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お気に入りのローマ皇帝

1カイザー:2002/06/13(木) 23:16
人気投票にも、『ごく稀に』参加して頂いてる方もいらっしゃるようで
すので、ここでもカキコしてくれたら嬉しいです。

好き嫌いはともかく、オクタヴィアヌスはやっぱり偉大です。
アントニウスじゃ、どう考えてもライバルとしては役不足。いっそのこ
と、カエサルが暗殺されずに2人が天下を巡って争うという歴史IFの
方が面白そうです。

62カイザー:2002/07/09(火) 00:44
プルケリアが未婚だったのは、敬虔なキリスト教の信者としてというだけの理
由だったと思います。テオドシウス2世の皇后エウドキアを虐めてた(なかな
かアウグスタの称号を認めなかった)らしいんで、どっちかというとプルケリ
アがブラコンかもしれませんね(笑)。

ちなみに、このテオドシウス2世とエウドキアの娘がヴァレンティニアヌス3
世の皇后でガイセリックのローマ占領のきっかけを作ることになるエウドクシ
アです。

63マッティアス:2002/07/09(火) 21:47
プルケリアのエウドキア苛め、なんとなくわからなくはないですが。
皇帝の血を引き、かつご降嫁されてない自分を差し置いて、嫁ふぜいにアウグスタ
なんて名乗らせたくない、っていう、ブラコンてよりは自分の血筋に対する優越感
じゃないですかね。名家の姫君にありがちっていうか。
敬虔な信者として独身を守った、けど、弟が死んだら新たな皇帝に正統性を与える
ために、アウグスタとして配偶者を持つ、というのも、それと一致するかな、と。
そのへんの歴史しらないくせに、適当な推測しますね、我ながら。
ヴァレンティニアヌス3世がエウドクシアと結婚したのも、権威付けのためでしょ
うか?それとも、もともと遠縁とかの人だったのですか?

そういえば、キリスト教(カトリックだけかな?)の関連でよく問題になる、近親婚
の思想はどの辺りの時代から出てくるのでしょう?
中世はこれがかなり有効な、離婚や他の国(や教皇)からの横槍の理由にされますが。
前期帝政では、少なくともいとこ同士は全然アリなわけでしょう。
叔父と姪は、1回しか認められてませんが。(そういえば、ドミティアヌスは何故
これを利用しなかったんだろう?過去の元老院議決を採用しても良かったのに)

64カイザー:2002/07/09(火) 23:47
女の子って怖いんですね・・・・。
プルケリアって更年期障害が酷そうです。(偏見)

ヴァレンティニアヌス3世はテオドシウス1世の孫でエウドクシアは曾孫にな
ります。ヴァレンティニアヌス3世の即位の経緯がテオドシウス2世配下のア
スパル率いる援軍によって擁立されてるんで、単純に東西両帝国の政略結婚と
見ていいと思います。
ヴァレンティニアヌス3世とエウドクシアの間には娘が2人いたらしいのです
が、ヴァンダル族のローマ占領事件の時にアフリカへ連れ去られています。
エウドクシアと次女プラキディアは後にコンスタンティノポリスへ帰国し、プ
ラィディアはコンスタンティノポリス元老院議員で後の西ローマ皇帝のオリュ
ブリウスに嫁いでいます。
長女エウドキアはガイセリックの息子で次期ヴァンダル王フネリックの妻とな
り、死の直前にエルサレムへ巡礼し現地で亡くなっています。
ちなみに、死ぬほど名前がややこしく見えるかもしれませんが、それは気のせ
いです。

西欧世界はそんなに近親婚がタブー視されてたんでしょうか?私はあんまり印
象にないんですが、ローマやエジプトは全然大丈夫だったわけですから、古ゲ
ルマンやケルトもしくはユダヤ、キリスト教の影響なんでしょうね。
アグリッピナって余程可愛かったんでしょうね。オッサンのクラウディウスが
悩殺されてトチ狂うぐらいですもんね。

65マッティアス:2002/07/10(水) 11:54
大概、権力の中枢にいる女は怖いです。一般人でも怖い人は多いし(T-T)。
名前のややこしさは、西洋史ではよくあることなので、ちゃんと覚えてない事も
ありますが、気にしません。
ヴァレンティニアヌス3世皇女エウドキア、ヴァンダル王子に嫁いだのですか。
フネリック、格好良かったのかしら? ガリア系、ゲルマン系は容姿はよさそう。
エルサレム巡礼中に亡くなったということは、フネリックもキリスト教徒だったの
でしょうか。ゲルマン人って、その頃正統派信仰を持っていたのですか?

ネロの母アグリッピナは、像を見る限り(たまにポッパエア像と混同されてる)は、
見た目は可愛らしくてコケティッシュ。母親のが美人かもしれませんが、あちらは
キツそうで、ティベリウスが苦手だったのがよくわかります。
大アグリッピナは女の子にカッコイイといわれそうなカンジで、小アグリッピナは
異性にモテるけど、同性には嫌われそうなタイプかも。
クラウディウスと結婚した頃、彼女は30代前半ですから、大人の色香と生来の
美貌、そして過酷な前半生で身に付けたテクニックをもって、叔父をタラし込んだ
のでしょう。ついでにパッラスも(笑)。

66マッティアス:2002/07/10(水) 12:09
ついでに、近親婚について。あまり詳しく研究したわけではないのですが。
仏王ルイ7世とアリエノール・ダキテーヌが離婚したとき、理由とされたのがこの
近親婚でした。二人の間に生れていた王女達は教会が正統と認可しています。
しかし、アリエノールの再婚相手英王ヘンリー2世は、ルイより血縁関係が近く、
案の定、ルイからクレームがついています。
ちなみに、7親等以内が近親婚の範疇だったようですが、王家同士の政略結婚を
繰り返すには、そんなことも言っていられません。あくまでタテマエでしょう。
離婚したい時、他国に攻撃する時に用いられた手段のようです。
でも、せいぜい又従兄弟くらいは離れてないとマズかったみたいですね。

エジプトの近親婚は、他と比べても特殊かなあ、と思いますが。
ローマではいとこ同士の結婚が慣習的に認められたのが共和政後期くらいで、叔父
と姪はあの場合の例外的措置で、その後も続けられた形跡はないっぽいですね。
日本でも古代は、(特に王族)異母兄弟との結婚や叔父叔母はアリでも、同腹は不可
でしょう。藤原氏の姻戚政策も帝には叔母になる人を嫁がす程度で。
王家の純血を保つ為、とはいえ、エジプトは同腹はおろか、娘や孫との結婚もアリ
ですからね。かなり特殊かな、と。

67カイザー:2002/07/10(水) 22:33
ヴァンダルも西ゴートもフランクも、この頃はみんなアリウス派ですね。
エウドキアがエルサレムに巡礼(これ、実際は脱出という言い方が正解ですね)
して客死したのも、自身の正統派信仰を守る為らしいです。

アグリッピナの母娘はタイプが反対ですね。
でも、母は強しという点では似たもの親子です。ネロはどうしようもないバカタ
レでしたが。せめて、初期治世の偽善性だけでも保ってれば・・・。

エジプトの近親婚って本当になんでもOKですよね。
昔、則天武后が太宗の側室だったにもかかわらず、太宗の死後に高宗の側室とし
て再び召し上げられたという話に、衝撃を受けたことがありますが、そんなの世
界史的にみれば全然ノープロブレムですもんねえ。

68マッティアス:2002/07/11(木) 20:50
そういえば、楊貴妃は則天武后の逆で、皇太子の妃になるはずが父親の玄宗が
横取りしたんでしたっけ。そういう話多いなあ。父子って女の好み似るのかしら?
アラビアン・ナイトの一番長い話でも、息子の大切な女を無理やり寝取った挙句、
さっさと飽きてしまった王が出てきたっけ。女の方は王の子を産んですぐ自害。
酷いなあ。男の人の残酷さは、女の怖さと種類が違うね(笑)!

話をローマに戻しましょう。
知ってます? ネロって意外と女性受けいいんですよ。可愛いとか憎めないとか
言って。私の場合は、甘ったれで空想癖のあるところが他人事とは思えず、親近感
わいちゃってるだけですけど。
親しい人には多分、おばかだけど放っておけない可愛げみたいのがあったのでは
ないかな〜と。オトとデキてたって話もあながち嘘ではなさそう。
でも、マトモな感覚を持った成人男子(特に体育会系)にはゼッタイ理解不能。
トラヤヌスがこの人に仕えなければならなかったとしたら、多分途中で失脚したと
思います。よかったね、ドミティアヌスが主君で。

69カイザー:2002/07/11(木) 21:51
マッティアスさん、ネロ帝お気に入りですね♪
実際にローマの民衆や属州での人気は抜群だったみたいだから、分からなくも
ないですね。ギリシアかぶれとかも、別に目くじらを立てるようなことはない
でしょう。

ネロの欠点は政治的なバランス感覚の欠如に集約されると思います。
ブリタニクスは仕方がないにしても、オクタヴィアをポッパエアと結婚する為
に殺したり、アグリッピナやセネカといった、本当の意味での同胞を殺してし
まってどうするのかと。アグリッピナが生きていれば、コルブロの処刑といっ
た百害あって一理なしの無謀な行動は出来なかったに違いないです。

それにしても、クラウディウスのおっさんは、ブリタニクスに軍隊経験を積ま
せたりしなかったんでしょうか。というか、ブリタニクスがいるのに、ネロを
後継者に指名するとはどういうこと?

70マッティアス:2002/07/11(木) 22:14
ブリタンニクスは、おっさんが軍事や政治の経験を積ませてやるには幼すぎたの
でしょう。ネロより4歳下っていうと、おっさんが死んだ時13とかでしょう。
ローマでは一般市民が17、名家の坊やが15くらいが成人の目安で、ネロの14
というのは例外的に早かったわけで。
(っていうか、帝位についた時18になってた次男に軍事経験を積ませなかった皇帝
もいるくらいだから←私怨)
後継者にネロを指名したのは、アグリッピナとパッラスのゴリ押しがあったから?
メッサリナがまさに罪を犯して死んだ女なので、それが産んだ子だっていうのも、
ブリタンニクスにはマイナスだったし。何といってもアグリッピナはゲルマニクス
の娘ですからね。ネロはその孫っていうわけで、人気もあったし。
おっさん、人の意見に左右され易いからねえ。自分の意見を通せないんですよ(泣)。

ネロは、皇帝の器じゃないってことくらい、得意技がひいきの引き倒し(爆)な私でも
充分承知です。時々、センスの良さも見せるんですけどね。
オクタウィアは可哀想。安彦さんの漫画じゃないけど「クラウディウスの娘になんか
望んで生まれたわけではないのに」ってところでしょうか。
ネロは生娘やロリータは好まず、年上の悪女やマッチョ男に支配されるのと、美少年
を支配するのが好きみたいですからねえ。う〜ん…ヘンな趣味。

アウグスティアーニの仕込まれた拍手の仕方、とかってジャ○ーズの歌番組公録の
参加者が事務所に振り付けを覚えさせられるのに似ているなあ、と思います。
私自身は参加した事はないのですが、事務所にFC入会手続きに行った友人から
話を聞いてそう思いました。コンサも振りに決まりごとがあるし。
アイドル・ネロ。すっごいなあ。歌が下手でもミリオンってカンジ?

