したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

石炭・亜炭・炭砿スレ

71とはずがたり:2016/03/14(月) 12:02:11
>>69-71
オーストラリアから日本まではどうやって水素を運ぶのですか。

西村:水素を気体として運ぶのは効率が悪いので、マイナス253度という極低温まで冷やして液化します。そうすると体積は800分の1になります。

 天然ガスも体積を小さくするためにマイナス162度にまで冷やして液化します。当社は液化天然ガス(LNG)の運搬や貯蔵などの技術やノウハウもあるので、それらを液化水素にも存分に生かせます。

液化水素の「冷たさ」にも使い道がある

ただ、水素を液化するのに手間とコストがかかってしまうのではないですか。

西村:たしかに水素を液化する工程には電気が必要です。ただ、供給地が海外である場合、日本より電気代が安い場合がほとんどです。その安い電気を使って水素を液化すれば、トータルのコストはそれほど大きくならないと試算しています。実際、ラトロブバレーのすぐ近くでは安価な褐炭を使った発電が行われています(とは註:IGCCに適応可能な新日鐵住金と千代田化工の技術>>67-68を使えば良いのかも知れない)。

川崎重工業の播磨工場(兵庫県加古郡)には水素実証センターが設置されており、1日当たり約5トンの水素を液化する能力を備える。写真右側の青く見える筒状の構造物が液化装置

西村:水素を液化しておくと、後工程が非常に使いやすいというメリットもあります。需要地に持ってくれば、常温で蒸発するのでそのまま使えます。水素を有機溶媒に溶かして運搬する手法も検討されていますが、この方法では水素を分離するのに再度エネルギーと手間がかかってしまいます。その点、液化水素ならば99.999%という極めて純度の高い水素を提供できます。だから燃料電池車(FCV)の燃料としてすぐに使えます。

 更に言えば、液化水素の「冷たさ」にも使い道があるんですよ。液化水素をマイナス253度の冷媒と捉えれば、需要地で冷熱として利用できます。例えば、工場などで熱交換のため物体を冷やさなければならない場合、液化水素を冷熱源として使う。出てきた水素は工場内で燃料として使うこともできるし、FCVなどに供給することもできるでしょう。

液化水素をどうやって日本に運ぶのですか。

西村:当社は液化水素運搬船の開発を進めており、実現すれば世界初となります。

 1981年に日本で初めてLNG運搬船を建造したのは川崎重工です。LNGより更に100度近く低い液化水素を輸送するため、特殊なドーム構造を持ったカーゴタンクを開発しています。巨大なマホービンを想像して貰えれば良いのですが、真空断熱二重殻を持っています。2013年12月には、液化水素運搬専用貨物格納設備について日本海事協会から基本認証を取得しています。

 まずは小型液化水素運搬船(貨物槽容積1250立方メートル×2基)を2020年までに就航させ、その次はタンカー規模の商用船の建造を目指します。

将来的に水素の活用はどう広がっていくと考えていますか?

西村:将来的には水素発電が普及して、より多くの人がクリーンな電気を使用できるようになるでしょう。

 その前に化学プラントなどでは水素を含む副生ガスが大量に発生することから、その有効利用に対するニーズが拡大するでしょう。既に当社は、天然ガスに60%まで水素を混ぜて混焼できるガスタービンを開発しました。追い炊き燃焼方式を活用することで、低いNOx値を実現しています。

西村:当社は、水素を「つくる」「はこぶ」「つかう」というサプライチェーンに必要なインフラ技術を積極的に開発することで、水素社会の到来に貢献したいと考えています。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板