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Love the square

1ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/17(金) 20:04:37 HOST:EM117-55-68-37.emobile.ad.jp


どうも、ねここです。
一度連載の更新をおやすみさせていただいたのですが、みなさんの小説を見ているうちにもう一度書きたくなってしまって立ててしまいました。
都合により更新ペースも遅いし、あと頭の都合のほうで文章力がなさすぎてカッスカスなのですが読んでいただけるとうれしいです!
アドバイスなども受けつけているのですがガラスのハートの持ち主なのでキツく言い放たないでやってください←
コメントなど大歓迎です!

そして少しお話の説明を。

Love the squareは四角の愛って意味です(多分)。
中盤あたりで三角関係ならぬ四角関係な状況になるのでその題名を。
そして幼馴染三人組が出てきます。
相手のことを本気に思って、怒って泣いて笑い合って、とても大切な日々。
友情を壊したくないという思いもあるが、それ以上の関係になりたいと強く思う気持ち。
自分のほうがあの子を幸せにできる――そんな思いを隅に、それでも大切な人には幸せになってほしいという願い。
愛して愛され、恋の迷路で迷子になっているような気分。
それをねここなりに一生懸命描いてみました。

誤字脱字があったり文章的におかしいところもあったり、乏しい頭脳で必死にしぼり出した文章ですが、楽しんで読んでいただけるとうれしいです!


それでは、幼馴染やクラスメイト、先輩のほのぼのとした日々をどうぞお楽しみください。

2ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/17(金) 20:06:36 HOST:EM117-55-68-37.emobile.ad.jp


「にゃあ」


 晴れの日も、雨の日も風の日も。
 人通りの少ない路地裏に捨てられた猫に毎日ミルクをあげていて、雨の日には傘をさしてあげているところ。
 俺はそんな彼女の優しさに惚れてしまったのかもしれない。

     ×

 1年A組、成績は極々普通の天才でも言うほど馬鹿でもない平凡な高校生――つまり俺。
 クラスでは特に目立つほうでもなく盛り上げるのが得意ってわけでもなくて、教室の隅で親友とふざけ合ってるそこらへんによくいる男子だ。
 そんな極普通の平凡男子な俺に、好きな人ができた。

 いわゆる一目惚れってヤツで、俺は高校生になってやっと恋というものがどんな気持ちになるのかを知ったのだ。
 それにしても初恋が一目惚れした女の子で名前さえ知らないってかなり厄介だぜ。
 でも好きになっちまったものは好きなんだし、しょうがない。
 あの、透きとおった瞳と彼女の優しさに、俺は惚れたんだ。


 クラスも学年も、ましてやこの学校の生徒なのかもわからない。
 思いきって話しかけようと思っても言い訳をすれば初恋だからそんなに思いきれない。
 勇気がないヘタレな草食系男子って立場をなかなか抜け出せない幼稚な俺のままなんだ。


「恋って辛いなあ〜」
「は、お前やっと初恋きたのかよ」
「なんだよやっとって……」


 教室の窓ではあとため息をつくと、隣にいた親友の翔(しょう)が驚いたように言った。
 俺はそんな驚くほど初恋がまだなことがヤバイのかと思い、少し動揺してしまう。


「いやぁ、だってお前全然好きな人つくんねえからてっきり俺のこと好きなのかと……」
「んなわけねぇだろ!」


 俺が翔を好きとかそんな馬鹿なことあるわけないだろ。
 こんな感じでまたいつものようにふざけ合っていると、クラス1可愛いと言われている女子の未月(みつき)さんがやってきた。


「なになに〜、健人(けんと)くん好きな人できたの?」


 髪が肩くらいまでの長さで、ふわっとふくらむボブが男子に人気らしい。
 けど、俺はやっぱあの人みたいなさらさらロングのストレートヘアのが好きだな。


「コイツやっと初恋きたんだぜー」
「ちょ、余計なこと言うなよ!」


 翔が彼女がいるくせに未月さんと仲良くなろうとしはじめる。
 まあ、うちのクラス(ていうかこの学年)では可愛い女子と話せる男子=あこがれ的な存在だからな。
 でも正直俺は女子と話すのがあまり得意ではないし、ここは翔に任せよう。


「へえ〜! ねっ、健人くんの好きな人ってだあれ?」
「や、そ、それは……」


 翔に任せようと思った直後に話を振られてしまった。
 まず好きな人の名前とか知らないし、どうしよう。


「ねえ〜、このクラスの人?」
「違うよ」
「えー、じゃあだれぇ?」
「多分、みんな知らない人だと思う」


     ‐

3ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/17(金) 20:07:09 HOST:EM117-55-68-37.emobile.ad.jp

 苦笑して誤魔化す俺って一体。
 俺があたふたと返事を返すのに必死でいると、未月さんの友人と思われる女子軍たちがどんどん集まってきた。


「えー、ショック〜」
「健人くんかっこいいなって思ってたのに、好きな人いたんだあ」
「でもまだ付き合ってはないわけじゃん?」
「だけど勝ち目なくない?」


 やばい、ちょっといろいろ無理。
 女性恐怖症的なのではないけれど、本当に大勢でわいわいとか女子に話しかけられるのが苦手なんだ。
 翔に助けを求めようと目線を向けるが、翔はふてくされたようにつーんとしてしまっている。


「お、おい翔っ」
「だって女の子たちみーんな健人狙いじゃん」
「はあっ?!」


 ボソボソと話すが、女子たちは気にせず入ってきた。


「あっ、あたし健人くんのこと健人って呼んでいい?」
「ずる! じゃああたしは愛情込めて健って呼びたいな」
「みんなの健人くんなんだから独り占めしないでよ!」
「でもこんなイケメン面食い女子様が放っておけるわけないじゃない!」


 女子たちが揉め事っぽいのを始めてしまった。
 逃げたいけど囲まれてるから逃げれないし。
 俺が困っていると、そこに幼馴染の奈々(なな)があらわれた。


「ちょっと! 健人のこと困らせないでよねー」
「なによアンタ」


 奈々は誇らしげな表情をして腰に手をあてて言う。


「あたしは健人の幼馴染の奈々です! 仮にもこのクラスなんだけどさ」


 なんだか楽しそうな奈々の言葉に思わず微笑んでしまったが、隣にいる翔が更にふてくされて「俺も幼馴染なんだけどなあ……」と哀れにつぶやいている。
 俺に好きな人ができたというひょんなことから面倒臭い事態になりそうだけど、なんだかんだ言って楽しい高校生活になりそうでよかった。
 ――あの、透きとおった瞳をもう一度みたいと思いながら、俺はまた奈々と女子の会話に微笑みかけてしまうのであった。

      ‐

4梨々衣:2012/08/17(金) 20:44:34 HOST:p5038-ipad02gifu.gifu.ocn.ne.jp
こんにちわ(´・ω・`)
すごく面白いです!
ちょいちょい見ますね!
頑張って書いてください!

5ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/17(金) 20:56:26 HOST:EM117-55-68-37.emobile.ad.jp

>梨々衣さん

はじめましてー!
連載モノ載せるの久しぶりなのでそう言っていただけてうれしいです∩ω∩
頑張ります!

6ピーチ:2012/08/17(金) 23:28:30 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

おわっ!新小説!

健人君って女性恐怖症か…そりゃ逃げ出したくもなるわなw←他人事w

……もしかして、らぶれたーの方はもう更新しないとか?それはないよね?

7竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/08/18(土) 00:14:53 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
初めてコメントさせていただきます、竜野翔太です。
ねここさんは恋愛系の小説を書いていらっしゃるので、少しでも参考にしたいです!


健人くんが……主人公ですよね? いやぁ、意外とモテるんですね。影が薄いってだけで。
翔みたいな幼馴染っていますよねー。僕の場合幼馴染は小学校の時に転校しましt(( 女子ですけど。

僕も健人と同じくロングの方が好きです!
ロング+二ーハイはもう最強の組み合わせだと思いまs((
僕の好きなタイプは置いといてですね。
にしても幼馴染の女子がいるっていいなあ。先程も言いましたとおり、いたけど今はいないんで……、健人くんが羨ましいですw


あと、アドバイスになりますが、キャラの容姿は少し書いていた方がいいかと思われます。
読んでいると、未月さんには容姿の説明が入っていたのですが、健人、翔、奈々の三人にはなかったので、キャラの形が掴めないかな、と。
僕もたまに忘れる事はありますけどね。男性キャラは特に。女性キャラを考える方が楽しi((

これといった注意事項もないし、すらすらと読めました。
続きも期待しています^^

8ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 18:54:10 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp

>ピーチ

コメントありがとう!
もしかしたらLoveletterは今のところどうなるかわからない;;
健人は個人的にねここの理想です←

>竜野さん

小説掲示板ではよく見かけていましたが実際お話するのは初めてのような気がして緊張してます←
恋愛を書いてるというより恋愛しか書けないんでs((

ねここ幼馴染一人もいないんですよw
だから男女の幼馴染とかにすっごいあこがれます…!
ロングヘアの女の子見ると「女の子らしいなー」とか思っちゃいます←

アドバイスありがとうございます!
メインである幼馴染の容姿を小説中に自然な成り行きでいれたかったのですが、結局いれぬまま投稿してしまいました(´・ω・`)
できるだけ早めに小説内で出したいと思います;
女の子の容姿とかは案外思いつきやすいんですけど、健人や翔あたりはちょっと迷いました(笑)

最近文章書くのがとても苦手になってきたのでそういっていただけて嬉しいです。
期待にこたえられるようにがんばります!

9ピーチ:2012/08/18(土) 19:02:43 HOST:nptka303.pcsitebrowser.ne.jp
ねここ>>

え…どうなるか分かんないかぁ…

あたしとしては続けて欲しいな←わがまま

10ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 19:17:15 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp

>ピーチ

連載モノ完結させられないなんて本当ねここも驚いてるんだけどさ←
いやいやわがままじゃないよ!
完結させるのが当たり前だもんね…(´・ω・`)
とりあえずがんばってるんだけど、こっちの更新優先になりそう;

11ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 19:17:32 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


「ねえ奈々ちゃーん」
「ん? 何よ」


 放課後になると、二年生や三年生の先輩方(主に女子)が毎年恒例であるそうなかっこいい男子探しをし始めた。
 各クラスの教室前に、女の先輩が集まっている。
 そんなこんなで騒めく教室内と廊下だが、すぐ近くの奈々の席からきこえてくる言葉に自然と耳が傾いていた。


「あのさ、健人くんのメアド知らない?」
「知ってるけど?」
「教えて〜っ」
「何でよ……」


 面倒臭そうにしっしっ、と女子を追っ払う奈々。
 なんだか申し訳なくなってしまう。


「だって自分できくの恥ずかしいんだもんっ」
「はあ? メアド交換したいなら恥ずかしいとかそういう気持ち捨てて直接きけばいいじゃん!」


 ああ、ダメだ。
 奈々と女子って合わないんだなと思いながら苦笑して、俺は奈々たちの近くにいった。


「あの、メアド交換しよっか?」
「えっ、いいのっ?!」


 舞い上がる女子。ミディアムの髪の毛がふわりと揺れるたび、甘い香りがただよってきたような気がする。
 奈々は生まれつき茶色い肩くらいまでの髪をくしゃくしゃしながら「まったく健人はー」と呆れるような目でみてきたけど、そこには触れないでおく。
 俺は携帯をポケットから出してその女子とメアドを交換した。


「えっと、名前……」
「あ、優乃(ゆの)です!」
「ごめん、ちゃんと覚えてなくて」
「ううん、メアド交換できただけでうれしい!」


 俺の前ではしゃぐ優乃は、なんだか他の子とは違うような気がした。
 まあ俺の直感なんてあてにならないんだけどさ。

 そんな会話をしていると、それをみていたのか未月さんが携帯を片手に傍に寄ってきた。


「健人くん、あの……あたしとも、お願いしていい?」
「ん、いいよ。未月さん、でいいんだよね?」
「未月さんじゃなくて花(はな)でいいよ」
「じゃあ、花」


 未月さん――改め花が微笑むのにつられて、俺も思わず微笑んでしまった。
 そしてどうやら女子軍は花についてくるらしい。
 他の女子たちもわいわいとさっきのように集まりだす。


「健人くんあたしとも!」
「健人ぉ! あたしもー」
「あっ、ずるい抜かしたー!」
「そっちこそ!」
「わたしのが先だった!」
「いやあたしのほうが先だって!」
「ねえ優乃ちゃんか花ちゃん健人くんのメアド教えてー」
「奈々ちゃん教えてよー」
「うわ、自分だけ先にメアド手に入れようとかずるいよ!」
「早いもの勝ちですー」
「うっせえわボケ! あたしが健人のメアドをお前らに教えるはずないだろ!」


 俺の目の前にはいつのまにか列ができていて、なんだかもう引き返せなくなったような気持ちだ。
 奈々も怒っているし、なんかもう本当にすみませんでした!



 とにかく、一日で俺の携帯には女子のメアドがたくさん詰まったものになった。
 女の人のメアドなんて母さんと妹と奈々のしか知らなかったのに……
 そしてそのあときっと俺のせいだろうけど翔と同様にふてくされてしまった奈々さんをなだめるのに必死になった俺でした。


     ‐

12ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 19:21:24 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


 ――新着メール15件
 携帯に表示されるその文字に俺はため息をついた。

 あのあとやっとの思いで奈々をなだめ、翔を連れて三人で帰ったのだが……
 知らないうちに溜まるメールに正直圧倒されている。
 何も知らない母さんがキッチンで料理をしていてカレーの匂いが漂ったが、俺は食べる気も失せて自室へと向かった。
 なんだか家の中を歩くのでさえも嫌になってくる。


 女なんて母さんと妹と奈々みたいなのしか知らないから、どんな風に返信すればいいのかがよくわからない。
 嫌な思いをさせたらどうしようとか変な心配をしながら俺は顔と名前が一致しない女子に返信を送っていた。
 どんどんメールを返していくうちに、すぐまた次のメールがくる。
 どこまで返信したのかがわからなくなって、またさっき返信したばかりの人に返信してしまう。
 先にメールした人のメールがどんどん埋もれていく、魔の無限ループだ。

 俺はメールだけでどっと疲れが溜まって、自然と深い眠りに落ちていった。

     ×

 時刻は午後8時。
 ちょうど暗くなってくる時間帯だ。
 さっきまでは晴れていたはずなのに、今は雨が降っている。
 俺はふいに思い出した路地裏の猫のことが気になって、散歩に行くついでに様子をみてくることにした。


 実際外に出てみるとけっこう土砂降りだぞこれ。
 俺はなんとなく少し焦ってしまっていた。
 路地裏がみえてきて、思わず走るとそこには俺が一目惚れしたあの人の姿があってちょっと安心する。
 傘を持ってきていないのか、ぎゅっと猫を抱きしめているその姿でさえもドキンと胸が鳴った。
 雨に濡れないように、自分が傘のかわりになっているのだろうか。

 そんなとこを好きになったんだなあ、俺。

 心の中でポツリとつぶやいて、俺は覚悟を決めた。
 そっと、彼女に傘をさす。


「これ、どうぞ」
「……で、でもあなたが」


 鈴のような、綺麗な声。
 こんなに近くでみたのは初めてで、改めて惚れ直してしまったような気がする。


「俺、毎日ここに来て猫のお世話してあげてるところ――ずっと、みてました」


 なんて、変態っぽいけど。
 俺なりに精一杯、言葉で伝えてみた。


「優しい人だなって、ずっと話してみたいなって思ってたんです」


 「だから、今こうして会えてうれしいです」
 そう伝えてからぎこちなく微笑むと、彼女はふわりと笑顔をうかべた。
 俺の、大好きな彼女の笑顔。


「……傘、もう一つ持ってきてるんで。猫用に」
「えっ」
「俺もいっしょに、猫の面倒みれたらなって思うんですけど……ダメですかね?」


 羞恥に耐える俺って一体。
 とにかく、俺は思いのままに言葉を並べた。


「――毎日」


 彼女が、ちいさく口を開く。


「毎日8時くらいにここに来てるの」
「来て、いいんですか?」
「わたしは、君がいてくれたほうが楽しいから」


 やべえ、可愛い。
 俺はもう、本当にこの人のことが好きなんだと感じた。


「――名前」
「え?」
「なんていうんですか?」


 思いきってきいてみた。
 多分俺今すげえ顔真っ赤だ。


「わたしは莉乃(りの)」
「俺は健人です」
「よろしくね」
「よろしくお願いします!」


 これが、俺たちの出会いだった。


     ‐

13ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 19:23:13 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


 ――莉乃、さん。
 透きとおった茶色い瞳に、瞳と同色の背中まで伸びたストレートヘア。
 髪が揺れるたびふわっと香る甘い香りも、思わず頬を赤らめてしまうような可愛らしい笑顔も。
 彼女の優しさにも何もかもに惚れてしまった。

 俺は自宅に戻るなりものすごく叫びたいような気持ちになって、携帯をぎゅっと握りしめるのであった。

     ×

「おはよう健人」
「はよー健人っ!」


 すっかり機嫌の良くなった奈々と翔。
 俺はやれやれと呆れたフリをみせながらも、実は莉乃さんのことで頭がいっぱいになっていた。
 それを察したのであろう翔がニヤニヤしながら俺のことを肘でつついてくる。


「好きな人と何か進展あったのかよー」
「なっ、なんでわかるんだよ」
「いやあ? 幼馴染の様子くらいすぐわかるよ」


 なんか、そんな自信満々に言われるとむかつくな。


「ねえ……健人の好きな人ってだれ?」


 奈々が、表情を曇らせて言った。
 俺はその奈々の暗い表情に、何も言えなくなってしまう。


「健人の馬鹿! なんであたしにも教えてくんないのよ!」


 バシンとスクールバックで腕を叩かれた。
 そして泣きながら走り去ってしまう奈々の背中をじっとみつめることしか、俺にはできなかった。


「……奈々、どうしたんだろ」


 俺がポツリとつぶやくと、翔は呆れたようにため息をつきながら言った。


「お前本当モテるのに鈍感だよなあ」
「はあ? 何の話だよ」
「だから、奈々もきっとお前のことが――あ、おはよう未月さん」


 話の途中で、後ろから花がやってきたのを察した翔がコロッと女子専用王子様スマイル(命名翔)をうかべた。


「おはよう健人くん、翔くんも」
「はよ、花」
「え、ちょっと健人お前好きな人がいるという分際で未月さんのことを馴れ馴れしく花呼びしてんのか」
「いやお前彼女いるよな? なのになんださっきの笑顔」
「あれはビジネス用であって」
「なんだよそれ」


 花が苦笑するのがわかる。
 てか、花や女子に対してビジネス用スマイルとか失礼だろ。


「ていうか今日、奈々ちゃんいないの?」


 花が痛いところをついてきた。
 俺はハハ……と苦笑しながら言う。


「や、俺がなんかしちゃったみたいで」
「え〜、なになに?」
「好きな人誰ってきかれて、思わず黙り込んじゃったら先行っちゃってさ」


 考えれば考えるほどわからなくなる。


「俺、なんかしたかな」
「……もしかして健人くんって鈍感?」
「え? や、それはないと思うけど」
「え、でも鈍感じゃなかったら普通何で奈々ちゃんが行っちゃったかわかるよ」