71カイザー:2002/07/11(木) 22:43
おっさんの評価ガタ落ち(笑)。
そうか、ブリタニクスってまだまだお子様だったんですね。幼少時にブリタニ
クスのお友達だったティトゥスは、ちょうどネロとブリタニクスの間ぐらいの
年ですね。

全然まともな根拠はないんですが、メッサリナの重婚事件による失脚ってアグ
リッピナの陰謀だったりして。クーデターにしては無謀すぎるし、メッサリナ
はもうちょっと、キレル女性のイメージです。
夫クラウディウスへの弁明の機会もなく処刑されてる辺り、空想の余地があり
ますね。

72マッティアス:2002/07/12(金) 09:55
一応言っておきますが、私はおっさん嫌いじゃないですよ。ユリ・クラ朝の中じゃ
いちばんマトモだと評価してます。
メッサリナにはキレルってイメージ全然無かったなあ。それに彼女を断固処刑に
踏み切ったナルキッススは、アグリッピナと仲良くないし。他の女を後妻に奨めて
いましたしね。ナルキッススはおっさんにワリと忠実。私腹は肥やしたけど。
でも、アグリッピナ陰謀説、小説とかで書いたら面白そうじゃないですか?

ネロとオト(もしかしたらネルウァも)vsブリタンニクスとティトゥスのビミョーな
対立関係とかも、気になるテーマ。
おっさん存命時の少年期とか、ご学友同士派閥作ってモメてそうだと微笑ましく(爆)
想像してます。

73カイザー:2002/07/13(土) 01:46
クラウディウスは別に私も嫌いじゃないです。
メッサリナはやっぱりダメですか?重婚事件はあまりにもお粗末ですもんね。
則天武后とは言わないまでも韋后程度の実力はあるかと思ったんですが、考え
たらずでした。悪意のあるマリ・アントワネットみたいなイメージが正解かも
しれません。
それにしても、女の人にだらしないというおっさんの悪癖の及ぼした影響は大
きすぎますよね。

オトのルシタニア総督就任はネロのごり押しで決定したみたいなんですが、妻
のポッパエアを差し出したオトへのご褒美と見るか、ポッパエアを奪われて不
満を持つオトを遠ざけたと見るかで全然違っちゃいますよね。
ネルヴァなんか、元々はネロとお友達のヤンキーなのかも?

74マッティアス:2002/07/13(土) 12:41
ネルウァ、ヤンキーではないと思うけど、ひどい人だったと思います。
見た目は生徒会長タイプ、性格はちょっぴりエピキュリアンという、ろくでなし。
ぼんぼんくさいペトロニウスくらいのものかなあ、と想像しています。
ネロに「当代のティブッルス(前1Cの恋愛詩人)」と言われたと知り、ヤバイん
じゃないかと思いました。
周りから見てイヤったらしくない程度に、ネロにおもねっていたんでしょうね。

メッサリナの「悪意のあるアントワネット」気に入りました。ステキ。
メッサリナって、美人説と不美人説があるのですが、どっちなんでしょう。
像を見る限り、アグリッピナのがずっと美人だし、ポッパエア母も当時一番の美人
だったというから、少なくとも彼女よりキレイな女性は結構いたのかな、と。

75カイザー:2002/07/13(土) 21:47
ネルヴァって、五賢帝に数えられてるという理由だけで教科書にのってますよ
ね。ネルヴァのそういう腹黒い所、私的には結構ポイント高いです。
・・・お友達には居て欲しくありませんが。

マリ・アントワネットが好きだという人は大体女性だと思うんですが、私には
容姿以外のマリー様の美点が思いつきません。死の瞬間の潔さは、ちょっとだ
けかっこいですけど。お母様のマリア・テレジアの心労が偲ばれます。
私は、まだルイ16世の方が好ましく思えますね。

76マッティアス:2002/07/14(日) 21:46
アントワネット様というと、「パンが無いならお菓子を食べたらいいじゃない!」
という名言が心に響きます(笑)。ていうかそれしかイメージないです。
某古典的名作少女漫画でも、ちっとも同情も感情移入もできませんでした。
ルイは16世の鍵オタクっぷりが微笑ましいですよね。
あと個人的にはマリア・テレジアよりエカテリーナ2世のが好きですね。格好いい。

ネルウァ、教科書載る価値あるのか?好きですけど、それとこれとは。
だったらティベリウスとかウェスパシアヌスとかのが重要じゃないのでしょうか
と、疑問に思う事もあります。
友だちはイヤでも、ネルウァのお稚児さんにだったらなってもいいなと思います。
お金持ちでハンサムでインテリでグルメだから。
あの人オンナに興味なさそうだから、妻とか愛人にはなれなそうですしね(笑)。

77カイザー:2002/07/14(日) 23:12
そもそも、教科書に無駄に皇帝の名前を羅列する意味はないと思いますね。
まだ、中国史みたいに
前漢・・・高祖(初代)、景帝(呉楚七国の乱)、武帝(最盛期)
後漢・・・光武帝(初代)、献帝(最後)
ぐらいでも、いいんじゃないかと思います。

これをローマに当てはめれば
アウグストゥス(初代)
トラヤヌス(最盛期)
ディオクレティアヌス(キリスト教最後の迫害、四分統治)
コンスタンティヌス1世(キリスト教公認、コンスタンティノープル遷都)
テオドシウス1世(最後の統一帝、キリスト教国教化)

といった辺りの皇帝名を教えて、周辺国家との関わりとか、ローマの軍制とかを
学ぶ方がいいと思います。どうせ、限られた時間じゃローマ史の粗筋も教えられ
そうにないですからねえ。
マッティアスさんの専門のイスラム史なんて、流しまくってますもんね。そっち
に、もっと時間を割いてもいいと思います。

エカチェリーナ2世は愛人を取っ替え引っ替えしまくった、女の子の憧れという
偏見に満ちたイメージしかありません。若い頃はたいそう美人だったそうですが、
おばあちゃんになっても、若い愛人を求め続けたんですよね。

78マッティアス:2002/07/14(日) 23:27
すごい!それくらい簡略化されてたら、人名で苦しむ必要ないですよね。
でも、イスラムも特にオスマントルコは、末期になるともう、よくわかりません。
アブデュル・メジト何世だアブデュル・ハミド何世だ言われると、頭弱いので(爆)、
とっても困ります。
エカテリーナはベルばらの池田理代子先生が描いたヤツ(原作はトロワイヤだけど)
があまりに面白かったので、ちょっと興味があっただけです。
実は女帝にはあんまり興味が…(←フェミニストから抗議がきそう)。
ミーハーにフリードリヒ大王が好きだと言ったら軽蔑されます?

トラヤヌスって、そういえば女性にはあまり人気ないのですが何故でしょうか?
私はプロティナやハドリアヌスにはなりたくないけど、嫌いじゃないです。
男性にはどう評価されているのでしょう?名君、とかいうことではなく。

79カイザー:2002/07/15(月) 00:30
「オスマン帝国衰亡史」という第二次ウィーン包囲の頃からのオスマン帝国の
衰退について、書かれた分厚い本を読んだことはあるんですが、内容は完全に
頭の中から失われてます。
イスラム関係はローマにも直接関わってくるんで、勉強しようとは思うんです
が、さっぱり頭に残りません。ウマイヤ朝とアッバース朝の概略ぐらいは思い
浮かべれるようになりたいもんです。

マリア・テレジアより、フリードリヒ2世がお気に入りという方は珍しいです
ね。フリードリヒの強引さが格好よく見えるんでしょうか?
確かロシア皇帝(エカチェリーナの旦那さんでしたっけ?)がフリードリヒマ
ニアだったんですよね。

トラヤヌスは、あんまり好きとか嫌いとか考えたことないですね。トラヤヌス
のハドリアヌスへの評価というのも、今ひとつハッキリしないですね。シリア
の総督になってる訳だから、帝位継承者の候補その1ぐらいの立場にはあった
んでしょうね。
トラヤヌスはそつがなさ過ぎますよね。理想の政治家ですが。

80マッティアス:2002/07/15(月) 11:37
おっしゃるとおり、フリードリヒマニアはエカテリーナの旦那です。
フリードリヒは実はカストラート(去勢歌手)好きで、国内に音楽院作ったとか。
バロックの、装飾音は歌手の自由裁量という伝統を無視して、楽譜に細かく
書き込んでその通りに歌わせた、という意外なバカっぷりが戦争上手、哲学好き
のイメージとギャップがあって面白いなと思ったんですよ。センスないけどね。

カイザーさん、やっぱり私よりちゃんと勉強していますね。
卒論に関係ない部分って、かなり真っ白などうしようもないワタクシ(爆)。
オスマン朝は軍楽隊とか、メフメト2世(ちょっと信長っぽいかも)がカッコイイ
とかしかイメージないし。ケマル・アタテュルクも好きです。

トラヤヌスって、隙がなさすぎるんですよね。ネロと正反対。
今でいえば上司にしたい人ナンバーワンかな?アニキ系でしょう。
ただ、あれと結婚生活を送らなければならなかったプロティナを思うと哀れで
なりません。友人とも言ってましたが、怖いです、何となく。
ハドリアヌスのことはある程度有能さは認めても、絶望的なまでの性格の不一致
があるので、嫌いだったんじゃないですかね。お互い。

81カイザー:2002/07/15(月) 23:59
プロティナとトラヤヌスも性格不一致なんでしょうかね?
軍隊大好きな超兄貴は彼氏としては、あんまり宜しくないのかもしれませんね。
ハドリアヌスの擁立といい、カシウスの反乱についての噂といい、トラヤヌスの
失脚をプロティナが望んでいたかのような、逸話は確かに目立ちますよね。

私の世界史の知識は偏ってるんで、時代や場所によっては、教科書程度のことも
覚えてなかったりします。中高時代は三国志にハマリまくってたんで、中国史は
歴史小説の粗筋レベルなら覚えています。

82マッティアス:2002/07/16(火) 12:56
で、あるか(笑)。(←大河は見てませんけど。)
三国志もいいですよね。ちなみに、人形劇(再)でハマったクチですか?それとも、
光栄のシリーズでしょうか?私の高校時代の友人は横山光輝アニメ派多数です。
私は吉川英治の曹操が好きでした。横山光輝もですね。
私の偏りも大変激しいですよ。数字覚えるの苦手ですしね。

