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石炭・亜炭・炭砿スレ

50とはずがたり:2015/06/21(日) 18:38:55
>>49-50
中国では、政府が企業の海外進出に対して、金融、保険、外貨管理、法律、税務、人材、情報提供、出入国管理などの多方面に亘って、支援を行なっており、それらが外国における炭鉱権益獲得に対しても直接的な支援策になっている。

インドでは、外国への投資(石炭権益の取得を含む)に対する政府の支援策は税制上の優遇措置、投資許可の迅速化などに過ぎず、低金利融資や補助金などの直接的な支援は行なわれていない。反面、政府による規制(許認可)、それら手続きの煩雑さなどが企業の外国への進出の障害になっている、という事例も指摘されている。

韓国では、政府は外国の石炭権益獲得への投資に関して、自主開発率の設定、資金面における措置(融資、貿易保険、税の減免など)、外交上の活動、技術力の向上などの支援政策を採っている。資金面では、他にも、二重課税の防止、配当金への課税減免などの措置もある。ただし、特に融資については、大手企業からの評価は必ずしも高くはないようである。

台湾でも、エネルギー政策の中には、外国への投資について明確な方針は示されておらず、外国炭鉱への投資に対して、具体的な企業への支援策は実施されていない。ただし、関係当局は、企業が外国の炭鉱権益へ投資することには賛同しており、それを推進する必要があると考えている。

<4ヵ国における石炭調達方法の動向>
上述のような世界石炭市場における需給および価格の大きな変化を受けて、価格について、一定の価格指標に基づく決定方法が拡大し、価格設定の短期化および価格設定期間の多様化が生じている。

第1に、交渉の方式については、韓国、台湾、インドなどでかなり入札方式が取り入れられている。特に韓国では、電力会社によって、入札が頻繁に行なわれている。

第2に、契約の期間については、日本では、電力力用一般炭では 70%以上、鉄鋼用原料炭では 95%以上が長期契約である。インド、台湾および韓国でも長期契約が主流である。
ただし、韓国の鉄鋼業では、契約形態は長期、一年、四半期などであり、スポット、短期も多く、他国の鉄鋼企業とはやや異なっている。一方、中国では、電力用一般炭については、スポット契約が主流であり、鉄鋼業においても同様である、と推察される。

第3に、価格の決め方については、まず、近年、一定の価格指標に基づく決定方法の採用が広まっており、価格指標としては、豪州の Newcastle Index や南アフリカの Richards Bay Index などが用いられている。
次に、価格決定の期間について見ると、原料炭では、日本、中国、インドおよび台湾においては 4半期毎に決める方式が採用されている。しかし、韓国では、価格方式は他の国とはやや異なっている。鉄鋼用原料炭については、価格の決め方には2つの軸があり、1つは、1年間および9ヵ月間について固定する方式、もう1つは、四半期毎に決める方式である(POSCO による)。一般炭については、日本と台湾では、価格は年間について交渉されているのに対して、韓国では、4半期毎、1ヵ月毎、シップメント毎に決定されており、さらに、中国では、基本的に3ヵ月毎に交渉で決められる。

<石炭供給確保に向けての今後の検討課題>
最後に、本調査における各種情報の収集と整理を踏まえるとともに、国内外の関係機関および関係者の意見を参考にしつつ、今後、掘り下げた検討に値すると考えられる課題が提示される。

第1に、炭鉱権益獲得については、すでに鉄鋼業界によって提案されている「オールジャパン」方式、「国境をまたぐ投資協力」方式ならび「官民一体」方式が今後も検討に値する、と考えられる。日本の石炭需要者が外国炭鉱の権益獲得の動きを強化する場合、これら3つの方式(必ずしも相互排除的ではない)のどれを採用するか、また、特に「国境をまたぐ投資協力」方式を採用する場合には、どの国のどのような企業を相手として選ぶか、などについて、今後、当事者を含め、広い範囲での掘り下げた検討が必要である、と考えられる。

第2に、石炭調達方法については、炭鉱権益獲得とは異なり、検討の対象として、具体的なものを提示することは、必ずしも容易ではない。それは、多くの関係者の間に、石炭の共同購入は独占禁止法、その他の規制に触れる可能性がある、という懸念があるからである。しかし、従来から、特に日本、韓国および台湾の電力会社の間では、発電用燃料についての情報交換が行なわれてきていることは、1つの示唆を与えてくれる。すなわち、そこにおける検討の主題として、中国およびインドにおける今後の石炭輸入の増大見込みを含む、世界市場における石炭の需給および価格に関する現状分析と将来予測――難しい作業であることが予想されているとは言え――を加えることである。


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