっ!…ふぅ」】
「え……大丈夫ですか?」
ライトの正面に現れたはいいが、不様にも転びそうになっている男。
確かに見覚えがあった。というかよく存じている。正確には彼の父親の事を。
一応、労りの言葉を掛けておく。なにせ、相手の階級は中佐。
まぁ、本当に実力で勝ち取ったかは怪しい地位なのだが。
【アルバトロス「わざわざご苦労だったな。俺の警護も、せめてお前のような奴にやらせて貰いたかったがな?」】
「はっ。マクシミリアン中佐こそ、この様な僻地まで御苦労様です」
ずびしっ!と姿勢正しくお手本の様な敬礼をするライト。
目の前の男はライトの尊敬して止まない欧州支部のトップ。フリードリヒ・マクシミリアン卿。その嫡男である。
流石に無礼な素振りは見せられない。
【アルバトロス「まぁ、そんな事より例の件はどうなっている?」】
「ハヤミ二等兵以下数名の引き抜きの件でしょうか?
異動という形で正式に通達が行われるはずですが、あまり良い感触は得られておりません」
ヒツギ、ユウセイの二人を面接してでの正直な進捗状況を伝える。
考えさせてくれの一点張りであったので、乗り気で無い事は明らかだった。
今にして思えばライトには彼らが渋る理由は全く理解出来ない。
「それに失礼ですが。
確かに彼らの個の実力は評価しますが、
あの協調的で無い自由な振る舞いは我々、欧州の害にしかならないと進言します」
一つ断りを入れてからアルバトロスに意見する。
これまで2回の戦闘を共にしたライトの感想。
特にユウセイ二等兵やヒツギ少尉は扱いにくい駒と言う印象しか無い。
何故、彼らに固執するのかライトには全くわからない。
これでは、他をスカウトする案を強行した方が良い。
565
:
アルバトロス
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/15(金) 00:16:12 ID:nc9E55N6
>>564
【「ハヤミ二等兵以下数名の引き抜きの件でしょうか?
異動という形で正式に通達が行われるはずですが、あまり良い感触は得られておりません」】
「ほう」
【「それに失礼ですが。
確かに彼らの個の実力は評価しますが、
あの協調的で無い自由な振る舞いは我々、欧州の害にしかならないと進言します」】
良い終えるライトに不敵な笑みを浮かべて応える
「なに、お前が案ずるには及ばん。何故ならば…」
手のひらを天に掲げライトの天井を見据えて言い放つ
「彼らも、また選ばれし者達であるからな!フッフッフッ…ふはははははは!!!」
天に翳した手で握り拳を作ると同時に格納庫に響く高笑いを始める。…本当にエリートであろうか?
「ふん。実の所、此処へ来る際に秘策を授けられてな」
蝋で封のされた手紙をライトにちらつかせる
「ユウセイ・ハヤミについては兎も角、ヒツジなんちゃらは確かに疑問ではあるが、もののついでだ。
それから協調性についても何ら問題にはなるまいよ
一流の教育が彼らを変えてくれるであろう」
手紙を仕舞い込み天を仰ぐ
「…俺の様にな!ふはははははは…フッ…俺には及ばんか
まぁ貴様は吉報を待っているが良い」
護衛の者達を引き連れ、その場を去ろうとするアルバトロス一行
566
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/15(金) 04:54:33 ID:atCdAxTY
>>565
【「なに、お前が案ずるには及ばん。何故ならば…」】
「何故ならば?」
【「彼らも、また選ばれし者達であるからな!フッフッフッ…ふはははははは!!!」】
「あの。あまり意味が……」
そう言われても、やはりまるで意味が解らんのだが……。
耳に響くやかましい高笑いが何だか妙にウザったい。
あんまり五月蝿くしているとメガビーム・ランチャーと共に恐ろし罵声を浴びせられやしないか心配になってくる。
【「ふん。実の所、此処へ来る際に秘策を授けられてな」】
「秘策……ですか。もしかしてですが、フリードリヒ様が」
アルバトロス中佐はライトに手紙をちらちら見せびらかしている。
いったい中身は何なのだろうか?
ユウセイ達への正式な異動通知とかなのだろうか?
【「ユウセイ・ハヤミについては兎も角、ヒツジなんちゃらは確かに疑問ではあるが、もののついでだ。
それから協調性についても何ら問題にはなるまいよ
一流の教育が彼らを変えてくれるであろう」】
「ヒツギ・ハヤセ少尉です、中佐。(ハヤセさん……カーマイン邸を抑える際に面倒な事にならなければ良いけれど)」
アルバトロス中佐が言い間違えたのをほぼノータイムで訂正した。
確かにヒツギは尉官とは言え、軍属とは言えないイレギュラーな扱いだ。
彼とバルクレイスの手綱は未だにレイナ・カーマインが握っている状態であり、レイナを通してバルクレイスの専属テストパイロットとして連邦軍に協力しているに過ぎない。
「…俺の様にな!ふはははははは…フッ…俺には及ばんか
まぁ貴様は吉報を待っているが良い」】
「はっ。了解致しました。(…しかし、単なる親の七光りが何を)」
結局、見せびらかしただけで手紙の内容は教えてくれはしなかった様だ。
ライトはきびきびとした敬礼でアルバトロスとその護衛達を見送るも、内心ではとても酷い事を思っていた。
まぁ、秘策を授けられ、有頂天となっている今のあほ(アルバトロス中佐)はそんな事とは気付けもしないだろう。
567
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/15(金) 18:53:53 ID:atCdAxTY
【第七話プロローグ】
〜伊豆基地:尉官宿舎〜
明智ライトは簡素なデスクにつき、上司との文書のやり取りをしていた所だった。
この度、極東方面まではるばるやって来た彼女だったが、彼女に与えられた使命はヒツギやユウセイ達、人材のスカウトの他にもうひとつ重大な任務があった。
(レイナ・カーマイン嬢。兵力の威圧だけで降伏してくれれば楽に済むのだけれど。
まさか、それが通用する様な弱腰な人間じゃ無いか……)
それは伊豆に大屋敷を構えるカーマイン家の令嬢レイナ・カーマインの捕縛及びその全ての保有戦力の強制接収である。
前々からレイナ個人の行きすぎた戦力保有は問題視されており、
更に今回、異星人や月に現れた不振人物との極秘裏の接触疑惑も浮かび上がり、レイナの立場をより危うくする事となった。
それに連邦の手を離れ行方を眩ましているクロガネと独自のパイプを持ち、物資の援助を図っているという情報も諜報部が掴んでおり、
そのつもりならばクロガネと結託し、すぐにでも政府と戦争でも起こし兼ねないイレギュラーとして認識されている。
(戦闘は避けられない)
月での一件から、イサム・カイオウ極東方面司令が半ば失脚した。
レイナの後ろ盾として働いてくれていた大きな邪魔者が消えた事により、欧州支部は一息に強攻策へと売って出る。
欧州の物言いに丸め込まれた政府は、特務隊を差し向けてでもカーマイン邸を完全制圧する事を許可していた。
(……出る杭は打たれるのよ。秩序を乱す歪みは、より良き指導者によって正しく統制されなければならない)
それを先導する者こそが我々欧州の人間。と言いたいらしい。
ライトの思想は、完全に欧州の掲げる思想へと染まってしまっている。
(レイナ・カーマイン、あなたの遊びもこれで終わりなのよ)
今までまがいなりにも連邦側に協力して来た実績が有るはずのレイナを、
大部隊にて大人気なく攻め立てる事にもはや何の躊躇いも無い様子のライトだった。
むしろ、この制圧作戦の指揮を任された時から明智ライトは張り切っていた。
なにせ、初顔合わせからいちいちこちらに突っ掛かって来て、気に入らなく思っていたあの娘を泣かせ、屈服させるまたとない機会なのである。半分は私情。
(……だけれど、あのコントロールの効かない伊豆基地の人達には本当に困ったものね。
これまでの様に私の任務を全う出来ない様なら、もう彼らには頼らない)
極東支部にはライトの思惑通りに動かせない不穏な駒がいくつも存在する。
そんな彼らをアテにし過ぎるのは良くない。二度の彼らとの共闘で嫌と言う程味わった大切な事である。
だから今回は万全過ぎるぐらいに万全を期した。
わざわざ欧州エンジェル・フェザー隊の戦力を自前で用意してきたのである。
欧州へ直々に増援要請を出し、特殊装備のレリエルを積んだ輸送隊を手配していた。
それらは既に先程見送りしたアルバトロス中佐と共に極東入りをしている。
「……そういえば。シルバーバレット隊の他に新型を一機寄越してくれるとのフェイト少佐からの通達が有ったね」
ライトは部隊リストを全て読み通す。
すっかり見落としそうになっていたが、上司からの文書にはインセイオンという新型機体とそのパイロットの少年兵のデータも添付されていた。
完全に現地で実戦テストをするつもり前提での投入だろう。
やはり、上もレイナがおとなしく降伏するとは一切考えには入っていない様だ。
(T-Linkシステムを搭載したインセイオン。そしてパイロット。念動力者のハーゲン・クルーゼ少尉か。
念動力持ち。……ま、まぁ欧州から直々の増援ならば……ハヤミ一等兵の様な心配は無いはずよね??)
一瞬、嫌な予感がその平坦な胸を過る。
ユウセイの影響からかライトの中では念動力者=一種のサイコパスな異常者という印象を植え付けられそうになっていた。
だがしかし、今回は欧州からの配属という事でなけなしの安心感を持ってみる。
これらに加え、さらに過度な期待はしないが斐の戦力を加えるとなると、制圧部隊の規模はもはや過剰。
たかがレイナなどひとたまりも有るまい。
(……甲斐の皆さんが命令に従わなかった場合を想定してでも勝率はそう変わらない。逃がしはしないわ)
ライトは何通りもの勝利をシミュレートするが、やはり負けは考えられない。
頭の中ではレイナと遭遇から捕縛までが綺麗にイメージ出来ていた。
それに満足したのか、余裕そうにホットミルクを飲んで一息つく。
……だが、例え勝率99%だろうと油断してはならない。
ライトには解らないだろうが、皆様方にならよく解っていただける事だろう。
568
:
伊豆基地所属竹富中隊
◆E8ckRIIdug
:2013/03/15(金) 21:48:14 ID:Yf3srLHA
ジョニー・竹富大尉はかつて欧州支部にいた頃のライトの先輩に当たる。
現在は極東支部で中隊長をしているがその思想は欧州中心のままであり、今回のレイナ・カーマイン邸制圧作戦では先鋒を買って出た。
彼の中隊は欧州でも知られた“神聖騎士団”の流れを汲む精鋭揃いであり、優秀な前衛打撃部隊でもある。
強固なダメージ吸収力を持つ第一小隊が前に立ち、長射程大火力の第二第三小隊が弾幕を張るという戦法に彼は自信を持っていた。
「はっはっは、もうすぐ生まれる子供に、いい土産話が出来るぜ」
「今朝のステーキは事の他旨かったな」
「パインサラダもなかなか……」
「しょせん小娘じゃないか」
作戦開始前と言う事で隊員たちの口も軽かったが……
「……!
邸宅敷地内に反応が!?これは……」
試作指揮管制車両を引っ張りだして全体の運用をサポートするよう命じられた五味中尉の警告が飛ぶ、が、その反応は……
「う、うわー!もうダメだァー!?」
かくして、竹富大尉の絶叫を最後に中隊の通信は途絶えた……
569
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/16(土) 13:46:24 ID:vjNOTFPE
>>568
レイナ・カーマインの住まう伊豆の屋敷に夜襲を掛けた欧州と極東のレイナ・カーマイン討伐隊だったが、
瞬く間にその圧倒的有利と思われた甘い認識を考え直す結果になってしまう。
「……愚かな。その程度の物量では、この悪夢の要塞は止まらないわよ」
何やら少女の声が連合軍の耳に聞こえてくる。
そして湖のほとりまで進撃していた討伐隊は、黒い巨大なモノが水中から浮上するのを目撃する。
それはまさしく機動戦艦と呼べる代物。
まず何故こんなものが用意出来たのだろう、話が違う等とそれを目にした者は口々に不平を漏らした。
こんなものはライトのシナリオには存在していなかった。
【反逆者側:旗艦アルプ・トラウム出現】
「お嬢様。主砲のエネルギーチャージが完了しています。撃ちますか?」
そう艦長らしき人物に告げる燕尾服を優美に着こなすブロンドの麗人。
「面倒でしょ?……ここは拡散弾で一網打尽するのが、楽チンで良いわ」
気だるそうにデスクに突っ伏しているやる気の無さそうなピンク髪の少女も居る。夜襲され着替えもせずに出て来たのか、何故かパジャマ姿。
瞼を重そうに擦り、戦闘中であるにも係わらず緊張感が感じられ無い。
「もちろん。ではちょっと可哀想だけれど、その身でとくと味わっていただこうかしらね?
……クックック、天上より降り注ぐ、黒き悪魔の落涙。これが悪魔の断罪よ!ブラッディ・レイン!!」
二人の意見をとり入れ、それを承認するのは無駄に豪華な玉座にふんぞり返る赤のツインテールの少女。
彼女がこの黒船の指揮者である。
何やら少女の痛々しい台詞と共に、黒き戦艦から黒い球状のエネルギーの塊が撃ち出された。
それは形を維持したまま密集陣形を組んで集まっていた機動兵器達の真上まで来て、やっと弾ける。
それは頭上から降り注ぐ黒い豪雨となり、機動兵器群は余すこと無く全身にそれを被ってしまう。
【「う、うわー!もうダメだァー!?」】
密集などしていたからか、その黒い豪雨に潰され、彼らは戦闘を行える者を1機たりとも残さず爽快に全滅していた。
「ふっ……クックック。貴様達が攻め寄せて来る事は既に私には見えていた。
たかが人間風情が何をやってもお見通しなのよ、この私の『邪王真眼』にはねぇ!」
不敵な笑みに不思議なポーズで極めるのは、久々登場のあの少女だ。
モニターにて、不調でリタイアしたとは思えない絶好調?な様子を敵味方問わず見せびらかしている。
それは後詰めで出撃待機していたライト達へも中継されており、部隊は動揺し、ざわつき始める。
「やぁ明智クン。お前ごときが連合部隊総大将とはこのレイナ・カーマインも随分と舐められたモノだわ」
黒船のハッチから赤いゲシュペンストタイプの機体が新たに発進した。
それは悪魔の翼を威嚇する様に目一杯広げたあれはレイナの愛機アイゼルネ・ブルートに間違い無い。
待ちきれず自ら名乗りを上げたが、黒い戦艦にて混乱を引き起こしたのはやはりレイナ・カーマインその人だった。
当然、降伏勧告等には応じず、逆に大きな力による想定外の反撃を初手で連邦軍に与えて来たのだ。
【反逆者側:アイゼルネ・ブルート/レイナ出撃】
「……っ……き!甲斐を出して!必ず、あの黒い艦を沈めて見せます!」
天敵からの手痛いプレゼントにキッと顔を強ばらせる明智ライト。
しかし所詮、今の先発部隊はライトにとっては捨て駒。
戦力の見積もりを計算し直し、次いでは自らが乗り込む甲斐を前線に押しやり、直々に叩き潰す事とする。
「シルバーバレット隊はまだ待機していて下さい。レイナ・カーマインを誘き寄せしますのでそこを狙うとしましょう」
【連邦軍:ガブリエル/ライト出撃】
570
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/16(土) 17:54:00 ID:bv9mkTig
狭い球体の中、中央に置かれたシートの上で空を仰ぐ人の姿があった。
両の腕は対照的に重力に従ってだらりと地面へ垂れ下がっている
寝ていた訳ではない、覚醒状態を維持できる最小限の睡眠で彼にとっては十分だった。
時間と空間から完全に隔離されていたそこを外界へ引き戻すかのように、シートの真正面の壁に四角く窓が映りこむ。
その奥には慌しく動くものと、こちらに向かってしどろもどろになりながら何かを伝えようとするものが見えていた
『少尉!既に戦闘を開始している模様です!』
「知ってる」
映像による光に照らされた人物は余裕あるゆったりとした雰囲気すら感じる言い回しで、しかし間髪いれずに返答する。
この言葉に間抜けな返事をして疑問符を浮かべているのを余所に、落としていた右腕を持ち上げそのまま操縦桿を掴んだ
壁一面に光が灯り、まるで宙に浮いている椅子に腰掛けている様な風景
「耳鳴が鬱陶しかったからね・・・」
黒味が混じった、しかし色素が薄い髪の毛と、そんな物よりももっと薄い肌の色
一見すると女性の手か指と見間違えるような線の細さ。
薄目よりは大きいだろうが開いているとは言いがたい目つき・・・その全てをまとめれば、この少年の印象は『脆い』であろう
「このまま出撃する、これじゃ遅すぎる」
目的地付近で合流する予定だったハーゲンの乗る輸送機は、予定よりも遅れが出ていた
確かに彼の言うとおり輸送機で向かうよりは確実に早く着くだろう。
だがハーゲンはパイロットスーツすら着ていない、スクランブルもいい所だ
『しかし少尉、まだ準備も何も・・・』
「いいから、ぶち抜くよ」
ぶち抜くものは当然貨物室の扉、容姿とは食い違った過激な発言に通信も思わず目を丸くしていた。
冗談の様には見えないはずだ、本当に冗談ではないのだから
黙り込んだまま頷くとそのまま通信が切れ、次の瞬間にはスクランブルを告げるサイレンが響く。
直に扉が開き、室内へ冷たい空気が強風となって入り込んでくる
その様がさぞ滑稽とでも言わんばかりに、ハーゲンは目つきはそのまま口元を歪めた
「フフッ・・・発進」
漏れた笑いとハーゲンの短い言葉だけを残して白い機体が空へと飛び出す
そのまま輸送機を追い越し、彼と使い魔か小天使かの姿をした『インセイオン』は目的地であるカーマイン邸に真直ぐ向かっていった
571
:
アルプ・トラウム艦橋
◆zv577ZusFQ
:2013/03/16(土) 21:29:12 ID:vjNOTFPE
「ではカナメ、この艦の指揮は君に任せるわ。あの甲斐にウチの実力、タップリと見せ付けてやるのよ♪」
自ら前線に押し出たレイナの代わりに艦を指揮する者が必要となってくる。
それはレイナ側のブレインにしてこの艦アルプ・トラウムの製作者である悪友に任される事となった。
「ん。……まぁ、イクリプスが一人居ればこっちは大丈夫でしょ。
レイナも病み上がりなんだし、適当に切り上げた方が良いよ」
やる気の無さそうな返事を返した桃色の寝癖少女。
寝惚けた様なぼけーっとした締まりの無い顔をしているが、レイナとは互いに信頼し合う深い仲である。
それに、この艦の事は誰よりも知り尽くしている。
【反逆者側:アルプ・トラウム操縦者変更/レイナ→カナメ】
「うん……じゃね。メイド隊は退路の確保にほとんど回ってもらうわね」
「「かしこまりました」」
艦長代行のカナメの覇気の無い指示を聞き入れ、艦載機の十数機のゲシュペンストタイプが飛び立って行った。
既にレイナ達は四方を固められており、その一角を抑える為に、こちらもなけなしの数を用意して対抗する様だ。
「そんで。静香、マヤ、つばめはレイナの護衛を頼むわ。
レイナはやる気満々だけれど、三人とも無理しない様に……zz」
次いでカナメは、格納庫でスタンバっている静香達への指示を下す。
月で味方につけた三人組もアルプ・トラウムで待機しているらしく、善意で出番待ちをしてくれている。
しかし、本当に女の子成分の多いかしましい職場である。
572
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/17(日) 00:06:25 ID:Otg.6qCQ
>>567
初めて伊豆基地にやってきてから数日 甲斐の中を見学したり、上官に挨拶したりと忙しい日々を送っていたころ、その作戦は言い渡された
自分の頭の仲で把握した限りでは、軍属出ないにもかかわらず、独自の戦力を持つレオナ・カーマインなる人物が住まう館に進軍、無条件降伏を勧告すること
(勧告に従わない場合は武力による介入も已む無しってか・・・レオナ・カーマイン 一体どれだけの戦力を抱き込んでいるのやら)
ドロワナのコクピット内、パイロットスーツ・・・ではなく、前を大きく開けた軍服の大男、ゼバスチャンは頬杖をつきながらブリーフィングの内容を反芻していた
何せ連邦欧州支部の精鋭を盛り込んだ過剰戦力だ、ひょっとすると出撃はないかもしれない
そう思った矢先だった
>>567-568
突如聞こえてくる聞き覚えのある少女の声、湖から浮上する黒い戦艦?
しかも射撃準備は万端と着たもんだ
「誰かと思ったら・・・ありゃ初めて伊豆基地にやってきた時のバニーちゃんじゃないか!!
てっきり軍関係者だと思ったら・・・!」
その姿に唖然とするばかり、武力介入の相手が顔見知りだったことにも驚きだったが、その相手が何の躊躇いもなく艦砲射撃をかましてきたことにも驚きを隠せていない
だが、やるべき事は決まった
「オーケイ トリガーを引いたってことは、敵対する意思があるってことだな?