それにしても、晩年のトラヤヌスといいユリアヌスといい、クラッススや
アントニウスといい、ローマ人はパルティア征服をよほど願望していたの
でしょうね。大概、途中まではうまく行くけど成功してないし。
トラヤヌスは皇帝というより、生涯一軍人というイメージがありますね。
戦争オタクとかいうといろいろ語弊があるのでしょうが。プロティナも相手が
皇帝でなく、一元老院議員だったら気楽に離婚できたのに。

83カイザー:2002/07/16(火) 20:38
三国志との出会いは、今は亡きMSX版の光栄のゲームを友人宅でプレイした
のが始まりです。それから、吉川英治の小説、横山光輝のマンガ、柴田連三郎、
陳瞬臣、NHKの人形劇、アニメ版といった感じの順番で楽しんでました。
その間に、母親が購入したPC9801をゲーム専用機として、三国志Ⅱ以降
の作品は最近までプレイしてました。さすがに、ゲーム版は飽きちゃいました
が(笑)。最近は、蒼天航路を読んでるぐらいですね。

パルティアやササン朝への遠征は色んな皇帝がしてますよね。一番、派手なの
はヘラクレイオス1世の大遠征。ペルシアに壊滅的な打撃を与えたのは良かっ
たんですが、ローマのダメージも致命的で、中東はイスラム教のジ・ハードの
草刈り場になっちゃうんですよね。

84マッティアス:2002/07/16(火) 23:04
なんでしょう、東方世界の魅力ってヤツでしょうか?それとも巨万の富?
一体何がそこまでローマ人をしてペルシア地方に向かわせるのでしょうか?
汗血馬は中央アジアだしなあ。美女や美少年の宝庫だったとか(笑)。
中近東文化センターとかオリエント博物館というのが東京にはあるのですが、
あちらの陶器とか装飾品といった奢侈な物資はほんと、キレイですね。絨毯とか
織物も中近東って有名だし。ああいうの間近に見ると、これが軍事遠征の目的か
とさえ思ってしまいます。
ヨーロッパと産するものが違うからどうしても仕方ないんですけどね。
昔から東方との貿易は西方にとって高くついたのが、ヨーロッパのアジア侵略の
最たる理由なのではないかといっつも思うんですよね。
ああ、偏った教育の賜物(笑)。

85カイザー:2002/07/17(水) 23:00
クラッススやアントニウスの場合はポンペイウス達の東方遠征の成功の延長線上
にあるんじゃないかと思います。征服と現地での略奪目的でょうね。

そこから、アウグストゥスやティベリウスのやや消極的な東方政策が続き、アレ
クサンドロス大王に憧れたトラヤヌスの遠征という感じでしょうか?
マッティアスさんの仰るとおり、東方貿易の基地の確保という意味合いもあるか
もしれません。いずれにしろ、恒久的にメソポタミア以東の地をローマが所有し
ようとした意志は、ちょっと感じられないですね。

パルティアが滅亡してササン朝に代替わりしてからは、ペルシアが強大化してし
まって、仕方なしに討伐に行かざるを得ないという感じに思います。貢納をして
平和を維持するという、かつての栄光からは考えられない体たらくです。

86マッティアス:2002/07/18(木) 23:14
そういえば、相手はペルシアじゃなくてセルジューク朝だけど、捕虜になった
皇帝もいましたよね。耳に奴隷の印のピアスまでされて。
(マラズギルドの戦いの時のトルコの将軍がルーム朝を作るわけですが、その息子
がお気に入りだったりします。)
東ローマとかつてのローマを一緒に考えるわけには行きませんが。
そりゃあ、プライドも傷つくし、嫌いな西側にも協力を要請しますね。

東方に関しては、ローマもちょっと人種の違いというか、文化の違いに手を焼いて
いますよね。ユダヤでさえ大変ですもの、もっと扱いづらいペルシアやらアラブの
連中を、きちっと支配に入れる構想はなかったかもしれませんね。カイザーさんの
おっしゃるとおり。できれば、属国として大人しくして、ついでに物資の供給先
にはしたいくらいかな。

トラヤヌスって、アレクサンドロスに憧れていたんでしたっけ?
そういえば、途中でインドまでなんてとてもたどり着けない、とか言って急に
老衰しちゃったんでしたっけね。なんか、それまでの名君振りとのギャップが。

87カイザー:2002/07/19(金) 00:29
ヴァレリアヌスもササン朝の捕虜になってますね。
セルジュク朝の捕虜になったのはロマヌス4世ですね。折角、ローマと和睦を考
えていた、スルタンのアルスラーン(でしたっけ?)に、解放してもらったのに
身内の争いで殺されちゃった、悲惨な人ですね。

トラヤヌスがアレクサンドロスに憧れていたというのは、創作なのかもしれませ
んが、「余がもっと若ければアレクサンドロス大王のように、インドまで征服で
きるのに・・・」とかいう、セリフが言い伝えられてます。

88マッティアス:2002/07/19(金) 20:25
そうそう、それです。なんか、トラヤヌスらしくないなあ、って。
いや、勝手にもうちょっと堅実で夢とかロマンとかと無縁な人かと思って
いましたので。

ロマヌス4世を解放した後、セルジュク朝も身内争いが起こっているのが面白い
ですよね。その後、トルコ側にとってはローマ(ルーム)のことは結構どうでも
良くなった頃、十字軍が来てしまうワケで。
ビザンツ側の君主もイスラム側も、基本的には異教徒よりも自分たちの内部の
権力争いのが大切なんですよね、所詮。
そういうことやってるから、どっちもカトリック勢力に痛い目にあわされちゃう。

89カイザー:2002/07/19(金) 21:33
西欧のカトリック世界と東欧の正教会との力関係が逆転しつつある時期でもあり
ますね。それにしても、十字軍時代の西欧人の異教徒への寛容さの欠如は驚くべ
きです。イスラム教とか北海沿岸の多神教徒に対する、無用なまでの虐殺はキリ
スト教の恐ろしさを教えてくれます。

でも、ポーランドは神聖ローマ帝国やドイツ騎士団と対抗するために当時は異教
国だったリトアニアと連合国家を形成したり、ユダヤ教徒を保護したりと、キリ
スト教世界の中でも不思議な存在です。
ナチスドイツに他の占領国と比較しても尋常じゃないほど、ポーランド人が殺し
まくられてるのは、ドイツ侵攻に対する抵抗が激しかったとかいう以前に、宗教
的な憎悪が根本的にあったのかなと、思ってしまいます。

ローマと話がずれちゃったんで、軌道修正。
コンスタンティウス2世の永遠のライバルでユリアヌスをこの世から葬ったササ
ン朝のシャープール2世は、生まれる前から王位にあった変わり種の王様。王位
争いの関係で、取り決められたみたいですが、もし生まれてきたのが女の子だっ
たら、どうするつもりだったのかちょっと不思議。
ペルシアの女王って、聞いたことはないんですが、あり得るんでしょうか?女性の
スルタンはマムルーク朝でいましたよね。
これも、ローマじゃないですね(笑)。

90マッティアス:2002/07/20(土) 20:40
シャジル・アル・ドゥッルですね。マムルーク朝のスルタナ☆美女で悪女(決定)。
ローマとズレないようにと思いつつ、ついその辺りにはフラフラと(爆)。

ユリアヌスが日本で人気あるのは、ギボンの評価がいいからってよりもやはり、
辻邦生氏の名作のおかげでしょうね。小説は専門書より強し。
あれを読まなかったら、私もそんなに興味持たなかったかも?
ああ、でもキリスト教教育を受けた人間が、その狭い視野と思想に疑問を持ち、
豊かなギリシア・ローマの古典へ回帰しようというところには、やっぱり共感した
かも知れません。
あの本を読んだ後だと、つい純粋ゆえに無知蒙昧で排他的なナザレ人たちにも困った
ものだな、とか言ってみたくなります。←ば〜かば〜か☆
ていうか、私はきっといつか狂信的なまでに純粋なキリスト教徒に刺されるような
気がします。

91カイザー:2002/07/21(日) 00:00
そんな名前でしたね。良くマムルーク朝の歴史を知らなかった頃は(今でも全然
分かってませんが)、アイバクの妻としてスルタンに即位したかとおもってたん
ですが、実際にはアイバクがシャジャル・アル・ドゥルと結婚することによって
スルタン位を確保してるんですよね。

歴史小説が一般読者に及ぼす影響は本当に大きいですよね。吉川英治とか司馬遼
太郎といった大家の作品は本当に偉大です。でも、忘れてならないのは彼らもや
はり歴史資料を彼らなりに解釈して研究しているということ。
「背教者ユリアヌス」については私は未読ですが、おそらくギボンの「ローマ帝
国衰亡史」は参考にして書かれたんじゃないかと思います。

ユリアヌスの理性的な多神教復興政策は、私には成功の見込みは感じられません。
ディオクレティアヌスやガレリウスの行ったような、迫害を更に徹底して行うしか
なかったんでしょうが、手遅れもいいところ。五賢帝時代ぐらいにそれを行ってれ
ば多神教徒の生き残る道もあったかもしれません。

92マッティアス:2002/07/21(日) 14:08
まあ、成功の見込みはまず無いでしょうね。ただ、気持ちはわかるよってくらい。
トラヤヌスとかマルクス・アウレリウスは結構がんばってキリスト教を規制とか
弾圧とかしていたような気がしますが。実はドミティアヌスよりもきっちり(笑)。

歴史小説なら、専門的な知識や予備知識なしでも楽しめるから、読者層も広いです
よね。歴史スペクタクル映画とかも。
史料をきっちり読み込んだ上で、ちゃんとエンターテイメントに仕上げるプロの
力量はすごいです。ただ、歴史ファンというわけでもない読者は、作家の作為に
時折騙されますよね。やはり、多少は史料を操作しますもの。
そういうのでワリを食っているのがオクタウィアヌスですね。ネロは悪役でも
主役側でもそれなりにオイシイ設定なのに。

93カイザー:2002/07/21(日) 15:23
トラヤヌスも密告とか証拠なしのキリスト教迫害はダメみたいなきれい事をいわず
に、キ○ガイの汚名を着てでも殺戮の嵐を巻き起こせば、その頃なら勝利の芽はあ
ったかもしれません。そこまでする必要があるかどうかは横に置いときますが。

ネロの場合は、私なんかはストレートにギリシアかぶれのアホタレといいたいんで
すが、ドラマ的展開を求める為には、『ギリシア芸術をたしなむ美貌の少年皇帝で
ちょっと冷酷なところがチャーミング☆』、みたいな描き方をしないとダメなんで
しょう。

逆にオクタヴィアヌスの場合は、カエサルに焦点があてられて雑魚扱いだったり、
クレオパトラ側の視点で描かれてクソバカな侵略者という描かれ方が目立ちます。
中毒になるぐらい面白い歴史小説の主人公にオクタヴィアヌスが起用されないと
現状は変わりそうにないですね。

