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貧困スレ

1チバQ:2009/10/21(水) 21:46:08
労働運動スレより独立
非正規雇用・母子家族などなど貧困にかかわるさまざまな話題を収集するスレ
主にルポ系の記事がメインになりそうな予感

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009102002000236.html
日本の貧困率15・7% 07年 98年以降で最悪
2009年10月20日 夕刊
 厚生労働省は二十日、全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す「相対的貧困率」を初めて発表した。二〇〇七年は15・7%で、七人に一人以上が貧困状態ということになる。十八歳未満の子どもの貧困率は14・2%だった。
 厚労省は国民生活基礎調査の既存データを使い、一九九八、〇一、〇四、〇七の各年にさかのぼり、経済協力開発機構(OECD)が採用している計算方式で算出。〇七年の全体の貧困率は九八年以降で最悪、子どもは〇一年に次ぐ水準だった。
 長妻昭厚労相は同日の会見で「子ども手当などの政策を実行し、数値を改善していきたい」と述べ、同手当を導入した場合に貧困率がどう変化するかの試算も今後公表することを明らかにした。
 政府は六〇年代前半まで、消費水準が生活保護世帯の平均額を下回る層を「低消費水準世帯」と位置付け増減などを調べていたが、その後は貧困に関する調査はしていなかった。相対的貧困率は、全人口の可処分所得の中央値(〇七年は一人当たり年間二百二十八万円)の半分未満しか所得がない人の割合。
 全体の貧困率は九八年が14・6%、〇一年が15・3%、〇四年が14・9%。〇七年は15・7%と急上昇しており、非正規労働の広がりなどが背景にあるとみられる。


関連しそうなスレ
労働運動
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1114776863/l50
社会福祉総合スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1225898224/l50
農業総合スレ(限界集落もこのスレの対象かも・・・)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1060165378/l50
人口問題・少子化・家族の経済学 (母子家庭など)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1148427444/l50
文部スレ (新卒採用問題なども・・・)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1116734086/l50

286チバQ:2012/08/25(土) 21:29:07
 提言の名は「新時代の『日本的経営』」。そのなかで日経連は「雇用ポートフォリオ」の導入を勧め、人材を将来の経営幹部、専門職、そして非正規雇用の人に明確に分けた。企業が非正規雇用を拡大させることにお墨付きを与えたのだ。国は日経連を後押しし、99年に労働者派遣法を改正して派遣を原則自由とした。04年には製造業への派遣も可能になった。一方で、起業家育成や自営業の支援など、企業に勤める以外の選択肢の整備は不十分だった。その結果、正社員の門を通ることができなかった人は、非正規雇用に流れ込んでいった。

 「20代なら、そこから抜け出せるかもしれないが、40、50代になるときつい」。斎藤さんは今後、生活苦が社会不安につながっていくと断言する。

  ■

 ここに、その将来不安を示唆する数字がある。

 35〜44歳で親と同居する未婚者が295万人に達したというのだ(10年、総務省)。00年の159万人のほぼ倍。90年代、親と同居して生活費を頼り、気ままな日々を送る若者がパラサイトシングルと呼ばれたが、そんなのんきなものではない。彼らの完全失業率(11・5%)は同世代全体(4・8%)の倍以上。親の貯蓄や年金が頼みの綱になっている層が増えている。

 親はいつか死ぬ。そのとき、彼ら中高年パラサイトの多くが生活保護を受給するようになるかもしれない。斎藤さんは「生活苦の問題はまだ一軒一軒の家の中にとどまっている。いつの日か、それが表に出る。犯罪も増えるだろう」と話す。都心などの街角の風景に、生活苦の影は薄い。それは中高年パラサイトの急増が、生活苦を顕在化させないでいるにすぎない。冒頭の彼女は、パラサイトではないゆえに生活保護を頼った一人ともいえる。日本社会は、彼らを支えきれるのか。

 経済のグローバル化の波も生活苦を増幅していきそうだ。高成長を続ける中国など新興国の一部では、先進国と同じ水準の生活が始まっている。それは、穀物と原油の価格高騰(資源インフレ)に結びつき、生活必需品である食料品とエネルギーの価格を押し上げる。低所得者層や中間層の生活が一段と苦しくなる−−こう解説する第一生命経済研究所主席エコノミストの永浜利広さん(40)は「アメリカでこの現象が顕著で、生活水準の低い人のさらなる貧困化が進んでいる。日本も同じだ」と話す。

 高度経済成長で、日本は「1億総中流」の社会を実現した。その崩壊が、音をたて加速し始めている。

287チバQ:2012/08/28(火) 21:00:41
http://mainichi.jp/opinion/news/20120828ddm003100091000c.html
クローズアップ2012:「大卒」急増、求人しのぐ 4人に1人、安定職なし
毎日新聞 2012年08月28日 東京朝刊


キャリア支援センターに置かれた、生涯賃金の差を示す模造の札束。左が正社員のもので右はフリーター=福岡市東区の九州産業大学で2012年8月27日、三村政司撮影
拡大写真 文部科学省が27日発表した今年度の学校基本調査では、大学卒の4人に1人が安定した仕事に就いていないことが分かった。同省は「学生が望まぬ形で社会に出ている。改善すべき状況」とする。真面目に勉強しても「将来」が保証されない現実に、若者の苦悩は深い。「非正規」に踏み入れば「正規」への転身は容易ではなく、大学は就職活動への意識付けや離職に走らぬよう、学生啓発に懸命だ。

 ◇派遣三つ掛け持ちで生計−−国立卒25歳
 「結婚とか出産とか全然考えられない。未来の話より今日明日の暮らし。年金払えてないし増税されるし、将来不安です」

 10年に山口大人文学部を卒業した萬葉有紀さん(25)=大分県由布市出身=は今、東京都内で派遣の仕事を三つ掛け持ちする。結婚式場の配膳会社で時給1300〜1600円、単発の事務・雑務を請け負う会社で時給1000円、そして最近、デパートなどで試飲・試食カードを勧誘する時給1300円の仕事に登録した。収入は月12万〜15万円。国民年金の支払いを一時免除してもらっている。

 学費の安い国立大に入り、勉強とアルバイトに明け暮れ、真面目に生きてきた。大学3年の夏、出版や印刷業界を目指し就職活動に臨んだが「国立大なら大丈夫かも」という楽観気分は消えた。

 結局、就職は決まらずより良い職を求め上京したが、募集は非正規ばかり。今は仕事があるだけありがたい、一生懸命やれば理不尽に切られることはないだろうと信じている。

 「ぜいたくをしたいわけじゃない。若者に働く機会をください」

 ◇高卒就職の仲間うらやみ−−私立卒23歳
 今春、埼玉県内の私立大を卒業し、群馬県内の結婚式場で働く男性(23)は、時給850円で手取り月12万〜13万円。ずっと正社員だと思っていたが、最近給与明細に「アルバイト」と記されていることに気づいた。時々昇格をほのめかされることもあり、上司に嫌われたくなくてきちんと聞けないでいる。

 就活はブライダル関連の5社しか受けず全敗。焦っていた時、友人に今の職場を紹介された。「結婚式場で働けると飛びついたが、この給料。結婚とか無理」。高卒で就職した同級生がうらやましい。「お金をかけて大学に行った意味がなかった。リーマン・ショックがなければ違ったかもしれないが」

    ◇

 「大卒」の持つ意味は変容した。学校基本調査によると、バブル期の90年度の大学進学率は24・6%だったが、11年度は51%。大学進学者は単純計算で10万人以上増え、大学数も507校から780校に激増した。不況や企業の厳選採用で求人は減り「大学を出れば職がある」という親世代の常識は通用しない。

288チバQ:2012/08/28(火) 21:01:50
 法政大キャリアデザイン学部の児美川孝一郎学部長によると、就職してもリストラされたり、サービス残業や過労死ライン寸前の長時間労働が常態化している「ブラック企業」を辞め、その後非正規雇用を繰り返す人も多い。大卒でも企業が求める能力に達しない学生も少なくない。「使い捨てにされないようスキル向上を目指してほしい。労働に関わる仕組みを社会が抜本的に見直す時期だ」と児美川学部長は指摘する。【戸嶋誠司、鈴木敦子】

 ◇意欲アップに大学躍起
 九州産業大(福岡市)のキャリア支援センターの入り口に並んだ、大小二つの模造1万円札の山。それぞれに「正社員2億3100万円」「フリーター7600万円」と掲示がある。正規・非正規雇用を生涯賃金で比較した“シューカツ教材”だ。

 同センターの田中勝彦事務部長は「安定的な雇用の職に就くことを啓発するのが狙い」と説明する。九産大の就職率は約65%で全国平均よりやや高いが、危機感は強い。学校基本調査について「毎年10万人以上が安定的な雇用に就いておらず、深刻だ」と受け止めた。

 就職意識の問題を指摘する声もある。東洋大就職キャリア支援部の深野弘美部長は「社会で働く意識が弱い。やりたいことが見つからない学生が多い」と話す。

 個別支援に力を入れる東洋大では、非正規雇用を選ばせないために、学生の意識改革に懸命だ。雇用条件による生涯賃金の差や非正規の場合は昇進できないケースが多いことも伝える。正規採用されたものの、残業が多いとか、仕事が思ったものではなかったなどの理由で退職し、相談に訪れる卒業生も。深野部長は「もう少し粘ればと思う理由で辞めるケースもあり、繰り返さぬように指導している」という。

 一方で、大学と学生が危機感を共有し、悪条件を克服しつつある大学もある。

 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市にある石巻専修大。例年90%台の就職率を保ってきたが、震災直後の昨春、約80%に落ち込んだ。地元企業の採用枠が激減する中、“原則正規雇用”を貫いた。専修大(東京)を支援拠点とし、就職活動のバスツアーを行うなど首都圏での就職支援に力を入れ、学生も就職先の希望を地元から首都圏まで広げた結果、今春は90・7%まで回復した。石巻専修大は「非正規雇用には就かせないよう指導している」という。

       ◇

 総務省の07年就業構造基本調査によると、正規からの転職先は正規が63・4%、非正規が36・6%だが、非正規からの転職先では正規が26・5%、非正規が73・5%。非正規から正規採用へのキャリアアップがいかに難しいかを示す。

 就職情報大手「マイナビ」の栗田卓也HRリサーチセンター長は「正社員の方が、研修を受けたり、職務経験も豊富と判断され、一般的に転職には有利」と話す。12万8000人余りの「不安定層」の中で約2万2000人が「非正規」であることについて「大企業が契約社員を正社員枠に切り替えている中で、この人数は多い印象だ。実態の分析が必要だろう」としている。【三木陽介、苅田伸宏、須藤唯哉、福田隆】

289チバQ:2012/08/29(水) 23:56:05
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012082800817
65歳まで継続義務化=高齢者雇用法改正案、29日成立
 参院厚生労働委員会は28日、60歳などで定年を迎えた社員のうち、働きたい社員全員の65歳までの継続雇用制度の導入を企業に義務付ける高年齢者雇用安定法の改正案を民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決した。29日の参院本会議で可決、成立する見通し。2013年4月に施行する。
 改正案は、企業が継続雇用者を労使協定で定めた基準で選別できる現行の仕組みを廃止。現在60歳の厚生年金の支給開始年齢が、13〜25年度に段階的に65歳まで引き上げられることを踏まえ、年金も仕事の収入もない状況が生じるのを防ぐ。
 ただ、企業の負担軽減に向け年金支給開始年齢の移行期間中は、65歳より前に年金を受け取れる場合は、現行の仕組みを引き続き適用することを容認。継続雇用先の範囲は、現行の定年を迎えた会社と子会社から、グループ会社全体に広げる。(2012/08/28-18:37)

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290チバQ:2012/08/30(木) 01:51:17
http://mainichi.jp/feature/news/20120828ddm013100022000c.html
生きられる社会へ:生活保護の今 最低生活費知り相談を 病気、リストラ……所持金ゼロになる前に
毎日新聞 2012年08月28日 東京朝刊

 国が定める「最低生活費」を知っている人はどれぐらいいるだろうか。収入が最低生活費を下回る場合は生活保護を受給できる。さいたま市で生活困窮者の支援をするNPO法人「ほっとプラス」の藤田孝典代表理事に、最近目立つ相談事例と、最低生活費の計算例を聞いた。【山寺香】

 ◇ケース1 職場のうつ
 30代の女性は事務職の正社員として働いていた。独身で月収は手取り約22万円。数年前にローンを組んでマンションを買ったが、その後上司のパワハラを受けてうつ病になった。出社できずに死を思い詰めるまでになり、退職せざるを得なくなった。

 退職金をローンの返済にあてたものの、約3000万円のローンが残った。返済が滞ってマンションは競売にかけられた。生活費も底を突いた。売却が決まるまでの間、生活保護を申請した。両親に虐待を受け、頼れる親族もいない。

 藤田さんは「3〜4年前から、若い世代で精神疾患を抱える人の相談が増えている。住宅ローンを抱えた人の相談も目立つ」と話す。

 この女性が月どのぐらい受給できるか、保護基準に基づいて最低生活費を試算した。地域で基準が違うので、ここでは最も物価が高い地域「1級地−1」(東京都の区市部、さいたま市など)の基準を用いた。

 (1)生活扶助【1類】(主に食費や衣料費)4万270円+【2類】(光熱水費、家具、家事用品など)4万3430円=8万3700円(2)マンションを売却して賃貸住宅に移った場合の住宅扶助(家賃の実費相当)4万5000円。保護費の月額は(1)+(2)で計12万8700円になる。マンションが売れてもローンを完済できない場合は、自己破産の可能性もある。

 ◇ケース2 リストラ
 大手企業の管理職だった50代男性は1000万円以上の年収があったが、ある日会社から「子会社に出てくれ」と言われた。事実上のリストラだった。収入は半減し、妻との関係が悪化して離婚。自宅や貯金は慰謝料として妻に渡し、1人でアパートに転居した。2人の大学生の息子の学費も負担した。職場に居場所がなく退職。ストレスからアルコール依存になった。

 その後アパートの家賃を滞納して追い出され、ネットカフェ暮らしに。日雇いのアルバイトで半年ほど過ごしたが肺炎で働けなくなり、路上生活をしていた。肺炎が悪化してほっとプラスに相談に訪れ、すぐ入院した。藤田さんは「もっと早い段階で受給が可能だったが、『若いから生活保護は受けられない』と思い込んで相談が遅れた。まじめな中高年男性ほど自分を責め、プライドが邪魔して助けを求められない人が多い」と話す。

 この男性の受給額は(1)生活扶助【1類】3万8180円+【2類】4万3430円=8万1610円(2)住宅扶助4万7000円(実費)。(1)+(2)=12万8610円。

 男性は、生活保護を受け1年療養、マンションの管理人の職を得て自立した。

291チバQ:2012/08/30(木) 01:52:05
 ◇ケース3 母子家庭
 40代後半の女性は、専業主婦として2人の子どもを育ててきた。しかし夫婦仲が悪化して離婚し、子ども2人を引き取った。夫から数百万円の慰謝料が支払われたものの養育費の約束は守られず、夫の行方も分からなくなった。障害を持つ10代の娘は高校には行かず、自宅で介助が必要だ。その合間を縫って清掃のパートに週3日通ったが収入は手取り約10万円だった。生活をぎりぎりまで切り詰めたが、所持金が2000円を切り、一家心中まで考えたところでほっとプラスに相談した。

 「少しでも収入があると生活保護を申請できないと思い込んでいる人が多いが、そんなことはない」と藤田さん。この女性の場合、収入約10万円から勤労控除約2万3000円を除き、最低生活費から引いた額が支給される。

 (1)生活扶助【1類】3万8180円(母親分)+4万2080円×2(子ども2人分)+【2類】5万3290円(3人世帯)=17万5630円(2)住宅扶助5万5000円(実費)(3)教育扶助(中学生の長男分8510円+実費)(4)障害者加算2万6850円(5)母子加算2万5100円(6)児童養育加算1万円。

 教育扶助の実費支給分を除いた(1)〜(6)の合計は計30万1090円。ここから収入を差し引いた額が支給される。

 藤田さんは「所持金がゼロになるまで我慢し、相談に来た時はすでに生きる気力を失っている人も多い。そうなる前に申請した方が、再出発しやすい。申請がうまくいかない時は弁護士や司法書士、社会福祉士、支援団体に相談してほしい」と話す。

 ◇要件満たせば、原因問わず
 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定する憲法25条の理念に基づき、要件さえ満たせば、すべての国民は無差別平等に保護を受けることができる。困窮の原因は問われない。

 申請は全国の福祉事務所で受け付けている。市役所や分庁舎内にあることが多い。担当部署は「福祉課」「保護課」「社会福祉課」などの名称だ。

 申請すると14日間の調査期間が設けられ、ケースワーカーによる家庭訪問▽預貯金、保険、不動産などの資産調査▽扶養義務者に扶養が可能かどうかを確認する通知の送付(DV被害者など特別な理由は除く)▽年金や収入などの調査▽就労できるかどうかの調査−−などが実施される。申請から原則2週間以内に受給の可否を決定する。

 生活保護法24条は「申請があったときは保護の要否、種類、程度と方法を決め、申請者に書面で通知する」と定めているので申請を受理しないのは「保護申請権」の侵害とみなされる。しかし実際、申請の意思を持つ人を窓口で追い返したり相談扱いにして受理しなかったりと「水際作戦」が多く報告されている。

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 ■生活保護の8種類の扶助

(1)生活扶助

  1類=食費、衣料費など

  2類=光熱水費、家具、家事用品など

(2)住宅扶助 家賃、補修費など

(3)教育扶助 義務教育で必要な学用品など

(4)医療扶助 医療費、通院費など

(5)介護扶助 在宅介護費用、介護施設入所費用など

(6)出産扶助 出産のための費用

(7)生業扶助 就労に必要な費用、高校就学費など

(8)葬祭扶助 葬儀に必要な費用

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 ◇最低生活費
 憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を営むのに必要な費用。生活保護はこれを下回る収入の世帯に支給される。生活保護法で定める8種類の扶助を組み合わせて計算する。

292チバQ:2012/09/07(金) 23:18:26
http://mainichi.jp/feature/news/20111231mog00m100009000c.html
リアル30’s:働いてる?(1)歯車には ならない
2011年12月31日
平日の夜、ポルトガル語を教える美晴さん。「今この瞬間こそが幸せ」=東京都千代田区のブラジルレストランで、木葉健二撮影
拡大写真 ◇仕事はする。自分のために 
 「キ・オーラス・サォン?」(何時ですか)。東京・有楽町のブラジルレストラン。都内の大手企業に勤める美晴さん(33)が声を上げる。男女の生徒10人が一斉に時刻を答えると、「イッソ!」(その通り)。週に1度のポルトガル語教室。ここでは会社員ではなく講師だ。

 ボサノバから入り、ブラジル好きが高じてポルトガル語にはまった。日系ブラジル人が多い群馬県大泉町に住んで働いたこともある。日本とブラジルの交流団体「キモビッグ」を作り、昨年6月から語学教室を始めた。講師は無償だ。

 昼間の仕事はブラジルにすべてをつぎ込むための手段。だが、手は抜かない。猛烈に働いて5時半には会社を出る。「早く帰りたいから、すんげえがんばる。トイレに行くヒマも惜しい」

 でも9時から5時、私は「死んでる」し、ブラジルにかかわる時間以外は、私は私じゃない。「私のアイデンティティーはキモビッグ。少なくとも会社の仕事じゃない」

     ◇  ◇ 

 社内政治に興味はない。でも「フェイスブック」で必要な友だちとはつながっている。

 都内の広告代理店で働く32歳のサトルさん(仮名)は、昼が近付くと資料を広げて忙しさを演出する。そろそろ先輩が誘ってくるころだ。

 「ご飯行く?」「すみません、手が離せなくて」。先輩を嫌いなわけじゃない。行けばたわいのない話で盛り上がる。でも、意味を感じない。「社内でコネ作って、何のメリットがある?」

 大卒で東証1部上場のITサービス会社に入った。「歯車として働き、歯車として終わりたくない」と4年で退職。次のコンサルタント会社も「寝る間を惜しんで働くほどの仕事か」と、4年で辞めた。

 思春期直前にバブル経済が終わった。それから日本はずっと不況。いい思いをしたことはない。仕事を始めて、ベテラン世代があっさりクビを切られる姿も見てきた。

 「『継続は力なり』って言われても、力になってないじゃんって。会社を出た時にどうやって食っていくか、いつも考えてる」

 200社受けて、今の会社に契約社員として採用された。仕事は面白くやりがいもある。望めば正社員登用試験も受けられる。だが、この会社で自分は満足か。2年目に入ったが、10年後、20年後をイメージできない。居場所としての「職場」は要らない。「夢は在宅勤務。今の仕事なら、全然できると思うんだけどね」

     ◇  ◇ 

 マークシートの(2)をひたすら塗りつぶす。会社に受けろと言われたTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)。解答づくりの単純作業が恨めしい。海外勤務に興味はない。

 メガバンク総合職、29歳のマキコさん(仮名)は都内の支店で法人営業をしている。私立大経済学部を07年に卒業、入行した。

 仕事は忙しい。午前7時半に出勤。外回りを終えて午後5時に職場に戻り、遅くまで書類を作る。家に帰ると日付が変わっていることも。営業成績は上位だ。「仕事は好き。ちゃんとやりたい。若手でも社長に会えるし、業界を広く見られるし」−−ただし、会社の評価が自分のすべての価値とは思わない。

 どう働くか自分のルールがある。仕事に本気なのに、そう見られたくないので格好はわざとちゃらく、髪は明るい茶色。仕事がやりやすくなるなら上司と酒を飲み、たばこを吸って距離を縮める。「私はガチで生きてる。かなり不器用に、したたかに」

 ここ数年、摂食障害で体調が悪く、一時休職。昨秋に復職し、病気も公表した。病気を治して同じ場所に戻ることが自分なりのけじめ。「病気は悪いことじゃないでしょ。『こういう病気を公表して、堂々と成績上げてやればいいんだ』と思ってる」

 自分なりにがんばるが、「無理しろ」と言われてもしない。そう言った人はたぶん責任を取ってくれない。「がんばる」と「無理する」は絶対、別と思う。

293チバQ:2012/09/07(金) 23:18:57
 今の時代は生きづらい? 「すごくそう思う。年間自殺者3万人って、未遂はもっといるってこと。ちょっとした戦争状態。私もみんなも、その時代を必死に生きてて。それを人ごとと思って漫然と生きてる人たちの想像力のなさは、超つまんない」

 会社の目標より、自分のペース。TOEICは990点満点で190点だった。

【鈴木敦子、水戸健一】

     ◇  ◇ 

 「失われた20年」に青春期を過ごした世代が今、30代を迎えている。仕事、結婚と岐路に立たされる年齢だが、社会は閉塞(へいそく)感に覆われ、どんどん生きづらくなっている。誰のために、何のために働き、生きるのか−−懸命に考え、悩み、迷う30’sを追う。=つづく

 ◇「生きづらさ」最も感じる世代
 30代(30〜39歳)の人口は約1800万人。総人口の約14%を占める(2010年国勢調査)。思春期〜青年期がバブル崩壊以降の「失われた20年」と重なり、「生きづらさ」を最も感じている世代とも言われる。

 その大きな理由が「仕事」。1993〜2005年は就職氷河期とされ、不況で企業が新規採用を抑え、労働市場からはじかれる若者が急増した。00年代前半には派遣労働規制が大幅に緩和され、正規雇用の職に就けなかった現在の30代前半の若者の多くが、低賃金で不安定な非正規の職に就かざるを得なくなった。その後も、経済のグローバル化や円高などが進み、従業員を正社員から非正規に置き換えたり、非正規雇用労働者の雇い止めや解雇が起きた。

294チバQ:2012/09/07(金) 23:20:38
http://mainichi.jp/feature/news/20120102mog00m100002000c.html
リアル30’s:働いてる?(2)会社員になりたくない
2012年01月02日


思い思いの服装で働く社員たちを見守る丸幸弘社長(手前)。「うちの会社は理系のオタクばかり」=東京都新宿区で2011年12月21日、岩下幸一郎撮影
拡大写真 ◇「面白いこと」求めて起業 
 毎朝7時に家を出て、帰宅は深夜。土曜日は一日中眠り続け、日曜の夜に深いため息をつく−−。科学教育事業のベンチャー会社「リバネス」(東京都新宿区)社長の丸幸弘さん(33)が見てきたサラリーマンの父の姿だ。「会社員にはなりたくない」と思った。

 薬科系大学で学んだ。在学中はバンドの活動に熱中。3年の秋、仲間のリクルートスーツ姿に怒った。「お前ら、ロックに生きるって約束はどうなったんだよ」「そうは言ってもよ、働かなきゃいけないんだぜ」

 周囲は製薬会社に就職を決めていく。それでも一人動き出せなかった。人事担当者にペコペコして「御社で一生働きたい」なんてウソでも言えない。結局大学院に進み、寝る間も惜しんで顕微鏡をのぞき続けた。

 2000年代初め、学生ベンチャーブームが起きた。博士課程在籍中。「何か面白いことをしたいよね」と他大学にも声をかけ、15人が集まった。02年、「リバネス」を設立し、代表に就いた。「ソニーもホンダも、最初は気の合う仲間で始めた。なら、おれにもできるじゃん」

 バブルを知らない自分たちは景気が良かったことを知らない。1世代上の「先輩」経営者はIT景気の波に乗り、バブルを再現しようとしていた。でも、「僕たちは金もうけに興味がなかった。夢を仕事にしたいだけ」。

 看板事業は中学や高校への出前科学教室。地道に全国の学校を回った。紫キャベツを使った太陽電池、ホタルの光の再現、遺伝子組み換え実験……手作りのキットで科学の面白さを伝えた。07年には「宇宙教育プロジェクト」を開始。植物の種をスペースシャトルで国際宇宙ステーション(ISS)に運び、帰還後に小中学生と育てている。種が戻る前に紛失し、ニュースになったことも。

 今も「会社サークル」のようだ。社員は平気で社長に盾突く。社長は社員をニックネームで呼ぶ。でも創業から10年、右肩上がりで成長し、15人だった社員も約40人になった。

 社内で決めていることがある。「がんばってるね」と絶対に言わない。「がんばって一生食っていけるならがんばりますよ。でも今は、がんばってもメリットはない。そもそも、僕らの世代は食うことが目標じゃない。自分が面白がって、オタク的にやったことに対して『へえ、おもしれえじゃん』と言われたいだけ」

 がんばらないが猛烈に働く。徹夜もするし、休みなしで1カ月働くこともある。「オタクですよ僕らは。好きなことだから、働かされていると思ってない」

295チバQ:2012/09/07(金) 23:20:49
     ◇  ◇

 入社式の前日、内定していた大手旅行代理店に辞退を告げた。決意は固かった。

 都内のウェブ制作会社社長、33歳のケンジさん(仮名)は学生時代、バックパックを背負ってアジア各地を旅した。大学4年の時はタイに留学。1年後に帰国し、遅れた就職活動でも人気企業をあっさり射止めた。

 数年働いて独立するつもりだった。会社は腰掛け。その間に海外赴任を−−。だが、入社前の研修で「簡単に海外には行けないよ」と言われ、萎えた。

 職場を見学した。社員はずっと電話に張り付き、航空券の予約に追われていた。延々と同じ作業。疲れた表情が印象に残った。下積みの時間がもったいないと感じた。

 「うまくやってはいけそうだったが、歯車になりそうで。いったい何を学べるのか見えなかった」

 小さな広告代理店に入って仕事を覚え、4年後に中学の同級生と2人で会社を起こした。場所は秋葉原。ウェブ制作を請け負いながら、萌(も)え系カフェも経営する。08年の無差別殺傷事件で業績は一時落ち込んだが、今は持ち直した。

 もしタイに行かなければ、素直に会社員になっていたと思う。活気に満ちたアジアを見た後、みんなと同じ流れに乗れなくなっていた。よく、タイ人の妻が言う。「日本はどんよりしてる。みんな楽しそうじゃないね」。自分もそう思う。「会社員、しんどそうですもん。心も体も病気になるまでがんばるって何だろうって」

 ディスコ、キャバクラで遊んで、何でも買えた世代に比べて、地味に生きていると思う。家でフェイスブックをして友だちと遊んで、それで十分。「いい車に乗りたいとかも思うけど、今の働き方を変えてまで手に入れたいものじゃない」【鈴木敦子、戸嶋誠司】

=つづく

 ◇「定年まで勤めたい」 時代で差
 「定年まで勤めたい」時代で差 財団法人・日本生産性本部は1969年から、企業の新入社員を対象に「働くことの意識調査」を実施し、「同じ会社でずっと働きたいか」という質問を設けている。新人が「定年まで勤めたい」と答えた割合から、時代性をうかがうことができる。

 今の30代が新人だった90年代と00年代前半は、10〜20%台と低い水準。一方、11年春入社の新人は過去最高の34%だった。93〜05年は有効求人倍率が1を切る「就職氷河期」。雇用状況は厳しかったが、それが長く続くとは思われていなかった。新人が「会社に縛られたくない」という意識を、まだ持つことができた時代だったと見ることができる。

296チバQ:2012/09/07(金) 23:21:27
http://mainichi.jp/feature/news/20120103mog00m100006000c.html
リアル30’s:働いてる?(3)使い捨ていつまで
2012年01月03日


失業中の32歳の男性。ストレスから左耳が難聴になった。歩道橋から見える団地の明かりがまぶしい=東京都内で、戸嶋誠司撮影
拡大写真◇派遣転々…身も心もボロボロ

 「何とか就職できたよ」−−昨年秋の高校の同窓会。近況報告でとっさにうそが出た。同級生は働き盛りの会社員や公務員。仕事の苦労も楽しそうに語り合っていた。

 横浜市で1人暮らしの31歳のダイスケさん(仮名)は今、生活保護を受けている。派遣切りに遭い、仕事が見つからないままもう2年がたった。

 埼玉県の私立高を99年に卒業。家計が苦しく進学できなかった。フリーターになり、ファミレスで週5日のアルバイト、うち2日はコンビニと掛け持ちした。多い日は1日14時間働いた。それでも月収約13万円。

 8年目、長時間労働がたたって体を壊し、アルバイト生活をやめた。だが、正社員の面接を受けても不採用が続く。履歴書の資格欄はいつも「なし」。運転免許すら持っていない。

 専門学校に行く学費を稼ごうと、派遣労働者になった。製造業派遣が解禁された頃。フリーペーパーの求人に「月収30万円!」「入社祝い金もあり」と景気のいい文字が躍っていた。

 初めての派遣先は自動車組み立て工場。1週間で後悔した。諸経費と寮費を引かれて手取りはわずか月10万円。学費などたまらない。自分が何の部品を組み立てているかも分からず、やりがいを持ちようがなかった。

