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Love the square
38
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/08/19(日) 19:35:59 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp
「腹へった」
何とか午前の授業を終えて、やっと昼食タイム。
特に決まり事はないから、購買で買ったりお弁当を持ってきたりしてそれぞれが好きな場所で昼食を食べていた。
俺と翔は最初のうちは母さんが張り切って弁当を作ってくれていたのだが、俺たちが学校に慣れていくにつれて弁当作りに飽きてしまったのか今は購買でパンを買っている。
それにしても腹がへったとお腹をさすりつづける翔に俺は苦笑した。
「朝食べてないの?」
「……ご飯三杯とおにぎり五個と味噌汁と魚とゼリー三個とアイス二本食べた」
俺は呆れて何も言えなくなって、そっと俯きながら購買へ足を進めた。
いつも通り人であふれる購買。
でもここの購買以外にもう一つ、ほんの一部の生徒しか知らない購買がある。
俺と翔や奈々は基本的にそこに行っているから、まるで獲物をとるような感覚でパンに食らいつく生徒をよそに俺たちは音楽室へ向かった。
×
「……何で先生がいるんですか」
隠し購買と呼ばれる音楽室の中に、セクハラ先生がいた。
一時間目にサボったことをまだ根に持っているようで、俺をビシッと指差しながら言う。
「ちょっとイケメンくん! あなたお仕置きもうけないでお昼食べようなんてそんな甘いことッ――」
「ほらほら、美鬼(みき)先生? 彼らも成長盛りでお腹が空いているだろうし、意地悪はやめてあげなさい?」
このセクハラ先生、美鬼先生っていうのか。
俺はなんとなく納得したようにうなずいてみたが、それより購買のおばちゃん役の白衣を着た人はとても優しかった。
「あの……」
少し気になって、一つだけ聞いてみる。
「もしかして、音楽の先生、ですか?」
「あらやだ、わたしが音楽の教師だって知らない人なんて居たのね」
「……気づかなかったッス」
隠し購買おすすめのコーヒーパンを買う。
翔はもう食べ終わっていたようで、あいかわらず早食いだなとため息をついたその瞬間――
「あれ、莉乃」
音楽室のドアが開いたと思ったら、そこには友人らしき先輩をつれた莉乃がいた。
翔に紹介しようとすると、翔はめずらしくあせった表情を浮かべている。
「――翔ッ」
莉乃は、俺の名前を呼ばずに真っ先に翔の名前を呼んだ。
嫉妬――よりも疑問が大きかった。
莉乃と翔は知り合いなのか?
二人に聞こうとした瞬間、翔は莉乃に冷たい目線を向けて一言言い放った。
「話しかけてくんなよ」
……なんで。
聞こうと思っても聞ける雰囲気じゃなくて、莉乃なんか相手にしないで音楽室を去る翔の背中をただただ見つめていた。
‐
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