94マッティアス:2002/07/21(日) 20:58
オクタは美形悪役希望、とか言ったらダメですか?『追憶のクレオパトラ』とか
可愛いカオして、しかも話し方も美少年ぽいのにオニでステキでした。
敵役でもいいんですよ。美形で有能なら。下手に主役よりそのほうがいいかも。
ていうか、主人公にするには性格や行動が地味すぎる…。いっそアグリッパ視点で
歴史大河小説とかのが良いのでは。

ネロはモンテイエの『ネロポリス』に下巻から登場しますが、なかなかヘンで
面白かったですよ。主人公の継母で、かつてクラウディウスとアグリッピナに追従
するため叔父(主人公の父)と結婚した美女が、主人公によこしまな想いを寄せて
いると気付き、「余が懲らしめてやる」と連れて帰るシーンが最高。あとで継母が
語るには、彼女を自分がかつて殺した母親に見立てたかなり屈折したプレイをした
という、すっごくらしいキャラ設定。しかも美貌の主人公にも色目使うし。
私的にはすばらしくネロらしい、と感じました。繊細な変態さん具合が。

そういえば、トラヤヌスも有能で英雄扱いのわりに主人公で話描きづらそうな人
ですよね。ていうか、五賢帝はみんなそうかな。
ネロとかカリグラとかドミティアヌスとか、暴君のが話にしやすいような。

95カイザー:2002/07/21(日) 22:19
やっぱり、クレオパトラ&アントニウス陣営を正統化するには、オクタヴィアヌ
スを真っ当に評価しちゃダメでしょう。歴史に忠実であればあるほど、あの2人
のダメさ加減が際だっちゃいます。

マッティアスさんの仰るようにアグリッパを主人公にすれば、格好いい冷酷非情
のオクタヴィアヌス様にお目にかかれるかもしれません。「背教者ユリアヌス」
で商売がなりたつんなら、それもありかもしれませんね。(なりたってなかった
りして)

やっぱり、小説の主役としてはオクタヴィアヌスは向いてないのかもしれません
ね。歴史小説=戦争モノという図式が全てでないにしろ、派手な戦争シーンは全
部アグリッパにお任せじゃ、ドラマ的に見栄えがしないですもんね。

グラディエーターとかもそうですが、悪の皇帝は格好いいですよね。コンモドゥ
スなんかは題材にしやすいんでしょうね。

96マッティアス@漫画喫茶:2002/08/07(水) 13:08
じゃあ、ドミティアヌスを主役にぃ〜★ フラウィウス朝はマイナーですが。
ネロは主役かメインで大活躍で、ちょっぴりジェラってみてます。
カイザーさんは誤解なさっているようですが、私はもちろんネロも好きですが、
実はドミティアヌスのが愛してますよ(笑)。

>アグリッパ目線の歴史大河
オクタのマイナス面も、味方だからこそ見える良い面も描けますよね。
遠藤周作の『反逆』は、ほかの人の目から見た信長の冷酷さと魅力、みたいのが
すごくよく出ていて、信長ものとしては一番すきな作品。
そういうノリでオクタウィアヌスがみたいのです。
だから、主役はアグでなく、マエケナスでもアシニウス・ポリオでも、いっそ
オクタウィアでも良いのです。
ただ、まあアグリッパが一番前線でずっといっしょだったから。
クレオ&アントニウスも実はそんなに嫌いじゃないので、もっと悪の面をクローズ
アップしてくれたら素敵だと思います。

>グラディエーター
コンモドゥスは実際、もっと壊れたヒトでしたが、あれだと小者すぎ。
マイラブ☆ホアキン・フェニックスが好い演技をしていただけにもったいない。
もっとも、史実どおりだと、もっとマッチョ系じゃないとダメですけどね。

97カイザー:2002/08/07(水) 23:47
いえいえ、マッティアスさんの「ドミティアヌス様〜☆」的な愛情はひしひしと
伝わってますので、誤解はしていないと思いますよ。

「グラディエーター」は、はっきり言ってローマ史ファンに喧嘩を売ってる映画
ですよね。あれが歴史物として通じるなら、NHKの大河ドラマでも究極のリア
リズムの評価を与えれます。
「パールハーバー」なんかもそうですが、ハリウッドに歴史映画を作らせるとデ
タラメをやりすぎますよね。アメリカ人って歴史への敬意が全然ないんでしょう
か?というか、「パールハーバー」の方が全然マシだというのは、どういうこと
ですか!?
ローマを題材にさえしてなければ(せめて実在の皇帝を登場させなければ)、ケ
チをつけようとは思わないんですけどね。そうだったら、見に行ってないでしょ
うけど。

98マッティアス:2002/08/10(土) 20:16
「パールハーバー」は見ていないのでよくわかりませんが。
ハリウッドはエンターテイメント性というか、大掛かり〜なものが好きですからね。
制作費が高ければいいもの撮れるってモノじゃないぞ、といつも思います。
「グラディ」とかは某JN(漫画の方でも可)並に、その時代ファンには手痛い
作品に仕上がってますよね。

NHK大河は、時にフィクションでも、それを史実だと思ってしまう人が多そうで
怖いですね。私も興味ない時代は信じちゃいますもの。
ていうか、「その時歴史が動いた」とか、もうちょっと力入れてクォリティ高い
もの作れよ、国営放送!ってカンジ。

フィクションで、一部のファンに大!不評な宮尾登美子『クレオパトラ』は、
何年か前に舞台化しましたが、キャスティングを考えると見てみたかったかも。
平幹二郎のカエサルに赤坂晃のオクタウィアヌス…ちょっといいかも。

99カイザー:2002/08/11(日) 16:43
「その時歴史が動いた」は非道いのが多すぎますよね。
前番組の「ライバル日本史」といい、何で資料をごく普通に解釈しようとしないん
でしょうか?資料で確認できないことを述べるときは、それを予め視聴者に説明す
ればいいのに。
私を含めた素人の視聴者に仮説(を述べても一向に構わないんですよ)を通説かと
誤解させるかのような、放送の仕方には嫌悪感を感じます。
毎回ではないんですけどね。

宮尾登美子の作品は未読なんですが、そんなにダメなんですか?
逆にそう聞くと読んで見たくなって来ちゃいます。

100マッティアス:2002/08/11(日) 21:50
宮尾登美子は読んでいないのですが、オクタウィアヌスファンに不評ですね。
まだ、マーガレット・ジョージの『追憶のクレオパトラ』のがマシだと。
「追憶〜」は面白かったです。オクタの悪役っぷりが。可愛くオニっ子。
美形でこの性格かよ?ってカンジが大好きです。
アントニウスがちょっとイイ男すぎるきらいはありますが、ひそかにMyブームの
コルネリウス・ガルス(ウェルギリウスの親友で軍人、元詩人)がちゃんと
オイシイ(?)登場をしてくれるので、楽しかった。ナイス敵役!

仮説や独自の推論を述べるにあたっては、通説とは異なる旨、きちっと説明が
欲しいですよね。
国営放送ってやっぱり、どんなに駄目×2なものを作っても、一般的に影響力強い
ですからね。素人は誤解しますよ。
かつては「世界不思議発見」でさえ鵜呑みにしていた私のような人間には尚更です。
あ、あとスカパーのヒストリーチャンネルも。時々、三村風に「〜かよ?」って
ツッコミ入れたくなることが。訳のモンダイかなあ?
ネロがお忍びでやったことのなかに、万引きってあったんですけど(笑)。

101カイザー:2002/08/12(月) 01:30
何とかローマのページを更新しようと、ギボンを読み返してるんですが、速攻で
眠気が(笑)。ティベリウス2世がベタ誉めなんですが、いまいち理由が・・・。

世界不思議発見は神々の指紋を通説に比肩しうる新説かの様に紹介するトンデモ
番組ですんで、要注意。
歴史学のいいとこでも悪いとこでもあるんですが、素人でも空想で新説を考える
ことが出来ちゃうんですよね。数学や物理(でもあるでしょうが)よりもハード
ルが低く見えちゃうんでしょうね。

102マッティアス:2002/08/12(月) 13:18
歴史とか国語とかって、解釈の幅や視点の変換がしやすいですからね。
学術的な目的ではなく、エンターテイメントに適しているのはその辺ですね。
だから専門家ではなく好事家はいっぱいいるという。

ヴァルテルの『ネロ』を先に読むか、『ローマの青年』を読もうか検討中です。
昨日、友人と話していたのですが、歴史エンタでよくある、英雄が実は女性だった
とか、両性具有だったネタで、ユリ・クラ朝でいちばん適合するのはネロですね。
逆に、この女性が男だったらすごい英雄になっていたかも、と思うのはリウィアと
(小)アグリッピナ。この二人、男だったらもうちょっと評価されたのでは?

103カイザー:2002/08/12(月) 22:45
私としてはアウグストゥス=女性説を声高に主張したいですね!!
実はアグリッパとドキドキとか、オクタヴィアやユリアとの禁断の同姓愛とかがい
い感じです。(どこが!?)
ってゆーか、ユリアのオカンは誰やねんという疑問が即座に沸いて来るんで、この
妄想は見なかったことに(笑)。

アグリッピナは偏見の目で見られることが多い人物ですよね。
どうしても、クラウディウスの不可解な死(やっぱり暗殺なのかな?)が、アグリ
ッピナを歪んだ人物として評価させてしまうんでしょうね。女性が権力を握るには
どうしても手段が陰険なものになっちゃいますね。

104マッティアス:2002/08/12(月) 22:59
アグリッピナの悪女っぷりが却ってカッコイイと思うんですけど。潔いですよ。
頭もキレるし、行動力もある。ピカレスク・ロマン炸裂です。
でも、その前にティベリウスかカリグラに処刑されてしまうでしょうが。

実はアウグストゥスの女性設定はちょっと嫌です。あの手のカオは、実は女装が
似合わないし。オクタウィアは線が優しくなってるからキレイだけど。
でも、ユリアやオクタウィアと近親相姦に陥っていて欲しいかも(爆)。
ていうか、それじゃカリグラの、自分の母はアグリッパとユリアの娘じゃなくて、
アウグストゥスが娘と過ちを犯してできた子なんだ、と主張してるのと同レベル。
精神的には一線越えちゃってる人な気がしますよ、アウグストゥスって。

105カイザー:2002/08/12(月) 23:41
アグリッピナは私の中でも評価は高い人物ですよ。
女性という立場を考えれば、皇族という立場を十二分に利用してることを考慮しても
恐るべき政治手腕の持ち主です。いかんせん、その猛母の理念を受け継ぐべき皇帝ネ
ロの資質が・・・。
自殺を強要された時のアグリッピナは悔しかったでしょうね。

>精神的には一線越えちゃってる人な気がしますよ、アウグストゥスって。

実在のオクタヴィアヌスのあらゆる可能性を検討すれば、夢(=妄想)は広がる余
地が一杯ありそうですね。まあ、流石にユリアに手を出したとは思えませんが。

106マッティアス:2002/08/13(火) 10:48
実際に手を出していたら、かなり人間失格です。
容姿のわりに地味なキャラクターなもので、ラディカルな発想していかないと
遊べない人物ですよね。オクタウィアヌスって。
オクタウィアヌス・ファンの友人曰く、アウグストゥスは家康とキャラかぶってる
そうですから。
だから大方のファン(特に女性)は妄想というかドリームを持っているらしい。
私はアントニウスを倒す以前の、人間的に余裕の無いところとか、降参した敵に、
せめて埋葬だけはと頼まれて、「それは空飛ぶ鳥達が決めてくれるさ」とか
言ってる頃はスエトニウス・レベルで大満足ですけど。

107カイザー:2002/08/13(火) 22:25
大権現家康公は、先日読んだ横山光輝のマンガで、11才の時に一晩で2人のお姫
様を押し倒したというシーンがありました。人質という立場にあっても、さすが天
下人ということが私の頭の中だけで史実として扱われてます。
当然、それが竹千代君の初体験です。

そういえば、カリグラと小アグリッピナはやっぱり禁断の関係にあったということ
でOKなんでしょうか?