 働く仲間は40〜50代の元正社員。「バブルの頃はよかった」「パチンコ行くから残業代わって」と、だらしなく映った。「俺が正社員だったらまじめに働いていたぞ」。生まれた時代を呪った。

 リーマン・ショック翌年の09年秋、派遣先を解雇された。年始に寮を追い出され、とうとう生活保護を申請した。月13万円を受け取る。

 ハローワークで職を探す毎日。履歴書の写真代や面接の交通費が響き、月に3、4日は3食を抜く。面接までたどり着ける会社は多くて月に5社。「また『ご縁がなかった』という言葉を聞かされるのかと思うと緊張して眠れない。心はとっくに折れた」。唯一の楽しみは子どもの頃から買い続ける「少年ジャンプ」。1週間、繰り返し読む。

◇  ◇ 

高速道路の中央分離帯に激突しそうになり、あわててハンドルを切る。心臓がバクバクし、冷や汗が流れた。しばらくするとまた、まぶたが重くなる。

 09年までの約3年間、関東地方の運送会社でトラック運転手として働いた31歳のコージさん(仮名)は「1日の睡眠は2、3時間。いつ大事故を起こしてもおかしくなかった」と振り返る。

 午前5時出社。7時に東京都内の配送センターで荷物を受け取り、午後9時ごろまで関東一円の工場に部品を運ぶ。月収は手取り約20万円。残業代もボーナスもなかった。友人の葬儀のため休みを申し出ると、上司から「サボりたいだけだろ。嫌なら辞めろ」と言われた。

 高校卒業後、都内の職業訓練校に通った。金属加工会社に就職したが、「違う仕事も経験したい」と再び職業訓練校に。ところが体調を崩して中退。約1年半の休養後は、建設作業や警備員、引っ越し、代行運転手、日雇い仕事で食いつないだ。

 プリンター工場や自動車部品工場の派遣も経験したが、休日出勤を断ると嫌がられ、半年で契約を切られた。26歳で飛び込んだトラック業界は、ようやく見つけた正社員の職だった。

 だが不況で業界はコスト削減に追われ、ドライバーにしわ寄せがきた。「高速道路は使うな」と指示され、荷待ちや車両点検の時間は勤務外と見なされた。得意先の配送センター社員は王様みたいに振る舞った。それでも愛想良くしないと、会社が契約を切られる。

297チバQ:2012/09/07(金) 23:21:52
 一般道を時速100キロで飛ばし、食事やトイレもがまんした。事故より、遅配による上司のしっ責におびえた。居眠り運転は日常茶飯事、信号無視もした。

 大学を出ていればと何度思ったか。でも「自分みたいに選択肢がない人間は、クズみたいな使われ方でも続けるしかない」。運転中に追突され、持病の腰痛が悪化して退職した。傷病手当ももらえなかった。

 運送会社の次に就いた仕事も長時間残業が当たり前。昨年夏、うつ病と診断されて辞めた。失業保険は1月半ばに切れる。

 いつまで使い捨てなんだろう。「もうすぐ自分もああなるのかな」−−視線の先には、寒風が吹く公園で背を丸めるホームレスがいる。真冬の路上生活は死と隣り合わせだ。「普通に働いて、普通に眠って、普通に食べられる生活をしたい」。途切れがちの声が冬空に吸い込まれていく。【水戸健一、鈴木敦子】

=つづく

◇非正規雇用25〜34歳の4人に1人

 25〜34歳の非正規雇用率は、1991年は約10人に1人(10.9%)だったが、2010年は約4人に1人(25.9%)となった。男性の非正規雇用労働者(全年齢)の6割は年収200万円未満で、生活保護の受給水準よりも低い「ワーキングプア」になっている(総務省調べ)。

 一方、生活保護の受給者は11年9月時点で過去最高の206万人。09年のデータでは、働き盛りの30代の受給者が約11万2000人と00年の約1.9倍になり、全体の伸び率(約1.6倍)を上回った(厚生労働省調べ)。

298チバQ:2012/09/07(金) 23:23:25
http://mainichi.jp/feature/news/20120104mog00m100021000c.html
リアル30’s:働いてる?(4)入社2カ月解雇通告
2012年01月04日


30代が多く参加した反貧困イベント。「いつか私もそうなるかも」−−同世代の苦境はひとごとではない=東京都港区で2011年12月9日午後8時20分、三浦博之撮影
拡大写真 昨年の秋も深まったころ、突然、上司に呼ばれた。「余裕があるみたいだね。今年は大きな仕事をしてないよ」−−穏やかな口調が不気味だった。小さな出版社に入社して2年目の30歳のマコトさん(仮名)。繁忙期に定時で帰ったのが気に障ったようだ。「またクビになるかも」と不安がよぎる。 

 早稲田大在学中に演劇にのめり込み、就職活動をしなかった。04年に卒業後は飲食店のアルバイトで食いつなぎ、しばらくしてコールセンターの仕事を始めた。時給制のアルバイトで手取り月16万〜17万円。その後、契約社員になったものの、不安定な仕事から逃れようと初めて就職活動に臨んだ。

 就職あっせん会社に登録した。だが、50社申し込んで面接にたどり着けるのは半分。「演劇に打ち込んだので就職活動をしませんでした」と話すと、面接官は冷ややかにほほ笑んだ。好きなことやって就職の機会を捨て、調子のいいこと言ってるねえ−−そんな声が聞こえた気がした。

 結局、正社員をあきらめ、06年に派遣会社に登録。ところが、派遣切りが始まった。09年夏に派遣先の契約が前倒しで打ち切られ、派遣会社の支店待機に。会議室に派遣30人が集められ、パソコンに向かって自習を命じられた。外出も居眠りもだめ。このまま会社に残っても給与は出ないと言われ、退職した。身勝手なのは自分か会社か、分からなくなった。

 両親はバブルのころ、関東近郊に家を買って多額のローンを抱えた。都心から遠くて住みにくく、借り手も見つからず、結局手放した。年金から今もローンを返済する。親子でマンションに暮らすが、余裕のない両親に代わってマコトさんが家賃を払う。「何で俺がバブルのツケを払うのか」

 今の出版社では正社員。最近は進んで残業もする。休日出勤も多い。「いつクビになるか不安。また惨めな就職活動はしたくない」−−向かいの席に座る上司の一挙手一投足が気になる。

◇  ◇ フリーターやネットカフェ難民に比べたら「自分はまだまし」と思っていた。

 01年3月、34歳のケンジさん(仮名)は学習院大を卒業した。就職先は従業員約500人の自動車部品メーカー。経理部で働いた。

 08年、リーマン・ショック直後に年齢を問わないリストラが始まった。数年前、元請け会社の業績悪化のあおりを受け、中高年は一掃されたあと。31歳だったケンジさんにも希望退職の声がかかった。

 会社に残りたいと言ったら、工場に異動させられた。塗装ラインでひたすらバンパーを上げ下ろしする肉体作業。強硬な説得に負けて、結局退職した。8年勤めた退職金は100万円。東京・日比谷公園に派遣村ができてしばらくたった頃。若手の正社員ですら簡単に職を失う時代が来たと思った。

 再就職を目指し、失業給付を受けながら簿記2級の資格を取った。「当時はまだ大丈夫と思ってた。大学を出て、正社員を8年して、簿記を持ってて、何とかなると」−−現実は甘くなかった。

 転職サイトに「製造業・正社員・事務職」で登録したが、応募しても書類ではねられる。100社に応募し面接に進めたのは10社。転職サイト担当者は「年齢の割に薄い職務経歴、1年のブランク、職務経歴のアンマッチ」を理由に挙げた。

 ようやく内定をもらった都内の食品会社。年収は約400万円。一生懸命働こうと思った。しかし、入社1カ月後に採用担当者に呼び出された。「こんな好待遇なのにさ、あなたそれに見合う能力がないよ。会社が求める10分の1も働いてないじゃないか」

 2カ月目、別室で「解雇します」と通告された。離職票には「能力不足」の文字。何が足りなかったのか、今も分からない。現在は関東地方で団体職員として働いている。

299チバQ:2012/09/07(金) 23:23:38
◇  ◇ 昨年12月9日夜。勝ち組の象徴と呼ばれた六本木ヒルズそばの雑居ビル地下に、20〜30代の若者が次々集まった。若者の労働・貧困問題に取り組む「反貧困たすけあいネットワーク」がクラブを借り切って開いたイベント。代表で、首都圏青年ユニオン書記長でもある河添誠さんは「もう8回目。あえて六本木でやるのがおもしろいでしょ」と笑う。

 専門家のトークと、食事や酒を楽しむ。厳しい日常の中のささやかな息抜き。過労死寸前の働き方や貧困にあえぐ若者への共感が会場を包む。「いつ自分がそうなるか分からない」−−30代の実感だ。

【水戸健一、戸嶋誠司】=つづく

 ◇バブル崩壊若手の雇用直撃
 総務省の労働力調査によると、11年1月の25〜34歳の完全失業率は6.4%。全年齢の平均値(4.9%)と比べても厳しい。就職氷河期(93〜05年)が始まる直前の92年1月では、25〜34歳が2.4%、全年齢の平均値が2.1%とほとんど差はなかった。バブル崩壊以降、働き盛りの25〜34歳を取り巻く雇用状況は激変した。

 また、10年の同調査によると、勤め先や事業の都合で職を失い、求職中の人は102万人。07年の59万人から急増している。

300チバQ:2012/09/22(土) 10:57:26
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120915/trd12091522510014-n1.htm
生活ギリギリ、母子家庭の年収291万円 「正社員なんて無理」非正規増加
2012.9.15 22:50 (1/2ページ)
 厚生労働省が5年に1回行っている全国母子世帯等調査の最新結果で、母子家庭の平均年間収入は291万円と、子供のいる世帯の平均所得(658万円)の44・2%にとどまることが判明した。前回調査に比べ、非正規雇用の割合が増加しており、ひとり親への経済支援や就業促進策充実を求める声が上がっている。

 4年前に夫と離婚した埼玉県の女性(42)は、3歳の娘を1人で育てながら都内で事務職の派遣社員として働いている。

 夫との約10年間の結婚生活で埋められない溝ができ、離婚を話し合い始めた直後に妊娠が判明した。

 「38歳という自分の年齢を考え、離婚しても産みたいと思った」

 決意が揺らがないよう、安定期に入った後に夫へ妊娠を告げ、その後、離婚が成立した。

 派遣先には産後2カ月で復帰した。「それが限界と言われた」。月々の収入は給与や児童扶養手当などで約20万円。家賃、保育園料、職場への交通費などを払うと手元にはほとんど残らない。「面接に行くと『子供はどうするのか』と聞かれ、正社員の仕事なんて特殊技能でもない限り無理」。子供をきちんと進学させられるか、不安は尽きない。

 「厳しい経済状況下、ひとり親として一人二役を担うことが就労面に大きな影響を与えている」。調査を行った厚労省は分析する。

 今回調査によると、平成23年11月1日時点で母子家庭は推計123万8千世帯、父子家庭は22万3千世帯。職を持つ母子家庭は80・6%と、前回調査の18年度に比べ3・9ポイント減少した。

 形態別では、正規雇用が前回比3・1ポイント減の39・4%だった一方、パートやアルバイトなど非正規雇用は同3・8ポイント増の47・4%と半数近くを占めている。

 父子家庭も平均年間収入は455万円と平均的世帯の7割弱だ。生活保護や各種手当、元配偶者からの養育費などをのぞいた就労だけになると、母子家庭が181万円、父子家庭が360万円にまで減少する。

 NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の大矢さよ子理事は「少子高齢化社会で、1人で子供を育てている親を支えることは日本の将来にとっても大事なこと」と指摘。「資格取得のサポートなど、収入があがるような支援策を国はもっと手厚く行うべきだ」と話している。

301チバQ:2012/09/29(土) 17:48:16
http://mainichi.jp/select/news/20120929k0000m010100000c.html
生活保護:「アメとムチ」 厚労省案、安全網後退の懸念も
毎日新聞 2012年09月28日 22時56分(最終更新 09月29日 00時09分)
 厚生労働省が28日公表した生活保護制度の見直し素案は、就労意欲を促すための加算金創設など「アメ」の部分と、審査の厳格化という「ムチ」の両面で従来より踏み込んだ。ただ、就労促進の実を上げるにはきめ細かい支援が不可欠だ。この前提が崩れれば厳格化だけが強調され、「最後のセーフティーネット」としての機能が後退しかねない。

 働く意欲がある人への加算、賃金を得れば保護費が減額される仕組みの緩和−−。受給者に働くことを強く促す素案に対し、実務を担う自治体側の委員は28日の社会保障審議会の部会で方向性に賛意を示した。ただ、実効性には疑問も残る。

 例えば今回の目玉、加算金創設も、何をもって「働く意欲がある」と評価するかは示していない。厚労省は採用面接を受けた回数などを想定しているが、あるケースワーカーは「外形的なアリバイはいくらでも作れる」と打ち明ける。

 厚労省が就労支援に力を入れるのは、保護費を減らせると踏むからだ。同省は、保護を受けずに正社員となり納税する側に回れば、1人当たり生涯で9000万〜1億6000万円が浮くと試算している。それでも09年に就労支援を強化した大阪市では、支援を受けた受給者の2%程度が保護から抜けただけ。同日の部会で高知市長の岡崎誠也委員は「相当な財源と人員が必要だ」と指摘した。

 一方、審査の厳格化には、現場を知る人たちから批判が上がる。象徴的なのは、働かない人への支給を厳しくする案だ。「労働意欲がない」と一律に判断するのは難しく、同部会委員でNPO法人「ほっとプラス」の藤田孝典代表理事は「生活保護法が掲げる『無差別平等の原理』に反する恐れがある。ゆがんだ解釈をするケースワーカーが横行するのではないか」と懸念する。

 実際、自治体の現場担当者は「国が『厳格化』にお墨付きを与えた意味は大きい。餓死者が出ても自治体が矢面に立たず、国の責任にできる」と話し、これを機に生活保護を絞る自治体が出てくる可能性を指摘する。【鈴木直、遠藤拓】

302チバQ:2012/10/09(火) 22:38:48
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121008-00000002-fsi-bus_all
希望退職者に厳しい現実「まさかこの歳で…」 製造業の雇用受け皿喪失
SankeiBiz 10月9日(火)8時15分配信

主な国内工場の閉鎖・縮小の動き(写真:フジサンケイビジネスアイ)

 半導体や電機など、かつて日本経済を牽引(けんいん)した製造業で国内工場の閉鎖や縮小が相次いでいる。円高や海外メーカーの台頭などの理由から収益が圧迫され、経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスとシャープだけでも国内の早期希望退職者数は1万人規模に達する。さらに工場縮小の動きが他の製造業に広がれば、日本経済への打撃はかつてない規模となろう。不安を隠しきれない各地の表情を追った。

 「まさかこの歳で就職活動をするとは…」。9月25日、山口県宇部市のアシストハローワーク(臨時就職相談所)を訪れた46歳の男性はため息混じりに話した。

 男性は高校を卒業後、NEC山口(現ルネサス)に入社。以来、同社の山口工場(宇部市)一筋で働いてきたが、2013年度に工場が大幅に縮小されることになり、退職を決断した。妻と3人の子供、住宅ローンを抱えての再就職活動。簡単にはいかないと覚悟はしていたものの、男性は「なかなか次の仕事が決まらない」と予想以上の厳しい現実に戸惑う。

 ルネサスは経営再建に向け、グループの国内18拠点のうち10工場を3年内に売却または閉鎖する。9月まで募集した早期退職には全従業員の約2割に当たる7511人が応募した。しかし、ハローワーク宇部の勝本由紀雇用指導官は「労働市場は厳しく、新しい雇用は少ない」と話す。展望は容易に開けそうにない。大手企業の工場閉鎖や生産縮小は、部品を納入する中小企業にも影響を与えている。取引量が細り、社員の削減を余儀なくされる企業も少なくない。

 「今後は受注がゼロになると覚悟している」。シャープに液晶テレビの部品などを納入する大阪府内の中小企業経営者は、落胆した表情で話す。同社は昨年、シャープの経営悪化に伴い受注が半減。大幅な人員削減に踏み切っただけに、「シャープには何も期待できない」と肩を落とす。シャープは今年度、液晶テレビの販売台数を前年度比35%減の800万台に減らす計画。11月には国内で約2000人の早期退職を募集する。東京商工リサーチによると、国内でシャープグループと直接取引のある企業は2000社以上、総従業員は54万人超。シャープの生産縮小の影響は、こうした企業にも広く及ぶ。

 半導体や家電製品をめぐる日本の競争力の低下は、時代の変化を如実に映し出している。製造装置を導入すれば比較的簡単に生産することが可能となる時代が到来し、韓国や中国メーカーが相次ぎ参入した。価格競争が激化したところに円高という逆風が吹き、国内の競争力が低下した。その結果、半導体や電機で国内工場の閉鎖や縮小が進む。政府が7月に決めた「日本再生戦略」では、医療・介護、環境など新しい分野を掘り起こし、20年度までに480万人以上の新たな雇用を生み出す計画だ。だが、雇用の移転は進まない。

 パナソニックなど複数の大手企業が撤退した千葉県茂原市。ハローワーク茂原によると、11年11月から12年9月までに合計で1900人の離職者が発生したという。ハローワークには介護などの求人が多く、職業訓練の紹介なども行う。だが「製造ラインで働く人は黙々と作業するのが得意で、介護や営業などには移りたがらない」(ハローワーク茂原の熱田家喜所長)。8月の茂原の有効求人倍率は前月比0.07ポイント低い0.39まで落ち込んだ。

 日本総研の山田久チーフエコノミストは「正社員と終身雇用を前提とする日本企業はコストが高い。自動車など他の製造業にも国内生産縮小の動きが広がる懸念もある」と指摘する。製造業という雇用の受け皿を失えば、日本経済への影響は計り知れない。だが、対策は限られているのが現状だ。(大柳聡庸)

303チバQ:2012/10/11(木) 00:05:00
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121010-00000007-jct-soci
NECのリストラ面談やり取り生々しく再現 「会社って、ここまでするのか…」
J-CASTニュース 10月10日(水)20時22分配信

 NECが募った1万人規模の希望退職について、しんぶん赤旗が面談の「一問一答」をリアルに紹介して反響を呼んでいる。これでは、面談する側もつらいのではないかというのだ。

  「今の職場で今のまま業務を続けてもらうのは難しい」
  「残って今の仕事を続けたい」

 赤旗の2012年10月9日付記事では、100回ほども繰り返されたというこのやり取りなどが、禅問答のように続いていく。

■計11回の面談で「辞めた方が得」などと迫る

 面談は、NECが5月16日に希望退職募集を発表してから、携帯電話事業などの職場で行われた。対象は、勤続5年以上となる40歳以上の社員で、希望退職は「特別転進」の名で呼ばれていた。

 その結果、8月28日に2393人が応募したことが発表された。海外や派遣などで8000人ほどが削減されることから、これで1万人のめどが立ったことになる。

 とはいえ、その後、面談に事実上の退職強要があったのではないかと、国会や週刊誌で取り上げられた。赤旗の記事は、その様子を詳しく報じたものだ。

 記事によると、40代の男性社員は、5月下旬から7月末にかけて計11回も、15〜90分間の面談を受けた。男性がやる気をアピールしても、上司は「自己研さんの場ではない」「一般的にいうリストラだ」と強調した。苦痛なので面談を止めてと男性が訴えると、上司は業務拒否だと主張した。3回目の翌日に、男性は不安や不眠から心療内科にかかり、適応障害と診断されたという。

 しかし、上司は、「法的に問題ない」として面談を続行した。指名解雇などになる可能性から辞めた方が得だとし、今のままでは会社や男性にとっても不幸だと指摘した。11回目になって上司の上役も面談に加わり、「残れないよ」と諭した。これに対し、男性が「もう自殺するしかないじゃないですか」と漏らすと、上役は、自殺は止めるようにと言って面談終了を告げた。男性は、現在も職場に残っているという。

 男性のメモを元にしたという生々しい赤旗の記事だけに、ネット上では、大きな反響を呼んだ。

■NEC広報「退職を強要したことはありません」

 記事は2000件以上もツイートされており、「凄まじいな」「会社って、ここまでするのか…」と驚きの声が相次いでいる。一方で、「上司だって苦痛だろうこれ」といった指摘は多く、「無駄なことに日々労力使ってる」「自由に解雇出来るようにしないと」との意見も出ていた。

 人事コンサルタントの城繁幸さんは、ツイッターで、「この会話の不毛っぷりが日本の停滞を象徴しているように見える」と嘆いた。そして、「『辞めろ』って言わずに追い込むのって、やる方も精神的に来るんだよね」として、リストラした大手企業で転職する人事担当者がかなりいると指摘した。「圧迫面接とかやってて終身雇用の現実が虚しくなるんだろう」と分析している。

 男性が加入したという労組の電機・情報ユニオンでは、米田徳治執行委員長が、10回以上の面談も珍しくないと取材に答え、「制度上は退職支援になっていますが、実際は退職強要ですね」と会社側を批判した。会社側は「日航の判決を見ろ」と、機長らが敗訴したケースを挙げて脅しをかけているともした。ただ、人事担当者にも辞めた人がかなりいるとし、「上役からやるように言われ、『こんな会社でいいのか』とイヤになるのでしょう」としている。

 NECの広報担当者は、取材に対し、男性が社員にいるかについて、「対象者は全員が面接を受けており、面接回数や年齢・性別、面談の様子など、この記事だけでは、登場している人物の特定、内容の確認はできません」と回答した。10回以上の面談もあるのかについては明言せず、「対象者1人1人の今後の役割や担当業務が変わって行く可能性があることを十分に理解いただき、本人の今後のキャリアの方向性を真剣に考えるよう気づきを与えることは、会社としての責任でもあり、面談で十分理解されていないと判断した場合は、面談が複数回になったケースがあります」とした。

 ただし、退職強要があったことは明確に否定し、「個々人が自らの将来・キャリアの方向性を熟慮した結果として、本人の自由意志に基づき選択したものと認識しています」と言っている。面談した人事担当者が辞めているかについては、特に聞いていないという。

304名無しさん:2012/10/11(木) 14:40:51
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121011/plc12101112470012-n1.htm
キム世銀総裁「日本と良い協力関係」と評価 貧困途上国など支援で
2012.10.11 12:45
 東京で開かれているIMF・世界銀行年次総会の開幕に当たり、世銀のキム総裁は11日記者会見し、「今回の総会は、効果的な協力が世銀と日本との間でできている好例」と指摘した。

 総裁は「日本は(震災で)大変な悲劇を経験したが、日本政府からは、今回の悲劇を通じてできる限りのことをして他国を支援したい。とりわけ貧困途上国の状態を良くし、リスク管理の支援をしたいというコミット(約束)を聞いた」などと語った。

305バーバリー 通販:2012/10/27(土) 03:23:46
こんにちは、またブログ覗かせていただきました。また、遊びに来ま〜す。よろしくお願いします
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306バーバリー 財布 レディース:2012/11/03(土) 01:13:22
お世話になります。とても良い記事ですね。
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307チバQ:2012/11/07(水) 01:51:18
http://www.asahi.com/job/news/TKY201210290393.html
自治体職員、3人に1人「非正規」 低賃金労働広がる2012年10月31日
 【山本知弘】自治体で働く職員の3分の1を非正規が占めることが労働組合「自治労」の調査でわかった。1割の自治体では半数を超えた。総人数は4年前より2割増え、70万人に達する見込み。組合側は「財政規模の小さな自治体を中心に、低賃金労働が広がっている」と指摘している。

 全国の47.2%にあたる845自治体の6月1日時点での状況を集約した。29日に発表した。

 警察や消防、教員などを除く臨時・非常勤職員の数は30万5896人。正規職員は61万9542人で、全体に対する非正規率は33.1%だった。調査からもれた自治体を含めると、全国の「非正規公務員」は70万人と見込まれるという。前回の2008年調査では非正規率は27.6%、人数は約60万人だった。

 非正規率は小さな自治体ほど高い。都道府県の16.6%に対し、町村は38.0%。5割を超えるところもあった。財政がより厳しい自治体で正規の採用を抑え、非正規に置き換えていることが原因と考えられるという。

 勤務時間が正規の4分の3以上ある非正規は6割を超え、職場に欠かせない働き手になっている。ただ、労働条件は厳しく、時給制では900円未満、月給制では16万円未満の労働者が半数以上いた。フルタイムで働いても年収200万円に届かない計算だ。

 職種別にみると、生活保護にかかわるケースワーカーでも非正規率は1割に達した。

 保育士や図書館職員を含む代表的な6職種では、昇給がない自治体が7割超、期末手当なしは6割前後、通勤費なしは2割超あった。契約は大半が1年以内で、不安定な立場だ。

 来年4月に、正規と非正規の待遇の不合理な格差を禁じる改正労働契約法が施行されるが、公務員は対象外。自治労幹部は「弱い働き手へのしわ寄せが、さらに強まる。処遇改善を求めていきたい」としている。

 自治労の全国調査は08年に続き2回目。全自治体を対象にした前回と異なり、今回は加盟組織のある自治体に対象を限った。

     ◇

 〈自治体の非正規公務員〉 地方公務員法22条による「臨時職員」が最も多く、緊急の場合や臨時の仕事があった場合、最長1年の約束で働くことができる。地公法は元々、非正規公務員が長期間働くことは想定していないが、更新が繰り返される例が多い。予算の都合で年度末の3月でいったん雇い止めになることもある。

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310チバQ:2012/11/18(日) 11:52:41
うらやましい半面、欧州の高失業率だしなあ
http://www.cnn.co.jp/business/35024516.html
日本は有給未消化が突出、欧州はほぼ完全消化 休暇実態調査
2012.11.16 Fri posted at 10:47 JST

(CNN) 米国人は与えられた有給休暇のうち2日間を未消化のまま残し、日本人は半分も消化できていない――。ネット旅行会社のエクスペディアが15日に発表した2012年の休暇取得に関する年次調査でそんな実態が明らかになった。

調査は22カ国の会社員などを対象に実施し、8687人から回答を得た。

それによると、有給休暇の消化日数は、米国が12日のうち10日、日本が13日のうち5日、韓国は10日のうち7日だった。米国で与えられた有給休暇の日数は、前年の14日より2日減っている。

有給休暇に加えて長期休暇を取るのが一般的な欧州では、フランスとスペインが30日の有給休暇を使い切り、ドイツは30日のうち28日を消化。英国、スウェーデン、ノルウェーも25日の有給を使い切っていた。

有給休暇を消化できない理由として、米国、英国、カナダ、日本、アイルランドの回答者は、金銭面の不安を筆頭に挙げている。

ノルウェーとスウェーデン、ブラジルでは上司が部下の有給休暇取得を支持しているのに対し、イタリアと韓国の上司は有給休暇を取らせることにあまり積極的でない傾向があることも分かった。

週の平均労働時間はアジア諸国が約44時間、米国は40時間、22カ国の中で最も短いオランダは35時間だった。

エクスペディアは「ワークライフバランスの実現によって従業員の満足度は増し、生産性も向上する。有給休暇は特典でもぜいたくでもなく、使うためにある」と指摘している。

311チバQ:2012/11/18(日) 11:53:48
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20121115/ecn1211150712003-n1.htm
外資の2週間連休、背景に“従業員性悪説”2012.11.15
連載:グローバル時代 営業の極意

 近頃は日本企業でも「有給休暇消化」を義務付けているところも少なくないが、1990年代前半、私が勤めていた邦銀は有給休暇の取得は容易ではなかった。一方、外資では、90年代半ば、従業員に2週間連休の取得を義務付ける制度が導入された。

 「外資はいいよね、2週間も休めて」という声を当時よく聞いた。

 しかし、これは従業員をねぎらうために導入されたものではない。

 95年2月、英国の名門投資銀行だったベアリングス銀行がシンガポール支店の一従業員による不正取引で破綻したことに起因していた。伝票などによって事態が発覚しないよう、その従業員は休みを取らず、何とかつじつまを合わせていたのだ。そして事態は一層深刻化し、ついには銀行本体が倒れるに至る。

 この時の教訓から、多くの金融機関がこの2週間連休取得制度を導入した。2週間連続して休暇を取らせれば、仮に不正な行いをしていても、その間に発覚するだろうとの会社側の考えからだ。取得しなければ、何か休めない理由でもあるのかと勘繰られてしまうこととなった。

 つまり従業員性悪説を基本とした制度なのだ。しかも従業員側にとっては、普段から忙しい仕事を2週間連続して休むことは決して楽ではない。1週間連休を2回取れたら、どんなに楽かと何度思ったことか。

 ある年、私は何とか2週間連休を取得するよう試みたが、取得できないまま12月を迎えた。年内取得が義務付けられており、何としても12月中に取得するよう上司から言われていた。しかし、その時期、私は多忙を極めていた。

 「すみません。どうしても今月休みを取ることができません…」

 「う〜ん、福留さん、今回は特別に許可をもらえるようニューヨークと掛け合いますが、もし来年も取得できない場合、米国の当局担当者との面接を受けてもらいます」

 「えっ、ええ〜?!」

 これが単なる脅しだったのか、本当にそうだったのか、今となっては知る由もない。

 最近は、業界全体の業績が芳しくないためか、時代の変化か、割り切って休暇を取得する人が増えているらしい。

 ■福留浩太郎(ふくどめ・こうたろう) 株式会社グローバル・リーチ代表。邦銀勤務の後、15年超を欧米金融機関に勤務し、経営幹部として活躍。昨年3月に慶應義塾大学大学院修了、経営学修士号(MBA)を取得。その後、新たに教育事業を立ち上げ、現在に至る。

312チバQ:2012/11/20(火) 21:45:02
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20121120-OYT8T00018.htm
実習生過労死和解、原告側「制度を廃止すべき」



和解後、蒋さんの遺影を掲げて会見に臨む指宿弁護士(右)ら原告側弁護団(19日、水戸市の県弁護士会館で)  「二度とこのようなことが起きないよう、制度を廃止すべきだ」。2008年、潮来市のメッキ加工会社で起きた中国人実習生蒋暁東さん(当時31歳)の過労死を巡る裁判。和解後、水戸市内で会見した原告側弁護団は、外国人実習制度そのものを強く批判した。

 「過労死が起きた時、現場の事業所だけではなく、1次受け入れ機関(監理団体)にも責任があると認めさせたかった」。蒋さんの遺影とともに記者会見した原告側の指宿昭一弁護士は裁判の意義を強調した。

