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Love the square

84ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/09/01(土) 21:42:02 HOST:EM117-55-68-21.emobile.ad.jp


「むううぅ……」


 難しい顔をして携帯と睨めっこしていると、隣に居たお兄ちゃんに苦笑された。


「なにやってんの、莉乃」


 お兄ちゃんは高校三年生で、わたしと同じ学校で生徒会長を務めている仮にも凄い人だ。
 わたしはお母さんが過保護すぎて最初はお兄ちゃんと違う高校だったのに同じ高校に転校させられただけなんだけど、改めてお兄ちゃんが凄い人だったと知れて少し誇らしく思う自分がいる。


「あのさお兄ちゃん」
「んー?」
「前好きだった人には他に好きな人がいたのに、急にその人が自分のこと好きって言いだしたら信じられる?」


 自販で買ってきたのであろうアクエリアスを飲むお兄ちゃんに聞くと、お兄ちゃんは突然ブッとアクエリアスを吹き出した。
 わたしはそんなお兄ちゃんを余所に返事を待つ。


「……ふつうに信じるけど」


 きょとんとするお兄ちゃん。
 やっぱり鈍感というかなんというか……


「お兄ちゃんの彼女が可哀想」
「な、なんだよそれ! えええ、なんか兄に対する感謝の気持ちとかねえの?!」
「……だってよくわかんない回答されても感謝のしようがないもん」


 たまに、本当にたまにだけど、お兄ちゃんが家族じゃなければいいのにって思う。
 お兄ちゃんが家族じゃなかったら、ぜったいあたしお兄ちゃんのこと好きになってるもん。
 こんなに難しく悩まなくたっていいんだもん。


「まあ、高校の恋愛は悩むもんだぜ」
「そういうものなのかなあ……」
「ああ、悩んで自分が納得する結果出せばいいじゃん」


 陽気に微笑むお兄ちゃんの笑顔が翔の笑顔と重なった。
 これはもしや、とわたしの気持ちにまた変化があらわれる。


「お兄ちゃんもね」
「えっ?!」
「告白メール、ちゃんと相手が傷つかない返信しなよ」


 実は昨日見てしまったのだけど、お兄ちゃんが五人くらいの女の人に告白されていた。
 鈍感なお兄ちゃんだからきっと真に受けて悩んでいただろうし、お兄ちゃんも頑張れればいいな。


「じゃあ、おやすみ」
「うえ、あ、はい。おやすみなさい……え」


 お兄ちゃんの気持ちをあやふやにさせたまま、わたしはベッドへ向かった。


     ×


 携帯の時刻を見つめながらため息を吐く。
 待ち合わせは七時十分の予定なのに、思わず十分も早く来てしまった。
 デートでもないのに、こんなに早く来てる自分が恥ずかしくなってきた。

 この時間帯に登校する生徒に顔を見られないように、コンビニ前の隅に隠れて顔を隠すように俯く。
 すると、突然後ろから肩を叩かれた。


「きゃっ」
「よ、莉乃!」


 聞きなれた声に振り向くと、そこには楽しそうに笑う翔の姿があった。
 なんで、わたし十分前に来たのに。


「莉乃のことだから緊張して早く来ちゃうだろうなーって思って」
「わ、わたしは翔のことだからきっと二十分くらいにならなきゃ来ないと思った」
「寝坊したけど走ったもん」


 得意げに笑う翔に苦笑を浮かべる。
 ちゃんと返事、しなきゃな。
 もう少し、気持ちの整理に時間はかかりそうだけど。


「ねえ翔ー?」
「んー?」
「わたし、幸せだよ」
「え?」


 翔は呆然としていたが、わたしは子供っぽく笑ったままそんな翔を置いて前へ進んだ。


「わたしのことを思ってくれてる人がいて、幸せ」


 だからありがとね。
 そう言うと、翔は走って駆け寄ったあとわたしの頬にキスしてきた。

 人前だったからわたしの顔はきっと赤くなってたけど、翔が楽しそうだからいいかな。


     ‐


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