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貧困スレ

941とはずがたり:2019/09/06(金) 08:14:12
2018年10月2日 / 11:51 / 7時間前更新
*コラム:イタリア政府予算の「落とし穴」
https://blog.goo.ne.jp/amane-87saki/e/e86a5c96c42a0bc172a5cd9b1fb76965

942チバQ:2019/10/11(金) 10:11:00
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190929-00000004-moneypost-bus_all
ロスジェネ世代の貧困事情、40代ゲイ男性・ダイスケさんの場合
9/29(日) 16:00配信マネーポストWEB
ロスジェネ世代の貧困事情、40代ゲイ男性・ダイスケさんの場合
貧困を感じる時とは…
「ロストジェネレーション」と呼ばれる、就職氷河期世代(現在30代後半〜40代前半)の貧困が指摘されている。非正規雇用でなんとか食いつないでいるが、将来の展望が見えてこない──40代前半の男性・ダイスケさん(仮名)もその一人だ。ダイスケさんの場合、ゲイであることが「日々のむなしさに拍車をかけていると感じる」という。

 アメリカのデータだが、「全米家族調査」によると、異性愛女性の貧困率は21.1%、異性愛男性が15.3%であるのに対し、レズビアンは22.7%、ゲイは20.5%と、同性愛者のほうが若干貧困率が高くなっている。アメリカでは特に、いわれなき差別に遭いやすい地元を飛び出し、職がないまま都市部に流れ込む若年層の同性愛者が多いという事情もあるだろう。

 日本ではアメリカほどの事態は起きていないかもしれない。性的指向によって差別されることはあってはならないが、日本でも現実には、レズビアンにも、ゲイにも、相対的に余裕のない生活をしている人たちはいる。

 ダイスケさんは、年収約120万円とされる「貧困ライン」よりは少し上だが、年収は同年代平均の半分未満だ。

「とりあえず生活には困っていません」
 その日は彼の休日だった。カゴに溜まった洗濯物を持って、アパートの前にあるコインランドリーに向かう。

 ダイスケさんは渋谷区のはずれに住んでいる。家賃5万円のワンルームで、洗濯機置き場がない。ここには20歳頃から住み始め、もうすぐ25年経つ。

「引っ越すのが面倒というのもあるけど、引越代を工面するのが難しくて」

 古着が好きでよく買いに行く。オシャレな見た目で、そこそこモテるようだ。部屋の中もよく整理されていた。

「古い家のわりには小ぎれいでしょ? 家で友だちと飲むこともよくあるからね」

 そう言いながら、少し照れたように自分の坊主頭をなで回した。頭は自分で刈っているらしい。

 部屋にはテレビと大きめのコンポが1台ずつ。電気は床置きの間接照明のみだ。ユニットバスではシャワーを浴びる程度で、湯船に浸かりたいときは銭湯に行く。ひと口の電熱線コンロしかないので、自炊はあまりせず、夕食は牛丼屋やコンビニで買っている。

 台所に、巨大なプラスチックの容器が積まれていた。

「輸入ものの安いプロテイン。5kgで1万円弱」

 体はかなりデカい。トレーナーの上からでも筋肉の太さがわかるほどだ。ジムに行くのが日課で、用事がない限りは毎日足を向ける。東京都内に複数ある、月額1万円弱の24時間ジムだ。ほかに趣味もないし、やることもないから、と力なく笑った。

 ダイスケさんは、就職氷河期真っただ中に大学を卒業し、就職戦線で「敗北」して正社員になることができなかった。派遣社員や契約社員をわたり歩いて、気づけば40代になっていた。30代まではそれでもいくつか正社員の口を探していたが、いまや諦めの言葉ばかりが脳裏をかすめている。

 いまは、コールセンターの契約社員として雇われている。給料は手取りで17万円ほど、ボーナスはない。

「ぜいたくはできないけど、とりあえず生活には困っていないです」

943チバQ:2019/10/11(金) 10:11:14
「友だちの誘いは断りたくない」
 職場の同僚は20代の若者や女性が多く、話も合わないので、特に仲良くはしていない。

 40代の男が独身だと、ゲイなのかと執拗に勘ぐってくる人もいて面倒くさい。必要以上に体を鍛えていることを、ネタにされるのも嫌だ。そうした事情もあって、事務的な会話以外はしないようにしていた。

 ジムに行っても誰ともしゃべらず、黙々とトレーニングする。ゲイの出会い系アプリにメッセージが来て、帰りがけに会うこともあるが、ほとんど「処理」感覚だ。

 もう何年も恋人はいない。そもそも恋愛したいという気持ちになれない。だから、毎日のようにメールや電話のやり取りをする相手はいない。

「年下が好きなんだけど、ほかの40代より稼いでいないし、恋人との時間ってなんだかんだお金かかるから」

 そう言いながら、出会い系アプリの通知を消した。

 ストレスが溜まると、くだらない話をしたくなる。そういう時は、同じくゲイの友だちと居酒屋に飲みに行く。だいたい週1回程度だ。

「同世代でつるみます。そのせいかわからないけど、学生が行くような安い居酒屋にはみんな行かないんですよね。1人5000円はします」

 そのあとはもれなくゲイバーに寄る。そんなこんなで、ひと晩で1万円使ってしまうこともあるようだ。

「ほんとにつまんないことだと思うんですけど、安いところに行こうよとか、今日はバーに行かないで帰るとか、言いづらいんですよね。見栄っていうか。みんなと同じ土俵で生きている感覚でいたいっていうか」

 今月は少し金銭的に厳しいと感じても、誘われたら断れない。断りたくない。生活が苦しくなることはもちろんわかっている。ゲイバーで飲んでいるときは楽しいが、生産的な時間ではない。翌日、むなしさが襲ってくる時がある。

「居酒屋で自分がクレジットカード払いにして、その場をしのぐこともあります。その月は生活費が赤字ですよね」

背くらべからおりられない
 つい周りを気にしてしまうのは、居酒屋での支払いだけではない。

 同じ年代の友だちのなかには、都心の分譲マンションを購入していたり、広い部屋で彼氏と同棲していたりといった人もいる。まとまった休みには海外旅行をし、ブランド物の「かわいい」服を自由に買っている人を見て、うらやましくも思う。

「楽器をやっている友だちとか、カメラが趣味の人とかもいて、いいなあとは思うんですけど。どれもだいたい初期投資にお金かかるし、自分には無理ですね」

 自分の年齢から新しく趣味を始めるのにも、どこかハードルを感じる。「きらきら」とした周囲の生活に憧れ、嫉妬する自分がいる。くらべるものが無いのに、一生懸命背くらべしようとしてしまう。

「なんとなく生きてこられちゃった。でも、趣味もないし、このまま独りで大丈夫かなって漠然と考えることは増えた」

 ダイスケさんの友人に、急病で倒れて思うように動けなくなった人がいる。生活状態が悪くなり、実家に戻らざるを得なかった。何かがきっかけで仕事ができなくなったら、今の生活すら維持できなくなる怖さを感じた。

「自分の生き方のことでケンカしてから、何年も親とは疎遠。実家を頼ることはできない。不安が止まらない夜は、パタッと倒れて死ねたら楽になれるかなと思う」

 笑いながら言う彼の手は、固く握られていた。

◆取材・文/石田翼(ライター)

944チバQ:2019/10/21(月) 11:19:18
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191021-01611848-sspa-soci
マクドナルド難民になった40代、年収は頑張って110万円。求人はブラック企業ばかり…
10/21(月) 8:54配信週刊SPA!
マクドナルド難民になった40代、年収は頑張って110万円。求人はブラック企業ばかり…
ブラック企業を渡り歩き、中年マクドナルド難民に…平田正治さん(仮名・43歳)
 ますます広がる日本社会の格差。その日暮らしを強いられる年収100万円程度の人たちは、過酷な環境下でどのように過ごしているのか。今回は年齢とともに過酷さが増す中高年に注目。社会から見捨てられた漂流者たちのリアルを取材した。

リアル天気の子の末路は中年マクドナルド難民
 世の中に報われない努力があるのは事実だ。しかし、貧しい生活を強いられる状況は「努力不足による自己責任」と言い切れるのだろうか。日雇い労働などの不安定な雇用と低賃金を理由に、本来なら寝泊まりが禁止される貸倉庫やゴミ屋敷化したネットカフェに住む人々の存在を報じ、読者から「貧困は自己責任」、「役所を頼れ」といった厳しい声が多数寄せられるなど、多くの反響を呼んだ。

 貧困問題について年間500件の相談を受ける社会福祉士の藤田孝典氏は、雇用の質の低下が漂流に繫がっているとも話す。

「中高年の貧困者の多くは、職を失う恐怖があることから仕事に対してまじめな人が多い。しかし、有効な求人票はブラック企業ばかりなので、職場環境に耐えきれず、うつ病を発症したことで難民化するケースは数え切れません」

 大ヒット映画「天気の子」でも、主人公がネットカフェやマクドナルドを漂流するシーンが描かれていた。平田正治さん(仮名・43歳)は、運命の女性と出会わなかった場合の主人公の20年後か……。平田さんは専門学校卒業後、契約社員として複数のブラック企業を渡り歩いた。4年前、ついにうつ病を発症。現在、昼は派遣バイトで働き、夜はマクドナルドで寝泊まりしている。

=====

<平田正治さんの漂流年表>

20歳 専門学校卒業後、契約社員に

25歳 初めての転職を経験

26歳 ブラック企業を渡り歩く

38歳 パワハラが原因でうつ病に

40歳 シェアハウスに移り住む

42歳 マクドナルド難民を始める

=====

 マクドナルド難民といえば、’06年頃にコーヒー1杯で24時間営業の店で朝まで過ごす生活困窮者が増えたことで社会問題化したが、まだ根深い問題として残り続けているのだ。

「年収は頑張って110万円ぐらい。深夜の日雇い仕事を入れたいけど、ない場合は24時間営業の店で100円バーガーと水だけで過ごす。初めの頃は渋谷センター街にいたんだけど、早朝に『大丈夫ですか?』と声をかけてくるボランティアが苦手で……」

 そこで下北沢のマクドナルドを“定宿”にしたが、店内で寝泊まりする難民客が増え、深夜は着席できないシステムに変更されてしまった。ほかの店舗も続々と24時間営業を中止しており、平田さんはまたすみかを失いかけている。

「朝までいられる店があっても、横になると店員に起こされる。だから座ったまま寝ないといけないんで、首も肩もボロボロ。頼れる人もいないから、この生活を続けるしかない」

低所得者への家賃補助もない実情
 貧困に苦しみながらも貯金もなく民間の賃貸住宅を借りられない中高年。そんな彼らが公営住宅などに入ることはできないのだろうか? 藤田氏はこう語る。

「公営住宅が住宅全体の3%にとどまり、低所得者への家賃補助もないのがこの国の実情です。社会的な構造が貧困を生み出しているのは否めません。セーフティネットが著しく弱い社会にもかかわらず、転落のきっかけが無限に存在するのです」

貧困な人間関係が人生を追い詰める
 また藤田氏は、中高年の漂流者たちの“孤立化”についても指摘する。

「難民化する人の多くは、実家・親族と折り合いの悪い人が多く、人間関係も貧困。友人もなく、身近に救いの手を差し伸べてくれる人がいないんです」

 振り返れば断崖絶壁という絶体絶命のサバイバル生活を、中高年の漂流者たちは今日も目隠しのまま歩み続けている。

【社会福祉士・藤田孝典氏】
NPO法人ほっとプラス代表理事、反貧困ネットワーク埼玉代表、ブラック企業対策プロジェクト共同代表。著書に『下流老人』など多数

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!10月8日発売号「年収100万円の絶望 漂流する中高年編」

―[年収100万円の絶望]―

日刊SPA!

945チバQ:2019/10/28(月) 14:27:07
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191027-01613588-sspa-soci
「車中泊難民」50代で家がない…年収100万円、介護離職の過酷
10/27(日) 8:54配信週刊SPA!
「車中泊難民」50代で家がない…年収100万円、介護離職の過酷
車上暮らしを始めて1年が過ぎた篠原雄二さん(仮名・52歳)
 ますます広がる日本社会の格差。その日暮らしを強いられる年収100万円程度の人たちは、過酷な環境下でどのように過ごしているのか。今回は年齢とともに過酷さが増す中高年に注目。社会から見捨てられた漂流者たちのリアルを取材した。

⇒【写真】3年前25万円で購入した軽自動車

介護離職から家を失い、車上暮らしに
 貧困問題について年間500件の相談を受ける社会福祉士の藤田孝典氏はこう語る。

「失業しても、家さえ失わなければ生活を立て直すことは可能です。しかし、一度ネットカフェ暮らしや車中泊を始めて住所不定となると新たに住宅を契約することは難しく、そこから這い上がるのは困難なんです」

 日雇い仕事で糊口をしのぐ埼玉県出身の篠原雄二さん(仮名・52歳)は、母親の介護のため正社員として勤めていた自動車工場を離職したが、母親の死後は25万円で購入した中古の軽バンで暮らしている。「車中泊は一時しのぎだ」と飄々と語るが、ストレスの多い車上暮らしも1年がたち、辛さが身にしみる。

「週の大半は、通勤に便利な大宮公園で車中泊してる。夕焼け空を眺めながら公園の水道で体を拭くのが日課だけど、冬は辛いね」

激狭シートで寝る“軽バン”車中泊難民
 愛車に家財道具と母親の遺骨を積み込んだ、篠原さんの車上生活。この夏は2度、熱中症になりかけた。公園の水道は、風呂代わりにも飲料にもなる生活必需品。猛暑日の夜は道の駅の障害者トイレにタオルを敷いて寝たこともあるという。

=====

<篠原雄二さんの漂流年表>

12歳 両親が離婚し、母子家庭に

15歳 中学卒業後、他県で溶接工になる

22歳 建設の現場を渡り歩く

46歳 介護のため退職。地元に戻る

49歳 母が他界し収入が消える

51歳 車中泊を始める

=====

 日雇い仕事には波があり、収入は10万円に満たない月もある。年収は100万円程度。節約のため、1箱のカロリーメイトを朝・晩の2回で分けて食べたり、ドラッグストアの格安菓子パンを食べ、ガソリン代を確保する。不衛生な環境での生活で虫歯も悪化しており、慢性的な歯痛に悩まされている。

生活保護の申請も門前払い
「生活保護の申請もしたけど、『もう一度ハローワークへ行って、それでダメならまた来い』と門前払い。もう行かないね」

 篠原さんのように、介護離職が漂流の引き金になるケースが増えていると藤田氏は指摘する。

「高齢者の介護保険は低所得者ほど利用料負担がのしかかり、自宅での介護が欠かせません。子どもが離職し収入がなくなれば、年金に依存した生活となり、親の死後は生活に困窮。廃墟化した実家からのSOSは後を絶ちません」

946チバQ:2019/10/28(月) 14:27:25
年間9万3000人が、介護・看護離職している
「介護離職ゼロ」を目標に掲げている安倍政権だが、実情は厳しい。平成29年に介護・看護のために離職した人は9万2900人で、10年間で2倍に増えている(厚生労働省「雇用動向調査」/平成29年)。男性3万5800人、女性5万7100人で、年齢では50代がもっとも多い(同)。
 
 費用負担の少ない公営の特別養護老人ホームに入れるのは「要介護3」以上で、都市部では数年待ちもザラだ。民間の有料老人ホームは、月20万〜30万円台かかる施設がほとんど。
 やむなく、親を自宅介護するために仕事を辞める人も多い。だが、50代で離職してしまうと、次の仕事を見つけるのは至難のわざだ。篠原さんのような「介護離職貧困」は、まったく他人事ではない。

 振り返れば断崖絶壁という絶体絶命のサバイバル生活を、中高年の漂流者たちは今日も目隠しのまま歩み続けている。

【社会福祉士・藤田孝典氏】
NPO法人ほっとプラス代表理事、反貧困ネットワーク埼玉代表、ブラック企業対策プロジェクト共同代表。著書に『下流老人』など多数

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[年収100万円の絶望]―

日刊SPA!

947チバQ:2019/10/28(月) 14:28:21
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191013-01611690-sspa-soci
空き家に不法侵入して暮らす40代の貧困「ネットカフェにも泊まれなくて…」
10/13(日) 8:54配信週刊SPA!
空き家に不法侵入して暮らす40代の貧困「ネットカフェにも泊まれなくて…」
太田龍二さん(仮名・48歳)
 ますます広がる日本社会の格差。その日暮らしを強いられる年収100万円程度の人たちは、過酷な環境下でどのように過ごしているのか。今回は年齢とともに過酷さが増す中高年に注目。社会から見捨てられた漂流者たちのリアルを取材した。

息を潜めて眠る……やむにやまれず空き家に住む人たち
「NPOに届くSOSの中には、空き家から発せられたものも少なくありません。彼らは家賃も税金もかかないからと、勝手に住みついてしまうんです」

 と、社会福祉士の藤田孝典氏が話すように、実際に半年前から神奈川県東部のとある空き家に住みついているのは太田龍二さん(仮名・48歳)。飲食店の経営失敗による借金で首が回らなくなり、知人宅を転々とした後に、空き家に住むことを思いついたという。

「住居侵入罪ではあることは、重々承知している。ただ、家を借りるお金はなく、ネットカフェに泊まるのすら厳しい。逮捕されるのは怖いので、寝袋とリュック一つの『素泊まり』程度に滞在し、1か月住んだら次の空き家に移動しています。

 夜中にちょっと物音がするだけで、スグに起きるという習性が身についてしまいました。だから雨の日、台風の日などは誰も出歩かないから、ぐっすり眠れるんですよ(苦笑)」

 鍵のかかっている空き家が大半のため、ピッキング道具を安く買いそろえたという。

「自転車の鍵を開けるのと、コツは同じです。指紋を残したくないから、ビニール手袋をつけるのだけは忘れないようにしています。こんな生活は一刻も早く抜け出したい。宿泊料は“無料”だから、日雇いで敷金・礼金を貯められるように頑張りたいです」

 貯蓄に成功するのが先か、捕まるのが先か。追い詰められた彼の選択肢は少ない。
 

低所得者への家賃補助もない実情
 貧困に苦しみ貯金もなく民間の賃貸住宅を借りられない中高年。そんな彼らが不法行為に流れる前に公営住宅などに入ることはできないのだろうか? 藤田氏はこう語る。

「公営住宅が住宅全体の3%にとどまり、低所得者への家賃補助もないのがこの国の実情です。社会的な構造が貧困を生み出しているのは否めません。セーフティネットが著しく弱い社会にもかかわらず、転落のきっかけが無限に存在するのです」

 平成30年、全国の空き家率は過去最高の13.6%で846万戸に上り、東京都だけで81万戸もが空き家なのである(総務省「平成30年住宅土地・統計調査」概数集計)。各自治体は空き家の活用を検討しており、生活困窮者の支援に使えないだろうか、という声も挙がっている。
 そうすれば、やむにやまれず不法侵入する人も減ると思うのだが、実現への道のりは遠そうだーー。

 振り返れば断崖絶壁という絶体絶命のサバイバル生活を、中高年の漂流者たちは今日も目隠しのまま歩み続けている。

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!10月8日発売号「年収100万円の絶望 漂流する中高年編」

日刊SPA!

948チバQ:2019/10/28(月) 14:28:51
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191008-01610869-sspa-soci
1時間200円のネットカフェに住んで2年目…年収100万・41歳の生活
10/8(火) 8:55配信週刊SPA!
1時間200円のネットカフェに住んで2年目…年収100万・41歳の生活
仮住まいのはずが……ネットカフェに2年定住!
年齢を重ねるほど過酷さが増す「住所不定」の中高年に密着!
 世の中に報われない努力があるのは事実だ。しかし、貧しい生活を強いられる状況は「努力不足による自己責任」と言い切れるのだろうか。週刊SPA!9月10日号に掲載された特集「年収100万円の衝撃」では、日雇い労働などの不安定な雇用と低賃金を理由に、本来なら寝泊まりが禁止される貸倉庫やゴミ屋敷化したネットカフェに住む人々の存在を報じ、読者から「貧困は自己責任」、「役所を頼れ」といった厳しい声が多数寄せられるなど、多くの反響を呼んだ。

⇒【写真】食事は専らスーパーの値引き品だ

「派遣や契約社員を含め非正規労働者は労働人口の約4割と年々増加しています。特に現在の30代後半〜50代は就職氷河期世代だけに、その割合は高い。中年フリーター、日雇いなど低賃金で厳しいけれど食べられる状況にはありますが、“定職”ではないため、何年働いても技術や知見がつかない、通称『非熟練労働者』なんです。

 そんな人たちが就職できるか、と問われたら難しい現状がある。彼らは高給な仕事を奪い合う残酷な椅子取りゲームに参加させられ、競り負けて貧困に陥った人たち。こんな社会状況で“自己責任”と切り捨てられるのはおかしなことです」

 と語るのは、貧困問題について年間500件の相談を受ける社会福祉士の藤田孝典氏だ。

「失業しても、家さえ失わなければ生活を立て直すことは可能です。しかし、一度ネットカフェ暮らしや車中泊を始めて住所不定となると新たに住宅を契約することは難しく、そこから這い上がるのは困難なんです」

低賃金を捨て上京しても貧困暮らしは続く
 都内のネットカフェを転々とし漂流生活を送っている山形県出身の森和也さん(仮名・41歳)は、まさに当事者の一人。高校卒業後に就職したホテルが倒産し肉体労働を転々とするなか腰を痛め、38歳から中年フリーターに。

=====

<森和也さんの漂流年表>

18歳 高校卒業後、地元のホテルに就職

27歳〜 両親が相次いでがんにより他界

30歳 ホテルが倒産。肉体労働に転職

34歳 椎間板ヘルニアで入院。貯金が底を突く

38歳 夜勤バイトを始めるが腰痛が悪化

40歳 新天地を求め上京。日雇いで働く

=====

「地元では仕事もないから東京に出てきました。ネットカフェは本来1〜2週間程度の“仮住まい”のはずでしたが、正社員にはなれずもう2年目を迎えます」

 彼の“自宅”は、1時間200円という価格の安さをウリにした店で、森さんのような“その日暮らし”の漂流者が多く集まるスポットだという。

「この店、シャワーが無料で利用できるし、ドリンクバーだけではなくアイスも食べられちゃう。部屋にジュースを持ち込んで、ペットボトルに詰め替えもしていますね(苦笑)。便利なんですけど、年齢的に体がキツい。ベッドで寝る暮らしがしたいですね」

 ネットカフェのシャワーでは、体と同時に服も洗うという。いま持ち歩いている荷物は「服ばかり。現場用の作業着も2着ある」。ほかの生活用品はネカフェで賄えるそうだ。

 現在は日雇いで時給1200円を稼ぐものの収入は安定せず、家を借りるお金は貯まらない。

「年収は100万円ぐらいだから食事は24時間営業のスーパーで、深夜になると半額になる200円弁当や50円のおにぎりです。増税でネットカフェの料金も上がるし、ますます生活は厳しくなりますね」

 森さんは今日も彷徨っているが、公営住宅などに入ることはできないのだろうか? 社会福祉士の藤田氏(前出)はこう語る。

「公営住宅が住宅全体の3%にとどまり、低所得者への家賃補助もないのがこの国の実情です。社会的な構造が貧困を生み出しているのは否めません。セーフティネットが著しく弱い社会にもかかわらず、転落のきっかけが無限に存在するのです」

 振り返れば断崖絶壁という絶体絶命のサバイバル生活を、中高年の漂流者たちは今日も目隠しのまま歩み続けている。

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!10月8日発売号「年収100万円の絶望 漂流する中高年編」

日刊SPA!

949チバQ:2019/10/30(水) 22:26:09
https://toyokeizai.net/articles/-/310708
54歳男性の貧困は本当に誰のせいでもないのか
新聞配達を手伝わされ、高校も行けなかった
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藤田 和恵 : ジャーナリスト
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2019/10/30 5:25

「学校に行きたい」と言うと殴られた
いつの時代の話? それとも小説の中の出来事? そう思ってしまうほど、タロウさん(仮名、54歳)の少年時代は壮絶だった。

7人兄弟姉妹の長男。新聞販売店を営んでいた父親に、中学2年生のときから朝夕刊の配達を手伝わされた。父親は柔道の有段者で、ささいなことで子どもたちを殴る蹴るしては、止めに入る母親を投げ飛ばしたという。タロウさんにとって、部活も友達付き合いも、別世界の話。学校は休みがちで、なんとか入った高校も、父親から集金や営業の仕事もこなすように言われ、夏前には退学させられた。


この連載の一覧はこちら
「『家族のために子どもも働かないと食べていけない』というのが父の口癖でした。台風の日に自転車ごと倒れたことや、40度近い熱を出しながらマンションまで行ったこととか、新聞配達には、苦しい思い出しかありません。『学校に行きたい』と言っても、殴られるだけ。顔や頭が腫れて登校できないこともありました。

父は酒もよく飲んだし、外に女の人をつくっては、家にお金を入れないこともしょっちゅう。給食費の滞納はざらでした。DVなんて言葉もなかった時代、母は『私さえ我慢すれば、いつかは……』という希望にすがるしかなかったと思います。いろんな宗教団体に入ったり、出たりを繰り返しては、(父に負わされた)ケガや腰の痛みに耐えながら仕事に出かけていった姿を覚えています」

結局、両親はタロウさんが18歳のときに離婚。当時、母親が入信していた新興宗教の関係者が父親を取り囲み、なかば無理やりに届けに判を押させたという。

「父は離婚を渋り、しばらく母に付きまとっていました。下の弟たちはかなり年が離れているのですが、今考えると、父は次々と子どもをつくっては、母が別れられないようにしていたのかもしれません。最低な人間でした。でも、今は憎しみとか、恨みとか、そういう感情はありません」

父親の消息は、何年も前、窃盗で逮捕されたという連絡が、ある温泉街の警察から寄せられたのが最後。タロウさんは「今は生死もわからないし、関心もない」と淡々と話す。

とにもかくにも、20歳を前に再出発の機会を得たタロウさん。学歴などのハンデもあったが、数年間の工場勤務を経た後、希望していた編集の仕事を得ることができた。ゲーム雑誌などを発刊する小さな出版社で、やがてライター業も任されるようになったという。

ただ待遇は劣悪だった。何週間も、社内で寝泊まりすることが当たり前だったが、毎月の手取りはたったの16万円。次第に不眠や倦怠感などメンタルに不調が現れ、ある日、下着1枚で車道を歩いているところを、警察に保護された。覚えていたのは「相模湖で入水自殺する」という目的だけ。なぜ半裸になり、どうやって自宅を出たのかといった記憶はまったくなかったという。仕事にも支障を来し、5年ほど勤めた会社をクビになった。

950チバQ:2019/10/30(水) 22:26:33
付き合っていた女性との間に子どもができた
しばらく体を休めた後、交通警備などを行う警備員として勤務。正社員がちょっとしたミスで解雇されるなど優良とはいえない会社だったが、月収は約30万円と悪くなかった。

このころ、付き合っていた女性との間に子どもができたことをきっかけに結婚。子育てがしやすいという評判の近隣都市に引っ越すため、独学でパソコンの知識を身に付けると、収入水準は維持したまま、コンピューターの保守管理などを担う派遣社員へと転職した。

教育格差も、貧困、暴力の連鎖も何とか断ち切ったかのように見えた。しかし、新たなつまずきは夫婦関係のほころびから始まった。

タロウさんによると、専業主婦の妻はほとんど家事をしなかった。絵を描くことや、ミニチュア模型作りなどの趣味に精を出す一方で、万年床に、洗濯は1週間に1回、台所には汚れた食器が山積み――。話し合いをしても、それらが改められることはなく、口論のさなか、タロウさんは妻を平手打ちしてしまう。結局、タロウさんから離婚を切り出し、親権も手放すし、養育費も払うからと告げて家を出た。10年足らずの結婚生活だった。

妻の反対を押し切って離婚を決めた理由について、タロウさんは「罪悪感」だと説明する。「嫁さんに暴力を振るってしまった。実は、子どもが幼かった頃にも、一度、おしりをぶったことがあるんです。どちらもひどくたたいたわけではありません。でも、衝動的に手を上げていた。私も父と同じ種類の人間だとわかってしまったんです」

いつか、自分も父親と同じ仕打ちをしてしまうかもしれない――。その恐怖と不安に、打ち勝つことができなかった。「幸せでいてくれれば。私のことは、忘れてくれていればいいなと思います」。今は音信不通だという妻子について語るタロウさんの口調は、またしても淡々としていた。

離婚後、タロウさんの暮らしが安定することはなかった。月収30万円の派遣先は、派遣期間が3年を越えるという理由で雇い止めにされた。新たな派遣先では、収入が半減。養育費の支払いは滞り、自己破産を余儀なくされたという。その後、業務委託契約に切り替えることで、収入はいったん持ち直したものの、再びメンタル不調に陥ってしまう。

取材で話を聞いたタロウさんは語彙(ごい)も話題も豊富で、立ち入った質問にも終始穏やかに答えてくれた。尋ねてみれば、派遣先などからの評判は悪くなかったという。タロウさんの人柄もあり、仕事自体は順調だったのだ。にもかかわらず、メンタルは悪化した。リストカットを繰り返し、前回と同じく夜道をさまよっていたところを、警察に保護された。

「カッターで傷をつけて血が出ると落ち着く。落ち着きたいからカッターを手にしてしまう」。タロウさんはそう言って、傷跡が何本も交差する左腕を見せた。

業務委託契約の更新を諦め、蓄えが尽きたころ、生活保護の利用を申請。ケースワーカーの勧めで精神科を受診したところ、「重度のうつ病」と診断された。

さらに、不運は続く。40代後半になったころ、脊髄を支える靭帯の一部が骨のように硬くなる難病「後縦靭帯骨化症」であることが判明したのだ。手術は成功したものの、下半身に麻痺が残った。現在、タロウさんは歩行が難しく、杖が手放せない。日々の暮らしは、毎月約12万円の生活保護で賄っている。

タロウさんは自らの半生をこう振り返る。

「(メンタル不調のたびに)自分は『ぐうたら病』だと思ってきたので、うつ病とわかってよかったです。ただ、うつ病と父親の虐待は関係ないと思っています。派遣社員だったときは、人並みに稼ぎもありましたから、貧しい生い立ちや学歴のせいでちゃんとした仕事に就けなかったわけでもない。難病は不運としか言いようがないです」

だから――。タロウさんは、自らの貧困は「誰のせいでもない」という。

951チバQ:2019/10/30(水) 22:26:48
非正規労働は働き手のメリットがない
はたして本当にそうか。私は専門家ではないので、貧困状態に陥るきっかけとなったうつ病と生い立ちの関係については言及しない。しかし、派遣や業務委託といった非正規労働は、タロウさんの生活を大いに脅かしたのではないか。

タロウさんは、勤続3年で待遇のよかった派遣先を雇い止めにされたが、労働者派遣法が派遣期間の上限を3年までとする目的は、雇用の安定である。同じ労働者を常態的に働かせるならば、企業にも直接雇用の責任を負ってもらおうという趣旨でもあり、3年を越える前にクビにしてよいということではない。

業務委託契約にしても、労災も時間外手当も最低賃金規制もない個人事業主契約である以上、実態が労働者であれば、働き手にとってのメリットは、まずないといっていい。

もし、タロウさんが正社員だったなら、いきなりの収入半減や、うつ病になったからといって即失業といった事態に至る可能性は低い。休職制度や傷病手当金を利用すれば、自己破産や生活保護以外の選択もできたのではないか。私が知る限り、現代の貧困の背景には、必ずといっていいほど、脱法的で、不安定な働かされ方がある。

そう指摘すると、タロウさんは、給与が高く満足していたので、自分が脱法的な働かされ方をしているという自覚はなかったという。ただ、同時に「正社員であることのメリットも感じなかったんです」と話す。

たしかにそうだった……。タロウさんが派遣社員になる前に働いていた工場や出版社、警備会社はいずれも正社員だった。しかし、ここでも、過労死レベルをはるかに上回る長時間労働や、サービス残業、安易なクビ切りは横行していたのだった。

取材中、タロウさんは「私は父と似ている」と繰り返した。父親は暴力を振るう一方で、海で溺れたタロウさんを必死の形相で人工呼吸したり、子どもの1人が幼くして亡くなったときに家族の誰よりも涙を流したりするような一面もあったという。

私には、タロウさんは暴力的な人間には見えなかった。ただ、ゆがんだやり方で“家族”に執着した父と、その父の二の舞になるまいと“家族”を遠ざけた息子と。親子の呪縛は、思うほど容易には解けないのではないかと思った。

うつ病の処方薬を飲みながら、漠然と死にたいと思う「希死念慮」をやり過ごす日々。不自由な体と、生活保護に頼る暮らしは「おそらく一生このままだと思う」と話すタロウさんは今、小説と短歌を書きためているという。

誰かを責めることなく、一貫して優しい語り口で話をしてくれたタロウさんの心の内を知りたくて、タロウさんが短歌を載せているネット上のサイトを訪ねてみた。先日、東日本に大きな被害をもたらした台風の後だろうか。こんな歌が詠まれていた。

「窓を打つ 激し風雨の 音は皆 我を責めると 思い止まらず」

952とはずがたり:2019/10/31(木) 14:35:33
シェアハウスはシングルマザーの助けになる? 母子家庭の厳しい賃貸事情
SUUMOジャーナル2019年10月31日 07:00 0
https://www.excite.co.jp/news/article/Suumo_168170/

シェアハウスはシングルマザーの助けになる? 母子家庭の厳しい賃貸事情
母子世帯は、公的な住まいの支援策も乏しく、収入が不安定とされるため賃貸の入居を断られるケースが少なくないという。そんななか、母子世帯の貧困や孤独を防ぐために、不動産事業や介護事業を担う企業や、自治体などが、空き物件などを活用してシングルマザー向けシェアハウス事業に乗り出している。実際のシングルマザーの住まい事情や、専用のシェアハウスについて、住宅福祉に詳しい日本学術振興会特別研究員の葛西リサさんにお話しを伺った。

953チバQ:2019/11/08(金) 16:58:18
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/556646/
期末手当新設で月給減 非正規公務員、悲痛な声 来春新制度 遠い待遇改善
2019/11/4 6:00
西日本新聞 一面 斉藤 幸奈
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自治体では非正規職員が多様な業務を担っている=福岡市の中央区役所

 「月給が減らされて生活ができなくなる」。福岡県内の自治体で非正規職員として働く女性から特命取材班に悲痛な声が寄せられた。いまや市町村で働く職員の3人に1人は非正規雇用。保育現場や図書館など住民とじかに接する職場に多く、非正規なしに公共サービスは維持できないのが実態だ。何が起きているのだろうか。

 女性は週5日フルタイムで働いて月給は10万円台半ば。来春から勤務体系が見直され、月給が1万〜2万円減る方向だという。「新たに期末手当(ボーナス)を出すから年収は変わらないと言われるけど、月給が減ると日々の暮らしが立ち行かない。正規職員並みの業務を担っているのに…。私たちは都合よく働くロボットじゃない」

 地方の非正規職員の制度は来年4月から大きく変わる。地方自治法などが改正され、期末手当が支給できるようになる。経験年数に応じた昇給も可能だ。「同一労働同一賃金」が進む民間以上に格差が指摘される非正規公務員の待遇改善が目的だった。

 給与体系を具体的に決めるのは各自治体で、制度設計が大詰めを迎えている。福岡市は期末手当を正規並みの2・6カ月分支給する。一方、月給は3万円ほど下がる職員もいる。市の担当者は「正規職員と業務内容を比較して適正な金額にした。年収で見ると改正前を下回らないようにしている」と説明する。

 期末手当を支給する代わりに月給を下げ、年収は変わらない-。

 「全国の自治体でこうした動きが相次いでいる。年収維持か、アップしてもごくわずか。待遇改善にはほど遠い」。非正規公務員の実態に詳しい地方自治総合研究所(東京)の上林陽治さんはこう指摘する。

 人件費上昇を抑えようとフルタイムをパートに切り替えるほか、正規と比べて初任給を低く設定したり、昇給を抑えたりする自治体が多くあるという。

 自治労総合労働局長の森本正宏さんは「年収がもう少し上がると期待していたが現状は厳しい」と話す。

    ◇    ◇

 自治体側にも事情がある。行政改革で正規の人員削減を求められる中、業務負担は増すばかり。人件費の安い非正規を増やすことでしのいできた。今回、国が先導する「待遇改善」だったはずだが、開始まで半年を切っても財源確保の具体的な形は見えてこない。

 長崎県佐々町は非正規(192人)の割合が日本一高く、全体の6割強を占める(2016年総務省調査)。来年4月以降、期末手当を支給し、試算では最大約5500万円負担が増える。町の予算規模は約60億円。担当者は「国の補助があるのか注視している」。

 他の市町村からも「財源が示されないまま待遇改善と言われても、対応には限界がある」との声が漏れるが、総務省の担当者は「補助については検討中」との説明にとどめる。

 上林さんが提唱するのが、自治体の貯金とも言える「財政調整基金」の活用だ。税収減などに備えたもので、16年度末で全国の基金総額は約7兆5千億円。10年間で8割も増えた。

 上林さんは「このままでは大事な役割を担う非正規職員が辞めてしまい、必要とする人に公共の支援が届かなくなる。待遇改善は公共サービスの質を維持する上での生命線だ」と強調する。 (斉藤幸奈)

【ワードBOX】自治体非正規職員の新制度

 自治体によってさまざまな任用がされていた非正規職員の大半を新設の「会計年度任用職員」に移行し、期末手当が支給できるようにする。2017年に地方公務員法や地方自治法が改正され、施行は20年4月。自治体の非正規職員は約64万人(16年総務省調査)で05年と比べて4割増えた。フルタイム勤務の年収は約200万円で正規職員の3分の1以下とする試算がある。

954とはずがたり:2019/11/14(木) 14:13:36
預貯金ゼロの世帯、単身だと5%超 日銀などが初公表
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https://www.asahi.com/articles/ASLC95216LC9ULFA01L.html
湯地正裕 2018年11月9日20時43分

 預貯金を含めて金融資産を全く持っていない世帯が、単身では5・6%、2人以上の世帯で1・6%にのぼる。金融広報中央委員会(事務局・日本銀行)が、そんな調査結果を9日発表した。

 この調査は「家計の金融行動に関する世論調査」。6〜7月に計6079世帯から回答を得た。預貯金さえ全く保有していない世帯率を公表したのは初めて。

 預貯金はあるが、当面の引き落…

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955チバQ:2019/11/18(月) 11:09:48
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191118-00010000-nishinp-soci
郵便局の過剰ノルマ、死選んだ配達員 自殺の翌日に届いた自腹の購入商品…妻「何でここまで」
11/18(月) 9:34配信西日本新聞
郵便局の過剰ノルマ、死選んだ配達員 自殺の翌日に届いた自腹の購入商品…妻「何でここまで」
亡くなった夫の勤務状況について説明する女性=9日、大阪市
9年前、苦しんだ末に自殺
 「夫の死を無駄にしないでほしい」。9日、大阪市内であった郵便局員有志による集会。マイクを握った埼玉県の女性(52)が切実に訴えた。9年前の2010年12月、郵便配達員だった夫=当時(51)=は勤務局の4階窓から飛び降りて亡くなった。年賀はがきの販売ノルマ達成や時間内の配達を執拗(しつよう)に求められ、苦しんだ末の自殺だった。

 夫の様子が変わったのは06年。23年間勤めた埼玉県内の郵便局から、郵便物の取扱件数が首都圏有数の大規模局に異動したのがきっかけだった。

 「今日も昼ご飯が食べられなかった」。職場では残業を減らすよう求められたが、慣れない道で配達が思うように進まないと悩んでいた。交通事故などのミスを起こした局員は「お立ち台」と呼ばれる台に上がり、数百人の局員の前で謝罪させられた。「怖い。絶対に上がりたくない」と夫は漏らしていた。

真面目な夫、転売「俺にはできない」
 毎年、年賀はがき7千〜8千枚の販売ノルマが課せられた。金券ショップに転売する同僚もいたが、転売は禁止されており、真面目な夫は「俺にはできない」。自宅には、自腹で購入した年賀はがきが山積みになっていた。歳暮や中元、母の日…。歳事のたびにゆうパック商品も購入。夫は「時間内に配達するので精いっぱい。営業なんかできるわけがない」とこぼした。

 夫は次第に笑わなくなり、休日も外出しなくなった。心配した女性は08年、夫を心療内科に連れて行き、うつ状態と診断された。休職と復職を3度繰り返し、毎年異動希望を出したが、上司からは「病気を治さないと異動させられない」と告げられた。

「何でここまでしないといけなかったの」妻は涙
 10年12月、主治医が再度の休職を勧めたが、夫は「同じ班の人が2人も辞めたので、今は休めない」と断った。それから1週間後の朝、駅で姿が見えなくなるまで手を振って見送ったのが夫の最後の姿になった。

 亡くなった翌日、自宅に荷物が届いた。差出人は夫。自腹で購入したゆうパックの商品だった。「何でここまでしないといけなかったの」。女性は受け取りのサインを書きながら、涙が止まらなかった。

 女性と子ども3人は13年12月、夫が自殺したのは仕事上の心理的負担による精神障害が原因として日本郵便を提訴。会社側は「業務と死亡に因果関係はない」と争う姿勢を示したが、16年10月、異動希望がかなわなかったことや自殺に至ったことに遺憾の意を示した上、解決金を支払うことで和解が成立した。

 9日の集会では、今年3月に局内で自殺した関西の男性配達員=当時(29)=の問題が話し合われた。同僚の局員によると、男性は上司から業務上のミスについてたびたび叱責(しっせき)され、自殺直前に交通事故を起こしていた。

 女性は「社員を追い詰める会社の体質は、全く変わっていない。家族のため、一生懸命働く社員が報われる会社になってほしい」と語った。 (宮崎拓朗)

西日本新聞社

956とはずがたり:2020/01/19(日) 19:18:05

https://twitter.com/miyatachikaa/status/1218553150195585027
宮田知佳
@miyatachikaa
学校での生理用品の無料支給がイングランドとウェールズで開始。英国では女性は生理用品に生涯約55万円支払っているのだそう。生理用品が買えず、生理中に学校に行けない学生が増える近年のイギリス。
毎月くる生理。生活に欠かせない生理用品。毎月かかる出費。だからこそとても重要。#FreePeriods

957名無しさん:2020/01/23(木) 22:13:44
https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/bizskills/toyokeizai-326106.html
43歳「非正規」の彼が人間扱いされないと憤る訳 翻弄された氷河期世代の今も続く塗炭の苦しみ
2020/01/23 05:35東洋経済オンライン

43歳「非正規」の彼が人間扱いされないと憤る訳 翻弄された氷河期世代の今も続く塗炭の苦しみ

43歳「非正規」の彼が人間扱いされないと憤る訳

(東洋経済オンライン)

「雨が降る中での渋滞に集中力が切れ、ふと気がついたら急ブレーキをかけて、原付バイクがスリップしてしまった」。昨年7月、飲食店の宅配代行「ウーバーイーツ」の配送員の男性Aさん(43歳)は、東京・世田谷区の環七通りで、転倒事故を起こした。

幸い後続車にひかれるようなことはなかったものの、自宅近くの整形外科に駆け込むと、右肩の亜脱臼、左手首の捻挫、そして全身打撲で全治2週間と診断された。別の病院でのCTスキャンなども含めて、1.7万円程度の治療費の支払いを余儀なくされた。その後社内規定に従い、ウーバーの担当部署宛に事故報告を提出すると、思いもかけない内容の返信メールが届いた。型どおりの見舞い文の後、こんな記載が続いた。

「不注意による事故の場合、配達パートナー様はウーバーシステムへのアクセスを失うことにもなりかねません。厳しい注意喚起ではございますが、今回のようなことが再度あれば、あなたのアカウントは永久停止となるかもしれませんのでご注意下さい」

1月20日発売の『週刊東洋経済』は「『氷河期』を救え!」を特集。バブル崩壊後の不況期に学校を卒業し、長年、就職や生活に苦しんできた就職氷河期世代の置かれた現状を多角的に取り上げている。

配達員は無権利状態
Aさんはこのメールを見たとき、「失笑するしかなかった」という。

「ねぎらわれているのか、脅されているのか……。いずれにせよ、配達中の事故への対応とは、到底思えなかった」

配達員はウーバーとは雇用関係にない個人事業主として扱われている。そのためAさんのように配達中にケガをしても、労災保険の対象外とされる。健康保険や年金など、社会保険料も全額自己負担だ。また警告のようにアカウントが永久停止となれば即座に仕事を失うことになるが、雇用保険の対象にもならない。

昨年10月からは代替策として配達員のケガを補償制度の対象としたが、他方で同11月末には報酬体系を見直して、基礎報酬の単価を引き下げた。Aさんは「ウーバーは手当の引き上げで補填できると言うが、手当は会社側が一方的に決められるもので、何ら収入保証とはならない」と憤る。

Aさんが大学を卒業した1999年は、まさに就職氷河期の真っただ中だった。学生時代のPCショップでのアルバイトをそのまま続け、その後は新聞広告の代理店へと転じた。アルバイトとはいえ、平日、土曜午前のフルタイムで働き、手取りは月に20万円超。社会保険も完備していた。

この仕事を長らく続けたが、業界環境が厳しくなったこともあり、30代半ばで転職を決意した。年齢のこともあり、安定した正社員の仕事を探そうとハローワークにも通ったが、結果は芳しくなかった。

「やってきた仕事内容には関心を持ってもらえても、正社員ではなくアルバイトだったと話すと、面接官はみな態度を一変させた。フルタイムであっても、職歴とは認められなかった」(Aさん)

958名無しさん:2020/01/23(木) 22:15:16
人としてみられなかった
介護業界に飛び込んだこともあった。ホームヘルパー2級(当時)の資格を取得し、デイサービスで入浴や排泄の介助、利用者の送迎の補助などに携わった。「気を抜くと人が死ぬ職場」という緊張感の一方、アルバイトのため手取りは月12万円程度で、貯金を切り崩しながらの生活を余儀なくされた。

精神的に追い詰められ、自転車で都内の職場に向かっていたはずが、気がついたら遠く相模湖にいたこともあった。しばらく欠勤が続くと、所長から携帯電話に連絡があった。「辞めるなら、私物を取りに来て」とだけ告げられた。

「大学を出てからずっと非正規労働者、そして個人事業主として働いてきたが、結局、人ではなく単なる労働力としてしかみられなかった。時代が悪かった、とだけで済まされる話なのか」(Aさん)

Aさんのように、雇用環境が厳しかった1993年から2004年の間に高校、大学を卒業した就職氷河期世代には、希望する就職ができず、現在も不本意ながら不安定な仕事を余儀なくされている人は少なくない。Aさんが卒業した1999年などは、未就職卒業者数は実に10万人を超えていた。

大卒以上に希望する就職やその後の転職が難しいのが、高卒や高校中退で社会に出たケースだ。

「高卒はそうとう不利なんだと痛感したのは、正社員の仕事に就こうとしたときだった」。

いまはフリーランスのデザイナーと訪問介護ヘルパーの掛け持ちで働く女性Bさん(42歳)は話す。

いじめが原因で私立高校を2年で中退したBさんは、最初はコンビニのアルバイトとして働き始めた。20歳になって深夜も働けるようになると、時給のよい居酒屋でのアルバイトへと移った。日中時間が空いたこともあり、単位制高校に通い、2年間で卒業した。

高卒資格を得たことで、25歳に初めて派遣会社に登録した。深夜の居酒屋が時給1000円だったのに対して、派遣の時給は日中の事務職で1500円前後。「月収ベースでは同世代の正社員よりもらっていたし、派遣ってすごい、と当時は思っていた」(Bさん)。

数年後、20代後半になり派遣の仕事が契約更新されず雇い止めされたときに、将来に不安を感じるようになった。そこで正社員の仕事を探したが、興味を持った仕事の求人はどれも大卒以上を条件とするものばかり。「このときに、皆が無理してでも大学に進学する理由がよくわかった」(Bさん)。

959名無しさん:2020/01/23(木) 22:16:24
あなたに戻る席はない
小規模な居酒屋チェーンの本部に正社員として雇われたが、終電近くまで働いても残業代はいっさい出ないうえ、試用期間に示された月収15万円が本採用になっても続く始末だった。

30代となり、また派遣社員に戻ったが、2008年秋のリーマンショックに見舞われる。事務職の時給の相場は大幅に下がり、新たな仕事もなかなか紹介されなくなった。「稼いでいた時代の貯金がみるみる減っていくのが怖かった」とBさんは当時の不安な心境を語る。

30代後半にはパチンコホール運営会社の事務職についたが、体調を崩し、急性気管支炎で10日間入院。退院して出社すると退職届が用意されており、「あなたに戻る席はない」と上司から退職を強要される形で職場を追われた。

今はダブルワークで月収15万円程度。メニエール病を患いめまいがひどく、「20代、30代の頃のように、あくせく働くのは難しくなった」(Bさん)ためだ。

社員でも派遣でも、面接のときには決まって結婚、出産の意向を聞かれることにも辟易とさせられた。

「女性が働いて1人で社会生活を送っていくことに、いったい何か問題があるのでしょうか」

リーマンショックによって、Bさんのような事務職以上に甚大な被害を受けたのが、製造現場の非正規労働者たちだ。

2008年秋以降、名だたるメーカーで急激な生産調整が行われ、派遣・請負労働者や期間工など、非正規の人員削減が容赦なく実施された。契約期間の途中で派遣を打ち切るような企業も続出し、「派遣切り」と大きく社会問題化された。

仕事と住まいを同時に失う
「その後もさまざまな仕事に就いたけど、あのクビの切られ方はいちばんショックだった」。現在50歳の男性Cさんは話す。当時、派遣会社から自動車部品メーカーに派遣されていたCさんは、契約期間途中での解雇を通告され、年の瀬に仕事と住まいを同時に奪われた。39歳の時だった。

従来から軽いうつ病だったが解雇後に症状が悪化。福祉施設で働き始めたが2度ほど倒れ、統合失調症と診断された。その後も、生活保護を受給しながら求職活動を続けたが、保護を抜けられる水準の仕事には就けていない。親との折り合いが悪く身元保証人を立てられないこと、そして40代という年齢も大きなハンディとなった。今は地元の福祉作業所に通っている。

「えり好みしなければ仕事なんていくらでもあるといわれるがそれは違う。派遣切りされてから10年強、自分のように今も苦しんでいる人は、少なくないはずだ」

『週刊東洋経済』1月25日号(1月20日発売)の特集は「『氷河期』を救え!」です。

著者:風間 直樹

960チバQ:2020/02/18(火) 15:43:28
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200216-01642744-sspa-soci

年収800万円から生活保護へ。38歳で「ゴミ屋敷から這い上がれません」


2/16(日) 8:55配信

週刊SPA!







年収800万円から生活保護へ。38歳で「ゴミ屋敷から這い上がれません」


大森雄二さん(仮名)38歳


 日本社会の格差がますます広がる中で、人間が安心して暮らすための基盤である“家”の存在が揺らいでいる。年収100万円台の人たちは、家すら失う事態に陥っているのだ。貧困に苦しむ人たちの住宅事情をリポートした。

⇒【写真】玄関脇の台所
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家賃4万円の木造アパートは腐乱臭が漂うゴミ屋敷

▼大森雄二さん(仮名)38歳 生活保護

「本当は社会復帰したい……でも、這い上がれないんです」

 蓄積した疲労は、思わぬ貧困をもたらすことがある。食品会社の正社員と配送業のWワークで年収800万円を稼いでいたという大森雄二さん(仮名・38歳)。人生が激変するきっかけとなったのは、10年前、残業が続いた冬の雨の夜だった。

「重い荷物を担いだまま路上で転倒し、股関節を骨折したんです。昼の職も失い、いまは生活保護を受給しています」

 大森さんの自宅を拝見するため、板橋区・大山駅からほど近い住宅街に佇む築51年、家賃4万円の木造アパートを訪ねた。天井からはクモの巣が垂れ、床にはなぜかビニール傘が散乱。壮絶なゴミ屋敷とは真逆の爽やかな笑顔で微笑む大森さんの姿は、雑なハメコミ写真を見ているようだった。

「物が多い部屋なので、土足で入っていいですよ〜」

 その言葉通り、玄関から続く4畳二間の部屋は間仕切りの戸が倒壊し、奥の部屋までビッシリとビニール袋や衣類が積み上がっている。ゴミの頂上に座るよう勧められるが、部屋中に漂う腐った卵のような臭いが気になる。

 玄関脇の台所には段ボール箱と衣装ケース、衣類が交互に積み上がる。洗い場の洗面器に入った濁った水は、いつのものかわからないという。

「東日本大震災のときに歪んで閉められなくなった窓のせいで、暖冬の今年でも部屋の中は極寒です。修理したいけど、生活保護にゴミ屋敷だから、大家さんとなるべく接触したくないんです……」

 過酷な環境でも大森さんが飄々としていられる理由は何なのか。
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後遺症と毒親に追い詰められうつ病に

「ここに住んで10年くらい。以前は自営業で年金未払いだった両親に仕送りをするために、がむしゃらに働いていました。今は受給額14万円とバイト代2万円を合わせても年収95万円程度。当然、仕送りできるはずもなく、100円おにぎりをかじる暮らしです」

 だが、働けなくなっても家族から仕送りの催促がやまず、ストレスでうつ病を発症。家族とは絶縁した。

「仕送りのため蓄えがなく、ケガの治療が終わった頃には無一文でした。ハローワークで求職活動は続けていますが、ブラック求人ばかり。昨年ようやくありついた不定期バイトで、糊口をしのいでいます」

 大森さんが“捨てられない”状態になったのは、現在のアパートに住んでからだ。後遺症の関節炎もあり、片づけられない家財道具とゴミが混然一体に積み上がる一方となった。ほかの住民も「全6室のうち5部屋は生活保護受給者。皆、声を潜め生きている」らしく、悪臭が漂っても苦情などはこないという。

「生活保護から抜け出したいけれど、若い頃のようには働けない。求人票を見つめる日々です」

 将来への不安とゴミが、今日も大森さんの部屋に積み上がる。

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!2月4日発売号の特集「[年収100万円ハウス]の惨状」より

961チバQ:2020/03/29(日) 22:47:33
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200329-00010001-suitsw-life
【貧困女子】新型コロナウイルスで月収は1万2000円に…貯金ゼロインストラクターの生活崩壊
3/29(日) 10:04配信Suits-woman.jp
女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは普通の毎日を送っていたはずが、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです 。

鈴木萌奈美さん(仮名・37歳)は、大手スポーツクラブのインストラクターをしており、今回の新型コロナウイルスの問題で、3月の収入が激減したといいます。

「それまで月18万円くらい振り込まれていたのに、3月分は1万2000円くらいになるそうです。しかも、私たち現場のインストラクターには、ジムが休業するとか、閉鎖されるとかそういう連絡が一切ないんです。会社は対応に追われていて、私たちまで手が回らないみたいでした」

それにしても1万2000円は、ひどい話です。

「会社は『お客さまと従業員の健康と安全のため』とか言っているけれど、従業員は収入がなければ死にますよね。その後、微々たる手当などで補填されるのでしょうが、次の支払日に入るお金が1万2000円では、生活できない」

萌奈美さんは離婚したばかりで、一人暮らしのために東京・練馬区内にアパートを契約しました。その直後のコロナショックで、現在、貯金はないとのこと。

「結婚していた元夫もジムインストラクターで、この人は誰にでもいい顔をして、優しい人だからめちゃくちゃモテた。8年間結婚していたのですが、お客さんが家に来たり、元夫のストーカーが、ウチの自転車やペットのワンコに危害を加えたりして、最悪でした。しかもだらしがないから生活費を入れてくれない。暴力も振るわれたし、子供も何回もあきらめた。やっと自由になった先のコロナです。泣くに泣けない」

【貧困女子】新型コロナウイルスで月収は1万2000円に…貯金ゼロインストラクターの生活崩壊
体育大学卒のインストラクターよりも、アメリカの専門学校で学んだインストラクターの方が人気があり、そのことに不満を持っていた。
元夫は別の女性との間に子供ができ、その女性の家でマスオさん状態で生活している
萌奈美さんの両親も離婚しており、どちらの家も遠くお金がないといいます。

「千葉県市原市で兄が食品関連の仕事をしているのですが、この兄も借金まみれ。前から節約に節約を重ねて生活していましたが、これ以上はどうやって切り詰めていいかわかりません」

ここ数年は1度も自宅で風呂に入らず、家の滞在時間を少なくしたり、ティッシュペーパーや砂糖などの消耗品は会社から余剰分を失敬していると語る萌奈美さん。コストがかさむ米は食べず、うどんか水戻しパスタが主食。まとめ買いした卵、胸肉、もやしばかりを食べているそう。

「同じものばかり食べてうんざりしても、それしか食べるものがない。学生時代の友達にも、お金がないことが知られているから、気の毒がって誘われない。友達はオゴってくれるんでしょうけれど、私は施しを受けるのが大嫌いだし、プライド的にも許せない。がんばって生きてきたのに、こんなことになるなんて……正直、死にたいです」

小柄で筋肉質、スリムな萌奈美さんは、37歳という実年齢より若く見えます。胸もお尻もキュッと上がって、スタイル抜群。それなのに肌はガサガサ、ボロボロ。ネイルアートは奇抜なものですが、セルフでやっているからガタガタ。

「生活に余裕は全然ありません。ぶっちゃけますけど、お金がなくて、ホームレス同様になったこともあります。元夫との生活でパニック障害になったこともあり、今でも定期的な診療は欠かせない。スポーツをハードにやっていたので、体はガタガタ。腰痛なども持っているので鍼に定期的に通うなど、メンテナンスも必要なんです」

今までのキャリアについて伺うと、高校生まで陸上をやっており、体育大学に進学。大学時代にダンスに目覚めたのだそう。

「勉強を全くしていないし、陸上もダンスもご飯は食べられない。柔道や剣道なら、警察庁に入る可能性もありますが、ダンスはムリ。同級生で優秀な人は、学校の先生や公務員、教育関連の仕事で正社員で働いていますが、ほとんどが私みたいな非正規です」

学費を出した祖父母から、「莫大な学費がかかったのに、リターンは少ない」と言われたそう。

「結局、私は邪魔者なんですよ。それ以来、祖父母とは絶縁しています。小学校の時、『好きなことや、やりたいことを仕事にしなさい』と言われて育ったけれど、あんなのうそっぱちですよね。好きなことをしていたらみじめな未来が待っているだけ」

不安定な雇用、身体を使う仕事の摩耗感、悪化する持病の腰痛、利用者のストーキング……スポーツインストラクターは、社会的な弱者だと感じている。続編に続きます。

962チバQ:2020/04/02(木) 13:21:53
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200402-00010008-nishinpc-bus_all

「仕事、今年はないかも」収入途絶え…女性の憤り コロナで“派遣切り”再来


4/2(木) 10:44配信

西日本新聞







「仕事、今年はないかも」収入途絶え…女性の憤り コロナで“派遣切り”再来


イメージ(写真と記事本文は直接関係ありません)


 新型コロナウイルスの感染拡大のあおりで、派遣社員やパート従業員など非正規労働者の雇用環境が急速に悪化している。観光業や製造業では、自粛による需要の「蒸発」で雇い止めや派遣切りの動きが出ており、労働組合への相談も急増。感染拡大の影響が長期化することで、2008年のリーマン・ショック後より厳しい状況に陥りかねないとの見方も出ている。

【写真】「侍マスク」口コミで広がり…静かな反響

 「今年は仕事がもうないかもしれない」。こう不安を吐露するのは、海外旅行の添乗員歴約25年の女性(55)。大手旅行会社の派遣社員として働いてきたが、3月に入ってからは予定していたツアーが全て中止になり、収入が途絶えた。

 旅行会社の傘下にある派遣元から補償の説明はなかった。掛け合うと、代わりに家電製品やランドセル販売員や引っ越しといった不慣れな仕事を勧められた。「派遣社員だからといって都合よく使うのか。一定の補償をしてほしい」と、女性は憤る。

 労働組合には、非正規雇用の人からのこうした相談が止まらない。3月30、31日に連合(東京)が行った緊急電話相談では168件のうち7割が非正規雇用。電話はひっきりなしに鳴り続け、取れなかった電話も約400件に上ったという。

 相談で目立つのは、無給で出勤停止にされるといった法令違反が疑われる事例。インターネットで加入できる「ジャパンユニオン」(東京)の菅野存(あり)執行委員長は「コロナ対策を名目にした不当な扱いは許されない」と語気を強める。

 非正規雇用はリーマン直後の09年の1727万人から増え続けており、19年は2165万人。近年は高齢者の割合が2割とリーマン時よりも増えている。

 厚生労働省によると、新型コロナ関連で解雇されたり雇い止めされたりする見込みの人は30日時点で正規雇用も含め1021人。日本総研の山田久氏は「リーマンよりも影響が長期化する可能性がある。1年はみておいた方がいい」とした上で「年金が少ないシニアもおり、政府はセーフティーネットをしっかりと張り巡らせる必要がある」と指摘する。 (一瀬圭司)

963チバQ:2020/04/08(水) 21:43:10
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9529c2056cc7fc1f46d30102e2d1604ccb8c8fc
このままでは4000人が行き場を失う。新型コロナ、東京都の住宅支援は500戸のみ
4/8(水) 16:22配信

BuzzFeed Japan
AFP=時事

政府の緊急事態宣言に基づき行われる東京都の緊急事態措置。ネットカフェに休業要請が出た場合、そこで生活する4000人が行き場を失うおそれがある。東京都は4月6日、補正予算12億円を計上し、住居を失った方への一時住宅等の提供を行うと発表。だが、この予算で確保できる一時住宅は500戸だけだ。今後さらに、職と住まいを失った人が増加することが見込まれる中、路上生活者や生活困窮者支援を行う現場では、500戸では「全然足りない」と懸念する声が上がっている。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】

ネットカフェで暮らす人も対象と都知事は言及

小池百合子東京都知事が4月6日、223億円の補正予算で取り組むことを発表した6つの支援策。そのうちの1つが、新型コロナウイルスの影響による失業等に伴い住居を失った方への一時住宅等の提供だ。

小池知事は会見で「今回ウイルスの影響で失業される方が多数出ておられる。住む場所も失ってしまう。そういった方々に一時住宅等を提供する」と説明した。

ネットカフェが休業した場合に行き場を失う4000人も今回の事業の対象となるのかという質問には、「まさしくご質問にありましたようなところで、実は寝泊まりもされておられるという方々がいる。こういった方々が仮の住まい、滞在できる場所を確保することを念頭に置いたものでございます」と回答している。

今回の一時住宅提供の対象には、現在生活保護を受けている人など、新型コロナウイルスの影響を受ける以前から失業していた人は含まれるのか?

BuzzFeed Newsの質問に対して、東京都福祉健康局の内藤淳局長は「今回のことはあくまで、コロナウイルスの関係でお住まいを失った方への措置です。そこに何らか区別をつけることはできないのかなと思っております」と答えた。

12億円、確保できるのはプラス400戸

12億円という限られた予算で都はどこまで対応することを想定しているのだろうか。

都の福祉健康局の担当者は、すでに確保している100戸にプラスして400戸確保し、合計で500戸の一時住宅を用意すると語る。

都はこうした一時住宅の確保を急ぎ対応しており、これまでの取り組みの中で連携してきた先や都営住宅の空室などを活用する方向で進めているという。だが、「まだ契約には至っていない」と担当者は取材に明かした。

東京都では「合計500室確保できるまでは、一旦ビジネスホテルを借り上げる形で対応を予定」しており、「現在、新宿区のビジネスホテル借り上げのめどが立っている」という。

路上生活者の支援団体は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、仕事と住まいを失う人が今後増えると警鐘を鳴らす。そんな中、確保を予定している500戸だけでは、行き場を失うことが予想される4000人に対しても支援の受け皿が足りない状況だ。

都の担当者も「昨日の会見で発表された補正予算でできる対応では足りない。足りない部分は増やさざるを得ない」と認めている。

964チバQ:2020/04/08(水) 21:43:30
支援受けるため、収入減少の証明も?
時事通信

担当者によると今回対象となるのは、「都内に直近6ヶ月以上滞在している方たち」。「すでに路上生活を送っている方は別のホームレス対策の支援で、生活保護を受けて生活している方もそちらの仕組みで対応する」という。

一方で、「ネットカフェで新型コロナウイルスが感染拡大する以前から収入不安定だった人はどうするのか。その点については線引きが難しいところ」と認識を示した。

「収入減少の証明については、ある程度聞き取りで確認する形になると思われます。ただし給与が手渡しだと確認できないためケースバイケースになると思われます」

「別々の枠組みで支援するのは非合理的」
4月3日、東京都に緊急要望書を提出する稲葉剛さん

一般社団法人つくろい東京ファンドの代表で、路上生活者の支援を続ける稲葉剛さんが指摘するのは、「東京都の住居喪失者への聞き取り調査でも、ネットカフェ以外に寝泊まりをしている場所として『路上』をあげている人は4割以上いる」という実態だ。

そのため、「両者を別々の枠組みで支援するのは非合理的」だと語る。

「支援策が従来の住居喪失者対策(東京チャレンジネット事業)の枠組みを踏襲しているため、都内に6ヶ月居住などの要件を満たすことができず、実質的に利用できない人が続出してしまう危険性があります」

「従来の枠組みに固執するのではなく、住まいに困っている人全般が活用できる対策にしてほしいと思います」

ネットカフェが休業した際、行き場を失う人を減らすために一般社団法人つくろい東京ファンドが他の支援団体とともに作る東京アンブレラ基金では、緊急宿泊支援費用を従来の「一泊3000円」から、ビジネスホテル利用を前提とした「一泊6000円」まで引き上げることを決めた。

公的支援が追いつかない中で、路上生活者支援の現場では、新たな取り組みが始まっている。

4000戸確保しても「全然足りない」
時事通信

認定NPO法人もやいの代表理事で生活困窮者の支援を行う大西連さんも、支援策が「足りないのは間違いない」と話し、支援の受け皿は最低でも4000人分は確保する必要があると強調する。

「これから経済状況が悪くなると、新たに住まいを失う人も一定数出てくることが予想されます。その点を踏まえると、4000戸でも全然足りません」

こうした取り組みは本来、緊急事態宣言が発令される4月8日までに準備をしておく必要があった。

「準備をしていないことで生じるタイムラグ」で、不利益を被るのは、「より困難な状況で暮らす人々」だ。大西さんは「そうした人々への想像力が欠けている」と言う。

大西さんはより一層の支援策が必要だと訴えている。

「いま支援にアクセスし始めているのは、日雇い労働や非正規雇用の方々。正規雇用で働いていた人の中から生活が困窮する人が出てくるのはこれからです。ゴールデンウィーク明け頃に実際に困り始める人が現れることが見込まれます」

「この先、困窮する人が出るのは間違いない。それを見越して、今からでも遅くないので行政は宿泊場所をちゃんと確保する必要があるのではないでしょうか」

千葉雄登

965チバQ:2020/04/09(木) 02:56:11
https://news.yahoo.co.jp/articles/74f6376b42955b8a6537a440ec05cff72373ff38
ブラック職場の隠れ貧困女子。電気代も払えず、冷蔵庫が使えない日々…
3/29(日) 8:55配信

週刊SPA!
日々の激務で疲れ切ってしまい、気力のない日々を過ごす……介護士の小谷香さん(仮名・34歳)

 日本社会の格差がますます広がる中で、人間が安心して暮らすための基盤である“家”の存在が揺らいでいる。貧困に喘ぎ苦しむ人たちの劣悪住宅事情をリポートした! 今回は普通のアパート生活でも光熱費が払えず電気が止められている女性を取材した。

ブラックな職場で疲弊し孤立…“普通の部屋”に住む隠れ貧困女性
▼小谷香さん(仮名) 34歳 非正規介護職員

 群馬県在住の介護士、小谷香さん(仮名・34歳)も貧困にあえぐ女性の一人。彼女が住む部屋は木造アパートの1階にある、家賃4万8000円のワンルームだ。

「狭い部屋ですが、ここが唯一安心できる場所。お金には困っているけど住む家がある分、私はマシなほうです。でも実は光熱費が払えず電気は止められています。冷蔵庫が使えないので、食事はスーパーの見切り品ばかり。ネットは隣の部屋のWi-Fiに無断接続しています」

 小谷さんの手取りは、資格手当込みで月15万円程度だが、その業務内容は過酷そのもの。

「夜勤は月3回、17時〜翌10時までの17時間勤務です。夜勤のときは一人で40人の施設利用者を見ているので、仮眠も取りづらい。暴言や暴力も日常茶飯事ですね。体力的にきつく、休日は夕方まで寝て終わってしまいます」

 日々の激務で疲れ切っており、仕事以外の時間は家で横になって過ごしているという小谷さん。新たな出会いを探す気力もなく、隣の家のWi-Fiを無断で使って見るYouTube動画が今の小谷さんの唯一の心の癒やしだという。

結婚なんて夢のまた夢……今日生きていくので精いっぱい
 異性との出会いはおろか、女友達に会う機会も激減、休日は常に一人で過ごしている。

「学生時代の友達は、結婚して育児やパートに忙しく、疎遠になってしまいました。女子会があっても着ていく服がないし、話題にもついていけないので肩身が狭い。“家の電気が止まっている”なんて絶対に言えません」

 電気が通っていないため、冷蔵庫はただの食料庫。菓子パンだけで空腹をしのぐこともあるという。

可視化されにくい女性の貧困
 脱法シェアハウス、ゴミ屋敷、車中泊……と劣悪な環境で生活する低所得者たち。女性の貧困の場合はまた違う事情がある。『東京貧困女子。』の著者で、これまで数多くの貧困女性の取材を行ってきたノンフィクション作家の中村淳彦氏は「貧困女性の住宅問題は男性よりも可視化されにくい」と指摘する。

「男性は住む場所がなくなれば、ホームレスになる人もいるので、かえって行政の支援も届きやすい。一方、貧困女性はどんなに困窮していても、セキュリティの問題から部屋だけは死守しようとすることが多いんです」

 彼女たちは、たとえば2階建ての小さな普通のアパートのようなところで暮らしており、一見すると生活に困っているようにはとても思えない。しかし、実際には、給与のほとんどを家賃にもっていかれ、生活が崩壊しているパターンも多いという。

「よくよく聞いてみると、公共料金を滞納して電気を止められていたり、洗濯機が壊れていて、洗濯板で衣類を洗っていたりと悲惨な状況でしたね。そうした女性の多くは、介護職や地方の団体職員として働く低賃金労働者でした」

 職場と家の往復のみの生活から人間関係が希薄になり孤立してしまうのは、小谷さんに限ったことではない。

「僕はこれまで、ラブホテルを宿代わりにしてカラダを売る中年女性軍団など極端な例も見てきました。それ以外にも月1万円強の公営団地に住むシングルマザーもいましたが、彼女たちは自分たちのコミュニティの中で助け合って暮らしているぶん、貧困女性の中ではいいほうかもしれません」

966チバQ:2020/04/09(木) 02:56:28
孤独な低賃金女性、結婚での貧困脱出も困難?
 一方、普通のアパートに暮らす低賃金労働者の女性は、孤独と過重労働のストレスで、人知れずメンタルを病んでいくのだという。

「圧倒的な孤立状態のせいで、生活保護制度を知らなかったり、そもそも自分が貧困であることを自覚していない女性もいます。結婚して貧困から脱する手段もありそうなものですが、疲弊しきっていて、そもそも結婚という発想に至らないようです」

 真面目に働いている女性が安く買い叩かれる――。彼女たちの貧困は、そんな歪んだ社会構造によって生み出されたものなのだ。

【中村淳彦氏】
ノンフィクション作家。貧困から介護、AV女優や風俗、虐待、借金などさまざまな社会問題について取材・執筆を行う。『東京貧困女子。』など著書多数。座右の銘は「口下手こそ成功する」

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[年収100万円ハウスの惨状]―

日刊SPA!

967チバQ:2020/04/10(金) 15:45:42
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200410-00234300-diamond-soci

コロナ失業と30万円給付の壁に悲鳴を上げる「夜の街」の女性たち


4/10(金) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン







コロナ失業と30万円給付の壁に悲鳴を上げる「夜の街」の女性たち


新型コロナの影響は、夜の街で働く女性たちにも脅威を与えている。生活不安の実態とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA


● コロナ禍で収入半減、そして休職 ベテラン風俗女性の3カ月

 カオリさん(仮名・41歳)は、18歳の時から九州の大都市の歓楽街で働いてきたベテランセックスワーカーだ。ヘルス、ソープを含め、幅広い形態の職業経験を積んできたが、近年はデリヘルを中心に働いている。新型コロナウイルスによる影響は、当初、客の変化として現れた。

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 「お客さんが職場でコロナ対策やクレーマー対策に追われたり、失業するかもしれない状況だったりして、ストレスいっぱいで。それで私たちのところに癒しを求めに来る、みたいな」(カオリさん)

 日本初の患者が確認されたのは、1月15日だった。1月中旬から下旬にかけての報道は、日本企業の中国工場の閉鎖、中国との輸出入の困難化が日本にもたらす影響、そして中国での徹底した都市封鎖や移動制限に集中していた。テーマパークなど接客業の一部では、従業員のマスク着用が認められ始めていたものの、いまだその是非が取り沙汰される状況だった。

 2月に入ると、マスクをはじめとする衛生用品の買い占めと品不足、そして高額での転売に注目が集まった。また、豪華クルーズ船内での集団感染が注目されたのも、同月であった。もしかすると、カオリさんの仕事にも影響していたのかもしれない。売上は1月の半分程度にまで減ったが、「もともと2月は閑散期だから、気にしていなかった」という。

 ところが、3月に入っても客足は回復しなかった。接客を全くしない日が、2日続いたりもした。

 「3月の始めは少しだけ持ち直したんだけど、新型コロナ騒動がニュースで取り上げられるたびに、お客さんが減っていった感じ。そのうちに新規のお客さんが全然来なくなって、本指名(リピーター)のお客さんがほとんどになった。気がついたら、お店全体のお客さんの数も減っていって、1月の半分くらいになっていて。『これは尋常じゃない』と気がついた」(カオリさん)

 報酬は、完全出来高払い。ベテランで常連客が多数いるカオリさんは“稼げる“風俗嬢だ。手取り収入は、1月が80万円、2月は落ち込んでも40万円だった。しかし、3月も40万円程度だったそうだ。

 「お客さんの数にも収入にも波のある仕事なのは、当たり前。2月は毎年のことだったから凌げたけど、3月になっても回復しなかったのは痛かった」(カオリさん)

 それでも、一般的には「高収入」と言ってよいはずだ。問題は、あまりにも不透明な先行きにある。

968チバQ:2020/04/10(金) 15:46:29

● 相手は正体不明のウイルス 志村けんさんの死で本当に怖くなった

 努力と工夫を重ね、平均して月70万円を稼いできたカオリさんにとっても、コロナウイルスの影響は、季節や時節による想定範囲の収入の波を超えていた。3月に入っても収入が回復しなかったことから、精神状態も悪化した。さらに、濃厚接触そのものである風俗の仕事に対して強い不安を抱くようになり、働き続けることが困難になった。

 「コロナのことはニュースで知っていたけれど、かかってもお年寄りが死ぬだけという認識だった。本当に『怖い』と思ったのは、3月29日に志村けんさんが呆気なく亡くなったとき」(カオリさん)

 相手は、いまだに正体が充分に判明していないウイルスだ。人間の平常時のプロ意識が通用するとは限らない。

 そして3月30日、東京都の小池知事は、バーやナイトクラブなど「夜の街」の産業の営業自粛を求めた。4月8日、東京都・大阪府・福岡県を含む7都府県を対象とした緊急事態宣言が発効するにあたり、東京都はバーやナイトクラブに休業を要請する方針とした。働けなくなったカオリさんは、このまま働く場も失う可能性がある。
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● 1世帯あたり30万円の給付に 立ちはだかる多くのバリア

 新型コロナウイルスの感染拡大により、減収や失業に直面している人々は少なくない。日本の「コロナ失業」の実態はいまだ明らかになっていないが、政府は多様な支援を用意している。「ツッコミどころ」は多いものの、とにかく、支援メニューは存在する。このことの意義は、過小評価すべきではない。

 収入が減少して生活が困難になった世帯に対しては、1世帯あたり30万円を給付する支援策が用意された。また、3月の臨時休校で仕事を休まざるを得なかった保護者に対する賃金保障は、早々と創設され3月18日から受付が開始された。

 当初、風俗業に従事する人々は対象外とされていたが、当事者団体をはじめとする団体の働きかけにより、見直しが行われた。本稿を執筆している4月9日現在は、いずれの制度も風俗業に従事する人々を排除していない。しかし、安心するのは早すぎる。

 政府への働きかけの中心となったSWASH(Sex Work And Sexual Health)代表の要友紀子(かなめ・ゆきこ)氏は、申請する手続きに含まれる多数のバリアを指摘する。

 「たとえば休校に伴う補償だと、就労場所や報酬の算出方法を具体的に書く必要があります。セックスワーカーの場合、まず、どう書けば良いのかという問題があります」(要さん)

 デリヘルのカオリさんの場合、就労場所は待機する店舗の事務所なのだろうか。それとも、接客を行うラブホテルなのだろうか。さらに報酬にも、同様の混乱が発生し得る。

 「『60分1本、8000円』とか書けばいいんでしょうか。刺激的な追加サービスは『オプションサービス3000円』とか……。そのままでは、役所に提出する文書に書けませんよね。しかも休校による補償では、子どもの氏名や通っている小学校や幼稚園の名前を書かなくてはならないんです」(要さん)

 役所は住民の個人情報を守ることになっているが、個人情報の漏洩や悪用は、しばしば起こっている。さらに、役所で業務に就いているのは、近所の顔見知りや、子どもの同級生の親かもしれない。それ以前に、「どう書けば良いのか」という具体的なバリアがある。

 要さんは厚労省に対して、「業務遂行の場はデリヘルの事務所で良いのか」「報酬算出方法はどう書けば良いのか」といった問い合わせを続けている。明確にならないと、セックスワーカーたちに「こういう制度がありますよ」と広く知らせるわけにはいかないからだ。

 「支給申請書が『こう書けば通ります』、あるいは『支給を認められた人がいます』と言える状態になれば、『自分にもできるかも』『申請してみよう』と思ってもらえます。そこまで、バリアを取り除く必要があります」(要さん)

 さらに、風俗業界には多様な業種があり、雇用形態も様々だ。大規模店舗に雇用されている場合もあれば、個人によるネット売春もある。同じ業種でも、経営者の方針や従業員の都合により、被雇用者であったり個人事業者であったりする。多様な事例のそれぞれで、適切な申請を行うこと自体が、巨大なバリアとなっている。

969チバQ:2020/04/10(金) 15:46:51
● 忘れられがちな人々を 非常時に完全に忘れ去らないために

 国際的な動きもある。4月8日、国際セックスワーカー団体であるNSWP(Global Network of Sex Work Projects)は、国連合同エイズ計画(UNAIDS)とともに、各国政府に対し、新型コロナウイルスの感染拡大に際して、セックスワーカーを置き去りにしないことを要求した。

 他のあらゆる人々と同様に、セックスワーカーも権利と健康を守られる必要がある。現金給付を含む政府の支援対象となるのは当然である。より忘れられやすい存在であるからこそ、救済のための臨時措置の対象外としないため、より一層の努力が政府に求められる。SWASHも、NSWPの加盟団体としてこの動きに加わった。

 しかし、支援を受けるにあたって申請手続きが必要だと、実質的に誰かを置き去りにすることになる。軽度知的障害のセックスワーカーもいる。支援者が寄り添えば申請できるかもしれないが、必要なときに支援者に近寄れる当事者ばかりではない。日常的に差別や偏見にさらされている人々は、困っているときほど、助けを求められなくなりがちだ。


 いずれにしても、申請手続きという高いバリアを乗り越えられない人々は、「自己責任で経済的支援を利用しなかった人」とみなされる。

 「そこですよね。結局は『一律給付しかない』と思っています」(要さん)

 いずれにしても、困窮の中にあるセックスワーカーたちが給付や補償を受け取れない状況が続けば、国連からの圧力が強まり、国際問題に発展する可能性もある。

● 社会における職業の1つとして セックスワークの健康と安全を

 1956年に制定された「売春防止法」は、おおむね制定時のまま、現在の日本に生き残っている。そこに「何人も、売春をし、又はその相手方となってはならない」と明記されている以上、売春は罪悪ということになる。しかしセックスワークに就く権利は、すでに国際的に確立された基本的人権の一部だ。1999年に設立されたSWASHは当事者団体として、身体的・精神的・性的な健康と安全を追求し続けている。

 その観点から、感染症や暴力被害や労働問題にも取り組む。あらゆる意味での健康と安全は、当然どのような職場でも追求される。セックスワークを例外にする必要はない。しかし、セックスワーカーに対する認識や支援は、あまりにも手薄だ。

 「お店の同僚でも、店長でも、ホストでも、困ったときに連絡を取れる人が誰かいれば、生き延びられると思います。人間関係は大切です。でも、現金給付は必要です」(要さん)

 人間を等しく襲う脅威に対して必要不可欠なのは、人間を差別しない普遍的な支援だろう。

 (フリーランス・ライター みわよしこ)
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みわよしこ

970チバQ:2020/04/14(火) 12:00:27
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200413-00000068-mai-soci

「生きていく上で欠かせない場所」 ネットカフェ難民、休業要請に不安の声


4/13(月) 21:16配信

毎日新聞







「生きていく上で欠かせない場所」 ネットカフェ難民、休業要請に不安の声


路上生活を送りながらインターネットカフェを時々利用する男性(右)。「安心して過ごせる場所を失い、不安しかない」と漏らした=大阪市で2020年4月13日午後3時26分、隈元雄太撮影


 新型コロナウイルスの緊急事態宣言から1週間となる14日、午前0時から大阪府による休業要請がスタート。対象の一つがインターネットカフェだ。安定収入がなく自宅のない人にとって、夜を過ごすだけではなく、自分の空間を確保できる貴重な拠点でもあった。大阪府は同程度の料金で宿泊できる施設を用意するが、利用者らの不安は消えない。

 「生きていく上で欠かせない場所。なくなるのは寂しい」。大阪市内で路上生活を送る50代の男性はネットカフェへの休業要請を知り、ため息をついた。

 警備会社に勤めていたが、人間関係に嫌気が差して退職。蓄えを失って家賃が払えなくなり、2年ほど前から路上で過ごす。今は路上生活者の自立を支援する雑誌「ビッグイシュー」を販売した利益が唯一の収入。その中から費用を捻出し、週に1、2回、ネットカフェを利用してきた。

 エアコンで室温が管理されてシャワー室も使え、野宿の疲れを癒やせる貴重な場。体を伸ばせる「フラットシート」を2000〜2500円で9〜12時間使うのが唯一のぜいたくだった。「我々は社会から切り離されて生きている。何が起きているのか、情報収集の場所でもあった」。新聞や雑誌を眺め、インターネットを閲覧するのはささやかな楽しみとも言えた。

 「感染拡大を防ぐため、やむを得ない」。大阪府の休業要請には理解を示す。だが、これまで身を寄せてきた場を失うことには「不安しかない」と頭を抱える。

 店側にも戸惑いや反発はある。大阪市内のある店の男性店長は13日、「運営会社から休業方針に関する説明がない」と話した。この店では2週間ほど前まで、店内で何日も過ごす客が複数いたが、最近は見かけなくなっていたという。「新型コロナによる不況で、利用する余裕もない人が増えているのかもしれない」

 一方、別の店は7日の緊急事態宣言を受けていったん自粛した営業を13日に再開したばかり。除菌剤なども用意して感染防止に努めてきただけに、40代の男性店長は「どういう基準で休業しないといけないのか。休ませているアルバイトへの補償もなく、納得できない」とこぼす。対応が間に合わないため14日も営業を続け、オーナーとも話して休業時期を決めるという。

 大阪府には府が把握するだけで115店ある。府は13日、それらネットカフェで夜を過ごす人たちのため、1泊2500円以下で宿泊できる施設の紹介をホームページ(HP)で始めた。吉村洋文知事が10日に施設を募集し公表する考えを示しており、13日までに受け入れ先となるホテルや民泊施設の計約1600室を確保した。13日午後5時半現在、1500円からの施設もある。府は宿泊施設の追加募集もしており、HP上で随時更新していく。

 ただ、ホームレス支援などに取り組むNPO法人「ホームドア」(大阪市北区)の松本浩美事務局長は「店でネットを使って職を探していた人もいる」と指摘。「休業により、仕事を得る機会が失われることもある」と懸念している。2007年の厚生労働省の調査ではネットカフェに週の半分以上泊まる人の数は大阪市で約1000人と推計された。【隈元悠太、上野宏人、藤河匠、柴山雄太】

971チバQ:2020/04/15(水) 23:06:52
https://digital.asahi.com/articles/ASN4H3R4SN42ULFA035.html?pn=9
コロナ生活苦で「給料の前借り」、ヤミ金並み利息が横行

笠井哲也、新屋絵理

2020年4月15日 19時00分
 新型コロナウイルスの影響でお金の悩みが増えるなか、ネット上などで広がる資金提供策「給料ファクタリング」に要注意だ。「給料の前払い」「ブラックでもOK!」などと手軽さをうたうが、多額の手数料をとられたり、違法な取り立てにあったりする被害が目立つ。「生活が破綻(はたん)する恐れがある」として、金融庁も警戒を呼びかけ始めた。(笠井哲也、新屋絵理)

 闇金被害などの相談に応じる「しもひがし法務司法書士事務所」(東京都)では3月以降、給料ファクタリングの相談が急増した。1〜2月の月50件ほどが、3月は112件に膨らんだ。

 「十数社取引してしまい、給料の額以上になった」「取り立てが闇金のようで怖い」などの声があり、新型コロナの影響で収入が不安定になって使う人が増えたという。下東洋介司法書士は「利用してはいけないと思いつつ、選択肢が他にない人もいる」とみる。事務所で確認している業者は現在60社超にのぼるという。

 3月30日〜4月3日にあった東京の弁護士による給料ファクタリングの被害相談には、全国から40件超の電話があった。「新型コロナの影響で残業手当などが減り、(お金を)返せなくなった」など感染拡大の影響を訴える人も。釜井英法弁護士は「給料ファクタリングは闇金並みの『利息』を払うことを頭に入れてほしい。借金があって苦しければ弁護士に相談してほしい。国の貸付制度もある」と訴える。

年利換算 利息1840%超
 ファクタリングのルールを直接定めた法令はなく、法的な位置づけがあいまいだ。昨年ごろから広がる資金提供手法で、業者は「合法」との立場。貸金業法などの規定の上限利息を超す「手数料」をとっている。

 全国の消費生活センターには昨年以降、相談が相次ぐ。「5万円借りる申し込みをして口座に2万4千円振り込まれた。差額は手数料と言われた。信用できる業者か」(50代男性)、「7万円受け取って半月後に12万円振り込んだ。会社や家族に知らされ、困った」(40代男性)などの声だ。

 トラブルから訴訟になるケースもある。この問題で関係者から注目された判決が、東京地裁(男沢聡子裁判長)で3月24日に出た。「給料ファクタリングの仕組みは、『貸し付け』に該当する」との司法判断だ。

ここから続き
 東京都内の業者が、利用者に未払い手数料を払うように求めた訴訟。利用者はネット上で給料債権買い取りを申し込み、4万円を受け取った。4日後に7万円を業者へ払う約束だった。