 裁判では、過労死の責任の所在が争われ、原告側は雇用主の「フジ電化工業」だけでなく、実習生を受け入れ、監理する立場にあった「白帆協同組合」の責任も追及した。

 和解では、企業と監理団体の双方が遺憾の意を表明し、和解金の支払いに応じるなど、事実上責任を認めた形だ。指宿弁護士は「昨年度も20人の実習生が死亡し、過労死という情報が入っても遺族と連絡が取れないケースばかり。遺族の納得する形で解決したことに意義がある」と述べ、「制度が技能実習のためというのはまやかし。出稼ぎであり、そのためのシステムを作るべきだ」とトラブルが起こりやすい制度の問題点を指摘した。

 一方、白帆協同組合代表の男性は「出稼ぎで来ている実習生と企業の両者が残業を求める中、働く現場を確認することは難しい」と語った。

 代表によると、組合で実習生を受け入れ始めたのは2005年頃。最盛期は80人近く受け入れ、トラブル防止のため各企業への指導も行っていたというが、「(受け入れ企業が集まり)仲間内で始めただけに、厳しく言えなかった」と振りかえった。

 蒋さんの死後、新規受け入れは中止し、倒産に追い込まれた受け入れ企業もあったという。代表は「蒋さんが死亡したのは本当に残念。だが、企業の中には、実習生のために利益にならない残業をわざわざさせるところもあり、突然、逃亡する実習生もいる。この制度で問題が起きないようにするのは難しい」と話した。

 埼玉工業大の依光正哲非常勤講師(労働政策)は「零細企業の経営者が組合を作り、実習生を受け入れて監理するのは負担が大きい。派遣会社のように営利で活動する受け入れ機関も存在しており、そもそもこの制度自体に問題がある」と話した。

◇企業への監理徹底を

 訴訟は、過労死の現場となった企業だけでなく、実習生の受け入れ機関(監理団体)も遺族に和解金を支払うことで和解に至った。「技能や技術、知識を習得させる」という制度本来の目的から外れ、実習生を単なる労働力として扱ってきた企業は、その姿勢を改め、監理団体も実習生の労働実態を把握し、企業への監理を徹底していく必要がある。

 実習生の労働条件を巡っては、全国で賃金未払いや不当解雇で訴訟に発展している。厚生労働省によると、昨年1年間で実習生を受け入れている2748事業所に監督指導を行い、82%に当たる2252事業所で労働時間や安全衛生関係などで違反行為があった。

 制度は受け入れ機関の管理、監督責任を強化し、労働関係法令の適用など法的保護も強化する内容で2010年に改正された。

 だが、制度の運営に関わる国際研修協力機構(東京)の調査では、実習生の「脳、心臓疾患」による死亡が昨年度も6件確認されており、原告側代理人の指宿昭一弁護士は「蒋さんの死は氷山の一角だ」と指摘している。(建石剛)

(2012年11月20日 読売新聞)

313名無しさん:2012/11/21(水) 04:15:33
消費増税断固反対

314とはずがたり:2012/11/21(水) 22:50:21

大阪・西成区で“DASH村”!? 生活保護受給者らが栽培
2012年11月21日(水)15:05
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20121121134.html?fr=rk
(産経新聞)
 生活保護受給率の高さなど多くの課題を抱える大阪市西成区を活性化させる「特区構想」の一環として、未利用の市有地を転用した畑で生活保護受給者が野菜作りに取り組む計画が、公募で8月に就任した臣永(とみなが)正広区長の発案で進行している。近隣の市立天王寺動物園(天王寺区)がゾウの糞(ふん)から作った堆肥を提供。生活保護受給者の生きがいづくりや空き地の有効活用、収穫物の給食利用など一石何鳥もの効果を狙う。将来は農園化して牛やヤギなどを飼い、大阪の街中で「日本の原風景」を復活させる構想も描いている。

 ◆空き地に着目

 民間出身で町長経験もある臣永区長の発案は、フリーライター時代、同動物園のゾウの糞から作った堆肥が人気で、週末に市民が行列を作るという話題を取材したのがきっかけだった。

 区長就任後、西成特区構想の具体策を模索する中で、区内に広がる空き地に着目。「栄養分豊富なゾウの糞の堆肥で空き地を土壌改良し、生活保護受給者の生きがいづくりに役立てられないか」と思いついた。区の支援要請に動物園側も快諾し、堆肥の無償提供を申し出た。

 ◆橋下市長も興味

 臣永区長は、西成特区構想有識者座談会のメンバーで「釜ケ崎のまち再生フォーラム」事務局長のありむら潜(せん)さん(61)に相談を持ちかけた。ありむらさんは以前、生活保護受給者による野菜作りに取り組んだが、菜園が遠くて頓挫した経験があった。

 ありむらさんは「わずかな投資で大きな効果が期待できる。畑が近ければ参加者も増えて長続きもする」と賛同。9月の有識者座談会で、菜園作りプロジェクトを提案した。

 報告を受けた橋下徹市長は「空き地やゾウの糞など身近なものをいろいろ活用していて面白い」と興味を示したという。

 ◆「DASH村」に

 来年度から、西成区のあいりん地区にある萩之茶屋南公園(通称・三角公園)南側に広がる南海電鉄の線路跡地(約500平方メートル)を使って試行し、少しずつ畑を広げていく予定。初年度は特区構想の予算から数十万円を充てる方針だ。

 業務委託する地元NPOが人選した生活保護受給者20〜30人が野菜作りに取り組み、幼稚園児らをイモ掘りに招いて交流を深めるほか、収穫野菜を区内の小学校などの給食に提供することも検討中だ。

 当初は無給だが、いずれは同区発祥のなにわ伝統野菜「勝間南瓜(こつまなんきん)」やハーブ、薬草など換金性の高い作物を生産して雇用創出につなげられたらと夢は広がる。

 読売テレビ系のバラエティー番組『ザ!鉄腕!DASH!!』で、人気タレントのTOKIOが農作物の栽培などを通じて古き良き山村を再現する企画「DASH村」のように、区内に1500平方メートル以上ある空き地を農園化。将来は、牛やヤギ、ニワトリなどを飼って日本の原風景づくりに取り組む「西成版DASH村」構想も温めている。

 臣永区長は「心豊かな環境づくりに励むことで若者世代を呼び込み、子供の歓声がこだまする元気な街に復活させたい」と意気込んでいる。

315チバQ:2012/12/10(月) 21:05:37
http://mainichi.jp/select/news/20121204k0000m040051000c.html
福島原発:下請け作業員の半数、偽装請負の疑い 東電調査
毎日新聞 2012年12月03日 21時13分(最終更新 12月04日 11時20分)

 東京電力は3日、福島第1原発の下請け作業員のうち、約半数が実際の雇用主とは異なる会社の指示で働く「偽装請負」の疑いがあるとするアンケート結果を発表した。自分の労働条件を書面で明示されていない作業員も約3分の1いた。偽装請負は職業安定法で禁止されているほか、労働基準法では、労働条件を書面で明示するよう義務付けている。第1原発の廃炉作業を管理する経済産業省資源エネルギー庁は同日、東電に口頭で改善を指示した。

 アンケートは、第1原発の元請け企業27社の下請け企業に勤務する作業員3974人を対象に、9月20日〜10月18日まで実施。3186人が回答した(回答率80.2%)。

 作業の管理員を除く2423人に、現場で作業を指示する会社と給料を支払う会社が同じか聞いたところ、「同じ」と答えたのは1173人(48.4%)だったのに対し、「違う」は1160人(47.9%)で、半数が偽装請負の可能性があった。

 また、雇用主から強要・指示された内容について複数回答で聞いたところ、「現場では別会社の指示通りに働け」と言われたのは158人。「東電や元請けへの提出書類に、別会社の名前を書け」と指示された人も125人いた。

 仕事内容や場所、賃金などの労働条件について、雇用主から書面で明示されなかったのは全回答者のうち1146人(36%)。198人(6.2%)は、口頭説明もなかった。

 時給は、837円以上(71.8%)▽658円以上837円未満(2.8%)▽645円以上658円未満(1%)▽645円未満(1.1%)−−だった。

 東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は3日の記者会見で「現時点で、偽装請負などの法令違反に当たるかは判断できないが、改善すべき状況は現実に存在すると認識している。元請け企業と協力して改善する」と述べた。【中西拓司、西川拓】

316チバQ:2013/01/06(日) 19:43:35
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20130106-OYT8T00088.htm
「今後もホームレスでいい」35%…厚労省調査

長期化・高齢化進む
 都心のホームレスには「現状維持派」が多く、高齢化、長期化が進んでいる――。厚生労働省の検討会がまとめたホームレスの実態に関する調査報告書から、そんな実態が浮かび上がった。

 調査は2012年1月、全国の大都市を中心に計1326人のホームレス(23区内は348人)から個別に聞き取って実施。学識経験者らが結果を分析し、同年12月に報告書をまとめた。

 23区内のホームレスは60歳以上が58・3%で、全国を3・8ポイント上回った。ホームレスの高齢化は全国的な傾向だが、70歳以上に限ると、23区内は17・5%で、全国の12・5%を5ポイント上回り、高齢化が顕著だった。

 一方、路上生活の期間について、23区内では55・5%が5年以上と回答。全国を8・5ポイント上回り、長期化の傾向も強まっている。

 「今後の希望」では、35・1%が「路上生活のままでいい」と回答し、全国を4・6ポイント上回り、その理由として、40・2%が「アルミ缶や雑誌集めの仕事で暮らしていける」と回答した。

 23区内のホームレスは、1999年度の約5800人をピークに年々減り、2011年度は約1600人。都福祉保健局は「人数が減った一方、相対的に路上生活を続けている人の高齢化、長期化が目立ってきている。粘り強く、自立を支援したり、福祉制度の利用を呼びかけたりしていくほかない」としている。

(2013年1月6日 読売新聞)

317チバQ:2013/01/06(日) 22:18:08
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130106/waf13010618010012-n1.htm
【関西の議論】
社員の命か、企業の信用か 裁判所はどちらを向く…過労死公開訴訟
2013.1.6 18:00 (1/4ページ)[景気・労働・雇用]

過労死があった会社などが記載された資料は企業名や事業所名がすべて黒塗りになっていた(寺西笑子さん提供)
 「悲惨な過労死を少しでも減らしたい」「ブラック企業と評価される」−。社員が過労死した企業名の開示をめぐり、大阪地・高裁で判断が分かれた。「全国過労死を考える家族の会」代表の寺西笑子さん(63)が、社員が過労死の認定を受けた企業名を大阪労働局が開示しなかったのは違法として、国に対して不開示決定の取り消しを求めた訴訟。1審大阪地裁は企業名の開示を命じたが、2審大阪高裁は原告側の請求を棄却する逆転敗訴の判決を出した。寺西さんは「企業名が開示されるようになれば過労死に歯止めがかかる」と訴えており、最高裁に上告。最後まで戦い抜く決意を固めている。


黒塗りの企業名


 「真面目に働く人が過労死で亡くなっていく。命がいくつあっても使い捨てにされるばかりだ」

 昨年11月29日、高裁判決を受けて大阪市内で記者会見した寺西さんは、悔しさをあらわにした。

 寺西さんは、平成21年3月、脳や心臓の疾患などによる過労死があった複数の企業名について大阪労働局に情報公開を請求した。しかし、労働局は個人情報が明らかになることなどを理由として文書の企業名を黒塗りに。これを不服とした寺西さんは同年11月、不開示とした決定を取り消すよう求めて地裁に提訴した。

 労働局の上位機関である国側は「企業名が開示されれば、取引先から不利な扱いを受けるほか、人材確保でも影響が出る」などと主張。寺西さんは「開示は再発防止の第一歩。労働者を過労死から守る利益の方が大きい」と訴えた。その結果、地裁は23年11月、「個人や法人の利益を害する不開示情報にはあたらない」として、労働局の不開示決定を取り消す判決を言い渡した。「企業評価に直結する情報ではなく、企業名だけで過労死した社員を特定することもできない」という判断だった。

 原告側弁護団によると、過労死のあった企業名の開示を命じる判決は全国で初めて。寺西さんは「過労死を繰り返さない社会へ向けた大きな前進だ」と評価した。


「ブラック企業と評価される」と逆転敗訴


 しかし、国側の控訴を受けた高裁は昨年11月、「会社に過失や違法行為がない事案でも、一般には否定的に受け止められ、ブラック企業との評価を受けて信用が低下することもある」として1審判決を取り消し、原告側の訴えを棄却する判決を言い渡した。

 高裁判決は、1審と異なり、「規模の小さい会社では、同僚や取引先などに過労死した個人が特定されうる」と認定したほか、「開示されることになれば、企業側が労災の調査に協力しなくなり、(調査を行う)労働基準監督署の業務に支障が出るおそれがある」とも述べた。

 寺西さんは「高裁判決は大切な人の命が失われたことに何も触れていない。もっと働く人の命を大切にしてほしい」と憤る。原告側弁護団も「過労死を出さないことは、企業にとって基本的なコンプライアンスだ」と指摘。「企業の姿勢はもちろんだが、労働行政をつかさどる国の責任も問われている」と述べた。


夫を過労による自殺で失い「最後まで戦う」


 寺西さん自身、過労死で家族を失った遺族だ。17年前、飲食店チェーンで店長を務めていた夫=当時(49)=を過労による自殺で亡くしている。夫は、売り上げのノルマに追われ、上司からの叱責を浴び、ストレスに苦しむ中、毎月の時間外労働が100時間を超える状態が長く続いていたという。

 そして、8年2月15日未明、夫は自宅近くのマンション4階から飛び降りて亡くなった。直前は食欲がないなど明らかに普段と違う様子だったが、当時は自殺が労災と認定されることの壁が高く、相談した弁護士からも「裁判をやっても勝訴するのは難しい」と言われた。

 それでも、寺西さんは諦めきれずに労災を申請。5年後の13年3月にようやく労災が認められると、民事訴訟でも夫の勤務先だった会社にも責任を認めさせ、謝罪を勝ち取った。

 こうした経験を元に、寺西さんは「家族の会」代表に就任。シンポジウムなどに参加して積極的に発言するほか、行政や企業の責任を明記する「過労死防止基本法」の制定を求めて署名活動に取り組むなど、過労死の撲滅を目指す運動を続けていた。今回の訴訟もその一環だ。

 寺西さんは「固い扉をこじ開ける難しさは分かっている。それでも命に関わることだから最後まで戦う」と話しており、最高裁でも徹底抗戦する構えだ。

318チバQ:2013/01/06(日) 22:18:28
「過労死自殺」も深刻化


 厚生労働省の統計によると、23年度に脳や心臓の疾患などで死亡し、過労死として労災認定されたのは121件。発症の直前6カ月間で過労死認定の基準となる月平均の時間外労働が80時間を超えたのは93件となっている。厚労省は「過労死の数は依然として高水準で推移している」とした上で、「多くのケースで重い労働を課されている実態を示している」と警戒を強めている。

 過労死の問題に詳しい関西大の森岡孝二教授(企業社会論)は「近年は、長引く景気低迷の影響で厳しい労働環境を強いられるケースが多い」と指摘。「最近では特に20〜30代の若い世代で過労による自殺などが目立つ。この状況は何とか改善しなければならない」と危機感を抱く。

 実際、同年に精神障害による自殺が労災と認定されたのは66件あった。労災補償の請求件数も1272件で、3年連続で過去最多を記録。このうち相当数が過労によるものが背景にあるとみられる。

 森岡教授は今回の訴訟について「基準に基づいて労災を認定している以上、労働局は企業名を開示すべきだ。また、企業は対策を講じる義務がある」と強調。「過労死は絶対にあってはならないということを出発点にしてほしい。その点は国も企業も異論はないはずだ」と述べ、過労死をなくすために国や企業側も相応の努力をすべきだと提言している。

319チバQ:2013/01/31(木) 00:41:46
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20130130/CK2013013002000100.html?ref=rank
生活保護費の削減 貧困格差 拡大・固定化を懸念
2013年1月30日

生活保護を受ける長沢浩一さんは、労災事故に遭い「所属先の会社を解雇される前に辞めるつもり」と話す=中区で


 政府が二十九日の臨時閣議で決めた二〇一三年度予算案では、生活保護費の削減が盛り込まれた。高齢者の受給額はあまり変わらないものの、子育て世帯を中心に減額になる。受給者や支援者らは「貧困の固定化につながる」などと、安易な減額に疑問を投げかける。(志村彰太)

 生活保護の削減案は、一三年度から三年間で計七百四十億円の削減を見込む。生活保護費のうち、生活費に当たる生活扶助が減額され、医療扶助では安価な後発薬を使用することも決めた。背景には、増え続ける保護費が財政を圧迫していることや、支給額が低所得世帯の手取り収入より高いとの不公平感がある。

◆受給者
 「頑張って立ち直ろうとしている受給者も、減額されれば貧困から抜け出しにくくなる」と危惧するのは、横浜市中区で生活保護を受ける長沢浩一さん(52)。長沢さんは月十四万円の生活保護を受給しているが、生活費や住居費のほか、再就職のための準備にお金を使うと、手元にはほとんど残らない。

 病気を抱え、再就職には治療が先決。長沢さんは「後発薬は、効果が不明な点もあると聞く。それを受給者に強制するのは、人権上の問題がある」と、不満を口にした。

 長沢さんは東京都大田区出身。自営業でビルメンテナンスを請け負っていたが十四年前、「知らないうちに」二千万円近い借金をつかまされて倒産。工事現場で休みなく働き、十年かけて返済したが、高血圧と腎臓の機能障害で仕事を続けられなくなった。貯金も底をついたとき、簡易宿泊所の集まる中区の寿地区に流れついた。

 二年前、治療しながらアルバイトとして再就職したものの、半年後に労災事故に遭った。「右手中指を切断し、接合したが、指先の感覚がない」。再び生活保護に。三月には会社を解雇されるという。

 貧困な人は孤独に陥りがちで、「本当は人間関係の維持にもお金を使いたい」。しかし、減額されればその余裕は全くなくなる。「機械的な引き下げではなく、最低限の生活とは何か、再チャレンジできる世の中とは何か。そこから議論してほしい」と、長沢さんは望んでいる。

◆支援者
 「寿支援者交流会」の高沢幸男事務局長(42)は「本来は最低賃金を上げるべきなのに、最低生活を保障する生活保護を削るのは、やり方がおかしい」と疑問を呈す。「生活保護は本来、苦労した人を助けるもの。なのに、受給者は怠け者という偏見がある」

 高沢さんには連日、さまざまな理由で生活に困っている人が訪れる。ギャンブルやアルコールの依存症、うつ病など精神的に問題を抱えた人は、まずは治療が必要。「就職が難しい受給者もいる。きめ細かな支援の仕組みがないまま減額だけすれば、行き着く先は自殺か犯罪」と、治安の悪化を危惧する。

 その上で「政府には『損して得を取れ』という発想がない」と批判する。学習支援や人付き合いの維持・改善が貧困を抜け出すカギといい、就職できるまで時間をかけて支援する必要があるという。

 「安易に保護費を削れば、貧困は世代を超えて連鎖する。追い詰められた人に死ぬ気で働けと言えば、自暴自棄な行動につながる」と、警鐘を鳴らしている。

◆根本的解決にならず
 子育て世帯を中心にした生活保護の減額が貧困の連鎖をつくる懸念は、専門家も指摘している。

 厚生労働省生活保護基準部会委員の山田篤裕・慶応大教授(社会保障)は「貧困の連鎖を防ぐには、子育て世帯に配慮が必要だ」と指摘する。

 また、「引き下げが前提のように語られているが、部会としては(引き下げありきとは)ひと言も言っていない」と、政府内の議論を批判した。

 山田教授は生活保護基準の決め方にも課題があるという。現在は、中間所得層の消費水準の六割程度になるように基準が設定されているが「中間層の所得が下がっているので、その基準でいいのか考える余地がある」。

 さらに「一人の学者としての意見」と断った上で「雇用、最低賃金の問題が改善しないと、生活保護受給者はどんどん増え、根本的な解決にならない」と話した。

320チバQ:2013/02/12(火) 00:44:39
http://mainichi.jp/select/news/20130123k0000m040085000c.html
生活保護見直し:母子家庭不安 実感ない「もらい過ぎ」
毎日新聞 2013年01月22日 21時42分(最終更新 01月23日 08時05分)

 13年度予算編成に伴い大詰めを迎えた生活保護の見直し議論に、シングルマザーの受給者たちが不安を募らせている。社会保障審議会特別部会の報告書案が「子供への貧困の連鎖防止」をうたう一方で、厚生労働省が保護費を「もらい過ぎ」との試算を出したためだ。「国は本当に私たちを応援しているのか」。嘆きの声が上がる。

 試算では、子供1人の母子世帯の保護費は低所得世帯(年収120万円程度)の生活費を月額約7200円上回り、子供が増えると「もらい過ぎ」はさらに増えるという。一方、報告書案は親の困窮が子の将来に及ぼす影響を懸念し「学習支援を行う必要がある」とした。

 首都圏の30代女性は「小さなエサ(学習支援)で大きな獲物(保護費切り下げ)を捕まえようとしている。これでは何も変わらない」と声を震わせる。中学生の娘と小学生の男児2人の4人暮らし。元夫のDV(ドメスティックバイオレンス)から逃げて精神科に通院している。

 服や家具は知人にもらい、壊れかけた洗濯機や掃除機を使う。子供を塾に行かせる余裕はない。「せめて高校には行かせたい」と願うが、保護費が減れば今以上に難しくなる。

 子供2人と暮らす札幌市の40代女性は「『もらい過ぎ』という実感はない。減額されたら、何をどうすればよいのか……」。重い障害のある20歳の息子の世話に精いっぱいで、仕事に就けずにいる。「中卒で苦労したから、娘には手に職をつけてほしかった」。月1万円超の学習塾代を捻出し、娘は昨年春に公立高校に合格した。今の悩みは、修学旅行の費用をどう工面するかだ。

 厚労省によると、生活保護を受けている母子世帯は、昨年10月時点で約11万5000世帯。NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子(あかいし・ちえこ)理事長は「当事者の状況を見ずに困窮者同士を比べて、『もらい過ぎ』という試算を出すのはおかしい」と話す。【遠藤拓】

321チバQ:2013/02/12(火) 00:45:28
http://mainichi.jp/area/news/20130106sog00m040002000c.html
現場発:生活保護費 車所有で減額 大分市の独自方式 厚労省「望ましくない」
2013年01月06日

 大分市の大工の男性(56)が12年12月、「生活保護費の算定が違法だ」として市に244万円の損害賠償を求める訴訟を大分地裁に起こした。生活保護は国の基準額(最低生活費)に満たない収入との差額を支給するのが原則だが、市は車を所有の場合に独自に別の収入算定方法を設け支給を減額していた。厚生労働省は大分市の独自方式を「望ましくない」とし、実態把握を進める方針だ。【田中理知】

 訴状によると、男性は乗用車を所有していたが、体が丈夫でなく、景気悪化で仕事も減り、99〜12年に生活保護を受給。一方、市は受給者が車を所有している場合、実収入と独自算定額を比較して多い方を月収とみなすとの方式を93年に設定。男性の実収入が市の算定額を下回った03年に初適用し、12年2月に男性が病気で働けなくなって収入がなくなり車を廃車して全額支給されるまで続いた。

 市に資料の残る07年3月〜12年1月に大工の仕事で稼いだ総収入(諸経費控除後)は約210万円だった。しかし、市は「最低賃金×7時間×25日」の算定方式で出た月収額から交通費などの経費を控除した計404万円を国の最低生活費から差し引いていた。このため男性は03年以降で資料が残っていない期間を含め、244万円の損害を受けたと主張している。

 同市の保護率は1・84%(12年9月末現在)と増加傾向だが、男性に適用された市独自方式の適用者は他にいないという。

 男性は「大工道具は重い。現場で仕事するには車が不可欠」と主張。市は「車がある以上、一定収入があるとみなさないと、他の受給者との整合性がとれない」とし、男性に「大工で稼げないのなら他の仕事を」と転職も勧めたが応じず、独自方式を適用したという。

 保護受給者のマイカー所有を巡っては、公共交通機関の利用が著しく困難な地域などで認められる一方、自治体によっては給付のために廃車を求める例があるなど判断が分かれる。厚生労働省保護課は「大枠は国で決め、車の保有も自立して働くのに必要ならば局長通知で認めているが、個人の現状によって判断するよう各自治体に委ねている」との見解だ。

 市生活福祉課は「生活保護費の25%は市費で賄われている。国の基準で機械的に支給するのが正しいのか。今後も同様のケースには適用する」としている。

 これに対し厚労省は「独自基準で給付額に差をつけるのは望ましくない。収入認定は実際の収入ですべきだ」としている。

 毎日新聞が九州山口の県庁所在・政令市計9市に取材したところ、独自方式を設けているのは大分市のみ。山口市社会課は「法には『地域の実情に合わせて』とも書かれているが、収入認定は国の基準に従うべきだと思う」と疑問を示した。北九州市保護課は「本来は就労日数を増やしてくださいと文書通知し、守れなければ他の人と均衡が取れないので保護廃止も一考すべきではないか」と指摘する。

 全国最高レベルの生活保護率5・71%(12年8月現在)の大阪市保護課は「働き始めに見込みで収入を算定することはあるが、実態を無視してそれを適用し続けることはありえない」と話した。

 貧困問題に詳しい佐賀大の丸谷浩介教授(社会保障法)も「市費で25%出しているからといって、恣意(しい)的な基準で差別するのはおかしい。大分市は法律の解釈を誤っている」と指摘している。

322チバQ:2013/02/17(日) 14:12:30
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130216-OYT1T00033.htm?from=ylist
南京虫だらけ、ドアなし…保護費着服の施設

生活保護受給者らの入居施設を捜索する捜査員(1月31日、さいたま市見沼区で) 生活保護受給者の入居施設を無届けで運営する会社社長らが入居者の保護費を着服していた事件で、施設に住んでいた男性らが読売新聞の取材に応じ、施設での過酷な生活実態について証言した。

 男性らは、さいたま市の福祉事務所のケースワーカーの職員に施設の劣悪な環境を訴えたが、福祉事務所側は対策をとることはなかったという。

 摘発された施設に約3年間住んでいた男性(78)は2009年頃、上野で路上生活をしていた時に「お金がもらえるし、ご飯も食べられる」と声をかけられた。翌日には見沼区役所に車で連れて行かれ、生活保護費の申請をした。施設と契約を交わしたことはなく、運営費などの説明もないまま部屋に入った。

 すぐに生活保護費が支給されたが、通帳は施設が管理し、いくら受給しているかはわからなかった。非喫煙者だったため、毎月7000円が手渡された。昨年2月頃に1万5000円に変わった。食事は1食あたり500円。朝食は食パン2枚だけだった。

 施設を出るまでの約1年半は、ホームレスを施設に誘うため、週に2回、新宿や日比谷公園に車で連れて行かれた。1人入居させると2000円の報酬が出た。

 この男性は「雨風はしのげたが、(施設の運営は)あまりにもひどかった。若い入居者は自立する気もなくなっていた。役所がもっと早く気づいてくれたら」と話した。

 別の元入居者の男性(63)が暮らした部屋は3畳ほど。部屋の入り口にドアはなく、カーテンのみで、ベニヤ板で仕切られていただけだった。大量のトコジラミ(南京虫)がわいていたため、夏でも長袖のシャツを着ていたという。寝たばこは常習化しており、火災の危険性もあった。

 ケースワーカーは施設を訪れ、生活保護受給者の部屋を回った。さいたま市は、契約なしに入居者の金銭を管理するなど「自立した生活を妨げる」と福祉事務所長が認めた場合、転居を指導するように福祉事務所に通達を出していたが、劣悪な環境を問題視することはなかった。

 見沼区福祉事務所の高山充係長は「快適な施設ではないが、劣悪かどうかは(入居者)本人のとらえ方。本人が契約しているのだから仕方がなかった」と主張する。

 生活困窮者を支援するNPO法人「ほっとプラス」(さいたま市)は11年からの約2年間で、この施設から約10人を転居させていた。藤田孝典代表理事は「人が生活できるような環境ではないと何度も訴えた。(見沼区福祉事務所が)施設のひどい状況を知らないはずはない」と訴えている。

(2013年2月17日09時50分 読売新聞)

323チバQ:2013/02/21(木) 00:11:49
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013022002000121.html
非正規35%高止まり 12年 福祉分野で増える
2013年2月20日 朝刊

 総務省が十九日発表した二〇一二年平均の労働力調査の詳細集計によると、役員以外の雇用者のうち、アルバイトなどの非正規労働者の割合は前年より0・1ポイント増の35・2%と三年連続で過去最高を更新した。同省は「医療・福祉を中心としたサービス分野で、非正規の仕事が増えたため」と説明している。

 パートや契約社員、派遣社員などの非正規労働者は千八百十三万人で、二万人増えた。男女別の非正規割合は、男性が0・2ポイント減の19・7%で三年ぶりに低下。景気の回復や、退職年齢の引き上げが影響した。一方、女性は54・5%と0・1ポイント増えた。

 一二年平均の完全失業者数は二百八十五万人。このうち過去一年間に離職した人は百九万人で、前職を産業別にみると、製造業が二十万人と前年比で二万人増えた。総務省は「海外経済の減速などに伴う製造業の不振で、大企業を中心にリストラを加速させたことが響いた」としている。

 総務省は、一一年平均の非正規労働者の割合を昨年発表の35・2%から、35・1%に修正した。当初は東日本大震災で被害が大きかった岩手、宮城、福島三県を除いて集計したが、三県の推計値を入れて計算し直したところ、小幅修正が必要になったという。

324チバQ:2013/02/21(木) 23:02:36
http://news24.jp/nnn/news8633645.html
北陸新幹線の駅がない鯖江に「危機感」
(福井県)北陸新幹線の沿線では、将来の町づくりや観光をめぐり危機感を募らせている。

新幹線は通るものの、駅はできない鯖江市で経済団体の議論を取材した。

北陸新幹線の県内開業に備えた議論をスタートしたのは、鯖江商工会議所内の10の部会の代表で立ち上げた協議会。

「新幹線も特急も止まらないのではイメージダウンは免れない」として21日、初めての会合を開き、南越駅の名称についてや並行在来線問題、それにJR鯖江駅からの交通の接続など、8つのテーマについて議論を深めた。

このうち南越駅の名称については「越前鯖江駅」とするよう求めることで合意した。

またJRから経営が切り離される並行在来線で快速電車を増やすことや、JR鯖江駅と小松空港をバスで繋ぐよう求めることにした。

このほか会員からは「観光の魅力アップや地場産業の強化を図らなければ鯖江は新幹線開業の恩恵を受けることができない」といった危機感を込めた意見が目立った。

協議会では来月中に提言をまとめ、新年度に県や鯖江市に要望書を提出する予定。
[ 2/21 21:03 福井放送]