108マッティアス:2002/08/14(水) 21:14
それは事実でしょう。カリグラって、多分極度な淋しがりやさんだから(笑)。
個人的な妄想というか、もし小説とかの設定をするなら、あそこの3姉妹
(カリグラの妹達)では、実はドルシッラが一番地味だったりが萌えです。
リウィッラ・ユリアが一番ありがちなタイプの、やや軽薄な美人で、
アグリッピナは母を彷彿とさせる気丈さと、男だったらライバルになりうる知性で
カリグラにはちょっとうざかった、(ていうか恐ろしい)とか。


少年徳川家康の話は見ていたおぼえがないのですが、兄のテープに入っていた為、
OPの歌だけよく聴かされたなあ。
11歳っていうと、多分囚われの身でしょう?姫って今川のなんですか?
今度漫画喫茶で読んでみよう。
(横山光輝というとバビル2世とか、マーズなら読んだのですが)

109カイザー:2002/08/14(水) 23:39
今気付いたんですが、当コンテンツ内のクラウディウスの在位期間がティベリウス
と同じになってます。直しとかないと(汗)。
なんか、ユリウス・クラウディウス朝で一番まともな性癖の持ち主って、クラウデ
ィウス陛下の様な気が・・・。とかいいながら、姪っこと結婚してますが(笑)。

松平竹千代の相手を勤めたのは、亀姫(今川家の家臣吉良吉安の娘)と鶴姫(今川
義元の姪、後の築山御前)です。築山御前の描かれ方は女性の目から見ればちょっ
と不愉快かもしれませんが、読み応えがあって面白かったですよ。

110マッティアス:2002/08/15(木) 21:37
築山御前って今川の姫さまなんですか。知らなかった(←死)。
横山光輝といえば、歴史SFの「時の行者」も面白いですよ。いろいろ出てきて。
天草四郎なんて、ヨコミツにしては珍しく睫つきの美少年だったし。

>クラウディウスの在位期間
あり?そうでしたっけ?
ネロ〜フラウィウス朝しかマジメに見ていなかったのかしら(爆)。
ネロといえば、何故か暴君たちの憧れの的☆ですね。コンモドゥスといい、
エラガバエルスといい。しかも彼らは何か方向性を間違っている(ToT)。
コンモドゥスとエラガバルスってどっちがダメ×2度高いと思います?

111カイザー:2002/08/16(金) 23:33
どー見てもエラガバルスの方がダメ皇帝でしょう。
彼の性転換手術が成功したかどうかの研究に一生を費やしてこそ真のローマファン
を名乗れるのかもしれません。

ただ、歴史的評価からいうと別にエラガバルスのしたことがローマ史に及ぼした影
響というのは大したことはなくて、むしろ次のボンボン皇帝アレクサンデル・セヴ
ェルスの軟弱政策によって到来した軍人皇帝時代の方がよっぽどまずいんですよね。

所詮エラガバルスはユリア・ドムナとユリア・マエサの権力争いのコマに過ぎない
哀れな存在です。
そういう意味じゃアグリッピナから自立したネロって意外と有能なのかも?

112マッティアス:2002/08/18(日) 00:51
ネロは馬鹿じゃなくて自堕落なだけなの☆(←まずいってば充分に)
エラガバルスは…なんなんでしょうね。昔、アントナン・アルトーを読んで、
とっても理解不能に陥りました(爆)。
性転換はしてないでしょう。っていうか、男を捨てる気はなくて、両性具有願望が
強いカンジですよね。一種の狂信的妄想というか。
ていうか、そんなことに一生費やしたくないよう(ToT)。

アレクサンデル・セヴェルスかあ。あの子も不憫ですねえ。
母親はユリア・マンマエアでしたっけ。彼女はきっと姉のソエミアスとは気が
合わなかったと勝手に思っているのですが。
マンマエアのがちょっとまともな性格っぽいし、多分貞淑。で、姉のが美人。

113カイザー:2002/08/18(日) 01:41
私も記憶がおぼろげなんですが、ディオ・カシウスの孫引きか何かの引用で、取っ
ちゃった(何を?)という記述を見た覚えがあるんですよね。確かにマッティアス
さんの仰ってる両性具有への改造手術の可能性も聞いたことはあります。

ちょっと、上のカキコで勘違いしてたんですが、ユリア・ドムナはカラカラとゲタ
の母親ですね。
ユリア・マエサはその妹。
ユリア・ソエミア(エラガバルスの母親)とユリア・ママエアがユリア・マエサの
娘ですね。ユリアだらけー。

114マッティアス:2002/08/18(日) 10:49
ユリアは多すぎます。混乱するじゃあないか!と激怒。(←逆ギレ)
アントナン・アルトーと澁澤龍彦だと、去勢はせずに、外科手術で女性器を穿った
みたいな書き方でした。宦官をまわりに置いたり、宗教儀式の一環で、司祭達を
去勢したりしてはいたようですが。(もともとシリアの祭祀ですものね)
エラガバルスはかなりイッちゃってる人なので、自分の神と合一するというか、
近づく為に両性具有になろうとしたらしいですね。壊れてる。
セウェルス朝、まともだったの最初だけ?みたいな。

115カイザー:2002/08/18(日) 18:58
アレクサンデル・セヴェルスは有能かどうかはともかく真人間だと思います。後、
ゲタも評価は保留せざるを得ませんが、意外と真っ当な皇帝だった可能性は検討の
余地ありですね。だからと言って、カラカラ、エラガバルスという帝政史上に燦然
と輝く電波皇帝の偉業は微塵も損なわれることはないんで、ご安心下さい。

この辺は素人(?)の私よりもマッティアスさんの方がお詳しいと思うのですが(笑)
、エラガバルスは同姓相手の時は女性役専門のなんですよね。
それにしても、これ程フォローのしようもない皇帝って他にいないですね。

116マッティアス:2002/08/19(月) 21:39
エラガバルス、「すべての男の女、すべての女の男」を地で行ってれば、まだ
理解できようものを。基本は「アタシってちょっと淫乱なレディ?みたいなァ」
ってキャラなので、女性とはどうだったのか気になるところ。
一応、結婚離婚を何人かの女性としているようですが。でもね(深呼吸)、
私、あそこまで壊れた方は苦手です(T_T)。神懸かっている人って理解不能で。

カリグラも結構実は苦手なのですが、私のことをボウクンスキーと誤解している
友人には驚かれました。暴君と狂える王は違いますよね?
だから、ドミティアヌス、ネロ、アレクサンデル・セウェルスはおっけー。
カラカラは電波系ってより、極度な臆病者って気がします。ドミティアヌスを
卑小化したようなイメージ。

117カイザー:2002/08/19(月) 23:58
電波にしろ素面にしろ、暴君は暴君ですよね。
快楽殺人でも保険金殺人でも殺人は殺人みたいなもんです。(何ちゅー例えや)

マッティアスさんが、カリグラやエラガバルスと他の暴君達とは違うと言いたいこ
とは何となく分かります。
ネロなんか世間的なイメージ像じゃ、カリグラ系に思えてしまいますが、実際の所
は精神異常的なことはないですもんね。でも、コンモドゥスは微妙なところ。カリ
グラやエラガバルスの臭いが微かに感じられます。

118マッティアス:2002/08/20(火) 09:24
コンモドゥスはやばいと思います。わいはヘラクレスの化身じゃあ、みたいのが
(何故にファイトクラブ生的言葉づかい?)結構キています。
ネロが憧れの人だったわりに、やることかなり野蛮じゃないですか(泣)!美学を
感じられないんですよ。やっぱりこの人もちょっと理解不能。
私の理解能力はとっても低いし偏っているので。

「電波にしろ素面にしろ、暴君は暴君」。心にしみました。
これからはあまり堂々と、独裁官スッラってイケてるぅ☆とか言わないように
します(爆)。

119カイザー:2002/08/20(火) 15:49
そういえば、電波な皇帝って他にはあんまりいなさそうですね。

一応、ユスティヌス2世はランゴバルド族とペルシア戦の敗報を聞いて発狂して退
位ということになってるんですが、ギボンを読んでると単に混乱が激しくなってき
た帝国運営から逃げだそうとした方便なんじゃないかと思えてしまいます。
いいのか、そんなんで?

120マッティアス:2002/08/20(火) 17:28
あ、116のカキコで間違ってる…セウェルス朝では、セプティミウスさん以外、
実は好きじゃないです(笑)。この人も、軍閥系だけど優秀で好き。

狂ったフリして帝国運営から逃げ出した、ですか。たまに、逆もありますよね。
重臣達にうざがられて、「皇帝ご乱心」ということで無理やり退位、とか。
でも、重臣達にうざがられるほどの気概がある皇帝って、あんまりいないかな。

121カイザー:2002/08/20(火) 21:35
ローマ皇帝というのは基本的に終身地位だから、無理矢理退位とかよりも殺しちゃ
う方がてっとり早いですよね。中世ヨーロッパとかだったら、ネロやドミティアヌ
スは幽閉されて生涯を終えてたかもしれませんね。(その方が辛そうだけど)

あくまでディオクレティアヌスの無難な退位劇は例外でしょう。ディオクレティア
ヌスにしても、家族をリキニウスに皆殺しにされたり、折角築いた四分統治体制が
崩壊していくのを見ながらの死は無念だったことと思われます。
以前もちょっと話題になりましたが、皇帝の退位が可能になったのはビザンツ帝国
以降のことです。

122マッティアス:2002/08/20(火) 22:48
う〜ん…幽閉とか隠居とかもツライことはツライですが、ネロあたりはそれで
満足しそうですね。ドミティアヌスはまた、ハエを殺しながらすごすのかしら?
でも、彼らは軍隊なり民衆なりの支持があるから、ヘタに生かしておくと、簡単に
クーデタが起きてしまうでしょうね。だから、やっぱり殺すでしょう。

皇帝の退位って、やっぱりキリスト教の影響もあると思うのですが、西ローマ帝国
ではなかったんですか?(←勉強しろよ!)

