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Love the square

75ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/29(水) 21:45:27 HOST:EM117-55-68-53.emobile.ad.jp


「莉乃、ちょっと良い?」
「なあに、健人くん」


 一時間目が終わり休み時間、俺は二年校舎に行って莉乃を呼んだ。
 奈々には屋上で待っていてもらっているから、できるだけ早く屋上に戻らなければいけない。


「話したいことがあるんだ」


     ×


 ひゅう、と冷たい風が吹いた。
 屋上の扉を開けるときいつも思うけど、教室や廊下に比べて屋上は涼しい。
 そして日の当たらない日陰に奈々の姿を見つけ、俺は莉乃を連れて駆け寄った。


「……えっと、莉乃さん、ですか?」
「え? あ、はい……えと、健人くん、この子は……」


 奈々がおそるおそる莉乃に話しかけると、莉乃は戸惑ったように頷き俺を見つめた。
 俺は素直に答える。


「俺の――好きな人」


 莉乃が驚いたような表情を浮かべた。
 そりゃ昨日付き合った相手の好きな人が違う人だったら悲しいよな。


「……ごめん、莉乃のこと、好きになれなかった」


 莉乃の悲しむ顔を見れないでいて、俺は俯きながら謝ると、莉乃は明るい声で言った。


「それが健人くんの本当の思いなら、わたしは応援するよ」
「莉乃……」


 俺は思わずパッと顔をあげた。


「わたし……健人くんと付き合ったとき正直あんまり嬉しくなかった」
「は?」
「や、健人くんが嫌いってわけじゃないんだよ? ただ、なんだか無理して付き合われてるような気がして」


 莉乃が微笑むと、俺も思わず表情が緩んでしまう。
 隣にいた奈々も、どうやらほっとしているようだ。


「だから、はっきり言ってくれてありがと」
「莉乃、あのさ……八時の路地裏俺もう行かないほうがいいかな」
「健人くんが来たくないならいいよ、わたしは大丈夫だから……ね?」


 来たくないわけじゃない。
 でも、奈々を見捨てることもできない。
 そう悩んだとき、突然屋上のドアが開いた。


「健人の代わりに俺が行く!」
「翔……」


 思いがけぬ翔の登場に思わず動揺してしまう。
 どうやら話を全て聞いていたようだ。


「健人はもう莉乃のこと好きじゃないし別れたんだから、俺が好きにしていいよな?」
「翔、でも」


 俺が翔の名前を呼んだ瞬間、翔は真剣な顔をして俺に向き合った。


「お前は奈々だけ見て、奈々を大切にしてればそれでいーんだよ」
「……翔はそれでいいのか?」
「人に聞かなきゃわからないような中途半端な気持ちなら奈々と別れろ。莉乃にも近づくな」


 翔にそう吐き捨てられて。



 俺は自分が情けないと思った。


     ‐


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