上等だ!!ここ最近ぶっ放してないんで鬱憤が溜まってたところだ!!遠慮なく行かせてもらおうか!!」
一つ声を張り上げ、操縦桿を握る
「出撃するぞ!! 道を開けろ!! 邪魔するなら踏み潰しちまうぞ!!」
メカニックがいるかどうかわからないが、中尉を呼びかけてから、重装甲の爆撃機がカタパルトに向かって進む
カタパルトに脚部を固定すると最終確認
「燃料よし 弾薬よし システムオールグリーン ・・・問題なし
ゼバスチャン軍曹!! ラーズアングリフ・ドロワナ!! 出るぞ!!」
その言葉と共にカタパルトが起動 ドロワナを空中に放り出す
【連邦軍:ラーズアングリフ・ドロワナ/ゼバスチャン 出撃】
「イィィィィイイイイイイイイヤッホォォォォォォォォ!!!!!」
すぐさまテスラ・ドライブシステム及びスラスターを起動させ 今ここに継ぎ接ぎの機体が空を舞った
>>連邦軍サイド参加者
「通信回線をオープンにっと・・・こちらゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹!! コールサインは『ボマー3』火力支援が必要な時はいつでも呼んでくれ!!」
念のため今一度自己紹介を行うと、前方 斃すべき敵機を睨む
「然しなんなんだあのゲシュペンスト・・・趣味悪っ」
今日のお前が言うなスレはここです
573
:
エッシェンバッハ一家
◆E8ckRIIdug
:2013/03/17(日) 01:26:11 ID:rfo0g7p6
さて、時間を少々巻き戻そう。
欧州からの増援が到着するのと前後して、伊豆基地に一機の大型輸送機が来ていた。
ローランド社所属のその機体の目的は、五機の新型主戦用PT、“アルゴス”を納品する事だ。
「……では、確かにお引き渡ししました……
皮肉なものですね。最初の予定じゃ先輩がいや少佐が奥様に受け取りを求めていたはずなのに」
「……言うな、アルファ」
軽口一つ残して輸送機が帰ると、ヴィルヘルムは郎党であるラウディと共に、機種転換訓練に取りかかった。
ヴィルヘルムがスカウトタイプ、ラウディはランチャータイプ。この二人の機体以外は伊豆基地配備。
そして当日。
マデリーンの謹慎はまだ明けていない……
574
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 09:58:38 ID:YSz6PHes
>>
「腕の付け換えも何とか終わったし、しばらく、平穏な日々が送れそうだな。」
と、呟いていた矢先、その作戦が言い渡された。
(レイナ嬢……何やってんだあの人)
しかも、相手は欧州支部、しかも確実に戦力の差がある。
(流石に、従うかな?)
そう思ってた。が、作戦当日その予想を直ぐに撤回することになる。
それと、アスト博士
(あの人、大丈夫かな、レイナ嬢のことで心痛めてるだろうな。)
おとなしく、レイナ嬢が従うといいけど、本気でそう思っていた
>>568-569
「余裕で勝てると思ってたら、どこの、宇宙戦艦だよ。」
突然、湖から、巨大な、恐らくスペースノア級
「まさか、とは思ってたけどさ」
しかも、
>>「う、うわー!もうだめだぁー!?」
「殺る気満々だな。しょうがねえ。」
先鋒は、全滅いよいよ、こちらも出るときが来た。
「T-linkシステム異常なし、テスラドライブ正常稼動
システム異常なし アルブレード出る。」
「さてと、状況確認ついでに」
>>572
「アルブレードより、ボマー3左腕の、ゲシュペンストの稼動確認をねがいます。テスト済みですが、念の為」
そう、言っておく。
「さてと………あの三人娘がいるだ、と?」
敵勢の中に、この前助けたあの三人娘がいる
「そういえば、あの人達レイナ嬢の客人扱いを受けてたな。」
「向こうから仕掛けてくるのを待ちますか。」
そう言い、突撃は暫くはしない予定である。
「それと、ヒツギだな。」
この際、裏切るとか無いだろうな。そう思いもしていた。
575
:
レイナ&カナメ
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 12:41:16 ID:H2JE3lCU
>>574
>>572
少しずつ、甲斐の面子が出て来はじめたのが解る。ヴァルキュリアシリーズの改造機みたいなのはともかく、アルブレードを見て確信した。
敵として討たねばならないが、レイナ側はまだ手は出さない。
「……カナメ、ラーゼン隊は何故下がったのよ?これでは彼らを熱烈接待してあげられないのだけれど?」
レイナのアイゼルネ・ブルートに続いて続々と出撃したメイド隊のアイゼルネ・ラーゼンだったが、
彼女らはレイナの君臨する方には寄って来ずに一目散に後方へ飛んで行く。
この事に対して、レイナは艦長代行へ異を唱え出した。
「……ん。そりゃ、まともに全部を相手するのは流石に分が悪いからね。メイド達はアルプ・トラウムの退避経路を作ってくれているのよ。
……それにねぇ。馴染みの彼らを死なせる様な真似は避けたいと言ったのはどこのレイナだっけ……?」
「は!?ばか、ヤメ!」
レイナが狼狽える。
実は裏ではそんな事情が有ったらしい。明らかに好戦的だった先程の欧州の連中はともかくとして、
あちらの部隊には時間を共有していたヒツギやアカリ……ああ。ついでにユウセイさん等々愉快な人も居たっけ。
そんな相手だからこそ、口では厳しく禍々しい言葉をいくら吐いたとしても非情に徹する事は出来ない。
レイナ・カーマインは甘い人間なのだ。
「…こほん。けどね、恩を仇で返す様な不届き者には痛い目、見てもらうわよ。
邪王真眼の力は最強。トラウマ刻んでしまうかもね♪
アルプ・トラウムも、もっとやる気出しなさい。どうせここを突破するには甲斐を無視して通る事は出来ない」
「はいはい……。じゃあイクリプス、アイゼルネ・ブルートに例の武器を。ミサイルコンテナから射出する様に出来てるわ」
面倒臭そうな生返事だが、ちゃんとやる事はやってくれるはずだ。カナメは。
何やら武器なるものを用意している辺り、馬鹿には出来ない。
「かしこまりました。ではお嬢様、例のなんとかデストロイヤーを射出します。
空中で受け取って下さい」
操舵をしている筈の使用人イクリプスだったが、それと平行して火器類の砲撃も担っているらしい。
オーバーワークだろうが、彼女は顔色一つ変える事は無い。
「違うわ。我が吸血鬼専用の魔装具。デアボリック・エクスキューショナーじゃない。一字も合ってないわよ」
イクリプスのコントロールにてアルプ・トラウムから撃ち出された兵装コンテナは苦もなくレイナのアイゼルネ・ブルートの手元に届く。
その中身から抜き取ったのは、穂先に槍と斧を組み合わせた様な刃を持つトマホークランサーといった代物。
「あら、いいじゃない♪あの犬っころから頂いた棒っきれが、こんな感じになるのね」
そのデアボリック・エクスキューショナーの原型は元々、所属不明機から奪い取ったハープーンだ。
後々それを解析して、ただの武器では無くナノマシン抑制プロトコルにて再生を禁ずる特異なものであった事が解る。
そして元々、そのナノマシン抑制プロトコルの理論とはそこで半分寝かけているカナメ・ライブラが産み出したものである。本当だよ?
「まぁね。でもこれを実用化してる連中が居るのは問題ね。(…けど、面倒ぃからそれはまた今度)」
軽く頭の片隅に有ったものを思い出して作り直してみたらしい。
自らの研究成果が悪用されているのはとりあえず考えないでおく。
【アイゼルネ・ブルート:武装追加】
576
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/17(日) 14:26:36 ID:YRm5ckP.
甲斐のカタパルトハッチが開き、発進用の射線の調整が行われる
そしてレールの上、発射装置にその両足を乗せる機体の姿があった
色は暗い赤と黒で塗りつぶされ、そこに白のラインが走る。
右足と左腕に取り付けられたその存在を主張する実体剣―――ゲシュペンストMk-2 S/B
この機体の登場となれば、パイロットなどこの場にいる誰もが語らずとも理解できただろう
大半の人間は彼はこの戦いに参加しないだろうと考えていた
ヒツギとレイナの関係、そして他者の考えるヒツギ像から推測すれば当然の結論といえる。
発進へのカウントダウンが始まる、コックピットに居るヒツギの表情は何時になく険しい
その胸中に抱え込んだ煮え切らないものを押し殺し機体のペダルに足をかける。
「・・・ゲシュペンスト、ハヤセ機出るぞ!!」
射出によるGがヒツギの体を襲い、ゲシュペンストは宙に放たれた。
>>575
「・・・レイナ」
彼女と彼からしてみたら最悪の邂逅だったかもしれない
あの時交わした契約は破棄されたままに、横に並ぶのではなく相対する事となってしまった。
ヒツギの躊躇は目に見て取れる、攻めてくる気配がまるでない
戦うべきか戦わぬべきかヒツギの内で鬩ぎ合い、それを上から押しつぶそうと葛藤しているのだ。
あの時ヒツギが突出したばかりにレイナがそれを庇い倒れた。
その空気をそのまま持ってきたかのような沈黙が両者の間を埋め尽くす
「・・・・・・」
どう声をかければいいのか、むしろ声をかけざるべきなのか。
何時ものヒツギで何時もの関係ならばこの問いに対する回答等すぐに出てきただろう
今はそれも難しい、敵味方と割り切れるほどヒツギは大人ではないのだから
577
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 15:45:57 ID:H2JE3lCU
>>576
「ふん、ヒツギか。そんな所で何をしている?お前の居場所は……」
立ち塞がったゲシュペンストのパイロットへの言葉を続けようとして、そう言えば彼に絶縁を切り出した事を思い出した。
なので、それ以上その言葉は紡がれる事は無い。
「ダメです、ハヤセ少尉。その“反逆者”を逃がさないで!!」
動揺が見てとれるヒツギに檄を飛ばすのは本作戦の指揮官、明智ライトだ。
愛機のガブリエルは、アイゼルネ・ブルートとヒツギのゲシュペンストを割って割く様に、レーザを次々と撃ち込んで行く。
「……くっ、お邪魔虫め」
内心ではヒツギを諦めきれていないのか、唇の端を歯噛みして苛立つレイナ。
飛び退いてガブリエルのレーザー射撃を回避するアイゼルネ・ブルート。
ライトのガブリエルの執拗な射撃はレイナがヒツギへと接触するのを絶対に認めないとする意志が見て取れた。
見る見る内に分断されてしまう。
「他の皆さんも続いてください!のこのこと対して技量も無い癖に自ら前線に出て来た今が絶好のチャンスなのです!」
ユウセイやゼバスチャンにも攻撃に参加してもらう様に、ライトは号令する。
いくら予知能力みたいな超常の力が有ろうが、人間の能力の限界などたかが知れている。
何機もの凄腕パイロット操る機体を相手にそう長く持ちこたえられる筈は無い。と、ライトは判断した。
「くっくっくっ。恐れぬならば、私に挑み倒してみろ」
もう馴れ合いは無しで良いだろう。デアボリック・エクスキューショナーを頭上で振り回し、決めポーズでそれをライト達に突き付け宣戦布告とする。
578
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 16:36:47 ID:YSz6PHes
>>577
「大尉がその気なら、俺も行こうか。」
ユウセイの機体も、突っ込むように、レイナ嬢に向かっていく
「最初から、あのでかい武器は迅雷じゃ受け止められるか解んないし」
「ブレードトンファー、セット」
ブレードトンファーをセットし、突撃する。
(ヒツギの奴、まだ割り切れてねぇな。時間を稼ぎますか。)
アイネルゼに、軽く、トンファーで、肩に連撃を加える。
579
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/17(日) 16:52:57 ID:YZHgpLEg
>>578
アイゼルネに迫るアルブレード。
しかし、両者の間に割って入るようにガトリングの火線が走り抜けた。
「薄情なもんね! 昨日までは仲間同士だったくせにさ!」
地上で巨大な機関砲を構えているのは焔姫だ。
その後方では、雷姫と風姫が臨戦態勢で控えている。
「……いいのですね、マヤさん?」
「ふん……あの女にはムカつくことに、いくつか借りが出来たからね。
借りを借りのまんまにしとくのは、あたしの性分に合わないのよ」
不機嫌そうに答えるマヤ。
その表情はどこか苦々しげだ。
580
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/17(日) 17:41:52 ID:YRm5ckP.
遠方から飛行して接近してくる機影が1つ、識別コードは連邦軍・・・それも欧州のものだ
事前に全員が受け取っていたデータから、それは今作戦に合流予定であった機体のものだと判別できる。
表示されているコールは・・・『ケルビム1』
「どうやら間に合ったらしいね」
ケルビムという名前から想像する姿形といえば幾多の大きな翼を重ねた大天使だろう。
そのコードネームを持つ以上、機体の姿もそれに近しいもの・・・では無かった。
18mというMサイズにしても小型なボディと丸みを帯び段モールドが数多彫られた装甲
全身に取り付けられた半透明の球体は鮮やかなピンク色であり、ボディの白と相まって神々しさよりも可愛らしさが前面に出てしまっている
極めつけは『翼が無い』ということ。
頭部左右から機体全長と同等の長さを持つ翼らしきものは生えているが、どちらかと言えば動物の様な垂れ下がった巨大な耳だろう。
・・・ケルビムというよりはその周囲に居る『小天使』か、肩に乗っていそうな『使い』の方があっていた。
事前に情報を持っていたライトでも肩透かしを食らうだろう。
見た目もそうだが武器もスッキリしている、逆にスッキリしすぎて何も持っている様子は無いのだ。
恐らくは内臓兵器を使用するのだろうが、ゴテゴテと武器を装備しまくるユウセイとは対照的に見目から兵器と判断できる要素は一切無い
「輸送機の遅れから到着に支障が出ると判断し単機で来た
連邦軍欧州支部所属ハーゲン・クルーゲ少尉だ」
通信から聞こえてくる声は若い、いや幼いとすら感じる男性の声。
映像を見るとその線の細さ、髪と肌の色の薄さは希薄さすら感じさせるほどだった
>>578
ハーゲンは波紋のような物をアルブレードから感じ取る。
それが念動力者同士の共鳴であることは一瞬にして判断できた
事前情報からこの部隊に所属している念動力者がただ1人で、感じた念がその情報からハーゲンが持ったイメージそのままだった事で
パイロットがユウセイであることも同時に理解できた。
(へぇ・・・)
瞼も瞳も表情筋すら1mmも動くことの無いまま、言葉は発さず内心でのみそう呟く。
これは関心したから漏れ出した言葉では無く、むしろ蔑みや嘲笑から出たものだった
(イサム・カイオウが入れ込んでいると聞いていたけど・・・ねぇ?)
彼がユウセイに対して押した烙印は『微妙』、溜息すら笑い出して仕舞う肩透かしだ。
当然この思考はユウセイの念で読み取るなど出来る訳が無い、ハーゲンの念はユウセイの軽く上を言っている。
だが塗り潰すのが巧いからこそ、ユウセイはそれを悪寒や不安のような漠然とした何かで感じ取ることが出来たかもしれない
581
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/17(日) 18:07:08 ID:Otg.6qCQ
>>574
「了解アルブレード 動作チェックを行う」
左腕はシールドをもつ重要なアーム、動きませんシールド持てませんじゃ戦闘の継続性に支障が出る
暫し肩をまわしたり、腕を曲げ伸ばししてみる
・・・どうやら異常は起きていない
「動作チェック完了 何処も異常なし、メカニックに感謝 以上通信終り」
簡単な礼を述べて通信を切った
>>577
>>579
「了解だ!! ボマー3!! エンゲージ!!」
その言葉と共に最前線へと到着、交戦に入る
すぐ近くを飛んでいたアルブレードもまた交戦に入ろうとするも
地上からの砲撃により中断を余儀なくされている
「いい仕事をしてくれたメカニックのお手伝いと参ろうかね!! ボマー3よりアルブレード!! これより火力支援に入る!!」
通信を入れると、右腕のリボルバーカノンのシリンダーが回転 発射体制に入る
「これでも・・・喰らえ!!」
トリガーを引を引き、火薬の発火と共に弾頭が連続発射され、焔姫を蜂の巣にしようと、真っ直ぐに飛んでいく
582
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 18:50:37 ID:YSz6PHes
>>579
「あくまでも、遮るか。」
攻撃を、遮った。ガトリングその先には、見覚えのある三人娘
>>「薄情なもんね!昨日までは仲間同士だったくせにさ!」
「黙れ、余所もんが、お前等こそ、この前まで、連邦に協力してただろ。」
「俺だって、こういう事はしたくないが、」
「俺にも、目的がある。邪魔するなら、命は取らないがその機体、破壊する。」
迅雷を抜き、戦闘態勢に入る。
が、
>>580
「!………今の、何だ?」
明らかに、首筋に変な悪寒がした。
「気のせいか、まぁ良い。」
今の事は忘れることにした。
>>581
>>「動作チェック確認完了 何処も異常なし、メカニックに感謝 以上通信終り」
「アルブレード了解。」
何とか、旨くいった。
そして、お礼とばかりに、
>>「これでも…喰らえ!!」
三人娘の、突撃に砲撃が加えられる。
「このチャンス、逃さん!」
残りの、雷姫、風姫が気を取られている隙に
「まず、一人。」
雷姫の、右肩に、迅雷の一撃が走る。
583
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 19:20:44 ID:H2JE3lCU
>>578
>>579
「あなたなら余計な事は考えずに来ると思っていたわ。ユウセイクン」
単純なこの男ならば、遠慮なんか見せずこちらを攻撃してくれるはず。と、期待?の様な物を持っていた。
予想通りにアルブレードはアイゼルネ・ブルートへとトンファーで攻撃する体勢に入っている。
遠慮なんかされたら、こちらも戦いにくくて仕方が無い。ユウセイのおかげでレイナも要らない気を遣わなくて済む。
【「ブレードトンファー、セット」】
ユウセイの気合いのこもった一打が今回は敵となってレイナを襲う。
その踏み込みの鮮やかさや見事。言うだけの実力は有る。
「でも、届かないわね」
しかし、レイナは目を閉じたままアイゼルネ・ブルートは未だに微動だにしない。
このままでは肩をやられてしまうが、何故黙ったままなのだろうか?
【「薄情なもんね! 昨日までは仲間同士だったくせにさ!」】
アルブレードの突撃に備えて、焔姫からの横槍が入った。
当然、レイナにはそれが解っていた訳でユウセイへの先程の対応であった。
「あら、よくやったわね駄メイド。ちゃんとサポート出来るじゃない♪」
その汚名はマヤの事らしい。そりゃあつばめや静香はともかく、マヤが大人しくメイドなんてしているとは思えないが。
「こちらの勝手な事情に付き合わせて悪いけど、ここで奴らに屈する訳にはいかない。
……何だろうとアテにさせてもらうわ」
マヤ達の世界の事。置かれた状況。それを目覚めてからだいたい聞いているレイナは、よその世界の揉め事に彼女らを巻き込んでいる事を謝罪。
それでもレイナ側に協力してくれる三人娘に対して心が熱くなる。……無論、恥ずかしいので口にはしないが。
>>582
「家臣を守るのも王の務めなのよ」
雷姫、風姫までたどり着ける訳が無い。ユウセイは既にレイナのマークの内にいる。
レイナが先に立ち塞がった。
「今度はこちらのターン!……追われるものが余裕を持ち、追う者の心が焦りに縛られる。今の私と君がまさに追う者、追われる者!
そしてユウセイ、これが追われる者の力だ!……アブソリュート・パワーフォース!!」
ガトリングの火線から飛び退いたアルブレードの回避動作にあわせ、手持ちのデアボリック・エクスキューショナーで下半身を削ぎ落とさんばかりに斬りかかる。
何か不可解な攻撃名を叫んでノリノリなレイナだが、このユウセイとのデュエルを前にして絶対にやろうと事前に決めていたらしい。
>>580
【「輸送機の遅れから到着に支障が出ると判断し単機で来た
連邦軍欧州支部所属ハーゲン・クルーゲ少尉だ」】
「欧州支部所属エンジェルフェザーの明智ライト大尉です。ターゲットのレイナ嬢はあのゲシュペンストタイプに乗っています。
生け捕りにします。参加してください」
ライトもその線の細い病弱そうな少年兵へ挨拶を返す。
大丈夫。これならばどっかの誰かと違って制御下におけそうだとライトは安堵。
(……しかし奇妙な機体。ただの丸腰じゃない?……レリエル派生では無いから、余裕なハードポイントが無いの?)
機体の方も何やらシンプル過ぎて一撃で撃ち抜かれやしないかと心配である。
584
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 20:49:55 ID:YSz6PHes
>>583
>>「家臣を守るのも王の務めなのよ」
「ちっ、やっぱあの目は厄介だな。」
すでに、アイゼルネの攻撃範囲に入っていた。
>>「今度はこちらのターン!(中略)アブソリュート・パワーフォース!」
「ふっ、さすがレイナ嬢、隙を遠慮なくついてきますね。だが、」
迅雷で、デアボリック・エクスキューショナーを払いのけてみせる。
勿論、しっかり回避行動をとりながらだ。
「ところで、少し聞きたかったんですけど」
迅雷を構え、突撃しながら
「アスト博士はどうしてます?」
「いや、ただ、単純にアドバイザーを失いたくない。と思っただけで」
そう聞きながら、アイゼルネに切りかかる。
585
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 21:31:15 ID:H2JE3lCU
>>584
【「ところで、少し聞きたかったんですけど」】
「あら、何かな?」
アルブレードの迅雷とこちらの魔槍の激突は両者、押す事が出来ない拮抗状態に陥った。
そんな最中、随分と余裕綽々のユウセイが質問を切り出して来る。
こちらは必死だと言うのに。
【「アスト博士はどうしてます?」
「いや、ただ、単純にアドバイザーを失いたくない。と思っただけで」】
「アスト叔母様は関係無いわ。これは私という個人に対しての当て付けでしょ?
