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貧困スレ

1008チバQ:2020/05/20(水) 14:33:29

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 奥田さんが社会への違和を感じたのは関西学院大の学生だった頃。日雇い労働者が集まる釜ケ崎でボランティアをし、豊かだと思い込んでいた日本の別の側面を知った。大阪万博(1970年)で労働力の供給源として栄えた釜ケ崎は、奥田さんと無縁ではない。父が万博工事の多くを担った大手電気設備会社の社員で労働者を雇う側。不自由なく育った息子は、行き場を失った労働者であふれ、死にゆくホームレスもいる街から「自分は何者か」という問いを突きつけられた。

 「ひどい世の中で神様までいなくなっては困る」。牧師の道を選び、88年からホームレス支援を続ける。 その活動は自己犠牲、利他の精神という言葉で語られがちだが、否定する。


 「人間が出会いの中で立ち上がっていく。それは社会にとっても大事だし、僕の幸せにもつながる。自己と他者は分離できません」

 世の中は他者性を失いつつある。「自国ファースト」を標榜(ひょうぼう)する国。それに乗っかる市民の態度。トイレットペーパーの買い占めも「私たちの中から他者がいなくなったから起きた」。

 現代人はなぜ他者との関わりを避けるのか? 奥田さんに問うと「大変だから」と返ってきた。

 「でも」と続ける。「大変さは不幸ではない。人と出会って苦労するのは大変だけど面白い。そこにみんな気付いてほしい」
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 心を寄り添わせ、一緒に泣き、笑う。奥田さんがやってきた「伴走型支援」は、感染拡大防止の「3密」と相いれない。炊き出しを中止する支援団体もある中、奥田さんは続けた。弁当に並ぶ列を増やすなど密集を避けた。会話しながら一緒に食べる「抱樸流の炊き出し」はできないが、代わりに弁当一つ一つに手書きメッセージを添えた。

 特別定額給付金の概要が発表された直後、初老の男性が教会を訪れた。10万円入りの封筒を手に「必要な人のために」。ほかにも「国が配る布マスクを託したい」との声も届いた。「社会は捨てたものじゃない」

 作家、五木寛之さんは「朝顔は闇の底に咲く」というエッセーで、朝顔は闇がなければ花を咲かせないと書いた。奥田さんはその文章が好きだ。


 「見える距離は遠くても、心の距離を近く。コロナのせいにするのではなく、夜明けに向けて備えることをしなければいけません」

 緊急事態宣言が解除されても、しばらくは「フロムホーム」の支援を余儀なくされる。ただ、コロナ後に訪れる新しい社会の萌芽(ほうが)も確かに感じている。

 (小川祥平)

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 北九州市のNPO法人「抱樸」の新型コロナウイルス感染拡大の影響で支援が必要になる人たちのためのCFは7月27日まで。サイト「READYFOR」で「抱樸 コロナ緊急」と検索する。


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