325チバQ:2013/03/19(火) 23:16:54
http://mainichi.jp/select/news/20130319k0000e040191000c.html
人身取引:スリランカ人が提訴 1日2000円、半年労働
毎日新聞 2013年03月19日 11時56分(最終更新 03月19日 12時17分)

 静岡県磐田市に住むスリランカ人男性2人が19日、働き先のリサイクル業「アシストネットワーク」(事業所・袋井市)と横浜市青葉区の人材あっせん会社代表の男性(61)に未払い賃金など総額計約294万円を求める訴えを静岡地裁浜松支部に起こした。代理人によると、2人は約半年間働いたが「食事代1日2000円」以外に支払われなかったと主張している。

 訴状によると、37歳と43歳の同国の男性は人材あっせん会社に約260万円を支払い「3年間の在留資格があり、1日計8000円もらえる」という条件で入国した。11年1月から入管の立ち入り調査があった同年7月26日まで、屋外でエアコンやテレビの解体作業をしたが、支給されたのは「食事代」だけだったという。

 記者会見した代理人の指宿昭一弁護士は「国際組織犯罪防止条約人身取引議定書の人身取引に該当する」と話している。一方、アシストネットワークの男性社長(63)は「観光ビザしかないのにブローカーが2人をホテルに残していった。気の毒なので食事代を渡して仕事を手伝ってもらったが労働という認識はなかった。いくらかでも支払うつもりはある」としている。【高橋龍介】

326チバQ:2013/03/24(日) 20:27:17
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2013032202000174.html
<はたらく>非正規職員の相談員ら ハローワークで大量雇い止め
2013年3月22日

 雇用の安定を目指すはずのハローワーク(公共職業安定所)で、相談員などとして全国で働く非正規職員のうち、約一割に当たる二千二百人が、この三月末で職を失う。突然「雇い止め」を告げられた職員たちは、業務で失業者の相談に乗りつつ、自らも勤務時間外や休暇に職を探す事態となっている。四月以降、窓口が混乱しないか懸念する声も上がる。 (稲田雅文)

 「窓口を訪れた人の中には、雇用保険や職業紹介以外の福祉サービスが必要な場合も。制度の知識と経験が求められる職場なんです」。東海地方のハローワークで、受け付け業務を担う非正規職員の五十代女性は訴える。二月下旬に突然、上司から「任期の更新はしない」と言われた。

 職に就いて三年半。雇用保険の給付や職業紹介、訓練など、多種多様な制度への理解をようやく深めたところだった。案内をした人が帰り際に会釈をしてくれると「人の役に立てた」と感じる。退職金や賞与、夏季休暇もなくてもやりがいのある仕事だっただけに、雇い止めを告げられたときは「涙が出た」。

 一年単位で任用される職員は、更新されない可能性があると頭では理解していた。だが「仕事も忙しいし、働き続けられると思っていた」という。今は土曜日に開いているハローワークの窓口で、仕事を探している。

 東京の非正規職員たちは昨年九月、待遇改善などを求めようと労働組合を結成した。書記長の戸田輝美さん(57)は「雇い止めにされる人と働き続けられる人をどう決めているのか、基準はあいまい。再任用する際のルールの確立と透明化が必要だ」と訴える。

 同じく雇い止めとなる四十代の女性は「行政として、雇用の安定や正社員化を促す施策を進めているのに、自分は説明もなく、雇い止めにしているのは横暴」と批判する。四月からは職業訓練を受けるつもりだ。「不安定な非正規はこりごり。じっくりと正社員の仕事を探したい」

 今回は更新となった別の四十代女性は「民間企業で働く人は法律で守られているのに、非正規の国家公務員は法の隙間にいて守られていない」と訴える。民間企業が非正規労働者を採用する際は、労働契約法やパート労働法で規制され、雇い止めには歯止めがかかっている。一方で公務職場の非正規職員の場合は、国家公務員法などに基づいて「任用」される。一年単位で任用する非正規職員を保護する規定はないため、法的に守られていない。「毎年、一月、二月になると更新されないのではないかと、びくびくしています」

     ◇

 厚生労働省によると、二〇一二年度の全国のハローワークの職員は三万一千七百六十五人。うち、非正規職員が二万百七十六人と全体の63・5%を占める。部署によっては、正規職員の十倍以上の非正規職員がおり、主なサービスの担い手となっている。

 〇八年度は一万二百二十一人だった非正規職員は、リーマン・ショック後の〇九年度に一気に一万七千八百七十人にまで増員。一一年の東日本大震災後も増やされた=グラフ。

 一三年度は約二千二百人減の一万八千人程度に絞り込まれる見込みだ。同省の担当者は「リーマン・ショックと東日本大震災で増えた業務量も落ち着いてきており、財務省の査定も厳しくなっている」と説明。減員分は業務の簡素化などで対応するという。

 減らされる現場からは不安の声も。ある正規職員は「職場が回るかどうか。利用者に迷惑を掛けるかもしれない」と話す。

 非正規職員千三百人が加入する全労働省労働組合は「被災地などでは、まだ多くの業務がある。大幅に減らしていいのか」と批判。雇い止めになる職員に労働行政にふさわしい、きめ細かな対応を取るよう求めている。

327チバQ:2013/03/24(日) 20:28:26
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130314/dms1303141535014-n1.htm
【編集局から】ハローワークに見た日本経済の縮図2013.03.14
 所用で、東京・東池袋のサンシャイン60にあるハローワークにしばらく通いました。現役サラリーマンの読者の皆さんもいずれ世話になるかもしれませんが、聞くと見るとでは大違い。実際に行ってみると、戸惑うことだらけの世界でした。明日の分からない時代ですから、何か機会があれば行ってみることをお勧めします。

 日本の現状を肌で知らされたのは、次から次へとやってくる失業者の大群でした。しかも、若い人たちが圧倒的に多いのには驚かされました。

 毎日、最新の求人情報が張り出される掲示板を食い入るように見つめる人たち。数十台並ぶ求人情報提供端末のコーナーは朝から鈴なり。鬼気迫る表情で求職者たちが端末機にかじりつく光景も印象的でした。

 相談コーナーで目についたのは、外国人とおぼしき人たちが意外に多いこと。詳しい事情は分かりませんが、これも最近の労働事情を反映しているのでしょう。

 今後、景気は上向くとみられていますが、雇用の改善にはまだ時間がかかりそう。ハローワークはまさに、いまの日本経済の縮図といえそうです。(I)

328チバQ:2013/03/24(日) 21:05:33
http://mainichi.jp/feature/news/20130310mog00m040013000c.html
リアル30’s:始めてる?(1) 普通に働き、ちゃんと休む
2013年03月10日


小菅では各業務に必ずグループで取り組む。仕事の進み具合が互いに一目で分かるため、急に休む人がいてもスムーズに引き継げる。社員は穏やかな雰囲気で働いていた=東京都墨田区、矢頭智剛撮影
拡大写真
単行本「リアル30’s」(毎日新聞社刊)
拡大写真 ◇残業無し。時間は家族、自分のため
 東京スカイツリーのお膝元、東京都墨田区のゴム製品専門商社「小菅(こすげ)」。午後5時半、終業チャイムが鳴ると社員が筆記用具やゴム印を引き出しにしまい、パソコンの電源を切って先を競うように帰っていく。職場に遅くまで居残る文化はない。定時退社するのが暗黙のルールだ。

 営業本部のグループ係長、浅原美紀さん(34)は高卒で入社し、2年前に同僚と結婚した。夫は午前8時から午後4時半の勤務で、将来子どもができたら保育園に送るのは自分、迎えに行くのは夫の担当になるだろう。入社当時は残業があり、今より給料が高かった。「体は今の方が楽。仕事に見合った給料なので満足です。ただ子どもがいないので、がっつり働いて残業代をもらえるのもいいかな。難しいですね」

 別のグループの係長、鳥谷部君江さん(52)は「毎月の手取り額は減ったが断然今の方がいい」と話す。一人娘が3歳の時に夫と死別し、実家の助けを借りて仕事と家庭を両立させてきた。残業ゼロはありがたい。「賞与も出るし、ぜいたくをしなければ生活には困らない。着付けを習い、区の勉強会にも参加していますよ」

 小菅の社員は全員正社員。年齢も18歳から70代半ばまで幅広い。年齢・学歴不問、未経験者中途採用、出産退職者の再雇用もある。

 会長の小菅崇行さん(62)が約20年かけて働き方を変えた。入社した70年代は連日夜9〜10時まで残業し、休日は接待ゴルフ。そこに違和感を抱いた。「人生働くだけ?」

 45歳で社長を継ぎ、拡大路線から「身の丈の経営」にかじを切った。残業をさせて売り上げを伸ばすより、社内の無駄をなくし、長時間労働をしなくても利益が出る仕組みを作った。すると、社員が時間内に仕事に集中し、結果的に収益が上がった。

 勤務時間内でも資格取得のための通学やセミナー参加を認める。「過去に求人もしたが、中小企業は見向きもされなかった。それに、数回の面接や筆記試験で人物は分からない。舞台を用意し、入社してから能力を伸ばしてもらう」と小菅さん。

 それでも経営が傾けば社員に無理を強いるのでは? 「収益を確保しながら社員に気分良く働いてもらうのが経営者の知恵。会社だから利益は確保するが、お金もうけは目的ではなく手段でしょう? 大切なのは社員や関係者が幸せになることで、従業員を『コスト』と捉える今の風潮は好みません」

◇ ソフトウエア開発会社の「アルス」(東京都目黒区)は「1カ月の夏休みと2週間の冬休みを取れる」をうたう。88年、日本IBMから独立した児玉民行(こだまたみゆき)社長(69)が「働きやすさ」を柱に設立。目玉は年間30日の有給休暇と勤続5年で半年間、10年で1年間取れるリフレッシュ休暇だ。最大5年の育児休業もある。

 公休と合わせて夏20日、冬10日の有休を取得すれば「1カ月の夏休みと2週間の冬休み」が実現する。ただし実践しているのは児玉社長1人。社員の例年の平均有休取得日数は20日前後という。

 社員の遊佐尚美(ゆさなおみ)さん(28)=千葉県柏市=の有休消化率はほぼ100%。夏と冬は10日ほど連休を取り、娘の予防接種や平日休みの夫と予定を合わせるのに有休を充てる。娘の病気の時には、有給とは別に年20日ある看護休暇を使う。「有休を夏と冬に使い切るのは勇気がいる。休んでも家族や友人と休みが合わない。今の休み方が一番便利です」

 児玉社長は「『働きやすさ』が僕の大きな夢だった」という。IBM時代にイギリスで働いた時、病気や家探しに有休を充てようとして「それは休暇ではない。社会生活のために必要な時間だ」と怒られた。「休むためには上手な働き方と自己管理力が必要。決して『休む=仕事をしない』ではないんです」

 いろいろな生き方と働き方があり、それぞれに合わせて「休む仕組み」を用意した結果、社員は「働きやすい」と感じてくれた。「ようやく時代が(僕の考えに)追いついてきた」

◇ 懸命に生きる30歳世代を追う「リアル30’s」。第4部のテーマは「新しい仕組み」です。どうすれば生きやすく働きやすい社会になるか、小さな試みを紹介しながらみなさんと一緒に考えます。【鈴木敦子、中村かさね】=つづく

329チバQ:2013/03/24(日) 21:06:48
http://mainichi.jp/feature/news/20130311mog00m040005000c.html
リアル30’s:始めてる?(2) 「仕事力」で決まる賃金
2013年03月11日


休憩中に卓球を楽しむクラスメソッドの社員たち。横田社長は「社員が人生を楽しまないと、お客さんに提供するサービスの質も落ちます」=東京都千代田区で、中村藍撮影
 ◇新しい能力主義探して
 データ入力会社「エス・アイ」(兵庫県姫路市)は15年前、正社員とパートの枠組みをなくし、給与体系を時給制に一本化した。今本茂男社長(68)は「優秀な女性が集まる仕組みだ」と話す。

 「長時間労働はデメリットが大きい」という信条から91年の創業時、パート従業員に「会社が開いている時間内ならいつ来て帰ってもいい」という自由出勤制を導入した。しかし、能力が高いパートからは「社員と同じ仕事をしているのに」と身分への不満が漏れ、社員からは自由な勤務体系をうらやむ声が出た。「それなら」と全員を自由出勤制に変え、給与も分かりやすい時給制にした。

 時給は750〜2350円。半年ごとに実績を評価し、1円単位で昇給、降給する。データ入力、ホームページ作成、ソフト開発など業務を118に分け、難易度や責任の重さに応じて基準点を設ける。点数と実際の成果、作業にかかった時間、リーダーや同僚による評価も加える。

 子どもの病気などで急に休んでもよい。データ入力の場合、資料の上に納期や進み具合を示す「進行表」を付け、誰でも作業を肩代わりできるよう工夫している。月の平均勤務時間は約110時間。最大168時間まで働ける。月10時間程度しか出社しない従業員もいるが、今本社長は「雇用期間は定めていない。『短時間社員』と認識しています」。

 64人の従業員の9割が女性、3割が20〜30代だ。求人誌の営業、自治体の非正規職員を経て3年前に入社した女性(30)は「いるだけでお金をもらえる人がいないのがいい」と、働きやすさを実感している。実績が認められて時給は入社時から約500円上がった。

 同じ仕事に同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」、残業させない代わりに雇用を増やす「ワークシェアリング」。今本社長は「会社にも労働者にもいいことずくめ。もっと広がってほしい」。

◇ システム開発会社「クラスメソッド」(東京都千代田区)は契約社員と正社員の処遇を公平にしている。正社員37人と契約社員2人がいるが、基本給は全社員一律で昇進・昇給の評価基準も同じ。役職給と職能給で差をつける「同一能力同一賃金」の仕組みだ。

 創業からしばらくは正社員の賞与2.5カ月分に対し契約社員は1カ月だった。しかし社員から「不公平じゃない?」と声が上がり、10年に正社員と同じにした。契約社員から正社員になった渡辺豪さん(34)は「処遇が同じなのですごく働きやすい。正社員になって良かったのは『響き』かな」と話す。

 面接で能力を測れなければ最初は契約社員で採用し、能力を認めれば半年から1年で正社員にする。能力が開花しないと契約終了。横田聡社長(35)は「社員が最大限能力を発揮できる環境を提供する。求めるのは仕事の成果だけです」。

 とはいえ、簡単にクビは切らない。技術進化に追いつけるよう、社外セミナーへの参加費を会社が負担するなど、社員の能力を伸ばす仕組みも用意している。

 「目指すのは日本型雇用でも欧米型成果主義でもない新しい能力主義。非正規社員を雇用の調整弁と見なければ、処遇に差をつける意味はない」

330チバQ:2013/03/24(日) 21:07:13
◇ 「会社は社員のもの。だから絶対クビは切らない。その分能力を細かく評価して手当に反映させる。フェアですよ」。−−レーザー専門商社「日本レーザー」(東京都新宿区、社員60人)の近藤宣之社長(69)はこう話す。

 モチベーションを高めるため、基本給を保障した上で能力に応じて手当を付ける。手当は英語力、ITスキル、対人対応能力など。例えば英語力では年1回のTOEIC受験を義務づけ、得点に応じて支給する。500点未満はゼロ、100点アップするごとに5000円を加算する5段階評価。900点以上なら月2万5000円だ。対人対応能力は「いつも笑顔でいる」「他人のために働く」など20項目を評価する。

 月ごとの営業成績を全社員に公表し、粗利益の3%を賞与で支給する。厳しい成果主義にも見えるが、配分は、仕事ごとに誰がどれだけ貢献したかをアナログ作業で評価して決める。縁の下の力持ちの努力も見過ごされない仕組みだ。

 大手メーカーから2年前に転職した営業職の谷口透さん(27)は「評価の透明性が高いので不満はない。実績と性格の両面で評価してくれることでモチベーションも上がります」と話す。

 近藤社長は大手企業勤務時代に何度もリストラにかかわった。ずっと、社員が幸せになる会社を作ろうと思っていたという。「社員の能力を引き上げる努力は惜しまない。貢献できない人もいるが、それを切って入れ替える手法は間違いです」【反橋希美、中村かさね、山寺香】=つづく

331チバQ:2013/03/24(日) 21:08:16
http://mainichi.jp/feature/news/20130312mog00m040005000c.html
リアル30’s:始めてる?(3)ワークとライフのミックス
2013年03月12日

 広々としたオフィス。商談テーブルの横を買い物バッグを提げた近所の女性が横切る。フロアでは子どもたちがゴロゴロと転がって遊ぶ。あれ、ここは会社では?

 千葉県大網白里市の不動産管理会社「大里綜合管理」(社員約25人)。本業は土地・建物の管理だが、それ以外に多くの地域活動にかかわっている。駅や海岸の清掃、地産地消レストランの運営、会社の空きスペースを地域住民にギャラリーとして貸し出すなどその数は250。買い物バッグの女性はギャラリーを訪ねてきたところだった。

 社員の中村彰宏さん(34)が4歳と1歳の娘をあやしながらパソコンに向かっていた。専業主婦の妻が会社主催の英会話教室に出席する間の1時間、娘たちを預かった。

 「2人一緒に預かると正直仕事ははかどりません。でも、いざという時に子連れ出勤を受け入れてくれる空気はありがたい」、妻の真紀さん(38)も「父親が働く姿を子どもに見せられるのはいいこと」と話す。

 配偶者が病気や用事で子どもの面倒をみられない時、子どもを連れて出社できる。授業参観のために仕事を抜け出してもいい。一見自由すぎる働き方に思えるが、始めたのは野老(ところ)真理子社長(53)。94年、当時小学生だった長男を夏休みに預ける場所に困り、社内に学童保育を開いたことがきっかけだった。地域の子どもも受け入れ、今も夏休みには約50人の子どもが集まる。

 中村さんは地域活動に興味を持って09年、少年自然の家の指導員から転職した。パソコンのシステム管理と地域活動の事務局を担当する。忙しい時は帰宅が深夜になることもあるという。

 「30代は責任ある仕事を任される年代。でも家庭も大事。バランスは難しいですが何かあったら助けてもらえるので安心できます」

 野老社長は「効率を求めて行き着いたのは人を使い潰し、子どもも産めず育てられない社会。誰も幸せにならない選択はすべきではないと思う。『どうせ分かってくれない』なんて言わず、若い人たちにはどんな働き方を望むのか言ってほしい。私たちも乗り越えてきたのだからきっと分かり合えますよ」。

◇ 「春は子どもの入学式。有休のオンパレードです」−−。17人の塗装職人が働く松江市の長岡塗装店。常務の古志野純子(すみこ)さん(51)が笑う。休み予定を書き込むホワイトボードには「病院」「10〜12時歯医者」の文字が並ぶ。近く結婚する職人の岸直哉さん(24)は式の打ち合わせのため平日に3回有給休暇を取った。「取りづらい雰囲気はないですよ。先輩も取っているので」

 武田佳教(よしのり)さん(35)は子どもが入院した時、有休とは別の看護休暇を取った。急だったがためらわずに申請できた。社員が少ないから誰かが休めば誰かにしわ寄せはいくが、でも引き継ぎをきちんとするとか、他の人が休みたい時に代わりにがんばるとか、周りへの気遣いで迷惑を小さくできるという。

 育児や介護中の社員に給料そのままで最長1時間の時短勤務を認め、保育料や介護サービス利用料を補助する。塗装技能士などの資格を取る費用や資格手当を出し、スキルアップも手伝う。難病の夫(52)を介護する事務員の景山玲子さん(45)は時短や補助金を利用し、介護と子育てと仕事を続けてきた。「精神的にも経済的にも、追い詰められずに済んでいます」

 90年代、若い職人が定着せず、現場の高齢化が進んだ。「きつい、汚い、危険の3K職場。学校を出た人がわざわざ塗装をやりたいと思わなくなった」と古志野さんは振り返る。屋外に足場を組んだ高所作業。夏は暑く冬は寒く、服はペンキまみれ。ベテランの中には「技は盗んで覚えろ」と、若手に厳しいだけで教えない人もいた。見かねた社員が古志野さんに直談判した。「このままでは会社はダメになる。辞めさせない環境を作るのが経営者の責任だろう」

 幸か不幸か、塗装は人の手仕事で機械に取って代わられない。人を大切に育てれば仕事は続く。とはいえ若手優遇だけでは公平じゃない。まずベテランの定年を延ばし、60歳を過ぎても働ける制度を作った。その際に「若手の育成」という役割を担ってもらった。

 古志野さんの発想はシンプルだ。「公共工事が減り、経営は正直厳しい。でも国が悪い、仕事がないと周りのせいにしても楽になれない。世の中全部を一気にバラ色に変えることは無理でも、自分の周りから良くすることはできる。『いい人材』は探すものではなく、育てるものです」

【山寺香、鈴木敦子】=つづく

332チバQ:2013/03/24(日) 21:08:56
http://mainichi.jp/feature/news/20130313mog00m040015000c.html
リアル30’s:始めてる?(4) 新しいコミュニティー
2013年03月13日
 ◇つながり求め 空間、時間シェア
 京都・西陣に30代までの男4人、女3人計5世帯が暮らすシェアハウス町家「お結び庵」がある。最年少は2歳の優結(ゆうゆ)ちゃん。会社員の国定直樹さん(26)、若菜さん(26)夫婦の長女だ。

 直樹さんと若菜さんは5年前、前身のシェアハウスで出会い、結婚。その後妊娠が分かって迷った。「子どもがいると迷惑がかかるかな」。ところが住人会議で「一緒に住んでいいと思うよ。何かあったらみんなで話せばいいんじゃない?」と予期せぬ答え。そのまま住み続け、翌年1月には全員が木造2階建て、家賃10万円の細長い京町家に引っ越した。

 元々学生時代の仲間2人でシェアを始めた。誰かが優結ちゃんの遊び相手をしたり、熱を出した時は保育園にお迎えに行ったりもする。約束事は一つ。「気になることはとことん話し合う」

 つながりはハウス内にとどまらない。月1回ほど、近所の人や友人を招いて食事会「京都西陣のご近所10ミニッツの会」を開く。住人の浅田雅人さん(32)が企画した。フェイスブック上にグループを作り、近所の人に参加を呼びかけた。今、30代を中心にメンバーは約40人。「縁日ご一緒しませんか?」「料理教室開きます」−−。さまざまなイベントや交流が生まれる。

 3日の食事会には2歳から82歳まで30人が集まった。松尾瞳さん(33)は昨年2月、近所に食堂を開いたばかり。普段1人で店に立つため同世代との交流がなかった。「お年寄りが多い街だと思っていたけど、こんなに若い人が住んでいるなんて」。食事会で出会った人が店に来てくれるようにもなった。

 町内会的なご近所付き合いと、ソーシャルメディアを使った新しくてゆるやかなコミュニティーのいいとこ取り。浅田さんは「仕組みはすごく簡単。21世紀型の新しい町内会を作った感じです」。

 ◇
 古い長屋や路地が残る大阪市中央区の空堀(からほり)地区に、異業種の人たちが集う「コワーキングスペース往来」(昨年9月オープン)がある。コワーキングは「共働」という意味だ。

 改装長屋の一角に約8畳の畳敷きスペース。靴を脱いで上がり、中央の大きな木製机を囲んで過ごす。パソコンに向かう人、手芸をする人、お弁当を食べて帰る人……。2時間以内525円、1日1050円と安い。

 店長でA’ワーク創造館(大阪地域職業訓練センター)職員の梅山晃佑さん(31)は「単なるシェアオフィスでなく、いろんな人がふらっと立ち寄ってゆるく交差できる場にしたい」と話す。

 梅山さんは空堀地区に住み始めた08年から月数回、自宅の2畳部屋を学び合いの場「2畳大学」として開放した。おいしいカレーの秘訣(ひけつ)を探る「カレー学科」や知人を講師に絵本を手作りする「ワークショップ学科」、知人を紹介し合う「オープンキャンパス」などを開いてきた。

 こうしたスタイルは「住み開き」として注目され始めている。コワーキングも住み開きも、空間や時間を共にする「シェア(共有)」の考え方だ。梅山さんは「本来は町内会もつながりの場だった。今若い世代は新しいつながりを求めている。ソーシャルネットワークを使えばお金をかけなくてもいろいろ工夫できます」と語る。

◇ 「ゆっくりしておいで」「何かあったら電話ちょうだいね」。神奈川県藤沢市のマンションで、主婦の松永愛実(あいみ)さん(28)が門岡真衣さん(30)を笑顔で見送った。部屋では松永さんの子ども2人と門岡さんの長男治希(はるき)君(3)が遊んでいる。

 松永さんは子育て支援に取り組む会社「AsMama(アズママ)」(横浜市)が認定した「ママサポーター」。門岡さんは1時間500円の託児サービスを2時間使い、久しぶりに書店に向かった。

 同社は子育てを支援してほしい人とできる人をつなぐネット上の会員制コミュニティーを運営する。首都圏や中部地方、関西、九州の17都府県に約2000人の会員がいる。各地のママサポーターは200人超。会員が託児や送り迎えをネット上で頼み、ママサポーターが引き受ける仕組みだ。働くお母さんでも専業主婦でも利用できる。保育中のけがなどは同社が加入する保険で対応する。

 会社が地域イベントなどを開いて利用希望者とママサポ候補者に参加を呼びかける。この時点でお互いが顔見知りになるので、登録後、ネット上で託児を頼みやすい。ここが民間や自治体の託児サービスと違う。甲田恵子代表(37)は「ちょっと困った時、近くに『助けて』と頼れる人がいれば親も子も肩の力が抜ける。そんな仕組みを作りたかった」。【細川貴代、大道寺峰子、鈴木敦子】=つづく

333チバQ:2013/03/24(日) 21:09:54
http://mainichi.jp/feature/news/20130314mog00m040008000c.html
リアル30’s:始めてる?(5)生きやすい社会 自分たちで
2013年03月14日


 ◇遅咲き若者を支援、社会の課題を仕事に
 「働き始めて約半年、嫌と思ったことがない」。関西国際空港に近い大阪府南部の貝塚市。住宅街5・5キロを走る水間(みずま)鉄道の嘱託職員、高田祐作さん(25)は笑顔で話す。職員約70人のアットホームな会社。技術者として線路や信号の点検などの作業をこなし、駅のごみ箱清掃やイベントで着ぐるみをかぶることもある。正社員への道も開かれている。

 工学系の大学を20歳で中退。昨年まで福岡の祖母の家で農業を手伝っていた。昨年9月、大阪府とNPO法人スマイルスタイル(スマスタ)などが企画したイベント「大阪レイブル超就活」で水間鉄道と出合い、1カ月間の職場体験を経て採用が決まった。

 レイブルは「レイト・ブルーマー=遅咲き」の略語。働いていないが働く意思を持ち、行動を起こし始めた若者を指す言葉だ。「引きこもりや怠け者」というイメージを刷新するため大阪府などが提唱している。

 超就活には高田さんを含め10〜30代の男女約80人が参加した。レイブルの趣旨に賛同した水間鉄道やお好み焼きチェーン「千房」など10社で雇用継続を前提とした1カ月のインターンシップを経験する。これが超就活の特徴だ。受け入れ企業は多くないがスマスタが100社以上を独自に回って見つけた。

 研修中、本人の苦手なことを企業側に伝え、週1回各職場を訪問し、様子を見て勤務を減らすなど細かくケアする。その結果約25人が引き続き働いている。代表の塩山諒さん(28)自身が小学3年から不登校になり、通信制高校に進学しながら中退した経験が生かされている。

 「不登校などの問題を減らすには社会を変えないと」と07年夏、仲間2人とスマスタを作った。今では大手美容室の依頼で離職率の高い理美容業界の職場環境を良くするプロジェクト「ロイヤルオモテナシー」を進めたり、ケーブルインターネット会社から地域活性コンテンツ「ユメコラボ」の企画・製作を任されたりと、活動の幅を広げている。「政治家でもなく企業でもないNPOだからこそ、仕組みを変える調整役としての可能性がある。社会が変わるのを待つより自分たちが少しずつ変えたい」

◇ 社会の課題をビジネスの手法で解決したい若者を応援するNPO法人「edge(  エッジ  )」(大阪市、田村太郎代表理事)は04年から「ビジネスプランコンペ」を開いている。

 1次から最終まで4回の審査で最優秀賞1組を選ぶ。事業計画の立て方を学ぶ合宿をして解決したい社会課題のプランを練り直したり、人材マネジメントや経営の専門家、先輩社会起業家がメンター(助言者)として参加者と面談したりする。最終審査は公開だ。

 専務理事の河内崇典さん(36)もコンペ出場経験者。大学時代にボランティア活動にかかわり、01年にNPO法人「み・らいず」(大阪市)を作った。障害のある人や子どもの支援に取り組んでいる。「若手は先輩起業家から実践的アドバイスを受ける機会がほとんどない。コンペは参加者同士のネットワーク作りの意義が大きい」と話す。

 経済的理由で進学をあきらめた高校生のための奨学金作り、ホームレスの人たちの仕事作りなど、プランを事業化したエッジ出身者も多い。病児保育のNPO法人「ノーベル」(大阪市)もその一つ。病児の預け先に困る働く親のニーズをすくい取り、会員は240世帯。代表の高亜希さん(33)は「仕組みを変えるのは簡単ではないけれど、行動することで変わると信じてます」。

334チバQ:2013/03/24(日) 21:10:13
◇ 昨年12月のある朝、熊本市の広告企画会社「ミューズプランニング」の社員、内田美香さん(37)は会社に「今日は夕方まで自宅でテレワーク予定です」とメールを送った。

 テレワークは情報技術(IT)を使った時間や場所にとらわれない柔軟な働き方のこと。内田さんは自宅で仕事を始め、途中30分間、小学4年の長男(10)のマラソン大会の応援へ。帰宅後パソコンで報告書や原稿を作り、長男の授業参観を挟んで午後7時半に仕事を終えた。在宅勤務とフレックスタイム制を組み合わせた形だ。

 同社は昨年4月にテレワークを導入した。「お母さんが働きやすい会社にしたい」と考えていたのに、受注が増える中でママ社員が心の余裕を失ったり、夜遅い仕事をカバーする独身社員が体調を崩したりした。藤井宥貴子代表(48)は「うちの働き方にできると感じた」と話す。

 全社員16人のうち新入社員と出先勤務者を除く11人が使える。朝7時から夜9時までで8時間勤務の始業終業を自分が決められる。自宅に会社支給のパソコンとPHSを配備し、朝夜の連絡メールで勤務を申告する。この春育休復帰の女性が完全テレワークに入るため、ウェブ会議も導入する予定だ。