だいたい、連邦のこのやり方。少しでも汚ないとは思わないかしら?」
「……かしらーZZZ」
レイナはユウセイの良心へ問う。ついでにカナメ女史のやる気の無いまったりしたエコーも加わる。
いつしか切り結ぶ最中、レイナには後方のアルプ・トラウムからミサイルの援護射撃が、ユウセイにはレイナを狙うガブリエルがサポートに入る事になり、両者どちらからとも無く武器を引っ込める事になる。
「ハヤミ中尉!反逆者の言葉にたぶらかされ無いでください!!」
メンタルの弱さに定評の有るユウセイの心を持って行かせまいとライトはユウセイへも渇を入れる。
しつこいガブリエルの射撃の幾つかはアイゼルネ・ブルートを確実に捕らえ、その装甲を焼き焦がす。
「あら!?逆にユウセイクンを中尉に上げて飼い慣らしてるのはそっちよ」
レイナも黙ってやられる訳にはいくまい。アイゼルネの蝙蝠型小型ユニットが白く神聖なるガブリエルに群がっている。
「行くのよサーバント達!肉付きは貧しいけれどその天使を食べてしまいなさい」
「う、うるさいですよ!」
ライトは自分の貧相なボディを貶され、挑発に乗せられている。
しかし、この蝙蝠を引き剥がすのには結構、手こずる筈だ。しばらくは五月蝿い事は言ってこれないだろう。
【アイゼルネ・ブルート:レーザーガンが命中/残りHP85%。徐々に回復中】
【ガブリエル:ナイト・フライヤーが命中/残りHP90%】
586
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/17(日) 22:00:33 ID:rfo0g7p6
今回、欧州支部サイドにとっては有利な状況が色々重なっている。
イサムの失脚に加え軌道艦隊から来たマデリーンの暴走で河嶋まで大人しくせざるを得ない。
マデリーンの夫のヴィルヘルムは元々欧州支部に在籍していたため敵対的になる可能性は低い。
かねてより暗躍していた目の上のタンコブであるウー・グリソムは死んだ。
そう言うわけでシルバー・バレット隊が大きな顔をしているが、ヴィルヘルム・エッシェンバッハ少佐は飄々と新型機の習熟に努めていた。
今回のミッションにも口を挟んだりせず、ライトの指揮に従っている。
今日もまた、ここ数日ですっかり見慣れた白いType-315パイロットアーマーでコクピットにいた。
「こちらハンター1、これより出撃する」
『ハンター2、続いて発進準備にかかります』
カタパルト上の“スカウト”も、その近くにいる“ランチャー”も、“葉桜E-2”とM950マシンガン、スプリットミサイルを装備。
加えてスカウトには修理装置、ランチャーには補給装置を振り分けてある。これは、『お前たちは支援に回れ』というシルバーバレット側の意向だろうと何となく察していた。
587
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 22:11:05 ID:YSz6PHes
>>585
>>「アスト叔母様(中略)思わないかしら?」
>>「………かしらーZZZ」
「エコーは、何だかしりませんけど、まぁ少しぐらいは同感ですけど」
そこで、言葉を切り、
「連邦軍の前線部隊を叩いた時点で、貴女たちは敵です。」
後ろに、少し飛び、居合いの状態に入る。
「そういうことを言うなら、清廉潔白の身で、言ってください、な!」
そこから、迅速の型を放つ。
588
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 23:12:21 ID:H2JE3lCU
>>587
【「連邦軍の前線部隊を叩いた時点で、貴女たちは敵です。」】
「ふうん。敵ねぇ私達が」
レイナはさも興味を失ったかのようにユウセイでは無く蝙蝠達と戯れてらっしゃった連邦の軍師殿の姿を見ている。
「ハヤミ中尉、それで良いのです。あの反逆者どもは武装解除を迫る武富大尉の部隊を撃ち落としました。
それはこちらに対する悪意敵意の現れにしか考えようが有りません」
レイナの言葉はユウセイには届かない。
それを良いことに更にライトはユウセイをそそのかす。
(……なんだ、捨て駒の先発部隊も思わぬ所で役に立つものね。武富大尉、あなたもこれで少しは私に先輩面出来た事でしょ)
ライトはここに来てようやくユウセイを上手く制御しつつ有った。
そしたら思わず、勝ち誇った顔をコクピットで浮かべていた。
【「そういうことを言うなら、清廉潔白の身で、言ってください、な!」】
等と話す機会すら与えようとしない連中がよくも言ってくれたものである。
(……その無駄な動作)
やはり後ろに飛び、刀を仕舞い居合いの状態に入る。その後ろに跳びのくその動作こそ命取りである。
「……傀儡が。やれ、カナメ!」
アルブレードがバックステップから着地する瞬間を見据え、レイナはアルプ・トラウムへ冷淡に指示を出した。
「あー……はいはい。アストせんせぇの助手に手を出すのは忍びないけれどね?
……まぁ適当に当たってギブアップしちゃいなさい」
アルプ・トラウム側も寸分違わぬタイミングでレイナの合図に応える。
艦体からホーミングミサイルの連続発射が行われた。
着地の瞬間をドンピシャに狙われたアルブレードは、これで無理な体勢を強いられるに違いない。
そうなれば……!
【アルプ・トラウム:ホーミングミサイルでアルブレードをカウンター攻撃】
589
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/17(日) 23:14:10 ID:usPXYdu.
レイナ邸包囲より某所にて
「始まったか…!!」
此処は過去ある組織がある目的の為に建造し来たるべき時のために秘匿され『連邦』からは忘れられし兵器保管庫
レオンはその保管庫のカタパルトと思しき場所に黒い標準サイズの戦闘機に既に乗り込んでいた
コンソールをせわしなく操作しつつ通信を開く
「…微調整程度なら後で良いだろ?」
その声はやや苛立たしげだ
『そんなに急かさな〜い。あの子のインターフェースは確かにあのシステムと相性は良いけど〜…』
あの子とは、あのアホウドリ部隊から強奪したアシエルの事だ
しかし、変装にも気が付かないとは
(だが、やはり…)
『調整ギリの新型なんかよりエフゼロで〜とか思ってる?ダメよ〜?』
「!」
コンソールをいじる手が止まる
『はいそこサボらない。向こうも反逆者討伐は建て前。その実態は…』
「解っている。取り分け演習の意味合いが強い。新型…あるいは強化兵の投入…』
『エクセちゃんが本調子でも多分…無理。さ、これで戦える』
レオンのコクピット内部にステータスが表示される
…万全では無いが戦闘を行うには支障はない
前進翼に機体左右と下部に取り付けられた三面カナードの黒い戦闘機は脈を打つかのように紅い光が装甲の内側で明滅する
後部に配置されたテスラ・ドライブが解放の刻を待っていた
「じゃあ…行ってくる」
『いってらっしゃい』
続け
590
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/17(日) 23:36:30 ID:0rs51FK6
>>582
>>583
「だぁれが駄メイドよ!! あんまり憎たらしいこと言ってると、あんたも撃ち落とすわよ!」
実際のところ、ここ数日のメイドとしてのマヤの働きは酷いものだったが、それはまた別の話である。
物騒なことを言いつつも、火力支援の手は止めない。
雷姫を目掛けて斬り込もうとしたアルブレードカスタムはレイナが抑えてくれた。
ならば、ここは彼女に負担がかからないよう、近辺から迫る敵に牽制をかけるのが定石だろう。
>>580
「静香、つばめ! 降下してくるあの白いのを迎撃!」
「了解!」
風姫のビームキャノン、雷姫のマシンキャノンによる対空射撃がインセイオンを出迎える。
>>581
そのとき、側面から飛んできた実体弾が焔姫の構えたガトリングを直撃した。
「うあ…!」
咄嗟のバックステップにより、機体に被害は受けなかったものの、
ガトリングは砲身をひしゃげられ、無惨に地に転がった。
「くっ、あのときのムキムキオヤジ! よくもやってくれたわね!!」
只では済まさないとばかりに、両腕を振りかざす焔姫。
アームファランクスが火を吹き、無数の弾丸がドロワナを目掛けて放たれる。
591
:
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/17(日) 23:45:04 ID:usPXYdu.
>>589
よりつづき
>>587
>>586
>>585
>>576
>>579
最前線ではないヴィルヘルムのスカウトのレーダーに僅かながらの反応…しかし、その僅かな反応に気を配れたかは定かでは無いが
ただ、確かなことはセバスチャンの随伴機数機のシグナルが消えていたことだった
そして直後、焔姫の正面の木々と地表が突風により粉々となる
ドロワナから焔姫に向けて放たれていた銃弾は必然的に黒い暴風の球体に向けて吸い込まれると同時に火花と化して銃弾達が姿を消した所で周囲に爆風の如き衝撃を走らせながら、ようやく静止する
その削れた地表の中心には紅い目を光らせた、黒色の人型の姿が見える
背部に刀剣を納めた鞘状のデバイス、肘から肩付近まで延びた紅い稲光が走り続けるブレード状の物質が目を引いた
ディテールこそ大分異なるが、背部の子機格納ユニットがアシエルのものを彷彿とさせる
黒い機体はドロワナを余所にヒツギのゲシュペンストに語り掛ける
「よう。随分と元気がないな?バナナが足りなかったか?」
592
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/18(月) 00:37:22 ID:LVF3Nr/M
>>581
>>584
レイナの事をまるで知らないゼップが攻撃するのは分かる
だがユウセイやライトが容赦無く引き金に指を掛ける、ヒツギにとってこの戦場は異常に見えた。
(何で躊躇無く撃てるんだよ・・・!!)
>>577
>「ふん、ヒツギか。そんな所で何をしている?お前の居場所は……」
「レイナ、俺はお前と・・・」
レイナが何かをヒツギに言いたかったように、ヒツギもまたレイナに対して何か言いたげだった
今回ゲシュペンストはG・リボルヴァーを搭載した完全接近戦仕様
腰のハードポイントに備えられたリボルヴァーを引き抜くと、一瞬戸惑ったかのような動作を見せた後に銃口はレイナへと向けられる。
パイロットであるヒツギは眉を潜ませ、力強く閉じられた口からは歯軋りの音が聞こえてきそうなほどだった
銃口を向けるのがやっとと言った様子で、火を噴く様子はまるで無い。
>「ダメです、ハヤセ少尉。その“反逆者”を逃がさないで!!」
硬直していたレイナとヒツギの間に割って入ってきたのはライト。
その言葉に完全に無意識を持って反応し、その銃口を下げてしまう
("反逆者"だって!?逆だ!この状況じゃまるで・・・!!)
そこから先の言葉はヒツギの理性が押しとどめさせた
いっそどうすればいいかを誰かに尋ねてしまいたい、投げ出してしまいたいとすら思える。
だがこの戦場に出ることを志願したのはヒツギ自身だ
嫌だったのだ、レイナが誰かに落とされるところを無視するのが
自分の手で落としたいと言う訳ではない、ただ納得できる理由も無く『嫌だった』のだ
>>591
連邦側に合流した白い機体に対して、レイナ側に突如として現れた黒い機体。
機体自体のデータバンクにその存在に対しての情報はゼロ、ヒツギ自身アシエルを見たことが無い為どんな兵器であるかも分からない
だがその機体から投げかけられた声にヒツギは驚愕した
>「よう。随分と元気がないな?バナナが足りなかったか?」
「・・・! レオン!」
間違いなくレオンの声、ドロワナの攻撃を防いだということはレイナ側
正規階級を持つ連邦ではなく、レオンは敵であるそちら側に付いたということだ。
苦虫を噛み潰したかのような表情と震える声、それはレオンに向けられたものではない。
むしろヒツギ自身に対して向けられたものだった。
『軍人』では無く、それで居て『一般人』でもないヒツギがこの状況に対して解答を出すことは難しい
どちらにしても仲間に対して撃つ結果になるのだから
「お前もレイナ側に付くのか・・・!!」
593
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/18(月) 00:52:41 ID:vUAXZLck
>>591
「何かっ……来たっ」
背面にマウントした、E-WAC用のV字レードームが反応を拾い、警告するも間に合わない。ベテランの戦闘機乗りである彼をしても追い切れぬ速度で数機の反応が消えた。
「あれは……識別無し、敵かっ!?」
ヴィルヘルムは気付かなかったが、ラウディは声に聞き覚えがあった。
『敵に……回る!?』
594
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/18(月) 01:19:30 ID:LVF3Nr/M
>>583
>ターゲットのレイナ嬢はあのゲシュペンストタイプに乗っています、生け捕りにします。参加してください」
「生け捕りね・・・フフ、なるほど了解した」
虫も殺せぬといった爽やかさすら感じさせる表情と共に笑いを零しライトからの指令を受け取る
どの機体かなんて情報はまったく持って見ていなかった、むしろ見る必要が無かった。
敵対している機体の中で発する念が大きく異なるものが1つだけ存在していた、彼がそれに気づかないわけが無い
「他の機体や戦艦も同一の対応でいいのかい?」
>>590
「おっと!」
ライトとの状況の確認を行っている最中、地上からの攻撃を察知したハーゲンは機体を翻すような動作でその奇襲をかわす。
攻撃してきたのは・・・事前に受け取っていたデータにあった、風姫と雷姫と言う機体らしい
データ上だと保護対象として処理されているが、どうやらレイナ側に加勢しているようだ
「敵なら仕方ない、仕方ないね」
地上に居る風姫・雷姫に対して両手それぞれを向けて広げると、そこに備えられたピンク色の球体に光が走る。
その状態から地上へと真っ直ぐに急降下しつつ、手の平から数多の閃光が放たれた
フェザーバレット、打ち出したエネルギー弾の形状がまるで羽のようであることから名づけられた兵器。
一般的なビーム兵器と同一のようなものらしいが羽と言うだけあって撃ち出しが軽い
またライフルよりはマシンガンとしての性質に近いらしく、集弾性も良くは無い様で広範囲にばら撒くといった感じだ
>>591
(あれは・・・極端に改造されているとは居え間違いない、ベースはアシエルか)
攻撃を行いながら、しかも急降下をしている最中だというのに余裕を持ってレオンが持ってきた機体に視線をよこす。
データには無いがハーゲンの頭の中には類似する機体が該当していた。
アシエル・・・自身も所属するSK指揮官クラスに配備される機体であり、そう易々と行き渡るものではない
レイナが所有していたとは考えづらい、つまりあれはレイナに協力的な
且つSKとある程度近しい距離にある組織からやってきたということ。
ハーゲンは既に察しが着いていた、が周囲の反応を見るに他のパイロットとは顔見知りだったらしく伝えるまでも無いと判断したらしい
595
:
姫&リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/18(月) 02:51:10 ID:l3BVNSVw
>>569
,
>>588
小田原での戦闘があってから数日が経ったことで、甲斐の艦体のダメージは全て回復し、フォトンブラスターも使用可能となっている。
が、復活した甲斐の復帰後の初戦闘は、かつての仲間を討ちにいくという、何とも気分の乗らないものとなった。
名目の上ではレイナ・カーマインを危険分子と判断したことによる強制執行……となってはいるが、
(多分それだけじゃないって思っているのは、私だけではないでしょうね……)
艦長席に座っている武田・姫は、とりあえずの指示を出し終えた後に、そう思案する。
甲斐は現在、艦載機の出撃を終え、味方部隊の後方に控えている状態だ。
艦砲射撃で相手の戦力を減らした後に艦載機を出撃させるのがセオリーだが、今回の事情、及び相手の展開速度から、
早くも戦場はPT同士による白兵戦へと移行していた。
前方は敵味方が入り混じったフィールドとなっており、艦砲射撃が使える状態ではない。姫に思案の時間が出来たのは、だからこその話。
(こんなとき、スノウフェイル少尉だったら何て指示しているんでしょうか……)
ちらりと艦長席の隣を見るが、そこに立っているはずの副長、リリーの姿はそこには無かった。
なんでも、「ちょっとしたサプライズがあるので、後で合流する」とのことだったが……。
「艦長! 敵艦のミサイル発射管が開きました! アルブレードを狙っています!」
と、敵艦に動きがあったようだ。
味方が展開しているのは向こうも同じではあるが、距離関係で言えば、こちらが切り込んでいる状態。
先遣隊を蹴散らしたあの艦砲は使用できずとも、対空ミサイルくらいは使えるということか。
何とかしてやりたいところだが、甲斐の武装ではそれもままならない。ユウセイの近くにいる味方機に期待するしかないか……?
『あれはこちらに任せて下さい』
そう思った矢先、そんな抑揚を欠く声を乗せた通信と共に甲斐の下方向から2条の巨大な青いビームが飛来し、
アルブレードとアイゼルネを分かつような軌道でミサイル群を薙ぎ払った。
それから一呼吸分遅れて、甲斐の後方からフライヤーモードのビルトラプターが凄まじい速度で駆けていって、
『墜ちろぉっ!!』
そのままの速度でPT形態へ変形し、手持ちのランチャーで先ほどのビームが撃ち漏らしたミサイルを撃墜していった。
>>587-588
「おいしいタイミングだったようですね」
PTのものよりもかなり広いコクピット内で、カチューシャ型のヘッドセットを装着したリリーが、いつもの調子でそう言った。
対する姫は驚きを隠せないようで、
『り、リリー少尉ですか? その機体は一体……?』
「ああ、艦長、遅くなって申し訳ありません。ですが、言ったとおりにサプライズだったでしょう?」
姫が驚いているのは、本来甲斐の副長であるリリーが機動兵器に乗っていることももちろんだったが、
その機体のインパクトのほうが、理由として大きかった。
全高60メートル超級の重厚な鈍色の機体と、両腕に装着されたぶ厚い盾。肩から伸びる2門の巨大な砲……インパクトを受けるな、
と言うほうが難しいその機体は、その名をジガンスクード・アンジェという。
鋼龍戦隊で運用されている「巨大な盾」ジガンスクードのデータを元に新造された、もうひとつの「盾」であった。
「まあ、クレマチ伍長と一緒に遅れた分は働きますよ。全体の指揮は明智大尉が執っているんでしたっけ?」
『ええ、そうです。今はガブリエルに乗って、前線に』
「了解です。まずは、少しの間あの艦を黙らせることにしましょう」
緊急展開用の大型ブースターを使ってアルプ・トラウムよりやや低い高度まで上昇したジガンスクードは、
両肩の砲をその黒い艦に向け、先ほどと同じ巨大なビームを続けて2発、発射した。
スペースノア級の主砲となっている連装衝撃砲と同じ力を持つビームだ。さすがに無視はできまい。
「明智大尉、聞こえますか? こちらスノウフェイル、遅れて申し訳ありません。このジガンスクード・アンジェの調整に少し時間がかかりまして。
エスコートのクレマチ伍長共々、これよりそちらの指揮下に入ります。
この機体は文字通りの「盾」であり、Eフィールドジェネレーターも装備しています。上手く活用して下さい」
アルプ・トラウムに衝撃砲を撃ちかけながら、リリーはライトに対してそう通信を入れる。
596
:
レイナ
◆zv577ZusFQ
:2013/03/18(月) 06:35:48 ID:U8jCKvyI
>>591
【「よう。随分と元気がないな?バナナが足りなかったか?」】
「ふっ……やっと来たわね。遅いわよレオンハルト。今まで何処をウロチョロしていたのか、まぁ詳しくは聞きはしないわ」
見たことも無い黒い機体に乗っているが、レイナには彼が味方だと確信していた。
本来、眷属とはこうあるものなのだ。それなのに……。
「そんな。あれ……あれはアシエル?何故反逆者側に?」
ライトには訳が解らなかった。アシエルと言えばシルヴィエ・クロイツの指揮官達が愛用する最新鋭機。
邪悪に黒く塗装されて少しは外観に相違は見られるがライトの眼はそれを見抜く。
>>594
【「他の機体や戦艦も同一の対応でいいのかい?」】
「いや、レイナ・カーマイン以外は生死は問いません。あまり抵抗が激しいなら見せしめにいくつかに消えてもらっても別段、問題はありません」
……何を言っているのだ彼女は。酷く独裁的なこの思想。今までの彼女はそうだっただろうか?