 地裁判決は、もともと業者は給料を払う会社からでなく利用者からお金を回収するねらいだったと指摘。このしくみは「貸し付けと同じ機能」とした。年利換算で1840%超の利息の契約となって貸金業法の年利上限を大幅に超え、「無効」と認定。「出資法にも違反し、刑事罰の対象となる」との判断を示した。

 業者は判決を不服として控訴しているが、今後、業者の敗訴が確定すれば、貸金業の登録が必要で、手数料も上限金利(15〜20%)内に抑える必要が出てくる。

972名無しさん:2020/04/15(水) 23:07:04
金融庁も異例の言及
 給料ファクタリングが貸金に当たるとの見解は金融庁も3月6日に公表。「高金利に加えて違法な取り立てもあり、悪質。個人が食い物にされていた」(担当者)と対策に動いている。

 金融庁が法解釈にまで言及するのは異例のこと。目をつけたのは、給料は会社が労働者に直接払うとする労働基準法の定めだ。給料日前に債権として譲渡しても、業者は会社に支払いを求められず、労働者に求める。金融庁はこの構図が「経済的に貸し付け(金銭の交付と返還の約束が行われているもの)と同様の機能を有しているものと考えられる」と指摘した。東京地裁の判決でも使われた論理構成だった。

 参議院厚生労働委員会では3月24日、平木大作氏(公明)が「給料ファクタリングはこれまで法的な位置づけがあいまいで、野放しになっていた」「きちんと貸金業法の対象として規制すべきだ」と指摘。金融庁は「捜査当局などと緊密に連携し、厳正に対処する」と答弁した。

 業者は今後どうなるのか。司法や行政の「包囲網」により、撤退を迫られるとみる関係者もいる。少額の貸し付けが多く、法律の上限金利内だと事業として成り立ちにくいためだ。利用者から不当利得返還請求訴訟を起こされると、利用者が払った全額の返還を求められる可能性もある。

 ただ、一部業者は金融庁の見解後も「(自社は見解に)当てはまらず、貸金と言いきれない」「具体的なスキームは様々」「司法の場で自らのサービスの適法性を訴える」などと主張する。業者のホームページには「勤務先にばれません」「スマホ一つで完結」などの文言が今も並ぶ。

お金に困ったら社協や弁護士に相談を
 生活資金に困った際、まず考えたいのが行政の給付金や貸付金制度の利用だ。

 各都道府県の社会福祉協議会は3月下旬から、新型コロナの影響で失業や休業した人への緊急の貸し付けを始めた。無利子で保証人不要。休業者向けは1世帯最大20万円、失業者向けは原則3カ月間で1世帯最大月20万円(単身世帯は月15万円)を借りられる。市町村には、お金や就職の悩みの無料相談窓口もある。

 東京の3弁護士会の弁護士は先月末にファクタリング被害対策弁護団を結成した。4月20〜24日午前10時〜午後6時には、ホットライン(03・5951・8555)で相談を受け付ける。(笠井哲也、新屋絵理)

給料ファクタリングを巡る考え方
【主な業者の立場】

○利息はとらず、金銭の貸し借りにあたらない(手数料は発生)

【金融庁の文書(3月6日公表)】

○給料ファクタリングの業者は貸金業に当たる

○この見解は捜査機関の判断や司法判断を拘束しうるものではない

【厚生労働省の国会答弁(3月24日)】

○賃金は労働者の生活の糧。使用者(会社)は直接労働者に払わなければならない。賃金債権の譲り受け人(業者)が使用者に支払いを求めることは許されない

【東京地裁判決(3月24日)】

○業者から労働者への債権譲渡代金の交付だけでなく、労働者からの資金回収が一体となって資金移転の仕組みが構築されている

○この仕組みは貸金業法や出資法の「貸し付け」に当たる

    ◇

〈給料ファクタリング〉 現金を早く手に入れるため、企業は販売先から代金を受け取る権利(売り掛け債権)を業者へ売ることがある。ファクタリングと呼ばれるこの取引を給料にあてはめ、給料をもらう権利を労働者が業者へ売り、お金を「前借り」する仕組み。手数料を引いた額を手にし、給料額を業者に後日払う。「貸金業ではない」として年利換算1千%超に当たる手数料をとる業者もある。

973チバQ:2020/04/17(金) 18:44:05
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e6%96%b0%e5%9e%8b%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e7%a6%8f%e7%a5%89%e3%81%ae%e3%83%80%e3%83%bc%e3%82%af%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%89%e3%80%81%e3%83%8d%e3%83%83%e3%83%88%e3%82%ab%e3%83%95%e3%82%a7%e9%9b%a3%e6%b0%91%e3%81%8c%e8%bf%bd%e3%81%84%e3%82%84%e3%82%89%e3%82%8c%e3%81%9f%e3%80%8c%e6%9c%ac%e5%bd%93%e3%81%ae%e8%a1%8c%e3%81%8d%e5%85%88%e3%80%8d/ar-BB12LAEJ?ocid=ientp

新型コロナ福祉のダークサイド、ネットカフェ難民が追いやられた「本当の行き先」







週刊女性PRIME [シュージョプライム]

2020/04/17 18:00
東京都は10日、緊急事態宣言を受けてネットカフェに営業停止を要請したため、都内では多くの店舗が休店。いわゆる「ネットカフェ難民」と呼ばれる、住む家を持たず、ネットカフェなどに寝泊まりする人たちが今、行き場を失って困っているのをご存知だろうか。

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 都内でネットカフェなどに寝泊まりしている(いた)人は4000人ほど。圧倒的に男性が多いとされているが、なかなか声をあげにくくて調査などからは漏れてしまう女性も多くいて、特に若い女性が目立つ。年代別では30代が最も多く、50代や20代と各年代に散らばる。

 そうした人たちはもともと、正社員で働いていたのに会社が倒産したり、派遣の雇い止めに遭ったりして、そこにたどり着いた。そういう事態は今や、誰にとっても他人事ではないだろう。

劣悪な環境に人を収容

 そこで東京都は、その人たちを一時的にビジネスホテルなどに無料で宿泊してもらう措置をとると発表し、やれやれこれで一安心……と思っていたら、実はそうは動いていないんだという話を、生活困窮者の支援活動を行っている一般社団法人『つくろい東京ファンド』の小林美穂子さんから聞いて、驚いた。小林さんはスタッフやほかの支援団体の人たちと一緒に、10日から支援のためにずっと忙しい日々を送っている。

「今、いちばんの問題はネットカフェから出されて福祉事務所に助けを求める人たちが、次々に無料低額宿泊所に送り込まれていることです。そこがどういう所かの説明も受けず、『迎えの車が来てるから、さぁさぁ』と連れていかれ、契約書にサインをさせられています」

 無料低額宿泊所。

 聞きなれない言葉だが、小林さんの説明によると、無料低額宿泊所、通称・無低は、生活保護受給者を中心に受け入れる、施設で、良心的な施設もいくらかはあるものの、その多くは、悪名高き「貧困ビジネス」の場になっていることが多いという。大部屋にぎっしり二段ベッドを並べたり、6畳ほどの部屋を3つに区切って敷きっぱなしの布団に寝かせるだけといった、劣悪な環境に人を収容する施設が多く、以前から問題になっている。

「しかも入居者が受給された生活保護費のほとんどを持っていかれます。門限もあり、外出外泊には許可も必要。場所によっては長くそこに逗留する牢名主みたいな人がいて、小銭やタバコをかすめとられたりもしますし、弱いものいじめはあたりまえ。人間トラブルから死亡事件が起きたこともあります。

 一般の人たちは、こんなところを役所が重宝しているなんて、とても信じられないでしょうが、そこに留め置かれ、いつまでもアパートへの転宅を許されない人達が全国で3万人いるといわれています」

 生活保護費のほとんどをむしり取り、自由も制限し、高齢者が多くて心身ともに治療が必要な人も放置される。これまで何度かニュースになってきたのに、現在も生活困窮者救済の対策として大手を振ってド真ん中にいる。福祉のダークサイドだ。

「大雨が降った月曜日、ネットカフェを出た青年が福祉窓口を訪れて、生活保護の申請をしたんです。ネットカフェを出てから2日間、野宿をしたあとだそうです。すると、何の説明もされないまま、彼は無低に連れていかれました。

 連れていかれた先は衛生面もひどく、高齢者がたくさんいて誰もマスクなんてしていない。咳き込む人も多い中、もちろん相部屋。そして風呂、トイレは共同。メンタルの問題も抱える青年は出された食事をひと口も食べられず、一睡もできずに朝を迎え、私たちにSOSの連絡をしてきました。しかも所持金がない彼に一週間分の昼食だとして福祉事務所の担当者から渡されたのは、ウイダーインゼリー2個だったそうです。こうした例は彼だけではありません」

974チバQ:2020/04/17(金) 18:44:22
東京都の“逃れよう”とする姿勢

 それでは感染防止のためにネットカフェをクローズした意味が全くない。東京都はビジネスホテルを2000室確保して、ネットカフェから追い出された人たちを無償で泊まらせると発表したのではないか。

 そもそも元からその無低を家として住んでいた高齢の人たちのところへ、もしや無症状で感染しているかもしれない新規の若い人たちを送りこむことは、感染リスクを高める最悪のやり方だ。クラスターになりえる。

「そうです。コロナ感染拡大を防止するためにネットカフェへの休業要請が出て、ネットカフェから出てきたみなさんが福祉事務所に行くわけですが、逆の結果になっています。

 なぜ、そんなことが起きるのかは、東京都が23区や市の福祉事務所に『一義的に無料低額宿泊所を使うべし』という通達をしているからです。感染拡大を止める気があるんでしょうか? ビジネスホテルを確保しているというのに、そこを使わせない。意味がわかりません。

 相談者からのSOSは日に日に切迫してきています。そこで私たちが何度も、何度も、何度も同行するわけですが、この動きを増やせば増やすほどに、感染は拡大します。そのリスクを何倍にも膨らませます。日本の医療にも、経済にも与える影響は甚大です」

 そこで『つくろい東京ファンド』代表の稲葉剛さんが東京都へ強く抗議し、16日夜になって東京都は「本人とのやり取りにおいて民間施設(無料低額宿泊所)等が困難と判断した場合は、ビジネスホテルを使う。民間施設を使う場合も、施設の感染症対策を確認した上で、可能な限り個室で対応する」と新たに発表したそうだ。

 しかし、予断は許さない。“困難と判断した場合は”とか“可能な限り”とか、逃れようとする姿勢が端々から見え、そこに“無低”がある限り、なんとしてもそれを利用しようとするんじゃないか。

 われわれ一般の都民からしたら、なんでそんなことをしたいのか全く意味がわからない。福祉事務所とは、いま困ってる人を助けるのが仕事だと思い込んでいたが、そうじゃないのか? せっかく泊まってもらうためのビジネスホテルを用意したのに、なんで使わないんだろう? ただ「やりました」感を出したいだけなのか? しかも、いざビジネスホテルに泊まれても、それは5月6日まで、それ以降はまた無料低額宿泊所へ逆戻りしろと福祉事務所の窓口担当者は迫るんだという。あまりに、ひどい話である。

「それならばアパートへ転宅をさせてくださいと話を進めますが、もう、いちいち闘わなくてはならない不毛さにウンザリします」

 小林さんとスタッフは、すでにクッタクタだ。家にいなければいけないこの期間、家にいるために取られたネットカフェ休業の措置から、逆に多くの人が東京中を駆けずり回らなくなっているなんておかしい。すみやかに全員をビジネスホテルに移動させてあげてほしいと強く願う。

新型コロナがパンドラの箱を開けた

 それでも小林さんたち支援者たちは屈しない。週末にはネットカフェを出た若い女性からのSOSも受けた。

「ネットカフェ暮らしだった若い女性は、前日から何も食べてないというから、ファミレスでご飯を食べてもらいましたが、『ジュースが飲めるのがうれしい。甘いの久しぶり』って。『もう首吊るしかないと思ったんですけど、私も人間なんですかね、生きたいと思ってしまったんです。それで連絡しました』と言われました。

 こんな思いを若い人にさせていること、こんなことを言わせてしまってることを、私たち年長者は心底、恥じなくてはいけないと思います。この過酷な日々がいつか過ぎたら、日本の人々が異なる価値観を持ち、これまでと違った形の社会形成を始めてほしい。

 そうならなかったら日本人に希望などありません。自己責任で弱者を見捨てることも、生産性で人の価値をはかることも、弱者同士を争わせる既得権を持つ者たちが責められることもなく、権力や経済力の上にあぐらをかき続けるさまも、ぜんぶ霞んで消えればいい」

 本当にそうだ。

 この新型コロナウイルスを生き抜くには、自分だけが助かればいい、では成り立たない。今は会えない人たちとも心の手を結び合い、物心共にシェアしていく以外、この時代を築いていくことは無理だ。自己責任論は最も忌むべき敵だと思う。

「コロナ禍を転機に、福祉を正常化させましょう。今後はネットカフェに暮らすような人がいない社会にしましょうよ」

 と、小林さんは言う。

975チバQ:2020/04/17(金) 18:44:35
「逆を言えば、新型コロナウィルスがこれまで行政が開けようとせず、私たち支援者も開けられなかった“パンドラの箱”を開けたんです。ネットカフェに暮らし、これまで毎日うつらうつらとしか睡眠は取れず、医療にもかかれず、節約のためにシャワーも毎日は使わず、カップラーメンばかり食べながら足も伸ばせずにいた人たちが、ふつうに人間らしい暮らしができるようになれば、禍も福と転じます。

 社会は、少し救われる。もっと早い段階で、支援しなくてはいけなかったことなんです。行政も、前線にいる都の職員も、福祉事務所のスタッフもいまは大変だと思う。でも、それは、これまでのツケが一斉に回ってきただけだから。もう、後戻りをしてはいけない。同じ過ちを繰り返したらダメ。社会もそうした人々をお荷物だと思わないで、一緒に生きていける未来を模索するようになってくれたらいいです」

 災い転じて福となす、にしよう! と必死に頑張る小林さんたちの活動は、いま、これからどうなるんだろう? と不安におびえる私たちに、こんな言い方はおかしいかもしれないが、勇気のようなものをくれる。

 人のためにいま動く人がいる。それを知るだけで少し安心し、よし、私も頑張ろうと思える。共に生きる方法を探れる。なお小林さんたち『つくろい東京ファンド』はホームページに、“相談受付フォーム”を開設しているのと同時に、広く寄付金を募っているのでチェックしてほしい。クレジットカードも使用可能だ。

<取材・文/和田靜香>

976チバQ:2020/04/20(月) 14:06:06
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200420-00010001-nishinpc-soci

「お米も買えない」1日1食…困窮するシングルマザー、涙の訴え


4/20(月) 9:56配信

西日本新聞







「お米も買えない」1日1食…困窮するシングルマザー、涙の訴え


支援団体から無料で食材を受け取るシングルマザーの女性(手前)。3月以降、食材を求める家庭は増えているという=3日、福岡市内


 新型コロナウイルスの感染拡大の影響が、ひとり親家庭の暮らしを直撃している。勤務先の休業や雇い止めを受け、日々の食事すらままならない家庭も出始めている。生活困窮者らを支援するフードバンクの関係者からは、懸念する声が上がっている。

【写真】「かわいい」ヘアゴムで作る“ハンカチマスク”

 「お金がなく、お米も買えない」。3月中旬、北九州市のシングルマザー(41)は区役所に駆け込み、泣きながら窮状を訴えた。

 コロナ感染が深刻化するまでは、身体障害がある長男(19)を市内の介護施設に預け、パーキングエリアの売店でパートをしていた。ところが3月以降、施設側から「感染の恐れがある」と預かりを拒否された。長男は手足が不自由で突然けいれんを起こすこともあるため、付きっきりの介護が必要。やむを得ず一時的に仕事を休んでいる。
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自身は1日1食

 離婚した夫から養育費はもらっておらず、借金もある。フードバンクからの食材を少しでも長持ちさせるため、自身は1日1食で済ませているという。

 次男(17)は通信制の高校に通い、今月末には授業料十数万円の支払いが迫る。「在宅ワークの仕事も見つからず八方ふさがり。どうやって生きていけばいいのか」と途方に暮れる。

 中学2年生と小学6年生の娘2人と暮らす福岡市のシングルマザー(41)は、勤務先のホテルの利用客が半減し、3月中旬から出勤が週1、2日に。9万円程度だった給料はさらに減る見通しだ。消費者金融からの借金も考えるが、返済に苦しんだ過去があるだけに二の足を踏む。「極力借金はしたくないが、このままでは先行きが見えない」

 「辞めてほしい」。小学生の長男(10)と保育園児の長女(5)を持つ熊本市のシングルマザー(34)は、勤務先の飲食店から退職を促され、職を失った。ハローワークに通うが、次の仕事が見つからない。小学校の臨時休校で給食がなくなり食費もかさむ。政府は1人10万円の現金給付を検討しているが、「一時的には助かるが、仕事が見つからなければ生活を立て直せない」とため息をつく。

「どこに頼ればいいのか分からない」

 コロナ感染拡大を受けた公的支援制度は、事業者対象が中心。臨時休校に伴う休業補償制度も、実際に従業員が補償金を受け取れるかどうかは企業側の対応にかかっている。社会福祉協議会の無利子の貸金制度もあるが、限度額がある上に返済も必要。食材を無償で配るフードバンクや子ども食堂がない地域もあり、熊本市のシングルマザーは「食費が浮くなら助かる。でも、どこに頼ればいいのか分からない」と訴える。

 NPO法人「フードバンク北九州ライフアゲイン」(北九州市)によると、食材を提供する生活困窮家庭の世帯数は3月に入って約3割増えたという。同法人の白浜貴子副理事長(58)は「以前はおやつなどのニーズが高かったが、今は米を求める家庭が増えている。企業に食材提供の協力を積極的に呼び掛け、支援態勢を強化していきたい」と話した。 (御厨尚陽)

977チバQ:2020/04/20(月) 15:32:25
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200420-00000006-jij-soci

バイト代激減、学生困窮 食費1日300円でしのぐ 学費払えず退学視野


4/20(月) 6:38配信

時事通信



 新型コロナウイルスの影響で、アルバイトの出勤が減らされた大学生らが困窮している。

 学生団体が実施した緊急調査では、複数の大学生が「学費が払えず、退学を検討している」と回答。収入が激減する事態に直面した学生は「1日300円程度の食費でしのいでいる」と深刻な状況を訴えた。

 埼玉県草加市の大学4年の女性(23)はアルバイト先の飲食店の営業日が少なくなり、3月下旬ごろから勤務に入れなくなった。同月の収入は3割減だったが、「4月はこのままだとゼロになる」と嘆く。

 現在は貯金を切り崩し、食費を1日200〜300円に抑えている。買うものは菓子パンや冷凍うどんばかりで、「野菜は高いので手が届かない。トイレットペーパーなどの値段も上がり、生活に響いている」と話す。

 生活苦から両親のいる山形県への帰省を検討したが、「同居する70代の祖母に感染させるかもしれない」と断念。「妹も大学生なので両親からの援助を受けずに生活してきたが、この状態が長く続いたら相談するつもりだ」と打ち明けた。

 関西圏の大学で構成する「大学スポーツコンソーシアムKANSAI」の実態調査によると、回答した大学生約1400人のうち、4月以降にアルバイト収入が減る見通しだと答えた学生は74.8%に上った。親など家族の収入が減少するとした人も55.6%を占める。

 学生団体「高等教育無償化プロジェクト」が実施中のアンケート調査では、「アルバイトや実家の収入減で退学を考えているか」との質問に数人が「考えている」と回答した。「自営業の父の収入が8割減った。大学を辞めざるを得ないか不安」などと切実な声が寄せられている。

 奨学金問題対策全国会議共同代表の大内裕和中京大教授は「緊急事態宣言で学習塾や飲食店など、学生アルバイトが多い業種に大きな影響が出ている」と指摘。「このままだと学費が払えないまま学籍を失う人が出てくる。大学側は延納や分納など柔軟に対応するべきだ」と訴えた。

978チバQ:2020/04/20(月) 20:35:04
https://news.yahoo.co.jp/articles/96ddadff96e03175ae2cac4f22cf35b377e3a577
バイト激減...嘆く学生 新型コロナ休業、収入断たれ「貯金崩す」
4/20(月) 15:07配信

福島民友新聞
アルバイトのシフトが削られ、収入が減少した男子大学生。今後に不安を抱えている=福島市内

 新型コロナウイルス感染拡大により、飲食店などが苦境に立たされる中、学生たちの間から「アルバイトができず、収入が減っている」といった声が聞かれる。次のアルバイト先を探そうにも働き先がなく、貯金を切り崩して生活する学生も。政府は一律10万円の現金給付をする方針だが、先の見通しは立たず、学生は不安な日々を過ごしている。
 「掛け持ちでアルバイトをしていたけど、両方とも出勤停止状態で...」。県内の大学2年の女子学生(19)は戸惑いの声を上げる。県内のレストランと居酒屋でアルバイトをしていたが、3月下旬ごろからシフトを削られるようになり、今月の出勤日はなし。居酒屋からは「次のアルバイト先を探してもいいよ」と言われているが、レストランからは今後に関する説明はなく、次のアルバイト先も見つかりそうにないことから「どうしたらいいのか」と悩みを抱えている。
 現在はアパートで1人暮らし。家賃は親が支払い、月に7万円程度のアルバイト収入を生活費などに充てていたが、今はゼロ。「仕送りと貯金を切り崩して何とか生活している」といい、「5〜6月くらいに終息すれば何とかなるけど、それを超え、長引けばどうしよう」と不安を口にする。友人たちも同様で「この状況では実家にも帰れない」という。
 県内の大学4年の男子学生(22)は小売業で週3〜5日のアルバイトをしていたが、現在は週1日あるかどうか。月の収入も2万円を切るまでに減少した。「(実家暮らしのため)生活できなくはないけど、かなり厳しい」と漏らす。一律10万円の給付は「もらえる分には良い」というが、「2カ月か、節約しても3カ月しか持たない」と話す。

979とはずがたり:2020/04/22(水) 22:41:31
「マスク1円セール」の日に起きた大阪・西成スーパー傷害事件《犯人の意外すぎる動機》
https://news.livedoor.com/article/detail/18153618/?__from=ln_am
2020年4月21日 16時0分 文春オンライン

「アベノマスク」の配布が開始された4月17日、大阪市西成区にある「スーパー玉出(たまで)天下茶屋店」の店先で客の男が男性店員を刃物で切りつける傷害事件が起きた。この日、同店では「マスクの特売セール」が行われており、「マスク不足がもたらした事件か」とネットは騒然。男は逃走している。「文春オンライン」特集班が現地を取材した。

現場となった「スーパー玉出 天下茶屋店」 c文藝春秋

1000円以上お買い上げで「マスク2枚が1円」
 スーパー玉出の広報担当者が話す。

「1円セールは日頃から、来てくださるお客様への感謝もこめて続けている企画で、たまたま1カ月ぶりにマスクが大量に入荷できたので開催しました。1000円以上お買い上げのお客様に限り2枚のマスクを1円でお売りする企画ですが、枚数も時期も安倍さんのマスクとかぶっていますが、こちらは1週間前から決まっており偶然なんです」

 低価格の簡易宿泊施設や激安の飲食店が並び、飾らない街として知られる大阪市西成区。現場となった「スーパー玉出」は阪堺電気軌道阪堺線、今池駅に隣接しており、周辺住民や付近の飲食店の支えとなっている。24時間営業し、激安で品数が多いことから「西成のオアシス」と地元住民はいう。

 事件が起きたのは午前9時、現場に居合わせた品出しの外国人スタッフが話す。

「オキャクサン、イツモヨリ、イッパイダッタ。ハンニン、オコッテイテ、Aサン(被害者の名前)ササレテ、チガ、ドバーットデタ。オマワリサン、イッパイキタヨ」

 被害にあったAさんは73歳、勤務歴15年のベテランスタッフだった。

「誰よりも正義感が強くて、これまでも癖のあるお客様とのトラブルでも『まあまあ』といって仲裁に入ってくれ、目下のアルバイト従業員からも慕われていた。家族もいて、日頃から高校生のお孫さんを可愛がっていた」(店舗幹部)

 防犯カメラの映像から犯人は70代前後の男と思われる。男は午前6時半に来店しサラダ油を購入。3時間後、再び店に現れた。

「オラ! 交換しろや。代わりのもん持ってこい」
「レジの若い女性スタッフに『サラダ油の蓋が開いていた』『交換してくれ』って言ってきたんです。完全な“いちゃもん”で、女性スタッフも困惑していた。そこにAさんが止めにいくと、『オラ! 交換しろや。代わりのもん持ってこい』『店長呼べ!』と口調が激しくなって、Aさんが『そんなん代えられへん』って言ったらまたガーッと(文句を)言いだしたのです」(同前)

 押し問答は10分以上続き、Aさんは結局、この迷惑客の要求を飲んだという。

「どうしようもないから、交換してあげようと、新しいサラダ油を持っていったのですが、なぜか犯人は逆切れ。Aさんの顔に唾をかけだした。店内だと他のお客さんもいるから、Aさんは『表に出てくれ』と言って店の入口へ移動して対応したのですが、その後もしばらくわめいていた。げんなりしたAさんがバックヤードに戻ってきた際、足が血まみれになっていた。本人は最初蹴られたと思っていたようで、血を見てフラフラになってしまった。血溜まりが出来て、従業員が救急車を呼びました」(同前)

 犯人は今も逃走し、大阪府警は行方を追っている。Aさんは幸い命に別状はなく、近所の病院に入院したという。

「時期が時期だけに、ネットではマスク特売との関連で起きた事件と書かれていましたが、マスク特売による大きなトラブルではありませんでした」(前出・広報担当)

 マスクの特売は、このご時世では信じられないことに完売とはならず、数十枚余っていたという。

980とはずがたり:2020/04/22(水) 22:41:50
>>979
マスクの在庫があっても買うお金がない
「多くの客は食料品や特売品が目当てだったと思います。うちのお店は、売れ筋がお惣菜やカップ酒で、客単価は700〜800円。今を生きることで精一杯のお客様も多いので、1000円分の買い物をして、マスクを求めるお客さんはそこまでいなかったわけです」(別のスタッフ)

 日々の生活に困窮する人達にとっては、マスクの在庫があっても、手に入れるカネがないのだ。40年以上、西成区のあいりん地区に住むBさん(60代男性)に話を聞いた。

「毎週火曜と土曜の昼11時にあった三角公園の炊き出しが中止になっちゃったんだよ。1カ月前くらいかな。みんな並ぶから。食べれない人もいて、西成は大変なことになっている。今の収入源は『特掃』(高齢者特別清掃事業)だが、3日に1回、5700円入る。金が入ったらそこの玉出で買い物するんだ。キムチとかバナナとか、後はフライとか。自分の好きなもん買って、それでも500円くらい。白飯買って、3日くらいは持つ。普段はギャンブルに使うんだけど、いまギャンブルの店が自粛でやってない。競馬もパチンコも。だから今は貯まった金を大事に使っている」

 Bさんは、ショルダーバッグから「特掃」の仕事で稼いだ封筒の束を見せてくれた。

「特掃も厳しいよ。仕事の前に体温はかって37.5度超えたら仕事ができなくなるんだよ。まだ周りでは1人も(陽性は)出てない。もし1人でも出たら終わっちゃう。ワシがコロナになったら、『お前のせいでえらいことに(働けなく)なった』って、みんなにボコボコにされちゃう」(同前)

 スーパーから徒歩5分の場所に「あいりん地区」はある。多くの住人が集まり公園で談笑している中、マスクをしているのは半数ほどだ。マスクの購入先を尋ねると、「たくさん持っている仲間からもらった」という。

「仲間内でうまく調達してくれるヤツがいるんだ。それを洗って何度も使っている。もしマスクがなくても体には自信がある! 外で寝てるし体は強いんだ。コロナなんて罹らないと信じたい。国からマスクが届くって言ってるけど、ワシらはもらえるのかな。どうせならやはり現金がほしい。でもありゃあ(給付金は)ワシは無理だ、住所がないから」(同前)

 現在、ウイルスの影響で失業者、一時休職者が世界中に溢れている。「ステイ・ホーム」のスローガンが叫ばれても、家がない人もたくさんいる。韓国では3月にはいり160万人が一時休職に入り、失業の危機にあるという。米国はさらに深刻で、米労働省によるとトランプ大統領が非常事態宣言を発令してから4週間で、新規失業保険申請数は2200万件に及ぶ。日本でも今後多くの一時休職者、失業者の発生が予想される。各国の惨状は対岸の火事ではないのだ。



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(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

981チバQ:2020/04/23(木) 10:16:26
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200423-00000003-ibaraki-l08

《新型コロナ》雇用縮小、宿泊先が休業 行き場失う生活困窮者


4/23(木) 5:00配信

茨城新聞クロスアイ







《新型コロナ》雇用縮小、宿泊先が休業 行き場失う生活困窮者


NPOのシェアハウスに入居した女性。寝泊まりや食事を確保し、職探しを考えている=つくば市内


新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、生活困窮者の日常が脅かされている。休業や営業自粛で雇用環境が縮小しているほか、ネットカフェなど低料金で宿泊に使える居場所も休業が相次いでいるためだ。こうした困窮者を支援するNPOや市民団体は、行き場を失った人に住まいや食事を提供する取り組みを進めている。

■所持金底突く

「住む所と食事を得られて一安心。ほっとしているし、ありがたい」

今月16日夜、つくば市内にある閑静な住宅街の2階建て住宅で、40代の無職女性は息をついた。

女性は2月いっぱいまで、県内で宅配便の荷物を仕分ける派遣労働者として働いた。深夜勤務は心身にこたえ、疲労も蓄積した。さらに新型コロナの影響が広がった3月になると派遣の仕事を切られた。

家庭の事情で県内の実家にいられなくなった。短期の仕事を繰り返しながら、県内や首都圏を転々とした。週単位の短期賃貸マンションにも滞在したが、管理会社から「次の予約が入っているため出てほしい」と言われ、泊まる場所がなくなった。

女性は、県南地域のネットカフェを探して寝泊まりした。ネットカフェの利用料金は24時間3千円。感染におびえながら、10日ほど過ごしたところで所持金が底を突いた。ネットカフェも営業自粛の対象になり、泊まれない。役所に相談し、シェアハウスを紹介された。

■衣食住を確保

シェアハウスの家賃は月3万円。敷金・礼金はなく、光熱費込み。保証人がいなくても入れる。

食事は、寄付された食品を提供する「フードバンク」を利用することができる。当面の衣食住には困らなくなった。

女性は今後、自立を目指すつもりだ。以前働いていた派遣の仕事に就こうと思ったが、「応募が殺到して漏れてしまった」。

現実は厳しい。「何とか生活していきたい」と前を向く。

■支援で再生を

住宅を提供したのは、県指定居住支援法人で、生活困窮者らを支える一般社団法人「LANS(ランズ)」(つくば市)。シェアハウスは4人が入居できる。現在、女性2人が生活している。2年間入居できる契約だ。

浅井和幸代表理事は「ここで支援を受けながら、生活を立て直してほしい」と希望する。

女性は昨年、長年勤めた仕事先で肋骨を折り、仕事を休んだ。労災も出ず、その後は短期の仕事が続いた。

「一度つまずくと仕事も生活も厳しくなり、困窮につながる」と浅井さん。生きていくには最低限の預貯金が必要となる。常勤で働けるよう後押しし、「その人にとってどんな生活がいいか、希望に添う形で支援できれば」と考えている。

国は、コロナ関連で収入が減った低所得者向けに、家賃などを補助する制度も用意する。しかし、補助の割合が国と自治体の折半のため、制度のない自治体では困窮者が補助を受けられない事情もあるという。

浅井さんは「本当に苦しい人にとって家賃補助は大事。国や自治体には迅速で柔軟な対応をしてほしい」と強調した。(綿引正雄)
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茨城新聞社

982チバQ:2020/04/27(月) 16:54:23
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200427-00010000-nishinpc-soci

所持金30円…「3日間何も食べていない」ネットカフェ難民の困窮


4/27(月) 9:32配信

西日本新聞







所持金30円…「3日間何も食べていない」ネットカフェ難民の困窮


支援団体からもらった炊き出しの弁当を大切そうに抱える「ネットカフェ難民」の男性=21日、福岡市


 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言でネットカフェが休業対象となり、そこで寝泊まりしていた、いわゆる「ネットカフェ難民」が行き場を失っている。行政側は宿泊施設を無償提供するなどの支援に乗り出すが、そもそも実態をつかみ切れていない現状も浮かび、関係者は危機感を募らせている。

【動画】「涙が出た」コロナ終息願う動画、ネットで話題に

 21日正午、福岡市博多区の美野島公園。NPO法人「美野島めぐみの家」が週1回開く炊き出しに、約40人の路上生活者(ホームレス)が列を作った。ネットカフェ難民だという50代男性も並んでいた。この日のメニューはハムカツやフライドポテトが入った手作り弁当に、菓子パンとバナナ。男性は「3日間何も食べていない」と、ありがたそうに受け取った。
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「これからどうして生きていけば良いのか」

 ネットカフェが軒並み休業した今月中旬以降、男性は市内で路上生活を余儀なくされている。日中はハローワークで仕事を探し、その後は市内の公園を回って時間をつぶす。入浴は週に1度、ネットカフェで知り合った知人宅で済ませている。寝床は雨風が防げる高架橋の下や地下鉄入り口の階段。「体中が痛いし、寒くてよく眠れない」。疲れた様子だった。

 福岡県内出身で、高校卒業後はブライダル会社で正社員として働いていた。30歳で離婚して妻、娘2人と別れ、市内のレジャー用品販売会社に転職。1年しか続かず、その後は原発や建設現場の作業員として全国を転々とした。2012年ごろから市内で派遣の仕事に就き、その頃からネットカフェで寝泊まりする生活を続けてきた。

 月に17万円ほどは稼いでいたが、新型コロナの影響で2月以降は仕事が激減した。この日、所持金はわずか30円。「これからどうして生きていけば良いのか」と深いため息をついた。
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「生活保護を申請すれば…」

 ネットカフェ難民は東京都だけで約4千人といわれる。担当者は「あくまで推計値で実数は不明」。福岡市も休業要請前に市内の店舗に宿泊客の状況を聞いたが「店側からは『数人程度』との回答だった。実態はよく分からない」という。

 東京都や大阪府、神奈川県はビジネスホテルや民泊のマンションを借り上げて無償・有償で提供したり、公共施設を無料開放したりするなどの支援策に乗り出す。福岡県も公共施設を1泊1700円で提供。福岡市は自立支援施設への入居を案内している。

 ただ男性は、こうした施設への入居に二の足を踏む。行政側から生活保護を勧められると思うからだ。「生活保護を申請すれば娘に連絡が行き、ホームレスなのが知られてしまう」。もし新型コロナに感染すれば重篤化が懸念される糖尿病も抱える。感染を恐れて人けのない場所でひっそりと過ごしながら、政府の現金給付に望みをつなぐ。

 「10万円でアパートを借りて生活を立て直したい。だんだん気力もなくなってきた。一刻も早く欲しい」

 美野島めぐみの家の瀬戸紀子理事長は「08年のリーマン・ショック時は3カ月後に一気に路上生活者が増えた。今は少数でも、新型コロナの流行が長引けばかなりの人が路頭に迷うだろう」と危惧している。 (御厨尚陽)

983チバQ:2020/04/28(火) 12:01:06
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200428-00000514-san-life

「ビッグイシュー」販売減 「路上で寝る日増えた」


4/28(火) 11:08配信

産経新聞



人通りの減った駅前で販売を続ける山田裕三さん=4月24日午後、大阪府高槻市のJR高槻駅前(薩摩嘉克撮影)


 ホームレスの人が雑誌の販売を任され、売り上げの一部を収入とすることで自立を目指す「ビッグイシュー」の販売員が、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で苦境に立たされている。NTTドコモの統計情報によると、大阪・梅田周辺では27日午後3時時点の人口が感染拡大前(1月18日〜2月14日の平日平均)に比べて73・1%減少するなど、主要駅の人通りは大きく減った。人がいなくなったことで路上での販売を基本とするビッグイシューの売り上げは大幅に減少している。

【写真】現在販売中のビッグイシュー最新号

 「おかげさまで最近、あたたかい。冬でなくてよかった」

 大阪府高槻市のJR高槻駅前で販売を続ける山田裕三さん(61)は、そういってほほ笑んだ。3月から販売数が減り始め、今月はほぼ半減。これまでは低価格で利用できるネットカフェで体を休めてきたが、店は休業要請を受け閉店してしまった。

 現在の収入では、府がネットカフェの代替とする宿泊施設を利用するのは難しい。「路上で寝る日が増えた」という。

 大阪市出身。高校を卒業後、和食の料理人として働き続けてきた。5年ほど前、90代の母親を介護するために離職し、最終的には生活保護を受けながら介護を続けた。母親が97歳で亡くなると、住んでいた家を出ることに。仕事も見つからず、ネットカフェを転々とした。

 やがてネットカフェに泊まる金もなくなったが、「そのへんに寝転んで寝るということができなかった」。夜は公園で休憩したり歩いたりし、昼間は図書館で寝た。その図書館で見つけたのが、ビッグイシュー販売員の仕事を紹介する冊子。すぐに販売員になった。

 販売歴は5年ほど。高槻駅前での販売は昨年8月からだが、毎号買ってくれる常連客もいる。買ってくれた人にプレゼントする自作の小冊子「路だより」には板前の経歴を生かし、毎号料理レシピを掲載している。「ビッグイシューの販売が好きだから続けている。冷たい目でみられることもあるけれど、応援してくれる人がいるという喜びが大きい」

984チバQ:2020/04/28(火) 12:01:20
 だが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、高槻駅前の人通りは激減した。いつもいっぱいだった駅前の自転車駐輪場は閑散とし、毎号買ってくれる常連客も通らなくなった。

 それでも、「今は無理して買いに来なくてもいい。自分を一番大事にしてほしいから」と語る。母親ら親族を亡くした経験で、命の大切さが身に染みた。自身も糖尿病や高血圧の持病があり、感染は恐怖だ。閉じ籠もっていたいが、それでは食べていくことができない。「販売をやめるわけにはいかないんです」

 ビッグイシュー日本によると、これまで、販売員はそれぞれ1号あたり平均約175冊を販売。月2回の発行で平均8万500円の収入を得るはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言を受けて人通りが激減したことで販売数は減り、収入も減少。販売員が危機に直面している。

 ビッグイシュー日本は10日から6月末まで、販売員を経済的に支えるための「特別通信販売」を実施。3300円を支払うと3カ月間、雑誌6冊を郵送し、代金のうち1380円が販売員に支給される。2千人が利用すれば、販売員60人に4万6千円程度の現金給付ができる。すでに6千人以上の申し込みがあったが、事務局は「外出自粛が長期にわたる可能性が高く、引き続き募集を続ける」という。

 一方、新型コロナウイルスの影響で、新たに仕事や住まいを失う人が出てくることが懸念されている。NPO法人「釜ヶ崎支援機構」などは今月、「新型コロナ・住まいとくらし緊急サポートプロジェクトOSAKA」を発足。23、24日に大阪市西成区で開かれた相談会には20〜80代の36人が訪れ、「アルバイト先の居酒屋が休業し、このままでは家賃が払えなくなる」などと苦境を訴えた。

 同プロジェクトはウェブ上でも相談窓口を開設。仕事の紹介や生活保護の案内などを行うとともに、寝る場所のない相談者が10日間、簡易宿泊所などに無料で宿泊するための資金を募るクラウドファンディングを実施している。

 相談窓口はhttps://peraichi.com/landing_pages/view/coronasoudan

 クラウドファンディングはhttps://camp-fire.jp/projects/261315

 ビッグイシュー 英ロンドン発祥の雑誌で、平成15年に大阪で日本語版の発行が始まった。販売員として登録したホームレスに、最初に10冊を無料で提供する。販売員が路上などで1冊450円で売ると、このうち230円が収入になる仕組みで、自立を支援する。現在は月2回発行。約100人が全国12都道府県で販売している。

985とはずがたり:2020/04/28(火) 15:28:35
一昨日だったか宣伝やってたモスのテリヤキバーガーが無性に食いたくなって(450円。残念ながら大したことなかった)生駒駅迄行ったが,頑張ってたので一冊(450円)購入した。
モスも大して美味くなかったしバーガー諦めてバックナンバー(\350)も買ってあげれば良かった。
対面手渡し現金のみは今日日厳しいだろうなとは思う。一ヶ月ぐらい前には本部?に寄付もしといた。
貧乏性のケチであんま大金寄付出来ない自分が恥ずかしい所だけど金持ち優遇な政府が無能であかん。

986チバQ:2020/04/30(木) 14:10:51
https://news.yahoo.co.jp/articles/de26026c23e49a3cf82ee53682ad0a77bd1a690e
「収入ほぼゼロ」苦境のフリーランス 安全網に不備、尽きぬ不安
4/30(木) 11:27配信

西日本新聞
ダンス教室を自粛し、1人で練習する講師の女性。「生徒さんが離れていかないか心配」と語った

 企業に雇われず個人で働くフリーランスが、新型コロナウイルスの感染拡大に悲鳴を上げている。イベント自粛や休校、休業要請で収入が激減し、国や自治体の緊急支援も終息に時間がかかると底をつくという。安倍政権は多様な働き方を進めてきたが、フリーランスは会社員に適用される労働関連の法や社会保障の保護を受けられず、代わりの安全網が整わない中で打撃を受けた形だ。

【写真】「侍マスク」口コミで広がり…静かな反響

 普段は熱気あふれる空間が静まり返っていた。15日、福岡市のレンタルスタジオ。ここで教室を開くダンス講師の女性(40)は「レッスンはほぼ自粛です。できないですよね…」。

 女性はスタジオ2カ所を借り、文化講座を開く企業とも業務委託契約を結んで約30人を指導する。だが、月20万円ほどあった収入はほぼ絶たれ、自営業の夫も収入が激減。スタジオの賃料は支払わなければならず、当面は蓄えに頼るという。

 同市のライターの女性(48)は、複数の契約先から業績悪化で仕事を断られた。子育て中のひとり親世帯。学童保育からも利用を控えるよう言われ、「この働き方で20年以上やってきたけど、廃業も考えました」

 フリーの人を支援する「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」(東京)が3月、会員に影響を聞くと300件以上の声が集まった。特に接客やイベント関連の人が収入減を訴えた。

987チバQ:2020/04/30(木) 14:11:42

もろいセーフティーネット
 フリーランスは個人事業主に当たり、企業に雇われている人よりセーフティーネットがもろいとされる。

 会社員とは加入する保険が異なり、病気で働けない時の傷病手当金は原則支給されない。使用者の都合で仕事を休んだ際の休業手当や、労災保険の休業補償も基本的に対象外。失業給付もない。

 最低賃金や労働時間規制といった労働関連法の保護もない。契約が突然解除されるリスクも。民間保険に入って備えるしかない。

 こうした安全網の不備をどうするか。フリーランスの中には、契約先から指揮命令を受けて収入面も依存するなど、働く形が雇用労働者と変わらない人もいる。国は副業や兼業といった柔軟な働き方を推進してきたが、対策が進まない中、コロナ問題は起きた。

 同協会は今回、自粛要請による苦境は不可抗力に近いとして給付型支援を求めてきた。そこで、収入が前年同月比で50%以上減った個人事業主に最大100万円を支給する政府対策が打ち出された形だ。

 それでも不安は尽きない。同市のライターの男性(31)は、取引先6社のうち2社との契約が打ち切られ、残りも受注が減った。年収は300万円前後。「去年の収入を考えると、100万円はもらえない」

 100万円の対象にならない人への福岡県の給付金や、1人10万円の政府支援もあるが、「企業も広告宣伝費を削ると思う。感染が長引いたらどうするか」

不当な扱いも明るみに
 浮かび上がった立場の弱さは、他にもある。

 (1)明確な契約ルールがないため、書面でなく口約束による発注が横行(2)一方的な契約変更(3)パワハラやセクハラ-。(1)では、仕事の発注やキャンセルが電話だけで済まされることがある。契約実績や見込み収入を証明するのが難しく、国の給付型支援の制度設計に時間がかかる要因になった。

 不当な扱いも明るみに。兵庫県の女性(39)は契約先の会社に出社して仕事をしていたが、正社員に許されたテレワークが1カ月以上も認められなかった。「私たちは休業手当も年休もない。感染して働けなくなったらどうするのか」

 同協会の平田麻莉代表理事は「今まで訴えてきたフリーランスの課題が、コロナで一気に顕在化した。フリーランスが今後増えると考えると、セーフティーネットの整備は必要」と語る。 (編集委員・河野賢治)

働き方に中立な制度へ
 大内伸哉・神戸大教授(労働法)の話 現行の労働法や社会保障法は、雇用労働者の方がフリーランスより恵まれている部分があり、中立的なものに改めるべきだ。その際、フリーランスには(1)経済的に特定企業に依存する人(2)そうでない人-がいることに留意する必要がある。(1)は、その置かれた状況に応じて雇用労働者に準じた扱いをする。(2)は、独立した職業人として自立するための教育が必要。技術革新で今後は雇用によらない働き方が増えると予想され、安全網の制度設計を急ぐ必要がある。

     ×     × 

【ワードBOX】フリーランス

 会社に雇われず、発注者から個人で仕事を請け負う人。会社員のように指揮命令を受けず、労働時間や場所にとらわれない自由な働き方とされる。開業届を出して独立する人や、会社勤めをしながら副業で業務を請け負う人がおり、職種もエンジニアやWEBデザイナーなどさまざま。内閣府の調査では、全就業者の約5%に当たる306万〜341万人いるとみられている。

西日本新聞

988チバQ:2020/05/01(金) 09:46:42
https://news.yahoo.co.jp/articles/93347fd3cacba58e8d3ba9e2bc777fb62832f303
倉庫勤務「今も休めない」非正規50歳の長い憂鬱
4/30(木) 15:31配信

東洋経済オンライン
工場での事故のせいで、手のひらの一部にはやけどのあとが残る。神経が切れて感覚のない指先もある。「自分なりに頑張って働いてきた」と言うタカノリさん(写真:タカノリさん提供)

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「発達障害とうつで生きづらく、希望がない」と編集部にメールをくれた、50歳の男性だ。

■大手流通会社の倉庫で契約社員として勤務

 「新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、テレワークにご協力ください」

 朝7時半すぎ、大阪市内を走る地下鉄車内に男性のアナウンスが流れる。タカノリさん(仮名、50歳)はそのたびに心の中でこう突っ込む。「お前に言われんでも、できるくらいならしとるわ」。

 大手流通会社の倉庫で働く契約社員。うつ病と発達障害の診断を受けており、障害者雇用枠での採用だ。車内の様子について「空気が重い。好きで出勤している人はいませんから。座っている人はみんな『俺の隣りには座るな』というオーラを出してます」と話す。

 週末の出勤日などは、大阪駅の改札に人っ子一人いない瞬間もある。「不思議な光景です。以前観た映画を思い出します。人類が滅んだ大都市で、男が1人生き残るやつ……、なんでしたっけ?」と言うので、私が「もしかしてウィル・スミスの『アイ・アム・レジェンド』ですか」と聞くと、「そうです、そうです」とうなずいた。

 倉庫内ではピッキング(商品を集める)作業などに就いている。庫内で働く人たちのほとんどは、タカノリさんと同じ非正規労働者。会社は朝礼を中止したり、ロッカーの使用を禁止したりするなど一定の3密解消のための対策は取ってくれているという。

 一方で退勤時は1つの出口に人が集中。ソーシャルディスタンスを取って並ぶよう指示されるので20〜30メートルの行列ができるという。その行列を監視する正社員の管理者が時々「そこ!  ちゃんと距離を取ってください」と注意する。「2回注意されると、出勤停止になると言われています」とタカノリさん。

 以前は倉庫内の机に準備されたマスクを自由に取ることができたが、マスク不足が深刻になるにつれ正社員による手渡しとなり、最近は自前で用意できないと申告しないと、もらえなくなった。「もらいづらい雰囲気。僕は自分で買っています。でも、もう残り20枚くらいかな……」。今は一度使ったマスクを干して、3日間ほど使い回している。

 「毎日、得体のしれない恐怖を感じながら、片道90分かけて電車通勤しています。会社はできる限りの対策を取ってくれてはいますが、感染リスクはゼロじゃない」

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、「Stay Home」と言われても、それがかなわない人たちがいる。食品加工やゴミ収集、スーパーのレジ、倉庫内作業、ビル警備といった仕事は在宅ではできない。そして、これらの現場を支える労働者の大半は非正規雇用である。先日、コールセンターのオペレーターの職場が3密状態にあるという話を取材したが、オペレーターの9割は派遣、契約、アルバイトといった非正規労働者だ。

 公務員や医療従事者の一部が過重労働を余儀なくされているのは知っているけれど、彼らの安定した雇用や賃金水準に、非正規労働者のそれは遠く及ばない。同じく必要不可欠な仕事をしているのに、生活保護水準と変わらない月収の人もいるし、1カ月、3カ月といった「超細切れ雇用」を繰り返す人も少なくない。

■雇用による「リスク格差」という、最も醜悪な差別

 非正規労働の収入で家計を支える人もおり、休むに休めないという人もいる。雇い止めの不安があるから「職場の3密状態を改善してほしい」「危険手当てが欲しい」という声も上げづらい。市民の外出自粛や会社員の在宅勤務は、感染リスクに怯えながら黙々と働く低賃金、不安定雇用の労働者なしには成立しない。

 「多様な働き方」という美名の下、非正規労働者を増やし続けた結果がこのありさまだ。コロナ禍が雇用による「リスク格差」という、最も醜悪な差別を浮かび上がらせている。

 話をタカノリさんに戻す。

 生まれも育ちも大阪。両親はアパレル関係の小さな会社を営んでいた。小学生のころは授業中に教室内を歩き回ったり、友達と一緒に空き家に忍び込むなどのいたずらをしては、両親からこっぴどく叱られた。中学生になり、父親からガラスの灰皿で頭を殴られて大量に出血したときのことは、今もトラウマになっているという。

989チバQ:2020/05/01(金) 09:47:05
 「落ち着きがないと、しょっちゅう怒られていました。今だったら、発達障害かもと気づいてもらえたと思うのですが、当時はそんな言葉もなかったですから。ただ不良だとか、友達を傷つけたとか、そういうことはないんです。あそこまで怒られることだったのかなと思います。勉強も運動もできなかったから、できのよい姉とよく比べられました。親だけのせいにするわけではありませんが、今の僕に自己肯定感がまったくないのは、生育環境も関係していると思います」

 その後、大学に進んだものの、ある日唐突に「みんなに笑われているような気がして、人前に出るのか怖くなった」。授業はもちろん外出もままならず、1年あまりで退学。一時はひきこもり状態になりかけたものの、いくつかの会社でアルバイトや正社員などとして働きつつ、20代半ばで、折り合いの悪い両親のもとを離れて独り暮らしを始めた。

 「体育会系の上司とうまくいかなかったり、飲み会に自分だけ誘われなかったり、部下の派遣社員からバカにされたり」など対人関係につまずいて長続きしない職場もあったが、中には正社員として15年近く働いた会社もあった。

■怪我をしても「労災」にはならなかった

 15年近く正社員として働いたのは製造業の工場勤務。三交替で、夜勤もあったことから年収は500万円ほどあった。ただ、労働環境は劣悪。効率優先で機械の安全装置のセンサーが切られていたことが原因で、タカノリさんは左手のひらに大きなやけどを負った。また、自身の不注意で機械に指を挟まれ、中指の先端がちぎれかけたこともあった。

 ほかにも怪我をした同僚はいたが、いずれも労災にはならなかった。というか、本人たちが訴えなかったのだ。「工場内の壁には『無災害〇日』の看板が掲げられていました。この“記録”を途切れさせるのは申し訳ないと思って……」とタカノリさんは言う。

 夜勤続きによる疲れなどが原因で40代前半でうつ病を発症、会社を辞めた。その数年後、ADHDと診断された。「ネットで読んだ発達障害の特徴が、自分に当てはまると思って病院に行きました。周りとコミュニケーションが取れないとか、落ち着きがないとか――。実は自分の家に帰るのに、道に迷うこともよくあったんです。今思うと、工場で怪我をしたのもADHDのせいだったのかなと思います」。

 取材で話を聞く限り、タカノリさんは質問には的確に答えてくれたし、小説を読むことが好きというだけあって表現も豊かだった。ただ、ほかの人に比べて答えが返ってくるまでに時間がかかることはあったかもしれない。スピードや効率が求められる社会では、タカノリさんのような特性はコミュニケーション能力に難ありとみなされてしまうのだろう。

 タカノリさんによると、工場勤務を辞めてからの数年間が最も大変な時期だった。うつ症状がひどく仕事ができず、貯金は減る一方。家賃約7万円の家から、同2万円台のトイレ共同、風呂なしのアパートに引っ越した。インスタントラーメンが主食となり、体重は10キロ以上減った。クレジットカードによるキャッシングは60万円に上った。

 生活保護制度のことは知っていたが、両親に問い合わせをされるのが嫌で申請しなかったという。ネットで障害年金のことを知り、2年前から受給できるようになった。「障害年金がなかったら、死んでいたと思います」。

 両親への問い合わせとは、生活保護申請者の家族や親族に対し、養う意思や能力があるかを確認する扶養照会のことだ。現在、行政の現場では原則行われている。ただ法的な強制力はないし、生活保護利用の要件でもない。

 一連の生活保護バッシングの中で「扶養義務の強化」も叫ばれ、ケースワーカーたちもそれに沿った運用をしているわけだが、義務化などしたら、ただでさえ異様に低い捕捉率(生活保護を利用する資格のある人のうち実際に利用している人)を押し下げるだけなのではないか。実際、タカノリさんは扶養照会がネックになって申請を思いとどまった。

990チバQ:2020/05/01(金) 09:47:23
 タカノリさんは労災を訴えず、障害年金のことも命の危険を覚えるほどに追い詰められるまで知らなかった。貧困の現場を取材していると、自らの権利行使に消極的で、利用できる福祉制度についても知らなかったという人が少なくない。悪いのは、労働安全衛生上の義務を果たさない会社であり、障害年金などの福祉制度について十分な周知をしない医療機関や行政なのだが、当事者ももう少し自分の身は自分で守るべきなのではないか。

 私がそう言うと、タカノリさんは「言われてみると、そうかもしれませんね」という。まあ、後から“正論”を言われても、そうですねと答えるしかないかと、心の中で思う。

■恋愛は実らなかったけれど…

 タカノリさんには昨夏ごろから、半年ほど付き合った女性がいた。同世代で離婚経験のあるシングルマザー。ただ、女性が過去に付き合った男性のことがどうしても気になってしまい、結局、後味の悪い別れ方をしてしまったという。

 恋愛は実らなかったけれど、半年前に初めて障害者雇用枠で就労、現在の倉庫で働き始めた。手取りは月11万ほど。障害年金と合わせると月20万円を超えるが、うつ症状が改善傾向にあるので、近く支給停止か減額になるだろうという。

 私が、今自分が貧困状態にあることは自己責任だと思いますか、と尋ねると、タカノリさんはそれまでと同じようにしばらく考えた後、ゆっくりと話し始めた。

 「僕の人生を振り返って自己責任と批判されるようなことはほとんどないと思います。むしろ何のとりえもない、能力もない、こんなボロボロのスペックでよくここまで頑張ってきたと思います。

 もう50歳です。結婚もできなかったし、お金もためることができなかったし。終わってると思っているので、不満もない。死ねるわけではないので、生きている。ただそれだけです」

 今日もタカノリさんはJRと地下鉄を乗り継いで出勤する。最近は外出自粛や在宅勤務をする人による通販の利用が増えた。普段のノルマ以上に速く、多くの商品の処理をしなければ。半年後の契約更新のために。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。

藤田 和恵 :ジャーナリスト

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991チバQ:2020/05/01(金) 19:19:47
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48511?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related

「下層風俗嬢」3500円でカラダを売る女たち
性のデフレ化が止まらない
中村 淳彦ルポライター
プロフィール
かつて性風俗は借金や精神疾患など、何か「特別」な事情を抱えた一部の女性が稼ぐ最終手段の場であった。しかし現在は経済的に困窮した「普通」の女性が、生活費を確保するためにカラダを売っている。性風俗業界の動向から日本の格差と貧困を読み解く『図解 日本の性風俗』を著した中村淳彦氏の特別リポート。

カラダを売っても稼げない
「もう、風俗歴20年になるかな。10年くらい前までは稼げたけど、今は1日1本つけばいい方。持って帰れるお金は1万円にはならないわ」

鶯谷の熟女デリヘルで働く渡部美幸さん(仮名・50)はこう話した。埼玉県某市のベットタウンで夫と2人暮らし。ごく一般的な主婦だったという渡辺さんは、結婚11年目で夫が個人経営する喫茶店が廃業、住宅ローンが払えなくなった。諸々の事情から購入した一軒家を手放すことができず、首が回らなくなり悩んだ末に風俗で働くことにしたという。

風俗嬢として働き始めた最初の5年間は、月50万円以上は稼げたという。ところが1999年の風営法改正でその風向きが変わる。デリヘルが激増し、客が徐々に減ったのだ。風俗だけでは収入が足りず近所のスーパーマーケットでパートを始めた。今も週3日はデリヘル、他3日はスーパーで働いている。



この数年間、風俗業界は深刻な不況と、風俗嬢の収入の下落にあえいでいる。いまや風俗嬢の「超高収入でラクして稼いでいる、消費と遊び好きな女性」というイメージは、80〜90年代の全盛期を経て過去のものとなった。ブランド物で着飾った派手な風俗嬢はほんの一握り、大半はバーゲンやアウトレットで買った洋服を着て、格安居酒屋で割り勘で飲むという地味な生活を送っている。

その傾向は、風俗業界に大打撃を与えたリーマンショック以降から特に顕著で、現在の風俗嬢のほとんどは中小企業のサラリーマンと同レベルか、それ以下の賃金でカラダを売っている。カラダを売っても中小企業のサラリーマン以下の賃金とは夢も希望もない話だが、これが現実だ。

風俗の下落はなぜ起こったのか
風俗嬢のセカンドキャリアを応援する非営利法人「GrowAsPeople」やセックスワーカー自助団体「SWASH(Sex Work and Sexual Health)」などのアンケート調査によれば、風俗嬢の現在の平均賃金は月33万円〜38万円程度で、2000年ごろの月70万円程度といわれていた頃と比べると半減している。世間の世帯収入の下落を大きく上回り、風俗嬢たちの収入は激減しているのだ。

風俗嬢が稼げなくなった原因は、性風俗のデフレ化によるものだ。00年代から社会全体がデフレに悩まされているが、「女性のハダカ」の価格はその実質経済を上回る勢いで下がり続けている。

デリヘルを中心に多くの風俗店が価格競争に巻き込まれ、サービスの単価を下げながら、集客も減らしている。社会と連動する形で、性風俗の世界でも格差が広がっているのだ。

性風俗のデフレ化の最大の要因は、従来であれば性風俗業とは無縁の一般の女性が続々とハダカになったこと、そしてデリヘルの激増によるものだ。

単身女性の3人に1人が相対的貧困に該当するという「女性の貧困」が深刻化したことで、一般女性の風俗志願者が増えた。さらに1999年の風営法でデリヘル(無店舗型)が実質合法化されたため、男性客が減り需要と供給のバランスが崩れたのだ。

それまでの店舗型性風俗は、違法か合法かわからないグレーゾーンの業種だったが、どんな業種でも合法化(規制緩和)されれば参入が増える。デリヘルも他に漏れず異業種参入が続き、現在警察への届出数は1万9000店舗超えた。

この数はセブン-イレブンの店舗数1万8572軒(平成28年2月現在)と同程度で明らかに供給過多といえる。限られた需要の中で店舗が増えれば、男性客が分散し稼動も下がる。その結果誰も稼げなくなってしまったのだ。

992チバQ:2020/05/01(金) 20:22:37
デフレが進んだ現在のデリヘルは、過半数以上が60分1万円以下という破格の価格帯で性的サービスを提供している。この価格帯は安すぎだ。そんな格安風俗店を支えるのは、若さでは勝負できない30歳以上の熟女たちである。

近年の人妻熟女の流行で風俗嬢の上限年齢はなくなったものの、労働者派遣法を代表とする格差に拍車をかける政策によって、現在、生活のために風俗を志願する一般の女性の増加が後を絶たない。風俗業界全体で需要と供給のバランスを完全に崩壊させたことで、単価は下落の一途を辿っている。

さらに、カラダを売っても貧困レベルの低賃金しか稼げないという女性も存在する。経済的な苦境に陥りハダカになった風俗嬢の中で、さらにその下層にいる稼げない女性たちの多くは40歳以上の熟女だ。

下層風俗嬢の多くは、未婚、バツイチ、シングルマザーなどの単身女性たちだ。彼女たちは自分の稼ぎで生活を支えなくてはならず、風俗店の増加による供給過多のため厳しい競争にさらされている。競争に負けた風俗嬢たちの収入は生活保護水準を下回り、「食べるのもやっと」といった危険な状態となっている。

ハダカの女性は社会を映す鏡
カラダを売って貧困レベルの低賃金しか稼げないという現実を信じられない読者のために、デフレの象徴である、激安デリヘルで働く女性を想定して収入を試算してみよう。

続々と競合店が増え続ける中、性的魅力が普通レベルの女性が働ける店は限られている。都市部デリヘルの値下げ競争の象徴とされている某老舗チェーンでは30分3900円、45分5900円という価格帯でサービスを提供しており、そのうち女性の取り分は2400円、3500円と異常なほどの低賃金だ。単価が安すぎるこの店には各種性風俗を断られた女性が集まってくる。

デリヘルはとにかく男性客が少なく、低価格の格安店でも女性1人あたりの客数は平均で3人、人気のある上位の女性でも多くて6人程度だ。3500円(1人あたりの単価)×3人で、日給は1万500円、週4日勤務でも16万8000円しか稼げない。東京都の最低賃金は900円なので、待機時間を含めれば、コンビニのアルバイト同等か、交通費なども入れればそれよりも低い賃金となる。

生活にお金のかかる東京で暮らすにはこの金額では最低限の生活もできないだろう。早朝に時給1000円程度の清掃のアルバイトをしてプラス月3万程度を確保し、なんとか凌いでいる女性もいるほどだ。

993チバQ:2020/05/01(金) 20:22:48
地方のピンクサロンも同様に厳しく、回転なしの30分5000円の店で時給は2000円、週4日勤務で日給1万2000円だ。雑費1000円と源泉徴収を引かれると、日給は9800円、月16日働いても15万6800円にしかならない。この収入は低賃金が社会問題となっている介護職と大して変わらない金額だ。

カラダを売ることは、性風俗が誕生した400年以上前から女性が稼ぐ最終手段であった。

日本が貧しかった戦後や昭和期に風俗や売春を覚悟した女性たちの月収は大卒初任給の数倍と大きなリターンを受けていたが、90年代後半の新自由主義政策以降は一般女性の大量参入によって「簡単に価値が認められる」という大前提が崩れてしまった。

社会のマジョリティに属する一般女性が風俗や売春をする覚悟を決めても、貧困から逃れられない層を生む社会は異常としかいいようがない。



多くの女性たちは月5〜6万円のお金が足りないがゆえに「ハダカの世界」に足を踏み入れている。これ以上「普通の女性」が風俗嬢にならないためには、最低賃金の上昇が不可欠だ。

現在と物価が変わらないことを前提として、その層の女性たちの収入が月5〜6万円アップすれば、おそらく風俗嬢志願者は激減する。時給に換算して最低賃金を約300円上げるだけで、カラダを売らなくても生活できる一般女性が大幅に増えるのだ。

東京都では時給1200円、大阪は1150円、沖縄は1000円。しかしシングルマザーら常勤が難しい層を加味すれば、500円程度まで上げるのが妥当だろう。

格差が広がり女性の貧困が進むほど、風俗志願者が増え女性が生き延びるための最終手段が崩壊してゆく。格差社会の煽りを受けた女性たちが性風俗の世界に足を踏み入れても、立ちはだかる「貧困」からは逃れられないでいる。ハダカの女性は、今の日本の姿を映す鏡なのだ。

風俗嬢30万人にみる「崩壊する日本」 貧困、格差、失業、デフレ……「あなたの友人、恋人、妻はなぜ、カラダを売るのか?」裸で稼ぐ風俗嬢30万人、2兆円市場の一大産業、そのリアルな実態を読み解く。
中村淳彦(なかむら・あつひこ)東京都生まれ。アダルト業界の実態を描いた『名前のない女たち』『職業としてのAV女優』『日本の風俗嬢』『女子大生風俗嬢』『ルポ中年童貞』など著書多数。フリーライターとして執筆を続けるかたわら介護事業に進出し、デイサービス事業所の代表を務めた経験をもとにした『崩壊する介護現場』が話題に。『熟年売春〜アラフォー女子の貧困の現実』(ミリオン出版)。最新刊は4月27日『図解 日本の性風俗』(メディアックス)

994チバQ:2020/05/03(日) 00:54:41
https://news.yahoo.co.jp/articles/ce135f51db6785b06588338a3e935253c414e47d
「山谷・寿町」日雇い者が瀕するコロナ禍の憂鬱
5/2(土) 15:55配信

東洋経済オンライン
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う“しわ寄せ”は、日雇い労働者やホームレスに向かっている。炊き出しに並ぶ人たち=横浜・寿町(撮影:本間誠也)

 「ドヤ」とは宿(ヤド)の逆さ読みで、簡易宿泊所の俗称だ。日雇い労働者向けの宿泊所が集まるドヤのマチといえば、関東では東京の山谷地区と横浜・寿町が知られている。そこで暮らす住人や周辺のホームレスの人たちは、新型コロナウイルスの感染拡大が続く今、どう過ごしているのだろうか。コロナ禍のしわ寄せは、社会的立場の弱い人たちにより深く及んではいないか。感染者の出ていない「ドヤのマチ」に足を運んだ。

【写真】山谷や寿町のいま

■コロナで変わる「ドヤのマチ」

 4月下旬ともなれば、山谷の朝は早い。

 ドヤの住人たちは三畳一間の居室から起き出し、山谷の中心部ともいえる「城北労働・福祉センター」周辺や自分のドヤの玄関先などで顔見知りと立ち話を始める。午前5時半、同センター正面の路上にいる人は30人前後。誰とも会話せず、1人で立っている人も少なくない。

 ホームレスの人たちも同じころ、玉姫公園などに設けたブルーシート小屋や段ボールハウスを出た。近くのブロックやアスファルトに腰を下ろしたり、タバコをふかしたり。回収してきたアルミ缶をビニール袋に詰めている人もいる。公園横の路上では、5、6人の業者がシートを敷き、古着や古雑誌、中古の腕時計などを並べて露天市を開いている。

 一方、玉姫公園から約200メートル離れた「ハローワーク上野 玉姫労働出張所」前には人影すらなかった。シャッターが開く6時40分が迫っても、この日は筆者しかいない。3月までなら、ホームレスの人や生活保護の受給者たちが順番待ちの列を作り、工事現場に労働者を運ぶマイクロバスも連なって停車していた。

 状況は、新型コロナの感染拡大によって一変した。

 山谷の日雇い労働者を対象にした東京都の「特別就労対策事業」が4月8日から、コロナの影響で止まってしまったのである。通称「輪番」と呼ばれるこの事業は、都の公共事業だ。公園や霊園の草むしり、ゴミ拾い、道路清掃などを輪番制で紹介し、日払いで7500円前後になる。民間の求人がほとんどないなか、月に2、3度、回ってくる「輪番」の仕事を唯一の収入源とする路上生活者は少なくない。

 「城北労働・福祉センター」付近を根城にする70代のホームレスの男性もその1人。グレーのダウンコート、数日前の新聞紙や衣服などを詰め込んだビニール製の大きなバッグ。前夜はブルーシートにくるまって寒さをしのいだという。

 「コロナで『輪番』を止めるなら、その分で2000円くらい俺らに払ってくれたっていいじゃねぇか。何も7000円くれと言ってるわけじゃねぇ。ひでぇもんだ」

 路上生活者を支援する山谷労働者福祉会館活動委員会の向井宏一郎さんは「ただでさえ減り続ける『輪番』の中止は、ホームレスにとって文字通り死活問題です」と憤る。

 横浜・寿町はどうか。

 日雇い労働者向け求人は、山谷に輪をかけて厳しい。寿日雇労働者組合の近藤昇さんによると、寿町にある日雇い専門のハローワークに求人が出たのは昨年末の2、3件が最後。「今年に入ってからは一件もないはずです」と言う。

 ボランティアとして、寿町でドヤの住人やホームレスへの医療支援などを行う看護師の森英夫さんは、こう話した。

 「例年なら、春先は花見会場の清掃など現金収入につながる仕事があったのですが、コロナで今年はダメだったはず。ホームレスの人たちに残された仕事はアルミ缶の回収くらい。高齢者にはきつい作業です」

995チバQ:2020/05/03(日) 00:55:29
■「ドヤ」の住人、山谷で3800人

 東京都の資料などによると、南千住駅に近い山谷地区(台東・荒川区)の簡易宿泊所で暮らす人は2018年末現在、約3800人を数える。そのうち、日雇い労働者は約150人ほどだ。生活保護受給者は90%近くを占め、その平均年齢は67.2歳になる。高度経済成長を支えた労働者は去り、残った人たちは高齢化。かつての「労働者のまち」は「福祉のまち」に姿を変えてきた。ホームレスも約160人おり、60歳以上が約120人。ホームレス歴が3年を超える人も約110人に上るという。

 山谷地区を含む城北旅館組合の広報担当で、「エコノミーホテル ほていや」の帰山哲男さんは、山谷地区で営業する組合加盟の宿泊施設は「現在約130軒」と言う。「ほていや」のように国内外の観光客やビジネス客を主な対象にする1泊3000円前後の施設は約30軒。「残る100軒前後が元労働者の生活保護受給者らを主な対象にした1泊1700〜2250円の簡易宿泊所です」と説明する。

 ヨコハマスタジアムも近い寿町では、約300メートル四方の中に120軒以上の簡易宿泊所がひしめく。部屋数は8000室超。減少傾向とはいえ、住人は約6000人に上る。

 前出の寿日雇労働者組合の近藤さんによると、住人の平均年齢は60歳以上で、8割以上が生活保護受給者だ。山谷とは異なり、寿町はインバウンドの外国人客やビジネス客らとも縁がなく、「典型的なドヤのマチ」という。ホームレスも50人近くに上る。

 日本経済から取り残され、社会も関心を失ったかのようなエリア。そこにも、コロナの影響は出始めている。

■施設は休止 ボランティアらは炊き出し拡大

 「新型コロナウイルス感染拡大防止のため、娯楽室・敬老室を一時休止いたします。期間は4月3日から5月6日まで」。

 山谷の城北労働・福祉センターにこんな張り紙が出たのは4月2日の午後だった。テレビコーナーや図書スペース、将棋コーナー、広い炊事場を備える本館地下の娯楽室は、ホームレスらにとって昼間、体を休めることのできる貴重な場所だ。

 山谷や隅田川沿いでの野宿暮らしが10年近くになるという元鳶職の60代男性は「寒くて夜寝れなかった日は、娯楽室があったから助かった。インスタントラーメンを作ることもできるから、閉められて困ってる」と嘆いた。

 寿町も同じだ。緊急事態宣言によって4月8日から、横浜市寿町健康福祉交流センターのテレビラウンジや調理室、図書コーナーなどが利用休止になった。

 さらに、都内でも横浜市内でも、ホームレスを対象とした炊き出しや食事配布が相次いで中止になっている。「匿名で役所や保健所に電話して、炊き出しを止めさせようとする動きもあります。周囲の目が厳しいことは自覚しています」(都内のボランティア団体)。

 こうした中、山谷労働者福祉会館活動委員会は4月3日から、炊き出しを増やした。それまでの週1回を土曜日以外の毎日とし、城北労働・福祉センター前で実施。月〜金曜は午前8時から、日曜は午後3時からでマスクも配布している。

 同委員会の向井さんは「コロナによって山谷の人たちが食べること、生きることが困難な状況が生まれています。(炊き出しでの)行列は間隔を空けてもらうことを呼び掛けています」と言う。

 寿町でも炊き出しは続いている。

 寿日雇労働者組合や地元自治会などで組織する「寿炊き出しの会」が、毎週金曜の午後1時からの食事提供を切らさない。晴天に恵まれた4月24日は開始の1時間前から、寿公園を囲むように長い列ができた。200人近い人たちが雑炊をおかわりし、袋に入ったバナナなどを持ち帰った。

996チバQ:2020/05/03(日) 00:55:47
■「最近は初めて見る人も増えています」

 寿日雇労働者組合の近藤さんは言う。

 「派遣切りに遭ったのか、最近は初めて見る人も増えています。炊き出しへの批判的な声も聞こえてきますが、これだけの人が求めている。本来なら行政が担うべきことです」

 伊勢木町の地下街入り口の階段付近で野宿している「70歳」の元土木工の男性は「寿町の炊き出しもありがたいし、伊勢佐木町でも夜寝ているとボランティアの人たちが週に何度か、パックに入った食事を差し入れしてくれる。無一文に近いから、ほんとうにありがたい」と手を合わせた。

 山谷、寿町では幸い、これまで感染者は出ていない。

 山谷で支援活動を続けるボランティア団体幹部は「ドヤの住人の多くは決して健康状態が良好とはいえません。しかも大半が高齢者。『感染者が出たら』と思うと、平然としてはいられません」と不安を隠さない。

 寿炊き出しの会のメンバーで、会場の一角で血圧を測定したり、健康相談に応じたりしていた看護師の森さんはこう言った。

 「寿町は高齢者が多く人が密集しているので、ひとたび感染が広がれば大変なことになる。個室で過ごしてほしいのですが、三畳一間にじっとしていたら、そのほうが具合が悪くなりそう。今はただ、感染者が出ないことを願うのみです」

本間 誠也 :フリー記者

997チバQ:2020/05/08(金) 14:08:28
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200418-01659692-sspa-soci

月収70万円がゼロになったキャバ嬢、“細客”たちに足元を見られ…


4/18(土) 15:54配信

週刊SPA!


月収70万円がゼロになったキャバ嬢、“細客”たちに足元を見られ…


 緊急事態宣言が発令され、“接待を伴う飲食店”が一斉に営業自粛を余儀なくされた。そんななか、東京都内の高級キャバクラ店に在籍するユラさん(27歳・仮名)が「貯金はありますが、このままでは1か月半ぐらいしか生活できません」と肩を落とす。

 いま、収入源を失ったキャバ嬢たちの生活が追い込まれつつあり、Twitter上では“パパ活”に励む姿なども目撃されているが……。
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月収70万円からゼロに…高級キャバクラ嬢の生活が一転

 普段は少なくとも月収70万は超えていたというユラさんだが、それだけの収入がありながらも現在は「キツイ」と話す。

「そりゃ普通のOLさんよりは稼いでいましたけど、そのぶん出費も多かった。家賃は25万円だし、普段のエステ代や美容代、化粧品代も20〜30万円は使っていた。余った分を貯金って感じですから、実際は全然ないんですよ。いつまで店が休みなのかもハッキリしていないし、国から給付金がもらえるのかどうか……先行きが見えません」

 ユラさんが働くお店が営業自粛したのは4月頭だというが、実際はもっと早くにコロナの影響を感じていたそうだ。

「3月に入ってからなんか暇というか……。お金を持っているお客さんが全然来なくなりましたね。営業しても『会社から会食や接待を一切禁止されているんだ』って。客足が遠のいているのは感じていました。まあ、キャバクラに出勤していた私がこんなことを言ってはなんですが、危機感が全くない人もいたので、ちょっと怖かったです。なかには『コロナなんか関係ねぇ!』みたいな人もいましたから」
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パパ活の誘いに目がくらむとTwitterに晒される

 コロナの影響でキャバ嬢たちの収入が大きく減っている事実は、多くメディアでも取り上げられた。そんななか、ユラさんやまわりのキャバ嬢たちには思わぬ副業の誘いがきていたという。

「少し前にTwitterで、“コロナで稼げなくなったキャバ嬢にパパ活をもちかけてみた”的なツイートがバズりました。あれ以降、“ワンチャン狙い”みたいな客からめちゃめちゃLINEがきます(苦笑)。『どう? 元気してる? 生活大丈夫?』なんてライトなものから、『店が閉まっていて大変でしょう? パパになってお助けしましょうか?』『自宅に遊びに行ったり出来るなら、月40万でどう?』『1回5万でどう?」というストレートなものまで、とにかくたくさんきましたね」

 しかし、どれだけ高額の誘いがきてもユラさんは首を縦に振らなかった。彼女が援助を拒む理由とは――。

「やっぱり、結局はTwitterに晒されちゃうってこと。バズったツイートの主も1回成功したら、その後いろんなキャバ嬢にLINEを送って、その反応をスクショしてアップしていましたよね。パパ活をしようがしまいが、するような素振り見せたら終わりだなって思いました。あんなの晒されたら終わりですよ」

 こういったLINEを送ってくる人には共通点があったという。

998チバQ:2020/05/08(金) 14:08:40
「みんないわゆる“細客”(※普段はあまりお金を使わない客)の方々なんですよね。そもそも『1回3万でどう?』って人が多かったけど、私の働いてる店で指名すると、3万で飲むのは厳しいんです。そりゃ3万まるまるもらえるわけだから、3万ぶん飲んでもらったバック率と比べれば良いわけですが、身体の関係になって3万円では割に合わない。プライドもあるので。まあ、客からすれば、普段は飲むだけで最低5万かかる子と3万で最後まで出来たらコスパが高いと思うのでしょう」

 また、1度でも安価で身体の関係になってしまえば、その後は足元を見られてしまうだろう。逆に“太客”(※たくさんお金を使う太っ腹な客)からは連絡がないのだろうか?

「桁違いにお金持ちのお客さんは、色んな店の女のコから『パパ活して〜』っていう困窮LINEが殺到して困っているそうです。お金はあるけど、企業の社長とか、それなりの立場にいる人ばかりなので……今はそれどころじゃないと思います」

 現在は無収入の彼女。今後はどうやって生活するつもりなのだろうか。

「いつまで自粛しなければならないのかわかりませんが、まだキャバ嬢を辞める気はないので、様子を見るしかないですよ。うまくお客さんを繋いでおいて、早くコロナが収束するのを願うだけです。貯金が底をつく前には、なんとかなっていて欲しいのですが……」

 客からパパ活をもちかけられても気丈に断り続けているユラさん。希望的観測を口にするが、具体的な策は見えていないようだ――。<取材・文/吉沢さりぃ>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。Twitter:@sally_y0720
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日刊SPA!

999チバQ:2020/05/08(金) 18:52:56
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200506-01663755-sspa-soci
コロナ貧困、さらに追い詰められる非正規労働者たち


5/6(水) 8:52配信


 新型コロナの影響が、過去に例のないスピードで拡大している。自粛、休業、感染リスク……今は全国民が何かしらの影響を受けている状況だが、なかでも大きな被害を受けているのが、以前からギリギリの暮らしを続けていた生活困窮者たちだ。元から脆弱だった生活基盤が、一気に崩壊しかけている。
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1000チバQ:2020/05/08(金) 18:53:08
追い詰められる生活困窮者たち

 生活困窮者支援を長く続けてきた自立生活サポートセンター「もやい」理事長の大西連氏が話す。

「支援現場ではさまざまな問題が噴出している状況で、連日、相談が後を絶ちません。特に日雇いで食いつないでいた人やフリーランス、自営業者からの相談が多く、新型コロナの影響で仕事や住居、生活が失われて『明日生きるためのお金すらない』という人が、急速に路上に追いやられています」

 新型コロナによる景気悪化では、飲食業をはじめサービス業やイベント関係の業種が軒並み大打撃を受けた。それはつまり、日雇いバイトなどこれまで生活に困る人がすがっていた仕事が、ほぼ消滅したことを意味する。

「日雇いバイトなどは完全になくならずとも、大幅に減っているので競争倍率が相当高くなっています。上流から人材が流れてきている状態なので、年齢や職歴など、弱い立場の人から“ところてん式”で押し出されてしまう。そうして仕事にあぶれた人たちは貯金もなく、今までのように“つなぎの生活費”を稼ぐこともできないので、生活が一気に苦しくなってしまう」

 さらに追い打ちをかけたのが、緊急事態宣言と、それに伴う自治体による休業要請だ。ネットカフェやサウナなどを寝床にしていた人たちがあぶり出され、「東京都だけで約4000人のネットカフェ難民が行き場を失う」と、大問題になった。東京都も対応すべく借り上げホテルなどを用意すると発表したが、実際には「無料低額宿泊所」と呼ばれる大人数で劣悪な相部屋に泊まる施設に案内されるケースが頻発。福祉団体からの要請もあり、個室を用意すると方針を変える事態になった。

「一番の問題は、今後の見通しがまったく立たないこと。一時しのぎの宿や生活費を得たとしても、新型コロナの終息が見えないので、いつ前の仕事や生活に戻れるかわからない。結局は生活保護にたどり着くしかなく、今後は申請数がどんどん増えていくはずです」


正社員はそのままで非正規だけが全員解雇

 また、労働環境に関する問題も急増している。労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」では、新型コロナ関連の相談が直近1か月で1000件を超えたという。代表の今野晴貴氏が語る。

「やはり多いのは非正規労働者からの相談で、約8割を占めます。内容は『休業補償や補助金』に関する相談が最も多く、次いで『雇い止め』や『感染リスクが高い職場での労働』が続く。最近では、コールセンターで働く人などから“3密環境”で出勤を強要されているといった相談も増えています」

 新型コロナは日本が抱える正規/非正規の格差という問題を、改めて浮き彫りにしたと言える。

「相談内容のなかには『正社員だけが休業補償の対象で、非正規は欠勤扱いで減給される』や『非正規社員だけが全員解雇になった』というものもありました。結局、急激な景気悪化のしわ寄せが弱い立場の人にいっている形です」

 では、今後はどのようなシナリオが予想されるのだろうか。

「直近の問題としては、5月から休業補償のトラブルが増加すると思います。4月の休業分は5月の給料に反映されますが、正規/非正規を問わず、『休業手当がどの程度給料に反映されるのか』をわからずに休んでいる人たちが多い。多くは6割補償だと思いますが、体力がない企業ではゼロというケースも出てくるでしょう。すると、6月以降になって急に生活が破たんする人が出てきてしまう」

 また、「大量解雇も加速しそうだ」と続ける。

「もともとコロナショック以前から『45歳以上が対象の早期退職募集』が増えていました。社内の年齢構造を調整したい企業が今回の景気悪化を利用して、リストラを加速させる……というのは容易に想像できるシナリオです」

 コロナショックが生む貧困は非正規だけの話ではなく、正社員にも他人事ではない。明日は我が身と、真剣に受け止めてもらいたい。

【「もやい」理事長・大西 連氏】
新宿ごはんプラス共同代表。日本国内の貧困問題や、生活困窮者への相談支援活動などに取り組む。著書に『絶望しないための貧困学』(ポプラ社)など

【「POSSE」代表・今野晴貴氏】
年間3000件以上の労働や生活相談に関わり、福祉政策についても提言している。著書に『ストライキ2.0 ブラック企業と闘う武器』(集英社新書)など

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!4月28日発売号の特集「[緊急ルポ]コロナ貧困の絶望」より

―[コロナ貧困の絶望]―
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日刊SPA!

1001チバQ:2020/05/08(金) 18:53:34
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200428-01663216-sspa-soci

コロナ失業でホームレスになった50歳、本当に仕事が見つからない


4/28(火) 8:55配信

週刊SPA!







コロナ失業でホームレスになった50歳、本当に仕事が見つからない


コロナショックで仕事を失った横田健二さん(仮名・50歳)。「体は元気なのでなんとか働き口を見つけたい」と、就労先について支援団体と相談していた


 新型コロナの影響が、過去に例のないスピードで拡大している。自粛、休業、感染リスク……今は全国民が何かしらの影響を受けている状況だが、なかでも大きな被害を受けているのが、以前からギリギリの暮らしを続けていた生活困窮者たちだ。元から脆弱だった生活基盤が、一気に崩壊しかけている。


緊急事態宣言で面接が消え八方塞がりで路上生活に

 新型コロナウイルスの影響が急速に広まるなかで、各支援団体も動きだしている。4月11日に取材班が訪れたのは、東京都庁のふもとで開催されていた、「認定NPO法人もやい」と「新宿ごはんプラス」による食料配給と相談会だ。

 開始時間の14時になると100人ほどの参加者が行列をつくり、スタッフから次々と食料が配られていく。以前から路上生活だった人もいれば、新型コロナの影響で路上生活になった人も参加。両団体の代表を務める大西連氏によれば、「4月は毎週土曜日に定期開催しているが、これまでの炊き出しでは見なかった顔ぶれが2、3割参加している」という。

 その参加者の中で取材班が出会ったのが、今年に入ってから職を失い路上生活になったという、横田健二さん(仮名・50歳)だった。
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コロナショックで警備の仕事がなくなる

 現在は上野公園で寝泊まりしているという横田さん。電車賃もなく、この日は歩いてきたという。

「昨年末までは働いていたキャバクラの従業員寮に住んでいたのですが、人間関係のトラブルで辞め、退職後は金銭的に家が借りられず、ホームレス状態になってしまいました。ただ、日雇いの警備の仕事をしていたので、少しでもお金があるうちはサウナに泊まっていたんです。

 けれど新型コロナの影響でそれもムリになって。なんとか頼み込んで知人の家で寝かせてもらうこともありますが、家主の都合もあるので毎日というわけにもいかず、今は野宿がメインですね」

 上野で野宿した際には先輩ホームレスから食料をもらったり、炊き出し情報も聞けたという横田さんだが、不自由な生活に変わりはないと続ける。

「さすがに何日かに一回は風呂に入りたいんで、たまに奮発してサウナに泊まっていたんですが、東京都から休業要請が出たのでそれもできなくなりそう。野宿で疲れると感染するリスクも高まるし、そもそも収入がないので病院にも行けないから怖いですよね」

 今後の見通しを聞くが「仕事がないので、まったく先のことを考えられない」と話す。

「肉体労働でいいから働きたくても、本当に仕事がないんです。警備員のアルバイトも、週末の自粛要請が出だした2月から軒並みキャンセルになり、その流れで僕ら警備員は事実上解雇。その後、ほかの面接が決まっていたんですが、面接会場に行ったら『緊急事態宣言が出たので、キャンセルになります。5月6日以降にまた問い合わせてください』と。

 どうやら携帯に電話してくれていたようなのですが、僕の携帯が止まっているので繫がらなかったんですね。少なくとも5月6日までは収入ゼロで過ごさないといけません」

 取材した4月11日からおよそ1か月、全財産の1万円で乗り切らないといけないという。

「だからこういう食料配布は本当にありがたくて。政府や東京都からは支援金が出ると言っていますが、なるべく早く欲しいです」
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ついに生活保護受給者

 取材の数日後、公衆電話を使って横田さんから近況報告があった。別の団体の炊き出しに参加して健康診断をすると、血圧が200を超える異常値だったという。電話口からは「急いで役所に相談しに行き、生活保護になりました。ついに僕も受給者ですよ」と自嘲気味に笑う声がむなしく響いていた。

【「もやい」理事長・大西 連氏】
新宿ごはんプラス共同代表。日本国内の貧困問題や、生活困窮者への相談支援活動などに取り組む。著書に『絶望しないための貧困学』(ポプラ社)など

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!4月28日発売号の特集「[緊急ルポ]コロナ貧困の絶望」より

―[コロナ貧困の絶望]―
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日刊SPA!