 総務省の通信利用動向調査(09年)によると、企業がテレワーク導入をためらう理由のトップは「適した仕事がないから」(72・6%)。在宅勤務コンサルティング会社「テレワークマネジメント」(東京都千代田区)の田沢由利代表(50)は「今の働き方では企業は回らない。営業職でも顧客訪問以外の打ち合わせや資料作成は社外で可能」という。

 藤井さんは「必要な人が必要な時に使える仕組み。オフィスに来るのが当たり前という意識を崩したいですね」。【大道寺峰子、細川貴代、青木絵美】=おわり

335チバQ:2013/04/06(土) 17:24:14
2077 名前:チバQ 投稿日: 2013/04/06(土) 17:23:26
http://mainichi.jp/feature/news/20130406ddm041100088000c.html
仕送り:私大生、8万9500円 家賃引くと、1日923円生活 首都圏調査、過去最低
毎日新聞 2013年04月06日 東京朝刊

 首都圏の私立大・短大に昨年入学した自宅外通学生への仕送り額は月平均8万9500円で、12年連続で過去最低を更新したことが5日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査で分かった。仕送りだけで生活した場合、家賃を引いた残りの生活費は初めて1日1000円を切った。東京私大教連は保護者の収入減の影響とみており、「安心して学べるように、政府は私大生の学費負担軽減策を新設してほしい」と話している。【福田隆、三木陽介】

 調査は昨年5〜7月、早稲田大や明治大など首都圏の17大学・短大の新入生の保護者を対象に実施し、5349人から回答があった。うち自宅通学生は3221人、自宅外は2128人だった。

 自宅外通学生の保護者世帯の税込み平均年収は860万円で前年比約40万円減。月平均仕送り額(6月以降)はピークだった94年(12万4900円)から3割減った。一方、平均家賃は6万1800円で前年から微増。仕送りに占める家賃の割合は69・1%で、前年から2・3ポイント上がった。仕送りから家賃を除いた生活費は2万7700円、1日当たり換算で923円と、いずれも過去最低を記録した。

 仕送りの減少に伴い、学生はアルバイトの掛け持ちが目立ち、深夜勤務のため翌日の講義中に居眠りする学生もいる。食費を切り詰める傾向も見られ、ある学生の場合、朝食はおにぎり3個、昼食はカップ麺、夕食は牛丼屋に行ければ良い方だという。東京私大教連の柿崎敦・中央執行委員は「親の年収減少の影響が大きく、学生はアルバイトに追われて勉強どころではない」と訴えている。

 ◇バイトで疲れ授業行けず ごはん、牛丼ばかり
 福井県鯖江市出身の早稲田大法学部4年の男子学生(22)は、自営業の親からの仕送りは月4万円。1年生の時はキャンパスから電車で約20分の家賃2万5000円の学生寮に入っていたが、通学費と時間がかかるため2年生から大学近くのアパートへ引っ越した。しかし、家賃は7万4000円。日本学生支援機構からの奨学金(月約10万円)ではとても生活できず、2日に1回はアルバイトに明け暮れ、疲れて授業に行けないこともある。「友人からは『社畜』とからかわれています」と苦笑する。

 同大4年の男子学生(21)は広島市の親元からの仕送りはゼロ。父親は地方公務員。入学時、姉が地元の私大に通っていたので「仕送りは無理」と言われた。家賃7万5000円、就職活動に不可欠の携帯電話代月1万円−−。月の半分はバイトを入れている。「ごはんはほとんど牛丼。いつもお金のことを考えています」。今は就職活動中。地元企業を希望しているため、新幹線代がさらに重くのしかかっている。

336チバQ:2013/04/20(土) 10:53:00
http://mainichi.jp/feature/news/20130419dde012100056000c.html
特集ワイド:続報真相 若者つぶす奨学金
毎日新聞 2013年04月19日 東京夕刊

 ◇回収強化する学生支援機構/返済延滞で年10%の“罰則”/「貧困ビジネス」との批判も
 「奨学金は、貧困ビジネスになっている」。先月31日、この問題で初の全国組織となる「奨学金問題対策全国会議」が設立された。共同代表になった大内裕和・中京大教授は冒頭のように語り、社会的な救済が必要だと訴えた。今、非正規雇用の広がりなどで奨学金の返済延滞が急増し、独立行政法人・日本学生支援機構(旧日本育英会)が回収強化に乗り出している。その実態を追った。

 「寒い日でした。高校3年の冬、自転車の荷台にこたつを縛り付けて看護専門学校の寮に向かいました。車の多い環状7号線を通って東京・多摩地区の自宅から北区の寮まで。何時間かかったでしょうか。ようやく到着した時には排ガスで全身真っ黒でした」

 東京都内で看護師として働く恵子さん(33)=仮名=は、18歳の門出をそう振り返る。病院でアルバイトして自活した。所持品はこたつの他にインスタントラーメン3個とお年玉の現金2万円。日本育英会(当時)の奨学金制度を恵子さんは知らなかった。

 それから12年後。

 「突然、裁判所から奨学金の支払い督促が届きました。不思議に思って母に聞いたところ、父の借金返済のために私名義で母が借りていたことを知りました」

 実は恵子さんのような例は決して少なくないという。

 奨学金は、消費者金融のように貸金業法の規制を受けない。有利子タイプはほぼ無審査、無担保で利用できる。現在、大学生の半数以上が奨学金を利用しており、日本最大の奨学金事業者、日本学生支援機構の貸付残高は7兆円を超えている。

 同機構は小泉政権時代の2004年に独立法人化され、国から「延滞額を5年で半減」などのノルマを課せられた。しかし、若者層を中心に非正規雇用が広がり、逆に延滞額は増加。11年度末の延滞者数は33万人、延滞額は876億円に上っている。

 同機構の申し立てで東京簡易裁判所が恵子さんに支払い督促を出したのは10年11月8日。財務省の指導を受けた同機構が、滞納者を個人信用情報機関に登録(ブラックリスト化)するなど回収強化に乗り出した時期にあたる。12年5月までに滞納3カ月以上の1万2281人を登録。支払い督促は00年度の338件から11年度に1万5件と約30倍になった。

 恵子さんが督促されたのは156万円。高校3年間に貸与された元金に、延滞金62万4000円が加えられていた。同機構では毎月の返済が遅れると、割賦金(元金)に対して年10%もの延滞金が課せられるのだ。

 「大金を一括請求されてただ驚き、途方に暮れました。でもこれまでに一度の連絡もなく、ペナルティーの延滞金まで支払えという態度は納得できなかった」と東京簡裁に異議を申し立てた。

 11年12月の簡裁判決は、恵子さんが母親から説明を受けていなかったとして延滞金と時効分の支払いを免除した。同機構は控訴し、東京地裁は今年2月に一転して延滞金の支払いを命じた。奨学生には返済義務を明記した書類を渡していたという高校担当者の証言を証拠採用したのだ。同機構のずさんな住所調査から督促状が届かなかった事情は考慮されなかった。恵子さんは東京高裁に上告している。

 訴訟を支援する首都圏なかまユニオンの伴幸生副委員長は「書類が本人に渡っていたという確かな証拠がないのに、延滞金まで認めた不当判決です。若者を支える奨学金に年10%もの延滞金というペナルティーがあるのがおかしい。負けられない裁判だと思っています」と強調する。

337チバQ:2013/04/20(土) 10:53:29
  ■  ■

 より典型的なのは、九州在住の事務職パート、紀子さん(30)=仮名=のケースだ。高校2年間と大学4年間で利用した同機構の奨学金元本と利子は計800万円以上。紀子さんは「借りたお金を返すのは当然ですが、債務に縛られた一生だと思うと落ち込みます」とため息をつく。

 毎月3万2000円で20年返済。救済がないわけではない。同機構には年収300万円以下なら最長5年の返済猶予がある。総額は減らないが、毎月の返済額を減らせる最長10年間の減額返済もある。ただ、いずれも延滞金があると申請できない。

 紀子さんは返済猶予の5年を使い切り、今年から減額制度を利用する。最長10年間の減額(半額)を毎年申請して認められたとして、54歳になるまで返済に追われる。

 「パートの手取りは残業代を含めて9万〜10万円。減額後の返済額は1万6000円ですが、延滞すると減額が認められなくなり、返済も延滞金にあてられる。とても結婚や出産は考えられない」という。

 実家の家計は苦しかった。高校を出たら就職するつもりだったが、地元の求人は遊技場店員など不安定なものばかり。「大学さえ出れば」と地元の私立大学に進学した。無利子と有利子(最高3%)を合わせて月15万円を借りた。一部を親の借金返済と妹と弟の学費に回した。

 卒業後、IT企業に正社員として就職したが、うつ病になって2年で退社。満額返済できたのは1年半だけで、約750万円の債務が残る。実家に戻って両親と弟妹の5人で暮らすが、父親は障害基礎年金、母親は月5万円のパート収入だ。弟と妹も奨学金返済に追われる。

 相談した弁護士には自己破産を勧められた。「考えてみましたが、父親と叔父が連帯保証人になっているので、自宅を売却しなければならないのです」。奨学金以外に道はなかったか? 「一度就職して学費をためて進学する道はあったが、高校時代には知るすべがなかった。もう少し学費が安かったらよかった」

 文部科学省によると、12年の初年度納付金は国立大学で入学金28万2000円と授業料53万5800円。私立大学の平均は入学金、授業料と施設設備費で131万5882円。不況、デフレなのに右肩上がりだ。

  ■  ■

 冒頭に登場した恵子さん。「内緒で奨学金を借りた母を恨んではいません。私が中学生のころ、父が事業に失敗して多額の借金を抱えました。母はパートで働きましたが、子ども3人を抱えて本当に大変だったと思います」

 取り立てから逃れる父親から時々、母に電話が入った。「大きな仕事をしている。もうすぐ現金が入るから振り込む」。約束の日、うなだれて銀行から帰ってくる母親の姿が忘れられない。当時、自宅に上がって酒を飲むようになった消費者金融担当者の会社名を覚えている。

 「実録『取り立て屋』稼業」を書いた元武富士社員の杉本哲之さん(34)に、その会社名を告げると「いわゆる中小規模の悪徳街金融業者です。自宅に上がり込むのは相手に恐怖心を植え付けて心を支配するため。洗脳です。多重債務者に無理やり奨学金や児童扶養手当、生活保護などを申請させて、その金で返済させるのが常とう手段です」と証言する。さらに「奨学金はほぼ無審査、無担保で月十数万円も借りられる。貸金業者にとって、親が返せなくなった借金を子どもに背負わせる都合のいい制度なのです」と話す。

  ■  ■

 奨学金が金融事業化しているとの批判について、同機構を所管する文科省学生・留学生課長の松尾泰樹さんは「奨学金は学生支援を目的として、与信審査をせず、担保も取らずに貸与しており、金融事業とは異なる。回収は強化しているが、返済猶予もあり、返せない人から無理やり返してもらうようなことはしていない」と話す。ただ、その猶予は5年だけだ。

338チバQ:2013/04/20(土) 10:53:45
 2月に全国44の弁護士会が一斉実施した相談会には「生活が苦しく返済できない」などの相談が453件寄せられた。奨学金問題対策全国会議の大内共同代表は「高卒の求人は激減しています。このため、親の経済力によって進学できない子どもは非正規、無業になる可能性が高いという『貧困の連鎖』が起きている。それを避けようとすれば無理な金額を借りてでも進学するしかない。なのに返済が遅れたら年10%の延滞金が課せられる。奨学金は貧困者を対象にもうける金融ビジネスになっている」と指摘する。

 高校新卒者向け求人はバブル末期・92年の167万人をピークに、12年には20万人と87%も激減した。奨学金で進学しても就職難。自分の奨学金を完済する前に、子どもが借りるケースも出始めた。

 対策会議事務局長の岩重佳治弁護士が訴える。「学生の立場に立った奨学金が今ほど求められる時代はない。真の学びを社会全体で支えていく仕組みが必要です」【浦松丈二】

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 ■4年制大学の初年度納付金の推移

      国立       私立         大卒初任給(参考)

1979年 22万4000円  64万8637円  10万9000円 

1989年 52万5000円 103万5116円  16万円   

1999年 75万3800円 127万3095円  19万6000円 

2012年 81万7800円 131万5882円  20万1000円

※国立と私立の初年度納付金は文部科学省調べ。大卒初任給は男子平均、厚生労働省調べ

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339チバQ:2013/05/23(木) 23:20:59
http://mainichi.jp/select/news/20130523k0000m040106000c.html
脱法ハウス:1.7畳、手届く四方の壁 住民同士会話なく
毎日新聞 2013年05月23日 02時32分(最終更新 05月23日 02時53分)
 そこは人の住む場所なのか、そうではないのか−−。消防法違反を指摘された東京都中野区の「シェアハウス」。貸事務所だとする運営会社に対し、東京消防庁は「共同住宅」と認定した。住宅だとすれば建築基準法に違反するが、同法を所管する中野区は「住宅かどうか定かではない」と、手をこまねいていたのが実情だ。火災や地震が起きた時、命を守れるのか。関連法令の隙間(すきま)をぬうような「脱法ハウス」が増殖している。【加藤隆寛】

 利用者らによると、中野のハウスの居室部分は2.7平方メートル(1.7畳)で、中央に立てば四方の壁に手が届くほどの広さ。窓はなく、昼も暗い室内を備え付けの電灯がほのかに照らす。ほかには旧型テレビ、小さな机があるだけ。寝台部分は2部屋で上下を分け合い、寝そべると間近に天井が迫る。部屋を仕切る壁は薄く、せき払いや寝返り、鼻をかむ音が聞こえる。

 キッチン、トイレは共同でシャワーとランドリーは有料。シェアハウスと言えば、顔見知りの住人たちによる共同生活を想像する。だが、30代の男性は「ここでは住人同士の会話はほとんどない。ネットカフェと同じで、周りにどんな人が住んでいるかは分からない」と話す。

 消防法違反発覚の端緒は偶然だった。昨年初め、救急車の出動要請でハウス内に立ち入った消防隊員が「おかしい」と感じ、査察部門に連絡した。もとは一般住宅で改築届は出されていない。端緒がなければ存在すらつかめず、危険な状態のまま存続していた恐れが強い。

 自動火災報知設備の設置などで消防法令はクリアされたが、「共同住宅」としては、建築基準法に違反する。同法は居住者の生命や健康、財産を守るために住居に最低限必要な基準を定めており、そもそも「窓のない居室」を認めない。

 さらに、同法を補う東京都建築安全条例は共同住宅の居室の最低面積を7平方メートル(約4・3畳)と定める。また、火災時に窓から避難できるよう居室の外に十分な空き地(窓先空地(まどさきくうち))を設けることも義務付ける。中野のハウスはこうした規定にも抵触する。

 建物の構造を規定する建築基準法は、防災設備面に重点を置く消防法と補完し合い、居住者の安全を確保する。だが、中野区都市基盤部は「建物が住宅、オフィス、宿泊施設のどれに当たるかはっきりしない」として、これまで指導してこなかった。

 運営会社マンボーの主張通り貸事務所だとすれば、建築基準法は満たす。だが、一帯は住宅地で、用途地域を定めた都市計画法に違反する。宿泊施設だとしても、旅館業法の客室規定を満たさない。

 中野区の担当者は取材に「消防は権限が強く、実態を元に判断できるが、我々は法文解釈が基本。何にどう違反しているかはっきりしなければ動けない。現行法令は隙間だらけ」と釈明する。

 日本シェアハウス・ゲストハウス連盟の高橋圭一専務理事は「定義もあいまいで、何をシェアハウスとするかは『言った者勝ち』の状態。多くはまじめにやっているが、モラルや順法意識に欠ける業者が少なからず出てきているのも事実だ。業界として統一的な安全基準を作ることも考えるべき時期に来ている」と話す。

340チバQ:2013/05/23(木) 23:22:35
http://mainichi.jp/select/news/20130523k0000m040105000c.html
脱法ハウス:都内で増加 消防法違反で危険
毎日新聞 2013年05月23日 02時30分(最終更新 05月23日 02時50分)


 新たな居住スタイルとして住居の「シェアリング」(共有)が注目される中、ネットカフェ大手「マンボー」(東京都新宿区)が「シェアハウス」などとうたって運営する中野区の施設が、東京消防庁から消防法違反を指摘されていたことが分かった。狭い個室が多数並ぶ構造で、自動火災報知設備などがなく危険な施設と判断された。シェアハウスには法令上の定義がなく、脱法的な類似施設が近年増加しており、専門家は「火災が起きれば多数の犠牲者が出る」と警鐘を鳴らしている。

 東京消防庁や利用者によると、問題のハウスは中野区上高田3にあり、木造2階建て(延べ床面積約250平方メートル)に37の個室を設けている。各室とも窓がないか、あってもふさがれ、広さ約1.7畳の居室と約1畳の寝台からなる。

 共同住宅は消防法で一般住宅より厳しい防火対策を課される。さらに東京都は木造など耐火建築でない場合、床面積200平方メートル以上で自動火災報知設備の設置を条例で義務付けている。共同住宅ではなく事務所の場合は1000平方メートル以上と規制が緩い。

 マンボーは消防などに対し、「住居ではなく、24時間利用可能なレンタルオフィス(貸事務所)だ」と主張する一方、ホームページや看板で「話題沸騰中のシェアハウス」などと宣伝。利用者の多くが「住んでいる」と話し、半数以上が住民登録していたことも踏まえ消防は昨年7月、共同住宅と認定した。出入りできる窓もないため救助が難しいとして避難誘導灯の設置も要請した。同社は昨年末までに改善した。

 同社は5年ほど前からこの事業を始め、中野や新宿など都内約10カ所に展開する。実質的な経営者とされるのは元社長で大株主の森下景一氏(62)で、中野のハウスは同氏の自宅を改築したもの。

 森下氏は風俗産業で成功し「日本の風俗王」と呼ばれ、2004年分の所得税額が中野税務署管内で2位の高額納税者。だが、創業した会社が運営するテレホンクラブ「リンリンハウス」の神戸市内2店舗で00年、連続放火事件が発生し、4人が焼死。大阪高裁は03年、安全設備が不十分だったとして同社に対し、遺族への1億円超の賠償を命じた。

 毎日新聞が取材を申し入れたところ、マンボーは今月21日、「諸般の理由により中野(のハウス)は利用者の合意をいただき、1カ月以内に廃止する」と回答した。森下氏自身にも20日に直接取材したが、「やめて」と繰り返し、応じなかった。【加藤隆寛】

 ◇ネットカフェが運営 光熱費込み月5万円
 マンボーの約10カ所の「シェアハウス」は、毎月の利用料が光熱費込み5万〜6万5000円で、どこもほぼ満室だ。1晩1700円前後のネットカフェに居続けるのと大差ない値段設定だが、都内の不動産業関係者は「借り手のない大型物件を細かく仕切って貸せば、総額として高い賃料を得られる。極めて利益率の高い業態だ」と事業のうまみを指摘する。

 同社はハウスの一室を貸す際、一般的な賃貸借契約と異なる利用権契約を相手と結び、「当社が妥当と判断すれば即時解約できる」という規約を設ける。

 利用料の納付が遅れて連絡がつかない場合、個室の電子キーの暗証番号を変え所持品は警察に渡すという。通常の賃貸借では借り手は借地借家法で守られ、3カ月以上の滞納がないと解約されない。ただし、利用料以外にかかる初期費用は保証金2万円のみで、保証人は不要。借り手にとっては、危険性や弱い立場に目をつぶれば「都合の良い物件」とも言える。

341チバQ:2013/05/24(金) 23:02:32
http://mainichi.jp/select/news/20130525k0000m040091000c.html
脱法ハウス:「網の目」住宅で2010年に火災
毎日新聞 2013年05月24日 22時24分(最終更新 05月24日 22時50分)


火災を起こしたハウス2階の間取り。右上の外階段につながる出入り口脇のトイレが出火場所となった=東京消防庁の資料から
拡大写真 極端に狭い居室が密集し、火災時の危険性が指摘されている「脱法ハウス」を巡り、「シェアハウス」をうたう東京都練馬区の施設で2010年末、2階トイレの棚や壁が焼ける火災が起きていたことが分かった。直前に査察した東京消防庁の資料によれば、ビルのフロアは網の目のように約60室に区切られ、入り組んだ廊下の幅は最大で1メートルだった。トイレは外部とつながる出入り口脇で大惨事につながった可能性があり、消防当局は「おしゃれな名前で入居者を募っているが、大変危険な施設」と指摘している。

 この施設は、同区中心部の鉄骨3階建て事務所・店舗用ビル(延べ1067平方メートル)の2、3階を活用する形で、複数のラブホテルなどを展開する会社(新宿区)が09年に開設。1階は24時間営業のスーパーだった。

 東京消防庁練馬消防署員が、「シェアハウス」としてインターネットで紹介されているのを発見。共同住宅としての各種届け出はなかったが現場で住民を確認した。さらに外観上、2階部分に窓など開口部がほとんどなく危険性が非常に高いとみて10年11月、練馬区建築課と合同で査察に入った。

 査察結果などをまとめた消防の資料によると、3階は5室のほか炊事場やコインランドリー。2階は58室でいずれも空き部屋のない満室状態で、個々の部屋への立ち入りは拒否されたという。図面上は各部屋に感知器はあるが、窓はほとんどなかった。

 また、各部屋のドア上部には換気扇を設置し廊下のエアコンの冷暖気を室内に取り込む仕組みだったが、火災時には廊下の煙が部屋に流れ込む恐れがあった。同署と区は消防法や建築基準法に違反しているとして指導に乗り出した。

 トイレ火災が発生したのはその直後の同年12月17日。けが人はなかったが、施設からの消防通報はなく、翌日になって利用者の男性から119番があったという。同署は「放火の可能性が高い」とみるが詳しい原因は今も判明していない。

 同署は11年1月に再度の査察を実施。早急な是正を求めて警告書を交付したところ、運営会社は4月にビルから退去し、今は空室になっている。消防資料では、運営会社について「利益追求のみの姿勢が見られ、署の係員に対して、時には恫愒(どうかつ)めいた言動があった」などと指摘する。同社は取材に「シェアハウス事業からは既に撤退しており当時を知る者もいない」と答えた。

 東京消防庁査察課は「署員が『シェアハウス』と称する施設への問題意識を持って査察し、区役所との連携もうまくいった」と評価する。一方で、別の課の担当者は「庁全体でシェアハウスを重視して立ち入りできているわけではない。今は高齢者のグループホームや雑居ビルの優先順位が高い」と明かし、人数や予算の限界で「脱法ハウス」把握に手が回らない実情を打ち明けた。【加藤隆寛】

342チバQ:2013/05/26(日) 12:37:43
http://mainichi.jp/select/news/20130526k0000e040132000c.html
脱法ハウス:「2割がブラック」 シェアハウス年3割増
毎日新聞 2013年05月26日 12時08分

 新たな居住スタイルとして注目される一方、明確な定義がない「シェアハウス」。どれだけ危険物件が広がっているのかは見えにくい。

 「シェアハウス」の名前は2008年の人気テレビドラマで使われたのを機に広まった。一般的には、運営業者が介在し、他人同士がキッチンなどを共有しながら一緒に暮らす住居を指し、物件を紹介するポータルサイト業者によると、07年末には全国に400軒7000床あったが、今年3月末には1700軒1万9000床に達し、年3割のペースで増えている。

 一軒家などを共同住宅に用途変更する場合、防災対策や申請が必要になる。だが、ある自治体の建築指導担当者は「気の合う人たちが集まって暮らす住居と、大家族が暮らす住居はどう違うのか。線引きは難しい」と明かす。また「貸事務所だ」と業者が主張した場合、言い分をくつがえす証明が必要なケースもある。この担当者は「どう見ても共同住宅というものや危険なものは是正していく」と強調した上で、「規則が実態に追いついていない」と法令の不備を訴えた。

 40業者が加盟する一般社団法人「シェアハウス振興会」の山本久雄代表理事は、「厳密には法令違反でも、可能な限り安全性を保とうとしている『薄いグレー』の業者を除いたとして、私の感覚では4割がグレー、2割がブラックだ」と見る。

http://mainichi.jp/select/news/20130526k0000e040130000c.html
脱法ハウス:国の実態調査 業者7割答えず
毎日新聞 2013年05月26日 12時04分(最終更新 05月26日 12時30分)


「お蔵入り」となった国土交通省の調査報告書。「安全性確保の観点からも、シェア住居の定義を整理することが望ましい」と結論付けている=2013年5月24日撮影
拡大写真 極端に狭い部屋が密集し、危険性の高い「脱法ハウス」が広がっている問題で、国土交通省が昨年、シェアハウスなどの実態調査のため三百数十の運営業者にアンケートをしたところ、91業者しか回答しなかったことが分かった。同省は結果を公表予定だったが、「優良業者に偏っており、全体像を反映していない。誤解される」として見送った。法律上のグレーゾーンで運営している業者が回答しなかった可能性が高く、明確な指針がない新興業界の把握の難しさが浮かんだ。【加藤隆寛】

 アンケートは、賃料や施設概要を尋ねるもので、昨年1〜3月に実施。インターネット上の情報を中心に運営業者をピックアップし、郵送やメールなどで回答を求めた。

 しかし、回答したのは3割弱。平均賃料は5万7049円だったが、シェアハウス居住経験者を対象にネット上で行った別の調査(同年3月)では「5万円未満」が78%に上ったため、同省は「回答は付加価値の高いシェアハウスを提供する業者に偏っている」と判断。80ページにわたる報告書をまとめたものの、公表を見送った。

 報告書によると、1人当たりの専用スペース(個室面積)に関しては「4.5〜6畳未満」の個室を設ける業者が82.4%と最多。「6〜7.5畳未満」も76.9%と多く、「3〜4.5畳未満」は19.8%だった。

 一方、ネットのシェアハウス専用ポータルサイトでは、賃料3万円台で3畳未満などの個室が多数紹介されており、窓なし物件の図面が載っているケースも多い。これらは建築基準法や自治体の条例が定めた「居室」の基準を満たしていないが、アンケートには反映されていない恐れが強い。

 東京23区のある自治体の建築指導担当者は「アンケートを呼び掛けても多くは回答しないだろうということは、指導の現場を経験していれば、すぐ分かる」と冷ややかに見る。

 国交省住宅総合整備課の担当者は、「法令違反を捕捉しきれていない可能性がある」と業界の全体像がつかめないことへの焦りを募らせる一方、「狭くても安さに納得して入居している人もいる。業者がやっていいライン、いけないラインを引くのは難しい」とジレンマも語った。

343とはずがたり:2013/05/26(日) 20:31:58
>>337
>文部科学省によると、12年の初年度納付金は国立大学で入学金28万2000円と授業料53万5800円。私立大学の平均は入学金、授業料と施設設備費で131万5882円。不況、デフレなのに右肩上がりだ。
大学は無闇矢鱈と増えてるのにどうしてそんなに強気の価格設定!?