ライトの頭は欧州フリードリヒ・マクシミリアンに与えられた使命を果たそうとする事で一杯となっている。
そんな訳で、敵の生死は問わない等と一番最悪で最低な選択を取る。
そしてそれを告げたのは最も危険な存在。
>>595
「カナメ様、甲斐が出ました。こちらの進路上です」
「……んにゃ。私らの退路の上に。すごく邪魔なんだけれど。一旦、艦を止めて」
イクリプスの一報を受け、心底面倒臭そうに顔をしかめるカナメ艦長代行。
ブリッジクルーのメイド達も甲斐との邂逅にざわざわとしている。
このまま突破するにはあの主砲が邪魔だ。流石にこちらのバリアでも損害必死。
【『墜ちろぉっ!!』】
「……アカリぃっ!」
一方、こちらユウセイを仕留めようとするホーミングミサイル。
それは突如突撃して来たビルトラプターにて到達せず全弾撃ち落とされていた。レイナが与えたあの機体が今はレイナに皮肉にも牙を剥いて来る。
出来れば彼女には敵になって欲しくは無かったのだ。
「速い!?」
しかし居合い抜きを未然に阻止する為に撃ったミサイル。それがユウセイに届かないとなれば、次に迫るのは完璧な状態から繰り出される神速の居合い。
爆風の中を抜け、アルブレードがアイゼルネ・ブルートを一閃。
「やるじゃないかユウセイクン」
レイナの反応では今からでは回避不能として機体のダメージを最小限に止める防御の体勢に入るレイナ。
結果的に胴体を斜めに切りつけられてしまう事になり、何故か血飛沫の様な赤いものが装甲の切り口から飛び散った。
派手にいかれた様だが、ダメージは薄皮一枚といった所で有り、マシンセルならばオートモードで修復可能な範囲だ。
逆に、居合い抜きの後の隙を付き、こちらも万全な状態で反撃出来てしまう。
【アイゼルネ・ブルート:神速の型が命中。残りHP65%。徐々に回復中】
「ユウセイ、私は半身と話が有るんだ、しばらくあっちに行っててくれ」
アイゼルネの右腕が伸びて行き、攻撃後のアルブレードへと巻き付こうと迫る。
この拘束攻撃が成立したならば邪魔にならない様にアルブレードを全力で別方向へと投げ捨ててしまうつもりだ。
レイナが見据える先はアカリ。
【アイゼルネ・ブルート:アルブレードへデモンズ・バインドで攻撃】
597
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/18(月) 06:41:17 ID:U8jCKvyI
【「了解です。まずは、少しの間あの艦を黙らせることにしましょう」】
「……んもう。特機タイプも所持しているなんてぇ」
次々と立ち塞がる大きな壁にため息が出てしまうカナメ。
「気を付けて。あれはドゥロとは違って砲撃特化っぽいわ」
遅れて現れたジガンタイプから砲撃されるアルプ・トラウム。高機動が売りの当艦はイクリプスの絶妙な舵取りにて艦体を反らす事に成功する。
しかし、それでも艦の主砲クラスの強い砲撃はアルプ・トラウムが発生させる赤いバリアを難なく突破し、艦体に砲撃の与波をかすらせる。
それはブリッジにも衝撃を伝え。
「「きゃあぁー!」」
ブリッジのメイド達が悲鳴。
「目が……目が回る〜」
そして、ふしだらな二つの果実を縦横無尽に揺らしながら、艦長のカナメはフラフラになっていた。
「失礼しましたカナメ様。厄介ですね、あの砲台」
アルプ・トラウム側もこのまま撃ち続けさせる訳には行かない。
1人涼しい顔のイクリプスは、慌てずナイト・フライヤーをジガンへと射出する。
アイゼルネ・ブルートのモノと同じ名称の蝙蝠型の自動攻撃子機である。ただ、大きさは艦に搭載する際にそれ相応の大きさとなっており、強力になっている。
ずんぐりした巨体に群がり、その牙、その翼にて切り裂かんとする。
【アルプ・トラウム:残りHP90%。ナイト・フライヤーでジガンスクード・アンジェに反撃を行う】
【「明智大尉、聞こえますか? こちらスノウフェイル、遅れて申し訳ありません。このジガンスクード・アンジェの調整に少し時間がかかりまして。
エスコートのクレマチ伍長共々、これよりそちらの指揮下に入ります。
この機体は文字通りの「盾」であり、Eフィールドジェネレーターも装備しています。上手く活用して下さい」】
「スノウフェイル少尉?……しかしその機体はどこから……いいえ、そんな事はあの反逆者どもに勝利してからで良いか。
あてにさせてもらいますよ。このままあの艦を沈めて下さい」
欧州、極東でも無い別陣営の介入を怪しむが今はそんな事はどうでも良い。
勝たなければ意味が無い。そのライトの目はあたかも何かに取り憑かれたかのようにギラギラとしていた。
「……クレマチ伍長、しばらく後に撃墜された振りをしてレイナ・カーマインをこちらのオープンスペースまで誘導して下さい。
彼女はあなたに拘っている。話を聞く振りでもしていれば、必ず誘き寄せられるはず」
ライトがプライベート回線でアカリへと不思議な指示を出す。
この際、外道な手段などとも言っていられない。レイナを突出させ、こちらの隠し玉のシルバーバレット隊にて袋叩きにしてしまう予定だ。
当初は、ヒツギにこれを頼む予定であったが彼をレイナに近付けるのは予想以上に危険と判断した為の代案。
598
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/18(月) 10:49:04 ID:gft2ET8E
>>588
>>「……まぁ、適当に当たってギブアップしちゃいなさい」
「ほんとに、殺す気か。あの人は」
回避は、不可能に近い、なら、防御を、と思った矢先
>>595
>>「墜ちろぉっ!」
「ビルドラフター、クレマチ伍長か、助かりました。流石は、レイナ嬢の半身」
礼は、言っておく。
「この完全な体勢のまま、放つ。」
神速の居合いは、アイゼルネに当たったが
>>「やるじゃないか、ユウセイクン」
「薄皮一枚か、となると、」
当然、反撃が来た、しかも拘束型の
「恐らく、クレマチ伍長と二人で話がしたいのか。じゃあ大人しく捕まりますか。」
特にといった、抵抗もせず、大人しく捕まる。
599
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/18(月) 11:56:44 ID:U8jCKvyI
>>598
「ヒットよ。じゃあ君はあちらでお友達と仲良く遊んでいるが良いわ」
アイゼルネはその名前に似つかわしく無いもの凄い怪力でホールドしたアルブレードを勢い良く放り投げた。
アルブレードはまるでプラスチック製のオモチャの様にふっ飛んで行き、その投げる先にはレイナがここで最も危惧するべきと読んだあの者の機影が見える。
(……気に入らないわね、このプレッシャーみたいなもの。正直、つばめと静香で何とかなるとは思えないな)
ユウセイがふき飛ばされたのはシルヴィエ・クロイツの念動力者の機体の元。
まるでツインテールの様な妙な頭部をした白い簡素な機体だ。
レイナはこの機体に不気味な違和感を覚え先程からチラチラ気にしていた。
念動力者であるユウセイを利用して、そのツインテールの何らかの反応を見られる物かとの抜擢である。
(……それに。何だかんだ情に厚いユウセイクンが居れば最悪、奴に静香達が殺されてしまう様な事は無いと思うからね)
そこに最低限の保険をかけておいた。
今は敵だがレイナはどうか期待通りに動いておくれよと願っておいた。
600
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/18(月) 18:27:35 ID:gft2ET8E
>>599
「ああ、やっぱ吹っ飛ばされんだ。」
勢いよく、吹っ飛ばされた、
「激突は、避ける。」
ユウセイは、機体をそらし、逆にブーストをかけることで、落ちることを阻止する。
(待てよ、もしかして、)
明智大尉は、ピッドに阻まれている。
ヒツギも、戦意を喪失して、戦えない。
おまけに、レオンバルトもいる。
「多勢に無勢、俺が行っても、背後から彼奴等がくる。」
なら、そう思い、軍用回線を開く
「アルブレードより、ケルビル1へ、エンジェル9明智ライト大尉の援護をして貰っていいですか?、あの二人は俺がやりますから」
そう、連絡を入れる
601
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/18(月) 21:42:47 ID:Wt3wSd0w
>>590
命中を確認 あの物騒な対空砲火を一つ、無残な鉄くずに変えてやった
然し間髪いれず行われたのは、視界一杯に広がるといって差し支えないほどの弾幕
「コイツはいい!! こいつはいいぞ!!」
その中でこの男は、シールドを構えて笑っていた
けたたましい轟音、背筋を凍らせる死の気配、被弾を知らせる無数の警報
その全てが、あの懐かしき最前線、碌に制空権も取れてない中、電話一本でアヴェンジャーを届けた激戦区を思い出させてくれる
ソレを体現しているのは、ただのAM一機だというのだ
「やぁ久しぶりバニーちゃん!! さっきの戦艦にいたのは人違いだったようだな!!
熱烈な歓迎どうもアリガトウ!! これでこそ戦場!! 懐かしき我が家へただいまだ!!」
シールドに小さな穴が幾つも開き、覆い切れない箇所の装甲を容赦なく削り取って行く対空砲火
だが致命傷には程遠い、程遠いなら 反撃は十分に可能なのだ
ウィングに搭載されたロケットランチャー スタンバイ
トリガーを引き、発射される
「今度はイテェじゃすまねぇかもしれねぇぞ!!」
敵機ないし、地表に当たれば炸裂する榴弾が計4発 焔姫に向けて発射された
>>591
そんなご機嫌な戦場で一つの小さな異変が起こる
何のことはない レーダーに映る随伴機体が全て消えうせたのだ
「なんだ? いつもの故障か?」
ステルス性のその機体に気付くことも出来ず、ただ味方のみが消えたとなれば
その原因をレーダーの故障と考えるのも無理はないだろう
なに 何時もの事と拳を振り上げ、レーダーのディスプレイに一撃、壊れた機械はこうやって直す
だが幾多の機械を直してきた鉄拳も、正常なものを直すと言う高等技術は持ち合わせておらず
「なん・・・・攻撃だと!?」
ここで初めて自身が攻撃を受けたことを自覚する 自分の見える範囲全てに視線を向け、やがて発見する数瞬までそこにいなかったはずの黒い機体
型式は・・・不明、見たこともない、その風貌に薄気味悪さすら覚える
武装から近接特化型と判断をつけたその黒い機体は、すぐ近くの自分には目もくれずに、ヒツギへとコンタクトを取っている
いざとなったら援護に移るか? 焔姫とのタイマン中、ソレは中々骨の折れる援護だと、知らずの内に汗で濡れた掌を軍服で乱暴に拭い、今は焔姫への攻撃に専念する
602
:
その頃、諏訪
◆E8ckRIIdug
:2013/03/18(月) 21:54:14 ID:vUAXZLck
「レ、レイナが襲われている……何という事を!」
「はぁ、欧州の派閥が何やら。色々とガタガタしているようで」
諏訪大社。
激烈な弾幕戦の末に破れて“諏訪法性(の一つ。複数が現存している)”を奪われた、その当事者を調査中、マーガレット・ウィリアム=ウィルマース博士は……
「何とかしてレイナに救援を……法師、今こそ」
「ひょっとして、開祖普化の超機人とか期待してません?拙僧はそんな話聞いた事無いでござる」
虚無僧とは禅宗の一種“普化宗”に属する特殊な行脚僧だが、開祖である普化には色々胡散臭い話がある。
メグがつい期待するのも無理からぬ事だが、そうそう出てくる訳がない。
「しゅーん……」
「ああもう仕方がないでござるなっ!
気休め程度ならやってみるでござるよ」
>>592
ヒツギの脳裏に、声が聞こえる。
数日前に出会った、あの少女の声だ。
『レイナのそばにいてあげて……』
『よろしくお願いします……』
「……あの少年が、どれだけあなたの言葉を思い出せるか、為すべき事を為せるかまでは、分からないでござるよ……」
603
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/18(月) 22:16:28 ID:6mwQhHz6
>>590
>>592
>>601
黒い機体の腰部と肩部に備えられた計四つのマルチポッドからそれぞれ円筒状の物体が射出、一定距離を飛来すると灰色の煙を発し破裂
煙は忽ち焔姫達三機を覆い隠す。マヤ達に対して念の為、状況と相手の情報を伝える
「その煙幕には赤燐の成分が含まれている。赤外線も遮断するから相手の主兵装の威力は半減したと言って良い…まぁ煙幕内は漏れなく見えなくなるのが難点だが…少しの間は凌げるはずだ」
【「お前もレイナ側に付くのか・・・!!」 】
ヒツギのゲシュペンストの挙動は明らかに迷いを孕んでいた
無理もない
言ってしまえばヒツギがあんな機動兵器を駆るハメになったのは成り行きだ
如何にレイナを守る事を誓ったとして、それは極個人的な事情だ
そして頭にクソが付くほどの真面目さからの行動に対する責任、望まれるべく使命とで雁字搦めになる事は少し考えてみれば当然であった
「…まず、俺はお前を先に解放すべきだったかも知れない…が」
煙幕内で前傾、脚部が地表を踏みしめると脚部を中心に紅い稲光が発せられると同時に、そこには蹴りだした際に穿たれたであろう窪みを残すのみ
その姿はドロワナから射出されたロケットの上、射出された先から瞬時にその上を飛び移ると後に残された弾頭は時間差で破裂
その勢いを更に加速させドロワナの脇を抜ける
セバスちゃんの目に映ったその機体の足底部からはブレードが延びていた
ドロワナの後方の地表に着地すると同時に衝撃波と共に姿を消す
ヒツギの駆るゲシュペンストの目の前にムラマサの右腕部からの斬撃が迫る
その斬撃が衝突するかの刹那
衝撃波と僅かに削れた大地がその道なりを示していた
604
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/18(月) 22:43:31 ID:NgQeLKcs
>>594
フェザー・バレットが軽快な発射音と共に降り注ぐ。
風姫と雷姫は素早く左右に散開してそれを回避した。
「…エクリプスさん達が退路を確保するまで、あの機体は私達が抑えましょう!」
「はい、姉さま!」
インセイオンが降下してくるポイントに向けて駆け出す両者。
「スラッシュリッパー、発射!」
風姫のスカートアーマーから、四基の手裏剣状の攻撃端末が撃ち出され、
四方からインセイオンに襲いかかる。
>>601
「何が我が家よ! ニヤニヤしてんじゃないわよ、この戦闘狂!!」
状況が状況だけに、ゼハスチャンの朗らかな態度はマヤの気に障った。
苛立ちながらもドロワナの様子を見やれば、やはりアームファランクスでは大した被害を与えられていなかった。
(…このまま遠距離戦を続けるのは不味い…だったら!)
こういうときに決断を迷わないことこそがマヤの長所であり、強みである。
すぐさま焔姫のブーストを最大にし、向かい来る弾頭を掻い潜るようにしてドロワナへと真っ直ぐに接近していく。
ロケット弾のうち一発が、焔姫の胴へと直撃するかに思われた瞬間、マヤは背に負ったブルーティッシュ・ブレードを勢いよく抜刀した。
「せぇっ!!」
そしてその切っ先を、なんと地面目掛けて突き刺し、自身は高々と跳躍した。
さながら棒高跳びの要領。ロケット弾は焔姫の足元をすり抜け、遥か後方へと飛んでいった。
その勢いのまま剣を引き抜き、前方のドロワナへと突撃する焔姫。
「もらったぁぁ!!」
ブレードの峰に並んだスラスターが点火するや、その機体は一気に加速。
踏み込みと共に、横薙ぎの斬撃を浴びせにかかる。
605
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/18(月) 22:44:22 ID:vUAXZLck
>>603
「ちっ、弱いところをっ」
明らかに精彩を欠くヒツギを狙っている。
ラウディやレミーが事前に話すのを聞くと、ヒツギとレイナがカップル未満だとか何とか。そこに迷いがあるのだから、生粋の軍人であるレオンが突かずにいられないのは分からないでもない。
「やっぱり前に出るんだった……」
このくらいになるとその急な加速に対処して当てるのは簡単だ。だが、有効打になるかは別だ。
辛うじてラウディのアルゴス・ランチャーの長射程ミサイルが届くが……今度は命中の可否が別問題だ。
606
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/18(月) 22:55:22 ID:NgQeLKcs
>>603
「その声、レオンハルトさんですね!」
スモーク・ディスチャージャーという奴だろうか。
煙幕が立ち込め、辺りを覆い隠していく。
「援護ありがとうございます! これなら持ちこたえられそうです…!」
物理的な保護効果はもとより、視界を遮る煙は、自動追尾武器のスラッシュリッパーを主力とする風姫にとって追い風となり得る。
事態は好転している。静香にはそう感じられた。
607
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/18(月) 23:30:28 ID:Wt3wSd0w
>>604
「俺はトリガーハッピーだ!! 戦闘狂と一緒にするな!!」
そこは妙なこだわりがあるようで、マヤに叫び返す
だがそのタイマンにケチをつける機影あり
先ほどまでヒツギにコンタクトを取っていた黒い正体不明機
発射したロケットランチャーを踏み台にこちらへと向かってくる
脚部パーツに取り付けられたブレードを見れば、確かにアノ機体は近接特化型なのだろう
問題はすでにこちらの射程圏内の内側に入り込んでいること
「クソッタレがぁぁぁああああああ!!!!」
何とかドロワナと敵機の間にシールドを滑り込ませ 蹴り脚をブロック
シールドの表面に深く長い切り傷が刻まれる
>>604
一難は去った、確かに通り過ぎた
だがあと一難が舞っていたことに このときまだ気付いてなかった
ロケットランチャーの爆風の中 飛び立つ機影が一機
別の機体が接近中であるアラームが鳴り響く
「誰だ!? ・・・あのバニーちゃん!!?」
見た限りあの機体は地上用として作られた機体であった
それゆえに空中から砲撃と言うアドバンテージを持って無力化しようというシナリオだった
何をどうしたか分からないが、黒い機体の一撃に対処した結果、焔姫に背を向けてしまうと言う愚を冒してしまった
スラスターによる姿勢の制御、精一杯の悪あがき、長刀が煌き通り過ぎた
「ウィング一部欠損!! テスラドライブシステム異常!! ロケットランチャー片方ロスト!! マトリクスミサイルも一部失ったか!!」
背負ったウィングを両断され、ソレによる姿勢制御に異常、成すすべなく地上へ落下して行く、致し方ない 緊急着陸へと移行する
>>603-604
「ボマー3より各機!! 近接特化2機に張り付かれて劣勢!! 誰か救援を頼む!! 援護する側が救援を呼ぶか・・・!!」
通信をオープン、援護を要請 劣勢が続けば嬲り殺しにされるのは明白
「せめて着陸ぐらいは自力で頑張りますかね!!」
墜落するのは初めてではない、スラスターを駆使して姿勢を制御するが、敵が指を咥えてみているはずもない
「マトリクスミサイル!! ファイア!!」
黒い敵機に向けて大型のミサイルを射出、一定の飛行の後にガワが外れ、中の小型ミサイルが黒い正体不明機に向けて飛んでいく
そして焔姫に対しては右腕のリボルバーカノンを起動 弾幕を張って牽制を行う
608
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/19(火) 00:03:08 ID:NQVK3JuM
>>603
>「…まず、俺はお前を先に解放すべきだったかも知れない…が」
>ドロワナの後方の地表に着地すると同時に衝撃波と共に姿を消す
>ヒツギの駆るゲシュペンストの目の前にムラマサの右腕部からの斬撃が迫る
「!!」
瞬時に放たれた斬撃を察知し左腕のブレードを斜に構えて受け、腕を広げる動作と共に後方へ流す
ヒツギからして見たら本気で攻撃してくるなど夢にも思っていなかったはずだ。
瞬時に体が反応し、攻撃に対して防御体勢をとったのだろう
(やっぱり撃ってきたか・・・!)
だが切っ先を向けられることに対処は出来ても、逆にヒツギが切っ先を向けられるかは別の問題だ
しかしながらヒツギはレオンがそんな甘っちょろいことを言って居られる様な相手ではなく
ましてや言わせてくれるような人物でないことも知っている。
少なくとも現状のように防御に徹していては削られるのが目に見えている
「・・・クソッ!!」
横方向に動き間合いを取りながらGリボルヴァーの銃口がムラマサへと向けられると
一瞬の迷いの末に引き金が引かれシリンダーの回転と共に撃鉄が動く。
発砲による反動で軽く右腕が跳ね上がり、銃口からは薄く煙があがる
(今ほど自分の射撃の才能の無さを嬉しく思ったことは無ぇよ!)
ヒツギの射撃能力を考えれば、いくらリボルヴァーが比較的高火力と言えども命中精度は高が知れていた
さらに何時ものヒツギならば引き金を引きながら前に出たところだろう・・・が、今は横に逃げた
下がる訳でもなく前に出る訳でもない、ヒツギの心理状況をそのままに写し取ったものだと言えよう
609
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/19(火) 01:09:12 ID:Lj.Md1m6
>>606
>>607
>>608
【「その声、レオンハルトさんですね!」】
レイナはさておき、機体がここまで違っていても知るもの達には完全に特定されるとは、口角が思わず上がってしまう
先ほど脇を抜けた敵機ドロワナが思惑通りにこちらを向いて追撃
わざわざ無駄になるかも知れない砲撃を行う必要はないからだ
ミサイルコンテナから小弾頭達が解放される直前
こちらの攻撃に対して一瞬間が開いてからの横飛び、そして銃撃
ヒツギにとってもっとも適性の高いクロスレンジでの反撃の選択にしては余りにも
「中途半端な…」
ムラマサの上体を反らせる
ゲシュペンストから放たれる弾丸を避ける為ではない
弾丸は完全に飛び退いた方向へと逸れていたからだ
小型ミサイルの群が一斉にこちらに向けて迫る
反らした体制から倒立、脚部のブレードを展開し体を捻りつつ弧を描きながら飛び退くと切断された弾頭がムラマサとゲシュペンストとの間まで飛来
ムラマサの着地と同時に破裂した
立ち込める煙からムラマサのカメラアイの光だけが見える
「そんな半端な心構えじゃ…死ぬぞ?」
レイナを守って行くにせよ、実質連邦政府の人質である家族の為にせよ
ヒツギがこのままならば生き残ることさえ難しいだろう
そのいずれを選ぶにしても生き延びる事を考えさせる必要がある
ヒツギが仕掛けてこないならこの煙に乗じて敵部隊を攪乱、あわよくば数を減らすまでだ
610
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/19(火) 01:59:14 ID:NQVK3JuM
>>596
>「いや、レイナ・カーマイン以外は生死は問いません。あまり抵抗が激しいなら見せしめにいくつかに消えてもらっても別段、問題はありません」
この時ハーゲンは珍しく少しだけ驚いたような表情をしていた。
データ上だけで判断した明智ライトの口からは絶対に出てこないであろう過激な発言だと感じたからだ。
あの姫3機は所属不明な上に身元不明、利用する方法などいくらでも思いつく。
現に保護及び観察目的で手元に置かれていた程だ、一緒に戦っていたライトがそれを知らなかった訳ではあるまい
どちらかといえば穏健派の官僚タイプ・・・そう判断していたのだが。
もしかしたら正常常な思考状態ではなのかも知れない
「そう、そういうことならそれも良いね
それじゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」
ハーゲンはその目を細め、口を三日月形に吊り上げて笑みを浮かべる。
どちらにせよ結果が変わるだけでハーゲンが行おうとしていた工程そのものに違いは殆ど無い
むしろ楽になったというものだ
>>599
>>600
「邪魔」
飛ばされてきたユウセイの動向を確認することも無く
ましてや援護を求めることも無い、完全に介入してきただけの邪魔な存在としてのぞんざいな扱い。
戦闘真っ最中に突然やってくれば当然の対応ともいえるが、ハーゲンはそれとは少し違っているように感じた。
言うなれば邪魔ものとしての扱い以前に、その範疇にすら入っていないとでも言うべきなのだろうか
おそらくユウセイがこの場で帰艦したとしても引きとめもしない・・・そんな風な
>>603
>「その煙幕には赤燐の成分が含まれている。赤外線も遮断するから相手の主兵装の威力は半減したと言って良い…
>まぁ煙幕内は漏れなく見えなくなるのが難点だが…少しの間は凌げるはずだ」
「余計なことを・・・」
相手の放ったスモークがただのスモークで無いこと等瞬時に看破していた。
しかしながらビームの減衰を促す効果をあえて選択したようだが、相手がインセイオンのデータを持っているたは考えづらい
この機体の武装及びシステムは同じSK所属の人間ですら一部を除いて知らないのだから
となると見た目から実弾兵器は所有していないと瞬時に判断したということか
(流石はレオンハルト・シュナイダー・・・と言えばいいのかい?)