123カイザー:2002/08/20(火) 23:14
西帝国では最後のロムルス・アウグストゥルス以外にはグリュケリウスとユリウ
ス・ネポスが逃亡としう形で退位後も生き延びてます。ネポスの場合は逃亡とい
うより、本人の意志では一時的退却のつもりでいずれはコンスタンティノポリス
の援助の下で復帰するつもりだったのでしょう。
グリュケリウスも修道院入りして、俗世とは関わらないという意志表示を行った
ので、一応生涯は全うしたようです。グリュケリウスは後のネポス暗殺の黒幕と
言われています。
本来ならこういった元皇帝は殺さないといけないんですが、混乱下にあったイタ
リア半島でそんなことに気を取られるわけにもいかなかっただけだと思います。
ネポスはローマに入城することなくオレステスの反乱で領地のダルマティアに退
却しています。
そのオレステスが即位させたロムルスはオドアケルの手によって退位されている
のですが、オドアケルがロムルスを殺さなかったのは、ロムルスを殺してしまえ
ば、あらたなローマ皇帝を名乗るものが現れかねないので、殺さずに退位してコ
ンスタンティノポリスのゼノンへ帝位を返還するという手続きを踏んだものと思
われます。
先帝レオ1世のように新たな皇帝を送り込んでこないように先手を打ったわけで
す。

あくまで可能性ですが、オドアケルが自ら皇帝を名乗るという選択肢を選ばなか
ったのは残念な所です。リスクの大きい選択には違いないのですが、ゲルマン人
に継承されるローマ帝国というのを見たかったのは私だけではないでしょう。

124マッティアス:2002/08/20(火) 23:44
ゲルマン人の皇帝、たしかに見てみたかったですね。ガリアとか、意外といますけど、
所詮、属州出身者だし。
ああ、帝政後期っていろいろあるのですねえ。衰退期ってどこもゴタゴタしてますが。

イスラム帝国って発展期にあるときは、わりと衰退する前のローマ帝国に近い気が
するんですよ。キリスト教王国よりむしろ。
何でしょう、異教徒に対するあの偏狭ぶりが、〜近代のキリスト教国家が野蛮に
見える原因なんでしょうね。
ユリアヌスはそういうところが嫌いだったのかしら。

125カイザー:2002/08/21(水) 00:08
ゲルマン人の皇帝としては、コンスタンティウス2世と帝国の覇権を争ったマグネ
ンティウスがいるのですが、彼はコンスタンティウス2世の派遣した軍に敗退。
それ以後ゲルマン人が帝位に付くことはなくなります。
ガッラ・プラキディアが西ゴート王アタウルフと自身の子を皇帝に就けようと画策
したり、ゲルマン人(スキラエ族)のオレステスの息子ロムルスが帝位に就いてる
のはゲルマン人じゃないのかと、色々疑問はあるんですが、ゲルマン人は帝位に就
く資格はなかったようです。

ローマFanはキリスト教に不信感を持つというのは歴史的パターンですね。
あのギボン先生にしても(はっきりとは書いてませんが)どうもキリスト教に嫌悪
感を持っておられるようです。
かつて異教徒を滅ぼしてきたという、現在のキリスト教徒の原罪は忘れることは許
されない歴史的事実かと思います。(だから謝罪しろとかいう意味じゃないです)

126マッティアス:2002/08/21(水) 21:09
ローマFanもですが、東洋史の専攻をしていると、教授たちが口を開けば
「野蛮なキリスト教徒どもは」「偏狭で排他的なキリスト教徒たちは」という
恐ろしい講義を受け続けるわけで。(うちキリスト教の大学だったのに)
でも、実際、自分達は正しいと信じる純粋かつ狂信的な力は、すっごい威力が
あったのだと思います。
だからこそ、後期の皇帝たちはその力を欲し、利用しようとして、逆に飲み込まれて
いったような。宗教って、ハッシシュより怖いです。

127カイザー:2002/08/21(水) 22:43
キリスト教徒の排他的性質は恐ろしい限りです。
でも、東ローマでは異文化交流が盛んだったからか、西洋のカトリックとは違って
コンスタンティノポリスにモスク何かもあったようです。

西洋の場合は教義解釈権がローマ法王に限られ、ラテン語かギリシア語しかない聖
書は一般人は読むことも出来ないというのが、(こういう言い方は良くないかもし
れませんが)文明度の低い中世社会に排他的攻撃的思想を植え付けたんだなと思っ
ています。
逆にギリシア語が公用語の東ローマでは庶民でも聖書を読めたため、ネストリウス
派や単性論といった異端との神学論争が絶え間なかったそうです。(聖書的には正
しい)イコン破壊運動が根強く行われ続けたのも、民衆が聖書を読んでいたからだ
と私は思います。

素人考えなんで、異論はあるでしょうけどね。

128マッティアス:2002/08/21(水) 23:05
ギリシア正教会や、東方のキリスト教徒たちには興味があります。
彼らはやはり、神学的解釈をめぐって論争もしたようですが、ムスリムとも共存
していたり、結構、寛容というか、文化的ですね。
十字軍招致のきっかけになったセルジュク朝とかトルコ人との軋轢だって、純粋に
領土とか政治とかの問題であって、狂信的な人たち同士の戦いでは決してなかった
わけですよね。
ビザンツ帝国って、そういうカンジだから、盲目的に教会(教皇)の権威にひれ伏す
西欧世界の人々(フランク人)からみたら、不信心で恥知らずなのでしょうけど。
宗教が民衆に強い支配力をもち、王侯貴族より聖職者の方が権威があるっていうのは
政教分離が進まない社会では当然のことなのかも知れませんが、中世にしろ、それ以
前にしろ、ドルイド教やエジプトの神官団と変らないのでは、と思います。

129カイザー:2002/08/22(木) 21:58
基本は教義解釈権が一点に集中しているかどうかにつきるんじゃないかと思います。
誰でも聖書が読めるのと、聖書の内容を誰も理解できない状態では教会権力の力の差
は歴然だと思います。
昨今のカルト宗教でもそうですが、教祖のみが教義解釈権を持つというのは、宗教に
おける危険要素の一つですね。(それだけではないですが)

実際の所よく分かってないんですが、東ローマ皇帝の影響下にあったころのローマカ
トリック教会というのは多少は寛容性が存在したんでしょうか?それとも、元々寛容
性とは縁もゆかりもないキリスト教がギリシア・ローマ文化の洗礼を受けて、多少は
寛容になったのがギリシア正教なんでしょうか?
何となく後者かなという気がします。

130マッティアス:2002/08/22(木) 22:09
う〜ん、どうなんでしょう。わたしも後者の気がします。

話は全然変りますが、服飾の歴史関連の本を見てふと考えました。
ファッションに寄与したか、単に服装のことが話題になった皇帝といえば、
アウグストゥス、カリグラ、クラウディウス、ネロ、ドミティアヌス、
ハドリアヌス、カラカラ、あたりしか思い浮かばないのですが。
気のせいか、暴君率高い気がします。しかも、唯一、古代からマトモに高い評価の
アウグストゥスは、「トガをまとえる族よ!」とか言って、保守というか復古を
唱えたくらいで、変った格好をしたとか流行らせたわけじゃないし。

131カイザー:2002/08/22(木) 23:36
エラガバルスなんかも奇抜な格好をしたことで評判になってたましたよね。悪い意
味で(笑)。
芸術家というのは、常識にとらわれない奇抜な人間の方が向いてる様ですので、芸
術性が高い皇帝の暴君率が上がるのはある意味必然かと(笑)。

こういう文化関係の知識は弱いんですよね。もうちょっと、私も勉強しないといけ
ない分野です。でも、先日立ち読みしたローマの食文化の本は上水設備の亜鉛中毒
について偏見だらけの記述があって、一瞬で購入する気力がなくなりました。

132カイザー:2002/08/22(木) 23:43
あれっ、間違えてました。

亜鉛中毒 → 鉛中毒ですね。

133マッティアス:2002/08/23(金) 21:28
食べ物についての記述はよくも悪くも、食欲に働きかけますよね。
ローマ人、なんでも食うなあ、ってカンジで恐ろしいです。

服飾話ですが、ドミティアヌスの場合、何かを流行らせたっていうよりも、皇帝の
衣装としての緋色(紫紅)を定着させた、ってだけなんですけど。
でも実はティトゥスの頃からそうだったんじゃないかという説もあります。
エラガバルスもそういえば、じゃらじゃらアクセと派手で奇抜でなおかつ艶っぽい
いでたちで現れたんでしたっけ。きっと小林幸子と張りますよ(笑)。

芸術性の高い皇帝は暴君率上がる、ですか。確かに。
やはり、人間的にどうよってくらい、芸術的な激しい情熱と個性が、治められる側
としては、大変メイワクなわけですね。

134カイザー:2002/08/23(金) 22:28
紫衣=皇帝を定着させたのはドミティアヌスなんですね。
多分、ローマ史の常識なんでしょうが、私は知らなかったです。以前から気になっ
ていた情報なんで、有り難うございます。

でも、ビザンツ時代には皇帝=紫衣ではなくなるんでしたよね?
もっと、文化史の知識を身につけないといけないです。

135マッティアス:2002/08/23(金) 23:37
もともと紫は監察官(ケンソル)の衣であった事、また凱旋将軍の衣も緋色であった
事が、皇帝の権威と結び付けられ、フラウィウス朝時代に定着したと考えられて
いるようです。ティトゥスの凱旋門などから考察されていたのですが、
ドミティアヌスが85年以来終身監察官になったこと(彼はコンスルよりケンソル職
のほうが気に入っていたっぽいし)から、きっと緋色のトガばかり着ていたと推測。
私も昨日、レファレンスルームでだるだるするまで知りませんでした。

ビザンツって緋色=皇帝ではないのですか。知らなかった。じゃあ、何色?
禁色ってのは特になかったのでしょうか?