1002チバQ:2020/05/11(月) 11:26:28
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200511-00010001-nishinpc-soci

「3日間水だけ」ホームレス、細る“命綱” 炊き出し中止や回数減


5/11(月) 9:45配信

西日本新聞







「3日間水だけ」ホームレス、細る“命綱” 炊き出し中止や回数減


「昨日から何も食べていない」と、NPO法人「美野島めぐみの家」の瀬戸紀子理事長(右)から手渡された弁当を頬張る路上生活の男性=4月下旬、福岡市博多区


 新型コロナウイルスによる社会活動への影響が長期間に及ぶ中、公園などでの炊き出しを頼みの綱にしてきた路上生活者(ホームレス)が追い詰められている。感染防止のため、支援団体などが行ってきた炊き出しが中止や回数減に追い込まれているためだ。ネットカフェの休業が今後も続けば、さらに多くの人が路上生活を強いられる可能性もあり、関係者は「早急な支援が必要だ」と訴える。


 1日夜、福岡市・天神の一角。夜間に路上生活者を巡回訪問する同市のNPO法人「福岡おにぎりの会」のボランティアスタッフが、集まった人たちにおにぎりやゆで卵、菓子やマスクが入った袋を手渡した。炊き出しのスケジュールに加え、「何かあったときに」と事務局の電話番号が書かれた紙も添えた。

 「体が温まるね」。30年以上路上生活を続けている男性(69)は配られた温かいみそ汁を飲むと、ほっとした表情を見せた。毎日のように市中心部の各所である炊き出しに参加していたが、炊き出しが減った今では「3日間水だけで過ごすこともある」という。
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炊き出しは「命綱」

 寄る辺ない路上生活者にとって、炊き出しは文字通り「命綱」だ。だが、同市では、ほぼ毎日あった9団体による炊き出しが4月に半減。コロナの感染が市内でも広がり、大勢が集まる炊き出しは感染リスクが高く、中止はやむを得ない状況だった。

 それでも、おにぎりの会は普段は40〜50人いるボランティアを15人ほどに減らして活動を継続。従来4〜11月の夜回りは月1回だったが、炊き出し減少に加えて生活困窮を訴える相談が増えたことから、5月中旬以降は月2回に増やす予定だ。飛永薫事務局長は「いつも夜回りで会う人の顔が見えないと、コロナの影響で体調を崩したのかと心配になる」と話す。
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「あんまり接近しないでね」「体調はどう?」

 同市のNPO法人「美野島めぐみの家」も活動を続ける団体の一つ。3月からは一般ボランティアを受け付けずに同市博多区の美野島公園で開いており、毎週、30〜40人が列を作る。

 瀬戸紀子理事長は炊き出しで、「あんまり接近しないでね」「体調はどう?」と声を掛けながら一人一人にマスクを配布。同法人の中心メンバー9人が作ったおかずを詰め合わせたお弁当を手渡す。必要に応じて医薬品や衣類も提供する。

 福岡市は生活保護の申請などを案内しているが、借金や家族との問題で申請しにくい事情を抱える人もいる。博多区内の公園を転々としているという男性(60)は「自分は働いているからまだいいが、このままでは食えなくなる人もいるだろう」と先行きを不安視する。

 瀬戸理事長は、リーマン・ショックの影響で2009年3月ごろ、330人を超える人が炊き出しを求めて列を作った日を思い出し、頭を悩ます。「もし参加者が数百人になってしまったら…。路上生活者の生きる権利をなんとかして支えないと」(小林稔子)

1003チバQ:2020/05/11(月) 18:51:28
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200510-01660959-sspa-soci

月収23万円の40代契約社員、コロナショックでも悲観しないワケ


5/10(日) 8:55配信

週刊SPA!







月収23万円の40代契約社員、コロナショックでも悲観しないワケ


派遣社員だと職場の飲み会にもあまり誘われず、人間関係もサッパリしていられるとか


 国税庁の発表によると2018年の日本の平均年収は441万円だ。しかし今、非正規雇用で平均を大きく下回る低収入、貯金もほぼないが、その現実に危機感を持つこともなく好きなことをして暮らす無自覚な貧困層が増えているという。その実態に迫った!

▼瀬戸際に立つ40代のまったり貧困:小泉太一さん(仮名・43歳)
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資格のおかげで非正規でも重宝。夢は海外移住

「もともと飽きっぽい性格で一か所で働き続けるのが苦手なんです。それで正社員になることはあえて希望せず、半年や1年単位の契約社員で勤務しているんです」

 そう語るのは、契約社員として機械メーカーの工場に勤める小泉太一さん(仮名・43歳)。ただし、辞めてもすぐ次の職場で働き始めるわけではないという。

「一定期間働いて貯めたお金で、東南アジアのタイやマレーシア、カンボジアなどに行って1か月ほどのんびり過ごすんです。そしてまた帰国して働く生活を10年近く続けていますね。本当は向こうでリタイア生活をしたいですが、さすがにそのお金はないので短期滞在で我慢しています」

 非正規とはいえ、職場をコロコロと替えると次の採用時に不利になりそうな気もするのだが、本人はまったく意に介さない。

「更新しないだけで、契約満了までは働いていますから。それに僕は工業系専門学校の出身で、旋盤や金型などの工場勤務に役立つ資格を複数持っていて、それを生かした業務の経験も積んでいます。おかげで普通の契約社員よりも基本給が高く、正社員の誘いも何度かありました。そこで正社員になっていれば収入はもっと増えたでしょうけど、それだと簡単に辞められなくなりますからね(笑)」

 コロナショックで非正規労働者の雇い止めが起きているが、本人はそこまで悲観していない。

「リーマンショック後のひどい状況でも仕事が見つかったし、僕自身は今回も大丈夫かなと思っています。実際、今の工場とは3月末までの契約で、満了でそのまま契約が終了した人もいたのですが、僕はもう1年更新することができましたしね。本当はいつも通り東南アジアに行く予定だったけど、コロナのせいでしばらく無理なので、もうちょっと働きます(笑)。別に普段から物欲もないし、日本にいる間は社員寮で暮らせるので、その間に海外で遊ぶための貯金を増やせたらいいかなと思っています。老後のことは、そのときになったら考えようかな」

 やや楽観的に見えなくもないが、少なくとも、本人は今の暮らしに満足しているようだ。

【収入】
月収(手取り)23万4000円
――――――――――――
【支出】
実家に入れるお金 4万円
外食費 2万円
通信費 1万5000円
保険料 1万8000円
ジム代 6000円
海外旅行費 6万円
雑費 3万5000円
貯金 4万円
――――――――――――
収入-支出の合計 0円

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[まったり貧困で生きる]―
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日刊SPA!

1004チバQ:2020/05/13(水) 10:00:59
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200512-00000055-mai-soci

<明日へ・新型コロナ>「コロナで死ねない」 ネットカフェ閉鎖、受け入れ施設閉所 さまよう派遣労働者


5/12(火) 18:21配信

毎日新聞







<明日へ・新型コロナ>「コロナで死ねない」 ネットカフェ閉鎖、受け入れ施設閉所 さまよう派遣労働者


宿泊していたインターネットカフェが休業したため神奈川県の受け入れ施設に身を寄せ、差し入れの缶コーヒーを飲む朝生克也さん。この日の所持金は235円だけだった=横浜市港北区で2020年4月24日、喜屋武真之介撮影


 「野宿も覚悟していた。4月は寒い日も多かったし、凍死していたかもしれない」。派遣労働者の朝生(あさお)克也さん(56)は寝泊まりしていたインターネットカフェが新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月11日に休業し、一時受け入れ施設となった神奈川県立武道館(横浜市港北区)に身を寄せた。薄布に囲まれた2メートル四方の空間で簡易ベッドに横たわると、毛布にくるまって寒さをしのいだ――。

 故郷を離れ理容師として10年以上働いたが、離婚してからは職を転々とするように。約2年前から自動車部品の積み込み作業などに派遣されて働き、夜はネットカフェで体を休めた。「自由がきいた」が、貯金はほとんどしてこなかった。その中で、突然「住み家」を失った。「普通じゃない生活を選んだ自分の責任。誰を責めるわけでもない」

 自動車メーカーの生産が停止し、予想よりも早く4月半ばには仕事が途絶えた。知人にお金を借りるまで数日間ほとんど食べられず、差し入れの缶コーヒーで飢えをしのいだこともある。「いつ死んじゃってもいい。ただ、コロナでは死ねない。周りに迷惑はかけられないから」。言葉に、孤独感がにじんだ。

 大型連休明けに再び仕事が入るようになると、閉所された施設を出て、不安定な日常へと戻っていった。

     ◇      ◇     

 私たちの社会や行動を変容させる新型コロナウイルス感染拡大の波。その中で生きる一人一人の姿と声を伝えます。【喜屋武真之介】

1005チバQ:2020/05/14(木) 17:52:47
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200513-01664352-sspa-soci

ゴーストタウンと化した新宿・歌舞伎町、貧困者たちはどこへ…


5/13(水) 15:54配信

週刊SPA!







ゴーストタウンと化した新宿・歌舞伎町、貧困者たちはどこへ…


人けの少なくなった歌舞伎町。「ハイジア前など、定番スポットに立っているワリキリ(援助交際)嬢も客数は激減している」(仙頭氏)


 新型コロナの影響が、過去に例のないスピードで拡大している。自粛、休業、感染リスク……今は全国民が何かしらの影響を受けている状況だが、なかでも大きな被害を受けているのが、以前からギリギリの暮らしを続けていた生活困窮者たちだ。元から脆弱だった生活基盤が、一気に崩壊しかけている。
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ゴーストタウンと化した新宿・歌舞伎町

「緊急事態宣言後、しばらくは営業しているネットカフェもありましたが、今やマンボーを除いてほぼすべて休止になり、実質“最後の砦”のような状態になっています。休業要請直後に、ほかの店から出てきたネカフェ難民風の男性に話を聞くと『これからマンボーに移るよ』などと話していました」

 そう語るのは、歌舞伎町の貧困事情に詳しい『裏モノJAPAN』編集部の仙頭正教氏だ。

「3月末まではあのROLANDがオーナーを務める店など、有名店しか営業自粛しなかったのに対し、4月中旬からはほとんどの店が営業自粛に入りました。歌舞伎町は今、ゴーストタウンです。朝方歩くとカラスがドブネズミを襲っている光景を目にしました。彼らもゴミが減って食べるものが少なくなっているのでしょう」

 居酒屋、キャバクラ、ホストクラブ、風俗店……休業要請を受けた業態が苦しいのは言わずもがなだが、それ以外の営業中の施設でもコロナ不況は深刻だ。

「ラブホテルも軒並み客数は激減しています。特に割を食っているのが、ホテヘルに使われていた激安ラブホ。1時間ショートコースの利用が平常時の6分の1まで減っています。また、あるラブホテルではスタッフから感染者が出たそうです。それをオーナーが隠蔽していたので外国人清掃スタッフが大騒ぎ。外国人清掃員たちは一般ホテルでも掛け持ちで働く人が多いのですが、掛け持ちの受け入れ先が減るなかで『コロナ感染者がいるかもしれない』という噂が広まり、働きづらい状況に拍車がかかっているとか」

 また、往時の歌舞伎町にはネットカフェを“仕事場”にして、援助交際で生計を立てる女性も多くいた。歌舞伎町のある居酒屋で働くスタッフは、彼女たちが集団で追い出される光景を見たという。

「休業要請が始まる少し前の夜、キャリーケースを引いた女のコが十数人もネカフェから出てきて、TOHOシネマズの前で座り込んでいるときがありました。見た感じ、家出少女だと思います。そんな彼女たちにスーツ姿の中年男性が数人、声をかけて回っているんです。世も末だなと思いましたね」

 生活に苦しむ人たちにとって、歌舞伎町は一つのセーフティネットでもあったのだ。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[コロナ貧困の絶望]―

1006チバQ:2020/05/19(火) 15:06:41
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200519-00000031-asahi-ind

高リスクのネカフェ、営業続ける事情 行き場ない利用者


5/19(火) 12:24配信

朝日新聞デジタル







高リスクのネカフェ、営業続ける事情 行き場ない利用者


営業を続けるインターネットカフェでは、マスクの着用やアルコール消毒を呼びかけるポスターが掲示されている=2020年5月18日午後5時25分、前橋市内


 新型コロナウイルスの影響で、群馬県から休業を求められているインターネットカフェ。「感染リスクが高い」というのが理由だが、要請に応じず、営業を続けている店舗も多い。

 金曜日午後9時の前橋市。インターネットカフェ入り口の貼り紙には「マスク着用」の文字。その奥では、ダーツやビリヤードを楽しむカップルらの姿が見える。24時間営業のこの店の向かい側にはゲームセンターがあり、駐車場は8割近く埋まっていた。

 20〜30代くらいの若者客が多い店内で、高齢者の姿が目を引いた。

 「家族との関係がぎくしゃくして……。でも年金が頼りだから、毎日は来られない」。70代の男性はそう話す。軽乗用車の中で生活し始めて1年ほど。車内には着替えの服や、空のペットボトルが散乱する。

 週の半分はネットカフェで眠り、朝を迎えるという。ネットカフェはシャワーが使え、テレビやインターネットも好きなだけ見られる。足を伸ばして寝られるのも快適だ。ただ、1泊すれば、安くても1500円以上するため、残りの半分は車内で寝泊まりする。

 「ネットカフェで過ごす時間は気が楽。営業してくれているのはありがたい。いざとなれば家に帰ると思うが……」と話し、店内に入っていった。

 男性によると、感染が拡大する前と比べて、2割程度は客が減っているという。「感染する心配は特にしていない」と話す。

 この店でアルバイトしている男性は「周りのお店が休業していればその分、お客さんに来てもらうチャンスだと思う。バイトがなくなるのも困る」と話す。

 一方で、「家に帰って、家族にうつさないかが心配」とこぼす。不特定多数の人が出入りしているので、感染しないか不安だ。30分に1回は手を消毒したり、自主的に窓を開けて換気をしたりして注意している。

 全国に約460店舗ある「快活CLUB」の運営会社によると、県内の11店舗はいずれも営業を継続している。広報担当者は「休業しても家賃などの固定費はかかる。社会インフラとして利用されていることも考える必要がある」と話す。

 換気やマスク着用、入店時の消毒を促すなどの対策をとった上で営業しているという。感染防止策として企業で広まっているテレワークに店舗を利用することも呼びかけている。

 また、県内に3店舗あるインターネットカフェ「金太郎」も営業を継続。2店舗ある「自遊空間」は一時休業したが、大型連休明けの7日から営業を再開したという。

 県独自のガイドラインでは、ネットカフェは4段階のうち警戒度が2番目に低くなるまでは休業要請の対象になる。早くても5月末までは休業要請が続くことになる。県の担当者は「ネットカフェは3密の環境になりやすい。営業や外出の自粛を引き続き要請していく」と説明している。(森岡航平)

1007チバQ:2020/05/20(水) 14:32:55
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200520-00010008-nishinpc-soci

「打撃は平等でない」困窮者支援を続ける牧師 コロナ禍で感じること
5/20(水) 10:54配信

西日本新聞

「打撃は平等でない」困窮者支援を続ける牧師 コロナ禍で感じること


「絆(きずな)は傷(きず)を含む。人とのつながりは大変さを伴うけど、楽しいです」と奥田知志さん=北九州市の東八幡キリスト教会


 大型連休前の週末の夜、例年なら酔客であふれる小倉の街は静かだった。この地で困窮者支援活動を続ける牧師、奥田知志(おくだともし)さん(56)は普段通りに繁華街にいた。公園での炊き出しの後、ホームレスの見守りパトロール。「30年以上やってきたけど、こんな夜は初めて」。一変した街の空気を察知してか、ネズミの大群が目の前を横切っていく。


 「今は医療崩壊、感染を防ぐのが第一。ただ、私としてはコロナ関連死を危惧(きぐ)しています」

 経験に裏打ちされた言葉は重い。銀行や証券会社の経営破綻が相次いだ二十数年前の金融危機では自殺者数、ホームレスが急増した。2008年のリーマン・ショック後もひどかった。失業者が「年越し派遣村」に押し寄せた。今回はそれ以上とみる。
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 「災害や危機による打撃は平等ではない。もともと社会が持っていた格差、脆弱性が拡大して露呈するんです」

 政府が呼びかけた「ステイホーム」一つとっても、在宅勤務を選択できず、働かざるを得ない人がいる。ネットカフェが夜の営業をやめ、家のない人々はセーフティネットを失った。

 奥田さんは「ステイホーム」に加え「フロムホーム」を提唱する。家の中からでも支援はできる。理事長を務めるNPO法人「抱樸(ほうぼく)」では、緊急電話相談を実施。市内にワンルーム25室を借り受け、改修を始めた。1億円に設定したクラウドファンディング(CF)も始め、現在1700万円超の支援金が集まっている。

 ゴーストタウンと化した街で「さみしさ」も感じた。人と会わなくなり、飲みにも行かない。そんな状況にだれもが「あの日に帰りたい」のかもしれない。

 「でも戻れないし、もっと言えば戻ってはいけない。『戻りたい社会だったのか』と問うべきだ」
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1008チバQ:2020/05/20(水) 14:33:29

     □  □

 奥田さんが社会への違和を感じたのは関西学院大の学生だった頃。日雇い労働者が集まる釜ケ崎でボランティアをし、豊かだと思い込んでいた日本の別の側面を知った。大阪万博(1970年)で労働力の供給源として栄えた釜ケ崎は、奥田さんと無縁ではない。父が万博工事の多くを担った大手電気設備会社の社員で労働者を雇う側。不自由なく育った息子は、行き場を失った労働者であふれ、死にゆくホームレスもいる街から「自分は何者か」という問いを突きつけられた。

 「ひどい世の中で神様までいなくなっては困る」。牧師の道を選び、88年からホームレス支援を続ける。 その活動は自己犠牲、利他の精神という言葉で語られがちだが、否定する。


 「人間が出会いの中で立ち上がっていく。それは社会にとっても大事だし、僕の幸せにもつながる。自己と他者は分離できません」

 世の中は他者性を失いつつある。「自国ファースト」を標榜(ひょうぼう)する国。それに乗っかる市民の態度。トイレットペーパーの買い占めも「私たちの中から他者がいなくなったから起きた」。

 現代人はなぜ他者との関わりを避けるのか? 奥田さんに問うと「大変だから」と返ってきた。

 「でも」と続ける。「大変さは不幸ではない。人と出会って苦労するのは大変だけど面白い。そこにみんな気付いてほしい」
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     □  □

 心を寄り添わせ、一緒に泣き、笑う。奥田さんがやってきた「伴走型支援」は、感染拡大防止の「3密」と相いれない。炊き出しを中止する支援団体もある中、奥田さんは続けた。弁当に並ぶ列を増やすなど密集を避けた。会話しながら一緒に食べる「抱樸流の炊き出し」はできないが、代わりに弁当一つ一つに手書きメッセージを添えた。

 特別定額給付金の概要が発表された直後、初老の男性が教会を訪れた。10万円入りの封筒を手に「必要な人のために」。ほかにも「国が配る布マスクを託したい」との声も届いた。「社会は捨てたものじゃない」

 作家、五木寛之さんは「朝顔は闇の底に咲く」というエッセーで、朝顔は闇がなければ花を咲かせないと書いた。奥田さんはその文章が好きだ。


 「見える距離は遠くても、心の距離を近く。コロナのせいにするのではなく、夜明けに向けて備えることをしなければいけません」

 緊急事態宣言が解除されても、しばらくは「フロムホーム」の支援を余儀なくされる。ただ、コロナ後に訪れる新しい社会の萌芽(ほうが)も確かに感じている。

 (小川祥平)

   ◇   ◇

 北九州市のNPO法人「抱樸」の新型コロナウイルス感染拡大の影響で支援が必要になる人たちのためのCFは7月27日まで。サイト「READYFOR」で「抱樸 コロナ緊急」と検索する。

1009チバQ:2020/05/20(水) 14:33:52
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200519-00000044-mai-soci

10万円、受け取れない? 住民票ない路上生活者 自治体も対応に苦慮


5/19(火) 15:45配信

毎日新聞







10万円、受け取れない? 住民票ない路上生活者 自治体も対応に苦慮


都の事業が休止され、唯一の収入源を失ったという男性(左手前)。奥は男性や支援団体からの要望を聞く都職員=東京都新宿区で2020年5月1日午後1時54分、斎藤文太郎撮影


 新型コロナウイルスの流行で政府が全国民に10万円を配ると決めたが、受け取れないのではないか――。特別定額給付金を巡り、路上生活者の間でそんな不安が広がっている。対象は住民登録のある人だが、長く路上生活を続ける中で住民票がどこにあるか分からなかったり、居住が不明で市区町村の職権で抹消されたりした人もいるためだ。日雇いの仕事も減り、生活の困窮ぶりは深まっている。

【図解】現金給付10万円 どう受け取る?

 「所持金はもうない。本当に困った」。東京都台東区内の公園で暮らす男性(65)は日銭を稼ぐ唯一の手段だった都の事業が休止され、収入源を失った。政府の給付金に望みを託していたが、路上生活が長年にわたるため住民票がない可能性が高い。住まいを確保すれば改めて住民登録はできるが、手持ち資金がないため難しい。国は路上生活者対策として住居機能があり緊急的に住民票を置くことができる自立支援センターの活用を促しているが、近くに入れそうなセンターはない。

 北海道出身。中学卒業後に建築関係の仕事に就いた。複数の会社を渡り歩き、社員寮付きの会社を辞めた10年以上前に道内で路上生活者になった。5年ほど前に仕事を求めて都内に移った。しかし、年齢もあって思ったほど民間の仕事を受けられず、都が日雇い労働者向けに実施する「特別就労対策事業」で得る月3万円前後の稼ぎが唯一の収入になった。公園などの清掃を都が民間に発注し、労働者は受注企業に雇われ、8000円前後の日当を得る仕組み。求人に比べ求職者が多いため仕事は輪番制で、男性が現場に出るのは月3〜4回だった。

 都は4月以降、求職者の集合場所や現場までのバスが「密」になるなどの理由でこの事業を休止。男性は、体調が悪い日や風雨が強い日だけ利用してきた簡易宿泊所やネットカフェも使えなくなった。炊き出しに通いつつ、即席のラーメンやうどんを自分で買って食べるというささやかな楽しみも失った。「やむを得ないとも思うが、都は日雇い労働者のことなんてどうでもいいと考えているように感じる」と憤る。

 区の担当者は「一時的な資金として社会福祉協議会による貸し付けを利用してもらうことも可能」とするが、男性は「要は借金。仕事がない中で返せるはずがない」と諦め顔だ。生活保護にも拒否反応がある。「体が動くうちは働きたい」との思いに加え、扶養できるかどうかの確認のため区役所から家族に連絡されるのも避けたいという。

 「八方塞がりという感じ。これまでもその日暮らしだったけど、今まで以上にお先真っ暗です」。今は支援団体の炊き出しを頼りに命をつないでいる。

   ◇   ◇   

 一律10万円給付は国の事業だが、実務は市区町村が担う。路上生活者に対して、どのように給付するか。自治体も頭を悩ませる。

 都の2019年夏の調査によると、都内の路上生活者は少なくとも1037人。一方、国が住民票を置く場所として例示する自立支援センターは都内に4カ所あり総定員は約400人。運営する特別区人事・厚生事務組合によると、満床に近い施設が多く、受け入れ可能人数には限りがある。荒川区にも建設中だが完成は7月の予定だ。

 5月8日の新聞各紙には、10万円給付に関する路上生活者の手続きについて「できる限り早く、今お住まいの市区町村に申し出てください」とする政府広報が載った。しかし、台東区の山谷地区に暮らす路上生活者や支援団体がこの日、区役所で給付方法を尋ねると、担当者は口ごもった。「住民登録があれば給付対象になる、という通知しか来ていない。特別な対応が可能かどうかは何とも言えない」。区は近く、職員がチラシを路上生活者に配って住民登録を促す方針という。

 山谷地区を台東区とともに管轄する荒川区の担当職員は「路上生活者を漏らさず把握するのは難しい」と明かす。少なくとも約100人の路上生活者がいるとされる新宿区の担当職員は「住民票がどこにあるかの確認も含め、個別的な対応が必要。どうしたらよいか、庁内で調整する」としている。

 生活困窮者を支援する一般社団法人「つくろい東京ファンド」の稲葉剛代表理事は「重複での給付を避けるため、住民票によらない給付金の手続きは現実的には難しい」と指摘した上で、「新型コロナは災害と同じ。行政は路上生活者も住民登録しやすいよう、災害時の仮設住宅のように大規模な住宅提供を行うべきだ」と話している。【斎藤文太郎】

1010チバQ:2020/05/20(水) 15:11:09
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200513-00000005-mai-soci

「アベノマスクもらえないよね」札幌のホームレス 支援団体「夜回り」同行ルポ


5/13(水) 8:02配信

毎日新聞







「アベノマスクもらえないよね」札幌のホームレス 支援団体「夜回り」同行ルポ


ホームレスの男性にマスクを手渡す「北海道の労働と福祉を考える会」のメンバー=2020年5月2日午後7時51分、札幌市中央区で真貝恒平撮影


 新型コロナウイルスの感染者が北海道内で確認されて3カ月あまり。この間も、街のホームレスの人たちに食料などを配り歩くボランティア団体がある。「北海道の労働と福祉を考える会」。週末に続ける「夜回り」に同行した。【真貝恒平】

 5月2日、土曜日。ゴールデンウイーク中にもかかわらず、静まりかえった札幌市中心部。ビルの間から漏れる夕日とわずかなネオンに彩られ始めた街に、人影はまばら。

 「それでは行きますか」。午後7時前、副代表の小川遼さん(27)ら3人は菓子パンなどが入った袋を手に、地下街に続く階段を下りていく。

 「こんばんは。お変わりありませんか」。3人はJR札幌駅南口周辺で声をかけながら、菓子パンや温かいお茶を配りながら地下街を進む。感染拡大を防ぐ配慮から、3人ともマスクを着け、距離を取りながら歩く。

 午後8時、ベンチに腰掛ける60代男性にマスクを手渡す。男性は「感染は怖いけど、マスクはなかなか手に入らなくて。ちょうど今使っているのが汚れてきたところで、助かったよ」とほほえんだ。

 さらに進むと、広場に出た。生活用品を詰め込んだキャリーバッグを脇に置き、ベンチで古新聞に見入る60代男性にもカイロやマスクなどを手渡す。「いつもありがとう」。男性は笑顔で受け取り、続けた。「俺のような、(自ら社会との関係を)はじいた人間には『アベノマスク』はもらえないよね」

 同会は1999年設立で今年で21年。大学生を中心に高校生や市役所の退職者ら約30人が登録する。毎月4週目を除く土曜日午後7時から約2時間、約20人が3グループに分かれて同駅や狸小路周辺などを回り、支援を続けてきた。

 ところが、新型コロナの影響で「外出自粛の中で活動するのか」「感染のリスクが心配」などの声がメンバーから上がった。そこで、4月から参加者数を絞り、できるだけ1カ所に集まらないよう3〜4人で移動するなどの対策を取り継続することにした。今月中には炊き出しも行う。

 夜回りを終え、小川さんがつぶやいた。「路上生活者も同じように困っている。こんな時だからこそ、味方であり続けることが大事なんです」。同会の20代の男子大学生も「(政府が配布する)マスクも給付金も今のままでは彼らに届かない。多くの人が余裕をなくしている今だからこそ、誰かが考えてやらないと」と話した。

 ◇一律10万円の給付金「受給のハードルが高い」

 ホームレスを巡っては、一律10万円の特別定額給付金は「受給のハードルが高い」との指摘もあり、「北海道の労働と福祉を考える会」は支援の必要性を訴える。

 路上生活者やいわゆる「ネットカフェ難民」は、居住している市区町村で住民登録を行い、住民票が作成されれば給付を受けることができる。だが、居住が安定していない路上生活者らにはそもそも住民登録が難しく、申請書が届かない。

 こうした懸念を受け、総務省は4月28日付で通知を出した。住民登録が難しい場合、自立支援センターなどの支援団体の住所も利用可能で、ネットカフェでは、店舗管理者が利用者の住所として住民基本台帳に記載することに同意すれば「住所」として認められるとしている。

 同会が札幌市の委託で今年1月に実施した調査では、路上生活者は市内に約40人。20〜30代の若年層が増え、ネットカフェに寝泊まりする人などは反映されておらず、実際はさらに多いとみられる。

1011チバQ:2020/05/20(水) 15:11:42
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200512-05110252-sph-soci

「本当に苦しい」月収200万円→15万円、食事はカップ麺1食…コロナに苦しむ風俗嬢の今


5/12(火) 8:00配信

スポーツ報知







「本当に苦しい」月収200万円→15万円、食事はカップ麺1食…コロナに苦しむ風俗嬢の今


日本有数の風俗街として知られる東京・台東区の吉原


 終わりの見えない新型コロナウイルスの感染拡大の中、全国の性風俗で働く女性たちが悲鳴を上げている。4月7日に厚生労働省が新設した個人事業主やフリーランスを対象とした小学校休業等対応支援金(1日4100円)は、風俗業従事者も対象とされたが、個人事業主に100万円が給付される持続化給付金は対象外となっている。「『身体を売る彼女たち』の事情―自立と依存の性風俗」(ちくま新書)の著者で、一般社団法人ホワイトハンズ代表の坂爪真吾氏(38)に業界の今を聞いた。

 首都圏の繁華街から少し離れた風俗街。5月の大型連休にもかかわらず点灯する看板は少なく、人通りもない。営業を続ける店舗も開店休業状態で、客寄せの「かわいい子いますよ、いかがですか」の声がむなしく響いていた。高級店の前には手入れの行き届いた送迎用の車。男性スタッフは「やることがなくて洗車ばかりさ」と顔を曇らせた。

 ソープランドで4年前からキャストとして働くAさん(25)は、「コロナの影響で他のグループ店も本当にお客が来ない。他の店で働いてる子も(客の指名がなくて)ヤバいって言ってた。そもそも店舗が休業してるところもあるし。(性風俗)一本の女の子は本当に苦しいと思う」と厳しい現状を語る。繁忙期の昨年末には12月だけで200万円稼いだというAさんだが、現在はコロナ禍で月15万円ほどに。同業者の中には東京では指名が取れず、食事はカップラーメン1食でしのぎ、地方都市に出稼ぎする女性もいるという。

 ホワイトハンズが運営し、性風俗従事者の無料相談を行っている「風テラス」によると、昨年2〜5月は296人だった相談件数は、今年は2月〜5月10日までで1239人に達した。「風テラス」発起人の坂爪氏は「圧倒的に多いのは生活困窮の相談で、来られる方の6割が専業で性風俗で働く方。ネットカフェもホテルも休業、雨風しのげる場所がない方もいます」と現状を語った。

 風俗情報サイト「シティヘブンネット」によると、性風俗従事者は全国に約36万人。中には望まぬ従事者もおり、夫のDVから逃げるために子供と家出し、性風俗で生計を立てる女性もいる。SNS上では、税金を納付していないと批判する意見もあるが、坂爪氏は「彼女たちは脱税しようとはしていない。自身が個人事業主であることを知らないことが多い。相談に来た方には、まず所得の申告を促してます」。

 終わりが見えない状況が続くが、坂爪氏は「もう生きていけないと悲観しないでほしい。自治体の生活保護や住居確保給付金など、制度を頼れば生活できる最低ラインは確保されている。悩みを抱え込まないでほしい」と早めの相談を呼びかけた。
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報知新聞社

1012チバQ:2020/05/20(水) 15:40:22
https://digital.asahi.com/articles/ASN5M6Q7DN5MUTFL00F.html?pn=4
子のため、ご飯は2日に一度 困窮ひとり親に手当増額を


有料記事 新型コロナウイルス

岡林佐和、伊藤舞虹
2020年5月20日 8時30分

 新型コロナウイルス拡大の影響でひとり親世帯などの収入が減り、食べるにも事欠く現状があるとして、支援する3団体が19日、記者会見を開き、低所得のひとり親世帯に支給される児童扶養手当を半年間、月4万円増額することなどを提案した。

「ライフライン止まった」「公園の水飲み節約」

 「想像を絶するような相談が相次いでいる。命を失っている方もいるのでは」。NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子理事長は、会見で危機感をあらわにした。「子どもがおなかがすいても食べさせるものがない」、「ライフラインがすべて止まり、死ねと言われているよう」、「子どもに食べさせるため自分のご飯は2日に一度」、「節約のため公園の水を飲んでいる」といった声が連日、寄せられているという。児童扶養手当を受給する694人に聞いたところ、新型コロナの影響で約6割が収入減になり、収入が無くなった人も11%いた。

 同法人など支援団体が提案するのは、子ども1人の場合に満額で月4万3160円が支給されている児童扶養手当について、4〜9月の半年間、月4万円(子ども1人の場合)増額するというものだ。ひとり親でなくても困窮している世帯もあることから、高校生以下の子どもがいる住民税非課税世帯への給付も求めた。低所得世帯の子どもの学習を支援するNPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長は「毎月、子どもに対してお金が出るということが親の安心につながる。継続的に支援してほしい」と話した。

手当拡充法案を野党提出 与党も前向き

 児童扶養手当の拡充をめぐっては、立憲民主、国民民主、共産、社民、日本維新の会の野党5党が関連法案を国会に提出。与党の自民、公明両党も前向きで、第2次補正予算に向けた検討が進む。加藤勝信厚生労働相は19日の会見で「(ひとり親世帯の)困難が増しているとの認識のもと、しっかりと検討していきたい」と述べた。

 子どもの貧困の問題は新型コロナウイルスの感染が拡大する前から、日本が抱える大きな社会課題として指摘されてきた。日本の子どもの相対的貧困率は2015年で13・9%で、ひとり親世帯に限ると50・8%にのぼる。

児童扶養手当 根本から見直しを

 子どもの貧困の問題に詳しい東京都立大学の阿部彩教授は「従来から貧困世帯を支えるしくみは不十分だった」と指摘。「新型コロナの緊急対策として支援策を打ち出しても、コロナが落ち着けばまた打ち切られかねない。そもそも、不測の事態があったとしても親子が貧困に陥らないよう、児童扶養手当の支給額そのものを引き上げるなど、制度を根本から見直して底上げを図るべきだ」と話す。(岡林佐和、伊藤舞虹)

1013チバQ:2020/05/23(土) 18:33:51
https://news.yahoo.co.jp/articles/cbbc5554f50acff441f8e85964b3fb0ddb76bf3d



寮追い出され、所持金わずか 追い詰められる非正規労働者 支援求める人急増
5/23(土) 7:02配信

時事通信
新型コロナウイルスの影響で仕事が見つからず、4月末に契約終了となった派遣先の寮を追い出された男性。かばんに2日分の着替えと洗面道具だけを詰め込み、寮を後にした=19日午後、横浜市中区

 新型コロナウイルスの影響で経済が厳しさを増す中、仕事を失った非正規労働者らが住まいを追い出される事例が相次いでいる。

 所持金も少なく、民間団体が東京都内で開催する食料配布には、感染拡大以降訪れる人が急増。支援者は「新たに困窮する人が出ている」と懸念を深めている。

 横浜市鶴見区で派遣労働者として働いていた男性(46)は4月上旬、月末までの契約が更新されず、会社の寮からの退去を迫られた。当初は「他に移ればよい」と楽観していたが、求人に応募しても対面での面接が受けられず、県外で探そうにも「感染拡大防止から他県の人は採用できない」と断られた。仕事を見つけられないまま、A4サイズのかばんに2日分の着替えと洗面道具だけを詰め込み、5月初めに寮を後にした。

 現在は横浜市中区の簡易宿泊所を仮住まいとしているものの、6月上旬までの宿泊料金を支払った後の所持金は8万円。新たな収入がなければ、続けて泊まることは難しいという。

 男性は生活保護を申請中だが、「約20万円の給料をもらっていたのに、いきなり生活保護になるとは思わなかった」と現実を受け止めきれない様子。「家さえあれば何とかやり直せるのに」と苦渋の表情を浮かべた。

 NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(東京)などが東京都新宿区で実施している週末の食料配布や相談会には、3月以降から参加者が急増。5月16日には通常の2倍超となる約180人が食料を受け取りに来た。

 同法人の大西連理事長は「不安定な雇用環境で働く労働者ら仕事や住居、貯蓄を失った人が来ているのでは」と指摘。「(参加者は)雇用環境が回復するまで増加するだろう」と話した。

 9日の相談会に訪れた男性(57)は、日雇い労働で生計を立て、普段はネットカフェに寝泊まりしていたが、2月ごろから仕事が急減。4月以降は収入がゼロとなったため野宿生活を送っており、雨の日はジャンパーを布団代わりに人家の軒先で寝ることもあるという。「緊急事態宣言が解除されないと状況は変わらない。仕事があればやっていけるのに」と不安を募らせた。

1014チバQ:2020/05/27(水) 18:49:53
https://news.yahoo.co.jp/articles/3b24caa47697d3ccf29d8a2ac7e495d500053c5f

新型コロナが追い打ち「月収10万円」貧しさの現実

5/27(水) 6:00配信


日経ビジネス


 日本も含めた先進国の貧しさは「目に見えない」。(写真:Shutterstock)
 数年前、40代の男性のインタビューで、思わぬ告白をされたことがあった。

 「お恥ずかしい話なんですけど……、僕、半年前はホームレスやってたんです」

【関連画像】ワーキングプア率=働いている層で世帯所得が相対的貧困線以下の人の割合。阿部彩(2018)「日本の相対的貧困率の動態:2012から2015年」科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(基礎研究(B))「「貧困学のフロンティアを構築する研究」報告書)より引用

 目の前に座っているスーツを着た男性は、ごく普通のサラリーマン。その彼から、「ホームレス」という言葉が飛び出して面食らった。というか、私は正直なところ、何の話をしてるのか一瞬分からなくなった。

 河合「えっ……と。それって……」

 男性「派遣切りにあって、次の仕事がなかなか見つからなかったんです。それで家賃も払えなくて、ひと月くらいですけどね」

 河合「で、そのあとが、今の会社ですか?」

 男性「はい。そうです。ハローワークに行くときに、昔、飲みに行ってた焼鳥屋のマスターにばったり会いましてね。『お客さんの会社で体調を崩して入院する社員がいて、時間をかけて採用してる余裕もないから仕事の一部をバイトに頼みたいと言ってた』と、すぐに連絡してくれたんです」

 河合「今、契約社員……ですよね?」

 男性「はい。バイトなのに、上司の人がすごく丁寧に仕事を教えてくれたんですよ。不思議なもんで、そうやって扱ってもらうと自分でもいろいろと工夫するようになって、ひと月後に『契約社員にならないか』って言ってくれたんです。時給が月給になったし、がんばれば正社員にもなれると言われました。生まれて初めて仕事って楽しいって思えました。僕は本当に運が良かった。ホント、運が良かったんだと思います」

 「貧困は簡単に外から見えない」。彼の話を聞き、強く実感した。

1015チバQ:2020/05/27(水) 18:50:13
●新型コロナの影響で貧困問題も表面化

 先週、NPO法人しんぐるまざあーず・ふぉーらむの赤石千衣子理事長が、新型コロナウイルスの影響で困窮するシングルマザーについてコメントしていた。その内容があまりに衝撃的で、今回は「見えない貧困」を取り上げようと思った次第である。

 赤石氏によると、4月以降、シングルマザーからの相談が急増し、「子供がおなかをすかせていても、食べさせるものがない」「公園の水や野草で空腹を満たしている」などの、驚くべき内容もあったそうだ。

 多くがパートなどの非正規で雇用されているため、自宅待機で収入が減るという人が半数以上。中には、子供の保育園が休みになったと相談したら、「だったら来なくていい」と言われたケースもあった。

 「私たちの感触では、本当にいつ悲惨な事件が起きてもおかしくない」。こうコメントしていた(5月21日付朝日新聞朝刊)。

 新型コロナウイルス感染が拡大した当初から、「今起きている問題はこれまで見ないふりをされたり、だましだましやり過ごしたりしてきた問題が表面化しただけ」と書き続けているけど、貧困問題はその1つだ。

 しかしながら、貧困問題を取り上げると、「公園の水と野草食べるなんて人、本当にいるの?」「昔の方がもっと貧しい人が多かった」というリアクションが少なくない。

 そういった意見が出てしまうのは、貧困問題を語るときに、使われる「相対的貧困」という言葉のニュアンスにあると私は考えている。つまり、「貧困っていっても、相対的貧困でしょ?」と。「その日に食べるものがなくて困ってるわけじゃないだろ」と。つまり、「相対的」という言葉が、貧しさのリアルをぼやかしてしまうのだ。

 ご承知のとおり、相対的貧困は、絶対的貧困=1日2ドル未満で生活する人々(世界銀行の定義)とは異なり、「世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分に満たない人々」のこと。平たく言うと「恥ずかしい思いをすることなく生活できる水準」にない人々を捉えたものだ。

 その水準の目安となるのが貧困ラインで、日本の場合、122万円程度になる(国民生活基礎調査)。月額にすると10万円(単身世帯の場合)。たった10万円だ。月に10万円の収入では普段から貯金するのは難しい。となれば、今回のコロナ禍のような突発的な出来事に耐えられるわけがない。

 この10万円という金額を念頭に、改めて次の数字の重みを考えてみてほしい。日本の相対的貧困率はG7(先進7カ国)でワースト2位ひとり親世帯に限るとOECD(経済協力開発機構)加盟国35カ国中ワースト1位そして、日本の母子家庭の母親の就業率は、84.5%と先進国の中でもっとも高いにもかかわらず、突出して貧困率が高く、アメリカ36%、フランス12%、英国7%に対して、日本は58%と半数を超えている(OECDの報告より)

●相談に行ったことがさらなる貧困のきっかけに

 日本も含めた先進国の貧しさは「目に見えない」。とりわけ日本では、働いているのに貧困、すなわち「ワーキングプア」が多いので、余計に見えなくなる。

 さらに、貧困の問題は「そういう人はなぜ、生活保護を受けないのだろう?」「シングルマザーの貧困は養育費をちゃんともらえばかなり解決できるのでは?」といった疑問で矮小(わいしょう)化され、個人の責任にすり替えられがちだ。

 数年前、就職氷河期に非正規社員の道を余儀なくされた人たちが、「助けて」と言えずに孤立したり、食事も取れずに餓死するという事件があった。この時代に「餓死する」とは、信じがたい出来事だが、取材する中で、生活保護の相談に行ったことが、孤立の引き金になった人がいることがわかった。

 「まだ、若いんだから、もう少しがんばって仕事探してみなさい」──。

 こう言われたことで、二度とSOSを出せなくなってしまったのだ。

 彼らは一見すると健康に見える。何よりも若い。なので、相談された人も「もう少しがんばって」と励ました。

 だが、彼らの心は既にズタズタだった。藁(わら)をもつかむ気持ちで相談にいったのに、「がんばって」と突き放され、心も体も金縛りにあったように動けなくなってしまったのだ。

1016チバQ:2020/05/27(水) 18:50:33
 実は冒頭の「僕は運が良かった」と繰り返した男性も、そのひとりだった。

 彼は地方の有名国立大学に進学しながらも、就職できずにフリーターの道に進み、結婚もできずに30歳を過ぎてしまったという。

 「正社員の経験がないと、中途採用にも応募できない。年齢的にもどんどん厳しくなり、30を過ぎると応募できる会社自体がなくなる。周りの視線も厳しくなっていきました。『落ちこぼれ』『負け組』などと、自業自得と言わんばかりのレッテルを貼られ、自己嫌悪に陥りました。俺はなんてダメな人間なんだろう、って。ホント、最悪でした」

 生活や将来への不安と、自尊心が限りなく低下し、「もうどうにでもなれ」とホームレスになったときに、たまたま出会ったのが焼鳥屋さんだった。

 弱い立場にならないと見えない景色がある。彼が「僕は運が良かった」と繰り返したのは、その景色を見た経験があったからだ。

 そして、「私たちの感触では、本当にいつ悲惨な事件が起きてもおかしくない」という赤石理事長の懸念も、その景色を実感できるからなのだろう。

●格差拡大で80年代以降先進国の貧困が問題に

 そもそも先進国が相対的貧困を貧しさの指標に用いるようになったのは、1980年以降だ。それまでは絶対的貧困の方が重視されていたのだが、先進国で格差が広がり始めたことで、相対的貧困が注目されるようになった。

 絶対的貧困が「人が生きていく上で最低限必要な生活」を主要な論点にしているのに対し、相対的貧困は「貧困がどの程度社会に容認されているのか?」という問題意識が根底にある。すなわち「広がり過ぎた格差=相対的貧困率」を捉えれば、貧困の背後に隠された低賃金の労働要因、ひとり親世帯や高齢者世帯などの家族要因、病気などの医療要因、学歴格差などの教育要因などを、時代を追って分析すれば「私たちの問題」を具体的に知ることができる。

 例えば、経済格差が拡大し始めた1995〜2001年の厚生労働省の「所得再分配調査」から所得の中央値と貧困線、貧困率を推定すると、中間層の所得水準は、1995年の284万円台から01年は262万円台に落ち込み、貧困ラインは142万から131万円と10万円低下。相対的貧困率は、15.2%から17%に上昇していたことが分かった。

 そこで95年の貧困ラインを基準にして相対的貧困率を推定したところ、01年の貧困率は20%。なんと5世帯に1世帯が貧困ライン以下という、かなり衝撃的な状況になってしまったのだ(「日本の貧困と労働に関する実証分析」橘木俊詔、浦川邦夫)。

1017チバQ:2020/05/27(水) 18:50:52
 また、過去10年間における貧困率の上昇には、「単身世帯(主に単身高齢者世帯)」「高齢者の世帯」「大人1人と子供1人の世帯」の増加が影響していていることも分かっている(「相対的貧困率等に関する調査分析結果について」平成27年12月18日)。

 日本では貧困層の約9割が働いているので、ワーキングプアの割合を年齢階級と性別に見ると、もっと「今の日本社会の問題」が分かる。

 ご覧の通り、男性のワーキングプア率は20代後半から減少し、50代になると増加に転じ70歳で急増する。一方、女性は25〜29歳では低下するがそれ以外は一貫して男性より高く、70代になるとさらに差は広がっていく。

 別の調査からは、この30年間で働き盛り世代の非正規化の問題も指摘されている。男性の25歳〜34歳では4%から14.4%に増加し、そのまま高水準が続いている。

 このような年齢別、性別格差をもたらしているのは、第1に、正規雇用と非正規雇用の賃金格差。第2に、男性と女性の雇用格差による賃金格差だ。非正規社員男性の生涯賃金は約6200万円、これは正社員の約4分の1(正社員男性=約2億3200万円。みずほ総合研究所の試算)。非正規の年収では、男性229万円に対し女性はわずか150万円になってしまうのだ。


 ……とまぁ、数字を立て続けに紹介してしまったけど、とにもかくにも貧困ラインは年収122万円。月々の所得は10万円程度。その生活が、コロナ禍で突然途切れた。今すぐにでもお金が必要なのに、なかなか届かない。いつになったら次の仕事が見つかるか分からないのに、そのあとの支援は決まっていない現状がある。

 個人的には今こそ、「ベーシックインカム(最低限所得保障)」を導入したらいいと考えている。ベーシックインカムの考え方自体は18世紀に生まれたものだが、1980年代以降、格差問題から注目され、「ピケティに次ぐ欧州の知性」と称されるオランダ人歴史学者のルトガー・ブレグマン氏により、さまざまな国で「導入実験」の機運が高まった。

 ブレグマン氏は「Poverty isn’t a lack of character, it’s a lack of cash(貧困とは人格の欠陥によるものではない。貧困は現金の欠如によるもの)」と説き、ホームレスなどは最初から怠惰だったわけではないし、貧困層が薬物をより頻繁に使用するのは、基本的欲求(寝食住)が満たされていないからだと訴えた。

●現状はベーシックインカムを再考する機会

 2年前に、こちらのコラムで取り上げ、みなさんからご意見を募集したところ、たくさんの前向きな意見、懸念点などを書いていただいた(参考コラム下記:「働かなくてもカネがもらえる」から働くんです)。

 残念ながら、サイトが変わってしまいコメント欄が削除されてしまったのでそれを見ることができないのだが、「財源の問題」が多かった。

 ならば、今こそ、困窮している人たちに焦点を絞った追加の経済対策を盛り込み、実証実験も兼ねてやってみてはどうだろうか。


河合 薫

1018チバQ:2020/05/27(水) 21:40:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/bebe1de7d067bc24c52393cf9ef3d5db42a26e52
【特集】仕事も住民票もないホームレスたちに“10万円”は届くのか...「西成・あいりん地区」で弁当配り見守る女性の活動
5/27(水) 16:51配信

MBSニュース
MBSニュース

新型コロナウイルスの感染拡大は、大阪市西成区にある日雇い労働者の街「あいりん地区」にも大きな影響を及ぼしています。日雇いの仕事が激減し、さらには住民票がないホームレスたちにどうやって10万円の給付金を支払うのか、街の現状を取材しました。

「今が一番大変」居酒屋の店主
居酒屋「集い処はな」の店主・尾崎美代子さん

大阪市西成区にある日雇い労働者の街「あいりん地区」で、居酒屋「集い処はな」を営む尾崎美代子さん。店内には手書きのメニュー表がかけられています。

「きょうのメニュー、毎日変えています。一番高いのは造りで350円、あとは300円とか200円です。」(尾崎美代子さん)

18年前に始めた店は、普段は日雇い労働者や地元の住民たちで賑わうのですが、4月以降は客足が激減しました。

「今が一番大変なんちゃう?今、大変よ。(Qお客さんは減った?)そう。(Q何割くらいの減少ですか?)半分くらいじゃない?」(尾崎さん)

店内の消毒を徹底し、客同士の距離を保って営業を続けていますが、会話はやはり新型コロナウイルス一色です。

(尾崎さん)「やっぱり第二波怖いな。また閉鎖になっているの?違うよね?」
 (男性客)「特定のクラブとかディスコだけや。」
(尾崎さん)「ふーん。」

“マスクをしていない人”が目立つ街
「あいりん地区」の様子

「あいりん地区の厳しい現状を知ってほしい」と尾崎さんが街を案内してくれました。

  (記者)「あんまりマスクしている人いないですね?」
(尾崎さん)「いないですね。『体を守らなくちゃ、大丈夫かな?』という気持ちも萎えているのかな。『それよりまず食うことだ』ということじゃないかな。」

萩之茶屋南公園(通称:三角公園)

外を歩くと、マスクをしている人はまばらで、街の中心に位置する萩之茶屋南公園(通称:三角公園)に居る人たちもほとんどがマスクをしていません。

三角公園で話を聞いた男性

男性に話を聞きました。

  (記者)「普段はマスクされますか?」
  (男性)「いや、普段は…。」
(尾崎さん)「しなきゃだめよ。」
  (男性)「第二波とか言ってますけど、この人まずいなと思ったら、僕は(その人の)風下には行かない。」

新型コロナウイルス感染拡大で“炊き出し中止”
尾崎美代子さん

この公園では長年にわたって支援団体が日雇い労働者たちのために炊き出しを行ってきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大以降は中止されています。

(尾崎さん)「毎週火曜日と土曜日に炊き出しやるんですよ。それが大体300食から400食だったんですよね。知っている人がやっているんですけど、ばーっと並ぶので、三密になるから中止になったので、結構困っている人いるんじゃないかな。」

日雇い労働者が大半を占める街ですが、多くの建設工事がストップしている影響で、今は仕事がほとんど無いといいます。ある会社の扉には「コロナの影響で仕事はありません」と張り紙が貼られていました。

  (記者)「この会社だけの話じゃない?」
(尾崎さん)「じゃないと思いますよ、うちのお客さんもそうなので。ゼネコンでも止めているところもあるでしょ。新型コロナウイルスが出たっていうので。うちのお客さんのところの現場は、中国からの資材が入らないからストップしているとか。」

1019チバQ:2020/05/27(水) 21:42:22
弁当とマスクを「無償配布」
手作りのお弁当やマスクの配布を準備する尾崎さん

厳しい生活を強いられている日雇い労働者やホームレスたちのため、尾崎さんは5月初めから手作りのお弁当とマスクの無償配布を始めました。お弁当には白米に玉子焼き、肉団子や野菜炒めなどが詰められていました。

尾崎さん、路上で次々に声をかけ、お弁当とマスクを手渡します。

(尾崎さん)「お父さん、弁当食べ。」
  (男性)「ありがとうございます」
(尾崎さん)「お父さん、野宿している?」
  (男性)「うん。」
(尾崎さん)「この辺?」
  (男性)「うん。」

(尾崎さん)「お兄さん結構若いもんな。」
  (男性)「まあまあまあ。」
(尾崎さん)「まぁ10万円もらえるように頑張りましょうね。」

最近よく話題にのぼるのは10万円の特別定額給付金についてです。

(記者)「今はお仕事は?」
(男性)「仕事なんてあるわけないやんけ。現場全部ストップしている。」
(記者)「生活保護を受けていないのですか?」
(男性)「受けたくないもん、わしにも意地があるわ。」
(記者)「10万円は大きいですよね?」
(男性)「大きいよ、トクソウ(高齢者特別清掃事業)で3万円ちょっとくらい、月に。4万円も出ない。それでわしは生活している。(10万円は)3か月分だから。」

1020チバQ:2020/05/27(水) 21:46:25
遠い10万円給付…「住民登録がない」「どこに登録しているか分からない」「定まった住所がない」
MBSニュース

政府が打ち出した、全国民に10万円を支払う特別定額給付金。対象は「4月27日時点で国内に住民登録されている人」と規定されていますが、ホームレスの中にはそもそも住民登録がない人や自分がどこに住民登録されているのかわからない人がいるのです。

住民票がどこにあるかわからないと話す男性

尾崎さんが声をかけた男性に住民票について聞いてみました。

(尾崎さん)「住民票どこやったっけ?」
  (男性)「何十年もほったらかしのまんまや。」
  (記者)「住民票がどこにあるかわかりませんか?」
  (男性)「うん、最近の住所は堺やけど。本籍地に戻っているんちゃうかな。19歳の頃からほったらかしやから。」

政府はホームレスやネットカフェ難民など住民登録されていない人について、新たに登録を行えば給付を行うとしていますが、ホームレスには住民登録できるような“定まった住所が無い”という問題があります。

“住民登録を抹消させられた”2088人
“住民登録を抹消された”と話す男性

さらに、尾崎さんは「あいりん地区には住民登録を抹消された人が大勢いる」と話します。取材中に声をかけた中にも、実際にそう話す男性もいました

かつてあいりん地区では、約45平方メートルの土地などに3000人以上の住民登録が行われていました。これは日雇い労働者が失業保険の給付を受けるためで、区役所の担当者も黙認してきたものでした。しかし2007年、大阪市は他の場所へ移さなかった2088人の住民票を削除。それ以降、新たに住所登録せずにどこにも住民票がないままのホームレスが存在しているのです。

  (記者)「(当時削除された2088人の)住民票が今も無いかもれない?」
(尾崎さん)「そうですね。それから年も経っているので、亡くなった人もいるだろうけど。」

日本共産党 清水忠史衆院議員

住民登録がない人たちにどうやって10万円を給付するのか。5月20日、国会でもこの問題が取り上げられました。

「住民登録ができないという路上生活者の方々を、どう特別定額給付金からこぼれ落ちないように支えていくのか、支援していくのかっていうのは喫緊の課題。」(日本共産党 清水忠史衆院議員)
「現に居住している市区町村と認めていただけるように、必要な支援が行われるように総務省としても取り組んでまいりたい。」(総務省 斎藤洋明政務官)

1021チバQ:2020/05/27(水) 21:46:52
「住民票無い人にも給付を」大阪市に要望書を提出
尾崎さんらが大阪市に提出した要望書

尾崎さんは現在、支援団体らと共に給付の実務を担う大阪市に対して、「住民票を持っていない人へも支給してほしい」などと要望しています。一方、大阪市は「給付金制度は国の制度で、実際に住んでいる場所に住民登録がされている人にしか給付することはできない」として、話は前に進んでいません。

尾崎美代子さん

「働いていないから、税金も払っていないし、そんな人に(給付金10万円を)やらなくていいじゃないかって思う人もいるかもしれないけど。自分の仕事に誇りを持って何十年生きてきて、何の事情かわからないけど、色んな事情で野宿になったわけだから。住民票がないともらえないかもしれないっていうのは、ものすごく理不尽だと思います。貧しい人の方が今回の新型コロナウイルスも大変なんじゃないかな。」(尾崎美代子さん)

(5月26日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)

1022チバQ:2020/05/31(日) 23:41:18
https://news.yahoo.co.jp/articles/ebcb289c89f775b12662ba72aa889227b6a6210e
コロナ失業で「所持金1000円」…生活保護の申請、各地で急増
5/31(日) 13:51配信

読売新聞オンライン
(写真:読売新聞)

 政府による緊急事態宣言が発令された4月、生活保護を申請する人が各地で急増していたことが明らかになった。外出自粛や休業で経済活動が停滞し、生活苦に陥る人が相次いでいる現状が浮かび上がった。宣言は解除されたが、経済の復調には時間がかかるとみられ、今後さらに申請者が増える可能性もある。 (田中文香、戸田貴也)

■イベント激減で警備の仕事減

 「仕事も住む場所もなく、不安だった。生活保護を受けられて安心した」。東京都内の警備会社で働いていたもののイベントの中止が相次ぎ、困窮していた男性(49)は、胸をなで下ろした。

 男性は、新型コロナウイルスの影響で警備の仕事が激減。別の仕事を探そうと3月末に会社を辞めた。ネットカフェやカプセルホテルを渡り歩きながら職探しをしていたが、4月に緊急事態宣言が発令され、転職先として期待していた企業の面接も中止に。所持金も徐々に底をつき始めた。

 東京都豊島区内の公園で行われた民間団体の相談会に参加したのを機に、区の福祉窓口に生活保護を申請した。現在は都の支援事業に頼ってビジネスホテルで暮らし、来月にはアパートに移る予定だが、仕事のめどは立っていない。

 男性は「他にも多くの失業者がいる今、仕事の奪い合いになるかもしれない」と不安を口にする。

 生活困窮の相談を受け付けるNPO法人「POSSE(ポッセ)」(東京)など18団体が5月に行った電話相談では、相談者99人の2割が「所持金は1000円以下」と答えた。20〜30歳代の若い世代からの相談が目立つという。

 職業訓練校をやめて4月から働こうと考えていた都内の男性(28)は、緊急事態宣言の影響もあって仕事が見つけられず、ネットカフェで寝泊まりを続けた。今月、生活保護の受給が決まったが、「こんなに求人がなくなるとは思わなかった」と肩を落とす。

■京都、外国人客89%減…解雇や収入減に悲鳴

 京都市では、4月の申請件数が388件と、前年比で1・4倍に増加。市観光協会が市内のホテル59施設を対象に行った調査では、3月の外国人宿泊客数が前年比で89%減少したといい、タクシー運転手や宿泊施設の清掃員、飲食店経営者らの申請が相次ぐ。「解雇された」「月収が半減した」と、窮状を訴える声が後を絶たないという。

 仙台市でも、4月の申請は前年比1・4倍の193件に増えた。相談は826件で、前年の2倍以上となっている。市によると、2011年の東日本大震災後も、収入減などで生活保護の相談に来る人はいたが、当時は全国から多くの義援金が寄せられた。同市宮城野区保護課の担当者は「今回は収入の補填(ほてん)が少なく、申請や相談はさらに増えそうだ」と語る。

■夏に申請の「第2波」か

 厚生労働省によると、収入減で家賃を支払えなくなった人に一定期間、家賃相当額を支給する「住居確保給付金」の申請は、4月に8700件に上った。こうした公的支援に頼って生活を維持する「生活保護予備軍」は多いとみられる。

 貧困問題に詳しい明治大の岡部卓専任教授は「生活保護申請の4月の急増は『第1波』で、今後貯金を取り崩して生活する人が仕事を得られず、夏に申請の『第2波』が来る可能性がある。生活保護や給付金の相談を1か所で受け付けるワンストップ窓口を市区町村に設け、国や都道府県が財政支援や職員派遣をする仕組みが必要だ」と提言している。

■車所有でも容認 厚労省通知

 今回のコロナ禍で生活保護を申請する人の中には、緊急事態宣言を受けた休業要請などで一時的に困窮に陥った人も多い。収入が戻った時にスムーズに生活を再建できるよう、厚生労働省は、通常は認めていない車や店舗などの財産の所有を例外的に認めることを決定。4月に都道府県を通じて全国の市区町村に「柔軟な容認」を求める通知を出した。同省は当面、この方針を維持するという。

 また、通常は生活保護の申請があれば、市区町村の職員らが自宅を訪問して生活状況などを調査するが、今回は訪問を通じてウイルス感染が広がるリスクを考慮し、同省は電話での調査も認めている。

1023チバQ:2020/06/01(月) 18:53:45
https://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/business/nishinippon-1000612953.html
「死にたい」コロナ雇い止め、底なし 矢面に立たされる派遣社員ら
2020/06/01 06:00西日本新聞

「死にたい」コロナ雇い止め、底なし 矢面に立たされる派遣社員ら

「死にたい」コロナ雇い止め、底なし 矢面に立たされる派遣社員ら

(西日本新聞)

 新型コロナウイルスの影響による雇用悪化が底なしの様相を呈している。厚生労働省によると、5月28日時点でコロナ関連の解雇や契約が更新されない雇い止めは見込みを含め九州7県で1356人、全国では1万5千人を超え、派遣社員らがその矢面に立たされている。企業などは休業を経て営業を再開したものの、本来の事業活動レベルには戻っておらず、事態のさらなる深刻化が懸念される。

 「『もう仕事がない』と派遣先の建設会社から言われ、寮を追い出された」(50代男性)、「仕事がなくなり、ご飯を食べるお金もない。親とも縁が切れていて頼れる人もいない。死にたい」(若い男性)-。失業者らを支援する福岡市の団体にはコロナの影響で職を失った人からの悲痛の声が連日、寄せられている。

 厚労省によると、解雇や雇い止めは、2月の282人から5月は1万2052人と大幅に増加。九州7県は、福岡447人▽佐賀89人▽長崎276人▽熊本76人▽大分109人▽宮崎62人▽鹿児島297人-だった。宿泊や飲食、製造業が多く、50人規模の大量解雇をした企業もある。

 「会社に尽くしてきたのに納得いかない」。派遣社員として九州北部の卸関係会社に勤める40代女性は、6月末での契約終了を突き付けられた。派遣社員は四半期ごとの契約が多く、7月からの四半期は、5月には更新の有無を言い渡す会社が多い。女性もその一人。事務職での契約を3カ月ごとに更新し、次回契約は7月からのはずだった。

 4月上旬に同僚が発熱で欠勤し、自身は勤務中に軽いせきが出た。熱は37度台前半。約1週間、自宅待機し、上司に在宅勤務を命じられた直後、派遣会社の担当者が自宅を訪れた。「熱が出ている人に仕事はさせられないと(派遣先が)言っている」。在宅勤務に差し支えはないと訴えたが、職場から持ち帰ったパソコンは取り上げられた。

 時給千円。ほそぼそと暮らしを営みながら、仕事は熱心にこなしてきた自負はある。「同僚は復帰したのに…。私が派遣だから真っ先に切られたのなら悔しい」と唇をかんだ。

 全国の労働局が2月に開設した特別相談窓口には、雇用調整助成金や解雇、雇い止めなどの相談件数が約54万8千件に上り、九州7県でも約6万4千件に上る。厚労省は「コロナの影響が顕在化しており、今後も増えてくると思われる」と話す。

 福岡市の飲食店の男性アルバイト(30)は、店の営業時間短縮に伴い、勤務がコロナ流行前の半分の週1〜3日に減った。最短で1時間勤務もあり、4月の給料は多い月から10万円ほど減り、1万4千円だった。

 同市中央区のハローワーク福岡中央に週2日通い、求人票に目を凝らすが、条件に見合う職はない。雇い止めなどの話を聞くたび、不安が襲う。「先が見えず、精神的にきつい。自分もいつ解雇されるか分からない」 (横田理美、小林稔子、郷達也)

1024とはずがたり:2020/06/04(木) 09:16:53
「口座ない人は反社勢力」と除外
高知市、10万円早期支給窓口で
https://this.kiji.is/641058105512051809?c=39550187727945729
2020/6/4 08:35 (JST)6/4 08:47 (JST)updated
c一般社団法人共同通信社

 国民1人に10万円を配る特別定額給付金を巡り、高知市が生活困窮者に早期支給するための特別窓口を設けた際、金融機関の口座を持たない人を「大半が暴力団などの反社会的勢力」との偏った認識で、除外したことが4日、分かった。申請書に口座がない場合に希望する別の受給手段を書く欄を設けていなかった。

 路上生活者や生活保護受給者の中にも身分証明書がなく、口座がない人はいる。実際5月1〜29日の申請期間中、十数人が訪れた。市は欄外に事情を記入することで受け付けたが、初旬には窓口をたらい回しにされた人もいた。担当者は「一部の人の申請機会を奪ったかもしれない」と不備を認めた。

1025チバQ:2020/06/04(木) 11:34:44
https://news.yahoo.co.jp/articles/f5b8db7d30c32e7c677ce48ae80fe1ec24057122

仕事失い炊き出しも減 月収3万円の路上生活者「食べられるだけマシなのか…」〈AERA〉




6/4(木) 9:00配信


AERA dot.







東京・山谷で5月下旬にあった炊き出し。新型コロナの影響で回数を増やして平日は毎日行っている。山谷周辺の炊き出しが減ったためだ(撮影/編集部・小田健司)
 緊急事態宣言が解除され、かつての「日常」が徐々に戻りつつある。一方で、雇用や教育格差などの社会の歪みは、今後、さらに表面化する可能性もある。AERA 2020年6月8日号では、コロナ禍であぶり出される格差や貧困を取材した。

*  *  *
 板で組み立てた簡易なテーブル。飯が盛られた容器が150個ほど並べられ、バケツに入った汁ものがひしゃくですくわれ次々とぶっかけられていく。

 5月22日の午前8時。東京・山谷地区の一角を訪れると、炊き出しが行われていた。路上生活者や「ドヤ」と呼ばれる簡易宿泊所に身を寄せる人たちが大勢集まっている。

「距離をとって下さい!」
「マスクがない人はいますか」

 順番を待つ人たちに男性が声をかけていた。ただ、これはいつもの風景というわけではない。

「これまで週1で日曜の午後だけやっていたんですけど、4月からは平日も毎日やるようにしたんですよ」

 炊き出しを仕切っている山谷労働者福祉会館活動委員会・山谷争議団の向井宏一郎さん(48)は、そう話す。

 向井さんによれば、新型コロナウイルスの影響で生活困窮者向けの炊き出しは各地で減った。上野などを含めて山谷の付近であった炊き出しも、3分の1ほどになったという。「密」回避のためと言えばそれまでだが、向井さんは逆に増やした。

「仕事と炊き出しの両方が止まるとどうなるか。何とかしないと命がもたない」(向井さん)

■食べられるだけマシ

 15年ほど山谷で路上生活を続けているという男性(75)も話をしてくれた。

 九州出身。生活保護は受けず、周辺で寝泊まりする。都の清掃事業に月に何度か参加し、1回7千円ほど稼いでいた。だが、緊急事態宣言が発令された翌4月8日から事業は止まった。「感染拡大防止のため」(都担当者)だった。

 男性の仕事は今、空き缶を拾って売るだけだ。キロ単価が90円程度で、コロナ前より数十円下がったという。

「1カ月で手に入る現金は3万程度、あちこちの炊き出しに出向いて何とか食いつないでいる。食べられるだけマシだと思わなきゃいけないのか……」

 福岡県北九州市で32年間にわたりホームレスの支援を続けているNPO法人「抱樸(ほうぼく)」の理事長で牧師の奥田知志(ともし)さん(56)が言う。

「ウイルスは金持ちも貧乏人も有名人も平等に感染します。ただ、そこから発生する被害は明らかに格差が出てくる。社会が以前から抱えてきた矛盾や格差、脆弱性(ぜいじゃくせい)が新型コロナのような災害時に拡張して露呈しているのです」

 路上生活者のケースでは、たちまち憲法で保障されている生存権が脅かされる。コロナ禍が社会の歪みをあぶり出しているかのようだ。

 それは、子どもの貧困問題でも同じことが言える。

■孤立しやすい貧困層

 5月下旬の夜、関東地方の母子家庭の困窮世帯で中学生と小学生の兄弟げんかがあった。母親は不在で、兄が刃物を持ち出すまでに発展した。幸い大事に至らなかったが、翌日になっても怒りが収まらない兄の様子を見て、母親が警察に届け出た。

 家族を知る関係者によれば、コロナによる学校の休校後、兄の精神状態が安定せず、母親は「最近は暴力が始まり、まずいと思っていた。次は本当に刺してしまうかもしれない、もう手に負えないと思い、通報した」と話していたという。兄は児童相談所に保護された。

 東京都の川野礼(あや)さん(31)が足立区で開いていた「あだち子ども食堂 たべるば」は、休校に伴い3月以降は区の要請もあって開けずにいる。学校も子ども食堂もない状況を憂う。

「富裕層と比べて社会との接点を持つ機会が少なく、孤立しやすいのが貧困層です」

 別の方法で支援が必要と感じ、川野さんは4月上旬までの1カ月以上、十数世帯に1日1回、昼間に弁当を届けた。それ以降は、孤立を防ぐためにiPadを公共施設から手配して特に生活が困窮している6人の子どもに貸与し、毎晩1時間ほど、テレビ会議システム「Zoom(ズーム)」で話している。

 保護者が不在の日中、子どもたちは誰とも話をしない。家庭の中のことで、よほどのことがなければ公が介入することもない。川野さんが続ける。

「数カ月間もそうした状況に置かれることの心身への影響は大きく、それはセルフネグレクトや家庭内暴力などの形で表れます。最初から学校と連携して対応できたら良かったのですが、今後の課題にしたい」

(編集部・小田健司)

※AERA 2020年6月8日号より抜粋

1026チバQ:2020/06/15(月) 18:54:58
https://news.yahoo.co.jp/articles/e16ce34388a6974942460678b1c380e3b3b6bb4e

収入減なのに出費は増える…急を要するシングルマザーへの支援
5/24(日) 8:51配信

週刊SPA!


電話相談は週2回、年間500件以上もの相談が寄せられている
 新型コロナの影響が、過去に例のないスピードで拡大している。自粛、休業、感染リスク……今は全国民が何かしらの影響を受けている状況だが、なかでも大きな被害を受けているのが、以前からギリギリの暮らしを続けていた生活困窮者たちだ。元から脆弱だった生活基盤が、一気に崩壊しかけている。

⇒【写真】企業などから寄せられた物資



助けたいのに手が出せない。追い詰められる「支援現場」
 新型コロナの感染拡大は、シングルマザー世帯への影響も甚大だ。母子世帯を支援するNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」が会員へ行ったアンケート(調査期間’20年4月2〜5日、回答数215人)では、新型コロナの影響で約半数の世帯が収入減し、6%は収入ゼロという結果になった。同法人の小森雅子氏が話す。

「シングルマザーは就労人口こそ多いものの、そのうち6割以上がパートや派遣社員などの非正規で、雇用状況はきわめて不安定です。また、収入が減る一方で、子供の休校などで出費は増える。日頃からギリギリの世帯では、少しの負担増も大きくのしかかります。『食費や光熱費が増えた』『子供の入学費用とも重なり、生活費が捻出できない』『子供の預け先がないのでパートのシフトに入れない』という声が毎日何件も届くんです」

 政府の緊急経済対策支援では、一人あたり約1万円の児童手当の加算が決定している。

「ただ、児童手当の対象は中学生まで。家計の担い手になる高校生もアルバイトの機会が減っているため、食べ盛りの子供を抱える家庭への負担は大きいままです。不安のなかで労働と育児で疲弊した親からは『子供に手を上げてしまいそう』という相談もあります」

 また、一人親の場合、感染したときのリスクも大きい。

「『私が倒れたら子供はどうすれば』という不安も寄せられています。狭い家の中で子供を放っておきながら隔離できるわけがないし、もし入院となれば身寄りがない子供はどこで預ってくれるのか」

 これまではセミナーや面会を通じた支援も行ってきたが、感染予防の観点から直接会っての手助けができない。そこで、同法人では3月の初めから一斉休校を乗りきるための食糧支援を始めた。

「全国の支援団体と共に、1100世帯にお米を送りました。また就労支援セミナーやイベントが軒並みできないので、電話相談のほかに、Zoomを使って会員同士がおしゃべりする『ママカフェ』も始めています。母親が外に助けを求める機会が減っているし、少しでも息抜きをしてほしいので」

 感染リスクとも闘いながら、支援を続けるべく知恵を絞っている。

1027チバQ:2020/06/15(月) 18:55:11

「経済的に厳しい」「親の帰宅が遅い」など、さまざまな理由で満足に食事をとれない子供たちに対し、無料や低価格で食事を提供する「子ども食堂」にも新型コロナの影響が出ている。NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」理事の釜池雄高氏が現状を話す。

「小学校の休校要請が大きなターニングポイントでした。あれによって子ども食堂を休止、もしくは延期する場所が多く出てきた。それでも3割くらいの子ども食堂は継続していたのですが、緊急事態宣言でほぼ休止に。運営者の方々のなかには『苦しんでいる人たちがいるのに、助けられない』というジレンマを抱えている方が多いと思います」

子ども食堂も休業、無念な胸中
 西東京市にある子ども食堂「おひさまキッチン」もギリギリまで活動してきた一つだ。同食堂では中学生以下は一食10円で食事を提供してきたが、緊急事態宣言を受けてついに休業。代表の大熊英樹氏が無念な胸中を語る。

「悔しいですね。やっぱり子供たちを見ているとそう簡単に休みたくなかった。ウチは貧困などに関係なく“子供たちが楽しく集まれる場所”をテーマにしていますが、やはり中には家庭環境がいいとは言えない子や、母子家庭でお母さんが働けない状態の子もいます。どうにもできない今の状況を理解していますが、一度橋を架けておいて『緊急事態だから』という理由で急にやめるのはどうしても心苦しい。『あの子たちはどうしているかな』と、考えてしまう」

 ただ、食堂は開けられなくとも、食材や弁当を家庭に配布するなど、全国各地で、子供の食を守るための動きが出始めているという。

「子ども食堂は民間から始まったフレキシブルな活動なので、その柔軟さが生きている部分もある。今後も状況に応じて、各運営団体が動くと思います」(釜池氏)

「一刻も早く子供たちの“当たり前の日常”を取り戻したい」(大熊氏)

 一人でも多くの子供が、また笑顔になれることを願うばかりだ。

●支援の問い合わせは「NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」まで。メール/cr@musubie.org
<取材・文/週刊SPA!編集部>

1028チバQ:2020/06/17(水) 19:35:14
https://news.yahoo.co.jp/articles/cccc56107080b8535db2ec6e1af5bae4d85424f1
年収300万円以下・貯金ほぼゼロでも焦りなし…まったり貧困の共通点
6/8(月) 8:53配信

週刊SPA!
※写真はイメージです

 国税庁の発表によると日本の給与所得者の平均年収は441万円だ(2018年)。しかし今、非正規雇用で平均を大きく下回る低収入、貯金もほぼないが、その現実に危機感を持つこともなく好きなことをして暮らす人が増えているという。その実態に迫った。

低価格サービスと働き方の多様化がまったり貧困を生む
 平成30年分の給与所得者の平均年収である441万円(民間給与実態統計調査)は、貧富の格差を含めた“平均値”であり、実際には年収300万円程度(あるいは下回る)の低所得者層が大きな割合を占めているのが現実。そのなかでも、貯金がほぼゼロでも好きなことをして暮らす、はたから見るといつ生活苦におちいってもおかしくない予備軍=“まったり貧困”が増えている。

 彼らに貧困の自覚はなく、むしろそこそこ楽しい現状に満足している様子が窺えるのだ。その理由を貧困問題に詳しい社会福祉士の藤田孝典氏が解説する。

「総務省が発表している『労働力調査』を見ると、非正規社員が労働者全体の約4割を占め、この割合は年々増加傾向にあります。つまり、“非正規雇用”で低賃金という働き方が当たり前になりつつあることが見て取れます。

 また、正社員でも2000年頃の氷河期世代に新卒採用された人は基本給が低く抑えられているため、年収300万円台はザラ。そして社会には、低所得者層をターゲットにした低価格のサービスや商品が溢れ、低収入でも生活するには十分な環境が整っています。結果、“低所得でも問題ない”というマインドが形成されたのです」

 加えて、長期デフレと経済の停滞で、“マシ”が蔓延し、「働けるだけマシ」と考え、低賃金でも納得する人が増えているという。

 また『労働力調査』によれば、非正規で働く主な理由としてもっとも多かったのが「自分の都合のよい時間に働きたいから」で、全体の約3割を占めた。自ら非正規雇用を選んでいる現状もあるのだ。

「終身雇用神話は崩れ去り、給料はほとんど伸びないのに責任だけが大きく、長時間労働や人事権による支配から逃れられない。そんな正社員に魅力がないと考える人は少なくありません。彼らが重要視するのは、プライベートです」

1029チバQ:2020/06/17(水) 19:35:24
まったり貧困が迎える未来は老後破産!?
 とはいえ、非正規雇用・低所得・貯金ナシで好きなことをできるのは“今”だけの話だ。

「日本の年金制度は、マイホームを持ち、老後は夫婦2人での暮らしをベースに構築されています。賃貸や独身という時点で、年金生活は成り立たなくなります。つまり、破産のリスクがあるのです」

 無自覚な貧困は、日本経済全体にも深刻な打撃を与える恐れが。

「今、中間管理職すら非正規社員が担う事例が増えています。中核的な正社員の育成を放棄すれば、当然企業の中長期的な成長はない。このままでは日本経済全体がスカスカになる危険性があります」

 では、そんなリスクを秘めた“まったり貧困”に陥りやすい人の共通点とは? これまで数多くの貧困予備軍の財務状況を改善してきたファイナンシャルプランナーの田中佑輝氏はこう語る。

「自由に使えるお金が多く、浪費癖がつきやすい実家暮らしや社宅族の独身者がまず挙げられます。続いて、“リボ払い”を利用している人も金融リテラシーが低く、貧困に陥る傾向があります。また、転職や引っ越しなどによって収支の状況が変わったのに、生活水準を変えられない人も同様です」

 最初の就職も重要だ。

「大卒なのに新卒一括採用を活用せず、非正規雇用から就職をスタートさせる人もまったり貧困化する可能性が高いですね。正社員という職位と待遇を経験して知っておいたほうがいいかと」(藤田氏)

 さらに、田中氏のところに来る相談者には、ある癖があるとか。

「『子供の養育費で』『部下には奢らなきゃいけないので』など、お金がないのを人のせいにしがちです」

 そんな“まったり貧困”の実態を収録。己の現状と比較してもらいたい。

●まったり貧困の共通点

□自由に使えるお金が多い。実家暮らしや社宅族
□生活が変化しても生活水準を変えられない
□リボ払いやキャッシングを利用している
□お金が足りないことを自分のせいではないと考えている
□大学卒業後に選んだ最初の就職が非正規雇用

【藤田孝典氏】
社会福祉士。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学心理福祉学部客員准教授。専門は現代日本の貧困問題と生活支援。著書に『棄民世代』(SB新書)など

【田中佑輝氏】
ファイナンシャルプランナー。アルファ・ファイナンシャルプランナーズ代表取締役。実践的な資産運用が好評。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』(アスコム)

<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/渡辺貴弘>

―[まったり貧困で生きる]―

1030チバQ:2020/06/17(水) 19:36:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/32707ac495c217241b66dd95f9d95593cecb62c6
非正規雇用の40代・月収20万円…それでも正社員を目指さないワケ
6/14(日) 8:55配信

週刊SPA!
鉄道に乗って旅さえできれば満足という中野さんの旅費は5泊6日で3万円ほどだという

 国税庁の発表によると2018年の日本の平均年収は441万円だ。しかし今、非正規雇用で平均を大きく下回る低収入、その現実に危機感を持つこともなく好きなことをして暮らす無自覚な貧困層が増えているという。その実態に迫った!

非正規雇用でも趣味と貯金には十分で不満ナシ
▼瀬戸際に立つ40代のまったり貧困:中野伸弘さん(仮名・42歳)

 就職氷河期に就活で失敗し、非正規雇用のまま40代を迎えている人は多い。工場で派遣社員として働く中野伸弘さん(仮名・42歳)もその一人。大学卒業後の20年間、派遣社員や契約社員として職場を転々としている。

「今の月収は20万8000円。贅沢には程遠いけど、独り身なので生活には困っていません。現状車がなくても十分生活できているし、若い頃に比べると物欲もないのでおだやかな生活ですね(笑)」

 ギャンブルも一切せず、お酒も1〜2か月に一度、外で飲む程度なのだとか。

「アルコール自体がそんなに好きじゃないので、家飲みもしません。平日は職場と家を往復するだけの生活なので、安月給でも少しずつ貯金もできていて、300万円ほどあります」

 質素な生活を送る中野さんの唯一の趣味が、鉄道を使った旅だ。

「鉄道が好きで、3日以上休みが取れるときは乗り鉄の旅に出ていました。旅といっても移動はJRの普通列車乗り放題の『青春18きっぷ』や周遊券などの割安の切符だし、泊まるのもゲストハウスやネットカフェなので出費は少なめです。今は私のような契約社員でも有休が取りやすいので、旅にも出やすいですね」

 とはいえ、中野さんの職場では、同じ仕事内容でも非正規社員と正社員とで、年収で100万円以上も差があるという。正社員を目指す気はないのだろうか?

「30代半ばまでは何度か正社員を目指して就活もしましたが、失敗続きで諦めました。逆に今は、現状を受け入れたことで精神的に楽になりましたね。それに実家を相続する予定なので、この先も住むところには困らないし、いざとなったら売ってお金にすれば大丈夫かなって。あとは非正規なら雇ってくれるところはあると思うので、老後も細々働き続けますかね」

 相続予定の実家は、一軒家で地方ながら街の中心部から近いという。物欲がなく、淡々と働き続ける意欲がある中野さんならば、低所得でも安定した老後を迎えることができそうだ。

【収入】
月収(手取り)20万8000円
――――――――――――
【支出】
家賃 5万4000円
食費 3万5000円
水道光熱費 1万5000円
通信費 1万円
趣味(鉄道) 4万円
保険料 1万5000円
雑費 2万2000円
貯金 1万7000円
――――――――――――
収入-支出の合計 0円

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[まったり貧困で生きる]―

日刊SPA!