>>604
>>606
>風姫のスカートアーマーから、四基の手裏剣状の攻撃端末が撃ち出され、
>四方からインセイオンに襲いかかる。
インセイオンの掌にある球体、先ほどフェザーバレットを放ったそれが再び発光する
その輝きは一律ではなく、まるで脈打つように躍動し、発光を強めるとそれは輪となって両の手に齎された。
形状は天使が頭にでも乗せていそうな、光で出来た輪としか言いようが無い代物
両腕を翻せば掌に吸い付いているかのように追従すし、風切り音を響かせる。
その保持方法と見目から判断して、『チャクラムシューター』ではなく実在する円月輪『チャクラム』に程近い性質であろうか
持っていたスライサーをマニピュレーターの人差し指と中指で挟み、新たにもう2枚のスライサーを生み出して今度は中指と薬指で挟み込む
これで風姫の放ったリッパーと同じ4枚、こちらは機械による誘導ではなく念動力による遠隔操作
先ほどのチャクラムと言う例えが適切であれば、この兵装は・・・
「オービタルスライサー・・・誘導兵器対決なら受けたってあげるよ!」
両腕を振りかぶり、その勢いのまま4枚のスライサーが放たれる。
スモーク化では風姫に対しての有効打にはならずとも、リッパーを迎撃する程度の火力は持ち合わせているはずだ。
その通りに襲い掛かるリッパーと正面から衝突する形でスライサーが激突し4つの爆炎が上がる
「折角のプレゼントだから僕も使わせて貰おうじゃないか」
赤く照らされたインセイオンは、その機動力のままにスモークの中に突っ込んでくる。
あえて視界が悪い中に突っ込んでくるなど正気の沙汰とは思えないかもしれないが、ハーゲンの能力を考えれば無謀な選択肢ではない
念動力者としての素質を持つ彼はスモーク化でも気配を感じることが可能
先ほどスライサーでリッパーを打ち落とせた理由もこれだ、迎撃しようにもリッパーの位置を把握しなければ意味が無い
しかしリッパーの気配を感じることが出来ればある程度の予測が出来る・・・出来たと言うべきか
だがこの状況、実は未だ顔を出していない雷姫の存在があった
611
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/19(火) 04:35:28 ID:f71h2lmc
>>597
戦艦と言えば、火力と防御力に優れ、機動力の低いもの……リリーの砲撃も、そのセオリーに則って行われたものであったが、
アルプ・トラウムの挙動はそのセオリーを完全に超越していた。まさか、あの砲撃群をかすめただけで済ますとは。
だが驚いている暇はない。敵艦から射出された自動攻撃子機がこちらを狙っている。姿形からして、アイゼルネのものをスケールアップしたものだろう。
縦横無尽に動き回るフライヤーに対し、ずんぐりとしたアンジェでは、対処が難しい……。
「……とでも、思いましたか? その幻想をぶち壊します」
外付けされていた大型ブースターを切り離すアンジェ。
固められていた増槽とブースターから開放された背部には、十本の長剣のようなデバイスが装着されており、五対になるように設置されたそれは、天使の羽のように見える。
「ロング・ソードブレイカー、迎撃!」
無論、それは飾りで付いているものではない。ロング・ソードブレイカー。ナイト・フライヤーと同様の、独立攻撃端末。
勢いよく射出されたソードブレイカーはそれぞれに飛び回り、それぞれに迫り来るフライヤーに狙いを定めると、
迷いのない軌道を描き、高速でフライヤーへとその切っ先でもって突撃した。
これによってフライヤーを押し返したソードブレイカーは、さらにその身を縦に割り、内蔵されている砲身を露出させると、
フライヤーの内部機関へゼロ距離射撃を浴びせた。
大型化され、アイゼルネのものよりも強力になっているとはいえ、内部に射撃を食らってはひとたまりもない。
爆砕したフライヤーたちの爆炎の中から、ソードブレイカーたちは悠々と戻ってきて、アンジェの近くに滞空する。
「高速艦と解った以上、隙を見せるのはいけませんね。
甲斐、こちらスノウフェイル。敵艦をスキャンし、テスラ・ドライブを探して下さい。
高速艦と言えど、揚力機関を失えば航行できないはずです。そこを突きます」
『こちら甲斐、了解しました』
甲斐にスキャンを依頼したリリーは、再び両肩の衝撃砲でアルプ・トラウムに向けて2、3度砲撃する。
あの機動を見る限り、この砲だけで艦を無力化することは難しいだろうが、それでも進攻の妨げにはなるはずだ。
そうして砲撃を加え、敵艦を足止めしていたリリーの元に、ライトから返信が届いた。
どうやら遅れたことに対するお叱りは無いようで、少しホッとする。だが、どこか彼女の様子はおかしかった。
レイナと相性が悪い上、エリート部隊であるエンジェルフェザーを隊で送り込んだこの作戦において、
総指揮を勤める彼女が気負うのは無理からぬ事だとは思ったが、それを抜きにしても、あのギラつきっぷりは普通ではない。
姫と同様、リリーもこの戦いに疑問を抱いている一人だったが……ライトの様子がその疑問に拍車をかけたのは言うまでもなかった。
「…………っ、了解、しました」
だが、そんな様子のおかしいライトの指示に、多少救われた者も居る。アカリだ。
ユウセイに迫るミサイルの残りを撃墜した彼女は、そのままビームランチャーの銃口をアイゼルネに向けてはいたが、
指がどうしても動かず、トリガーを引けずにいた。
おかげでユウセイがアイゼルネに捕まって、どこかに投げ捨てられてしまったが、それでもトリガーにかかる指は凍ったように動かない。
次は自分が投げ捨てられるのか? ライトの言うようにこちらに接触してくるのか? 撃つべきか? 撃たざるべきか?
「レイナさん……」
ぐるぐると回る思考が、アカリの精神を加速的に削っていく。
612
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/19(火) 04:36:33 ID:f71h2lmc
>>605
,
>>607
「む、救援要請ですか……」
ドロワナからの救援要請と、戦況モニター確認したリリーは、アンジェの近くに滞空していた五基のソードブレイカーに指示を与えた。
長剣の姿をした独立攻撃端末たちはそう時間をかけずにトップスピードにまで加速し、手負いのドロワナを追撃しにかかるであろう焔姫を横から急襲した。
鋭い実体剣の切れ味を持つソードブレイカーだ、回避するか、何か防御手段を講じない限り、狩る側と狩られる側が逆転するのは必至。
「リューデル軍曹、そのまま焔姫に射撃を加えつつ、後方へ退避してください。すぐに援護機をまわします」
ソードブレイカーが焔姫に有効打を与えるか、それとも防御されるかはさておき、これで行動は阻害されるはず。
そう判断したリリーは、次にヴィルヘルムとラウディに通信を繋ぎ、
「ヴィルヘルム少佐、あなたの機体には修理装置が搭載されていましたね? 中破したラーズアングリフを後方に下げますので、応急修理をお願いします。
クーリマン軍曹、後方に下がるラーズアングリフの援護にまわってください。焔姫は突破力に優れた機体ですが、火力に優れたガトリングは既に破壊されています。
弾幕を展開しつつ、ラーズアングリフと共に後退してください。それだけで、かなり焔姫の進攻を阻害できるはずです。
こちらからも、ソードブレイカーによる妨害を行います」
二人の機体は新型のようだが、修理装置と補給装置を積んでいるのはこの状況では素直にありがたい。
上手くドロワナを援護し、応急修理を行えば、ドロワナを甲斐に帰艦させて、本格的な修理・補給を行うことができるだろう。
613
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/19(火) 06:43:12 ID:NQVK3JuM
>>609
>反らした体制から倒立、脚部のブレードを展開し体を捻りつつ弧を描きながら飛び退くと切断された弾頭がムラマサとゲシュペンストとの間まで飛来
>ムラマサの着地と同時に破裂した
ゲシュペンストとムラマサの間を激しい熱と光、音が分かつ。
ヒツギは切断されたミサイルを当たらないと踏んでいたらしく、怯んだ様子は無かった
>「そんな半端な心構えじゃ…死ぬぞ?」
「んな事は分かってんだよ!!」
半端な心構え、揺らいだ意志では自分の身を守るどころか誰かが犠牲になってしまう。
理解しているどころか既に経験済みだ、むしろこの経験が今のヒツギの立場を生んだといえる
そんな事が脳裏によぎったヒツギは目を丸くしてハッと何かに気づく。
『変わっていない』という事実に
この身動きが取れない絡め取られたかのような状況が、あの戦いの延長線上に存在しているならば
それはつまり何も変わっていない、何も払拭出来ていないという事に他ならない。
先ほどヒツギは分かっていると言った、むしろ分かっている気になっていた
自分は変わった、変わろうとしていたと。
守るために強くなるために努力をしていたと。
だが本当の意味で分かったのはたった今、こんな取り返しが付かない状況に陥って初めてだ
「俺はッ・・・!如何すれば良い・・・!!」
血を吐くような言葉はレオンへ問いかけたようにも聞こえて、自問自答にも取れた。
レイナとレオンと・・・ヒツギが彼らに出会ってから
初めて曝け出したであろう『弱さ』を具現にした言葉だった。
614
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/19(火) 07:08:11 ID:05M2PD0s
実のところ、一発も撃たずに話を終わらせるのがヴィルヘルムたちの理想だったがもう無理。
>>612
「了解(アイアイ、マム)、リューデル機を下げる……下げられるのかね?」
まだ不慣れだが、ビームコートやジャマー、シールド装備のこの機体なら多少の弾幕は凌げると思いたい。後はカウンターで撃ち返す。
『了解しました、焔姫を牽制します』
ラウディ機の背中のハードポイントに取り付けられたミサイルポッドから、合計20発のミサイルが放たれた。
【ヴィルヘルム、《集中》を使用してからゼバスチャンに隣接、修理装置を使用】
【ラウディ、《狙撃》を使用してから5連長射程ミサイル×4で焔姫を攻撃】
615
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/19(火) 09:19:30 ID:.k4n23yk
>>600
【「アルブレードより、ケルビル1へ、エンジェル9明智ライト大尉の援護をして貰っていいですか?、あの二人は俺がやりますから」】
「いいえ。ケルビム1はこのまま雷姫、風姫を殲滅してください。
こちらは気にしないで良いですよ」
ガブリエルに追従して来た鬱陶しい蝙蝠達は、今しがた振り払った。
ユウセイの様に突出した能力は無いが、ライトもぺーぺーと言う訳では無かった。
一応、パイロット面でもちゃんとしたゼネラリストである。
(……それに。ハヤミ中尉の甘さが命取りになるかも知れないしね。気心の知れないハーゲン少尉が機械的に仕留めた方が良いに決まっている)
最新鋭の部隊と人材。それが揃いも揃って攻めあぐねている現状。士気の面でも頭数をすぐにでも減らしたい。
これ以上レイナ一行を調子に乗せてたまるものか。ならば愚かな仲間の死を持ってしてこの流れを断ち切ろうと試みた。
>>606
「静香、つばめ。あのツインテの機体には必要以上に気を付けなさい。まだ詳しくは説明不可能だけれどこの邪王真眼が危険と判断しているわ」
上手く立ち回っているつばめと静香に主からの未来のお告げが下される。
まだインセイオンのプレッシャーの根拠は見えていないので、レイナもアドバイスをしてやりにくい。
「でも命を張る必要は無いし許さない。危なくなったらレオンハルトを呼びなさい。回収に向かわせる。
悪いけど、私の方はそれどころでは無くなるから」
こちらに加勢してくれる貴重な存在が勝手に死なれては困るし、彼女らもこんな他所の世界で終わるのは嫌なはずだ。
そして蛇足な感じで自分に降りかかる災厄も見えているかの様な事を言い残した。
>>611
「…あら。意外と芸達者な。もー……老骨のジガンのくせに」
ジガンタイプに遠隔操作されるソード・ブレイカーの鋭利な刃にこちらの蝙蝠の群れは凪払われてしまった。それもまたあっさり。
カナメは相手機体を好き勝手に貶しつつもメカニズム的に見て理に叶った見事な仕上がりだと実は称賛していた。
「ふむ……これじゃあ甲斐を突破するにはまだ無理っぽいか。レイナ達も手一杯みたいだしね。長居は嫌なんだけれど」
甲斐のスキャンにより、アルプ・トラウムが調べられているのを察知。まぁ甲斐の事はこちら側も知り尽くしているのでようやくおあいこと言ったところか。
「それでいてこちらはあのジガンタイプに有効的な手が殆どありませんから。こう張り付かれては厄介ですね、実際。
こちらをよく理解してらっしゃる」
敵の手並みに苦笑いするイクリプス。
ジガンタイプの衝撃砲での妨害を艦船離れした機動にて何とか直撃せずに凌いでいるが、流石にイクリプスの手を持ってしてもこれではいずれ無茶が出る。
こちらも対空迎撃用のホーミングレーザーをジガンスクードへ照射するが、あの盾には焼け石に水かも知れない。
【アルプ・トラウム:残りHP80%】
>>611
【「レイナさん……」】
「アカリ。それで私を撃たないのか?反逆者を倒す絶好のチャンスなのだがね」
すでにビルトラプターにビーム砲を向けられているが、物怖じせず堂々とした口調をもってして会話に突入する。
この様子ならアカリは連邦のやり方に迷いや疑いを持っているのだろうか?
もしそうならば、出来れば彼女を我が物としたい。
「半身と認めたあなたとは銃を向けずにちゃんと話がしたかったわ。今でもそれは変わらないけれど、どうしよう?
私は、あなたが欲しいわ。……あなたとなら災厄の未来を変える事だって」
まるで告白でもするかの様な紛らわしい台詞に、通信を傍受していたライトの方が一瞬ドキリとする。
しかし、この展開はライトにとって正に望ましい展開。
ライトの思惑通りにレイナはアカリを勧誘しにかかったのだ。
『グッド……。では一芝居打ちましょう。内通疑惑により、あなたのビルトラプターを撃ち落とすといった陳腐な物です。
クレマチ伍長の反応速度なら見せかけのトリックが可能でしょう。
後は仕上げにレイナ・カーマインの気を引くような台詞を残し、森林地帯に誘導願います。大丈夫必ず彼女は釣られます』
そしてライトは今後のレイナとアカリの信頼という物を完全に壊し、引き裂くような醜悪な三文芝居を引き起こそうとしている。
いったい、小田原フェスタに参加していた時の様な誠実で何処か委員長っぽい彼女はどこに行ってしまったのか?
616
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/19(火) 20:46:19 ID:X2HUs0Bc
>>607
ダメージを負い、地表に降りるドロワナの姿に目を光らせるマヤ。
「チャンス! このまま一気にっ…!!」
リボルバーカノンの弾丸は剣の腹で受け止める。
うち一発が肩をかすめて火花を上げたが、マヤは怯まない。
【HP85%】
>>612
しかし、事はそう上手くは運ばなかった。
「……なっ!?」
死角から飛び出してきたのは、ブルーティッシュ・ブレードをも上回るサイズの巨大な剣。
ソードブレイカーによる援護攻撃は、完全にマヤの間隙をつく形で焔姫に命中した。
「うあぁぁっ!」
反射的に急所は外したものの、大きく吹き飛ばされる焔姫。
砂煙を巻き上げながら、どうにか2本の足で着地する。
結果的にドロワナとの距離は一気に開いてしまっていた。
【HP70%】
「くぅっ、逃げられた!!」
>>614
次の瞬間には、また別の機体から放たれた四基のミサイルが迫り来る。
「ちょっと、なんであたしばっか狙ってくるのよ!?」
駄々っ子のように叫びながらも、即座にファランクスを連射。
ミサイルは一基残らず叩き落とされ、進路半ばで爆散した。
「あーもう……レイナ! こっちに援護とか回せないワケ!」
そう口にした瞬間、マヤは少し後悔した。
これではまるであの高慢ちきな邪気眼女に助けを求めているようで、不本意極まりないではないか。
>>610
「くっ…!」
スラッシュリッパーはチャクラムに弾かれ、すごすごとスカートアーマーに戻ってきた。
敵側もまた誘導兵器を持っている。
これでは、スラッシュリッパーはさしたるアドバンテージとも言えない。
しかし敵機が無謀にも煙幕の中に突入したことを察知したことに、静香は勝機を見た。
「つばめ! 今よ!」
「はいっ!」
インセイオンの後方から、黒煙を破って飛び出したのは雷姫。
「チャクラム・シューター!!」
「はあっ!!」
正面に待ち構える風姫を交え、鮮やかな挟撃が放たれる。
薙刀と電撃チャクラムが、一寸違わぬタイミングでインセイオンを討たんと迫る。
>>615
「はい。ですが、何とか抑えて見せます! レイナさんは引き続き甲斐の相手を!」
慢心があるわけでも、油断があるわけでもない。
しかし、静香達はまだ気付いていなかった。
目の前の敵が秘めた恐るべき力に……
617
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/19(火) 21:41:00 ID:UalR53dY
>>610
>>「邪魔」
(邪魔言うなよ。)
その、言葉を必死に押さえながら、
ほっとくことにした。
あの二人の反撃からして、十分な対抗は出来る。
そう、ユウセイが判断してしまったのが、彼女達の運の尽きだった。
>>615
>>「こちらは、気にしなくても良いですよ」
(明智大尉め、意外と、しぶとい。)
味方なのに、そんな酷い事を考えてしまうユウセイ。
(T-linkで、バレッド隊の情報を使えないかな。)
全ては、彼奴等を、生き残らせるために、
必死に策を考えている。ユウセイ
>>516
「まずは、彼奴から行くか。T-link」
念を収束させ、刀の形へ形成させていく。
「突撃娘、先ずは、お前からだ。」
(あの大剣を潰せれば、殆ど彼奴の武装はない。)
左肩を狙いほむら姫に、迅速の型の、衝撃波を放つ
618
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/19(火) 22:55:23 ID:aRhznTnw
>>612
>>614
>>616
姿勢制御 着地
高度からの強制着陸にハンパない振動がコクピットを揺らす
牽制の弾幕をものともせず突っ込んでくる焔姫、進退窮まったかと冷や汗が吹き出る
だがありがたいことに援護の手、何処からか飛んできた長剣がドロワナと焔姫を引き離す
見れば空にそびえる鉄の城・・・というわけではないが、見るものを圧倒する巨体
宇宙では忌まわしき存在と称されるジガンスクード
それが遠隔操作で長剣を放ったのだ
弾き飛ばされた焔姫を待ち受けていたのは、これまた援護の手 アレは量産機か何かだろうか?
20発のミサイルを放った後、近接して修理を行おうとする
「こちらボマー3!! 助かった 後で一杯奢らせてくれ
あと修理は手すらドライブ・ユニットを復活させて欲しい!!」
マズは礼を言うのが礼儀 その後に修理に入る量産機へと要請を出す
「了解だ量産機、一端後方に下がる だがあのバニーちゃんにはお返しをしてやらねばな!!」
弾き飛ばされた焔姫を睨み、不敵な笑みを浮かべる 背中にマウントされたガトリング砲が回転すると共にドロワナの頭部が同体内へと収納されていく
「ボマー3より各機へ!! これより敵アーマード・モジュールに対し スーパーアヴェンジャーによる集中砲火を仕掛ける
付近の味方機は、射線上からの退避をお勧めする!! 警告はしたぞ、後での文句は一切聞かん!!」
無線で中尉を呼びかける、回転したガトリング砲は収納された頭部の上に装着、恐ろしく巨大な七砲身が焔姫に向けられる
「機首と・・・」
その砲身が円を描く、敵を討ち滅ぼさんとする下準備
「同軸ッ!!」
轟音を持って紡がれる歌は滅びへの賛歌、今ここに物理的な消滅を
「アヴェンジャアアアァァァァァアアアアアアアア!!!!!!」
その瞬間 放たれた弾頭は死を呼ぶ彗星
右腕に括りつけられたリボルバーカノンとは比較にするのも馬鹿らしい
ラーズアングリフ・ドロワナが持つ最強の兵器が、焔姫へ炎を吹き上げた
619
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/19(火) 23:05:19 ID:aRhznTnw
>>618
修正
>手すらドライブ・ユニット ×
テスラドライブ・ユニット ○
ついでに追加を
>>609
こちらが発射したマトリクスミサイルをこともなげに対処してなお、ヒツギへとコンタクトを取る正体不明機
「クソッタレ・・・ナニモンなんだアイツは」
なにやら行動を開始しようとしているらしいが、今は焔姫への攻撃を優先
警戒を怠らぬようちゅういしながら、焔姫への攻撃を続行する
620
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/20(水) 00:59:06 ID:JCr4r.06
>>610
『一般的な機動兵器にとっての完全な暗闇』に敢えて突き進む趣味的とも言える不気味なフォルムのソレの行動から
奴には熱光学、赤外線及び電磁波に依らない感知システムと対応した攻撃システムが存在するという根拠にしておくには充分過ぎていた
(しかし、俺の身も一つ。ここはしばらく二人に任せる他はないか)
>>613
【「んな事は分かってんだよ!!」】
…この余裕のない反応を見る限り、どうやらライト…いやSKの闇とでも言うべきか
『かつて』のチョロい彼女を扱うが如く、簡単に出し抜ける状況では無い事を告げている
ならば、『こちらも』カードを切るべき時だ
【「俺はッ・・・!如何すれば良い・・・!!」】
ミサイルによる煙幕は衝撃波と共に霧散したと同時に、その向こう側に居たはずのムラマサは背部にマウントされていた小太刀、ムラマサブレードを抜き放つと瞬時にゲシュペンストの真正面から激突
辺りに響く衝突音と共にゲシュペンストの胸部、コクピットの真上を刃先が紅く煌めく黒い刀身の小太刀が貫いていた
「聞こえるかヒツギ。今ナノマシンを介して、お前の機体に有線で通信している」
ヒツギ側のディスプレイに表示されるステータスは致命傷を負っていることを告げており、この状況は甲斐の方にも既に行き渡る情報である
しかし、それは偽報だ
ムラマサに使用された特殊なナノマシン
これは通常、切断の再に刀身に触れている部位に浸食し攻撃、また刀身に付着した物質を分解する事でムラマサのエネルギーとするものだが
通常の機械や一般的な機動兵器に向けて使われた場合
コンピューターを破壊せずに回路に接触することで有線接続を行うことが出来
またダミーサーバを作成し内蔵電池の許す限り各種電子的な妨害を行うことをも可能としていた
実のところヒツギのゲシュペンストにはダメージは無いも同前と言える
「お前のじーさんな。顔が広くてな。ある理由でお前は後ろを心配する必要は無い。後は…解るな?」
もう少し話しておくべきなのだが、状況が許してはくれない
接続を解除し、ゲシュペンストから刀を抜き、背を向けつつ振り払ってから切っ先を鞘へ滑り込ませ、セーフティーの動作を確認
621
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/20(水) 00:59:41 ID:JCr4r.06
>>620
続き
鞘にセーフティーが赤から青へと切り替わり完全に刀が収まった事を知らせると同時にゲシュペンストが仰向けに崩れ落ちる
>>616
ほぼ同じ戦場に居る筈の焔姫に攻撃が集中している!