136カイザー:2002/08/24(土) 11:00
紫はキリスト教では死を暗示する色で、途中から色が変わったとかいう話がどこか
に書いてあったのですが、今手元の本をざっと見てますが、見つかりません。もし
かしたら、勘違いかも(汗)。
話はちょっとずれますが、カエサルとかアウグストゥスといった皇帝を意味する称
号も十字軍の頃には地位のインフレによって皇族の称号に下落しちゃいます。

137マッティアス:2002/08/24(土) 21:01
フィリップ・オーギュストなんて、ただのフランス王ですしね。8月生まれだから
この添え名がついたのだと生徒に教えている某大学(私の出身校ではない)の教授へ。

一応フィリップの事跡(年代記)を記した人によると、即位当時は小国だったフランス
を、3倍近い領土に広げ、かつフランス革命まで原則的に続く統治システムを
整えた業績を称えて、アウグストゥスになぞらえられたそうですよ〜。

すみません、大いに脱線しました。
それにしても、もともとは「尊厳なる人」という意味であったアウグストゥスが
皇帝を意味するようになってしまうと、似つかわしくない人々にその称号が
加えられていて、切ないですね(笑)。
ウィテッリウスとかエラガバルスほかの電波系皇帝とか、お前らの何処に尊厳が
あるんじゃあ?と問い詰めたい衝動にかられます。

138カイザー:2002/08/24(土) 22:33
私も中世ヨーロッパの時代の皇帝の称号の扱いがどうなってたのかというのが、今
ひとつよく分かりません。
カール大帝の頃はアウグストゥスを名乗っていた様なのですが、その後のカロリン
グ朝の諸皇帝やオットー1世以降の初期神聖ローマ帝国の皇帝達がどういう意図を
もって称号を取捨選択していったかが、気になってるんですがやはり専門書や論文
集に手を出さずに調べるというのは無理なんでしょうか?

フィリップの場合は皇帝号というより、単なる王の渾名ですよね。実際にフィリッ
プがローマ皇帝たらんという野心があったわけでもなさそうですし。

139マッティアス:2002/08/24(土) 23:53
でも、フィリップは「国王は領地においては皇帝にまさる」みたいなこと公言して
いますよね。ブーヴィーヌでは、皇帝と諸侯の同盟軍を破っていたような。
ビザンツ皇帝ってバシレイウスとか、そんな表現されていません?『アラブが見た
十字軍』で、「コンスタンティノープルのバシレイウス(皇帝)、アレクシオス・
コムネノス」とかいう記述があったような。いろいろウロオボエ。

皇帝といえば、すっごく時代が下るしローマじゃないのですが、イヴァン雷帝も
ちょっと気になっていた時期が。この人のイメージはちょっとドミティアヌス系と
いうか、ティベリウスというかなカンジ。昔、トロワイヤの本買ったのですが、
最初の妻がなくなった辺りでツラすぎて(感情移入しすぎ)読めなくなりました。

ともあれ、ツァーリはカエサル。ドイツ皇帝もカイザー。結局、アウグストゥスの
方は、西ローマ帝国滅亡後、皇帝の称号として受け継がれていないような。

140カイザー:2002/08/25(日) 10:28
>でも、フィリップは「国王は領地においては皇帝にまさる」みたいなこと公言して
>いますよね。

私も中世ヨーロッパの知識は曖昧なんですが、それは王権の皇帝兼からの独立を確
認するという様な意味じゃないかと思います。フランスはドイツと関係ないという
宣言ではないでしょうか?
逆にちょっと気になったのは、神聖ローマ皇帝の意識では西フランク王国も自身の
影響下にあると考えていたのかなということ。オットー1世とかは東フランク王国
限定の皇帝つもりなのか、西フランク(あるいはその他の地域)も含めた領域をも
意識してたんでしょうか?
ヨーロッパ普遍帝国の夢っていうのはカール5世個人の野望なんですかね?

イギリス(エンペラー)やフランス(ランペルール)ではインペラトルが皇帝の意
味を持ってますよね。
ギリシアではヘラクレイオス朝の頃からバシレイウスが皇帝の意味を持っているよ
うですが、語源が良く分からないです。(人名ではないと思うのですが)バシリカ
法典のバシリカはこのバシレイウスから取ってると思うのですが・・・。
ギリシア語では
 カエサル→カイサル
 アウグストゥス→セバストス
と言うそうです。コムネノス朝で副帝を意味するのはセバストクラトールという造
語(クラトールが支配者とか専制者といった意味だそうです)です。

上のカキコでもちょっと書きましたが、カール大帝は各ゲルマン所属の王号とカエ
サル、アウグストゥスの称号を併せて持っています。私も勉強不足なんですが、こ
の段階ですでにアウグストゥスの称号に価値はなかったのか、それとも以降の皇帝
がアウグストゥスを何らかの理由で名乗るのを辞めたのか良く分からないんですよ
ね。

141マッティアス:2002/08/25(日) 11:43
セバストゥス、ね。「ユダヤ戦記」にセバストゥス、と書いてあったとき、誰や?
って思ったら、文脈から言ってアウグストゥスだったから驚きました。
ギリシア語って、結構ラテン語とイメージ違うなあ、とか。
カール大帝…この頃は私にとってのヨーロッパ暗黒時代です(苦笑)。
十字軍始まるまで、結構頭まっさらです。

結構話変ってしまうのですが、ローマにも宦官っていたじゃないですか。ペルシア
にも。なのに、イスラム史やらバロック音楽(というかカストラート)の本を読むと、
お互い、そこで宦官とか去勢の風習が生まれたのは、相手の文化との接触に影響を
受けた、みたいなこと書いてあるんですよね。
つまり、イスラム世界での宦官の存在=ビザンツの影響(源はローマ帝国)、とある
のに対して、カストラート=ヒスパニックから流入=イスラムのアンダルシアから
ヨーロッパに導入=イスラムの風習(ペルシア起源)だった、という記述が。
本って、一つの時代だけ見ている分には、そんなに矛盾ないのですが、違う国やら
時代やらの本も読むと、いろいろ謎が深まります。

142カイザー:2002/08/25(日) 12:21
宦官といえば、ユスティニアヌス1世の功臣ナルセスがローマでは一番有名ですよ
ね。

西方世界の宦官について言えば、源流はエジプトでしょうね。アケメネス朝ペルシ
アにもバゴアスとかいう宦官が秦の超高の様に好き勝手をして、ダレイオス3世に
討ち取られたそうです。アレクサンドロスの大遠征以前にペルシア帝国は破綻しつ
つあったという一例ですね。
私もそういう分野は素人ですから、確証を持っては言えないんですが、エジプトを
起点に考えればマッティアスさんの上記カキコの内容はあながち間違いでもないか
なと思います。
いずれにしろ、宦官は土着の風習としてはなかなか根付かないようですね。

143マッティアス:2002/08/25(日) 13:59
そうですね。あと、宦官が西方で嫌厭されるようになったのは、やはりキリスト教
の影響かと。少なくとも、自発的に自らの肉体を損傷する行為は、神にそむくこと
でしたから。(だから去勢歌手は様々な理由をでっちあげた)
東洋については、大体、西アジアでの家畜の去勢を、農耕民が刑罰や自分の後宮を
守る奴隷として人間に応用したと考えられていますね。
中国の冊封体制に入った国は日本以外、ほとんど宦官を使用しています。朝鮮半島
はわりと知られていますが、実は世界で最後に宦官制を廃止したのはベトナムだと
いうことはあまり知られていません。実質的にはもう、いなかったかも知れません
が、法的に廃止になったのは1970年とかそれくらいなのですよ。
インドはインドで、中国とは別の歩みを見せていたようですが、「マハーバーラタ」
でも、アルジュナが仙女の呪いで不能にされていた1年間は、宦官になりすまして
いましたよね。何が嫌って、3人称代名詞が「彼女」だったことです。

144カイザー:2002/08/25(日) 16:48
後宮での不義密通というのは、宦官を使わないとどうしようもないんでしょうね。
あれほど弊害が大きくても制度の見直しがされないというのは不思議です。
現在は宦官の制度はないんですね。何となく中東の王制が残ってる国ではシステム
として残ってるもんだと思ってました。

マハーバーラタ読まれてるんですね。粗筋も何も知らないですが、パソコンでRP
Gになってたのは微かに記憶にあります。
宦官は女の子扱いというのは、何か間違ってると私も思います。

145マッティアス:2002/08/25(日) 20:31
かつてレグルス文庫というのがあって、マハーバーラタの、本筋だけでまとめた
(派生した作中物語も、かの有名なバガバットギーターも削除)のを読みました。
宦官が女性名詞扱いなのは、インドくらいかなあ、と思うのですが。女装させられ
ていたようですよ。ていうか、身体検査とかしなかったの?と(苦笑)。
ともあれ、マハーバーラタは、大変後味の悪い話だった気がします。

話をローマに戻しましょうか。宦官はローマ帝国でも使われていましたが、帝政初期
には少なくとも、東方世界のように、後宮を守る人ではなかったようですね。
どっちかというと、男性を相手に客を取らされたりしていたようですが。その系列で
いちばん有名なのはスポルスですね。ほんとに去勢されていたのか、気になります。
ドミティアヌスは去勢禁止令とか出して、宦官流行を止めようとしたようですが、
兄のティトゥスは稚児さんと宦官が大好きだったようで。
人の趣味っていろいろです。

146カイザー:2002/08/25(日) 22:07
ローマは中国の様に側室が100人なんてことはないですからね。浮気するかどう
かだけの心配に、わざわざ宦官は必要ないですよね。
スポルスの去勢話の原典は(調べてないので違うかもしれませんが)スエトニウス
だと思うのですが、あまり信用出来そうな話とは違うかなと。ローマ人の感覚も良
く分かりませんが、女性相手だと浮気でも宦官ならOKみたいな扱いなんですかね?

後期帝政の頃も基本的には一夫一妻制の筈ですが、宦官が政治に関わってくる必然
性が今ひとつ分かりません。後宮とは言わないまでも、皇后や皇族の女性全般の身
の回りの世話に従事してたんでしょうか?う〜ん、私の勉強不足ですね。

147マッティアス:2002/08/25(日) 23:42
そうなんですよ。基本的にヨーロッパ社会って、宦官を必要としてないんですよ。
なのに、なんで存在するのか。しかも、大抵が快楽追求(歌手だってある意味そう)
のためだというあたりが、ヘン。
やはり、宦官が皇帝や皇族のファミリアになったのは、エジプトかパルティア、
あるいは属州シリアからの影響かなあ、とか。わりに有名な宦官の中に、コンスタン
ティヌス大帝に仕え、ユリアヌスのトラウマになったエウセビウス(だったかな)も
いますよね。彼の場合はキリスト教徒だったはずだから、何故宦官になったのか、
非常に気になるところ。
あと、ローマ帝国の外科手術ってどの程度のレベルだったのか、も気になってます。
エジプトも古王国とかの時代だと、去勢手術での死亡率が70〜90%というお粗末さ
ですからね。どんなもんだったのか。中世イスラム世界では、もっぱら、ユダヤ人
の医者に手術させていたようです。ユダヤの医学レベルは高いですからね。

148カイザー:2002/08/26(月) 22:52
久しぶりにギボンのコンスタンティヌス朝の辺りの見直したら、エウセビウスの名
前はありましたね。全然、覚えてなかったのですが副帝ガルスの失脚に関与したそ
うです。
その辺りの、注釈に若干宦官の記述がありました。
ヨーロッパに宦官が導入されたのはアレクサンドロス大王の遠征で、基本的には宮
廷の大奥の番人に従事していたそうです。
ドミティアヌスやネルヴァは去勢手術を禁じたり、アレクサンデル・セヴェルスや
コンスタンティヌス1世は宦官の国政への参加を禁じる法令を出したとの記述があ
りました。簡略過ぎて今ひとつよく分からないんですが、セヴェルス朝の頃には宦
官がトラブルの種になってたんでしょうか?

