研究に参加したオーストリア・ウィーン大学(University of Vienna)の花の形態の専門家、マリア・フォン・バルタザール(Maria von Balthazar)氏は「今回の結果には、本当にわくわくする」と話す。「あらゆる被子植物(花を咲かせる植物)の初期進化における花の正確な想像図が得られたのは、今回の研究が初めてだ」
論文の共同執筆者で、仏パリ第11大学(University of Paris-Sud)のエルベ・ソケ(Herve Sauquet)氏は、AFPの取材に「花は、ただ1種類の植物(で)のみ咲いた。これがすべての現存する顕花植物の祖先種だ」と今回の研究について語った。「これがどのような種類の植物かという疑問について調べた人はそう多くないが、過去の研究によれば、それは小型の樹木か低木だった可能性が高い」
今回の復元図は、これまでで最も花の祖先に近い姿を提示しているが、今後の研究で解明すべきことがまだ数多く残っていると、研究チームは強調している。(c)AFP/Mariette Le Roux
論文の共同執筆者で、ロシア・プーシチノ(Pushchino)にある土壌科学物理化学生物学問題研究所(Institute of Physicochemical and Biological Problems in Soil Science)に所属するスタス・マリャービン(Stas Malavin)氏はAFPに対し、今回の研究結果は、多細胞生物が長い休眠に耐える仕組みについての興味深い問いを投げかけるものだと説明。「多細胞生物が数万年にわたるクリプトビオシス(無代謝状態)に耐えられるということを示す、現時点で最大の証拠だ」と述べた。
ある種のイカは、細胞核の外でメッセンジャーRNAを編集する能力をもつことがわかった。RNA編集はDNA編集よりも簡便で安全性が高いとされることから、この発見はヒトの疾患の遺伝子治療を進展させるきっかけになるかもしれない。
NATURE
2020.04.30 THU 19:00
TEXT BY ERIC NIILER
TRANSLATION BY TOMOYUKI MATOBA/GALILEO
イカのRNA編集はとてつもない規模で実施されており、60,000個以上の脳細胞が再コーディングのプロセスを担う。ヒトではたった数百にすぎない。PHOTOGRAPH BY ROGER HANLON/THE MARINE BIOLOGICAL LABORATORY