344チバQ:2013/05/31(金) 00:10:19
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130530-00000020-mai-soci
<脱法ハウス>突然閉鎖を通告 利用者に退去迫る
毎日新聞 5月30日(木)7時0分配信


完全に板張りされた中野区のハウスの出入り口
 ◇ネットカフェ大手「マンボー」運営の施設

 狭い居室が密集し危険な「脱法ハウス」を巡り、東京都中野区の施設で消防法違反を指摘されたネットカフェ大手「マンボー」(新宿区)が、同区以外で運営する類似の施設も閉鎖するとして利用者に退去を迫っていることが分かった。突然の通告に利用者は困惑しているが、施設の利用契約は通常の住宅の賃貸借とは異なり、同社の判断で即時解約できるとの書面に署名押印させていた。専門家は「借り主の権利を守る借地借家法も脱法している」と批判している。【加藤隆寛】


 退去を求めているのは、同社が千代田区神田美倉町で運営する施設。6階建てオフィスビル全体を改装して約80室を貸す。中野の施設と同様に「レンタルオフィス」と説明する一方、「シェアハウス」とホームページなどでうたっていた。

「6月30日まで」 利用者によると、多数が事実上の住居として寝泊まりしていたが、24日に1階フロアに「閉館」という紙が張り出され、「大変急ではありますが6月30日までに退去をお願いしたい。7月1日から解体工事の予定」と記されていた。27日には利用者約30人とマンボーの話し合いの場が持たれ、突然の通告に抗議の声が上がったが、同社は「決定事項」と繰り返し、平行線だったという。

 消防法違反が指摘され、21日に「閉鎖方針」を示した中野区の施設については、少なくとも一部の利用者には通告がないまま、出入り口が板張りされ、出入りできなくなった。

 通常の借家契約では借り主は借地借家法で守られ、家主は契約期間満了まで一方的に解約できず、満了時も正当な理由がなければ更新を拒めない。同社は、部屋を貸す際に利用承諾書と利用規約に署名押印させているが、規約には「当社が即時解約が妥当だと判断した場合、解約できる」と記載していた。

「転居資金ない」 千代田区の施設を利用している男性は「実際には普通のアパート契約と変わらない。急に『出て行け』と言われても転居資金もない。時間的猶予がほしい」と困り果てた表情で話す。

 マンボーの利用契約について、住宅問題に詳しい大谷郁夫弁護士は「借り主を弱い立場にとどめておく横暴な振る舞いで、借地借家法の脱法行為だ」と批判。「実態として賃貸契約なら同法が適用される。『任意で退去しないなら実力で』と強制排除すれば、明確な違法行為になる」と指摘する。

 マンボーは、都内約10カ所で同様の施設を運営。千代田区の施設の住民の一人は「このうち5分の3を閉鎖する」と説明を受けたという。

 今後の対応などについて毎日新聞は再取材を申し入れたが、同社は29日現在、応じていない。

345チバQ:2013/06/01(土) 15:41:42
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130601/dms1306011449006-n1.htm
ワタミ会長「ブラック企業じゃない」 批判に大反論!2013.06.01


渡辺氏は出馬会見で、政界進出への強い意欲を語った【拡大】
 夏の参院選で自民党から比例代表で立候補する飲食チェーン・ワタミ会長の渡辺美樹氏(53)が、自らのホームページで、一部から同社に向けられる「ブラック企業」との批判に大反論した。安倍晋三首相が進めるアベノミクスに経営者の視点を取り込むために白羽の矢が立ったとみられるが、この問題は選挙戦にどう影響するのか。

 「私が創業し、取締役会長をつとめるワタミグループが一部で『ブラック企業』と呼ばれることについて、一度きちんと皆様にお話させて頂きたいと思っていました」

 渡辺氏は出馬会見を行った5月31日、HPでこう切り出した。

 1984年に居酒屋「和民」を展開するワタミを創業、居酒屋以外にも介護事業などを手がけ、学校理事長なども務めてきた渡辺氏。2011年4月の東京都知事選に立候補し3位で落選したものの、約101万票を獲得した。自民党は渡辺氏の経験と集票力を期待しているとみられる。その一方で、ワタミにはネットを中心に「ブラック企業」との批判があり、これに反論したのだ。

 ブラック企業とは、低賃金、長時間労働など社員に過酷な負担を強いる企業の総称をいう。

 自民党にはブラック企業の企業名を公表する動きがあるが、渡辺氏はこれに「大賛成」とした。また、自らのブラック企業の判定基準について(1)離職率(2)年収(3)時間外労働時間(4)メンタルヘルス不調による休業・退職の人数−を列挙し、自社の外食産業の実態を説明した。

 (1)については、「離職率(平成24年4月入社社員の3年以内離職率42・8%)は、厚生労働省公表(平成23年統計、以下同じ)の宿泊業・飲食サービス業の離職率(同48・5%)を下回っています」と説明した。「飲食サービス業の離職率は、全産業(同28・8%)と比べると高い水準」として、「単純に、ほかの産業と横並びで論じることは、適切ではありません」とした。

 (2)については、「年収は、平成24年度において433万円であり、厚生労働省公表の宿泊・飲食サービス業平均年収370万円を上回っています」と述べ、(3)は「平成24年度月平均は38・1時間。これは、36協定で定めた上限45時間を下回っています」。(4)も低水準だと主張している。

 そのうえで、ブラック企業批判を「到底、受け入れられるものではありません」としている。

 ブラック企業は大きな社会問題となっており、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、朝日新聞のインタビューで、自社へのブラック企業との批判を「誤解だ」と否定している。

 政治評論家の浅川博忠氏は渡辺氏の行動について、「今度こそ当選したいという強い意欲の表れだ。反論することで、かえって若者の反発を招く恐れもあるが、先入観を持っている人たちのうち、一定数の認識を改めさせる効果はあるだろう」と話している。

346チバQ:2013/06/01(土) 18:58:26
http://mainichi.jp/select/news/20130601ddm041040103000c.html
脱法ハウス:窓なし3畳半が2人部屋 退去強要、行き先なく−−40代男性
毎日新聞 2013年06月01日 東京朝刊


 ◇食い物にされた
 「3畳半」の窓もない部屋で、素性も知れぬ同居人と2段ベッドを分け合う。「下見もせず契約し、初めて部屋を見た時は引いてしまった」。狭い居室が密集する「脱法ハウス」の一つ、ネットカフェ大手のマンボーが東京都千代田区で運営する施設の内部を、利用者の一人が証言した。「火事は怖い。でも他を選ぶ余裕はなかった」。懸命に働くが、収入は乏しく、転居費用もままならない。【加藤隆寛】

 千代田区神田美倉町の施設は計約100室で、1人部屋と2人部屋がある。現時点でほぼ埋まっているが、マンボーは6月末で閉館するとして利用者に退去を迫っている。

 取材に応じた男性は40代で、2人部屋にいる。利用料は光熱費込みで月額2万8000円。白壁に窓はなく、4畳に足りない床の半分ほどを2段ベッドが占領する。自分の寝床である下段が唯一の占有空間だ。

 上段で暮らす同居人は、入って間もない若い男性。「ゴキブリが出ないように部屋で物を食べない」「一方が寝ている時は電灯をつけない」。最初に二つのルールを決めた。その後、会話はない。壁は薄く、隣室の冷蔵庫の開け閉めも聞こえる。他の2人部屋ではささいな理由からけんかが起きる。「狭いので余計にストレスがたまるのでしょう」

 千代田区によると、住人のうち27人が住民登録している。70歳近い年金生活者や有名私立大の大学院生など身の上はさまざまで、東南アジアから来た留学生も約20人いる。10人いる生活保護受給者のほとんどは1人部屋を使う。広さは2人部屋と同じで利用料は倍の5万6000円。東京都区部の生保住宅扶助の上限額(単身5万3700円)に見合う。

 この男性は九州の私立大を出て工業ゴムの会社に8年勤めた。「教師になる」という夢を果たそうと、勉強時間を得るためトヨタ自動車の期間工となり、7年働いたが、かなわなかった。

 正社員に戻ろうとしたがリーマン・ショック(2008年)後で職はなく、3年前に上京した。ネット検索でヒットした最も安い物件が今の施設だった。居室を見てたじろいだが、我慢するしかなかった。

 わずかな貯金やアルバイトで食いつなぎ、昨年やっと団体職員として正規採用された。月給は手取りで約18万円。「私だって結婚もしたいし、子供も欲しい。でも、貯蓄などできない」。以前から火災の不安もあり、出たいと思ってきたが、果たせていない。

 ◇高齢女性「次は墓地」

 ある日、共有スペースで密談を耳にした。「日当9000円でパチンコの打ち子(出玉をだまし取る行為)をやらないか」。生保受給者2人が話に乗ったようだった。男性自身も「200万円貸すから会社をやらないか」と、詐欺まがいの話を持ちかけられたことがある。

 マンボーが、消防法違反を指摘された中野区の類似施設を「住居ではなく貸事務所だ」と主張していたと、報道で知った。「(マンボーは)住居として危険だと分かっているから、そんなことを言うのだろう」。施設閉鎖を突然通告されたが、行く当てはない。「私たちは食い物にされていたのでしょうか」

 男性は70歳近い女性の住人を気にしている。わずかな年金とパートで暮らすが、明るい性格で、周囲から「お母さん」と呼ばれている。だが、退去通告でふさぎ込み、自分の行き先についてこう言った。

 「次は墓地だわ」

347とはずがたり:2013/06/04(火) 16:50:00

生活保護関連2法案が衆院通過 子どもの貧困対策法案も
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20130604560.html
2013年6月4日(火)14:14

 不正受給対策を強化する生活保護法改正案と生活困窮者向けの自立支援法案、貧しい家庭の子どもの教育支援を柱とした子どもの貧困対策推進法案は4日の衆院本会議で可決され、衆院を通過した。参院での審議を経て、3法案とも今国会で成立する見通し。

 生活保護法改正案は、不正受給の罰則を強化。受給者が働いて得た収入の一部を積み立てて、保護対象でなくなったときに渡す給付金も創設する。

 受給申請の際、資産などを記した書類を提出できない人は口頭での申請も可能。書類は保護決定までに提出することで受理される。自立支援法案は、地方自治体に生活困窮者向けの相談窓口を設置するよう規定した。

 また、子どもの貧困率削減の数値目標設定を見送った貧困対策推進法案には、政府が策定する大綱に貧困率の指標と改善策を盛り込むことを定めた。

348チバQ:2013/06/09(日) 09:24:28
http://mainichi.jp/select/news/20130609ddm041040155000c.html
脱法ハウス:116室備える東京・墨田の「倉庫」、半数超が住民登録 区「就職に必要、拒めない」
毎日新聞 2013年06月09日 東京朝刊

 「倉庫」と称する狭い空間で利用者が過ごす東京都墨田区の施設について、同区窓口課が「住居」と判断し、100人超とみられる利用者のうち半分以上に当たる69世帯の住民登録を認めていることが分かった。施設は住居なら建築基準法令や都条例に違反するが、同課は「働こうとする生活困窮者の届け出は拒めない」と説明。危険な「脱法ハウス」が困窮者の受け皿となり、規制だけでは解決できない現状が浮かんでいる。【加藤隆寛】

 オフィスビルを改装した施設は116室を備え、各室とも1畳半ほどで大半に窓がない。運営業者は広告で「住所利用OK」とうたうが、取材には「郵便物を受け取れるという意味。住居ではなく倉庫だ」と主張する。だが、東京消防庁は共同住宅と認定し、消防法違反を指摘した。

 この建物に住んでいるとする住民登録は69世帯分受け付けられており、ほぼ全世帯が1世帯1人とみられる。住民登録を認める理由について、同区窓口課の幹部は「過去に現地調査し、利用者の居住実態を確認した」と説明。「違法建築物に住む者の登録を禁じる法令はない。働いて納税義務を果たそうとする人々を、入り口で追い返すことはできない。違法建築を容認していると受け取られるのは悩ましい。新しい課題だ」と苦しい胸のうちを明かす。

 住居として住民登録が受理されていることに関し、運営業者は「自治体の管轄であり、当社は関知できない」としている。区に対しても「倉庫」と主張しているとみられ、区建築指導課は「住居」を前提とした指導ができていない状況だ。

 住民登録について、都内の別の区の幹部は「(居住実態が疑わしければ)施設の所有者や運営者に『本当に住んでいるのか』と確認している」と手続きを説明。住民登録の可否の細かな判断は自治体間で差があり、墨田区もネットカフェへの住民登録は「常駐できる場所ではない」として認めていないという。

 ◇専門家「困窮者に公的住宅を」
 入居時の初期費用を安く抑え、保証人は求めず、利用料(賃料)は光熱費込み−−。こうした「脱法ハウス」への低所得層のニーズは大きい。職探しは住所が無いと不利にもなる。住民登録を受理する墨田区窓口課の幹部は、言外に「救済」のニュアンスもにじませた。だが、こうした施設は安全上必要な工事や設備を省いたリスクの上に成り立っている。専門家は「本来は国や自治体が住宅政策によって受け皿を準備すべきだ」と指摘する。

 困窮者支援を続けるNPO法人「もやい」の稲葉剛代表理事によると、東京都のネットカフェ規制条例が施行された2010年以降、シェアハウスやレンタルオフィス、カプセルホテル、路上などを行き来しながら暮らす相談者が増えてきた。「『路上一歩手前』の人々がいろんな場所に拡散し、どこにいるのか見えにくくなっている」と話す。

 都心ですらビルや大きな民家の空きが目立っている。うまみのある「脱法ハウス」の拡大も予想され、法令整備は急務だ。しかし、住宅政策できちんとした受け皿を作らず、建築物への消防や自治体の規制のみを強めれば、困窮者の再起の機会を奪いかねない。

 稲葉氏は「多くの自治体では、公営住宅に高齢者が優先的に入るため、働く世代の単身者は排除されている」とセーフティーネットの貧弱さを指摘。「住まいではないとされる場所に多数が暮らしている。国や自治体はこの現実を直視することから始めるべきだ」と注文する。

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 ■ことば

 ◇住民登録
 住民からの居住地の届け出を受けて、市区町村が住民票(氏名や住所、性別、生年月日、世帯構成などの記録)を作成すること。住民基本台帳法に基づく制度で、住民票をもとに台帳が作られ、就労や選挙、納税など社会生活を営む土台となる。

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 情報やご意見、体験談をメール(t.shakaibu@mainichi.co.jp)、ファクス(03・3212・0635)、手紙(〒100−8051毎日新聞社会部「脱法ハウス」係)でお寄せください。

349名無しさん:2013/06/11(火) 00:08:19
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130606-00000006-mai-soci
脱法ハウス>1.6畳「住所OK」 記者が滞在してみた
毎日新聞 6月6日(木)9時0分配信



電灯やマットを持ち込み、記者が過ごした1.6畳の空間。東京拘置所の独居房(3畳余)のおよそ半分だ=東京都墨田区で2013年5月撮影
 開業1年の新名所、東京スカイツリーの足もとに、蜂の巣状に116室に区切られ、人々が息を殺して夜を過ごすオフィスビルがある。運営業者は「倉庫」と言い張るが、実態は1畳半ほどの居室を並べた「脱法ハウス」だ。実際に記者が契約し、滞在してみて感じた。火災が起きたら大惨事になるのではないか。そもそも、こんな現実がなぜ許されているのか。【加藤隆寛】

【写真特集】あまりに狭い室内を写真で…

 施設は東京都墨田区にある。徒歩圏内のJR錦糸町駅前に広告看板があった。「敷金・礼金・保証人不要」「激安ワンルーム」「住所利用OK」。アパートを連想するが、小さな字で「多目的レンタルスペース」とある。ビルは6階建てで、以前入居していた繊維会社の名が壁に残る。私が訪ねた時、空きは3室だった。

 契約には、現金(初回登録料2万1000円と日割り計算した当月分の利用料)、身分証明、印鑑、顔写真1枚が必要だ。館内規則は「住居や宿泊施設ではない」とうたい、契約書の使用目的欄に「倉庫」と自筆で記入させられた。

 「本当に住んではだめ?」。念を押すと、担当者は「24時間いたら住居になっちゃうかもしれない。人間だったら寝てしまうこともある」。私は居住を暗に認めていると受け取った。手続き中に「テレビやラジオを持ち込むならイヤホンを。携帯電話は外で」と何度も注意された。

 夜、作業着姿の男性たちが1階のコインシャワー(4分100円)を盛んに使う。裏手の外階段で若者が服に洗剤をこすり付け、手洗いしていた。

 私の場所は1階で広さ2.5平方メートル(1.6畳)。東京都条例が定める居室の最低面積(7平方メートル)の約3分の1だ。利用料は月2万9000円(光熱費込み)。3万円台後半の部屋もある。各室に鍵がかかるが、ベニヤの壁は天井まで届いていない。備品はゼロで電灯も持ち込んだ。

 床はコンクリートにカーペットを敷いただけで、硬く、冷たい。量販店で購入したマットを敷き、横になって息を殺した。寝返り、せき払い、菓子を食べる音……みな筒抜けだが、総じて静かだ。建物内は禁煙なのに、たばこのにおいが漂う。防火面は大丈夫だろうか。午後10時ごろ、携帯電話で話す女性の小声が響く。「ハローワーク……明日、待ち合わせて……」。すぐに静寂が戻ったが、その後もかなりの人数の気配を感じた。

 「チン」。午前3時過ぎ、共有スペースの台所で誰かが使うレンジの音で目覚めた。午前5時過ぎに部屋を出る人もいる。

 生活して3日目を迎えると、体の節々が痛み始めた。ドアの開け閉めが気になり眠りが浅い。当初は館内にすえた臭いが漂い、不快だった。すぐに慣れたが、衛生面が心配だ。

 「住んでいる人などいませんよ。ちゃんと取材したんですか」。新聞記者であることを伝え実態を問いただすと、電話口で運営業者はそう言った。「住所利用OK」は「郵便物の受け取り可能」の意味だという。だが、そこに暮らす人々は確かにいた。

 館外に設けられた喫煙所で、初老の男性からこう聞いた。

 「生活保護をもらいながら1年ほど住んでいる。前はネットカフェにいたが、こっちの方が静かでいい。上の階に『何年も住んでいる』という人もいるよ」

350とはずがたり:2013/06/20(木) 12:00:23

邦人男性、米で「ヒーロー」に 人身売買防止に貢献で
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013062001000985.html

 19日、ワシントンの米国務省で取材に応じた鳥井一平さん(共同)

 【ワシントン共同】米国務省が19日発表した2013年版の人身売買に関する報告書で、東京の非政府組織(NGO)「移住労働者と連帯する全国ネットワーク」の事務局長、鳥井一平さん(59)が日本人として初めて、人身売買と闘う「ヒーロー」に選ばれた。

 劣悪な環境で働く日本の外国人労働者の保護や未払い賃金を取り戻すための支援活動が評価された。

 鳥井さんは、不正の横行が指摘される日本の「外国人技能実習制度」について「(雇用者側に問題があっても)他の企業に移る権利がないのが最大の問題だ」と指摘。「日本政府はしっかりと(対策に)取り組んでほしい」と訴えた。

2013/06/20 09:45 【共同通信】

351チバQ:2013/07/07(日) 13:08:59
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130707/trl13070707000000-n1.htm
窓なし激狭の“偽装シェアハウス” 行政指導で住宅難民1万人発生? 広がる波紋
2013.7.7 07:00 (1/4ページ)[事件・トラブル]

約3畳の広さで、ベッドが部屋の半分を占める“偽装シェアハウス”に生活する男性。退去通告を受け、上段ベッドを使用していた同居人はすでに転居した=東京・神田
 表向きは「レンタルオフィス」などと装い、実際には小分けした部屋にたくさんの人が住む“偽装シェアハウス”。東京都内にいくつか存在するが、窓がなく迷路のような作りになっているなど、防火態勢の不備が発覚。消防当局や自治体が改善指導に乗り出したが、追加負担を避けたい業者が突然閉鎖を決め、住民に退去を求めるケースも。居住者には生活保護受給者なども多く、専門家からは「今後1万人規模の住宅難民が発生する可能性もある」との指摘もある。(時吉達也)


「人の住む所ではない…」


 平成23年秋。地方から上京してきた介護施設職員の男性(42)が生活拠点に定めたのは、東京・神田にある共同住宅だった。

 建物内には、3畳ほどの広さの部屋がいくつも並んでいる。そのうちの一部屋が、男性の“家”だ。2人部屋で、2段ベッドが部屋の半分を占める。賃料は月2万8000円。男性は「兄弟の病気などで貯蓄もなく、都心なのに破格の条件にひかれた」という。

 洗濯物を部屋干しするスペースも、ベッド内にしかない。隣室との仕切り壁は薄く、話し声やテレビの音声は一言一句はっきり聞き取れるほど。入り口の上部に通気口があるだけで、窓はない。暑さで眠れない夜も続いた。

 もし火事になったら、とても逃げられそうにない。「人が住む所ではない。資金がたまれば引っ越そう」と考えていたが、自分の住まいが実際には「住宅」でないことを知ったのは、入居から数カ月後のことだった。

 洗濯機やシャワー室が設置された地下の共有スペースにある日、別の部屋で暮らしていた住民の家財道具一式が置かれていた。他の住民の話などから、この物件は「レンタルオフィス」としての契約で、入居者側は契約上、賃貸住宅の借り主の扱いをされないとわかった。賃料を半月滞納すれば部屋のカギが替わり、強制的に退去させられることも知った。男性は「契約時に、そういう詳しい説明を聞いた覚えはない」という。


「ネカフェ生活」にないメリットも


 シェアハウスをはじめとした共同住宅は、火災の危険などを考慮し、通常の建物に比べ高い耐火基準が設けられている。一方で、最近はこうした条件を満たさず、低所得者に向けに「レンタルオフィス」「貸倉庫」などの名目で賃貸に出される物件が目につくようになった。いわゆる“偽装シェアハウス”だ。

 住居としての耐火基準は満たしていないが、借り手側には高額の敷金や保証人も不要な上、ネットカフェ生活並みの低家賃で入居できるのが魅力。さらに、就労に必要な住民登録を行えるメリットもある。

 貸し手側にとっても、多くの住民を「詰め込む」ことで収入を増やせるという商売上のうま味がある上、家賃の滞納などがあれば住民をすぐに追い出すことができる。借地借家法は、一定の猶予期間や正当な理由のない賃貸借契約の解除を禁じているが、こうした法令を適用する必要がないと判断しているためだ。

 借り手側、貸し手側双方メリットのある偽装シェアハウスは、各地で年々増加。シェアハウスの業界団体などによると、推計で全国2000棟にも上るという。

352チバQ:2013/07/07(日) 13:09:22
無言の「退去通告」


 男性はその後、約半年かけて月収17万円ほどの介護施設に就職。結局、転居を検討する余裕もないまま2年近くを過ごしていた。日常に激震が走ったのは今年5月下旬。退勤後に自宅に戻ると、「6月30日閉館」と書かれた紙が前触れもなく部屋のドアに貼られていた。与えられた転居の猶予は、わずか1カ月だった。

 シェアハウスを運営していたネットカフェ大手「マンボー」(東京)が施設閉鎖を決めた発端は、一件の119番通報だった。経営する都内の別の施設で救急車の出動要請があり、駆けつけた消防隊員が防火態勢の不備を確認。東京消防庁が改善指導を続ける中で、マンボー側は都内約10カ所の運営先のうち数カ所を順次閉鎖することを住民側に通告した。マンボー側は住民らの抗議に対し「『レンタルオフィス』として契約を結んでおり、こちらの判断で即時解約できると入居時に合意している」と主張した。

 突然「退去せよ」といわれても、同じくらいの賃料の物件が近所ですぐに見つかるわけもない。男性ら住民6人は東京地裁に利用継続などを求める仮処分を申請。「違法」な住居を維持する「適法」性の確認を裁判所に求める、という苦境に置かれた。その後、9月末まで退去期限を延長し、猶予期間内の家賃を減額する内容でマンボー側と和解が成立したが、男性は「仕事の兼ね合いもあり郊外には移りづらく、周辺では今以上に劣悪な住宅しか見つからない」と、今後への不安を吐露する。


行政の現場で漏れる「本音」


 低所得者が住まい探しに難航し、基準を満たさない劣悪住宅に行き着くという構図は平成21年、入所者10人が死亡した群馬県の老人施設「たまゆら」での火災を思い起こさせる。惨事の再発を防ごうと、国土交通省は6月10日、各都道府県などに該当住宅への是正指導を行うよう通知した。

 しかし、行政指導の強化に対する困惑は業者や住民ばかりでなく、生活保護受給者らの住居確保を担当する“身内”の行政の現場にまで広がる。ある区役所の担当者は「今回の問題発覚で、ただでさえ少ない紹介先の選択肢が狭まってしまった」と本音を漏らす。「違法住宅を活用することが許されないのは当然だが、現実としてその日の寝床が見つからない相談者がいる。どう対応すればいいのか…」

 市民団体「国民の住まいを守る全国連絡会」の坂庭国晴代表幹事は「同種施設への行政指導が進めば、1万人単位の住民が路頭に迷う事態も想定される」と指摘。「住居の規制強化のみを進めても、需要があれば新たな違法住宅が登場するだけだ。貧困問題の解決に向けた総合的な対策が求められる」と話している。

 防災上の問題がある施設に行政指導すると、住民が追い出され路頭に迷うという現実。今のところ、明確な解決策はない。

353とはずがたり:2013/07/25(木) 09:55:40
「生活苦しい」4割、収入減も5割…12年調査
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20130724-567-OYT1T01052.html?fr=rk
読売新聞2013年7月24日(水)20:48

 今の暮らし向きを「苦しい」と感じる人が約4割に上ることが24日、国立社会保障・人口問題研究所が発表した2012年の「生活と支え合いに関する調査」でわかった。

 前回(07年)より微増した。収入が減ったという人も増えており、長引く景気低迷の影響の可能性がある。

 調査は、福島県を除く全国の20歳以上の男女を対象とし、2万1173人が有効回答を寄せた。

 現在の生活状況に関する質問では、前回より3・1ポイント高い27・9%が「やや苦しい」と回答。「大変苦しい」は10・5%と前回より2ポイント減ったが、「やや」と「大変」の合計は前回比1・1ポイント増の38・4%となった。5年前と現在の収入を比べた質問では、「減った」は同11・8ポイント増の50・7%、「増えた」は同3・6ポイント減の12・6%だった。

354チバQ:2013/07/25(木) 21:08:58
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130725-00000027-mai-soci
<脱法ハウス>都内マンション 規約を無視し無断改築
毎日新聞 7月25日(木)8時16分配信



工事途中の室内の様子。上下2段の専有スペースがこの部屋に2カ所、別の部屋に1カ所設けられている=2013年2月25日撮影、管理組合提供
 ◇37平方メートルに6人 管理組合に無断

 東京都文京区音羽の分譲マンションの一室(2DK、37平方メートル)が、管理組合に無断で6人用の「シェアハウス」に改築されていたことが分かった。改築に気付いた組合側が管理規約に基づき不承認としたが、工事は進み、入居募集も始まっていた。都内では、同様の無断改築物件は毎日新聞が確認しただけで他に3件あり、組合が規約をたてに抵抗しても脱法ハウス化を防げない現状が浮かんだ。

 音羽の物件を手がけているのは東京・赤坂のシェアハウス運営業者。都内では江戸川区で3LDK(62平方メートル)を12人用に改築する計画が所有者と組合の対立でストップしていることが判明している。赤坂の業者は江戸川区の物件の改築を主導する東京・銀座の業者と関係が深く、銀座の業者のホームページ(HP)では赤坂の業者の物件も紹介されていた。

 音羽のマンションの4階で管理規約に定める事前申請がないまま工事が始まったのは昨年12月。今年2月にあった建物全体の排水管清掃時に組合役員が立ち入ったところ、カプセルホテルのような上下2段の専有スペース(高さ約1.2メートル、広さ約1.3〜2.7畳)計6室を見つけた。

 業者は部屋を昨年6月に購入。工事自体は昨年12月のうちに中断していたが業者は立ち入り後に事前申請を怠ったことを謝罪。「社員寮にする」と説明し、改めて改築を申請した。

 これに対し、組合側は今年4月、「寮以外の用途にしない」という誓約書の提出を求めた。業者が応じなかったため、同19日の理事会で不承認を決議。さらに同27日の臨時総会で管理規約の細則に「シェアルーム禁止」を盛り込んだ。

 ところが、組合への通告もないまま5月9日に工事は再開され、12日後には完了。銀座の業者のHPなどで入居募集が始まった。組合側は、今月上旬に取材を受けて募集開始を知ったといい、役員の70代男性は「業者が強引に出てくる場合、法的措置も辞さない」と憤る。

 赤坂の業者は事前申請をしなかった点について「施工業者に丸投げしてしまったのが原因」と説明。居室としては極端に狭く、建築基準法令違反が疑われる専有スペースについては、「ベッドブースであり居室ではない。江戸川のように12人は詰め込みすぎだが、6人なら適正だと思う」と主張する。

 一方、赤坂と銀座の業者がそれぞれ都内で運営する3件(台東区、中央区、調布市)では管理組合や管理会社に取材したところ、「シェアハウスになっているとは初耳だ」と存在すら知らなかった。このうち台東区の物件の管理会社は「部屋の改修や賃貸先の把握は古いマンションの組合ほど『なあなあ』になっている」と語り、管理意識の低さに付け込まれている可能性を指摘した。【加藤隆寛】

355チバQ:2013/07/25(木) 21:09:42
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130714-00000017-mai-soci
<脱法ハウス>「シェアハウス」類似28件 23区内に集中
毎日新聞 7月14日(日)10時48分配信



東京・銀座の業者が「シェアハウス」を手掛けているとする物件の所在地
 東京都江戸川区の分譲マンションの一室で浮上した「シェアハウス」改築計画で、主導する東京・銀座の業者が都内や近県で手掛けているとする類似31物件の詳しい所在地が、業者作成の資料から分かった。都内区部に28件が集中。繁華街の多い新宿、渋谷両区と下町の台東区に4件ずつあり、区外では多摩地域2件、埼玉県1件となっている。今後これらの物件でも江戸川区のケースと同様、消防法令上の問題などが浮上する可能性もある。


 このシェアハウス運営業者は江戸川区のマンション管理組合との5月の話し合いで「150室を管理している。今まで消防から問題にされたことはない」などと説明。6月には手掛けているとする31物件の資料を提示していた。

 国土交通省はこうした「脱法ハウス」の調査を全国の自治体に指示しており、一部の物件については自治体が把握し、消防・建築基準法令を満たしているかどうか調査に乗り出しているとみられる。

 また、国交省はこの調査指示に加え、江戸川区のようなマンション改築型の物件も法令違反の疑いが強いとして、マンション管理会社の団体に情報提供を求めている。だが、同様の住宅ビジネスを展開する業者は他にもいるとみられ、国や自治体の調査は難航も予想されている。【加藤隆寛】

356とはずがたり:2013/08/05(月) 14:51:27

脱法ハウス:増える女性専用…元住人「低収入、親頼れず」
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20130805k0000m040088000c.html
毎日新聞2013年8月5日(月)01:10

 居室が狭く危険な「脱法ハウス」に関し、女性限定物件が増えている。業者側は「男性がいる物件よりトラブルが少ない」とアピールし、厳しい雇用環境を背景に女性がターゲットになっているとみられる。そうした物件に3月まで1年暮らした女性(33)が取材に応じた。部屋は2畳で、ネズミが走り回る劣悪な環境。それでも「脱法ハウスは生きるために必要でした」と言う。他に受け皿はないのか。【加藤隆寛】

 女性が暮らしたのは東京都新宿区上落合の「女性専用シェアハウス」。2階建て一軒家を改築し、天井に届かない壁で14室に仕切る。賃料は光熱費込みで月2万〜3万円台。江戸川区で分譲マンション管理組合と対立する中央区銀座のシェアハウス業者が運営する。この業者がインターネットで宣伝していた約20物件は全て女性限定だ。

 「発達障害で、仕事はすぐクビになる」。1カ月〜半年で勤め先を転々としてきた。事務が苦手で長時間座っていられない。今は電話業務や試食販売など短期のアルバイトでつなぎ、月収は約9万円だ。

 両親は別居中で、いずれとも関係はうまくいっていない。昨年2月までは働きながらデンマークに滞在。帰国後は母親と同居するつもりだったが、関西の家に行くと、こう言われた。「ここは私の家。あんたはいらない」。心を病み、家はゴミであふれていた。誰も頼れない−−。現金5万円を手に上京。「初月無料、敷金礼金なし」。ネット上で物件を見つけた。

 入居女性は18〜34歳(当時)で、敷金が準備できないなど普通のアパートを借りられない事情を抱える。水商売など夜の仕事と昼の仕事が半々。昼勤務も非正規雇用がほとんどでパニック障害など精神的に不安定な人も少なくない。

 昨夏はネズミの大量発生に悩まされた。「駆除してくれれば家賃を優遇するよ」。運営業者の社長(38)の誘いに乗った。ネズミを捕まえるたび、粘着剤で固まった足にオリーブ油を塗り、近くの公園に放した。それだけ劣悪な住環境でも「家族的な安心感があった」と振り返る。青い顔で具はキャベツだけのお好み焼きを食べ続けている入居者がいると知らせると、社長は飛んできて食事をおごった。寂しい時は愚痴も聞いてくれた。「彼がいなければどう生活していいか分からなかった」と振り返る。

 「あの家があったから頑張れた。夢を追いかけている子は他にもいる」。独学でイラスト画を描き続け、昨冬、初の個展開催にこぎつけた。「人は『脱法ハウス』と呼ぶけれど、法律も親も私を守ってくれない。あの家で実際に多くの人が守られ、助かっている。規制されれば行き場をなくす」

 入居者の2度の自殺未遂騒動などでつらくなり、都内の類似施設に移った。専有スペースは2段ベッドの下段のみ。規制の前に住宅施策を充実させてほしい。「ただ、安く長く入れる公営住宅があったら甘えてしまうかも」。ネズミ駆除で家賃を優遇されていた時期、バイト量が極端に減少。ある種の居心地の良さに慣れていく感覚を味わった。「狭い部屋でボーッと天井を眺めていると、どんどん無気力になる」

 何よりもまず居場所が必要だ。そして、「このままじゃダメだよ」と言ってくれる誰かが、そばにいてほしい−−。「そんな場所、他にありますか」。答えを誰も教えてはくれない。

357とはずがたり:2013/08/05(月) 14:52:34

脱法ハウス:大阪にもあった 市が立ち入り調査
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20130802k0000m040125000c.html
毎日新聞2013年8月2日(金)01:07