 鈍感? この俺が?
 俺は少しポカンとした表情を浮かべてから、昔のことを思い出した。


 ケンカして、笑いあって――時には本気で心配しあった俺たち幼馴染の仲。
 「隠し事はなしだよ」って微笑む奈々の姿。
 俺はそのときそんな女子みたいなこと面倒臭いって思ったけど、奈々は本気だったんだ。
 奈々や翔も、いつも俺に本気でぶつかってきてくれて。
 俺だって、真剣に向き合ってぶつからなきゃいけないんじゃないのか。


「……ちょっと俺、先行ってるわ」
「おう! がんばれ健人!」
「がんばって、健人くん」


 翔と花に背中を押され、俺はほのぼのと学校へ登校する生徒が歩く道を駆け抜けた。

     ‐

14ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 19:30:43 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


「奈々っ」
「っ、来んなよ!」


 朝早く来たからかまだ人が少ない廊下。
 俺は早歩きで歩く奈々の背中をみつけて、走ってなんとか追いついた。
 ぐいっと腕を掴むと、乱暴に振り払われる。


「なあ奈々、きけよ」
「やだっ、言い訳とか本当いいから!」
「言い訳じゃなくて! 俺の好きな人の話!」


 奈々がピタリと固まった。
 そっと、俺のほうを振り向いた奈々の顔は涙であふれていて。
 俺はまだ誰もいないA組の教室に、奈々を連れて入った。


「俺さ、人通りの少ない路地裏に猫が捨てられてるの、ずっと気になってたんだよ」


 奈々は何も言わずに、俺の話をきく。


「で、毎日様子みてたらさ、女の人が猫にミルクをあげてるのみて、雨の日とかは傘もさしていってあげてて、その優しさに惚れたんだ」


 自分の好きな人の話を誰かにするのははじめてだったから、なんだか緊張した。
 それでも。
 本気でぶつかってきてくれる奈々に、俺も向き合いたいと思ったから。


「それで昨日初めて話したんだよ。そしたら更に好きになっちゃって」


 ハハッと照れを誤魔化すように笑う。
 すると奈々は一瞬寂しそうな顔をしたあと、俺に微笑んだ。


「話してくれてありがと。あたし、変なところで怒っちゃってごめんね」


 そう言って謝る奈々の笑顔が本当の笑顔じゃないことに。
 俺は、気づいてしまった。


「なあ奈々」
「な、なに……?」
「隠し事はなしって、奈々言ったよな」
「…………」


 黙り込む奈々。
 俺はそれをじっとみつめたまま数秒後、ふっと微笑んだ。


「話したくなきゃ、話さなくていいんだけどさ」
「え……」


 できるだけ奈々が安心するようにと、微笑みながら奈々の茶髪をポンポン撫でる。


「幼馴染ってのも大人になるにつれてなくなってく関係だからなー」


 きっと、もうじき。
 幼馴染という響きが、俺たちのなかから消えるんだろう。


「…………よ」
「え?」
「そんなこと言わないでよッ!」


 奈々の精一杯の力で突き飛ばされた。
 俺は不思議でいっぱいでぼーっとしたせいか軽くよろける。
 そういえば、中学の頃は奈々に力でかなわなくてよく暴力女とかって言い合ってたっけ。
 そんなほのぼのしたことを考えてみたが、奈々はどうやら怒っているようだ。


「あたしはっ……」
「ちょ、落ち着けよ奈々」


 奈々の肩を掴むと、奈々は振り払いこそしなかったが瞳に涙を溜めて言った。


「あたしは最初から健人のこと、幼馴染なんて思ってなかった!」


 俺は。
 一人で勝手に奈々のことを幼馴染だと思っていたわけか。


「そっか……ごめんな」


 変なこと言ってごめん。
 俺は奈々にそう謝って、思いのままにこの場を離れようとした。
 奈々に背中を向けた瞬間、ぐいっと腕を掴まれて動揺する。


「やっ、行かないで……!」


     ‐

15ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 19:32:10 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


「どうして……」
「あたし、健人が好き」


 普段はまるで妹や姉のような存在の奈々を、急に一人の女としてみるようになってしまった。
 でも突然好きって言われたらそりゃ女として意識しちまうだろうよ、年頃の男女の関係だしさ。


「俺も奈々のこと好きだっつの」
「へ……?」
「つか俺ら、幼馴染だったら世界一仲良いんじゃね? こんな年になるまで好き好き言い合ってさー」


 奈々の髪の毛を乱暴にくしゃくしゃ撫でる。
 あれ、いつもなら怒ってくるはずなのに、と不思議に思い顔をのぞくと、なんだか奈々が怒っているように思えた。


「あのー、奈々さーん?」


 奈々の顔の前で手をぶんぶんさせるが、反応なし。
 その後奈々の拳にどんどん力がこめられ、更に不思議に思っていると突然大きな声で怒鳴られた。


「健人の馬鹿あぁあぁああああっ!!!」
「ええっ? なんでだよ!」
「も〜っ、本当馬鹿! あたしはアンタのこと幼馴染って思ってないって言ったじゃなーい!!」
「や、え……よくわかんねえよ!」


 大声で言い合いしていると、突然奈々はちいさな声でもそもそと話し出した。
 なんだコイツ。
 今日調子悪いのかな。


「あたし……ね? あの、健人のこと、幼馴染以上の存在としてみてて、だから、その……健人はただの幼馴染ってしか思ってないんだなってイラッときて……つい」


 多分、さっきの幼馴染なんて思ってなかったっていうのの話だよな。
 俺は少し考えながらその話をきいていたけど、幼馴染以上の関係って一体何なんだろう。


「しかも健人が大人になるにつれて幼馴染じゃなくなるなんていうから、そしたらあたし健人からみて知り合い程度の人になっちゃうんじゃないかって思って」


 話しつづける奈々の話を一旦止めて、俺は直球にきいた。


「幼馴染以上ってさ」
「う、うん……?」
「どんな感情?」


 みるみるうちに顔が真っ赤になる奈々にまた不思議に感じてしまった。
 もじもじと奈々が説明してくれようとした瞬間――


「おっはー! ってあれ、お取り込み中だった系?」
「ちょっと翔くん馬鹿!」


 翔が元気よく教室に入ってきた。
 花が馬鹿翔を必死に止めてくれていたようだが、もう手遅れ。


「おい翔」
「ははははははいっ」
「お前、ちょっと来いよ」
「や、やだっつったら?」
「殺す、てか来ても殺すけどさ」


 教室を走る翔。
 なんだか付き合うのも面倒臭くなって花といっしょに苦笑を浮かべた。


「花、お疲れ」
「ううん、そんなことより健人くんと奈々ちゃんの大変さがわかったよ。翔くんって本当めんど……違う、大変だね」


 花がうっかり漏らした本音にぷっと笑う俺と奈々。


「あのさ、俺のこと健人くんじゃなくて好きに呼んでくれていいよ」
「あたしも奈々ちゃんとか呼ばなくていいよ。花は他の女子と違う気がするから!」


 花がパッと笑顔になって、俺たちのあだ名を考えはじめた。


「じゃあ健人くんは健人で奈々ちゃんはなっちゃんね」
「ん、なんかそのほうが落ち着く」
「なっちゃんとか呼ばれんの初めてだわー」


 花との仲も深められたし、奈々との問題も解決したっぽいし。
 よかった。


     ‐

16ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 19:46:06 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


「莉乃さん」
「健人くん、来てくれたんだ」


 時刻は8時を少し過ぎたくらいの涼しい時間帯。
 俺は、昨日莉乃さんと出会った路地裏へ来ていた。
 猫が気になったっていうのもあるけど、一番はやっぱり莉乃さんに会いたかったから。


「そりゃ、莉乃さんが俺が居てくれたほうが嬉しいっていってくれたから喜んで来ちゃいますよ」
「健人くん」
「なんですか?」


 莉乃さんは恥ずかしそうに頬を赤らめながら、俺をじっとみつめた。
 うわなんだこれ。
 身長差があるからか上目遣いになる莉乃さんがすごい可愛い。


「わたしのこと、莉乃って呼んでいいよ。あと、敬語なんかつかわないで」
「え、あ、はい。うん」


 莉乃さんにお願いされて断れるはずないのだが。
 さすがにタメ口は慣れなくて、ちょっとおかしな返事をしてしまった。


「莉乃さ……莉乃って高校生?」
「うん、高二だよ」
「あ、俺高一だからやっぱり後輩だったんだ」


 なんとなく、雰囲気からして今まで敬語をつかってきたけど馴れ馴れしくタメ口にしなくてよかった。


「莉乃先輩とか、呼ばなくていいの?」
「先輩――は、はずかしいから」


 えへっと恥ずかしそうに笑う莉乃。
 たしかに、男の立場からしても女子に先輩呼びされるのは恥ずかしいというか、新鮮な感じがする。


「じゃあ、莉乃で」
「うん、それがいいな」
「俺のことも健人でいいよ」
「なんか恥ずかしいもん」


 どうやら莉乃は恥ずかしがり屋のようだ。
 でも俺的にそんなところもツボでドストライクというか、とにかく好きだ。


「健人って呼ばなきゃキスしちゃうよ、とか」


 冗談ですけどねー、と敬語混じりに俺が言うと、莉乃は今まで以上にボッと顔を赤くさせた。
 無言で俺をみつめる莉乃。
 これは一体どういう意味だろう。


「健人って呼びたい気持ちもあるけど、健人って呼んだらキスしてもらえないんでしょ?」


 可愛い。
 俺は理性を保つためにわざと軽く笑いながら言った。


「じゃあ、健人って呼んでも呼ばなくてもキスする?」
「――いいよ」


 一体どういうことだろう本当にマジで。
 俺はどうすればいいんだ!
 とにかく、ここで莉乃に恥をかかすわけにはいかないし男の俺としてもケジメをつけるためにキスしたいとっても。
 ケジメってなんのケジメだよってことだけど。


「じゃ、じゃあ……目、つむってください」
「ん……」


 目を閉じる莉乃をみて「うわ、まつげ長いな、可愛いな」と思ってしまった俺。
 なんかもう、莉乃の全てが好きなんだと自分でも思う。

 そっと、莉乃に顔を近づけた。
 ほのかに桃色に染まる莉乃の頬と、柔らかそうな綺麗なピンク色の唇。
 近づけば近づくほど、ふわりと香る甘い香り。
 その香りはまるで俺を誘惑しているようで、俺はそっと莉乃の頬に手を添えた。

 ふにゅ。

 触れたのは一瞬だけだったものの、その感触は唇を離した今でも何度も思い返せるほどのもので。
 俺は自分でも顔が真っ赤になるのがわかって、そんな顔をみてほしくなくて不意打ちで莉乃を抱きしめた。


「け、健人くんっ?」
「俺今顔超赤いし熱いと思うから、みないで」


 最初は動揺していた莉乃だが、いずれ俺の背中にそっと腕を回してきた。
 暖かいけど、俺はこんな風に女の人を抱きしめるのが初めてだったから内心とてもドキドキしていた。

  
 この時間が一生つづけばいいのに。
 心の中でそう小さくつぶやいてから、俺はもう少し力を強くしてぎゅう、と莉乃を抱きしめた。


     ‐


 甘すぎて溶けそうだぜ。
 キスシーンの書き方が下手すぎるのでよくわからなかったと思いますが、それはもっとがんばります……
 改めて思ったけど年上女子年下男子の恋愛もいいかもね!

17ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 19:46:47 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


「ねえ健人くん」
「ん?」
「わたしたち、なんでキスしたんだろうね」
「ああ……」


 両思いはまだ遠いってわけなのだろうか。
 莉乃自体、ときめいてはくれたっぽいけれど好きという感情ではないらしい。
 まあ、俺は元々長期戦でいくつもりだったからいいんだけどさ。


「にゃあ」


 突然きこえた、可愛らしい猫の声。
 そういえば、と思って俺が振り向くと、莉乃は急にあわてながらミルクを取り出した。


「わ、わすれてたっ」
「莉乃ってなんだかんだいってドジだよな」
「もうっ、健人くんだってわすれてたじゃんっ」
「そりゃそうだけどさ」


 なんだか、今日でかなり莉乃に近づけたような気がする。
 メアドも勢いできけたら……と思ったが、今日の俺にはこれで精一杯のようだ。


「なあ莉乃ー」
「なあに?」
「明日もさ、ここ来るよな?」
「うん、来ない日はないよきっと」


 ふふっと笑う莉乃。
 俺はちょっと気になったことをきいてみた。


「莉乃ってさ、彼氏とかいるの?」
「いないよ、できたこともないし」
「え、でもモテるでしょ」
「告白されたことはある、けど……モテないよ」
「うそだ」


 莉乃が表情を曇らせて、ちいさな声で「他の人にモテてもうれしくないもん」とつぶやいたのがわかった。


「好きな人いるの?」
「うん……でも、その人はわたしのこと好きじゃなくて、可愛い彼女もいて」


 やっぱり俺の片思いか。
 覚悟してたけど、辛いなあ。


「健人くんは?」
「いるよ、好きな人」
「どんな人っ?」


 莉乃が興味を持ったのが、意外と食いついてきた。
 俺の目の前にいる人なんですけど、と思いながら莉乃のことをベタ褒めしてみる。


「優しくて、透きとおった目をしてて、近づくとふわっと甘い香りがしてモテモテで、でも好きな人がいる子」
「……なんか、すごい完璧な人だね」
「ああ、そうかもな」


 莉乃が自分のことを完璧だと褒め出したから面白くて、俺はプッと笑いながら頷いた。
 不思議そうに莉乃が首を傾げたが、知らないふりをする。


「……お互い恋が実るといいね」


 莉乃のつぶやきに、俺はそんなの無理だと思った。
 もし、俺の恋が実ってしまったら莉乃は俺のことを好きになってくれたのだろうけど、今思っている人との恋は実らなかったことになる。
 莉乃の恋が実ったとしたら、俺の恋は実らずに終わってしまうんだ。


「――ああ、そうだな」


 俺は少し間をあけてから、フッとちいさく笑って頷いた。


 恋が実りますように、か――そんなの無謀なお願いだな。
 莉乃には幸せになってほしい。
 けど俺は莉乃の好きなやつ以上に莉乃を幸せにできる自信がない。
 泣かせてしまうかもしれない。
 

 ――俺には、莉乃を幸せにしてやるなんて言える勇気がない。


     ‐

18ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 19:47:47 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


「じゃあ、明日も学校だしそろそろ行きますか」
「そうだね」
「明日もまた会おうな」
「うんっ」


 手を振りながら無邪気にこの場を去る莉乃。
 俺は莉乃がいなくなったあと、一人で猫に話しかけてみた。


「なあ猫、莉乃ってやっぱ、一途なんだろうな」
「にゃあ……」


 可愛らしい声で鳴く猫は。
 俺の言葉に頷いているみたいで。


「俺もそんな莉乃に一途に思われたかったよ」


 そう、ポツリとつぶやいて、俺も家に帰ることにした。


     ‐


「おはよー健人」
「はよ、今日翔は?」
「寝坊したから二時間目終わるころに行くって」
「翔、中学でもサボり魔と女子に人気な人として有名だったけど、きっと高校でも変わらないよな」
「いやあ、少なくとも女子からの人気は健人のほうが高いし、健人も中学で頭良いサボり魔として有名だったよ?」
「……気のせいだよ」


 朝からお騒がせなやつめ。
 俺は昨日何度も莉乃のキスしたことを思い浮かべていたので寝るに寝れなかったというのに、どうやら翔は俺と真逆で寝すぎているようだ。
 奈々に連絡がいっているということは、きっと一度起きてまた一眠りしようと考えたのだろう。

 俺は中学の黒歴史を思い出してフッとちいさく笑うと、何事もなかったかのように奈々に微笑んだ。


「ねえ」
「んー?」
「健人の好きな人の話、もっとききたいな」
「え」
「何よ、なんかヤバイことでもあんの?」
「や、まあ、はい」
「……健人の好きな人教えてくれたら、あたしの好きな人教えてあげるからさ」


 きゅっと制服の袖をつかんで上目遣いする奈々。
 思わず、莉乃の顔を思い出してしまった。


「……高校二年生で、莉乃っていう名前の子だよ」
「先輩なんだ」
「ああ。俺と莉乃はまだ付き合うような関係じゃないし、莉乃には好きな人もいるから片思いなんだけどさ」
「その莉乃って先輩、付き合ってないの?」
「付き合ってないらしいよ。好きな人に彼女がいるんだって」
「そっかあ、辛いね……」


 莉乃は、好きな人を一途に一途に思いつづけている。
 きっとその人じゃなきゃぜったい、ぜったいぜったいだめなのだろう。
 俺じゃだめで、その人にしか莉乃を幸せにできなくて――


「まさか健人、自分には莉乃先輩を幸せにできないとか思ってんじゃないでしょうね」
「な、なんで知ってっ」
「そんなこと思ってたら恋は進まないよ〜!」
「や、でもさ……本当付き合ってないけど昨日流れでキスしちゃったんだよね」
「はあっ?!」


 大声を出す奈々の口を塞いだ。


「ちょっとお前、静かにしろよ……」
「ご、ごめんなさい……」


 奈々の顔が赤いような気がした。
 具合悪いのかな。


「奈々、顔赤いけど平気? 熱あるとかじゃないよな」
「ん……平気平気」
「そっか」


 ひらひらと手を振りながら大丈夫だよーと言う奈々にちょっと安心した。
 朝から恋バナをしているといつのまにか学校についていて、俺は今日も憂鬱な学校生活を送ることにした。


     ‐

19ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 19:57:40 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


 ▼ ちょっと息抜き


 自分専用っていうか、昔小説掲示板にいた人たちを招いてるレンタル掲示板のほうで元々途中まで書いてたので一気に投稿しちゃいました。
 頭は追いついていますでしょうか大丈夫でしょうか!!!←

 健人くんのモテモテっぷりは見てて楽しいです。
 書いてるのねここなんですけど、書いてても楽しいです。
 主人公を困らせるのが大好きなので、どうやって困らせようかいっつも考えてますw
 基本健人視点なので健人の容姿が出てくることがなくちらっとここで紹介しちゃいますが黒髪です!真面目!←

 翔はいじられキャラで定着しようと思ってます。
 あと、裏設定で中学時代は健人よりモテモテだったけど高校では健人に立場をとられたみたいな。
 急に周りから女の子が消えたから戸惑ってる時期です←
 やるときはやる子にしようと思いたい……
 ちなみに茶髪に染めてます、ちゃらいです!