こちらのステルス性能と高速格闘による自衛力が返って彼女に負担を掛けるているという事か
「数が足りていない状況なら使わざるを得ない」
ムラマサの右腕を左肩の後方まで持っていき何かを掴むように握りしめ引き抜くような動作と共に背部から短剣状の物体が8基、等間隔で数珠繋ぎのように現れるとムラマサを取り囲む様に展開浮遊する
>>612
ジガンタイプの攻撃子機の迎撃をプログラムするとムラマサの周囲の子機達は周囲にとけ込み見えなくなる
>>617
ヒツギとは打って変わっての殺る気のオーラがダダ漏れしているのは念動力者でない俺でも判った
「まったく…これこそが奴らが欲する理由だからな」
ヒツギとの接触の為に来た道を同じ様に引き返す
アルブレードがその刀を抜き放つと焔姫にその狂気が接触せんとした。そのとき
「うおおおおおおおおおおおお!!!」
爆音と共に衝撃波が伴い黒い機影を中心に地殻を削り、周囲の木々は木っ端微塵に爆ぜる
焔姫とアルブレードの衝撃波の間にはムラマサが立ちふさがっていたのだ
衝撃波に対して、その妖刀で防ぎ支える。尚も喰いちぎらんとするその狂気とシノギを削る
カメラアイが一層、光を増すと全身の装甲の隙間から紅い光がこぼれ出す
「ぬぅおおおおお!!!波ぁ!!!!!」
ムラマサブレードの輝きが最高潮に達したであろう、その時、衝撃波を押し切りその刀身が振り抜かれると斬り裂かれた衝撃波と振り下ろされたムラマサブレードにより大きく大地が隆起し津波の様な体を示す
「まただ!!」
隆起した大地を高速で駆け上がり、その先端に到達するや否や姿を消すと
ムラマサはアルブレードの脚を掴み空中ブランコの様に回転
「墜ちろぉぉ!!!」
>>619
ドロワナの射線を遮る様にアルブレードを投げつける!
622
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 04:09:09 ID:mGUEQ9JA
>>616
>「つばめ! 今よ!」
>「はいっ!」
「しまった、後ろに・・・」
前から迫る風姫の薙刀、後方からは伏兵としての雷姫のチャクラム
虚を付かれただけではない、その武装の大半が光学兵器であろうツインテールの機体は
このスモークの中では満足に攻撃もできまい、流石の状況にハーゲンは狼狽えた
>正面に待ち構える風姫を交え、鮮やかな挟撃が放たれる。
>薙刀と電撃チャクラムが、一寸違わぬタイミングでインセイオンを討たんと迫る。
「・・・って言って上げたいんだけどねぇ!」
薙刀を手に迫る風姫の右側面からスモークが巻き上がる、何らかの物体が下から掬い上げるようにスモークを掻き分けている。
空気どころか地面ごと削り飛ばしながら迫ってきているそれには、視線を移して見えるのは壁、白い壁にピンク色の刃が1、2・・・5つ
それぞれの基部にどこかで見たような半球対があり、壁の中心にはそれらを一回り大きくしたかのようなものが備えられ合わせて6つ。
「所がそんなに上手くいかないんだよねぇ!!」
この壁の正体は後方から迫る雷姫ならば用意に理解できたはずだ、なぜならその全貌が丸々見えているのだから。
真正面から激突し火花を散らす電撃チャクラムなど意にも介さず、雷姫の元へ一直線に伸びてくるそれ
『腕』だ、それも雷姫を鷲掴みにできる程に巨大な・・・特機ですら搭載しないような狂った大きさの。
その腕が繋がっているのは目の前の白い機体の後頭部。
そう特徴でもあった『ツインテール』がそのまま腕に切り替わったのである
最初から擬態させていたのだ、その大きすぎる腕を、インセイオンの持つメインウェポンを
斬艦刀等に称される超巨大兵器に対して素手によって対抗するという馬鹿げた代物。
それらに正面から打ち合えるように、強度と出力に極限まで特化させた結果として
斬艦刀に渡り合う為に斬艦刀クラスの大きさまで巨大化してしまった『化け物の腕』である。
「ククッ・・・アッハハハハハ!」
その狂気の一振りで風姫を横殴りにして吹っ飛ばそうと、雷姫はその人外の豪腕で足を掴み取ろうというのだ
623
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 07:36:42 ID:j8atmGe.
>>616
【「あーもう……レイナ! こっちに援護とか回せないワケ!」】
「このウツケモノめ。君は戦闘ぐらいでしか役に立たないんだから情け無い事言わないの。もっと粘りなさい。ね?」
つばめや静香に対しての態度とはまた違い、このマヤに対しては何かと神経を逆撫でする様な口調になりがちなレイナ。
でも、あえてこのぐらい言った方がこのマヤ・ランベリーという娘は燃え上がるかも知れない。
実際、出撃可能な余剰な戦力は無い。
戦闘可能なアイゼルネ・ラーゼン隊の面々は左右と背後の敵の軍勢を抑えている。
彼女らが防衛線を張っていなければ今頃、うじゃうじゃ敵の増援がこの場に押し寄せて来ていただろう。それは理解して欲しい。
>>620
ライトの見ているガブリエルのモニターでも確認出来るが、ヒツギのゲシュペンストからは危険を意味するレッドシグナルが発生していた。
「ハヤセ少尉が討たれた!?」
肉眼で確認すればすぐに解るちんけなペテンだが、その場とはかけ離れているライトはレオンハルトの思惑通りにその偽の情報に乗せられてしまった。
「ハヤミ中尉、黒いアシエルを破壊してください!縦横無尽で大変危険です!」
ゲシュペンストをやったアシエルもどきをライトはすぐに掃討する指示を出す。
丁度、暇そうにサボっていたユウセイを見かけ、レオンハルトへぶつける。
>>621
アシエルもどきことムラマサとの交戦開始後アルブレードはまたしてもプラスチック製玩具の様に他所に投げつけられた。
しかも今度は味方ラーズ・アングリフの一斉射撃の最中へ射線内へと入れられ邪魔をしてしまうのだった。
「……何をしてるんですか?」
ユウセイにはしれっと冷たいライトの呆れた様な失望した様な声が聞こえるだろう。ちょっと怖い。
624
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 09:14:24 ID:mGUEQ9JA
>>620
>ミサイルによる煙幕は衝撃波と共に霧散したと同時に、その向こう側に居たはずのムラマサは
>背部にマウントされていた小太刀、ムラマサブレードを抜き放つと瞬時にゲシュペンストの真正面から激突
「!」
ヒツギの体が自然に反応する、どれだけ追い詰められていたとしても経験から導き出される反射は絶対の物だ。
相手に対して逆に踏み込み、真正面からの突きを下から上に払い上げるように弾く。
通常の刀だったならこれで至近距離に入り込み、刃渡りが邪魔をして刀を振るうことが困難になる
だがムラマサの武器は小太刀。
この技術は相手が一般的な刃渡り以上の長さを持つ刀を使っていることを前提とする
それは至近距離で扱うことを前提に作られた刀剣の場合、逆手持ちという手法によって容易く看破されるからだ
「しまった!!」
小太刀だと最初から気づいていれば対応もまた違っただろう、だがそれはもう遅い
弾き上げたはずのムラマサの刃は瞬時に下向きに変わり、打ち下ろすようにゲシュペンストのコックピット上を貫く。
瞬間的なレオンの切り返しを受け、死んだとヒツギは確信していた・・・居たが・・・
「・・・あれ?」
コックピット内の機器からは警報が鳴り響いてはいるが、実際付近に致命打を受けたはずのコックピットは爆発もショートも破損も起こっていない。
切断されたであろう回路を考えればメインカメラの機能に支障があっても可笑しくない筈だが、きちんと写っている
(刺さってるっていうより・・・くっ付いてる?)
>「聞こえるかヒツギ。今ナノマシンを介して、お前の機体に有線で通信している」
「レオン!?有線ってことはまさかその刀を通して・・・」
有線での会話ということは秘密通信を用いなければならなかったと言う事
つまりヒツギ以外の人間には聞かせなくないということに他ならない。
本当に壊れたのか機体の動作確認をしようと考えていたのだが、欺く必要があると判断した為にそれを取りやめる。
敵同士という立場でワイヤーをつないで会話するのは不可能、そこで特殊な武器を突き刺して送り込んでいるということか
「なんて滅茶苦茶を・・・」
>「お前のじーさんな。顔が広くてな。ある理由でお前は後ろを心配する必要は無い。後は…解るな?」
「!! じーちゃんが・・・って待て、おい!!」
ヒツギの祖父であるコウゼン・ハヤセの存在を何故かレオンの口から受ける
その内容からして祖父の身、いや家族の身柄に関係しているのだろうが事の詳しい内容を聞く前にレオンはゲシュペンストから離脱してしまう。
小太刀が引き抜かれると同時にゲシュペンストの足が崩れ、そのまま大地に膝を尽いてしまった。
だが機能が停止した訳ではなさそうだ。
一応システムが再起動しているがかなりの負荷を受けたらしく処理が重く、また偽装する為に中身もしっちゃかめっちゃかにされてしまったらしい
再起動中に画面を見ているだけでも、機体の固定識別信号どころか開放している通信チャンネルに至るまでご丁寧に全部書き換えられている。
連邦からしてみたら一切の連絡や確認が取れない、つまり『死んでいるようなもの』で
つまり今のゲシュペンストは文字通り亡霊、もし今歩いたら死んだのに動くゾンビか何かの様なものとなるだろう
625
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 11:52:52 ID:z/IW14OY
>>618
「やばっ、あれって」
アヴェンジャーだっけ?
発射態勢に入ってる。
ほむら姫が、撃破 いや、最悪、死ぬ。
しかし、生憎こちらも迅速の型を放った後
体勢を立て直すには、時、既に遅し
>>621
「へっ?衝撃波を、叩き落とした?」
「それと、」
あの、黒い機体は、一気にこちらに突撃する。
「まずっ、」
そのまま、投げ飛ばされた。
「邪魔してごめん、ゼバスチャンさん。」
>>524
>>「…何をしてるんですか?」
「あー、その、投げ飛ばされた。としか説明が付きません。」
説明を、するにはこれしかないが、説明になってない。
「まぁ、ほむら姫に攻撃はしたんですけどね。効果あるか分かんないですけど」
投げ飛ばされた時に、ほむら姫にロシュセイバーを投げたのだ。
その証拠に、ほむら姫の両肩と、頭に、刺さってるものがある。
「それと、ヒツギは、まだ。生きてます。ロストしてますけど、亡霊とか言わないであげてくださいよ。」
>>624
「ヒツギ、生きてるよな。おい」
通信が、繋がらない。プライベート通信も
「システムを、書き換えられたか。」
あらと、あらゆるシステムを、書き換えている途中、
恐らく、今は再起動のスタンバイ、
「何をするか解んないな。」
とりあえず、ヒツギの動向にも最新の警戒を払うことにした。
626
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 12:46:19 ID:iEdYsKyo
>>617
「くっ!」
衝撃波を素早く跳躍してかわす。
太刀筋さえ見えるなら、ダイレクトモーションリンクの機体には難しくない芸当だった。
「なんなのよもうっ!! あたしに斬られたい奴は一列に並べっ!!」
>>618
などと無茶苦茶を言っていると、視界の片隅に遠ざかっていたドロワナが、何やら大仰な動作を図っていることに気付いた。
注視すれば、背負っていた特大のガトリング砲を前方へと展開し、焔姫に向けて狙いをつけているではないか!
「ちょ、ちょっ…! 仕返しにしたってそれはやり過ぎでしょ!?」
視覚情報に頼る限りでも、その口径は焔姫の対特機ガトリングを大幅に凌いでおり、威力の程は優に想像がついた。
集中攻撃を受けて身動きの取れないこの体勢では、どうしたって直撃は免れないだろう。
>>623
「あんたに期待したあたしがバカだったよーっ!」
ほとんど涙声で叫び返すマヤであった。
>>625
あわやスーパーアヴェンジャーの火力が焔姫を蜂の巣にするかと思われたそのとき、
両者の間を遮るように、突然何かが
吹っ飛んできた。
「はっ!?」
アルブレードだ。
どういう理由かはわからないが、何か尋常ではないパワーで射線上に放り込まれてきたらしい。
苦しい体勢から無理矢理ロシュセイバーを投げて攻撃してきたが、反射的に切り払うことができた。
「な、何だか知らないけど、とりあえずラッキー!」
結果的に難を逃れたマヤは、踵を返して後退する。
これで複数機に囲まれている状況だけは何とか打開できるだろう。
627
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 12:58:45 ID:iEdYsKyo
>>622
連携のタイミングは完璧だった。
前後から放たれた攻撃はインセイオンの四肢を破壊し、戦闘能力を奪うことができる……はずだった。
「…!?」
つばめは目を疑った。
斬り込む風姫の側面から、煙を引き裂くように、何か巨大な物体が迫っている。
それが“腕“だと認識するのとほとんど同時に、つばめは叫んでいた。
「…姉さま、避け…!」
「えっ…?」
だが、遅かった。
目の前の機体のサイズからはおよそ想像できないような巨大な腕が、風姫に激突し、吹き飛ばしたのだ。
「あああああぁぁっ!?」
煙幕の外へと、勢いよく飛び出していく風姫。
「姉さま…! あ、ああっ!?」
そして、それに樹を取られたが最後。
雷姫は片足を、異形の腕にガッチリと掴まれていた。
628
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 14:49:18 ID:mGUEQ9JA
>>627
「緑の子はそこで休んでいるといいよ」
弾き飛ばした風姫に声を投げかけると、スモークの色が周囲の空気と混ざり段々と薄く広がってゆく
インセイオンの巨大な腕が空気を丸ごとかき混ぜたのだ、未だ濁った空気の中に複雑に浮かび上がるピンク色に発光したライン
そしてインセイオンの姿が、その事実が日の下へと晒された
丸みを帯び細身に見えていた体つきはどこに消えたのか
段モールドに見えたそれらは全て装甲の継ぎ目、スライドし位置を変えたのであろう装甲は盛り上がり一回り太く大きく見える。
それによって露出した内部のフレームは体中に付けられた球体を繋ぐ様に全身を走り
念動力が垣間見せる緑とはまったく違う、生々しい肉かと思わせるようなピンク色に発光していた
そして頭から生えた巨大な腕・・・それは装甲のスライドによって一回り大きくなったはずのインセイオンの全長22mを遥かに超える大きさで
巨大な掌は勿論、前腕の半分まで引き摺るという表現すらできそうな程に大きく余らせていた。
爪は一本一本が起動兵器の腕一本に匹敵するのではないかと思わせる巨大さ
スラスターの排出口に見えた部分が丸ごと折りたたまれた爪だったのである。
側面にある噴出口は擬態している際はサブスラスターに思われたが
この巨大すぎる腕を高速で制御するためのサイドスラスターの仮の姿だったようだ。
手の甲や前腕に当たる部位は複数のピンク色の球体が見え、またハンマーを思わせるような分厚い装甲に覆われていた。
こんな馬鹿げたものを武装ではないと何故判断したのか疑問にすら感じるような変貌、
化け物の左腕に片足を絡め取られた雷姫を、タロットの吊るされた男を髣髴とさせるままに宙吊りにして自らの眼前へと持ってくる。
「クックッ・・・後ろからの攻撃なんて僕には無意味だよねぇ」
上下が反転した雷姫の頭部に自らの頭部を近づけ、まるで嘲笑うかの様に指を傾ける
直後そのインセイオンの頭に中央から縦一文字に亀裂が走る、それは左右に割れてフードでも脱ぐかのように後ろへと降ろされた
なんと顔であると思っていたものは実際は頭部を多い囲っていただけの代物、ヘルムのようなものだった
バックパックについていた左右のユニットが開き、腕の基部となっているそれが接続されると
まるでパズルのピースでもはめた様に、顔に見えていた面影など一瞬にして消滅した
その本当の顔といえば・・・球、もっというならば半球型、人型兵器の頭部とは思えない非常にシンプルな姿。
だが三日月型にくり貫かれ内部のピンクフレームが露出している部位は
長方形の格子状に線が走っている事もあり、ニヤニヤと大きく開いて歯を露出させた口にしか見えない
そして球体の上部には小さな六角形の集合体が広がっていた。
六角形の集合体に視線を合わせていると、それぞれの中心にある小さな点が動いたように見えた。
いや確かに動いている、それぞれが前後左右バラバラに、無作為に、ギョロギョロと、グチャグチャと
そしてそれらの動きがピタリと止まったかと思うと、一斉に雷姫の方へと向けられる
虫の複眼を思わせるような大量の眼、100は優に超えているであろう数。
後ろからの攻撃が効かないと言ったのも頷ける、上も後ろも横も死角になぞなる筈が無い
その異形の姿は人型兵器の範疇を超えていた、小天使等では、ましてや智天使ですらない。
インセイオンの名の通り、狂気が塊となって生み出されたかのような存在だ
ぶら下けられた雷姫のもう片足を化け物の右腕が掴んだかと思えば
足るんだ糸でも伸ばすかのように、そのまま左右に思い切り引っ張り開かれた
「股から裂こうかと思ったけれど・・・女の子相手にそういうのは良くないよね
僕はフェミニストだから君を殺したりしないよ、安心してくれていい」
この異常な状況を感じさせない、天使のような笑顔をつばめへと向けた
//まだまだ続くんだよねェ!
629
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 15:25:43 ID:mGUEQ9JA
>>628
の続き
「それに勿体無いじゃないか、見せしめにするのに死んじゃったら」
「泣いて喚いて叫んでのた打ち回って生きて貰わないと、そうすれば助ける為に人員が割かれて戦列が崩れる
何よりその様に怯えて動きが鈍る、見せしめに消せなんて・・・彼女も生易しい事を言うよね」
この男が笑顔で吐き出す言葉は狂っているようにも聞こえるが、戦場に置いて導き出された正しい理論に基づく内容だった。
古来よりわざと生かさず殺さずで斬り捨て、苦痛に跳ね回る様を見せる事で敵の士気を殺ぎ
また危険な兵器といわれる対人用地雷も、調整された威力によって体の一部だけを吹き飛ばし同様の効果を与える
過去幾度も実用されてきた術なのである
インセイオン本体の右手、オービタルリッパーを生成して見せたあの球体が輝き再び光の輪が形成される。
だがそれは輪というには太く大きすぎる、そして刃物というには形状が乱雑すぎた
チャクラムだったら刃になるであろう外周が一切整えられていなかったのだ
そんなものは尻目に光の輪を備えた手首をスナップを効かせ回す様に振ると・・・
ギギャアアアアァァァァァ!!
戦場に劈くような音が木霊する、輪が高速回転を始めたのだ
回転が空気を巻き込んで引き裂き、歪だった形状が真円に見えるほどの速さ。
光で形作られたこの物体、誰しもが一度見たことがあるはずだ
・・・鋸、中でも丸鋸と呼ばれるそれを彷彿とさせた
だとすれば、あの不均一な形状もノコギリの刃としての役割を持たせるためのものだと納得がいく
「鋸っていうのは刃物とは少し違うんだよ、刀とかの刃物は細胞をほぼ変形させないで切るんだ
だからそういう切り傷って言うのは縫合で治せる、でもねぇ・・・」
丸鋸を自身の化け物の右腕装甲にほんの少しだけ接触させる
すると耳を塞ぎたくなる様な音と共に鮮やかな火花が咲いてみせる。
その行動は切れ味を確かめているかのように見えた
「鋸は違うよ、肉に刺さった小さな刃がそのまま引き千切る
細胞もグチャグチャで切断面も一定にならない、だから切り落とすしかなくなっちゃうんだよねぇ」
口元に笑みを浮かべながら喜々としてハーゲンは語る、つばめの恐怖を煽る為だけに
インセイオンは右腕を高く掲げ、すると刃は月の光すら切り裂いて乱反射させた
想像できるはずだ、この後インセイオンが取るであろう行動の全てが
「それじゃ、元気良く宜しく」
身動きが取れない逆さになった雷姫に向かって、何の躊躇もなく光の鋸が真っ直ぐに振り下ろされた
コックピットに命中せず且つ機体が大破しないギリギリの深さに
つまりハーゲンが先ほど話した通り、死なない殺さないに『手加減』をしているという事だ
だが鋸である以上そこには傷跡が残るだろうか?