 居室が極端に狭く、火災時に危険な「脱法ハウス」を巡り、大阪市が7月下旬、建築基準法違反の疑いがあるとして、同市北区の4階建て雑居ビル内の「シェアハウス」を立ち入り調査していたことが、市への取材で分かった。国土交通省は先月30日、同法違反の疑いがある物件が全国に398カ所あると発表したが、首都圏以外で具体的物件が浮かんだのは初めて。脱法ハウスが全国の大都市部に広がっている可能性が強まった。

 このビルは各階とも1室(約30平方メートル)からなり、1階にテナントが入居。2〜4階がシェアハウスで、各室を四つに切り分け、カプセルホテルのベッドのような上下2段の個室を計八つ設けている。

 個室は約2.5畳(幅約1.8メートル、奥行き約2.3メートル)で、窓がない。天井高は1.2メートルで立ち上がることもできない。各個室にテレビや布団、照明器具がつき、外出時は南京錠で施錠し、入室時も内側から鍵がかけられるが、個室を隔てる壁は薄い。共有スペースには台所やトイレ、シャワー室がある。インターネット上で入居者を募集し、毎月の賃料は2万9800円、光熱費は5000円。

 建築基準法令は、居室に採光窓を設け、天井高を2.1メートル以上と規定。各個室を居室とすれば、同法に違反する。同市は近隣から情報提供を受け、7月19日に立ち入り調査を実施。市建築指導部監察課は「(シェアハウスの居室に)明確な定義がなく、国交省と連絡を取りながら違法性の有無を検討している。近く判断を出したい」としている。

 シェアハウスを運営する兵庫県尼崎市の業者は、空室だった2〜4階を借りて改修し、今年2月に入居募集を始めた。業者は取材に「個室が『居室』に当たるかどうか我々には判断できない。法的な問題があれば是正したい」と説明。「今はすさまじい格差社会。家賃が100円でも安ければ助かるという人も多い。入居者も喜んでいるはずだ」としている。

 同社によると、入居者はフリーターが多く、長期出張のサラリーマンもいたという。フリーターで音楽活動をしているという20代の男性は「インターネットで見つけ、1カ月前から住んでいる。火災が起きたらどこから逃げたらいいのか。建築基準法などを考えればどうなのかなとは思う」と不安を漏らすが、その一方で「カプセルホテルと同じ感覚。お金もためたいし、僕らも助かっている。あと2〜3カ月くらいは住みたい」と話した。【松井聡、遠藤孝康】

358とはずがたり:2013/08/05(月) 14:53:48

脱法ハウス:アパート入居困難で代替に…民間団体調査
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20130802k0000m040089000c.html
毎日新聞2013年8月1日(木)21:52

 居室が狭く危険な脱法ハウスを巡り、入居者を対象にした初調査の結果を市民グループが1日公表した。保証人の確保や敷金・礼金など初期費用の支払いが壁となりアパートを借りられない人も多く、グループは「公的な支援施策がないため、脱法ハウスが受け皿の役割を果たす皮肉な現実がある」と指摘する。

 NPO法人代表や弁護士らで作る「住まいの貧困に取り組むネットワーク」が先月後半に11人(男性8人、女性3人)から調査した。20〜30代が8人で、職業は、自営業1人、常勤4人、アルバイトなどの「不安定就労」5人、無職1人。収入は15万〜20万円が4人、5万〜10万円が2人だが、25万円以上も4人いる。

 脱法ハウスに入居する前の住まいは「民間アパート」が6人で最多。退去の理由は「家賃が払えなくなった」が3人、「利用期間満了・利用資格喪失」「就職・転職」が2人ずつだった。

 脱法ハウスを選んだ理由(複数回答)は、「家賃が安い」が7人と最多だったが、「アパートを借りられなかった」も5人いた。借りられなかった理由では「保証人がいない」「初期費用が払えない」が4人ずつ、「仕事が不安定で断られた」も1人いた。

 脱法ハウスでの居住期間は1年半以上が2人、1年以内が8人。次のアパートが見つかるまでの「つなぎ」ではなく、定住者が相当数いることがうかがえる。

 分析を担当した首都大学東京の小田川華子非常勤講師は「一定の収入があっても、保証人や初期費用の問題でアパート入居が難しい人がおり、脱法ハウスに流れている。特に家族関係の希薄化や、父母の側の経済的困窮などが保証人の壁になっている」と語った。

    ◇

 一方、同ネットは建築基準法違反が疑われる物件は少なくとも東京都内22区3市で251棟あり、このうち戸建て住宅を改造したものが146棟(58%)に上るとの独自の調査結果を公表した。運営するのは86業者。これ以外にさらに約100棟の違反情報を精査中という。【加藤隆寛】

359チバQ:2013/08/11(日) 14:08:56
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20130811/CK2013081102000131.html?ref=rank

「1日1食に切り詰め」 生活保護の減額 受給者切実














2013年8月11日






ホットラインで生活保護受給者の相談に乗る弁護士=千葉市で


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 生活保護費の減額が今月から始まり、受給者の生活に影響が出始めている。県内の弁護士らが開設したホットラインには「1日2食を1食に切り詰めている」「携帯代が払えない」など多くの相談が寄せられた。全国の支援団体と連携し、集団訴訟も視野に、自治体へ不服を申し立てる「審査請求」を準備する動きが、県内でも出ている。 (白名正和)


 「心臓病を患っているが、食事の質を落として光熱費も節約を余儀なくされている」「携帯代が払えなくなった」−。千葉市中央区の県弁護士会館の一室で六日、ホットラインとして設けた四台の電話が次々と鳴っていた。


 「ガス代を節約するため毎日風呂に入れない」「今後、保護費が一万円も下がると聞いた」と、受給者らの声は切実なものばかり。「国はほかの無駄遣いをたくさんしているのに」「視覚障害があるのにどうすればいいのか」など、弱い立場を狙った引き下げを批判する声もあった。


 ホットラインには六日だけで三十八人から相談が寄せられた。電話相談にあたった常岡久寿雄弁護士は減額について「ただでさえギリギリの生活をしている受給者を、さらに困窮に追い込むことになる」と指摘した。


 保護費の減額は、デフレによる物価の下落に実態を合わせる名目で行われた。今後は三年かけて段階的に、国全体で6・5%にあたる六百七十億円が削減される。


 これに伴い、特に大きな影響を受けるのは子育て世帯だ。厚生労働省の試算によると、都市部に住む四十代の夫婦と小中学生の子ども二人の世帯の場合、二〇一五年四月までに月額で二万円、三十代の母親と四歳の子どもの母子世帯の場合でも約九千円減額となる。


 これに対し、「生活保護基準引き下げにNO! 全国争訟ネット」は、千葉など各地の弁護士らと連携して、全国一斉のホットラインを実施し、受給者一万人規模の審査請求を目標に掲げている。千葉県のホットラインへの相談者も、多くが審査請求の提出に賛同したという。


 審査請求は行政不服審査法に基づく手続きで、今回は各受給者の引き下げを決めた県内の福祉事務所の決定に対し、不服を申し立てることになる。県内では九月中旬ごろにまとめて申し立て、退けられれば集団訴訟へと発展させる考えだ。


 常岡弁護士は「一人で声を上げても制度はなかなか変わらない。できるだけ多くの受給者とともに行動し、引き下げの撤回を実現させたい」と意義を強調した。

360チバQ:2013/08/11(日) 14:09:47
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20130801/CK2013080102000182.html

若者の貧困 目立つ 路上生活者支援市川ガンバの会 20代の男性2人保護














2013年8月1日






3年間の路上生活を経験した男性。1人暮らしを始めて自立を目指す=県内で


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 路上生活者を支援するNPO法人「市川ガンバの会」(市川市)で、二十代の男性二人が相次いで保護された。昨年度受けた支援相談も三分の一は三十代以下が占め、若者の貧困が目立つ傾向にあるといい、日本の相対的貧困率の拡大を裏付けている。同会は保護した二人を「家族関係がなくなり孤立に陥る若者の貧困の典型」と指摘している。 (白名正和)


 保護された千葉市出身の男性(25)は、二〇〇八年から愛知県の自動車工場で契約社員として働き始めたが、直後にあったリーマン・ショックの影響で一〇年に解雇。千葉市に戻ったものの、実家の住所には誰かの家が建っていた。父親は母親に家庭内暴力(DV)を振っていて、「仲が悪いとはいえ、家族が迎えてくれる期待感がありショックだった」という。直後に路上生活を始め、公園ベンチや高架下の柱の陰で風雨をしのぎ、三年を過ごした。


 もう一人の都内出身の男性(22)は、中学時代から友人への傷害事件などで、児童保護施設や少年院への出入りを繰り返した。親と過ごしたのは中学以降、延べ数カ月間だけだ。


 二人はいずれも、最終的に保護観察所から会の紹介を受け、昨年末から今年にかけて支援を受けるようになった。今は生活保護を受けながら途切れた家族との交流を考えたり、ビル清掃の仕事を始めたりするなど生活再建を模索している。


 市川ガンバの会によると、会の事務所に支援の相談に来た路上生活者は、二〇一二年度は百五十人。うち三十代は三十八人、二十代は十五人と三十代以下で全体の三分の一を占めていた。それ以前の統計はないものの、年を追うごとに路上生活者が若年齢化していると現場で感じている。


 会の副田一朗理事長は「経験上、ここに来る若者は家族と縁が切れていることが多い」と指摘する。社会の規範を教えたり、困った時に助言したりする人がおらず、社会的に孤立して犯罪や路上生活に至るケースが多く、「社会性を身に付け、再び貧困に陥らないよう助言していく」と話した。


<相対的貧困率> 2009年は16・0%で、前回06年の15・7%から悪化し、国が公表する1985年(12・0%)以降で最悪の水準となっている。年間所得が、全人口の可処分所得の真ん中に当たる中央値(09年は1人当たり224万円)の半分に満たない人の割合。国民の中で生活に苦しむ人の割合を示し、3年ごとに厚生労働省が算出している。


 18歳未満の子どもが生活の厳しい家庭で育っている割合を示す「子どもの貧困率」も、09年は15・7%と過去最悪の水準だった。

361杉山真大 ◆mRYEzsNHlY:2013/08/14(水) 00:10:22
昨年末だったんだな、これ掲載されたの。このレス http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1143711594/737-739 の原文を見ていて気付いた(汗

ロボットと「泥棒貴族」
http://nyti.ms/TWsFRF

 大方の指標によれば、アメリカ経済未だ回復せず、だったりする。それなのに企業収益は最高を記録しているのだ。こんなのありなの?答は簡単だ。国民所得の中で利益が増えようが、給料やその他人件費は下がっている http://www.bls.gov/opub/mlr/2011/01/art3full.pdf のだから。全体のパイはあるべき姿──労働の費用が(利益の増大で)更に多く配当される素晴らしき資本主義──で増えていないのだ。
 だが、ここでちょっと待って欲しい。労使関係についての言説について、我々は本当に振り返ってみたんだろうか?それは現代の情報経済より遥か以前のマルクス主義の昔ながらの俗説だったのではないか?まぁ確かに、多くの人々はこう考えているだろう──過去における不平等の議論は労使間の分配ではなく労働者間の公平さに多くが割かれ、高学歴者と低学歴者の間の問題や金融その他に於ける一握りの「スーパースター」とその他大勢との問題が中心だ──。しかし、こうした議論はもはや過去の話でしかない。
 もっと具体的な話をしよう。金融屋は今でも泥棒の如く稼ぎまくっているし、その理由の一つとして御存じの通り彼らの中に実際に泥棒だったりするのが存在するというのは確かだ。でもその一方で、1980年代と1990年代初めに著しく拡大した学卒者と非学卒者の賃金格差は、その後も大きくは変化しなかった http://www.epi.org/press/wages-young-college-graduates-failed-grow/ というより具体的な事実がある。実際のところ金融危機以前でも大学の新卒者の給与は停滞していたし、労働者全体──今日の経済で成功を約束されるはずのスキルを持つ者まで含めて──の犠牲を尻目に、企業収益は、ますます膨れ上がっているというのだ。
 なぜこんなことが起こっているのか。私が言える限り、妥当と思われる解釈は2つあり、その何れにもにもそれなりの真実性がありそうだ。ひとつはテクノロジーが労働者を不利にする方向へ転じた、とするもの。もうひとつは独占力が急激に増大した結果が現れている、というものだ。これら2つの説明は、一方はロボット、他方は「泥棒貴族」(ブラック企業家)に焦点を当てたものと考えてほしい。

362アーバン:2013/08/14(水) 01:27:14
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130813/biz13081319210016-n1.htm
非正規労働者、過去最多の1881万人
2013.8.13 19:20
 総務省が13日発表した労働力調査の詳細集計によると、パートや派遣社員など非正規労働者の数は、平成25年4〜6月期平均で前年同期比106万人増の1881万人となり、統計を取り始めた14年以降、過去最多を更新した。

 正規と非正規を合わせた雇用労働者(役員除く)の総数は5198万人で過去4番目の水準に増えたが、正社員雇用は53万人減った。非正規の割合は1.7ポイント増の36.2%だった。

 非正規の男女別内訳は、男性が603万人、女性が1278万人。非正規の仕事に就いた理由は、男性では「正規の職員・従業員の仕事がない」との回答が最も多い168万人、「自分の都合のよい時間に働きたい」は111万人だった。

 女性は「家計の補助・学費等を得たい」が331万人と最多で、「自分の都合のよい時間に働きたい」が301万人と続いた。ただ、正社員の仕事がないことを理由に挙げたのは175万人で少数派だった。

363杉山真大 ◆mRYEzsNHlY:2013/08/14(水) 11:31:22
>>361
 先ずはロボットについて述べておこう。幾つかの注目されている産業では、テクノロジーが全て、とはいかなくても殆ど全ての労働者を置き換えてしまっている。例えば、最近になってハイテク企業が幾つかアメリカに戻ってきたのは、コンピューターの最も重要な部分であるマザーボードがここ最近は基本的にロボットによって製造されているからであって、もはや海外で生産する理由にはならないからでしかない。
 MITのエリック=ブリニョルフソンとアンドリュー=マカフィーは、最近出版された『機械との競争』 http://amzn.to/1cKxPgr に於いて同じ様なことが翻訳や法務調査といったサービスを含む多くの分野に見られると論じている。彼らが挙げる例で特筆すべきは、ロボットで置き換えられている仕事の多くが高技術で且つ高賃金であるという点だ。テクノロジーの負の側面は、単純労働者への悪影響だけという訳ではない。
 それでもやはり疑問は残る。本当のところイノベーションや進歩は、多くのどころか全ての労働者が割を食うものなのだろうか?――そんなことは起こり得ないという主張は、しばしば私も見受けられる。だが実際のところ、そうしたことは起こったりするし、真面目な経済学者たちは大凡200年にわたってその可能性を認識してきた。19世紀初頭のデヴィッド=リカードは自由貿易における比較優位の理論で有名だが、産業革命による資本集約的な新技術が実際労働者に打撃を与える可能性がある、と1817年に出した著作(「経済学及び課税の原理」)で言及しているのだ。少なくとも現代の奨学金では、それが数十年の間に起こってたかも知れないと示唆していたりする。

364杉山真大 ◆mRYEzsNHlY:2013/08/14(水) 12:09:28
 「泥棒貴族」の件はどうなんだ?ここ最近は独占力のことが話題になっていないが、独占禁止法の執行はレーガン政権の8年間でその殆どが破壊的なくらいに削減され、未だにそれ以前の水準に戻っていない。それでも新アメリカ財団のバリー=リンとフィリップ=ロングマンは、ビジネスでの集中の進行は労働者の懸案に対する強力な要素たり得るとともにその独占的な力を以て従業員への分配を抑えつつ価格を転嫁できる、と(お説にあまり同意できない)自分から見ても説得力を以て力説している。
 技術革新と独占のどちらが労働価値に如何程の打撃を与えたか?ってことは自分にも解らない。何が起こっているのか?って議論が余りに少ないってこともあるからだ。だが、国民論議の中で収入が労働側から資本側へとシフトしていくってことがまだされていなかった、と言うことは真っ当であると思う。
 それでも、このシフトは続いているし、それには大きな含みがあったりする。例えば法人税の減税によって惜しげもなく莫大な金融支援が行われたが、我々が利益を労働者の人件費に分配せよと望んでいた際にやるべきことだったのだろうか?あるいは相続税の免除や減税という奮発だって、技術や教育ではなく金融資産で収入が決まる世界への逆戻りってことになるし、富の相続を容易にすることを我々はホントに望んでいるのだろうか?
 今言及した様に、これはようやく辛うじて始まった議論だ。だがロボットやブラック企業が我々に仇なす様になるまで、そう時間は残されていない。

365とはずがたり:2013/08/24(土) 17:41:43

健康にも格差…幼児の入院、貧困家庭は1・3倍
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20130824-567-OYT1T00510.html
読売新聞2013年8月24日(土)14:35

 所得の低い家庭の子どもは入院する割合が高く、病気からの回復力も落ちるなど、所得による健康格差があることが、国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩・社会保障応用分析研究部長の調査でわかった。

 2001年に生まれた子ども約5万人を対象に、毎年健康状態などを追跡している厚生労働省「21世紀出生児縦断調査」の7年間のデータを分析。子どもがいる家庭を貧困層(4人家族で年間世帯所得250万円未満)と非貧困層に分け、毎年の入院の有無、ぜんそくやアトピー性皮膚炎など六つの慢性疾患の通院の有無を比較した。

 その結果、2歳時点で貧困層は非貧困層より1・3倍も入院する危険性が高かった。ぜんそくによる通院割合は1歳時点で貧困層が非貧困層より1・35倍高かった。

 また、3歳時に入院経験のある子どもが、6歳時に入院する確率は所得が低いほど高く、過去の病気の影響をその後も引きずっていることも示唆された。

 阿部部長によると、所得の低い家庭の子どもは食事の栄養バランスや住環境が悪いことなどから病気になりやすく、回復力が低い可能性がある。生活に追われる親は、子どもの体調の変化に気づきにくく、入院するほど悪化する前に医師に診てもらう時間的余裕がないことなども原因と推測されるという。

366とはずがたり:2013/08/25(日) 09:02:44

「独り勝ち」の裏で低賃金労働者 ひずみ解消も課題
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130824/erp13082420340004-n1.htm
2013.8.24 20:33
 【ベルリン=宮下日出男】債務危機に見舞われた欧州で「独り勝ち」といわれてきたドイツだが、国民が広くその恩恵を享受しているわけではないようだ。強い競争力や低失業率の裏側には、増加する低賃金労働者の存在があるとされ、ひずみの解消も課題となっている。

 ドイツ北東部ブランデンブルク市の労働センターでは5月、「公序良俗に反する」賃金の対処を始めた。過去の司法判断に照らして不当に低い賃金を支払っていた雇用主に対し、労働者が国から受け取った生活補助の過払い分を返還させる取り組みだ。返還に応じなければ裁判を起こす。

 これまで28件を調査し、5件を提訴。「1.5ユーロ(約198円)の時給、交通費を引けば実質無給という例もあった」。センターの担当者マルチン・ブラット氏はため息をつく。

 「雇用主が労働者の窮状を利用した例もある」(ブラット氏)という。仕事があるのに生活補助を受ける労働者は全国で130万人おり、過払い分を返還させる取り組みは旧東独で目立つ。

 デュイスブルク・エッセン大の調査によると、国際基準に合わせて低賃金を時給9.15ユーロ未満と設定した場合、2010年の低賃金労働者は全体の約23%、792万人に上り、10年前から約2割増えた。

 「過当競争に勝つため、企業は人件費を圧縮しようとしている」。サービス関連の産業別労組ベルディで小売業部門の責任者を務めるウルリヒ・ダリボール氏はこう訴える。

 ダリボール氏によると、小売業では企業が賃金が安くてすむ派遣労働者を使い、それに規制がかかると、次は業務を下請けに出す形態にして賃金を抑制するケースが目立つという。

 ドイツでは昨年、複数の仕事を持つ労働者が約270万人に上った。1つの仕事では生活をまかなえないからともされる。中流層の減少を指摘する研究機関の調査結果もある。

 2000年代前半まで「欧州の病人」といわれたドイツは労働市場・社会保障改革で競争力を回復し、失業率は05年の11%超から半減したが、一方で低賃金労働者が増えたとの批判は強い。

 最大野党の社会民主党は現政権下で「格差が拡大した」と批判し、法的に一律の最低賃金制度を導入するよう主張するが、メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟は一律ではなく、労使ごとの導入促進を訴えている。

367とはずがたり:2013/09/02(月) 14:02:33

いったい何故?日本で増殖し続ける50代前後の中年「ニート」―華字紙
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76199
配信日時:2013年8月31日 2時45分

2013年8月30日、ニートと言えば、一般的には働く能力があるにもかかわらず衣食住を全面的に両親に頼って養われている若者のことを指す。しかし、日本ではこの概念が一変する可能性がある。近年の日本のニートには新たな変化が現れ、50代前後の人が主力軍となりつつある。華字紙・日本新華僑報が伝えた。

内閣府統計局の労働力調査によると、2012年に45〜54歳のニートは45万人を突破、彼らはニートの「先駆け」と呼ばれている。その規模が拡大するにつれて、彼らの状況を日本の各界も関心を持つようになってきた。20数年前、日本では各種の「ニート」対策を実施。計算すると当時30歳前後だった彼らはいまや50歳前後となっている。彼らの両親は80代の老人だ。さまざまな対策が実施されたにもかかわらず、なぜ彼らはずっとニートだったのか?

54歳の男性は、34歳の時に会社をリストラされて仕事を失ってから妻にも逃げられた。彼は実家に戻って母親と一緒に生活を始め、すでにニート歴は20年を経過した。母親は今年で79歳。最近では「もし自分が死んだら、息子はどうなるのだろう?」との心配がますます強まっている。

そこで、母親はあらゆるつてを頼りに息子の仕事を見つけようと行動を開始。娘に履歴書の作成を手伝わせるが、学歴や特技を偽って上手く並べ立てた内容に娘もあきれ顔だ。友人や地域の職員も「そういうことは息子自身にやらせるべき」と言うが、「あの子は繊細で感性が強く、人と接するのが苦手。私が望んで手伝っているの。息子のことには口を出さないで」と耳を貸そうとしない。

しかし、もしこういう50代のニートたちは両親が亡くなったら一体どうするのだろう?長期にわたって「ニート」を指導してきた人物は「この問題については実は心配する必要がない。それは、50歳過ぎのニートは経験豊富で、ちゃんとした対応策を持っているからだ」と語る。日本には生活保護があるし、貯蓄大国だ。高齢者は節約しながら暮らして死後に多額の資産を残すので、ニートたちは10数年〜20年くらいは生活していける。さらに、たとえ両親がお金を残さなくとも、彼らには裏技がある。父母が亡くなったことを隠し、遺体を埋めたり隠したりして両親の年金をもらい続けるのだ。年金事務所の職員が家を訪問しても「親戚のところへ行っている」などとうそをつけば、形式的な訪問なのでそれ以上は詳しく調査されない。だから、あるニートは両親の死後10年以上にわたって親の年金をもらい続けていたという例もある。

これらの例から分かるのは、両親の溺愛、生活保護制度に存在する欠陥、無責任な職員、これらが50代過ぎのニートたちが悠々自適に暮らせる主な原因となっていることだ。一見すると、ニート問題は家庭内の問題のように見えるが、ひとたび大きな範囲に広がって法律の最小限度を超えてしまった場合、社会の公平に影響をもたらし、各種の問題を引き起こす可能性がある。日本政府は何らかの対策を取るべきだろう。(翻訳・編集/碧海)

368アーバン:2013/09/06(金) 10:04:08
http://www.j-cast.com/2013/09/05183056.html
生活保護世帯数、6月で158万3308世帯に 過去最多を更新
2013/9/ 5 15:21

全国で生活保護を受けている世帯は2013年6月時点で、前月比1242世帯増の158万3308世帯となり、過去最多を更新した。9月4日、厚生労働省の集計でわかった。受給者は前月比694人減の215万3122人で、2か月ぶりに減少した。

厚労省は「高齢者を中心に単身世帯の受給者が増えている」とみている。

世帯別では、高齢者世帯が71万2198世帯で最も多く、働ける世代を含む「その他の世帯」が28万7804世帯、傷病者世帯は28万4632世帯となった。

369チバQ:2013/10/12(土) 09:37:24
http://mainichi.jp/select/news/20131012ddm008020040000c.html

所得格差:過去最大に 社会保障での改善、最高−−11年ジニ係数

毎日新聞 2013年10月12日 東京朝刊


 厚生労働省は11日、社会保障の給付が国民の所得に与える影響に関する所得再分配調査(2011年、3年に1度)の結果を公表した。1に近いほど所得格差が大きいことを示す「ジニ係数」は、給付前の当初所得で平均0・5536。前回08年調査(0・5318)より0・0218ポイント悪化して過去最大を更新し、格差の拡大を裏付けた。一方、年金など社会保障給付後の係数は0・3791と前回(0・3758)より0・0033ポイント悪化したが、社会保障による改善度は31・5%で過去最高だった。

 「自助努力」で得た当初所得のジニ係数は、1984年以降上昇し続けている。厚労省は主な原因を高齢化の進展とみている。これに対し、税と社会保険料を差し引き、年金、恩給、医療などの給付を反映させた後の所得(再分配所得)の係数は、ほぼ横ばいで推移している。2011年調査は07年の所得を基に推計しており、1世帯あたりの平均当初所得は前回比9・1%減の404万7000円。一方、再分配所得は6・2%減の486万円だった。

 当初所得のジニ係数を世帯主の年代別にみると、65歳以上は全世帯で平均の0・5536を超え、75歳以上は0・8109と全世代を通じて最も格差が大きい。ただし、再分配所得でみると75歳以上も0・4146に下がる。厚労省は年金受給世帯の増加が原因と分析し、「当初所得こそ格差は拡大傾向にあるが、社会保障が機能して給付後の再分配所得の格差は拡大していない」と説明している。

 とはいえ、経済協力開発機構(OECD)基準のデータでは、00年代後半の日本のジニ係数はOECD加盟34カ国中、格差の大きい方から11番目。千葉県の年金生活者の男性(77)は「暮らし向きはじりじりと悪くなっている」と話す。「反貧困ネットワーク」代表の宇都宮健児弁護士は「非正規雇用労働の広がりで労働分配率が減り、利益は企業の内部留保や株主への配当に移転した。ジニ係数が悪くなるのは当たり前だ。改善には高額所得者への課税を強化し再分配を進めるべきだが、現実は全くそうなっていない」と指摘している。

 調査は11年7〜8月、岩手、宮城、福島の東日本大震災被災3県を除く44都道府県から無作為抽出した世帯を調べ、5021世帯から有効回答を得た。【佐藤丈一、遠藤拓】

==============

 ■ことば

 ◇ジニ係数

 0〜1の間で所得の均等度を示す指標。1に近いほど格差が大きいことを示す。全国民の所得が等しいなら「0」、1人の国民がすべての所得を独占している状況なら「1」となる。

370杉山真大 ◆mRYEzsNHlY:2013/10/17(木) 23:51:48
フードスタンプなどにも言える話なんだけど、兎角「潰しが利く」現金給付に偏っているあまり貧困ビジネスなど中間搾取され易くなってしまっているって気がするな。


大阪市:狭小住居 生活保護認めず 「理念反する」
http://mainichi.jp/select/news/20131017k0000e040233000c.html
毎日新聞 2013年10月17日 15時00分(最終更新 10月17日 15時13分)

 大阪市西成区で今年6月、男性3人が生活保護費受給を申請する際、簡易宿泊所を改装したカプセルホテルのような部屋(1.5畳)を居住用「アパート」と申告し、市が「狭すぎて危険がある」として支給を認めない異例の決定をしていたことが分かった。専門家は「劣悪な住環境を防ぐ弾力的な対応」と評価し、厚生労働省も「全国でも珍しい対応」としている。「アパート」経営者は市の指摘で部屋を改装したが、生活保護法には受給者の住居に関する規定はなく、専門家は改善を求めている。

 市福祉局などによると、アパートは西成・あいりん地区にあり、簡易宿泊所だった木造3階建てを改装した。各階にカプセルホテルのような部屋(高さ約1.7メートル)が上下2列に棚状に約10室ずつ並ぶ「脱法ハウス」のような構造だった。

 各部屋に窓があり、風呂、トイレは共同。上層の部屋は、はしごで出入りする構造だった。家賃は同市の単身世帯への住宅扶助の上限額(4万2000円)に近い4万円だったという。民生委員から連絡を受けた市が6月に現地調査。出向いた職員は「カイコ棚のようで非常に狭く、靴を脱ぐ場所もない。出口から急にはしごになっており、危ないと感じた」と話す。

 生活保護法には受給者の住居の広さなどに関する規定はないが、市は「健康で文化的な最低限度の生活」を目指す同法の精神に反するとして、3人に生活保護を支給できないと通知し、アパート経営者には改善を促した。

 これを受けて経営者は従来の上下2室ずつ計4室を1室にまとめる改装を行った。現在、3人のうち1人がここに、2人は別の場所に住んで、いずれも生活保護費を受給できるようになったという。

 報道で「脱法ハウス」が問題化した後の今年9月、国土交通省はカイコ棚状の狭小住居などを規制する基準を出した。市は「事後的に基準に照らすと、このアパートは脱法ハウスに該当した可能性がある。今後、同種の建物が貧困ビジネスに悪用されないよう注意したい」としている。

【茶谷亮】

 ◇大阪市の対応は評価できる 生活保護制度に詳しい吉永純・花園大教授(公的扶助論)の話

 劣悪な環境に生活保護受給者を住まわせるのは生活保護法の精神に反しており、弾力的に運用した大阪市の対応は評価できる。保護制度には支給額に関する規定しかないが、国は受給者の住居の面積や設備についても基準を設けるべきだ。

371とはずがたり:2013/10/21(月) 11:47:38
暴力団員による生活保護斡旋業を公認すれば?彼ら貧困層を扱うノウハウあるやろうし高コストの市役所職員増員して対処するよりもよっぽど効率的であるし暴力団員の社会復帰・更正にも役立つ♪

「2千人囲っていた」 生活保護費詐取容疑、組員ら逮捕
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/OSK201310190016.html
朝日新聞2013年10月19日(土)18:24

 生活保護受給者をマンションに住まわせ、賃貸保証金名目で現金をだまし取ったとして、大阪府警は19日、大阪市生野区新今里4丁目、山口組系暴力団組員の伏見泰和(やすたか)容疑者(46)=別の詐欺罪で公判中=ら4人を詐欺容疑で逮捕し、発表した。伏見容疑者は実質管理する大阪市内のマンションやアパート約70棟に受給者を入居させていたといい、「約2千人を囲っていた」と供述しているという。

 捜査4課によると、逮捕容疑は2010年10月〜12年3月、大阪市内のマンション3カ所に、生活保護受給者の男性3人を入居させ、保証金名目で計5万円を詐取した疑い。府警は、西成区の路上生活者らを誘って保護費を申請させ、住居をあっせんして住宅扶助費などを吸い上げる「囲い屋」グループとみている。

372とはずがたり:2013/10/21(月) 11:48:28
>>371

詐欺容疑:生活保護費から保証金差し引く「囲い屋」逮捕
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20131020k0000m040061000c.html
毎日新聞2013年10月19日(土)20:43
 生活保護受給者を管理する物件に住まわせて架空の保証金をだまし取ったとして、大阪府警は19日、住宅管理会社役員で指定暴力団山口組系組員の伏見泰和(46)=別の詐欺罪で公判中=と、同社元従業員、清水邦夫(67)の両容疑者を詐欺容疑で逮捕した。2人はホームレスらに声をかけて生活保護を申請させ、自社の管理物件に住まわせて保護費から費用を差し引く「囲い屋」で、約2000人を囲い込んでいたとみられる。

 逮捕容疑は、2010年10月〜昨年3月、生活保護受給者の男性3人(67〜37歳)に対し、家賃の支払いが滞った際の契約を保証会社と結ぶと偽り、計5万円を詐取した、としている。支払先として説明していた保証会社は架空だった。伏見容疑者は容疑を認め、清水容疑者は「だまし取っていない」と否認しているという。

 府警捜査4課によると、伏見容疑者らが管理するマンションなどの物件は大阪市内に70棟あり、囲い込んだ生活保護受給者らを分散させて住ませていたとみられる。府警は、2人が今回の逮捕容疑と同様の手口で数千万円を詐取した疑いがあるとみて、経緯を調べている。

 伏見容疑者は今年6月、経営する介護サービス会社で生活保護受給者に介護サービスを提供したように装い、介護報酬を不正に受給したとして、詐欺の疑いで逮捕されていた。

373とはずがたり:2013/10/21(月) 12:11:23
>>371
役人に任せといてもこんなの起きる訳やし。。

生活保護費2.6億円不明 市職員聴取 大阪・河内長野
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/OSK201310200122.html?fr=rk
朝日新聞2013年10月21日(月)03:04

 大阪府河内長野市の40代の男性主査が、生活保護費約400万円を着服したとして、市が業務上横領容疑で府警に告訴していたことがわかった。府警は20日、市役所や主査宅を家宅捜索し、主査から任意で事情を聴いている。市の調査では、被害総額は2009年1月〜11年3月で約2億6千万円にのぼるという。

 市関係者によると、主査は10年5月〜11月、生活保護費を扱うシステムに架空の保護費の支給額を入力し、複数回にわたり計約400万円を着服したとして、今月4日に告訴された。

 主査は01年から生活保護を扱う部署に在籍し、ケースワーカーとシステムのメンテナンスを兼務。09年1月〜11年3月には、産休・育休中の職員に代わり経理担当も兼務した。

374とはずがたり:2013/10/22(火) 12:30:58
やくざを手下にどころかNPOも目の仇にしているようではなかなか遠いな(;´Д`)

ただ共産党系の団体は名目的に政党支持の自由を謳いながら非(反ではない)共産党系の人間を粛清する独裁性があるから余り信用は出来ないけど,まあ良いことはやってると思われる。

【政策ウォッチ編・第41回】 2013年9月27日
みわよしこ [フリーランス・ライター]
生活保護当事者への弾圧がついに始まった!?
“不正受給”の疑いで行われた家宅捜索の中身
――政策ウォッチ編・第41回
http://diamond.jp/articles/-/42223

2013年9月12日、「全大阪生活と健康を守る会連合会」および「淀川生活と健康を守る会」事務局等6ヵ所に対し、大阪府警による家宅捜索が行われた。理由は、1人の女性の生活保護費不正受給であった。ちなみにこの日は、9月17日に予定されていた生活保護基準引き下げに対する一斉審査請求の5日前であった。

今回は、この家宅捜索についてレポートする。なぜ、このタイミングで、生活保護費不正受給を理由とした家宅捜索が行われたのであろうか?

