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石炭・亜炭・炭砿スレ

31とはずがたり:2014/07/10(木) 17:42:00
>>30-31
 EAGLEは26年度初めに実験を終え、29年3月から広島県大崎上島町で中国電力と共同で行う「大崎クールジェンプロジェクト」(出力16・6万キロワット)の実証試験に移る。EAGLEで培ったガス化のノウハウを元に蒸気タービンも併設し、32年のIGCC実用化を視野に入れる。

 同時にCO2の分離回収、貯蔵技術の実証研究も進んでいる。Jパワー技術開発部長の大塚哲夫はこう胸を張った。

 「石炭は大きな可能性を秘めているんです。将来的には環境への負荷がまったくないゼロ・エミッションを目指します」

   × × ×

 日本で石炭は過去の遺物と思われてきたが、世界ではなおエネルギーの主流の地位を占めている。

 国際エネルギー機関(IEA)によると、石炭火力は世界総発電量の41%(2013年)を占め、中国は79%を、インドも68%を石炭火力に依存している。米国も43%、環境先進国という印象があるドイツさえも実は45%も占める。

 理由は、石炭は価格が低位で安定している上、産出地が石油や天然ガスほど偏在せず、世界中に広く分布しているからだ。BP社の統計(2013年)によると、石炭の可採年数は109年とされ、石油(52・9年)の2倍、天然ガス(55・7年)の1・9倍もある。

 このような背景から、IEAでは、新興国の需要拡大を見込んだ上で、2030年も総発電量に占める石炭火力の割合は現在と同じ41%と予測している。

   × × ×

 とはいえ、石炭火力には欠点もある。

 石炭は炭素の含有量が多いため、地球温暖化の原因とされるCO2排出量が多いのだ。一般的な石炭火力のCO2排出量は、石油火力に比べて3割増、天然ガス火力の6割増とされる。

 現在、石炭火力のCO2排出量が世界全体の3割を占めていることもあり、石炭火力は環境保護団体から“天敵扱い”されてきた。

 米国では昨年9月、環境保護局(EPA)が石炭火力発電所を新設する際、CO2排出量の4割削減を求める規制案を発表した。これによりCO2を回収・貯留する施設を併設しなければ新設はできなくなった。

 中国では、石炭火力がPM2・5(微小粒子状物質)の元凶となっている。大気汚染や健康被害も深刻化しており、さすがの中国政府も今後、規制強化に乗り出す公算が大きい。その代わりに原発建設を急ピッチで進めているが、日本の規制基準よりずっと甘い中国製原発が乱立することも好ましくない。

   × × ×

 平成23年の福島第1原発事故を受け、すべての原発が停止し、なお再稼働の見通しがつかない日本では、新型石炭火力は一筋の光明となりつつある。

 石炭火力は、最先端技術により環境負荷が小さくなっただけでなく、発電コストも大きな強みとなる。

 政府のコスト等検証委員会の資料によると、22年の石炭火力の発電量1キロワット時当たりの燃料費は4・3〜4・5円。液化天然ガス(LNG)火力の8・2〜8・6円、石油火力の16・6〜18・2円と比べると圧倒的に安い。CO2対策費などを加味した全体コストも石炭火力は9・5〜9・7円で、LNG火力の10・7〜11・1円よりも安く、石油火力の22・1〜23・7円とは比較にならない。

 ただ、石炭火力の新増設には、9年に施行された環境影響評価法により法制化された環境アセスメントが大きな壁となってきた。

 とはいえ、原発停止により日本の電力事情は逼迫している上、原油価格高騰で旧来の石油火力はコストがまるで合わなくなった。太陽光や風力などの再生エネルギーも不安定かつ高コストで原発の代替電源とはなりえない。

 そこで環境省は昨年4月、新規の石炭火力発電所の新設基準を緩めると発表した。磯子レベルの先端技術を有し、CO2排出規制計画を策定するなどの条件を満たす事業計画については基本的にゴーサインを出す方針だという。

 これを受け、九州電力は27日、石炭火力の松浦発電所(長崎県松浦市)の2号機にUSC型新鋭機(100万キロワット)を建設すると発表した。瓜生道明社長は「石炭は高効率なベースロード電源。安定した国から調達できることも魅力だ」と語った。東京電力や関西電力なども石炭火力の新増設を検討している。

 半世紀前のエネルギー革命で過去の遺物となった「黒いダイヤ」は再び輝きを取り戻しつつある−。(敬称略)


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