1031チバQ:2020/06/24(水) 10:44:33
https://news.yahoo.co.jp/articles/56570aedc5303c396e635bb08ed635376ffbf582
“自粛警察”が低所得層を苦しめる…広がるコロナの被害

6/24(水) 8:45配信

 富裕の懐にも低所得の懐にも、コロナ禍が大きな波を巻き起こしている。では、こうした中で最もダメージを受けるのは果たしてどの層なのか。マクロ経済学に詳しい経済学者の飯田泰之氏は、各層への影響をこう分析する。


資産家と叩き上げの経営者で明暗
「まず資産が1億円以上ある富裕層では、資産家と叩き上げの経営者でハッキリと明暗が分かれます。株や土地を受け継いでいる代々の資産家たちは株価が下がったとはいえ、全面的に資産がなくなるような資産価格崩壊は起きていないので、致命的な状況ではない。商売をしていても一旦はたたみ、資産保持に重点を置いています」

 一方、ビジネスで成功し、富裕層までのし上がった経営者たちは梯子を外された格好だ。

「一代で富を築いた経営者などの新興富裕層たちは、稼ぎを生み出す商売がすべて止まっていますからダメージはかなり大きいです。ますます純粋な資産家と自力で稼いでいる層で差ができてしまい、上流層が二分化しています」

 活発なビジネス展開で大きな雇用を生み出す新興富裕層の没落は、経済全体にとっても影響が大きい。ただ、彼ら以上に打撃を食らっているのは中流層だと、飯田氏は指摘する。



最も深刻な被害を被るのは中流層

「中流層は固定費の比率が大きいのが特徴です。例えば夫の給料が30万円、奥さんのパート代が10万円の典型的な中流家庭では、住宅ローンは月収の3分の1程度13万円ほどが平均的。子供の養育費、生活費などを含めれば毎月20万円は黙っていても出ていく。残り20万円しか余裕資金がない場合、3割でも収入が減少すれば生活は危機的状況となります」

 夫の給料が自宅待機により2割減少し、営業自粛で妻のパート代がゼロになれば、収入はあっという間に4割減だ。

「普通の不況では徐々に給料が下がっていくので、引っ越しなどで固定費を切り詰めることができますが、ここまで鋭角に減少すると節約する時間もなく、いきなり首が絞まる。ですから、現在は中流層が一番厳しいのです」


低所得層への影響はこれから





未熟練でもOK、過去や経歴を問われない飲食店や、水商売などが縮むと、生き延びるために働いている層の受け皿がなくなるという
 一見したところ影響を受けやすいと思われがちな低所得層については、今は影響の度合いが低いと飯田氏は話す。

「低所得層はもともとお金がないので固定費も低いことは有利に働きます。ただ、営業自粛を強いられている飲食店が軒並み閉店していることはこの層に甚大な影響を及ぼします。飲食サービスのように特別な技能を必要としない、未熟練労働市場が崩壊することは由々しき問題です。同様に、スナックや風俗などの夜の店も閉店が相次いでいますが、これらは都市インフォーマルセクターと呼ばれ、未熟練で経歴を問わず働ける点で、社会に必要なバッファーでした。要するに失業者や社会的弱者の受け皿が消滅しているのです」

 リーマンショック時には、飲食サービスが少なからず派遣切りされた人々の受け皿になった。それを発端に飲食店でのブラックバイトが明るみに出たが、コロナ禍ではそれすら消滅するのだ。

「未熟練労働者を吸収してきた飲食業が縮小すれば、あぶれた労働者が他業種に殺到します。彼らは低賃金でも働かざるを得ないので、この層が従事する職種で賃金の下降圧力が強まり、じわじわ低賃金化が進む可能性があります。このような状況を鑑みると、今最も厳しいのは中流層、そしてこれから徐々に悲惨な状況に追い込まれるのが下流層と言えるでしょう」



「コロナとの共存」というマインド

 緊急事態宣言期間は営業中の店を市民が非難するなど飲食サービスへの風当たりは強かったが、こうした“自粛警察”の善意がますます低所得層の行き場を失わせるというわけだ。

「ウイルスによる死者をゼロにすることはできません。インフルエンザや結核、さらには交通事故でも毎年多数の死者が出ている。それでも我々は経済活動を続けてきたわけです。しかし、“自粛警察”や“コロナ脳”などと言われる人々はこのような視点を持たない。彼らのように異常にコロナだけを恐れる行動は極めて危険であり、社会に悪影響を及ぼしていきます。政治にもこのような大きな声だけを拾わず、経済活動を再開させる決断が求められます」

 我々には「コロナとの共存」というマインドが求められている。

【飯田泰之】
経済学者。明治大学政治経済学部准教授。経済政策、マクロ経済学が専門。著書に『日本史に学ぶマネーの論理』(PHP研究所)など

<取材・文/真島加代・片岡あけの・山中千絵・沼澤典史・松嶋千春・野中ツトム(清談社)松浦達也 撮影/遠藤修哉(本誌)写真/アフロ 時事通信社>

1032とはずがたり:2020/07/14(火) 16:25:29
名古屋の名東区役所職員刺される 刺した60代を殺人未遂容疑で現行犯逮捕 愛知県警
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0714/mai_200714_4113355020.html
7月14日(火)13時33分 毎日新聞

男性職員が刺され騒然とする名東区役所=名古屋市名東区で2020年7月14日午後1時9分、兵藤公治撮影 写真を拡大
 14日午前11時半ごろ、名古屋市名東区上社2の名東区役所で、女性職員から「男性職員が刃物で刺された」と119番があった。男性は病院に搬送されたが意識はあるという。男性を刺したのは60代の男とみられ、その場で取り押さえられ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。


 愛知県警によると、男性職員は区役所にある生活保護を取り扱う窓口の近くで、背中と足を包丁で刺されたという。【井口慎太郎】

1033チバQ:2020/07/29(水) 10:33:29
https://news.yahoo.co.jp/articles/6edd2ca8162ed5eadfe39dc5638974f8ced50518
ロナ不況で「女性の貧困」が進む。パートや派遣にしわ寄せが
7/26(日) 15:47配信


(女子SPA!)
 コロナ禍で過去最悪の状況となりつつある「女性の貧困問題」。従来からの当事者はもちろん、貧困とは無縁だったはずの女性たちも窮乏に陥っている。本企画ではコロナ禍で経済的危機に瀕している女性たちに密着取材を敢行。彼女たちの切実な胸の内に迫った――。
コロナ禍で、非正規女性がますます貧困に
 コロナ不況は、女性の貧困にどんな未来をもたらすのか。『新型コロナと貧困女子』著者・中村淳彦氏、『ルポ貧困女子』著書・飯島裕子氏、貧困の現場を数多く取材してきたノンフィクションライターの2人がリモートで対談した。

中村:もともとコロナ禍以前から女性が供給過多で「稼げる仕事」でなくなっていた風俗業ですが、コロナ禍でセーフティネットとしての機能を失いつつあります。これからは客を自分で呼べる風俗嬢しか生き残れない。風俗業界内での格差も大きくなりそうです。

飯島:もともと賃金や待遇に大きな開きのあった正規と非正規の格差が更に広がったように感じています。例えば正社員は在宅勤務なのに派遣社員には認めず、緊急事態宣言下でも出社させられたり、休業補償は出せないから有給を消化しろと言われたり。

中村:これまで放置されてきた「女性の貧困」が、コロナでより顕在化した印象もあります。

飯島:そうですね。コロナ禍中の雇用などに関する相談も来るのは6、7割が女性と聞いています。
地方の実家に帰りたくても、コロナで「帰ってくるな」
中村:ルポの事例を読んでも思うけど、女性は真面目なので何事も自分で抱え込んで貧困に陥りやすい。彼氏や親族に背負わされた借金を地道に返したり、行政に相談に行っても追い返されたらすぐに諦めたりしてしまう。

飯島:無理しないで実家に帰れば? と言う人もいますが、虐待や毒親の問題を抱えていることもある。それにコロナだと実家に高齢者がいて、帰るなと言われた人も多かったはずです。

中村:特に地方は今でも男尊女卑の傾向が強いですね。

飯島:現代においても男性が大黒柱で女性のメインは家事育児、働いても家計補助に過ぎないという役割意識は根強く、これが非正規の低待遇や低賃金に結びついています。実際は男性雇用も限界で、共稼ぎでなければ稼げない世帯も多く、シングルマザー含め女性の世帯主が非常に増えているわけですが……。

役所に行って、どんどん支援制度を活用してほしい
中村:今回、かなり意外だったのはコロナ禍で行政がさまざまな支援制度を打ち出したこと。コロナ以前の政府は新自由主義の傾向にあったので、社会的弱者は軽々と見捨てると思っていた。コロナ禍では国民の訴えが届いているように感じましたね。

飯島:どうでしょう、私は単に弱った政権が流されているだけにも見えましたが……。

中村:そういう見方もありますか。

飯島:でも、支援制度の認知が高まり、利用者が増えれば自己責任論から脱する機会にもなります。

中村:自分から動いて、もらえるものはもらうべきですよね。

飯島:はい、どんどん制度を活用して欲しい。特に若者は役所に行くという発想があまりない。行政のほうから積極的な活用を促してほしいところです。
テレワークできない仕事は女性が多い
中村:コロナ禍で社会保障に関しては「大きな政府」になりつつありますが、コロナ収束後については不透明ですね。

飯島:労働市場では格差が広がると思います。テレワークも、できる仕事とそうでない仕事がある。コロナ禍では例えばスーパーの店員や介護職などが“エッセンシャルワーカー”として注目されました。多くは女性非正規ですが、リップサービスだけで賃金や労働環境は何一つ変わりませんでした。

中村:確かにそうした業種の労働環境は改善されていくべきです。ただ、労働市場の新自由主義の流れは止められない。コロナ禍でも稼げる風俗嬢が客を自分で引っ張り生き残ったように、介護職やサービス業も個人単位で仕事や顧客を開拓していく強さが求められると思います。

飯島:にわかに同意はできませんが、善かれあしかれコロナ禍を機会に働き方が大きく変わっていくでしょう。そのなかで誰が脆弱な立場に追い込まれるのか見極め、フォローしていくことが国に求められると思います。

【中村淳彦氏】

ノンフィクションライター。貧困や介護、風俗などの社会問題を取材。著書に『新型コロナと貧困女子』(宝島社新書)

【飯島裕子氏】

ノンフィクションライター。『ビッグイシュー』等で執筆し、大学講師を務める。著書に『ルポ貧困女子』(岩波新書)

―「コロナ貧困女性」号泣ルポ―

<取材・文/週刊SPA!編集部、小野田衛、ツマミ具依、高島昌俊、吉岡俊>
女子SPA!

1034チバQ:2020/08/05(水) 00:00:36
https://diamond.jp/articles/-/242718
沖縄の貧困家庭からやる気を奪い去る「生活保護か車か」の二者択一
みわよしこ:フリーランス・ライター

ライフ・社会 生活保護のリアル〜私たちの明日は? みわよしこ
2020.7.10 4:45
災害に覆い隠される「貧困」の実態
コロナ禍に襲われた沖縄県はいま
 7月の1日から10日までの間に、多様な災厄が日本を襲った。

 2日から始まった九州豪雨は現在も続いており、範囲は中部地方まで拡大している。影響の全貌が明らかになるまでには、数週間程度の時間を要しそうだ。豪雨に襲われている地域の中には、2016年の熊本地震、2017年の九州北部豪雨、2018年の西日本豪雨の被災地も含まれている。

 9日朝には、茨城県南部を震源とする最大震度4の地震が発生している。2011年以来、日本周辺の地震や火山活動は活発化しており、6月25日には千葉県東方沖を震源とする最大震度5の地震が起こったばかりだ。6月には震度4以上の地震が7件発生しており、震源は奄美大島から十勝沖までの日本全国に分布している。

 緊急事態宣言が解除されて以降、新型コロナ感染者はジワジワと増加している。自然災害における避難も救助も、新型コロナ以前には考える必要がなかった数々の課題によって、困難化している。

 そして当然、天災は貧困をもたらす。天災は、もともと見えにくい貧困を、さらに見えにくくする。しかし、状況の理解を容易にするために留意すべきポイントは、いくつか存在する。

 今回は沖縄県を取り上げ、貧困に関連するデータを題材として、見えにくい貧困の実態を読み解いてみよう。沖縄県は貧困の深刻さで知られているが、地域による状況の違いが大きく、日本全国の縮図のような様相を呈している。沖縄県を理解することは、災害下の全国各地を理解するために役立つはずだ。

 沖縄県の深刻な貧困状況は、注目を集めやすい。しかし、必ずしもそれがデータに表れるとは限らない。たとえば生活保護率では、大阪府、北海道、高知県に続いて全国第4位である。沖縄県は第1位ではない。

 主要な背景は、大阪府では労働力の流入しやすい「寄せ場」があったこと、北海道では政策的に貧困が放置されてきたこと、高知県では高齢化と人口減少による影響と言えるだろう。沖縄県の場合、これらの要素がすべて揃っているのだが、各地域や各自治体単位で見た場合には、必ずしも明瞭ではない。

 2018年度、沖縄県の生活保護率は2.53%であった。全国の1.67%(2018年)に対して、約1.5倍に当たる。自治体別に見ると、那覇市(3.88%)と沖縄市(3.73%)が高い。しかし沖縄に限らず、生活保護率は概して都市圏で高くなりがちだ。

「車社会化」が
地方を追い詰めた
 都市圏で生活保護率が高くなる背景として、最初に考えるべきことは、生活保護のもとでは自家用車の保有や運転が認められない原則となっていることだ。むろん、自動車を保有していても、生活保護の申請はできる。また、預貯金がほぼなく、収入が生活保護基準以下なら、自動車があっても保護開始となる。

 さらに、「障害のため徒歩での移動が困難」「就労しており通勤に自動車が必要」といった理由があれば、自動車の保有が認められる。しかし、特別な理由がない場合、保護開始から半年を目処として、自動車は処分が求められることとされている。

 公共交通機関が充実している大都市圏では、車を手放しても生活は成り立つだろう。そもそも大都市圏では、一度も自動車を所有したことのない人々も珍しくない。大都市ではなくとも、ある程度は交通インフラが整備されている都市部なら、車を所有していないことによる問題は、「なんとかなるけれど、やや不便」程度のレベルに収まるかもしれない。しかし面積でいえば、日本のほとんどは、車がないと暮らせない地域である。

 ちなみに、今回の九州豪雨で深刻な被害を受けた地域の多くは、自然が豊かで風光明媚、市や郡全体では相当の生活インフラが存在するように見え、しかも人口密度は高くなく、まことに暮らしやすく見えるケースが多い。しかし、広い面積を持つ市や町の中に駅と役所と病院と銀行の集中する地域があったり、国道沿いに大規模なショッピングセンターがあったりする場合、事実上、車がなければ暮らせない。

 車があっても、高齢になって免許を返納する必要に迫られると、暮らしていけなくなる。とはいえ、公共交通網を整備するには、あまりにも面積が広すぎ、自治体に体力がなさすぎる。

1035チバQ:2020/08/05(水) 00:01:28
生活保護利用率が低い地域の
究極の選択は「生活保護か車か」
 貧困は深刻なのに、生活保護の利用が少ない地域がある場合、最初に考えるべきポイントは、「その地域では、車を手放すと暮らしていけない」という可能性だ。車を手放したら最後、就職活動を開始するために「まず車」というハードルを乗り越える必要がある。

 夜間に子どもが体調を崩すと、車で病院に連れていくこともできない。悩んだ末に救急車を依頼すると、「軽症なのに」と責められたり、逆に「なぜ、ここまで放っておいたのか」と責められたりする可能性もある。結局、「生活保護か車か」の究極の選択の末、「車はあっても生活保護以下」という厳しい生活しか選べなくなってしまう。

 しかし現在、厚労省はコロナ禍による失業や収入減少の増加を視野に入れ、生活保護のもとでの自動車の保有や処分について、条件を緩和している。自家用車は、公共交通インフラが住民の生活ニーズを満たせていないという課題を、個人や家族単位で解決する手段の1つである。生活保護世帯を含めて、低所得世帯に対しては公費による「自動車手当」があっても良いはずだ。

「生活保護は恥」という
地域の根深い思い込み
 貧困の深刻さや人口をはじめ、条件が似通っている2つの都市で、なぜか一方は生活保護率が高く、他方は低い場合もある。このような場合に考えるべきことは、「生活保護は恥」という感覚と自治体の姿勢だ。

「生活保護は恥」という意識が強い地域の小学校や中学校に通っている子どもを持つ親は、我が子が学校で生活保護を理由としたイジメに遭う可能性を考慮しなくてはならない。生活保護は世帯を単位として適用することとなっているため、「親は生活保護、子どもは他の制度で」というわけにはいかない。

 自治体は、「子どもさんのために、ぜひ生活保護を」と勧め、生活保護イジメから利用者を守ろうとする場合がある。逆に、「生活保護は恥」という地域の意識を、生活保護を利用させない方向で活用する場合もある。

 沖縄県の市部では、南城市の生活保護率が突出して低く、2018年に0.96%となっていた。ついで、豊見城市が1.16%となっている。また町村部・島しょ部の保護率は、軒並み1%台である。地域の人々に疑問をぶつけると、「この地域の人は働き者」「地域の支え合いが機能している」といった答えが返ってくることもある。しかし、「福祉を利用しにくくする方向に、何か見えにくい力が働いているのではないか」という想像も必要だろう。

就労機会が多い地域は
生活保護率も高くなる
 生活保護に対しては、「働けるのに働かない人が利用する」という偏見が非常に根強い。しかし、その偏見では決して説明できない事実がある。大都市には就労機会が多い。それなのに、大都市の生活保護率は高くなりがちなのだ。

 大都市は就労機会が多いため、地方から労働者を集めやすい。時間の経過とともに、労働者たちは高齢化する。働き盛りの時期の職場が「社保完」ではなかった場合、無年金・低年金高齢者となる。生活保護率が高くなるのは、当然の成り行きだ。

 全国的に、都市部で生活保護率が高くなる背景は、「車か生活保護か」の究極の選択を迫られないことに加え、そもそも就労機会が多いことだ。

 このことを念頭に置くと、沖縄県の中で生活保護率の高さが目立つ那覇市(3.88%)と沖縄市(3.73%)には、同様の背景がありそうだ。北海道や東北や九州や四国から、東京や大阪へと労働力が移動しやすいのと同様に、沖縄県の中では就労機会の少ない地域や島々から、那覇市や沖縄市へと労働力の移動しやすい可能性がある。生活困窮に陥った人々や支援者の話を聞くと、「可能性」ではなく、高い確率で現実である。

 都市には、都市型貧困の問題がある。都市が特有の貧困を生み出すことは、ほぼ宿命である。

1036チバQ:2020/08/05(水) 00:02:38
小さな自治体や区域ごとに
生活環境が全く異なる可能性も

本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中
 さらに細かく見ていくと、陸続きの3つの自治体の中で、1つだけ保護率が非常に低い地域があったりする。保護率が低い地域の生活環境を見てみると、物価も家賃相場も高い。その理由は、リゾート開発の進行に伴う“観光地相場”化であったりする。

 所得が比較的高い人々は、その地域に住み続けることができる。しかし所得が低い人々は、他地域で暮らしながらリゾート地域に通勤していたりする。さらに極端な事例では、リゾート開発の進行があまりにも急激なため、もともとその地域に住んでいた低所得層が、事実上、そこで暮らせなくなる。

 沖縄県では、宮古市の事例が広く知られている。しかし緩やかな形で、類似の事態が進行している地域は少なくない。そしてコロナ禍が襲い、リゾートによって得られるはずの収入が失われたわけである。

 今回の九州豪雨は、沖縄県を襲わなかった。しかし、もともと存在した地域の多様な課題を、新型コロナ禍が深刻にした。観光地や保養地として知られていた地域では、豪雨以前に新型コロナ禍による収入機会の減少があった。また、過去の災害からの復興途上にあった地域もある。そこに、新たな災害が襲った。被災状況は、雨雲のわずかな気まぐれや地形によって大きく異なる。

 一般的に、被災からの復興は、もともとの格差を拡大する。災害前の地域の状況、小さな地域や世帯や個人ごとに異なる被災状況に、復興のスピードや内容の差が重なっていくからだ。ともあれ、スピード感を持って対応したくとも、当面は困難であろう。おそらく、10年単位の時間が必要になる。

 現在すでに取り残されがちな地域や人々を、そのままに取り残すのか。現在の格差をこのまま拡大するのか。被災していない地域の人々には、考える時間がある。

(フリーランス・ライター みわよしこ)

1037とはずがたり:2020/08/21(金) 22:28:45
興味深い。

ドイツでベーシックインカム実験始まる…3年間、毎月15万円を支給。イギリスなどでも議論がスタート
8/21(金) 12:10配信https://news.yahoo.co.jp/articles/67304a061f90525a635bac8149f0be8bfab374ed
BUSINESS INSIDER JAPAN

スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相は5月、新型コロナウイルスのパンデミックにより壊滅状態となった経済を立て直す解決策として、ユニバーサル・ベーシック・インカムに言及した。

ドイツ経済研究所によるユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)研究の一環として、120人のドイツ人が3年にわたって毎月1200ユーロ(約15万円)を受け取る。

UBIは国民あるいは居住者に対して最低限必要な所得を保障する政策で、通常は政府から現金の支給という形で行われる。

暫定的なUBIは、すでにアメリカ、スペイン、デンマークなどいくつかの国で実施されている。

ドイツの研究者グループが、ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)の効果を明らかにするための実験を開始した。UBIは、国民あるいは居住者に対して最低限必要な所得を保障する政策で、通常は政府から現金の支給という形で行われる。

ドイツ経済研究所が8月18日にUBIに関する3年にわたる調査研究を開始したと、ロンドン・タイムズが19日に報じた。その一環として、120人が毎月1200ユーロ(約15万円)を受け取る。研究者はその後、1380人の現金支給を受けていない人々の体験と比較分析を行うことになると、Business Insiderでも報じた。

他の国々でも似たような議論がスタートしており、パンデミックをきっかけとしてある種のUBIをすでに導入した国もある。

ロンドン・タイムズによると、5月上旬、スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)首相は、全国民に政府から現金支給する形のUBIについて、真剣に検討すべき「時が来た」と述べた。同首相はこの件について「建設的な議論」をイギリス政府と行うとした。最終的に国家的な政策として実行するか否かはイギリス政府の判断によるからだ。

アメリカでは3月に連邦議会が「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法案(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security:CARES法)」を可決した。これは景気刺激策の一環であり、資格を満たすアメリカ国民に単発で最大1200ドルを支給するといった内容が含まれていた。だが、これでは十分ではないと指摘する議員もいる。4月には、民主党所属の連邦下院議員が、「緊急資金法案(Emergency Money for the People Act)」を提出した。これは、16歳以上で年収13万ドル未満のアメリカ国民に対し、少なくとも月に2000ドルを6カ月にわたって支給するというものだ。

スペインでは最貧層の100万世帯に対して毎月の収入を保障する計画だとロイターが報じた。同国の経済担当相、ナディア・カルビニョ(Nadia Calvino)は4月、民間テレビ局ラ・セクスタ(laSexta)に対し、政府としてはUBIを「恒久的な支援策」にしたいと語ったとBusiness Insiderが報じた。

その他の国々でも、暫定的あるいは緊急のUBIという形で同様の支援が行われている。例えばフランスでは、自営業者に最大1600ドルを支給している。香港では、6カ月にわたって労働者の給与の50%を政府が負担するとしている。デンマークでは、労働者が解雇されない限り、その給与の75%から90%を雇用者の代わりに政府が負担するとBusiness Insiderが報じた。

[原文:Germany gets a new universal basic income experiment as more countries consider cash handouts amid the pandemic]

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

1038チバQ:2020/08/26(水) 10:24:10
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb2532c252741c1fa63021d97b34b02456bcd419
「貯金は7月に尽きた」 50代女性 派遣終え5カ月 再就職めど立たず  <新型コロナと沖縄>
8/26(水) 6:04配信
205




生活が苦しくなる一方で「みんなが大変だから焦らない」と話した女性=那覇市おもろまち
 新型コロナウイルス感染症の影響が非正規労働者の不安定な雇用を直撃している。那覇市在住の50代女性は3月末に派遣の契約が切れた。求人が減る中、再就職先を見つけられずにいる。「貯金は7月に尽きた。いつ仕事に就けるか分からないから、借金は増やしたくない」。就職のめどが立たず、先行きが見えない不安を語った。 

 女性は母親と2人暮らし。20代から40代まではホテルで接客をしていたが、8年ほど前にうつ病を患い離職した。以降は生活保護を受給し、約10年かけてようやく働いたところだった。

 2019年9月から病院のデイケアで給食を作る派遣業務に従事し、20年3月末で契約満了となり退職した。感染拡大の影響で求人が減り、就職活動は難航している。以前の職場に戻ることも考えたが、感染拡大でデイケアは利用中止となり、仕事量や就業時間は半減した。「少ない時間を働くよりもスキルを身に付けたい」と別の道を考えた。

 現在、単発のバイトや日雇いの働き口を探しているが、仕事は見つからない。「スキルがないから仕事の幅も狭まる。コロナで現場も教える余裕はなく、企業は即戦力を求めている」と寂しそうに話した。

 離職を機に生活保護を申請したが、貯金や特別定額給付金で預金残高が増え、11月まで受給は先延ばしになった。同時期、県外で働く弟が派遣切りに遭った。「弟には読み書きができない障がいがある。再就職先を探すのは弟の方が大変だ」と、女性は母親の分と合わせた特別定額給付金20万円を弟に送金した。

 預金は7月に底を突いた。見かねた母親が那覇市社会福祉協議会から緊急小口資金を借り入れた。「旧盆が終わるまでの一時しのぎ」と女性はため息交じりにつぶやいた。昨年10月の消費増税、今年6月末までのキャッシュレス決済に伴うポイント還元の終了前にそれぞれ缶詰などの保存食を買い込んだ。光熱費数カ月分は手元に残している。「家賃は2カ月ごとで払うつもりだ。自分を少し追い込めば頑張れる。母の年金で食費はつなぐ。でも、家賃や光熱費は3カ月以上滞納はできない。その間に職を探さないと」と女性は前を見つめた。

 ハローワーク那覇には足しげく通っている。「冬までには仕事を見つけたい」。そう話した表情は期待と不安が入り交じっていた。 (比嘉璃子)
琉球新報社

1039チバQ:2020/08/26(水) 14:22:57
https://news.yahoo.co.jp/articles/efe50ff94442fe35d2f87887098abaa929464ac1
年収800万円男性と結婚した"セレブ妻"が築40年木造アパート暮らしに転落した顚末
8/26(水) 9:16配信
1221




電気代節約のために、やつれた表情で毛布に身を包み暖を取る - 撮影=週刊SPA! 取材班
高年収の男性と結婚し、専業主婦となっても一生安泰とは限らない。週刊SPA! 取材班が、暴力を振るう夫から逃げてレジ打ちのアルバイトをしながら一人暮らしをする元”セレブ主婦”に話を聞いた――。

 ※本稿は、吉川ばんび、週刊SPA! 取材班『年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

■結婚後22年間不自由なく暮らしてきたが…

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木村 晶さん(仮名・46歳)女性
出身/和歌山県
最終学歴/短期大学
居住地/埼玉県
居住形態/賃貸アパート
年収/120万円
職業/フリーター
雇用形態/アルバイト
婚姻状況/既婚
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 単身で暮らす女性の3人に1人が「貧困」というデータがある(国立社会保障・人口問題研究所調べ)。貧困女性といえば非正規雇用者やシングルマザーなど複雑な事情を抱えているケースが多かったが、千葉県に住む木村晶さん(仮名・46歳)は安泰と思われている専業主婦からある日、一気に転落した。

 「発端は、都内の中堅家電メーカーに勤めていた夫がリストラされたことです。夫は転職活動もむなしく20社以上落ち続け、そのストレスから私に暴力を振るうようになってしまいました。今は、夫から逃れてひとり暮らしをしています」

 結婚以来、専業主婦として22年間不自由なく暮らしてきた木村さんは、手に職をもたないまま転がり放り出されてしまったのだ。
■「24歳までに結婚を」と必死に合コンを繰り返す

 福岡県福岡市で厳格な両親に育てられたという木村さん。バブル景気を眺めて育った彼女は、「将来結婚したら専業主婦になることは当たり前だと思っていた」という。しかし、都内の短大を卒業する頃には就職氷河期に突入し、国文学科を卒業した木村さんの就活は困難を極めた。

 「6歳上の姉が話していた就活とは様子が違い、困惑しました。文系の短大卒では面接にこぎ着けることすら難しかった。でも、母親から『就活は婚活。職場で結婚相手を選び専業主婦になるべし』と教育されていたので、なりふり構わず教授に取り入り、必死で就活しました」

 希望する一部上場企業への就職は叶わなかったが、なんとか彼女は「丸の内OL」になる。

 彼女が就職した1995年当時には、女性の結婚適齢期を指す「クリスマスケーキ」という言葉があった。24歳までに売れないとダメ、25歳になると売れ残りという意味だ。

 「売れ残りの“ケーキ”になるまいと必死に合コンを繰り返しました。そして23歳の頃、5歳年上の男性と出会いました。のちの夫です。顔も学歴もまあまあいいし、中堅家電メーカーの正社員で福利厚生も充実している。この人なら私を幸せにしてくれると思い、必死でアプローチしました。交際から1年後、夜景を見ながらキスをした後、彼がひざまずいてプロポーズしてくれました。トレンディドラマのようなシチュエーションに興奮したのを覚えています」

■人もうらやむハワイ挙式で勝ち組主婦に

 友人・親戚を大勢招き、ハワイであげた挙式を「人生でいちばん幸せな日でした」と振り返り、微笑む。東京・中央区にマンションを借りると、当時の年収800万円代だったバブル世代の夫とともに、外車、高級腕時計を購入するなど、貯蓄よりも消費を優先した暮らしぶりを満喫。友人から「セレブ主婦」と揶揄されたが、木村さんは気にも留めなかった。ほどなくして第一子を妊娠すると、物欲はさらに加速していく。

 「結婚後は、夫の希望もあり家庭に入ることにしました。同期OLたちの『結婚おめでとう』という寄せ書きを見ては優越感に浸っていました。今思えば、あのとき退職せず、会社員を続けていればよかった……」

 2005年につくばエクスプレスが開業すると、夫は茨城県守谷市にある沿線の街へ引っ越しを決める。リーマン・ショックが起きるすこし前のことだった。

1040チバQ:2020/08/26(水) 14:23:16
■リーマン・ショックで夫に異変が…

 「息子も幼稚園に通う年齢になり、子育てするなら郊外のほうがよいだろうと家を購入しました。ニュータウンの中でも新築が立ち並ぶ新しい一画で、日当たりもよく庭の広い戸建て住宅です」

 しかし、転居の直後、夫の会社をリーマン・ショックの波が襲う。大口の取引先から次々と発注を取り消され、数十億円もの減収になったのだ。

 「総務部で社内改革に取り組んでいた夫は急に部署が異動になり、残業が続くようになりました。その頃から、夫の様子が徐々におかしくなりはじめました」

 夫は深夜11時すぎに帰宅すると缶酎ハイを何本も浴びるように飲みはじめ、言葉の暴力も増えていったという。木村さんの両親はすでに亡くなっており、姉は結婚して九州にいる。ママ友にも相談できず、悩みを誰にも打ち明けられないままだった。

 「翌年に、夫は都内の本社から千葉県の支社へ異動になりました。通勤時間は短くなったはずなのに、毎日『疲れた』と口にするんです。毎晩うなされるし、心配でした」

 そんな最中、息子の誕生日会を自宅で開くことになった。

 「お友達をたくさん招いて、楽しくやろうということになりました。息子はとても楽しみにしているのに、夫は仕事を優先して準備を手伝ってくれません。そこで『準備する気あるの? 』と確認すると、いきなり頰を叩かれました」

■結婚当初に夫と描いた未来予想図はすべて崩れ去った

 以降、夫は手こそあげないが、言葉の暴力は増えていった。帰宅時に風呂が沸いていない、味噌汁がぬるい、話を聞く顔の表情が気に入らない……と、難癖をつけては木村さんに乱暴な言葉を浴びせていく。コーヒーフィルターを買い忘れただけで、腕を強く摑まれて、青あざができたこともあったという。ちょうどこの頃、夫のボーナスは目に見えて減額し、経済状態はよくなかったのだが、夫はこれまでの浪費生活を改めようとはしなかった。

 「そこで家計を助けるためパートに出ることを提案したのですが、『俺の稼ぎが少ないってことか。おまえのやりくりが下手なんだよ! 』と激昂。どこに怒りのスイッチがあるのかわからない状態で、意見なんてできません。毎日、彼の一挙手一投足にビクビクしていて、落ち着く日はありませんでした」

 それでも、長く専業主婦生活を続けていた木村さんには、離婚の選択肢はなかったという。しかし、異動から1年後、ついに夫はリストラされる。その後も求職活動に失敗しては妻に暴言を繰り返す。都内の私立大学を目指していた息子は、「お父さんと一緒に暮らさなくていいならどこでもいい」と、学費が安く寮のある専門学校へ進学を決めてしまった。

 「結婚当初、夫と描いた未来予想図はすべて崩れ去ってしまいました。我が家にあったのは、理不尽な言葉の暴力と息子の失意の姿だけです。あの子は、家を出ていく日『お母さんも早く逃げないと殺されちゃうよ』と忠告してくれました」

1041チバQ:2020/08/26(水) 14:23:37
■リーマン・ショックで夫に異変が…

 「息子も幼稚園に通う年齢になり、子育てするなら郊外のほうがよいだろうと家を購入しました。ニュータウンの中でも新築が立ち並ぶ新しい一画で、日当たりもよく庭の広い戸建て住宅です」

 しかし、転居の直後、夫の会社をリーマン・ショックの波が襲う。大口の取引先から次々と発注を取り消され、数十億円もの減収になったのだ。

 「総務部で社内改革に取り組んでいた夫は急に部署が異動になり、残業が続くようになりました。その頃から、夫の様子が徐々におかしくなりはじめました」

 夫は深夜11時すぎに帰宅すると缶酎ハイを何本も浴びるように飲みはじめ、言葉の暴力も増えていったという。木村さんの両親はすでに亡くなっており、姉は結婚して九州にいる。ママ友にも相談できず、悩みを誰にも打ち明けられないままだった。

 「翌年に、夫は都内の本社から千葉県の支社へ異動になりました。通勤時間は短くなったはずなのに、毎日『疲れた』と口にするんです。毎晩うなされるし、心配でした」

 そんな最中、息子の誕生日会を自宅で開くことになった。

 「お友達をたくさん招いて、楽しくやろうということになりました。息子はとても楽しみにしているのに、夫は仕事を優先して準備を手伝ってくれません。そこで『準備する気あるの? 』と確認すると、いきなり頰を叩かれました」

■結婚当初に夫と描いた未来予想図はすべて崩れ去った

 以降、夫は手こそあげないが、言葉の暴力は増えていった。帰宅時に風呂が沸いていない、味噌汁がぬるい、話を聞く顔の表情が気に入らない……と、難癖をつけては木村さんに乱暴な言葉を浴びせていく。コーヒーフィルターを買い忘れただけで、腕を強く摑まれて、青あざができたこともあったという。ちょうどこの頃、夫のボーナスは目に見えて減額し、経済状態はよくなかったのだが、夫はこれまでの浪費生活を改めようとはしなかった。

 「そこで家計を助けるためパートに出ることを提案したのですが、『俺の稼ぎが少ないってことか。おまえのやりくりが下手なんだよ! 』と激昂。どこに怒りのスイッチがあるのかわからない状態で、意見なんてできません。毎日、彼の一挙手一投足にビクビクしていて、落ち着く日はありませんでした」

 それでも、長く専業主婦生活を続けていた木村さんには、離婚の選択肢はなかったという。しかし、異動から1年後、ついに夫はリストラされる。その後も求職活動に失敗しては妻に暴言を繰り返す。都内の私立大学を目指していた息子は、「お父さんと一緒に暮らさなくていいならどこでもいい」と、学費が安く寮のある専門学校へ進学を決めてしまった。

 「結婚当初、夫と描いた未来予想図はすべて崩れ去ってしまいました。我が家にあったのは、理不尽な言葉の暴力と息子の失意の姿だけです。あの子は、家を出ていく日『お母さんも早く逃げないと殺されちゃうよ』と忠告してくれました」

1042チバQ:2020/08/26(水) 14:25:12
https://news.yahoo.co.jp/articles/be5520b2227cf4ec77ec2e855a77e83a762dd06e
元ラガーマンの43歳が「100円で朝まで粘るマック難民」に転落したワケ
8/13(木) 11:16配信
507




取材中「疲れた」とうたた寝を始めたが、すかさず飛んできた店員に起こされていた(撮影=週刊SPA!取材班)
24時間営業のマクドナルドで寝泊まりする人たちを指す「マック難民」という言葉がある。なぜ彼らは貧困に陥ったのか。週刊SPA! 取材班がマクドナルドで暮らす43歳の日雇い労働者に話を聞いた――。

 ※本稿は、吉川ばんび、週刊SPA! 取材班『年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

■「平日は合コン、週末はクラブ」だった青春時代

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平田正治さん(仮名・43歳)男性
出身/福島県
最終学歴/大卒
居住地/東京
居住形態/ファストフードで仮眠
年収/110万円
職業/倉庫整理
雇用形態/日雇い派遣
婚姻状況/未婚
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 「マック難民」をご存知だろうか。2006年、ハンバーガーショップ「マクドナルド」が24時間営業を始めた頃に、ネットカフェより安いと“ホームレス未満”の貧困者たちが利用し始めて普及した言葉だ。2019年にはヒット映画『天気の子』でも、主人公がマクドナルドを漂流するシーンが描かれ、“見えない貧困”として現在も続いている問題のひとつである。

 2020年の1月、深夜11時、豊島区の繁華街にあるマクドナルドの片隅で、カラになったロゴ入りカップと、水の入った紙コップをいくつも並べたテーブルに頬杖をつき、平田正治さん(仮名・43歳)が取材に応じてくれた。

 「もともと自分はラガーマン。高校、大学とラグビーに打ち込み、名門校に推薦で入学できました。練習は本当にキツくて大変でしたが、平日は合コン、週末はクラブで遊んで彼女の家で眠る。あの青春時代が、自分の人生のピークだったかもしれませんね」

 強靭な肉体とメンタルが自慢の体育会系……だった。だが、現在は見る影もないほどに痩せ細った体形。聞けば、「この5年で20kgは痩せてしまった」という。
■パワハラ上司に目をつけられ、うつ病に

 「今振り返れば、働いた会社はだいたいがブラック企業でした。25歳で転職した飲食チェーン店では、毎日3〜4時間のサービス残業があり、休日出勤は当たり前。激務に疲れて脱落していく同僚もいましたが、自分は必死で耐え抜いた。でも、35歳のときに転職した、建築資材を扱う『B社』でパワハラ上司に目をつけられてしまったのが運の尽きでした」

 体の大きな平田さんが、体を丸めて頭を下げるほど、上司は上機嫌になったという。毎日のように無理難題を吹っかけられて、転職3年目で心が耐え切れず、平田さんは精神科でうつ病と診断される。

 「産業医の勧めもあり異動願を申請しようとすると、その上司に『俺の査定に響くからこのまま退職しろ』と脅されました。もう一切関わりたくないと思い、言われるがままに依願退職。当時は会社の寮に住んでいたので、住む家まで失ってしまったんです」

■貧困シェアハウスで摩耗する心

 4年前、39歳の平田さんは「すべてを変えたかった」と一念発起して上京。就職活動には新しい住所が必要と、東京都文京区にある古い戸建てを改装したシェアハウスに移り住んだ。8畳一室を薄いベニヤ板で4つに仕切った共同部屋。ひとり用スペースは布団一枚程度で、家賃は月2万5000円プラス光熱費だった。

 「築50年はたっていそうな古い家なので、隙間風がひどかった。僕がいたのは窓際の区画だったので、窓からの冷気で布団が冷え、なかなか眠れませんでした」

 このシェアハウスには年配のフリーターや日雇い労働者が多く、困窮して精神がすり減っているからか、トラブルがよく起きた。平田さんはかつての体育会系の勇ましさは消えて、「すいません」が口癖になっていたと話す。

 「ほかの住人たちがなかなか清掃をしないので、注意をしたら『殺すぞ』と凄まれたこともありました。怖かったですよ。次第にほかのシェアハウスのメンバーに無視されるようになり、風呂の順番を抜かされたり、冷蔵庫の食料を勝手に食われたりするなど嫌がらせが続いたので、半年ほどでシェアハウスを出ることにしました」

1043チバQ:2020/08/26(水) 14:25:32
 まだパワハラによるうつ状態から回復していなかった平田さんにとって、狭い家で見知らぬ人と暮らすという行為はハードルが高すぎた。狭い部屋で暮らしたおかげで、家財道具は片手で持てるほどに減っていた。運悪く、貯金が底をついたこともあり、一時的にネットカフェで暮らした。

 「日雇いをしながらネットカフェを利用しましたが、ここも長くは続きませんでした。そして肌寒い11月の深夜、寝場所を探してたどり着いたのは、明るくて暖かなマクドナルドでした。店内には、楽しそうに談笑する若者グループの脇で、帽子を目深に被って、ひっそりと携帯電話を眺める男が数人いました。前にテレビで観たことがあったんですよね。『行くあてのない者たちが深夜のマックで過ごす』という内容のドキュメンタリーを。あぁ、俺もそうしようと思ったんです」

 うつむいて席に着く彼らの様子に、流転の日々を送っていた平田さんはなぜか故郷に帰るような安堵を感じたという。

1044チバQ:2020/08/26(水) 14:26:10
 まだパワハラによるうつ状態から回復していなかった平田さんにとって、狭い家で見知らぬ人と暮らすという行為はハードルが高すぎた。狭い部屋で暮らしたおかげで、家財道具は片手で持てるほどに減っていた。運悪く、貯金が底をついたこともあり、一時的にネットカフェで暮らした。

 「日雇いをしながらネットカフェを利用しましたが、ここも長くは続きませんでした。そして肌寒い11月の深夜、寝場所を探してたどり着いたのは、明るくて暖かなマクドナルドでした。店内には、楽しそうに談笑する若者グループの脇で、帽子を目深に被って、ひっそりと携帯電話を眺める男が数人いました。前にテレビで観たことがあったんですよね。『行くあてのない者たちが深夜のマックで過ごす』という内容のドキュメンタリーを。あぁ、俺もそうしようと思ったんです」

 うつむいて席に着く彼らの様子に、流転の日々を送っていた平田さんはなぜか故郷に帰るような安堵を感じたという。

■日雇い派遣で働きマクドナルドで寝起き

 「マクドナルドはWi-Fiも使えるし、充電もできる。日中はここに座って、携帯電話で日雇いバイトを検索します。年収は、頑張っても110万円ぐらいでしょうか。時給が高い深夜の日雇い仕事を入れたいんですけど、なかなか巡り合えなくて。仕事のない夜は、24時間営業の店で100円バーガーと水だけで過ごします」

 日雇いバイトの内容は多岐にわたっており、都内であればイベント会場の警備から菓子の袋詰めまでさまざまだ。しかし、うつ病を抱えコミュニケーション能力に自信のない平田さんは、女性や若者の多い職場を避けていて、選択肢が少ない。棚卸しや梱包、警備といった職種を狙って応募を続けている。

 「でも、贅沢は言ってられませんよね。女性が多そうな仕事に行くときは、コインランドリーに併設されるシャワーで、溜まった汚れを落とすように気をつけています。家がないと知られたくないですし、衣服が汚れすぎているとマクドナルドにも居づらいですからね」

 当初は、せっかく上京したのだからと渋谷センター街の店で寝起きしていたが、ここも、うつ思考のため移動を迫られることになる。

 「早朝、机に突っ伏して寝ていると『大丈夫ですか? 』と声をかけてくるボランティアがいるんですよ。僕は初対面で身の上話なんてできないから、気安く確認してほしくない。ああいうの、疲れるから苦手なんです」

 そこで、渋谷に比べて比較的穏やかな下北沢のマクドナルドを“定宿”にした。しかし、平田さんのほかにも店内で寝泊まりする難民客が増えたせいか、半年前、深夜は寝転がる広さのシート席に座れないように変更になったという。

 「マック難民への目は厳しくなっていて、ほかの店舗でも次々と24時間営業を中止しています。横になると店員に起こされるから、寝るときはリュックを枕代わりに座ったまま寝たりします。おかげで、首も肩もボロボロです」

1045チバQ:2020/08/26(水) 14:26:55
■「足を伸ばして眠れることがどれだけありがたいことだったか」

 心身の消耗が激しい平田さんに生活保護など行政に頼る方法を提案すると、冷めた瞳でため息をつき、「何度か申請には行ったんですよ」と打ち明ける。

 「生活保護を申請しても、親類を頼れといって門前払いです。前職の給与は基本給が低かったため、失業保険もすずめの涙。失業してからこの状況に落ちてくるまでの間、どこかでひっかかることのできるセーフティネットがあれば頼りたかった。俺だって就職したい気持ちはある。でも、状況的にできないんですよ。最近は日雇い仕事にもありつけていない。『足を伸ばして眠れる』ことがどれだけありがたいことだったか、身に染みています」

 絶体絶命のサバイバル生活。平田さんは今日も、断崖絶壁の上を歩き続けている。
週刊SPA!取材班

1046チバQ:2020/08/26(水) 14:57:04
https://news.yahoo.co.jp/articles/70ea1ecc27a230318d1bdf2bde5fe922b7327371
非正規労働者がコロナ不況の餌食に。シフトを減らされ給与もカット…
8/24(月) 15:54配信
25




(日刊SPA!)
 緊急事態宣言が解除され、経済活動が再開されたら一段落……そんな安心感は幻想にすぎない。経済対策の効果が切れ、企業の体力が尽き、大量の失業者が生まれる「雇用崩壊」はむしろこれから本格化する。リーマンショックをはるかに超える「コロナ氷河期」。その最悪のシナリオと生き残る術を探っていく。
すでにコロナ氷河期の真っただ中にいる「非正規労働者」
 秋冬以降にリストラ、倒産、失業の波が押し寄せるコロナ氷河期だが、「非正規労働者の元には、すでに氷河期が訪れている」とは労働相談に取り組むNPO「POSSE」代表の今野晴貴氏。

「連携する『総合サポートユニオン』と合わせて年間1500件ほどの労働相談に対応してきましたが、今年は2〜5月末までにすでに約3000件の相談がコロナ関連だけで寄せられています。主な相談は『休業手当関連』『解雇・雇い止め』『3密下での危険な労働』の3点。相談者で最も多いのは40代の女性で飲食や観光といったサービス業が中心ですが、必ずしもそれだけというわけではなく、幅広い業種・年代に影響が出ています」

 同じく生活困窮者を支援するNPO「生活サポートセンター・もやい」にも相談が殺到していると同NPO理事長の大西連氏。

「4〜5月にかけて直接の相談が400人、電話・メールを合わせれば約1000人が生活困窮を訴えてきました。相談日や窓口を倍近くに増やして対応しましたが、こちらも人員的にはギリギリです。相談者はリーマンショックのときは製造業が中心でしたが、今回は業種も年代もさまざまですね」

 5月25日に緊急事態宣言が全面解除されて以降は、一段落したのだろうか?

「休業申請については、一時に比べれば落ち着きましたが、コロナ以前のようには働けない。今度はシフトを減らされたり、給与をカットされたという相談が増えています。もともと非正規労働者には経済的な余裕がありませんから、死活問題です」

 想定外の事態に国の支援も瀬戸際だと大西氏。

「厚労省の貸付事業に携わる全国社会福祉協議会の発表によれば、生計維持の特例貸付が始まった3月25日〜5月30日までの時点で約38万件の申請がありました。東日本大震災が起こった’11年の一年間の申請件数が約7万件。今回は2か月で5倍以上の申請があったことになります」

1047チバQ:2020/08/26(水) 14:57:22
最悪、借金を抱えながら生活保護
 この貸し付け、無利子ではあるが返済の義務がある。

「ですから、もし第2波が来た場合は最悪、借金を抱えながら生活保護を受けることになる。企業も限界で、社会福祉の現場も限界。今後、リストラや倒産などで非正規労働者だけでなく正社員にも生活困窮の波が押し寄せれば、社会福祉が崩壊するのではないかという危機感があります」

 福祉の現場はすでに手いっぱい。正社員が凍りつく頃には、受け皿が粉々になっている可能性もある。

【POSSE代表 今野晴貴氏】
ブラック企業対策プロジェクト共同代表。著書『ブラック企業』で大佛次郎論壇賞を受賞。新著に『ストライキ2.0 ブラック企業と闘う武器』(集英社新書)

【自立生活サポートセンター・もやい 大西連氏】
同NPO理事長。’10年よりもやいの活動に参加し、’14年より現職。新宿ごはんプラス共同代表。著書に『絶望しないための貧困学』(ポプラ社)など

取材・文/藤村はるな、谷口伸仁、藤野綾子

―[コロナ氷河期の衝撃]―
日刊SPA!

1048チバQ:2020/08/26(水) 14:58:16
https://news.yahoo.co.jp/articles/802098e8b862b67dcb4457777c33ed9acdf10fba
コロナ氷河期、30〜40代サラリーマンが生き残るためのキーワードとは?
7/28(火) 15:51配信
9




(日刊SPA!)
 緊急事態宣言が解除され、経済活動が再開されたら一段落……そんな安心感は幻想にすぎない。経済対策の効果が切れ、企業の体力が尽き、大量の失業者が生まれる「雇用崩壊」はむしろこれから本格化する。リーマンショックをはるかに超える「コロナ氷河期」。その最悪のシナリオと生き残る術を探っていく。
現役世代が生き残るには、「付加価値」がキーワード
 取材した識者が口を揃えたのが、「コロナ氷河期では10年かけて起こる予定だった変化が1年で起こる」ということ。人材育成コンサルタント・片桐あい氏は「この変化についていけない人と対応できる人で二極化していく」と予測する。

「まず身につけておくべきは、自分の成果をいかに可視化するかという“成果アピール力”。成果で評価するジョブ型雇用が浸透するということは、逆に成果が出なければ簡単にクビを切られるということ。日本では組織の調和を優先して個人の成果をアピールすることが好ましくないとする傾向もありますが、上司の顔を立てれば出世できる世界ではなくなります」

 片桐氏の周囲では、「労働時間の“量”でアピールしていた人が、テレワークでどうアピールすればいいのか悩んでいた」というが、それこそ本末転倒だと指摘。

「仕事の目標やゴールが変わったわけではないのに、上司に働いている姿を見せていないと認めてもらえないという働き方がそもそもの間違い。成果を出すということは、言われた以上に付加価値を加えて返せるということ。組織のために自分の強みを惜しげもなく投資し、成果を出して貢献する。そうした仕事の成果を誇れないというのであれば、それは会社にただぶら下がっているだけの人です」

 この点で、「仕事はカネのため」と割り切りすぎるのは危険だとも。組織人事コンサルタント・曽和利光氏は語る。

「ワークライフバランスは大切ですが、だからといって『与えられた仕事だけこなす』『給料分だけ働く』というのは極端。そもそもその『給料分』が、成果という質ではなく、労働時間という量に依存した話になりがちです。

 これからは会社員といえども、フリーランスに近いマインドが必要になる。どんな仕事に取り組み、どんな過程を踏んでいるかをアピールしつつ、最終的に成果物で周囲を納得させる。こうした仕事への向き合い方ができる人は、テレワークにもすんなり対応しています」

 テレワークで問われるのは「仕事のやり方」ではなく、実は「仕事への向き合い方」なのだ。

「逆に、そのマインドになっていないローパフォーマーに限って出社したがる。最悪のシナリオは、そうした人が集まってオフィスという密室で意思決定や合意形成が進んでしまい、その会社自体がコロナ氷河期で淘汰されてしまうことです」(曽和氏)

1049チバQ:2020/08/26(水) 14:58:36
現役世代の管理職に求められる人材は?
 だからこそ、現役世代の管理職に求められるのは、「理性的かつフェアで、情報共有の場づくりができる人材」だと片桐氏。

「出社、テレワークにかかわらず、社員が情報発信をしやすい場をつくれる人。そして、各人の成果を公平に評価し、それを上役に正当に報告できる人。こうした上司がいれば、そのチーム全体のモチベーションが高まり、信頼関係によって生産性が向上します」

 仏頂面で周囲を威圧し、手柄だけ横取りするような化石上司は、コロナ氷河期によって絶滅する。

▼コロナ氷河期で生き残る人
・ジョブ型移行にも柔軟に対応。仕事の成果をアピールできる
・自分の強みを仕事に投資し、付加価値を創出して貢献できる
・情報発信しやすい場をつくり、理性的でフェアな評価ができる

▼コロナ氷河期サバイバルの心得
・仕事のゴールとプロセスを開示し、周囲にアピールしつつ成果を出す
・仕事の「やり方」より「向き合い方」。単純労働から脱却すべし
・テレワーク組を放置して、出社組の村社会と化せば、会社ごと潰れる

【人材育成コンサルタント・片桐あい氏】
カスタマーズ・ファースト代表取締役、産業カウンセラー。外資系企業を経て独立。著書に『これからのテレワーク 新しい時代の働き方』(自由国民社)

【組織人事コンサルタント・曽和利光氏】
人材研究所代表取締役社長。リクルートの人事採用部門を経てさまざまな業種の人事・採用部門の責任者を担当。著書に『コミュ障のための面接戦略』(星海社)など

<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/サダ>

―[コロナ氷河期の衝撃]―
日刊SPA!

1050とはずがたり:2020/08/31(月) 22:09:30
「好きな酒のためなら」 西成で障害者ら造るビール人気
2020/08/27 15:00
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/bizskills/ASN8W365SN70PTIL008.html

1051チバQ:2020/09/11(金) 11:21:56
https://news.yahoo.co.jp/articles/8529e48fd932cccbef6c43fb84988be4e5394aaf
「食費切り詰めるしか…」40年続けた仕事失った80歳 コロナで貧困直面の高齢者
9/11(金) 10:16配信




8月のお盆前に福岡県高齢者能力活用センターで求職の相談をした元試食販売員の女性(手前)。仕事はまだ見つからない
 新型コロナウイルスの流行が高齢者の就労に深刻な影を落としている。全国の65歳以上の完全失業者数は7月まで6カ月連続で15万人超を記録。コロナ禍以前の13万人前後から急増した。高齢者は非正規雇用の割合が高いため解雇されやすい上、細った求人枠も下の世代に流れがち。感染への不安から求職活動をためらうケースも少なくないとされ、老後資金に乏しい人が収入源を断たれて貧困に陥る懸念が強まっている。

【動画】「涙が出た」コロナ終息願う動画、ネットで話題に

 「食費を切り詰めるしか…」。40年以上、なりわいとしたスーパーの試食販売員の職を失った女性(80)=福岡市南区=は漏らす。

 新型コロナの感染拡大で試食提供が難しくなり、3月に派遣元から休業を言い渡され、退職。すぐ職探しをしたかったが、高齢で感染すれば重症化しやすいと聞き、家にこもった。ようやく8月から求職を始めたが、年齢が壁となり新しい働き口は見つからない。

 夫を早くに亡くし、一人で娘と息子を育て上げた。貯蓄は家族の借金返済などに充ててきた。それでも、月7万円の年金と月10万〜15万円の給与で生活は困らなかった。だが、職を失ってからは一変。預金は底を突き、先月の家賃は滞納している。「接客は得意だし、体も元気。仕事がしたくてたまらない」

    ◇   ◇

 「人生100年時代」を掲げる安倍政権下、高齢者の雇用情勢も改善が続いた。総務省によると、2019年の65歳以上の就業者は892万人。12年から毎年37万〜55万人増え、1・5倍に増加した。だが、今年は7月時点で897万人にとどまっており、伸びの鈍化は明らかだ。新型コロナの収束が見えない中、2〜7月の完全失業者数も15万〜17万人と、過去10年と比べても高水準で推移する。

 高齢就労者の8割は、雇用の「調整弁」になりがちな非正規。企業の業績悪化に伴い、切られやすい立場にある。「その上、若い人たちが職にあぶれたことで高齢者がより働きづらくなっている」。主に60歳以上の就職を支援する公益社団法人「福岡県高齢者能力活用センター」(福岡市)はこう指摘する。

 コロナ禍以前、雇用の受け皿となってきた小売業にも陰りが見える。福岡県内のあるスーパーでは、毎月20人あった新規求人が4月以降、半数以下に。同センターの担当者は、スーパー側から「若い方がいい」と採用枠の大半を若い世代に切り替えたことを告げられた。7月の高齢者向けの就職講座には、想定の1・6倍の約80人が参加した。

 シルバー人材センターは家事や介護補助などの仕事を提供しているが、同県内各センターの4〜7月の入会者は1003人で前年同期に比べ475人減少。一方で、退会者は1769人で84人増えた。

 公益社団法人「福岡県シルバー人材センター連合会」は「感染を恐れたり、家族に仕事を控えるよう諭されたりして諦める人は多い。培った知恵や経験が生かされないのは残念だ」としている。 (大坪拓也)
「地域や自治体の目配り必要」
 戎野淑子立正大教授(労使関係論)の話 就業を諦め、年金で生活をつなぐ高齢者は貧困に陥っても顕在化しづらく、地域や自治体の目配りが必要だ。リモートワークなど新たな働き方に高齢者が対応し、能力を発揮できるよう就労支援の充実も求められる。
高齢者の就労状況
 2018年の就業者総数のうち高齢者は12.9%を占め、産業別では卸売業、小売業が127万人で最多。高年齢者雇用安定法は企業に65歳までの雇用継続制度の導入を義務付けており、法改正で21年4月からは70歳まで就業機会を確保することが努力義務化される。

1052チバQ:2020/09/14(月) 13:10:44
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ae51faaaa238875f02fafe8ab8b7f53ae29dfe2

年金減額、消費増税、非正規雇用増… 生活弱者、一層苦しく 安倍政権7年8カ月




9/14(月) 6:05配信



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北海道新聞







札幌市東区の女性が付けている家計簿。「記入していると涙が出る時がある」
 公的年金の減額や消費税増税、非正規雇用の急増―。2012年12月に誕生し、歴代最長となった第2次安倍政権の政策は、道民の暮らしにどう影響したのか。高齢になっても働かざるを得ない年金受給者や、正社員になれず低賃金にあえぐ労働者ら、厳しい生活環境に置かれている人々の「7年8カ月」をみた。



首相の「成果」実感せず
 「暮らしは守られるどころか苦しくなった」。札幌市東区の女性(74)はそう漏らす。

 NPO法人で長年働く。政権発足時に年金受給者となったのを機に、年金を生活費に充て、給与を貯金しようと考えた。トラック運転手として働きづめだった夫(77)と少しでも余裕のある老後を過ごすためだ。

 だが現実は違った。年金から天引きされる介護保険料は2割増えた。医療保険料も適用されていた低所得世帯向け軽減措置が無くなり、消費税率は10%に。一方、年金は15年度以降に少子高齢化などを理由に計3回、支給額が抑制された。

 4年前に夫が脳梗塞で倒れた。月約10万円の年金は、夫の介護施設利用料も引かれて半分以上が消える。女性は法人からの給与と手元に残る年金の計12万〜13万円から、夫の治療費や生活費を捻出する。

 安倍晋三首相は昨年の所信表明演説で「1億総活躍社会」を掲げ「意欲ある高齢者の皆さんに70歳までの就業機会を確保します」と強調した。だが、女性は「意欲ではなく、生きていけないから仕事を辞められない。口先で良い印象を浸透させ、現実を覆い隠そうとしている」と憤る。

 首相は辞任表明時、「400万人超の雇用を生み出した」と成果を誇った。18年の働き方改革関連法の成立時には「非正規という言葉を一掃する」と宣言。だが生み出された雇用の大半は、12〜19年に約350万人も増加した非正規だ。

 「卒業して以来、私の給料ってずっと同じなんです」。札幌市の契約社員の40代女性はつぶやく。

 「就職氷河期」の02年に専門学校を卒業後、市内の手芸店でアルバイトを続けた。5年後に正社員になったが「固定給になっただけで、ボーナスも無かった」。2年前、パソコン関連企業で契約社員になった。週5日働き、月給は約14万円。時給換算で最低賃金程度の暮らしが20年間、続く。

 政府は昨年、就職氷河期世代の非正規労働者を支援し、正規労働者を30万人増やすと表明。女性も正規雇用の希望を会社に伝えたが、取り合ってもらえなかった。「企業は私たちのような駒をそろえておきたいだけ。国の政策も『はりぼて』ばかり」と諦め顔だ。

1053チバQ:2020/09/23(水) 11:24:19
https://news.yahoo.co.jp/articles/66c070ab4019828ac93084167841e4f7f9b2adb8
「貯金崩しているが…」大企業の非正規、国の支援置き去り
9/23(水) 9:44配信



制度の改正を求める声も

全国展開の飲食店に勤務する九州出身の男性は「この先どうなるのか。不安と焦燥感でいっぱい」と話した=8日午後、東京都内
 全国展開の大手飲食店などで働く非正規労働者が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業手当を受け取れない事態が置き去りになっている。企業側が負担感から支払いをためらうケースや、シフト制で勤務日が定まっていないことを理由に休業扱いにされないケースもあるという。労働者に直接支援金を給付する制度が7月に創設されたが、「大企業」は対象外。制度の改正を求める声も上がる。

【動画】「涙が出た」コロナ終息願う動画、ネットで話題に

 「どうやって生活していったらいいのか…」

 福岡や佐賀などにも展開する大手飲食店の東京都内の店舗で、アルバイトとして働く20代男性は話した。店は緊急事態宣言中の4〜5月は休業。6月に営業再開したものの、感染再拡大もあってシフトは半分以下に減らされた。もうすぐ振り込まれる8月の給料は、コロナ禍前の約20万円から激減し、2万円ほどになる見込みという。

 休業手当はシフトが決まっていた4月分に限り、6万円を受け取った。それ以降は「休業や時短営業は会社のせいではない」として拒まれている。支払いを求め続けるとシフトに入れてもらえなくなった。「貯金を崩して生活しているが、2〜3カ月で尽きる。不安でいっぱい」と漏らした。
 国は企業に休業手当の支払いを促すため、雇用調整助成金の対象に非正規労働者も加え、大企業への助成率を2分の1から最大4分の3まで拡充した。ただ、飲食業界は内部留保が少ないとされる。新型コロナの影響が長期化する中でコスト増を避けるため、支払いをためらうケースが少なくないという。

 労働政策研究・研修機構の調査では、勤務先から休業を指示された603人の24%に当たる145人が「休業手当が全く支払われていない」と回答。そのうち約70%を非正規労働者が占めた。業種別では飲食店、宿泊業が多かった。
 厚生労働省によると、労働基準法は企業の都合で休業した場合に手当の支払いを義務付けているが、緊急事態宣言や自治体の要請に基づく休業はこれに当たらない可能性もある。シフト制の非正規労働者は勤務日が確定していないため、企業に支払い義務があるとは言えず、労働基準監督署による指導も難しいという。

 7月、休業手当を受け取れない労働者に賃金の8割を直接給付する「休業支援金」制度が始まったが、対象は中小企業に限られる。労働組合「首都圏青年ユニオン」(東京)の担当者は「大企業20〜30社の従業員から相談を受けている。全国展開の飲食店は1社につき千人単位で非正規を抱えており、支援から漏れている人は数万人に上る可能性がある。正社員にだけ休業手当を払うなど非正規差別もある。国は休業支援金の対象を見直すべきだ」と話す。 (久知邦)

1054チバQ:2020/09/23(水) 11:25:06
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/643390/
「2日に1食が当たり前」働く女性の悲痛な声 コロナで解雇や雇い止め
2020/9/10 6:00 (2020/9/11 11:46 更新)
西日本新聞 一面 久 知邦
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働く人の5割が非正規、男性の2.5倍
 新型コロナウイルスの感染拡大が、働く女性に深刻な影響を与えている。女性は雇用者に占める非正規の割合が5割超と男性の約2・5倍高く、飲食店の休業などで解雇や雇い止めとなるケースが目立つ。女性の非正規労働は、アベノミクスの「雇用創出」を支えてきたが、コロナ禍で「雇用の調整弁」とされている実態が鮮明になった。専門家は「男女間の構造的な格差が改めてあぶり出された」と指摘する。
 「仕事が減り、この先どう生きていけばいいのか。子どもたちには2食で我慢してもらい、私は2日に1食が当たり前です」
 シングルマザーを支援するNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ(東京)には、母親からの悲痛な相談が相次いで寄せられている。同法人などが7月に実施した調査では、母子世帯1388人のうち61・5%が非正規で、半数が収入が減少したと回答。平均月収はコロナ禍前から1万2千円減り、10万9千円だったという。
 厚生労働省の集計では、感染拡大に関連する解雇や雇い止めは見込みも含め5万2500人を超えている。同NPOの調査に協力した立教大の湯沢直美教授(社会福祉学)は「生活難で子どもの学費のための貯金がなくなったという声もある。進学断念などで格差が拡大し、固定化する恐れがある」と懸念する。

 苦しいのは母子世帯に限らない。総務省によると、政府が緊急事態宣言を出した4月、国内の雇用者数は7年4カ月ぶりに減少に転じた。男性が前年比3万人減だったのに対し、女性は10倍以上多い34万人減。感染拡大の影響が女性に顕著に表れたのは、国内の非正規雇用者(約2千万人)の7割近くを女性が占めるためだと考えられる。
 個人で加入できる労働組合、総合サポートユニオン(東京)に2月末から寄せられている相談も約3千件の6割が女性だ。休業を余儀なくされた飲食、サービス業などの従事者が多い上に、学校が休校になった子どもの世話のために仕事を休まざるを得ない事情もあったという。
安倍政権「看板政策」かすむ
 統計上は2012年から19年にかけ499万人の新たな雇用が生まれており、安倍晋三首相はアベノミクスの実績としてアピールする。ただ、このうち226万人は非正規の女性。看板政策に掲げた「女性活躍の推進」はコロナ禍を前にかすんでいる。
 第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「コロナの影響は長期化しており、女性の従業員比率が高い飲食サービス業などの需要は戻っていない。雇用維持策だけでなく、デジタル関連産業などにも対応できるような職業支援をすることが次の政権には求められる」と話す。
(久知邦)

1055チバQ:2020/09/25(金) 10:41:06
https://news.yahoo.co.jp/articles/f34f1b7bcdb14d95dac43a95bdb37f7f37b7268a
「私たちは駒」成績トップでも…あっけなく解雇 非正規の苦しみ
9/25(金) 9:55配信




新型コロナウイルスの影響で雇い止めとなり「私たちは駒」と嘆く女性
 新型コロナウイルスの影響による雇用環境悪化の波が九州に押し寄せている。解雇や雇い止めが増えているのは、弱い立場の派遣労働者や契約社員など非正規の人たちだ。営業成績トップでも、残業をいとわず働いても、あっけなく職を失った。コロナ禍での企業の苦境を理解しつつも、突然職場を追われた悔しさと喪失感に苦しむ。「私たちは、人間ではなく駒みたい」

【画像】九州7県 解雇件数の推移の比較

 福岡市城南区の女性(41)は今年1月から商店街の個人商店などに電子決済の導入を促す営業の仕事を始めた。登録した派遣会社は「長く働ける職場」とアピールした。

 自転車で市内の商店街を巡り、飛び込み営業をした。「忙しい」と断られても粘り強く通った。熱心さが評価され、営業成績(導入店舗獲得数)は全国でもトップクラス。「人と話すのが好きだし、給料も良かった」
 政府が緊急事態宣言を出した4月、派遣先から在宅勤務を命じられた。ノルマは「家で1時間に20件以上の店舗に電話」。慣れない業務のため頭痛に悩まされるようになり、5月は3日間の病休を取った。月末、派遣先から「コロナで直接営業は厳しい。営業人員を半分にする」と告げられた。

 成果を出していたはずなのに、6月末に派遣は終了。「3日間の病休」が原因としても納得できない。「いくら頑張っても会社の都合でいつでも切られる存在」と痛感した。年末までは貯金と失業保険でしのげるが、その先は見通せない。思い切って起業するかどうか悩んでいる。
 韓国人の女性(27)=福岡市=は「日本で正社員になるのが夢だったのに」と肩を落とす。中学生の頃から日本に憧れ、昨年7月に市内の免税店で働き始めた。契約社員だったが、日本人の上司から「2年頑張れば正社員」と言われ、急な残業も積極的に引き受けてきた。

 2月ごろから日に日に客が減った。「3日後から来なくていい」。3月、上司にこう言われた。「頭が真っ白。大好きな職場だったのに一方的に解雇されてショックだった」
九州7県 解雇件数の推移の比較
 失業保険で食いつなぎ職探しに奔走するが、入管難民法の規定で働き口は限られる。訪日客が消えた今、あえて韓国人を求める会社はほとんどない。

 「日本にいたい。でも、どうやって日本で生きていけばいいのか分からないです」

(井崎圭)

1056チバQ:2020/10/08(木) 13:57:47
https://dot.asahi.com/dot/2020093000043.html
コロナバッシングされた41歳女性パチンコ店員が「パパ活」をした意外な理由


吉田みく2020.10.4 17:00dot.

 コロナ禍ではパチンコ店に激しいバッシングが浴びせられ、報道でも大きく取り上げられた。その時、従業員はどんな気持ちだったのだろうか。

「お子さんのいる家庭では、『お父さんは悪いことをしているの?』と聞かれたこともあったようです。同僚は『悔しい』と話していました」

 都内在住で、アミューズメント会社に勤務する伊藤文子さん(仮名・41歳)は当時をこう振り返る。伊藤さんの会社は主要都市を中心にパチンコ店を展開しており、4月の緊急事態宣言発令に伴い、全店舗が休業となった。休業補償や有給休暇などを充てることで給料は通常通り出たそうだが、今までに経験したことのない1カ月近い休業期間は、不安で押しつぶされそうだったという。

「このままコロナで失業するのかと、心の底から思いました。実際は、クラスターは発生していません。そもそも、パチンコ店は普段から換気は十分に行われており、3密の環境ではないんです。でも、メディアの刷り込みなどもあり、業界全体が悪者になってしまった。本当に悲しかったです」

 今でも、新型コロナウイルスは収束の気配をみせていない。アミューズメント業界も、今後は業績が大きく下がる可能性も少なくない。見えない敵との戦いに、誰もがおびえている状況だが、伊藤さん自身も考えに変化が出始めたという。

「来店型ビジネスの今後の在り方などを考えるようになりました。それに伴って、自分自身もスキルアップをして知識を増やしていきたいと思ったんです。学びは裏切りませんからね」

 そこで講習会やセミナーなどへの参加を考えているのかと思いきや、さにあらず。伊藤さんが目をつけたのは「パパ活」だった。以前から友人にパパ活の魅力を聞いていた伊藤さんは、このコロナ禍をきっかけに、思い切ってパパ活を始めてみることにしたという。

「経営者の視点を知ることは、私が来店型のビジネスを考えていく上でも重要なはず。パパ活は成功している男性が多く登録していると聞いていたので、私が求めているものとマッチしていると思ったんです」

 早速、伊藤さんはパパ活アプリに登録し、パパ候補の男性へ「いいね!」を押していった。スペック重視で選んでいたので、パパへのアプローチは10人くらいに抑えたという。

 ただ、実際にアプリを使ってみると想像と違うこともあった。ネットなどの情報から、パパ=落ち着いた年齢の紳士的な男性というイメージを持っていた伊藤さんは、想像以上に若い年齢のパパが多いことに驚いたという。

「パパ活のはずなのに恋人募集とか見ると、がっかりしました。私の目的はお手当ではなく、経験談から得られる学び。パパとの会話がかみ合わなくて……。体の関係や愛人探しばかりで疲れちゃいました」

 そんな状況ではあったが、わずかな期待を求めて、伊藤さんは尊敬できるパパ探しを続けた。

「私自身、コロナで先が見えない毎日が不安でした。だからこそ、普段以上に学習意欲が高かったんだと思います」

 しかし、マッチングはするものの、伊藤さんが求めるようなビジネス経験が豊富なパパとはなかなか出会えなかった伊藤さん。中には年収や社会的地位も高くない“普通のおじさん”も多かった。

 かなり難航したパパ活ではあったが、ついに、伊藤さんは1人のパパと食事に行く約束をとりつけた。男性は50代の会社経営者。オシャレなイタリアンレストランを予約してくれたが、正直、伊藤さんの収入でも十分に行けるクラスだったという。伊藤さんとしては、将来のビジネスにつながる体験談を聞けると思っていたのだが……。

「話題のメインは男性のパパ活事情について。『お気に入りの女の子には高額なプレゼントをした』とか『言い寄られて困る』などの自慢ばかりでした。自慢話ほどつまらないものはないですよね。正直期待外れで、私の求めていたものではありませんでした」

 ほんの少しビジネス絡みで聞けた話は、どこかで既に聞いたことがあるような内容ばかり。普段から学習意欲のあった伊藤さんからするとつまらないものだったそうだ。

「『メモは重要』、『多くの人に会って刺激を受けなさい』とか……。薄っぺらいアドバイスにがっかりでした」

1057チバQ:2020/10/08(木) 13:58:29
 男性は1万円程度の食事代を支払ってくれたものの、いわゆる“お手当”というものはくれなかったとのこと。

「もともともらうつもりはなかったので良いんですけどね」

 その後、このパパとは自然消滅。2度目はなかった。

「パパ活に夢を見すぎていたのかもしれません。今はパパ活はお休みして、自宅でビジネス書を読み込むなどしてスキルアップを目指しています」

 このまま会社に居続けることが正解なのか、それとも起業して独立するのが良いのか悩んでいるという伊藤さん。これからもさまざまなことにチャレンジして、自分の視野を広げていきたいそうだ。

 かつては疑似恋愛をして女性が男性からお小遣いをもらうシステムだった「パパ活」が、伊藤さんのように“ビジネス目的”でも利用する人が出てきたのは驚きだった。それほど、コロナは働く人々にとって大きな影響を与えているのだ。

 自分の将来を守るためにはパパ活でも何でも使う――そういう時代になってきたのかしれない。(取材・文=吉田みく)

1058チバQ:2020/10/16(金) 17:58:41
https://news.yahoo.co.jp/articles/07d22803784f8cfa0452d0c58961eb06f02587c8
「10社以上でクビ」発達障害46歳男性の主張〜上司から「高卒より使えない」と叱責され続けた
10/16(金) 5:21配信
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最近、またしても雇い止めに遭ったアキオさん。自らの仕事ぶりについて「障害者雇用でしたが、やはり作業が遅いと言われました」と話す(筆者撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「『早稲田政経卒「発達障害」26歳男が訴える不条理』を読んで自分とそっくりだと思いました。作業が迅速にこなせずクビを告げられるか自分から辞める事を繰り返しています。」と編集部にメールをくれた、46歳の男性だ。

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■「よくそんな暇あるね」と皮肉を言われた

 発達障害のアキオさん(仮名、46歳)は今年6月、働いていた会社を雇い止めにされた。実質的なクビだった。「作業を迅速にこなすことができないんです。気がつくと集中力が途切れて手が止まっていることがあります」。これまで、このようにして辞めさせられた会社は、アルバイトを含めると10社を超える。

 過去に強迫神経症と診断されたこともあり、さまざまな強迫行為を繰り返すことも作業の遅れに拍車をかけた。社内の郵便物を集配する仕事に就いていたときは、回収漏れはないと納得できるまで、空のトレーの前で2分以上確認を続けてしまう。トイレに行ったり、ウェットティッシュで手を拭いたりする回数が多すぎると注意を受けたこともある。実際にティッシュは1日約150枚は使っていたという。
 空気が読めない、明確な指示がないと動けないといった発達障害の特性による“失敗”もあった。仕事が遅れているのに、昼休みにソファーで新聞を読んでいて「よくそんな暇あるね」と皮肉を言われたことや、講演会の準備一式を任されたのに、肝心の講師への案内状を送り忘れたこともある。

 「せっかく大卒を採用したのに高卒より使えない」

 「伝票1枚入力するのに30分もかけないでよ!」

 「今日が初日の新人より(作業が)遅いって、どういうこと?」

 「別の仕事を探してくれないかな……」

 いずれも、アキオさんがこれまで上司や同僚から直接言われたり、偶然耳にしてしまったりした言葉だ。アキオさんが持参してくれた履歴書には「一身上の都合により退職」という言葉が並ぶが、実際のきっかけはこうした退職勧奨や陰口、叱責だったという。自分でも仕事が遅いという自覚はあったものの、自己肯定感は奪われる一方だった。

 アキオさんは千葉県出身。学校の成績は「中の上くらい」で、本や新聞を読むことが好きだった。一方で運動は苦手。引っ込み思案で友達は少なく、要領もよくはなかったという。子どもたちが数人の班に分かれて行う家庭科の調理実習では、何をやっていいのかわからず、てきぱきと役割をこなすクラスメートたちの横で、結局キュウリを洗うことしかできなかったことを覚えている。
 関東圏の私立大学を卒業後、最初に勤めた会社は1年もたなかった。短期間に転職を繰り返すアキオさんを心配した両親から「今回は土下座してでも、続けさせてほしいと会社に頼みなさい」と言われたこともある。

 ある会社を辞めたときは、両親に合わせる顔がないと思い、ネットカフェで夜を明かした。ところが、普段無断外泊などしないのでかえって心配をかけてしまった。翌朝、自宅に電話をすると、同じく一睡もしていなかった母親から「帰っておいで」と泣かれたという。
 学校を卒業するまでは大きな問題はなかったのに、社会人になった途端、歯車が狂い始める――。言い知れない不安はアキオさんだけでなく、家族をもさいなんでいた。

1059チバQ:2020/10/16(金) 17:59:13
■30代になり非正規雇用になることが増えた

 20代半ばで精神科を受診したところ、強迫神経症と診断された。しかし、処方薬の副作用が強く、困った揚げ句別の病院で受診。ところが、そこの医師からは「本当の強迫神経症は、部屋にひきこもって出られなくなってしまうもの。あなたはそこまでではない」という趣旨のことを言われ、診断そのものを否定されてしまったという。当時はまだ医療関係者の間でも「大人の発達障害」への理解は不十分だった。

 30代に入ってからは、転職先の雇用形態は非正規雇用になることが増えた。毎月の手取りは15万円ほど。実家暮らしだからなんとか生活できる賃金水準に落ち込んだ。

 ちょうどこのころ、発達障害のことを取り上げた新聞を読んだ両親から勧められ、再び精神科を受診。その後、数年間にわたっていくつかのクリニックに断続的に通い続けたところ、ある病院でようやく本格的な検査を受け、自閉スペクトラム症(ASD)の診断を得ることができた。
 「それまで、こんなに困っているのにどうしてとずっと悩んできました。(診断により)原因がわかってホッとしました」

 クビと仕事探しを繰り返す生活に疲れはてていたアキオさんは、障害者雇用枠で働くためにできるだけ早く障害者手帳を取得したいと考えていた。本来、手帳の交付には初診日から6カ月以上経過していなければならない。診断を出してくれた医師に相談したところアキオさんの通院歴を基に、可能な範囲で初診日をさかのぼってくれたという。
 早速、ある有名企業に障害者雇用枠で転職。ただ、その後も順調というわけにはいかなかった。実は今年6月に雇い止めにされたのは、この企業のことだ。1年更新の契約社員で勤続7年あまり。アキオさんのキャリアの中では最も長く働いた会社だった。

 アキオさんはここでも作業時間の短縮などについてノルマを課されたが、結局改善ができず、雇い止めを示唆された。これに対し、普段から新聞を読んでいたアキオさんは労働契約法に基づく「無期転換ルール」の知識があったので、ダメもとで会社に無期転換の申し込みをしてみたという。無期転換ルールとは、有期雇用契約を更新して通算5年を超えると、無期契約への転換を求めることができるというものだ。
 結局、抵抗むなしく雇い止めの決定は覆らなかった。しかし、本来無期契約申込権は5年を超えた時点で自動的に発生する権利であり、申し込みを受けた会社側は拒否することはできないとされている。会社がアキオさんをクビにするなら、いったん無期契約社員にしたうえで解雇をするのが、法律の趣旨に沿った対応のはずだ。

■「国民年金」と「厚生年金」の大きな壁

 アキオさんの月収は約15万円と決して高くはなかった。一方で障害者を雇用する企業にはさまざまな助成金制度など直接的なメリットも多い。会社は障害者を使い捨てたと言われても仕方がない。上司たちには後ろめたいことをしているという自覚があったのかもしれない。アキオさんは退職にあたり「一連の経緯を第三者に明かさない」といった旨の守秘義務を盛り込んだ合意書に署名するよう、求められたという。

 アキオさんは現在、失業保険を受けながら仕事を探している。年齢的に就職活動が厳しくなるにつれ、不安になることがあるという。発達障害に関する初診日の時点で加入していたのが国民年金だったことから、障害年金の受給が難しいのではないか、ということだ。

 障害年金は、初診日に加入していた年金が国民年金か厚生年金かで、対象範囲や受給金額に違いがある。障害年金の等級は障害の重さに応じて1―3級まであるが、3級があるのは厚生年金だけ。金額も1級の場合、国民年金は月額約8万1000円なのに対し、厚生年金は加入期間によっても異なるが、月額で15万円を超えることもある。
 アキオさんの場合、診断日は厚生年金だったが、初診日は失業中で国民年金に加入していた。初診日をさかのぼってもらったことが、あだとなったわけだ。障害者手帳と障害年金の等級の判定方法は別だし、手帳がなくても障害年金の申請をすることはできる。ただアキオさんの障害者手帳は3級。年金受給には、国民年金の「障害基礎年金2級」の判定を得る必要があるが、医師からはそれに相当する診断書を書くことは難しいとの説明を受けている。
 「障害者雇用の給料は高くはありません。わずかでも障害年金で補えると、少しは安心できるのですが……。(身体障害などと違って)発達障害の症状は基本的に変わらないと思うんです。初診日に加入していた年金の種類によって、ここまで手厚さに違いがあるのは、納得ができません」

1060チバQ:2020/10/16(金) 17:59:33
■「せめて同じ場所で息をすることを許してほしい」

 アキオさんにはファミリーレストランで話を聞いた。質問に対する答えはとても的確で流暢だった。一方でアキオさんは注文したドリアにいつまでも手を付けなかった。私が何度「冷める前に食べてください」と勧めても、スプーンを手に取ろうとしないのだ。話すことと、食べることの2つを同時にこなすことが難しい様子だった。
 また、取材後、アキオさんからは「取材時説明内容の補足」と題した長いメールが何通か届いた。上司らの発言のささいなニュアンスの訂正のほか、障害に対する配慮をしてくれたり、飲みに連れて行ってくれたりした上司もいたので、会社のことをあまり悪く書かないでほしいといったことがつづられていた。初診日をさかのぼってくれた医師についても迷惑がかからないよう、書き方に配慮してほしいとリクエストされた。

 そのたびに返事を書かなければならない私にしてみると、効率という点では決してよいとはいえなかった。一方でアキオさんの優しい人柄も伝わった。ただ10社以上も転職せざるをえなかったキャリアを考えると、こうした誠実さは現在の社会や会社が求めるものではないのかもしれないとも思う。

 発達障害の人の生きづらさについて記事を書くと、時々「発達障害の上司や部下を持つほうの身にもなってほしい」といった感想が寄せられることがある。そうした主張を理解できないわけではない。ただ、発達障害の同僚を持つ大変さに共感できたとしても、結局、社会がたどり着く先にあるのは“排除の理論”なのではないか。

 アキオさんは記事を通してこう伝えてほしいという。

 「面倒かもしれませんが、社会に居場所をつくってもらえると助かります。私のことを理解してほしいとは言いません。せめて同じ場所で息をすることを許してほしい」
本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。
藤田 和恵 :ジャーナリスト

1061チバQ:2020/10/22(木) 10:35:37
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd6a9892845f72b7339a489f7c03869ca2e4150f
「食べ物ください」コロナで解雇、路上生活の末…恐喝未遂の30歳女に刑猶予
10/22(木) 9:38配信




被告が寝泊まりしていた警固公園。ベンチ(中央)近くにいたという=21日、福岡市中央区(撮影・穴井友梨)
 今年8月、福岡市・天神の真珠販売店。女(30)がカッターナイフを店員に向けて現金を脅し取ろうとした。結果は未遂。恐喝未遂と建造物侵入の罪に問われ、福岡地裁は21日、懲役1年2月、執行猶予3年(求刑懲役1年2月)の判決を言い渡した。新型コロナウイルスの影響で解雇され、路上生活を経ての犯行。相談は恥だと思っていたという。コロナ禍は弱い立場の人ほど追い込んでいく。福祉、行政は頑張りどころにきている。

【別カット写真】被告が寝泊まりしていた警固公園

 判決によると、被告は8月20日昼、店員の女性にカッターナイフを向け「お金を出してください、切りますよ」と脅迫。通報するそぶりに逃げ出した。判決理由で加藤貴裁判官は「被害者に相当の恐怖心を与えた」と指摘する一方、犯行直後に自首したことなどを踏まえ、執行猶予とした。

 公判での被告人質問などによると、物心がついた時には「久留米市の施設」にいた。中学卒業まで施設で過ごし、飲食店での勤務を転々とした。当時から現在まで、家族とはほぼ絶縁状態。父親の顔は知らない。
夜逃げ同然でアパートを出た
 「辞めてもらえないか」。2月、勤務先のうどん店の店長に告げられた。新型コロナで客足が遠のいていた。休業だと国の支援金制度の対象。解雇の場合は雇用保険などが受け皿になる。被告の保険の状況は定かではない。

 家賃が払えなくなり、相談相手もいないまま孤立を深め、夜逃げ同然で久留米市のアパートを出た。
「私は健康だし、恥ずかしい」相談できず
 福岡市に向かった。都会の求心力に引き寄せられた。中央区の警固公園や周辺で寝泊まりし、紙に「食べ物をください」と書いて路上に立つ日々。現金を差し入れてもらったときにはネットカフェで休んだ。居候をさせてくれた女性もいた。善意が染みた。

 公園を巡回する警備会社の女性(57)はベンチで過ごす被告の姿を覚えている。「ここで寝泊まりしていたら危ないよ」。声を掛けたが返事はない。通りすがった人が「福祉施設に入ったほうがいい」と話し掛ける様子も見掛けたが、しばらくして姿を見なくなったという。

 被告は福祉に頼ってはいけないと思い込んでいた。「私は健康だし、恥ずかしい」

所持金257円
 だが数カ月で限界がきた。所持金257円。「私もおいしいものを食べて、新しい洋服も買いたい」。カッターナイフを握った。高級感があり、店員が1人の店に狙いをつけた。ためらい、ためらい、3度目の入店で声を発した。未遂に終わると交番に駆け込み、一部始終を話し、逮捕された。公判で被告は店や被害者に謝罪した上で、「普通の生活がしたい」と打ち明けた。
届かなかった支援
 新型コロナに関する解雇や雇い止めは非正規社員を中心に6万人を超す。住まいを失うケースの増加も懸念される。自殺者は増加傾向にあり、30代以下の女性が目立つ。

 行政も路上生活をする人たちへの巡回支援をしているが、その網の目から漏れた。「支援が届かず、救えなかった」。国選弁護人を務めた若杉朗仁弁護士は言う。

 今後は一時的に宿泊場所や食事が提供される法務省の「更生緊急保護」制度で生活再建を目指すという。

 「自分で何でもできる人ばかりではないから、さまざまな支援制度がある。相談することを考えてください」。判決言い渡し後、裁判官の説諭にうなずいた被告。また、仕事をしたいと願った。

(森亮輔)

1062チバQ:2020/11/11(水) 10:17:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/c769deff192aeb62ba6d5bae5d97c71e982d6ba8
「水だけで3日」「冬なら死んでいた」コロナ禍に家を失う若年層増加の現実〈AERA〉
11/11(水) 7:02配信
 新型コロナが原因で、家をなくし、ホームレスになる若者が増えている。AERA 2020年11月16日号はその実情を追った。
*  *  *
「これから寒くなるのに、このままでは冬を越せない」

 10月下旬、東京・池袋の公園。男性(43)は、ホームレスになって痛めたという腰に手をやりながら疲れた表情でつぶやいた。

 九州出身で、長野県内の工場で派遣社員として働いていた。だが、新型コロナウイルスの影響で経営が悪化すると、社員と派遣社員の半数ずつが「人員整理」されることになり男性は対象者になった。9月中旬、「雇い止め」となり職をなくした。

 仕事を求めて同月下旬、東京に来た。ネットカフェで暮らしながら仕事を探したが、年齢が壁となった。10月半ばにはお金が底をつきホームレスになった。公園などで寝泊まりを続けながら何とか暮らしていたが、所持金は100円を切った。

「今は、一日一日を生きるので精一杯です」

 家族とは決別しているので頼りたくないという。頼ったのが、池袋を拠点にホームレスを支援するNPO法人「TENOHASI」だった。冬物の衣類をもらえると聞き、配布場所のこの公園に1時間前から並びジャンパーをもらうことができた。だが、今後のことを考えると不安は尽きない。病気、食事、寝る場所。男性はこう話した。

「僕一人では、どうしようもできない」

■相談が再び増加の傾向

 コロナ・ショックが続く中、仕事をなくし住まいを失い、ホームレスになる人が増えている。

 先のTENOHASIでは月2回、池袋の公園で無料の医療・生活相談、配食などを行っているが、事務局長の清野(せいの)賢司さん(59)によれば、コロナ前、1度の相談で10人程度だったのが、4月と5月は一気に30人近くに増えたという。コロナの感染拡大でネットカフェが休業し、路上に押し出された人たちが多い。20代、30代の若年層が中心で女性も多かった。その後は少し落ち着いたがここ最近、再び増加傾向にあるという。清野さんは言う。

「これからますますコロナの影響で解雇や雇い止めが増えると考えられる。住まいは、生存と精神の基盤。早く手を打たないと、その基盤をなくす人たちが一気に増える」

 生活困窮者の支援活動を20年近く続けているNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」理事長の大西連(れん)さん(33)は、こう話す。

「今は、多くの方がホームレスになる一歩手前で何とか踏ん張っている状態です」

 大西さんは、生活困窮者の支援者・団体の集まり「新宿ごはんプラス」の共同代表も務めている。同団体は、毎週土曜日に新宿の都庁前で生活困窮者やホームレスに弁当を配り、健康・生活相談にも乗っているが、コロナ以前と後で相談件数は2〜2.5倍になったという。日雇いや派遣、アルバイトなど不安定な仕事に就いた非正規労働者が圧倒的に多く、20代、30代の働ける年代が中心。「まさか自分が困窮するとは思わなかった」と声を揃えるという。

■水だけで3日間過ごす

 住まいをなくした人は、命を削るようにして暮らしている。

 新宿でホームレスをしていたという男性(32)が取材に応じた。コロナによって職を失い、住む家がなくなり、2週間近く路上で暮らしていた。

「仕事もなくなって、つらくて、死にたくなりました」

 ホームレスをしていた時の心境をそう振り返った。実際、紐で首をくくったり薬を大量に飲んだりして死のうとしたが、死ねなかったという。

 東京郊外の電気メーカーの工場で派遣社員として働いていたが、8月に体調が悪くなるとコロナの疑いをかけられ、そのまま自己都合での退職扱いとされた。派遣会社が借りていた寮も出ていかざるを得なくなりホームレスに。新宿に来たのはホームレスが多いとネットで見たから。飲食店が集まる歌舞伎町の路上に寝て、体が汚くなったら近くのサウナに行く。お金はなくなり、3日間何も食べず、水だけで過ごしたこともあった。

「冬なら死んでいた」

 幸い、先の「もやい」につながり部屋を借りることができ、11月からは生活保護も受けられるようになった。

 今の望みは何ですか? 記者の問いに男性は、こう答えた。

「普通に生きて、普通に暮らしたいです」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2020年11月16日号より抜粋

1063とはずがたり:2020/11/18(水) 20:34:32
貯金2000万円でも老後破綻の危機 ハロワ通い61歳男性の不安
https://news.infoseek.co.jp/article/postseven_1612959/
NEWSポストセブン / 2020年11月17日 16時5分

 コロナ危機の長期化は日本社会を「上級」と「下級」へと分断しつつある。中高年は「稼いで老後を乗り切れる層」と「稼ぎたくても職がない層」に二分され、“下級”に転落すると簡単には浮かび上がれないのだ。