例えるならそれは、上から下へ装甲ごとグチャグチャに引き裂かれたような・・・
630
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 16:25:56 ID:TUI4lK4k
>>628
>>629
「え、ぁ……ひっ…!?」
煙が晴れ、その異様な姿が白日の元に晒されたとき、つばめは喉に息を詰まらせた。
先程まで自分達が対峙していた白色の、ともすれば可愛らしくすらあった機体の影はどこにもなかった。
そこに立っているのは、偽りの人型を捨て去り、禍々しい巨腕を大きく広げた怪物。
その信じがたいまでに醜悪な素顔が現れ、雷姫を視界に捉えるまでの一部始終を、つばめは見た。
見てしまった。
「あ……ぁ……」
静香に呼び掛けようとするも、声が出ない。
過去の激戦からも感じたことのないような恐怖が全身を凍てつかせ、逆さ吊りにされている違和感すらも忘れさせていた。
「う、うあぁ! 痛ぁっ…!!」
無理矢理に両脚を目一杯まで開かれる雷姫。
コクピット内のつばめも同様の姿勢を強要され、股関節をねじ切られるような痛にに苦悶の声を上げた。
>「股から裂こうかと思ったけれど・・・女の子相手にそういうのは良くないよね
> 僕はフェミニストだから君を殺したりしないよ、安心してくれていい」
その言葉通り、つばめはほどなくして苦痛から解放された。
目に涙を滲ませ、荒い呼吸を整えながらも、つばめはようやく反撃を意図する余裕を得る。
(なんとかしなくちゃ…なんとか…!)
雷姫は、自由になっている両腕をインセイオンの狂喜じみた顔へと向ける。
そして、腕部マシンキャノンのトリガーを引こうとした……そのときであった。
>「それに勿体無いじゃないか、見せしめにするのに死んじゃったら」
>「泣いて喚いて叫んでのた打ち回って生きて貰わないと、そうすれば助ける為に人員が割かれて戦列が崩れる
> 何よりその様に怯えて動きが鈍る、見せしめに消せなんて・・・彼女も生易しい事を言うよね」
>ギギャアアアアァァァァァ!!
おぞましい程に暴力的な音色が、つばめをすくませた。
新たに視界に現れたのは、光輪。
単純なリングではなく、凶悪な“刃“を備えた回転ノコギリのようなものが、雷姫に向けられていた。
>「鋸っていうのは刃物とは少し違うんだよ、刀とかの刃物は細胞をほぼ変形させないで切るんだ
> だからそういう切り傷って言うのは縫合で治せる、でもねぇ・・・」
>「鋸は違うよ、肉に刺さった小さな刃がそのまま引き千切る
>> 細胞もグチャグチャで切断面も一定にならない、だから切り落とすしかなくなっちゃうんだよねぇ」
このひとはなにをいっているんだろう。
迫り来る丸鋸を前に、つばめはそんなことを思った。
この青年の云わんとしていることは只一つ。頭ではその恐ろしさを、冷静に理解できている。
しかし、だったら何故彼はこんなにもにこやかなのだろう。
どうして穏やかに、微笑みさえ浮かべていられるのだろう。
凍りついていく思考とは裏腹に、つばめの体はカタカタと力なく震えていた。
>「それじゃ、元気良く宜しく」
「ぁ……ぁ……や、やめっ……」
言葉は破壊的な、あまりに残虐な音色に遮られた。
「ひやあ“ぁぁぁぁぁあああぁぁあっ!!!」
丸鋸は雷姫の下腹部に突き刺さると、肩口へ向かって走りながら、ギャリギャリとその装甲を引き裂いていった。
「ぁふぅぅッ!? ひぃっ、ひ、ひぃぃぃあぁぁぁあッ!!!」
つばめの纏うスーツの該当箇所に激しいスパークが走り、引き裂けるように破れていく。
それは致死レベルのダメージが機体に与えられていることを示す。
631
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 16:31:16 ID:j8atmGe.
>>628
>>629
>>630
「随分と……好き勝手に触ってくれるじゃないか」
インセイオンの風姫、雷姫への狂気じみた行為をレイナは目撃してしまう。
レイナの右目は感情の高ぶりを現す様にいつもより一層禍々しく光っており、普通では無い事が良く解る。
自分の所有物をあれ程痛め付け、晒し者にし、嘲笑っているあいつが憎い憎い憎い。
憎いが、無策にもあのインセイオンに立ち向かう事はしなかった。代わりに
「……もう戦いが長引くのは不味いか。ここはこの主自ら、あの薄っぺらな天使の首を取って来て皆を鼓舞してやらねば」
ユウセイ、アカリ、ヒツギと三回の勧誘を失敗してしまったレイナはいよいよ自分のカリスマ性を疑い始めた。
交渉が上手く行かないのなら、この戦場に長居は無用。指揮系統を混乱に陥れ、すぐに甲斐を正面突破する事を決める。
それには総大将であるライトをまず叩き、次いでアルプ・トラウムを抑えるジガンスクードを撃退。
ジガンのパイロットの正体は解らないが、ゲームメイクの絶妙さや多方面への援護等、ライト同様に戦術指揮官の才を有するパイロットだと断定した。
アイゼルネ・ブルートはライトの駆るガブリエルを探し出す。
すると、呑気に後方の安全圏で指揮に専念している姿を確認。
護衛は三機も侍らせており、何とも卑怯な奴だとレイナは不満を訴える。
「随分と偉くなったもんだ。あんな頭のおかしいゲスを配置し、自身は高見の見物とはな……明智ライト!」
ライトの本陣を強襲したアイゼルネ・ブルートは、いきなりその手の魔槍の邪悪な一撃で護衛のレリエルを一機両断。
更に他の二機が反応するよりも速く、胸部のハウリング・スマッシャーにて二機をもろともに破壊。
そして、ビシッとすぐ前方にて孤立するガブリエルへとその魔槍を向ける。
この時、既にレイナの目はこの先の危険を訴えていたが、早く仲間達を救おうと焦るレイナは今回はそれを払拭し、ならば一息で勝負を決しようとガブリエルへと突撃した。
632
:
レイナ&ライト&時々カナメ
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 16:33:01 ID:j8atmGe.
「くっくっく。チェックme」
「王手をかけさせてもらうわよ!シルバーバレット隊は降下を!」
レイナがチェックメイトを掛けるつもりだったが、それはライトが意気揚々と発した王手により遮られる事になる。
レイナはまんまとライトの用意した罠にかかってしまったのだ。
「……ぁ……え?」
何とも情けない言葉を紡ぐのはレイナ。まだ状況をよく理解していないらしい。
「戦力の乏しいレイナ・カーマインの軍勢は、まず真っ先に指揮官を狙いにかかるのは最初から解ってたわ。
しかも演出に拘る馬鹿なあなたは、それを自らの手で執行しなければ気が済まない。これも当たりだった」
意気揚々と律儀にレイナの疑問を答えてやるライトは勝ち誇った顔をしている。
実は予知能力でこちらを看破して来る可能性も考えられたが、心配して損をした。
そしてライトは決め付けた。彼女の今の予知能力は万能には程遠いと。
「終わりよ、レイナ・カーマイン。強制連行の前にあなたには我らエンジェルフェザーの裁きを下す」
遥か上空。ステルスを施した輸送機から特殊装備仕様のレリエルが12機レイナの地点目掛けて降下して来る。
それらは、アイゼルネ・ブルートの周りを完全に包囲し尽くす。
【連邦軍増援:レリエルSB/エンジェルフェザー隊員×12機】
「見事……なんて言わないわ。たかがレリエルごときでこのアイゼルネを何とか出来るはずも無い。無駄だよ」
確かに罠にかかって悔しいが、ライトが寄越したのはたかがレリエル。
自在に傷の再生が可能なアイゼルネ・ブルートを倒すには役不足極まりない。
だが、ライトはまだ余裕の表情を変える事は無い。
いままでのパターンと違い、逆にレイナの方がライトの掌の上に居た。レイナにとってそれは不気味で仕方がない。
「私達の部隊はその様なバケモノを潰すのに特化されている。すぐにわかるわ。
シルバーバレット隊、どうぞ!」
ライトのガブリエルは狙撃銃の様な物を、その他の12機は肩に担いでいる大砲をアイゼルネ・ブルートへと合わせる。
『レイナ、それはナノマシン抑制プロトコルの兵器よ。1発当たれば、アイゼルネはその不死身の能力を失ってしまうわ』
レイナにアルプ・トラウムのカナメから通信が入る。のんびりしているカナメだが、今回は柄にも無く早口で声を大にしてレイナに危険を伝えている。
「もう遅い!シルバーバレット一斉砲火」
13発の聖なる銀の銃弾が吸血鬼アイゼルネ・ブルートを浄化するべく、天使達から発射される。
「が……それでも、邪王真眼は最強よ。なめるなよ、この私を!!」
レイナの集中力もこの瀬戸際にて極限まで研ぎ澄まされていた。
予知の眼が見せるヴィジョンも鮮明。……だが、それでもまだ足りない。
技術が。反応速度が圧倒的に!
(……駄目だ。格好悪いな……私は)
回避を維持出来なくなったアイゼルネ・ブルートは足に掠り、肩を貫通し、脇腹へ傷を残し、背を射抜かれと袋叩き。
次々と高価な銀の銃弾を再装鎮し、一方的な惨たらしい殺戮が引き起こされていた。
次第に体勢を崩し、立つ足がもつれ、地にひれ伏した今のこの王の姿のどこにカリスマなどが残っているだろう。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP??%。再生封印】
「っふ……随分と粘りましたが、ここまでです。最後にその醜い四肢をバラバラにしてあなたへの裁きを終えましょう」
実際、レイナはライト達の想像以上に足掻いてみせた。
各機がそれぞれ4発の銃弾を持ち、全機ともそれらを最終的に撃ち切らした模様。
だが、それでも健闘を称えるなんて事は無慈悲な天使の少女には有りもしない。
もう一種の魔女狩り武装である聖騎士のランスの様な塊が13。右腕の複合型兵装から射出されて行く。
(……駄目だ。……ごめん、ユナ)
命まで取られる事は無いらしいが、もしかしたらまた過去の様に実験で身体を壊されるかも知れない。
だが、アイゼルネはもう動かない。
最後に何者かの名前を呟いて謝罪した
633
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 16:34:48 ID:TUI4lK4k
>>629
「う、くっ……」
吹き飛ばされて地を転がった風姫は、ふらつきながらも体勢を立て直した。
そして煙幕の中から現れたものを目にし、静香もまた絶句した。
異形の怪物が雷姫を吊し上げ、恐ろしい凶器で責め苦を与えている。
あまりの光景に一瞬頭が真っ白になり、体がわなわなと痙攣する。
しかし今は、目の前でつばめが痛め付けられていることへの憤りが恐怖に勝った。
「つ……つばめを離しなさい! 下朗っ!!」
課税は薙刀を手に、つばめを吊しているアームへと斬りつける。
634
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 17:10:32 ID:mGUEQ9JA
>>630
>「ぁ……ぁ……や、やめっ……」
>「ぁふぅぅッ!? ひぃっ、ひ、ひぃぃぃあぁぁぁあッ!!!」
「あれ・・・? まさか本当に死んでないよね?」
サーキュラーソーによるショーが終わった時、つばめの苦しみ方に不安でも覚えたのかハーゲンはその為の確認手段を取ろうとする。
化け物の左手を足から離し、右足だけで吊るされた雷姫を高く持ち上げると
100を超える瞳が一斉に、その状態を確認する為に舐る様に凝視する
「ま、確かめてみればいいか」
ハーゲンは口元に笑みを浮かべて不穏な言葉を零す。
>>633
>「つ……つばめを離しなさい! 下朗っ!!」
化け物の右腕に向かって踏み込んできた風姫の薙刀は、自由になった化け物の左腕が受け止めた
憤慨し怒りを露にしている静香に対して張本人であるハーゲンは飄々と、むしろその表情に淀みすら見受けられない。
「大丈夫大丈夫、そんなに焦らなくても生きてるのを確認したら返してあげるから」
そのまま棒か布か人形でも扱うかのように、地面へと真っ直ぐ振り下ろしたではないか
それも静香の目の前で、ハーゲンは戦闘中の2機の動向・コンビネーションから知人友人である事を見抜いていた。
また戦場で甲斐甲斐しく戦っている赤い機体もこの2機と同じ、友人である可能性が高い
そして見抜いていたのはそれだけではない・・・
つばめが『生きている』事も分かっていたのだ。
念動力者であるハーゲンが、ましてブースターを起動し接触状態なのだから分からないわけが無い
つまり分かっているのに地面に叩き付けんと言うのだ、死に掛けに鞭打ちどころの騒ぎではない
サディスティックで済む話でもない、この状況を間違いなくこの男は楽しんでいた
635
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 17:30:57 ID:TUI4lK4k
>>634
装甲をズタズタにされた雷姫は、だらしなく両腕を垂らし、ピクピクと痙攣するばかりであった。
「あっ…あぁっ…ひぁぁぁぁ……」
「つばめ、しっかりして! つばめ!」
懸命に呼び掛ける静香の目の前で、インセイオンは更なる凶行に及んだ。
布切れでも振り回すかのようにして、雷姫を思いきり地面に叩き付けたのだ。
「っあ、あはぁぁぅっ!!」
「……~っ!!!」
声にならない声を上げる静香。
その一撃のもと、雷姫の総身は土埃にまみれ、頭部から伸びるツインテールが無惨にも根本から歪められていた。
「や……やめて! もうやめてください!
後生ですから! 私が代わりになりますから、どうか……!!」
一方的な暴力の行使を前に、もはや静香の胸中には戦意も何もあったものではなかった。
自身を捉える左腕にすがり付き、悲痛な声で訴える。
果たしてこのパイロットがそんな懇願を聞き入れるだろうか?
636
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 17:52:15 ID:mGUEQ9JA
>>632
レイナが突っ込んでいく映像が見える、そして距離があるからこそレイナを待ち受ける結果も見抜くことが出来た。
レーダーに映りこまないステルス状態で、既にシルバーバレット隊が待機している
シルバーバレットにはマシンセルの能力を強制停止させる作用がある
つまりは――――――
ゲシュペンストのシステムが再起動に成功した瞬間、その足が跳ねるように飛び上がり背からは炎が噴出した
真っ白になった頭の中で、ヒツギの体は勝手に動いていた。
先ほどまで身動きが出来ないほど絡みつき悩んでいたのはどこへ消えてしまったのか
鎖など最初から無かったかのように、重さ等勘違いだったかのように手足が軽く動く
「うぉぉぉおおおお!!」
その速さはゲシュペンストが出せる限界速度を軽く超えている、それでも尚加速を続ける
衝撃波が大地を巻き上げ、ゲシュペンストの周囲に薄いリング状の雲が生み出される。
これはベイパーコーンを例に持つ、周囲の空気が加速に伴い高温化し
しかし音速に到達した時点で温度が急低下する際、露点を下回った場合それらが雲になるという現象から起こった。
高速戦闘機体ではないゲシュペンストのコックピットに居るヒツギにかかるGは・・・考えるだけでおぞましい程だ
>もう一種の魔女狩り武装である聖騎士のランスの様な塊が13。右腕の複合型兵装から射出されて行く。
>(……駄目だ。……ごめん、ユナ)
レイナに迫る銀の閃光は、光は途絶える。
それは死によって視界がブラックアウトしたからではない
目の前には腕に、足に、胴に、頭に・・・串刺しになっている姿がそこにあった
それはこうならなければレイナがなっていたであろう光景、レイナへとシルバーバレットは掠りもしなかった。
赤いゲシュペンストが盾となって全てを受け止めたのだ、死んだと思われていたヒツギ機が
「借り、嫌いなんだ・・・これで、フェアってことでどうよ・・・?」
こんな状況で、こんな状態で、オープン回線で聞こえてくるヒツギの言葉。
初めて出会ったときと同じ事を、悪態を付くかのように茶化した声色が伝えてくる
コックピットの機器がバチバチとスパークを起こし、黒煙と共に火を噴く。
真正面から受け止め、それで居てヒツギは無事だった事を考えると奇跡に近い
だが機体のダメージは限界を超えていた、盾になった状態のままゲシュペンストはその活動を停止する。
ゲシュペンストS/B HP0% 撃墜
637
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 18:08:15 ID:mGUEQ9JA
>>635
>「っあ、あはぁぁぅっ!!」
「あぁ良かった、ちゃんと生きてて」
ハーゲンは胸を撫で下ろす、それはつばめの命を心配してのことではない
自身が取った『殺さない』という行動が、きちんと成功していたことに対する物だ。
>「や……やめて! もうやめてください!
>後生ですから! 私が代わりになりますから、どうか……!!」
目の前で行われた凶行に完全に戦意を喪失し、縋る様に声をかける静香をインセイオンはその100を超えた眼でギョロリと一斉に見下ろす。
口のように見える頭部の露出したフレームが、さらに釣り上がりにやけ笑っているかのようにすら見えた。
「何を言ってるんだい、身代わりなんて」
ハーゲンの声からは呆れが感じ取れた、まるで的外れな事を言っていると言う風な。
静香を身代わりにする提案など受けるわけが無い、そう予想するものも居た筈だ
だが彼がそう言った様に『上手くはいかない』のだ、彼女が想像しているよりも酷な言葉がその口から放たれる
「ハァ・・・自分がまるで当事者じゃないように
僕は君を休ませる気しか無かったからね、見逃すなんて一言も言っちゃぁいないんだよねぇ・・!」
それは頼まれずとも最初から静香も同様の状態に至らしめるつもりだった事を意味する。
つまり交渉という土俵に上がる以前の問題だったのだ、ハーゲンにとっては
右手に持っていたものを軽く後方に払い捨てると同時に
薙刀と受け止めていた左腕が素早く風姫の腕を握り潰す・・・否、掴みかからんと動いた
638
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 18:24:41 ID:SUVi/UuU
>>637
「え……?」
静香はつばめの身を案じるあまり、自らの立場を半ば忘れていた。
彼はなにも、つばめだけを痛め付けることを目的としていたわけではない。
「あ、ああっ!?」
その事実を思い知らせるように、インセイオンの巨大な掌が風姫の右腕を捕らえた。
その雷姫を軽々と吊り上げたその圧倒的なパワーが、今度は風姫の腕部を締め付ける。
「う、くぅぅぅ! くぁ……!」
たちまちに薙刀を取り落としてしまう風姫。
一方、インセイオンは逆の手から雷姫を投げ捨てた。
土煙を上げて地に落ちた雷姫。アイカメラを砕かれ、腹部の傷からは白濁したリンゲル液を垂れ流している。もはや戦闘を継続できる状態ではない。
「ね……ねえ、さま……」
しかし、それでも身を引きずるようにして風姫の元へ向かおうとする雷姫。
苛烈な責め苦の只中に在っても、二人の絆は強く結び付いていた。
639
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 18:24:50 ID:z/IW14OY
>>629
(おいおい、やり過ぎだろ。)
そう、思うしかない、それほどの、惨殺
「シルヴェ・クロイツって、予想以上に、エグいグループなのかな。」
そう、判断せざるを得なかった。
>>635
「生きてるよ。」
静香が、慌てふためいている中言い放つ。
(あの男は、恐らく、生かさず、殺さず、苦しまさせることを目的としている。)
「まぁ、戦場内では、効果のある戦術の一つだがな。」
だが、この勝利がほぼ確定しているなかで、この戦術を使用する、この男
恐ろしいぐらいに、戦闘を楽しんでいる。
そう感じたのが、ユウセイの印象だった。
>>632
「チェックメイト。これでおしまいか。」
(まぁ、損害は、無く、これで終わりだな。)
そう思ってたら
>>636
「ヒツギ、止めろ。」
システムの暴走、いや違う。完全なる意志の行為。
「対Gが、相当、致死量に近いぞ。」
この距離からは、止めることは不可能。
そして、ユウセイは、ヒツギがなにをやりたいか。一瞬で察しがついた。
「最悪だ。まさかの最後で、ヒツギが」
本当に、亡霊になった。
そして、ゲシュペンストは、活動を停止する。
「明智大尉!」
直ぐに、無線を入れ
「ヒツギ少尉の、回収を、死にますよ。いやっ、もう死んでるかも。」
ユウセイは、最悪の場合を考えていた。
640
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 18:52:10 ID:mGUEQ9JA
>>638
>「ね……ねえ、さま……」
この状況になって尚、未だ静香のことを思うつばめの態度にハーゲンは震えるものを覚えた
恐怖ではない、歓喜に打ち震えていたのだ
そのしぶとさ、献身・・・ハーゲンの嗜虐心が満たされる。
だがこの男は満足などするはずが無かった、むしろその行動が更なる渇望を呼ぶ
「そういえば、これはまだ見せていなかったね」
インセイオンの各所に付けられた桃色の球体、それらが輝いたかと思うと突如として何本もの鋭い棘が飛び出してくる。
念によって生成されたスパイク、生々しい光を放ちギラつくそれが手を伸ばそうとしてた雷姫を行く手を塞いだ
そしてもう1つ、この事がある事実を連想させる・・・あの半球体はある箇所にも付けられている
それは――――
「ククッ、僕の念は自分の機体を傷つけたりはしないんだよねぇ・・・!」
あの時風姫を弾き飛ばした掌・・・そこにも同じ球体は取り付けられていた
6つ、それも中央の1つは最も大きかったはずだ。
想像していたであろう事が起こる、風姫の腕を掴んでいる手が発光を始めたのだ
次の瞬間にはその腕に念の棘が突き刺さっているであろう。
完全に密閉された状態での串刺し、それは拷問器具『鉄の乙女』を連想させる―――
>>639
T-Linkを全開放している今のインセイオンから伝わってくるはずだ。
一点の曇りも歪みも無い、飲み込んでそのまま咀嚼でも起こしそうな狂気の念
無理やり生み出されているものとは違う、純粋なままの生きた念が。
強化された訳でもなく、操作されたわけでもない。
ハーゲン・クルーゲが振りかざす念は最初から狂気によって形作られたものなのだ
641
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 19:14:46 ID:SUVi/UuU
>>640
見せ付けるように、全身の半球から鋭利な刺を隆起させるインセイオン。
まさか、と静香が息を飲んだその瞬間、いくつもの刺が風姫の右腕を指し貫いていた。
「うあああああああぁ……ッ!!」
上体を仰け反らせ、苦悶を顕にする風姫。
「姉さま!!」
やっとの思いで立ち上がった雷姫が、風姫に駆け寄ろうとする。
しかし、風姫は左腕を振り上げてそれを制した。
「だ、大丈夫……大丈夫よ……
私がこの機体を引き付けていられるうちに、早く、逃げなさい……ッ!」
静香は苦痛と恐怖に身を震わせながらも、どうにか持ちこたえている。
時間を稼ぐつもりでいるのだ。
「こ……こんなもので終わりですか?