 奈々は素朴な可愛さを目指していたんですけど、女子と絡むとただの野蛮な子にしかならなくて困ります←
 でも健人といるときは女の子らしい一面を見せたり、照れたり恥ずかしがったりします。
 健人を鈍感だと思ってますが奈々も奈々ですっごく鈍感ですw
 翔のことは下僕だと思ってます←
 茶髪で肩くらいまでの髪だけど、翔と違って茶髪は染めてません。地毛です←
 中学時代は女番長として有名でしたw

 莉乃は一人だけ年上設定。
 今までになかった年下男子×年上女子を書いてみたかったんです!
 莉乃ちゃんはちょっと変わった子で、キス=恋人同士でするものって感覚ではないんです。
 健人のことが好きなのかどうかは作者であるねここでもわからない不思議な子w
 そして甘え上手で恥ずかしがり屋で照れ屋なつまりねここのドストライクな子です!!←
 一途で友達思いな優しい子だけど、悪戯好きで無邪気な面も持ち合わせるかわいい子!


 上記がメインの四人たち。
 莉乃だけいろいろと仲間はずれですが、ねここはみんなに精一杯愛情を注いでいますみんな大好き!
 そして幼馴染組にアドバイスをする優しい女の子が脇役ですが一名。


 一人だけ苗字も出てますが未月花ちゃんです。
 花は元々悪役で健人を狙う役だったんですが、女子様みんな健人狙ってるんだし、鈍感な三人にはアドバイサーが必要だろうということで仲間役に。
 花はクラス1可愛い女子という設定ですが、学年1でもいいんじゃないでしょうか。
 ただ範囲が学校まで広がると、一位にはなれないかも。
 奈々のミディアムや莉乃のロングに対抗してボブ!
 ちなみに花は彼氏がいますw


 いろいろ長々と書きましたが、今後ともLove the squareをよろしくお願いします!
 そしてさっそくコメントをくれた梨々衣さん、ピーチ、竜野さん、そしてちらりとでものぞいてくれたみなさん。
 ありがとうございます!
 ……ってこれ一番上に書くべきだったか←

 とにかく、つづきスタートです!

20ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 20:45:55 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


「おはよう健人くんっ」
「今日もかっこいいねえ」
「あ、また先輩が健人くんのこと見にきてるよ」
「あの先輩超キレイだよね!」
「でもあの先輩男好きで有名なんだってー」
「健人くん、やっぱモテるねえ……」
「あー、健人くんがアタシの彼氏になったらな」
「健人くんが彼氏だったらもうそれ以外になにもいらないでしょ」
「あたし健人くん彼氏だったら全力で尽くすわー」
「付き合ってー!」
「かっこよすぎる〜」


 奈々がうげえっと呻きながらその女子たちをみつめた。
 とにかく、奈々は眼中に入ってないであろう女子軍を無視するのはよくないだろうと思い苦笑してみる。


「おはよ」


 奈々にじろっと睨まれた。


「お前そんなモテたいか」
「え、今のモテるような仕草でもなくない? つか俺モテたくないし!!」
「……ごめんね、健人無自覚だったんだね」
「何がだよ?!」


 俺たちがコソコソと会話するが、そのあいだに沸き上がる女子たちの歓声。
 何でだろうと俺があわてて奈々をみつめると、奈々はつーんとした態度で顔をそらしてきた。
 さっきの言葉の意味ってこういうことか?


「ヤバイマジヤバイ!」
「今の挨拶ぜったいアタシに言ってたよー!」
「いや、でもあたし健人くんと目合ったよ?!」
「気のせいじゃない?!」
「着メロにしたいいぃ!」
「ゆるふわなとこがまたいい!」
「つか奈々ちゃんなんでそんな健人とベッタリしてるの?」
「幼馴染なんだってさ」
「でも幼馴染って響きだけしか良いところないよね」
「多分奈々ちゃんも健人のこと好きでしょ」


 奈々は普通に俺のこと好きなんじゃないのか。
 前も好きって言われたし……

 とにかく、荷物を置くために席に着くと近くで男子が話している内容が耳に入った。


「なんかさあ、二年に超可愛い先輩が転校してきたって」
「マジ?! あ、でも部活の先輩が言ってたなー」
「超可愛いってみんな騒いでるぜ!」
「茶色い髪の毛のロングヘアで、透きとおった目してるって噂だぜ」


 茶色い髪の毛のロングヘア……?
 それに透きとおった目って。
 俺は勢いで席を立ち、その男子たちに声をかけた。


「なあっ、その先輩の名前知ってる?!」
「ああ……たしか莉乃って名前だったような」


 やっぱり。
 莉乃がこの学校に転校してきたなら、学校でも話せるかもしれない。
 俺はそのままの勢いで教室を飛び出して、ちょっと行くには勇気が必要な二年校舎へと向かった。


     ‐

21ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 20:46:39 HOST:EM117-55-68-147.emobile.ad.jp


 騒めく廊下の中、特に人集りができている教室。
 俺はそこを目指して歩いていたのだが、周りの先輩たちの悲鳴――いや、歓声か?


「健人くん?!」
「何でここにいるの〜っ?」
「超かっこいい!」
「初めて実物目の前でみたあぁっ」
「ヤバイ、もう死んでもいいかも」
「てか誰か探してない?」
「もしかして転校生?」
「あの子超可愛いから健人くんもそれきいて来たんじゃね?」
「え〜っ、まさかの女好き?」
「いや、ないでしょ」


 なんだろう、どうすればいいんだろう。
 とりあえず先輩だし、礼儀は必要なのだろうか。
 俺は苦笑に近い笑顔を浮かべて早歩きながらに言った。


「おはようございます、先輩」


 あれ、今回も失敗だろうか。
 沸き上がる歓声に俺は更に早歩きになる。
 一番奥の教室にできている人集りに、俺はみつけた、と思った。
 人集りからチラチラとみえる先輩の姿――


 あれはやっぱり莉乃だ。

 俺は嬉しくなって、つい大きな声で名前を呼んでしまった。


「莉乃っ!」


 先輩たちの目が一気にこっちに集まる。
 けれど莉乃はその人集りを寄けながら、俺の傍まで来てくれた。


「健人くん! この学校だったんだ」
「莉乃がこっち来るなんて知らなかったから、噂きいて走ってきちゃった」
「わたしもね、健人くんの噂はきいてたんだけどまさかあの健人くんじゃないだろうなって思って」
「俺そんな噂流れてるっけ?」
「うん、かなりモテモテ」
「それなら莉乃もかなりモテてるけど」


 俺たちはしばらく黙り込んだあと、声をそろえて言った。


「なんか複雑だな……」「なんか複雑だよね……」


 俺的に、莉乃がモテるのが気に食わないっつうか。


「……なんか、莉乃がモテてやだ」
「な、何で? わたしモテてないし」
「独占したいんだよ! ……まあ、付き合ってはないんだけどな」
「わたしも健人くんのこと独占したいよ」


 二人で会話しているうちに、なんだか付き合ってるっぽく思えてきた。
 さすがにここでキスはまずいけど、したくなってくるし。
 突然莉乃が微笑みながら言った。


「なんかわたしたち、お互いのことが好きみたいなこと言うよね」


 好きみたいじゃなくて好きなんだけどな、と心でつぶやくが、莉乃はそんなこと思ってないみたいだ。
 ふふっとおかしそうに笑いながら、周りの男子たちの頬を赤らめさせた莉乃。
 俺はそんな莉乃をもっと独り占めしたくなって、少し強引ではあったが腕をぐいっと引っ張った。


「学校案内するよ」
「え? でもそろそろ一時間目始まっちゃう」
「具合悪くて保健室行ったってことにしとけば大丈夫でしょ」
「でもわたし、そんな華奢じゃないから無理があるような」


 実は俺も数回しか行ったことのない屋上に向かおうとしていたのだが、莉乃は自分が華奢じゃないと思っているらしい。
 手首だって、俺の手で思いっきり握れるほど細いし触れたら壊れそうなほど華奢なイメージなのに。
 周りで騒ぐ先輩たちに、俺は何だかみせつけたくなってふわりと莉乃を抱き上げた。


「わ、ちょっ! 健人くん重いよっ!」
「これで重いとか華奢じゃないとか、莉乃って無自覚だよな」
「……そんな恥ずかしいこと自覚するはずないじゃん!」


 最初は足をバタつかせていたものの、段々と落ち着いてきた莉乃に俺は笑みを浮かべてみた。
 相変わらず恥ずかしがり屋だよな、とつぶやくと、屋上へつづくドアをあける。
 朝から輝く太陽が眩しくて日向が暑かったから、俺は校舎の陰に莉乃をおろした。


「屋上……人少ないんだね」
「てか、基本的に利用禁止だし」
「じゃあ何で開いてるの?」
「わからないけど、授業時間になったら鍵閉まるよ」
「え!」
「……だからさ」


 俺は一単語分空けてから、莉乃の肩に手を置いた


「もう一回、キスしちゃだめ?」


     ‐

22ピーチ:2012/08/18(土) 21:25:46 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

うわぁやべぇ、一気に更新されてて一気読みしてたw

え…結局あの二人って両思いなんじゃない?

しかも二人とも全くの無自覚とキタw

23竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/08/18(土) 22:35:47 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

コメント失礼致します。

かなり更新されていたので、一気に読ませてもらいました。
僕も莉乃さんみたいな人がいれば一目惚れしたと思います。可愛いし、可愛いし、可愛いs(( 不思議ちゃんっていいですよねw
しかし会って間もない人とキスとは……健人くんも勇気出しましたなw 男しいぜw
普通好きでもない人とキスしないと思うので、健人くんも脈アリかもしれませんねw
にしても、翔と未月さんって両方恋人いるんだ。
いつか両方の恋人が出る事を祈っています^^

この作品は四角関係がテーマらしいので、その四人が誰になるのか気になります!
健人と奈々と莉乃、かな? あと一人は未月さんだと思ってたけど、彼氏いるらしいので、違うと思わr((
どうなるのか楽しみです!

ねここさんの恋愛描写はとても素敵なので、僕も見習わせてもらおうと思います!
バトルは考えるの得意ですけど、恋愛に至っては全然ダメダメなのでw
続きも頑張ってください!

24ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/18(土) 23:52:59 HOST:EM117-55-68-154.emobile.ad.jp

>ピーチ

思わず一気にw
でもここからのろのろ更新になるかもー
ねここの中でキス=恋人同士っていう感覚が当たり前じゃないってことを伝えたかった←
結局両想いじゃねっていう疑問が生まれますが莉乃はちゃんと好きな人のことが大好きだよ!w

>竜野さん

うわわ莉乃ちゃん可愛がってもらってうれしいですw
健人は勢いでけっこういっちゃう子なのでこれからもガツガツ行くかm((
未月はあんまり出てこないので、番外編とかで活躍させてあげたいです。

健人と奈々と莉乃は正解です・ω・´
あと一人楽しみにしてくれるとうれしいですw

頭の中がロマンチックすぎて妄想しすぎてあれなんです←
ねここは逆にバトル系まったくもってかけないので、竜野さんの小説見て勉強したいとおもいます!
ありがとうございます、頑張ります!

こちらのほうが落ち着いてきたら竜野さんの小説のほうにもお邪魔させていただきますね!

25ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 09:14:27 HOST:EM117-55-68-62.emobile.ad.jp


「……ダメっていうか、付き合ってもないのに」
「だって前、付き合ってないけどしたじゃん」
「そうだけどっ」
「……ダメ?」


 あのときのキスは、ただの気まぐれだったのだろうか。
 俺は苦笑しながら莉乃に謝った。


「ごめんな、変なこときいて」


 またあの感覚を味わいたかった。
 俺は小さく肩を落としながら、屋上のフェンスに近づいて外を眺めた。

 下をみると、おそらくサボりであろう二年の先輩が水鉄砲で水をかけあって遊んでいる。
 そして路上駐車している車に石を投げている姿が目に入り、さすがにヤバいんじゃないかと少し焦ってしまった。
 勢いのまま振り向くと、突然唇が柔らかいふにゃっとした感覚におそわれた。


「…………莉乃?」
「キス、したくないって言ったら嘘になるし、あのときのキスで終わりにしたくなくて、その」


 莉乃は、俺を期待させる行動ばっかりする。
 俺がどんなに浮かれてるのかもしらないで、莉乃は好きなやつを裏切ってまで俺に尽くしてくれる。


「俺、調子乗っちゃうよ?」
「いいよ、わたしが全部受け止めてあげる」


 それは――
 ちょっと大人な行動までも受け止めてくれるのかな、と考えてしまった俺。
 キモい、超キモい。


「じゃあ、激しいキスで。なんてな」


 莉乃をからかってみたくてそんなことを言ってみたのだが、莉乃は無言で目を閉じ、見上げるような様子で俺に顔を向けた。
 まるで、どうぞって言ってるみたいな。
 なにこれディープなキスをしていいということなのかなどうしよう。
 俺は散々悩んだあと、そっと顔を近づけた。

 そしてもう少しで唇が重なりそうになり、莉乃の頬に手を添えた瞬間――


「っ」


 ビクン、と。
 飛び跳ねる莉乃の肩。

 莉乃は無理して付き合ってくれてたのだろうか。
 俺は自分で自分がむなしくなって、莉乃の顔から離れた。
 くしゃくしゃ、と乱暴に莉乃の頭をなでると、莉乃は「わわ」とちょっと驚いたような声を出した。


「まさか、莉乃にそんなことするわけないじゃん」
「……ですよね、そうですよね……」
「期待してたの?」
「してないって言ったら嘘になる……」


 落ち込む莉乃。
 まさか、あのまましてもよかったのか?
 俺は少し疑問に思って、莉乃の頬にそっとキスしてみた。


「えっ」
「口はまた今度」
「……うん、楽しみにしてるね」
「ん」


 俺たちはキスの約束をしたあと、二人で雑談してチャイムが鳴るのを待つのであった。


     −

26ピーチ:2012/08/19(日) 09:33:45 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

うわあどーゆーことだー!?

好きな人居んのに健人君にいっちゃってるかw

27ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 09:38:41 HOST:EM117-55-68-62.emobile.ad.jp

>ピーチ

莉乃を落とすのは難しいぜよ←
キスはスキンシップなんだよ★((

28ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 09:38:55 HOST:EM117-55-68-62.emobile.ad.jp


 学校中に授業の終わりを告げるチャイムが響き渡った。
 莉乃との時間も終わりかと思い少し残念そうな笑みを浮かべながら莉乃の髪の毛をくしゃっと撫でる。


「今日の夜、路地裏でな」
「うん、またね」


 チャイムが鳴り終わると同時に屋上の鍵が開き、莉乃はドアノブに手をかけて手を振った。
 去り際にみせた莉乃の笑顔を独り占めしてしまいたいと思った俺は気を紛らわすためにふうとため息を吐いたが、莉乃のことが好きという気持ちは中々消えない。
 恋愛って難しいな、と小さくつぶやいて、俺は教室に戻った。


     ×


「サボり捕獲」


 教室に入って席についた瞬間、突然後ろから見知らなぬ女の人が肩をつかんできた。
 制服じゃないことから、おそらく教師だと思われる、が……それにしても金髪って、生徒が真似したらどうするんだよ。


「お、サボり魔のくせにイケメンじゃない」
「まだ一回しかサボってないっす」
「サボったことは認めたな?」


 別に元々嘘吐こうとは思ってないけど、俺がこのまま本当のこと言ったら莉乃にまで迷惑かかるよな。


「それにしてもアタシの授業サボるなんて、度胸あるなあ〜」
「てか胸押しつけんのやめてください」
「……つまらない男、デリカシーないなあ」
「生徒にセクハラするほうがどうかと思うんですけど。さりげなく抱きしめないでください」


 コイツ本当に教師か?という疑問を抱きながらも抱きしめてくることを拒否した。
 ていうかデリカシーってなんだよ、胸押しつけてくるやつにデリカシーなんて必要ないだろと脳内でツッコミをいれる。


「そんなサボり魔健人くんにはアタシが個人授業してあげる――高校生男子には刺激が強すぎるかもしれないけど、大丈夫。すぐに慣れるわ」


 一度指摘したというのに胸を俺の背中に押しつけて抱きしめながら耳元で囁く先生。


「俺そういう趣味ないんで、すみません」


 少し乱暴ではあったが先生の手を振りほどきニヤニヤしながら俺をみつめる奈々の元へ向かった。


「先生と個人授業しないの?」
「奈々はいいの? 俺が個人授業受けても」


 にこりと笑顔で聞いてみると、奈々はみるみる表情を曇らせていった。


「や、やだ……」
「うん、俺もやだ」


 俺たちが話しているところに先生が無理矢理入ってくる。
 内心うざいと思いながらも、奈々が拒否しないから俺はそのままその場にいた。


「そういう趣味とかじゃなくてっ!」
「強制っすか?」
「当たり前じゃない! 授業サボったんだもの!」
「あーはい、すみません。じゃあ後で生贄出すんで許してください」
「生贄?」
「モテモテのイケメンで、寝坊したからって二時間目終わったあとに行くっていうひどいヤツがいるんですよ」


 翔、ごめんな。
 俺は心の中でそっとつぶやいて笑顔を浮かべた。


「健人くん以上のイケメンじゃなければ返却だからね!」
「それに関しては余裕で大丈夫っすよ」


 楽しそうにスキップをしながら去っていく先生にはあとため息を吐いた。
 そして奈々が呆れたような目線で一言ポツリ。


「……あんた、絶対あの先生に襲われるよ」
「え、何で? 翔いるし」
「自分で気づいてないようだけど、翔より健人のが――」


 奈々の言葉をさえぎって、花がくすりと笑いながらやってきた。


「なっちゃん、そこはあえて黙っとこうよ」
「……そうだね!」


 花の言葉に奈々は少し考えこんだあと、笑顔で頷いた。


「気になるんだけど」


 俺がポツリというと、奈々はぷいっと顔をそらしてつぶやいた。


「一生悩んでハゲろこの野郎」
「俺ハゲるの?!」


 気になるけど、とにかく早く翔が来てくれることを祈る!

     ‐

29ピーチ:2012/08/19(日) 09:55:48 HOST:nptka203.pcsitebrowser.ne.jp
ねここ〉〉

うわあ健人君ちょー無自覚w

苦労しないように頑張れ!

30ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 10:10:21 HOST:EM117-55-68-62.emobile.ad.jp

>ピーチ

正直莉乃と健人が話してるところがすごい書きづらいw
そんなこんなで鈍感な健人くんですが翔を利用した気になってます←
鈍感っていろいろ苦労するよね・ω・`

31ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 13:23:21 HOST:EM117-55-68-29.emobile.ad.jp


「起立」


 学級委員の号令で俺の目が覚めた。
 どうやら席に着いてはいたもののぐっすり一時間眠っていたようで、寝ぼけながら立ったときに一瞬先生と目が合ったような気がする。


「礼、ちゃくせーき」


 なぜか学級委員がドヤ顔で言い放つと、みんなが着席すると同時に奈々が近づいてきた。
 机をバシンと叩かれる。


「ちょっと健人! なんでずっと寝てんのよ!」
「なんでもなにも、眠かったから」
「一時間目ぐっすり寝たんじゃないの?!」
「違えよ! 莉乃といたのに寝るわけないだ……あ、」


 勢いで思わず言ってしまった。
 奈々に嘘を吐いていたことがバレる。


「奈々ごめん、隠そうと思ってたわけじゃないんだけど莉乃に迷惑かかったら嫌だし……!」
「莉乃先輩って、この学校の人だったの?」


 奈々は怒るかと思っていたのだが、意外にも静かに俯きながら聞いてきた。


「あ、ああ。今日転校してきて……」
「……あたしにも教えられないほど、あたしって莉乃先輩って人にとって、健人にとって迷惑?」
「そんなわけっ……」


 奈々は泣いていた、ような気がする。
 なぜ泣いているのかはよくわからなかったけど、俺が泣かせてるのは事実だ。


「ごめんな、奈々」
「こうやって泣かれるのも、しつこく本当のこと聞くのも……やっぱり健人にとっては迷惑だよね」


 よくわかんねえよ。
 心の中でそうつぶやいてから、俺は奈々に向かって言った。


「俺は奈々が知りたいって言ったから莉乃のことも話したし、しつこく聞かれても奈々が知りたいなら俺は教えようと思うよ」
「え……」
「泣かれるのだって、俺馬鹿だから何で泣いてるのかわからないときもたくさんあるけど俺が原因なんだろ? 迷惑なんて思うはずないじゃん」


 奈々は涙が浮かんだ目元をゴシゴシと袖で擦り、真剣な目で俺をみつめてきた。


「健人が原因っていうか――」


 一単語分おいて、奈々がポツリと言った。


「莉乃先輩が原因かな」


     ‐

32ピーチ:2012/08/19(日) 13:31:15 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

え。あんなに上手いのに書きづらいの!?

…確かに、そんなこんなで鈍感だネ。主人公ー!?

33ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 13:47:05 HOST:EM117-55-68-29.emobile.ad.jp


「は? なんで莉乃が……」
「健人が鈍感すぎるのが原因っていうのもあるけど、一番は健人の目を奪っちゃう莉乃先輩が原因だっつてんの!」
「え……?」


 たしかに莉乃は俺の目を奪ってるけど。
 頭の上に疑問符をうかべていると、奈々がカアッと顔を赤くさせてつぶやいた。


「だからあたしは、あんたのこと、その……恋愛対象で、えと……」


 最初はハッキリ言っていたものの、しだいに小さくなる奈々の声。
 ついには俯いて黙り込んでしまう奈々やっぱり疑問符が浮かんでしまう。


「恋愛対象で、なに?」
「……こ、ここまで言ったのに気づかないの?」


 ポカンとする奈々に思わず俺もポカンとしてしまった。


「いや当たり前だろ」
「いや当たり前じゃないよ!」


 奈々につっこんだと思いきやつっこみ返されたところで教室のドアが勢いよく開いた。
 そしてそこには息切れした翔の姿。


「あ゛ぁ……」
「お前声かすれすぎ」


 翔に近づくと、翔は肩を落とし膝に手をつきながら言った。


「寝起きだからな」
「……もうチャイム鳴るぞ?」
「あ、やべ。座んなきゃ」


 席につくと言っても翔は俺の前の席だから距離はあまり変わらない。


「てか翔あとで付き合ってー」
「あ、まさか好きな人あきらめて俺にしちゃう系? いいよ、受け入れてやっても」
「んなわけねーだろ。つか翔彼女いるだろ」


 ははっと笑い飛ばして翔をみた瞬間、思わず肩を揺らしてしまった。
 翔が微笑みながら固まっていたから。


「もしかして振られた、とか?」
「振られたんじゃねえよ、振ったんだよ」
「じゃあなんで彼女の話出して固まるんだよ」
「や、それがさー……」


 翔はこそって俺の耳元で言った。


「俺、奈々のこと好きみたいなんだよね……」
「マジ?!」
「ん、まじ……だから協力してくれると助かる、的な」
「協力するに決まってんじゃん!」


 俺はバシバシと翔の背中を叩いた。
 こんな身近な人同士の恋バナを聞くのは初めてだったから楽しくなってくる。
 きっと奈々もこんな気持ちで聞いてるのかな。


「……てかさ、健人の好きな人の名前教えろよ」


 翔がニヤニヤしながら聞いてきた。
 俺は少し緊張したようにボソリとつぶやく。


「莉乃っていう二年の先輩……」


 その瞬間、翔が少し驚いたような気がした。
 目を見開く翔にえ?と疑問を持つと、翔は何もなかったかのように苦笑してつぶやいた。


「へ、へえ……健人が惚れるってことはよっぽどなんだろーな」
「翔、とるなよ」
「俺は一途だからとんねえよ」


 翔、いったいどうしたんだろう。


    ‐

34ピーチ:2012/08/19(日) 13:59:23 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

え、まさかまさかの翔君と梨乃先輩って元カップル!?

梨乃先輩振って奈々ちゃんにいくかw

35竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/08/19(日) 15:32:14 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
コメントさせていただきます。

えー、僕の勝手な予想を書かせてもらいますね。
まず健人は莉乃に片思いしていて、莉乃には別の好きな人がいる→翔は彼女を振り、奈々のことが好きというのを仄めかす→莉乃の片思いの相手は彼女がいる=翔?
と思っていたり((
この四角関係ってまさか……健人、莉乃、奈々、翔の四人なのか!?

続きも楽しみにしてます^^

36ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 18:58:47 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp

>ピーチ

いや、莉乃は片思いだもん・ω・`
奈々もねー、鈍感だから気づかないかもw

>竜野さん

内心鋭いなとか思ってみたり←
それにしても本当に鋭いな!w
ということで正解かどうかは続きをみてご確認くだs((
もう正解言っちゃったようなものなんですけどね・ω・`

37ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 19:16:46 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp

>>33の「翔はこそって俺の耳元で言った」のところ
「翔はこそっと俺の耳元で言った」に脳内変換してください´;ω;`
すみません、お願いしますorz

38ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 19:35:59 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp


「腹へった」


 何とか午前の授業を終えて、やっと昼食タイム。
 特に決まり事はないから、購買で買ったりお弁当を持ってきたりしてそれぞれが好きな場所で昼食を食べていた。
 俺と翔は最初のうちは母さんが張り切って弁当を作ってくれていたのだが、俺たちが学校に慣れていくにつれて弁当作りに飽きてしまったのか今は購買でパンを買っている。
 それにしても腹がへったとお腹をさすりつづける翔に俺は苦笑した。


「朝食べてないの?」
「……ご飯三杯とおにぎり五個と味噌汁と魚とゼリー三個とアイス二本食べた」


 俺は呆れて何も言えなくなって、そっと俯きながら購買へ足を進めた。
 いつも通り人であふれる購買。
 でもここの購買以外にもう一つ、ほんの一部の生徒しか知らない購買がある。
 俺と翔や奈々は基本的にそこに行っているから、まるで獲物をとるような感覚でパンに食らいつく生徒をよそに俺たちは音楽室へ向かった。


     ×


「……何で先生がいるんですか」


 隠し購買と呼ばれる音楽室の中に、セクハラ先生がいた。
 一時間目にサボったことをまだ根に持っているようで、俺をビシッと指差しながら言う。


「ちょっとイケメンくん! あなたお仕置きもうけないでお昼食べようなんてそんな甘いことッ――」
「ほらほら、美鬼(みき)先生? 彼らも成長盛りでお腹が空いているだろうし、意地悪はやめてあげなさい?」


 このセクハラ先生、美鬼先生っていうのか。
 俺はなんとなく納得したようにうなずいてみたが、それより購買のおばちゃん役の白衣を着た人はとても優しかった。


「あの……」


 少し気になって、一つだけ聞いてみる。


「もしかして、音楽の先生、ですか?」
「あらやだ、わたしが音楽の教師だって知らない人なんて居たのね」
「……気づかなかったッス」


 隠し購買おすすめのコーヒーパンを買う。
 翔はもう食べ終わっていたようで、あいかわらず早食いだなとため息をついたその瞬間――


「あれ、莉乃」


 音楽室のドアが開いたと思ったら、そこには友人らしき先輩をつれた莉乃がいた。
 翔に紹介しようとすると、翔はめずらしくあせった表情を浮かべている。


「――翔ッ」


 莉乃は、俺の名前を呼ばずに真っ先に翔の名前を呼んだ。
 嫉妬――よりも疑問が大きかった。
 莉乃と翔は知り合いなのか?

 二人に聞こうとした瞬間、翔は莉乃に冷たい目線を向けて一言言い放った。


「話しかけてくんなよ」


 ……なんで。
 聞こうと思っても聞ける雰囲気じゃなくて、莉乃なんか相手にしないで音楽室を去る翔の背中をただただ見つめていた。


     ‐

39ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 19:55:04 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp


「……莉乃、翔と知り合いなのか?」


 翔が去って数分後、沈黙した空気をどうにかしようと俺がさりげなくサラリと聞いてみた。
 すると莉乃は頬を赤らめて、それでも寂しそうにポツリとつぶやく。


「わたしの好きな人……なの」
「…………そっか」


 俺は間をあけて小さくうなずいた。
 だめだ、翔が相手じゃ勝ち目なんてない。


「なになに? さっきの早食いくんが翔っていう子?」


 美鬼先生が楽しそうに笑いながら聞いてきた。
 俺はなんだかどうでもよくなってきて、無気力に近い感じで答える。


「はい、そうです」
「……少なくとも顔は健人くんのほうが好みよアタシ」


 美鬼先生なりに励ましてくれてるのだろうか。
 嬉しいという感情ではなかったが、嫌な気持ちにもならなかったから作り笑いを浮かべる。


「ありがとうございます。けど……翔には敵わないッスよ」


 それにもし翔に勝ったとしても。
 莉乃の一番にはなれないから。


「健人くん、元気出して? どうせなら個人授業でもっ」
「――いいッスよ」
「え……?」


 自分から言ったくせに、驚いている美鬼先生。


「お仕置きの個人授業、美鬼先生が望むなら」
「…………いいわ、慰めてあげる」


 美鬼先生はくすりと優しく微笑んだが、その笑顔には裏があったような気がする。
 心配そうに俺をみつめる莉乃に、俺は一度微笑んだ。


「翔のこと、がんばれよ。……翔、彼女と別れたから」
「え、どうして……」
「俺のもう一人の幼馴染の奈々が好きなんだってさ」


 莉乃が幸せになれたらそれでいい。
 そう思い聞かせて、俺はさっそく個人授業を始めようとしていた美鬼先生の後をついていくために音楽室を出た。
 そのあと音楽室で音楽の先生と莉乃が話していたようにも思えるけれど、俺には関係ないことだ。


「……先生、ごめん」


 利用するようなこと言って。
 俺はポツリと謝ったが、美鬼先生は何も知らないフリをして微笑んだ。


「何のことかしら? 今更サボったことを謝ったって個人授業は取り消せないわよ?」
「――取り消しなんてしなくていいです……莉乃のこと忘れられるくらい刺激強いのでいいからッ……」
「もう何も言わなくていいから――アタシが楽にしてあげるから」


 ――莉乃、




 さよなら。



     ‐


 さよならっていうのは死んじゃったみたいなシリアスじゃないんで!!!←

40ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 20:17:20 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp


 ▼ 四角関係の始まり

 ここから四角関係がハッキリしていきます!
 もう大体わかっている方もいらっしゃると思いますが、とりあえず簡単に説明を。

 健人は元々莉乃が好き。
 だがそんな莉乃は翔のことをずっと思いつづけていた。
 しかし翔には彼女がいた→奈々のことが好きだと気づき別れる。
 けれど奈々は健人のことが好き。

 つまりこんな感じ。
 健人→莉乃→翔→奈々→健人→莉乃→etc...


 メイン四人で笑いあり涙あり怒りありのストーリーを描いてくれることでしょう←
 危ない先生の誘惑にも負けずがんばってくれることを願いますw


 健人は莉乃に好意を寄せられてるかもと思って頑張っていたのですが、莉乃の好きな人を知りあきらめかけてしまってます。
 今まで通りにいけばハッピーかもしれなかったのにね・ω・`
 そして奈々はあいかわらず健人に気持ちを伝えられてません。ていうか伝えてるのに健人が気づきません←
 翔はこれからどう出るか。結構積極的なんだろうな。
 そして莉乃は翔に冷たくされてしまっていますが、はたして健人に振り向くのでしょうか?


 それでは、これからも彼らの四角関係をお楽しみくださいませませ!

41ピーチ:2012/08/20(月) 09:26:49 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

えええぇぇぇぇぇ!?翔君冷たっ!

…酷いネ。いきなり近づくな、はないでしょ!?

42ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/20(月) 16:06:31 HOST:EM117-55-68-36.emobile.ad.jp


「……こんな部屋あったんですか」
「もちろん、アタシが理事長に頼んで作ってもらったアタシ専用生徒指導室よ」
「美鬼先生って本当名前の通り美人なのに性格が鬼――あ、なんでもないです!」


 呆れたような目線で美鬼先生をみつめた直後、彼女がニヤリと危ない笑みをみせたのに気づきビシッと背筋を伸ばしてしまった。
 みるからに危ない雰囲気をみせる教室をチラリとのぞき、覚悟を決めて入ろうと思った瞬間――


「っ?!」


 制服の袖がぐいっと引っ張られた。
 あわてて振り向くと、そこには泣くのを我慢したような莉乃の姿があって思わず動揺してしまう。


「莉乃、どうして――」
「危ないような気がしたから……そういうのはやめてほしくてっ」


 莉乃はいつも、俺を期待させるようなことを言う。
 期待させないでほしいけど――期待してる自分を馬鹿らしいと思いながら、それでも付き合っているみたいなことをしあう関係が好きになってしまった。


「……別に、危ないことなんてしないわよ」


 美鬼先生が俺の肩に腕を回して言った。
 フフッと怪しげな笑みを浮かべる美鬼先生に莉乃は負けじと言った。


「美鬼先生、わたし健人くんに話したいことがあるんです」
「……女の子にそんな可愛く頼まれちゃ、アタシも手出しはできないわ」


 あっさりと退散した美鬼先生。
 去り際に俺の耳元でこそっと「お仕置きは莉乃ちゃんにしてもらいなさい」とつぶやいて行った。
 お仕置きは莉乃に? どういうことだろう。

 疑問を抱えながら、俺は莉乃と屋上へ向かった。


     ×


「……あの、健人くんと翔と奈々ちゃんってどういう関係……?」


 美鬼先生は何か勘違いしていたんだろうけど、莉乃は一途だから。
 きっと翔のことでも聞こうとしたんだろうなと思えば本当に予感的中だった。


「幼馴染だよ。奈々と翔は生まれたときからずっといっしょだけど、俺は幼稚園で二人と会ったんだ」
「……健人くんの好きな人も、奈々ちゃんだったりする?」


 上目遣いで俺をみつめる莉乃。
 翔の質問をされると思っていたから予想外で、動揺しながら答えた。


「違うよ」
「そっか……」


 いつもより大人しい莉乃。
 俺も少し詳しく知りたいと思った。


「何で翔って莉乃に冷たいの?……とか、聞かれたくないか」
「わたしが悪いの」


 ははっと笑って誤魔化そうと思ったら、莉乃が真剣な表情で答えた。


「わたしが中学三年のころ、翔とは友達同士って感じで、男友達の中で一番仲が良い人だったの」


 さみしそうに笑う莉乃の話を、俺は真剣に聞いた。
 莉乃にはもう、泣いてほしくなかったから。


「その頃も翔に彼女がいたんだけどね。わたしが同級生の人に告白されて、翔が好きだからって振ったらその恨みでその人は翔の彼女をレイプしたの」


 莉乃はとても辛そうだった。
 でも、最後まで聞こうと決めたからにはしっかり聞こう。


「もちろんそれは駆けつけた翔にみつかったらしいんだけどね、その人が莉乃に命令されたって嘘吐いたみたいで、それでわたし、翔に嫌われちゃったんだ」


 悪いのは莉乃じゃない。
 翔が悪いってわけでもないけど、それでも誤解してるんだからその誤解は解かなきゃいけない。


「どうして翔に本当のこと言わなかったんだ?」
「……話そうと思ったけど、翔はわたしのことが本当に嫌いになったみたいで話を聞いてくれなかったの」
「俺から翔に言っちゃだめ?」
「え……?」


 莉乃は驚いているようだった。
 莉乃を苦しめた真犯人が一番憎かったけど、莉乃を突き放す翔が許せなくて。


「翔に本当のこと、教えてやらなきゃ」
「いいの。わたしもう、あきらめるから」


 莉乃は笑顔でそう言った。
 とても辛そうでさみしそうな笑顔に思わず俯いてしまう。


「……本当はまだ好きなんだろ?」
「え、ちょっと健人くん?!」


 俺は勢いで屋上を飛び出して翔のもとへ向かった。
 俺の好きな人はやっぱり莉乃で、やっと莉乃が振り向いてくれそうではあるけど俺は莉乃が苦しむところは見たくない。

 急いで誤解を解かなきゃ。
 たとえ翔が奈々のことを好きで、莉乃に振り向くことはなくても。



 せめて翔が莉乃を避けるようなところはみたくない。



     ‐

43ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/20(月) 16:07:02 HOST:EM117-55-68-36.emobile.ad.jp

>ピーチ

翔と莉乃にも過去にいろいろあったのよ(´ω`)←

44ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/20(月) 17:18:50 HOST:EM117-55-68-36.emobile.ad.jp


「翔っ!」


 勢いよく教室のドアを開けた。
 一斉に集まる目線に動揺しながら机に突っ伏せて寝ている翔の襟をつかんで引っ張る。


「う……こ、殺す気か健人!」
「お前がちゃんと話聞かなきゃマジで殺す!」
「え、聞きます聞きます。なになに?」


 静まったのは一瞬。
 俺が翔を引っ張って廊下を通ると少しだけざわめいて、でも俺たちが曲がり角でまがったところでまたみんながざわめきはじめたのがわかった。


「っんだよもー……こんな人気(ひとけ)の少ない場所に連れ込んで! レイプするつもりか!」
「俺がお前をレイプするわけねーだろ!……でもまあ、それも関係してる話」
「それに関係って!……ああ、莉乃のことか」


 レイプに関係ある話なんてお前するのかよという目線を送ってきた翔だが黙り込んで数秒後、冷たい目線でどこか遠くを見つめていた。
 可哀想に。あんなに可愛い莉乃を真犯人の誤解で冷たく避けてしまうようなことになってしまっただなんて。


「莉乃とは中学のころ仲良かった先輩ってだけだよ。彼女が莉乃の命令でレイプされて俺が莉乃を避けてるのも本当だし」


 面倒くさそうに過去を語る翔。
 そんな話、聞きたくもない。


「お前誤解してる」
「は? レイプのことか?」
「ああ」
「いやいやいや、それに詳しいのは俺のほうだし、俺は現にその場にいたんだしさあ!」


 動揺する翔に俺はフッと笑みを浮かべた。
 そして、莉乃の誤解を解く。


「莉乃、その日同級生の人に告白されたんだよ。それで翔が好きだからって振ったらその恨みで翔の彼女をレイプして、翔には莉乃に命令されたって嘘吐いたんだよ」


 翔は驚いていたようだが、俺は構わずに話つづけた。


「莉乃は何もしてないのに避けられて、誤解を解こうとしても翔に話すことすら許されなくて――辛かったみたいだけどさ」


 翔はどうするの?、と俺は俯く翔の顔をのぞきこみながら聞いた。
 翔は少しあせった様子を見せてから、それでもぐっと顔をあげて拳を握った。


「俺、莉乃に謝ってくる!……莉乃の気持ちには答えられそうにないけど、莉乃が泣いてたら健人よろしくな」
「ああ、任せとけ」


 翔が信じてくれてよかった。
 走り去る翔につづいて、俺もその場を去った。


     ×


 莉乃、誤解解けたのうれしくて健人の好感度もあがるけど、優しくなった翔と話してもっともっと翔のこと好きになるかもだよね←

45ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/20(月) 17:52:54 HOST:EM117-55-68-36.emobile.ad.jp


 放課後まで翔は教室に姿を現さなかった。
 きっと莉乃と仲良く屋上デートでもしてるんだろうと思って俺は奈々に声をかける。


「奈々、帰ろうぜー」
「あれ? 翔はいいの?」
「翔は今莉乃といると思うからさ」
「え、莉乃先輩って……」


 奈々は少し動揺気味に言ってきた。
 俺は素直に頷いたが、正直あまりうれしいことではない。


「莉乃は翔のことが好きなんだよ。でもその翔は奈々が――あ、」


 危ない。
 思わず翔が奈々のことを好きだっていうことをバラすところだった。


「え、ねえちょっとー! 翔は奈々が、なに?」
「っ……」


 あまり深く聞きこまれると言いたくなってしまう。
 俺はそれをこらえるために奈々に聞き返した。


「奈々こそ、健人のこと恋愛感情でなんなんだよっ」


 正直その話のこと自体忘れていたのだけれど、ギリギリで思い出した。
 そのつづきが気になって聞いたはいいが、奈々の顔がボッと赤くなる。


「……お、幼馴染じゃなく恋愛感情で……その」


 真っ赤な顔で話す奈々。


「健人のことが好きだっつってんの!!」


 思考が停止した。
 幼馴染としてだろ?というのはもう言えなくて、恋愛感情で……たとえば莉乃に対しての俺の気持ちや、翔に対しての奈々の気持ちと同じ?
 