 コロナリストラの影が忍び寄ってきている──。来年4月には改正高年齢者雇用安定法で70歳まで雇用延長が努力義務になるため、来年3月までに60代前半の再雇用社員と50代社員を一緒に人員整理したいという企業がこれから増えると予想される。

 あてにしていた再雇用(雇用延長)の収入がなくなれば生活設計が完全に狂い、蓄えがあるから“上級”だと思っていた人も、“下級”への転落が待ち受けている。

 人生100年時代、公的年金とは別に夫婦で2000万円の老後資産が必要──という金融庁の報告書が国民に衝撃を与えたのはほんの1年前。

 ちょうどその頃、大手流通グループ社員だったAさん(現在61歳)は定年を迎えて系列のホテルチェーンで再雇用され、1年更新の契約社員として働いていた。

「退職金と貯金で2000万円近い蓄えがあり、オレは大丈夫。70歳まで働けばあとは年金で生活できると考えていました」

 ところが、コロナの感染拡大でホテルの経営が大幅に悪化。この春、会社から「契約の更新は難しい」と他の正社員と一緒に退職を求められた。医療事務のアルバイトをしている妻も病院不況で月10万円ほどあった収入が3万円以下に減った。

「いまは失業手当をもらいながらハローワークに通っていますが、仕事は全然見つからない。住宅ローンも5年残っていて、年明けに失業保険が切れると、生活費とローンで貯金を月25万円くらいずつ取り崩す生活になる。このまま職がなければ年金をもらえる65歳までに貯金は半分、70歳くらいで底をつくんじゃないかとそんな計算ばかりしています。夫婦のどちらかが病気や要介護になれば老後破綻でしょうね」

 Aさんは諦めたような薄い笑みを浮かべた。

※週刊ポスト2020年11月27日・12月4日号

1064名無しさん:2020/11/29(日) 12:18:39
https://news.yahoo.co.jp/articles/71e64eee3a5e8370cf4f5629e8f241d98540b0bc
190大学、年度末に休退学増加を予想 コロナで生活苦
11/29(日) 7:00配信

 コロナ禍の影響で、全国の国公私立大のうち少なくとも190大学が、「経済的理由による退学・休学者」が今年度末に増えると予想していることが、朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく 日本の大学」でわかった。不況による学生の家計悪化が続き、今後、「経営が困難な大学が増加する」と予想する大学も回答者の8割を超えた。

 調査は9月25日〜11月24日、国公私立の767大学を対象に「新型コロナウイルスによる影響」などを尋ね、82%にあたる631大学が回答した。6〜7月の緊急調査と同じ「就職活動」「経営状態」など14項目の選択肢を示し、「現時点(10月上旬)」と「年度末ごろ(来年3月)」について、特に大きな影響があると考える問題を、学長に五つまで選んでもらった。

 10月上旬で最も多いのは「学生募集」で78%、「授業の実施方法」が60%、「就職活動」が57%で続いた。来年3月の予想については、卒業式などの「行事」75%に「学生募集」55%が続き、コロナ不況で採用を減らす企業が相次いだことを受け、54%が「就職活動」を挙げた。

 不況で家計が苦しくなり、学費を払えない学生が増えるとみる大学も多い。「退学・休学の増加」は緊急調査時の7月に9%だったが、今回は10月に15%、来年3月には30%に急増。特に、国公立より学費が高い私立大は35%に達する。岐阜県の小規模私立大は「すでに経済的理由で退学した者がいる。今後も同様の理由で退学・休学する者も出てくると考えられる」と危機感を募らせる。

朝日新聞社

1065チバQ:2020/12/06(日) 21:28:15
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c4bfdf6107eca31026c69f02abb34e7c81128c7
自助圧力…追い込まれる困窮者 コロナ禍、相談ためらい支援届かず
12/6(日) 10:42配信

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西日本新聞
今年は感染防止のため炊き出しができず、支援団体は弁当などの個別配布を続けている=NPO法人自立生活サポートセンター・もやい提供

 長引く新型コロナウイルスの感染拡大が暮らしを直撃し、仕事や住居を失う人が増えている。困窮者にはこれまで公的支援とは無縁だった若年層や女性も目立つが、給付金などの支援策は相談までの心理的なハードルが高かったり、情報が届いていなかったりして救済につながらないケースもある。困窮の理由も一つではなく、識者は「伴走型」の支援の必要性を訴える。

【動画】「涙が出た」話題になったコロナ終息願う動画

 11月下旬、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい(東京)が都庁前で行った弁当配布に160人超が列を作った。

 動画投稿サイト「ユーチューブ」で知り、初めて訪れた熊本県出身の男性(31)。この数年、日雇いの仕事をしながらその日暮らしを続けてきた。緊急事態宣言が出された春以降、仕事がなく、以前、リゾート施設に住み込みで働いてためたお金も家賃などで底をつきそうだ。記者が行政への相談を勧めても、「年内に仕事が見つかれば何とかなる」と拒んだ。

 同団体によると、毎週の弁当配布に並ぶ人は150〜180人。例年の約2倍で半年以上同じ状況が続く。若年層も目立つといい、大西連理事長は「ぎりぎりの生活をしてきた若者が今回初めて困窮している。これまで日雇いで何とかなった経験からまだ大丈夫と考え、支援につながらない」と危惧する。

 路上生活者らを支援するNPO法人「TENOHASI(てのはし)」(同)によると、10月末までに相談があった165人のうち6割が30〜40代で、1割超が女性。例年は50代以上が大半で、女性はほとんどいなかったという。コロナ禍の困窮者は多様だ。

1066チバQ:2020/12/06(日) 21:28:41
 ◇    ◇

 厚生労働省によると、新型コロナの影響による解雇などは11月27日時点で約7万4千人。東京商工リサーチの調査では、関連する経営破綻も700件を超えた。第3波を受け、飲食店の営業時間短縮要請などが打ち出され、関係者からは悲鳴が上がる。雇用を取り巻く情勢は厳しい。

 非正規労働者の増加やリーマン・ショックによる派遣切りの問題などを受け、2013年に生活困窮者自立支援法が成立。最後のセーフティーネットである生活保護に至る前段階から公的支援を用意し社会復帰を促せるようになった。政府は新型コロナの感染拡大を受け、個人向けの給付金や家賃補助の要件を緩和するなど支援を強化している。

 ただ、こうした公的支援は当事者に必ずしも届いていない。TENOHASIの清野賢司事務局長は「料金滞納でスマホを止められ、無料Wi-Fiがつながる場所で日雇いの仕事を必死に探している人もいた。検索エンジンのトップニュースに上がらない限り、目にとまらない」と話す。

   ◇    ◇

 心理的なハードルもある。立教大の後藤広史准教授(公的扶助論)は「自立支援法は生活困窮が深まらないうちに利用することを目的に作られた制度。もっと気軽に利用していいはずなのに、最後の手段と捉えている人も少なくない」と指摘する。菅義偉首相が強調する「自助」の意識がすり込まれ、仕事をしていない負い目が利用をためらわせているとみる。

 新型コロナで困窮した福岡県中間市の101世帯の調査をした大阪市立大大学院の垣田裕介准教授(社会政策)によると、相談者に障害やその疑いがあったのは42人で、家族に障害があるケースも少なくなかった。以前から借金があったのは少なくとも69世帯、ひとり親は24世帯だった。

 垣田准教授は「困窮の要因は複合的に絡み合っており、相談につながっても減収に給付金や貸付金を充てるだけでは解決しない。継続的に寄り添い、問題を解きほぐすような支援が求められていることをコロナ禍は改めて浮き彫りにしている」と話す。

(久知邦)

困窮者への主な支援
 新型コロナウイルスの影響で困窮した人を対象とした政府の個人向け貸付制度(無利子)には、緊急小口資金(最大20万円を1回)と総合支援資金(最大月20万円を原則3カ月)の2種類がある。いずれも市町村社会福祉協議会が窓口で、年内までの申請期間は来年3月末まで延長される見込み。家賃を補助する住居確保給付金も4月に受け取り始めた人が12月に期限切れとなるため、受給期間は延長の方向となっている。厚生労働省は年末年始にかけて仕事や住居を失う人が増える恐れもあることから、全国の自治体に臨時の相談窓口を開くなど支援態勢の確保を求める通知を出している。

西日本新聞

1067チバQ:2020/12/16(水) 09:45:56
https://news.yahoo.co.jp/articles/8af9cae214dd58a4351ee43ad081face29d0caad
母娘餓死 付近住民「生活に困っている様子なかった」 大阪
12/15(火) 23:04配信
2320




大阪府警
 大阪市港区のマンション一室で今月11日、女性2人の遺体が見つかり、司法解剖の結果、いずれも餓死したとみられることが15日、大阪府警港署への取材で分かった。1人は、住人で職業不詳の女性(42)と判明。もう1人は60代の母親とみられ、同署は身元の特定を進めるとともに2人が死亡した経緯などを調べている。

 同署によると、この部屋は母娘の2人暮らしだったとみられる。職業不詳の女性の死因は低栄養症による心機能不全、もう1人の死因は飢餓による低栄養症で体重は約30キロだった。いずれも死後数カ月程度が経過していた。

 マンションの管理会社から「部屋の郵便物がたまっている」と親族に連絡があり、同署員らが駆け付けたところ、2人が室内の床に倒れていた。冷蔵庫に食べ物は入っていなかったという。

 亡くなったとみられる2人の生前の様子を知る近隣住民からは、戸惑いの声が聞かれた。

 近くに住む女性(73)は「あいさつをするくらいの関係だったが、生活に困っている様子は見受けられなかった」と振り返る。

 この女性によると、2人は少なくとも十数年前からこのマンションで暮らしていたが、近隣住民と関わりを持つことはほとんどなかった。最後に見かけたのは今夏で、食料品を持って笑顔で帰宅していたという。

 近くの60代男性は「数カ月前、2人でテレビ番組を見て盛り上がっている声も聞いた」と話した。

1068チバQ:2020/12/23(水) 09:32:23
https://news.yahoo.co.jp/articles/46626fa2918e82582a55433b3261467faf84715e給付金も尽きLINEで「助けて」 コロナ禍の年末 食料配達ボランティアルポ
12/23(水) 6:36配信


訪問した理枝さん(左)に、長男を抱きながら「夫は金銭面の話をするとイライラする。毎日、明るく振る舞っている」と明かすユミさん=2日、本島中部
[新型コロナ 沖縄の今]

 新型コロナウイルス感染拡大で沖縄経済が急速に冷え込む中、観光・飲食関係で生計を立てる世帯を中心に「食べるものがない」という状況がじわりと広がっている。見えづらいSOSをどうすくい取るか。公的支援が途切れがちな年末年始を前に、相談支援窓口までたどり着けない子育て世帯とのつながりを求めて奔走する食料配達ボランティアの活動に密着した。(社会部・篠原知恵)

【写真】「生活できない」塩水飲んで空腹を満たす コロナで失われた日常

 ■運送業の夫、手取り15万円未満

 「2週間前に携帯がまた止まっちゃって」。本島中部の賃貸アパート。生後5カ月の長男をあやし、ユミさん(24)=仮名=が申し訳なさそうに頭を下げた。

 「LINE(ライン)」の未読状態が続くのを心配し、ボランティア団体「女性を元気にする会」代表のゴージャス理枝さん(49)が訪ねた2日午後。食材の詰まった段ボールを手渡すと、ユミさんは「息子の食事優先で1日1食の生活。助かる」と力なく笑った。

 夫(24)は運送業で働き、主な顧客は居酒屋。コロナ禍が直撃した今春から収入は安定せず、やっと自宅待機が解除された今も手取りは15万円を下回る。「来月はまた下がる」という。

 夫の給料日にミルクなど息子の必需品をまとめ買いし、家賃や大型運転免許の取得費用の分割などの支払いを済ませると、残るお金はわずか。夫婦の食べ物はほぼ買えず、理枝さんの食料配達や、妹からのもらいものでしのぐ。最近、携帯電話がよく止まるのは、ガスや電気料金も滞納しがちな窮状があるからだ。

 夫が仕事に出る日中は電話もインターネットもできず、部屋で独り、初めての育児に奮闘する。実家は車で1時間の距離だが車はなく、近所に知り合いはいない。出産直前まで食堂アルバイトでためた貯金も、夫婦の特別定額給付金も尽きた。「こんなはずじゃなかった。未来が見えない」。生活できなくなり、妹に送ってもらい母子で実家に数日間「避難」することが増えた。

 ただ、実家の両親も勤務する観光施設の休業で生活に余裕はない。夫の実家も似た状況で「みんな大変で頼りづらい」と顔を曇らせる。出産直後に訪ねてきた行政の保健師にも、認可保育所の申請手続きで接した行政職員にも、悩みを切り出せなかった。理由は「特に何も聞かれずタイミングが分からなかった」から。

 〈誰にも話していないのか泣きだす〉〈緊急小口資金なども知らない〉

 ユミさんを初めて訪ねた10月末の理枝さんたちの記録。同様に運送業の夫の収入減で困窮した臨月の妹がSNSで理枝さんの活動を知ってつながり、携帯が止まったユミさんの住所も教えていた。

1069チバQ:2020/12/23(水) 17:47:58
https://news.yahoo.co.jp/articles/92a86cee0b0983ab582fc294b50245578ec5a460
コロナ禍、届かなかった10万円 路上で聞いた諦めの声
12/23(水) 15:29配信
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横浜市西区にある公園のベンチ。中央に仕切りが設けられ、人が横たわれないようになっている=2020年12月18日午前9時24分、横浜市西区、土屋香乃子撮影
 街の様子を一変させた、新型コロナウイルスの感染拡大。神奈川県の路上で暮らす人々にどんな影響を与えたのか、春から取材を続けてきた。

【写真】「もう元には戻れない」コロナ感染、住吉美紀アナが流した涙

 緊急事態宣言が出された4月、生活困窮者を支援する団体の横浜市内でのパトロールに同行した。駅の地下街や公園、高架下などで路上生活者と話をした。炊き出しがなくなったり、図書館などが閉鎖されて日中の居場所がなくなったりと、影響は様々なところに及んでいた。

 ネットカフェで生活していたが、休業要請による閉店で行き場を失い、路上をさまよった男性もいた。5月に川崎市内で行われたパトロールに同行した際、出会った男性は、集めて現金化するアルミ缶の値段が下がったと話していた。

■「誰にでもクリスマスがあっていいじゃないですか」

 「住民登録がないから、10万円が受け取れない」。1人10万円の特別定額給付金の支給期間中、取材で出会った路上生活者の多くが抱えていた悩みだ。給付金を受け取るためには、住民登録をしている自治体から住所地に届いた書類で申請する必要があるが、路上生活者は住民登録をしている自治体を離れて生活していたり、そもそも登録地がなかったりする場合が多い。

 「仕方ないよ」「元々もらえると思ってない」。聞こえてくるのは怒りよりも、諦めの声だった。最も支援を必要とする人々に支援が届かない実態が、コロナ禍で浮き彫りになった。

 横浜市によると、今年1月時点で、約380人が市内の路上で生活。コロナ禍を経ても、その数が大きく増えたわけではないという。一方、家賃を補助する住居確保給付金の申請件数は4月以降激増した。目に見えないだけで、路上生活の手前で踏みとどまっている人は少なくないのだ。

 取材を重ねると、街の見え方が少し変わった。ひじかけを設置して人が横たわれないようになっているベンチや、フェンスで囲われた高架下のスペースなどが目に付くようになった。どれも、路上生活者を排除する役割を果たしている。ベンチで寝ることも許さないという街のあり方が、「10万円をもらえるわけがない」という諦めにつながっているようにみえる。

 今月上旬、藤沢市内の路上生活者の「クリスマス会」に参加した。教会の一室に15人ほどが集まり、カレーに舌鼓を打ったり、歌を歌ったり。ビンゴの景品として用意されたのは、保温効果のある下着やレギンス、靴下、カイロなどだ。銀色の保温シートをうれしそうに抱いて帰って行く男性の姿が印象的だった。

 「彼らはこういう季節のイベントからも排除される。でも、誰にでもクリスマスがあっていいじゃないですか」。支援団体の男性の言葉がずしりと響いた。彼らのために何ができるか、自問しながら取材を続けたい。(土屋香乃子)


■住む場所に困ったら相談を 横浜市が大みそかまで窓口

 新型コロナ感染拡大による経済不安が広がる中、年末にかけて失業したり住居を失ったりする人が出る恐れがあるとして、横浜市は初めて、通常の役所の窓口が閉じている年末の29〜31日に、住居相談などに応じる臨時窓口を開く。住居がない人のために、年を越せる宿泊場所(約60室)と食事も用意する。

 市によると、窓口は新型コロナの影響などで生活に困窮し、住む場所に困っている人が対象で、中区の市寿福祉プラザ1階に開設する。3日間限定で、午前9時半〜午後2時。各日5〜7人の市職員が対応し、生活保護や住居確保給付金を含む、生活困窮者自立支援制度などを案内する。住居確保給付金に関する相談では、申請書類の提出も受け付け、市役所が開く来年1月4日以降に審査できるよう手続きする。

 すでに住居を失い、寝泊まりする場所がない人には、宿泊場所と食事も提供する。

 市によると、今年5月の大型連休中にも臨時窓口を設置し、76件の相談を受け付けた。年末の閉庁期間中に大みそかまで対応する窓口を設けるのは初めてという。例年、年末が近づくとこうした相談は増えるが、担当者は「今年はいつも以上に多く、危機感がある。感染拡大が止まらない中、失業したり会社の寮から退出させられたりする人がいるのではないか。役所が閉まる年末も相談先を残しておくべきだと考えた」と話す。

 相談は電話やメールでも受け付ける。電話は045・641・0383、メールはkf-seikatsusodan@city.yokohama.jpへ。いずれも開設時間内の対応になる。(松沢奈々子)
朝日新聞社

1070チバQ:2020/12/27(日) 10:06:09
https://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/bizskills/nishinippon-1000677047.html
「身を粉にして…」最低賃金レベルの給料に耐える非正規労働者
2020/12/26 06:00
 ぱさついた髪が波打つ。「少し天然パーマなんで。面接前に切らないと」。今月、転職を決意した匠(たくみ)さん(44)=仮名、福岡県久留米市=は頭をかいた。面接は身だしなみが大事だけど、理髪店には行かない。節約のため自分で切る。19歳からずっと。長く最低賃金レベルの給料で働き、そうしてきた。

 今の職場は佐賀県にある食品工場。今春から勤め、室温8〜12度の中で味付けのライン作業につく。次々と容器が流れてくるためトイレに行けず、水分は取れない。なのに塩辛い品の味見が多く、具合が悪くなる。

 時給は900円、賞与はない。病気で全盲に近くなった母(74)と暮らすが、年金は月1万円台で食費を1日1400円以下に抑える。親子2人でこの額だ。

 コロナによる不況で、早上がりが増えたため辞めることにした。給料も減り、9月は手取り12万円、10月と11月は14万円ほど。車はなく、通勤に月1万6千円かかるのが惜しい。1日3時間働いただけで帰らされる同僚もおり、決断した。

 新たな道も、険しい。ハローワークに行っても求人は39歳以下が多い。情報誌も「365日、ずっと載っている会社ばかり」。従業員がすぐに辞めていると思い、気が進まない。

 これまでは年末、本業と掛け持ちでアルバイトをしてきた。師走は時給のいい短期の募集があった。勤務先で有給休暇を取り、バイトしたことも。それがコロナの影響か、今年は数が少ない。最近の健康診断で精密検査が必要とも言われた。「もう無間地獄ですよ」。家計を考え、検査を受けるか迷っている。

 なぜこんなことに、と時に思う。高校生の頃に両親が離婚し、母と暮らし始めた。高校卒業後に就職すると、母が重い病気に。昼は通院に付き添うため正社員は望めなかった。これまで働いた12社は、1社を除き全て非正規雇用。社員登用があると聞いて入っても、実際はなかった。生活費を稼ぐだけで精いっぱいで、資格を取る余裕もない。約20年間、最低賃金に近い給料で耐えてきた。

 だから、今年は最低賃金のニュースに落胆した。コロナの影響で、金額は近年の大幅な増額から、わずかな引き上げにとどまった。「非正規の人は昇給がほぼない。最低賃金が上がらないと、給料が上がる可能性はゼロなのに」

 年が押し迫っても求人に目を凝らす。ある工場に電話し、早上がりがないか確認すると、担当者は口ごもった。「会社って、必要な時間帯しか人はいらないんですね。どこも生かさず殺さずですよ」。雇用の調整弁として都合よく扱われる非正規労働者の悲哀を感じる。

 高い給料も車もいらない。ただ母と静かに暮らしたい。「もうそれだけでいいんです」。新天地でかなうだろうか。 (河野賢治)

20年度は1円増

 最低賃金は全ての働き手がもらう給料の下限額のことで、都道府県ごとに異なっている。毎年度見直され、全国平均の時給は4年連続で20円台の増額が続いていたが、2020年度は1円増だった。匠さんの場合、家がある福岡県の最低賃金は時給842円(本年度)、勤務地の佐賀県は792円(同)と、居住地より安い地で働いていることになる。額を全国一律にするよう求める声もある。

1071チバQ:2020/12/27(日) 10:53:04
https://news.yahoo.co.jp/articles/20451cca4df15a3fde7739a59ad7245a11052106
沖縄で困窮相談が急増 昨年比で5倍のペース 全国よりも多い背景に「観光立県」が影響
12/27(日) 9:11配信

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沖縄タイムス
「自立相談支援機関」への新規相談件数

 生活困窮者の相談に幅広く対応する自治体の窓口「自立相談支援機関」への沖縄県内の新規相談件数が本年度上半期(4〜9月)に1万853件となり、前年同期の2千件に比べ5倍超に急増したことが、26日までに分かった。全国は前年同期比3倍で、県内の伸び幅が顕著。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、困窮の広がりが全国よりも深刻になっている恐れがある。

【沖縄で増える生活困窮者】家賃払えず退去、仕事が見つからない・・・

 沖縄県保護・援護課の担当者は「全国的に飲食・観光業界への打撃が大きく、観光立県の沖縄は全国に比べ、影響がより広く出ているのではないか」とみている。

 自立相談支援機関は県(町村部)と市がそれぞれ相談窓口を設け、県内16カ所ある。生活保護を受けていない困窮者のための「第2のセーフティーネット」とされ、生活や就労など幅広い相談に対応。必要に応じ別の支援機関につなぎ、生活の立て直しを後押しする。

 県内の新規相談件数は本年度上半期だけで例年の年間件数(3千〜4千件)を上回った。上半期の月別では5月の相談が多かった。

 厚生労働省によると、全国の上半期の新規相談件数は39万1717件で、前年同期(12万4439件)の3倍。同省担当者は取材に「新型コロナの影響で収入減や解雇、廃業で困窮する人が増えている。住宅確保給付金など支援制度に関する相談も多い」と答えた。

 政府は新型コロナ支援策で、家賃の支払いが難しくなった人に家賃を補助する住居確保給付金の対象を拡大。「離職」に加え「勤務先の休業などで収入が減った場合」に広げ、需要が高まっていた。今年の年末年始は仕事や住まいを失ったり、食料がなくなったりして行き場のない困窮者が増える可能性がある。

 厚労省は11月、各相談支援機関に臨時開所や年末年始の相談体制確保を検討するよう通知。県内は年末年始、石垣市が全期間、名護市が1月1、2日を除いた期間、臨時的に相談窓口を開所する方針を決めた。

(社会部・篠原知恵)

1072とはずがたり:2021/01/11(月) 23:25:04
沖縄タイムス+プラス 社説 社会・くらし 社説[コロナと生活保護]申請を促す発信もっと
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/689580
社説
2021年1月8日 07:34

 昨年10月分の生活保護申請が1万8621件となり、前年同月と比べ1・8%増えたことが、厚生労働省のまとめで分かった。新型コロナウイルスの影響で仕事を失う人が増える中、9月に続いて2カ月連続の増加である。

 生活保護申請は昨年4月の緊急事態宣言発令に伴う休業要請などにより24・8%増と大きく跳ね上がった経緯がある。きょう8日からは、首都圏1都3県に再び宣言が発令される。

 コロナによる影響は長期化しており、苦しい生活を強いられる人がさらに増えるのではないか。必要な人がためらわずに申請できるよう環境を整えなければならない。

 年末年始に民間の支援団体などが実施した相談会や食料配布には、暮らしが立ちゆかなくなった大勢の人が集まった。那覇市内であった恒例の炊き出しにも、普段より多くの人が訪れた。

 低所得世帯の暮らしを再建してもらう狙いで貸し付ける「生活支援費」の融資決定件数は、3月からの約9カ月間で50万件を超えている。リーマン・ショック時の12倍にもあたる。

 懸念されるのは、2人以上の世帯なら最大20万円を3カ月分まで無利子で借りられる生活支援費など特例制度の利用が限度額に達し、「今後の生活が見通せない」という相談が増えていることだ。

 専門家は「本来なら生活保護を受給した方がいい人が貸し付けを利用しているケースも多い」と指摘する。

 増えたとはいえ申請の数字には反映されていない、保護を必要とする人たちに目を向ける必要がある。

■    ■

 申請をためらうのはなぜなのか。

 思い出すのは10年近く前、人気タレントの母親が生活保護を受けていたことをきっかけに相次いだ「不正受給」報道や生活保護バッシングである。

 結果、貧困の広がりとは裏腹に、本当に困っている人が受けられない「漏給」が見逃され、受給者には厳しい視線が注がれた。

 根深い偏見と自己責任論が幅を利かせる社会のせいだろう。支援を受けることへの抵抗感は強い。 

 生活保護は憲法25条が保障する「生存権」を具体化したものである。

 コロナ禍ではこれまで貧困とは無縁だった働き盛り世代などからも「新たな貧困層」が生まれている。

 誰もが困窮するリスクのある時代なのだ。

■    ■

 田村憲久厚労相は、年末の記者会見で「生活保護を受けることは国民の権利だ。迷わず申請してほしい」と異例の呼び掛けを行った。同省のホームページでは「よくある誤解」として、別居している親族に相談しなくても申請できることなども発信している。

 コロナ禍によって照らし出されたのは、最後のセーフティーネット(安全網)が、きちんと機能していないという社会の脆弱(ぜいじゃく)性でもある。

 命をつなぐ制度の趣旨を社会全体で共有し、もっと積極的に利用を呼び掛けるべきだ。

1073チバQ:2021/01/12(火) 19:29:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/d06a473ca74953c8b30da78a14cdacc31610cb6d
コロナで「困っています」物乞いする35歳 うつむく困窮者に届かぬ支援
1/12(火) 16:04配信




通行人へ金銭の支援を求める男性(35)。「顔を写さないなら」という条件で撮影を許してくれた=東京都のJR新宿駅の西改札付近で2021年1月7日午後8時58分、黒川晋史撮影
 首都圏で新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出された今月7日夜。JR新宿駅(東京都)の西改札付近を歩いていると、一人の男性の姿が目に入った。雑踏の中で柱を背に座り込み、うつむいている。手に掲げていた段ボールの切れ端には「コロナ等で色々困ってます お願いします」と書かれた文字。通行人が「少ないですけど」と足元のおわんに小銭を入れていく。「ありがとうございます」。男性はやっと視線を上げた。

【緊急事態宣言】前回と今回の違いは?

 話を聞こうと声を掛けた。男性は35歳。コロナ禍で職を失い、再就職もかなわなかった。年末年始は友人宅に身を寄せたが、いつまでも頼るわけにはいかず、路上で過ごしながら「物乞い」をしているという。

 都は住まいがない困窮者向けに一時滞在用のホテル1000室を用意しているが、「知人から聞いた」という程度で、詳しい利用方法は知らないという。「とにかくコロナで仕事がない。それだけです」。再び顔を伏せた。

 いったんその場を離れたが、どうしても男性のことが気になった。20分ほど後、都の相談窓口の連絡先を記し、渡そうと現場に戻った。だが、すでに男性はいなくなっていた。「3日前にもいたし、けっこう前から見かけますよ」。そばで待ち合わせをしていた若い男女が教えてくれた。

 ◇都庁前の食料配布に200人超

 男性のような窮状はレアケースなのだろうか。困窮者の支援に取り組む認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の大西連理事長(33)は「同じように困っている人はたくさんいる。特に若い人に多い」と断言する。経済活動が停滞する中で、非正規雇用や日雇いなど不安定な働き方の人たちにしわ寄せが及んでいるのだという。

 厚生労働省のまとめによると、コロナ関連の解雇や雇い止めは8万人に上る。大西理事長が関わる都庁前の困窮者向けの食料配布では9日に利用者が初めて200人を突破。前年の同時期より2.5倍に増えた。

 国や自治体は対策を取っていないわけではない。東京都は12月21日から、年末年始にネットカフェで過ごす人などへ向けてホテル1000室を用意。さらに緊急事態宣言を受け、利用受付期間を2月7日まで延長すると決めた。

 ◇「貧困は自己責任」と考える日本

 田村憲久厚労相は12月25日の記者会見で、生活保護について「本当に困窮された方は受ける権利があるので、迷わず申請をしてほしい」と異例の呼びかけを行った。政府は各種の支援金制度も打ち出し、非常事態に対応する構えを見せている。

 しかし、そうした仕組みを作っても、困窮者本人に伝わらなければ支援にはつながらない。ホテル提供の制度を利用するのはネットカフェなどで暮らす人が多いとみられるが、都はこれまで、今回の提供に関する周知をネットカフェに依頼していない。「今後もする予定はない」(都地域福祉課)という。

 実際、支援現場では「ホテルに泊まれるとは知らなかった」という声が多く聞かれる。都によると、1月4日までのホテル利用者は235人に過ぎない。

 さらに困窮者自身の、福祉に対する忌避感も障壁となっている。大西理事長によると、支援機関へたどり着くことができても、生活保護などへ強い抵抗感を示すケースがあるという。

 大西理事長は「日本では貧困を“自己責任”と捉える人が多い。そうした人も安心して支援制度を使えるよう、説得や働きかけがなされるべきだ」と指摘。「相談窓口を開けて待っているだけでは限界がある。行政機関は民間の支援団体などと協力して、制度をより積極的に使ってもらう方向にかじを切ってほしい」と語る。

 「第3波」で世の中の混乱が続く中、果たして困窮者に支援は行き渡るのだろうか。9日夜、再び新宿駅を訪れたが、物乞いをしていた男性の姿は見つからなかった。【黒川晋史】

 ◇<困った時は>

 ◇東京都の相談窓口「TOKYOチャレンジネット」

(電話0120・874・225、女性専用0120・874・505)

https://www.tokyo-challenge.net/

※就労で自立を目指す人向け。それ以外の場合は地域の福祉事務所や自立相談支援機関へ

◇厚生労働省のリーフレット「生活を支えるための支援のご案内」など

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13694.html

1074チバQ:2021/01/19(火) 11:00:51
https://news.yahoo.co.jp/articles/da01bbd4fb38cbdeaf2ee67cc6552c6a479342e6
解雇・困窮・DV…コロナ苦境、女性を直撃
1/18(月) 21:36配信
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非正規労働者の減少数推移
 新型コロナウイルスの流行が長期化する中、立場の弱い女性たちが苦境に追い込まれている。生活困窮やドメスティックバイオレンス(DV)に直面し、自殺者も急増。行政支援が届かず孤立する世帯もあり、さらなる状況の悪化も懸念されている。

【表】「4人家族で1カ月に必要な金額」京都総評の試算と内訳

 「新型コロナの拡大は特に女性への影響が深刻で、『女性不況』の様相が確認される」。コロナ禍が女性に与える影響を議論してきた内閣府の有識者研究会は昨年11月に公表した緊急提言で危機感をあらわにした。

 女性たちをめぐる環境の悪化は統計からも明らかだ。昨年11月の総務省の労働力調査によると、アルバイトやパートなどの非正規雇用で働く人は2124万人で、同3月から9カ月連続で減少。同1月以降の減少数は女性が535万人で、男性(279万人)の約2倍となっている。

 厚生労働省によると、コロナの影響に伴う「解雇・雇い止め」は今年1月8日時点で累計約8万人(見込みを含む)に上り、このうち非正規が約半数を占める。外出自粛などにより、女性従業員の多い飲食・宿泊業などが大きな打撃を受けているという。

 特に所得の低いひとり親世帯への影響は大きく、支援団体には、当事者らから「子供たちには2食で我慢してもらっている」「米を買うお金もない」などと悲痛な声が届く。自粛生活で家事・育児や介護の負担増、DVにさらされるリスクも増大。内閣府の調査では昨年4〜11月のDV相談件数は、各月前年の1・3〜1・6倍となった。

 警察庁や厚労省によると、昨年1〜11月(暫定値)の女性の自殺者数は6384人で、前年同時期より752人増加。同6月から6カ月連続で前年を上回るペースで推移する。特に同10月は約9割増の879人に上り、40代が147人で最も多い。原因・動機では、健康問題や家庭問題の増加が目立つ。

 公共政策が専門で自殺問題に詳しい早稲田大の上田路子(みちこ)准教授は「コロナ禍では若い女性の自殺者が増えており、この層に経済的問題など打撃が集中している様子がうかがえる」と説明する。影響が長期化すれば、さらなる状況悪化を招きかねないとして「国は女性たちが直面している苦悩の実態を把握した上で、生活基盤を整えるための具体的支援策を早急に打ち出す必要がある」と指摘する。

■夫の暴力…実家も居場所なく

 「この先、どう生きていけばいいのか」。長引くコロナ禍に、西日本に住む40代の女性は苦しい胸の内をこう打ち明ける。発達障害を抱える幼いわが子2人とともに、夫の住む自宅を離れ、実家に身を寄せて暮らしている。

 女性は結婚を機に仕事を退職。自宅では家事と育児を一人で担ってきた。夫は感情の起伏が激しく、機嫌が悪いと些細(ささい)なことで激高。物を壊し、時に自分への暴力となって返ってきた。子供たちが標的とされることへの恐怖もあり、言われるがままの生活をこなすしかなかった。

 ある日、「口答えした」と難癖をつけられ、手が付けられなくなった。警察に助けを求め、実家に避難するよう言われた。だが、実家にも居場所はなかった。

 両親は「育児は母親がするもの」と支援の手を差し伸べてくれない。食事や洗濯などは別々。家賃を払うようにも言われる。仕事を始めたいが、子供たちが通う療育施設は不定期実施で、見てもらえる時間も短い。そんな苦境に追い打ちをかけたのが新型コロナの感染拡大だった。

 子育ての合間に情報誌やウェブサイトを通じて仕事を探してきたが、経済環境の悪化で求人は激減しており、短時間で柔軟な働き方のできるアルバイトは見つけることが難しい状況だ。夫は離婚に応じず、自治体に支援を相談しても、低所得のひとり親世帯が受け取れる児童扶養手当や、コロナ禍で国が支給を決めた臨時特別給付金も受け取ることはできなかった。

 現在は独身時代にためた貯金を取り崩し、子供の3食を用意するのがやっと。自分は夜に1食を残り物で済ませ、冬服も2着を着回している。DV被害者らを保護するシェルターへの入居を希望しているが、どこもいっぱいで受け入れてもらえない。「妻が子供を連れ去った」と主張する夫から脅迫めいたメールが日々届き、精神的に追い詰められる状況が続いている。

 夜中、子供たちを寝かしつけ、布団に横たわって天井を見上げるとふと思う。「首でもくくれば、楽なのかな」。だが自分がいなくなれば、子供たちはどうなるのか。「どこにも行き場所がない。先を見通すこともできない。死にたくなる思いを打ち消すのに精いっぱいの生活を送っている」。女性はそう訴えた。(三宅陽子)

1075チバQ:2021/01/20(水) 15:23:47
https://news.yahoo.co.jp/articles/27d091fd43709750973a5ed43799c664953f8b8d
所持金600円…「どん底」コロナで職失った33歳 奨学金返済も重く
1/20(水) 11:18配信




炊き出しに訪れた男性。「お金の管理の仕方も勉強したい」と現況を打開する方法を探し続けている(写真の一部を加工しています)
 新型コロナウイルス禍で職を失い、生活に行き詰まる人が後を絶たない。解雇や雇い止めのほか、勤め先の業績悪化でやむなく離職する人もいる。福岡市の支援団体に昨年末、SOSを寄せた男性(33)もその1人。かつて助けられた奨学金の返済で苦しくなり、コロナ禍で職も失って、命を絶つことを考えていた。 

【動画】「涙が出た」話題になったコロナ終息願う動画

 5日、路上生活者などを支援するNPO法人「美野島めぐみの家」が拠点とする同市の美野島司牧センター。新年最初の炊き出しで、男性は白玉ぜんざいや筑前煮をほおばった。「人が作ってくれた食事はおいしい」。卵かけご飯やレトルト食品で耐えてきた体に、温かさと栄養がしみた。

 めぐみの家に駆け込んだのは年の瀬、誕生日の前日だった。「毎年、誕生日にいい思いはしてないけど、今年が一番ひどい」。コロナ禍で失職し、1カ月分の家賃2万5千円を滞納していた。所持金は600円。公的な貸付制度は過去の利用で返済が滞ったことがあり、審査に通らなかった。

 重荷だったのは奨学金の返済。高校と専門学校で建築を学び、5年間で計150万円を借りた。関東で大工やトラック運転手など職を転々とするうち返済が滞った。給料を差し押さえられ、当時の職場を辞めた。

 消費者金融から借り入れて完済したが、生活費が足りずヤミ金へ。実家も困窮して頼れず、借金は170万円まで膨らんだ。2年前に福岡県内に移住。運送会社で正社員になり希望が見えたが、コロナ禍の受注減で退職勧奨を受けた。複数の社員とチームで働く勤務体系で、チームの同僚全てが退社に応じたため、やむを得ず昨年9月に職を離れた。

 唯一の頼りの失業手当は、借金の支払いに充てるため手元にほぼ残らない。家に1人で閉じこもり、業者が夜も取り立てに来る。楽に死ねる方法を何度も探し、精神的に限界になった。弁護士に相談して自己破産の手続きを始めた頃、めぐみの家に助けを求めた。
 寒波が襲っても暖房は使わない。「耐えるしかない」。安定した職を望む一方、できる仕事なら何でもしたい。家族が集まれる家を自分の手で建てる夢もある。だが感染の急拡大からか、仕事は見つからない。「今がどん底。あとは上がるだけ」。自分を鼓舞する。
「苦しいけど、お互いがんばろう」
 昨年末。誕生日の翌日に、無料でWi-Fiが使えるコンビニに向かった。料金滞納で使えなくなった携帯電話がメッセージを受信し始める。「誕生日おめでとう」。母と妹からだった。近況を伝えると母から返信がきた。「苦しいけど、お互いがんばろう」

 厚生労働省によると、コロナ禍に関連した解雇や雇い止めは、見込みも含め累計8万人を超えた。他にも、職を失って追い詰められた人は多いとみられる。

 めぐみの家の瀬戸紀子理事長(76)は「行政の支援が広がったおかげで、炊き出し利用者はさほど増えてはいない」と話す一方、「今後を見通せない状況は変わらない」と警戒を緩めていない。 (小林稔子)

1076チバQ:2021/01/24(日) 12:00:14
https://news.yahoo.co.jp/articles/47f56e4335dab9d6c190269fa21ee070a58e94c6
飲食店の時短営業で窮地に追い込まれる非正規雇用の人々
1/23(土) 16:05配信

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NEWSポストセブン
2度目の緊急事態宣言と飲食店への時短営業要請が出された東京の夜は早くから暗い(AA/時事通信フォト)

 子供から大人まで、すべての人が対象だった「特別定額給付金」について、新型コロナウイルスの再拡大による緊急事態宣言発令にあわせて、二度目の支給をという声が高まっている。2020年の緊急事態宣言時と異なり、今回は完全休業している店舗などは少ないから、そこまでの必要はないだろう、不満があるなら転職できたはずなどという声も上がるが、経済状況とは個人レベルでもそんな単純に解決できるものではない。ライターの森鷹久氏が、飲食店の時短営業によって窮地に追い込まれている人たちについてレポートする。

【写真】20時までの時短営業

 * * *
 一都三県に加え、大阪や愛知などにも拡大した「緊急事態宣言」。

 飲食店の営業を「午後8時まで」とするよう自治体からの「要請」もあり、多くの店がそれに従っている。売り上げが減るという飲食店には、補償金が支払われる、補償金が増額されるといった議論も具体的になされているが、全く置き去りにされている存在となっている、そこで働く非正規雇用の人たちがいる。

「学校は再開しましたが、バイトは急遽休みに。少しずつシフトに入れるようになり、多少はお金が稼げると思っていた矢先。正直、勉強にも身が入らないです」

 都内の国立大学3年・吉田京香さん(仮名・20才)は四国出身。大学進学のために上京すると、都下のアパートで一人暮らしを始めた。郊外のため家賃は4万円ほどで、実家の両親が負担してくれている。その代わり、家賃以外の食費、通信費、交際費などは、自身のアルバイトによって賄ってきたという。

「レストランと居酒屋のバイトを掛け持ちして、月に12万円程度の収入がありました。レストランは夕方から夜9時まで。そこから深夜の3時ごろまで居酒屋で働いていたんです」(吉田さん)

 学生の身分で月に12万円の金があれば、それなりに豊かな暮らしができた。年に一度は貧乏旅行だけど海外旅行にも行けたし、好きな物も自由に買え、憧れの「東京生活」を満喫できていたと話す。

 ところが昨年4月以降、バイトがゼロになった。原因はもちろん「コロナ」だ。

「3月にはシフトが半分に減らされ、一度目の緊急事態宣言が出された4月にはレストランも居酒屋も、バイトは一人もシフトに入れてもらえなくなりました。夏にはレストランが潰れ、私も学校にも行けず地元にも帰れず。アパートで一人、リモート授業を受けるだけの生活になりました」(吉田さん)

 収入は途切れたが、十数万円の貯金はある。実家からは「加勢しようか」と言われたが、家賃を払ってもらっている手前、また、独立心が高かった吉田さんは、貯蓄を切り崩しつつ、そして家に篭りつつ倹約生活を続けて乗り切ったのである。

 夏の終わり頃には、居酒屋が通常営業に戻り、少しずつではあるがバイトも再開。昨年の12月ごろには、コロナ前と同じようにシフトに入ることもできるようになり、通常授業が再開した大学にも通いながら、久々の日常を懐かしんだ。だが……。

「年明けの緊急事態宣言で、居酒屋は夜8時で営業をしなくなった。夕方までは大学があるし、事実上、またバイトがゼロになってしまいました。お店には補償金も出るんでしょうけど、そこで働いている人、特にバイトで生活しているような学生やフリーターは置いてけぼり。これが春以降も続くなら、学校に通い続けるのも厳しい。就活もあるのに、どうしようという感じです」(吉田さん)

1077チバQ:2021/01/24(日) 12:05:32
 吉田さんのような「一人暮らし」の学生だけが窮地に追い込まれているわけではない。神奈川県在住の浜田聡子さん(50代・仮名)は、認知症を患った母親(70代)と二人暮らし。日中は母親の面倒を見て、夜8時に母が就寝して以降、明け方近くまで近所の居酒屋でアルバイトをし、生活費をなんとか捻出するという生活を送っていた。

「母親は認知症ですが、体は元気。放っておけば家中のものをひっくり返したり、どこかへ出掛けて行ったりするものだから、日中はつきっきりで面倒を見ています。夜は一度寝てしまえば、こちらが起こすまで起きないから、その間に働きに出ていたんです」(浜田さん)

 浜田さん宅の主な収入は、母親の年金が月に10万円強と、浜田さんのアルバイト代が同じく7万円強、合わせておよそ17万円。あと10年ほど残った家のローンの支払いも月に8万円ほどあり、生活費に回せる金額は1ヶ月あたり9万円程度。母親用のオムツ代だけでも月に1万5000円かかるというから、生活はギリギリ。そこに、コロナが追い討ちをかけた。

「昨年春の緊急事態宣言で、当時働いていた居酒屋が潰れてしまいました。店長の計らいで系列の居酒屋になんとか雇っていただきましたが、シフトは以前の半分以下に。それでも秋以降は持ち直して、月に5万円は貰えるくらい働くことができていたんですが」(浜田さん)

 そしてやはり、感染者数が再び増え始めた昨年末ごろから、居酒屋の客足が目に見えて減り出し、またしてもシフトは削られた。年明けに「緊急事態宣言が出るかもしれない」という世の中の雰囲気を感じた頃には、店長から直々に「やめてほしい」と電話が入ったのだった。

「この状態では借金もできないし、借りられても返す宛がない。死んだ父が建てた家に、母親が逝くまでは住み続けたいと思っていましたが、もう売るしかない。築20年経っていて、上物(建物)の価値はほぼゼロ。土地代が数百万にはなると不動産屋に言われました。売却して、そのお金で母親には施設に入ってもらう予定です。でも、コロナだから、入所のハードルがどこも高くて」(浜田さん)

 自身の行く末についても、不安が尽きない。

「母のことが好きでしたから、なんとか最後までと思っていたので情けなくて……。私も一人暮らしとなりますが、収入はゼロになる。もうバイトができる年齢でもありません。恵まれた生活をしていたわけでもなく、静かにひっそり暮らしていただけなのに……。GoToイートが再開されるという報道もありましたが、世間の反応は冷ややか。私だってこの状況で、外食したいとは思わない。ワクチンがあれば、数ヶ月後には良くなっている……どうしてもそう思えず、それまで持たないんです」(浜田さん)

 緊急事態宣言下でも、都市には人が溢れ、通勤客や買い物客が行き交っている。感染が再拡大しているといっても、自分の周囲には感染して死にそうになった人はいないからたいしたことない、そう思う人が少なくないのだろう。本当は、交通事故に遭って救急車を呼んでも救急患者がたらい回しにされ収容先が決まらないなど「医療崩壊」が顕在化している現実もあるのだが、その深刻さは人々には届かない。この状況をよくするには、社会全体で感染対策を徹底するしかないのだが、少しくらい問題ないだろうと考える人が増え、もはや「感染爆発」まで秒読みの状態。同時に、困窮者の数も、爆発的に増えつつあるのだ。

 緊急事態宣言の深刻さを真面目に受け止める人が増えない限り、この不自由な状態は長引くことになる。そしてその裏では、声も上げられず、ひっそりと全てのことを諦めざるを得ない状況へ追い込まれる人が、続々現れ始めている。

1078チバQ:2021/02/03(水) 11:06:46
https://news.yahoo.co.jp/articles/dded716eb711efd6ab61b8ca781a9e55525de54a
路上生活者が建て替えに反発し占拠、駅前のあいりんセンター「まるで廃虚」「早く着工して」
2/3(水) 9:08配信
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(写真:読売新聞)
 大阪府や大阪市が、同市西成区で地域活性化の拠点にしようと計画している労働施設「あいりん総合センター」の建て替えが2年近くストップしている。路上生活者らが「建て替え後の具体像が示されていない」と反発して占拠を続けているためだ。府は昨年、立ち退きを求めて大阪地裁に提訴したが、路上生活者側は徹底抗戦の構えで、着地点は見えていない。
「まるで廃虚」
 関西空港に直結する新今宮駅周辺。外国人観光客を当て込んで、駅北側で星野リゾートの観光ホテル建設が進む一方、南側では、シャッターを閉めたままの「あいりん総合センター」(13階建て)が重苦しい静けさを保つ。敷地の一角では段ボールや毛布が積まれ、約30人が寝起きしている。
 「まるで廃虚。コロナが終息すればにぎわいが戻る場所なので、早く着工してほしいが……」。地元まちづくり団体の関係者がため息をついた。
 センターは1970年、府、市、国が建設。約6000平方メートルの広大な敷地に立ち、職業安定所などの労働機能のほか、病院や市営住宅が併設され、ピーク時は日雇い労働者2万人が利用した。だがバブル崩壊の求人減で路上生活者が増え、付近の治安や衛生状態は悪化した。
 その後、2012年に当時の橋下徹市長が「西成特区構想」を掲げ、建て替えを含めた見直し方針を表明。耐震性に問題があるセンターを再生し、西成活性化の核にしようと考えたのだ。
 14年から住民や有識者らで協議を重ね、病院、市営住宅は近くへの移転が決定。労働業務は別の建物に仮移転し、建て替え後の新施設に戻る案でまとまった。センターは19年4月に閉鎖され、当初は20年頃にも解体撤去し、25年に新施設が完成する予定だった。
募る不信
 ところが、路上生活者はセンター内を休息場所としても活用してきた実態があり、一部が「新施設で休息場所が失われる」などと計画に反発。建物周辺の敷地で寝泊まりを重ね、占拠するようになったため、市は解体工事の入札も実施できない状態に陥っている。

 新施設については、敷地内の南側に従来のセンター機能となる「労働エリア」を整備し、北側に多目的に利用できる「住民の福利・にぎわいエリア」を新設する方針が示されているが、規模や具体的内容は現在も検討中で、「労働機能が縮小されるのでは」との不信を招く一因ともなっている。
 市は占拠を続ける路上生活者に生活保護の受給を勧め、立ち退きを求めているが、「行政の世話にはなりたくない」などとして理解を得られていないという。

1079チバQ:2021/02/07(日) 17:40:24
https://news.yahoo.co.jp/articles/a711c97aac141f8892991acd61c86e94c612dcbe
「生きて苦しむより、死んだほうがマシ」就職氷河期世代、51歳男性の絶望
2/7(日) 11:16配信
希望しても正社員になれなかった就職氷河期世代をコロナ禍が襲っている。労働経済ジャーナリストの小林美希さんは「政府の対策は10年、20年遅い。不本意にも非正規で働いている氷河期世代は、『このままずっと非正規で働き続けるしかない』とあきらめている」という――。

■スキルを身に付けられず中年になった

 「コロナの影響でただでさえ仕事が減っているのに、年齢的に不利な私たちがどうやって正社員になれるのだろうか」

 小野明美さん(仮名、40歳)は諦め顔だ。2004年に都内の短大を卒業した明美さんは、新卒採用では事務職を希望していた。ところが当時は就職氷河期で事務職が非正規雇用に置き換わり始めた頃で、正社員の枠は少なく、エントリーしても全滅。それでもいったんは消費者金融会社に営業事務として正社員入社した。債務者に取り立て(債権回収)の連絡を入れる業務もあり、それがつらくなって入社2年目で退職した。

 「無職でいるわけにはいかない」と、学生時代に経験のあったアパレル販売のアルバイトでしのいだ。一人暮らしの生活費を稼ぐため、シフトがない時は日雇い派遣を入れるうち、本格的な再就職活動ができなくなるジレンマに陥った。そして2008年のリーマンショック。「なんのスキルもない私に正社員は一層とハードルが高くなりました」と明美さんは振り返る。

 アパレル店や飲食店で仕事を続けたが、そもそも正社員は店長など限られた人数しかいない。今はコロナでシフトが減り、いよいよ違う業界に目を向けなければ完全に職を失いそうな状況だ。明美さんは「事務職に転職しようにも経験がありません。今さら氷河期世代を支援するといっても、これから資格をとろうにも日々の生活で精いっぱい」と頭を悩ます。

■できるか?  3年間に30万人を正社員化

 国は就職氷河期の定義を「おおむね1993年卒から2004年卒。大卒でおおおむね37〜48歳、高卒で同33〜44歳」(2019年4月時点)とし、その中心層を「35〜44歳の371万人」としている。同世代は、1991年のバブル崩壊、1997年の金融不安、2001年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックなどの影響を受けてきたうえ、今、コロナショックのさなかにいる。

 昨年6月に発表された支援策では、3年間で就職氷河期世代30万人を正社員に移行する目標を立てている。主な支援内容は、ハローワークに専門窓口を設置し、担当者によるキャリアコンサルティングや職業訓練などチームを組んで支援。専門窓口は全国69カ所から82カ所へ、就労・生活支援アドバイザーと就職支援コーディネーターはそれぞれ69人から82人へ、職業相談員は118人から144人体制に強化する。民間ノウハウも活用して正社員への就職につなげるが、どれも過去の施策の寄せ集めとなっている。

 目玉施策として厚生労働省がIT、建設、運輸、農業などの業界団体に委託し、「短期資格等習得コース」の講座を開講し、業界で必要な訓練と職場体験を組み合わせて正社員就職を支援する「出口一体型」を行う。建設や農業はもともと人手不足で外国人労働に頼っている業界だ。ほかにも、造船・舶用工業、内航船員、林業、自動車整備業など深刻な人手不足業界に就職氷河期世代を呼び込もうとしている。理想どおりにいけばいいが、中年層になってからのこれらの業界への転身が進むかは疑問が残る。

1080チバQ:2021/02/07(日) 17:42:53
■助成金受給や再就職に厳しいハードル

 雇用の受け皿を担ってきた飲食業や観光業が大打撃を受けるなか、国は「地域における観光産業の実務人材確保・育成事業」を掲げ、ポストコロナを見据えたワーク・ライフ・バランスの改善を図る。しかし、たとえコロナが収束したとしても観光業は他国の景気や政治状況にも左右されるため、今までインバウンドに依存してきたこと自体が危うかったと言えないか。

 帝国データバンクの「新型コロナウイルス関連倒産」(法人および個人事業主)によれば、2月3日16時現在、全国で985件の関連倒産となっている。業種別の上位は、「飲食店」(158件)、「建設・工事業」(81件)、「ホテル・旅館」(77件)、「アパレル・小売店」(56件)という状況だ。このような厳しい状況を前提とした業界動向や収益構造のなかで正社員雇用ができるのかを問い直さなければ、国の支援策も絵に描いた餅になる。

 コロナで在宅ワークが進む中でIT業界への就職支援も強化するが、専門知識が必要だ。その場合は職業訓練を受けることになるが、受講中の収入減がネックになる。落ち着いて勉強して未経験の仕事に就けるよう、国は職業訓練受講給付金を「給付金支給単位期間」(訓練開始から1カ月ごとに区切った期間)ごとに10万円支給するというが、その要件に、①収入が8万円以下であること、②同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母の世帯の収入が25万円以下であること、③世帯の金融資産が300万円以下であること――などがハードルとなって給付金を受け取りながら職業訓練を受けられないケースもある。

 また、人材ニーズがある業界は、シフト制で深夜、土日祝日の勤務があることが少なくない。子育て中はもちろん、就職氷河期世代の親は高齢で介護や日常生活のサポートが必要な場合もあり、不規則な時間帯の勤務や自宅から遠い職場で働けない事情も生じる。就職氷河期世代が中年となった今、こうした生活変化が起きやすくなっている。

 国は就職氷河期の「中心層」を35〜44歳と強調しているが、それは支援する対象者を少なく見せるもので、実際にはバブル崩壊後に社会に出た45〜49歳(2019年時点/1970〜1975年生まれ)も多く存在する。就労支援の専門家が「ただでさえ正社員採用は難しい」という45歳以上の存在を覆い隠すようなもので、本来は、より重点的に支援すべき年齢層だ。

■切り捨てられた45歳以上

 非常勤の公務員として雇用に関する部署で働く池野良太さん(仮名、51歳/2019年は49歳)も氷河期世代に当たり、「40歳くらいまでならチャンスがあるかもしれないが、45歳以降で正社員になるのは厳しい」と切実な思いを語る。

 西日本に住む良太さん。県内の正社員の有効求人倍率は1倍台であるものの、「就職氷河期世代を採用しようとする企業は、私が知る限り地元でブラックと呼ばれているとことばかり。これでは人が集まるはずがない」という。地元の大手優良企業が募集をかけると、その企業の退職者が手をあげたことで枠がすぐに埋まってしまい、氷河期世代向けの募集は取り消されてしまったという。

 自治体に公務員の氷河期世代の採用枠を作ってほしいと打診しても、「予算の都合でできない」という回答しか得られなかった。良太さんは「だったら、広報宣伝に俳優を起用する費用を削ってでも良い企業を開拓する費用に充てればいいのに。これでは、行政が『対策しました』という言い訳のための事業でしかない」と、いら立つ気持ちが抑えられない。

1081チバQ:2021/02/07(日) 17:43:46
 昨年度は、兵庫県宝塚市が就職氷河期世代を対象に正職員の採用試験を行うと、倍率が400倍超えとなって大きな反響を受けた。

 「これほど倍率の高い公務員試験になったのは、どれだけ多くの人が困っているのかを如実に表しているのだと思います。当事者としても、就職支援に関する立場としても、もっと公務員枠を増やしてほしい」

 2021年度、氷河期世代を対象にした府省の国家公務員の中途採用は157人が予定されている。各自治体でも中途採用がより進むことが期待されるが、地方公務員も年々と非正規雇用が増えているという状況だ。

 良太さんがより矛盾を感じるのは、氷河期世代を支援する年齢区分だ。良太さんは「35歳からの支援にすれば、確かに30代後半は救われるチャンスがあるだろう。この年になって畑違いのところで働くのは難しく、40代のうちとりわけ45歳以降は不利なまま取り残されてしまう」と懸念している。良太さん自身、現在の雇用は非常勤で、来年度の更新はない状態だ。正職員の求人募集を見つけては応募しているものの、決まらなければ4月から無職かもしれない。

 「昼ごはんはパン2つで出費を180円に抑える生活。明日どうやって生活しようという不安が絶えません。地方での生活には車が必要で、生活保護の申請は難しいと思います。政治はもっと本気で対策してほしい。もし仕事が決まらず路頭に迷えば、生きて苦しむよりも死を選んだほうがいい」

 緊急事態宣言下でも一人数万円もかけて会食する政治家に、良太さんら就職氷河期世代の現実は見えているのか。

■「非正規」を生まない抜本改革が必要

 大卒就職率が史上初の6割を下回った2000年からちょうど20年。

 当時、株主至上主義や自己責任論の拡大で若者の雇用問題は軽んじられ、氷河期世代の問題は置き去りにされた。第1次安倍晋三政権(2006年9月〜07年8月)で「再チャレンジ」施策が行われたが短命に終わり、2008年にリーマンショックが襲う。少なくとも就職氷河期世代がまだ30歳前後だった10年前にもっと救いの手が差し伸べられていたら、状況は好転していたのではないか。

 国が策定した「行動計画」は、既存の就職支援の焼き直しの部分が大半を占め、氷河期世代が中年となった今、通用しない面があることは否めない。コロナの打撃は計り知れず、雇用の受け皿が壊れてしまった今、他業界で働くことも視野に入れなければならない状態で、正社員化の即効性を求めることは難しい。じっくり職業訓練に取り組めるよう、氷河期世代の生活基盤を支えなければならない。

 新卒採用も徐々に厳しさを見せるなか、新たな氷河期世代を生まないためには、非正規雇用を生み出す構造そのものを変えなければならない。約20年前、1999年に労働者派遣法が改正され対象業務が拡大。2004年には派遣も含め非正規雇用の「3年ルール」ができて、企業は3年経ったら正社員にするのではなく、多くが雇い止めした。

 厚生労働省「労働者派遣事業報告書の集計結果」(2018年度)によれば、派遣労働者約123万人のうち3年が経過する見込みである人は約11万人。直接雇用の申し込みがあったのが約3万人で、実際に雇用されたのは1万4223人にとどまる。

 直接雇用を前提とする紹介予定派遣でも、実際に直接雇用されるケースは多くはない。同調査では、2018年度に紹介予定派遣で働いた派遣社員は3万6791人であるのに対し、直接雇用の紹介があった2万8120人のうち実際に直接雇用に結びついたのは1万9214人でしかないことが分かる。

 非正規雇用を生み出し、それを容認する制度を許す以上、いくら就労支援を行っても不安定な就労はなくならない。就職氷河期世代の支援は就労支援だけでなく、労働法制そのものを規制強化することが必要なのではないか。



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小林 美希(こばやし・みき)
労働経済ジャーナリスト
1975年茨城県生まれ。神戸大法学部卒業。株式新聞社、毎日新聞社『エコノミスト』編集部記者を経て、2007年より現職。13年「『子供を産ませない社会』の構造とマタニティハラスメントに関する一連の報道」で貧困ジャーナリズム賞受賞。著書に『ルポ 保育格差』など。
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労働経済ジャーナリスト 小林 美希

1082チバQ:2021/02/08(月) 19:03:02
https://news.yahoo.co.jp/articles/af681fdf536cbd075d9dd663fbb4502b26a8b302
氷河期世代にコロナの寒風 失職、再就職ままならず
2/7(日) 22:46配信
3294




キャリア研修で真剣なまなざしを講師に向ける参加者(手前)=1月15日、大阪市浪速区(須谷友郁撮影)
 新型コロナウイルスの影響で「就職氷河期世代」が苦境に陥っている。バブル崩壊後の厳しい経済状況のため、安定的な職業に就くことが困難だった40歳代を中心とする人たち。政府はこの世代の正規雇用を30万人増やすとの目標を令和元年に閣議決定したが、雇用環境の悪化で解雇される人も出てきた。関係者は「自信を失っていた人たちに、コロナが追い打ちをかけている」と危機感を募らせている。(加納裕子)

【グラフで見る】正社員有効求人倍率の推移

 ■派遣は真っ先に

 「書類選考で『会ってみたいな』と思う人が面接に呼ばれる。書類には自分の強みを書いて、ほかの人と差別化して」

 1月15日、大阪市浪速区で行われた氷河期世代向けのキャリア研修で、キャリアコンサルタントが真剣に語りかけた。参加者4人は深くうなずく。

 研修は厚生労働省の「不安定就労者再チャレンジ支援事業」の一環で、正社員としての就職を目指す35〜54歳が対象だ。オンラインと対面を組み合わせた2カ月間の研修の後、企業とのマッチングを行い、就職後の定着も支援する。

 大阪市内に住む40代男性は、昨年5月末に派遣会社から契約を打ち切られ、再就職先が決まらずに「わらにもすがる思いで応募した」という。それまでは派遣先でパソコンのセットアップの仕事をしていたが、昨年4月以降仕事が減り、業務が縮小されたあおりを受けた。「6月以降は失業保険で暮らしてきたが、今月で切れてしまう。派遣は真っ先に解雇されるので、正社員を目指したい」

 兵庫県伊丹市の40代女性はフリーのデザイナーとして長年働いていたが、コロナで急に仕事がなくなったといい、「正社員には保障があるがフリーにはない。有事に厳しいことを痛感し、雇用形態について考えるきっかけになった」と話す。違う職種も視野に就職活動を続けている。

 ■求人多い職種も

 氷河期世代は1990年代半ばごろからの雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った。不本意ながら非正規雇用で働いたり、就職できずに引きこもりになったりした人もいるとされる。政府は支援が必要な人を約100万人程度と推計、正規雇用者を30万人増やす目標を掲げ、令和元年に行動計画を策定。4年度までに650億円を上回る予算を投じる方針だ。

 だが計画の初年度となる今年度、コロナ禍により就職環境は悪化し、昨年8〜9月には正社員有効求人倍率(季節調整値)は0・78まで落ち込んだ。研修に参加した兵庫県内の40代女性は「昨年11月、経理事務の求人1人に4千人が応募しているのを見て『採用される気がしない』と思った」と打ち明ける。

 大阪労働局の担当者は「コロナ禍が続けば、雇用調整助成金を活用して雇用を維持している企業が倒産し、さらに状況が悪化する可能性もある」と懸念。一方で「介護や保安、建設など、人材不足で求人の多い職種もある」と強調し、ハローワークに氷河期世代向けの専門窓口を設けるなど積極的な支援を続ける。

 研修を請け負う大原学園就職支援センターの篠藤亮事業部長(60)は「不安定な雇用で長い年月を過ごし、能力があるのに下を向いてしまった人も多い。この世代の困難さに、コロナが追い打ちをかけている」と指摘する。研修の講師を務めるキャリアコンサルタントの松本英子さんは「現在の求人状況では自分がやりたい仕事ができるとはかぎらないが、過去の職種にこだわらず、変化を怖がらずに視野を広げてほしい」と強調。その上で「自分に自信を持ち、強みを見つけることが大切だ」と話している。

1083チバQ:2021/02/24(水) 00:15:04
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd02430ad2e93ecf68ab2d579f15a5ae8955651a
【家族の貧困】非正規公務員のひどすぎる雇用の現実。“公務員”になった娘はカラカラの状態になるまで、働かされていた……
2/23(火) 19:04配信

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【家族の貧困】非正規公務員のひどすぎる雇用の現実。“公務員”になった娘はカラカラの状態になるまで、働かされていた……

取材・文/沢木文

親は「普通に育てたつもりなのに」と考えていても、子どもは「親のせいで不幸になった」ととらえる親子が増えている。本連載では、ロストジェネレーション世代(1970代〜80年代前半生まれ)のロスジェネの子どもがいる親、もしくは当事者に話を伺い、 “8050問題” へつながる家族の貧困と親子問題の根幹を探っていく。

* * *

東京都八王子市に住む秋元奈津江さん(仮名・70歳)は、35歳の娘がコロナ禍で非正規公務員を雇い止めになり、1月の緊急事態宣言後に、実家に戻ってきた。夫婦水入らずの生活と、年金と臨時収入があったときに贅沢をする生活がなくなったという。

【前編は関連記事から】

娘は1日中自室にこもっており、要介護状態だという
非正規公務員を雇い止めになった娘は、向上心が強く、厳しい条件の相談に対応すればするほど、自分が成長できるようでうれしかったという。

「給料が少なくても、自分がやりたい仕事ができている喜びと、上がっていくスキルに生きがいを感じていた。それが雇い止めになるってことは“あなたは不要です”と宣言されるようなもの。それでポキンと折れちゃった。今は一日中部屋で泣いていたり、寝たり、起きたり……2週間に1回、私と一緒に心療内科の先生のところに通っているけれど、社会復帰はまだ先でしょうね。そもそも娘にもプライドがあるでしょう。それを考えると、働ける就職先はない。まさか前期高齢者の私達が、娘の介護をするなんて思いませんでした」

娘が実家にいれば、なんだかんだとお金がかかる。それに、奈津江さんも夫も失業中だ。

「家族そろって非正規だから保証がないんです(笑)。そうやって笑っていられるのも今のうちですよね。夫は維持費がかかるクルマを手放しました。高齢者の交通事故が問題になっている背景もありましたが、やはりクルマがないと不便。終活がてら、フリマアプリでモノを売ったり、いろんなことをしていますが、働いて得るお金に比べれば微々たるもの」

2度目の緊急事態宣言が落とした生活の影は大きい。

「12月頭に、1月から飲食店の厨房で働くことが決まっていたんですが、緊急事態宣言で、その店の開店が無期延期になってしまったんです。とはいえ、切られたのではなく、待機状態なんです。“解除になったから来てください”と言われれば、行く。でも会社からは“別の就職が決まったらそれはそれでいいです”と言われている。どっちなの?って感じ」

聞けば、このことについて、何の保証もなければ、公的支援も受けていない。これは、最近話題の「実質的失業者」ではないか。

実質的失業者の存在が浮き彫りになったのは、野村総合研究所が20年12月に行った、パートやアルバイトで働く20〜59歳の女性5万5889人の就労実態の調査結果だ。ここから推計すると、仕事が5割以上減り、休業手当も受け取っていない「実質的失業者」は90万人に及ぶという。収入が大幅に減ったにも関わらず、非正規ゆえに公的な支援を受けていないので、統計上に現れなくなってしまったのだという。

1084チバQ:2021/02/24(水) 00:17:13
緊急事態宣言が明けなければ、どうにもこうにもならない
20年4月の1回目の緊急事態宣言は、仕方がないと諦められたし、企業側も余裕があった。

「私も夫も、非正規とはいえ、そこそこ大手だったから、宣言下でも満額の給料をもらえました。でもその後、社員食堂が閉鎖になり、私はクビ。夫は6月末で雇い止め。製造業も厳しいみたいです。2回目の緊急事態宣言は、私達みたいな時給で働く人を直撃したと思う。“ステイホーム”できる人は限られていますから。私達夫婦は、働けない娘を抱えているので、このままだと干上がってしまう」

娘が実家に戻ってきたのは、奈津江さんの呼びかけによるところが大きかった。

「自殺されたら困るから。私にとっては、何歳になっても心の底から愛している娘なんです。今でこそ、穏やかだけれど、夫は昔私に対して手を上げることがあって、夫から叩かれて泣いていると、“ママ、大丈夫?”って赤くなっている私の頬や背中をなでてくれた。いつも私の味方でいてくれたから、今度は私が娘の味方をしたい」

奈津江さんが夫から手を上げられていた年齢よりも、娘の現在の年齢は上だ。娘は子供を授かるどころか、結婚の気配もない。

「父親のDV、兄の無関心を見てきたし、非正規雇用で散々苦労してきたから、男性に対して失望しているんだと思います。恋愛よりも本に興味がある子だったので。私は結婚を機に、造船系の会社の事務職を寿退社しているのですが、今でもあの会社にいて、働いていたら、別の人生だったんじゃないのかな……と思います」

娘の姿を見ると、少子高齢化も仕方ないと思うと続ける。

「これだけ、非正規雇用が不当に扱われている現実を知ると、子供を作るどころか、結婚する気がなくなるんじゃないかな。娘の同級生を見ていても、結婚している人は本当に少ない。子供がいる人はさらに少なく、ちょっとヤンチャだった子だけが、親になっている。非正規が増えれば増えるほど、子供は生まれなくなると思いますよ。コロナになって、それまで“人手不足”と言われていた問題がなくなり、娘がプレッシャーを感じなくなって、よかったとは思いますが」

奈津江さんは、死ぬまで娘を支え続けたいけれど、先立つもの……つまりお金はどんどん減っていく。貯金が尽きる恐怖を感じながら、今日も就職活動をするのだという。

取材・文/沢木文
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。連載に、 教育雑誌『みんなの教育技術』(小学館)、Webサイト『現代ビジネス』(講談社)、『Domani.jp』(小学館)などがある。『女性セブン』(小学館)、『週刊朝日』(朝日新聞出版)などに寄稿している。

サライ.jp

1085チバQ:2021/03/04(木) 13:15:50
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20210304-00225645/
「性風俗を辞めて生活保護を受ける」新型コロナ禍を契機に新しい人生を歩み始める若年女性たちの闘い
藤田孝典 | NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授

3/4(木) 6:02
緊急事態宣言再延長で限界に近づく性風俗店に従事する女性たち
3月3日、菅首相が4都県を対象に緊急事態宣言再延長を検討していると発表された。
今回も2週間程度の営業自粛、行動自粛要請となりそうだ。人々の行動、経済活動にも更なる影響が出るだろう。

昨年からずっと深刻なダメージを受けている飲食店、宿泊、観光、その他サービス業には大きな影響が続いている。
これらの産業は、以前から非正規女性労働者を大量に受け入れているだけでなく、低賃金など不安定な処遇であることも特徴である。
なかには、いわゆる「夜職」という性風俗店などにも勤務しながら、生計を立てたり、子育てをしているひとり親世帯も珍しくない。

日経新聞が「2020年の自殺者数はリーマン・ショック後の09年以来、11年ぶりの増加に転じた。前年比750人増(3.7%増)の2万919人(速報値)で、女性や若年層の増加が目立つ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済的な困窮や外出自粛によるストレスなどが影響したと考えられる。」と報じている通り、女性を生活困窮が襲い、自死にも追い詰めている。

新型コロナ禍によって、もともと相談が多かったところ、今年1月から続く緊急事態宣言によって、主に女性たちからの相談が未だかつてないほどに急増している。
筆者は社会福祉士という相談援助の国家資格を持ち、約20年ほど生活相談を受けてきたが、経験上、これまでにないほど若年女性からの相談が多い。


毎日、筆者はTwitterなどSNSを活用して、生活相談を受け続けているが、少ない日でも20件程度、多い日だと100件を超える相談がある。そのほとんどは10〜30代の若年女性だ。

1086チバQ:2021/03/04(木) 13:16:16
「どうにもならない」と語る若い女性相談者たち
若年女性が相談に来られて話すことは「もうどうにもならない」ということである。

例えば、東京に住む20代女性は派遣社員として、複数の飲食店を経営する企業の経理を担当していたが、新型コロナ禍で仕事に入れる日が減少し続けた。
仕事は一応少ないながらあるので、新型コロナの終息を願いながら、一時的な収入減少を補う方法として、銀行のカードローン、クレジットカードのリボ払いなどで、生活費を工面してきた。
しかし、長期間続く新型コロナ禍によって、家賃滞納もあり、生活福祉資金も借りて生活してきたが「もうどうにもならない」ということで、自己破産手続きと生活保護申請を先月おこなった。

埼玉県に住む20代女性は、夫と2年前に離婚し、保育園に通う子どもを一人で育てている。飲食店でのパートで働いてきたが、生活が苦しく、離婚直後から土日だけ性風俗店で収入を得てきた。
しかし、昨年から新型コロナ禍で、パートの仕事もなくなり、土日の性風俗店も「お茶をひく」(お客が来ない意味)ことがほとんどの日々となった。
貯蓄もすぐに底をつき、子どもを連れて心中も考えたというが、相談に結びついて先月から生活保護受給に至っている。
困窮女性たちと生活保護制度
これまで若年女性が生活保護に頼ることは多くなかった。我慢させ続けてきたのである。
福祉課に頼っても、「若いんだから働きなさい」「夜の仕事でも何でもあるでしょう」「好きな男性いないの?結婚したらいいのに」「家族がいるでしょう。まずは家族に頼りなさい」などと言われ、生活保護は受給できないという相談も相変わらず多い。

以下のTwitterでの相談者の体験談は珍しいことではない。これが福祉の現実である。






当然、生活保護は仕事ができる状態であっても、仕事先がなかったり、仕事探しに困難が伴えば、受給可能である。
親族による扶養は保護に優先するが、扶養義務が果たせない事情があれば、保護申請上は何ら問題がない。
そもそも本人が生活保護を受けたいと申請意思を示せば、申請書を記載させるなどして審査を開始する義務が福祉事務所にはある。

それにも関わらず、福祉事務所は違法、不当に、年齢や稼働能力、親族扶養を理由にして、保護申請を拒絶してきた過去があるということだ。
性風俗に追いやってきた福祉に抗議して変革する若年女性たち
それゆえに、過去の困窮女性たちは誰にも頼れず、自分の身体を危険に晒しながら、性風俗店で病気や障害を抱えながら働いたり、死に物狂いで日銭を稼ぐために売春せざるを得ない環境に追いやられることになる。
援助交際、パパ活などマイルドな言葉で、売春や性の商品化が進んでいるが、そうしなければ生きられない福祉制度のずさんな実態が今でもある。

それに抗議を始め「生きさせろ」「もういい加減に生活保護を受けさせろ」という声が当事者から上がり始めている。
筆者ら福祉専門職も微力ながら、彼女らの生活保護申請に同行する取り組みを続けている。
申請に同行する理由は、常態化している福祉課による違法、不当な行為をその場で牽制、是正するためだ。


これら当事者の体験談は、SNS時代なので、一気に社会に拡散されていく。
若いから、働けるから、家族がいるから、などを理由に福祉課で保護申請をさせてもらえなかった女性たちが赤裸々に実態を語り、その声が同じ境遇にある女性たちに響く。
それによって、勇気づけられた女性や保護申請できるのかと理解した女性たちが福祉課の窓口に殺到し始めている。


虐げられてきた女性が生活保護受給し、保護費を原資に新しい仕事を探し始めたり、新しい人生をどう生きようかと模索する姿が新型コロナ禍で増えていることは希望の一つだ。



世界各地では、10〜30代の若年層、いわゆるZ世代、ジェネレーション・レフトと呼ばれる年代の若者たちが旧来の社会システム、政治システムに転換を迫る行動が活発化している。

社会福祉、生活保護の分野でも、困ったら生活保護を一時的に受けたらいいじゃないか、保護を受けることは何も恥ずかしいことではない、生活保護は生きるための権利だ、と従来の社会規範、市民意識を根本から変える原動力になっている。

若年層の言動は、とても頼もしいことであるし、これら勇気ある情報発信によって、社会や福祉制度をよりよく変えていくために大きな貢献をしてくれている。

もうこれ以上無理に働くことも、心身を酷使して生きる必要もない。
一時的に生活保護を受けようよ、という当事者の女性たちの語りはとても心強いし、これからも一緒に歩んでいきたいものだ。

いま苦しくて困っているのはあなただけではない。
仲間がたくさんいるから、遠慮なく相談してほしい。

1087とはずがたり:2021/03/15(月) 21:15:14

ママ友、母から男児の葬儀代も搾取か 福岡5歳児餓死
3/5(金) 10:46配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/3617f7a16ccf1b03ed2516f6b18242407e2a401f
毎日新聞

 福岡県篠栗(ささぐり)町で5歳男児を餓死させたとして母親と知人女性が逮捕された事件で、知人の赤堀恵美子容疑者(48)が2020年4月の男児死亡後も母親の碇(いかり)利恵容疑者(39)から生活費を搾取していたことが、捜査関係者への取材で判明した。搾取された生活費には公的扶助として支給された男児の葬儀代約20万円も含まれていたとみられ、県警は碇容疑者が男児の死後も赤堀容疑者を信頼し続け、要求されるままに金を渡していたとみて調べる。

 碇、赤堀両容疑者は、19年8月ごろから碇容疑者の三男の翔士郎(しょうじろう)ちゃんの食事の量や回数を減らし、20年4月18日に餓死させた疑いで今月2日、保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された。

 捜査関係者によると、両容疑者は16年4月ごろ、子供たちが篠栗町内の同じ幼稚園に通う「ママ友」として知り合った。しかし、碇容疑者は次第に赤堀容疑者の言いなりになり、貯金を取り崩すなどして多額の生活費を渡すようになった。19年5月には夫が浮気しているという赤堀容疑者のうそを信じ、離婚。翔士郎ちゃんと小学生の兄2人との生活が苦しくなると19年9月に生活保護を申請した。

 関係者によると、碇容疑者は、19年10月から翔士郎ちゃんが死亡する20年4月までの7カ月間で生活保護や児童扶養手当などに加え、家賃滞納による強制退居で支給される臨時の引っ越し費用など計約230万円の公的扶助を受給。同5月には事後払いの約20万円の葬儀代を含む50万円以上が口座に振り込まれた。

 しかし、これら収入の大半は、元夫に慰謝料を求める裁判や浮気調査の費用という名目で赤堀容疑者がだまし取ったとみられ、碇容疑者の手元に生活費はほとんど残らず、ガスが止められるほどだった。

 捜査関係者によると、赤堀容疑者は「(元夫に慰謝料を請求した)裁判で勝つためには質素な暮らしをしないといけない」などと言って19年8月ごろから碇容疑者と子供たちに過酷な食事制限を指示。一家は赤堀容疑者が時折差し入れる米やパン、菓子などを分け合ったが、翔士郎ちゃんは10日間水しか与えられないこともあったという。

 県警は、翔士郎ちゃんの死亡時の体重が平均の半分の10キロほどしかないなど不審な点があったことから捜査に着手。碇容疑者は20年6月以降に事情聴取を受けて初めて元夫の浮気調査や裁判が赤堀容疑者のでっち上げだったと知り、調べに対し「だまされた。絶対に許せない。(翔士郎ちゃんを)守ってやりたかった」と話したという。【浅野孝仁、中里顕】

1088名無しさん:2021/03/16(火) 18:49:20
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7e34f4bd047b9f1d19055aaa4aa605ceb03aa61
菅首相、低所得子育て世帯に5万円給付表明
3/16(火) 9:01配信
共同通信
 菅義偉首相は16日、生活困窮者らへの緊急支援策を取りまとめる関係閣僚会議で「未来を担う子どもたちを第一に考え、ひとり親や所得が低い子育て世帯に対し、子ども1人当たり5万円を給付する」と表明した。

1089名無しさん:2021/03/23(火) 06:16:14
https://news.yahoo.co.jp/articles/a271441c2f5421dc6c8c72258a9542e86b44f514
最低賃金、全国平均1000円早期に目指す=菅首相
3/22(月) 19:40配信
ロイター
[東京 22日 ロイター] - 菅義偉首相は22日の経済財政諮問会議で、賃上げの勢いを中小企業にも広げ、「非正規労働者の処遇改善といった構造的課題にも答えを出すため、最低賃金をより早期に全国平均1000円とすることを目指す」と強調した。今夏にも取りまとめる骨太の方針策定時までに議論する。

また、菅首相は「東京と地方の人の流れが23年ぶりに、7カ月連続で転出超過となった。このような動きを加速し日本全体を活性化し、大企業の人材を地方の中小企業に派遣するために、政府のファンドを通じて金融機関や商社などから、早期に1万人規模の人材をリストアップする」と述べた。「人材を自治体に派遣し、地元の企業を支援する仕組みも始める」という。

  *キャプションを修正しました

(竹本能文)

1090名無しさん:2021/03/30(火) 19:18:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/01bc8c09a59a7982823b8359744336c3491e55b0
生活保護"支給額引き下げ"訴訟…減額取り消しの「請求棄却」判決 札幌地裁
3/29(月) 14:08配信
北海道ニュースUHB
 国が生活保護費の支給額を引き下げたのは生存権を認めた憲法に違反するとして、北海道の受給者らが処分の取り消しを求めた裁判で札幌地裁は3月29日、原告の請求を棄却しました。

 この裁判は、国が2013年から2015年にかけて、生活保護受給者への支給額を物価の下落率などを考慮するなどし、光熱費や食費などの「生活扶助費」の基準額を最大で10%引き下げたことの妥当性を争っているものです。

 原告側は基準額を算定する起点を物価が上がっていた2008年にしたことが、その後下落率が大きくなるため合理的な根拠を欠くことや、生活保護世帯があまり購入しないパソコンやAV機器を指数に用いたことが実態とかけ離れているなどと主張しています。

 判決で札幌地裁の武部知子裁判長は、基準の改定による引き下げは、厚労相に「専門技術的かつ政策的な見地からの裁量権がある」と指摘。

 その上で、「生活保護が租税を財源として実施されるものであり、基準の改定による財政効果がどのようなものになるかを試算することは不可避と言える。国の財政事情を踏まえた自民党の政策の影響を受けたものであったとしても、直ちに裁量権の範囲の逸脱又は乱用があるとはいえない」としました。

 原告の主張していたデフレ調整の計算方法の是非については「統計学上正当性を欠くとはいえないし、不合理であったと認められない」としました。

 さらに「処分決定後の原告らの生活が最低限度の水準を下回っているとまでは認められない」などとして生活保護法にも憲法にも違反しないとし、原告の訴えを退けました。

 国の削減額は総額670億円にのぼり、全国各地で受給者らが健康で文化的な最低限度の生活を保障した憲法25条に違反するなどとして、引き下げの取り消しや国に慰謝料を求める裁判を起こしています。

 北海道でも131人が国の決定に沿って扶助額を引き下げた札幌、小樽、岩見沢、江別、苫小牧の5市や北海道を訴えていました。

 原告側は、「司法の責任を放棄した不当判決」などとして控訴する方針を示しています。

 判決を聞いた原告からは、「悔しいし、怒りの気持ち。食べているから大丈夫ではない。1品じゃなく2品料理を食べて栄養をしっかりとる。健康に生きたい。しっかり私たちの生活の内容を見てほしかった」、「電化製品を私たちは新品で買えない。訴えたのにわかってもらえなかった」などと話し、悔しさをにじませました。

 この裁判は札幌を含め全国30か所で起こされ、判決の言い渡しはこれで3例目。2月に大阪地裁は違法と判断し減額決定を取り消していて、判断が分かれています。

UHB 北海道文化放送

1091とはずがたり:2021/04/01(木) 19:45:24
食事支援を再延長 貧困家庭の子ども救済へ米国農務省
2021年03月21日
https://www.agrinews.co.jp/p53779.html

 米国農務省(USDA)は、貧困家庭の子どもに無料の食事を提供する支援事業を再延長する。新型コロナウイルス禍の支援策として6月まで予定していたが、食料不安を抱える子どもがますます増え、9月まで延長する。関連事業として農家の余剰作物の買い上げも並行して進めており、好評を得ている。

 同事業は2020年2月に開始。18歳以下の子どもは、学校、公園、地域のコミュニティーセンター、図書館、教会などで食事を無料で受け取れるのが特徴だ。実施期間を21年6月30日までとしていたが、食料不安に直面する子どもの増加を受け、9月30日まで延長する。

 USDAによると、現在国内で約1200万人の18歳以下の子どもが食料不安に直面している。トム・ビルサック農務長官は「子どもが家族の経済状況に関係なく、健康的で栄養価の高い食事をできるようにするために、できる限りのことをする」と話す。

 関連事業として、農家が生産した農産物の余剰分を買い上げ、全国の自治体や学校組織と連携し、地場産農産物を使った食事提供を進めている。新型コロナ禍の影響で農産物の売り先を失った、農家の救済措置としても好評だ。

1092とはずがたり:2021/04/12(月) 14:54:50

人権問題でもあるなあ

孤立防げ、無戸籍の女性餓死 大阪・高石市が1万2000世帯訪問へ
https://mainichi.jp/articles/20210219/k00/00m/040/049000c
毎日新聞 2021/2/19 10:13(最終更新 2/19 10:13) 有料記事 597文字

 無戸籍の高齢女性が餓死した問題を受け、大阪府高石市は18日、学校や高齢者施設などの公的機関と接点がない約1万2000世帯を、4月以降に戸別訪問すると発表した。困窮した高齢者らが支援を受けず孤立するのを防ぐ狙いで、2021年度当初予算案に3000万円を計上した。市によると、全国的にも珍しい取り組みという。

 高石市内の住宅では20年9月、高齢女性が餓死し、同居の息子も衰弱しているのが見つかった。女性は戦災孤児で戸籍を持たず、息子は出生届が出されず小中学校にも通っていなかったという。

1093とはずがたり:2021/04/18(日) 19:47:40

2020-05-24
【最終話】私が釜ヶ崎から去った理由
https://kamakyou.hatenablog.com/entry/2020/05/24/191558

2016-11-17
#1 女子大学院生、大阪・釜ヶ崎へ行く。
https://kamakyou.hatenablog.com/entry/2016/11/17/043153

1094チバQ:2021/04/21(水) 21:49:23
https://www.tokyo-np.co.jp/article/91961?rct=shinjuku_k
貧困の形 コロナで多様化<新宿共助>
2021年3月17日 06時30分
◆新宿共助 食品配布の会場から
 男性が頭を抱えてスーツケースに座っている。しゃがみ込んだまま震えている女性は、何におびえているのだろうか。寄り添い合う若いカップルもいる。
 六日午後一時過ぎ。都庁前の通路に蛇行した長い列ができた。支援団体「新宿ごはんプラス」が毎週土曜日に無料で配る食品を受け取りに来た人たちだ。二度目の緊急事態宣言が出てから急増した。この日は、三百八人が並んだ。二〇一四年七月に活動が始まってからの最多記録となった。
 記者の私は、ここに一九年九月から通っている。
 今日、明日の食事に困る人たちから生の声を聞き、仕事に生かしたいと思ったからだ。スタッフやボランティアの学生らと一緒になって袋に詰めた弁当やパンを手渡したり、机やいすを並べて相談を聞いたりしてきた。
 しばらくは路上生活者や高齢者ばかりだった。ほとんどは男性。一日に並ぶのは六十〜八十人といったところ。それが、新型コロナの感染拡大で激変した。外見だけでは生活困窮者とは分からない若者や女性が姿を見せる。並ぶ人の表情も日に日に険しくなる。
● ● ●
 「仕事が全然なくなった。首をくくっちゃうよ」
 昨年四月ごろ、スマートフォンに公衆電話から着信があった。出ると、食品配布の会場で会った男性(39)からだ。建築現場で六年ほど派遣労働をしてきたが、コロナの影響で収入が三分の一になったという。悩みをもっと聞きたかったが、テレホンカードの残額がなくなったのか、電話は話の途中で切れた。
 コロナ禍で何が起きているのか。行列に並ぶ人たちに、これまで以上に真剣に話を聞くようにした。「ここに来た経緯を教えてください」「初めての利用ですか」。多くの人たちからは「話せる状態じゃない」「あんたに話して何になる」と拒絶された。あっちへ行けとばかり手を振られたこともある。
 十一月、食品配布の会場の前に工事現場で見るような三角コーンが登場した。都が、庁舎の敷地の範囲が分かるようにと置いたものだ。閉庁日の土曜日、あたりの人通りは少ない。誰かに迷惑をかけているようにはとても見えないのに、どうしてこんなことをするのだろう。無神経に感じた。
 新宿ごはんプラスの共同代表、大西連さんは「これでは、自分たちは排除される存在なのかと思う人が出るかもしれない」と話し、利用者の一人も「嫌がらせのようだ」と嘆いた。
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 今年一月、列のなかに若い男性の姿を見つけた。二十八歳。歌舞伎町で五年前から経営していた居酒屋を昨年十一月に畳んだ。「夜の街」と呼ばれてイメージの悪化した繁華街は、GoToキャンペーンの期間中も客足は戻らなかった。「従業員には申し訳ない。感染症対策も経済対策も中途半端で、国には期待していない」。小さく声を振り絞った。 (中村真暁)
 ◇ 
 さまざまな背景の人々が集まる多様性の街に、困窮者の命をつなぐ食品の配布会場がある。貧困の現場を知ろうと、一年半前から通い続ける記者が、この場所にたどり着いた人たちの声を伝える。 (随時掲載)

