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石炭・亜炭・炭砿スレ

101とはずがたり:2017/09/01(金) 21:23:00
>>100-101
JパワーとIGCC開発の歴史

 実は、Jパワーは、IGCCとCO2分離・回収の技術開発に10年以上前から取り組んでいる。同社の若松研究所(北九州市)で2002年度から14年6月まで実施された「EAGLEプロジェクト」がそれで、NEDOとの共同開発事業として行われた。

 このプロジェクトの実証試験は3段階に分けて実施。最初のステップ1(02〜06年度)では、IGCCの心臓部である石炭ガス化炉の開発に取り組んだ。石炭を高効率でガス化し、かつガス化の過程で発生するスラグ(溶融した石炭灰)が炉内でつまることなく安定的に排出されることが目標で、世界最高レベルの石炭ガス化率82%を実現した「EAGLE石炭ガス化炉」を開発した。

 EAGLE炉は、炉内に噴出された微粉炭が、旋回流によって長く炉内にとどまるよう工夫されており、これにより高い石炭ガス化率を実現した。さらに、炉には上下2段のバーナ(粉末状の石炭と酸素をガス化炉に送り込むための吹き出し口)があり、上下の酸素供給量を適切に制御することで、高いガス化効率とスラグ安定排出の双方を実現している。

 ステップ2(07〜09年度)とステップ3(10〜13年度)では、CO2分離・回収技術の確立に向けたパイロット試験が行われた。ステップ2では、化学反応を利用してCO2を分離・回収する「化学吸収法」の試験を石炭ガス化プラントとして世界で初めて実施し、従来の化学吸収法に比べて約30%のエネルギー削減に成功した。ステップ3では、高圧ガスからCO2を回収するのに適した「物理吸収法」の試験を行った。これは、高温高圧の1500℃級ガスタービンを採用した次世代CO2分離・回収型IGCCへの適用をにらんでのことだ。

 EAGLEプロジェクトでのこうした成果が、大崎クールジェンプロジェクトに引き継がれている。

石炭火力のイノベーション

 世界の総発電量の4割強は石炭火力で、日本でも約3割が石炭火力となっている。国際エネルギー機関(IEA)の推計では、2035年の世界の総発電量は人口増加などにより11年と比べて1.7倍に膨らむ。このうち、石炭火力は発電電力量シェアで33%を占め、引き続き世界最大の電源であり続ける見通しだ。

 石炭は可採埋蔵量が豊富で、価格も低く安定していることがその背景にあるが、一方で石油や天然ガスと比べて燃焼時のCO2排出量が多く、環境負荷が大きいという欠点も抱えている。世界の電力需要が増大し、その多くを石炭に頼らざるを得ない状況を考えれば、環境負荷が大幅に低減するIGCC、IGFCといった究極の石炭火力発電技術の開発は待ったなしといえる。

 ちなみに、米国、中国、インドの既存の石炭火力発電を全てIGCCに置き換えた場合のCO2排出削減効果は約21億トンで、IGFCに置き換えた場合は約28億トンの削減効果があると試算されている。これは日本の年間総排出量(約14億トン)の実に2倍に相当する。

 Jパワー火力計画室の飯田浩道室長は「IGCC、IGFCは日本のみならず海外のCO2排出削減にも資する技術」と指摘。「酸素吹IGCC実証機はさまざまな分野の方々の英知を結集して完成しました。日本の多くの技術を集約し、安全で信頼性のある高効率発電システムを実現することが私たちの役割。実証試験でプロジェクトの成果が試されることになりますが、プロジェクトに携わる多くの人々のつながりが成功に導くと考えています」と意気込む。

 東京都江東区とほぼ同じ広さの風光明媚な町、大崎上島町(約43平方キロメートル)から石炭火力発電のイノベーションが始まる。


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