「……冗談とかじゃなく?」
「ていうか、前言った好きも幼馴染としてじゃないんだけど!」


 顔を真っ赤にしながらそう言う奈々に俺は動揺を隠せなかった。
 だって奈々はずっと俺のこと好きでいてくれたのに、俺は平然と莉乃のこと教えちゃってたし!
 それに、翔の好きな人だし。


「……返事はいらないよ」


 奈々がさみしそうに笑って言った。


「あんたからの返事なんて予想できてるもん、聞きたくないや」


 きっと俺の返事は。
 奈々の予想通りだろう。


「だから、これからもふつうに幼馴染としてよろしくね」


 奈々は笑顔でそう言い切って教室を出てしまった。
 あれ、でも俺もいっしょに帰るんだけどな。


「なあ、コンビニ寄ってこうぜ」
「へ? いいの?」
「ん、なんか直で帰りたくないし、奈々といたい」


 微笑みながらそう言うと奈々は顔を真っ赤にしたが、構わずに下駄箱へ向かった。
 八時までまだ時間はあるし、それまでゆっくりしていよう。


     ‐

46ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/20(月) 21:36:47 HOST:EM117-55-68-19.emobile.ad.jp


「あ、新発売のネギ塩まんだー」


 俺と奈々は学校付近のファ●リーマートに来ていた。
 時刻はまだ五時半で、俺は時計を気にしながらも棚に並ぶ商品を見ていた。
 そして奈々が肉まんが並ぶ棚に目を遣ったとき、俺もそれにつられて思わず棚を見る。


「……ネギ塩っておいしいの?」


 俺が残り一つしかないネギ塩まんを見つめながら奈々に聞いた。
 ネギ塩まんは他の種類のものとは違って、歌って踊れるアンドロイドで有名な某キャラクターMの顔の形になっている。


「かわいいいいぃぃいぃいい」
「そんな棚に張りついて見るくらいだったら買えよ」
「だってー……」


 奈々は小さな声で緊張するんだもんとつぶやいていたが、なぜ緊張するのか俺にはよくわからなくてスルーしてみる。
 そして財布から五百円を出してそのネギ塩まんを買った。


「え、健人食べんの?」


 奈々がひどいという目線を送ってきた。
 俺は内心馬鹿だなーと思いながら奈々にネギ塩まんを差し出す。


「ほら、食べたいんだろ?」
「…………」


 奈々がネギ塩まんが入った袋をつかみながら固まった。
 俺が頭の上に疑問符を浮かべると、奈々は顔を真っ赤にして小さな声で言う。


「ヤバい……好きすぎる……」


 俺の顔も赤くなってしまったような気がする。
 だって幼馴染に面と向かって真っ赤な顔で好きすぎるって言われたらいくら意識してなかったやつでも意識するだろふつう!
 俺は頭の中で「俺は普通だ俺は普通だ俺は普通だ……」と何度もつぶやく。


「で、でももらっていーの?」
「今日付き合ってもらったお礼にさ」
「……ねえ、一つお願いしてもいい?」
「ん、いいよ」


 コンビニの棚を再び眺めながら、俺はうなずいた。


「健人っていつも八時に莉乃先輩と会ってるんだよね……?」
「? そうだけど……」


 どんなことをお願いするつもりなのだろうか。
 疑問を抱きながら、奈々の話を聞いた。



「あたしも健人といっしょにいって、莉乃先輩に会いたい」


     ‐


 ネギ塩まんって実際ファミマにあるんだよねw
 期間限定なのかわからないけど、みくの顔してるやつです!
 友達が写メ撮ってブログに載せてたから参考にさせてもらったんだけど、味は肉まんと変わらないそうですw

47ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/20(月) 22:11:16 HOST:EM117-55-68-12.emobile.ad.jp


 ▼ キャラクター紹介

 ここまでのキャラクターの紹介(息抜き程度なので適当かも)


 健人
 →高校生男子。誕生日は六月なのでみんなより少し早く十七歳になった。家族構成は母、父、妹と四人家族。幼馴染が男女一人ずついて、二人ともはっちゃけてばかりの元気で無駄にうるさいやつなためツッコミが健人の仕事になっている。サボり魔と呼ばれることもあるが成績は真ん中より少し上くらい。女子や大勢と騒ぐことが苦手だがクラスではよく囲まれている。黒髪で真面目っちゃ真面目。身長は173くらい。路地裏で猫に餌をやる二年の先輩に一目惚れしてただいま初恋なう。八時に路地裏で会う約束をしている。

 莉乃
 →高校二年生の女子。早生まれで二月が誕生日なのでまだ十七歳。裏設定ではあるが弟がいて健人の妹と付き合っている(らしい)。最近健人たちがいる学校に転校してきたばかりで、美人ということで噂されている。翔のことをずっと思いつづけていたが、莉乃に告白してきた男子を振ったことでその男子が翔の彼女を襲い男子は莉乃に命令されたと嘘をつき翔に避けられる。けれどその誤解を健人が解いた。生まれつき茶色いロングヘアで茶色の透き通った瞳をしている。身長は154。いつも八時に路地裏にきて猫に餌をやっている。

 翔
 →高校一年男子。誕生日は十一月の十六歳。裏設定でサバサバした姉がいる。健人と奈々とは幼馴染。彼女がいたが好きな人ができたという理由で最近別れ、健人にだけ奈々が好きなことを打ち明ける。中学のころはモテていたというのに高校では立場を健人にとられてしまった。馬鹿中の馬鹿でテストの成績もよろしくない←。髪は中三のころに茶髪に染めた。チャラいことで有名。身長は175と健人より少しだけ大きい。毎年競いあっている。命名翔の女子専用王子様スマイルという営業スマイルがありそれを女子に振りまいているがなかなかモテない。

 奈々
 →高校一年女子。誕生日は一月でまだ十六歳。裏設定で高校二年に兄がいて、同じ学校。ちなみに兄は次期生徒会長。健人のことが好きで何度か告白したが健人には幼馴染としてだろうと真に受けられず、恋愛対象で好きだと告白しやっと思いが伝わる。健人のことを無自覚だの鈍感だの言っているが奈々も鈍感で無自覚。髪はもともと茶色で、翔と違って染めてない。中学のころは女番長として有名だったため、高校ではできるだけ大人しくしている。キャーキャーした女子が苦手でいつも花といっしょにいる。身長は158。



 他の花、美鬼先生、音楽の先生などはまた今度書きます!
 とりあえずメイン四人でしたー

48ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/21(火) 16:05:44 HOST:EM117-55-68-148.emobile.ad.jp


「……だめ?」


 ダメかどうかと聞かれれば、俺にはそれを決める権利はない。
 そう思い、奈々の頭をくしゃっと撫でて微笑んだ。


「来たきゃ来ていいよ」
「ほ、ほんとっ?!」



 奈々は俺のことが好きで、だけど俺は莉乃のことが好きで。
 なのに莉乃は翔のことが好きで、その翔が奈々のことが好きだと言っている。
 三角関係ならぬ四角関係に俺はため息をついて、奈々と一緒に路地裏へ向かった。


     ×


「ねえねえ、もう八時になるよー?」
「そうなんだけど……莉乃がこないからさ」
「僕そろそろお腹空いたにゃん――って猫ちゃんも言ってるよ?」


 すっかり奈々に懐いてしまった猫がにゃあと鳴いた。
 奈々も猫の言葉を現すようにしゃべっていて、内心可愛いなと思ってしまったのは心の奥深くと頭の引き出しの百六十五個目に閉まっておこう。


「その猫男だったのか?」
「いやあ、僕のほうが可愛げあるかなって。ていうか猫がわたしとかあたしって似合わないしさ」


 そういわれれば、この猫には僕が一番合ってるかもしれない。
 とりあえず猫もお腹が空いたようだし莉乃の代わりにミルクをやったが、もう八時十分になっている。


「奈々、暗いし危ないからそろそろ帰ろうか」
「え、莉乃先輩はいいの?」
「奈々家に送ってから俺はまた此処来るよ」
「だめ、あたしは健人が帰るまで此処にいる!」


 ときどき思ってしまう。
 こんなに俺のことを考えてくれて尽くしてくれる奈々がどんな気持ちなんだろうって。
 俺が莉乃に対する気持ちと同じようなものだとはあまり思えない。
 同じ好きでも、いろんな種類があるのだろうか。


「……奈々はさ」
「んー?」
「いつから俺のこと好きでいてくれたの?」


 奈々は少し動揺しながら、ぎゅうっと愛おしそうに猫を抱きしめて言った。


「幼稚園で会ったときに一目惚れしちゃったの」
「そんな昔から?!」
「うん。幼稚園のときは友達の好きも恋愛の好きも変わらなかったけどね、大人になるにつれてあたしって健人のこと好きなんだーって実感して」


 頬を赤らめて話す莉乃につられて俺の頬も赤くなったような気がした。


「……健人」
「ん?」
「……明後日、暇?」
「ああ、暇だよ」


 そういえば明日学校に行ったらもう土曜日か。
 部活に取り組みたい気持ちも少しあったけど、やっぱり部活がない高校は楽で良いと改めて思った。


「その、二人で、遊べない……かな」


 幼馴染として二人で遊んだことは何度かあったけど、お互い意識してデート感覚で遊んだことは一度もなくて少し戸惑った。
 でも、奈々を傷つけてられないし俺だって奈々と遊びたいと思い微笑む。


「ん、いいよ」
「本当っ?! やったあ」


 目の前ではしゃぐ奈々に微笑ましく感じてしまった。
 やっぱり奈々は、俺にとって妹っていう存在になってしまうのだろうか。

 
「……莉乃と何処が違うのかな」


 ポツリとつぶやいた。
 幸い奈々には聞こえていなかったみたいだけど。


     ‐

 奈々ちゃんの猛アタック!(猛アタックっていうほどでもないけど)←
 はたして莉乃と翔はどうなったのでしょうk(ry

49ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/21(火) 16:22:26 HOST:EM117-55-68-148.emobile.ad.jp


「くしゅんっ」


 奈々が小さくくしゃみをした。


「……なあ、やっぱり帰ろう?」
「健人もちゃんと家に帰る?」
「ん、帰るから」


 もうすぐ九時になってしまう。
 俺もそろそろあきらめて帰ることにした。


「送ってくよ――っつっても家隣なんだけどさ」
「家の前まできてくれたら送ったことになるよ」


 ふふっと奈々が微笑んだ。
 俺もつられて微笑んでしまったが、やっぱり心のどこかで莉乃の笑顔が思い浮かんでしまう。


「……好き」
「え?」


 奈々の言葉が風の音で掻き消された。
 けど、顔が赤いことから恋愛関係のことを言ったのだろう。


「もう一回言ってくれると……」
「な、何回も言わせんな!」
「ごめんごめん」


 俺が軽く謝ると、奈々は大人しくなってもう一度小さな声で言った。
 本当に小さな声ではあったが、今度はしっかり聞き取れて顔が赤くなってしまう。


「好き」


 奈々の俺に対する気持ちを、俺が倍返しにして奈々に返せたらいいのに。
 なかなか簡単にそんなことできない。


 簡単なほうに転がるっていう軽い気持ちで莉乃を好きになったわけじゃないけど。
 奈々のことを放っておけないっていう気持ちもある。

 どうすればいいんだろう。


     ‐

50ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/21(火) 21:48:47 HOST:EM117-55-68-20.emobile.ad.jp


 ▼ 息抜き←

 息抜きが多いのは気にしないでくださいw

 莉乃と翔が健人の協力により仲直りして、そこからとっても仲が良くなってしまいましたねてへぺろ☆((ry
 そして健人と奈々のほうも順調に仲が深まっています!

 正直四人はどうやってくっつけようか迷ってるんです。
 健人×奈々、翔×莉乃にして女の子組の恋を実らせてあげようか
 健人×莉乃、翔×奈々にして男子たちの恋を実らせてあげようか。

 ちなみにこれから健人目線、奈々目線、翔目線、莉乃目線で四編にわけたいなーって思ってます。
 とりあえずキリの良いところで奈々か翔か莉乃編になりますので!
 そちらも楽しみにしていただけるとうれしくてうれしくてうれしくて死にそうになります←


 最近奈々がかわいいと思い始めた。
 なぜだ、急になぜなんだ。


 ちなみに学校の設定としては
 部活はなしだけどサークル組んだりしてる人がいます。
 購買は学校の昇降口にいってすぐのところと、隠し購買で音楽室にあります!
 音楽室は基本冷房や暖房が効いていてとても生活しやすくなってるし、誰も音楽室に購買があるだなんて思わないだろうから隠し購買となったのです。
 これに関してはねここ的にこんな購買があればいいなって思った夢のような設定ですのでお気にせずに←
 屋上はタイマーロック式になっていて、チャイムが鳴り終わると閉まったり開いたりします。
 授業中は使用禁止です!


 ……また何かあれば書くぜ。
 とりあえず、つづきも頑張ります!

51竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/08/22(水) 15:40:36 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
コメント失礼します。

ぶふぅっ!
いきなりの奈々の進展に心臓が終始バクバク動いてますぜ(( 何故か分かりませんが、これ読むといつもドキドキします。
僕的には健人と莉乃がくっつけばいいなー、と思いますがががががが((

翔と莉乃の関係も気になりますねー。
勘違いで仲違いしただけで、元々は仲良かったので、険悪な関係でないとは思いますが……。

しかし四角関係って三角関係より複雑ですよね。
男子の恋が実れば女子が、女子の恋が実れば男子の恋が実りませんからね。
僕も一度恋愛系の話を考えた事がありますけど、本当に難しかったっすw

続きも頑張ってください^^

52ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/22(水) 20:03:18 HOST:EM117-55-68-172.emobile.ad.jp

>竜野さん

奈々はいつも強気な子って感じなのでデレてるっていうか素直なときを書くのがすごい楽しいですw
実は書いてるこっちもドキドキしたりしちゃわなかったりとにかく甘い展開にしすぎてしまうんでs((
行き当たりばったりなときもあるので四角関係がどう変化するかはねここもわからなi(((

男子か女子が頑張って相手を振り向かせるしかないんですけど、これの場合みんなが一生懸命振り向かせようとしちゃってるから余計複雑なんですよねw
でも複雑な恋愛が好きなので、書いてて楽しいです!

ありがとうございます、頑張ります!

53ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/22(水) 20:19:28 HOST:EM117-55-68-172.emobile.ad.jp


「じゃあ奈々、また明日」
「うん、またねー!」


 奈々と別れを告げた直後、携帯がバイブ音を鳴らして光った。
 翔の携帯から電話だ。


「もしもし、翔? お前何で今日一緒に帰れな――」
『健人くん』


 一緒に帰れなかったことについて少し聞いてみようかと思ったのだが、電話越しに聞こえてきた声は明らかに翔の声じゃなかった。
 女の人の――莉乃の、声。


「……どうして莉乃が?」
『少し話したいことがあって……路地裏まで来てくれる?』
「ん、わかった。そこに翔いる?」
『うん、でも翔はもう帰るから』
「そっか、じゃあ路地裏で」


 電話を切ると、俺は走って路地裏へ戻った。
 奈々が知ったら怒るだろうけど、莉乃の誘いを断るわけにもいかない。


 なんか優柔不断だな、俺。


     ×


「……莉乃」


 路地裏で待つこと数分、走ってきたのか息を切らした様子の莉乃が路地裏へついた。
 俺はとっさに名前を呼んだが、莉乃は何も言わずにそっと俺に近づいて――


「っ?」


 莉乃の唇を、俺のそれに重ねてきた。
 突然のことで身動きがとれなかったけれど、莉乃の瞳には涙がたまっていたような気がする。


「わたし……翔にちゃんと振られてきた」


 そっか、と俺は小さく相槌を打った。


「翔ね、わたしのこと振っても優しくしてくれて――さっきまでずっと話してて、八時に間に合わなくて……ごめんね」
「や、大丈夫」
「一人で待ってたの……?」


 莉乃が申し訳なさそうに俺を上目遣いで見つめてきた。
 その真っ直ぐな瞳に一人でいたなんて軽々しく嘘を吐くことなんてできなくて、正直に今までのことを言う。


「……奈々が莉乃に会いたいって言って、二人で待ってたよ」
「奈々ちゃんって……翔の好きな人、だよね?」
「ん、そうだよ」


 奈々は翔の好きな人だから、俺がとっちゃいけない。
 俺は莉乃が好きで、今もちゃんと好きで――こんなゆらゆらした気持ちでいちゃいけないんだ。
 そう自分に言い聞かせて、俺は莉乃を見つめた。


「……翔と仲直りできてよかったね」
「振られちゃったけど、前より全然仲良くなった気がして嬉しい。でもね……」


 莉乃が話をつづけた。


「なんか、健人くんが他の女の子と一緒にいるともやもやした気持ちになるの」


 それってまさか。
 いやまさかね、少し気がこっちに向いてるとか思わず期待しちゃったけどそんなわけないよな。

 ……それに俺自身、奈々が他の男と一緒にいるともやってすることもあるしな。


「そっか」
「……あの、健人くんって……」


 恥ずかしそうな雰囲気を見せながら、莉乃が言った。



「わたしのこと、好きなの?」


     ‐

54名無しさん:2012/08/22(水) 20:27:13 HOST:112-68-48-119f1.hyg1.eonet.ne.jp
これはアメリカのゲームです。1度やってみてください。
これは、たった3分でできるゲームです。試してみてください。驚く結果をご覧いただけます。このゲームを考えた本人は、メールを読んでからたった10分で願い事がかなったそうです。このゲームは、おもしろく、かつ、あっと驚く結果を貴方にもたらすでしょう。
約束してください。絶対に先を読まず、1行ずつ進む事。たった3分ですから、ためす価値ありです。
まず、ペンと、紙をご用意下さい。先を読むと、願い事が叶わなくなります。
①まず、1番から、11番まで、縦に数字を書いてください。
②1番と2番の横に好きな3〜7の数字をそれぞれお書き下さい。
③3番と7番の横に知っている人の名前をお書き下さい。(必ず、興味のある性別名前を書く事。男なら女の人、女なら男の人、ゲイなら同姓の名前をかく)
必ず、1行ずつ進んでください。先を読むと、なにもかもなくなります。
④4,5,6番の横それぞれに、自分の知っている人の名前をお書き下さい。これは、家族の人でも知り合いや、友人、誰でも結構です。まだ、先を見てはいけませんよ!!
⑤8、9、10、11番の横に、歌のタイトルをお書き下さい。
⑥最後にお願い事をして下さい。さて、ゲームの解説です。

1)このゲームの事を、2番に書いた数字の人に伝えて下さい。
2)3番に書いた人は貴方の愛する人です。
3)7番に書いた人は、好きだけれど叶わぬ恋の相手です。
4)4番に書いた人は、貴方がとても大切に思う人です。
5)5番に書いた人は、貴方の事をとても良く理解してくれる相手です。
6)6番に書いた人は、貴方に幸運をもたらしてくれる人です。
7)8番に書いた歌は、3番に書いた人を表す歌。
8)9番に書いた歌は、7番に書いた人を表す歌。
9)10番に書いた歌は、貴方の心の中を表す歌。 10)そして、11番に書いた歌は、貴方の人生を表す歌です。
この書き込みを読んでから、1時間以内に10個の掲示板にこの書き込みをコピーして貼って下さい。そうすれば、あなたの願い事は叶うでしょう。もし、貼らなければ、願い事を逆のことが起こるでしょう。とても奇妙ですが当たってませんか?

55ピーチ:2012/08/23(木) 09:06:07 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

うわぁついに梨乃先輩と健人君が両思い!?

あたし的にも健人君と梨乃先輩にくっついて欲しい←

四人とも頑張れー!

56ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/23(木) 21:01:03 HOST:EM117-55-68-36.emobile.ad.jp

>ピーチ

どうだろう←
でもあっさりしすぎてもアレなんだよねー
もっとごちゃごちゃに複雑に絡み合わせたi((

57ピーチ:2012/08/23(木) 21:19:25 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

あー、確かにネー

…読者の頭が混乱しない程度にお願いします。←

58ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/24(金) 19:38:06 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp

>ピーチ

大丈夫大丈夫w
読者様が理解できないことはまずねここが理解できないから←

59ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/24(金) 19:58:41 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp


 直球に聞かれて正直戸惑った。
 何故莉乃がそれを知っているのだろうかと思ったが、きっと翔の仕業だろう。
 翔的には進展してくれればいいと思って優しさでやってくれたんだろうけど、正直このタイミングで背中を押されても前には進めない。


「……よくわかんないんだよね」


 莉乃の透き通った目を見つめて、俺は戸惑いながらも答えた。
 はっきり好きだって言えるほどの気持ちなのだろうか。
 前は、昨日はそうだったかもしれないけど、今はわからない。


「奈々ちゃんが原因?」


 莉乃がまた直球にそう聞いてきた。
 俺はまた素直に答える。


「……ああ」


 莉乃はむう、と表情をゆがませて、そのあと落ち込んだように俯きながら言った。


「わたしは……翔のこと好きだったけど……その」


 一単語分あけて言う。


「キスしたいって思うのは健人くんだけなの」


 思わず期待してしまう俺。
 それと同時に奈々への罪悪感が生まれる。


「翔がね、キスしたいって思う人が本当の好きな人だって言ってて」


 恥ずかしそうに頬を赤らめる莉乃はかわいくて、やっぱり独り占めしたいと思ってしまった。
 そうだ、翔もきっと奈々を独り占めしたいんだ。
 俺が奈々と仲良くしていたら少なくとも良い気持ちなんてしないだろう。


「――好きだよ、莉乃」


 翔にも好かれて、それだけじゃなく健人くんの気を引いてる奈々ちゃんが羨ましい。
 そう莉乃が言ったあと、俺は直球に莉乃に気持ちを伝えて――



 不意打ちのキスをした。



「…………健人くん?」


 驚いて俺の名前を呼ぶ莉乃。
 俺は微笑んで、もう一度好きだと言った。
 揺らいじゃだめだ。ゆらゆらした気持ちなんて莉乃にも奈々にも、翔にも失礼だ。



 俺は莉乃を一途に思いつづけると決めて、思い浮かんだ奈々の寂しそうな顔を頭の中から消した。


     ‐


 複雑にするために莉乃が健人に告白して健人が振るみたいなのにしようとしたけど
 とりあえず健人は莉乃を思っているということにしてぐだぐだやっていこうと思いました←

 竜野さんやピーチには健人と莉乃がくっつけばいいなとか言っていただいていたのですが
 きっと予想していた明るくハッピーな感じのくっつきかたではないかな(´・ω・`)


 奈々にすごい愛着がわいてたので
 愛着わかせるのは良いけどキャラのえこひいきをしないように気をつけます←

60ピーチ:2012/08/24(金) 20:16:06 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

あ、マジですかw

……梨乃先輩、めっちゃ直球w

健人君&梨乃先輩頑張ってくっつけー!

61ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/24(金) 20:38:56 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp


「……わたしも健人くんが好き」


 今度は莉乃から不意打ちのキスをしてきた。
 ふふっと微笑む莉乃はやっぱり可愛くて、そして隣にいた猫までもがにゃあと鳴いて祝福してくれたように思える。

 素直に喜べない。

 俺は心の中のもやもやを取ることができないまま、莉乃の付き合うことになった。


     ×


「明日から俺一人で学校行くからさ、翔は奈々とがんばれよ」


 俺は家に帰ってすぐに翔に電話した。
 奈々のことを吹っ切れないのにはきっと翔も関わっているはずだと思って。


『は? ……え、まさか莉乃と付き合った系?』
「ああ、誰かさんのお節介のせいでな」
『またまたー、嬉しいくせに』


 翔が電話越しに楽しそうに笑った。
 こんな嬉しくて楽しそうな翔の笑顔を壊すわけにはいかないよな。


『あ、でもなんで一人? 莉乃とじゃねえの?』
「……翔には言うけどさ……俺、奈々に告白されて」
『そんなの知ってっから! 奈々が健人のこと好きなのも、健人の気持ちがどうかも――健人に振られても、奈々は健人を思いつづけるってこともな』


 翔は笑いながら、それでも寂しげにつぶやいた。
 俺も、翔に全部本音を言う。


「正直今日とかすごい悩んでたんだよ。奈々に気持ちが揺らいだりしてさ……でも俺はやっぱ莉乃を好きでいるって決めたから」
『……や、まあ予想はついてたよ。奈々超可愛いし』


 翔も翔で馬鹿なのかもしれない。
 俺も莉乃超可愛いって言ってた時期があったな(今もだけど)。


「てことで、クラスでもよろしく」
『ああ、当たり前じゃん』


 にこっと笑い合って、俺は電話を切った。



 そのあと吐いたため息の意味もわからずに、俺はぎゅうっと携帯を握りしめた。


     ‐

62ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/24(金) 20:40:05 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp

>ピーチ

マジですw
莉乃は直球だってことでさえ気づいてないからね←
天然なのさ!←

63ピーチ:2012/08/24(金) 23:12:47 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

まさかの気付かない感じですか!?

いや、天然の域に収まるか……!?←何の心配だよw

64ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/25(土) 17:26:53 HOST:EM117-55-68-149.emobile.ad.jp

>ピーチ

ストレートなときはすっごくストレートだけど、遠回りするときは極端に遠回りしすぎちゃう子なんだよw
不器用なんだきっと。そしてストレートすぎたり遠回りしすぎたりすることに気づかないんだ★

65ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/25(土) 17:42:02 HOST:EM117-55-68-149.emobile.ad.jp


 普段なら此処で奈々と二人で寝坊して待ち合わせ時間より数分遅れてくる翔を待つはずだった。
 そしてそれがこれからもずっと続いていくと思ってた。
 けど、もう終わりなんだ。今日が最後とか自分に甘くなっていられなくて、もう昨日が最後だったんだ。


「……涼しいな」


 三人でじゃれ合いながら登校していたからか夏はとても暑く感じられた通学路。
 けれど今日は両脇の風遠しがよくて、とても寂しく感じられた。

 でもこれに慣れなきゃいけない。


     ×


「おはよう健人」
「おはよ、花」


 いつもより早い時間に行く学校はやっぱり少し寂しい感じがした。
 そのとき、後ろから花が俺に声をかける。
 なんとなく、少し安心したような気がした。


「今日、なっちゃんと翔はお休み?」
「や……二人は後から来るよ」
「何で健人だけ?」
「……二人の邪魔したくないから」


 花は不思議そうに俺を見つめて数秒後、にこっと笑って言った。


「健人、ちょっと来て」
「? ああ……」


     ‐

66ピーチ:2012/08/26(日) 09:39:49 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

……何気に納得w

そうなんだネ。ストレート、遠回り……←繰り返すな

67ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/26(日) 18:46:47 HOST:EM117-55-68-10.emobile.ad.jp


 朝から花に引っ張って連れてこられたのは使っていない空き教室だった。
 窓は閉まっているのに、朝練している部活のかけ声が聞こえてくる。


「……健人さ、彼女できたんでしょ」
「何で知ってんだよっ」


 思わず動揺してしまった。
 俺に彼女ができたとかついさっきでもないけど昨日のことだし、まだ翔しか知らないはずだ。


「いやあ、だって翔となっちゃんと一緒に来てないってことはそうなのかなって」
「……翔は奈々のことが好きなんだ」
「あー、翔がメールで相談してきたよ。健人に負けたくないって」


 やっぱり翔はそういうことを思っていて、俺が奈々を少しでも意識しないようにわざと莉乃とくっつけたのかな。
 そんな考えもでてきて少し自分が嫌になり、ふるふると頭を振る。


「……俺が莉乃と付き合うことになったきっかけが翔だったんだけど、正直俺、奈々に少し気が揺れててさ」
「そういえばなっちゃん健人のこと好きだもんね」


 内心花はどこまで翔と奈々の情報を知っているのだろうかと不審に思ったが、とりあえずそこは良いとしよう。


「……でも俺、翔に悲しい思いさせたくなくて」
「だから一緒に登校するのでさえやめたの?」
「……奈々といると俺本当に奈々のこと好きになりそうだし、莉乃も奈々と俺が仲良くしてるのを見てもやもやするって言ってたし」


 なんだかまたもやもやしてきたような気がして、髪をくしゃ、と乱暴に掻くが気持ちは変わらない。
 莉乃を好きでいていいのか、莉乃と付き合っていいのか。
 奈々を放っておいていいのか。でも、奈々と関わったら翔が悲しむんじゃないか。


「健人がもやもやするなら、それは間違いなんじゃないかな」
「でも、仮に奈々と付き合ったとしても莉乃とか翔のことでもやもやするのは変わらないだろうし」
「それはもう、自分の気持ちがハッキリするまで待つしかないけど……なっちゃんと関わらないとか、二人と一緒に登校しないとかはおかしいんじゃない?」


 おかしいのかな。
 心の中で小さくつぶやいたあと、花に聞いた。


「……好きな人と付き合えるのって、どんな気持ちになる?」
「うーん、人にもよるけどあたしはとにかく嬉しかった。少なくとももやもやなんてしなかったよ」


 即答されてしまった。
 そっか、俺の付き合い方はなんかおかしいのかな。


「奈々にも莉乃にも、翔にも……ちゃんと話してみるよ」
「うん、それがいいよ! ていうか、いつでもあたしに相談してね。メアド教えてあると思うから!」
「ありがとう」


 俺は花と一緒に空き教室を出て教室へ向かった。
 すると廊下に、走ってきたのか息を切らしている奈々の姿があるのを見つける。


「け、んと……花と一緒に登校したの……?」
「あ、あたしと健人は一緒に来たわけじゃないよ。健人が悩んでたから相談に乗ってただけ」
「そっか……」
「ところで翔は?」


 花がそう聞くと、奈々は少し気まずそうに俯いて言った。


「け、健人がもう一緒に学校行けないって翔に聞いて思わず走ってきちゃった……」


 奈々の気持ちは変わらないんだ。
 そう思った瞬間、俺は正直に奈々に本音を打ち明けることにした。


「じゃあ健人、頑張ってね」


 花が微笑みながら教室に入った。


「あのさ、奈々……一時間目サボって屋上行かない? 話したいことがあるんだ」
「……?う、うん……」


     ‐

68ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/26(日) 18:48:39 HOST:EM117-55-68-10.emobile.ad.jp

>ピーチ

ところで健人編はいつ終わるのだろうか。
作者であるかもしれないねここでもわからない←

69ピーチ:2012/08/26(日) 19:56:28 HOST:i118-18-142-51.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

まさかのですかww

いつ終わらせるのー?←「終わらせる」を強調ww

70ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/27(月) 20:56:16 HOST:EM117-55-68-149.emobile.ad.jp


「……あたし中学のころはしょっちゅうサボってたけど、高校でサボるの初めてだから緊張するなあ」
「そっか、中学は俺よりサボってたくせにな」
「うっ、うるさい馬鹿!」


 屋上のドアが閉まり、奈々は沈黙に耐え切れなくなったのかもごもごと小さな声で言った。
 俺はハハッと笑いながらそう言うけれど、予想通り奈々がバシバシ背中を叩いてくる。


「あのさ、話したいことなんだけど……」


 俺は戸惑いながらポツリと言った。


「莉乃と、付き合うことになった」


 奈々は動揺を隠せないようで、髪と同じ茶色の瞳を見開いた。
 俺は何も言えなくなって思わず黙ってしまう。


「…………昨日?」
「……奈々と別れたあと、莉乃から電話があって」


 奈々が腕で目を隠してしまった。
 頬に伝う涙が奈々の気持ちをあらわしていて、俺の胸がズキリと痛む。


「俺正直昨日、奈々にドキドキしててさ」
「え……」
「奈々のこと好きかもって思い始めて、そしたら翔が莉乃の背中を押したのか莉乃と俺をくっつけて」


 翔は悪くない、けど。
 翔の協力がなければ絶対俺と莉乃は付き合っていなかった。


 奈々をこんなに傷つけることはなかった。


「……翔が……?」
「ああ」
「……あたし実は昨日、健人と別れたあとに電話で翔に呼ばれたの」


 翔は奈々を呼んでいて莉乃は俺を呼んだのか。
 翔も勇気出したんだな。


「告白されて……でもあたしは健人が好きだから振っちゃった」
「ごめん、俺……本当は莉乃のこと本気で好きじゃないって気づいてて、でも翔のためとか言って付き合ったから」


 顔をふせる俺の背中に、奈々の腕がそっと回った。
 とても暖かく感じる奈々に俺からも思わず手を回してしまう。


「あたし、健人が好きだよ」


 改めて奈々が俺に告白した。


「振られても絶対健人が好き」


 俺もこんな風に強くなってればよかった。
 今自分の弱さに気づいたんじゃ遅いかな。


「……あたしと、付き合ってください」


     ‐

71ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/27(月) 20:57:08 HOST:EM117-55-68-149.emobile.ad.jp

>ピーチ

ど、ドSピーチめ!←
えっとねえっとね!
健人の恋愛に一段落ついたr((

それでさえいつだろう←

72ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/27(月) 21:09:51 HOST:EM117-55-68-149.emobile.ad.jp


「俺も奈々が好き」


 心のもやもやが晴れた。
 花が言っていたのはきっとこのことだろうか。


「……莉乃さん、いいの?」


 奈々が驚いたように俺の顔をじっと見つめる。
 それでさえ愛おしく感じられて、俺は微笑みながら言った。


「莉乃にもちゃんと伝えるし、別れるつもりだよ」
「……っ、じゃああたしも一緒に言う!」
「え……?」


 奈々が大きな声で言った。
 予想外の展開に思わず間抜けな声を漏らすが、奈々は真っ直ぐな瞳で俺に言う。


「だってこれはあたしと健人で解決することだもん。健人にばっか任せられないし、それに……その、彼女だって、知ってもらいたいし……だめ?」


 奈々が上目遣いで控えめにだめ?と聞いてきたが、これで断れるはずがない。
 俺の顔はきっと赤くなっているだろう。
 その状態のまま頷くと、奈々は嬉しそうに微笑んでさらに俺の顔が赤くなったような気がする。


「翔にもちゃんと説明しなきゃな」


 俺がポツリとつぶやくと、奈々が不安気に頷いた。


「殴り合いにならないよね」
「や、なるわけねーだろ」
「だって翔と健人ならやりかねないもん!」
「ないない」


 俺は微笑みながら言ったが、そのあと悪戯っぽく奈々に聞いた。


「それとも、二人で奈々を奪い合ってほしい?」


 奈々は顔を赤らめて数秒後、それを隠すように俺の胸に飛び込んだ。


「健人に愛されてれば他に何にもいらないもん」
「俺もだよ、奈々」


 俺はそっと、奈々の唇にキスをした。


     ‐


 ここで定着かなああななななな←
 莉乃と翔にも説明して、ちょっとラブラブデート的なのして健人編終わりたい!

 そのつぎに健人に振られた莉乃の心情を莉乃編で書きーのなにか問題起こし―のうんたらかんたらーのにする予定。


 莉乃編になるかもわかんないけどね!
 とにかく頑張ります!

73ピーチ:2012/08/29(水) 13:35:46 HOST:i118-18-142-51.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

あはは、あたしはドSだー!!←何の自慢だww

作者様ー!?結局女子の恋叶えちゃったのー!?

74ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/29(水) 20:38:17 HOST:EM117-55-68-53.emobile.ad.jp

>ピーチ

うわあああああああドえすうううううう←
や、なんか莉乃の恋は実らないイメージがあったから((

75ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/29(水) 21:45:27 HOST:EM117-55-68-53.emobile.ad.jp


「莉乃、ちょっと良い?」
「なあに、健人くん」


 一時間目が終わり休み時間、俺は二年校舎に行って莉乃を呼んだ。
 奈々には屋上で待っていてもらっているから、できるだけ早く屋上に戻らなければいけない。


「話したいことがあるんだ」


     ×


 ひゅう、と冷たい風が吹いた。
 屋上の扉を開けるときいつも思うけど、教室や廊下に比べて屋上は涼しい。
 そして日の当たらない日陰に奈々の姿を見つけ、俺は莉乃を連れて駆け寄った。


「……えっと、莉乃さん、ですか?」
「え? あ、はい……えと、健人くん、この子は……」


 奈々がおそるおそる莉乃に話しかけると、莉乃は戸惑ったように頷き俺を見つめた。
 俺は素直に答える。


「俺の――好きな人」


 莉乃が驚いたような表情を浮かべた。
 そりゃ昨日付き合った相手の好きな人が違う人だったら悲しいよな。


「……ごめん、莉乃のこと、好きになれなかった」


 莉乃の悲しむ顔を見れないでいて、俺は俯きながら謝ると、莉乃は明るい声で言った。


「それが健人くんの本当の思いなら、わたしは応援するよ」
「莉乃……」


 俺は思わずパッと顔をあげた。


「わたし……健人くんと付き合ったとき正直あんまり嬉しくなかった」
「は?」
「や、健人くんが嫌いってわけじゃないんだよ? ただ、なんだか無理して付き合われてるような気がして」


 莉乃が微笑むと、俺も思わず表情が緩んでしまう。
 隣にいた奈々も、どうやらほっとしているようだ。


「だから、はっきり言ってくれてありがと」
「莉乃、あのさ……八時の路地裏俺もう行かないほうがいいかな」
「健人くんが来たくないならいいよ、わたしは大丈夫だから……ね?」


 来たくないわけじゃない。
 でも、奈々を見捨てることもできない。
 そう悩んだとき、突然屋上のドアが開いた。


「健人の代わりに俺が行く!」
「翔……」


 思いがけぬ翔の登場に思わず動揺してしまう。
 どうやら話を全て聞いていたようだ。


「健人はもう莉乃のこと好きじゃないし別れたんだから、俺が好きにしていいよな?」
「翔、でも」


 俺が翔の名前を呼んだ瞬間、翔は真剣な顔をして俺に向き合った。


「お前は奈々だけ見て、奈々を大切にしてればそれでいーんだよ」
「……翔はそれでいいのか?」
「人に聞かなきゃわからないような中途半端な気持ちなら奈々と別れろ。莉乃にも近づくな」


 翔にそう吐き捨てられて。



 俺は自分が情けないと思った。


     ‐

76ピーチ:2012/08/29(水) 22:06:25 HOST:i118-18-142-51.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

わっはははーw←ばか。

……梨乃先輩、めっちゃ哀れ…

ってか翔君ひどい言い方だね!?

77ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/01(土) 17:02:41 HOST:EM117-55-68-37.emobile.ad.jp

>ピーチ

個人的に健人のがひどいような←
翔は莉乃のこと庇うためにそういうしかなかったんだよきっと!

78ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/01(土) 17:21:49 HOST:EM117-55-68-37.emobile.ad.jp


「ねえ、翔」


 奈々がゆっくり口を開いた。
 翔に送る視線は冷たくて、莉乃が奈々の目線を見て少し肩を揺らしたのがわかる。


「そんなに健人が嫌い?」


 はっきりとそう聞く奈々に翔は無言になったが、奈々は構わず続けた。


「何でそんな酷いこと言うの? 恋が実らなかったから? でもあたしだったら好きな人の恋くらい応援するよ! 莉乃さんみたいに!」


 奈々は一息でそう言ったあと、ふうとため息を吐いた。
 そして翔がやっと答える。


「奈々がそんなやつだと思わなかった」
「え……? 何それ」


 奈々が動揺するが、正直俺も何で翔がそんなこと言うのかがわからなかった。
 けれどちらりと翔の隣に目を遣った瞬間、俯きながら肩を震えさせてきっと泣くのをこらえている莉乃の姿を見て、気づいた。


「今一番苦しいのは莉乃なんだよ! 好きだったやつが他の女の元に行って、そんなやつの近くに居れるわけないだろ!」


 そうだ、俺が奈々のところに行って、莉乃は笑顔で応援してくれたけど悲しかったはずだ。
 俺だって莉乃が翔のことを好きって知ったとき悲しかったし、でも応援したいと思った。心の隅に悔しさを抱えながら。


「……あたしは……よくわかんないよ」


 奈々が俯き、ぽつりとつぶやいた。


「健人も翔も大事で、莉乃さんも健人の話聞いてるとき凄い良い人って感じしかしなくて……だからわかんないの」


 奈々が泣き出して、翔は少し動揺していた。


「誰かが傷つかなきゃ実らない恋なら、あたしいらない……」


 奈々の言葉を聞いて俺も驚いたけど、奈々なら言いかねないことだからそれを予想していた自分もいたし俺の我侭で別れたくないとは言えないなと思った。
 そのとき、俯いていた莉乃が顔をあげて奈々の腕をつかむ。


「いらないなんて言わないで!」


 動揺する奈々。
 翔も驚いていてぽかんとした顔をしていたが、きっと俺もそんな表情をしているんだろう。


「奈々ちゃんが健人くんと別れたら健人くんが傷つくんだよ! 奈々ちゃんの好きな人が傷つくんだよ……それに、わたしも悲しいよ」


 莉乃は溜めていた涙を流して、再び俯いて力なく言った。


「お願い……健人くんを傷つけないで……」


 莉乃はいつでも、俺のことを思ってくれている。
 奈々もそれをわかったのか、真剣な瞳で莉乃を見つめて言った。


「あたし、健人のこと大事にします。健人との関係、ずっとずーっと大事にします!」


 だから泣かないでください。
 笑いながらそう言う奈々に、莉乃の表情にも笑顔が生まれた。



 一件落着かな。



     ‐


 とりあえず健人編完結の予定←
 次莉乃ちゃん編に入りたい!

79ピーチ:2012/09/01(土) 17:36:37 HOST:nptka205.pcsitebrowser.ne.jp
ねここ>>

奈々ちゃん優しい…!!

対する翔君冷たすぎ!

莉乃先輩は凄い勇気あるね!

好きな人を応援出来るって!

健人君編お疲れ様ー!

次を待ってるにゃあww

80ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/01(土) 20:24:47 HOST:EM117-55-68-21.emobile.ad.jp

>ピーチ

莉乃編で翔の好感度が上がるようにがんばります←
奈々は基本いい子だよー
猫ピーチww
かわいいw

81ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/01(土) 20:38:13 HOST:EM117-55-68-21.emobile.ad.jp


   × 莉乃編 side莉乃


 真っ暗な空に浮かぶ小さな光を見つめながら、ぎゅうっと猫を抱きしめた。
 ミルクのように白くふわふわした毛並をしている猫はとても暖かく、まるでわたしを慰めてくれているように思えてくる。


「……帰ろ」


 八時五十分――八時からずっとあの人の姿を待っていたけど、もう来るはずない。
 あの人は、健人くんはもう、わたしの傍にいちゃいけないから。
 わたしがそう言ったんだ。もう来なくていいって。だから、泣いちゃいけない。


「泣いちゃいけない、のに……」


 目から溢れ出す暖かい涙を上手く止められず、わたしは猫に顔を埋めながら泣いた。

 奈々ちゃんははっきり自分の思いを伝えて、振られても頑張って。
 翔くんは悪者になってまでわたしを庇ってくれて。
 健人くんは、みんなにちゃんと本当のことを言ってくれた。

 みんな年下なのに、本当にすごいと思う。
 なのにわたしは自分の思いも一人で抱え込んだままで上手く気持ちを伝えられなくて。


 ぶわっと今まで以上に涙を流した瞬間、足音が聞こえてきた。
 それは次第に大きくなって、近づいてくる。
 もしかして、と思って涙があふれた顔のことも忘れて振り向くと、そこにはあわてて走ったような息切れした翔の姿があった。


「……翔」
「なんでっ……一人で抱え込んでんだよ!」


 翔は荒い息を整えるように膝に手をつきながらわたしに言った。
 その通り、なんだけどな。


「奈々と健人のこと! 本当は譲りたくなかったんだろ?」


 そうなのに。
 その通りなのに。


「……っ、そんなこと、ない……わたしは健人くんが幸せになってくれればそれで……っ?!」


 涙でぐちゃぐちゃな顔を隠すように俯いてそう言った瞬間、翔の手首をぐいっと引っ張られた。



 そして、わたしの唇と翔のそれが、ほんの一瞬重なった。



「失って初めて自分の気持ちに気づいたんだ」


 翔が苦笑しながら言う。
 健人くんより少し乱暴なそのキスに、呆然としているわたしを余所に。




「俺、莉乃のこと好きみたいなんだ」


     ‐

82ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/01(土) 20:55:16 HOST:EM117-55-68-21.emobile.ad.jp


 きっと翔の得意の冗談だ。
 そう思って受け流そうとしたが、どうしてもさっきのキスのことをわすれられない。


「ほんと……?」


 疑わしくなったわけではないが、呆然としていたわたしの聞き間違いかもしれないと思い翔に確認した。
 翔は頷きながら、わたしに真っ直ぐとした瞳を向けてくる。
 わたしも、ちゃんと答えなきゃ。そう思って翔に言った。


「わたし、今の気持ちがわからないの」


 頭の中でぐるぐる回る、さっきの出来事。
 もう、よくわかんないよ。


「……気持ちの整理とか、そういうのもできてないの」


 健人くんと別れて、それで翔にキスされて。
 わからない、翔の気持ちが。
 なんでわたしのことが好きなんだろう。


「だから、もう少し待ってほしい、な……」


 おそるおそるそう言うと、翔はうーんと少し首をひねったあとうなずいた。


「ん! 我慢する!」


 翔は我慢が苦手なのに、我慢させちゃってわたしってひどいな。
 そう思いながら、それでも子供っぽくうなずいた翔に微笑んだ。


「あ、やっと笑った」
「え?」
「莉乃、ずっと笑わねーんだもん」


 にこっと微笑む翔に、わたしは思わずもっと笑ってしまった。
 そして流れで翔がさらりと言う。


「あ、明日七時半にコンビニ前集合な」
「え? なんかあるの?」


 わたしが思わずそう聞くと、翔はぽふんとわたしの頭を撫でて微笑んだ。


「一緒に学校行くに決まってんじゃん」


 動作停止数秒後、わたしは翔に聞く。


「健人くんと奈々ちゃんは……」
「二人は俺がいないほうがいいでしょ」


 翔はどうなんだろう。


「翔は、つらくないの?」
「え、なんで?」
「だって奈々ちゃんのこと好きだったじゃん」


 わたしが聞くと、翔はもう一度微笑んで答えた。


「だって今俺が好きなのは莉乃だもん」


 無邪気にそういう翔に顔が赤くなってしまったのは言うまでもない。


     ‐

83ピーチ:2012/09/01(土) 20:59:20 HOST:i118-18-142-51.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

にゃあーw

梨乃先輩いぃぃぃ!!!

翔君めちゃいきなりww

結局、梨乃先輩って健人君のこと好きだったのかにゃあ?←ネコww

84ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/01(土) 21:42:02 HOST:EM117-55-68-21.emobile.ad.jp


「むううぅ……」


 難しい顔をして携帯と睨めっこしていると、隣に居たお兄ちゃんに苦笑された。


「なにやってんの、莉乃」


 お兄ちゃんは高校三年生で、わたしと同じ学校で生徒会長を務めている仮にも凄い人だ。
 わたしはお母さんが過保護すぎて最初はお兄ちゃんと違う高校だったのに同じ高校に転校させられただけなんだけど、改めてお兄ちゃんが凄い人だったと知れて少し誇らしく思う自分がいる。


「あのさお兄ちゃん」
「んー?」
「前好きだった人には他に好きな人がいたのに、急にその人が自分のこと好きって言いだしたら信じられる?」


 自販で買ってきたのであろうアクエリアスを飲むお兄ちゃんに聞くと、お兄ちゃんは突然ブッとアクエリアスを吹き出した。
 わたしはそんなお兄ちゃんを余所に返事を待つ。


「……ふつうに信じるけど」


 きょとんとするお兄ちゃん。
 やっぱり鈍感というかなんというか……


「お兄ちゃんの彼女が可哀想」
「な、なんだよそれ! えええ、なんか兄に対する感謝の気持ちとかねえの?!」
「……だってよくわかんない回答されても感謝のしようがないもん」


 たまに、本当にたまにだけど、お兄ちゃんが家族じゃなければいいのにって思う。
 お兄ちゃんが家族じゃなかったら、ぜったいあたしお兄ちゃんのこと好きになってるもん。
 こんなに難しく悩まなくたっていいんだもん。


「まあ、高校の恋愛は悩むもんだぜ」
「そういうものなのかなあ……」
「ああ、悩んで自分が納得する結果出せばいいじゃん」


 陽気に微笑むお兄ちゃんの笑顔が翔の笑顔と重なった。
 これはもしや、とわたしの気持ちにまた変化があらわれる。


「お兄ちゃんもね」
「えっ?!」
「告白メール、ちゃんと相手が傷つかない返信しなよ」


 実は昨日見てしまったのだけど、お兄ちゃんが五人くらいの女の人に告白されていた。
 鈍感なお兄ちゃんだからきっと真に受けて悩んでいただろうし、お兄ちゃんも頑張れればいいな。


「じゃあ、おやすみ」
「うえ、あ、はい。おやすみなさい……え」


 お兄ちゃんの気持ちをあやふやにさせたまま、わたしはベッドへ向かった。


     ×


 携帯の時刻を見つめながらため息を吐く。
 待ち合わせは七時十分の予定なのに、思わず十分も早く来てしまった。
 デートでもないのに、こんなに早く来てる自分が恥ずかしくなってきた。

 この時間帯に登校する生徒に顔を見られないように、コンビニ前の隅に隠れて顔を隠すように俯く。
 すると、突然後ろから肩を叩かれた。


「きゃっ」
「よ、莉乃!」


 聞きなれた声に振り向くと、そこには楽しそうに笑う翔の姿があった。
 なんで、わたし十分前に来たのに。


「莉乃のことだから緊張して早く来ちゃうだろうなーって思って」
「わ、わたしは翔のことだからきっと二十分くらいにならなきゃ来ないと思った」
「寝坊したけど走ったもん」


 得意げに笑う翔に苦笑を浮かべる。
 ちゃんと返事、しなきゃな。
 もう少し、気持ちの整理に時間はかかりそうだけど。


「ねえ翔ー?」
「んー?」
「わたし、幸せだよ」
「え?」


 翔は呆然としていたが、わたしは子供っぽく笑ったままそんな翔を置いて前へ進んだ。


「わたしのことを思ってくれてる人がいて、幸せ」


 だからありがとね。
 そう言うと、翔は走って駆け寄ったあとわたしの頬にキスしてきた。

 人前だったからわたしの顔はきっと赤くなってたけど、翔が楽しそうだからいいかな。


     ‐

85ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/01(土) 21:42:56 HOST:EM117-55-68-21.emobile.ad.jp

>ピーチ

莉乃は健人のこと好きだけど、今ははたしてどうなってるのでしょうか←
猫かわうぃいいいいっうぃ((

86ピーチ:2012/09/02(日) 08:44:53 HOST:i118-18-142-51.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

わぁー!?これかなり脈ありー!?←

……ネコキャラ、あたしのキャラにしよっかなぁ…

87ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/02(日) 10:01:01 HOST:EM117-55-68-173.emobile.ad.jp

>ピーチ

なんとなく莉乃のお兄ちゃんがお気に入り←
脈ありかなああああぁあ!←

うんうんかわいいと思うよねこ!

88ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/02(日) 10:19:00 HOST:EM117-55-68-149.emobile.ad.jp


 授業の一時間目が始まって、ぼーっと黒板を見つめていると携帯が鳴りだした。
 もちろんバイブ音だから周りにはバレてない。
 そっと携帯を手に取ると、翔から屋上にきて、というメールが来ていた。


「先生、具合悪いんで保健室行ってきます」
「ん? あぁ……お大事になー」


 先生がちらりとこっちを見てそう言った。
 この高校はわたしが前通っていた高校よりゆるくて、サボっても何も言われない。
 あ、でもでも。美鬼先生はちょっと別かも。

 そんなことを考えながら、翔がいるであろう屋上へと足を進めた。
 翔に会えると考えると、不思議と足取りが軽くなっていったような気がする。


     ×


「お、やっとそろった」


 翔が微笑んで言った。
 そろったってどういう意味だろう、と考えるが翔の隣にいた奈々ちゃんと健人くんの姿を見てそういうことかと思った。


「今日は提案があってみんなを呼びました!」


 翔が悪戯っ子のような目をして無邪気に笑いそう言った。
 きっと何か企んでいるんだろうとため息を吐くが、翔は気にせずにこにこ。


「今度の日曜日、このメンバーで遊園地行こうぜ!」


 何を言い出すかと思ったらまさかそんな。
 わたしがまだ辛いのわかってて、健人くんと奈々ちゃんいっしょにいるところを見させるわけではないだろうな。
 それでも、翔の楽しそうな顔を見ていたらそんなことどうでもよくなった。


「わたしは賛成だよ」


 健人くんがわたしを見て少し驚いていたような気もするけど、それでさえなんだか辛く感じる。
 またもやもやしてきて、わたしはそっと視線をそらした。


「あたしも賛成だよー!」
「じゃ、じゃあ俺も」


 奈々ちゃんと健人くんも賛成して、翔が微笑んだ。
 そして翔が健人くんをじっと見て一言。


「莉乃に、俺が健人より良い男だって見せつけるから!」


 それは真剣で、そして楽しげな翔の表情を見て思わず笑ってしまった。
 もう、健人くんより良い男なんじゃないのかなあ。


「楽しみにしてるね」


 わたしがそう言うと、翔はぽっと頬を赤らめてからぶんぶん頷いた。


 日曜日、楽しみだなあ。


     ‐


 莉乃の心情は書いてて楽しいです!
 健人編よりも←

 ただ一つ欠点があってですねー、莉乃編を書くと健人や奈々や翔のことをあまり書けないんですよorz
 学年違ってあんまり学校で接点ないから(´;ω;`)
 とりあえずヤケクソで遊園地に行きます!
 莉乃編は遊園地に行ってまたうだうだしそうだなああああああ。
 とりあえず莉乃ちゃんかわいい奈々ちゃんかわいい。

89ピーチ:2012/09/02(日) 11:26:11 HOST:i118-18-142-51.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

梨乃先輩いぃぃぃ!!!奈々ちゃあぁぁぁぁん!!!