<中村真暁(なかむら・まあき)>
石川県津幡町生まれ。2009年入社。富山支局、北陸本社経済部などを経て2017年から社会部。主に都内の街ダネを担当。台東区と荒川区にまたがり、生活困窮者が多く暮らす山谷地域での取材活動をきっかけに、貧困問題に関心を持つ。2020年貧困ジャーナリズム賞受賞。

1095チバQ:2021/04/21(水) 21:50:34
https://www.tokyo-np.co.jp/article/95358?rct=shinjuku_k
「もう2日間、何も食べていない…」コロナ禍で命綱求め集う人々 若者や女性も増え<新宿共助>
2021年4月2日 07時30分
 新型コロナウイルスによる二度目の緊急事態宣言が全面解除され初めての週末となった三月二十七日、にぎわっていたのは行楽客が集まる観光地だけではなかった。東京都新宿区の都庁前。生活困窮者の支援団体「新宿ごはんプラス」が開く無料の食品配布会場では、年齢もいでたちもさまざまな男女が長い列を作った。 (中村真暁)

 毎週土曜日に都庁前の通路が会場となる、困窮者向けの食品配布と暮らしのための相談会には、コロナ禍で仕事を失い、助けを求める人たちが増えている。
 キャップ姿の男性に声を掛けた。三十二歳で、派遣で運送会社の仕事をしてきたが、コロナの影響で、一カ月前に契約を打ち切られてしまったという。
 「会社の寮を退去させられ、友人の家やネットカフェを転々としてきましたが所持金が尽きて、今は三百円しかありません。もう二日間、何も食べていません」
 新宿の食品配布会のことをネットで知り、直前まで寝泊まりしていた江東区の個室ビデオ店から歩いてきた。パンとバナナ、ミニトマト、焼き鳥の缶詰、魚肉ソーセージ、シリアルバーなど栄養価の高い食品をたくさん受け取り、男性は「命綱です」と喜んだ。
 新宿ごはんプラスによると、この日の利用者は三百人。今年三月に入り三百人を超えるようになった。コロナ禍の前は一日の利用者は六十〜八十人ほどで、スタッフとは顔なじみの路上生活者や年配の男性が多かったが様子が変わった。
 若者や女性が増えた。
 大学生の袴谷(はかまや)直輝さん(24)が、携帯電話の料金が払えなくなった人のために設置した無料Wi-Fiの案内をしていた。ボランティア初日だった。「一目では困っているようには分からない人がいた」と意外そうに話した。同じくボランティアスタッフの会社員雨田春香さん(39)も「(コロナ禍で)自分が経済的な影響を受けなかった分、何かしなければと思っている」と、真剣な表情で話した。
 記者の私は、貧困問題を考える手だてにしようと二〇一九年九月から、この場所に通い、集まった人たちの話を聞き続けている。

1096チバQ:2021/04/21(水) 21:50:52
◆「先のこと全く考えられない」 コロナ拡大後、増え続ける利用者

「仕事がなくなり、首をくくっちゃうよ」。毎週土曜日、無料の食品が配られる東京都庁前の通路を訪れる人は、新型コロナウイルスの感染が広がった昨年三月下旬に百人を超えた後、右肩上がりが続く。利用者の表情も日に日に険しくなる。
 昨年四月の緊急事態宣言でネットカフェの休業が相次いだ。支援者団体の炊き出しも感染防止を理由に多くが中止に。居場所をなくした上、数日間、何も食べていないという人が増えた。
 「野宿するしかなくなった」。現場で悲鳴のような声を聞いた。一人一人の声にもっと真剣に耳を傾けなければいけないと思った。
 「ここに来た経緯を教えてください」。都知事選の告示を五日後に控えた昨年六月十三日、野宿生活をしている男性(58)に話を聞いた。「自業自得ですよ。先のことなんて、全く考えられない」と投げやりだった。
 この男性は四国出身。二十六歳で上京し、建築関係の日雇い仕事をしてきた。「路上とネットカフェの生活を繰り返し、もう三十年。頼れる人はいない」。以前、生活保護を利用したが、六畳一間をベニヤ板で仕切っただけの相部屋だった。「自分から出ましたよ。保護費から多額の利用料を引かれる『貧困ビジネス』でしたからね」
 転々としたため住民票がどこにあるのか分からない。十万円の特別定額給付金は受け取れていない。「ホームレスは後回しでしょう。だからもう、無理です」。大きなリュックを背負い、立ち去った。
 無料の食品を受け取る人たちが並ぶ場所に十一月、赤い三角コーンが登場した。都が、都庁の敷地の範囲を示すために置いたものだ。
 利用者からは「嫌がらせのようだ」「みんな歩きにくくなるのに、なぜ置くんだろう」と疑問の声が上がった。新宿ごはんプラスの大西連(れん)共同代表は「自分たちは排除される存在なのだと受け止めた人や、中止と思って帰った人がいたかもしれない」と嘆いた。
 コーンは本紙が報道後、置かれなくなった。理由について都は「コーンにぶつかる事故を未然に防ぐため」だった。
 二度目の緊急事態宣言が出た今年一月以降は、利用者が二百人台に急増した。三月十三日、文庫本を読みながら並んでいた新宿区の男性(62)は初めての利用だった。
 「六年間勤めた社員食堂の料理人を一月に辞めたばかり。ちょうど、都内の感染者が千人を超えていたころだね」
 シフトや収入が減り、若い同僚が辞めようとしているのを見て、たまらなくなった。「嫌な時代でも、続けていればなんとかなるでしょ。将来がある人が辞めちゃいけないよって、代わりにね」
 妻とは離婚し、子どもも遠い土地にいる。所持金が底をつき、最近、生活保護の利用を始めた。「政治家には他の人の立場に立ってほしいね。それができているようには見えないから」

1097チバQ:2021/04/21(水) 21:51:23
https://www.tokyo-np.co.jp/article/96761?rct=shinjuku_k
思い出が詰まった歌舞伎町で、またホストをしたい<新宿共助>
2021年4月9日 07時14分
◆新宿共助 食品配布の会場から
 二度目の緊急事態宣言の解除から三日後の三月二十四日、夜のとばりが降りたばかりの歌舞伎町で三十七歳の元ホストに取材した。「人とのつながりをくれた街。ここで、またホストをしたい」
 愛媛県出身。高校卒業後に上京した。「二十一歳のときホストになりました。経済的に自立して彼女を支えるためでした。それが、ホストになったらふられてしまいました」
 ホストは辞めた。以前から憧れていたボクサーを目指し、二十六歳でプロ資格を取得した。デビュー戦の会場は歌舞伎町だった。ホストクラブ時代の同僚や客ら知り合いが四十人も詰めかける中、見事、勝利を飾った。
 二十九歳のとき。元彼女が結婚したと知り、急に気持ちが冷めた。「この年になっても生活が安定してない。ダッセーと思った」。街から姿を消したくなり、愛媛県に戻った。
 実家で外出もせず、自室に引きこもる毎日。心配したホストクラブの元同僚が様子を見に来た。「話を聞いてくれて、また来いよって言ってくれた」。再びホストをやろうと思い、一昨年七月に上京した。だが年齢が壁になったのか、なかなか採用してもらえない。昨年三月、やっと働き始めることができたがタイミングが最悪だった。すぐに、緊急事態宣言が出た。
 「客が減り、売り上げに貢献できない情けなさや申し訳なさ、不条理さでいっぱいになり、店は六月上旬に辞めました。それから仕事は探していますが、まだ見つかっていません」
 都庁前の食品配布会場で彼に初めて会ったのは、一月二十三日。寒さの厳しい日に、スマートな黒のスラックス姿が目立っていた。ホストクラブの仕事をするつもりだったから、スーツ以外の服は一着しか持っていない。アパートでは、光熱費を節約するためシャワーを水で済ませている。
 「ボクシングで鍛えてきたから、一人でいるさみしさも耐えられる。ただ、朝起きて生きているだけなら、自分なんていなくてもいいんじゃないのかなって思うこともあるんです」 (中村真暁)

1098チバQ:2021/04/28(水) 22:47:41
https://news.yahoo.co.jp/articles/f3510a7710c5b5abca4aa3f830ca900330c50c5b
ホームレス、全国3824人 過去最少、最多は大阪 厚労省
4/28(水) 17:00配信

時事通信
 厚生労働省は28日、2021年1月時点で全国のホームレスの人数が3824人(前年同期比4.2%減)だったと発表した。

 03年の調査開始以降、最少となった。自治体による生活困窮者向けの自立支援策などに一定の効果があったとみられる。

 内訳は、男性3510人、女性197人、性別不明117人。都道府県別では、大阪が990人と最多で、東京が862人、神奈川が687人と続いた。東京23区と政令市で全体の8割弱を占めた。

 調査は、すべての市区町村で実施。自治体職員らが公園や路上などを巡回し目視で確認した。

1099チバQ:2021/05/05(水) 17:23:49
https://toyokeizai.net/articles/-/425660?utm_source=Twitter&utm_medium=social&utm_campaign=auto
51歳女性「年収200万の正社員」までの険しい道
コロナ禍で「ピッキング」の仕事がなくなった
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中村 淳彦 : ノンフィクションライター
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2021/05/04 9:00

この連載では、女性、とくに単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。
今回紹介するのは、「コロナで派遣の仕事がなくなり、現在は施設警備の仕事をしています。でもキツいわりに給料が安く、毎日しんどいです」と編集部にメールをくれた51歳の女性だ。
コロナ禍で派遣の仕事がなくなった
三たび緊急事態宣言が発出されて、都内は街灯以外が消灯した。人の流れを抑制することで経済活動が鈍化し、まず生活に直撃するのは非正規で働く末端の労働者たちだ。ため息をついていたところ、山崎美恵さん(仮名、51歳)からSOSとも読めるメッセージがきた。

「コロナで派遣の仕事がなくなり、現在は施設警備の仕事をしています。でもキツいわりに給料が安く、毎日しんどいです。父親と折り合いが悪く、実家にも帰れません。バツイチ子持ちですが、子どもは自立していて頼りたくありません。年齢、体力的にしんどいことが多く、家で泣いてしまうことも。情けない限りです。持病があり、病院代もありますし、生活はキツキツです。お恥ずかしながら薄給のため、交通費も出せず、遠くには行けません」


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美恵さんは、千葉県在住。持っているお金は数百円しかなく、定期券で行ける場所までしか行けないという。

シングルマザーだった美恵さんは、ずっと大手ECサイトの倉庫でピッキングや梱包する派遣労働者だった。コロナによって失業し、あらゆる非正規やパート労働を断られた果てに、昨年5月にようやく施設警備の仕事を見つけている。

「もうずっと収入が低くてボロボロです。コロナの時期に倉庫の仕事がなくなって、ほかの仕事もまったく見つからなかった。最終的に行政に貧困や就労の相談に乗ってもらって、ようやく警備の仕事が見つかって生き延びています。17年前、子どもが10歳のときに離婚して、元夫に養育費を踏み倒されました。それからずっと徹底的に貧しい。普通の暮らしはしたことがありません」

使い古した量産型格安ブランドの春物コートに身を包み、ボロボロのスニーカーを履いていた。お金がないことは見た目でわかった。彼女は賃金があまりに安いことで普通の暮らしができない典型的な非正規労働者だった。

「ピッキングの仕事のお給料は手取り12万円くらい。週4日とか5日やってそれくらい。交通費がでないので2、3万円は交通費です。最寄駅までバスを使って40分かかる団地に住んでいて、バスも1時間に1本とか2本しかない。始業は8時、朝4時に起きて5時12分の始発のバスに乗って通勤です。それで幕張本郷か海浜幕張駅から派遣会社が用意したバスに乗って、海沿いの倉庫に行くんです」

ピッキングとは企業の巨大な倉庫から品物を集める仕事で、企業が派遣会社に依頼して派遣労働者が従事する。労働条件は悪く、最低賃金に近い日当で社会保険は当然、交通費もでなかった。手取り12万円の賃金で交通費がでないと、生活保護の最低生活費並みの収入となる。

「時給は900円くらい。数年間続けたので最終的に1100円まで上がりました。当時は労働者派遣法が改正されてなくて交通費はでません。それで最低賃金に近い時給だったので、本当に苦しかった。ピッキングの仕事をはじめたのは43歳から。その年齢になると普通の仕事はなくて、コンビニもファミレスも断られます。派遣の仕事しかないんです」

1100チバQ:2021/05/05(水) 17:24:21
ずっと前から40代の女性からよく聞くのは「(コンビニ、スーパーなど)パートの面接に落ちる」ということ。人によっては何十件も落ちることもあるという。40歳を一線にして最低賃金に近い仕事でも、相手から選別される立場になるようだ。

美恵さんを含む派遣社員は、長年時給に交通費が含まれる労働条件で働いた。働き方改革で正規、非正規の格差が問題視され、同一労働同一賃金が進み、昨年4月に労働者派遣法が改正された。法改正によって派遣社員にも交通費が支払われるようになった。

「派遣社員は駅からバスで倉庫に運ばれて、言われたままピッキングの仕事をします。東京ドーム何個ぶんかの倉庫をずっと歩く。一日中、端から端まで歩く。終業時間まで延々。持病もあるし、年齢的にもツライ。お昼は食堂もあるけど、みんなお金がないからスーパーのおにぎりとかカップラーメン。お湯のでるところに並んで食べます。栄養のこととか考えたことないです。そんな余裕はなかったです」

コロナ禍で仕事は「週1」に
始発のバスに乗って集合の最寄り駅へ行く、派遣会社が用意するバスに乗って海沿いの倉庫に運ばれ、延々と商品を集める単純労働。派遣労働者に暴言や罵声を浴びせる担当者も多い。ポチるだけで商品が届く便利な社会になり、わかっていたことだが、改めて現場の話を聞くとなかなか過酷だ。そして交通費込み時給900円台、日給7000円台前半の最低賃金に近い報酬が振り込まれる。

派遣労働者は派遣会社に登録、電話かインターネットサイトから仕事の予約をいれる。ECサイトはコロナによる悪影響はなかったはずだが、美恵さんは昨年2月から思うように働くことができなくなった。毎日、黙々と単純労働するだけの派遣労働者には情報も人間関係もなく、どうして働けなくなったのか彼女にはわからない。

「ずっと週5日予約を入れてました。コロナの前は希望通り働けていたけど、コロナ禍になってから入れなくなった。週5日が4日になって3日になった。最終的には週1日に。月収にすると4万円とか。生活ができないどころか、生きていけません。ほかの場所を探して仕事があっても、大網とか館山とか、とても通えないところ」



非正規社員や派遣社員は、企業にとっては雇用の調整弁だ。有事が起こったときに真っ先に非正規や派遣の雇用を切って調整する。人手が足りなくなれば、膨大にある派遣会社に依頼すればいいだけ。支えてもらっているはずの労働者の生活は、企業は知ったことではないという立場になる。

家賃が収入によって変動する市営団地に住んでいる。実際に家賃1万4000円と安い。そのおかげで低賃金でもなんとか生きてこれたが、収入が4万円では家賃と光熱費ですべてなくなる。美恵さんはこのままでは餓死してしまうと恐怖にかられ、必死になって仕事を探した。


働ける場所は派遣しかなかったと話す美恵さん(編集部撮影)
「何件かのコンビニ、スーパー、喫茶店、あとファミレス、漫画喫茶に応募したけど、全部落とされました。たぶん、年齢が理由。働ける場所は本当に派遣しかなくて、派遣で仕事がないとどうにもなりません。最終的には食べ物は買えないし、交通費もなくて仕事もいけない、電気が止められて携帯の充電もできないみたいな状態に。どうにもならなくなって、ずっと折り合いが悪かった父親に、頭を下げてお金を借りました」

コロナ禍となった昨年3月〜4月、どれだけ応募しても最低賃金のパートすら決まらなかった。死も想定にはいってきて就労支援センターに相談、その場で警備の仕事を薦められた。現在は大学の施設警備をしている。

「いまも低賃金で手取り1日7000円くらいだけど、正社員です。すごく苦しいけど、なんとか生きていけています。こんなことになったのは、やっぱり女だからだと思う。離婚したシングルマザーで夫に養育費を踏み倒されたら、もうどうにもならない。死ねって言われているようなもの。普通に生きてきたはずなのに、自分が本当に無価値な人間だって嫌というほど思い知らされました」

先日、世界経済フォーラムが男女格差を測るジェンダーギャップ指数が発表された。日本は156カ国中120位と低スコアだった。相変わらず国際的に男性優位社会であると認められた。彼女は女性、中年、ひとり親と複数のマイナス要因を抱える。始発に乗って出勤して精一杯働いても、普通の暮らしもできない。そんな状況がずっと続けば「死ねと言われているようなもの」と思うのは無理はない。

1101チバQ:2021/05/05(水) 17:24:55
ある日突然、夫が帰ってこなくなった
彼女は地元の商業高校を卒業し、専門学校に進学。新卒で地元の中堅企業に入社している。入社してすぐ3歳上の同僚と社内恋愛し、21歳で結婚。寿退社して23歳のときに長男、27歳で長女が生まれた。

「33歳まで普通の家庭で収入も悪くなかった。ある日、突然夫が帰ってこなくなった。出会い系で知り合った女にハマった。いつもは19時には仕事から帰ってきたのが、帰ってこなくなった。次の日になっても帰ってこない。すぐに浮気と思いました。帰ってこない理由は、それしかないって」

夫は家にまったく帰ってこなくなった。家族は夫の親の持ち家に住んでいて、家賃はかからなかったが生活費がなくなった。小学生と幼稚園の小さな子どもが2人もいる。自分の親も、相手の両親も頼れない。途方に暮れた。


「専業主婦だったので収入が途絶えました。突然無収入です。働いても次の月じゃないと給料がでない。うちの親に子どもたちの食費って名目で借りて、幼稚園の園長先生の家に朝一番で子どもを預けてホテルで働きました。それで一番最後17時半くらいに娘を引き取って、みたいな。一番最初に預けて、一番最後に迎えに行ってました」

ベッドメイクの就労収入は手取り12万円ほど。それに子ども手当。家賃がなかったので、なんとか生活することはできた。

「まったく帰ってこなくなった夫と離婚ってなったのは、出て行ってから3年後です。離婚届のハンコを押しにも帰ってこなかった。離婚してないから児童扶養手当はもらえないし、本当に厳しい。やっと離婚ってなったとき長女が18歳になるまで、毎月5万円の養育費を振り込むという約束を書面で交わしました。届けを役所に提出したのが6月。養育費は7月、8月は払われたけど、9月から入ってこなくなった。連絡がとれない。電話もでない、メールも返ってこない。着信拒否されて、どういうことって」

相手の親に連絡すると、2回ほど肩代わりしてくれたが、すぐに払えないと言われた。家も出て行ってほしいと言われ、現在の団地に引っ越した。

「この頃は本当に苦しくて、悔しくて泣きました。子どもたちが眠ってから泣きっぱなし。ベッドメイクの仕事では2人は育てられない。長男は親に引き取ってもらって、ずっと実家で暮らしています。奨学金で大学に行って就職しました。長女も高校からバイトしながら専門学校で保育士資格をとって家をでました。それで働いても、働いても、まだ普通の暮らしができない私が残った感じです」

「女がそんな仕事してかわいそうに」
美恵さんは結婚し、子どもを生み、朝早く起きて働きながら子どもを育てた。でも苦しい、ずっと苦しい。いったい、なにが問題だったのだろうか。

「シングルマザーに優しい社会であってほしい。いまは別れた相手から養育費を強制的にとれるようになったみたいだけど、そういうことをもっと早くしてほしかった。給料差し押さえとか、徹底的にできるようにならないと、残されたひとり親の女は生きていけないです。世間では養育費を払っている男性が偉いみたいな風潮。とんずらして逃げ得みたいな男性が多すぎる」

いまは警備会社で勤務する。警備の仕事は男社会だ。居心地が悪く、働きづらい部分もある。男性が多い職場に女性が入ると、同僚や上司にマウンティングされ、パワハラを受けがちだ。そのような風景は容易に想像がつく。

「あと男性だから女性だからって言わないでほしい。女だからダメだってめちゃ言われる。女の警備員はダメとか。同僚の男性とか通行人とか。通りすがりのおじいちゃんとかおばあちゃんに、女がそんな仕事してかわいそうにとか。男とか女とか、仕事ができていれば関係ないじゃないですか。女のくせにって言ってくる人がたくさんいて、お前はダメだ、女だからダメだって何度言われたかわからない」

正社員になった今も年収200万円を超えるか微妙だ。餓死することは回避できたが、働いても苦しい低賃金は変わらない。そして、男性たちにパワハラされる悩みが増えた。ずっと社会の底辺近い場所で働く美恵さんは「これだけ男女平等って言われているのに、現実は全然違う」と言っていた。

1102チバQ:2021/05/06(木) 15:28:42
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad297efe5283eff25c1dce0d68116cf63b096e33
「コロナ感染でクビ」30歳男性が怯える理由
5/6(木) 10:01配信

児童養護施設で育ち、社会を独りで生き抜いてきたヒカルさん。コロナ感染を理由に解雇され、仕事も住まいも失った(筆者撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

28歳男性が東京で「ホームレス」に転落したワケ

■コロナ感染を理由にクビ

 新型コロナウイルスに感染してから1週間。ヒカルさん(仮名、30歳)は隔離された都内のホテルのベッドで天井を見つめていた。熱は39度。枕もとの携帯電話がなった。職場の上司からだ。そろそろかかってくるころだと思っていた。予想通り、上司は淡々と用件を告げた。
 「こういう状況なんで、今月末いっぱいで終わりということでいいかな。社員証とか保険証は後で郵便で送ってくれればいいから」

 ある大手チェーン系列のホテルで、契約社員として働いていたヒカルさんは今年1月、コロナ感染を理由にクビを切られた。療養中に上司からかかってきた解雇を伝える電話はものの2、3分で終わったという。ヒカルさんから特に質問も反論もしなかったからだ。

 「別の同僚も同じ理由でクビになっていたので。上司からの電話だとわかった瞬間、解雇の連絡なんだろうなと思いました。解雇は違法?  そうなんですか……。でも仕方ないです。昔から頼る人もいないので」
 2月なかば、コロナからは順調に回復したものの、収入が途絶えたことで家賃が払えなくなった。住まいは家賃5万8000円のシェアハウス。ホテル勤務時代の毎月の収入は手取り13万円ほどで、貯金をする余裕はなかった。ヒカルさんは自ら不動産会社に連絡し「来月の家賃が払えないので、2月いっぱいで退去します」と申し出たのだという。

 一般的に裁判などで住まいからの強制退去が認められるのは、家賃滞納が3カ月を超えた場合だ。大家側にとっては一定のリスクを強いられる基準とはいえ、借主側にとって住まいを失うことは即命の危険にさらされかねない事態である。昨今は家賃滞納に対して厳しい自己責任バッシングが向けられがちだが、借主側の弱い立場を考えると「滞納3カ月」は妥当な落としどころであろう。ましてややむをえない事情で滞納しそうになったからといって、自ら退去を申し出る必要は、本来はないのだ。私がそう指摘すると、ヒカルさんは「だって大家さんに申し訳ないじゃないですか」と言う。

 取材中、ヒカルさんは何度も「周囲に迷惑をかけたくないんです」と繰り返した。その考え方自体は立派かもしれない。ただ、周囲に迷惑をかけることと、法律や判例で認められた権利を行使することは別だと、私は思う。ヒカルさんは自らの考えを貫いた結果、仕事も住まいも失った。

 ヒカルさんは「他人は信用できないから頼れない」「人に何かを主張したり、求めたりという行為自体が嫌」とも言っていた。こうした価値観は、もしかすると自身の生い立ちとも関係があるのかもしれない。

1103チバQ:2021/05/06(木) 15:29:09
 ヒカルさんは児童相談所内にある施設と児童養護施設で育った。両親と暮らした記憶はない。施設に預けられることになった理由や経緯も知らないという。

 おぼろげに覚えているのは幼少時、自傷行為を繰り返しては病院に運ばれたこと。病院から児童相談所に戻ると、外鍵の付いた部屋に「閉じ込められた」。日々の記憶がはっきりと残っているのは、児童養護施設に移った小学校高学年からだという。

 周囲との摩擦を嫌う温厚なヒカルさんが児童養護施設時代、最も忌み嫌ったのは、誕生日に職員たちから「おめでとう」と言われることだった。自分など生まれてこないほうがよかったと思っていたからなのか、それとも施設を退去させられる18歳が近づいてくることのどこがおめでたいのかという反発心があったからなのか、理由は自分でもよくわからない。ただ、「おめでとう」と言われるたびに、抑えがたい負の感情がわいてきたという。
 「両親のことは戸籍謄本を取り寄せればわかると、聞いています。でも、両親のことを考えるだけで疲れ果ててしまうんです」とヒカルさんは話す。

■上智や立教に行きたかった

 学校の成績は優秀だった。塾など通ったことはなかったが、高校時代の数学は全国模試で全国トップ10に入る水準。ただ家庭環境にもよるが、家族や親族がいなかったり、音信不通だったりする場合、児童養護施設出身者が大学や専門学校に進むことはほぼ不可能である。奨学金を借りるのに必要な連帯保証人がいないからだ。ヒカルさんも大学進学は諦めた。

 「本当は上智や立教に行きたかった。記念にセンター試験だけは受けたんです。自己採点したら、希望する大学にはだいたい行ける点数でした」

 家族など頼れる人のいない児童養護施設出身者にとっての苦難は施設を出た後に始まる。まず賃貸アパートを借りることができない。連帯保証人や緊急連絡先を用意できないからだ。また身元保証人がいないので、就職活動もほかの学生らと比べて極めて不利だ。

 このため、中には施設退所後すぐに生活保護を利用する人もいる。また特に女性の場合、住み込みの風俗店で働き始めるケースも珍しくない。いずれにしても、児童養護施設の出身者たちは社会人生活スタートの時点から、一般的な家庭で育った人たちとは比べ物にならない苛烈なサバイバルを強いられるのだ。
 ヒカルさんの場合はどうだったのだろうか。ヒカルさんは高校時代からコンビニなどでアルバイトをして100万円ほど貯金をためた。しかし、賃貸アパートを借りるにあって、やはり壁にぶつかった。「携帯を2台用意しました」。元からささやくような話し方だったヒカルさんがさらに声を潜めて教えてくれた。

 要は、緊急連絡先に架空の名前と連絡先を記載し、自分がその人物になりすましたのだという。違法行為である。しかし、そうでもしないとアパートを借りられないのだ。私は、児童養護施設出身者へのアフターケアの絶望的なまでの乏しさについて考えさせられた。

1104チバQ:2021/05/06(木) 15:30:32
■正社員として採用されたが…

 ヒカルさんは施設退所後に就職活動をしたが、当時は折あしくリーマンショックの直後。なんとかインターネット関連の会社に正社員として採用されたものの、週の半分は会社に泊まり込まなければノルマを果たせない長時間労働を強いられた。やむなく数年で退職。その後は京都や熱海などの観光地にあるホテルで派遣労働者として働き始めた。住まいは派遣会社が用意した寮。いわゆるリゾート派遣である。
 まじめな働きぶりが評価され、たびたび「正社員にならないか」と声をかけられたという。しかし、ヒカルさんはいずれも断った。理由は「正社員になると責任が生じるから」。私に言わせれば、非正規労働者にも責任はあるし、昨今では非正規労働者が責任あるポストを担わされたり、過重労働を強いられたりすることも珍しくない。ただ雇用の現場を取材していると、「責任が生じるから正社員にはならない」と話す20代、30代の若者が少なくないのは事実である。

 いわゆる“名ばかり正社員”など、正社員のメリットがなくなりつつあることが原因のひとつではあるのだろうが、私には「正社員=責任」というロジックがいまひとつ謎だ。いずれにしてもその後引き抜かれる形で、契約社員として転職したのが、コロナ解雇に遭った大手チェーン系列のホテルだった。

 取材中、一貫して口が重く、表情も乏しかったヒカルさんが唯一生き生きとした姿を見せた瞬間がある。それは、児童養護施設出身者に対するアフターケアの必要性について語ったときだ。すでに施設出身者らでつくるグループLINEを立ち上げたり、自治体議員と連絡をとったりして、社会に向けて何かしらの発信をするための準備を進めているという。

1105チバQ:2021/05/06(木) 15:31:08
 具体的な支援としては、進学や就職、部屋を借りる際に不利にならない制度づくりは必須。そして何よりも「なんでも相談できるところが必要です」とヒカルさんは訴える。

 「専門的な知識や資格を持った人をそろえただけではダメです。施設で育った人たちは施設のことを話したがりません。いい思い出がないですから。だからまずは何時間でも、何日でも、ただ話し相手になる、ただ一緒にご飯を食べる、そんなふうに向き合ってくれる人が必要です」。そうした相談体制の実現が可能かどうかは別にして、施設出身者ならではの切実でリアルな指摘である。
■生活保護の利用を知られたくない

 週末の東京・池袋。ヒカルさんへの取材を終え、2人で駅に向かう交差点を渡っていたときのことだ。

 4月に入り、ヒカルさんはある市民団体に支援を求め、前日に生活保護の申請を終えたばかりだと聞いていた。だから私は何気なく申請は滞りなく終わったのかと質問した。すると、ヒカルさんが私への返答そっちのけで、行きかう人々の視線におびえるようにして身をすくめた。

 もしかして――、と私が声を潜めて尋ねる。「生活保護を利用していることを周りに知られたくないのですか?」。ヒカルさんが答える声はさらに小さかった。「そりゃあそうですよ。今だって本当は(生活保護を)受けようかどうしようか、まだ迷っているんですから」。

 私は、生活保護の利用は憲法で認められた権利なのだから、後ろめたいことでも、恥ずかしいことでもないと伝えた。ましてやヒカルさんは児童養護施設退所後、独りで生き抜き、悪質なコロナ解雇に遭ったのだ。自己責任うんぬんという話をするなら、ヒカルさんに責任は1ミリもない。

 しかし、ヒカルさんは頼むからこんな路上で生活保護の話題なんかを持ち出さないでほしいと、視線で訴えてくる。そして再びつぶやいた。「周りに迷惑をかけたくないんです」。私は「生活保護を利用することは迷惑ではない」という言葉を飲み込んだ。 
 「助けてほしい」と言えない若者が増えたといわれて久しい。自己責任論の内面化はいったいいつまで続くのか。

 生活保護という言葉に立ちすくむヒカルさん。「自分より下の世代に自分と同じ思いはさせたくない」。そう言って、児童養護施設退所後の支援の必要性について堂々と主張していた姿は、そこにはなかった。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。
藤田 和恵 :ジャーナリスト

1106チバQ:2021/05/06(木) 15:32:26
 具体的な支援としては、進学や就職、部屋を借りる際に不利にならない制度づくりは必須。そして何よりも「なんでも相談できるところが必要です」とヒカルさんは訴える。

 「専門的な知識や資格を持った人をそろえただけではダメです。施設で育った人たちは施設のことを話したがりません。いい思い出がないですから。だからまずは何時間でも、何日でも、ただ話し相手になる、ただ一緒にご飯を食べる、そんなふうに向き合ってくれる人が必要です」。そうした相談体制の実現が可能かどうかは別にして、施設出身者ならではの切実でリアルな指摘である。
■生活保護の利用を知られたくない

 週末の東京・池袋。ヒカルさんへの取材を終え、2人で駅に向かう交差点を渡っていたときのことだ。

 4月に入り、ヒカルさんはある市民団体に支援を求め、前日に生活保護の申請を終えたばかりだと聞いていた。だから私は何気なく申請は滞りなく終わったのかと質問した。すると、ヒカルさんが私への返答そっちのけで、行きかう人々の視線におびえるようにして身をすくめた。

 もしかして――、と私が声を潜めて尋ねる。「生活保護を利用していることを周りに知られたくないのですか?」。ヒカルさんが答える声はさらに小さかった。「そりゃあそうですよ。今だって本当は(生活保護を)受けようかどうしようか、まだ迷っているんですから」。

 私は、生活保護の利用は憲法で認められた権利なのだから、後ろめたいことでも、恥ずかしいことでもないと伝えた。ましてやヒカルさんは児童養護施設退所後、独りで生き抜き、悪質なコロナ解雇に遭ったのだ。自己責任うんぬんという話をするなら、ヒカルさんに責任は1ミリもない。

 しかし、ヒカルさんは頼むからこんな路上で生活保護の話題なんかを持ち出さないでほしいと、視線で訴えてくる。そして再びつぶやいた。「周りに迷惑をかけたくないんです」。私は「生活保護を利用することは迷惑ではない」という言葉を飲み込んだ。 
 「助けてほしい」と言えない若者が増えたといわれて久しい。自己責任論の内面化はいったいいつまで続くのか。

 生活保護という言葉に立ちすくむヒカルさん。「自分より下の世代に自分と同じ思いはさせたくない」。そう言って、児童養護施設退所後の支援の必要性について堂々と主張していた姿は、そこにはなかった。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。
藤田 和恵 :ジャーナリスト

1107チバQ:2021/05/07(金) 23:39:10
https://news.yahoo.co.jp/articles/525f9764e51bf71843dc4417108a6a537259c1c5「“異質で迷惑”と見られて…」コロナ解雇で所持金42円、30歳ホームレスの重い言葉
5/7(金) 10:21配信

西日本新聞
NPO法人「美野島めぐみの家」の炊き出しで食事を受け取る男性(左)=4月27日、福岡市博多区(写真の一部を加工しています)

 新型コロナウイルス禍が続き、経済的打撃が長期化したことで、雇用が不安定な非正規労働者にしわ寄せがきている。政府は「自分ができることは自分で」と強調し、今日の生活さえままならない人たちが置き去りにされている。職を失い、生活困窮に陥る人も増える中、憲法が保障する生存権とどう向き合えばいいのか-。

 4月27日正午、NPO法人「美野島めぐみの家」が福岡市博多区の教会で行った炊き出しには106人が訪れた。うち、ホームレスは57人。高齢者が目立つ中、若い男性の姿もあった。

 男性(30)は派遣切りに遭い3月下旬にホームレスになった。この日の所持金は42円。カレーライスをおかわりし、笑みがこぼれた。「本当に助かる。支えてくれるのは国ではなく、人のぬくもりだと感じます」

 派遣社員として2年半、福岡県内の倉庫で食料品を仕分ける仕事をしていた。巣ごもり需要もあって忙しく「コロナの影響はないと思っていた」。ところが、3月初め、職場でコロナ感染者が出て休業し、そのまま解雇された。4月の家賃が払えなくなり家を出た。

 料金滞納でスマートフォンは通話ができなくなり、連絡先が必要な日雇いの仕事に就けなかった。公園で寝泊まりし、値引きのパンを買って空腹をしのいだ。すがる思いで無料Wi-Fiに接続したスマホで「お金がなくても何とか食べていける方法」と検索。生活保護を知った。

 区役所では「住居を探して」と言われ、不動産業者から炊き出しを教わった。家が決まるまで約3週間、4月30日に保護費を受け取った。家賃を除くと約7万4千円。光熱費や日用品をそろえるとぎりぎりだが、「やっと布団でゆっくり休める」と胸をなで下ろす。

 ただ、割り切れない思いは拭えない。「一生懸命働いていたのに、コロナのせいで仕事がなくなった。家が見つからないと生活保護も受けられない。最低限度の生活を保障されているなんて全く思えません」
  ◇   ◇ 

 自分でできることは、まず、自分でやってみる。そして、家族、地域で互いに助け合う。その上で、政府がセーフティーネットでお守りする

 昨年10月、菅義偉首相の就任後初の所信表明演説。野党や困窮者を支援する人から「公助よりまずは自助を求め、自己責任を強要している」と批判された。

 厚生労働省によると、全国のホームレスは3824人(1月現在)で、2003年の調査開始以来最少。福岡県は268人(前年同期は260人)だった。

 一方、「めぐみの家」の炊き出しの参加者は増加傾向で、今年に入り100人を超える日もある。コロナで職を失った30〜40代もいるという。瀬戸紀子理事長(76)は「既に困っているホームレスにできる自助って一体何なのか。特に孤立しやすいコロナ禍に自助ばかり強調するのはとても突き放した発言に聞こえた」と違和感を口にする。

    ◇   ◇ 

 憲法は生存権の実現を国に求めている。熊本大の大日方信春教授(憲法学)は「コロナ禍のような緊急時こそ、国の役割が問われる」と指摘する。

 菅首相は1月、国会で生活困窮者対策を問われた際に「最終的には生活保護という仕組みもある」と答弁した。厚労省によると、生活保護は申請から受給までは2週間〜1カ月程度かかる。大日方教授は手続きを簡素化し、行使しやすい環境をつくるのも「国の責務」と言う。

 「第4波」の到来で終息は見通せず、自助頼みの日々が続く。「ホームレスの自分は周囲から“異質で迷惑な存在”と見られ、なかなか助けてもらえなかった。コロナが長引き、自分と同じ境遇の人が増えたとき、国は手を差し伸べてくれるでしょうか」。苦境を経験した男性の言葉は重い。 (金沢皓介、小林稔子)

1108とはずがたり:2021/05/08(土) 16:43:25
ひとり親児童の10%超が体重減も 肉、魚「買えなかった」が5割以上 NPOがコロナ禍の影響調査
https://www.tokyo-np.co.jp/article/102780
2021年5月7日 20時30分

 新型コロナウイルス感染拡大の長期化が、ひとり親世帯の家計や健康面をより困難な状況に追い込んでいることがNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」(東京)と立教大の湯沢直美教授(社会福祉学)らの調査で明らかになった。育ち盛りの小学生の体重が減る傾向などが表れ「子どもたちの生活、成長、学びに人々の想像を超える多大な影響がある」と公的支援の充実を求めている。(編集委員・上坂修子)

1109チバQ:2021/06/01(火) 20:51:54
https://www.tokyo-np.co.jp/article/107080?rct=t_news
大阪に、はよ帰りたい<新宿共助>
2021年5月28日 07時17
◆新宿共助 食品配布の会場から
 背筋が伸びた姿勢のよい男性が目に入った。年齢を聞くと七十九歳。若々しい見た目の印象を告げると「鍛えてきたからね。今も毎日、朝と晩に腕立て伏せを三十回ずつしている」。
 都内に出ていた二度目の緊急事態宣言が解除されてからまもない四月十日、都庁前の食品配布会場で出会った男性に、寝泊まりしている高架下の段ボールハウスを案内してもらった。寝袋、靴、衣服が見えた。荷物は警備員に注意されるたび移動しているという。
● ● ●
 半年前、仕事を探して大阪から来た。「上野駅で寝ていたら携帯電話、財布、ロッカーの鍵が入った荷物を盗まれた。生活保護を申請し、施設に入ったが保護費から利用料などを差し引くと手元には月三千円しか残らなかった」。一月から野宿生活を再び始めた。
● ● ●
 大阪府出身。父が大衆演劇の劇団を率いていた。全国巡業のため、小中学校時代は十日ごとに転校する生活だった。自らも七歳のころから歌と踊りを教えられ、役者の道に進んだ。
 四十歳のころ、覚醒剤に手を出した。「副作用のせいか歯が抜け、せりふを話せなくなって劇団をやめた」。最近は旅館などで働いていたがコロナの影響で仕事がなくなった。
 五月に入り、再び男性を訪ねた。高齢者を対象に始まったワクチン接種をどうしているか気になったからだが「住所が無いからダメでしょ?」と逆に聞き返された。
 国は住まいのない人からのワクチン接種の相談に応じるよう自治体に連絡しているが、男性は「自分はワクチンがなくても大丈夫だと思うよ」と相談に行く気はない。仕事さえあれば、友だちもいる大阪に早く帰りたい。「年も年やしね。コロナは、はよ、終わってほしい」 (中村真暁)=随時掲載分

1110チバQ:2021/06/02(水) 20:07:26
https://mainichi.jp/articles/20210528/k00/00m/040/238000c?inb=ys
「五輪やってる場合か」広がる貧困 炊き出しの列、過去10年で最多
イチオシ 木許はるみ
社会

速報
毎日新聞 2021/5/29 10:00(最終更新 5/29 10:00) 有料記事 4235文字
 体重は17キロ減り、所持金は10円を切った。寝る場所はネットカフェから路上になった--。新型コロナウイルスの影響が長引く中、仕事を失うなどした人たちの生活がますます追い込まれている。東京・池袋の公園で支援団体が続けている「炊き出し」に集まった人数は今年に入ってさらに増えて過去10年で最多となり、リーマン・ショック(2008年)直後の水準に迫っている。苦境に耐えきれず、初めて支援を受ける人が目立つという。最近、路上で暮らすようになった男性(62)もその一人だ。緊急事態宣言下で、飲食店の清掃の仕事は2カ月近くない。「もう、もたない……」。宣言の延長が決まり、男性は絶望したように声を落とした。【木許はるみ/デジタル報道センター】

初めての炊き出し 1日1食で体重が17キロ減
 「こういうところ、来たことなかったんだ。会場のそばまで来ても、(恥ずかしくて)なかなか入れなかった。でも、さっきあいさつした人が『いいから』『いいから』って言ってくださって」。5月22日午後7時、池袋駅東口の公園。生活困窮者の支援を行うNPO法人「TENOHASI(てのはし)」が約1時間の「炊き出し」を終え、片づけをしていた。炊き出しといっても、今は感染対策のため、個別包装された食料を配っている。公園の隅で、配られたパック入りのカレーを手にたたずむ小柄な男性がいた。紺色のジャンパーに同じ色のキャップ帽。記者が話しかけると、親しみやすい口調でここ数カ月の生活を語ってくれた。

 男性が初めて食料支援を受けたのは今年2月だった。公園から少し離れた場所から様子をうかがっていたところ、てのはしの支援者に声をかけられ、食事を受け取ることができたという。男性は取材中もその支援者を見つけると、帽子を取って、深くお辞儀をしていた。

 「あれからもう3、4カ月になるのか。冬はまだ日が短くて暗かったけど、今は明るいでしょう。だからこうやって帽子をかぶっている。やっぱりまだだめなんだね、羞恥心があるんだよね」。顔を隠すように帽子を目深にかぶり直し、こう続けた。「1日1食が続き、ここ1年で体重は17キロ減ったんです。そんな生活に慣れてしまいました」

子供の存在が励み コロナで転落
 男性は約10年前に離婚し、東京都内のアパートで1人暮らしを始めた。離婚のきっかけは、男性が知人の借金の連帯保証人になっていたために、持ち家などの財産を差し押さえられたことだった。かわいがっていた2人の子供とも離れざるを得なかったが、時々レンタカーを借りて息子や娘の家の近くまで行き、元気な姿をそっと見ることが唯一の楽しみだった。「子供たちが独立して立派に暮らしていることだけが励みで」と表情を緩める。

 一人になってからは、不動産業などを経てトラックの運転手になり、全国を回った。仕事で家を留守にすることが多かったため、アパートを引き払い、ネットカフェやホテルで生活するように。更新時期の勘違いから運転免許が失効して以降は、荷物の仕分けや飲食店の清掃で生計を立ててきた。

 男性は振り返る。「コロナの前は週に5日働いて、月収15万円くらいはあったんです。食うには困りませんでした」。新型コロナの感染が拡大した昨年春以降、徐々に仕事がなくなり、仕事は週に2回、月収は4万円にまで落ち込んだ。

 「それでも、12月まではまだよかったんです。…

1111チバQ:2021/06/04(金) 10:14:08
https://news.yahoo.co.jp/articles/2160def088880d76a82ed06c3b424d54d5a22f48
退職で食費切りつめたら「ママ食べないなら僕も」…ひとり親、悲痛な声
6/4(金) 7:04配信
読売新聞オンライン
ひとり親家庭に送られる物資の在庫状況を確認する遠野理事長(郡山市で)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、シングルマザーなどのひとり親世帯が生活苦を強いられている。食料品などを届けているNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福島」(郡山市)に寄せられた悲痛な声は、この1年間で前年の5倍となった。非正規雇用の親も多く、同法人は切れ目ない支援の必要性を訴える。(佐野泰

 「掛け持ちしていた飲食店、ホテルの仕事がなくなりアルバイト勤務となったが、こちらもシフトが削られた。月の収入は10万円ほどで食べ盛りの子どもに十分な食事が与えられない」

 「雇い止めに遭い生活は苦しくなるばかり。電気、ガス、水道全て止められて風呂にも入れない」

 同法人には、深刻な相談が次々と寄せられている。支援物資の申込件数も2019年度は約200件だったが、20年度は約1000件と5倍に跳ね上がった。今年4月は約60件、5月も約100件とハイペースが続く。

 同法人理事長の遠野馨さん(51)によると、ひとり親の女性は、多くが子育てと仕事を1人で背負っており、時間に拘束されにくい非正規雇用を選ぶ傾向にあるという。このため、雇い先が業績不振に陥れば「調整弁」として職を失いやすいと指摘する。同法人では、できる限りの支援をしているが、活動資金となる企業や個人からの寄付は減少。遠野さんは「寄付は先細りとなっていて、いつまで支援を続けられるかが心配」と不安を口にする。

 県によると、県内のひとり親世帯は2万941世帯(昨年6月時点)で、うち7割の約1万5000世帯が児童扶養手当を受給する。コロナ禍に入り、低所得の子育て世帯に向けて、子ども1人あたり5万円の特別給付金が支給されるなどしている。ただ、遠野さんは「年金暮らしの親と同居していると合算の収入により支給されないなど、幅広く救済できる仕組みにはなっていない。地域の実情に応じて誰も取りこぼさない支援制度を設計してほしい」としている。

 中通り地方の町で小学校低学年の息子と2人で暮らす40歳代の女性は、昨夏まで保険会社の営業として働いていた。だが、コロナ禍で訪問先から「もう来ないでくれ」と断られるなど仕事がうまくいかなくなり、退職に追い込まれた。今も無職のままだ。

 元夫から養育費などの支援はなく、今年3月で雇用保険の受給期間は切れた。児童扶養手当などで生活しており、「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福島」から月1回届く米やレトルト食品、お菓子などの支援物資は助かっている。

 以前は息子だけにおかずを用意し、自分はご飯だけという食事もあったが「ママが食べないなら僕も食べない」と言い出したため、一緒におかずもとるようにしている。買い物を減らして光熱費も節約し、何とか家賃を滞納せずにいるが、これからも払い続けていけるか不安を感じている。

 県社会福祉協議会の離職者向け生活資金貸し付け制度を希望するが「手続きを地元社協で行わなければならず困っている。狭い町で職員に知り合いもいて、申請が知られてしまうのが怖い。県で直接申し込めればいいのだが……」と話す。

1112チバQ:2021/07/05(月) 22:31:07
https://news.yahoo.co.jp/articles/935e00f003e45d50cf20a194ad5ba0afa8368d7a
100円台の弁当買い…月給4万円に減、食を削る女性 生活保護は「連絡がいくから嫌」
7/1(木) 10:49配信

西日本新聞
携帯電話で新型コロナウイルス禍の支援を調べる50代女性。生活保護を受給する気にはなれない

 スーパーに行くと、値引きで100円台になった弁当を5、6個買う。冷凍しておき、食事時に解凍して口に運ぶ。ご飯は硬い部分も。「これで数日はもちますから。おいしくないですけど…」。福岡県内の50代女性は苦笑いした。


 女性は独身で1人暮らし。新型コロナウイルス禍で、パート先の飲食店が昨年春から秋まで休みになった。職場から出た休業手当は月2万〜3万円台だった。

 再開後も出勤は週1、2回。月給は平均4万円に減った。複数の医療機関に通うためお金がかかる。食を削り、体重は5キロ減った。

 困窮する人の家賃を公費で補助する制度や、公的な貸し付けで切り抜けてきたが、借り入れはいずれ返済を迫られる。仕事を掛け持ちしようにも見つからない。

 どうするか-。生活保護は扶養照会があるから避けている。「親族に連絡がいくから嫌です。一番知られたくないのが身内なのに」

      ◇◆◇

 家族に問い合わせがいくことを恐れて生活保護を受けない実態は、支援団体の調査でも浮かび上がった。

 路上生活者らを支援する一般社団法人「つくろい東京ファンド」は昨年の大みそかから今年1月3日までの4日間、相談会に訪れた人にアンケートを実施した。回答した165人のうち、受給していない128人に理由を聞くと、「家族に知られるのが嫌だから」が34・4%で最も多かった。

 法人は1月中旬、本人の承諾なしに家族に連絡しないよう求める署名活動を始め、3週間ほどで約5万8千人分が集まった。稲葉剛代表理事は「受給は高度なプライバシーであり、親族に漏らすのは自己決定権の侵害だ。今の仕組みが残る以上、生活保護は権利とは言えない」と指摘する。


 そもそも身内に問い合わせても、助けにつながることは極めて少ない。厚生労働省の2017年の調査では、扶養照会した約3万8千件のうち、金銭的な援助ができると答えたのは1%台の約600件にとどまる。

 自治体職員も実務に疑問を感じている。新潟大の中村健准教授(公的扶助論)が今年2月、福祉事務所の現役職員80人から回答を得た調査では、扶養照会を「やめた方がいい」「対象を配偶者などに狭めるべき」が53%を占めた。残る47%は「現行通りでいい」としたが、緊急連絡先の把握や本人の心の支えになるから、との理由が大半だった。

 中村准教授は昨年3月まで新潟市職員として生活保護業務に15年間就いた。「扶養照会で成果を得るのは金脈を掘り当てるようなもの。受給をためらうデメリットとてんびんにかけると、生存権を守ることの方が重要だ」。本人が拒むケースや、親族の助けを期待できない場合は控えるのが望ましいと指摘した。

1113チバQ:2021/07/05(月) 22:31:34
    ◇◆◇

 なぜ家族への連絡が徹底されるのか。背景には、法解釈のぶれや現場への周知不足がありそうだ。

 生活保護法は、父母や配偶者といった扶養義務者の扶助が、受給に優先して行われるものとする-と定める。ただ、厚労省はこの意味を「家族や親族から金銭的な援助があれば収入として取り扱う、ということ」と捉えている。身内の支えがあるかは受給の要件ではなく、判定にも影響しない。家族に相談してからでないと申請を受け付けないのは誤りで、扶養照会を一律に実施する義務はないという。

 一方、法の実施要領には、厚労省の見解と矛盾していると取られかねない記述がある。要保護者に扶養義務者がいれば、支援を求めるよう本人を指導すること-。各種団体が「誤解を招く」と批判する表記だ。

 さらに、制度の最前線で働く福祉事務所の職員が厚労省の監査官から指摘され、扶養照会を厳密にする傾向もあるという。

 中村准教授は「国の姿勢にぶれがあり、現場が混乱している面はある。一方で厚労省は生活保護の改善点を自治体に聞き、集まった意見に沿った通知を出すこともある。自治体も効果的な住民サービスを自分たちがつくる、という姿勢が必要だろう」と考える。

 今年1月の参院予算委員会。困窮者対策を問われた菅義偉首相は「最終的には生活保護という仕組みもある」と答えた。「それなら使いやすい制度にして」-。行き詰まった人はそう訴えている。 (編集委員・河野賢治)

扶養照会の緩和
 厚生労働省はこれまで扶養照会をしない例として、扶養義務者が社会福祉施設に入所▽長期間入院▽未成年者や70歳以上▽本人への家庭内暴力や虐待がある▽本人と音信不通が20年間続いている-などを挙げていた。これを今年2月、音信不通を20年から10年程度に▽交流が断絶しているかどうかにかかわらず縁が切れて著しく関係が悪い-などの場合も必要ないと例示した。3月には、本人が連絡を拒むときは特に丁寧に聞き取りし、支援の可能性がある家族や親族にだけ問い合わせる、との考えを示した。

1114チバQ:2021/07/26(月) 10:51:48
https://www.tokyo-np.co.jp/article/119239
生活困窮者「東京五輪は遠い世界」 食料支援に長い列 東京・豊島<ルポ コロナ禍のオリンピック>
2021年7月25日 21時00分
 新型コロナウイルス禍で仕事や住まいを失った人にとって、東京五輪は「遠い世界」だ。開会式翌日の24日夜、東京都豊島区の公園では、困窮者を支援するNPO法人「TENOHASI」が行った食料配布に、400人近くが列を作った。同法人によると、派遣切りなどが相次いだリーマン・ショック後の2009年に次ぐ人数だった。(中村真暁)

◆貯蓄切り崩して生活
 「勤めていた飲食店は閉まりました。新しいバイト先も見つかりにくいです」。90代の父親を介護しながら貯蓄を切り崩して生活している板橋区の男性(58)が、声を落とした。
 23日の開会式は、家事をしながら、つけていたテレビでたまたま見た。「都内の新規感染者が2000人に近い日もあり、五輪は必要ない。政府は他にすべきことがあると思います」
 路上生活をする男性(60)は、居場所がない人にホテルを提供する都の事業を利用していたが、4度目の緊急事態宣言が発令された12日に期限を迎え、退室させられたという。五輪について問われると「そういえば、そろそろかなと思っていました。自分とは遠い話題で、関心はないですね」とつぶやいた。
 同法人は03年から、主に池袋周辺で食料配布などの支援活動を続けている。リーマン・ショック翌年の09年5月の食糧配布には462人、同9月は435人が訪れた。
◆ワクチン接種も遠く
 24日は衣料品の配布や生活相談のほか、認定NPO法人「世界の医療団」(港区)も、住まいがないなどの理由でワクチン接種券が届かない人らの実態調査をしていた。5月の同様の調査では、「接種したい」と答えた人の3割が接種券を受け取れない状況だった。
 住まいがない人らのワクチン接種について、国は各自治体に対し、窓口に来るなど相談があった場合は接種券を発行するよう求める通知を出したが、現状では自治体側の対応が追いついていない。
 同法人の武石晶子さん(42)は、豊島区と具体的な接種方法の協議を重ねてきたとし、「誰もが享受できるはずの権利を奪われることがないよう、接種をあきらめなくてもいい方法を考えたい」と強調。
 五輪については「都内で開かれている実感は湧きません。仕事を失う人がたくさんいる中、それどころじゃないという心境です」と話し、アンケートやワクチン接種に関するチラシ配布に追われていた。

1115チバQ:2021/08/05(木) 15:54:42
https://www.tokyo-np.co.jp/article/121114
「コロナでどん底」1年無収入のシングルマザー 子は食パンと水道水で空腹しのぐ 一斉休校の余波は今も
2021年8月2日 06時00分
<民なくして 2021年夏>
 日本が新型コロナウイルス禍に見舞われてから、約1年半。東京都内に住むひとり親の40代女性は「コロナでどん底を見た。『ステイホーム』は地獄だった」と語る。今も生活は苦しい。(柚木まり)
 女性の家族を直撃したのは昨年2月27日、当時の安倍晋三首相が唐突に要請した小中高校の全国一斉休校だ。中学生の長男、小学校低学年の長女と3人暮らし。派遣社員として働いていたコールセンターは在宅勤務が難しく、子どもを自宅に残して出勤するわけにもいかない。有給休暇の取得で急場をしのいだが、勤務先から「いつ復帰できるのか」と繰り返し聞かれ、居づらくなって5月の大型連休明けに退職した。
◆ひとり親の子育て…職探し難航
 長女の小学校が通常の授業に戻った10月、職探しを再開したが、子育て中のひとり親という立場が敬遠されて難航。今年1月に新たな職を得たものの、東京都への緊急事態宣言の再発令で働き始めは3月にずれ込んだ。月給は前職の半分の約6万円。無収入の期間は1年近くに及び、子どもたちには食パンと水道水で空腹を満たしてもらった。
 一斉休校は、首相官邸が主導して猶予期間も短く、全国の学校や家庭に混乱が広がった。関係省庁との事前準備や専門家を交えた本格的な議論もなく、影響が大きい中小・零細事業者や子育て世帯への支援策の検討は後手に回った。安倍氏自身、休校発表後になって「十分な説明がなかったのはその通りだ」と認めた。
◆「政治に救おうという積極的な姿勢が見えない」
 貧困家庭の学習支援に取り組み、コロナ禍で食料の無償提供も始めたNPO法人「キッズドア」(東京都中央区)の渡辺由美子理事長は「今も一斉休校の影響はある。食べるものがない子どもたちがいるのに、政治に救おうという積極的な姿勢が見えない」と政府の対応に憤る。

 政府が昨年、子育て世帯の支援策を実施したのは、一斉休校に続いて4月に初の緊急事態宣言を発令した後。児童手当を受給する子ども1人あたり1万円の給付金などを実行した。キッズドアは保護者が休職・離職せざるを得ない状況に追い込まれているとして、安倍政権から菅政権に代わった後も対策の充実を何度も要請。困窮世帯への臨時特別給付金など複数の支援策につながった。
◆支援先の3分の2が年収200万円未満
 ただ、いずれも単発で、低所得世帯には一時しのぎにしかならない。キッズドアが支援先の家庭に調査したところ、約3分の2が年収200万円未満。学校はコロナ下で2度目の夏休みを迎え、給食がなくなるため子どもたちの体重減も懸念される。
支援を受けた子どもたちや家族から届いた感謝のメッセージカード
支援を受けた子どもたちや家族から届いた感謝のメッセージカード

 「ごはんありがとう」「おいしいものを食べると笑顔になれる」―。キッズドアには、食料を届けた家庭から、お礼のメッセージカードが続々と寄せられている。それだけ困窮していることの表れでもあり、渡辺理事長は「東京五輪にかまけて、政府は他のことは何もやらなくていいと思っているのか。私たちが言わなければ、絶望してしまう家庭がいっぱいある。声を上げ続けないといけない」と訴える。

1116チバQ:2021/10/18(月) 09:13:39
https://news.yahoo.co.jp/articles/d38799bded13f6af30c0703f1a571a4a3aca2072
「貧困層が液状化のように」都心の公園、20分で消えた弁当400食
10/18(月) 5:00配信
朝日新聞デジタル
生活困窮者の支援団体「TENOHASI」の炊き出し。並んだ人たちは次々と弁当を受け取った=9月25日、東京都豊島区の東池袋中央公園、五郎丸健一撮影

 週末の買い物を楽しむ家族や友だち連れ、コスプレイベントに集まった若者らが行き交う東京・池袋のサンシャインシティ。そのわきにある東池袋中央公園は、ここだけが別世界のようだった。

【画像】お金ないからナプキン買えない 生理の貧困「我慢する」

 9月下旬の昼下がり、人々が「ソーシャルディスタンス」で2メートルほど間を空けて列に並びだした。高齢の男性が多いが、中年の男女も目につき、中にはスマホをいじりながら待つ若者の姿も。日が落ちるころには、広い公園を埋める長蛇の列となった。

 彼らの目当ては、無料でもらえる弁当だ。生活に困る人を支援するNPO法人「TENOHASI」が、炊き出しや生活相談を月2回おこなっている。ここに集まる人たちは、どんな事情を抱えているのか。

 妻と一緒に列に並ぶ男性(54)は、ホテルの従業員。コロナ禍の影響で仕事がなくなった。会社は休業手当を出さず、収入が減った。妻は飲食店におしぼりを納入する会社でパートで働いていたが、その仕事も失った。今年2月ごろ、炊き出しのことをテレビで知り、訪れるようになった。

 最近はホテルの仕事が徐々に戻ってきたものの、勤務は週3日で、生活は苦しいという。「並ぶのは正直、恥ずかしさもあるけど、こういう場があるのは本当にありがたい」

 若い人にも話を聞いた。

 並ぶのは3回目という男性(32)は、派遣会社に登録し、ネット通販大手の倉庫で商品の棚出しの仕事をしていた。ところが、今年夏、雇い止めに遭った。ハローワークにも通ったが、コロナ禍以来の就職難で厳しい現実に直面した。興味を持った病院の清掃の仕事は、3人の求人に40人の応募があり、あきらめた。

 友人の家に居候し、冷凍食品の配送など日雇いの仕事で食いつなぐ日々だ。今の月収は7万円ほど。「収入を計算できる仕事を早く見つけて、炊き出しに頼らなくてもいい生活に早く戻りたい。今はとにかく粘るしかないですよ」

 ほかの人たちも、事情はさまざまだった。生活保護を受けているが、障害の加算分を減らされ、生活がいっそう苦しくなった人、専業主婦だったが、家で「いろいろあって」路頭に迷った女性……。よい仕事が見つからないという声も多く聞いた。

 午後6時、弁当の配布が始まると、並んだ人たちは次々と受け取り、どこかへと消えていく。用意された400食は20分ほどでなくなった。

 この日、炊き出しや生活相談に集まったのは416人。コロナ危機が本格化した昨年春以降は200人台が多かったが、今年に入って急増し、最近は300人台が続いていた。今回400人を超えたのは、リーマン・ショック後の2009年以来。最近は20〜30代が増え、コロナ以前はほぼ皆無だった女性も来るのが特徴だという。

 貧困の現場を長年見てきたTENOHASIの清野(せいの)賢司・事務局長(60)の表情には、危機感がにじむ。

 「コロナでぐらぐら揺れて、液状化現象のように貧困層が表面に出てきた。非正規雇用で、もともと弱い立場にいた人が失業保険や行政の給付金でもしのぎきれなくなり、真っ逆さまに落ちている。困窮する人に手を差し伸べるというメッセージを、今こそ国が発してほしい」

朝日新聞社

1117チバQ:2021/10/25(月) 16:37:33
https://news.yahoo.co.jp/articles/1f7d74e3529b0d67a89de4caa90c1026b0ebb374
「つらい役を任せてごめんね」…困窮の果て、生活保護を知らない長男は母の最後の願いに応えた
10/25(月) 9:28配信

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読売新聞オンライン
名古屋地裁

 経済的に困窮し、自分を殺してほしいと頼む母親の首を絞めて殺害したとして、嘱託殺人罪に問われた愛知県あま市、無職尾崎京介被告(26)に対し、名古屋地裁は15日、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役4年)の有罪判決を言い渡した。被告は生活保護などの支援制度を知らないまま追い込まれ、深刻な結果を招いた。

【写真特集】女子刑務所の高齢受刑者たち…「塀の中のおばあさん」

 判決などによると、尾崎被告は8月5日、自宅で、同居する母親(当時50歳)に頼まれ、頭にビニール袋をかぶせ、両手で首を絞めて殺害した。

 中学生の頃、両親が離婚。母親は無職で病気を患っており、尾崎被告は一緒に暮らす弟とともに家計を支えていた。しかし、尾崎被告は昨年2月頃、新型コロナウイルスの影響もあり、勤務先を解雇された。

 祖父からの仕送りや弟の収入などで何とかやり繰りしたが、アメをなめて飢えをしのぐこともあった。そのうち母親は「これ以上、生きている意味はない」などと口にするようになった。

 事件の数日前から母親は自殺未遂を繰り返し、尾崎被告に「殺して」と懇願するように。そんな母親を、被告は「見ていられなかった」。弟を外出させると、「こんなつらい役、任せてごめんね」「出来の悪い親でごめんね」と謝る母親を手にかけ、自ら110番した。

 失業保険や生活保護などの制度を知らず、誰かに相談することもなかった尾崎被告。公判では「自分一人で抱え込み、他人に頼ることができなかった」と後悔を語った。

 県弁護士会の貧困問題・多重債務対策本部の安田庄一郎弁護士によると、コロナ禍で失業や貧困に関する相談が増えているといい、「生活保護制度をより知ってもらい、支援窓口を活用してほしい」としている。(薦田大和)

1118チバQ:2021/10/27(水) 13:31:10
https://news.yahoo.co.jp/articles/398182a0c9f3cfa3bf3c353d5301ab1568b8dd97
住む家もありません…コロナ禍で困窮極める「氷河期世代」の恨み節
10/27(水) 11:46配信

幻冬舎ゴールドオンライン
(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍で雇用状況が悪化。休業や失業で生活が困窮する人が急増しています。特にそのあおりを受けているのが「非正社員」。行動制限が解除され、世間はどこか浮かれ気分ですが、その影で明日さえ描くことができない人たちがいます。

【年齢別・年収比較表】大卒男性「正社員」vs.「非正社員」

【関連記事】【年齢別・年収比較表】大卒男性「正社員」vs.「非正社員」

コロナ禍で生活困窮者が急増!救いの手を求めている
新型コロナウイルス感染症の拡大により、雇用情勢が悪化。生活困窮者が急増しています。

厚生労働省によると、生活困窮者から各自治体の「自立相談支援機関」への新規相談件数が、2019年度24万8,398件から2020年度78万6,195件(速報値)と、3.2倍増加しました。15年度の事業開始以降、新規相談件数は22万〜25万件で推移していましたが、一気に件数が増えたのです。



【自立相談支援機関への新規相談受付件数の推移】

2015年 22万6,411件

2016年 22万2,426件

2017年 22万9,685件

2018年 23万7,665件

2019年 24万8,398件

2020年 78万6,195件(速報値)

出所:厚生労働省生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会(第1回)資料『生活困窮者自立支援制度の施行状況について』より

また生活保護を受給していない人に対して家賃相当額を支給する「住居確保給付金」*の支給実績は、2019年5.8億円から2020年306億2,000万円と、実に34倍にも跳ねあがったといいます。

*生活困窮者自立支援法(平成25年法律第105号)第6条に基づき、離職、自営業の廃業、またはこれらと同等の状況に陥ったことにより、経済的に困窮し、住居を喪失した方又は住居を喪失するおそれのある方を対象に、家賃相当額(上限あり)を支給する制度

その内訳を年齢別に見ていくと、「30代」が最も多く24.5%。「40代」23.1%、「20代」20.8%、「50代」18.5%。増減率では「20代」は前年から2.4倍、「30代」は3.2倍、「40代」は3.0倍、「50代」は2.9倍、「60代」は3.0倍と、各年代とも2〜3倍近くの増加となっています。

1119チバQ:2021/10/27(水) 13:31:23
コロナ禍で「正社員」と「非正社員」の格差がさらに鮮明に
コロナ禍で多くの企業が業績を下げ、わたしたちの給与にも影響を与えいます。民間企業の給与に連動する公務員の給与も同様で、先日、47都道府県の職員給与に関する2021年人事委員会勧告が出そろい、月給は据え置きながらもボーナスは全都道府県で引き下げとなりました。

またコロナ禍で改めて雇用環境による格差が浮き彫りになりました。

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』から算出した、「男性大卒正社員の平均年収」は654万4,000円。そのピークは50代前半で850万7,000円に達します(関連記事: 『【年齢別・年収比較表】大卒男性「正社員」vs.「非正社員」』 )。

一方で「男性大卒非正社員の平均年収」は409万3,800円。同じ大卒であっても、正社員かどうかで年収はおよそ250万円も変わってきます。また正社員が年収のピークを迎える50代、非正社員の年収は正社員の半分に満たない程度です。

バブル崩壊後、有効求人倍率が1を下回り、就職が困難だった「就職氷河期世代」。大学を卒業しても希望の企業、業種で正社員になれず、非正社員として社会人人生をスタートさせた人が多くいます。

厚生労働省では、「就職氷河期世代の方々へ」と称し、「安定就労」「就職実現」「社秋参加」に向けた相談・支援を行っていますが、実際はなかなか浮上できないのが現実。特に正社員としてマネージメント経験のない50代前半の氷河期世代の人たちは、これから正社員になれる可能性は低く、非正社員のまま定年を迎えることがほぼ確実。

定年まで仕事があれば、まだましかもしれません。このコロナ禍、困窮に陥っている人の多くは非正社員。いま「住むところがない」と救いを求めている人たちには、氷河期世代の50代という人も多いでしょう。

働けど、働けど、報われることのなかった氷河期世代。コロナ禍で住むところまで失う危機に直面しているいま、彼らの恨み節が聞こえてきそうです。衆院選投票まであと数日。どの政党も一斉に富の再配分を訴えていますが、選挙の結果はどうあれ、苦しんでいる人たちを救えるか、注目です。

1120チバQ:2021/10/29(金) 15:51:10
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20211028-00265348
トレンド入りした「手取り13万円」、転職での解決は"無理ゲー" 実態を解説

今野晴貴NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。
10/28(木) 16:43
「手取り13万円」がTwitterでトレンド入りし、話題になっている。きっかけとなったツイートは以下のようなものだ。

 このツイートに対し、共感と批判が寄せられている。まず、自分自身も同じ境遇に置かれているという人たちからは共感が集まっている。

 就職先決まったのだが、給料を手取り計算サイトで計算したら13万くらい。「やっぱりキツイんですね…将来が不安です…」というものや、「国は本当に知らないんだろうけど、自分も契約社員だった時は給料が低くて常に人生詰みそうだった」という声などだ。

 他方で、このツイートに反発する意見としては、「転職すればいい」という意見が多くみられる。

 こちらも具体例を紹介すると、「自分も手取り13万円の時がありましたが、今は転職して給料は倍になりました。今の時代探せば色んな仕事があります。頑張って下さい」といったものや、「嫌なら転職すりゃあいい、給与上げるだけならそこかしこに求人あるんだから探しなさい」といったものだ。

 こうした意見に対しては、さらに、「違うんだよ。手取り13万に対して転職しろ、このバイトしろ、節約しろじゃねぇんだよ」、「個人の生活背景なんて誰にもわかんねぇ、口だしちゃいけねぇ。真っ当に頑張って働いても13万の人が多くいて、その日ぐらしで、明日のことなんか考えられない状況が今の日本だってことなんだよ」といった反論も寄せられている。

 以上の議論も踏まえ、今回は、データを参照しながら、手取り13万円がどれくらいの水準なのか、転職することで解決ができるのか、などについて考えていきたい。

「手取り13万円」は飢餓賃金
 まず、「手取り13万円」がどれほど低い水準の賃金なのだろうか。

 最新(2020年)の賃金構造基本統計調査によれば、正社員の平均賃金が32万4200円、非正規雇用の平均賃金が21万4800円であるため、「手取り13万円」は非正規雇用に多い可能性が高い。

 その上で、非正規雇用の消費実態を見ると、「手取り13万円」の水準の低さがわかる。全国消費実態調査によれば、最も支出が少ないのが男性の派遣社員で13万2911円、最も支出が多いのが女性の派遣社員で15万8773円である。

 つまり、「手取り13万円」では非正規雇用の平均的な支出さえ割り込み、貯蓄は当然無理であり、かなり切り詰めなければ生活ができないということを示している。

 さらに、生活の最低限に位置づけられるべき水準(最低生活費)とも比較してみよう。ここでは、実際の地域ごとの一般的な生活必需品を詳細に分析した静岡県立大学准教授の中澤秀一氏が試算した最低生計費を参照する。

1121チバQ:2021/10/29(金) 15:51:29
 ここで言う最低生活費とは、労働者・市民に対する「生活実態調査」「持ち物財調査」に基づき、7割以上の人が保有の品目を組み入れ、消費数量としては下から3割の人が保有する数を基準として算定している。

 中澤氏は、保有率が7割以上の品目をピックアップし、所得階層が下から3割の人が保有する数を消費量として算出している。このような方法で、被服・履物費以外の食費や住居費などを算出した結果が図2の通りである。

 さいたま市在住のケースでは、25の1DKのアパートに住み、家賃は更新料込みで5万2500円。冷蔵庫、炊飯器、洗濯機、エアコンなどの家電は実際の買い物先である量販店の最低価格帯でそろえている。

 朝食は家で食べ、昼食はコンビニなどで弁当を買い(1食500円)、2か月に3回同僚や友人と飲み会・ランチに行っている設定だ。この金額を割り込むということは、本当に、物理的に生活困難になっていくという水準であることがよくわかる。

 例えば、埼玉県さいたま市在住の男性であれば、月額の最低生活費は税抜190824円で、うち食費38610円、住居費と水道・光熱を合わせて59367円となっている。その他の地域であっても、「手取り13万円」で足りるということはない。

図2 最低生計費調査結果
 最後に、法的に定められた最低生活費に基づいて支給される生活保護と比べるとどうだろうか。例えば、東京都内の単身者であれば、生活扶助(生活費)7〜8万円、住宅扶助(家賃)53700円を合わせて約13万円には達する。

 しかも、生活保護では医療費が無料となり、住民税や水道の基本料金、NHKの放送受信料などが免除される。その上、アパートの更新料や引っ越し費用などの一時的な出費についても保護費から支給されるのである。つまり、生活保護の方が高い水準であることは間違いないだろう。

 このように、「手取り13万円」は最低限度の生活すら不可能な、飢餓的な賃金水準だと言わざるを得ないだろう。

転職すれば解決するのか?
 それでは、批判者の言うように、転職すれば解決する問題なのだろうか。

 この点については、「雇用動向調査」の中にある「転職入職者の賃金変動状況」が参考になる。最新(2020年)のデータによれば、前職の賃金に比べ「増加」した割合は34.9%、「減少」は35.9%、「変わらない」は28.4%となっている。

 つまり、転職することで増収する可能性は3割強でしかなく、現状維持か減収になる可能性が圧倒的に高いのである。

 もし仮に、非正規から正社員に転職ができた場合でも、賃金が必ず上がるとは言えない。実際に、労働力調査(2020年)のデータでは、正社員のうち年収200万円未満(手取りの水準では13万円に近い)の割合が男性4.8%、女性16%に上っている)。

 さらに、社員を使い潰す「ブラック企業」の正社員であれば、時給換算すると最低賃金ギリギリで、過労死ラインを超える長時間労働の分、額面上の賃金が上がるに過ぎない。

 事例は枚挙にいとまがないが、一つだけ例を挙げよう。

 ある大手コンビニのフランチャイズ会社で「店長候補」として新卒で採用された労働者は長時間・低賃金労働だった。

 毎日8時から22時までの14時間勤務で、「基本給15万円、営業手当2万円、業務手当3万円、手取り17.8万円」しかもらえなかった。前述の非正規雇用の可処分所得の額とほとんど変わらない。

 現状を踏まえれば、飢餓賃金を耐えるか、過労死ラインの長時間労働を耐えるか、の二者択一になってしまう。転職などの自助努力で解決することはほとんど不可能に等しい「無理ゲー」状態が、現実なのである。

最低賃金1500円の実現を
 このように考えてくると、正規も非正規も、苦しい生活から脱却するためには、最低賃金のさらなる引き上げが必要である。

 非正規雇用の貧困を改善し、正社員の場合には過労死を予防するためにも必要だ。

 今年は最低賃金の全国加重平均が昨年の902円から930円に引き上げられた。それ自体は歓迎すべきことだが、最低賃金はまだまだ引き上げられる必要があるということだ。

 前述の中澤氏によれば、所定労働時間を173.8時間とすると、最低生計費を稼ぐには少なくとも時給1300円は必要だという計算になる。

 しかも、この所定労働時間はお盆もお正月も関係なく1日8時間週40時間で1年間働き続けるという想定なので、よりゆとりを持たせるためには時給1500円は必要とされるだろう。この水準は、最低限の「生存権」の水準にあるといえる。

 今回の選挙では、野党のほとんどが「最低賃金1500円」を公約に掲げている。これが実際に実現されるためには、社会運動による後押しが不可欠である。労働者自身が非正規・正規の垣根を超えて「生存権」を主張していくことが重要だ。

1122チバQ:2021/11/16(火) 19:17:22
https://news.yahoo.co.jp/articles/df46f1f62de347647c7eef25815ced37c5edebb7
若者に「親ガチャ」が流行語になるわけ。年収100万円の家庭で育った20代に聞いた
11/9(火) 8:46配信
 新型コロナは多くの失業者を出すなど、“貧困パンデミック”とでも言うべき状況が生まれている。若者たちも例外ではない、ニッポンの貧困のリアルを総力取材した。

若者を中心に流行する「親ガチャ」問題とは
 子供は親を選べない。どんな家庭環境に生まれるかは運任せだ。それをカプセルトイやソーシャルゲームのくじ引き(通称・ガチャ)に例えた「親ガチャ」という言葉が、若者を中心に流行している。

 自身も「父親の年収が100万円」の貧困家庭で育った、20代のフリーライターのヒオカ氏(@kusuboku35)に、若者たちの心境を聞いた。

「まず前提として、『親ガチャ』という言葉を使う若者は2パターンに分けられます。1つは、基本的に何不自由なく教育を受けられて、その中で親の経済力の差を競い合う若者たち。そしてもう一方は、豊かさを求める以前に、親の貧困や虐待、家族やきょうだいの介護を強いられるヤングケアラーなど、親から負の要素を受け継いで、スタート地点にすら立てない子供たちです」(ヒオカ氏、以下同)

「抑圧され続けると、無意識に諦める」
フリーライター・ヒオカ氏

「後者は深刻で、大学は贅沢品だし、教養や知識を深めたくても、教育は課金制だから習い事もさせてもらえない。選択肢を奪われ続けるのです」

 ネガティブな現実に触れ続けると、意思や気力を失い、思考停止状態になるという。

「私もそうでしたが、親から抑圧され続けると『希望を持つことすら許されないんだな』と、無意識に諦めるようになるんです。大きすぎる困難を背負わされると、この状況から抜け出したいとも思わなくなる」

貧困の当事者を追い詰めていく今の風潮
bizSPA!フレッシュ

「それに今の社会は貧困の原因を本人に見いだして、当事者を追い詰めていく風潮がとても強い。だから『自分なんかが助けられちゃいけない』『幸せになっちゃいけない』と、自己肯定感だけが下がり続けてしまいます。そんな深刻な状況や境遇を、匿名のネット上でしか吐き出せない若者もいるのです」

 大人にとっては耳が痛い言葉だが、なぜこんな言葉がはやるのか。「好き勝手言いやがって」と、一蹴してしまっては何も解決しない。彼らは必死に、SOSを発信し続けている。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

【ヒオカ】
フリーライター・1995年生まれ。「無い物にされる痛みに想像力を」をモットーに弱者の声を可視化するライターとして活動中。Twitter:@kusuboku35

bizSPA!フレッシュ 編集部

1123チバQ:2021/11/25(木) 15:18:48
https://news.yahoo.co.jp/articles/dbce0bf8e3318af70138d0a6b1e2444a5a44f5a2
手取りは11万円…「一番収入低い人に渡らない」国の制度 恩恵から漏れる人たち
11/25(木) 9:48配信

西日本新聞
高齢者施設で働く女性(63)。正社員に出ている処遇改善の手当をもらえず、不満を募らせている

 岸田文雄首相は、自らが掲げる「成長と分配の好循環」に向けた取り組みの一つとして、介護や保育現場で働く人の賃上げに着手した。19日に閣議決定した経済対策には、来年2月にも介護職や保育士の賃金を月額9千円引き上げることを盛り込んだ。ただ、過去の賃上げ策は全ての働き手には届いておらず、今回の対策も有効性を疑問視する声がある。労働組合関係者は、働き手全体の収入を底上げする新たなルールづくりを求めている。

【画像】職種別の月給(残業代込み)

 福岡県内の高齢者施設で働くパート雇用の女性(63)はこの秋、上司に詰め寄った。「国の制度で出るお金なのに、どうしてパートはもらえないんですか?」

 勤め先の事業所は、昇給につながる賃金体系整備などの条件を満たすと介護報酬が上積みされる「介護職員処遇改善加算」を受けている。2012年度、国が介護職員の給与を上げるため設けた制度だ。上乗せ分は従業員に配分する決まりだが、手当は正社員にしか出ていない。

 仕事は食事や入浴、トイレの介助、居室の清掃と幅広い。入浴は1日4人ほどを担当し、寝たきりの人も1人で介助する。毎日くたくたになる。

 仕事の内容は正社員と変わらないと思う。上司の返答は「雇用契約書には、そんな手当が付くとは書いてないでしょ」だった。

     ∞∞

 女性の時給は880円。福岡県の最低賃金870円と10円しか変わらない。月の手取りは11万円ほどだ。

 介護の仕事は3社目。前の二つの職場も処遇改善の手当はなかった。「収入が一番低い人に渡らない制度でどうするの、と思う」。独身で、仕事を掛け持ちして生計を立てている。

 処遇改善加算による賃上げは、パートなどの非正規労働者も対象となる。国の昨年4月の調査では、条件を満たして加算を受けた事業所は93・5%に上った。

 それでも恩恵から漏れる人がいるのは、上積み分を全ての介護職員に支給する決まりがないため。誰に、どのくらい配分するかは事業所に委ねられ、女性のような立場に陥る人がいる。
 手当があっても、生活に苦しむ人はいる。訪問介護の事業所にパートで勤める女性(58)=福岡市=は、時給が100円上がり、夏に寸志で3万円を受け取った。独身で月の手取りは約13万円。「これじゃ蓄えはできない。ずっと働かないといけないけど、体力が持つか」と不安を抱える。

 介護職などが加入する全国規模の労組「全国福祉保育労働組合」(東京)の民谷孝則書記次長は「介護事業所の全ての職員を対象とし、1人当たりの金額もきちんと決めて支給する形が望ましい」と異議を唱える。

 組合員からは、今回の経済対策で示された賃上げ額に失望する声も出ている。「月9千円ではあまりにも少ない。国が責任を持ち、国費による交付金で賃金をもっと上げる制度をつくるべきだ」と主張する。

1124チバQ:2021/11/25(木) 15:19:03
   ∞∞

 保育現場も厳しい。保育士が低賃金に悩むケースは依然としてある。

 福岡市の保育士の女性(39)は、正規、非正規両方の形態で保育所に勤務した経験がある。妊娠・出産を機に辞めたが、復帰を求められて悩んでいる。

 認可保育所は、条件を満たすと行政からの運営委託費に、保育士の処遇改善加算が上乗せされる。使い道は賃金の引き上げ。女性は正職員時代こそ月1万円ほどの手当が付いたが、非正規期間はほぼなく、一度時給が10円上がり、年度末に3千円弱を受け取っただけ。

 月給も正職員で手取り約17万円、パートは8万円足らず。「子どもが熱を出さないか、けがをしないか、いつも緊張しっぱなし。割に合わない」。収入面を理由に辞める同僚を何人も見てきた。

 低賃金の一因は制度面にあるとされる。現行では運営委託費のうち何割を人件費に充てるか、処遇改善加算の多くを誰にいくら分配するか、保育所が決める仕組みになっている。労働組合「介護・保育ユニオン」(東京)の三浦かおり共同代表は「委託費のうち最低でも何割は人件費に充てる、などの規制を設けるべきだ」と訴える。

 政府は賃上げに向け、委託費を計算する根拠となる公定価格の見直しを始めた。三浦共同代表は「公定価格の引き上げはもちろん、委託費の規制づくりと、職員を手厚く置いた際の人件費の拡充を同時に進めないと、賃金は上がらない」と指摘する。

■「全員に渡さない制度おかしい」
 介護と保育現場で働く人に話を聞いて回ると、誰もが声をそろえた。「仕事は本当に大変。割に合わないです」と。心に響いた苦悩を伝えたい。

 高齢者施設で働く女性(63)は、職員の給与アップに充てる処遇改善加算を「そもそも全員に渡さなくていい制度なのがおかしい」。今のやり方が続けば、国がいくら施策をしても給料は上がらない、と嘆いた。

 保育士の女性(39)の言葉も切実だった。「今、働いている保育士は仕事にやりがいを感じ、安い給料でも我慢している。行政はそこに甘えている」。この国は子どもをきちんと育てる気があるのか、とも。

 首相は介護職や保育士などの賃金引き上げを最優先課題に挙げた。これまでのような待遇改善の漏れはもう許されない。繰り返せば現場は落胆し、人手不足にも歯止めがかからないだろう。覚悟を見せてほしい。

(編集委員・河野賢治)

介護職員などの賃金
 厚生労働省の昨年6月時点の賃金構造基本統計調査(残業代込み、賞与は除く)によると、従業員10人以上の事業所で、介護職員の月給は25万2300円、保育士は24万9800円、看護師は33万8400円だった。全産業の平均は33万600円で、介護職員と保育士はこれを下回った。

1125チバQ:2021/11/29(月) 10:12:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/3606f8f970c0ede89efc483608ad649a4768227e
「コロナで路上生活」38歳元派遣の“10年前の後悔”
11/29(月) 6:31配信

東洋経済オンライン
コロナ禍の最中に雇い止めに遭ったツトムさん(仮名、38)(筆者撮影)

新型コロナウイルスの感染拡大は日本経済に大きな打撃を与えている。経済的に困窮している人たちも多い中で、光が当たりにくいのが若者の貧困だ。市民団体などでつくるネットワーク「新型コロナ災害緊急アクション」はSOSを発した相談者のもとに駆けつけて支援する取り組みを行っているが、その駆けつけ支援の対象者の大半が20代、30代の若者だという。
その多くは非正規だが、東洋経済オンラインの連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」の著者で、貧困問題の最前線を取材するジャーナリストの藤田和恵氏は「彼らや彼女たちの中には、正社員にはなりたくないと語る人もいる」と言う。いったいどういうことなのか。


貧困に陥った若者たちの実態に4日連続で迫る特集「見過ごされる若者の貧困」1日目の第2回は、若者が正社員を拒む背景について、藤田氏がリポートする。

【特集のそのほかの記事】
第1回:「時給高いから上京」の21歳女性を襲った“想定外”
第3回:「親が学費負担放棄」学生を絶望させる新たな貧困
第4回:データで解明「コロナで階級社会化が加速」の衝撃

 派遣労働者だったツトムさん(仮名、38)は、正社員にならないかという誘いを断ったことがある。その直前に病気で2カ月ほど仕事を休んだからだ。今から10年ほど前のことだという。

 当時の心境について、ツトムさんは「会社に迷惑をかけてしまったという負い目があったんです」と振り返る。

 それからずっと同じ職場で派遣労働者として働いてきた。その後、新型コロナウイルスの感染爆発の兆しが見え始めた今年5月、雇い止めに遭った。

 ほどなくして路上生活となったとき、ツトムさんの胸中にはどんな思いが去来したのだろうか。

 仕事は倉庫内の家具家電などの搬出作業だった。労働基準法などまるで無視の職場で、月の残業時間が200時間近くになることもあった。睡眠をとる暇もなく、その代わり月収は多いときで60万円ほど。きつい肉体労働のうえ、異様な長時間労働だったので、派遣労働者は次々と入れ替わった。

 一方で“生き残った”働き手同士の間には、正社員も含めて妙な仲間意識も生まれ、人間関係はよかったという。

■派遣先の人事担当者から「正社員にならないか」

 働き始めて数年、体のだるさとむくみに悩まされるようになった。検査を受けたところ、国が「指定難病」と位置付ける疾患であることが分かり、休職を余儀なくされた。

 体調が回復すると、再び同じ工場に派遣された。派遣先の人事担当者から正社員にならないかと声をかけられたのは、ちょうどこのころのことだ。

 しかし、難病が完治する見込みは低い。ツトムさんは「これからも長期間休むことがあるかもしれない」とその誘いを断った。これに対し、担当者は「休職は労働者の権利。必要なら制度を使って休めばいい」と言ってくれたという。長時間労働を野放しにする一方で、雇用形態を見直そうとする会社側の対応は極めて良心的だった。にもかかわらず、ツトムさんは最後まで正社員登用の話を固辞した。

 このため、「同じ職場で3年を超えて働くことはできない」という派遣3年ルールが導入されてからは、倉庫内の担当メーカーを変えることで新たに採用したかのように見せかけた。脱法的だが、ツトムさんも同意のうえでの対応だった。

 風向きが怪しくなったのは働き方改革が始まってから。残業時間が激減し、そこにコロナ禍が追い打ちをかけた。

 手取りは月16万円ほどと、かつての3分の1以下に落ち込んだ。まさかそんな事態になるとは思っていなかったので、貯金もない。正社員にはある住宅手当などの福利厚生もない。家賃と通院費を差し引くと、手元に残る生活費は生活保護水準と変わらなかった。結局家賃を滞納。2020年の暮れからネットカフェ暮らしになったという。

 そして5月の雇い止めである。理由は異動してきた上司と折り合いが悪かったからだと思う、とツトムさんはいう。上司の胸三寸次第でクビになるなど、正社員であれば少なくとも表向きにはありえない。

 かつて正社員にならないかと熱心に勧めてくれた人事担当者が手を差し伸べてくれることはなかった。すでにネットカフェ暮らしだったツトムさんが路上生活になるまでにそう時間はかからなかった。

1126チバQ:2021/11/29(月) 10:12:24
■意外と耳にする「正社員になりたくない」という声

 ツトムさんとは、市民団体でつくる新型コロナ災害緊急アクションの駆けつけ支援を取材する中で出会った。同アクションにSOSを発信してくる人の多くは派遣やアルバイト、契約社員といった非正規労働者だ。正社員だったというケースはほとんどない。ただ、正社員登用の誘いを断ったとか、あるいは正社員にはなりたくないという話は意外と耳にした。

 大手チェーン系列のホテルで働いていた契約社員の30代の男性は、正社員にならないかという誘いを何度か受けたが、そのたびに断っていた。その理由を「正社員になると責任が生じるから」と説明する。

 この男性は今年1月、コロナに感染したことを理由に解雇された。明らかに違法である。しかし、男性は「ユニオンや労働組合に相談して騒ぎ立てたくない。周りに迷惑をかけたくない」といって特に抗議や抵抗することなく、解雇通告を受け入れた。

 また、寮付き派遣で、大手自動車メーカーや精密機械関連の工場などを転々としてきた20代の男性はコロナ禍で仕事を失った。

 寮からも追い出され、生活保護の申請をしたところ、劣悪な無料低額宿泊所に入居させられ、新型コロナ災害緊急アクションに「豚小屋のようなところに入れられてしまった」と助けを求めるメールを送ってきた。

 散々な目に遭ったようにもみえるが、この男性はコロナが収まっても、正社員の仕事を探すつもりはないという。理由はやはり「正社員になると責任が生じるから」。

 別の20代男性はさまざまな観光地のリゾート派遣で働く中で、正社員登用の話を持ち掛けられたが、「長く働き続けるかどうかわからないので、会社に迷惑をかけてはいけないと思い、断った」という。結局、コロナ禍の中で路上生活となった。

 正社員の責任、会社に迷惑をかけたくない――。取材を続ける中で何度か耳にした言葉だ。

 たしかに正社員の中には長時間労働や厳しいノルマを課せられながら、賃金水準や待遇は非正規労働者と変わらない“名ばかり正社員”もいる。ただ彼ら、彼女たちに正社員の責任とは何かと尋ねると、明確な答えが返ってくるわけではない。

 責任というなら、非正規労働者だって出退勤時刻は決められているし、ある程度の作業効率も求められる。正社員になったとして管理職になるのが嫌なら、断ることもできる。もし異動が嫌だとしても、いつ路上に放りだされるかもしれないリスクと比べたら、まだましなのではないか。

会社に迷惑がかかるという理由にしても、無断欠勤や「今日辞めます」はご法度かもしれないが、ルールにのっとれば、辞める権利と自由は、いつでも、誰にでもある。

 私がそう指摘すると、先ほど挙げた寮付き派遣を渡り歩いてきた20代の男性は少し考えた末にこう答えた。

 「何もしなくても仕事を紹介してくれる派遣は正直楽というのもあるかもしれません。それに、中卒の僕にとっては派遣でも働き口があるだけありがたいです」

1127チバQ:2021/11/29(月) 10:12:43
■「正社員を雇うリスクも理解できる」と語る非正規

 リゾート派遣で働いていたという20代の男性は「いろんな職場で友達ができるので派遣も悪くない」という。そのうえで「経営者の立場で考えたら、正社員を雇うリスクも、僕には理解できます」という持論を語った。

 こうした若者たちに共通するのは、会社や企業に対してどこまでも対等であろうとする意識なのではないか。一見誠実にみえるが、ともすれば「働かせていただいている」という“下から目線”と紙一重でもある。コロナ禍のような不測の事態が起きても働き続けることは、企業や会社の温情によるものではなく、労働者の当たり前の権利である。

 取材で出会った若者たちにもう1つ共通するのは、生活保護を利用することへ忌避感である。先述した大手チェーン系列のホテルで働く30代の男性はコロナ解雇で失業し、家賃が払えなくなってシェアハウスを追い出されても「周囲に知られたくない」という理由で生活保護の利用を拒んだ。

 また、寮付き派遣を経て悪質無低に放り込まれた20代の男性は「生活保護を受けている人は、やっぱりそういう目で見られますから。寮付き派遣でもいいので1日でも早く仕事を始めたい」と訴えた。

 新型コロナ災害緊急アクションにSOSを求めるほど追い込まれているにもかかわらず、労働者の権利もいらないし、「国民の権利」である生活保護の利用も拒む。その権利行使にネガティブな態度は若者の貧困、そして日本の貧困の背景にある特徴の1つでもある。

 一方、冒頭で紹介したツトムさんは、新型コロナ災害緊急アクションの支援を受け、生活保護を申請。現在は賃貸アパートに入りなおし、仕事を探している。生活保護の医療扶助によって通院も再開することができた。

 意外なことにツトムさんは2020年の年末から今年5月までの半年間のネットカフェ生活について、「不思議なもので、賃貸アパート暮らしをしていたときよりも楽でした」と振り返る。

 ネットカフェ代は最低でも1泊1500円はかかるので、それまでの家賃よりも割高になった。かといって家賃の滞納歴があるので、新たに賃貸アパートを探すことも容易ではない。

■「その日暮らしは慣れてしまうと気楽」

 ツトムさんは給料日前に金欠に陥らないよう、月給制から日給制に変えてもらった。「手元にお金がなければ使いようがない」と考えたからだ。日給は8000円。週末は仕事がないので、1日に使えるお金は5000円ほどだった

 結果、1日の食事をカップラーメン1つや、お菓子だけですませることが増えた。通院もできず、服薬も中断せざるをえなくなった。そんなネットカフェ暮らしのどこが楽だったのか。

 「月給の中で家賃や光熱水費のやりくりを考えなくていいからですよ。目の前の1日を乗り切ればいいその日暮らしは、慣れてしまうと結構気楽でした。最近は、ネカフェも出入りが自由だったり、住民票が置けたり、郵便物を受け取れたりというところもありますし。高いですけど、カレーが食べ放題というとこもありますしね」。

 ネットカフェで住居喪失者向けのサービスが充実しつつあるという。

 ツトムさんは、正社員化の話を断ったことをどう思っているのか。今も後悔はないのだろうか。ツトムさんは迷いつつもこう答えた。

 「(30代後半という)年齢や病気のことを考えたら、なれるんだったら、なっておいたほうがよかったかな。今はそう思っています」

(第3回は「親が学費負担放棄」学生を絶望させる新たな貧困)

藤田 和恵 :ジャーナリスト

1128チバQ:2022/01/03(月) 23:34:29
https://news.goo.ne.jp/article/dot/nation/dot-2022010300014.html
「家もない、仕事もない」 小さな子どもを連れた母親も 年越し大人食堂
2022/01/03 17:39AERA dot.