ユダヤ人が技能を身に付けるようになったのは、やはりエルサレムから追放され流
浪の民となったハドリアヌス以降のことでしょう。ローマ時代の先進医療地域は単
純にギリシアかなと思うんですが、違うんでしょうか?

149マッティアス:2002/08/26(月) 23:30
そうかも知れません。エジプトでも、プトレマイオス朝あたりでは、堕胎や婦人科
の技術はずいぶん発達していたようですが、やはりギリシア起源なのでしょう。
ビバ!アスクレピオスってカンジでしょうか。それともヒポクラテス?
(詳しい事はわかってないし)
ユダヤ人が去勢手術が得意だったのは、割礼の風習と関係あるのかと、初めは思って
いたのですが、インドでもその分野はかなり発達していたらしく、中国でも結構、
インドで施術した宦官(特に色目人)を輸入していたらしいです。

気になるのは、ドミティアヌスが何故、そんなに宦官を嫌ったのか、ということ。
単に同じ男性として、奴隷であっても、生殖能力他が奪われるっていうのを想像
しただけでも、耐えられないような繊細な精神の持ち主だったのか、とか。
ネルウァの場合は、単にドミティアヌス時代の政策の延長、って気がしますが。
ドミティアヌスって、結構風俗の取り締まりに力入れてますが、現代の青少年保護法
みたいのも、設立していますよね。17歳未満の(自由身分の)少年を強姦したり、
誘惑した成人男性に対する刑罰、とか法案化していたと思うのですが。
でもって、それを元老院身分の人にも適用して、すっごい反発されたはず。

150カイザー:2002/08/27(火) 22:46
ドミティアヌスは潔癖好きですからね。巫女さんは乙女じゃないとダメとかいう空
文化しつつあった、決まりを厳格に適応して女の子を処刑してるぐらいですからね。
その割に近親相姦の気があったり(デマ?)とか、良く分からない人です。
そういう所は、オクタヴィアヌスと似てるかなとか思います。

実際に宦官がローマの政治舞台に上がるのは、セヴェルス朝とかの東方系の王朝が
契機になってるかなと、昨日ギボンを見てて思ってました。あんまり、根拠はない
空想なんですが。

151マッティアス:2002/08/27(火) 23:44
意外に、そういう素人ならではの思い付きって、結構当たってたりしますよね。
多分、先入観ない分、素直に資料が読めますから。根拠なんてなくてもいいんです。
それ、採用(笑)!

ドミティアヌスの潔癖さは、確かにアウグストゥスと似ているけれど、極端に走る
ところが、ちょっとネロとかカリグラに近いかも。あるいは、彼自身が尊敬して
いた、ティベリウスとか。

セウェルス朝から、確かに支配者像が変質してきた気はしていましたが、軍事政権
だからじゃなくて、カルタゴやシリアの翳がある、っていうのもアリですね。
宦官に限った事ではなくって。

152カイザー:2002/08/28(水) 22:26
セヴェルス朝〜軍人皇帝時代にかけての大きな変化の一つに元老院の権力の低下と
いうものがあります。首都ローマでの元老院の承認なく、武力で帝位を獲得すると
いう事例が相次ぎ皇帝達が一々元老院の意向を気にしなくなるようになります。
ゴルディアヌス1世、2世、3世辺りが実質的に元老院が関与した最後の皇帝とい
えるのではないかと思います。

混迷の時代に元老院の形式を重んじるという、偽善的な元首制は実施不可能なのは
致し方ないことなんでしょうね。

153マッティアス:2002/08/28(水) 22:49
結局、軍事力を持ったもの勝ちってのは、ネロ死後の内乱ですでに証明済み(by
タキトゥス)ですが、五賢帝までは偽善的に振舞う余裕もあったし、元老院にも
まだなにがしかの威厳があったのでしょうかね。
元老院がもはやただの官僚グループと化したのは、五賢帝時代なのか、もしくは
フラウィウス朝時代なのかも気になるところです。
ゴルディアヌス帝たちに関しては、元老院最後のあがき、ってカンジで、結構
痛々しかったりするのですが。

154カイザー:2002/08/29(木) 22:38
そもそもオクタヴィアヌスやカエサルからして、武力で独裁権を確立してるんです
けどね。

素人の私見ですが、五賢帝時代の元老院は無力な存在ではないと思いますね。ハド
リアヌスを記憶の断罪処分にしようとして、アントニヌス・ピウスと対立したのは、
その一例ではないかと思います。
暴君コンモドゥスを排除したのも元老院の意志の現れではないかと。セプティミウ
ス・セヴェルスに屈服してディディウス・ユリアヌスを処刑するという腑抜け極ま
りない選択をしたのが、ケチのつき初めと私は認識しています。

155マッティアス:2002/08/30(金) 00:30
そうか、セウェルス朝が元老院にとっての一大転換期なんですね。
五賢帝関係の本で知られる南川高志さんも、実はなにげにセウェルス朝に力入れて
いるのは、やはりそういう理由が…。

でも、ウィテッリウスを皇帝として認めちゃったりとか、ウェスパシアヌスにも
皇帝権を認めたりとか、充分情けないですよね。
もはや元首制なしに現実問題として、国政が立ち行かなかったのでしょうけど。
ピウスにも結局、屈してしまっているわけでしょう。そこで断固とした処置は、
取るだけの力がやっぱり無かったのかなあ、とか。
だって、ピウスはハドリアヌスを断罪するなら辞めてやるぅ〜、とか、かなり
自分の立場に自信をもった挑発的意見を述べてますよね。

カエサルやアウグストゥスが軍事力を背景に独裁者となったのは事実ですが、
とりあえず、見なかったフリをしていた元老院議員の方々に、結局は軍事力を
握ったもの勝ちだと認識させたのが、ネロ死後の内乱かな、と思うのですが。
それとも、ネルウァが弱腰にならざるを得なかったことのが、タキトゥス辺りには
印象深かったのでしょうかね。
最近、歴史家の記述に関する、彼の生きた時代の影響、というものについて、少し
考えるようになりました。

156カイザー:2002/08/30(金) 23:30
現実問題としては元老院は皇帝に従属してるんですが、建前としては元老院が皇帝
を選出してるという形式がありますよね。
少なくともユリウス朝〜五賢帝時代までは、その建前が実質的な意味も(ある程度
は)持っていたと思います。元老院からすれば、ガルバもウェスパシアヌスも俺達
が認めてやったから皇帝になれたんだろうという、認識だったんじゃないかなと。
アントニヌス・ピウスにしても、万一にもハドリアヌスの神格化を拒否させてしま
う(=帝位継承の正当性が否定される)訳にはいかないから、かなり必死の抵抗を
したという見方を私はしています。

タキトゥスは五賢帝時代の人ですからね。基本的にドミティアヌスは嫌いみたいで
すね。親父さん粛正されちゃってますし。

157マッティアス:2002/08/31(土) 21:47
えっと、タキトゥスの実父が粛清されたのですか?
舅のアグリコラは、皇帝の政治方針(ていうか帝国運営)と合わなかったから、
ゲルマニア総督から更迭されたけれども。別に罰せられたわけではないですからね。
そういえば、アグリコラもフラウィウス時代にパトリキに列せられた人でしたね。
タキトゥスにとって、ドミティアヌスが他の暴君より憎いのは、おもいっきり同世代
だってのがありますよね。4歳くらいしか違わない。
だから、ドミティアヌスが生きていた時は、コイツが死ぬのって、俺より後かもな〜、
とか、コイツが死ぬ頃にはじじいになっちゃうぜ、とか思っていたのでしょうね。
ネロが若くて健康な分だけ、不平分子が思いつめたのと一緒で。

158カイザー:2002/09/01(日) 02:27
タキトゥスの親父さん=アグリコラのつもりで書いてますね。実際は義父でした。
先日、眺めてた年表でアグリコラが更迭された翌年に殺されてると書いてあったん
で、ドミティアヌスがやっちゃったもんだと単純に思ってたんですが、ちゃんと調
べないとダメですね。
一応、手元のタキトゥスの「アグリコラ」を読み返しました。
アグリコラはドミティアヌスのアシア総督かアフリカ総督への就任要請を辞退した
直後に急死しており、毒殺されたという噂があってタキトゥス自身も疑いの目を持っ
ているように記述されています。タキトゥス本人はこの頃は地方の軍団で勤務して
て真相を直接見聞きしてた訳ではないようですが。

それにしても「ローマ皇帝伝」とか「ゲルマニア」とかの訳本関係は読んでも右か
ら左に情報が素通りしてしまってちっとも頭に内容が蓄積されません。カントとか
の哲学書なんかに比べれば全然マシですが。

159マッティアス:2002/09/02(月) 17:36
皇帝伝は、笑える部分だけ記憶に残るという、まさに週刊ポスト歴史版ってカンジ
ですよね。前兆だとかそういうのはあんまり覚えてないのですが。
オト〜ドミティアヌスはわりかし記憶に残っているのですが、それは愛(笑)?
岩波文庫版でいうと、上巻より下巻のほうが面白かった。とか言ってるから、到底
オクタウィアヌス・ファンには思われないんですよね(反省)。

160カイザー:2002/09/02(月) 21:39
「ローマ皇帝伝」の場合は訳者の国原先生に遊び心がなさすぎなのが惜しいところ
です。
『激報!!カエサルはオクタヴィアヌスの童貞を奪った!?』みたいな見出しがあ
るだけで、100倍は面白くなるのに。歴史史料なのに、本当にそんな内容ですも
んね。まともな部分もあるんですけど。
それにしても、スエトニウス自身は自分の記述について、どんな感想を持ってたの
か不思議。情報がゴミかどうかは、読み手が判断しなさいという挑戦状ということ
でしょうか?

161マッティアス:2002/09/02(月) 22:34
スエトニウスは、ただ自分の趣味に忠実だったんじゃないでしょうか?
国原先生は、タキトゥスには結構ピッタリですが、スエトニウスの内容とはどうか
とかつては思っていましたが。文体と内容のギャップが最近快感☆です。

でも、週刊誌風にやれば、「それどころか、ドミティアヌスはネルウァにだって
抱かれてたんですよ(事情に詳しい元老院議員Tさん談)」みたいなカンジで、
すっごい読みやすそうですよね。誰か超訳!とかやればいいのに。
風俗情報誌というか、すっごく下世話で面白いのが、マルティアリスなのですが、
一般に販売されていないようですね。残念。
ていうか、ゴシップ系のが、内容カスだろうと信憑性薄かろうと、面白いから
残るんですね。ポリオやリウィウスって残ってないのでしょう?
書物ってのは、昔から読者がいてナンボなんですね。つくづく思いました。




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