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貧困スレ

1060チバQ:2020/10/16(金) 17:59:33
■「せめて同じ場所で息をすることを許してほしい」

 アキオさんにはファミリーレストランで話を聞いた。質問に対する答えはとても的確で流暢だった。一方でアキオさんは注文したドリアにいつまでも手を付けなかった。私が何度「冷める前に食べてください」と勧めても、スプーンを手に取ろうとしないのだ。話すことと、食べることの2つを同時にこなすことが難しい様子だった。
 また、取材後、アキオさんからは「取材時説明内容の補足」と題した長いメールが何通か届いた。上司らの発言のささいなニュアンスの訂正のほか、障害に対する配慮をしてくれたり、飲みに連れて行ってくれたりした上司もいたので、会社のことをあまり悪く書かないでほしいといったことがつづられていた。初診日をさかのぼってくれた医師についても迷惑がかからないよう、書き方に配慮してほしいとリクエストされた。

 そのたびに返事を書かなければならない私にしてみると、効率という点では決してよいとはいえなかった。一方でアキオさんの優しい人柄も伝わった。ただ10社以上も転職せざるをえなかったキャリアを考えると、こうした誠実さは現在の社会や会社が求めるものではないのかもしれないとも思う。

 発達障害の人の生きづらさについて記事を書くと、時々「発達障害の上司や部下を持つほうの身にもなってほしい」といった感想が寄せられることがある。そうした主張を理解できないわけではない。ただ、発達障害の同僚を持つ大変さに共感できたとしても、結局、社会がたどり着く先にあるのは“排除の理論”なのではないか。

 アキオさんは記事を通してこう伝えてほしいという。

 「面倒かもしれませんが、社会に居場所をつくってもらえると助かります。私のことを理解してほしいとは言いません。せめて同じ場所で息をすることを許してほしい」
本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。
藤田 和恵 :ジャーナリスト


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