……梨乃先輩の学校って、色んな意味で凄いw

遊園地でうだうだはNO!!←うるせぇw

梨乃先輩&奈々ちゃんかわいいにゃあww

90ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/02(日) 15:51:04 HOST:EM117-55-68-136.emobile.ad.jp


 ――早く着きすぎてしまっただろうか。
 翔とは中学のころも何度か遊んだことがあったけど、やっぱりこういうのは慣れない。
 わたしは予定より三十分も早く駅についてしまったことを後悔しながら、ぎゅっと携帯をにぎった。

 とぼとぼと、改札口近くへと足を進める。
 その途端に鳴りだす携帯。


「もしもし、翔?」


 電話の相手は翔で、きっと遅れるとかそういうのなんだろうなあと思っていた直後、人混みの奥に翔の姿を見つけてしまった。


「翔? なんでいるのっ?」


 電話を切って翔の元へ走ると、翔はいつもの悪戯っぽい笑顔を見せて言った。


「何でって、莉乃を一人にしないために決まってんじゃん」
「でもまだ三十分も前だよ?」
「莉乃ならそれくらいに来るだろうなって思ってさ」


 翔は、わたしのことなんでもわかってる。
 わたしがさみしいときは知らないふりして傍にいてくれるし、何も言わなくても慰めてくれたりする。
 今日こそ、ちゃんと言わなきゃ。

 そう、思ったとき。


「あ、翔! 莉乃さんもー」


 楽しそうに手を振る奈々ちゃんの姿。
 隣にはそわそわして落ち着かないような健人くんの姿もあって、この二人はあいかわらず仲良しだなあと思った。


「なんだ、予定より二十分以上早いのにみんなそろったじゃん」


 翔がつまらなさそうにつぶやいた。
 もしかして、わたしと二人の時間をつくってくれるつもりだったのかな。
 翔の優しさにわたしは笑って言った。


「遊園地、二人になりたいね」


 もちろん健人くんや奈々ちゃんには聞こえないように小声で。
 ぽっと顔を赤く染める翔を見て、楽しい日になりそうだなと思った。


     ×


「遊園地っつったらやっぱジェットコースターだろー!」
「早く乗ろうよ!」


 はしゃぐ翔と奈々ちゃんに苦笑するわたしと健人くん。
 わたしは翔にやや強引に腕を引っ張られて、初っ端からかなりハードそうなジェットコースターへと連れていかれた。

 並び順は一列目に翔とわたし、二列目に奈々ちゃんと健人くんという形になってしまった。
 何でわざわざ一列目なんだろう。


「ね、ねえ翔……これっていつ出発するの?」


 ジェットコースターに乗せられたまま、わたしは小さく震えていた。
 だって絶叫系なんてあんまり乗らないし、やっぱりわたしはベンチに座って見ていたほうがいいんじゃないのかな。


「そろそろ行くと思うぜ」


 翔がそう言ったところで、ジェットコースター出発のアナウンスが入った。
 ああ、もう逃げられない。
 覚悟を決めてぎゅっと目をつむった。

 ジェットコースターが動き出す。
 そしてカタカタとゆっくり、上へ上へとのぼっていった。


「しょ、翔……」
「大丈夫、死なないから」


 死ななくても怖いものは怖いよ!
 いったい翔の頭の中はどうなっているんだろうと思いかけた瞬間、一気にジェットコースターがスピードをあげた。


「っ!!」


 落ちるような感覚。
 口の中から魂が飛び出てきそうだ。

 わたしは声にもならない悲鳴をあげていたのだが、翔といえばやっふー!なんて楽しそうに叫んでいる。


 ジェットコースターが止まった。
 一気に力が抜ける。


「楽しかったな!」
「楽しかったねえ!」


 翔と奈々ちゃんの楽しげな声が聞こえたけど、わたしはそのまま固まってしまっていた。
 そのとき、健人くんがわたしの背中に触れて顔を覗き込んできた。


「莉乃、大丈夫?」


 じんわりと、健人くんに触れられたところが熱くなる。
 顔も赤くなってきたような気がした。


「だ、だいじょうぶ……だよ」


 翔に優しくしてもらっても。
 健人くんのことを忘れられないよ。


     ‐


 いい加減莉乃健人のこと呼び捨てにしないかな←
 くん付けめっちゃ書きにくいですw

 そして遊園地でのハプニング!といえるほどのものじゃないけどハプニングでした。
 これからどうしようかなあw

91ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/02(日) 15:51:59 HOST:EM117-55-68-136.emobile.ad.jp

>ピーチ

男子二人も見てやってくれ←
莉乃の学校はすごいゆるいからねー
遊園地でうだうだw
最悪だよね←

92ピーチ:2012/09/03(月) 13:38:34 HOST:i118-18-142-51.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

……そんな学校が羨ましいデス。

いや、最悪ではないと思うけどww

93ZX:2012/09/03(月) 14:53:55 HOST:softbank126042109047.bbtec.net
私休み時間、いつものように友達と話してたら、ある男友達に、「Aがお前のこと呼んでるから、階段の一番上の所行って」って言われたんです。なので、私はすぐに階段の所に行ったんです。そこには、言われたとおり男友達Aがいました。Aに、「あっ、来た来た」と言われ、「何?告白〜?(笑)」と、冗談で言ったら、「・・・うん。俺、お前のこと好きなんだ」と、Aに言われちゃいました。びっくりして、私は固まってしまいました。私は、Aの事はただの男友達だと思っていたので、何も言えませんでした。私が固まっていると、急にAに押し倒されました。そして、Aに私の胸を揉まれました。私は、抵抗しました。「ちょっ・・・やめてよ!」そう言ったのに、Aは胸を揉むのをやめません。いつの間にか上の服まで脱がされ、ブラジャーも取られました。「お前、意外といやらしい体してんだな」と言われ、ますます恥ずかしくなってきました。さっきよりも強く胸を揉まれ、乳首を吸ったり舐めてきました。私は、嫌だと思っていても何も言えず、「んっ・・・あぁんっあっあぁそこそこあぁんきもちいいゎもっともっと!」と、甘い声を出してしまいました。そのまま、スカートとパンツまで脱がされて、私は全裸になりました。Aは、私のあそこに指を突っ込んできました。そして、あそこをなめました「じゅぷじゅぷ」と、気持ち良い音がしました。それからしばらく、Aにいろんな事をされていると、先輩が来ちゃったんです!(男の。)その先輩とは、Aの部活の先輩で、私の好きな人なんです。先輩は、私を見て、顔を赤くしました。そして、いつの間にか、先輩まで私の体を触ってきました。でも、先輩は私の好きな人なので、抵抗はしませんでした。そのまま、何分か過ぎていきました・・・。
どうでしたか?興奮しましたか?
実はこの時、先輩は携帯電話で写メを撮っていたんです。その写メ、私は先輩から貰いました。この写メ、見たくないですか?
この文章を、どこかの掲示板に1回貼れば、
[                    ]

94ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/03(月) 16:25:27 HOST:EM117-55-68-36.emobile.ad.jp

>ピーチ

大体ねここの妄想でつくられた高校←
ねここは遊園地行ってまで恋に悩みたくないw

95ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/03(月) 16:37:18 HOST:EM117-55-68-36.emobile.ad.jp


「でも莉乃、なんか顔赤くね?」


 健人くんにさらに顔をのぞきこまれ、もっと真っ赤になってしまったような気がする。
 すると健人くんは動揺してわたしの腕を掴みながら言った。


「莉乃やっぱ具合悪いだろ?」


 近くにあったベンチに座ると、翔も焦りながら言った。


「やべえ莉乃! ごめん、ジェットコースター嫌がってたのに乗らせて!」
「ちが、その所為じゃないよっ!」


 あわてて否定したけど、ジェットコースターの所為じゃなく健人くんの所為だなんて言えない。
 翔は何か冷たい飲み物買ってくると何処かへ行ってしまい、奈々ちゃんもそれについて行ってしまった。
 健人くんと二人残されたわたしはポツリと小さな声で言う。


「健人くん」
「ん?」
「最後にお願い、聞いてもらえないかな」


 健人くんは不思議そうにわたしを見つめながら、それでも頷いてくれた。
 これが、最後の我侭だから。


「二人で、観覧車に乗りたい」


 これ以上一緒にいるともっと好きになってしまう。
 だから、離れなきゃだめだ。


「いいよ」


 わたしの言葉の意味を察したのか、寂しげにさらりとわたしの髪の毛を撫でる健人くん。
 心地よくて涙があふれてきた。


「……最後、だからっ」
「…………うん」


 少し遅れて聞こえてきた、健人くんの返事。
 涙を隠すように顔を覆いながらも健人くんを見つめると、健人くんも顔を隠すように手の平で覆っていた。


「泣いてる、の?」
「ちが、目にゴミが……」
「健人くん」
「な、なに?」


 泣いていることを誤魔化す健人くんに、わたしは思わず微笑んで言った。


「ありがとね」


 笑わせてくれただけじゃない。
 健人くんは短い間でわたしにたくさん思い出をくれた。
 わたしも健人くんには幸せになってほしいから。



 だからね、最後にするの。


 まるであの時の感覚がよみがえったようにそっとお互いの指を絡めた。
 翔と奈々ちゃんが帰ってくるまで、ほんの少しの間の幸せ。


 ずっと離れたくなかったのに。


 翔と奈々ちゃんの声が遠くから聞こえて、わたしたちはそっと手を放した。


     ‐


 切ない(´;ω;`)
 や、切なくもないかな……((

96ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/03(月) 16:54:26 HOST:EM117-55-68-36.emobile.ad.jp


「ただいまー……ってあれ? なんか健人も目元赤くない?」


 奈々ちゃんが健人くんの変化に気づき、背伸びして健人くんの目元に触れた。
 彼女だからとかじゃなくて、これは幼馴染でずっと一緒にいたから余裕でできることなんだと自分に言い聞かせる。
 でも、ずるい。


「莉乃」
「な、なに?」


 翔が真剣な顔でわたしを見つめてきて、思わず動揺してしまった。
 

「ちょっと来て!」


 強引に腕を掴まれ、ちょっとびっくりしてしまい引っ張られながらちらっと健人くんのほうを見てしまった。
 健人くんも、不安そうな表情を浮かべている。
 心配してくれてるんだなって思って、少し安心してしまった。


     ×


「健人に何かされた?」


 何かのアトラクションの列なのか、とても人が並んでいるところの最後尾にわたしたちも並んだ。
 翔はぎゅっとわたしの腕を掴んで聞く。


「別に何もされてないよ」


 嘘じゃない。
 嘘じゃないけど……進展もしてないけどちゃんと話せるようにはなった。


「嘘だ。なんか様子変だし」


 わたしってわかりやすいタイプなのかなあ、と少し自分の性格に自信をなくしたあと、わたしは曖昧に答えた。


「何もなかったって言ったら嘘になるけど、何かされたわけでもないもん」


 その瞬間、不意打ちで翔の顔が近づいてきた。
 キスされると思ったわたしはとっさに翔から離れてしまう。

 翔は驚いた顔をしながらわたしを見つめた。


「ごめん、なさい……」
「俺のこと、嫌いになった?」


 なんかよくわかんない。
 涙があふれてくる。

 ふるふると首を左右に振りながらわたしは言った。


「嫌いじゃない、けどっ……よくわかんないの……」


     ‐

97ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/03(月) 17:18:12 HOST:EM117-55-68-36.emobile.ad.jp


「今俺に付き合ってって言われて、莉乃は自身持って頷ける?」


 翔が優しくわたしの頭を撫でてそう聞いた。
 さっきの健人くんの顔が思い浮かび、わたしはふるふると左右に首を振る。


「ごめんね……わたし、やっぱり健人くんが好き」


 あふれる涙を袖でふいて、真っ直ぐ翔を見つめて言った。
 翔はもっと嫌な反応をするかと思っていたら、にこりと笑顔になって言った。


「そっか、それなら応援するわ!」
「え……?」
「でも、いつか絶対俺の彼女にするから覚悟しとけよなー」


 無邪気に笑ってくしゃくしゃ髪を撫でる翔。
 そしてわたしの腕を優しく引っ張って列を抜けた。
 残りあと少しでアトラクションに乗れたのに、と思っていると、翔は笑ったまま言った。


「だってこれ観覧車の列だぜ? 最初に乗るのは俺じゃないだろ」


 翔、わたしと健人くんが話してたこと知ってたんだ。
 ということは奈々ちゃんも?と考えるがそんな恥ずかしいこと聞かれてたらわたしの心が持たないから考えないことにした。

 なんだかわたしと奈々ちゃんのあいだには大きな壁があるような気がする。
 恋のライバルっていうのかはよくわからないけど、その所為だけじゃなくてもっと大きなもの。

 わたしが奈々ちゃんに対していいなとか、ずるいとか思う気持ちもあるんだろうけどそうじゃないような気がしてならない。


 疑問を抱えながらも、わたしと翔は健人くんと奈々ちゃんのところへ戻った。


     ×


「はい! てことで次はお化け屋敷な!」


 テンションMAXな翔の提案により強制お化け屋敷の時間がやってきた。
 あいかわらず大はしゃぎな奈々ちゃんと翔に苦笑すると、翔がかしこまったように言う。


「えー、本日はハラハラに加えドキドキ感を出そうと思いましてですねえ」


 どうせ翔のことだからよからぬことを企んでいるのだろう。


「くじ引きでペア決めして行きたいと思いまーす!」


 翔が提案した瞬間、大喜びだった奈々ちゃんのテンションが急激に下がっていった。
 健人くんのお化け屋敷に行きたかったのだろう。


「まあ、同性同士になっても我慢すること」


 ドキドキ感なんて全然ないじゃんそれじゃ!とツッコミを脳内でいれながらくじを引くと、わたしが引いたくじにはAと書いてあった。
 そして翔と奈々ちゃんと健人くんも結果を見る。


「あたしBだったー!」


 奈々ちゃんがそう言うと、翔もそれに乗っていった。


「俺もBだ」


 奈々ちゃんと翔で「え、お前かよ」の言い合いをし始める。
 てことはわたしのペアって。


「俺、Aだった」
「わたしもA……てことは、健人くんとペア?」


 嬉しいような、そわそわするような気持ちになってわたしは思わず俯いてしまった。
 ドキドキを通しこして心臓が止まりそうだ。


「はーい……じゃあ各自適当に楽しんでこーい……終わったらここのベンチ集合な……」


 テンションが下がりまくった翔がぼそぼそと小さな声で言った。
 なんだか罪悪感がうまれて苦笑してみたけど、健人くんと一緒にいれる時間が増えて嬉しい。


 これ以上好きになったらだめなのになあ。


     ‐

98ピーチ:2012/09/03(月) 19:08:55 HOST:i118-18-142-51.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここ>>

羨ましいよねー!!

校則ゆるい学校ww

翔君……自分の提案で墓穴掘ったかww

99ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/03(月) 21:08:05 HOST:EM117-55-68-21.emobile.ad.jp

>ピーチ

そんな高校に入りたいわ←
翔残念w
奈々も残念だけどねw

100ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/03(月) 21:08:16 HOST:EM117-55-68-21.emobile.ad.jp


 ▼ 100レス記念

 最初に一言。
 100レスありがとうございます!!

 元々ねここの掲示板でいろいろ候補あげて書いてたんですけど
 勝ち残ったわけでもなく突然うにゅっと出てきて更新されていっているのがこのLove the squareでした。
 ねここの掲示板で書いていた小説は残念ながらボツとなり、放置中。

 そこで、キャラクターたちの関係や裏情報について詳しく!
 (前も書いたことがあるような情報でもどや顔で載せちゃいます☆)


 →健人
 無自覚天然で有名な健人は学校の人気者(本人は自覚していない)。
 それはまた曖昧な野郎で書きづらいやつ。
 発言する語尾がねここでもよくわからないくらい優しい←
 鈍感すぎるが故空回りすることも多々ある残念ボーイw
 女の子に泣かれると弱い。
 奈々と付き合っているが、莉乃のことをいつも心配している。

 →莉乃
 自分が可愛いということに気づかない無自覚な女の子(個人的に一番可愛いと思っていry)←
 言葉を濁らせることも多々あるが、最終的にははっきり真っ直ぐ気持ちを伝える良い子。
 莉乃ちゃんスマイルに思わず頬を赤らめてしまう男子生徒多発。もしかしたら女子生徒も顔赤くなってるかも。
 こちらもまた鈍感で空回りをすることが多々あるが、泣きながら頑張る可愛い子。
 甘えん坊で寂しがりやで恥ずかしがり屋。
 翔と健人にたくさん泣かされてる←
 お兄ちゃん溺愛なブラコンかと思いきやたまに冷たい。

 →翔
 気まぐれでマイペースな野郎←
 ただいま莉乃溺愛中な空回りボーイ。
 少々乱暴だけど相手の気持ちをしっかり理解できるところが唯一のモテポイント((
 健人と奈々とは幼馴染で、奈々は元好きな人。
 奈々を好きだったが莉乃の誤解が解けた直後、莉乃がたまに見せる弱みや涙にぐっときて惚れる単純なやつ。
 すごく一途で彼女想い。
 楽しいことがあるとテンションが上がるが、気分が悪いときは本当に不機嫌。
 喜怒哀楽が激しい。

 →奈々
 何度も言うけど莉乃とは違う素朴な可愛さを持っている。
 甘えたり泣いたりすることは本当に心を許してる人の前でしかしない。
 小説中で莉乃が心でぼやいてた奈々とのあいだの大きな壁は奈々が心を開いていない、というか莉乃を嫌っていることが原因かもしれない←
 負けず嫌いで素直。少々強引なところもあるけど控えめな健人とは相性ピッタリ。
 ただ、最近健人が莉乃を気にしていることに少し不満な様子。
 テンションの上げ下げが激しく、翔とは生まれたときからずっと一緒にいる幼馴染。
 健人より翔のほうが付き合いは長い。

 →未月花
 クラスのキュートガール賞を受賞しちゃうくらいクラス1可愛い子。
 メイン4人が鈍いため、そのお手伝いをする恋に敏感な女の子。
 健人を見てきゃーきゃー騒ぐ周りの女子とは違うということを認められ、奈々にも信頼されている。
 こう見えて女子集団が苦手で自分につづいて行動する女子たちを苦手としている。
 範囲を広げれば学年1可愛いが、学校になると莉乃という強敵が(ry
 恋の先生役。

 →美鬼
 仮にも理科の教師。
 音楽の先生とは仲が良く、普段は一緒にいる。
 ちなみに理科の教師になった理由は実験方法を教えながら生徒と密着するためだったりすr((
 かっこいい男子に目がなく、気になればやたら胸を押しつけてアピールする。
 恋する女の子に甘く優しい。
 20代から40代という噂まででているが本人いわく「永遠の18歳よ☆」だそうd((


 ふわー
 おつかれさまでした!←

 どうでも良い情報満載でしたが、これからもLove the squareをお楽しみください!


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