三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、欧州の土建、エンジニアリング会社2社と共同で、ポーランド国営電力会社(Polska Grupa Energetyczna S.A.:PGE)傘下の発電会社向けにトゥルフ(Turow)褐炭焚き超々臨界圧火力発電設備建設契約を締結しました。出力は45万キロワットで、コンソーシアムへの発注総額は約1,100億円。当社独自のボイラーの低品位炭燃焼技術を駆使して、燃焼が困難な褐炭の効率的な活用をはかるプロジェクトで、運転開始は2019年半ばの予定です。
今回のプロジェクトは、当社の欧州拠点であるMitsubishi Hitachi Power Systems Europe GmbH(MHPS-EDE、本社:ドイツ・デュイスブルグ)を契約者としたものです。ポーランドの土建会社(Budimex SA)およびスペインのエンジニアリング会社(Tecnicas Reunidas SA)とコンソーシアムを組み、同国南西部のトゥルフに褐炭焚き火力発電所を新設するもので、運転開始後は、ポーランドの堅調な経済成長に伴う旺盛な電力需要に対応します。
第3に、価格の決め方については、まず、近年、一定の価格指標に基づく決定方法の採用が広まっており、価格指標としては、豪州の Newcastle Index や南アフリカの Richards Bay Index などが用いられている。
次に、価格決定の期間について見ると、原料炭では、日本、中国、インドおよび台湾においては 4半期毎に決める方式が採用されている。しかし、韓国では、価格方式は他の国とはやや異なっている。鉄鋼用原料炭については、価格の決め方には2つの軸があり、1つは、1年間および9ヵ月間について固定する方式、もう1つは、四半期毎に決める方式である(POSCO による)。一般炭については、日本と台湾では、価格は年間について交渉されているのに対して、韓国では、4半期毎、1ヵ月毎、シップメント毎に決定されており、さらに、中国では、基本的に3ヵ月毎に交渉で決められる。
?シドニーの北約170キロに位置するオーストラリア7番目の都市ニューカッスルは、石炭中心の重工業からの投資引き揚げを決議した同国の都市の中で最大規模。同市は現在、低排出と再生エネルギーを研究するオーストラリア連邦科学産業研究機構(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation、CSIRO)が拠点としており、クローゼン市議は「ニューカッスルは変化しつつある」と語っている。
(ブルームバーグ):日本国内では太陽光発電の導入が大きく進展したが、その一方で石炭を使う火力発電も十分生きながらえそうだ。
政府と企業は従来のものより環境負荷の低い次世代石炭火力の技術開発を進めている。二酸化炭素の排出量が多い石炭火力の活用を官民一体で推進する一方で、11月末からパリで始まる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で政府は温室効果ガスの排出削減にも積極的に取り組むことが期待されている。
天然資源保護協議会などが6月に発表したリポートによると、日本は石炭資源の開発と利用に対する公的支援で世界最大となっている。また、国際NPO団体のE3Gによると、脱石炭火力利用の取り組みでは主要7ヵ国(G7)中で最下位にランキングされている。
高効率で排出量の少ない次世代の石炭火力の推進は、化石燃料を消費する企業を支援する投資家を減らそうとする世界的な声の高まりとは逆行することになる。政府の支援により、東芝や三菱日立パワーシステムなど主要な国内の火力発電機器メーカーは、現在幅広く石炭が使われている国々に対してさらに自社の製品を売り込む機会を与えられることになる。
経済産業省傘下の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)環境部の在間信之統括研究員は、石炭が安く手に入る国では「安価で低効率な石炭火力の導入が懸念される」という。これを防ぐために「高効率石炭火力に対する先進国からの支援は必要だ」と述べた。同氏は「日本の優れた石炭技術をそこにうまく適用していけば、CO2の削減に確実に貢献できる」と指摘した。
日本の石炭利用技術で最先端に位置するのが中国電力とJパワーが共同で出資する大崎クールジェンプロジェクトだ。政府の補助金の対象となっているこの石炭ガス化複合発電(IGCC)事業では、第1段階として2016年度に試験運転が始まる予定。さらに第2段階ではガスからの二酸化炭素の分離・回収の実証試験を行い、第3段階ではガスから得られる水素を使って燃料電池も活用する石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の実証を行う計画だ。
IGCCではガスを燃やすガスタービンと、その排気の熱を使う蒸気タービンの2つで発電するために効率が高いシステム。これに燃料電池を組み合わせたIGFCでは、現在国内で利用されている一般的な石炭火力発電の設備と比較して発電効率を15%改善し、二酸化炭素の排出量を30%削減することができる。
次世代石炭火力のコストを指摘する声もある。経産省の資料によると、大崎クールジェンの第1段階の事業費は895億円と試算されており、この約3分の1(298億円)を補助金で賄う。Jパワーによると、第3段階まで含めた事業の総事業費については未定だという。
原題:Want to Burn Coal and Save the Planet? Japan Touts a Solution(抜粋)