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Love the square

39ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/08/19(日) 19:55:04 HOST:EM117-55-68-168.emobile.ad.jp


「……莉乃、翔と知り合いなのか?」


 翔が去って数分後、沈黙した空気をどうにかしようと俺がさりげなくサラリと聞いてみた。
 すると莉乃は頬を赤らめて、それでも寂しそうにポツリとつぶやく。


「わたしの好きな人……なの」
「…………そっか」


 俺は間をあけて小さくうなずいた。
 だめだ、翔が相手じゃ勝ち目なんてない。


「なになに? さっきの早食いくんが翔っていう子?」


 美鬼先生が楽しそうに笑いながら聞いてきた。
 俺はなんだかどうでもよくなってきて、無気力に近い感じで答える。


「はい、そうです」
「……少なくとも顔は健人くんのほうが好みよアタシ」


 美鬼先生なりに励ましてくれてるのだろうか。
 嬉しいという感情ではなかったが、嫌な気持ちにもならなかったから作り笑いを浮かべる。


「ありがとうございます。けど……翔には敵わないッスよ」


 それにもし翔に勝ったとしても。
 莉乃の一番にはなれないから。


「健人くん、元気出して? どうせなら個人授業でもっ」
「――いいッスよ」
「え……?」


 自分から言ったくせに、驚いている美鬼先生。


「お仕置きの個人授業、美鬼先生が望むなら」
「…………いいわ、慰めてあげる」


 美鬼先生はくすりと優しく微笑んだが、その笑顔には裏があったような気がする。
 心配そうに俺をみつめる莉乃に、俺は一度微笑んだ。


「翔のこと、がんばれよ。……翔、彼女と別れたから」
「え、どうして……」
「俺のもう一人の幼馴染の奈々が好きなんだってさ」


 莉乃が幸せになれたらそれでいい。
 そう思い聞かせて、俺はさっそく個人授業を始めようとしていた美鬼先生の後をついていくために音楽室を出た。
 そのあと音楽室で音楽の先生と莉乃が話していたようにも思えるけれど、俺には関係ないことだ。


「……先生、ごめん」


 利用するようなこと言って。
 俺はポツリと謝ったが、美鬼先生は何も知らないフリをして微笑んだ。


「何のことかしら? 今更サボったことを謝ったって個人授業は取り消せないわよ?」
「――取り消しなんてしなくていいです……莉乃のこと忘れられるくらい刺激強いのでいいからッ……」
「もう何も言わなくていいから――アタシが楽にしてあげるから」


 ――莉乃、




 さよなら。



     ‐


 さよならっていうのは死んじゃったみたいなシリアスじゃないんで!!!←


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