「家もない、仕事もない」 小さな子どもを連れた母親も 年越し大人食堂

1月3日に開かれた「大人食堂」。開始前には200人近くが並んだ(撮影:野村昌二)

(AERA dot.)

「家もない、仕事もない。まさか、正月を路上で過ごすとは思いませんでした」

 1月3日、東京都千代田区の聖イグナチオ教会で開かれた「年越し大人食堂」。食料配布の最前列に並んでいた男性(58)は、思いつめた表情でつぶやいた。

 大人食堂は、新型コロナウイルスの影響で困窮する人を支援しようと、新型コロナ災害緊急アクションや反貧困ネットワークなど複数の団体が主催。弁当以外にも、おむつや生理用品なども配布した。

 正午開始の3時間ほど前から人が並びはじめ、開始30分前には200人近くが寒空の下、列をつくった。中高年男性が多いが、若い女性も少なくない。中には、小さな子どもを連れた母親の姿もあった。

 冒頭の男性は、半年ほど前に働いていた飲食店が倒産した。やがて家賃を払えなくなり、住んでいたアパートを追い出された。上野公園や池袋のガード下などで野宿をして過ごすという。

「寝袋があるけど、寒くて寝られない」

 この日も寒さで寝られず、上野公園から歩いて4時間近くかけ、ここに来たという。持ち物はリュックサックが一つで、所持金は1千円あるかないか。こうつぶやく。

「家があって、仕事があって、風呂にも入れて、人として最低限の暮らしをしたいです」

 コロナが長引く中、雇用情勢は改善傾向にあるものの、生活困窮の長期化が深刻になっている。厚生労働省の集計によると、全国の自治体に設置されている生活困窮者向けの相談窓口「自立相談支援機関」に2021年度上半期(4〜9月)に寄せられた新規の相談件数は30万7072件。これは、感染が拡大する前の19年度同期(12万4439件)の約2.5倍に上る。

 特に非正規雇用や女性の働き手が多いイベント関係や宿泊、飲食業などの苦境は継続している。

「一生懸命に働いて税金もちゃんと払ってきたのに。国は何もしてくれない」

 大人食堂に電車を乗り継いで来たという中野区に住む男性(53)は、怒りをぶつける。

 イベント関係の仕事をしていたが、コロナの影響でイベントは軒並み中止になり収入はほぼ途絶えた。フリーランスなので失業給付ももらえない。

ハローワークに行っても、年齢が壁となって仕事は見つからない。今は細々と友人の仕事を手伝っているというが、収入は以前の10分1以下。

 家賃は4万円。これに電気、水道、ガスなど公共料金を払うと手元にはほとんど残らない。男性は訴える。

1129チバQ:2022/01/03(月) 23:34:47
「先が見えない。何で、こんなことになってしまったのか」

 家族4人で暮らす都内の男性(40代)も、コロナ禍で仕事をなくした。今日は、2歳になる娘のおむつももらえたという。

「こういう支援は本当にありがたいです」

主催団体の一つ、一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛さんは、こう指摘する。

「公助が十分に機能していない」

生活保護に対する偏見や、支援制度の条件の厳しさといった課題もあるという。

「感染の第6波への警戒感が強く、今も雇用が不安定化している。現金給付や家賃補助など、国の経済支援の拡充が必要だ」(稲葉さん)

(AERA編集部 野村昌二)

※AERAオンライン限定記事

1130チバQ:2022/01/03(月) 23:35:23
https://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20211230-567-OYT1T50112.html
コロナ禍で生活困窮、広がる支援の輪…「年越し大人食堂」に長い列
2021/12/30 23:19読売新聞

コロナ禍で生活困窮、広がる支援の輪…「年越し大人食堂」に長い列

「年越し大人食堂」の会場で食料などを受け取る人(左)(30日午後、東京都千代田区で)=和田康司撮影 【読売新聞社】

(読売新聞)

 新型コロナウイルス禍の長期化により、昨年に続き、今年も失業や収入減で生活が困窮する人が後を絶たない。各地の支援団体では、行政サービスを受けにくい年の瀬に、食料配布や生活相談などの活動を行っており、寒空の下、支援を求める人たちが列を作った。

 東京都千代田区麹町の聖イグナチオ教会では30日正午から、生活に困った人を支援する「年越し大人食堂」が開かれ、弁当やレトルトの中華丼、お菓子、缶詰などが配られた。コロナ禍で収入が減り、数日分の食料確保のために訪れたという江東区のパート女性(51)は「ありがたい、うれしいです」と笑顔を見せた。

 コロナ禍前は解体業などの日払いの仕事をしていたという男性(59)は「感染が拡大してからぱたっと仕事がなくなった」と語る。

 今は週に2、3日、清掃のアルバイトをして暮らし、年末年始は、都が一時的な宿泊場所として提供するビジネスホテルに滞在している。「自分は一人だからまだ何とかなるけれど、子どもや家族がいる人は大変。収束まで持ちこたえられればいいが……」と語った。

 この日の「大人食堂」に訪れたのは20歳代〜70歳代の278人。主催者団体の一つ、一般社団法人「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛さん(52)は「感染の第6波への警戒感が強く、今も雇用が不安定化している」と指摘する。同教会での「大人食堂」は1月3日にも開く。

 厚生労働省の集計によると、全国約900自治体に設置されている生活困窮者向けの相談窓口「自立相談支援機関」に今年度上半期(4〜9月)に寄せられた新規の相談件数は、30万7072件に上った。コロナ禍前の2019年度同期(12万4439件)と比べると、約2・5倍に上る。

 同省は今月上旬、全国の自治体に向け、年末年始にも生活困窮者に対応できるよう、相談体制の確保などを求める通知を出した。

1131チバQ:2022/01/17(月) 13:14:05
https://news.yahoo.co.jp/articles/be49c7d3b6e344d0c7e856064820b1c4e413c97d
10日間飲まず食わずの失業者も…ホームレスにも広がる「貧困格差の実態」
1/17(月) 8:45配信
格差社会の拡大が叫ばれる現代、貧困の波はより一層の隔たりを生んでいる。そして、その波はホームレスにも広がっていた。ホームレスとひとくくりにされがちな人々の、生活格差を取材した。

YouTubeにも出演したホームレス歴3年半の男性
「俺、YouTubeに出てんだよ、40万回再生されてる」。世間が正月ムードに染まる頃、凍てつく寒さの中、新宿駅西口の路上に座り込んでいた男性、伊藤さん(76歳)。通行人が足早に歩く中、路上に段ボールを敷いて、足元には毛布をかけ、片手でスマホをいじっていた。

「10歳ほど歳ごまかさないと働けないよ、だからみつかる前に辞めないと……」と語る。以前は建築関係の仕事をしていたそうで、仕事を辞めてから新宿でホームレスをはじめて3年半になる。

「朝は5時頃に起きて、通路に移動する。それからずっと路上に座っている。人がひっきりなしに来るから忙しいんだよ」

 収入のほとんどは通行人からの寄付で、月に数万円を稼いでいるそうだ。取材をしている間も何人もの人たちが足を止めて寄付をしており、なかには千円札を入れる人の姿もあった。コロナ前は行列に並ぶ購買の仕事の依頼もあったそうで「主に中国人から依頼されたかな、月3回、4回ほど」と言う。並ぶ時間や購入するものによってもらえる金額は変動するが、金額は1回500円から2000円ほどになるそうだ。

他の人も養えるほど収入はある
1日の寄付金を持つ伊藤さん

「主な使い道は食費だね、まあ食う分には困らないね。今日も差し入れもらって、弁当3個。1個は他の人にもあげたよ」。長年ホームレスをしていると顔見知りも増え、よく差し入れをもらうそうだ。炊き出しを活用するのか聞くと「1か所ぐらいしかいかないね。1週間に1回だけ」と語る。

 伊藤さんのそばには、2年ほど前にたまたま新宿で知り合ったという女性のホームレスの方がおり、一緒に過ごしていた。また話を聞いている最中も時折LINEの通知音がなっていた。当然、携帯電話の通信料も支払っているそうで、「自分が食べる分だけでなく、他の人も養えるほど収入はある」という。それが本当だとしても、極寒の路上で冷めた弁当を食べる生活は、つらいだろうと思う。

 施設に入らないかと時折声をかけられるそうだが、その提案は頑なに拒んでいる。そのわけは「あんなんダメだよいい加減でダメ、いい加減なところは最初から入んない。生活保護なんてのはいかさまだよ。お金出す役所のほうもいかさま。もらうほうもいかさま」と語る。

 生活保護は生活を立て直すための当然の権利なのだが、当事者たちが受ける気になるような支援が必要だ。また集団生活が苦手で施設を嫌う人も多く、個室を借りられるようサポートする支援団体も出てきている。しかし、彼は「新宿はいいよ新宿は」と、そこに安住の地を見出していた。
長年培ったコミュニティを大切にする男性
 夜の池袋駅、足を引きずるようにして歩く男性に声をかけた。コンビニにカップ焼きそばを買いにいく途中だったAさんは「収入は全然ないよ。でも食べ物とかは炊き出しとかあるし、持ってきてくれる人もいる」と語る。

 たしかにその手には食料の入った大きな紙袋が握られており、十分な食料を持っていた。池袋駅に長年住んでいるAさんは、以前は別の地域を転々としていた。新宿にいた時は毎年、明治神宮まで初詣に行かれていたそうだ。東京にはお兄さんを頼って来たそうだが、音信不通となり今では池袋での生活が板についている。

「いつまでもこんな生活していられないけど、施設に入ったり、アパート借りたとしても1人だとつまらないから」

 長年ホームレスをしていると顔見知りも増え、なかなかよそにはいけないらしく、「誰かと話したいというのが1番だね。そうじゃないと変な事考えるから……おかしくなっちゃうからね」と、1人暮らしをしない理由を語ってくれた。

 炊き出しの利用頻度も低いそうで「大体みんなもらいにいかないよ炊き出し。あんまりおいしくないから。たまに好きなカップ焼きそばを買うのが楽しみ」と語る。

1132チバQ:2022/01/17(月) 13:14:22
20歳から路上生活、ホームレス歴40年
ホームレス歴40年の大ベテランの佐藤さん

 新宿駅南口、大型のショッピングモールが立ち並ぶ施設付近で路上生活をしていた男性・佐藤さん(62歳)。20歳の頃から仕事をしては辞めてを繰り返し、ホームレス歴は40年近くになる。

「収入のほとんどは通りすがりのひとからもらっていて、多い時だと日に3000円くらいかな。食べるものも差し入れてもらってるよ」と語る。月3万〜4万円の収入を得ているそうだ。路上生活をしていて困る事は特にないそうで、お金を使うのはタバコと食費のみ。今の生活が性に合っている様子だ。

10日間飲まず食わずだった男性
会社が倒産し、1か月近く前に路上生活を始めた沼野さん

 冷たい風が吹きさらす新宿中央公園。ただの広場に大量に敷き詰められた毛布の山が「宿のない人が一時的に泊まれるように」と解放されていた。そこで一夜を明かした男性、沼野さん。ホームレスになって1か月足らずだという。以前は埼玉県越谷市でトラックの運転手をしていたそうだが、会社が倒産して社長が雲隠れ。給料も振り込まれず、当てどもなくさまよって新宿に行きついたそうだ。

「越谷から練馬まで歩いて来たんだけど、歩き疲れちゃって。途中、交番でおまわりさんに交通費をもらって、新宿中央公園で炊き出しをやってるのを教えてもらった」。警察官に越谷から練馬まで歩いて来た事を告げると、大変驚かれたそうだ。

 2021年12月31日に新宿中央公園で行われた炊き出しに参加したそうで、それまで10日間近く飲まずくわず。「若い頃にレンジャーにいてね、飲まず食わずは慣れてるよ」と語る。当時演習で食料は与えらず、演習中は蛇などをさばいて食べなければならないサバイバル訓練を受けたていた。それを食べるのが嫌だったそうで、その経験のため食べない事には慣れているらしい。

 その後、沼野さんは大久保公園で行われた炊き出しにも参加した。その際に、今後の生活相談や食料品、現金4000円をもらっていた。数日後に一緒に役所への相談を付き添ってもらう。それまで、今回の現金支給で「しばらくネットカフェなどで一夜を明かす予定」だと言う。

ホームレスの情報格差からみる収入格差
沼野さんに炊き出しの食料を見せていただいた

 ホームレスになる人にはさまざまな要因があるが、首都圏のホームレス取材をしている筆者が見聞きした限り、そのほとんどが失業によるものだった。だが、ホームレスになった後の対応の違いによって、収入の格差は生まれてくる。

 公の制度に頼らず、路上生活で培ったコミュニティを活用するホームレスの方々は、さまざまな情報に触れる機会や差し入れをしてくれる顔見知り人も多く、どこにいけば炊き出しがあるかも知っている。一方、路上生活でのコミュニティに入れていない場合、炊き出しの場所や日時、差し入れてくれる人のいる情報など自分で調べなければならず、そこに収入の格差は生まれてくるようだ。

 国の統計上は数値で「相対的貧困」の基準を定めているが、その値だけでは必ずしも実際の貧困の度合いは計れないのではないだろうか。貧困の原因が生活基盤の不安定さにあるのだとすれば、人間関係や情報源といった基盤を構築できているかどうかも重要だ。そのためにも公的な支援やサポートの必要性を感じた。

<取材・文/酒井由和>

bizSPA!フレッシュ 編集部

1133チバQ:2022/03/21(月) 08:09:37

https://news.goo.ne.jp/article/asahi/politics/ASQ3K6QR5Q3KUTFL00Y.html
10万円給付は借金支払いや生活費に 困窮世帯の厳しさ続く
2022/03/19 10:00朝日新聞

10万円給付は借金支払いや生活費に 困窮世帯の厳しさ続く

「心もあたたまる」。認定NPO法人キッズドアの食料支援の感想にはシングルマザーからのものもあった=キッズドア提供

(朝日新聞)

 3割近くを未払い金や借金の支払いにあて、さらに3割超を生活費に回す――。政府が昨年末から配った18歳以下の子どもへの1人10万円の給付金について、困窮世帯での使われ方が支援団体の調査でわかった。2月までに全額使い切った世帯も4割に達し、進学シーズンなどを前に厳しい環境にあるとみられる。

 経済的に苦しい子育て家庭を支援する認定NPO法人「キッズドア」が2月中旬までアンケートし、1725世帯から回答を得た。うち9割は一人親で、1割はふたり親だった。

 結果によると、10万円の使い道は「生活費(食費含む)」が34%で最多。未払いの水道・光熱費(10%)や学校関係費(9%)、借金の返済(8%)を合わせると61%は足元の暮らしに必要な経費に回していた。

 一方、11%は入学金など半年以内に使う貯蓄と回答。将来の備えとして貯蓄するとしたのは7%だけだった。

1134チバQ:2022/05/13(金) 13:41:27
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1bfc2b238b89c2cd6bb669ac29653b53d4fd6f2
「大丈夫」の裏に「助けて」 札幌、再開発の片隅で…路上生活者は今
5/13(金) 13:19配信

毎日新聞
にぎやかな都会で、路上生活者に声をかけ、炊き出しの日時が記載されたビラを手渡す労福会のメンバー=札幌市中央区で2022年5月7日、真貝恒平撮影

 北海道新幹線の札幌延伸や2030年冬季オリンピック・パラリンピックの招致を目指し、再開発が進む道都・札幌市の中心部。人々が行き交う都会のにぎやかな風景が広がる。だが、ボランティア団体「北海道の労働と福祉を考える会」(労福会)の「夜回り」に同行すると、雑踏の片隅で、人目を避けるようにひっそりと路上生活を送る人々の姿が目に付く。路上生活者の現状と支援のあり方について探った。【真貝恒平】

 7日午後7時半過ぎ、市中心部の地下歩行空間。新型コロナウイルスの流行後に迎える3度目のゴールデンウイーク(GW)は3年ぶりに行動制限がなく、自由な休日を楽しむたくさんの笑顔であふれた。壁に貼られているのは、2030年冬季オリンピック・パラリンピックの招致を目指す札幌市のポスターだ。

 「こんばんは。お変わりありませんか」。にぎわいをよそに労福会のメンバーが地下歩行空間のベンチに腰掛けている男性に声をかける。フードバンクなどから提供を受けた菓子パンや飲み物、マスクを手渡すと、男性は目を細め、「いつもありがとうね」と感謝の言葉を口にした。再開発の進行とまるで関係なく続いている光景だ。

 労福会は1999年の設立。大学生を中心に高校生や市役所の退職者ら約30人がメンバーとして登録する。毎週土曜の午後7時から2時間、約20人が3グループに分かれて札幌駅や狸小路周辺などを「夜回り」し、路上生活者に生活必需品を配布。月1回、大通公園などで炊き出しも行い、路上生活者の支援を続けている。

 多くの路上生活者が身につけている服を見ると、行き交う人々とほとんど変わらない。ただし、ズボンの丈が短かったり、靴が汚れていたりというわずかな「異変」がある。メンバーはそれらを見落とさずに声を掛けている。自身の境遇に負い目があるのか、最初は声掛けを警戒され、無視されることもあるが、何度も会ううちに徐々に心を開いてもらえるという。

 この日、大通の地下街で出会った50代ぐらいの男性は「生活保護は拒否しています」ときっぱりと言い切った。仕事さえ見つかれば、「路上生活から抜け出せる」と説明する。地下街が閉まる深夜は路上を歩いて朝が来るのを待って、日中は地下街のベンチなどで休むという。労福会は路上生活者に生活保護の申請を勧めているが、「まだまだ大丈夫だ」と断る人もいる。「自分のことは自分で」という「自助」の意識が強く、他者の支援を受けることをよしとしない固定観念があるという。

 「優しい人ほど、自分が悪いという自己責任の意識が強い」。大学院で貧困問題について研究する大野慶さん(28)が言う。労福会の活動に参加して7年ほど。路上生活者と接し、その心の内がいくらか見えるようになってきたという。「大丈夫」と笑う言葉の裏に「本当にどうにもならない時は、助けてほしい」という思いがあることを知った。大野さんは「自分たちの活動は最後のセーフティーネットだと思っています」と力を込める。

 労福会が札幌市の委託で毎年、実施する調査で、21年の路上生活者は市内に約40人。08年のリーマン・ショック後に一時的に109人まで増えたものの、徐々に減り、最近5年間は30〜40人で推移する。

 ◇一緒に考える

 一方、札幌市ホームレス相談支援センター「ジョイン」のスタッフで、労福会副代表の小川遼さん(30)は路上生活者の人数が減少したと額面通りに受け取っていない。「20〜30代の路上生活者は増えているが、ネットカフェに寝泊まりすれば、数字に反映されない。実際はその倍以上いると感じる。『隠れホームレス』への支援が行き届いていないのが現状だ」と警鐘を鳴らす。小川さんは「一緒に困って一緒に考える。とことん付き合っていくことが自分たちの存在意義だ」と語った。

1135チバQ:2022/05/13(金) 13:51:23
https://news.yahoo.co.jp/articles/3fda253f8c33bebea8f6c4b94a48704c493a43ab
手取り22万円「非正規・氷河期世代」を襲う「一生氷河期」という悲劇
5/13(金) 11:16配信

幻冬舎ゴールドオンライン
手取り22万円「非正規・氷河期世代」を襲う「一生氷河期」という悲劇

労働人口の減少がみえている日本において、如何にして人手を確保するかは、重要課題のひとつです。そのような議論のなか、初めてクローズアップされたのが氷河期世代。「辛酸を嘗め続けてきて、やっと……」という思いと、「いまさら手遅れ」という思いが入り乱れている、そんな現状をみていきましょう。


氷河期世代…いまだ50万人が不本意ながら非正社員
2019年4月に開催された第5回経済財政諮問会議。日本の内閣府に設置されている「重要政策に関する会議」の一つでのこと。そこで初めて問題がクローズアップされたのが、氷河期世代にまつわるものでした。

氷河期世代とは、厚生労働省が2019年8月に発表した『就職氷河期支援施策の取り組みについて』において「おおむね1993年〜2004年に学校卒業期を迎えた世代」と定義しています。高卒であれば、1975年から1986年に生まれ、2022年時点で36〜47歳になる人たち。大卒(ストレートで大学に入り、4年で卒業した場合)であれば、1971年から1982年に生まれ、2022年時点で40〜51歳になる人たち。つまりいまの40代はまるまる氷河期世代だといえます。

この世代は、学校卒業時に有効求人倍率は1を上回ることはなく、希望の職につくことが非常に困難だった時代です。文部科学省『文部科学統計要覧・文部統計要覧』によると、1996〜2006年には、大学卒業者のうち、1万人以上が「一時的な仕事」、つまりパートやアルバイトに就くしかない状況でした。



【「大学卒業者数」と「一時的な仕事に就いた者」の推移】

1996年  512,814人/10,514人

1997年  524,512人/10,738人

1998年  529,606人/11,957人

1999年  532,436人/16,023人

2000年  538,683人/22,633人

2001年  545,512人/21,514人

2002年  547,711人/23,205人

2003年  544,894人/25,255人

2004年  548,897人/12,412人

2005年  551,016人/12,061人

2006年  558,18人/12,039人

出所:文部科科学省『文部科学統計要覧・文部統計要覧』より作成

不本意ながらも正社員として採用され、社会人となった人たちはまだよかったのですが、そうではなかった人たちの多くは悲惨なキャリアを歩むことになりました。

雇用環境が改善したきた2005年以降、そこで正社員になれた人はよかったですが、その時点ですでに30代に達していた人たちは特に正社員へのハードルは高く、断念せざるを得ないという状況に。政府は氷河期世代に対して、正社員への道を支援していますが、企業側が正社員としてのキャリアのない人たちを採用するメリットがあるのか……疑問です。「生涯、非正社員」は氷河期世代・非正社員の人たちにとって、かなり現実的な未来なのです。

財務省の調査によると、就職氷河期とされる人は、およそ1,600万人。そのうち現在も約50万人が「望まずして非正社員」といわれています。

1136チバQ:2022/05/13(金) 13:51:42
40代氷河期世代…非正社員と正社員を比べてみると
厚生労働省『令和3年賃金構造基本調査』によると、大卒男性、非正社員の平均月収は31万1,400円、手取りにすると24万円ほどになります。

40代に注目すると、40代前半で月収28万9,200円、40代後半で28万6,900万円。手取りにすると22万円ほどです。また同時期の正社員をみていくと、40代前半で月収44万6,200円、40代後半で48万3,500円。

年功序列が根強く残る日本では、通常、年齢が上がるにつれて収入も上がっていくもの。正社員ではそのストーリーを描くことができますが、非正社員では難しいことがわかります。

また非正社員では賞与も期待できず、全体の全世代平均で推定419万円。40代前半では361万円、40代後半で365万円。同時期の正社員は40代前半で684万円、40代後半で748万円。少々、悲しくなってくる結果です。

そんな非正社員ですが、あえて正社員にはならず、高給を手にする人たちもいますので、大卒男性・非正社員の給与分布を確認してみましょう。

全世代で基本給20万円未満は26.8%。40代前半では27.3%、40代後半で28.2%。40代にして3人に1人弱が、大卒初任給以下の水準です。



【大卒男性・非正社員の給与分布】

20万円未満:27.3%/28.2%

20万〜22万円未満:12.8%/15.3%

22万〜24万円未満:16.5%/13.2%

24万〜26万円未満:6.4%/6.7%

26万〜28万円未満:4.6%/7.9%

28万〜30万円未満:8.2%/4.7%

30万〜32万円未満:4.8%/4.5%

32万〜34万円未満:2.3%/2.1%

34万〜36万円未満:2.6%/3.6%

36万〜38万円未満:5.0%/1.5%

38万〜40万円未満:1.9%/2.1%

40万円以上:7.7%/10.2%

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本調査』より算出

「大学を卒業しても、一生、非正社員でしかない……」。そんな諦めの境地にいる氷河期世代。仮に大学卒業後、65歳まで働いたとしたら、正社員との生涯年収の差は1.1億円にもなる計算。生まれた時代を恨みたくなるのも、仕方のないことかもしれません。

1137チバQ:2022/06/01(水) 16:20:19
https://news.yahoo.co.jp/articles/647a64bfb429c0246f3fdf1c049866ec61212004
「生涯で一番きつい」 月の手取り12万円から7万円に コロナ禍で3度転職 追い込まれるひとり親
6/1(水) 11:52配信
沖縄タイムス


 沖縄県が31日に公表した「沖縄子ども調査」で、経済的困難を抱える親子が、長引くコロナ禍や物価高騰でさらに追い詰められている実情が明らかになった。とりわけひとり親世帯の厳しさは増しており、収入が減った中2の保護者は51・7%。ふたり親世帯より10ポイント以上高い。国の全国調査と比べても17ポイント以上高く、シングルマザーからは「生涯で一番きつい」「受けていた支援が打ち切りになった」と切実な声が漏れる。(社会部・松田駿太、学芸部・嘉数よしの)

■追い込まれるひとり親

 沖縄本島南部で高校2年の娘を育てる女性(44)は、コロナ禍で3度の転職を余儀なくされた。腎臓に持病がある娘のため、長年勤めた雑貨店を辞めて実入りのいい夜の飲食店で働き始めた直後の2020年2月、県内でコロナ感染が確認された。

 マスクを外して接客しなければならず、勤務中は「ずっと不安」。重症化リスクがある娘が心配で、同年秋には弁当屋に転職した。感染が広がると客足は落ち込み、月の手取りは12万円から7万円に減った。別の飲食店に職を求めても、収入は月数万円。苦しくなる一方だった。

 ひとり親を対象にした県の家賃貸付制度や児童扶養手当を利用したが、貯金も切り崩さねばならず「絶対に触らない」と決めていた娘のための預金にも頼らざるを得なかった。お年玉もためていた口座。「伝えるのがすごくつらかった。この2年間は生活をどう守るかばかり考えていた」と声を震わせる。

 6月からサービス業の正社員として働くことが決まり、ようやく希望が見えてきた。収入は月16万円ほど。「娘が高校卒業後にやりたい道に進めるよう頑張りたい」と前を向く。

■弁当配布に希望者殺到

 中2の娘と中1の息子がいる本島南部の母親(48)は、20年5月に離婚した。精神障がいがあって働けないため、月約15万円の障がい年金が頼みの綱。貯金はほとんどできない。今春の息子の進学時には制服代などに約8万円かかったため、家賃を払えなくなり「待ってもらっている」

 相談機関を訪ね歩き、社会福祉協議会などから食料支援を受けるが、生活は苦しい。民間団体から受けていた週2回の弁当配布はこの4月、申し込み殺到で定員オーバーになり、受けられなくなった。

 「困っている人が増えているのだろう」と身につまされる。「支援は広がっているが間に合っていない。もっとうまく情報を届け、支えてほしい」と望む。

1138チバQ:2022/06/08(水) 17:25:21
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9b3c05a16655338a7552d718f5afefd85a8b98f
「もう消えたい」ゴミが散乱する四畳半の部屋で…62歳男性を襲う孤独
6/8(水) 15:55配信


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大手印刷会社などを経て、33歳で独立。風俗専門の広告会社を設立するが、2020年に廃業した。背後の窓は、酔って破壊したせいで段ボールで塞がれている

かつては”上がり”とされてきた還暦。人生100年時代という延長戦を迫られた今、おめでたいと手放しで喜べる余裕はない。ミッドライフ・クライシスの先に待ち受ける、60代の厳しい現実とは?

⇒【写真】玄関には大量の吸い殻が詰まった紙コップが放置されていた

「体も心も、毎日しんどい、ツラい」
鬼ころしの180㎖パックと食べかけのカップ麺が散乱する四畳半の部屋にはすえた臭いが充満している。東京都在住の横田智史さん(仮名・62歳)は消え入るような声で“変調”について語り始めた。

「ここ数年、もう消えたいって気分にしょっちゅう襲われるようになった。体も心も、毎日しんどい、ツラい」

約30年間、小さな広告代理店を経営してきたが、コロナ禍もあり、2年前に廃業。同じ頃、同年代の妻と離婚した。貯金を取り崩しながら暮らす現在は酒浸りの生活に。

「この1年は絶えず胃のあたりや背中が痛くて、しょっちゅう真っ黒なタール便も出る。でも今さら病院に行って体を治す意味が見いだせないから放置してるんだ」

「人とか行政に頼るのは一番の苦痛」
タレントの上島竜兵氏や俳優の渡辺裕之氏の死について尋ねると、横田さんの表情は一変。

 「ショックだったよ。でも彼らの気持ちはよくわかる。俺もかつては毎日死ぬほど働いて、夜は飲んで大騒ぎ。でも今はほぼ誰とも口を利かない日々。どんどん内にこもっていっちゃう」

50代までは感じなかった将来への漠然とした不安、現状への絶望感があるという。

「何を食っても、何を見ても感動しない。毎日がどんよりとしている。時折、強烈な寂しさに襲われるんだけど、それでも人と会う元気は湧かないし、そもそも人から求められることもない。今は顔を洗うのも、歯を磨くのも面倒。だからって人とか行政に頼るのは一番の苦痛だよね。哀れみ、蔑み。人間、それが一番辛いと思う。だから人恋しくても、死ぬまでひっそりと酒を友達に生きていくつもりです」

60代の危機はどこからくるのか
彼のように60代から危機的状況に陥るのは、偶然なことではない。

厚労省の調査によると、男性の年収は、多くの企業で定年となる60代前半で一気に減少。さらに、定年後の再雇用者のうち約5割は年収額が半分以下に減ることがパーソル総合研究所の調査でわかった。

変化するのは収入面だけではない。食品会社・味の素が実施した「60代以降の就業及び健康」の調査では、年代間の違いが明らかとなった。

「身体で気になること」では、40代が疲労感や疲れやすさが高いのに対し、60代では脚の筋力、握力の低下を実感。また「人生観や価値観」では、40〜50代が「仕事など、人生の成功を収めたい」と考えるのに対し、60代は「社会や地域の役に立ちたい」「人との出会いやつながりを大事にしたい」が多数派となる。

つまり、60代は定年による収入の急減と仕事の喪失が起こり、体力の急激な衰えを感じ、社会的に孤立しやすいとき――。40〜50代の中年期には、中年の危機=ミッドライフ・クライシスという言葉があるが、その先には60代の危機、いわば“シルバーライフ・クライシス”が待ち受けているのだ。

「#いのちSOS」
フリーダイヤル 0120(061)338
月・木:0時〜24時(24時間)
火・水・金・土・日:8時〜24時

取材・文/週刊SPA!編集部

―[[60代危機]という新たな病]―

日刊SPA!

1139チバQ:2022/07/07(木) 21:18:02
https://www.tokyo-np.co.jp/article/187635
<この声を 参院選埼玉>(4)女性の貧困 「何かを考える余裕ない」
2022年7月5日 08時06分
 「一時金や支援物資はすごく助かる。でも一番必要なのは、安定した就職先です」。都内で就学前の子どもを一人で育てる二十代の茉優(まゆ)さん(仮名)は、そう話す。夫とは離婚調停中。夫が養育費の取り決めを渋り、半年以上長引いている。そのためシングルマザーとして行政に認められず、ひとり親手当も出ない。
 昼間は子どもを保育園に預け、メンズエステと呼ばれる男性向けの接客業で働く。キャバクラなどの接待を伴う飲食業や風俗業、いわゆる「夜職」と呼ばれる業種だ。健康保険や有給休暇などの保障はない。その代わり売り上げは店と折半で、即日支払われる。茉優さんは「子どもが急に病気になっても当日欠勤できる。生活保護を受けずに家賃を払える収入を得るには、結局こうなった」と話す。
 店では性的サービスは禁じられているが、客が直接交渉してくることも。「子どもの病気で長期間休まなきゃいけなくなったとか、経済的に苦しくてお客を拒めない人もいると思う」
 海外と比べた日本の母子世帯の特徴は、就労率が高いのに半数以上が貧困に陥っていること。離婚後に養育費を受け取る人はわずか24・3%。養育費不払いを立て替える自治体も出てきたが、養育費の立て替えや天引きをする国の制度は実現していない。
 さらに大きな要因は男女の賃金格差。子育てとの両立が難しく、低賃金の非正規労働に追いやられていることだ。
 茉優さんは妊娠・出産に加え夫の転勤もあり、仕事のキャリアを積めなかった。「子育ては立派な仕事なのに、社会で認められない。育児で一度仕事を辞めると、稼げる昼間の仕事に再就職するのは難しい」
 茉優さんは「容姿や年齢が稼ぎに直結する今の仕事は、いつまでも続けられない」とつぶやく。少しでも生活の安定につながればと、政治には「養育費の取り立て制度」を望む。だが、選挙があっても投票の整理券は直接手元に届かない。夫に現住所を知られないよう遠隔地の実家に住民票を移したためだ。「生活が落ち着かなくて何かを考える余裕がない。大変な人ほど投票できないのでは。ネット投票とか、良い仕組みはないのかなと思います」
 茉優さんや同じような境遇の女性たちを応援してきたのが、夜の世界で働くシングルマザーを支える民間団体「ハピママメーカープロジェクト」(川口市)だ。二年前に設立され、食料の無償配布や法律相談などをしている。
 運営者の石川菜摘さんは「夜職の女性は、コロナ禍の前から厳しい状況に置かれてきた。困り事があって警察や医療機関、行政に相談しても『そんな仕事をしているからだ』と蔑視されがち。そもそも相談窓口にどうアクセスすればいいか分からないことも珍しくない」と指摘する。
 活動では、子連れでの交流会など孤立しがちな当事者同士のつながりをつくることも大きな目標にしている。「公的支援がちゃんと機能せず、夜職が事実上のセーフティーネットになってしまっている現実はある。でも、それは政治や社会の問題です」
 石川さんは四日、こんなツイートを発信した。
 「風俗は、仕事であって、社会福祉ではないです 生活困窮していたり、どうしようもなく切羽詰まってたり:そういう時に行き着く先は、風俗ではなく、社会福祉じゃなきゃだめです」(出田阿生)=おわり

1140チバQ:2022/07/07(木) 21:19:39
https://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/feature/CO058592/20220630-OYTAT50082/
【参院選2022 課題の現場】〈4〉ひとり親コロナ苦境…仕事、育児支え合う社会に
2022/07/01 05:00
 「ただいま」。6月上旬、花巻市の学生服リユースショップ「さくらや花巻店」に学校帰りの子どもたちの声が響いた。子どもたちは学生服や学生かばんが並んだ店内のレジ前にあるテーブルに座り、学校の宿題を広げると、黙々と勉強を進めていった。

期日前投票、前回比1.3倍…中間状況

 同店では今年4月から店主の多田真弓さん(41)が無料学習塾を開いており、毎週月曜夕方の閉店時間を過ぎると、店内は子どもたちの「教室」へと生まれ変わる。経済的な理由で塾に通えない小学4年生〜中学3年生が対象で、現在は母子世帯の子ども3人が通っている。漢字ドリルに挑戦していた小学5年生の女児(10)は「勉強は苦手だけど、ここだと集中して勉強ができる」と話していた。

 県が2018年に行った子どもの生活実態調査では、18歳未満の子を持つ母子世帯に「子どもの進学」について尋ねたところ、4割が「理想は大学まで進学させたい」と答えたが、現実的な回答を問うと、経済的な理由などで、その割合は約2割へと半減した。多田さんは「無料塾で少しでもひとり親の助けになりたいと思った」と話す。



 加えて、新型コロナウイルスの長期化で、ひとり親を取り巻く環境の厳しさは増している。母子世帯を支援する東京の認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」などが今年3月、全国のひとり親世帯約2400人を対象に行った調査では、働く人の平均月収は13・6万円。子どもの通う学校や預け先が休みとなって仕事に影響が出た人のうち、約6割が収入が減ったと回答した。また、米などの主食を買えない経験をした家庭は約5割、服や靴を買えない経験をした家庭は8割にも上った。

 こうした中、盛岡市ではコロナの影響で職を失うなどしたひとり親を市の臨時職員として採用する取り組みを始めた。対象は18歳以下の子を持つひとり親で、毎年20人程度、最長で6か月雇用し、働きながら次の就職先を見つけてもらうという。事業は20年度から始まり、昨年度は26人を採用。うち11人の再就職先が決まった。

 5月から働く女性(47)は、中学生の長男(14)と次男(13)の3人暮らし。再就職先を探そうと7社ほど申し込んだが、採用が決まらず、精神的に参っていた時に市の募集を知ったといい、「値上げで食費のやりくりが大変だが、働けることで心が軽くなった。市で働きながら長く働ける職場を探したい」と話した。



 仕事や収入の確保、育児の両立など、ひとり親世帯が抱える問題は様々だ。そうした悩みの受け皿の一つとして期待されているのが、NPO法人などが運営する「子ども食堂」だ。盛岡市の認定NPO法人「インクルいわて」の山屋理恵理事長は「何よりもひとり親を孤立させないことが重要。子ども食堂はそのための手段」と語る。同法人が行う子ども食堂では、参加するひとり親にアンケートを行い、抱えている問題や悩みについて聞き、スタッフが関係機関とつなげる取り組みを行っている。

 一方で、子ども食堂は困窮世帯支援というイメージが残り、参加しづらいという側面もある。そのため、同法人の子ども食堂では、フットサルやドミノ体験などのイベントを企画し、参加しやすいようにする工夫も行っている。山屋理事長は「ひとり親に必要な支援制度や公的な窓口の活用についての認知が進んでいない現状もある。子どもの貧困の問題解決には社会全体で考え、支え合う環境を作ることが必要だ」と指摘している。

1141チバQ:2022/07/07(木) 21:21:45
https://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/20220706-OYT1T50140/
[参院選22 声]49歳非正規 結婚は夢…氷河期世代
2022/07/06 15:00
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 福岡県北部で高齢の母親と2人暮らしの宮原孝博さん(49)は3月まで、県の非常勤職員として2年間、新型コロナウイルス関連のシステム入力などを担った。

 契約は半年ごとの更新で、手取りは月約13万円。7月中旬からは、別の職場で非常勤職員として働くが、それも今年10月まで。「とても結婚など考えられない。高齢になった時に面倒をみてくれる家族もいない」と将来への不安を抱えている。

福岡県の非常勤職員時代の給料明細に目を通す宮原さん(福岡県内で)=大森篤志撮影
 1993〜2004年頃に社会に出た「就職氷河期世代」。98年に国立大大学院を修了時、製薬会社や商社など30社に応募したが、全て不採用。その後、採用試験に合格し大分県職員になったが、心労が重なり、10年に退職した。


 それからは大学や法律事務所のアルバイトなどを転々とした。氷河期世代を対象とした公務員試験も受けたが、限られた枠に応募が殺到し、不合格だった。

 ハローワークの氷河期世代の支援窓口を通じて企業の面接に進むと、「40歳以上は難しい」との理由で断られることも少なくない。

 今回の選挙で、氷河期世代の支援を訴える候補者は少ないと感じており、「少子化問題にも関連する世代だけに、真剣に向き合ってほしい」と求めた。

 神奈川県鎌倉市の英語通訳、 河野かわの ゆ子さん(49)は、高校2年の長男と小学4年の長女の教育費に頭を悩ませる。

 学費のほかに部活動、塾、習い事とお金は次々に出ていく。家計の足しにしていた通訳の仕事はコロナ禍でなくなり、負担感は増した。参院選では各政党が、教育費の負担軽減、教育環境の充実をどう進めるつもりなのか気になっている。

 結婚後、家庭優先の生活を送っていたが、約1年半前、思い切ってSNSを始めた。日々の出来事や興味のある美容の話など「自分」を発信すると、同世代から「私も新しいことを始めたい」などと反応が相次いだ。

 振り返れば、自分たちの世代は仕事への門戸が狭く、社会で活躍できる環境も整っていなかったと思う。「意欲も能力も高いのにチャレンジできない40歳代はきっとたくさんいる。もっと活躍できる機会を作ってほしい」と話した。

1142チバQ:2022/07/08(金) 20:27:48
https://www.kochinews.co.jp/article/detail/573003
2022.06.22 08:35

【2022参院選 高知/徳島】ひとり親コロナで貧困化 食に苦労「消しゴムも買えず」 子ども食堂、生活支援―声よ届け
高知新聞社

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食料支援を行う子ども食堂。ひとり親家庭などの生活を支えている(高知市中万々)
食料支援を行う子ども食堂。ひとり親家庭などの生活を支えている(高知市中万々)

 新型コロナウイルス禍は、もともと社会で弱い立場にあった人たちの貧困を深刻化させた。県内のあるひとり親世帯もたちまち生活苦に陥り、途方に暮れた。参院選はきょう公示。セーフティーネット(安全網)は機能しているか。政治は寄り添えているか。

 高知市在住のA子さん(40代)は数年前に夫と離婚。パートの仕事を続けながら、小学生から20代まで4人の子どもと暮らす。

 介護業界で働くが、コロナ下の利用控えで仕事が一時期、激減。収入が10万円を切る月もあり、もともと苦しかった家計はさらに逼迫(ひっぱく)した。冷蔵庫の食べ物を巡りきょうだいげんかが起き、「子どもの消しゴムが割れても買ってあげられなかった」と言う。

 困り果てて昨秋、市の広報紙に載っていた相談窓口を訪ねた。ひとり親の自立支援を目的とした家賃貸付制度を利用できることになり、その償還免除要件として、新しいパート仕事の掛け持ちも始めた。

 午前4時に起きて朝食や弁当を作り、夕方まで一つ目の仕事へ。帰宅して子どもたちに晩ご飯を用意し、午後10時ごろまで別の職場で働く。家族分の洗濯や掃除、翌朝の準備をしてやっと就寝。「朝からフル回転です。睡眠時間は5時間あったらいい方」

 支援者の紹介で、昨年末から「こども食堂こうち実行委員会」が同市中万々で行っている食料支援も利用し始めた。県内の市場や企業などから寄付された野菜、果物、米、パンなどを週2回受け取りに行く。食費が約半分に減り、得意な料理の腕を生かしてたくさんのおかずが食卓に並ぶようになった。

 「これまで『ほかに食べ物ない?』って子どもに言われるのがつらかった。今はみんなが『あー、おなかいっぱい』って言ってくれる。最近うれしかったのが、上の子に5足398円の靴下を買ってあげられたこと。それぐらい生活が変わりました」

 ◆ 

 厚生労働省の国民生活基礎調査によると、ひとり親世帯の「貧困率」(中間的な所得の半分である127万円に満たない家庭で暮らす人の割合)は、2018年時点で48・1%。コロナ禍による雇用悪化は、とりわけ非正規雇用が多い女性労働者に打撃を与え、シングルマザーの生活苦にも拍車をかけた。

 県が昨年8月に行った調査では、母子世帯の約3割がコロナで世帯収入が減ったと回答。家計が苦しいと回答した母子世帯は72%に上っている。

 「こども食堂―」でも、この2年余りで支援依頼が増え、現在食料支援を行う52世帯のうち母子が28世帯を占める。配偶者がいてもDV、コロナによる失職、病気などさまざまな事情を抱える女性から相談があり、「子どもは国の宝。育てゆうお母さんたちがこんな状況に置かれていいが?」と代表の秦泉寺あやさん(68)は嘆く。

 活動を支えるボランティアたちもほとんどが女性。「いらっしゃい」「これも持っていきや」と食材を取りに来た母親たちに声を掛け、必要な場合は役場窓口や福祉事務所につないでいる。

 コロナの影響が長期化する中、国も困窮するひとり親世帯への給付金を設けてきたが、家計の穴埋めに使うと「一瞬でなくなった」とA子さん。長い議論の末に時々もらえる一時的な支援より、定期的な食料支援によって毎日の生活が回っている。食堂関係者も「(困窮世帯の)状況は全く良くなっていない。お母さんたちの言葉が政治に届いてほしい」と切実な思いをにじませる。

 A子さんは子どもたちに「いろんな人に助けられゆうがで。ニンジン1本も無駄にしたらいかん」と伝えている。「普通に学校(高校)にも行かせてあげたくて。今後は学費の貯金もできるように生活を成り立たせたい」。そう前を向く。(松田さやか)

1143チバQ:2022/07/14(木) 09:19:16
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1d1a3bb39a550faefa916087cdc70c0dad421e1
感染しただけで退職を迫られる…「コロナハラスメント」の深刻な実態 労働組合に相次ぐ相談、裁判になるケースも
7/14(木) 7:02配信


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47NEWS
電話相談に応じる連合の職員

 「マスクを着用しないと懲戒処分になると言われた」「感染したら、会社から退職届けが送りつけられてきた」。職場で新型コロナウイルスを理由にした嫌がらせやいじめを受けたという「コロナハラスメント」の相談が労働組合に相次いでいる。2年以上にわたるコロナ禍での感染恐怖と疑心暗鬼の心理状態が生み出したと言えるだろう。自分がハラスメントの被害者や加害者になってしまったらどう対処すればいいのか。再び感染者数が増加傾向にある今だからこそ、考えたい。(共同通信=助川尭史)

 ▽ワクチン未接種で懲戒解雇、感染隠蔽も

 全国の労働組合の中央組織、連合に寄せられる労働相談の件数はコロナ感染が広がった2020年に2万828件。コロナ禍前の19年(1万5260件)から大幅に増加した。昨年は1万7607件とやや減少したが、依然として高い水準で推移している。

 共同通信はこのうち、2020年9月〜今年4月までに連合が電話やメールで受け付けた「コロナハラスメント」の相談92件の提供を受け、内容を分析した。

(写真:47NEWS)

 すると、コロナが登場した20年の相談内容は「10畳の部屋に20人が集まって朝礼をする」(製造業・30代男性)「発熱外来に勤務しているが、防護服もマスクも不足している」(看護師・20代女性)など、対策そのものが不十分という声が目立った。
 感染者が急増した21年からは、過剰なコロナ対策への悲鳴や抗議の声が増えた。「毎日上司から私だけでなく、家族の体温や体調を聞かれる」(製造業・40代女性)「コロナ禍での旅行を計画していたのを知られ、叱責を受け『給料を下げる』と言われた」(建設業・30代男性)

 一方で、マスクやワクチン接種の強要を訴える相談も後を絶たない。「マスクを着用できないなら医師の診断書を提出するように言われた」(警備会社・50代女性)「接種を受けなかったことを理由に懲戒解雇とされた」(介護職・60代女性)など、従業員への強要と言える内容も目につく。

 感染力の強いオミクロン株が席巻しはじめた22年1月ごろからは、クラスター認定による休業を恐れる余り、感染を隠蔽しようとする使用者側の対応も散見されるようになった。福祉施設を中心に「発熱するなどのコロナの症状が30人以上出たのにPCR検査を実施してくれなかった」(福祉職・30代男性)という相談が寄せられている。

 連合の担当者は「行き過ぎた対応は新たなハラスメントになりかねない」と警鐘を鳴らす。ただ、一方では「マスク着用を徹底してほしいが『効果がない』と聞き入れられない」(製造業・50代男性)などと感染への不安から対策の強化を訴える声も根強くあるという。「コロナへの反応は労働者間でもそれぞれ。一律の対応はなかなか難しい」と話した。
 ▽「周りを感染させるかもしれないから辞めてほしい」

 コロナ感染を理由に不当な退職勧奨を受けたとして、裁判になったケースも起きた。

 「周りを感染させるかもしれないから辞めてほしいと急に言われて…。いきなりの言葉で胸が苦しくなって手が震えました」 

大阪市の男性(39)は、コロナ感染を理由に突然退職を切り出されて精神的苦痛を受けたとして、今年2月、勤務先だった就労支援施設「アルファセブン」(大阪市天王寺区)に330万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。 

勤務先だった就労施設を提訴した男性

 男性は5歳の時に患った中耳炎が原因で聴覚に障害があり、知人の紹介で2019年5月からこの施設で勤務。菓子の包装箱の組み立てを担当した。しかし、光を感じる視細胞が失われる網膜色素変性症が次第に進行し、わずかな明かりしか感じることができない視覚障害を負った。通勤する際は近くに住む同僚が介助していた。

1144チバQ:2022/07/14(木) 09:19:38
 昨年9月、コロナに感染し、発熱やせきなどの症状で約1カ月の療養を余儀なくされた。退院後、職場に行くと別室に連れて行かれ、施設の責任者に「他の職員や利用者に感染させる可能性が高い。付き添い出勤が必要なら他に行った方がいい」「通勤中、事故があっても労災を申請しないと念書を書いてほしい」と何度も迫られたと明かす。強硬な姿勢に男性は恐怖を感じ、退職の意思を告げると退職届けを代筆され、自己都合退職扱いとされたという。

 

 「そもそも同行してくれた同僚への手当は全く無かったし、休職中の給与は一切支払われなかった。コロナを理由にしたハラスメント以外のなにものでもない」。4月にあった初弁論では「障害者を支援するはずの施設が差別的な対応をしたことに恐怖と怒りを覚える」と訴えた。

 一方、施設側は反論。同僚との付き添い出勤を禁止したのは保健所の指導によるもので「ハラスメントにはあたらない」と主張した。退職も男性が自ら申し出たもので、強要はなかったとしている。
 ▽「あなたのため」がハラスメントに

 コロナハラスメントの被害は、決してひとごとではない。もしも巻き込まれてしまった場合、どう対応するべきだろうか。労働問題に詳しい西川大史弁護士(大阪弁護士会)にハラスメントの背景や対処法を聞いた。

 ―コロナハラスメントが起きてしまう背景には何があるのでしょうか

 新型コロナウイルスが世界的に流行して3年目になります。未知の領域が多々ある中、多くの人が正確な情報をつかめておらず、科学的知見に基づかずに従業員のプライベートにまで介入するような過剰な対応につながってしまいます。賃金が未払いだったり、勤務シフトが削られたりしてもコロナを理由にすれば許されてしまう風潮も、過剰な対応を助長させている原因だと思います。

コロナハラスメントへの対処について語る西川大史弁護士

 ―通常のハラスメントと比べて対応が難しい部分はあるのでしょうか

 

 パワハラやセクハラは裁判例の積み重ねや、厚労省の指針もあって何が問題になるかはっきりしていますが、コロナハラスメントに関して指針になるようなものは現状ありません。部下や同僚のためを思って取った対策が結果的にハラスメントになってしまうこともあり、悪意による他のハラスメントより、ある意味たちが悪い部分もあります。

 ―政府が水際対策の緩和やマスク着用基準の見直しを打ち出す中で、今後どのようなことが問題になりそうでしょうか。

 厚生労働省の発表では、コロナの影響で解雇や雇い止めにあった人は約13万人で、そのうち約6万人が非正規雇用で働く労働者です。不安定な雇用条件で働く障害者や非正規労働者はコロナハラスメントの標的になりやすく、コロナを隠れみのに不当な圧力を労働者にかける行為は今後も表面化する可能性があります。

 マスクについても懸念があります。「ノーマスクは不安」と言う声がまだまだ根強く、基準の見直しが進んでもなお着用を強要するハラスメントは残っていくでしょう。

 ―もし自分がコロナハラスメントの当事者になってしまったらどう対応するべきでしょうか

 今年の4月からハラスメント規制法が中小企業にも拡大され、企業はハラスメントの相談窓口を設置することが義務づけられました。被害を受けたら、まずはそういうところに相談した上で、取り合ってもらえない場合は労働組合や弁護士に相談することが重要です。また、自分が気づかないうちに加害者になってしまうこともあるかもしれません。どのような行為がハラスメントになるのか日頃から職場で話し合うことが大切です。

1145チバQ:2022/07/28(木) 10:28:35
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb23e46310de10f73e8d543f69c8abeb90d6fce8
「脱落」したら這い上がれない 銃撃事件と氷河期世代に固定した“悲惨な状況”〈AERA〉
7/28(木) 8:00配信
山上徹也容疑者は「『最悪の時代』に社会に出た」と格差研究の識者は指摘する。凶行は決して許されるものでも正当化されるものでもない。日本を震撼させた事件の社会背景にあるものは何か。AERA 2022年8月1日号の記事から。

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「7月中には所持金がなくなってしまうので、その時には死のうと思った。死ぬ前にやろうと思っていたことをやるしかないと思い、安倍元総理を襲撃する決心がついた」

 山上徹也容疑者(41)は、奈良市内で7月8日、参議院選挙の応援演説中の安倍晋三元首相を銃殺した。当初は「政治テロ」が疑われ、凶行に対し「民主主義への挑戦だ」という声もあがった。しかし、その後の供述などから、母親の新興宗教への献金による家庭の経済的困窮が背景にあり、最終的に犯行の背中を押したのも貧困だった可能性が徐々にわかってきている。

「山上容疑者は、日本の資本主義社会における労働者階級のさらに下、『アンダークラス』という階層に入っていると見ていいと思います」

 こう話すのは、格差研究が専門の早稲田大学人間科学学術院・橋本健二教授だ。橋本教授が定義する「アンダークラス」とは、生きていくための最低限の賃金すら得られない非正規雇用労働者(パート主婦を除く)を指す。たとえば、フリーターや元フリーターを含め非正規雇用のまま年を重ねた人や、シングルマザー、年金を十分に受け取れず非正規雇用で働く高齢者などだ。1990年頃から増えてきたという。

「バブル期の雇用拡大で正規労働者とあわせて非正規労働者も増え始め、バブルが崩壊すると就職できない若者たちが非正規雇用に一斉に流入しました。98年、金融危機でその流れが一気に加速したんです」

■就職状況は最悪だった

 80年生まれの山上容疑者は99年に高校を卒業。大学には進学せず同年、公務員を目指すための専門学校へ。専門学校中退後は、2002年に海上自衛隊に任期付きで入隊したとされる。つまり、99年から01年頃にかけてが、社会に出るために職を探していた時期と考えられる。

「最悪の時代に社会に出た、と言えます。93年から07年頃までがいわゆる『就職氷河期世代』。中でも金融危機後の、99年から04年までに学校を出た世代の就職状況は最悪でした。大卒の就職率はバブル期には90%台、崩壊後も70%台を保っていましたが、98年を境に60%台前半まで急降下。高卒に至っては40%台前半まで落ち込みました。平均年収も他の世代と比べて極めて低く、厳しい世代です」。

 山上容疑者は、高校の卒業アルバムの「将来の自分」欄にひとこと、「わからん。」と書いた。卒業したのは県内有数の進学校だ。大学を目指さなかった理由は定かではないが、高卒時点で就職をしようにも、「厳しかっただろう」と橋本教授は言う。

「進学校なので就職実績がないんです。高卒で就職した先輩がいる会社もなければ、就職指導のノウハウもない。もし、容疑者が高校を出てすぐ就職をしたかったとしたら、進学校卒であることがマイナスに働いた可能性もある」

■悲惨な状況が固定する

 山上容疑者は海上自衛隊をやめてからも、アルバイトや派遣社員など複数の非正規職として働き続けた。たまたま「最悪の時代」に社会に出て非正規雇用になると、「這い上がれない」悲愴(ひそう)と鬱屈(うっくつ)。そんな苦境が事件に影響を与えなかったか。

「大いにあると思います。近年起きている凄惨(せいさん)な事件の犯人には、山上容疑者に近い世代が多いんです。秋葉原通り魔事件を起こした元派遣社員の彼(82年生まれ)しかり、京都アニメーション放火事件の彼(78年生まれ)もしかり。事件の背景に、この世代に特に顕著である『這い上がれない悲惨さ』があるのは間違いないと感じます」

 もっとも、長期雇用の慣行が比較的最近まで強かった日本では、最初についた職業がその後のキャリアを大きく決定づけてしまう傾向は以前からあった。

「しかし、バブル前の頃までは、正規労働者として働く機会はそれなりに開かれていました。たとえば零細企業の正社員だったとして、最低限生活できる賃金は得られた。けれども、非正規労働者にはそれさえかなえられない。非常に悲惨な状況のまま、階層が固定してしまっていることが問題です」

 さらに、山上容疑者の場合、母親の新興宗教への献金による貧困や、自らの自殺未遂、兄の自殺など、苦境が続いている。

「経済的な悲惨さを抱えた人が膨大な数いる。そこに何か偶発的な、個人的な要因が重なれば、当然、不満が暴発し、今回のような事件につながってもおかしくないと思います」

(編集部・小長光哲郎)

※AERA 2022年8月1日号より抜粋

1146チバQ:2022/08/15(月) 20:55:08
https://news.yahoo.co.jp/articles/03c506ad70879dc60f4d7867523f2c16a447d0c7
「毎日、地獄の苦しみ」 物価高騰 生活保護受給者、悲痛な叫び
8/15(月) 16:57配信


毎日新聞
生活保護を利用する女性(72)。支援団体の食料配布に並び、桃やパンなどを受け取った=東京都新宿区で2022年8月6日午後2時52分、黒川晋史撮影

 ウクライナ情勢を背景にしたエネルギー、食料などの価格高騰で、生活保護を利用する人々の暮らしが脅かされている。保護費は従来と変わらないのに、光熱費や生活必需品の高騰で家計が圧迫されるためだ。憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」が危ぶまれる事態に、利用者からは「どうやって生きていけばいいのか」と助けを求める声が上がる。


 8月6日午後、東京・新宿。じめじめした曇り空の下、都庁前の高架下に500人を超える行列ができ、支援団体がパンや米、果物などの袋詰めの食料を配っていた。新型コロナウイルスの感染拡大以降、毎週見られる光景だ。その中に、新宿区に住む女性(72)の姿もあった。

 女性は福岡出身で、静岡の機械工場で雇い止めに遭い、約10年前に仕事を求めて上京した。次第に持病の影響で体力が低下して働けなくなり、今は生活保護を受けてアパートに1人で住む。月の保護費から区役所や病院との連絡に使う携帯電話代や家賃を除くと、残る生活費は6万5000円ほどという。

 上昇する光熱費。なるべく部屋にいる時間を減らそうと、生活保護世帯に支給される無料乗車券で都営バスに乗り、暑さをしのぐこともある。コロナの感染状況を考えれば長時間の外出は避けたい。自宅にいればエアコンを使わざるを得ない。「今月の電気代はいくらか、請求書が来るのが恐ろしい」。財布を開くと1000円札が4枚と、小銭が少し。女性は「これでどうやって生きていけばいいの? 毎日、地獄のような苦しみだよ」と、涙声で訴えた。

 都庁前の支援現場では、高齢者以外の姿も目立つ。杉並区で1人暮らしをする男性(46)は心身の不調からタクシー運転手の仕事を辞め、生活保護を利用している。最近は閉店間際のスーパーで半額の弁当を買うことが増えた。「もともと保護費だけで暮らすのは厳しいのに、物価が上がったら暮らしていけない」。涼しいコンビニや図書館で過ごし、家では「暑くて頭がくらくらっとしてから」ようやく、エアコンをつけるという。

 精神障害があり、生活保護を利用する荒川区の女性(60)は電気代もガス代も払えていないという。「頂いたお金(保護費)で、なんとかやりくりしないといけないと思っています。でも、もう少しケアしてもらえないかな……と願っています」。そう話し、うつむいた。

 ◇「物価上昇だけを見て判断できない」

 2021年度の生活保護申請件数は22万9878件(速報値)となり、2年連続で増えた。一方、6月の全国消費者物価指数によると、総合指数(生鮮食品を除く)は前年同月から2・2%上昇。電気代は前年同月比18・0%増、都市ガス代も同21・9%増とエネルギーの価格高騰が目立つ。

 物価高騰は生活保護利用者の暮らしを直撃しているが、行政の対応は鈍い。政府が4月に示した物価高騰に対する「総合緊急対策」では、保護費の水準の引き上げや緊急の現金給付といった、生活保護に特化した支援策は盛り込まれなかった。厚生労働省の担当者は「保護費の基準となる最低生活費を計算するには、消費行動の分析も必要。物価上昇の面だけを見て引き上げの判断はできない」と説明する。

 緊急対策では、地方自治体がコロナ対策の「地方創生臨時交付金」を活用して「生活困窮者の必要な支援を行う」ことも可能としているが、独自支援の動きは乏しい。新宿区生活福祉課は取材に「生活保護は国の制度であり公平性が第一。自治体が独自に上積みをするのは難しい」。杉並区の福祉事務所担当者は、生活保護利用者が一律10万円の特別定額給付金に加えて、住民税非課税世帯を対象とした2度目の10万円給付も受けることができるとして「支援がなかったわけではない。追加で何かをする予定はない」と話す。

 生活困窮者支援に取り組む認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」は7月20日、保護基準の引き上げや追加の給付措置などを求める要望書を厚労省に提出した。「生活保護世帯の支出増が深刻化して、電気代の節約で冷房をつけず、熱中症のリスクにさらされる生活保護利用者が多く生まれてしまう懸念がある」と訴えている。【黒川晋史】

1147チバQ:2022/08/17(水) 08:33:39
https://news.yahoo.co.jp/articles/80cc04b50457e9e84b8887bd56c8db4f02670984
40代で手取り16万円…脱落し置いていかれた「氷河期世代」の悲惨な現在
8/17(水) 5:01配信
昨今、ロストジェネレーションとも呼ばれた「就職氷河期世代」に注目が集まっています。当の本人たちのなかには、「時代が悪かった」と運の悪さを強調する人も。実際に「就職氷河期」はどれほど悲惨なものだったのでしょうか。みていきましょう。

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氷河期世代…「非正社員が多い」は本当か?
ーー本当に運が悪い

そう揶揄されることも、自らが言うことも多い、就職氷河期世代。2000年代に入り、メディアは「ロストジェネレーション(失われた世代)」という言葉で表現するようになりました。

そもそも氷河期世代は、1993年〜2004年に学校卒業期を迎えた人たち。高卒であれば、1975年から1986年に生まれ、2022年時点で36〜47歳。大卒(ストレートで大学に入り、4年で卒業した場合)であれば、1971年から1982年に生まれ、2022年時点で40〜51歳です。

どれほど運が悪いかといえば、有効求人倍率は大きく下落、特に2000年は大卒の求人倍率が1.0倍を下回りました。大学卒業者であっても、職がないという状況だったのです。仕方なく、「一時的な仕事」、つまりパートやアルバイトに就き、特に2000年〜2003年にかけてはその数は2万人を超えたのです。

就職できた人もすべてが安泰だったわけではありません。希望しない仕事でも就職できないよりはましだといって入社を決める人も多かったのです。しかし、希望しない仕事を続けることは難しく、途中で退職を決める人も。そこで雇用環境が好転していればいいですが、新たに職を就くこともできず、そのまま引きこもりになってしまうケースも。

昨今、社会問題化している「中高年の引きこもり」ですが、内閣府の調査では引きこもり状態になったきっかけとして、最も多く挙がったのが「退職したこと」。さらに「人間関係がうまくいかなかったこと」「職場になじめなかったこと」「就職活動がうまくいかなかったこと」も理由に挙げられています。

ただ就職氷河期世代のすべての人が、同じ道をたどったわけではないことは、会社内で活躍する40代〜50代前半がいることからも明らか。また氷河期世代は非正規雇用が多いというイメージがありますが、総務省の『労働力調査』によると、20代から年齢が上昇するごとに非正規雇用は減っていき、50代から高齢になるに従って再び増えるという傾向があります。むしろ、氷河期世代は正社員のほうが多いわけです。また大卒内定率にしても、たしかに就職氷河期だけがひと際低いわけではなく、いずれの年も90%は超えています。

大学でも正社員になれず、非正規社員になるしかない……というのはあくまでも一部の人たち。少々、言葉によるイメージが先行している感は否めません。

1148チバQ:2022/08/17(水) 09:51:00
問題は氷河期からこぼれおち、置き去りにされた人たち
少々、行き過ぎたイメージのある氷河期世代ですが、就職活動が厳しかったことは確かであり、不本意な就職をした人が多かったのも事実。ただ与えられた環境で、キャリアアップを目指し、いま活躍している人も多い世代、それが氷河期世代だといっていいでしょう。

ただそれは氷河期世代の光の部分といっていいでしょう。この世代に限らず、必ず影の部分はあるもの。それがいまなお、非正規社員に甘んじている人たちです。

厚生労働省『労働経済動向調査』によると、常用労働者の過不足判断D.I(人手が足りない企業から、人手が足りている企業を引いた値)は、1998年ごろからマイナスに転じ、人手余りの状態に。2004年以降はプラスに転じ、雇用環境は好転していきます。

この時点で、「雇用環境が良くなった、よし正社員を目指そう」と行動できたら良かったのかもしれません。しかし正社員を目指した人すべてが願いを叶えられたわけではありませんし、また非正規社員でもタイミング的に転職が難しいというケースもあったでしょう。

さまざまな事情から機会を逃すとどうなるでしょうか。たとえば30代になれば、それなりのキャリアが求められるようになります。なかにはマネジメント経験必須というケースもあるでしょう。そのようななか、30代にして正社員の経験のない、非正規社員は大きなハンデを抱えることになります。「就職しにくい」という問題が年を重ねるごとに深刻化していくのです。2019年に内閣府が発表した『就職氷河期世代支援プログラム関連参考資料』によると、非正規社員371万人のうち50万人が、正社員を希望しながらも非正規社員として働いているとされています。

40代前半、非正規社員の月収は中央値で21万円、手取りで16万円ほど*。40代になっても大卒新卒者と変わらない程度の給与という、悲惨な状況にいます。

*厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出

終身雇用制に年功序列……日本型の雇用形態が当たり前だった時代は、始まりがすべてでした。しかしいまは、その気になればいつでもチャンスが掴める時代とされ、転職でキャリアアップも当たり前といわれています。しかしそのようなチャンスさえ掴むことができないのが、就職氷河期からこぼれおち、そのまま置き去りにされた人たちなのです。

いまこのような人たちを救おうと、内閣府による「就職氷河期世代支援プログラム」や、厚生労働省による「就職氷河期世代活躍支援プラン」など、さまざまな支援制度が設けられています。ただ40〜50代、限られた人たちの就職支援が、どれほど社会に好影響を及ぼすのか疑問の声は大きく、彼らよりもより若年層への支援に予算をかけるべき、という声が大きくなっています。

課題山積の日本で、やはり氷河期世代は置き去りにされるしかないようです。

1149とはずがたり:2022/08/28(日) 20:29:02
「ふたりの人生は、何がちがったの?」。格差社会にメッセージを投げた漫画
A.Ikeda
2017/02/12
A.Ikeda (ライター)
https://tabi-labo.com/280195/on-a-plate

1150チバQ:2022/09/05(月) 07:21:14
https://news.yahoo.co.jp/articles/e3695ab7d4512f95bea9dc2a4e961fd2f0bda799
「三重苦の夏休み」シングルマザーのSOS、悲鳴の現場を訪ねた
9/4(日) 10:00配信
朝日新聞デジタル
スマートフォンで「ポケモンGO」をする生活保護世帯の高校生の男の子=2022年8月24日、栃木県内、細川卓撮影

 困窮する子育て世帯にとって、この夏休みは三重苦だった――。ひとり親家庭の支援をするNPOは、こう訴える。国も支援策を進めているが、必要とする世帯に必ずしも届いていない。NPOの活動に同行し、さまざまな「三重苦」の現場を見た。

 8月下旬の夕方。NPO法人「ぱんだのしっぽ」(宇都宮市)の小川達也代表は、栃木県内のひとり親家庭に米、レトルト食品や生理用品などを配って回った。小学1年生と2歳の子どもを育てる女性(38)は4月に離婚したばかりで、初めて利用した。「冷凍食品で何とか学童のお弁当をやりくりしたけど、苦しかった。お菓子もあるのがうれしい」と喜んだ。

 別のシングルマザーの女性(54)は、小学5年生と高校3年生の2人の息子を育てる。元夫からの養育費に加え、旅館の清掃員としてほぼ休日なく午前9時から午後2時まで働き、月給は6、7万円。比較的安価な品ぞろえが魅力のスーパーが頼みの綱だが、約20キロ離れている。自家用車は車検代が払えていないため動かせず、電車で通う。

 夏休み中、子どもたちは「昼に起きていても行くところがないから」と夜通しスマートフォンでゲームをしていた。朝5時に寝て、夕方に起きるという昼夜逆転の生活。食事は1日1食だった。「規則正しい生活を送らせたいけど、いっぱいいっぱいです」とため息をついた。

 「ぱんだのしっぽ」には夏休み直後から新規相談が急増し、1カ月で普段の倍近い40件ほどになった。小川代表は「例年、給食がなくなる夏休みは困窮する世帯にとって生活が苦しくなる時期。今年はそこに第7波と物価高が重なり、三重苦になった」と振り返る。食料品だけでなく光熱費やガソリン代の高騰も家計を圧迫した。

 新型コロナウイルスの影響で休園や休校になれば、ひとり親家庭は仕事に行けなくなり、給料は大きく減少する。母親と子ども3人全員が新型コロナに感染し、「仕事に行けず、食費に回すお金がない」とLINEで相談が寄せられたこともあったという。

 8月上旬、小川さんはボランティアらと約70世帯に米やレトルト食品など約2週間分の食料を配布した。しかし、その後も「家を追い出される」「食べるものがない」など深刻な状況を訴える相談が寄せられた。

朝日新聞社

1151チバQ:2022/10/24(月) 19:41:23
https://news.yahoo.co.jp/articles/d727cddf682574439dc006f90ec3bb7cbb6d6df1
まさか自分が生活保護に…コロナ禍で月収7000円、疲弊し抑うつ状態に 35歳会社員が見つけた「人間らしい生活」
10/24(月) 8:00配信

まいどなニュース
「同僚に迷惑がかかると思うと、なかなか転職に踏み切れませんでした」そう言うMさんの肩は震えていました

新型コロナの影響が長期化し経済が低迷する中、生活保護に頼らざるを得ない人が増えています。共同通信などの報道によると、2021年度の申請件数は22万9878件(速報値)と前年度から0.8%(1776件)増加。コロナ感染が拡大した2020年度に続いて2年連続で増えているといいます。リーマンショック後の2009年度以来、生活保護の申請件数は減少傾向だっといいますが、コロナ禍の影響で増加傾向を示しているといいます。

【写真】実際の給与明細…固定給5万円から様々な控除を引かれ、振り込まれた額は?

2022年7月分の最新データによると、生活保護受給世帯数は164万2399世帯。申請件数は前年同月より1135件増えて2万2016件で、1万8489世帯が生活保護を受給し始めたといいます。

働き盛りでもひとたび体調を崩すと…
兵庫県で暮らすMさん(35)も体調を崩し、今年1月から生活保護の受給を開始した一人。単身者向けマンションで一人暮らしをしています。両親や兄弟は遠くに住んでいないものの、頼れる環境ではありません。特に兄弟は育ち盛りの子どもたちがおり、お金を出してほしいと言える状態ではなかったのです。

止む無く行政に相談し、生活保護を受給する運びとなりました。当時を振り返りMさんはこう言います。

「まさか自分が生活保護をもらうことになるとは、考えてもみませんでした。自分とはまったく関係のない世界だと思っていたんです」

働き盛りといえる35歳のMさんの身に、何が起こったのでしょうか。

月給7000円…もう起き上がれない
Mさんが勤めているのは人材派遣会社。リゾートホテルや工場へ人材を派遣しています。しかし、コロナ禍によりリゾートホテルへの派遣が激減。リゾートホテル部門の担当者だったMさんの収入は、月約7000円までに落ち込みます。

給料はもらえないにも関わらず途切れず舞い込む仕事に、Mさんはどんどん疲弊していきます。時に深夜まで続くミーティングでは、経営者や上司からの叱責ばかりで具体的な改善案など出されません。ようやくミーティングが終わったかと思いきや、今度は日付が変わってから届く経営者からのLINEに悩まされることになります。

そんな生活がコロナ禍から始まり2年弱。2021年12月上旬、Mさんは起き上がれなくなってしまったのです。「もう仕事も何もどうでも良い。自分の頭で考えるのも嫌だ」。このようなことを朝日が差し込む部屋の中で考えました。

そんな時、思い出したのが友人の一人の存在です。すがるような気持ちでLINEを送ったところ、すぐ返事が届きました。そこに書いてあったのは、「もう仕事に行かなくていい」。許された気分になりました。


「水際対策」を心配しながら申請へ
その後、精神科を受診し「抑うつ状態」の診断が下ります。診断書を会社に提出し、1カ月の休職をすることになりました。しかし状態は悪化の一途をたどります。医師からは休職期間を延長した方が良いと告げられ、新たな診断書を書いてくれました。

しかし働かないと、お金は得られません。貯金は底をつき、換金できそうなスポーツバイクや一眼レフカメラなどは全て手放し、ついに生活保護を受けることになったのです。

緊張をしながら市役所の窓口へ行き、現状を話します。生活保護を申請しようとする困窮者を窓口で追い返すような“水際対策”があることを噂に聞いていて、とても心配していたそうですが、相談員は真摯に耳を傾けてくれました。この相談員の姿にMさんが痛感したことがあります。

「自分が弱者になった」

強くありたいと思っていたのに、誰にも迷惑をかけずにいたいと思っていたのに…。

申請は受理され、2週間後には保護費が振り込まれました。ホッとしました。もういつ振り込まれるか分からない給料に、生活を振り回されることはありません。借金をして仕事をする、まるでギャンブルのような生活と縁が切れた瞬間です。

1152チバQ:2022/10/24(月) 19:41:39
人間らしい生活
この時を振り返りMさんはこう言います。

「誰にも優しくされず、経営者や上司に責め立てられている状態が普通だと思っていたんです。責められている間は、自分は”普通”だと。でも間違いでした」

現在、Mさんの「普通」は、誰にも邪魔をされず空を見上げられること。仕事を離れ、ようやく空や自然が綺麗だと思い出すことができるようになりました。もう一つ、思い出したことがあります。それは当たり前だと感じていた友人の存在です。

「ボロボロになった時、気付いてくれた友人には感謝しかありません。あと、生活保護を受給することになっても、親しい友人は誰一人として離れていかなかったんです。そのことにも感謝しています」

生活保護費は約11万円。家賃や光熱費など固定費を支払うと、食費や雑費として手元に残るのは約3万円です。友人たちと以前と同じように遊ぶことはできませんが、公園の散歩や釣りなどお金がかからない方法で交流を続けているそうです。一緒にいるのだから、一緒に楽しめるものをと。

会社員を続けながら生活保護
実はMさん、会社を退職していません。休職中に未払い賃金の請求をしたところ、懲戒解雇を言い渡され、現在係争中です。いずれ会社に戻るつもりで療養をしていたため、経営者のこの仕打ちには納得がいっていません。

ですが、懲戒解雇を受けた4月29日から景色が変わりました。重荷が取れ、視界がクリアになったのです。それもこれも、生活保護というサポートがあるから。会社員という肩書が奪われても、生きていて良い。胸を張っても良い。

「いずれ私は社会復帰します。その時は私が、誰かのサポートができるようになりたいですね。私がたくさんの人に支えてもらいましたから」

そう言うMさんの表情は晴れやかでした。

(まいどなニュース特約・ふじかわ 陽子)

まいどなニュース

1153チバQ:2022/12/12(月) 09:07:52
https://news.yahoo.co.jp/articles/54439c6cb86b65888975e0ee763594800222a9c4
入居6回断られ…シングルマザーが直面する「住まいの貧困」とは
12/11(日) 8:00配信
毎日新聞
賃貸物件の入居を6回断られたというシングルマザーの女性=神戸市で2022年10月31日午後4時半、中田敦子撮影

 家を借りたくても貸してもらえない――。家賃不払いの懸念や保証人がいないなどの理由で、住まいの確保に苦労する女性たちがいる。


 シングルマザーや頼れる人のいない若者、困窮する留学生……。そんな女性たちを支援しようと、低家賃の共同住宅(シェアハウス)を整備する計画が神戸市で始まった。NPO法人が発案し、生活協同組合が空き部屋を提供する異例の取り組みは「住まいの貧困」を救うヒントになるか。

 「やっぱり貸せない」。神戸市の女性(43)は2年前、アパートの賃貸契約を交わす直前で、大家から入居を断られた。女性はパート従業員で、小学生から高校生までの3人の子どもを育てていた。家を探していたのは、元夫のドメスティックバイオレンス(DV)から逃れるためだが、断られるのは6回目だった。

 元夫は定職に就かず、家事や育児は女性任せ。子どもが泣くと、壁をたたいたり暴言を吐いたりした。女性は知人から支援団体を紹介され、別居を決意した。

 20カ所以上の物件にあたり、ようやく家賃5万2000円のアパートに移り住むことができた。母子4人には狭いが、我慢するしかなかった。「金銭的な不安もある中、心と体を守れる安全な場所にたどり着くための負担が大き過ぎる」と女性は振り返る。

 ◇劣悪な住環境、行政「もっと働けば」

 兵庫県の自営業の女性(44)も数年前、元夫と別居するため長男を連れて家を出た。ホテルや民宿を転々とした後、家賃6万円のワンルームを借りた。保証人は不要だったが、築30年で床や水回りが汚れ、壁も薄い。幼い長男の泣き声が漏れないか神経を使った。

 当時の貯金は約100万円。食費は1日1000円に切り詰めたが、日々残高が減る不安でいっぱいだった。行政の相談窓口も頼ったが「もっと働けばいい」「(家を出たのは)ご自身の選択なので」と突き放され、孤立を深めたという。

 厚生労働省の国民生活基礎調査(2019年)によると、貧困層の割合を示す相対的貧困率はひとり親世帯で48・1%に上り、全世帯(15・4%)の3倍超。家賃不払いへの懸念などから、シングルマザーが入居を拒否されるなどの事例は後を絶たない。

 神戸市の認定NPO法人「女性と子ども支援センター ウィメンズネット・こうべ」は1992年の設立以降、こうした女性らを支援。19年には住宅セーフティーネット法に基づき、所得が少ない▽保証人を確保できない――などの理由で住居確保が困難な人を支援する「居住支援法人」の指定を県から受け、200件以上の相談に応じてきた。

 中には夫のDVや親の虐待から逃れて一時保護された後、落ち着き先を探している人もいるが、低家賃の物件は住環境が悪かったり、防犯対策が甘かったりして、安心して暮らせない場合もあるという。

 ◇住みたいと思える場所を

 「ここにしか住めないのではなく、ここに住みたいと思える住まいを作りたい」。代表理事の正井礼子さん(73)が新たなシェアハウスの整備を構想していたところ、神戸市東灘区に拠点を置く生活協同組合「コープこうべ」が21年、元女子寮の提供を申し出たことで計画が具体化した。

 対象をシングルマザーだけでなく、住居の確保に苦しむ若者や日本で留学中の女性にも広げ、留学生支援に取り組む公益財団法人「神戸学生青年センター」が趣旨に賛同して計画に加わった。朴淳用(パクスンヨン)館長(54)は「安い学生寮は1年間しか住めない場合が多く、部屋数も少ない。新型コロナウイルス禍で困窮する留学生も増え、安心して勉強できる生活の場を提供したい」と話す。

 シェアハウスは鉄筋コンクリート4階建て。98年から使われていない2階以上の空き部屋を改修する。風呂やトイレ、台所付きで広さ25〜57平方メートルの35戸と、単身用5戸の計40戸分を予定。家賃は神戸市の補助を見込み、3万〜5万円に抑えたい考えだ。

 入居に期限はなく、支援員が常駐して生活相談に対応する。2階には共同の台所や子ども用スペース、カフェなどの交流場所も設け、23年6月着工、24年4月オープンを目指す。

1154チバQ:2022/12/12(月) 09:08:04
 ◇増える空き家活用、カギは生活支援

 総務省の住宅・土地統計調査(18年)によると、全国の空き家は約849万戸、空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)は13・6%で過去最高となった。このうち賃貸用の住宅は約433万戸に上る。

 母子世帯の住環境に詳しい葛西(くずにし)リサ・追手門学院大准教授によると、不動産業者が空き家を活用するなどして、シングルマザー向けのシェアハウスは00年代後半から増えてきた。

 ただ、その総数は少なく、入居者の生活支援は不十分なことが多い。

 児童福祉法に基づく母子世帯向けの支援施設もあるが、入所は行政が判断し、施設によって住める期間や生活に一定の制限がある。葛西准教授は今回のシェアハウスについて「複数の事業主体が協力しあうことで、重層的な支援が期待できる。珍しい取り組みで意義は大きい」と評価する。

 NPO法人代表の正井さんは「民間の休眠施設を活用し、女性と子どもに安心な住まいを提供するモデルにしたい」と願う。

 改修工事費約2億円のうち、1億2000万円は国土交通省の補助金で賄う。残りは11月から、クラウドファンディングサイト「グッドモーニング」(https://camp-fire.jp/projects/view/633209)で3000万円を目標に寄付を募っている。

 問い合わせはウィメンズネット・こうべ(078・734・1308)へ。【中田敦子、稲田佳代】

1155チバQ:2022/12/20(火) 11:13:42
https://news.yahoo.co.jp/articles/2d64b2f91e03fa47c24f1ed1d592c454575c3ccd
ホテルの宴会場バイトで見た「スラム街」、エコでもSDGsでもない現実
12/17(土) 9:17配信
 「あれ、こんなところでおじさんが働いてる……」

 近年、非正規労働の現場でしばしば「おじさん」を見かける。しかも、いわゆるホワイトカラーの会社員が、派遣やアルバイトをしているケースが目につくのだ。45歳定年制、ジョブ型雇用、そしてコロナ──。中高年男性を取り巻く雇用状況が厳しさを増す中、副業を始めるおじさんたちの、たくましくもどこか悲壮感の漂う姿をリポートする。

 (若月 澪子:フリーライター)

■ おじさんに優しい副業バイトとは? 

