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貧困スレ

1081チバQ:2021/02/07(日) 17:43:46
 昨年度は、兵庫県宝塚市が就職氷河期世代を対象に正職員の採用試験を行うと、倍率が400倍超えとなって大きな反響を受けた。

 「これほど倍率の高い公務員試験になったのは、どれだけ多くの人が困っているのかを如実に表しているのだと思います。当事者としても、就職支援に関する立場としても、もっと公務員枠を増やしてほしい」

 2021年度、氷河期世代を対象にした府省の国家公務員の中途採用は157人が予定されている。各自治体でも中途採用がより進むことが期待されるが、地方公務員も年々と非正規雇用が増えているという状況だ。

 良太さんがより矛盾を感じるのは、氷河期世代を支援する年齢区分だ。良太さんは「35歳からの支援にすれば、確かに30代後半は救われるチャンスがあるだろう。この年になって畑違いのところで働くのは難しく、40代のうちとりわけ45歳以降は不利なまま取り残されてしまう」と懸念している。良太さん自身、現在の雇用は非常勤で、来年度の更新はない状態だ。正職員の求人募集を見つけては応募しているものの、決まらなければ4月から無職かもしれない。

 「昼ごはんはパン2つで出費を180円に抑える生活。明日どうやって生活しようという不安が絶えません。地方での生活には車が必要で、生活保護の申請は難しいと思います。政治はもっと本気で対策してほしい。もし仕事が決まらず路頭に迷えば、生きて苦しむよりも死を選んだほうがいい」

 緊急事態宣言下でも一人数万円もかけて会食する政治家に、良太さんら就職氷河期世代の現実は見えているのか。

■「非正規」を生まない抜本改革が必要

 大卒就職率が史上初の6割を下回った2000年からちょうど20年。

 当時、株主至上主義や自己責任論の拡大で若者の雇用問題は軽んじられ、氷河期世代の問題は置き去りにされた。第1次安倍晋三政権(2006年9月〜07年8月)で「再チャレンジ」施策が行われたが短命に終わり、2008年にリーマンショックが襲う。少なくとも就職氷河期世代がまだ30歳前後だった10年前にもっと救いの手が差し伸べられていたら、状況は好転していたのではないか。

 国が策定した「行動計画」は、既存の就職支援の焼き直しの部分が大半を占め、氷河期世代が中年となった今、通用しない面があることは否めない。コロナの打撃は計り知れず、雇用の受け皿が壊れてしまった今、他業界で働くことも視野に入れなければならない状態で、正社員化の即効性を求めることは難しい。じっくり職業訓練に取り組めるよう、氷河期世代の生活基盤を支えなければならない。

 新卒採用も徐々に厳しさを見せるなか、新たな氷河期世代を生まないためには、非正規雇用を生み出す構造そのものを変えなければならない。約20年前、1999年に労働者派遣法が改正され対象業務が拡大。2004年には派遣も含め非正規雇用の「3年ルール」ができて、企業は3年経ったら正社員にするのではなく、多くが雇い止めした。

 厚生労働省「労働者派遣事業報告書の集計結果」(2018年度)によれば、派遣労働者約123万人のうち3年が経過する見込みである人は約11万人。直接雇用の申し込みがあったのが約3万人で、実際に雇用されたのは1万4223人にとどまる。

 直接雇用を前提とする紹介予定派遣でも、実際に直接雇用されるケースは多くはない。同調査では、2018年度に紹介予定派遣で働いた派遣社員は3万6791人であるのに対し、直接雇用の紹介があった2万8120人のうち実際に直接雇用に結びついたのは1万9214人でしかないことが分かる。

 非正規雇用を生み出し、それを容認する制度を許す以上、いくら就労支援を行っても不安定な就労はなくならない。就職氷河期世代の支援は就労支援だけでなく、労働法制そのものを規制強化することが必要なのではないか。



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小林 美希(こばやし・みき)
労働経済ジャーナリスト
1975年茨城県生まれ。神戸大法学部卒業。株式新聞社、毎日新聞社『エコノミスト』編集部記者を経て、2007年より現職。13年「『子供を産ませない社会』の構造とマタニティハラスメントに関する一連の報道」で貧困ジャーナリズム賞受賞。著書に『ルポ 保育格差』など。
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労働経済ジャーナリスト 小林 美希


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