「会員の生活保護法違反」を理由とする
市民団体への家宅捜索

2013年9月12日午前10時、「全大阪生活と健康を守る会連合会(大生連)」および「淀川生活と健康を守る会(淀川生健会)」事務局など6ヵ所に対し、大阪府警が家宅捜索を行った。理由は、淀川生健会の女性会員が生活保護法に違反したことであった。このことは、一部メディアで以下のように報道されている(容疑者とされている女性会員の氏名はイニシャルとした)。

生活保護費:58万円を不正受給の疑い 大阪・淀川の女逮捕――府警?/大阪
毎日新聞?2013年09月13日?地方版
収入があるのに生活保護費約58万円を不正受給したとして、府警警備部は12日、飲食店アルバイト、S容疑者(32)=大阪市淀川区=を生活保護法違反の疑いで逮捕した。逮捕容疑は昨年3?6月、ラウンジでアルバイトしていることを隠し、保護費約58万円を受給したとしている。容疑を認めている。
府警によると、S容疑者が2012年6月に淀川区に保護費を申請した際、同区の福祉団体「淀川生活と健康を守る会」の幹部が同席していた。府警は12日、関係先として同会など計6カ所を家宅捜索し、詳しい経緯を調べている。
記事を一読するだけでも、いくつかの疑問を感じる。この記事から読み取れるのは、

「容疑を認めている女性Sさんを逮捕し、逮捕と同日に家宅捜索を行った」

である。家宅捜索によって証拠を確認した後での逮捕でもなければ、逮捕して取り調べが行われた結果、自白などの内容を確認する必要が発生して家宅捜索が行われたわけでもなさそうだ。何が起こっていたのか、この記事だけでは良く分からない。ちなみに、大生連・淀川生健会以外の家宅捜索先4ヵ所は、明らかにされていない。

現在までに判明しているところでは、女性の生活保護法違反は初めてであったという。ちなみにこれまでは、初犯かつ金額が100万円以下の場合、78条返還(不正受給としての生活保護費返還)が適用されてきた。いきなり逮捕されることはなかった。

突然の家宅捜索

大生連会長の大口耕吉郎氏によると、同日の様子は以下のとおりである。

「その日、私と事務局次長は、会議のため、不在だったんです。事務所にいたのは、事務局長1人だけでした。そこに、午前10時、刑事たちがやってきました」

刑事たちは、女性の不正受給の件とは関係のない資料を持って行こうとしたので、事務局長は

「これは、不正受給と関係ありません」

と主張したが、押収された。

375とはずがたり:2013/10/22(火) 12:31:28

刑事たちが押収したものは、生活保護制度に関する一般的な手引や、学習会資料など、どう考えても生活保護法違反と結びつけることが不可能なものばかりであった。生活保護基準引き下げの審査請求に関する資料も含まれていた。

逮捕されたSさんと淀川生健会の関係は、

「2013年6月、Sさんが生活保護を申請する際に、淀川生健会の事務局長が同行した」

のみである。

ちなみに、家宅捜索が行われた9月12日の5日後である9月17日には、生活保護基準引き下げに反対する全国一斉審査請求が予定されていた。大阪府も含め、全国22都道府県において、審査請求は予定通りに行われた(前回参照)。なお、2013年9月26日現在、審査請求を行った生活保護当事者の総数は、1万人を突破している。

文字通り「生活と健康を守る」
生健会の日常

全国各地に存在する「生活と健康を守る会(生健会)」は、1954年に設立された。当時のモットーは「仕事と生活と医療の保障」。当時の主要な活動は「保育所入所」「公営住宅の建設と入居」「安価な入院助産の実施」であった。

生健会は生活保護問題に関して注目を受けることが多いけれども、生活保護だけを守備範囲としているわけではない。各地の生健会を取りまとめる「全国生活と健康を守る会連合会」によれば、活動の範囲は、

・子どものためのイベント
・育児支援
・生活を支える各種制度の活用・改善・新設
・健康維持・増進を支える(健康診断・健康相談会など)
・地域環境の改善(道路整備、信号機等の設置、公営住宅の修繕やバリアフリー化)
・日常的なコミュニティ活動(誕生会・お見舞い・産直活動・バザーなど)
・文化・レクリエーションの充実
・共同墓地建設
・墓参

と、極めて幅広い。

大口氏によれば、会員には相当数の生活保護当事者や、各種減免申請を行っている世帯が含まれている。税金の自主申告運動も、生健会の中心となる活動の一つである。税と生活保護は密接に関係しており、いずれも国民生活の基盤である。生健会は、その両方から生活を支える活動を行っている。「生活と健康を守る」という目的から見て、極めて自然なことであろう。

ちなみに生健会は、「共産党の支持団体」「共産党から資金を受けている団体」と見られていることが多い。この点に関して、大口氏は、

「そうではありません。生活と健康を守る会は会員の政党支持の自由を保障しています。私たちは会員の一致する要求で連帯して、その実現のために運動している市民団体です」

という。しかし生健会に関しては、選挙での協力が取りざたされることも多い。そこは、どうなのだろうか?

「政党選挙、たとえば総選挙や参議院選挙、地方選挙では、繰り返しますが、会員の政党支持の自由を保障し、会ぐるみで応援することはありません。一方、知事選挙や市長選挙で多くの団体や政党が支持して応援する場合があります。私たちは、その候補の政策が私たちの要求と一致すれば、党派を越えて応援しています。また、政党と協力する基準は、その政党が『社会保障について、これまで何をやってきたか』です。私たちは、協力できる政党と協力します」(大口氏)

376とはずがたり:2013/10/22(火) 12:32:05
>>374-376
淀川生健会の家宅捜索は
どのように行われたか

9月12日の家宅捜索に、話を戻す。

前述のとおり、同日、淀川生健会事務所にも家宅捜索が行われた。同じ午前10時のことであった。

家宅捜索は、事務局員と淀川生健会顧問2名の立ち会いのもとで行われた。

大口氏は、この一連の家宅捜索について、

「今後の対応については、顧問弁護士と相談して、法的手段も含めて検討中です」

という。

生健会が家宅捜索を受けたのは、今回が初めてではない。

2013年2月14日、淀川生健会事務所に対し、家宅捜索が行われた。理由は、9月12日と同様、会員の生活保護法違反であった。この会員は、大阪市の繁華街で飲食店を経営していたが、自営業での収入があることを隠して生活保護を申請し、逮捕された。

申請時には、淀川生健会の事務局長が同行していた。本人からの依頼を受けて申請に同行しただけで、不正受給に関与しているわけではない。申請に同行するのは、そうしなくては水際作戦が懸念されるからである。生活保護の申請を決意する人々のほとんどは、まぎれもなく困窮状態にある。

逮捕された会員は、

「腰を痛めて働けなくなった」

と、淀川生健会に相談したという。それで、申請への同行が行われた。生存権を守るためには、必要なのに生活保護を利用できない状況へとつながるリスクは避ける必要がある。

「ちなみに、2月の家宅捜索のとき、警察と一緒に、マスコミがいっぱい来てたんです。警察がリークしたんでしょうね」(大口氏)

9月12日の家宅捜索の際には、大生連にはマスメディアは来なかったそうだ。

2月14日の家宅捜索の対象となったのは、生健会関連では、淀川生健会事務所だけであった。府内の生健会を取りまとめる立場である大生連は対象とならなかった。大生連は、各会員への支援活動を直接行っているわけではないからだ。

「会員が生活保護法に違反した」という理由で、単に申請同行などを行ったにすぎない生健会への家宅捜索が行われるようになったのは、大口氏によれば「今年になってから」ということだ。それ以前には、まったくなかったという。ちなみにその直前である2013年1月には、生活保護制度の見直しに向けた政府の動きが活発化し、生活保護基準の見直し(引き下げ)方針が明らかにされている。ここで、政府の意図を勘ぐらずにいることは、筆者には難しい。

では、会員の不正受給について、大口氏はどう考えているだろうか?

疑いや厳罰化で
不正受給はなくせない

「まず、はじめに言っておきたいことは『不正受給』は絶対にやってはいけないことだということです。『不正受給』で逮捕されるケースは、3つあります。不正受給とされる行為に対して福祉事務所に指導を受け、従わなかった場合。何度も繰り返された場合。それから貧困ビジネスです。

今回のように初犯で、しかも金額も比較的少ないケースで逮捕されることは、過去にはありませんでした。これまでは『不正受給』は生活保護法78条で対応されていました。全額返還です。よほど悪質でないと、福祉事務所も刑事告発をしませんでした。2010年度の大阪市の『不正受給』件数は保護世帯比で約2%です。このうち告訴件数は16件で、検挙が6件です。

『不正受給』をした中には保護開始時に権利と義務のことを知らされていなかったために、『やってしまった』というのもありました。しかし、もちろん貧困ビジネスなどの悪質なものに限っては、きっちり対応すべきです」(大口氏)

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380とはずがたり:2013/11/08(金) 08:38:24

生活保護却下は違法=「求職努力していた」−大阪地裁
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013103100791&rel=m&g=pol

 大阪府岸和田市が「就労が期待できる」として生活保護の申請を却下したのは違法だとして、同市の男性(40)が却下処分取り消しと100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、大阪地裁であった。田中健治裁判長は「生活保護法の解釈を誤り違法」として取り消し、市に約68万円の支払いを命じた。
 受給要件の稼働能力などを最大限に活用しても生活に困窮するケースに男性が該当するかが争点。田中裁判長は、男性がハローワークや広告を利用して求職活動をしていたことから、「稼働能力を有し活用の意思もあったが、就労の場を得られる状況になかった」と述べた。
 判決によると、男性は2008年6〜12月、5回にわたり生活保護を申請したが、健康状態に問題がなく年齢も当時30代と若かったため、「稼働能力が未活用」として却下された。(2013/10/31-17:01)

381とはずがたり:2013/11/10(日) 17:20:14
>>371

ホームレスの生活保護ピンハネで2億円...西成の貧困ビジネスで組員逮捕
2013年10月28日
http://n-knuckles.com/street/downtown/news000588.html

 西成を舞台にした「貧困ビジネス」で、暴力団組員が相次いで逮捕された。生活保護受給者から家賃保証名目で現金を詐取したとして、大阪府警捜査4課は19日、山口組系暴力団組員で、不動産会社「住宅管理ビックライフ」(大阪市西成区)の実質経営者・伏見泰和被告(46)(別の詐欺罪で公判中)ら4人を詐欺容疑で逮捕した。府警は、一部が暴力団の資金源だったとみて調べを進めている。

 ここで改めて、西成という街の特殊性を紹介しておきたい。「西成」とは大阪市西成区にある日本最大のドヤ街、日雇い労働者が多く集まる街だ。あいりん(地区)とも釜ヶ崎とも呼ばれ、新今宮駅(JR/南海)、南霞町駅(阪堺電軌)、動物園前駅(地下鉄)の南側から萩ノ茶屋駅(南海)、今池駅(阪堺電軌)辺りまでの一帯が該当する。町名で言うと萩之茶屋、太子を中心に周辺の花園北、天下茶屋北、山王の一部の地域となる。

 ホームレスが多く、衛生環境もすこぶる悪い。そのためか、この地域の結核の感染率は南アフリカ、ジンバブエに次いで世界第3位だとする珍説まであるほどだ。

 その800メートル四方の小さな街に2万人とも3万人とも言われる労働者が暮らしている。西成警察署の南にある三角公園は、労働者の憩いの場であると同時に、その日の仕事にあぶれた人や宿が無い人が集まる場所である。今も三角公園の脇では昼間からサイコロ賭博、違法賭博場が行われていて、その多くは暴力団が絡んでいるといわれている。

 三角公園の周辺にはいつも場違いな数台の高級車が停められている。暴力団関係者が賭場の見張り役として目を光らせているからだ。この地区には現在約20近くの暴力団が事務所を構えている。過去、最も多い時には70近くの組事務所があった。

 西成の労働者全体の1日の稼ぎは一説に2億円以上といわれている。この地区に事務所を構える暴力団のほとんどが、その金を虎視眈々と狙っている。

 今回逮捕された伏見被告らは大阪市内でマンション約70棟の部屋を借りあげ、受給者約2000人にまた貸しして、家賃の差額などで年間約2億円の利益を上げていたという。受給者の多くは、ホームレス生活をしていた際に同社側から声をかけられ、住居のあっせんを受けていた。これはホームレスを集めて生活保護を受給させた上で生活費をピンハネする「囲い屋」といわれる典型的な手口だ。

 この西成には暴力団関係者によって運営される懇親会が存在する。それはこの「美味しい町」で揉め事を起こさず、旨味を分け合い、共存すべく機能しているのだ。今回の「囲い屋」はあくまでも氷山の一角であり、これによって貧困ビジネスが衰退するような事態にはならない。彼らがこれほど美味しい利権を手放すはずがないからだ。

382とはずがたり:2013/11/25(月) 11:17:17
区画整理の罔掛けて綺麗にしちゃえないのかね?まあこういう猥雑さも都市の懐だとは思うけど。。

「朽ち果てた放置空き屋に誰かがいる!?」東京・足立区に“廃屋シェアハウス”があった!
日刊サイゾー 2013年11月24日 12時00分 (2013年11月25日 10時51分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20131124/Cyzo_201311_post_1130.html

 普段は気に留めないが、よく目を凝らして街を歩くと、住宅地などで明らかに人が住んでいない廃屋が目についたりすることはないだろうか? 実は昨今、朽ち果てるままに放置されている古い空き家が急増しており、倒壊や放火などを懸念する声が高まっている。

 いわゆる「放置空き家」「迷惑空き家」の問題で、過疎化が進む地方ではすでに顕在化しているのだが、最近では東京都内の一部のエリアでも放置空き家が急増しているのだという。東京・足立区では一昨年、都内で初めて老朽化した家屋に解体や改修を義務づける条例を制定している。
 そこで、足立区の某ターミナル駅周辺を歩いてみると、駅前はデパートや商店街などで賑わっているが、繁華街を抜けると古くからの住宅街が現れる。何よりも、目についたのが路地の多さだ。

 それも幅の狭さがハンパない。建物と建物との間の、ようやく大人一人が通ることができるほどの狭い入り組んだ路地へ入っていくと、ボロボロの老朽化した家屋が寄り添うように密集している。

 しかも、その多くは雑草が伸び放題で荒れ果てていたり、雨戸が閉め切られていたりして、明らかに人が住んでいない様子。こんなに入り組んだ路地にある住居だと、改修はおろか解体して更地にするのもほぼ不可能。そして、これが放置空き家が急増している原因なのだ。

 さらに足を進めると、思わず絶句してしまう光景が眼前に広がる。普通の住宅地の一角であるにもかかわらず、そこには昭和初期に建てられたとしか思えないような荒れ果てた“廃屋”があった。窓ガラスはところどころ割れ、空き家であることをいいことに政党やらピースボートやらのポスターが所狭しと貼られている。とにかくボロボロというしかなく、ここまで来ると放置空き家というよりも「巨大な粗大ゴミ」。繰り返すが、ここは普通の住宅地である。

 裏手に回り込むと、ドアが開いており中が丸見え。野良猫が住みついているらしく、糞の悪臭が鼻をつく。割れた窓ガラスの隙間から屋内を覗き込むと荒れ放題で、明らかに人が住んでいないし住めない。ちなみに、この家屋は狭い路地に立地しているわけではなく、その気になれば取り壊して更地にすることも可能。なぜ、こうなるまで放置されてしまったのか。近隣の住民に話を聞いた。
「私もまさか人が住んでいるとは思っていなかったんだけど、なんだか夜中に人が出入りしている気配があるんですよね。それも大人数の人たちが出入りしているような雰囲気。
気持ち悪くてしょうがありません」

 えっ、住んでんの!? 住人がいるとはにわかには信じがたいが、もう一度確認すべく、くだんの家屋に戻り裏手に回ってみると、ドアが壊れており、中に入ることができそう。土間にあった靴箱を見ると革靴やスニーカー、サンダルなどがズラリ。やはり人が住んでいるのか? 声をかけてみるが、応答はなし。中に入ってみようかとも思ったものの、悪臭と埃だらけの室内の空気を吸い込むと病気になってしまいそうで、突入は断念。しかし、こんな家、よく住めるな。というか、本当に住んでいるのか? 住んでいるとすれば、どういうつもりなのか?
 地元の不動産会社によると「恐らく、“脱法シェアハウス”じゃないでしょうかね。放置空き家を勝手に占拠して、カネを取って人を住まわせているのでは。靴箱にある靴の多さは、そうとしか考えられませんよ。まあ、ここまで不衛生だと日本人は住まないでしょうから、外国人がたむろしているのかもしれません。いずれにせよ、犯罪とか違法なにおいがしますよね。近づかないほうが得策です」。
 近づくなと言われても、普通に住宅地の一角なのだが……。放置空き家ではなく、脱法シェアハウスなのか、謎が謎を呼ぶミステリースポットではある。二度と行きたくけど……。

383とはずがたり:2013/12/08(日) 22:01:49

英の新措置法「貧乏な移民は来ないで」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131208-00000509-san-eurp
産経新聞 12月8日(日)11時47分配信

 英国のキャメロン首相が11月末、他の欧州連合(EU)諸国からの移民に対する失業手当など社会保障費の支給制限を来年1月1日から実施すると英BBCテレビに語ったことが、英国などEU内で波紋を呼んでいる。

 キャメロン氏が明らかにした“新措置法”は、不就労のEU移民は英入国から3カ月は社会保障支給の対象とならない▽明確に就労できる証明がない場合、6カ月で社会保障サービスの提供を打ち切る▽新規移民は住宅手当の申請ができない▽路上生活者や物ごいは強制送還する▽最低賃金を支払わない雇用者には4倍の罰金を科す−というもの。

 同氏は「これはしっかりと働き、正しいことをしている人たちと公平に扱うための措置だ」と述べ、新措置法の導入を正当化。「EUが保証する移動や移民の自由の理念は大切だが、手当が目当ての移民に厳しく対処できるよう、EUは変わらなければならない」と強調した。

 しかし、EUの政策執行機関である欧州委員会の委員の一人が「英国は厄介な国だ」とかみついた。キャメロン氏はこれに「委員たちは、彼らの給料が英国の納税者からも支払われていることを忘れてはいけない」と反論した。

 ただ、英国と同じように貧しい移民流入の問題を抱えているドイツのメルケル首相やフランスのオランド大統領は英国に理解を示していると伝えられており、今後もこの問題をめぐる論争は収まりそうにない。

 自由や民主主義、平等、人権の尊重などの価値観を高らかにうたうEU加盟国はいまや28カ国。しかし、「EU域内の移動は自由でも、お金のない貧しい移民には来てほしくない」という英国人のホンネを反映した新措置法は、EUの理念と現実の難しさを浮き彫りにしている。(ロンドン 内藤泰朗)

384とはずがたり:2014/01/28(火) 08:34:14

2014年 1月 21日 13:45 JST
【寄稿】世界の貧困に関する3つの誤解―ビル&メリンダ・ゲイツ夫妻
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303572904579333662450287246.html?dsk=y
By BILL AND MELINDA GATES

 ほぼどんな基準に照らしても、世界の人々の暮らしぶりはかつてないほど良くなっている。過去25年間で極度の貧困は半減し、乳幼児死亡率は大きく低下。長く外国の援助に依存してきた多くの国々は今や自立している。

 それでも、状況が悪化していると考えている人はかなり多いようだ。その理由の大部分は、あまりにも多くの人々が世界の貧困と発展に関する3つの誤った通念にとらわれているからである。そうしたものにだまされてはいけない。

誤った通念その1:貧しい国々はそうあり続ける運命にある

 実際にはそんなことはない。所得や全般的な福祉の水準は、アフリカを含むほぼすべての地域で向上している。

 たとえばメキシコシティーについて考えてみよう。1987年に私たちが最初にそこを訪れたとき、大半の世帯には水道が引かれておらず、水瓶を持った人々が徒歩で水を汲みに行くのをよく見かけた。それはアフリカの田舎のような光景だった。マイクロソフトのメキシコシティー支社の責任者は、健康診断のために自分の子供たちをよく米国に帰国させた。スモッグによる健康被害がないか確かめるためだった。

 今日のメキシコシティーはショッキングなほど当時と異なっている。高層ビルがそびえ、空気は澄み、新しい道路や現代的な橋が建設されている。貧困もまだ一部に残っているが、「すごい、ほとんどの人々が中流層になっている。なんという奇跡だろうか」と思ってしまう。同じような変貌ぶりはナイロビ、ニューデリー、上海をはじめとする世界中の多くの都市でも見られる。

 私たちが生まれてからのわずかな期間で、世界の貧困地図は完全に塗り変えられた。トルコやチリの1人当たり所得は、1960年の米国と同じ水準に達した。マレーシアやガボンもそれに近づいている。1960年以来、中国の1人当たり実質所得は8倍に拡大している。インドは4倍、ブラジルは5倍近く、そして鉱物資源をうまく管理した小国ボツワナは30倍にもなった。50年前にはほとんど存在していなかった新たな中所得諸国には、世界の人口の半分以上が暮らしている。

 しかも、これはアフリカにも当てはまる。アフリカの1人当たり所得は、1998年以降、3分の2ほど増加している。当時は1300ドル強だった所得が、現在では2200ドル近くになっている。過去5年間の経済成長率では、上位10カ国のうち7カ国がアフリカ諸国である。

 私たちは次のように予測している。2035年には、世界に貧困国はほとんど残っていないだろう。確かに、戦争、政治情勢(北朝鮮など)、地理的条件(中央アフリカ地域の内陸諸国など)によって開発が進まない不幸な国もいくつかあるだろう。それでも、南米、アジア、中米(ハイチは除くべきかもしれない)のすべての国々、アフリカの沿岸諸国のほぼすべてが中所得国になるだろう。70%以上の国々の1人当たり所得は、今日の中国を上回るはずだ。

誤った通念その2:対外援助は大きな無駄である

 実際は素晴らしい投資である。海外からの援助は人々の命を救うばかりか、長期にわたって継続する経済発展の下地も作る。

 多くの人々は富裕国の予算に占める対外援助の割合を大きいと考えている。世論調査会社が米国民に予算のどれぐらいが援助に割かれているかと質問すると、「25%」が最も一般的な回答だという。ところが、実際には1%にも満たない(世界で最も気前の良い国、ノルウェーでさえ3%未満である)。米国政府は海外への医療支援予算の倍額以上を農業助成金に費やしている。防衛費にはその60倍以上を注ぎ込んでいる。

385とはずがたり:2014/01/28(火) 08:34:57
>>384-385
 対外援助に関するよくある不満の1つに、その一部が汚職のせいで無駄になるという議論がある。もちろんそうだろう。ところが、われわれがよく耳にするひどい話――援助は独裁者が新しい宮殿を建てる資金の足しになるだけ――のほとんどは、人々の生活を改善するための援助ではなく、冷戦時代に同盟関係を築くために行われた援助に関するものだ。

 今日、そうした問題はかなり小さくなっている。政府高官が出張費を水増し請求するといった小規模な腐敗は援助に課される非効率な税金なのだ。それを減らす努力はすべきだが、それを完全になくすことはできない。すべての政府プログラム、さらに言えばすべての企業から無駄をなくせないのと同じである。仮に1人の命を救うのに、小規模な腐敗の税金が2%かかるとしよう。われわれはその税金を撤廃しようとすべきだが、撤廃できないからといって救命活動をあきらめるべきだろうか。

 1ドルでも腐敗が見つかると、多くの人々が援助プログラムの停止を声高に求めてきた。だが、それは理にかなっていない。過去7人のイリノイ州知事のうち4人が汚職で有罪になったが、イリノイ州の学校や幹線道路の閉鎖を要求する人などいないではないか。

 対外援助を受ける国々は外国の好意に依存し続けてしまうという不満を口にする人々もいる。しかしこれは、今も自立できずに苦しんでいる最も困難な国々のみに当てはまる主張だ。ブラジル、メキシコ、チリ、コスタリカ、ペルー、タイ、モーリシャス、ボツワナ、モロッコ、シンガポール、マレーシアなどはかつて巨額の援助を受けていたが、その後に急成長を遂げ、今ではほとんど援助を必要としていない。

 対外援助は長期的な成長と強い相関関係がある医療、農業、インフラの改善も促進する。1960年に生まれた赤ん坊が5歳の誕生日までに死ぬ確率は18%だった。今日ではその確率が5%未満になっている。2035年には1.6%になるだろう。対外援助が無駄だというのはとんでもない話である。

誤った通念その3:命を救うことは人口過剰につながる

 人々は少なくともトーマス・マルサスが『人口論』を著した1798年から、食糧供給が人口増加に追いつかなくなるという世界滅亡のシナリオを心配してきた。こうした考え方は世界に多大な迷惑をもたらした。世界の人口規模に関する心配には、それを構成する人間に対する心配よりもはるかに大きなものになるという危険な傾向がある。

 あとで飢えることがないように、子供たちを今死なしてしまえという考え方は冷酷なだけではない。ありがたいことに、そううまくはいかない。

 これは直観に反することかもしれないが、世界で最も多くの人が死ぬ国は、人口が最も急速に増加する国の1つでもある。そうした国の女性たちは最も多くの子供を生む傾向があるからだ。

 より多くの子供が生き残れば、両親は多くの子供を産もうとはしない。タイはその好例である。同国の乳幼児死亡率が低下し始めたのは1960年ごろだった。政府が家族計画政策を強力に推進した後の1970年前後、出生率が低下し始めた。その後わずか20年の間に、タイ女性の1人当たりの出産率は6人から2人に低下した。今日、タイの乳幼児死亡率は米国のそれに近い低さで、タイ女性1人当たりの出産率は1.6人となっている。死亡率の低下に続いて出生率の低下が起こるというこのパターンは、世界の大多数の国にも当てはまる。

 命を救うことは人口過剰につながらない。むしろその逆である。持続可能な世界を実現するには、人々が基本的な健康、それなりの豊かさ、基本的平等、避妊具へのアクセスを享受する社会を作り上げるしかない。

 より多くの人々、特に政治リーダーらがこうした誤った通念の背後にある思い違いについて認識する必要がある。この問題を個人として見ても、政府として見ても、国際的に健康や開発を促進させるための貢献が驚くべきリターンをもたらすのは事実である。極度の貧困が普通ではなく例外である世界を作るチャンスはわれわれ全員が手にしている。

(本稿は近く発表されるビル&メリンダ・ゲイツ財団の年次レターから抜粋した。ビル・ゲイツ氏はマイクロソフトの会長)


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