この程度…この程度は苦痛のうちに入りません…!」
敵パイロットへ向けて、敢えて挑発するような言葉をぶつける。
全ては、敵の注意を雷姫から逸らすために……。
642
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 20:00:22 ID:mGUEQ9JA
>>641
>「こ……こんなもので終わりですか?
>この程度…この程度は苦痛のうちに入りません…!」
「ふぅん・・・そうか」
その風姫の態度に突如としてハーゲンの反応が鈍いものに変わった。
彼の思考も態度も急激に冷めていくのが分かる、倦怠感すら感じさせるほどだ
全身から伸びていた棘が消えると、片腕を掴んだまま左手は低い位置を下ろされる。
「そうだね、もう飽きたし・・・じゃあ鳴いてくれたら何処にでも行けばいいよ
動物みたいにさ、這い蹲って・・・ね」
口元を歪めるが先ほどのように大きくは釣り上がらない
腕を下げたのはそのポーズが取れるようにと言う事だろう
643
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 20:27:42 ID:j8atmGe.
>>636
迫り来る聖なる槍。それら13本は一本たりとも逃さず突き刺さり、赤いゲシュペンストタイプを針ネズミの様な刺々したフォルムへと変えた。
【「借り、嫌いなんだ・・・これで、フェアってことでどうよ・・・?」】
確かに赤いゲシュペンストタイプを串刺しにしたが、それは悪魔の羽を持つアイゼルネ・ブルートの姿では無い。
もう一機の赤い亡霊。ヒツギの操るゲシュペンストMkーⅡのSタイプであった。
レイナ、それにライトの両人も第三者の乱入に言葉を失う。
「いいわよ……ヒツギ。ついでに先程の格好悪く情けない私の姿は忘れなさい。
こんなのは、全然わたしらしく無い。お前達の指針でなければならないからね」
感謝しなければいけないのだろうが、今更そんな事は態度に出してやらない。
ヒツギと再び心を通わせられた様で、気分は正にレイナちゃん大勝利!
と言うべき喜ばしい物だが、未だに動けない筈のアイゼルネ・ブルートである。
動揺と魔女狩り武装の使い切りにより、多少の間は与えられるだろうが、大ピンチには何も変わらない。
だが、レイナは全く諦めていなかった。
「ハヤセ少尉!!何故、何故、敵を庇うんですか!?意味わからない……!なんであなたが穴だらけなんですか!?」
そしてライトはヒツギを持って行かせまいと、何度も呼び掛けているが聞こえているだろうか?
ここで裏切れば反逆者の烙印を押され、ずっと追われ続けなければならない。それだけのリスクを背負うものが、彼女には有るのか?有ってたまるものか。
ライトはヒツギに弁解する間を与える。返答次第ではあの優しい彼を敵として撃たなければならない。
>>639
【「ヒツギ少尉の、回収を、死にますよ。いやっ、もう死んでるかも。」】
「し……し、死んで。死んでたぁ。死んでたのに!なな、何で、何で死に体になってまで、違反を犯してんの!?
それで……そして何故、敵を助けたの!?……わけがわからないよ」
そんな間に状況に気付いたユウセイがライトに通信をかけてくる。
だが気が動転しているのか、ライトは意味不明な供述をぶつぶつ言うばかりだ。
ヒツギを自らが串刺しにしてしまった事とヒツギがレイナ側に寝返った事のショックから来る軽い錯乱状態に何らかの要因が重なったが為の症状だろう。
644
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/20(水) 20:42:14 ID:b3LjzZjY
>>615
高い機動力で衝撃砲のビームを紙一重で回避し続けているアルプ・トラウムから、大量のレーザーがこちらに向かって飛んでくる。
回避行動で砲の照準もままならず、ソードブレイカーが健在の間はナイト・フライヤーも無意味と悟っての行動なのだろうが、
こちらの展開する高強度Eフィールドの前にはあまりにも無力。レーザー達はフィールド境界面に反応の黄色い光を残しただけで霧散していった。
(……他の戦線は膠着気味ですが、母艦を墜とせばそれも終わる。
カーマインさん、それがあなたの運命の限界なのですか……?)
リリーは出撃する前に統久と交わした会話を思い出す。
元々このジガンスクード・アンジェは統久が率いる特殊部隊に納品されるために、一時伊豆基地預かりになっていたものであったが、
今回の戦闘が発生するに際し、統久がリリーに対し、これに乗っていけと言ってきたのだった。
その理由を問うと、統久は髪の一房を指で弄びながら、
「上手くは言えないのだが、あのレイナ・カーマインはこのようなことで終わるような娘には見えんのだ。
運命の加護を得ている、とでも言えば良いのかもわからん。ともかく、そんな予感がするのだよ」
「尼子特尉にしては随分と曖昧な言葉ですね。念動力者ゆえの感覚、と捉えたらよろしいので?」
「まあ、そうだな。今回の戦い、そのあたりを占う一戦となろう。
もし仮にあの娘が、私の感じるように運命の加護を得ているのなら……こんな「盾」一枚、どうという影響も受けんだろう」
「分厚い誤差もあったものですね」
「フフ、そうだな。このジガンスクードのコクピットは世界で……あー、50番目くらいに安全な場所だ。
そこからレイナ・カーマインの行く末を見定めるのも一興だと思うが?」
「その興でこんな分厚いのを障害とせねばならないカーマインさんには、さすがに同情を禁じ得ませんよ」
レイナの運命を見定める。そのために出撃したこのジガンスクード・アンジェであるが……このままの状態が続けば、いずれ遠からず、
この機体の砲はアルプ・トラウムを沈めるだろう。
(誤差では済まなかったようですよ、特尉)
趨勢は決しつつある。となれば、これ以上双方の被害が増える前に、一気に決めてしまうのも慈悲か。
「甲斐、こちらスノウフェイル。敵艦のスキャンはどうなっていますか?」
『こちら甲斐。敵艦テスラ・ドライブの位置は未だ不明のままですが、あの機動性能から言って、相当高出力のドライブを搭載している可能性が濃厚です。
となると、動力のスムーズな供給のため、リアクターからあまり離れた場所には設置されていない、と推察されます』
「ふむ……わかりました。これより、敵の機動を大きく乱します。全ミサイル発射管にカルナック3を装填し、こちらの攻撃と同時に敵艦に向けて発射してください」
『了解しました』
甲斐との通信を終えたリリーは、護衛のために周囲に滞空していたソードブレイカーをラッチに戻した。
それとほぼ同時に、アンジェの胸部が四つに割れて展開し、装甲の裏側に存在していた巨砲を露出させる。
エネルギーがチャージされていくにつれ、内部から漏れる光を強くしていくそれは、ギガ・ワイドブラスター。元となった機体にも装備されている超大型熱線砲である。
だが、エネルギーが蓄積されていっているのはブラスターだけではなく、両肩の衝撃砲も同じであった。
それらエネルギーチャージが限界まで蓄えられ、あとは開放を待つのみとなり、
「三位一体砲。これで終わりにしましょう。……トリニティ・ブラスト!」
トリガーが引かれ、三つの砲は、その全てのエネルギーを開放した。
ギガ・ワイドブラスターの放った大きな白い光に衝撃砲の青い光が混ざり、光達はその身を肥大化させ、超極太のビームと化す。
直径100メートル超過の広大な面制圧力を持ったビームは、アルプ・トラウムの艦首方向を薙ぎ払う。
もちろん、そのままの進路であればこの巨大なビームに飲み込まれるが、おそらくは回避される。
だが、これだけの面制圧力を持ったビームを回避するとなれば、大きく回避せねばならない。そうなれば、流石の高速艦とて、その体勢を立て直すのはすぐには難しい。
そこに飛び込んでくるのが、甲斐の全ミサイル発射管から発射された、夥しい量のカルナック3中型対艦ミサイルの雨である。
(さあ……この二つの攻撃、どういなしますか?)
645
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 20:58:42 ID:SUVi/UuU
>>642
「……?」
あまりにもあっさりと解放された。
遅い来る苦痛を覚悟していた分、呆気に取られた静香だったが、
様子を伺うようにそろそろと後退すると、雷姫の腕を肩に回して支える。
「……いきましょう。アルプ・トラウムまで下がらないと」
「は、はい……」
敵パイロットの考えが計り知れない点は不気味だが、ここで反抗したところでどうにもならない。
風姫のスラスターによって地表を跳点々と跳びながら、二体の姫はインセイオンから遠ざかっていく。
つばめはぼんやりと、「お礼を言った方が良かったのかな」などと考えていた。
646
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 21:13:50 ID:z/IW14OY
>>643
「落ち着いてください、まず深呼吸してください。」
テンパってる大尉でも、解るように言葉を選びながら、
「さっきの、ロストは、死亡ではなく、只のフェイク。恐らく目を欺くため。」
「また、先ほどのゲシュペンストの再起不能は、再起動、そうしむけたのは恐らく、あの黒い機体」
「そして、奇跡的に再起動ができ、後は機体を見るかヒツギに聞かないと」
「ともかく、ヒツギは、まだ生きているかもしれないんです。早く、生死確認を!」
647
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/20(水) 21:33:15 ID:b3LjzZjY
>>614
,
>>618
,
>>621
ソードブレイカーと2機のアルゴスの援護によって、ドロワナは窮地を脱したようだった。
「リューデル軍曹、テスラ・ドライブの修理が終わったら、そこに居るクーリマン軍曹から新しい武装の補給を受けるか、
一度甲斐に戻って本格的な修理・補給を受けてください。どちらにするかは、あなたの判断に任せます。
ヴィルヘルム少佐、クーリマン軍曹、そのまま攻撃を続けて焔姫を撃破してください」
援護にやっていたソードブレイカーを引き戻し、リリーは各機に指示を出す。
焔姫は3姫の中でも一番攻撃性能の高い機体であるが、複数機体に囲まれてはその性能を活かせるはずもない。
ましてや、焔姫と対しているのはどれも射撃戦を得意とする機体。濃密な弾幕を展開すれば、近づく前に蜂の巣にできるだろう。
あちらはあれで大丈夫か。そう思った矢先、アンジェの戦況モニターが信じがたい報告をしてきた。
なんと、先ほど介入してきた黒い機体が、ヒツギのゲシュペンストを撃破したとのことだった。
ヒツギの安否が気遣われるが、それとは別に、あの戦域での連続介入を許せば、焔姫に対応しているあの3機が横から襲われるのは火を見るよりも明らかだ。
>>615
ビームランチャーの銃口を向けられても、いつもの調子でこちらに話しかけてくるレイナに、アカリは少なくない驚きを得た。
旗の色は明らかに敵であるのにもかかわらずに、だ。
「私だって、こんなことになる前に、きちんと話をしてもらいたかった……!
どうしてっ……どうしてこんな形に私達は分かれて……!」
いつもと同じ話し方で、いつもと同じ余裕を感じる態度で、レイナはこちらを説得してきている。
作戦が発動する前、レイナたちがどういう罪状でこんな扱いを受けるのかの説明は受けた。だが、それを鵜呑みにすることは、アカリにはどうしてもできなかった。
その疑念が、レイナの普段通りの調子を受けて、頭の中を加速し始める。
ああ、やはりレイナは敵ではなかった。何かの陰謀でこうなっただけで、本当は私達の味方――――。
あと一言二言、レイナから言葉をかけられていれば、そういう思考に傾き、アカリはレイナの側についたかも知れない。だが運命はそれを良しとしなかった。
『クレマチ伍長、急いであの黒いアシエルタイプの迎撃に向かって下さい。ハヤセ少尉が……撃墜されました』
「え!?」
レイナに銃口を向けたまま逡巡するアカリの耳に、リリーからの迎撃要請が飛び込んできた。それも、ヒツギ機の撃墜という、信じられない事実を携えて。
「え……あ……?」
どういうことだ。レイナはヒツギと深い縁で繋がれていたのではなかったのか。
それが撃墜された? こうして自分が迷っている間に?
「…………くっそぉ!!」
アカリはその場でラプターを変形させると、スロットルを全開にし、ムラマサの迎撃に向かった。
置き去りにしたレイナに後ろ髪を引かれる思いは感じるが……ひとまずそれは脇に追いやった。
『黒い機体はそのままリューデル軍曹たちを襲うものと考えられます。急いで!』
「了解……!!」
弄ばれている。機首を戦域に向け、加速を続ける中、アカリはそう感じた。
何か大きな意志のようなものに、自分は弄ばれている。わからない。何もわからない。エンジェルフェザー。明智ライト。レイナ・カーマイン。
真実は誰が握っているのだ? 誰が? 誰が?
アカリの思考は混濁し、そこに小さな痛みを感じる。だからアカリは、目の前で起こっている現実にのみ、目を向けることにした。
648
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/20(水) 21:50:40 ID:25inMKCg
>>621
>>625
これから至高のトリガーハッピータイムへと移るはずだった
この世で一番素晴らしい時を思い切り堪能するつもりだった
「アヴェンジャアアアァァァァァアアアアアアアア!!!!!!」
言葉と共に引き金を引いたその直後
「あ?」
コクピットに一つの警報音 その音は、味方機接近を知らせる音
レーダーには迷うことなく一直線に射線へと突っ込んでくる味方識別反応
ディスプレイに移ったのは、アルブレード
「ワァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
先ほどとはまったく違う雄叫び 後での文句は一切聞かないとは言ったものの
本当に味方機を撃墜するわけには行かず、薄いカバーに覆われた非常停止スイッチを渾身の力で叩く
スイッチが起動し緊急ストッパーが回転する砲身を無理やり停止させる
過負荷に砲身が悲鳴を上げ、ガトリング砲に異常を示す警告文がディスプレイを埋める
「・・・・・・・・」
ゼーハーと荒い息をつきながら呆然と前方を見やる
どうやら済んでの所でフレンドリーファイアを避けることが出来たようだ
「・・・・・・ッ バカヤロォォォ!!! 死にてぇのか!!!?」
最高の時を邪魔されたのと、とんでもない非常事態を引き起こしたユウセイに
腹の底から怒鳴るゼバスチャンであった
>>626
そんなこんなで焔姫へとい行われた砲撃は、予定の1割にも満たない極少数に留まり
しかも非常停止した砲身をすぐに動かすことも出来ず
結果として焔姫を逃す結果となった
「チッ・・・発射機関がイカレてないだろうな?」
逃してしまったのは仕方がない、とりあえずシステムチェックを始めた
>>627-635
システムチェック完了、流石に緊急停止のダメージは大きく、無理の利かない状態であることが判明した
「無傷とはいかなかったか・・・クソッタレ、ユウセイには新品同様になるまでメンテしてもらうとsッ!! なんだ!?」
ガトリングを背部にマウントし 頭部が胴体からせり出したとき、通信機器から響く尋常じゃない悲鳴
画面に出てきたのは、戦闘ではない 一方的な 虐殺だった
「こちらボマー3 ブリーフィングの限りじゃ、目的は敵基地の征圧!! 殲滅とは聞いてねぇぞ!! 戦闘の中断を要請する」
通信をオープンに そして味方機全員に向けて叫ぶ
>>636
一方的な虐殺が行われる現場 そこに飛び込んだゲシュペンスト
アレはヒツギの乗る機体ではなかったか?
「アイツ・・・動け・・・動けってんだこのポンコツ!!」
未だエラー残るテスラドライブシステムに鉄拳を見舞い 強制起動
片方のウィングを失ったまま離陸し、全速力で現場へと向かう
【精神コマンド:加速 使用】
649
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 21:53:02 ID:j8atmGe.
>>644
ギガワイドブラスターに左右の砲のエネルギーも重ね合わせた三重の広範囲攻撃。トリニティブラストとやらがアルプ・トラウムの正面の空間を呑み込んで行く。
「敵、ジガンタイプの範囲兵器来ます!」
「甲斐より更にミサイル来ますけど!」
「あわわわ!そんなぁ〜!」
ブリッジクルーのメイド達は口々に状況をご丁寧に知らせてくれる。
まだまだ教育が足りていない様だ。取り乱す者もその中には居る。
「(レイナの帰って来る場所をやらせるわけには行かない。後で面倒くさいし)
イクリプス、あの極太ビームは通しちゃ駄目よ絶対。ミサイルの迎撃はホーミング・レーザーで何とかするわ。CIWSに定評が有るのは何も甲斐ばっかりじゃ無いし」
「かしこまりました。少々、荒っぽくなりますが御容赦を」
リリーの思惑通りに、アルプ・トラウムは破壊の光を掠めながらトリニティブラストの下方へと潜り抜けた。どうやら艦首は破壊されていない。これは後々、甲斐を沈黙させるのに重要だ。やらせはしなかった。
しかしこれで、予想通りにアルプ・トラウムの自慢の足に無理が祟った。
【アルプ・トラウム:残りHP65%】
「レーザー撃って迎撃ね。……で、お次はいよいよ主砲を使うわ。圧縮型の単体攻撃に適したモードをね。
ジガンタイプの次の砲撃には間に合わせるわよ」
広域バリアのダークネス・オーラとレーザーのミサイル迎撃を合わせた防御能力で甲斐から降り注ぐ雨の様なミサイル攻撃を何とかやり過ごす。
そして、やる気無さそうなカナメもいつまでも黙ってばかりは要られない。
恐らく相手にはこの主砲が乱戦で使えない御飾りに見えている事だろう。
「お返しするわ。目標はあのずんぐり君よ。適当に喰らって落ちちゃいなさいな」
非常に締まらない発射シーケンスとなったが、威力には関係の無いこと。
沈黙していたアルプ・トラウムの砲に赤黒い光が集まりに集まり、スパークを帯びた球状の塊を勢い良く吐き出す。
先程、先遣隊を壊滅させた時のものとは特性が異なり、まず弾速は大幅に速く、それでいて今回の弾はエネルギーを圧縮した威力重視の弾け飛ばない仕様。
レイナが名付けたのはデアボリック・フレア。珠の形そのままに火の玉、あるいは火山弾の様なものが、ジガンスクード・アンジェに迫る。
【アルプ・トラウム:ジガンスクード・アンジェに煉獄のデアボリック・フレアを放つ】
>>647
お互いの悲しい行き違いにより、今回はわかりあえずに、奇妙な別れとなってしまった。
アカリとレイナは別々の方向へ飛び立って行った。
でもいつか、先の告白の答えを聞かせて欲しいなとレイナは思う。
650
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 22:12:36 ID:j8atmGe.
>>646
「……でも、でも、見てこれ!?わわ、グサッと!槍が!123456789101112、13本も!!死んでる!絶対死んでる……ねぇ私の槍、解ります!?胸部貫いてるぅぅ!」
そう。ライトのランスは何ともラッキーなことか、胴体をグッサリと貫いていた。
こんな時に命中精度をアピールしてどうなる?笑ってしまいそうだ。
味方殺しなど、有ってはならないエリートである者にあってはならない汚点。
「無理無駄無茶無謀!さっきから答えてくれません!絶〜対、死んでる!!私が討ち取った……」
明智ライトの豹変ぶりに、シルバーバレット隊の面々も気味悪がって誰も彼女の相手を出来ずにいた。ユウセイはこの頭がおかしい女の相手をしてくれる辺り、やはり優しいようだ。
これでもし仮にレイナを逃がしたとか言うならライトは誰かさんの様に大降格間違い無しだ。
651
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/20(水) 22:16:28 ID:nRhJdVQw
>>643
「明智大尉!指揮官が取り乱すな!
戦場では常に最悪を想定し、最善を尽くすものだよ」
とは言え、ヒツギがレイナをかばうまでは考えていたがここまで劇的にとまで分かるものか。
>>647
「……いや、焔姫とやらは俺一人で充分だ」
なんか言い出した。
「ラウディ、お前はリューデル軍曹のフォローに回れ。
若しくは、あれだ、軌道艦隊式海兵戦術」
『無理ですっ!?』
ラウディが即座に拒否した“軌道艦隊式海兵戦術”とは、修理装置や補給装置を係留索代わりにして敵艦に切り込むというものだ。
複数の意味で出来る気がしないのでゼバスチャンの援護に回る。
一方のヴィルヘルム。
右手にスナイパーライフル、左手にマシンガン装備だが、内心では遅延戦闘を仕掛けるつもりだったりする。
(……全てを連中の思い通りにされてたまるか。引き延ばしてる間に逃げてくれよ?)
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