 地球に優しく、かつ経済成長も可能な環境対策はあんまりなさそう。同じように、おじさんに優しく、かつ稼げる副業も世の中にそんなにないようだ。

 「これはおじさんに優しい副業かも……」と思って話を聞いてみても、実際は「グリーンウォッシュ」(内容が伴わない、うわべだけの環境対策)ならぬ、「おじさんウォッシュ(? )」だと思うことも多い。

 そんな折、「夜や土日の求人が多いホテルの宴会場設営は、時給が高く、中高年男性が比較的多い」というウワサを聞き、「すわ、おじさんに優しい副業か?」とバイトに入ってみることにした。

 コロナ禍といえども、年末は都内のどこのホテルも活況。宴会場は忘年会や結婚式、シンポジウムや会議の予約で埋まり、日ごろの人手不足がさらに加速する。

 「1日80名のスタッフを集めようとしても、半分も集まらない日もある」

 ホテルなどの飲食関係に人材を送り込む、とある派遣会社のスタッフが嘆いていた。

 筆者も都内にある高級ホテルの「宴会準備スタッフ/時給1500円/17〜22時」というバイトに申込んでみたところ、「明日来られるなら、来てください!」と即オンライン面接、即採用となった。

■ 外国人とおじさんは裏方担当

 当日、指定されたホテルの裏口から入ると、バイト専用の衣裳部屋に案内され、黒ズボン、ベスト、白シャツに着替えさせられた。

 集まったバイトの面々は、大学生らしき日本人の男女数名、若いアジア系の男女数名。このホテルで働く外国籍の人は、モンゴル人、ネパール人、ウズベキスタン人が多いという。

 そして、50代前後と見られる中高年男性が数名いる。すでにホテルの制服に着替えているので、どういう素性のおじさんかはわからない。

 ホテルの担当者が、筆者にこそっと話しかけてきた。

 「今日はウラの仕事だけど、今月空いている日があれば接客をやらない?  接客は日本人女性を優先するから。日本人が足りない時は、外国人の、日本語レベルが高い女性をオモテに出すことになるんだけど……」

 「私のような中年女でも、まだ高級ホテルのオモテの仕事で使ってもらえるのか……」と、一人ニヤける筆者。どんなに人手不足でも、日本人のバイトのおじさんが、オモテの仕事に回されることはないのだろう。

 最初の仕事は、深紅の絨毯にシャンデリアがきらめく大規模宴会場の片付け。何のパーティーかは不明だが、つい先ほどまで「宴もたけなわ」だった様子。

 人だけがいない会場には、真っ白なテーブルクロスに、食べ残しの皿と飲みかけのグラス、ビール瓶やワインボトルが放置されている。8人掛けの円卓がおよそ30卓はあるだろうか。

 特別な指示はなく、周りのバイトが動き始めたので、見よう見まねで食器を片付ける。残飯をカート付きの大きな容器に入れ、酒のボトルの飲み残しをバケツに流し込む。

 手つかずの料理がいくつもある。「野菜の皮までキンピラにする、エコロジー派の主婦(自称)」からすると、そんな日々の努力をあざ笑うかのような残飯の山には唖然とする。

 「このまま持って帰って冷凍すれば、少なくとも1カ月は我が家の夕食が賄えるな」などと貧乏くさいことを考えながら、料理を捨てまくる。

■ ホテル宴会場ウラのスラム街

 すべての皿や残飯が片付いたのは1時間後くらいだろうか。その後は、テーブルクロスをはぎ取り、机と椅子をバックヤードに運ぶ作業が始まった。おじさんがメインの仕事だ。

 「女性は力仕事をしない」と聞いていたが、この日は人手不足で、そこは容赦なし。自分の身長ほどもある丸テーブルを畳み、転がしながら宴会場の裏側へ移す作業を命じられる。

 テーブルを転がすと言っても、かなり重量があり、バランスが取りづらい。向こう側に倒れそうになりながら、自分の方に倒れてこないように転がすと、相当な圧が肩にきた。

 「とにかく怪我だけはしないで!」

 ホテルの社員から何度も釘を刺される。おじさんや若い外国人男性が積極的に動いてくれたが、この仕事は65歳を過ぎたら無理だと思う。肉体に限界が来た時、ここでのおじさんの商品価値は外国籍の青年以下になるだろう。

1156チバQ:2022/12/20(火) 11:14:04
 机を転がしながら宴会場のバックヤードにたどり着くと、そこにはどこの国のスラム街かと思うような光景が広がっていた。

 食器用のワゴンには、麻婆豆腐、ソースのかかったムースなどがべっとり皿にこびりついたまま。洗濯物のカートには、使用済みのおしぼりやテーブルクロスが山積みになっている。それらが狭い通路にいくつも放置され、残飯とアルコールの混ざった不快なニオイが充満していた。

 通路にはキッチン担当の外国籍の人の母国語が飛び交い、その脇を日雇いバイトのおじさんが額に汗を浮かべ、椅子やテーブルを運ぶ。

 「危ない、危ない!  そこ、通るからどいて!」

 ヘルメットにスタジャン姿のスタッフ、電気工事の作業服の一団、音響装置や大道具が次々と横切っていった。大規模宴会場で次のイベントのセッティングが始まったらしい。今度はとあるIT企業の展示会場に変身するという。

 華やかで広々とした宴会場のウラにある、狭く薄暗いスラム街。そんなパラレルワールドで、2年前から週末に副業バイトをしているという、会社員のUさん(52)に話を聞くことができた。


■ 宴会場で働く中高年の本音

 「本業でもシンポジウムや会議でホテルの宴会場に来ることがあって、ウラ側がどうなっているのか見てみたいと思っていました。たまたまアルバイトサイトで見つけて、月に数回働いています」

 聞けば、Uさんは誰もが知る有名企業のエンジニア。工場などで使用される自動システムを作っているという。年収もそこそこあるようだし、なぜ副業をしているのか。

 「30年同じ会社で働いてきましたけれど、50歳を過ぎて定年後のことを考えた時、今まで培ったスキルが外では通用しないのではと思うようになりました。退職したら、いっそ全く違う仕事をしてもいいのではないかと、副業を試しているところです」

 長年勤めてきた会社に最適化され、外で戦える武器が何もないと不安を感じている中高年は多い。Uさんは、ほかに「家庭教師のトライ」にも登録し、中学生に数学を教える副業ができないかと考えているが、そちらからはまだ依頼がないそうだ。

 Uさんにホテルの宴会場の仕事が、キツくないのか聞いてみた。

 「この年ですから、土日にバイトすると、水曜日くらいに疲れがきます。でも、机や椅子を運ぶ作業は、運動になっていい。スポーツクラブに行くより、お金ももらえるし。それより100枚以上のナプキンを折り畳む作業をやらされるのが一番イヤ。単純作業がつらい」

 宴会場設営は椅子やテーブルの移動が一段落つくと、ナプキンを畳んだり、ナイフやフォーク、グラスを磨いたりする仕事をすることがある。

 Uさんはこうした単純作業を通して、自分の本業について考えさせられたという。

 「会社では、単純作業を人の代わりに機械がやるシステムを作っている。世の中の仕事を単純化させている自分が、実は未来の自分の仕事を奪っているのかもしれない。皮肉だなと思って……」

■ 「持続可能」なおじさんを目指して

 休憩時間に、日雇いバイトにホテルからまかない弁当が出た。ウズベキスタン人の青年が、「豚肉ガハイッテナイ弁当、アリマスカ?」と尋ねてくる。イスラム教徒の彼は、豚肉が食べられないようだ。

 あいにく、用意された弁当は「味噌カツ」や「豚の生姜焼き」ばかり。ウズベキスタン青年は弁当を諦め、持参したリンゴをかじって飢えをしのいでいた。

 休憩後に、大規模宴会場をのぞいてみると、IT企業の展示会の設営がかなり仕上がっている。こういう会社は羽振りがよさそうだ。

 木材で作られたウッドデッキ調のステージを中心に、森の風景の映像がスクリーンに流れ、今流行のSDGsでエコロジーな雰囲気だ。SDGsのマークも、あちこちにプリントされている。

 このIT企業が使用した小宴会場で、弁当の山を片付けるように命じられた。手つかずの弁当20箱ほどは、このまま廃棄されるのだろう。弁当にありつけない人がいる一方で、弁当を捨てている現実。全くSDGsではないが大丈夫か。

 「ウラ側ってどこもこんな感じなんでしょうね。食べ残しの山を見ると驚きます」

 Uさんも乾いた笑いを浮かべていた。肉体労働も接客もできず、単純作業もAIに代わっていったら、いつかおじさんも捨てられてしまうのか。いやいや、経験豊富で忍耐強い日本のおじさんを捨てるのは「もったいない」。

 SDGsは2030年までに「世界の飢餓や貧困をなくす」「気候変動の緊急対策を講じる」など、壮大なゴールを目指しているようだ。ついでに「持続可能なおじさんの開発目標」も掲げてみてはどうだろう。本家より先に達成できるような気がするのだが。

若月 澪子

1157チバQ:2022/12/20(火) 18:07:25
https://news.yahoo.co.jp/articles/835d703781934fb33d9638ec4c74c741b61fdc22
【速報】渋谷区 VS 路上生活者 “10年以上一方的な要求”渋谷区が公園で強制代執行
12/20(火) 9:25配信
東京・渋谷駅近くで予定されている再開発に向け、渋谷区は路上生活者に退去を求めていた公園で行政代執行に踏み切りました。

渋谷駅近くの「美竹公園」では渋谷区の職員などおよそ100人が集まって行政代執行に踏み切り、公園に残されていた荷物を撤去しました。

渋谷区などは来年度から「美竹公園」のエリアに複合施設を着工する予定で、公園にテントを設置し生活している路上生活者に退去を求めていました。渋谷区は今年10月に公園の封鎖を始め、今月14日にも仮囲いの設置工事を行いましたが、支援団体などが強く反発していました。

支援団体は、「区が用意する生活施設の利用期間は原則3か月で路上生活に戻ることを憂慮した当事者が利用を躊躇している」などとコメント。渋谷区は「10年以上にわたり話し合いを継続してきたが一方的な要求を繰り返され、歩み寄っていただけなかった」などと説明し、主張は真っ向から対立しています。

1158チバQ:2022/12/21(水) 21:24:15
https://www.tokyo-np.co.jp/article/220169
小学生の「体験格差」が深刻 「年収300万円未満」の3人に1人が放課後「何もしていない」 支援団体調査
2022年12月16日 06時00分
 年収300万円未満の低所得世帯の小学生のうち3人に1人がこの1年、習い事や旅行などの体験活動を何もしていないことが、子ども支援団体が15日に公表した調査で分かった。団体は「『体験の貧困』は将来の職業選択、所得にも影響を及ぼす」として国に対策を求める。(榎本哲也)
 調査したのは公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC、東京都墨田区)。生活困窮家庭の子どもに学びや体験の機会を保障する活動をしている。
 調査は10月、小学生の子どもがいる全国の保護者2097人にインターネットで実施。スポーツや音楽など定期的な習い事、旅行や動物園など単発での体験の有無を聞いた。「体験格差」に焦点を当てた調査は例がないという。今回は中間報告で、最終報告を来年4月以降にまとめる。
 1年間、子どもが体験活動を「何もしていない」と答えた保護者は、①年収300万円未満の世帯が29.9%、②300万〜600万円未満の世帯が20.2%、③600万円以上の世帯が11.3%。3倍近い「体験格差」があった。

 体験させられなかった理由を複数回答で聞くと、①は「経済的余裕がない」の56.3%が最多。②③は「送迎、付き添いなどの時間的余裕がない」が48.1%、47.0%で最多だった。
 物価高騰が子どもの体験機会に影響したか、との質問に「機会が減った」「今後減る可能性がある」と答えた保護者は①50.6%②47.2%③34.7%—と大きな差があった。
 保護者自身が小学校時代に習い事などをしていたかを聞いたところ、「何もしていなかった」が①39.8%②31.1%③23.2%。経済状況が厳しい保護者ほど、自身も幼少期の体験機会が少なかった。
 CFC代表理事の今井悠介さん(36)は「国の対策では、学校外での体験活動は後回しにされがちだが、個性や強みの発見、自信や意欲の育み、学力の土台となる。『体験の貧困』は格差の固定化につながり社会経済的損失も大きい」と指摘。国に公費の投入、無償や安価で参加できる体験の場づくりなどの施策を求めるという。
◆「申し訳なく思う」「ひとり親は…」 保護者の自由記述から
 経済的に無理で、子供が「無理だよね」と、何も言わなくなった。申し訳なく思う。(愛媛県・小4・40代女性)
 ピアノや絵画教室に行かせたい。コストがかかり、行かせてあげられない。(東京都・小4・40代女性)
 野球チームに入らせてあげたいが、ひとり親で経済的に道具やユニホームが用意できなかった。(神奈川県・小4・50代女性)
 離婚し、幼稚園の頃から習っていたピアノをやめた。やりたがっていたギターも金銭的に厳しい。(愛知県・小6・40代女性)
 子供の将来の夢は保育士だったが、ピアノを習わせられなかった。きょうだいはスイミングに通っていたが、転居と転職で経済的に悪化し、小学生の子供は通わせられなかった。(山口県・小4・40代女性)
 スポーツ系は保護者の当番が必要だが、仕事でできない。ひとり親は金銭、時間的に何もさせられない。(鳥取県・小4・40代女性)
 海やプール、釣り、キャンプ、スキーなど経験させてあげられなかった。家庭状況、経済面などが理由。(兵庫県・小5・30代女性)
 ダンスを習いたいと言っていたが、経済的に厳しかった。(大阪府・小4・30代女性)

1159OS5(旧チバQ):2023/01/01(日) 21:21:55
https://news.yahoo.co.jp/articles/2f17da4694c6877039762da7ea962494abf0aefb
大みそかの食料配布に644人 支援団体「物価高騰で拍車」
1/1(日) 9:15配信
朝日新聞デジタル
生活困窮者らに配る食料を袋詰めする人たち=2022年12月31日午後、東京都新宿区、井手さゆり撮影

 コロナ禍と物価高が続く中、認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(東京都)が31日、新宿区の都庁前で、仕事や住まいを失うなどして生活に困る人たちに食料品を無料配布した。大みそかのこの日は、もやいの配布としては前月下旬と同じく過去最多の644人が並んだ。

 もやいは新型コロナの感染が拡大し始めた2020年4月から、毎週土曜に都庁前で食料品を配布。31日はスタッフたちが果物や米、ビスケットなどが入った袋を手渡していった。理事長の大西連さん(35)は「コロナ禍で支援を必要とする人は増えていたが、10月以降は物価高騰で拍車がかかっている」と語る。

朝日新聞社

1160名無しさん:2023/01/10(火) 09:29:55
https://news.yahoo.co.jp/articles/2dae87a0b95bf3ee2eb921cd6fcbc9b474321dbc
年収400万円の生活実態とは? 安いスーパーでも節約、子どもが食べたいものすら買えない現実
1/10(火) 6:48配信
 平均年収443万円――これでは普通に生活できない国になってしまった。なぜ日本社会はこうなってしまったのか? 
 話題の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』では、〈昼食は必ず500円以内、スタバのフラペチーノを我慢、月1万5000円のお小遣いでやりくり、スマホの機種変で月5000円節約、ウーバーイーツの副業収入で成城石井に行ける、ラーメンが贅沢、サイゼリヤは神、子どもの教育費がとにかく心配……〉といった切実な声を紹介している。

【写真】マクドナルドもスタバも買えない日本人の衝撃…

「物価が上がるが給料は上がらない」国の生活
 マクドナルド値上げが大きなニュースとなっている。

 「物価が上がるが給料は上がらない」国で、平均年収前後で暮らす人々は何を感じているのだろうか。

 話題書『年収443万円』では、「『私は下のほうで生きている』コンビニは行かず、クーラーもつけない生活」というタイトルで、東京で年収348万円(世帯年収1000万円)で暮らす方のエピソードを掲載している。

 卵やチョコについて感じることとは――。

 〈例えば、トマトを買おうと思って、安いスーパーの「オーケー」に行くじゃないですか。卵は10個入りが198円だと買います。200円を切らないと買えない。なんか、これって不自由な気がするんです〉(『年収443万円』より)

 〈板チョコ1枚が350円かぁ。しかも、税抜き。あー、ダメ、ダメ。買えないです、買えないです。つい先日、買い物途中でお菓子を眺めていたら、ちょっと身震いしてしまいました。意外と、欲しいものって買えないんだなって。(……)フェアトレードで有名な「ピープルツリー」のチョコなんです。だから、板チョコが1枚350円もするんです。税込みだと388円かと思うと、買えないなぁ〉(『年収443万円』より)

マクドナルドも買えない……
写真:現代ビジネス

 『年収443万円』では、「子どもに知的障害、借金地獄……マクドナルドにも行けない窮状」と題し、世帯年収400万円の介護ヘルパーの方のエピソードも紹介している。

 〈「マクドナルド」でハンバーガーが食べたいと言われても、ダメ、ごめん、給料日前だから行けない、って。だって、マックも高いじゃないですか。

 セットを頼んだら800円くらいもするんですよ。平日のランチタイムで600円ほど。「ハッピーセット」じゃ量が足りないし、買えないですよ。家族で3000円も4000円もかかるから、「dポイント」を使って買うしかないです。

 そうした子どもの「行きたい」「食べたい」という願いを叶えてあげられる収入があったらなぁ。〉(『年収443万円』より)

 平均的な収入を得ていても、日常の些細なところで節約などが迫られる現実。

 「物価が上がるが給料は上がらない」国は、本当に変わることはできるのだろうか。

現代新書編集部

1161OS5:2023/01/20(金) 23:16:27
https://news.yahoo.co.jp/articles/a407c1bc50a6618eedb0993a2fb0535f81a6bd8b
年収450万→220万になった36歳男性。家庭なんて築けず…「政治に殺される」
1/20(金) 8:55配信
 多くの企業が業績悪化に苦しむなか、日本の「中流」と呼ばれた人たちの年収は未曽有のペースで減り続けている。さらにウクライナ問題や円安による物価高も重なり、生活を圧迫された人も少なくない。

 いまや全国民に襲いかかる年収100万円減の現実。多くの“沈みゆく中流”が直面する生活破綻のリアルを当事者たちの声とともに追った!

「#自民党に殺される」
●峰田 太さん(仮名・36歳)職種/清掃員アルバイト
230万円減(450万円→220万円)

 中流家庭が苦しむなか、昨年11月にツイッター上で、あるハッシュタグが日本のトレンド1位に躍り出た。

「#自民党に殺される」

 中間層の生活が苦しくても具体策を打たず、むしろ増税・社会保障費増によって国民の首を絞めようとする自民党政権を非難するものだ。

大げさでなく、僕らは政治に殺されてしまう
「僕らの悲鳴が少しでも届けばと思って、僕も『#自民党に殺される』のハッシュタグを引用してツイートしました。日本の雇用状況は悪くなる一方。賃金も全然上がらない。物価高の対策もしてくれない。

 そのうえ、国民健康保険の増額、道路利用税の新設、消費増税の検討……大げさでなく、僕らは政治に殺されてしまいます」

 そう語るのは峰田太さん(仮名・36歳)。昨年6月に5年勤めた外食チェーンを「業績不振」を理由にリストラされ、現在は清掃員アルバイトとして生計を立てる身だ。年収は450万円から220万円に半減したが、増税や物価上昇は収入の多寡にかかわらず家計にのしかかる。

「今の状況で家庭を持つのは無理」
「付き合って4年になる彼女との結婚を考えていましたが、この惨状では家庭なんて築けない。今は電気代がバカ高くなっているので暖房は一切つけず、家でもダウンを着て生活。

 会社員時代は刺し身が好物でしたが、倍近く値上がりしていてもう食べられない。年金だってこれから払える見込みは低い……。社会に出て一生懸命働いてきたつもりですが、“普通の生活”を維持するってこんなに難しいことだったんですね」

 平均年収を稼ぐ中流から、令和の日本では“下流”へと沈んでいく。

6000人アンケート結果
 峰田さんのようにコロナ禍や歴史的円安の影響まで重なり、年収が100万円単位で減少するケースも増加している。今回、全国の男女30〜64歳6000人にアンケートを実施したが「最近、家計が苦しくなった」と回答した人は75.1%と実に4分の3もの人が家計の逼迫を感じているという結果が出た。

Q1.最近、家計が苦しくなった

はい……75.1%
いいえ……24.9%

Q2.家計が苦しくなった原因(複数回答可)

物価の上昇……90.51%
自身の収入減少・横ばい……69.1%
パートナーの収入減少・横ばい……59.1%
税負担・社会保障費増……33.63%
教育費・介護費増……14.8%
失業……4.96%

できる対策は…
Q3.講じている対策(複数回答可)

家計の節約……73.88%
何もできていない……17.48%
副業……10.81%
借金……10.07%
本業をより頑張る……8.02%
ローンの見直し……3.31%

※全国の男女30〜64歳6000人にアンケート。調査期間:2022年11月11日〜20日

取材・文/週刊SPA!編集部

―[[年収100万円減]社会の衝撃]―

日刊SPA!

1162OS5:2023/01/22(日) 19:54:41
https://news.yahoo.co.jp/articles/26dc7c37b4eec09ccbc4d2697a721704784bb399
「若者に風呂なし物件が人気」報道への違和感 女子学生は「『レトロブーム』で若者の貧困を片付けないで」
1/22(日) 15:15配信
最近、若者たちの間で「あえて風呂なし物件を選ぶ」というライフスタイルが人気化していると複数のメディアが報じ、注目を集めている。報道によると、レトロブームやミニマルライフなどがトレンドとなっていることを背景に、最小限のモノを中心とした“持たない生活”を送る若者が増えているのだという。家に風呂がなくとも近所の銭湯を利用したり、またジムなどの施設にあるシャワーを活用したりすれば困らない、という内容も紹介された。

【写真】「風呂なし物件」のセキュリティに不安を抱く人も

 こうした報道に対して、「若者の貧困」という社会問題を趣味嗜好の問題に転嫁し、経済的な課題を不可視化しているという批判も出ている。実際に一人暮らしをしている学生たちの間でも違和感は大きいという。

 北陸出身で、上京して都内の私立大学に通っている男子学生・Aさん(20歳)はこう語る。

「このニュースを見て最初に感じたのは、『いや、純粋に銭湯利用したら高くない?』ということです。仮に週5回利用したら、銭湯代だけで月に1万円かかりますよね。しかも銭湯のドライヤーって有料だし、飲み物とか買ったら1回500円以上の出費になりますよ。夏場は汗もかくし毎日利用したいけれど、銭湯にも定休日があるので、そうなると少し遠い銭湯まで足を伸ばさなければならない。

 大学生になると多少はオシャレにも気を使い始めるわけで、女子たちに『臭い』と思われたくないですし……。記事の中に『ジムのシャワーを利用』とありますが、そもそもジムの月額料金は高いですよ。それを払える人は、普通に考えて風呂なし物件を選びませんよね。記事の内容にはかなり違和感を覚えました」(Aさん)

「ミニマリストはお金持ちじゃないと無理」
 東北から大学進学のために上京し、都内のアパートに住んでいる女子学生・Bさん(19歳)は、風呂なし物件は不安が多いという。

「正直、『私はあり得ない!』と思いました。男子ならまだお風呂がないような古いアパートに住めるかもしれないけれど、セキュリティの問題もあるし、女子学生が満足に暮らせるとは思いません。私はいま奨学金を借りていて、飲食とアパレルのアルバイトを2つ掛け持ちして、どうにか家賃7万円のところに暮らしています。大学の課題も多くてかなりキツいので、遊ぶ暇もほぼないです。日々の疲れを取るという面でもお風呂がない物件はありえない。『レトロブーム』なんて言葉で、若者の貧困問題を片付けないでほしいと思います」(Bさん)

 大阪市内で一人暮らしをしている男子学生・Cさん(22歳)は、大学進学を機に九州から出てきた一人だ。

「コロナ禍も重なりアルバイトができない時期もあって、実家に頼み込んで月5万円の仕送りを10万円に増やしてもらって、どうにか暮らせた経験があります。実際に、周りの友人との会話でも『風呂なしが良い』なんて聞いたことないですよ(笑)。それなら風呂あり物件を借りて、友人とシェアハウスするほうがよっぽど現実的。

 そもそもレトロブームにハマったり、ミニマリストを自称したりする人って、むしろオシャレで趣味とかにお金を使えるイメージがある。大金持ちのイーロン・マスクだって、ミニマリスト宣言をしてるくらいですからね。インスタを見ても、そういうインフルエンサーってたくさんいますが、貧しい学生が再現できる暮らしではありません。だから若者の趣味嗜好と『風呂なし』を結びつけるのは、ちょっと違うのかなって思います」(Cさん)

「あえて風呂なし物件を選ぶ」という若者のライフスタイルを強調する報道に対して、実際に一人暮らしをしている若者たちからの反発は少なくない様子。「あえて」ではなく「仕方なく」風呂なし物件を選ばざるを得ない若者たちの経済状況も直視すべきではないだろうか。(了)

1163OS5:2023/01/25(水) 11:53:27
https://news.yahoo.co.jp/articles/24991ff48a2cda3429920476c4bc9d52211314e3
人生、狂わされた…月収26万円「氷河期世代の40代非正規」もう用済みで賃上げも対象外「またハブかれた」と怒り
1/25(水) 11:16配信
幻冬舎ゴールドオンライン
(※写真はイメージです/PIXTA)

異次元の少子化、賃上げ……よく耳にする2つのワード。どのような着地を迎えるが注目ですが、どちらの議論でも対象外なのが、40〜50代の氷河期世代。彼らの嘆きに耳を傾けてみましょう。


仕方なく非正規の氷河期世代…同年代の正社員とは200万円以上の年収差
――異次元の少子化対策

良し悪しは別として、すでに今年の流行語になりそうなフレーズ。まだ検討段階ではありますが、徐々に議論の中身が見えてくるに従い、「これで本当に異次元と言えるのか」という批判が高まっています。どのような内容に落ち着くかは別として、多かれ少なかれ、子育て世代には何かしらのメリットがあるのではないか、と期待が寄せられています。ただ浮かない顔の人たちも。

――またハブかれた

そう肩を落とすのは、40〜50代、いわゆる「氷河期世代」と呼ばれる人たち。就職氷河期は、バブル崩壊後の1993年から2005年の学卒者を指す場合が多く、留年や浪人等がなければ、高卒で今年38歳から49歳、大卒で今年41歳から53歳になります。

就職氷河期は「超買い手市場」。有効求人倍率は1.0を下回り、「大学を卒業したけれど職なし……」というケースも。希望業種・職種での就職を叶わず、フリーターや派遣などの非正規雇用で社会人をスタートした人も多くいました。

2000年代も中ごろになると雇用環境も改善。しかし既卒で非正社員の転職は不利で、希望してもなかなか正社員になれない……そうこうしているうちに、40代、50代に達してしまった、という人も大勢います。昨今、望まずに非正規のままでいる氷河期世代に対して、就労支援が行われるようになりましたが、キャリアに劣る人たちを採用する企業は少数派。うまくいっているとは言い難い状況で、時すでに遅し、という声があがっています。

氷河期世代内の格差も大きく、たとえば同じ大卒男性の平均給与を比べてみれば、正社員・40代後半で月39.1万円、年収で642.8万円。一方、非正規は月26.5万円、年収で365.5万円。1ヵ月に12.6万円、1年で277.3万円もの給与差が存在しています。



【非正規と正社員の給与差】

20〜24歳:21.3万円・282.6万円/ 21.8万円・340.1万円

25〜29歳:24.6万円・357.0万円/ 25.7万円・428.5万円

30〜34歳:24.9万円・358.6万円/ 29.6万円・498.8万円

35〜39歳:25.9万円・359.9万円/ 33.3万円・560.3万円

40〜44歳:26.1万円・364.1万円/ 36.5万円・606.0万円

45〜49歳:26.5万円・365.5万円/ 39.1万円・642.8万円

50〜54歳:34.3万円・463.4万円/ 42.3万円・692.7万円

55〜59歳:30.7万円・418.8万円/ 42.9万円・694.9万円

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より

※数値は大卒・男性・従業員10以上。左より非正規の所定内月給与額・年収/正社員の所定内給与額・年収

1164OS5:2023/01/25(水) 11:53:40

いつも蚊帳の外だった…ハブかれる氷河期世代、再び
就職難で人生が大きく狂った氷河期世代。そして、いま検討されている少子化対策は、結婚適齢期とされる人たちが中心ですから、氷河期世代である40〜50代はほぼ対象外。自身が結婚適齢期だったときは収入が低く、結婚など考えられず、いまや「生涯未婚」の一人としてカウントされる、そんな人たち。「いまさら少子化対策といわれても」「もっと前に真剣に議論してくれたら」というような思いがこみあげてくるに違いありません。

さらに少子化対策とセットで語られる「賃上げ」。ここでも氷河期世代の40〜50代は蚊帳の外となっています。

今回の賃上げのムーブメント、止まらない物価高への対応から、首相自らがインフレ率を上回る賃上げを要請し、大企業を中心にそれに応える動きが活発化しています。ただその多くが、初任給や若手社員のベースアップが中心。若くて有能な人材を高い賃金で囲い込むという意図がみえますが、先が限られている中堅社員ははっきりいって「用済み」。そんな思惑が見え隠れしています。

そこに少子化の議論が加わり「若年層の給与水準を上げることが、少子化対策になる!」と後押し。賃上げの中心は新卒者〜結婚適齢期となり、40代〜50代の氷河期世代は後回しにされるという構図が鮮明になってきています。

この世代をないがしろにしたツケで少子化は加速した……その反省から、今回の議論がなされているという側面がありますが、再び、氷河期世代を後回しにすることの弊害はないのでしょうか。

非正規の氷河期世代が賃上げの対象外となれば、さらに生活は困窮。浮上が難しくなることは確実です。さらに親となった氷河期世代、その子どもは、中学〜高校、そして大学生くらいですが、親の賃金があがらなければ、進学という面で影響が出る可能性があるでしょう。コロナ禍、親の収入が減少し、そのあおりで生活苦に陥る学生が問題視されました。なかには経済的な困窮から退学という選択をするケースも珍しくなく、「親の収入が減少→人生設計が狂う」という若者が増加したのです。同じようなことが、また繰り返されようとしています。

「親の収入が心許ないなら奨学金があるじゃない」という意見も。しかしこれは「卒業と同時に借金地獄」とイコール。結局、経済的な理由で結婚に踏み切れない若者を生むだけです。

今回もまた、蚊帳の外になりそうな氷河期世代。負の連鎖はその子どもにも及ぶと警鐘を鳴らす専門家も。少子化対策も賃上げも、多視点で検討・議論を進めてもらいたいものです。

1165OS5:2023/04/04(火) 22:27:25
https://mainichi.jp/articles/20230403/k00/00m/020/153000c
異次元の10年

働けど…急増する非正規の過酷な現実 大規模緩和の功罪、検証なく
杉山雄飛 辻本知大
経済

速報

雇用・就職・働き方
毎日新聞 2023/4/4 07:00(最終更新 4/4 16:18) 有料記事 2905文字
政府・日銀は、「異次元」と称された大規模な金融緩和、そしてアベノミクスによって日本の雇用環境は大きく改善したとアピールする。就業者数や有効求人倍率など政府統計の結果からは、確かに雇用環境は持ち直しているように見える。実態はどうなのか。現場から見えてきたのは数字の裏に隠された過酷な現実だった。
「昼食は毎日、パンだけ」
 冬の寒さが残る2月中旬、東京・門前仲町にある深川公園を訪ねた。遊具で遊ぶ子供たちの元気な声が響く中、6人の高齢者が黙々とホウキでゴミを集めていた。

 声をかけると、全員がアルバイトだという。朝8時から昼過ぎまで働き、月収は10万円程度。深川公園のゴミ拾いを終えると、すぐに別の公園に移動する。多い日には1日に5カ所以上を回り、空き缶や落ち葉など90リットルサイズのゴミ袋10個分以上を集める。

 屋外での肉体労働は、高齢者にはきつい仕事に見える。しかし、長年この仕事を続けているという男性(77)は「やめるわけにいかないよ」と力なく笑った。「年金だけでは食べていけないからね。80代になっても仕事をしないと」

 男性は長年、材木店で働いてきたが、10年ほど前に材木店の経営が悪化し仕事を失った。60代半ばで見つけたのが公園掃除のアルバイトだ。以来、雪の日も、猛暑の日も黙々とゴミを拾い続けてきた。

 男性が公園掃…

1166OS5:2023/04/07(金) 19:17:55
https://news.yahoo.co.jp/articles/8bd66423e43fd8fc75a5eb368253afee4ed52bb4
<産む、産まない、産めない>母子世帯の困窮 平均年収は一般世帯の半分以下 その背景は?
4/7(金) 10:00配信


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毎日新聞
経済的に余裕がない母子家庭は多い(イメージ=ゲッティ)

 母子世帯の平均年収は、子育て世帯全体の2分の1以下――。

 殴られても、束縛されても、「我慢するしかないと思った」。九州地方で暮らすタカコさん(仮名、52歳)は、子育て中の女性が離婚し、経済的に自立するまでの厳しい道のりを語った。

 厚生労働省の「2021年国民生活基礎調査」によると、全世帯の平均所得は564・3万円で、このうち、18歳未満の子供がいる世帯を対象にすると同、813・5万円だった。

 一方で、「21年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要」によると、ひとり親世帯のうち、母子世帯の平均年収は373万円(児童扶養手当などを含む)。

 ほぼ同じ方法で算出している国民生活基礎調査で示す子供がいる世帯の平均所得と比べ、2分の1以下になる計算だ。母親だけの就労収入の平均は236万円で、中央値は200万円になる。

 父子世帯は606万円で、父親だけの就労収入は496万円、中央値は400万円だった。

 その背景を読み解くと、そもそも女性は非正規雇用の割合が多い。

 22年版男女共同参画白書によると、非正規労働者の女性は1413万人で、働く女性(2634万人)の半数以上を占めている。

 さらに、女性は20代後半をピークに正規雇用の比率が下がる傾向にある。正規雇用の仕事がなく、不本意ながら非正規雇用で働く「不本意非正規雇用労働者」の女性は約109万人。

 この109万人を母数に、年代別に見ると、最も多いのが40代後半〜50代前半の女性で約31万人。タカコさんのように子供が大きくなり子育てが一段落する世代とも重なる。

 男女共同参画白書によると、日本のひとり親世帯の貧困率は、経済協力開発機構(OECD)加盟36カ国中35位だった。【菅野蘭】

1167OS5:2023/04/14(金) 22:05:20
https://www.sankei.com/article/20230402-4CLJ2TZUJ5IWNEIBWPBS245SSA/?outputType=theme_localelection2023
データで読み解く統一地方選
増加する相対的貧困世帯、スマホあっても遠い「普通」
2023/4/2 19:59
木ノ下 めぐみ
中間的な所得の半分に当たる127万円に満たない世帯の割合を算出した「相対的貧困率」という概念がある。最新の調査(平成30年)では、日本の子供(17歳以下)の13・5%が該当した。割合にして「約7人に1人」。

一般世帯の所得と比較し、あくまでも相対的に貧しいというカテゴリーだ。毎日の衣食住が苦しく、生存が危ぶまれる絶対的貧困とは異なる。しかし、だからこそ支援は届きにくい。習い事や塾に通えない、希望する進路を諦めざるを得ない…。相対的貧困は子供の将来を閉ざす恐れもある。


「物価の高騰で子供の好物もめったに出してあげられない。給料日前などの食材提供はとても助かる」。大阪府南部で子供3人と暮らすシングルマザー(37)は米や缶詰などの食材を受け取り、ほっとした表情を浮かべた。

これはNPO法人「キリンこども応援団」(同府泉佐野市)による支援活動の一つ。法人側は世帯年収などの制限を設けておらず、毎回利用者が殺到している。

時代とともに日本のような先進国における「貧困」の概念は変わりつつあり、法人の水取博隆代表(40)は「スマートフォンやテレビがあるから貧困じゃない、とは一律に言いづらい時代になった」。貧困世帯とのレッテル貼りを嫌がったり、制度への知識不足が影響したりし、支援につながらない人がどうしても出てくるという。


貯蓄に回せない
貧しさは子供のチャンスを奪う。前述の母親は手取り15万円に届かないパート収入で3人の子供を育てるが、「日々の暮らしは何とかなっても貯蓄にまでは回せない」。長男(10)はサッカーを習いたがっていたが、諦めた。

日本財団は28年、生活保護世帯や児童養護施設などで育ち、貧困状態にあると思われる子供の都道府県別推計を公表。最も貧困状態の子供の数が多かったのは大阪府で、1万7015人に上ると推計された。大阪市が塾代助成事業に取り組むなど対策を講じるが、支援が十分とはいいがたいのが実情だ。


子供の貧困率は、15年の13・7%から上昇を続け、24年には過去最悪の16・3%に。その後やや改善したものの、経済協力開発機構(OECD)の平均12・8%(2017年)を上回る高い水準で推移している。

負のサイクルに
日本の子供はなぜ貧困に苦しむのか。さまざまな要因が指摘されるが、今回はひとり親世帯の数に注目したい。

厚生労働省によると、ひとり親家庭、とりわけ母子世帯数はこの30年間で1・4倍に増加している。データが映し出すのは、母子世帯が抱える苦境だ。厚労省の令和3年度全国ひとり親世帯等調査では8割超のシングルマザーが働いているにもかかわらず、正社員の割合は48・8%だった。平均年収は272万円にとどまり、父子世帯の518万円を大きく下回っていた。学童や保育所に空きがないなど育児支援の乏しさから、安定した職に就けない女性も少なくない。



貧困の放置は国をむしばむ。日本財団は平成27年、子供の貧困を放置した場合と、対策を講じて改善した場合の2つのシナリオを検証。それによると対策を怠った場合、生涯所得は改善シナリオと比べて約2・9兆円少なく、逆に社会保障費の増額などで国の負担が約1・1兆円増えると推計した。貧困による「負のサイクル」を断ち切ることは、日本の将来を考える上での急務といえる。

ベビーシッターや家事サービスを提供する「マザーネット」の上田理恵子社長(61)は、多数の母親の相談に乗ってきた経験から「子育てを1人で抱え込み孤立する母親が増えている」と指摘する。東京都の一部自治体で実施されているベビーシッター利用の支援事業を例に「就労の有無や家族形態にかかわらず、第三者の子育て支援を無理なく受けられる社会にならないと女性が働き続けることは難しい」と訴える。(木ノ下めぐみ)

1168OS5:2023/07/26(水) 15:42:45
https://news.yahoo.co.jp/articles/9331b77737eb26f67aa97b5e60b728b61fa1b5dc
「給食がなくなる」夏休みの困窮世帯の不安 一袋20円のうどんに草を分け合い、冷房もない〈dot.〉
7/26(水) 11:30配信


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AERA dot.
写真はイメージです(Gettyimages)

 子どもたちが待ちに待った夏休みが始まった。しかし、生活が困窮している家庭の子どもたちにとっては、学校給食がなくなることで栄養不足に、電気代を抑えようと冷房を使えない自宅では熱中症になりかねない「危険」な夏でもある。「無事に乗り切れるのか」「命の危険にさらされている」と、困窮する子育て世帯を支援する人たちは警戒している。

【写真】弱者に寄り添った「50円食堂」最後の日

*   *   *

「物価高騰と猛暑で、困窮家庭のお子さんたちは大変な目に遭っています。食費を削るのが第一で、次に電気代。でも、この気温では、エアコンを使わなければ家の中で熱中症になりかねない。そういった心配を抱えながら生活されている方がほとんどです」

 困窮する子育て世帯を支援する認定NPO法人「キッズドア」のファミリーサポート担当、渥美未零さんは、そう話す。

 育ち盛りの4人の子どもを育てる西日本在住の40代の女性から今月、キッズドアにメッセージが届いた。この女性は病気のために働きたくても働けず、川岸で採ってきた草を入れた1袋約20円のうどんを分け合って、1日1食もしくは2食で過ごしているという。

 キッズドアが今年5〜6月に実施した調査によると、回答した1538世帯のうちの約6割が、2023年の収入(予測)を200万円未満とした。回答者の9割が母子世帯だ。

 6月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、前年同月比3.3%上昇。特に「生鮮食品を除く食料」は9.2%も上昇し、約1年前から高止まりの状態が続いている。一方で困窮する子育て世帯の多くは全く賃金が上がっておらず、実質賃金は低下している。

 渥美さんは「物価高騰で、これまで積み立ててきた大学への進学費用を取り崩さざるをえない家庭もあります」と話す。賃上げやボーナス、株価上昇などのニュースが流れるたびに絶望的な気分になり、精神を病む人もいるという。

 コロナ禍を受けての国や自治体からの支援もほぼなくなり、困窮世帯は今、この3年間で最も厳しい状況におかれているという。

■「給食って本当に神」

 キッズドアの調査での回答には、「物価高騰により、食料の質をさらに落とすしかなく、育ち盛りの子どもに栄養不足を感じます。学校の健康診断でも、子どもの痩せすぎで注意を受けましたが、どうしようもない状態です」との「悲鳴」がつづられていた。

 そんな困窮世帯の子どもたちが栄養を摂れる重要な機会が、学校給食だ。

 女子栄養大学の石田裕美教授らの研究によると、収入が少ない世帯の子どもは欠食の割合が高く、栄養摂取量に対する学校給食の寄与も低収入世帯の子どものほうが高いという。

「給食って、本当に神」

 渥美さんも支援を受けている人から、そんな言葉を聞いたことがある。

 キッズドアの調査でも、給食がなくなる夏休み中の食事について「不安がある」と答えた人は91%にも上った。「子どもに十分な食事を与えられない」と回答した割合は、2021年の調査では46%だったが、今回は60%に増えていた。

 困窮する世帯では、食事は主食に偏り、副食はおろそかになりがちだ。

「食事はご飯にふりかけだけになり、米を買えない家庭ではめん類を食べる。つまり炭水化物ばかりで、タンパク質やビタミンがなかなか摂れない。以前は目玉焼きや卵焼きが食べられましたが、最近は卵でさえ値上がりして気軽に買えなくなった」

 と、渥美さんは言う。

1169OS5:2023/07/26(水) 15:43:09
 ビタミン欠乏に詳しい静岡県立総合病院リサーチサポートセンターの田中清・臨床研究部長によると、最近は栄養バランスの悪い食事による「隠れビタミンB1欠乏症」が静かに広まっているという。豚肉などに多く含まれるビタミンB1は、炭水化物などを分解してエネルギーに変えていく際に不可欠なビタミン。これが不足すると、倦怠感などの症状が表れる。

「体のだるさが抜けない、という保護者の声はすごくある」

 渥美さんは、そう指摘する。

「それでも、お母さんは自分の食事を1食にして、『私は水で全然かまわない』と言って、その分を子どもたちに食べさせる。そんな姿を見ていると、『体をこわしてしまっては元も子もないので、お母さんも食べてくださいね』と、お声がけするんですけれど、なかなか難しい」

 子どもの服や靴を支援した際、年齢から想像するよりもずっと小さなサイズで申請されているのを見て、子どもたちが必要な栄養が摂れていない現状を痛感するという。

■エアコン使わず保冷剤で

 食費もさることながら、困窮世帯は光熱費を削ってしまうことが珍しくない。

「もう何年も冬は暖房をつけていません、という声があるのと同様に、夏でも冷房を使っていない困窮子育て世帯は多いです」(渥美さん)

 現在、公立小中学校における普通教室の冷房設備設置率は95.7%(22年9月)。なので、学校にいる間はなんとかなる。ところが、キッズドアの調査では、回答者の64%が「(自宅で)エアコンをつけないようにしている」という。

「エアコンはアパートに備え付けですが、入居してから7年、1度もコンセントを入れたことがありません」

「熱中症が怖いのですが、なるべくエアコンを使わないで扇風機や保冷剤でやり過ごすようにしたい。けど去年も電気代が上がるということで、それをやったら娘が熱中症になり、点滴になったので、うまく考えたいです」

 調査の回答には、そんな言葉が並ぶ。

 日中は児童館や図書館を利用して暑さをしのぐ子どもたちもいる。

「都市近郊であれば、ショッピングモールのフードコートで1日過ごしたりするお子さんがたくさんいます。でも、地方だと、子どもだけで移動することがなかなか難しい」(渥美さん)

■無関心とバッシング

 そんな苦しい家庭の状況にもかかわらず、生活保護を受けていない世帯は多い。

「私たちも生活保護を受けたほうが楽なのではないかな、と感じることがよくあります。でもみなさん、踏ん張って生活している」

 困窮する子育て世帯は、

「もう本当にひっそりと暮している、というのをすごく感じます」

 と、渥美さんは言う。

1170OS5:2023/07/26(水) 15:43:30
 一方で、子育て世帯を支援しているキッズドアに対して、「何をやっているんだ」とバッシングするメールが届く。ネット上に支援の記事が出ると、「働かなくて楽をしている」というような非難のコメントが書き込まれるという。

「それを見て萎縮し、SOSの声を上げることを躊躇しながら暮らしている人が大勢いると実感します。ひとり親でも仕事をして税金を納めている人がいるし、すべてのひとり親家庭が児童扶養手当をもらえているわけでもありません。でも、働きたくても病気で働けない人もいる。そういう実態を知っていただきたいと思います」

 厚生労働省の「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」によると、児童のいる世帯の平均所得金額は、11年の697万円から20年の813万5000円と、16.7%増加している。

 一見すると子育て世帯の所得は増えているようだが、この数字を押し上げているのは主に世帯所得が1000万円以上の裕福な家庭。この世帯が占める割合は11年の15.6%から21年には24.8%に増加している。

 一方で、21年の年収800万円未満の子育て世帯は全体の59%を占める。つまり、この10年で、一部の富める子育て世帯と大多数の中間層以下の世帯との二極分化が著しくなっているのだ。

「子育て世帯の年収が二極化してしまったので、高所得の家庭の人たちは困窮している子どもたちのことが本当にわからないのだと思います。そのことが無関心やバッシングにつながっているのではないでしょうか」(渥美さん)

「異次元の少子化対策」を掲げる政府。しかし、その足元では、子どもたちを守る最低限のセーフティーネットすら機能していない現実が広がっている。(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

1171OS5:2023/07/27(木) 11:22:38
https://news.yahoo.co.jp/articles/156afcea13e40ff896c9596618692b8fdafe1cab?page=1
労働者を搾取する「A型事業所」のあきれた実態 労基署も機能しない、まさに「貧困ビジネス」
7/27(木) 9:41配信
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

■事業所側の都合で「早帰り」

 「午後の仕事はないので、もう帰ってもらって結構です」

 駐車場の草むしりを終えて事業所に戻ったところで、職員からこう言われた。9時半から働き始め、まだ2時間もたっていない。噴き出す汗や痛む腰以上にジュンヤさん(仮名、56歳)の心をざわつかせたのは、お金のことだった。

 「ああ……。また給料が減ってしまう」

 ジュンヤさんの勤務先は千葉県にある就労継続支援A型事業所。駐車場清掃や倉庫内での野菜・果物の選別のほか、部品組み立てや商品の袋詰め、シール張りといった軽作業など、仕事は日によって違う。時給は最低賃金と同額の984円。

 ジュンヤさんによると、一番の問題は事業所側の都合で「早帰り」させられる日が少なくないことだという。当初の求人票には就業時間は「9:30〜14:30 1日4時間」とあった。しかし、約束どおり働けるのは出勤日の3分の2ほど。残りは仕事がないなどの理由で定刻前に退勤させられる。ひどいときは1時間、同僚の中には30分で帰らされた人もいた。そのせいで、残業があれば10万円くらいにはなるかと期待した月収は7万円に届かない。

 「シフト表もなく、帰るときに『今日は2.75時間ね』『今日は3.5時間ね』と一方的に言われるだけです。休業手当が出るならまだ仕方ないと思えますが、それもありません」

 中でも納得できないのは、ノルマが達成できないという理由で早帰りさせられたことだ。その日の仕事は菓子や贈答品用の箱を組み立てる「箱折り」といわれる作業。職員から数値目標を課され、「午後も働きたければノルマを達成するように」と指示された。結果、ノルマをこなせなかったジュンヤさんを含む数人が午前中で退勤させられたという。

1172OS5:2023/07/27(木) 11:23:00
■就労継続支援A型事業とは? 

 ここで就労継続支援A型事業(A型事業)について説明しよう。A型事業とは障害や難病のある人が雇用契約を結んだうえで、職員によるサポートを受けながら働くことができる福祉サービスのこと。一般企業での勤務が難しい人が就労スキルを身に付けるために利用する。つまりジュンヤさんは労働者であると同時に、福祉サービスの利用者でもある。

 これとは別に、雇用契約を結ぶことが難しい人を対象にした就労継続支援B型事業というサービスもある。いずれも、事業所の売り上げは「利用者の労働による収益」と「サービス提供に対して市町村などから支払われる報酬」の2種類。報酬には基本報酬に加え、利用者のキャリアアップや一般企業への就労などについて一定の要件を満たした場合に付くさまざまな加算もある。ジュンヤさんの事業所では1人当たり毎月25万円以上の報酬が行政から支払われているケースもあるという。

 ノルマの話に戻すと、ジュンヤさんの事業所は福祉サービスの利用者にノルマを課したことになる。言語道断というしかないだろう。そもそもノルマ未達成を理由とした給与減額は一般企業でも違法である。

 一般的にこうした事業所では障害や病気の特性などにより、利用者の作業効率や得手不得手の個人差は大きい。行政からの報酬はそれらに応じた環境を整備し、専門の職員を配置するためのものだ。では、ジュンヤさんはなにかしらの配慮を受けたことがあるのだろうか。

 それまで口数が少なく、言葉を探すようにゆゆっくりと話していたジュンヤさんだったが、この質問に対しては「ないですね」と即答した。

 「(箱折りなど)手先を使った仕事はもともと得意ではありません。ノルマは、正確な個数は覚えていないのですが、どうあがいても私には無理な数でした。だったら私にできるような仕事をさせてくれるとか、あるいはできるように教えてくれるとかすればいいのですが、そういったフォローやサポートは一切ありません」

 ジュンヤさんは箱折りがうまくできないという理由でしばらくの間、1人だけ事務所のゴミ捨てや窓ふきをさせられた。「孤独でした。罰を与えられていると感じました」と振り返る。

 このほかにも、求人内容が実態と違う、仕事内容を当日の朝に指示される、職員による暴言など問題を上げるとキリがないという。

 「求人票に『パソコン操作』とあったので応募したのに、アンケートの入力内容をチェックする仕事が一度あっただけ。実際は単純作業や施設外での仕事ばかりです。駐車場清掃のときは暑さ対策をしたいし、倉庫内は10度以下とかなり寒いので作業用の防寒着や汚れてもいい服を用意したいのに、その日の朝まで仕事内容がわからないので、何も準備できないんです」

 ミスの多い利用者に対して職員が「ちゃんと話を聞いてるのか」「真面目にやれ」といった乱暴な言葉を使っているのを聞いたこともあるという。

1173OS5:2023/07/27(木) 11:23:18
■納得しがたい「労基署の対応」

 今年に入り、同じ不満を持つ同僚数人と労働基準監督署に申告をした。ジュンヤさんたちは何より給与に直結する早帰りをなくしてほしいと考え、そのためには実態を裏付けるシフト表が必要だと訴えた。しかし、申告を受けて監査に入った労基署側からは「事業所はシフト表は廃棄したと言っている。シフト表がなければ早帰りの有無は確認できない」という旨の説明をされた。

 ジュンヤさんたちは、もともとシフト表は作成されていないと食い下がったが、労基署側の回答は「シフト表がないことはただちに違法とはいえない」。それ以上のことは上部組織に当たる千葉労働局に相談するようにと言われたので足を運んでみたものの、ここでも「労基署に指導できることはない」と門前払いされた。絵に描いたようなたらいまわしである。

 ジュンヤさんは大学卒業後、大手メーカーの事務職として就職。結婚して子どもも生まれたが、40歳を過ぎたころに双極性障害と診断される。入院と休職を繰り返し、最後は通勤に片道1時間半かかる工場勤務を命じられ、数年前に退職を余儀なくされた。

 双極性障害のそう状態のときは自分の考えはすべて正しい、何でもできると思ってしまうのだと、ジュンヤさんはいう。「ささいなけんかから家内を叩いたり、200万円もする新車を突然買ったりしてしまったこともあります」と打ち明ける。

 現在のA型事業所は2年前にハローワークで紹介された。収入は半減したものの、マンションのローンは完済すみで、子どもはすでに社会人になっている。ただ、妻もメンタル疾患があって働くことができない。夫婦の生活費は、A型事業所での給料と毎月約10万円の障害年金と合わせた同17万円。

1174OS5:2023/07/27(木) 11:23:37
■持ち家があると貧困者ではない? 

 一方でマンションの管理費などとして毎月4万円が必要なうえ、病気の治療費もかかる。そうなるとジュンヤさんの暮らしは生活保護水準とほぼ同じだ。退職後は貯蓄を切り崩す生活が続いている。

 困窮状態の中で困っていることを尋ねると、ジュンヤさんが「私、ずっと口角を上げないように話しているの、わかりますか?」と切り出した。私も、ジュンヤさんは少し滑舌が悪いなと思っていたので続きをうながすと、前歯が6本ないという。状態に合った入れ歯を作り直したいのだが、経済的に余裕がないのだと、ジュンヤさんは説明した。

 マンションを売却して家賃の安い市営住宅に移りたいと考え、行政に相談したこともあるという。しかし、窓口の担当者からは「持ち家のある人は住宅困窮者には当たらないので市営住宅には入居できない。いったん賃貸住宅に移ってからあらためて申し込みを」と言われた。

 賃貸住宅に移ったとしても、その後市営住宅に入れる保証があるわけではないし、家賃が現在の管理費より高くつくことは間違いない。八方ふさがりの状況に、ジュンヤさんは「持ち家のある人は貧困者ではないということなんですね」とため息をつく。

 既存の福祉制度が十分とはいえない中、障害や難病のある人にとって就労継続支援事業は単なる福祉サービスではなく、労働者として生活の糧を得るために必要な手段であることも多い。事業所側は「今日は1時間で帰って」「午後の仕事はない」と言われた利用者たちがどんな思いをするか想像したことがあるのだろうか。ジュンヤさんたちが暑さや寒さに備えられるよう、せめて前日に仕事内容を伝えることがそれほど難しいことなのか。

 病気や障害に対する配慮もなく、ただ安く請け負ってきた単純作業を最低の条件で担わせる。一方で行政からは安くない報酬を受け取る。これでは「障害者ビジネス」と言われても仕方ないだろう。

■事業所が受け取る報酬こそ「公金の無駄遣い」

 事業所が受け取る報酬はもとをたどれば公金だ。持論になるが、私は安易に「公金、税金の無駄遣い」という批判をするつもりはない。特に最近、生活保護利用者や、助成金などを利用して貧困者や若年女性を支援する団体を攻撃する目的で、こうした物言いがなされることに対しては違和感しかない。しかし、今回は声を大にして言いたい。早帰りを強いたり、ノルマを課したりする“名ばかり福祉サービス”に報酬を垂れ流すことこそ、公金の無駄遣いだろう。

 就労継続支援事業所の中にも本来の趣旨に沿った施設もある。ただ、障害や病気のある人を食い物にしている施設が少なくないのも事実だ。こうした事業所はハローワークから紹介されることが多いうえ、利用には行政への申請が必要である。公的機関が障害者ビジネスにお墨付きを与えているという指摘も過言とはいえない。

 ジュンヤさんが途方に暮れたようにつぶやいた。

 「最終的には生活保護、ということになるんでしょうかね」

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。

藤田 和恵 :ジャーナリスト

1175OS5:2023/07/31(月) 07:54:06
https://news.yahoo.co.jp/articles/db7d74d823bad30f675f9a6527c5853050f6575b
月収16万円「公園で水をがぶ飲み、空腹を満たす」生活苦の40代男性…最低賃金で働く「非正規たち」の絶望的未来
7/30(日) 11:17配信


幻冬舎ゴールドオンライン
(写真はイメージです/PIXTA)

白熱した議論が続いた「最低賃金の引き上げ」。物価高の影響により生活苦を訴える低所得者を救うためにも、継続的な賃上げが望まれますが、それでも低所得者の未来は希望に溢れているとは言えないようです。みていきましょう。


世界的にみると低すぎる「日本の最低賃金」
物価上昇を背景に、最低賃金の引き上げについて議論され、今年度の最低賃金について全国平均の時給で過去最大の41円の引き上げるとする目安をとりまとめました。最低賃金は、企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金として地域ごとに決められていますが、現在、全国平均は時給961円。それが全国平均で時給1002円となり、初めて1,000円を超えました。


最低賃金の議論では「格差是正」がセットで語られます。フルタイムの従業員と、最低賃金がひとつの基準となるパートタイマーなどの非正規従業員との給与差。これこそが格差拡大を助長しているという指摘がされています。

OECDによる世界主要国の最低賃金水準についてみていくと、調査対象31ヵ国中、フルタイム従業員と最低賃金との格差が最も少ないのは「コロンビア」で、フルタイム従業員の給与水準を100としたとき、法定最低賃金は92.31。以下、「コスタリカ」「チリ」「トルコ」「ニュージーランド」と続きます。



【世界主要国「最低賃金水準」トップ10】

1位「コロンビア」92.31

2位「コスタリカ」81.52

3位「チリ」71.96

4位「トルコ 」70.61

5位「ニュージーランド」67.61

6位「ポルトガル」66.29

7位「韓国」61.36

8位「フランス」60.97

9位「スロベニア」60.41

10位「イギリス」56.93

出所:OECD 資料:GLOBAL NOTE

「日本」は全体26位。世界主要国の中でも格差の大きな国といえるでしょう。世界の基準でみると、確かに、最低賃金の引き上げは必要かもしれません。

1176OS5:2023/07/31(月) 07:54:30
20〜60歳まで「最低賃金」で働き続けたら…
最低賃金水準で働くパートタイマーなどの非正規社員。昨今の物価高により、その生活はますます厳しいものになっています。ネット上で自身をスーパー貧乏の非正規と例える40代の男性。やはり、昨今の物価高には頭を悩ませているといいます。

――腹が減るのは慣れた

――我慢できなければ、公園で水をがぶ飲みすればいい。水さえ飲んでいれば死なねぇよ

そんなつぶやきを繰り返しますが、最近の炎天下にはまいっているよう。昼間は仕事で留守にしているからいいけれど、夜は暑くて、冷房なしでも自宅にいられないといいます。しかし冷房代がもったいない……そこで、何かを買うわけでもなく冷房の効いたコンビニをはしごして、涼をとっているのだとか。

仮に男性が最低賃金で働いているとしたら。時給961円。一般的な会社員と同様、月に167時間*働いたとしたら、月収は16万円ほど。手取りでは12.5万円程度です。学卒以来、夢を追って非正規社員で働いているものの、正社員に登用されることなく現在に至るという男性。「夢を追えるだけ幸せ」と強がっていいますが、昨今の物価高の影響は、そうも言っていられないほどの厳しさだとか。

*厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より

仮に現在45歳、このような生活を20歳から始め60歳まで続けるとしましょう。仕事を始めた20歳、1998年の最低賃金は全国平均649円。年間2,000時間働いたとして、月収は10.8万円、年収は130万円ほど。25年で給与は1.5倍になった計算です。このままの上昇率で60歳まで働いたとしたら、最終的には月収は20万円に迫ることになります。

しかし問題は老後の生活。公園の水で空腹をごまかすほどですから貯蓄があるとは考えにくく、今後も資産形成を進められるとは思えません。また国民年金の保険料をきちんと払っているとしても、65歳から受け取れるのは、現状、月6.6万円ほど。2023年10月から、短時間労働者として働く従業員の厚生年金保険への加入義務が拡大されたので、15年ほど厚生年金に加入したとしましょう。65歳から手にする厚生年金は月1.7万円、国民年金と合わせて8.3万円ほどになる計算です。

もちろん、だいぶ前から厚生年金に加入しているかもしれませんし、いままでもこれからも国民年金だけかもしれません。さらに年金保険料を滞納していて国民年金すら受給できない……そんなこともあるかもしれません。どちらにせよ、十分な年金を手にする未来は考えにくく、生きていくために「一生働き続けることが確定」という、なんとも絶望的な未来しか描くことができないのです。

このようなワーキング・プアを根絶し格差是正を図ろうとする最低賃金の引き上げ。ただ企業、特に中小企業としては、難色を示すところ。

今後、深刻化する人手不足の問題からも、最低賃金を引き上げるのは自然な流れ。ただ体力のある大企業であれば賃金増分を吸収できるでしょうが、中小企業としては経営を圧迫する死活問題。しかもこの物価高。価格転嫁が進まないなか、最低賃金の引き上げとなると途端に経営破綻……そんな中小企業が増えると、専門家は警鐘を鳴らします。

ただ上げればいいという、単純なものではない最低賃金。あらゆる問題が改善の方向へと進めることができるか、という点でも目が離せません。

1177OS5:2023/09/10(日) 22:21:34
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f113033d3cd3f67dfbaf04ae2e1d27092ffd542
「一杯無料のかけうどん」に込めた愛と恩返し 西成の元極道店主がドン底で見た人情
9/10(日) 9:00配信


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産経新聞
「周囲の人に恩返しをしたい」と語るうどん店「淡路屋」の大前孝志さん=大阪市西成区(彦野公太朗撮影)

「食事に本当に困っておられる方、かけうどん一杯無料」。日雇い労働者が多く集まる大阪市西成区のあいりん地区でこうした看板を掲げ、生活困窮者に一杯のかけうどんを無料で振る舞う店がある。立ち食いそば・うどん店「淡路屋」。店主の大前孝志さん(48)が、新型コロナウイルス禍の約4年前から始めたサービスだ。「うどん一杯で心に余裕ができたら」。無料提供は生活に行き詰まり犯罪に走った自身の経験から。空腹が満たされれば、心も落ち着く―。そう信じている。

【写真】客にうどんを振る舞う大前孝志さん

◆「本当に救われた」

飲食店や簡易宿所(簡易宿泊施設)が立ち並ぶ西成のあいりん地区。淡路屋はその一角にある。大人4人ほどが座ることのできる長椅子が設置され、まるで屋台のような店構えだ。

大前さんがこの地で店を始めたのは平成29年10月。それまでは紆余(うよ)曲折の人生だった。

高校を中退し、仕事を転々とした。暴力団に入り、けんかや恐喝を繰り返し、薬物に溺れて服役したことも。21年にはラーメン店を開業したが、人間関係のトラブルで閉店。その後、フィリピンへ渡った。

いつしか所持金も尽き、首都マニラ郊外の街で3日間、空腹に耐えながらうずくまっていたとき。高齢の女性が声をかけてくれた。「おなかが空いているでしょう」。ジェスチャー交じりでこういわれ、女性の家に招かれた。家に入ると山盛りの米と現地の肉料理をふんだんに振る舞ってくれた。

「本当に救われた」。涙をぼろぼろ流しながら食べたことを今でも鮮明に覚えている。

「受けた恩を今度は周りの人へ返したい」と決意。帰国して淡路屋をオープンさせた。

◆おなか満たせば心も…

「一杯無料のかけうどん」を始めたのは新型コロナウイルスが流行したころ。客足が遠のき、仕入れたうどんを廃棄する日もあった。「どうせなら」と生活が困窮している人を対象に無料提供を始めた。

鰹(かつお)風味のやさしいだしのうどんはほっとする味。かけうどんは250円で、一般客にとっても安価だ。

「おなかが減っていると『恐喝したろ、万引したろ』とか悪いことをつい考えてしまう。おなかが満たされ心に余裕ができれば、そんなことは考えへん」。自身の経験からこう力説する。

ある日、80代ぐらいの作業着姿の男性が店にやってきた。男性は店の前で帽子を脱ぎ、「一杯だけ食べさせてください」と頭を下げた。

泣きながらうどんを食べる男性。「自分の体が動くうちは国の世話になるのは筋違いだ」と生活保護を受給せずに、建設作業員の仕事を転々としていたが、3日間食事をしていなかった。

しばらくして男性はまた店にやってきた。「あれから仕事が見つかり、今は住む場所もあります。ありがとうございました」と礼を言われた。日焼けした男性の表情は気力にあふれていたという。「たかがうどん一杯やけど、それで元気に立ち直ってくれたら本望。いつでも食べにきてほしい」と振り返る。

1178OS5:2023/09/10(日) 22:21:44
◆ユーチューブ配信も

2年前からは「西成キンちゃんのワッショイTV」と題したユーチューブチャンネルを開設。地元の飲食店を紹介するなど西成の面白さや魅力を動画で伝えている。

今では大前さんと話すことを目的に店を訪れる若者も多い。「ゆっくり食べてってや。カップ麺のほうがうまいけどな」。冗談を交えながら気さくに笑う。ときには人生相談に耳を傾けることもある。

「西成は治安が悪い面もあるが、人情深い街。昔悪さをしていたが、今は再起を懸けて努力する前向きな人もたくさんいる。そんな『西成のいい部分』にもっと光が当たるよう、みんなで盛り上げていきたい」。かつて自分が励まされたように―。〝西成愛〟を胸に恩返しの日々は続く。(鈴木源也)

1179OS5:2023/10/13(金) 16:14:52
https://news.yahoo.co.jp/articles/43de0ff52c63a0bb9cc192f217c9f7e61c3130c5
呼び名は「タイミーさん」面接なし、履歴書なし 即時振り込みの「単発バイト」続ける51歳男性の悲哀
10/13(金) 10:32配信
東洋経済オンライン
スマホの単発バイトアプリで生計を立てているユウジさん。「働く側が安く使われがちな仕組みだと分かっていても、それに頼らざるをえない自分が情けない」と語る(写真:ユウジさん提供)

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「かつては事業を営んでいましたが、過労で身体を壊すと一気にすべてがストップしてしまい、あれよあれよと言う間に貧困生活へと突入してもう何年も経ちます。」と編集部にメールをくれた51歳の男性だ。

■「タイミーさん」という呼び名

 「タイミーさん、今日は1番レジ入ってもらえます?」

 「タイミーさーん!  ちょっとこっち手伝って」

 日雇い仕事で食いつなぐユウジさん(仮名、51歳)はもうすっかりその呼び名に慣れてしまった。どの職場でも自分の名前を呼ばれることはほとんどない。最初は驚いたが、今はただ「私の存在はAさんでも、Bさんでも、なんでもいいんだな」と思うだけだ。

 「タイミーさん」とは、「Timee(タイミー)」というバイトマッチングアプリからくる呼び名である。地方都市で暮らすユウジさんがアプリに頼る理由は「すぐに給料が入るから」。たしかにアプリの公式サイトには「24時間・365日いつでも銀行口座へ報酬を振り込むことが可能です」との旨が書かれている。バイトが終わり、スマホ画面の「振り込み申請」をタップすると、10分もたたずにATMから現金を引き出すことができるという。

 「即日振り込み」どころか「即時振り込み」である。

 仕事はスーパーのレジ打ちや飲食店での皿洗い、工場内の作業など。ただユウジさんの経験からいうと、人間関係はおしなべてすさんでいるという。

 「あいさつをしても無視されることがほとんど。狭い通路をすれ違うときもよけたりしてくれません。『どうせ単発バイトで来るような落ちぶれた人間』と、見下されているように感じます。レジの仕事で誤ってお店控えをお客さまに渡してしてしまったときだけは、『ちゃんとしてよ』『困るんですよね』と、ここまで言う?  というくらいしつこく叱られました。最初に普通に教えてくれればいいだけなのに……」

■「どうせその日限り」で人間関係も希薄

 即時振り込みは魅力だが、今年のゴールデンウイークには、こんな“事件”もあったという。

 その日、所持金は1000円を切っていた。アプリから応募した仕事は飲食チェーン店での皿洗い。殺人的に忙しい夕方から夜にかけての5時間、汗だくになって洗い場に立ち続けた。これが終われば5000円が振り込まれるはず。しかし、コンビニのATMを何度確認しても入金はなかった。どうやら銀行のほうが、連休中は対応時間外だったらしい。

 帰りの交通費に70円足りなかった。「バイトが終わった時点ですでにヘロヘロのボロボロ」だったが、やむを得ず電車を途中下車。そこから6時間以上歩いた。以前バイク事故で痛めた左脚を引きずりながら、自宅に着いたときは深夜3時を過ぎていたという。

1180OS5:2023/10/13(金) 16:15:18
 「あの日はほんとに情けなかった。今思い出しても泣けてきます」

 話はそれるが、Timeeのような単発バイトアプリは、ほかにも「マッハバイト」「バイトル」「シェアフル」「ショットワークス」など数多くある。それぞれが「スキマ時間を利用」「即日払いOK」「面接なし、履歴書なし」などとアピールしている。

 学生や副業をしたい人にとってこれらのアプリは、さぞ使い勝手がよいだろう。原則禁止されている日雇い派遣とは違って直接雇用なので、違法性はないことも知っている。ただ貧困の現場を取材していると、こうしたアプリで生計を立てざるを得ない人が増えていることが気になっていた。本人たちの自己責任では片づけられない。容易に“その日暮らし”を選べる仕組み自体に危うさを覚えてしまうのだ。

 アプリの利用経験者からは「6時間という約束だったのに1時間で帰された」「集合場所まで行ったら、『もう定員に達したので今日の仕事はない』と言われた」「制服支給と書いてあったのに、買い取りさせられた」といったトラブルもたびたび耳にする。ほとんどが泣き寝入りしており、一般的な非正規雇用労働者以上にその立場は弱いのが現状だ。

 一部のアプリは労働者と企業がお互いに評価し合うシステムを売りにしているが、そもそも労働者個人と企業の力関係は対等ではないという“常識”が欠落しているようにもみえる。違法ではないとはいえ、究極の不安定雇用という点では日雇い派遣と変わらないし、「どうせその日限り」と思ってしまえば、人間関係も希薄になりがちなのではないか。

 話をユウジさんのことに戻そう。私が、将来を考えるとアプリで生計を立てる働き方はよいとは思えないと指摘すると、それまで穏やかだったユウジさんが打って変わって強い口調で反論した。「でも、私が首の皮一枚で生きていられるのはTimeeのおかげです」。

 ユウジさんがせきを切ったように続ける。

■屈辱的な日々に「もう殺してくれ」と願う

 「私だって、名前も覚えてもらえないような仕事がいいだなんて思ってません。でもそれが私の命綱なんです。惨めだし、屈辱的です。だから毎日、神さまにお願いしてますよ。『頼むからもう殺してくれ』って」

 気が付くと、ユウジさんはタオルで涙をぬぐいながら話していた。

 日雇いバイトの収入は月7万円ほど。家賃は水道費込みで4万3000円なので、残りの3万円足らずでやり繰りしなければならない。洗剤や石鹸、シャンプーはすべて重曹で代用。夏場はガス会社との契約を解約し、水シャワーとカセットコンロでしのいでいる。

1181OS5:2023/10/13(金) 16:15:40
 ユウジさんはなぜここまで追い詰められたのか。

 ユウジさんの生い立ちは過酷だ。両親は自営業者だったが、父親は酒浸りで母親とユウジさんに暴力をふるった。2人で逃げ出したものの、高校は中退。ユウジさんは働き始めたが、17歳のときに母親も出奔した。以来、「独りで生きてきました」。

 20代のころ、いくつかの会社で正社員として勤務。その後、熱中していたモトクロスバイクのレースに出場するために生活の拠点をアメリカやカナダに移す。本格的な移住も考えたが、結婚を機に帰国した。

 その後は子どもや女性を対象にした運動指導教室を主宰する一方で整体師として働いてきた。施術の評判はすこぶる高く、30代後半で本格的な店舗を構えてからは、月の売り上げが100万円を超えたこともあった。ユウジさんは「従業員も何人か雇いました。何時間もかけて地方から来てくれる方もいました」と振り返る。

 ユウジさんにとって利用者から「先生に会えてよかった」「先生でなければダメ」と感謝される日々は充実していた。しかし、皆の期待にこたえたいというがんばりが仇になる。

 早朝から深夜まで働き詰めで、1日中食事を取らないこともざら。深夜や未明に押し掛けてくる人にも対応し、店を持ってからは1日も休日はなかった。結局5年ほどで過労で倒れ、閉店を余儀なくされる。残ったのは数百万円の借金だった。

 「その後はあれよあれよという間に貧困生活へと転がり落ちました」とユウジさん。しばらくは妻の収入で暮らしたものの、結局離婚。海外では接客業に就いていたことから、その後は派遣労働者として全国各地のホテルで住み込みで働いた。しかし、観光シーズンのみの細切れ雇用なので年収は100万円ほどだった。

1182OS5:2023/10/13(金) 16:16:00
 安定した仕事に就こうと、ホテルでの派遣労働をやめ、就職活動をしながらアプリによる単発バイトで食いつなぐ生活に切り替えた。しかし、収入はさらに減り、暮らしは苦しくなる一方。最近になり、相談に訪れた行政から、住まいを失う恐れのある人に家賃を補助する「住居確保給付金」を紹介され、ハローワークにも通うようになった。ただ仕事探しは難航しているという。

 ユウジさんによると、就職活動では「求人票の内容と実際の仕事が違うことが多い」という。ホテルのコンシェルジュと書かれていたのに、清掃業務に回されそうになったり、なぜか介護業務をさせられそうになったりしたこともある。面接で初めて夜勤専門の仕事だと告げられたこともあった。夜勤専従は健康リスクを高めるとされる。待遇との兼ね合いもあろうが、ユウジさんがこの手の働き方を避けたいと思うのはやむを得ないだろう。

 「何十件面接を受けても決まらない」と報告するユウジさんに対し、行政側の窓口担当者は「今の収入だと生活保護(水準)より低いから、ホテルでの住み込み仕事に戻ってはどうか」と“アドバイス”してきたという。詐欺同然の求人を放置しながら、オフシーズンには収入が途絶えるようなホテル派遣に戻れという提案には耳を疑う。生活保護を持ち出すなら、制度を利用して暮らしを立て直すよう促すべきだろう。

 しかし、生活保護はユウジさん自身が利用したくないという。またしても生活保護は恥であるという「スティグマ(負の烙印)」が権利の利用を阻むのか――。

 ユウジさんは「生活保護は国民の権利だと頭ではわかっています。もし以前の私が知人に相談されたとしたら、恥じる必要はないと言っていたはず。でも、いざ自分がとなるとやっぱり嫌なんです。この気持ちは言葉では説明できません」と複雑な心境を打ち明ける。

 一方でつい先日は生活保護と同じくらい抵抗のあったという自己破産の手続きを済ませた。「(借金を)返したくないわけじゃなかったのに……。こんな自分が恥ずかしいです」。

 自身が貧困から抜け出せない理由について尋ねると、ユウジさんはしばらく考えた後、「男性性の強い社会が問題だと思います」と答えた。どういう意味か? 

■先の見えない絶望と希望が去来する

 「私が育った家庭では男である父親が不当に権力を振り回し、家族の人生をめちゃくちゃにした。今もがんばって働いた報酬と出ていくお金が不当に釣り合っていないと感じます。Timeeは一番忙しい時間帯だけ働かされることも多いので、(給料は)いつも『これだけ?』って思います。そもそも最低賃金って誰が、何を基準に決めたんですか?  家賃も物価もどうしてこんなに高いままなんですか?」

 ユウジさんは暴君だった父親を、働き手が搾取されがちな仕組みや、制度や政策を決める側の人間、問題を放置する行政や政治に重ねているようだった。「弱い立場になったことのない人が権力をふるっている」とも言っていた。

 ユウジさんは取材で話を聞く中で「死ぬ日まで生きるしかない」「今日で終わりにしたい」と希死念慮を隠そうとしなかった。一方で「家族がほしい」とも語っていた。

 実は今、ユウジさんには付き合っている女性がいる。ただ相手もシングルマザーで、ダブルワーク、トリプルワークをしながら子どもたちを育てている。お互いに今は再婚できる状況ではないが、いつか一緒になれればという夢があるという。

 先の見えない絶望と、いつか家族をという希望が去来している。

本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。

藤田 和恵 :ジャーナリスト

1183OS5:2023/10/26(木) 11:05:16
https://news.yahoo.co.jp/articles/439a1ce887b598a81d6a28022382f52d385e9c2a
生活保護デモ「たまにはウナギも食べたい」なぜ批判? 20代受給者「救われた」「利用して休んだ後に再び社会に出れば大丈夫」当事者が語る実態と想い
10/26(木) 7:20配信
 今月、行われた「生存権を求める京都デモ」が波紋を広げている。2013年から段階的に引き下げられた生活保護の基準額について、受給者や支援者など100人が不満を訴えた。

【映像】20代受給者のしかまるさん(本人)

 様々な主張をする中で、物議をよんだのが「たまには旅行に行きたいぞ」「たまにはオシャレもしたいぞ」「たまにはウナギも食べたいぞ」というものだった。

 生活保護は、憲法で定められた“健康で文化的な最低限度の生活を保障するため”の制度である。そのためSNSでは「旅行に行きたい?それは本当に最低限度なの?」「一生懸命に働いててもウナギなんて食えない…」など非難の声が噴出。一方で、「メディアの見出しの付け方が燃料になってる」「デモの本質は“旅行”でも“ウナギ”でもないのでは?」との指摘もあった。

 なぜ生活保護はたびたび非難の的となるのか。『ABEMA Prime』では、受給者・支援者と議論をした。

20代受給者に聞く生活保護の実態と想い
【図】生活保護を受給するしかまるさんの収入と支出の内訳

 生活保護を受給するしかまる氏(20代)は「大学受験に失敗し、ひきこもった。その後に上京、バイトの面接に行ったが、全く受からなかった。日雇いで生活をしていた。そこからプログラミングを始めて、知人と立ち上げたIT系の企業も失敗。体調とメンタルを崩し、生活保護を受けた。周囲からは『働けるよね?』などと言われたが、働けるかどうかは生活保護の条件になっていない。スムーズに受給ができた」と答えた。

 今回のデモについては、「生活保護でもウナギを食べることはできるので、わざわざ訴える必要性はなかった。若者や生活保護を本当に必要としている人が”受給する”という選択肢を取りにくくなるのでは?」との見方を示した。

 また、「生活保護はメンタルや身体的な体力がない人たちが使っていき、回復した後に働きたいと思ったら、働くという形が良いと思うし、そのように使うべき。最初は負い目もあったが、次第になくなった」と述べた。

 2021年度から受給を始めたしかまるさんの生活状況を見ていきたい。詳細は【図】の通り。収入は夏季(4〜10月)の保護費が7万6420円、冬季(11〜3月)が7万9050円。YouTube等配信による収入は約8000円だ。一方、支出は食費が1日約700円で月約2万1000円、通信費(3300円)、光熱費(約5000円)と合計で約2万9300円とのこと。国が負担する家賃や水道代はここに含まれない。収入から支出を差し引いて余った分は貯金に回しているそうだ。

 こうした状況を踏まえて「YouTube動画作成のほか、国家資格の勉強もしている。物価が上がったので少し大変だが、それほど大きな影響はない。食費も厳しくない。ウナギも食べられるし、切り詰めたとしても、栄養のある食事は摂れると実感している」と答えた。

 基本的には自炊ということだが、「1週間に1度ほど外食する。自炊と同じ、1日700円計算の範囲内で使う」と明かした。「生活保護があって良かった。もし制度がなかったら、僕はこの場にいないし、生活保護に救われた。メンタルが病んで、体力が落ちている時は、目の前のことしか考えられなくなっている。長期的な目線を持つためには、まず体を休めることがとても重要だ。それで未来に向かって考えることができるようになる」と話した。

1184OS5:2023/10/26(木) 11:05:28
デモの実行委員会の回答は?
生活困窮者の支援を行う佐々木氏はデモに対する報道のあり方についても指摘

 今回、『ABEMA Prime』がデモの実行委員会に取材したところ、「たまにウナギを食べることは普通の暮らしだと考えます。決して贅沢をしたいのではありません。生活が苦しい人たちが生活保護を利用できない社会がおかしいのであって不満や怒りは政府や行政に向けられるべきです」との回答があった。

 NPO法人『あなたのいばしょ』理事長の大空幸星氏は「ウナギを食べることは最低限度の文化的な生活だと思う。それすらできない現状がおかしい。これで生活保護の受給額を下げると、密接に連動していると言われる最低賃金を下げる理由にもなる。暮らしへの影響は極めて大きい。エネルギーを政府に向けるべきだというのはその通りだ」と述べた。

 また、「内閣官房の孤独・孤立担当室は、明確には言わないもののSNSの盛り上がりを見て、生活保護は国民の権利だと言った。政府は生活保護をもっと受けてくださいという立場。政府と現場が言っていることに大きな乖離があるのが、問題だと思う」とした。

 生活困窮者の支援を行う『つくろい東京ファンド』の佐々木大志郎氏は「デモを実施したグループとは、交流がある。今回はメディアの見出しや報道が扇情的な部分もある。生活保護は今、物価の上昇に対して相対的に下がっている。デモのグループは活動家というより当事者運動だ。そのプリミティブな叫びが“ウナギ食べたい”なので、バッシングされることではない」との見方を示した。

必要な人が受給できているのか
生活保護から抜け出すまでの期間を示したデータ(厚労省「被保護者調杳」より)

 日本の捕捉率(権利がある人のうち利用できている人が占める割合)は2016年時点で22.9%と諸外国と比べて低い。佐々木氏は「資産を計算してるか否かで数字は異なるが、僕の知る範囲では働きたいという意欲を凄く感じる。シングルマザーの方や20代30代のネットカフェにいる方も、自分で働いて、生活したいと、志が高い方が多い。生活保護で一度休んで、敷金・礼金を出してもらってアパートに移った後に働くというのがスタンダード」と話す。

 実際の数字を見ると、受給中世帯の平均期間は9年3カ月(2021年7月時点)。終了世帯で廃止までにかかった平均期間は6年11カ月(同上)となっている。廃止理由の1位は「死亡」で実に44%を占めている。受給者の年代別割合は70歳以降が最も多い43.5%で、次いで60〜69歳が17.1%と共に高いが、20〜29歳は2.9%、30〜39歳では4.7%と低い(いずれも2022年7月末速報値)。

年代別の生活保護受給率(厚労省「被保護者調査」より)

 生活保護は入りやすくて出やすい制度が理想とされる。未だ根強い「抜けにくい」イメージは、受給者の約半数を高齢者が占めていることに起因し、若年層の割合は決して高くない。同時に平均期間から「一度受給したら抜け出せない」状態ではないことも読み取れる。若者については、佐々木氏が語った実態はデータにも表れている。

 最後に、しかまる氏は「今辛いと感じている人、もしパワハラを受けた状態で仕事を頑張っている方がいたら、生活保護を利用して一旦休んで体力を回復させた後に再び社会に出れば大丈夫だ。生活保護を受給する選択肢をぜひ選んでほしい」と述べた。

(『ABEMA Prime』より)

1185とはずがたり:2024/03/10(日) 23:09:35

2024/03/08 14:35
ここまで深刻だったとは…「韓国75歳以上の貧困率50%超」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/03/08/2024030880075.html

 【NEWSIS】韓国で75歳以上の高齢者のうち、所得中央値の半分に満たない貧困層の割合が50%を超えることが分かった。農村や漁村に住む80歳以上の場合、貧困率は67.5%に達している。

 韓国社会保障委員会は7日、2020年基準の社会保障行政データを分析した資料「韓国貧困老人の特性」を発表した。

 社会保障行政データは、韓国の全国民の約20%に当たる1000万人を標本とし、部処(省庁)別に分散している資料を集めて作成した統合データだ。

 資料によると、実質的に使うことのできる可処分所得を基準にした高齢者の貧困率は45.6%。高齢男性の貧困率は41.2%だが、高齢女性の貧困率は49.0%と高かった。居住地別で見ると、大都市の高齢者の貧困率は42.1%、中小都市は47.0%、農村・漁村は57.6%だった。

 年齢別でも差が見られ、初期の高齢者(65-69歳)の貧困率は35.0%だが、年齢が上がるほど貧困率が高くなり、70-74歳は44.2%、75-79歳は53.7%、80歳以上は56.6%だった。

 75歳以上の高齢者は大都市、中小都市、農村・漁村の区分に関係なく貧困率が50%を超えており、特に農村・漁村に住む80歳以上の貧困率は67.5%に達した。

 可処分所得は、全高齢者の平均が1170万ウォン(約130万円)であるのに対し、貧困の高齢者は804万ウォンだった。

 特に、事業や勤労などで自ら稼ぐ市場所得を見ると、高齢者全体の平均は625万ウォンだが、貧困層の高齢者は135万ウォンにとどまった。年金や給与など公的資源が投入される経常所得でも、高齢者全体の平均は1288万ウォンだが貧困層の高齢者は813万ウォンと差があった。

 社会保障委員会は「深刻な水準」だとして「国の介入を通じて700万ウォンほど平均所得が上がっているが、依然として低い水準」だと述べた。

 高齢者のうち土地・住宅・建築物などの資産を保有する割合は平均55.1%だが、80歳以上では46.2%で平均に届かなかった。

 社会保障委員会は8日午後、ソウル市内の再生医療振興財団会議室で第1回目の統計・行政データ専門委員会を開催し、社会保障行政データの構築および活用案などについて話し合う。

 イ・ヒョンジュ統計・行政データ専門委員長は「社会保障行政データは正確性・信頼性が高く、社会保障政策を企画する際の根拠資料として有用であり、標本の規模が大きいためさまざまな次元の細部分析が可能となり、制度の効果を具体的に把握できる」として「今後、社会保障行政データの活用が社会保障制度の発展に寄与することを期待する」と述べた。

ク・ムソ記者


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